JP2023143602A - 太陽光発電シートの取付構造、太陽光発電シートの施工方法及び凹凸外装材用の太陽光発電シート - Google Patents

太陽光発電シートの取付構造、太陽光発電シートの施工方法及び凹凸外装材用の太陽光発電シート Download PDF

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Abstract

【課題】発電部分の面積をできる限り広くすること。【解決手段】太陽光発電シートの取付構造100は、一方向に延びた複数の凸部32が一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材3と、複数の凸部32にまたがって配置され、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シート1と、隣り合う凸部32の間の部分に対して太陽光発電シート1を固定する固定材5と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽光発電シートの取付構造、太陽光発電シートの施工方法及び凹凸外装材用の太陽光発電シートに関する。
特許文献1には、太陽電池パネルの設置構造が開示されている。特許文献1に記載の太陽電池パネルの設置構造では、太陽電池パネルは、折板屋根の複数の山部に載り、山部の上面に対して、支持金具によって固定されている。
実用新案登録第3228655号公報
ところで、特許文献1に記載の太陽電池パネルは、発電効率を向上するために、太陽電池パネルの発電部分の面積を広くすることが考えられる。しかし、屋根面には設置スペースの制約があり、単に面積を拡げただけの太陽電池パネルは、使用することができない場合がある。
本発明の目的は、屋根面の単位面積当たりの太陽電池パネルの表面積を、できる限り大きくすることができる太陽光発電シートの取付構造、太陽光発電シートの施工方法及び凹凸外装材用の太陽光発電シートを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材と、
前記複数の凸部にまたがって配置され、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シートと、
隣り合う前記凸部の間の部分に対して前記太陽光発電シートを固定する固定材と、
を備える、太陽光発電シートの取付構造。
項2.前記太陽光発電シートにおける前記固定材に固定された部分は、前記凸部の頂面よりも前記凸部の基部側に位置している、項1に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項3.前記太陽光発電シートは、前記複数の凸部に対して非固定である、項1又は項2に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項4.前記太陽光発電シートは、ペロブスカイト化合物を含む発電部を有する、項1から3のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項5.前記固定材は、前記太陽光発電シートにおける発電部以外の部分に対して取り付けられている、項1から4のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項6.前記固定材と、前記固定材に対して最も近い位置にある前記発電部と、の間の最小距離が、1.5cm以上である、項5に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項7.前記外装材が屋根材であり、
前記太陽光発電シートは、複数の発電部を覆う1つのバリアシートを有し、
隣り合う前記凸部の間の部分に対して、前記1つのバリアシートのうちの中間部分が前記固定材によって固定されることで、前記中間部分が、凹みかつ水下側に下り傾斜した排水部を構成する、項1から6のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
項8.一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材に対して、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シートを取り付けるための太陽光発電シートの施工方法であって、
前記複数の凸部の間の部分に対して前記太陽光発電シートを固定する、太陽光発電シートの施工方法。
項9.一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材に対して取り付けられる凹凸外装材用の太陽光発電シートであって、
複数の発電部と、
前記複数の発電部の間に設けられ、前記外装材の隣り合う前記凸部の間の部分に対して固定される取付部と、を備え、
曲げ強さが50MPa以上200MPa以下に構成されている、凹凸外装材用の太陽光発電シート。
本発明の一態様に係る太陽光発電シートの取付構造、太陽光発電シートの施工方法及び太陽光発電シートは、屋根面の単位面積当たりの太陽電池パネルの表面積を、できる限り大きくすることができる、という利点がある。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽光発電シートの取付構造において、太陽光発電シートを取り外した状態の斜視図である。 図2は、実施形態に係る太陽光発電シートの取付構造の縦断面図である。 図3(A)は、実施形態に係る太陽光発電シートの断面図である。図3(B)は、図3(A)のB部分の拡大図である。図3(C)は、図3(A)のD-D線断面図である。 図4は、実施形態に係る太陽光発電シートの取付構造において、固定材と発電部との関係を示す斜視図である。
<実施形態>
本実施形態に係る太陽光発電シート1の取付構造100(以下、単に「取付構造100」という)は、太陽光発電シート1が外装材3に取り付けられた構造である。取付構造100は、図1に示すように、外装材3と、太陽光発電シート1と、複数の固定材5と、を備える。
外装材3は、一方向に延びた複数の凸部32が間隔をおいて形成されている。太陽光発電シート1は、可撓性を有しており、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である。太陽光発電シート1は、複数の凸部32に跨って配置され、図2に示すように、隣り合う凸部32の間の部分に対して、固定材5によって固定されている。
このように、本実施形態に係る取付構造100によれば、太陽光発電シート1が、断面において、複数の凸部32に沿っており、固定材5によって隣り合う凸部32の間の部分に固定されている。このため、剛性の高い平板状の太陽電池パネルに比べて、屋根面の単位面積当たりの太陽光発電シート1の表面積をできる限り大きくすることができる。
また、可撓性を有する太陽光発電シート1の形状を保つためには、太陽電池パネルに比べて、固定材5の数量を比較的多くする必要がある。一般に、固定材5の数量が増えると、固定材5の影が発電部7に重なり、発電効率が低下する懸念がある。しかし、本実施形態では、固定材5を、隣り合う凸部32の間の部分に配置することで、太陽光発電シート1における突き出た部分が、固定材5の影に重なることを防ぐことができる。
以下、本実施形態に係る取付構造100の各構成を、より詳細に説明する。
(外装材3)
外装材3は、建築物の外面を形成する建築材料である。外装材3は、上述したように、一方向に延びた複数の凸部32が、一方向に直交する方向に間隔をおいて形成されている。外装材3としては、例えば、屋根材、壁材(金属系サイディング材、窯業系サイディング材、サンドイッチパネル等)、間仕切り、扉材、フェンス材等が挙げられるが、本実施形態では、外装材3の一例として、屋根材を挙げて説明する。
屋根材としては、例えば、折板屋根、スレート屋根、ルーフデッキ、瓦棒葺き、立平葺き等に用いられる凹凸屋根材(凹凸外装材)が挙げられる。屋根は、縦葺きであってもよいし、横葺きであってもよい。本実施形態では、外装材3が構成する屋根の一例として、縦葺き屋根としての折板屋根を挙げて説明する。
ここにおいて、図1に示すように、一の屋根面において最も高い部位を「水上」とし、最も低い部位を「水下」として定義する。また、水上と水下とを最短距離で結ぶ線分に平行な方向を「水流れ方向」として定義する。本実施形態では、水上が棟であり、水下が軒であり、水流れ方向は軒棟方向に平行である。また、水流れ方向に直交しかつ屋根面に沿う方向を「横方向」として定義する。
外装材3が用いられる建築物としては、非住宅建築物であってもよいし、住宅建築物であってもよい。非住宅建築物としては、例えば、店舗、倉庫、工場、集会場、体育館、駐車場等が挙げられる。住宅建築物としては、例えば、木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート住宅、アルミ造住宅等が挙げられる。
外装材3は、図1に示すように、横架材41に対し、複数のタイトフレーム42を介して取り付けられる。横架材41は、建築物における水平材であり、例えば、柱間に架け渡される。横架材41としては、例えば、梁(大梁、小梁等を含む)、桁、母屋等が挙げられる。タイトフレーム42は、横架材41の上面に固定され、外装材3を支持する。複数のタイトフレーム42は、水流れ方向に間隔をおいて配置されている。
外装材3は、図1に示すように、複数の折板材31を備える。各折板材31は、断面略V字状に形成されている。各折板材31は、金属板を曲げ加工することで形成されている。外装材3は、複数の折板材31の各々の長手方向が水流れ方向に平行となるように配置され、隣り合う折板材31の端部同士を連結することで構成されている。隣り合う折板材31の連結方法としては、特に制限はなく、例えば、ハゼ締め方式、重ね方式、嵌合方式等が挙げられる。本実施形態では、図2に示すように、ハゼ締め方式が採用されている。以下、このハゼ締結した部分を「連結部322」という場合がある。
外装材3の凸部32は、図1に示すように、水流れ方向に延びている。本実施形態に係る凸部32は、隣り合う折板材31の端部同士を連結することで構成されている。凸部32は、外装材3において複数形成されており、複数の凸部32は、横方向に間隔をおいて形成されている。また、隣り合う凸部32の間には谷部33が形成されている。要するに、外装材3は、凸部32と谷部33とが横方向に繰り返し形成されており、断面凹凸状に形成されている。
凸部32は、図2に示すように、頂部側に進むに従って幅が狭くなるような形状(断面逆V字状)に形成されている。凸部32の頂部は、略平面状に形成された頂面321と、頂面321の横方向の中央から上方向に突き出る連結部322と、で構成されている。凸部32の形状は、必ずしも断面逆V字状である必要はなく、例えば、断面矩形状、断面C字状等であってもよい。
谷部33は、本実施形態では、略平面状に形成されている。ただし、本発明では、谷部33は平面である必要はない。例えば、外装材3が波形スレートである場合には、下方に凸曲するような曲面状に形成される。この場合、凸部32と谷部33との境界があらわれないが、凸部32の上端と谷部33の下端とを結ぶ線分の中点を通りかつ水流れ方向に平行な面を、凸部32と谷部33との境界面とする。
外装材3の断面における凸部32の高さは、谷部33の横方向の幅に対して、例えば、1.5倍以上であり、より具体的には、2倍以上である。凸部32の高さの上限は、谷部33の幅に対して、例えば、5倍以下である。ただし、凸部32の高さは、外装材3の種類に応じて適宜設定されるため、特に制限はない。なお、ここでいう「凸部32の高さ」とは、外装材3の水流れ方向に直交する端面において、谷部33の上面(上端)から連結部322の上端までの長さを意味する。
(太陽光発電シート1)
太陽光発電シート1は、シート状に形成されており、太陽光を受けることで発電を行うことができる。太陽光発電シート1は、図3に示すように、バックシート11と、複数の発電部7と、バリアシート17と、封止剤18と、封止縁材19と、を備える。複数の発電部7及び封止剤18は、バックシート11とバリアシート17との間に配置されている。封止縁材19は、バックシート11とバリアシート17との間に複数の発電部7及び封止剤18を配置した状態で、外縁を全長にわたって封止する。
太陽光発電シート1の曲げ強さは、50MPa以上であり、より好ましくは90MPa以上である。また、太陽光発電シート1の曲げ強さは、200MPa以下であり、より好ましくは140MPa以下である。太陽光発電シート1の曲げ強さの大きさの設定は、主に、バックシート11及びバリアシート17の曲げ強さによって実現され得る。バックシート11及びバリアシート17については、後ほど詳述する。太陽光発電シート1の曲げ強さが、50MPa以上200MPa以下に設定されることで、外装材3に対する施工性を良好にしながら、ひび割れ等の破損が生じることを抑制できる。本明細書でいう「曲げ強さ」は、例えば、JIS 7171に準拠する測定方法で測定される。
本実施形態に係る太陽光発電シート1は、平面視略矩形状に形成されている。ただし、本発明では、太陽光発電シート1の形状としては、例えば、平面視略円形状、平面視楕円形状、平面視多角形状等であってもよく、特に制限はない。
本明細書でいう「シート」「シート状」は、その物体の厚さが、平面視における外縁の間の最大長さに対して、10%以下である形状を意味する。平面視における形状が矩形状である場合、「平面視における外縁の間の最大長さ」は、対角線の長さを意味する。また、平面視における形状が円形状である場合、「平面視における外縁の間の最大長さ」は、直径の長さを意味する。本明細書では、膜状、箔状、フィルム状等も、「シート状」に含まれる。
(バックシート11)
バックシート11は、太陽光発電シート1の受光面とは反対側に配置される。バックシート11は、太陽光発電シート1において外装材3に対向する面を構成する。バックシート11は、水蒸気に対するバリア性能、及び外力に対する保護性能を有する。バックシート11は、透光性があってもよいが、必ずしも透光性は必要ではない。
本明細書でいう「透光性がある」とは、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、10%以上であることを意味する。
バックシート11は、可撓性を有する。バックシート11に用いられる材料としては、縦弾性係数が、50MPa以上であることが好ましく、より好ましくは80MPa以上である。また、縦弾性係数は、200MPa以下であることが好ましく、より好ましくは120MPa以下である。バックシート11の材料として、具体的には、例えば、プラスチックフィルム、プラスチック基板等が挙げられる。
バックシート11の厚さは、50μm以上であることが好ましく、より好ましくは、100μm以上である。また、バックシート11の厚さは、2000μm以下であることが好ましく、より好ましくは、1000μm以下である。バックシート11の厚さが50μm以上2000μm以下であることにより、太陽光発電シート1としての曲げ強さを、50MPa以上200MPa以下に設定しやすい。
(発電部7)
発電部7は、光起電力効果を利用し、太陽光により発電する。本実施形態に係る発電部7は、複数の発電セル12が、太陽光発電シートの面方向のうちの一方向(例えば、図3(A)の紙面奥手前方向)に並んでおり、1つのユニットを構成する。
本明細書において、発電セル12は、光起電力効果を利用した光電変換素子であり、発電し得る最小単位の素子である。発電部7は、複数の発電セル12同士が機械的に接合されると共に電気的に接続された1つのユニットである。太陽光発電シート1の発電量は、発電部7としての数量を増減することで容易に変更し得る。ただし、本発明では、発電部7は、1つの発電セル12によって構成されてもよい。
発電セル12は、図3(A)に示すように、透光性基材13と、透光性導電層14と、発電層15と、電極16と、を備える。透光性基材13、透光性導電層14、発電層15、及び電極16は、バリアシート17からバックシート11に向かう方向に沿って、この順で積層されている。すなわち、透光性基材13がバリアシート17に対向し、電極16がバックシート11に対向するように配置される。
(透光性基材13)
透光性基材13は、透光性導電層14、発電層15、及び電極16を支持する。透光性基材13は、透光性を有する。透光性基材13の透光性は、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、10%以上であればよいが、好ましくは、50%以上であり、より好ましくは、80%以上である。本明細書では、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、80%以上であることを、「透明」であるとする。
透光性基材13の材料としては、例えば、無機材料、有機材料、金属材料等が挙げられる。無機材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET; polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN; polyethylene naphthalene)、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム等が挙げられる。金属材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、シリコン等が挙げられる。
透光性基材13の厚さは、透光性導電層14、発電層15及び電極16を支持することができれば、特に制限はなく、例えば、10μm以上300μm以下が挙げられる。
透光性基材13は、発電セル12の製造過程で必要になる基材である。このため、太陽光発電シート1の製品としては、必ずしも必要な構成ではない。透光性基材13は、例えば、太陽光発電シート1の製造途中にだけ利用されてもよく、製造後又は製造途中に取り除かれてもよい。なお、取り除かれる場合、透光性基材13に代えて、透光性を有さない基材を用いてもよい。
(透光性導電層14)
透光性導電層14は、導電性を有する層であり、カソードとして機能する。透光性導電層14は、透光性を有する。透光性導電層14は、透明であることが好ましい。
透光性導電層14としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO; Indium Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO; F-doped Tin Oxide)、ネサ膜等の透明な材料が挙げられる。透光性導電層14は、透光性基材13の表面に対して、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等により形成される。
また、透光性導電層14としては、不透光性材料を用いつつ、光を透過可能なパターンを形成することで、透光性を有するように構成してもよい。不透光性材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、ニッケル、スズ、亜鉛、又はこれらを含む合金等が挙げられる。光を透過可能なパターンとしては、例えば、格子状、線状、波線状、ハニカム状、丸穴状等が挙げられる。
透光性導電層14の厚さは、例えば、30nm以上300nm以下であることが好ましい。透光性導電層14が、30nm以上300nm以下であると、可撓性を高く保ちながら、良好な導電性を得ることができる。
(発電層15)
発電層15は、光の照射によって光電変換を生じさせる層であり、光を吸収することで生成された励起子から、電子と正孔とを生じさせる。発電層15は、図3(B)に示すように、正孔輸送層151と、光電変換層152と、電子輸送層153と、を備える。正孔輸送層151、光電変換層152、及び電子輸送層153は、透光性導電層14から電極16に向かう方向に沿って、この順で積層されている。
(正孔輸送層151)
正孔輸送層151は、光電変換層152で発生した正孔を、透光性導電層14へ抽出し、かつ光電変換層152で発生した電子が、透光性導電層14へ移動するのを妨げる。正孔輸送層151の材料としては、例えば、金属酸化物を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。また、その他、デラフォサイト型化合物半導体(CuGaO2)、酸化銅、チオシアン酸銅(CuSCN)、五酸化バナジウム(V2O)、酸化グラフェン等が用いられてもよい。また、正孔輸送層151の材料として、p型有機半導体又はp型無機半導体を用いることもできる。
正孔輸送層151の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、10nm以上500nm以下であり、更に好ましくは、10nm以上50nm以下である。正孔輸送層151の厚さが、1nm以上1000nm以下であれば、正孔の輸送が実現できる。
(光電変換層152)
光電変換層152(光活性層)は、吸収した光を光電変換する層である。光電変換層152の材料としては、吸収した光を光電変換することができれば特に制限はなく、例えば、アモルファスシリコン、ペロブスカイト、非シリコン系材料(半導体材料CIGS)等が用いられる。また、光電変換層152は、これらを複合したタンデム型の積層構造としてもよい。非シリコン系材料が用いられた光電変換層152は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)を含む半導体材料CIGSが用いられており、光電変換層の厚さを薄くしやすい。
以下では、光電変換層152の一例として、ペロブスカイトが用いられる光電変換層152を挙げて説明する。ペロブスカイト化合物を含む光電変換層152は、入射光の角度に対する発電効率の依存性(以下、入射角依存性という場合がある)が比較的低いという利点がある。これにより、本実施形態では、より高い発電効率を得ることができる。
ぺロブスカイト化合物は、ペロブスカイト結晶構造体及びこれに類似する結晶を有する構造体である。ペロブスカイト結晶構造体は、組成式 ABX で表される。この組成式において、例えば、Aは有機カチオン、Bは金属カチオン、Xはハロゲンアニオンを示す。ただし、Aサイト、Bサイト及びXサイトはこれに限定されない。
Aサイトを構成する有機カチオンの有機基としては、特に制限はなく、例えば、アルキルアンモニウム誘導体、ホルムアミジニウム誘導体等が挙げられる。Aサイトを構成する有機カチオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Bサイトを構成する金属カチオンの金属としては、特に制限はなく、例えば、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu等が挙げられる。Bサイトを構成する金属カチオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Xサイトを構成するハロゲンアニオンのハロゲンには、特に制限はなく、例えば、F、Cl、Br、I等が挙げられる。Xサイトを構成するハロゲンアニオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
光電変換層152の厚さは、例えば、1nm以上1000000nm以下が好ましく、より好ましくは、100nm以上50000nm以下であり、更に好ましくは、300nm以上1000nm以下である。光電変換層152の厚さが、1nm以上100000nm以下であると、光電変換効率が向上する。
(電子輸送層153)
電子輸送層153は、光電変換層152で発生した電子を電極16へ抽出し、かつ光電変換層152で発生した正孔が、電極16へ移動するのを妨げる。電子輸送層153としては、例えば、ハロゲン化合物又は金属酸化物のいずれかを含むことが好ましい。
ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化リチウム(LiF、LiCl、LiBr、LiI)、ハロゲン化ナトリウム(NaF、NaCl、NaBr、NaI)等が挙げられる。金属酸化物を構成する元素としては、チタン、モリブデン、バナジウム、亜鉛、ニッケル、リチウム、カリウム、セシウム、アルミニウム、ニオブ、スズ、バリウム等が挙げられる。また、電子輸送層153の材料として、n型有機半導体又はn型無機半導体を用いることもできる。
電子輸送層153の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、10nm以上500nm以下であり、更に好ましくは、10nm以上50nm以下である。電子輸送層153の厚さが、1nm以上1000nm以下であれば、電子の輸送が実現できる。
(電極16)
電極16は導電性を有し、アノードとして機能する。電極16は、光電変換層152によって生じた光電変換に応じて、光電変換層152から電子を取り出すことができる。電極16は、透光性を有していてもよいし、不透光性材料で構成されてもよい。電極16の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、ニッケル、スズ、亜鉛、又はこれらを含む合金等が挙げられる。
(発電セル12の作用)
発電セル12に光が照射されると、発電層15の光電変換層152が光を吸収して光電変換を行うことで、光電変換層152で電子と正孔とが生じる。当該電子が電子輸送層153を介して電極16(アノード)へ抽出され、正孔が正孔輸送層151を介して透光性導電層14(カソード)へ抽出されることで、透光性導電層14および電極16から電流が取り出される(すなわち発電が行われる)。
(複数の発電セル12の接合構造等)
発電部7は、複数の発電セル12が一方向に接合されている。ここで、図3(C)には、図3のD-D線断面図を示す(ただし、封止剤18、バックシート11及びバリアシート17は省略している)。図3(C)に示すように、各発電セル12の電極16(アノード)は、電子輸送層153に積層された部分から延びる延長部161を有する。延長部161は、隣接する発電セル12の透光性導電層14にまで延びており、隣接する発電セル12の透光性導電層14に対して、機械的に接合されると共に電気的に接続される。隣り合う発電セル12が、延長部161によって接合されることにより、発電部7の一端にある透光性導電層14と、発電部7の他端にある電極16とが導通する。
発電部7が、複数の発電セル12を備えることで、一部の発電セル12で不具合が生じても、発電部7からの電気取り出し量を安定化させることができる。
なお、延長部161は電極16が有していたが、透光性導電層14(カソード)が、隣接する電極16にまで延びる延長部161を有してもよい。
また、発電部7に透光性基材13を設ける場合、発電部7の製造を容易にする観点から、図3(C)に示すように、各発電セル12の透光性導電層14、発電層15及び電極16を、共通の透光性基材13に支持させることが好ましい。
太陽光発電シート1には、複数の発電部7が含まれていてもよい。この場合、複数の発電部7は、太陽光発電シート1の一面に沿うように配置される。複数の発電部7は、直列又は並列に電気的に接続される。複数の発電部7は、バックシート11とバリアシート17との間に配置された配電線によって電気的に接続される。
複数の発電部7を直列に接続する場合、隣り合う発電部7において、一方の発電部7の端にある透光性導電層14と、他方の発電部7の端にある電極16とを、配電線を介して接続する。複数の発電部7を並列に接続する場合、隣り合う発電部7において、透光性導電層14同士を配電線で接続し、電極16同士を配電線で接続する。
太陽光発電シート1において、複数の発電部7は、一方向に間隔をおいて配置されている。隣り合う発電部7の間の距離は、0mm超であればよく、好ましくは2mm以上であり、より好ましくは10mm以上であり、更に好ましくは、15mm以上である。また、隣り合う発電部7の間の距離は、100mm以下が好ましく、より好ましくは50mm以上であり、更に好ましくは、20mm以下である。本実施形態では、隣り合う発電部7の間の距離は、外装材3の谷部33の幅よりも小さくかつ固定材5の幅(最大幅)よりも大きい。
(バリアシート17)
バリアシート17は、太陽光発電シート1の厚さ方向において、バックシート11とは反対側に配置される。バリアシート17は、太陽光発電シート1の受光面を含む。バリアシート17は、透光性を有している。バリアシート17は、透明であることが好ましい。バリアシート17は、水蒸気に対するバリア性能、及び外力に対する保護性能を有する。
バリアシート17は、可撓性を有する。バリアシート17に用いられる材料としては、縦弾性係数が、50MPa以上であることが好ましく、より好ましくは80MPa以上である。また、縦弾性係数は、200MPa以下であることが好ましく、より好ましくは120MPa以下である。バリアシート17の材料として、具体的には、例えば、プラスチックフィルム、ビニルフィルム等が挙げられる。
また、バリアシート17の厚さは、50μm以上であることが好ましく、より好ましくは、100μm以上である。また、バリアシート17の厚さは、2000μm以下であることが好ましく、より好ましくは、1000μm以下である。バリアシート17の厚さが50μm以上2000μm以下であることにより、太陽光発電シート1としての曲げ強さを、50MPa以上200MPa以下に設定しやすい。
(封止剤18)
封止剤18は、バリアシート17とバックシート11との間に発電層15を配置した状態で、バリアシート17とバックシート11との間に充填される。封止剤18は、発電層15に対して、発電層15の周囲から浸水するのを妨げる。封止剤18は、透光性を有しており、好ましくは、透明である。
封止剤18の材料としては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA; Ethylene-vinyl acetate)、ポリオレフィン、ブチルゴム、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
(封止縁材19)
封止縁材19は、バックシート11とバリアシート17との間に複数の発電部7及び封止剤18を配置した状態で、外縁を全長にわたって封止する。封止縁材19は、図3に示すように、第1接着部191と、第2接着部192と、第1接着部191と第2接着部192とをつなぐ封着部193と、を備える。第1接着部191は、バリアシート17のおもて面(図では上面)に接着される。第2接着部192は、バックシート11のうら面(図では下面)に接着される。第1接着部191、封着部193及び第2接着部192は、一体に形成されている。
封止縁材19の材料としては、例えば、ブチルゴム、シリコーンゴム等からなるテープ材が挙げられる。
(取付構造100)
このような構成の太陽光発電シート1は、図2に示すように、外装材3に取り付けられる。太陽光発電シート1は、複数の凸部32に跨って配置されると共に、谷部33に対して、固定材5によって固定される。このとき、太陽光発電シート1は複数の凸部32に対して非固定である。太陽光発電シート1は、可撓性を有しているため、複数の凸部32に跨って配置され、かつ谷部33に対して固定されると、断面において凸部32に沿い、固定された部分は、凸部32の頂面321よりも凸部32の基部側に位置する。以下では、太陽光発電シート1において、固定材5によって固定される部分を「取付部2」という場合がある。
固定材5は、谷部33に対して、太陽光発電シート1を固定する。固定材5としては、谷部33に太陽光発電シート1を固定することができれば、特に制限はなく、例えば、ボルト、ねじ、太陽光発電シート1を挟み込むクリップ、接着剤、磁石、ピン、ネイル、重石等が挙げられる。固定材5としては、外装材3における防水性の観点から、外装材3に穴を空けない固定材5である、接着剤、磁石、又は重石が用いられること好ましい。また、施工性及び取付け強度の観点から、ボルト、ねじが用いられることが好ましい。本実施形態では、固定材5の一例として、ボルトを挙げて説明する。
固定材5は、谷部33に対して取り付けられる。固定材5は、外装材3において、タイトフレーム42と重なる位置(これを、「タイトフレーム42に対応する位置」という場合がある)に取り付けられることが好ましい。これによって、外装材3に対する固定材5の取付け強度を向上することができる。この結果、例えば、太陽光発電シート1の負圧強度を高くすることができ、外装材3から太陽光発電シート1が剥がれることを抑制することができる。
太陽光発電シート1の取付部2は、図1に示すように、本実施形態では貫通穴21である。複数の貫通穴21は、隣り合う発電部7の間の部分に沿って、一定の間隔をおいて形成されている。また、複数の貫通穴21は、横方向に一定の間隔をおいて並んでいる。すなわち、本実施形態では、取付部2が、発電部7以外の部分に形成されていることで、固定材5における太陽光発電シート1の表面から突き出た部分(ここではボルトの頭部)を、発電部7以外の部分に位置させることができる。
このため、本実施形態では、発電部7を凸部32に対応する位置に位置させることができるだけでなく、固定材5で生じた影を、できる限り発電部7に重ならないようにすることができる。この結果、固定材5で生じた影による発電効率の低下を軽減しながら、発電部7を太陽光に当たりやすい位置に配置でき、高い発電効率を得ることができる。
隣り合う発電部7の間の部分に沿って形成された複数の貫通穴21のピッチとしては、例えば、50mm以上200mm以下であり、より具体的には、100mm以上150mm以下である。
固定材5が接着剤である場合には、取付部2は貫通穴21である必要がないため、谷部33に対応する位置に発電部7が位置してもよい。この場合、例えば、隣り合う2つの凸部32に跨るように、1つの発電部7が配置されてもよい。なお、この場合、接着剤が塗布される一領域(糊代)が、太陽光発電シート1における取付部2である。
また、固定材5が磁石である場合、例えば、磁石と外装材3との間に太陽光発電シート1を挟んでもよい。この場合、磁石は、隣り合う発電部7の間の部分に配置される。この態様では、隣り合う発電部7の間の部分のうち、磁石が置かれる部分が、太陽光発電シート1における取付部2である。なお、固定材5が磁石である場合、タイトフレーム42又は外装材3が、磁性体で構成されることが好ましい。
また、太陽光発電シート1の横方向の端部は、谷部33上に位置しないことが好ましい。すなわち、太陽光発電シート1の横方向の端部には、取付部2がないことが好ましく、換言すると、取付部2は、太陽光発電シート1の横方向の中間部分に位置することが好ましい。ここでいう「太陽光発電シート1の横方向の端部」は、本実施形態では、封止縁材19に対応する位置を指し、「太陽光発電シート1の横方向の中間部分」は、横方向において、封止縁材19間の部分(バリアシート17で覆われた部分)を指す。
雨が降ると、太陽光発電シート1の上面における最も低い位置である谷部33の上方の部分に雨水が集まる。この部分を、「排水部6」とする。排水部6は、水流れ方向に延びており、かつ水下側に下り傾斜している。排水部6に集まった雨水は、水流れ方向に沿って流れ、太陽光発電シート1の水下側の端部から谷部33上に流れる。
排水部6が、太陽光発電シート1の横方向の中間部分、すなわち、バリアシート17の上面の一部で構成されていることにより、比較的浸水が生じやすい封止縁材19の部分を、排水部6から遠ざけることができる。このため、太陽光発電シート1の発電部7への浸水を抑制することができる。
ここで、貫通穴21に通された固定材5には、止水材(例えば、シーリング材、コーキング材、ガスケット等)が設けられる。このため、本実施形態では、排水部6において貫通穴21が設けられていても、貫通穴21からの浸水が抑制される。万が一、止水材が破損し、貫通穴21から浸水が生じても、貫通穴21は封止剤18に対応する部分に形成されているだけでなく、貫通穴21と発電部7とが、所定距離以上離れていることで、発電部7への浸水は抑制される。
ここにおいて、図4は、外装材3及び太陽光発電シート1の水下側の端部を、上方から見た斜視図である。本実施形態では、固定材5と、固定材5に対して最も近い位置にある発電部7との間の最小距離L1は、5mm以上、好ましくは15mm以上となるように設計されている。距離L1が、15mm以上となるように設計されていることで、貫通穴21と発電部7との距離を所定距離以上に保つことができる。この結果、万が一、取付部2としての貫通穴21から浸水が生じても、発電部7へ浸水することが抑制される。なお、距離L1の上限値は特に制限はないが、例えば、50mm以下である。
また、図2に示すように、水流れ方向に直交する断面における太陽光発電シート1と外装材3の外面との間の隙間S1の最大値は、20mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15mm以下である。本実施形態では、隙間S1は、連結部322の突出寸法以下となるように設定されている。隙間S1の最大値が15mm以下であることで、外装材3の表面に沿って流れる風が、太陽光発電シート1と外装材3の外面との間に吹き込むことを抑制することができ、太陽光発電シート1がバタつくことを抑制できる。なお、太陽光発電シート1と外装材3の外面とはできる限り近接していればよく、太陽光発電シート1と外装材3の外面との間の隙間の最大値の下限値は、0mm以上であればよい。
(施工方法)
次に、本実施形態に係る太陽光発電シート1を外装材3に取り付ける施工方法の一例を説明する。
まず作業者は、建築物の外装材3に対して、太陽光発電シート1を載せる。建築物の外装材3としては、既設の外装材3であってもよいし、躯体に対して取り付ける前の外装材3であってもよい。
作業者は、外装材3に載せた太陽光発電シート1を撓ませ、太陽光発電シート1を、凸部32に沿うように湾曲させる。そして、作業者は、太陽光発電シート1の貫通穴21に対して、上方から固定材5としてのボルトを挿し入れ、ボルトを谷部33に対してねじ込む。なお、谷部33には、予め雌ねじを形成しておいてもよいし、ナットを溶接しておいてもよい。
この後、作業者は、ボルト及び貫通穴21に対して、止水材を用いて止水処理を行う。これによって、太陽光発電シート1の施工が完了する。このように、本実施形態では、太陽光発電シート1が可撓性を有しているため、施工時において、万が一、作業者が太陽光発電シート1を外装材3上に落下させる等しても、外装材3の損傷を抑制できる。このため、作業者は、作業性を向上させることができる。
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る太陽光発電シート1の取付構造100は、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シート1と、隣り合う凸部32の間の部分に対して太陽光発電シート1を固定する固定材5と、を備えるため、剛性が高い平板状の太陽電池パネルに比べて、屋根面の単位面積当たりの太陽光発電シート1の表面積をできる限り大きくすることができる。
また、太陽光発電シート1における固定材5に固定された部分は、凸部32の頂面321よりも凸部32の基部側に位置しているため、太陽光発電シート1における発電部7の部分を、太陽光に当たりやすい凸部32に沿って突き出るように配置できる。
また太陽光発電シート1は、複数の凸部32に対して非固定であるため、太陽光に当たりやすい凸部32上の部分が、固定材5の影に重なることを防ぐことができる。
また、太陽光発電シート1は、ペロブスカイト化合物を含む複数の発電部7を有する。ところで、ペロブスカイト化合物を含む発電部7を有する太陽光発電シート1は、入射角依存性が小さいことが知られている。複数の凸部32を有する外装材3に対して、太陽光発電シート1が取り付けられると、太陽光に対する太陽光発電シート1の表面の角度が、連続的に変化するが、ペロブスカイト化合物を含む太陽光発電シート1を用いることで、発電効率が損なわれることが抑制できる。
また、固定材5が太陽光発電シート1における発電部7以外の部分に対して取り付けられているため、固定材5が発電効率に影響を与えることを抑制できる。
また、太陽光発電シート1は、バリアシート17のうちの中間部分が固定材5によって固定されており、中間部分が排水部6を構成するため、発電部7への浸水が生じにくい。
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上記実施形態では、固定材5は、発電部7以外の部分として、隣り合う発電部7の間の部分に取り付けられたが、発電部7以外の部分としては、太陽光発電シート1の水流れ方向の端部であってもよく、必ずしも隣り合う発電部7の間の部分でなくてもよい。
上記実施形態では、太陽光発電シートの一形態として、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する太陽光発電シートを挙げて説明をしたが、取付け構造としては、可撓性を有する太陽電池シートであれば同等の効果を発揮することができる。また、取付け構造としては、光により発電効果が得られる太陽光発電シートだけでなく、光エネルギーを別のエネルギーに変換するシート(光エネルギー変換シート)であればよい。光エネルギー変換シートとしては、太陽光発電シートのほか、例えば、光エネルギーを熱エネルギーに変換する光発熱シート(太陽光駆動型熱電変換デバイス)等が挙げられる。
本明細書にて、「平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、対象の直線、面が、延長しても交差しない場合だけでなく、延長した場合に、10°以内の範囲で交差することも含まれる。
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
1 太陽光発電シート
17 バリアシート
2 取付部
3 外装材
31 折板材(凹凸外装材)
32 凸部
321 頂面
5 固定材
6 排水部
7 発電部
100 取付構造

Claims (9)

  1. 一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材と、
    前記複数の凸部にまたがって配置され、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シートと、
    隣り合う前記凸部の間の部分に対して前記太陽光発電シートを固定する固定材と、
    を備える、
    太陽光発電シートの取付構造。
  2. 前記太陽光発電シートにおける前記固定材に固定された部分は、前記凸部の頂面よりも前記凸部の基部側に位置している、
    請求項1に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  3. 前記太陽光発電シートは、前記複数の凸部に対して非固定である、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  4. 前記太陽光発電シートは、ペロブスカイト化合物を含む発電部を有する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  5. 前記固定材は、前記太陽光発電シートにおける発電部以外の部分に対して取り付けられている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  6. 前記固定材と、前記固定材に対して最も近い位置にある前記発電部と、の間の最小距離が、1.5cm以上である、
    請求項5に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  7. 前記外装材が屋根材であり、
    前記太陽光発電シートは、複数の発電部を覆う1つのバリアシートを有し、
    隣り合う前記凸部の間の部分に対して、前記1つのバリアシートのうちの中間部分が前記固定材によって固定されることで、前記中間部分が、凹みかつ水下側に下り傾斜した排水部を構成する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽光発電シートの取付構造。
  8. 一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材に対して、曲げ強さが50MPa以上200MPa以下である太陽光発電シートを取り付けるための太陽光発電シートの施工方法であって、
    前記複数の凸部の間の部分に対して前記太陽光発電シートを固定する、
    太陽光発電シートの施工方法。
  9. 一方向に延びた複数の凸部が前記一方向に直交する方向に間隔をおいて形成された外装材に対して取り付けられる凹凸外装材用の太陽光発電シートであって、
    複数の発電部と、
    前記複数の発電部の間に設けられ、前記外装材の隣り合う前記凸部の間の部分に対して固定される取付部と、
    を備え、
    曲げ強さが50MPa以上200MPa以下に構成されている、
    凹凸外装材用の太陽光発電シート。
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