JP2023143718A - 分光器、および分析システム - Google Patents

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英剛 野口
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Abstract

【課題】分光器における構成部品の位置を調整すること。【解決手段】分光器は、外部からの光を入射させる光入射手段と、前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる回折格子と、反射面を有し、当該反射面の回転軸回りに傾きが可変である反射手段と、前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、前記光入射手段、前記回折格子、および前記反射手段の少なくとも1つと、前記光出射手段と、が前記回転軸に直交する方向に位置変更が可能であり、前記光出射手段の位置は、前記光出射手段から出射される光の中心軸方向に沿って変更可能である。【選択図】図6A

Description

本発明は、分光器、および分析システムに関する。
従来、測定光を分光することにより、波長ごとの分光スペクトルが得られるようにしたいわゆる分光器が知られている。このような分光器は、資源リサイクルのためにプラスチックの材質を判別する用途等の様々な用途において使用される。
上記の分光器には、回転可能な回折格子と、回転可能な反射手段と、を有し、回折効率を向上するために回折格子を回転させた際に生じる光軸と交差する方向への光軸のずれを反射手段の回転により補正する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、分光器では、構成部品の寸法公差や組立公差に応じたばらつきが生じる場合がある。特許文献1の構成では、光軸と交差する方向への光軸のずれを補正し、分光器からの出射光の集光位置等の光軸方向へのずれは補正できない。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するため、分光器における構成部品の位置を調整することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の分光器は、外部からの光を入射させる光入射手段と、前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる回折格子と、反射面を有し、当該反射面の回転軸回りに傾きが可変である反射手段と、前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、前記光入射手段、前記回折格子、および前記反射手段の少なくとも1つと、前記光出射手段と、が前記回転軸に直交する方向に位置変更が可能であり、前記光出射手段の位置は、前記光出射手段から出射される光の中心軸方向に沿って変更可能である。
本発明によれば、分光器における構成部品の位置を調整できる。
第1実施形態に係る分光器の全体構成を例示する斜視図である。 図1の分光器におけるローランド円を説明する断面図である。 図1におけるIII-III切断線に沿った断面図である。 第1実施形態に係る位置変更のため構成を例示する図であり、図4(a)は第1例の上面図、図4(b)は第1例の正面図、図4(c)は第2例の上面図、図4(d)は第2例の正面図、図4(e)は第3例の上面図、図4(f)は第3例の正面図である。 波長λ1近傍の分光スペクトルを例示する図である。 波長λ1、λ2、λ3それぞれの近傍の分光スペクトルを例示する図である。 凹面回折格子により分光された各波長光が可動光反射部で反射する際の回折角と可動光反射部で光が反射する角度の関係例を示す図である。 凹面回折格子、可動光反射部、光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えた際に各波長の光が第2光通過部を最も高い光量で通過するときの可動光反射部の角度を示す図である。 凹面回折格子、可動光反射部および光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えた場合に各波長の光が第2光通過部を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅の値を示す図である。 凹面回折格子と光出射部の位置変更例を示す図である。 凹面回折格子における格子を例示する図である。 凹面回折格子の位置を変化させたときの出射光の集光位置変化を示す図であり、図9(a)は第1例の図、図9(b)は第2例の図、図9(c)は第3例の図である。 光入射部の位置変更例を示す図である。 可動光反射部の位置変更例を示す図である。 光入射部、凹面回折格子、可動光反射部、光出射部の各位置の変更例を示す図である。 凹面回折格子の角度調整機構の一例を示す断面図である。 凹面回折格子の角度調整機構の一例を示す下面図である。 凹面回折格子の角度調整機構の他の例を示す断面図である。 凹面回折格子の角度調整機構の他の例を示す下面図である。 凹面回折格子、可動光反射部および光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えて凹面回折格子の位置を調整した場合の可動光反射部の角度を示す図である。 凹面回折格子、可動光反射部、光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えて光出射部の位置を調整した場合に各波長の光が第2光通過部を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅値を示す図である。 凹面回折格子、可動光反射部、光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えて凹面回折格子と光出射部の位置を並行して調整した場合に各波長の光が第2光通過部を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅値を示す図である。 凹面回折格子、可動光反射部および光出射部それぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えて凹面回折格子の姿勢を調整した場合の可動光反射部の角度を示す図である。 第2実施形態に係る分析システムの全体構成を例示する図である。 第2実施形態に係る分析システムを樹脂判別装置に適用した場合における樹脂判別動作を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について詳細に説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
以下に示す実施形態は、本開示の技術思想を具体化するための分光器を例示するものであって、本開示を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
[第1実施形態]
<分光器10の全体構成例>
図1および図2を参照して、第1実施形態に係る分光器10の構成を説明する。図1は、分光器10の全体構成を例示する斜視図である。図2は、分光器10におけるローランド円7を説明する図である。
図1および図2に示すように、分光器10は、光入射部1と、凹面回折格子2と、可動光反射部3と、光出射部4と、基板5と、光検出部6と、を有する。図1は、各構成部のローカル座標系を併せて表示している。
光入射部1は、外部からの光Liを入射させる光入射手段の一例である。光入射部1は、第1光通過部11を通して外部からの光Liを分光器10に入射させる。光入射部1における第1光通過部11以外の領域は、光Liを通過させない第1非光通過部12を構成している。第1光通過部11は、例えばピンホール形状、スリット形状等を有し、光の入射位置を決定したり、波長分解能を向上させたりするために設けられている。
凹面回折格子2は、光入射部1によって入射された光Liを波長分散させる回折格子の一例である。凹面回折格子2は、基板5上に形成されている。凹面回折格子2は、光Liを回折させることにより波長分散させつつ、波長分散光Ldを可動光反射部3に向けて反射する。波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光は、それぞれ集束しながら伝搬して、反射面32上の反射ライン33上の異なる位置に入射し、反射面32により反射される。
基板5の材料には、例えば半導体、ガラス、金属、樹脂等を適用できるが、これらに限定されるものではない。なお、凹面回折格子2は、基板5上に直接形成されてもよく、基板5上に形成された薄膜層、例えば樹脂層等の上に形成されてもよい。
可動光反射部3は、反射面32を有し、反射面の傾きが可変である反射手段の一例である。可動光反射部3は、凹面回折格子2による波長分散光Ldを、反射面32により光出射部4に向けて反射する。
可動光反射部3は揺動軸31を有している。可動光反射部3は、揺動軸31回りに揺動することにより、波長分散光Ldを反射する反射面32の傾きを変化させる。波長分散光Ldは、反射面32の傾きに応じて走査される。
可動光反射部3は、例えば、半導体基板に半導体プロセス、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセス等によって薄型且つ小型に形成可能である。また、半導体基板に可動光反射部3を形成することにより、圧電駆動、静電駆動、電磁駆動等の駆動素子部を半導体基板上にモノリシックに形成できる。これにより、分光器10は、モータ等の外部駆動装置を用いなくても可動光反射部3を駆動させることができるため、さらなる小型化が可能となる。但し、可動光反射部3が形成される基板は半導体に限定されるものではなく、ガラス、金属、樹脂等であってもよい。
光出射部4は、可動光反射部3によって反射された波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光のうち一部の光を、第2光通過部41を通して外部に出射させる光出射手段の一例である。波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光うち一部の光は、第2光通過部41を通って外部に出射する。光出射部4における第2光通過部41以外の領域は、波長分散光Ldを通過させない第2非光通過部42を構成している。
第2光通過部41は、例えばピンホール形状、スリット形状等を有し、波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光のうち一部の光の出射位置を決定したり、波長分解能を向上させたりするために設けられている。
波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光は、それぞれ反射面32上の反射ライン33上の異なる位置において反射され、光出射部4上の出射ライン43上の異なる位置に入射する。
可動光反射部3の反射面32が揺動軸31回りに傾きを変化させることにより、波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光それぞれの出射ライン43上における入射位置が変化する。
波長分散光Ldに含まれる異なる波長の光のうち、第2光通過部41の位置に入射する光は、第2光通過部41を通って出射する。光出射部4は、波長分散光Ldに含まれる波長であって、可動光反射部3の揺動角により決定される波長の光を、第2光通過部41を通して出射させることができる。図2に示す出射光Loは、光出射部4から出射される光を示している。
なお、光入射部1および光出射部4についても、基板上に形成されたものであってもよい。この場合、基板の材料には、例えば、半導体、ガラス、金属、樹脂等を適用できるが、これらに限定されるものではない。但し、基板の材料として半導体を用いると、半導体プロセス、MEMSプロセス等を用いて高精度且つ廉価に光入射部1および光出射部4を形成できるため好ましい。
光検出部6は、光出射部4からの出射光Loを検出する光検出手段の一例である。光検出部6には、例えばフォトダイオードを使用できる。近赤外領域の光Liを分光する場合には、InGaAsフォトダイオードが好ましい。
分光器10において、上記各構成部は、図1に示すように所定の位置に配置され、さらに所定の姿勢を維持できるように、筐体や治具等に対して固定されている。
図2において、破線で示した円は、ローランド円7を表す。ローランド円とは、凹面回折格子2の曲率中心と、凹面回折格子2に含まれる凹曲面の中心と、を結ぶ線が直径となるような円をいう。本実施形態では、少なくとも光入射部1および凹面回折格子2がローランド円7上に配置される。光出射部4は、可動光反射部3の配置によってはローランド円7に配置されるが、図1では一例として光出射部4がローランド円7上に配置されない構成を示している。
<凹面回折格子2の構成例>
図3は、凹面回折格子2の構成を例示する図であり、図1におけるIII-III切断線に沿った断面図である。
図3に示すように、凹面回折格子2は、反射部材15を有する。具体的には、基板5の上面に凹曲面が形成されており、この凹曲面に回折格子が形成されている。さらに、回折格子の表面に、反射率を向上させるためのAl、Ag、Au、Pt等の金属材料を用いた反射部材15が形成されている。例えば、基板5の凹曲面に対してレジストを塗布し、干渉露光法等を用いてレジストに格子パターンを形成し、ドライエッチング等を行うことにより、基板5の凹曲面に回折格子を形成できる。
凹面回折格子2には、例えば、回折格子の溝部の断面形状として、矩形形状、正弦波形状、ノコギリ波形状等を有するものを適用できる。
凹面回折格子2は、反射部材15を有さない構成であってもよい。また、凹面回折格子2の構成は、同様の波長分散機能を有するものであれば、図2に例示したものに限定されない。光入射部1から平行光が入射する場合には、凹面回折格子2の代わりに平面回折格子を用いることによっても、同様の波長分散機能が得られる。この場合には、平面回折格子の傾きを変える構成を採用した場合に必要となる複雑な装置構成(例えば、平面回折格子の前後で光を平行光にするためのコリメート光学系等)は不要である。
凹面回折格子2では、基板5の上面に形成された凹曲面に薄膜状の樹脂層が形成され、この樹脂層に回折格子が形成されていてもよい。この場合には、反射率を向上させるために、樹脂層に形成された回折格子の表面に、Al、Ag、Au、Pt等の金属材料を用いた反射部材が形成されることが好ましい。
図4は、本実施形態に係る位置変更のため構成を例示する図である。図4(a)は第1例の上面図、図4(b)は第1例の正面図、図4(c)は第2例の上面図、図4(d)は第2例の正面図、図4(e)は第3例の上面図、図4(f)は第3例の正面図である。
分光器10は、光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4のそれぞれの位置変更のための構成として、ホルダ100と、2つの位置決めピン101と、を有する。
図4において、上面図は、矢印P方向および矢印Q方向のそれぞれに直交する方向からホルダ100および位置決めピン101を視た図である。矢印P方向は、ホルダ100が位置変更のためにスライドする方向である。矢印Q方向は、ホルダ100が位置決めピン101に突き当たる方向である。正面図は、矢印P方向に沿ってホルダ100および位置決めピン101を視た図である。
ホルダ100および2つの位置決めピン101は、適用される光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4の位置や形状に応じて、その構成を適宜変更可能である。図4(a)および(b)はその第1例、図4(c)および(d)はその第2例、図4(e)および(f)はその第3例を示している。
第1例では、ホルダ100の側面(矢印Qの方向に直交する面)が位置決めピン101に突き当たることにより、ホルダ100はQ方向における位置決めがなされる。この状態においてホルダ100は矢印P方向に位置変更できる。
第2例では、ホルダ100の底面(上面とは反対の面)に形成された溝102に位置決めピン101が入り込むことにより、ホルダ100はQ方向における位置決めがなされる。この状態においてホルダ100は矢印P方向に位置変更できる。
第3例では、ホルダ100の底面に形成された長孔103に位置決めピン101が入り込むことにより、ホルダ100はQ方向における位置決めがなされる。この状態においてホルダ100は矢印P方向に位置変更できる。長孔103は矢印P方向および矢印Q方向のそれぞれに直交する方向に貫通する孔であってもよいし、貫通しない孔であってもよい。
<分光器10による分光スペクトル例>
図5および図6Aを参照して、分光器10による分光スペクトルについて説明する。図5は、1つの波長λ1近傍の分光スペクトルを例示する図である。図6Aは、3つの波長λ1、λ2、λ3それぞれの近傍の分光スペクトルを例示する図である。分光スペクトルは、図5および図6Aに示すように、波長ごとでの光強度を意味する。
実線のグラフ51は、出射光Loの光軸方向において、出射光Loの集光位置と第2光通過部41の位置とが略一致している状態での分光スペクトルを示している。ピーク波長は、λ1、λ2およびλ3である。一方、破線のグラフ52は、出射光Loの光軸方向において、出射光Loの集光位置と第2光通過部41の位置とが一致していない状態での分光スペクトルを示している。ピーク波長は、λ1'、λ2'およびλ3'である。出射光Loの集光位置と第2光通過部41の位置との間の、出射光Loの光軸方向における位置ずれを、以降では光軸方向ずれと称する。また、以下、λ1に対するλ1'、λ2に対するλ2'、λ3に対するλ3'のように、正規の状態からの位置バラつき等にピーク波長が変化する場合には、その現象を波長シフトと称し、その差(λ1'-λ1、λ2'-λ2、λ3'-λ3)を波長シフト量と称する。
図5のグラフ52に示すように、光軸方向ずれがあると、光強度が低下するとともにスペクトルの半値幅が大きくなる。光強度の低下および半値幅の増大は、分光におけるSN(Signal/Noise)比および波長分解能を低下させ、分光器10の性能を低下させる要因となる。このような光軸方向ずれは、光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4等の各構成部の寸法誤差や組立誤差に応じて生じる。仮に、分光器10が公差範囲内で製造されても、各構成部の寸法公差や組立公差の範囲内での誤差によって、光軸方向ずれは生じ得る。
図6Aに示すように、3つの波長λ1、λ2、λ3の光において光軸方向ずれがあると、中心付近の波長λ1から離れた波長λ2では波長シフトΔλ2が、波長λ3では波長シフトΔλ3が生じる。焦点位置と光出射部4が位置ずれしている場合、分光波長中心付近のλ1の波長シフト量は小さいが、中心波長から離れたλ2、λ3は波長シフト量が大きくなる。これら波長シフトも、分光器10の性能を低下させる要因となる。
具体的な事象を図6Bに示す。図6Bは、凹面回折格子2により分光された波長λ1、λ2、λ3のそれぞれの光が可動光反射部3で反射する際の回折角θλ1、θλ2、θλ3と、可動光反射部3の角度αλ1、αλ2、αλ3および可動光反射部3で光が反射する角度(ここでは入射角と反射角の和を意味する)φλ1、φλ2、φλ3の関係を示している。但し、波長λ1、λ2、λ3のそれぞれの光は、主光線を表している。図6Bでは、波長λ1の光を実線、波長λ2の光を破線、波長λ3の光を一点鎖線で示している。
回折角は、凹面回折格子2の法線方向(Z軸方向)に対する回転角として示されている。θλ1は法線方向と一致している、すなわちθλ1=0であるとする。可動光反射部3の角度は、波長λ1の光が第2光通過部41を通る条件の角度を0°、すなわちαλ1=0として示している。理想状態では、θλ1=αλ=0、θλ2=αλ2、θλ3=αλ3であり、φλ1=φλ2=φλ3である。図6Bに示す通り、それぞれの波長の光は、可動光反射部3の異なる位置Pλ1、Pλ2、Pλ3で反射している。このため、例えば可動光反射部3の回転軸が理想位置、例えば図6Bに示すY軸およびZ軸のそれぞれに直交するX軸上の位置、からずれた場合には、それぞれの波長の光ごとに異なる位置に到達することになる。これは、可動光反射部3を用いた分光器に特有の課題である。
図6Cは、凹面回折格子2、可動光反射部3、光出射部4の各素子の位置および姿勢に所定の公差を与えた際に、波長λ1、λ2およびλ3のそれぞれ光が第2光通過部41を最も高い光量で通過するときの可動光反射部3の角度を示している。点線は、位置変動のない設計中央値の角度である。設計中央値からの角度の差が大きいほど波長シフト量も大きくなる。各素子の位置調整は、この角度バラつきを抑制するために不可欠である。
図6Dは、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4の各素子の位置および姿勢に所定の公差を与えた場合に、波長λ1、λ2およびλ3のそれぞれの光が第2光通過部41を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅の値を示している。点線は、位置変動のない設計中央値の値である。設計中央値からの位置変動にともない半値全幅が大きくなる。波長分解能は半値全幅の逆数として定義してもよい。
以上より、分光器10の性能を高く確保するとともに、分光器10ごとでの性能差を低減する観点では、光軸方向ずれを低減することが好ましい。
<凹面回折格子2および光出射部4の位置変更例>
図7は、凹面回折格子2および光出射部4それぞれの位置の変更例を示す図である。図8は、凹面回折格子2における格子21を例示する図である。図9は、凹面回折格子2の位置を変化させたときの出射光Loの集光位置変化を示す図であり、図9(a)は第1例の図、図9(b)は第2例の図、図9(c)は第3例の図である。
本実施形態では、図7に示すように、凹面回折格子2の位置は、凹面回折格子2が配置される近傍におけるローランド円7の第1接線方向82に沿って変更可能である。図8に示すように、凹面回折格子2では、延伸方向211に延伸する複数の格子21が、整列方向212に沿って整列している。整列方向212は、複数の格子21が並ぶ所定方向の一例である。第1接線方向82は、整列方向212に沿う方向であり、延伸方向211に略直交する方向である。
凹面回折格子2の位置を第1接線方向82に沿って変更することにより、光入射部1からの光の凹面回折格子2への入射角度が変化する。これにより、出射光Loの集光位置を変化させることができる。
図9(a)では、光軸方向81において光出射部4の第2光通過部41よりも可動光反射部3側に、出射光Loの集光位置Bwが位置している。図9(b)では、光軸方向81において光出射部4の第2光通過部41と出射光Loの集光位置Bwとが略一致している。図9(c)では、光軸方向81において光出射部4の第2光通過部41よりも可動光反射部3とは反対側に、出射光Loの集光位置Bwが位置している。凹面回折格子2の位置を第1接線方向82に沿って変更することにより、図9(a)~図9(c)のように光軸方向81に沿った集光位置Bwの位置を変化させることができる。従って、第2光通過部41と集光位置Bwとが略一致させる調整が可能となる。
凹面回折格子2の位置を変化させる方向は、凹面回折格子2の長手方向である。このため、位置変更時の基準点を離れた位置に2点設定することができ、位置変更による凹面回折格子2の、格子方向を軸とした回転方向のずれを抑制できる。
また本実施形態では、図7に示すように、光出射部4の位置は、光出射部4から出射される出射光Loの光軸方向81に沿って変更可能である。出射光Loの光軸方向81は、出射光Loの中心軸方向に対応する。光出射部4の位置変更により、第2光通過部41と集光位置Bwとを略一致させる調整が可能となる。
なお、分光器10では、出射光Loは可動光反射部3によって光軸方向81と交差する方向に走査される。従って、光軸方向81と交差する方向への集光位置Bwの位置ずれは、極端に変動していない限り、出射光Loの光量や波長分解能等には影響しないため、光出射部4の位置を変更する方向は光軸方向81のみでよい。
光出射部4の位置変更は、分光器10における他の構成部の位置変更と比較して、光軸方向81に沿った集光位置Bwの変化以外の光学特性への影響は小さいため、集光位置Bwと第2光通過部41とを略一致させる調整を安定して行うことができる。
以上説明したように、本実施形態では、分光器における構成部品の位置を調整できる。本実施形態では、凹面回折格子2の位置をローランド円7の第1接線方向82に変更し、或いは光出射部4の位置を光軸方向81に変更することにより、出射光Loの集光位置Bwと第2光通過部41の位置を略一致させることができる。また、出射光Loの集光位置Bwと第2光通過部41の位置を略一致させることにより、分光器10ごとの性能の個体差を低減できる。
例えば、光出射部4は、光出射部4からの出射光Loの集光位置Bwと、光出射部4からの出射光Loが光出射部4を通過する位置と、が重なるように位置変更が可能である。或いは、凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、光出射部4からの出射光Loの光量が最大となる位置変更が可能であってもよい。また、凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、光出射部4からの出射光Loの波長分解能が最大となる位置変更が可能であってもよい。また凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、光出射部4からの出射光Loの波長シフトが最小となる位置変更が可能であってもよい。さらに、上記の位置変更の2以上を適宜組み合わせてもよい。上記いずれの位置変更によって、分光器10ごとの性能の個体差を低減する効果を得ることができる。
<光入射部1の位置変更例>
図10は、光入射部1の位置変更例を示す図である。光入射部1が配置される近傍におけるローランド円7の第2接線方向83または半径方向84に沿って光入射部1の位置を変更すると、凹面回折格子2と光入射部1との相対位置が変化する。これにより、凹面回折格子2の位置を第1接線方向82に沿って変更する場合と同様の作用効果が得られる。第2接線方向83および半径方向84のどちらに沿って位置変更するかは、他の構成部とのクリアランス、位置変更可能なスペース等に応じて適宜選択可能である。
<可動光反射部3の位置変更例>
図11は、可動光反射部3の位置変更例を示す図である。図11に示すように、移動方向85に沿って凹面回折格子2から遠ざかる方向に可動光反射部3の位置を変更すると、出射光Loの集光位置Bwは、光出射部4よりも可動光反射部3側の位置に変化する。可動光反射部3は、可動光反射部3に入射する光の光軸方向に沿って位置を変更することにより、出射光Loの集光位置Bwを変更し、集光位置Bwと光出射部4の第2光通過部41の位置を略一致させることができる。
<光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3、光出射部4の位置変更例>
図12は、光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4の各位置を変更可能な状態を例示する図である。光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4のうち少なくとも2つの位置を変更可能とすることにより、これら各構成部の寸法公差や実装公差、組付公差が大きい場合にも集光位置Bwと光出射部4の第2光通過部41の位置を略一致させることができる。これにより、各構成部の製造誤差等に対するロバスト性を高くし、分光器10の性能を高く確保するとともに、分光器10の個体差を低減できる。また複数の構成部の位置を変更可能とすることにより、構成部1つあたりの位置の変更範囲を小さくすることができ、分光器10の小型化が可能となる。
また、分光器10における光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3、光出射部4の各構成部は、所定の位置および姿勢を維持できるように、筐体や支持部材にて固定されている。そのため、これら各構成部の位置変更は、支持部材の位置を変更することにより行ってもよい。なお、位置変更機構の方式や形状等には特段の制限はない。
光出射部4の近傍に光検出部6が設置される場合には、光出射部4の位置変更を光検出部6の位置変更と並行して行うこともできる。並行して行うことにより、光出射部4と光検出部6のアライメントのずれが発生せず、分光器10の光学特性を安定させることができる。
<凹面回折格子2の角度調整機構例>
図13および図14は、凹面回折格子2の角度調整機構の一例を示す図である。図13は断面図、図14は下面図である。図13および図14に示すように、角度調整機構22は、下面22dに凹部23aを有する。凹部23aは、円柱状の形状を有する位置決めピン23bに嵌合している。位置決めピン23bの円柱軸は、鉛直方向に略平行であり、角度調整機構22の回転軸2cと略一致している。
角度調整機構22は、回転軸2c回り(矢印24の方向)に揺動することにより、角度調整機構22が保持した凹面回折格子2を回転軸2c回りに揺動させることができる。図14における角度調整機構22'は揺動前の角度調整機構を表し、角度調整機構22は、角度調整機構22'の状態から回転軸2c回りに所定の回転角度分、揺動した後の角度調整機構を表している。
図15および図16は、凹面回折格子2の角度調整機構の他の例を示す図である。図15は断面図、図16は下面図である。図15および図16に示すように、角度調整機構22は、下面22dに凹部25aが形成されている。凹部25aは、円柱状の形状を有するガイド部材25bに嵌合している。ガイド部材25bの円柱軸は、鉛直方向に略平行であり、角度調整機構22の回転軸2cと略一致している。
角度調整機構22は、回転軸2c回り(矢印26の方向)に揺動することにより、角度調整機構22が保持した凹面回折格子2を回転軸2c回りに揺動させることができる。
<分光器10の作用効果>
本実施形態では、分光器10は、外部からの光を入射させる光入射部1(光入射手段)と、光入射部1によって入射された光Liを波長分散させる凹面回折格子2(回折格子)と、反射面32を有し、反射面32の回転軸回りに傾きが可変である可動光反射部3(反射手段)と、可動光反射部3によって反射された光を外部に出射する光出射部4(光出射手段)と、を有する。光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4の少なくとも2つは、反射面32の回転軸に直交する方向に位置変更が可能である。光出射部4の位置は、光出射部4から出射される光の中心軸方向に沿って変更可能である。この構成により、分光器における構成部品の位置を調整できる。
また、本実施形態では、光入射部1、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4のそれぞれのうちの少なくとも1つは、反射面32の上記回転軸に直交する方向に位置調整可能である。この構成により、部品の寸法公差や組み立て公差によらず、出射光量の低減、波長分解能の悪化、波長精度の悪化を抑制し、分光性能の機差を低減することができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2が位置調整可能であり、凹面回折格子2は、可動光反射部3の回転軸に沿う方向をX軸、凹面回折格子2の中心から曲率中心に向かう方向をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、Y軸に沿う方向に位置調整可能であってもよい。この構成により、凹面回折格子2と光出射部4の位置を調整可能することで、安定して分光性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2の位置は、光入射部1と光出射部4とが、凹面回折格子2により形成されるローランド円上に位置するよう調整されていてもよい。この構成により、ローランド配置を実現でき、分光性能を向上させることができる。ここで、図17は、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4のそれぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えたうえで、凹面回折格子2の位置を調整した場合の可動光反射部3の角度を示す図である。図17に示すように、凹面回折格子2を位置調整することにより、角度バラつきを大幅に低減することができる。
また、本実施形態では、光出射部4が位置調整可能であり、光出射部4は、可動光反射部3の回転軸に沿う方向をX軸、光出射部4の表面の法線方向をZ軸、X軸およびZ軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、Z軸に沿う方向に位置調整可能であってもよい。この構成により、凹面回折格子2と光出射部4の位置を調整可能になるため、安定して分光性能を向上させることができる。ここで、図18は、凹面回折格子2、可動光反射部3、光出射部4のそれぞれの位置および姿勢に所定の公差を与え、さらに光出射部4の位置を調整した場合に、波長λ1、λ2およびλ3のそれぞれの光が第2光通過部41を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅の値を示す図である。図18に示すように、光出射部4を調整することにより、半値全幅の増大を低減することができる。
また、本実施形態では、光出射部4の位置は、光入射部1と光出射部4とが光学的に共役関係となるように調整されていてもよい。この構成により、焦点位置と第2光通過部41の位置を一致させることができ、分光性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、位置調整可能であり、波長シフトが最小となる位置に配置されていてもよい。この構成により、波長依存のある波長シフトを低減することができ、これにより波長精度を向上させ、分光性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、位置調整可能であり、波長分解能が最大となる位置に配置されていてもよい。この構成により、波長分解能が向上するため、分光性能を向上させることができる。ここで、図19は、凹面回折格子2、可動光反射部3、光出射部4のそれぞれの位置および姿勢に所定の公差を与え、さらに凹面回折格子2と光出射部4の位置を並行して調整した場合に、波長λ1、λ2およびλ3のそれぞれ光が第2光通過部41を最も高い光量で通過するときの光照度の半値全幅の値を示す図である。図19に示すように、凹面回折格子2と光出射部4の位置を並行に調整することにより、光出射部4の位置のみ調整した場合に比較して、半値全幅の増大を低減することができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2および光出射部4のそれぞれは、位置調整可能であり、光出射部4の通過光量が最大となる位置に配置されていてもよい。光出射部4の通過光量を最大にすることにより、SN比を向上させることができ、分光性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、光入射部1、凹面回折格子2および光出射部4のうちの少なくとも1つは、可動光反射部3の回転軸と平行な軸の回りに回転することにより姿勢調整が可能であってもよい。この構成により、部品の寸法公差や組み立て公差によらず、出射光量の低減、波長分解能の悪化、波長精度の悪化を抑制し、分光性能の機差を低減することができる。
また、本実施形態では、凹面回折格子2は、姿勢調整可能であり、可動光反射部3の回転軸と平行な軸は、凹面回折格子2の中心を通ってもよい。ここで、図20は、凹面回折格子2、可動光反射部3および光出射部4のそれぞれの位置および姿勢に所定の公差を与えたうえで、凹面回折格子2の姿勢を調整した場合の可動光反射部3の角度を示す図である。図20に示すように、凹面回折格子2を姿勢調整することにより、角度バラつきを大幅に低減することができる。
[第2実施形態]
次に、実施形態に係る分光器10を有する分析システム300を、第2実施形態として説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。
<分析システム300の構成例>
図21は、分析システム300の全体構成を例示する図である。図21に示すように、分析システム300は、携帯型装置200と、携帯端末310と、を有する。携帯型装置200は、分光器10と、プロセッサ306と、通信回路304と、を有する。
分析システム300は、一つの携帯端末310に対して一つの分光器10を有する構成の他に、一つの携帯端末310に対して複数の分光器10を有する構成であってもよい。
プロセッサ306は、分光器10から、受光部217が出力する電気信号を入力し、光スペクトルの時間と光の強度を含む出力が関連付けられた情報を演算により取得する。通信回路304は、プロセッサ306による取得結果を携帯端末310へ出力する。
携帯端末310は、インターフェース314、プロセッサ316、および通信回路317を有する。携帯端末310は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の携帯機器である。携帯端末310は、カメラ機能を有していてもよい。
プロセッサ316は、携帯型装置200の通信回路304から出力された光スペクトルの時間と光の強度を含む出力が関連付けられた情報Spを、通信回路317を用いて受信し、受信した情報Spと、分光器10が有する可動光反射部3の回動周波数や回転角度振幅等に基づいて、時間を光の波長に換算し、光の波長ごとの光の強度の関係で構成される分光スペクトル情報Sqを得る。またプロセッサ316は、得られた分光スペクトル情報Sqを用いて対象物108の組成判別結果等の分析結果を演算により取得する。
プロセッサ316は、インターフェース314を介して分析結果をディスプレイ312に表示できる。
このような分析システム300において、携帯型装置200は、例えばBluetooth(登録商標)等の無線シリアル通信を用いて、通信回路304を介してデータを携帯端末310に伝送する。携帯端末310は、携帯型装置200からデータを受信し、プロセッサ316によって処理および分析する。そして、分析システム300は、この分析結果である、例えば光スペクトルの情報Sqおよび組成判別結果等をディスプレイ312に表示させる。
<分析システム300の動作例>
図22は、分析システム300を樹脂判別装置に適用した場合における樹脂判別動作を例示するフローチャートである。
まず、ステップS1において、分析システム300は、分類または同定される樹脂を含む対象物が提供される。
続いて、ステップS2において、分析システム300は、メモリに一または複数の赤外材料分類モデル(多変量分類モデル)を保存する。
続いて、 ステップS3において、分析システム300は、未加工の赤外スペクトルデータを収集するために、対象物108に対する分光分析を実行する。
続いて、ステップS4において、分析システム300は、携帯端末310のプロセッサ316による未加工の赤外スペクトルデータの多変量処理を実行する。
続いて、ステップS5において、分析システム300は、携帯端末310のプロセッサ316により、特定のタイプの樹脂ベース複合材料として(材料モデルに一致する)、試料の組成を同定する。
続いて、ステップS6において、分析システム300は、対象物108をさらに処理する(例えば、さらなるリサイクルステップのために適切な場所に保存される)。分析システム300は、このようなステップS1からステップS6の各処理を、ステップS3において別の樹脂を含む対象物108に対して繰返すことができる。
例えば、分析システム300は、分類モデルを用いて樹脂を含む対象物108の組成の同定を行い、特定の樹脂を含む試料が含みうる樹脂を決定する。例えば、分析システム300を用いて樹脂を判別することにより、樹脂を含む対象物108のリサイクルにおいて、材料処理に使用される炉の処理条件を最適化する等の工程の処理条件を最適化できる。
また、図22の動作における分光分析の実行前に既知の材料データを登録する処理を追加することも可能である。この処理により、対象物108の分析結果の精度を向上することが可能となる。このように、分析システム300は、高い信頼性によって樹脂を判別できる。
[その他の好適な実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
例えば、実施形態に係る分光器10は、分析装置に用いることができる。このような分析装置は、例えば分光器により得られるスペクトルを分光分析することにより、対象物の樹脂種等を同定し、対象物をリサイクル材料として樹脂種ごとに選別回収するために用いられる。分析装置は、分光器10を有することにより、迷光の影響を抑制した高精度な分析を行うとともに、分析装置を小型化できる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 外部からの光を入射させる光入射手段と、前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる回折格子と、反射面を有し、当該反射面の回転軸回りに傾きが可変である反射手段と、前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、前記光入射手段、前記回折格子、前記反射手段および前記光出射手段の少なくとも2つは、前記回転軸に直交する方向に位置変更が可能であり、前記光出射手段の位置は、前記光出射手段から出射される光の中心軸方向に沿って変更可能である、分光器である。
<2> 前記回折格子は所定方向に並ぶ複数の格子を有し、前記回折格子の位置は、前記所定方向に沿って変更可能である、前記<1>に記載の分光器である。
<3> 前記回折格子は、凹面回折格子であり、前記光入射手段および前記凹面回折格子は、それぞれローランド円上に配置され、前記凹面回折格子の位置は、前記凹面回折格子が配置される位置における前記ローランド円の接線方向に沿って変更可能である、前記<1>または前記<2>に記載の分光器である。
<4> 前記光出射手段は、前記光出射手段から出射される光の集光位置と、前記光出射手段から出射される光が前記光出射手段を通過する位置と、が重なるように位置変更が可能である、前記<1>から前記<3>のいずれか1つに記載の分光器である。
<5> 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の光量が最大となる位置変更が可能である、前記<1>から前記<4>のいずれか1つに記載の分光器である。
<6> 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の波長分解能が最大となる位置変更が可能である、前記<1>から前記<5>のいずれか1つに記載の分光器である。
<7> 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の波長シフトが最小となる位置変更が可能である、前記<1>から戦記<6>のいずれか1つに記載の分光器である。
<8> 外部からの光を入射させる光入射手段と、前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる凹面回折格子と、反射面を有し、該反射面が所定の回転軸回りに揺動可能である反射手段と、前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、前記光入射手段、前記凹面回折格子、前記反射手段および前記光出射手段のそれぞれのうちの少なくとも1つは、前記回転軸に直交する方向に位置調整可能である、分光器である。
<9> 前記凹面回折格子は、位置調整可能であり、前記凹面回折格子は、前記反射手段の前記回転軸に沿う方向をX軸、前記凹面回折格子の中心から曲率中心に向かう方向をZ軸、前記X軸および前記Z軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、前記Y軸に沿う方向に位置調整可能である、前記<8>に記載の分光器である。
<10> 前記凹面回折格子が配置される位置は、前記光入射手段と前記光出射手段とが、前記凹面回折格子により形成されるローランド円上に位置するよう調整されている、前記<8>または前記<9>に記載の分光器である。
<11> 前記光出射手段は、位置調整可能であり、前記光出射手段は、前記反射手段の前記回転軸に沿う方向をX軸、前記光出射手段の表面の法線方向をZ軸、前記X軸および前記Z軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、前記Z軸に沿う方向に位置調整可能である、前記<8>から前記<10>のいずれか1つに記載の分光器である。
<12> 前記光出射手段の位置は、前記光入射手段と前記光出射手段とが光学的に共役関係となるように調整されている、前記<8>から前記<11>のいずれか1つに記載の分光器である。
<13> 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、波長シフトが最小となる位置に配置されている、前記<8>から前記<12>のいずれか1つに記載の分光器である。
<14> 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、波長分解能が最大となる位置に配置されている、前記<8>から前記<13>のいずれか1つに記載の分光器である。
<15> 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、前記光出射手段の通過光量が最大となる位置に配置されている、前記<8>から前記<14>のいずれか1つに記載の分光器である。
<16> 外部からの光を入射させる光入射手段と、前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる凹面回折格子と、反射面を有し、該反射面が所定の回転軸回りに揺動可能である反射手段と、前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、前記光入射手段、前記凹面回折格子、前記光出射手段のうちの少なくとも1つは、前記回転軸と平行な軸の回りに回転することにより姿勢調整が可能である、分光器である。
<17> 前記凹面回折格子は、姿勢調整可能であり、前記回転軸と平行な軸は、前記凹面回折格子の中心を通る、前記<16>に記載の分光器である。
<18> 前記<1>から前記<17>のいずれか1つの分光器を有する、分析システムである。
1 光入射部(光入射手段の一例)
11 第1光通過部
12 第1非光通過部
2 凹面回折格子(回折格子の一例)
21 格子
3 可動光反射部(反射手段の一例)
31 揺動軸
32 反射面
33 反射ライン
4 光出射部(光出射手段の一例)
41 第2光通過部
42 第2非光通過部
43 出射ライン
5 基板
6 光検出部(光検出手段の一例)
7 ローランド円
10 分光器
15 反射部材
51、52 グラフ
81 光軸方向(中心軸方向の一例)
82 第1接線方向
83 第2接線方向
84 半径方向
85 移動方向
100 ホルダ
101 位置決めピン
102 溝
103 長孔
211 延伸方向
212 整列方向
Li 光
Lo 出射光
λ1、λ2、λ3 波長
Δλ2、Δλ3 波長シフト
P、Q 矢印
特開2013-109082号公報

Claims (18)

  1. 外部からの光を入射させる光入射手段と、
    前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる回折格子と、
    反射面を有し、当該反射面の回転軸回りに傾きが可変である反射手段と、
    前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、
    前記光入射手段、前記回折格子、および前記反射手段の少なくとも1つと、前記光出射手段と、が前記回転軸に直交する方向に位置変更が可能であり、
    前記光出射手段の位置は、前記光出射手段から出射される光の中心軸方向に沿って変更可能である、分光器。
  2. 前記回折格子は所定方向に並ぶ複数の格子を有し、
    前記回折格子の位置は、前記所定方向に沿って変更可能である、請求項1に記載の分光器。
  3. 前記回折格子は、凹面回折格子であり、
    前記光入射手段および前記凹面回折格子は、それぞれローランド円上に配置され、
    前記凹面回折格子の位置は、前記凹面回折格子が配置される位置における前記ローランド円の接線方向に沿って変更可能である、請求項1または請求項2に記載の分光器。
  4. 前記光出射手段は、前記光出射手段から出射される光の集光位置と、前記光出射手段から出射される光が前記光出射手段を通過する位置と、が重なるように位置変更が可能である、請求項1または請求項2に記載の分光器。
  5. 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の光量が最大となる位置変更が可能である、請求項1または請求項2に記載の分光器。
  6. 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の波長分解能が最大となる位置変更が可能である、請求項1または請求項2に記載の分光器。
  7. 前記回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、前記光出射手段から出射される光の波長シフトが最小となる位置変更が可能である、請求項1または請求項2に記載の分光器。
  8. 外部からの光を入射させる光入射手段と、
    前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる凹面回折格子と、
    反射面を有し、該反射面が所定の回転軸回りに揺動可能である反射手段と、
    前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、
    前記光入射手段、前記凹面回折格子、前記反射手段および前記光出射手段のそれぞれのうちの少なくとも1つは、前記回転軸に直交する方向に位置調整可能である、分光器。
  9. 前記凹面回折格子は、位置調整可能であり、
    前記凹面回折格子は、前記反射手段の前記回転軸に沿う方向をX軸、前記凹面回折格子の中心から曲率中心に向かう方向をZ軸、前記X軸および前記Z軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、前記Y軸に沿う方向に位置調整可能である、請求項8の分光器。
  10. 前記凹面回折格子が配置される位置は、前記光入射手段と前記光出射手段とが、前記凹面回折格子により形成されるローランド円上に位置するよう調整されている、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  11. 前記光出射手段は、位置調整可能であり、
    前記光出射手段は、前記反射手段の前記回転軸に沿う方向をX軸、前記光出射手段の表面の法線方向をZ軸、前記X軸および前記Z軸のそれぞれに直交する軸をY軸とすると、前記Z軸に沿う方向に位置調整可能である、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  12. 前記光出射手段の位置は、前記光入射手段と前記光出射手段とが光学的に共役関係となるように調整されている、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  13. 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、波長シフトが最小となる位置に配置されている、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  14. 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、波長分解能が最大となる位置に配置されている、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  15. 前記凹面回折格子および前記光出射手段のそれぞれは、位置調整可能であり、前記光出射手段の通過光量が最大となる位置に配置されている、請求項8または請求項9に記載の分光器。
  16. 外部からの光を入射させる光入射手段と、
    前記光入射手段によって入射された前記光を波長分散させる凹面回折格子と、
    反射面を有し、該反射面が所定の回転軸回りに揺動可能である反射手段と、
    前記反射手段によって反射された前記光を外部に出射する光出射手段と、を有し、
    前記光入射手段、前記凹面回折格子、前記光出射手段のうちの少なくとも1つは、前記回転軸と平行な軸の回りに回転することにより姿勢調整が可能である、分光器。
  17. 前記凹面回折格子は、姿勢調整可能であり、
    前記回転軸と平行な軸は、前記凹面回折格子の中心を通る、請求項16に記載の分光器。
  18. 請求項1、請求項8または請求項16に記載の分光器を有する、分析システム。
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