JP2024029770A - 太陽光発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットな態様以外の使用態様においても、長期間の使用により層間の界面で剥離が生じるのを抑制できること。【解決手段】太陽光発電装置100は、背面保護層11と、背面保護層11に対して間隔をおいて設けられ、透光性を有する表面保護層17と、背面保護層11と表面保護層17との間に配置された発電部7と、背面保護層11と表面保護層17との間に充填され、発電部7の少なくとも一部を覆う封止層18と、を備え、封止層18の横弾性係数が、500MPa以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光発電装置に関する。
特許文献1には、従来の太陽光発電装置の一態様が記載されている。特許文献1に記載のフレキシブル太陽電池モジュールは、金属板と、フッ素系樹脂シートと、金属板とフッ素系樹脂シートとの間に配置された光電変換層と、金属板とフッ素系樹脂シートとの間に充填された接着材層とを備えている。フレキシブル太陽電池モジュールは、可撓性を有している。
国際公開第2012/046564号公報
ところで、特許文献1のようなフレキシブル太陽電池モジュールは、上述したように、可撓性を有しているため、設置する箇所に応じて、部分的に曲げて使用する場合がある。
しかし、フレキシブル太陽電池モジュールの一部を曲げると、接着剤層と金属板との界面と、接着剤層とフッ素系樹脂シートとの界面とのうちの少なくとも一方で剥離が生じる懸念がある。
すなわち、フレキシブル太陽電池モジュールの一部を曲げると、曲がった部分では、フッ素系樹脂シートと金属板とが変形を起こし、一方に伸びが生じ、他方に収縮が生じ得る。このとき、接着剤層は、フッ素系樹脂シートと金属板とに固定されているため、双方の曲げに追従するだけでなく、伸びと収縮にも追従して弾性的に変形する一方で、接着剤層には残留応力が生じ得る。このため、従来のフレキシブル太陽電池モジュールでは、フラットな状態以外の使用態様では、長期間の使用により、隣り合う層の界面(以下、「層間の界面」という場合がある)で剥離が生じる懸念がある。
本発明の目的は、フラットな態様以外の使用態様においても、長期間の使用により層間の界面で剥離が生じるのを抑制できる太陽光発電装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
項1.背面保護層と、
前記背面保護層に対して間隔をおいて設けられ、透光性を有する表面保護層と、
前記背面保護層と前記表面保護層との間に配置された発電部と、
前記背面保護層と前記表面保護層との間に充填され、前記発電部の少なくとも一部を覆う封止層と、を備え、
前記封止層の横弾性係数が、500MPa以下である、太陽光発電装置。
項2.背面保護層と、
前記背面保護層に対して間隔をおいて設けられ、透光性を有する表面保護層と、
前記背面保護層と前記表面保護層との間に配置された発電部と、
前記背面保護層と前記表面保護層との間に充填され、前記発電部の少なくとも一部を覆う封止層と、
を備え、
前記封止層の粘度は、11000mPa・S以上700000mPa・S以下である、太陽光発電装置。
項3.前記封止層に対する前記背面保護層の剥離強度が0.1N/mm以上である、項1又は項2に記載の太陽光発電装置。
項4.前記封止層に対する前記表面保護層の剥離強度が、0.1N/mm以上である、項1から項3のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
項5.少なくとも1つの曲げ部を更に備え、
前記曲げ部のなす角は、150°以上180°未満である、項1から項4のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
項6.前記背面保護層に対する前記表面保護層の線膨張係数の比が、6.0以下である、項1から項5のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
項7.前記背面保護層が金属板を含む、項1から項6のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
項8.前記背面保護層が建築板を含む、
請求項1から項7のいずれか一項に記載の太陽光発電装置。
本発明に係る上記態様の太陽光発電装置は、フラットな態様以外の使用態様においても、長期間の使用により層間の界面で剥離が生じるのを抑制できる、という利点がある。
図1(A)は、本発明の実施形態に係る太陽光発電装置の断面図である。図1(B)は、図1(A)のB部分の拡大図である。図1(C)は、図1(A)のC-C線断面図である。 図2は、実施形態に係る太陽光発電装置の外装材への取付け構造の分解斜視図である。 図3は、実施形態に係る外装材に対して太陽光発電装置を取り付けた状態の断面図である。 図4(A)は、太陽光発電装置において、図3のD部分に対応する部分の拡大図である。図4(B)は、図4(A)のE部分の拡大図である。 図5(A)は、変形例に係る太陽光発電装置であり、建築板に対して封止層、発電層及び正面保護層を取り付ける際の断面図である。図5(B)は、変形例に係る太陽光発電装置の断面図である。
<実施形態>
太陽光発電装置100は、太陽光を受けて発電する装置である。太陽光発電装置100は、図1に示すように、背面保護層11と、透光性を有する表面保護層17と、発電部7と、封止層18と、を備える。発電部7は、背面保護層11と表面保護層17との間に配置される。
封止層18は、背面保護層11と表面保護層17との間に充填され、発電部7の少なくとも一部を覆う。封止層18は、横弾性係数(横弾性率)が、500MPa以下であるか、又は粘度が11000mPa・S以上700000mPa・S以下に設定されている。
これにより、表面保護層17と背面保護層11とが、面方向に伸縮等が生じても、表面保護層17と封止層18との界面と、背面保護層11と封止層18との界面において、剥離が生じるのを抑制できる。例えば、図4に示すように、太陽光発電装置100を、表面側に曲げた場合、表面保護層17に圧縮が生じ、背面保護層11に伸びが生じ得る。このとき、表面保護層17の一部と背面保護層11の一部とが面方向に変位するため、図4(B)に示すように、封止層18が、表面保護層17と背面保護層11との各々に追従する。しかし、封止層18が変形しやすいために、各層間の界面での剥離が生じるのを抑制できる。
以下、本実施形態に係る太陽光発電装置100を、より詳細に説明する。本実施形態では、太陽光発電装置100の一例として、太陽光発電シート1を挙げて説明する。
(太陽光発電シート1)
太陽光発電シート1は、シート状に形成されており、太陽光を受けることで発電を行うことができる。太陽光発電シート1は、図1に示すように、背面保護層11としてのバックシート11Aと、複数の発電部7と、表面保護層17としてのバリアシート17Aと、封止層18と、封止縁材19と、を備える。複数の発電部7及び封止層18は、バックシート11Aとバリアシート17Aとの間に配置されている。封止縁材19は、バックシート11Aとバリアシート17Aとの間に複数の発電部7及び封止層18を配置した状態で、外縁を全長にわたって封止する。
本実施形態に係る太陽光発電シート1は、平面視略矩形状に形成されている。ただし、本発明では、太陽光発電シート1の形状としては、例えば、平面視略円形状、平面視楕円形状、平面視多角形状等であってもよく、特に制限はない。
本明細書でいう「シート」「シート状」は、その物体の厚さが、平面視における外縁の間の最大長さに対して、10%以下である形状を意味する。平面視における形状が矩形状である場合、「平面視における外縁の間の最大長さ」は、対角線の長さを意味する。また、平面視における形状が円形状である場合、「平面視における外縁の間の最大長さ」は、直径の長さを意味する。本明細書では、膜状、箔状、フィルム状等も、「シート状」に含まれる。
太陽光発電シート1は、可撓性を有する。本明細書における「可撓性を有する」とは、対象物が撓み得る性質を意味する。本実施形態に係る太陽光発電シート1の曲げ強さは、特に限定されないが、好ましくは10MPa以上であり、より好ましくは20MPa以上であり、より好ましくは50MPa以上である。また、太陽光発電シート1の曲げ強さは、好ましくは200MPa以下であり、より好ましくは150MPa以下であり、より好ましくは50MPa以下である。また、太陽光発電シート1は、曲げ弾性率で定義されていてもよく、好ましくは100MPa以上であり、より好ましくは500MPa以上である。一方、太陽光発電シート1の曲げ弾性率は、好ましくは10000MPa以上であり、より好ましくは5000MPa以下である。太陽光発電シート1を曲げ弾性率で定義する場合、曲げ強さは上記の範囲に含まれなくてもよい。太陽光発電シート1の曲げ強さ及び曲げ弾性率の測定方法は、JIS K 7171に準拠して測定される。このように、太陽光発電シート1が可撓性を有することで、設置面の形状に対して追従することができ、なおかつ、設置された状態において、風等でバタつきにくい。
(バックシート11A)
バックシート11Aは、発電部7の背面を保護する。すなわち、本実施形態では、バックシート11Aは、背面保護層11である。バックシート11Aは、太陽光発電シート1の受光面とは反対側に配置される。バックシート11Aは、太陽光発電シート1において、設置面である外装材3に対向する(図3参照)。バックシート11Aは、水蒸気に対するバリア性能、及び外力に対する保護性能を有する。バックシート11Aは、透光性があってもよいが、必ずしも透光性は必要ではない。
本明細書でいう「透光性がある」とは、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、10%以上であることを意味する。
バックシート11Aは、可撓性を有する。バックシート11Aに用いられる材料としては、縦弾性係数が、2400MPa以上であることが好ましく、より好ましくは3000MPa以上である。また、バックシート11Aの縦弾性係数は、4200MPa以下であることが好ましく、より好ましくは3100MPa以下である。バックシート11Aの材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、ビニル樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂が挙げられる。また、バックシート11Aの材料としては、合成樹脂のほか、例えば、天然樹脂、ゴム、金属、カーボン、パルプ等が用いられてもよい。
バックシート11Aの厚さは、50μm以上であることが好ましく、より好ましくは、100μm以上である。また、バックシート11Aの厚さは、2000μm以下であることが好ましく、より好ましくは、1000μm以下である。
(発電部7)
発電部7は、光起電力効果を利用し、太陽光により発電する。本実施形態において、1つの発電部7では、複数の発電セル12が、太陽光発電シート1の面方向のうちの一方向(例えば、図1(A)の紙面奥手前方向)に並んでおり、1つのユニットを構成する。
本明細書において、発電セル12は、光起電力効果を利用した光電変換素子であり、発電し得る最小単位の素子である。発電部7は、複数の発電セル12同士が機械的に接合されると共に電気的に接続された1つのユニットである。太陽光発電シート1の発電量は、発電部7としての数量を増減することで容易に変更し得る。ただし、本発明では、発電部7は、1つの発電セル12によって構成されてもよい。
発電セル12は、図1(A)に示すように、透光性基材13と、透光性導電層14と、発電層15と、電極16と、を備える。透光性基材13、透光性導電層14、発電層15、及び電極16は、バリアシート17Aからバックシート11Aに向かう方向に沿って、この順で積層されている。すなわち、透光性基材13がバリアシート17Aに対向し、電極16がバックシート11Aに対向するように配置される。
(透光性基材13)
透光性基材13は、透光性導電層14、発電層15、及び電極16を支持する。透光性基材13は、透光性を有する。透光性基材13の透光性は、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、10%以上であればよいが、好ましくは、50%以上であり、より好ましくは、80%以上である。本明細書では、光の透過率が、入射前の光のピーク波長に対して、80%以上であることを、「透明」であるとする。
透光性基材13の材料としては、例えば、無機材料、有機材料、金属材料等が挙げられる。無機材料としては、例えば、石英ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET; polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN; polyethylene naphthalene)、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム等が挙げられる。金属材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、シリコン等が挙げられる。
透光性基材13の厚さは、透光性導電層14、発電層15及び電極16を支持することができれば、特に制限はなく、例えば、10μm以上300μm以下が挙げられる。
透光性基材13は、発電セル12の製造過程で必要になる基材である。このため、太陽光発電シート1の製品としては、必ずしも必要な構成ではない。透光性基材13は、例えば、太陽光発電シート1の製造途中にだけ利用されてもよく、製造後又は製造途中に取り除かれてもよい。なお、取り除かれる場合、透光性基材13に代えて、透光性を有さない基材を用いてもよい。
(透光性導電層14)
透光性導電層14は、導電性を有する層であり、カソードとして機能する。透光性導電層14は、透光性を有する。透光性導電層14は、透明であることが好ましい。
透光性導電層14としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO; Indium Tin Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO; F-doped Tin Oxide)、ネサ膜等の透明な材料が挙げられる。透光性導電層14は、透光性基材13の表面に対して、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等により形成される。
また、透光性導電層14としては、不透光性材料を用いつつ、光を透過可能なパターンを形成することで、透光性を有するように構成してもよい。不透光性材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、ニッケル、スズ、亜鉛、又はこれらを含む合金等が挙げられる。光を透過可能なパターンとしては、例えば、格子状、線状、波線状、ハニカム状、丸穴状等が挙げられる。
透光性導電層14の厚さは、例えば、30nm以上300nm以下であることが好ましい。透光性導電層14が、30nm以上300nm以下であると、可撓性を高く保ちながら、良好な導電性を得ることができる。
(発電層15)
発電層15は、光の照射によって光電変換を生じさせる層であり、光を吸収することで生成された励起子から、電子と正孔とを生じさせる。発電層15は、図1(B)に示すように、正孔輸送層151と、光電変換層152と、電子輸送層153と、を備える。正孔輸送層151、光電変換層152、及び電子輸送層153は、透光性導電層14から電極16に向かう方向に沿って、この順で積層されている。
(正孔輸送層151)
正孔輸送層151は、光電変換層152で発生した正孔を、透光性導電層14へ抽出し、かつ光電変換層152で発生した電子が、透光性導電層14へ移動するのを妨げる。正孔輸送層151の材料としては、例えば、金属酸化物を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウム等が挙げられる。また、その他、デラフォサイト型化合物半導体(CuGaO2)、酸化銅、チオシアン酸銅(CuSCN)、五酸化バナジウム(V2O)、酸化グラフェン等が用いられてもよい。また、正孔輸送層151の材料として、p型有機半導体又はp型無機半導体を用いることもできる。
正孔輸送層151の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、10nm以上500nm以下であり、更に好ましくは、10nm以上50nm以下である。正孔輸送層151の厚さが、1nm以上1000nm以下であれば、正孔の輸送が実現できる。
(光電変換層152)
光電変換層152(光活性層)は、吸収した光を光電変換する層である。光電変換層152の材料としては、吸収した光を光電変換することができれば特に制限はなく、例えば、アモルファスシリコン、ペロブスカイト、非シリコン系材料(半導体材料CIGS)等が用いられる。また、光電変換層152は、これらを複合したタンデム型の積層構造としてもよい。非シリコン系材料が用いられた光電変換層152は、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)を含む半導体材料CIGSが用いられており、光電変換層152の厚さを薄くしやすい。
以下では、光電変換層152の一例として、ペロブスカイトが用いられる光電変換層152を挙げて説明する。ペロブスカイト化合物を含む光電変換層152は、入射光の角度に対する発電効率の依存性(以下、入射角依存性という場合がある)が比較的低いという利点がある。これにより、本実施形態では、より高い発電効率を得ることができる。これにより、本実施形態に係る太陽光発電シート1は、入射角依存性が低く、すなわち、設置面の勾配に対する依存性が少ないため、他の太陽電池と比較して、より広い箇所に設置できる。これにより、本実施形態では、より高い発電効率を得ることができる。加えて、ペロブスカイトが用いられる太陽光発電シート1は高い発電効率を有するため、比較的薄く形成できかつ有機物のため非常に撓みやすい。よって外装材3に沿うように曲げた状態で設置したとしても長期間発電効率を維持することができる。
ぺロブスカイト化合物は、ペロブスカイト結晶構造体及びこれに類似する結晶を有する構造体である。ペロブスカイト結晶構造体は、組成式 ABX で表される。この組成式において、例えば、Aは有機カチオン、Bは金属カチオン、Xはハロゲンアニオンを示す。ただし、Aサイト、Bサイト及びXサイトはこれに限定されない。
Aサイトを構成する有機カチオンの有機基としては、特に制限はなく、例えば、アルキルアンモニウム誘導体、ホルムアミジニウム誘導体等が挙げられる。Aサイトを構成する有機カチオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Bサイトを構成する金属カチオンの金属としては、特に制限はなく、例えば、Cu、Ni、Mn、Fe、Co、Pd、Ge、Sn、Pb、Eu等が挙げられる。Bサイトを構成する金属カチオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
Xサイトを構成するハロゲンアニオンのハロゲンには、特に制限はなく、例えば、F、Cl、Br、I等が挙げられる。Xサイトを構成するハロゲンアニオンは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
光電変換層152の厚さは、例えば、1nm以上1000000nm以下が好ましく、より好ましくは、100nm以上50000nm以下であり、更に好ましくは、300nm以上1000nm以下である。光電変換層152の厚さが、1nm以上100000nm以下であると、光電変換効率が向上する。
(電子輸送層153)
電子輸送層153は、光電変換層152で発生した電子を電極16へ抽出し、かつ光電変換層152で発生した正孔が、電極16へ移動するのを妨げる。電子輸送層153としては、例えば、ハロゲン化合物又は金属酸化物のいずれかを含むことが好ましい。
ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化リチウム(LiF、LiCl、LiBr、LiI)、ハロゲン化ナトリウム(NaF、NaCl、NaBr、NaI)等が挙げられる。金属酸化物を構成する元素としては、チタン、モリブデン、バナジウム、亜鉛、ニッケル、リチウム、カリウム、セシウム、アルミニウム、ニオブ、スズ、バリウム等が挙げられる。また、電子輸送層153の材料として、n型有機半導体又はn型無機半導体を用いることもできる。
電子輸送層153の厚さは、例えば、1nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは、10nm以上500nm以下であり、更に好ましくは、10nm以上50nm以下である。電子輸送層153の厚さが、1nm以上1000nm以下であれば、電子の輸送が実現できる。
電極16は導電性を有し、アノードとして機能する。電極16は、光電変換層152によって生じた光電変換に応じて、光電変換層152から電子を取り出すことができる。電極16は、透光性を有していてもよいし、不透光性材料で構成されてもよい。電極16の材料としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、チタン、ニッケル、スズ、亜鉛、又はこれらを含む合金等が挙げられる。
(発電セル12の作用)
発電セル12に光が照射されると、発電層15の光電変換層152が光を吸収して光電変換を行うことで、光電変換層152で電子と正孔とが生じる。当該電子が電子輸送層153を介して電極16(アノード)へ抽出され、正孔が正孔輸送層151を介して透光性導電層14(カソード)へ抽出されることで、透光性導電層14および電極16から電流が取り出される(すなわち発電が行われる)。
(複数の発電セル12の接合構造等)
発電部7は、複数の発電セル12が一方向に接合されている。ここで、図1(C)には、図1(A)のC-C線断面図を示す(ただし、封止層18、バックシート11A及びバリアシート17Aは省略している)。図1(C)に示すように、各発電セル12の電極16(アノード)は、電子輸送層153に積層された部分から延びる延長部161を有する。延長部161は、隣接する発電セル12の透光性導電層14にまで延びており、隣接する発電セル12の透光性導電層14に対して、機械的に接合されると共に電気的に接続される。隣り合う発電セル12が、延長部161によって接合されることにより、発電部7の一端にある透光性導電層14と、発電部7の他端にある電極16とが導通する。
発電部7が、複数の発電セル12を備えることで、一部の発電セル12で不具合が生じても、発電部7からの電気取り出し量を安定化させることができる。
なお、延長部161は電極16が有していたが、透光性導電層14(カソード)が、隣接する電極16にまで延びる延長部161を有してもよい。
また、発電部7に透光性基材13を設ける場合、発電部7の製造を容易にする観点から、図1(C)に示すように、各発電セル12の透光性導電層14、発電層15及び電極16を、共通の透光性基材13に支持させることが好ましい。
太陽光発電シート1には、複数の発電部7が含まれていてもよい。この場合、複数の発電部7は、太陽光発電シート1の一面に沿うように配置される。複数の発電部7は、直列又は並列に電気的に接続される。複数の発電部7は、バックシート11Aとバリアシート17Aとの間に配置された配電線によって電気的に接続される。
複数の発電部7を直列に接続する場合、隣り合う発電部7において、一方の発電部7の端にある透光性導電層14と、他方の発電部7の端にある電極16とを、配電線を介して接続する。複数の発電部7を並列に接続する場合、隣り合う発電部7において、透光性導電層14同士を配電線で接続し、電極16同士を配電線で接続する。
太陽光発電シート1において、複数の発電部7は、一方向に間隔をおいて配置されている。隣り合う発電部7の間の距離は、0mm超であればよく、好ましくは2mm以上であり、より好ましくは10mm以上であり、更に好ましくは、15mm以上である。また、隣り合う発電部7の間の距離は、100mm以下が好ましく、より好ましくは50mm以上であり、更に好ましくは、20mm以下である。
(バリアシート17A)
バリアシート17Aは、発電部7の表面側の面を保護する。すなわち、バリアシート17Aは、表面保護層17を構成する。バリアシート17Aは、太陽光発電シート1の厚さ方向において、バックシート11Aとは反対側に配置される。バリアシート17Aは、太陽光発電シート1の受光面を含む。バリアシート17Aは、透光性を有しているが、透明であることが好ましい。バリアシート17Aは、水蒸気に対するバリア性能、及び外力に対する保護性能を有する。
バリアシート17Aは、可撓性を有する。バリアシート17Aの縦弾性係数は、2400MPa以上であることが好ましく、より好ましくは3000MPa以上である。また、バリアシート17Aの縦弾性係数は、4200MPa以下であることが好ましく、より好ましくは4000MPa以下である。バリアシート17Aの材料として、具体的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック、ビニル樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル)等の合成樹脂が挙げられる。また、バリアシート17Aの材料としては、合成樹脂のほか、例えば、天然樹脂、ゴム、金属、パルプ等が用いられてもよい。
また、バリアシート17Aの厚さは、50μm以上であることが好ましく、より好ましくは、100μm以上である。また、バリアシート17Aの厚さは、2000μm以下であることが好ましく、より好ましくは、1000μm以下である。
太陽光発電シート1が加熱又は冷却された際、バリアシート17Aの熱伸縮量は、バックシート11Aの熱伸縮量に近いことが好ましい。すなわち、バックシート11Aに対するバリアシート17Aの熱膨張係数の比は、6.0以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0以下であり、更に好ましくは、1.0以下である。一方、バックシート11Aに対するバリアシート17Aの熱膨張係数の比の下限値としては、0.8以上であることが好ましく、より好ましくは、0.9以上であり、更に好ましくは、0.95以上である。
これによって、設置した後において、太陽光の影響で温度が上がったり、冬期に温度が下がったりしても、熱伸縮の影響を抑制でき、バックシート11Aと封止層18との界面、及びバリアシート17Aと封止層18との界面に生じるせん断応力を抑制できる。
(封止層18)
封止層18は、バリアシート17Aとバックシート11Aとの間に発電部7を配置した状態で、バリアシート17Aとバックシート11Aとの間に充填される。発電部7は、封止層18に埋め込まれており、封止層18によって覆われる。したがって、封止層18は、発電部7に対して、発電部7の周囲から浸水するのを妨げる。封止層18は、透光性を有しており、好ましくは、透明である。
封止層18は、横弾性係数が500MPa以下であることが好ましく、より好ましくは400MPa以下であり、更に好ましくは250MPa以下であり、更に好ましくは、100MPa以下であり、更に好ましくは、50MPa以下である。一方、封止層18の横弾性係数の下限値は、0.01MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.05MPa以上であり、更に好ましくは、0.1MPa以上である。このようにすることで、バックシート11Aとバリアシート17Aの熱伸縮に追随して、封止層18が面方向に変形する。これにより、バックシート11Aとバリアシート17Aとが、熱伸縮により発生するせん断応力により、封止層18から剥離することを抑制できる。本明細書でいう「横弾性率」は、引張り試験法により得た縦弾性係数及びポアソン比から算出した値である。
この場合の封止層18の材料としては、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA; Ethylene-vinyl acetate)、ポリオレフィン、ブチルゴム、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリイソブチレン樹脂、SBS樹脂、SIBS樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。本明細書でいう「横弾性係数」は、例えば、引張り試験法により得た縦弾性係数及びポアソン比から算出した値である。
また、封止層18は、別の観点から、粘度で規定することもできる。封止層18の粘度は、11000mPa・S以上が好ましく、より好ましくは、26000mPa・S以上であり、更に好ましくは、40000mPa・S以上である。一方、封止層18の粘度は、700000mPa・S以下が好ましく、より好ましくは、450000mPa・S以下であり、更に好ましくは、110000mPa・S以下である。
この場合の封止層18の材料としては、例えば、ポリオレフィン、ブチルゴム、シリコーン樹脂、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリイソブチレン樹脂等が挙げられる。本明細書でいう「粘度」は、JIS Z8803の回転粘度計法に準拠し、環境温度23℃で測定を行った値である。
このように、本実施形態に係る太陽光発電装置100では、封止層18がバリアシート17A及びバックシート11Aに沿う方向に変形しやすいため、バックシート11A又は/及びバリアシート17Aに対して、面方向に沿う部分的な伸縮が生じても、封止層18は、当該部分的な伸縮に追従しやすい。この結果、バックシート11Aと封止層18との界面、又は/及びバリアシート17Aと封止層18との界面で発生するせん断応力を抑制できるため、長期間にわたって、各層の界面での剥離の発生を抑制することができる。
封止層18に対するバックシート11Aの剥離強度は、0.1N/mm以上であることが好ましく、より好ましくは、0.5N/mm以上であり、更に好ましくは、0.8N/mm以上である。また、封止層18に対するバリアシート17Aの剥離強度は、0.1N/mm以上であることが好ましく、より好ましくは、0.5N/mm以上であり、更に好ましくは、0.8N/mm以上である。
ここでいう「剥離強度」は、JIS K6854-1に準拠される90°剥離試験で得られる測定結果である。90°剥離試験は、剥離速度:300mm/min、測定温度:室温(25℃)、雰囲気:大気圧の条件で行われる。
封止層18を介してバックシート11Aとバリアシート17Aは接着されているが、バックシート11Aとバリアシート17Aとの接着強度はピール試験にて、0.1N/10mm以上10N/10mm以下であることが好ましい。特に、曲げた状態で施工される場合は、太陽光発電シート1に生じるせん断応力はより大きくなるため、ピール試験における上記範囲の接着強度を採用することで、長期間剥離を効果的に抑制することができる。ピール試験は、JIS Z 0237に準拠して行われる。ピール試験は、90℃の環境下で行われる。
剥離抑制の効果を高める観点より、封止層18の厚さとしては、10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上が挙げられる。一方、封止層18の厚さとしては、300μm以下が好ましく、より好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。封止層18の厚さを10μm以上とすることで、熱伸縮時のせん断応力の逃げしろを十分に確保することができる。封止層18の厚さを、300μm以下とすることで、太陽光発電シート1の重量を軽量化できるため、施工性・作業性を向上することができる。
(封止縁材19)
封止縁材19は、バックシート11Aとバリアシート17Aとの間に複数の発電部7及び封止層18を配置した状態で、外縁を全長にわたって封止する。封止縁材19は、図1に示すように、第1接着部191と、第2接着部192と、第1接着部191と第2接着部192とをつなぐ封着部193と、を備える。第1接着部191は、バリアシート17Aのおもて面(図では上面)に接着される。第2接着部192は、バックシート11Aのうら面(図では下面)に接着される。第1接着部191、封着部193及び第2接着部192は、一体に形成されている。
封止縁材19の材料としては、例えば、ブチルゴム、シリコーンゴム等からなるテープ材が挙げられる。
なお、本実施形態において、封止縁材19は、必ずしも必要ではない。例えば、封止縁材19に代えて、バリアシート17Aの縁部をバックシート11A側に折り曲げ、折り曲げた先端をバックシート11Aに接合すれば、封止縁材19は不要である。
(使用方法)
本実施形態に係る太陽光発電シート1は、例えば、図2に示すように、外装材3の表面に取り付けられる。
(外装材3)
外装材3は、建築物の外面を形成する建築材料である。外装材3は、上述したように、一方向に延びた複数の凸部33が、一方向に直交する方向に間隔をおいて形成されている。外装材3としては、例えば、屋根材、壁材(金属系サイディング材、窯業系サイディング材、サンドイッチパネル等)、間仕切り、扉材、フェンス材等が挙げられる。本実施形態では、外装材3は、屋根材である。
屋根材としては、例えば、折板屋根、スレート屋根、ルーフデッキ、瓦棒葺き、立平葺き等に用いられる凹凸屋根材(凹凸外装材)が挙げられる。屋根は、縦葺きであってもよいし、横葺きであってもよい。本実施形態では、外装材3が構成する屋根の一例として、縦葺き屋根としての折板屋根を挙げて説明する。
ここにおいて、図2に示すように、一の屋根面において最も高い部位を「水上」とし、最も低い部位を「水下」として定義する。また、水上と水下とを最短距離で結ぶ線分に平行な方向を「水流れ方向」として定義する。本実施形態では、水上が棟であり、水下が軒であり、水流れ方向は軒棟方向に平行である。また、水流れ方向に直交しかつ屋根面に沿う方向を「横方向」として定義する。
外装材3が用いられる建築物としては、非住宅建築物であってもよいし、住宅建築物であってもよい。非住宅建築物としては、例えば、店舗、倉庫、工場、集会場、体育館、駐車場等が挙げられる。住宅建築物としては、例えば、木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート住宅、アルミ造住宅等が挙げられる。ただし、このなかでも、大規模な建築物である非住宅建築物である場合には、太陽光発電シート1を長尺にすることが好ましい。この場合、太陽光発電シート1の長手方向の長さが、太陽光発電シート1の幅方向の長さに対して、2倍以上であることが好ましく、より好ましくは3倍以上である。例えば、太陽光発電シート1は、長手方向の長さが、幅方向の長さに対して、10倍以上、より具体的には、15倍以上、更に具体的には、20倍以上とされる。太陽光発電シート1の長手方向の長さの下限値は、特に制限はないが、例えば、幅方向の長さに対して、100倍以下であり、より具体的には、50倍以下であることが好ましい。
外装材3は、図2に示すように、横架材4に対し、複数のタイトフレーム5を介して取り付けられる。横架材4は、建築物における水平材であり、例えば、柱間に架け渡される。横架材4としては、例えば、梁(大梁、小梁等を含む)、桁、母屋等が挙げられる。タイトフレーム5は、横架材4の上面に固定され、外装材3を支持する。複数のタイトフレーム5は、水流れ方向に間隔をおいて配置されている。
外装材3は、図2に示すように、複数の折板材31を備える。各折板材31は、断面略V字状に形成されている。各折板材31は、金属板を曲げ加工することで形成されている。外装材3は、複数の折板材31の各々の長手方向が水流れ方向に平行となるように配置され、隣り合う折板材31の端部同士を連結することで構成されている。隣り合う折板材31の連結方法としては、特に制限はなく、例えば、ハゼ締め方式、重ね方式、嵌合方式等が挙げられる。本実施形態では、図3に示すように、ハゼ締め方式が採用されている。以下、このハゼ締結した部分を「連結部342」という場合がある。
外装材3の凸部33は、図2に示すように、水流れ方向に延びている。本実施形態に係る凸部33は、隣り合う折板材31の端部同士を連結することで構成されている。凸部33は、外装材3において複数形成されており、複数の凸部33は、横方向に間隔をおいて形成されている。また、隣り合う凸部33の間には谷部32が形成されている。要するに、外装材3は、凸部33と谷部32とが横方向に繰り返し形成されており、断面凹凸状に形成されている。
凸部33は、図3に示すように、頂部34側に進むに従って幅が狭くなるような形状(断面逆V字状)に形成されている。凸部33の頂部34は、略平面状に形成された頂面341と、頂面341の横方向の中央から上方向に突き出る連結部342と、で構成されている。凸部33の形状は、必ずしも断面逆V字状である必要はなく、例えば、断面矩形状、断面C字状等であってもよい。
谷部32は、本実施形態では、略平面状に形成されている。ただし、谷部32は平面である必要はない。例えば、外装材3が波形スレートである場合には、下方に凸曲するような曲面状に形成される。この場合、凸部33と谷部32との境界があらわれないが、凸部33の上端と谷部32の下端とを結ぶ線分の中点を通りかつ水流れ方向に平行な面を、凸部33と谷部32との境界面とする。
(取付け構造)
このような構成の太陽光発電シート1は、図2に示すように、外装材3に取り付けられる。太陽光発電シート1は、外装材3に取り付ける際、谷部32と凸部33とでなす入隅部に対応するように2箇所で曲げられ、外装材3の上面に取り付けられる。本実施形態に係る太陽光発電シート1は、可撓性を有しているため、外装材3に取り付ける際の作業も行いやすい。
外装材3に対する太陽光発電シート1の取付けは、例えば、接着、ボルト留め、ねじ留め、磁着、ピン留め、専用金具による固定等により実現される。専用金具の例としては、水流れ方向に延びた一対のレールが挙げられる。一対のレールは、例えば、外装材3の凸部33の上端部に固定され、当該レールに対して太陽光発電シート1の端部が差し込まれる。
外装材3に取り付けられた太陽光発電シート1は、図3に示すように、2つの曲げ部2を有している。このため、例えば、外装材3の各平面(凸部33の斜面、谷部32)に対して、平面状の太陽光発電シート1を1つずつ固定する場合に比べて、少なくとも、曲げ部2に対応する部分の発電部7を設けることができ、発電効率を向上できる。一方で、上述したように、曲げ部2があっても、長期間にわたって、層間の界面において剥離が生じるのを抑制できる。
曲げ部2は、太陽光発電シート1において、曲がった部分である。曲げ部2は、例えば、図4に示すように、屈曲していてもよいが、これに限らず、湾曲していてもよい。本明細書でいう「屈曲」とは、入隅での曲率半径が10mm以下である態様を意味する。湾曲は、入隅での曲率半径が10mm超である態様を意味する。
曲げ部2のなす角θとしては、180°よりも小さければよいが、例えば、150°以上であり、より好ましくは、160°以上であり、更に好ましくは170°以上である。曲げ部2は、本実施形態に係る太陽光発電シート1は2つあるが、1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。ここでいう「なす角」は、異なる2つの面の間の2つの角度のうちの小さいほうの角度を意味する。
曲げ部2は、平面状の太陽光発電シート1を、施工の際に曲げることで形成されてもよいし、製造時において、予め曲げられたような形状で成形されてもよい。現場で曲げることで、施工における自由度を向上することができる。製造時に曲げておくことで、曲げて固定する際に、バリアシート17Aとバックシート11Aによってせん断応力が封止層18に発生するが、その値を最小化できる。
太陽光発電シート1は、発電部7により発電した電気をパワーコンディショナー等の外部装置に出力するためのケーブルが接続される。ケーブルは、バックシート11Aとバリアシート17Aのいずれから取り出されてもよいが、外観を良くする観点では、バックシート11Aから取り出されることが好ましい。一方、メンテナンス性の観点では、ケーブルは、バリアシート17Aから取り出されることが好ましい。
<変形例>
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(第1変形例)
上記実施形態に係る背面保護層11は、一例としてバックシート11Aを挙げたが、例えば、背面保護層11は、図5に示すように建築板11Bであってもよい。
建築板11Bは、屋根材、壁材(金属系サイディング材、窯業系サイディング材、サンドイッチパネル等)、間仕切り、扉材、フェンス材等であってもよい。屋根材としては、例えば、折板屋根、スレート屋根、ルーフデッキ、瓦棒葺き、立平葺き等に用いられる凹凸屋根材(凹凸外装材)が挙げられる。屋根は、縦葺きであってもよいし、横葺きであってもよい。ただし、本変形例に係る建築板11Bは、上記実施形態に係る外装材3と同じ形状であるため、詳細な説明は省略する。
建築板11Bは、金属板で構成されている。金属板としては、例えば、塗装鋼板、ステンレス鋼板、鉄板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、銅板、ホーロー板等が挙げられる。
表面保護層17、発電部7及び封止層18は、建築板11Bの一面に固定される。本変形例では、表面保護層17、発電部7及び封止層18は、建築板11Bの上面に貼り付けられて固定されることで、図5(B)に示すように、太陽光発電装置100を構成する。本変形例では、表面保護層17、発電部7及び封止層18は、封止層18の自己接着力により、建築板11Bの一面に固定される。
太陽光発電装置100は、図5(B)に示すように、少なくとも1つ(本変形例では2つ)の曲げ部2を有する。本変形例に係る曲げ部2は、建築板11Bにおいて、谷部32と凸部33の斜面との入隅部に対応する部分である。曲げ部2のなす角θとしては、実施形態における曲げ部2と同様、180°よりも小さければよいが、例えば、150°以下であり、より具体的には、130°以下であり、更に具体的には、120°以下である。
また、本変形例では、背面保護層11に対する表面保護層17の線膨張係数の比が、6.0以下である。これによって、本変形例に係る太陽光発電装置100を設置した後において、太陽光の影響で温度が上がったり、冬期に温度が下がったりしても、熱伸縮の影響を抑制でき、バックシート11Aと封止層18との界面、及びバリアシート17Aと封止層18との界面に生じるせん断応力を抑制できる。
(その他の変形例)
上記実施形態では、表面保護層17がバリアシート17Aであったが、表面保護層17としては、発電部7の表面を保護する層であればよく、例えば、透明板等であってもよく、シートに限らない。
上記変形例では、設置された建築板11Bに対して、表面保護層17、発電層15及び封止層18を取り付けることで、太陽光発電装置100を構成したが、例えば、製造工場において、建築板11Bに対して、表面保護層17、発電部7及び封止層18を取り付けてもよい。
上記変形例では、太陽光発電装置100は、2つの曲げ部2を有したが、例えば、1つの曲げ部2であってもよいし、3つ以上の曲げ部2を有してもよい。
上記実施形態では、発電部7は、全てが封止層18に覆われていたが、発電部7の一部が封止層18から露出していてもよい。すなわち、発電部7は、少なくとも一部が封止層18に覆われていればよい。
上記実施形態では、太陽光発電シート1の一形態として、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層152を有する太陽光発電シート1を挙げて説明をしたが、可撓性を有する太陽電池装置であれば同等の効果を発揮することができる。また、光により発電効果が得られる太陽光発電装置100だけでなく、光エネルギーを別のエネルギーに変換するシート(光エネルギー変換シート)に対して適用も可能である。光エネルギー変換シートとしては、太陽光発電シート1のほか、例えば、光エネルギーを熱エネルギーに変換する光発熱シート(太陽光駆動型熱電変換デバイス)等が挙げられる。
太陽光発電シート1と設置面との間には、弾性体が配置されてもよい。弾性体は、弾性材料から形成されたシートである。弾性体は、好ましくは、10MPa以上100MPa以下の横弾性係数、より好ましくは0.1MPa以上10MPa以下の横弾性係数を有する。また、弾性体は、好ましくは0.1Pa・s以上10000Pa・s以下の粘性、より好ましくは1Pa・s以上1000Pa・s以下の粘性を有する。弾性体を形成するための弾性材料としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クロロプレンゴム、スチレン、ブタジエンゴム、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも1つ以上を含む樹脂組成物が挙げられる。弾性体の厚さは、例えば、0.1mm以上100mm以下であることが好ましい。バックシート11Aの横弾性率Eaと弾性体の横弾性率Ebの比率(Eb/Ea)は0.002以上0.05以下であることが好ましい。弾性体は、接着剤を用いて設置面上に接着されることで、設置面に載置された状態で固定することができる。
また、太陽光発電装置100は、太陽光発電シート1の外周部を覆うカバー部材を備えてもよい。カバー部材は、平面視帯状に形成されており、紫外線遮断性を有する。カバー部材は、幅方向の一方の端部である幅一方側部と、他方の端部である幅他方側部と、幅一方側部と幅他方側部とをつなぐ幅中間部と、で構成されている。カバー部材は、幅一方側部、幅中間部、及び幅他方側部によって、断面略クランク状に形成されてもよいし、幅一方側部、幅中間部、及び幅他方側部が、シームレスに連続して同一平面上に位置してもよい。
カバー部材は、幅一方側部が太陽光発電シート1の外縁部の表面に対向し、幅中間部が太陽光発電シート1の外周端面に対向し、幅他方側部が太陽光発電シート1の外側にある設置面に沿うように配置される。これにより、カバー部材は、太陽光発電シート1の外縁部の上面を覆い、かつ、太陽光発電シート1の外周縁と設置面との間を覆う。「太陽光発電装置の外縁部」とは、太陽光発電シート1の外周縁から所定距離内側の位置までの太陽光発電シート1の一範囲を意味する。
カバー部材によれば、太陽光発電シート1と設置面との間に弾性体が配置されている場合や、太陽光発電シート1と設置面との間に接着剤が配置されている場合において、弾性体及び/又は接着剤に対して、紫外線が照射されることを抑制できる。
カバー部材の材料としては、紫外線の遮断性を有すれば、特に制限はないが、例えば、アルミニウム等の金属、ポリエチレン、塩化ビニル、ABS、ポリプロピレン、PPS、ポリカーボネート等の合成樹脂等が用いられる。カバー部材が金属である場合、カバー部材をボルトや接着剤等を用いて設置面に固定してもよい。
太陽光発電シート1の外縁部の全周がカバー部材によって覆われることが好ましい。このようにすることで、太陽光発電シート1と設置面との間の弾性体や接着剤の劣化を防止することができる。なお、太陽光発電装置100の外縁部の全周をカバー部材で覆うために、直線状のカバー部材を組み合わせてもよいし、太陽光発電シート1の外縁部の全周を囲むように、予め、四角枠状のカバー部材を形成してもよい。また、カバー部材は、太陽光発電シート1の外縁部の全周になくてもよく、全周のうちの一部を覆ってもよい。
本明細書にて、「平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、対象の直線、面が、延長しても交差しない場合だけでなく、延長した場合に、10°以内の範囲で交差することも含まれる。
また、本明細書において「端部」及び「端」などのように、「…部」の有無で区別した表現が用いられている。例えば、「端」は物体の末の部分を意味するが、「端部」は「端」を含む一定の範囲を持つ域を意味する。端を含む一定の範囲内にある点であれば、いずれも、「端部」であるとする。他の「…部」を伴った表現についても同様である。
(作用効果)
以上説明したように、上述の太陽光発電装置100は、封止層18の横弾性係数が、500MPa以下である。あるいは、封止層18の粘度は、11000mPa・S以上700000mPa・S以下である。このため、背面保護層11と表面保護層17とにおいて、各々に面方向に伸縮等が生じても、封止層18が各々に追従して変形しやすい。このため、太陽光発電装置100において、一部曲がった部分があっても、表面保護層17と封止層18との界面や、背面保護層11と封止層18との界面において、残留応力が生じにくい。この結果、フラットな態様以外の使用態様においても、長期間にわたって、剥離が生じるのを抑制できる。
また、上述の太陽光発電装置100は、封止層18に対する背面保護層11の剥離強度が0.1N/mm以上であるため、背面保護層11に外力が加わっても、背面保護層11と封止層18との界面での剥離が生じにくい。
また、上述の太陽光発電装置100は、封止層18に対する表面保護層17の剥離強度が、0.1N/mm以上であるため、表面保護層17に外力が加わっても、表面保護層17と封止層18との界面での剥離がより生じにくい。
また、上述の太陽光発電装置100は少なくとも1つの曲げ部2を更に備え、曲げ部2のなす角は、150°以上180°未満である。本実施形態に係る太陽光発電装置100は、曲げ部2を有していても、表面保護層17と封止層18との界面、及び背面保護層11と封止層18との界面において、長期にわたって剥離が生じるのを抑制できる。
また、上述の太陽光発電装置100は、背面保護層11に対する表面保護層17の線膨張係数の比が、6.0以下であるため、冷却又は加熱がされても、背面保護層11と表面保護層17とに伸縮差が生じにくく、一層、界面での剥離を抑制できる。
また、上述の太陽光発電装置100は、背面保護層11が金属板を含むため、強度が強い太陽光発電装置100とすることができる。
また、上述の太陽光発電装置100は、背面保護層11が建築板11Bを含むため、凹凸のある建築板11Bであっても、界面での剥離を抑制できる。
100 太陽光発電装置
11 背面保護層
11B 建築板
12 発電部
17 表面保護層
18 封止層
2 曲げ部

Claims (8)

  1. 背面保護層と、
    前記背面保護層に対して間隔をおいて設けられ、透光性を有する表面保護層と、
    前記背面保護層と前記表面保護層との間に配置された発電部と、
    前記背面保護層と前記表面保護層との間に充填され、前記発電部の少なくとも一部を覆う封止層と、
    を備え、
    前記封止層の横弾性係数が、500MPa以下である、
    太陽光発電装置。
  2. 背面保護層と、
    前記背面保護層に対して間隔をおいて設けられ、透光性を有する表面保護層と、
    前記背面保護層と前記表面保護層との間に配置された発電部と、
    前記背面保護層と前記表面保護層との間に充填され、前記発電部の少なくとも一部を覆う封止層と、
    を備え、
    前記封止層の粘度は、11000mPa・S以上700000mPa・S以下である、太陽光発電装置。
  3. 前記封止層に対する前記背面保護層の剥離強度が0.1N/mm以上である、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
  4. 前記封止層に対する前記表面保護層の剥離強度が、0.1N/mm以上である、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
  5. 少なくとも1つの曲げ部を更に備え、
    前記曲げ部のなす角は、150°以上180°未満である、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
  6. 前記背面保護層に対する前記表面保護層の線膨張係数の比が、6.0以下である、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
  7. 前記背面保護層が金属板を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
  8. 前記背面保護層が建築板を含む、
    請求項1又は請求項2に記載の太陽光発電装置。
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