JP2023144260A - 繰出容器 - Google Patents

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Akinori Suzuki
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Abstract

【課題】中皿部を安定且つスムーズな作動させること。【解決手段】可動筒部51の内周面に沿って所定の周幅で螺旋状に延びるように形成され、螺旋溝内に係合する係合ねじ部54を備えた繰出容器であって、係合ねじ部のねじ山のうち下方を向いたフランク62には、ねじ山の頂部63に亘って上方に向けて窪むカット面65が形成され、カット面は、係合ねじ部のうち始端と終端61との間の周方向中間部に形成されている繰出容器を提供する。【選択図】図8

Description

本発明は、繰出容器に関する。
この種の繰出容器として、例えば下記特許文献1には、内容物を保持する中皿部と、操作筒部と、中皿部を径方向外側から囲うスリーブと、スリーブに対する容器軸回りの回転が規制された回動規制軸と、中皿部に一体に形成された係合筒部と、第1螺旋溝が形成された螺旋筒部と、第2螺旋溝が形成された柱状部と、を備えた繰出容器が知られている。
螺旋筒部は、係合筒部に対する容器軸回りの回転が規制されている。柱状部は、螺旋筒部の径方向内側に位置し、操作筒部に対する容器軸回りの回転が規制されている。さらに係合筒部の下端部における内周面には、第1螺旋溝に係合する第1係合部が形成されている。螺旋筒部の内周面には、第2螺旋溝内に係合する第2係合部が形成されている。
このように構成された繰出容器によれば、スリーブと操作筒部とを容器軸回りに相対回転させることで、第1螺旋溝と第1係合部とが係合する第1動作、或いは第2螺旋溝と第2係合部とが係合する第2動作を行わせることができる。従って、二重螺旋を利用して、中皿部を上昇させることができる。これにより、内容物を上方に繰り出すことができ、内容物を使用することが可能となる。
特開2021-54486号公報
上記従来の繰出容器において、第1係合部及び第2係合部のそれぞれは、中皿部の繰り上げ(上昇)及び繰り下げ(下降)を行う際に、第1螺旋溝及び第2螺旋溝に沿ってスムーズに移動することが重要とされている。特に、中皿部における係合筒部に形成された第2係合部は、第2螺旋溝に沿って移動する機能に加え、中皿部の最上昇位置を規制する機能も担っている。
このような背景のもと、繰出容器の各構成部材は、主に合成樹脂材料によって射出成形された成形品とされている。そのため、第2係合部が形成された係合筒部を含む中皿部についても、成形用金型を利用した成形品とされている。
中皿部を射出成形する場合には、中皿部の外形形状を成形するための第1成形用金型(雌型)と、中皿部の内側形状を成形するための第2成形用金型(雄型)、を主に利用している。第2成形用金型の一部は、係合筒部の内側に配置される、いわゆる入れ子(コア)として機能する。そして、第1成形用金型と第2成形用金型との間に形成されたキャビティ内に射出した溶融樹脂を固化させることで、中皿部の全体を形成している。
しかしながら、第1成形用金型と第2成形用金型とを離型する際、特に係合筒部の内側から第2成形用金型を引き抜く(コア抜き)際、第2成形用金型は、係合筒部を径方向の外側に拡径変形させながら、第2係合部に対して摺動しながら乗り越えるように抜け出る。この際、第2成形用金型が、第2係合部の一部に引っ掛かり易く、第2係合部の一部が下方に垂れるように凸状に変形するマクレ(いわゆるねじ山マクレ)が生じ易かった。
この場合には、凸状のマクレによって、第2螺旋溝に沿った第2係合部の移動を抑制してしまい、中皿部の安定且つスムーズな作動が妨げられてしまう。さらに、中皿部を最上昇位置に安定して規制することが難しくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、中皿部を安定且つスムーズな作動させることができる繰出容器を提供することである。
(1)本発明に係る繰出容器は、容器軸回りに回転可能な操作筒部と、前記容器軸回りに延びる螺旋溝が形成された螺旋軸を有し、前記操作筒部に対する前記容器軸回りの回転が規制された状態で前記操作筒部に固定される繰出部材と、前記螺旋軸を径方向の外側から囲むと共に、前記操作筒部よりも上方に向けて延び、且つ前記螺旋軸に対して前記容器軸回りに回転可能に設けられたスリーブと、前記スリーブの内側に配置されると共に、前記スリーブに対して上下方向に移動可能に配置された中皿部と、を備え、前記中皿部は、内容物を保持する中皿本体と、前記中皿本体から下方に向けて延びると共に前記螺旋軸を径方向の外側から囲み、且つ前記スリーブに対する前記容器軸回りの回転が規制された可動筒部と、前記可動筒部の内周面から径方向の内側に向けて突出すると共に、前記可動筒部の内周面に沿って所定の周幅で螺旋状に延びるように形成され、前記螺旋溝内に係合する係合ねじ部と、を備え、前記係合ねじ部のねじ山のうち下方を向いたフランクには、前記ねじ山の頂部に亘って上方に向けて窪むカット面が形成され、前記カット面は、前記係合ねじ部のうち、周方向の一方側に位置する始端と周方向の他方側に位置する終端との間の周方向中間部に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る繰出容器によれば、操作筒部とスリーブとを容器軸回りに相対回転させることで、操作部材に対して回転規制された繰出部材と、スリーブに対して回転規制された中皿部とを容器軸回りに相対回転させることができる。これにより、繰出部材における螺旋軸の螺旋溝に係合している可動筒部の係合ねじ部を、螺旋溝に沿って移動させることができる。これにより、中皿部の全体を上方移動させることができ、内容物をスリーブよりも上方に繰り出すことができる。その結果、内容物を使用することができる。
なお、内容物の使用後、操作筒部とスリーブとを容器軸回りに相対的に逆回転させることで、上述した逆の動作によって中皿部を下方移動させることができ、内容物をスリーブ内に収容することができる。
特に、螺旋溝に係合する係合ねじ部のねじ山のうち、下方を向いたフランク(下面)にはねじ山の頂部に亘って上方に向けてカット面が形成されている。しかも、このカット面は、係合ねじ部のうち始端と終端との間の周方向中間部に形成されている。
係合ねじ部の周方向中間部は、可動筒部の内周面から径方向内側に向けた突出量が多くて肉厚であるうえ、始端及び終端から周方向に離れているので、上下方向に変形等が生じ易い。そのため、中皿部の全体を射出成形した後、成形用金型の離型をする際に、係合ねじ部の周方向中間部は、成形用金型の引き抜きに起因して凸状にマクレが生じ易くなってしまう。
しかしながら、係合ねじ部の周方向中間部に上記カット面を形成しているので、成形用金型の引き抜き時、成形用金型が係合ねじ部の周方向中間部に対して摺動しながら乗り越えたとしても、成形用金型の一部がカット面によって引っ掛かり難くなる。従って、抵抗少なく成形用金型を引き抜くことができ、係合ねじ部の周方向中間部に凸状のマクレが生じることを抑制することができる。
従って、螺旋溝に沿って係合ねじ部を抵抗少なく滑らかに移動させることができ、中皿部を安定且つスムーズに作動(上下移動)させることができる。従って、操作性に優れた繰出容器とすることができる。
(2)前記カット面は、前記係合ねじ部よりも径方向の内側に位置し、且つ前記係合ねじ部よりも下方に位置する仮想点を中心として、所定の半径を有する仮想円に沿って球面状に窪むように形成され、さらに前記カット面は、前記容器軸方向から見た平面視で、所定の周幅で周方向に延びるように形成されても良い。
この場合には、カット面を球面状に窪む凹球面状に形成しながら、所定の周幅で周方向に延びるように形成しているので、成形用金型がさらにカット面に引っ掛かり難く、さらに抵抗少なく成形用金型を引き抜くことができる。従って、係合ねじ部の周方向中間部に凸状のマクレが生じることを効果的に抑制することができる。
(3)前記係合ねじ部は、前記可動筒部の内周面に、一定の間隔をあけて周方向に間欠的に並ぶように一対形成され、前記カット面は、前記容器軸方向から見た平面視で、周方向に隣り合う一対の前記係合ねじ部の間に位置する間欠領域の周方向中央部から、前記容器軸を中心として周方向に70度~110度の範囲内の角度分離れた位置を中心として形成されても良い。
この場合には、螺旋溝に沿って一対の係合ねじ部を移動させることができるので、がたつき少なく、さらに安定して中皿部を上下移動させることができる。従って、内容物をよりスムーズに繰り出すことができ、使用し易い。
さらにカット面は、容器軸方向から見た平面視で、周方向に隣り合う一対の係合ねじ部の間に位置する間欠領域の周方向中央部から容器軸を中心として周方向に70度~110度の範囲内の角度分離れた位置を中心に形成されている。この位置は、成形用金型を引き抜く際、特に引っ掛かり等によって凸状のマクレが生じ易い部分である。従って、この位置にカット面が形成されているため、係合ねじ部を一対形成した場合であっても、係合ねじ部に凸条のマクレが生じることを抑制することができる。
本発明によれば、中皿部を安定且つスムーズな作動させることができる繰出容器を提供することができる。
本発明に係る繰出容器の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す中皿部を上昇させた状態を示す半縦断面図である。 図1に示す外装体の底壁を上方から見た平面図である。 図1に示す繰出部材を下方から見た平面図である。 図1に示す可動スリーブの半縦断面図である。 図5に示す可動スリーブの上面図である。 図1に示す中皿部の半縦断面図である。 図1に示す中皿部の半縦断面図である。 図7に示す中皿部の下面図である。 図9に示すA-A線に沿った断面図である。
以下、本発明に係る繰出容器の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の繰出容器1は、容器軸O回りに回転可能な操作筒部2と、操作筒部2に固定される繰出部材3と、容器軸O回りに回転可能に設けられたスリーブ4と、図示しない内容物を保持する中皿部5と、有頂筒状のキャップ6とを備えている。
なお、内容物としては、特に限定されるものではないが、例えば化粧料(口紅やリップクリーム、スティックアイシャドー等)や薬剤、糊等の棒状内容物が挙げられる。ただし、内容物は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
本実施形態では、操作筒部2の中心を通る軸線を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。さらに容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
さらに、繰出容器1のうち、上下方向におけるキャップ6の図示しない頂壁側を上方といい、その反対側を下方という。さらに、周方向のうち内容物を上昇させる方向を繰出方向という。
本実施形態の繰出容器1は、操作筒部2とスリーブ4とを容器軸O回りに相対的に回転操作することで、図2に示すように、中皿部5を上方移動させることができ、内容物を上昇させて繰り出すことが可能とされている。
(操作筒部)
図1に示すように、操作筒部2は、繰出容器1における外装部分を構成している。本実施形態の操作筒部2は、容器軸Oと同軸に配置された有底筒状の外装体10と、外装体10の内側に組み合わされた中具20と、を備えている。
外装体10は、容器軸Oを中心として円筒状に形成された周壁11と、周壁11の下端開口部を閉塞する底壁12とを備えている。
図1及び図3に示すように、底壁12には、上方に向けて延びる嵌合筒13が容器軸Oと同軸に配置されるように形成されている。嵌合筒13の上端部には、上下方向に延びると共に嵌合筒13を径方向に貫通するスリット14が形成されている。図示の例では、スリット14は、周方向に間隔をあけて複数配置されていると共に、上方に開口するように形成されている。
なお、図3において、容器軸O方向から見た平面視で、径方向に直交する2方向のうちの一方向を第1方向L1と定義し、他方向を第2方向L2と定義する。
図示の例では、スリット14は、周方向に間隔をあけて4つ形成されている。具体的には、4つのスリット14は、第1方向L1の一方側の領域内で周方向に隣り合う2つのスリット14aと、第1方向L1の他方側の領域内で周方向に隣り合う2つのスリット14bとで構成されている。
なお、周方向に隣り合う2つのスリット14a同士、及び周方向に隣り合うスリット14b同士の間隔は、周方向に隣り合うスリット14a、14b同士の間隔よりも狭くなるように形成されている。
嵌合筒13のうち、周方向に隣り合う4つのスリット14同士の間に位置する部分は、舌片部15を構成している。これら舌片部15は、径方向に弾性変形可能に形成されている。
舌片部15は、2つのスリット14a同士、及び2つのスリット14b同士の間に位置する第1舌片部15aと、スリット14a、14b同士の間に位置する第2舌片部15bと、を含んでいる。
従って、第1舌片部15aは、容器軸Oを挟んで第1方向L1に向かい合うように配置されている。第2舌片部15bは、容器軸Oを挟んで第2方向L2に向かい合うように配置されている。なお、第1舌片部15aにおける周幅は、第2舌片部15bにおける周幅よりも狭く形成されている。
ただし、各スリット14同士の間隔及び舌片部15の周幅は、適宜変更して構わない。さらに、スリット14は、必須の構成ではなく、具備しなくても構わない。
第1舌片部15aには、径方向の内側に向けて突出した第1係合部16が形成されている。第1係合部16は、例えば上下方向に延びる縦リブとされている。
第2舌片部15bの上端部には、径方向の外側に向けて突出した第1係止突起17が形成されている。第1係止突起17は、第2舌片部15bにおける周方向の全長に亘って延びている。なお、第1係止突起17は、第1舌片部15aに形成されていても構わない。
図1に示すように、中具20は、外装体10の内側に配置された円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。
中具20は、外装体10の周壁11の内側に嵌合され、外装体10に一体に組み合わされている。中具20は、周壁11の上端部の内側に嵌合されていると共に、周壁11よりも上方に突出するように形成されている。さらに中具20は、径方向の外側に向けて突出した環状の鍔部21を有している。鍔部21は、周壁11の上端開口縁上に上方から接触している。
これにより、中具20は、鍔部21によって外装体10に対する上下方向の位置決めがされた状態で、外装体10に対して一体に組み合わされている。
(繰出部材)
繰出部材3は、容器軸Oと同軸に配置された螺旋軸30を有し、操作筒部2に対する容器軸O回りの回転が規制された状態で操作筒部2に組み合わされている。
繰出部材3は、外装体10における底壁12上に載置されていると共に周壁11の内側に配置され、中皿部5の全体を上下動可能に支持している。繰出部材3は、内側螺旋軸32を有する繰出本体31と、内側螺旋軸32を径方向の外側から囲む外側螺旋軸33と、を備えている。
なお、内側螺旋軸32及び外側螺旋軸33は、繰出部材3としての上記螺旋軸30を構成する。
繰出本体31は、外装体10に対して周方向に回転不能に組み合わされている。具体的には、繰出本体31は、図1及び図4に示すように、外側連結筒35と、台座部36と、内側螺旋軸32と、内側連結筒37と、を備えている。
外側連結筒35は、外装体10の嵌合筒13を径方向の外側から囲む円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。外側連結筒35の内側には、径方向の内側に向けて突出した第2係止突起38が形成されている。図示の例では、第2係止突起38は、外側連結筒35の内周面に全周に亘って形成されている。第2係止突起38は、外装体10の嵌合筒13に形成された第1係止突起17に対して下方から係止されている。
これにより、外側連結筒35は、嵌合筒13に対してアンダーカット嵌合されている。そのため、繰出部材3の全体は、上方への抜け止めがされた状態で外装体10に組み合わされている。
外側連結筒35の下端部には、径方向の外側に向けて突出する環状の張出部39が形成されている。外側連結筒35の上端部の外周面には、周溝35aが形成されている。周溝35aは、径方向の外側に向けて開口していると共に、外側連結筒35の全周に亘って延びている。
図1に示すように、周溝35aの内側には、摺動リング34が埋め込まれるように設けられている。摺動リング34は、周溝35aの全周に亘って設けられている。
摺動リング34は、繰出本体31の材質、例えばポリプロピレン(PP)等よりも軟材質であって、繰出本体31よりも弾性率が高く、且つ繰出本体31よりも摩擦係数の高い材質によって形成されている。摺動リング34は、例えばエラストマ等の熱可塑性樹脂を繰出本体31と共に二色成形することで、周溝35aの内側に固着されている。
ただし摺動リング34は、二色成形によって形成する場合に限定されるものではない。例えば、摺動リング34は、ニトリルゴム、ブチルゴム、或いはシリコンゴム等をインサート品として、繰出本体31にインサート成形することによって、周溝35aの内側に固着しても構わない。さらに摺動リング34は、スリーブ4と外装体10の周壁11との間に介在していてもよい。
台座部36は、円環状に形成されていると共に、外側連結筒35の上方に容器軸Oと同軸に配置されている。台座部36は、外周縁部が外側連結筒35よりも径方向の外側に向けて突出し、且つ内周縁部が内側連結筒37よりも径方向の内側に向けて突出するように形成されている。
外側連結筒35の上端部及び内側連結筒37の上端部は、台座部36に一体に形成されている。なお、台座部36の下面は、嵌合筒13の上端縁に対して近接している。なお、台座部36の下面は、嵌合筒13の上端縁に対して当接しても構わない。
図1及び図4に示すように、内側連結筒37は、円筒状に形成され、外装体10の嵌合筒13よりも径方向の内側に配置されていると共に、容器軸Oと同軸に配置されている。内側連結筒37には、径方向の外側に向けて突出した第2係合部37aが形成されている。
第2係合部37aは、上下方向に延びる縦リブとされている。第2係合部37aは、内側連結筒37の外周面に周方向に間隔をあけて複数形成され、例えばローレット状に設けられている。
なお、第2係合部37aの数は、嵌合筒13に形成された第1係合部16の数よりも多い。そのため、外側連結筒35の内側に嵌合筒13が嵌合された状態において、第1係合部16は周方向に隣り合う第2係合部37a同士の間に配置される。そのため、第1係合部16と第2係合部37aとは、互いに周方向に係合される。
これにより、繰出部材3の全体は、操作筒部2に対する相対回転が規制された状態で組み合わされている。
図1に示すように、内側螺旋軸32は、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成され、台座部36の内周縁部から上方に向かって延びている。内側螺旋軸32の外周面には、容器軸O回りに延びる内側螺旋溝(螺旋溝)32aが形成されている。具体的には、内側螺旋溝32aは、繰出方向に向かうに従い上方に向けて螺旋状に延びている。
本実施形態において、内側螺旋溝32aは、二条形成されている。ただし、内側螺旋溝32aは、この場合にされるものではなく、一条、或いは三条以上であっても構わない。
外側螺旋軸33は、内側螺旋軸32を全長に亘って径方向の外側から囲む筒状に形成されている。外側螺旋軸33の下端部には、径方向の内側に向けて突出する第1係合ねじ部33aが形成されている。
第1係合ねじ部33aは、例えば間欠ねじ部とされ、内側螺旋溝32a内に係合されている。これにより、外側螺旋軸33は、内側螺旋軸32に対する周方向の回転に伴って、第1係合ねじ部33aが内側螺旋溝32a内を螺旋状に移動することで、内側螺旋軸32に対して上下動可能とされている。
本実施形態では、第1係合ねじ部33aは、内側螺旋溝32aの条数(二条)に対応して、周方向に間隔をあけて2つ設けられている。
外側螺旋軸33の外周面には、容器軸O回りに延びる外側螺旋溝33bが形成されている。具体的には、外側螺旋溝33bは、繰出方向に向かうに従い上方に向けて螺旋状に延びている。なお、外側螺旋溝33bは、内側螺旋溝32aと同様に二条形成されている。
ただし、外側螺旋溝33bは、この場合に限定されるものではなく、一条或いは三条以上に形成されていても構わない。
(スリーブ)
図1に示すように、スリーブ4は、螺旋軸30(内側螺旋軸32、外側螺旋軸33)を径方向の外側から囲むと共に、操作筒部2よりも上方に向けて延び、且つ螺旋軸30(内側螺旋軸32、外側螺旋軸33)に対して容器軸O回りに回転可能に設けられている。
スリーブ4は、操作筒部2の内側に配置され、操作筒部2に対しても相対回転可能に配置されている。スリーブ4は、スリーブ本体40と、スリーブ本体40よりも径方向の内側に配置された可動スリーブ45と、を備えた二重筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。
スリーブ本体40は、中具20の内側に配置されると共に、操作筒部2における外装体10の内側に挿入されている。スリーブ本体40のうち、外装体10の内側に挿入された部分は、台座部36及び摺動リング34を径方向の外側から囲んでいる。さらに、スリーブ本体40の下端縁は、繰出部材3の張出部39に対して上方から接触している。これにより、スリーブ本体40は、張出部39によって下方から支持されている。
スリーブ本体40の上端縁は、操作筒部2及び中具20よりも上方に配置されていると共に、例えば容器軸Oに対して傾斜している。なお、スリーブ本体40は、合成樹脂材料で形成しても構わないし、金属材料等によって形成しても構わない。
スリーブ本体40には、下突部41及び上突部42が形成されている。
下突部41は、スリーブ本体40の下端部から径方向の内側に向けて突出するように形成されている。図示の例では、下突部41は、径方向に内側に向けて半球状に突出するように形成されている。下突部41の一部は、周溝35a内に固着された摺動リング34に対して径方向の外側から密に接触している。これにより、スリーブ本体40は、摺動リング34との摩擦抵抗等によって操作筒部2に対する上下方向への移動が規制された状態で、容器軸O回りに回転可能に繰出本体31に支持されている。
上突部42は、スリーブ本体40のうち中具20の内側に位置する部分から径方向の内側に向けて突出するように形成されている。図示の例では、上突部42は、径方向に内側に向けて半球状に突出するように形成されている。
可動スリーブ45は、スリーブ本体40に対して相対回転が規制された状態で、スリーブ本体40に対して上下動可能に組み合わされている。可動スリーブ45は、後述する中皿部5の可動筒部51を径方向の外側から囲む円筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。可動スリーブ45の上下方向に沿った全長は、スリーブ本体40の全長よりも短い。
可動スリーブ45は、図1に示す最下降位置にあるときに、台座部36の外周縁部に対して上方から近接又は当接している。さらに可動スリーブ45の上端部は、上突部42よりも上方に配置されている。
図1、図5及び図6に示すように、可動スリーブ45の外周面には、径方向の内側に向かって凹むと共に、上方に開口した第1規制溝46が形成されている。第1規制溝46は、可動スリーブ45の外周面のうち、上突部42と径方向に向かい合う部分に上下方向に延びるように形成されている。さらに、第1規制溝46は、容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対形成されている。
このように構成された第1規制溝46内には、上突部42が径方向の外側から収容されている。これにより、可動スリーブ45は、第1規制溝46を利用して上突部42の周方向への移動を規制しつつ、上下方向への移動を案内する。
なお、第1規制溝46は、上方に向けて開口しているが、下方に向けて非開口とされている。従って、可動スリーブ45が上方移動した際、上突部42が第1規制溝46の下端面に上方から当接する。これにより、上突部42が第1規制溝46内から脱落することを規制することが可能とされている(図2参照)。
可動スリーブ45の上端部には、径方向の内側に向けて突出する第1ストッパ突部47が形成されている。図示の例では、第1ストッパ突部47は、平面視円弧状となるように周方向に延びるように形成されている。
さらに、可動スリーブ45の内周面には、径方向の外側に向けて凹むと共に、上下方向に開口した縦長の第2規制溝48が形成されている。第2規制溝48は、容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対形成されている。なお、第2規制溝48は、例えば容器軸O方向から見た平面視で、容器軸Oを中心として第1規制溝46から周方向に90度離間した位置に形成されている。
(中皿部)
図1、図7及び図8に示すように、中皿部5は、スリーブ4の内側に、スリーブ4に対して上下方向に移動可能に配置されている。中皿部5は、中皿本体50と、中皿本体50から下方に向けて延びる可動筒部51と、を備えている。
中皿本体50は、有底筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。中皿本体50は、スリーブ本体40の内側に配置されていると共に、螺旋軸30(外側螺旋軸33、内側螺旋軸32)の上方に位置するように配置されている。中皿本体50の内側には、内容物が充填される。なお、内容物は、中皿本体50よりも上方に突出した状態で充填される。
可動筒部51は、中皿本体50の底壁から下方に向けて延びる円筒状に形成され、外側螺旋軸33と可動スリーブ45との間に配置されている。これにより、可動筒部51は、外側螺旋軸33を径方向の外側から囲んだ状態で、可動スリーブ45の内側に挿入されている。なお、可動筒部51の下端部は、繰出部材3における台座部36に対して上方から接触或いは近接している。
可動筒部51の外周面には、径方向の外側に向けて突出する規制リブ52が形成されている。規制リブ52は、可動筒部51のほぼ全長に亘って上下方向に延びる縦リブとされ、容器軸Oを挟んで向かい合うように一対形成されている。
規制リブ52は、可動スリーブ45に形成された第2規制溝48内に径方向の内側から収容され、第2規制溝48に対して周方向に係止している。これにより、可動筒部51は、可動スリーブ45に対する上下移動が許容された状態で、可動スリーブ45に対する相対回転が規制されている。
従って、中皿部5の全体は、スリーブ4に対する容器軸O回りの回転が規制された状態で、上下方向に移動可能とされている。
さらに可動筒部51の下端部には、径方向の外側に向けて突出する第2ストッパ突部53が形成されている。第2ストッパ突部53は、可動スリーブ45に形成された第1ストッパ突部47に対して上下方向に向かい合う位置に形成されている。
図2に示すように、中皿部5が最上昇位置に達した際、第2ストッパ突部53は第1ストッパ突部47に対して下方から近接する位置に接近する(図2参照)。これにより、中皿部5が最上昇位置を超えて上昇することを防止する役割を担っている。
さらに可動筒部51の下端部の内周面には、径方向の内側に向けて突出する第2係合ねじ部(本発明に係る係合ねじ部)54が形成されている。
図1、図8及び図9に示すように、第2係合ねじ部54は、可動筒部51の内周面に沿って所定の周幅で容器軸O回りに延びる間欠ねじ部とされ、外側螺旋溝33b内に収容されている。これにより、可動筒部51は、外側螺旋軸33に対する回転に伴って、第2係合ねじ部54が外側螺旋溝33b内を螺旋状に移動することで、外側螺旋軸33に対して上下移動する。
本実施形態では、第2係合ねじ部54は、外側螺旋溝33bの条数(二条)に対応して、周方向の一定の間隔をあけて間欠的に並ぶように2つ(一対)設けられている。
第2係合ねじ部54については、後に詳細に説明する。
図7~図9に示すように、可動筒部51には、該可動筒部51を径方向に貫通するスリット溝55が形成されている。スリット溝55は、上下方向に延びる縦長に形成されていると共に、下方に開口するように形成されている。スリット溝55は、容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように一対形成されている。具体的には、スリット溝55は、容器軸O方向から見た平面視で、規制リブ52に対して容器軸Oを中心として90度離間する位置に形成されている。
これにより、可動筒部51は、スリット溝55によって周方向に2分割された状態となり、成形用金型を離型する際に、径方向の外側に向けて弾性変形し易く形成されている。これにより、可動筒部51の内側に配置される成形用金型を引き抜き易い設計とされている。
(キャップ)
図1に示すように、キャップ6は、有頂筒状に形成され、容器軸Oと同軸に配置されている。キャップ6は、中具20のうち鍔部21よりも上方に位置する部分に着脱可能に装着される。これにより、キャップ6は、スリーブ本体40を上方から覆うように中具20に装着される。
(第2係合ねじ部)
上述のように構成された繰出容器1において、中皿部5に形成された第2係合ねじ部54について詳細に説明する。
図1に示すように、第2係合ねじ部54を含む中皿部5は、図示しない成形用金型を利用して射出成形により成形された成形品とされている。従って、中皿部5の全体は、合成樹脂製とされている。
図8及び図9に示すように、2つの第2係合ねじ部54は、可動筒部51の内周面のうちスリット溝55を除いた部分に、容器軸Oを挟んで径方向に向かい合うように形成されている。第2係合ねじ部54は、外側螺旋溝33bの螺旋に沿うように、周方向に延びながら傾斜している。第2係合ねじ部54のうち、周方向の一端側に位置する部分は、径方向の内側に向けた突出量が小さい始端60とされている。第2係合ねじ部54のうち、周方向の他方側に位置する部分は、径方向の内側に向けた突出量が始端60よりも大きい終端61とされている。なお、終端61における端面は、容器軸O方向から見た平面視で径方向に平行な平坦なストッパ面61aとされている。
ストッパ面61aは、図2に示すように、繰出部材3によって中皿部5を最上昇位置に移動させたときに、外側螺旋溝33bの終端部に接触して、それ以上の中皿部5の上昇を規制する役割を担っている。
上述のように第2係合ねじ部54は、始端60から終端61に亘って外側螺旋溝33bの螺旋に沿うように、周方向に延びながら傾斜している。さらに図8~図10に示すように、第2係合ねじ部54のねじ山のうち下方を向いたフランク62には、ねじ山の頂部63に亘って上方に向けて窪むカット面65が形成されている。
カット面65は、容器軸O方向から見た平面視で、第2係合ねじ部54のうち、始端60と終端61との間に位置する周方向中間部に形成されていると共に、所定の周幅で周方向に延びるように形成されている。
具合的には、図10に示すように、カット面65は、第2係合ねじ部54よりも径方向の内側に位置し、且つ第2係合ねじ部54よりも下方に位置する仮想点Cを中心として、所定の半径Rを有する仮想円Sに沿って球面状に窪む凹球面状に形成されている。なお、図10に示す二点鎖線は、カット面65を形成しない場合の第2係合ねじ部54の外形形状を参考として図示している。
さらにカット面65は、図9に示すように、容器軸O方向から見た平面視で、周方向に隣り合う第2係合ねじ部54の間に位置する間欠領域Eの周方向中央部Pから、容器軸Oを中心として周方向に70~110度の範囲内の角度θ1、θ2分離れた位置を中心に形成されている。
図示の例では、一方のカット面65は、間欠領域Eの周方向中央部Pから、容器軸Oを中心として周方向に略80度の角度θ1分離れた位置を中心に形成されている。他方のカット面65は、間欠領域Eの周方向中央部Pから、容器軸Oを中心として周方向に略100度の角度θ2分離れた位置を中心に形成されている。ただし、この場合に限定されるものではない。
さらに、両方のカット面65は、間欠領域Eの周方向中央部Pから、容器軸Oを中心として周方向に略90度の角度分離れた位置を中心に形成されていることが好ましい。
(繰出容器の作用)
次に、上述のように構成された繰出容器1の作用について説明する。
繰出容器1を使用する際にあたって、図1に示すキャップ6を操作筒部2から取り外す。次いで、スリーブ本体40及び操作筒部2の外装体10をそれぞれ把持し、スリーブ本体40及び操作筒部2を、容器軸O回りに繰出方向に相対回転させる。
この際、中具20及び繰出本体31は、外装体10にそれぞれ相対回転不能に組み合わされているため、外装体10と共に、中具20及び繰出本体31を一体的に回転させることができる。さらに、スリーブ本体40と可動スリーブ45とが相対回転不能に組み合わされ、且つ可動スリーブ45と中皿部5の可動筒部51とが相対回転不能に組み合わされている。これにより、スリーブ本体40と共に中皿部5の全体を一体的に回転させることができる。
従って、繰出部材3における外側螺旋軸33の外側螺旋溝33bに係合(収容)されている可動筒部51の第2係合ねじ部54を、外側螺旋溝33bに沿って移動させることができる。これにより、図2に示すように、中皿部5の全体を上方移動させることができ、内容物をスリーブ本体40よりも上方に繰り出すことができる。
この点について、詳細に説明する。
操作筒部2及びスリーブ本体40を相対回転させた場合、内側螺旋軸32及び外側螺旋軸33が一体となって可動筒部51に対して回転する動作、或いは内側螺旋軸32が外側螺旋軸33に対して回転する動作の少なくとも一方の動作が生じる。
内側螺旋軸32及び外側螺旋軸33が一体となって可動筒部51に対して回転する場合には、第2係合ねじ部54が外側螺旋溝33b内に係合した状態で、外側螺旋溝33b内を螺旋状に移動する。これにより、可動筒部51を含む中皿部5の全体を繰出部材3に対して上方移動させることができる。
このように、内側螺旋軸32及び外側螺旋軸33と、可動筒部51とが繰出方向に相対回転することで中皿部5が上方移動する動作を、本実施形態では「第1動作」と称する。
これに対して内側螺旋軸32が外側螺旋軸33に対して回転する場合には、第1係合ねじ部33aが内側螺旋溝32a内に係合した状態で、内側螺旋溝32a内を螺旋状に移動することで、外側螺旋軸33が内側螺旋軸32に対して上昇する。このとき、外側螺旋溝33bを介して第2係合ねじ部54が押し上げられることで、中皿部5の全体が外側螺旋軸33と共に上方移動する。
このように、内側螺旋軸32と外側螺旋軸33とが繰出方向に相対回転することで、中皿部5が外側螺旋軸33と共に上方移動する動作を、本実施形態では「第2動作」と称する。
従って、図2に示すように、操作筒部2及びスリーブ本体40を繰出方向に相対回転させた場合には、第1動作及び第2動作の少なくとも一方の動作によって、中皿部5を上方移動させることができる。その結果、内容物をスリーブ本体40よりも上方に繰り出すことができ、内容物を使用することができる。
なお、第1動作及び第2動作のうちのどちらの動作が生じるかについは、各部材間の摩擦抵抗等によって変動する。ただし、第1動作或いは第2動作の何れの動作が優先的に行われる場合であっても、内容物を繰り出すことができる。従って、使用者は内容物を使用することができる。なお、第1動作及び第2動作の双方が同時に生じても良い。
第1動作又は第2動作によって中皿部5が上昇する初期段階において、中皿部5は可動スリーブ45に対して上方移動する(第1上昇過程)。
具体的には、第1上昇過程では、規制リブ52が第2規制溝48に案内される。従って、可動スリーブ45に対する中皿部5の回転を規制した状態で、中皿部5を可動スリーブ45に対して上方移動させることができる。さらに第1上昇過程において、中皿部5の第2ストッパ突部53が可動スリーブ45の第1ストッパ突部47に対して下方から接触する。これにより、可動スリーブ45に対する中皿部5の上方移動を規制することができる。
第1上昇過程の後、第1動作又は第2動作により、さらに中皿部5が上方移動する場合、第1ストッパ突部47及び第2ストッパ突部53を介して可動スリーブ45を上方に押し上げることができる。これにより、中皿部5は、可動スリーブ45と共にスリーブ本体40に対して上方移動する(第2上昇過程)。
第2上昇過程では、第1規制溝46内に上突部42が収容されている。従って、スリーブ本体40に対する可動スリーブ45の回転を規制した状態で、可動スリーブ45がスリーブ本体40に対して上方移動する。さらに第2上昇過程において、第2ねじ部の終端61のストッパ面61aが外側螺旋溝33bに接触して、それ以上の中皿部5の上昇を規制する。これにより、中皿部5を最上昇位置に位置決めすることができる。
なお、本実施形態では、第1上昇過程の後に第2上昇過程が生じる構成について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、第2上昇過程の後に第1上昇過程が生じても構わないし、第1上昇過程と第2上昇過程が同時に生じても構わない。
なお、内容物の使用後、操作筒部2とスリーブ本体40とを容器軸O回りに相対的に逆回転させることで、上述した逆の動作によって中皿部5を下方移動させることができ、内容物をスリーブ4内に収容することができる(図1参照)。
特に本実施形態の繰出容器1によれば、図9及び図10に示すように、外側螺旋溝33bに係合する第2係合ねじ部54のねじ山のうち、下方を向いたフランク62には、ねじ山の頂部63に亘って上方に向けて球面状に窪むカット面65が形成されている。しかも、カット面65は、第2係合ねじ部54のうち始端60と終端61との間の周方向中間部に所定の周幅で周方向に延びるように形成されている。
第2係合ねじ部54の周方向中間部は、可動筒部51の内周面から径方向内側に向けた突出量が多くて肉厚であるうえ、始端60及び終端61から周方向に離れているので、上下方向に変形等が生じ易い。そのため、中皿部5の全体を射出成形した後、成形用金型の離型をする際に、第2係合ねじ部54の周方向中間部は、成形用金型の引き抜きに起因して、凸状にマクレが生じ易くなってしまう。
しかしながら、本実施形態では、第2係合ねじ部54の周方向中間部にカット面65を形成しているので、成形用金型の引き抜き時、成形用金型が第2係合ねじ部54の周方向中間部に対して摺動しながら乗り越えたとしても、成形用金型の一部がカット面65によって引っ掛かり難くなる。しかも、第2係合ねじ部54が形成された可動筒部51は、スリット溝55によって径方向の外側に開くように弾性変形し易いので、上述の引っ掛かりが生じ難い。
従って、抵抗少なく成形用金型を引き抜くことができ、第2係合ねじ部54の周方向中間部に凸状のマクレが生じることを抑制することができる。
従って、外側螺旋溝33bに沿って第2係合ねじ部54を抵抗少なく滑らかに移動させることができ、中皿部5を安定且つスムーズに作動(上下移動)させることができる。従って、操作性に優れた繰出容器1とすることができる。
以上説明したように、本実施形態の繰出容器1によれば、第2係合ねじ部54に凸状のマクレが生じることを抑制できるので、中皿部5を安定且つスムーズに作動させることができ、内容物を使用し易い。
さらに、カット面65は凹球面状に形成されているので、成形用金型がさらにカット面65に引っ掛かり難く、さらに抵抗少なく成形用金型を引き抜くことができる。従って、第2係合ねじ部54の周方向中間部に凸状のマクレが生じることを効果的に抑制することができる。
それに加えて、カット面65は、容器軸O方向から見た平面視で、周方向に隣り合う第2係合ねじ部54の間に位置する間欠領域Eの周方向中央部Pから、容器軸Oを中心として周方向に70~110度の範囲内の角度θ1、θ2分離れた位置を中心に形成されている。
上記位置は、成形用金型を引き抜く際、特に引っ掛かり等によって凸状のマクレが生じ易い部分である。そのため、この位置にカット面65が形成されているため、第2係合ねじ部54に凸条のマクレが生じることをさらに効果的に抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが可能であることに加え、各実施形態における変形例を適宜組み合わせてもよい。さらに、本実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
上記実施形態では、繰出部材3が内側螺旋軸32及び外側螺旋軸33を備える構成について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、繰出部材3は、内側螺旋軸32を少なくとも有していれば良い。この場合には、第2係合ねじ部54は、内側螺旋軸32の内側螺旋溝32aに係合させれば良い。
さらに上記実施形態では、操作筒部2として外装体10及び中具20を備える構成について説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば操作筒部2は、外装体10のみを具備しても構わない。
C…仮想点
S…仮想円
E…間欠領域
1…繰出容器
2…操作筒部
3…繰出部材
4…スリーブ
5…中皿部
30…螺旋軸
33b…外側螺旋溝(螺旋溝)
50…中皿本体
51…可動筒部
54…第2係合ねじ部(係合ねじ部)
60…係合ねじ部の始端
61…係合ねじ部の終端
62…ねじ山のフランク
63…ねじ山の頂部
65…カット面

Claims (3)

  1. 容器軸回りに回転可能な操作筒部と、
    前記容器軸回りに延びる螺旋溝が形成された螺旋軸を有し、前記操作筒部に対する前記容器軸回りの回転が規制された状態で前記操作筒部に固定される繰出部材と、
    前記螺旋軸を径方向の外側から囲むと共に、前記操作筒部よりも上方に向けて延び、且つ前記螺旋軸に対して前記容器軸回りに回転可能に設けられたスリーブと、
    前記スリーブの内側に配置されると共に、前記スリーブに対して上下方向に移動可能に配置された中皿部と、を備え、
    前記中皿部は、
    内容物を保持する中皿本体と、
    前記中皿本体から下方に向けて延びると共に前記螺旋軸を径方向の外側から囲み、且つ前記スリーブに対する前記容器軸回りの回転が規制された可動筒部と、
    前記可動筒部の内周面から径方向の内側に向けて突出すると共に、前記可動筒部の内周面に沿って所定の周幅で螺旋状に延びるように形成され、前記螺旋溝内に係合する係合ねじ部と、を備え、
    前記係合ねじ部のねじ山のうち下方を向いたフランクには、前記ねじ山の頂部に亘って上方に向けて窪むカット面が形成され、
    前記カット面は、前記係合ねじ部のうち、周方向の一方側に位置する始端と周方向の他方側に位置する終端との間の周方向中間部に形成されていることを特徴とする繰出容器。
  2. 請求項1に記載の繰出容器において、
    前記カット面は、前記係合ねじ部よりも径方向の内側に位置し、且つ前記係合ねじ部よりも下方に位置する仮想点を中心として、所定の半径を有する仮想円に沿って球面状に窪むように形成され、
    さらに前記カット面は、前記容器軸方向から見た平面視で、所定の周幅で周方向に延びるように形成されている、繰出容器。
  3. 請求項1又は2に記載の繰出容器において、
    前記係合ねじ部は、前記可動筒部の内周面に、一定の間隔をあけて周方向に間欠的に並ぶように一対形成され、
    前記カット面は、前記容器軸方向から見た平面視で、周方向に隣り合う一対の前記係合ねじ部の間に位置する間欠領域の周方向中央部から、前記容器軸を中心として周方向に70度~110度の範囲内の角度分離れた位置を中心として形成されている、繰出容器。
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