JP2023143444A - X線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転ターゲットへの電子線の衝突による発熱に起因する回転ターゲットの損傷を抑制するとともに、取得されるX線画像が回転ターゲットに入射する電子線の入射角度の変動に起因して不鮮明になることを抑制することが可能なX線撮影装置を提供する。【解決手段】このX線撮影装置100は、回転軸線11b周りに回転可能に支持された回転ターゲット11と、回転ターゲットにおける回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置14にそれぞれ電子線36を照射する複数の電子放出部12とを含み、複数の電子放出部の各々から照射され、回転ターゲットにおける複数の電子放出部の各々の焦点位置に入射する電子線の入射角度θが一定になるように調整されたX線源1と、X線10を検出する検出器2と、画像を生成する画像処理部5と、複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うようにX線源を制御する撮影制御部6と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、X線撮影装置に関し、特に、回転ターゲットと電子放出部とを含むX線源を備えるX線撮影装置に関する。
従来、回転ターゲットと電子放出部とを含むX線源を備えるX線撮影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、陽極と陰極とを含むX線管を備えるX線撮影装置が開示されている。陽極は、回転陽極であり、円盤状のターゲットを含む。ターゲットは、陽極の中心軸を回転中心軸として回転する。回転するターゲットに対して、陰極からの電子線が衝突することによりターゲットからX線が発生される。陰極の電子銃は、熱電子を発生するカソードと、熱電子を細いビーム状の電子線に集束するグリッド電極と、電子線を静電偏向する2つの偏向電極とを含む。偏向電極によって電子線はターゲットの偏向させることにより、ターゲット上において焦点をターゲットの傾斜面に沿ってターゲットの回転方向と直交する方向に移動させる。電子線を偏向させて焦点をターゲットの回転方向と直交する方向に移動させることにより、ターゲット上には渦巻状の複数の焦点軌道が形成される。ターゲット上の焦点の実質的な面積を増加させることにより、許容されるX線管のX線を発生させる電子線電流を増加させている。
特開2007-165236号公報
上記特許文献1のX線管は、電子線を偏向させて焦点をターゲットの回転方向と直交する方向に移動させることにより、電子線の衝突による発熱に起因するターゲットの損傷を抑制していると考えられる。上記特許文献1には記載されていないが、電子線が偏向されると、電子源から照射され、回転ターゲット上の焦点位置に入射する電子線の入射角度が変わると考えられる。電子線が偏向されて回転ターゲット上の焦点位置が回転ターゲットの中心軸から離れた位置に移動した場合、偏向される前の回転ターゲット上の焦点位置に入射する電子線の入射角度と、偏向された後の回転ターゲット上の焦点位置に入射する電子線の入射角度とが異なると考えられる。これにより、偏向される前の焦点の形状と偏向された後の焦点の形状とが異なることになるため、収差の影響が大きくなる。ここで、「収差」とは、電子源から照射された電子線が偏向電極により回転ターゲット上において一点に集束できていないことを示す。その結果、電子線が偏向されることにより回転ターゲット上の焦点位置がターゲットの回転方向と直交する方向に移動するほど、取得されるX線画像は不鮮明になるという問題がある。それ故に、回転ターゲットへの電子線の衝突による発熱に起因する回転ターゲットの損傷を抑制しながら、取得されるX線画像が回転ターゲットに入射する電子線の入射角度の変動に起因して不鮮明になることを抑制することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、回転ターゲットへの電子線の衝突による発熱に起因する回転ターゲットの損傷を抑制しながら、取得されるX線画像が回転ターゲットに入射する電子線の入射角度の変動に起因して不鮮明になることを抑制することが可能なX線撮影装置を提供することである。
この発明の一の局面におけるX線撮影装置は、回転軸線周りに回転可能に支持された回転ターゲットと、回転ターゲットにおける回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置にそれぞれ電子線を照射する複数の電子放出部とを含み、複数の電子放出部の各々から照射され、回転ターゲットにおける複数の電子放出部の各々の焦点位置に入射する電子線の入射角度が一定になるように調整されたX線源と、X線源から出射されたX線を検出する検出器と、検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部と、複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うようにX線源を制御する撮影制御部と、を備える。
本発明の一の局面におけるX線撮影装置は、上記のように、回転軸線周りに回転可能に支持された回転ターゲットと、回転ターゲットにおける回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置にそれぞれ電子線を照射する複数の電子放出部とを含み、複数の電子放出部の各々から照射され、回転ターゲットにおける複数の電子放出部の各々の焦点位置に入射する電子線の入射角度が一定になるように調整されたX線源と、複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うようにX線源を制御する撮影制御部と、を備える。複数の電子放出部が順次切り替えられて電子線の照射が行われることにより、回転ターゲットにおける回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置にそれぞれ電子線が照射される。回転ターゲット上の焦点位置が変更されることにより、回転ターゲットにおける発熱箇所を分散させることができる。そのため、回転ターゲットの同一の焦点位置が継続的に発熱する場合と比較して、回転ターゲットにおける局所的な温度上昇を低減することができることにより、回転ターゲットへの電子線の衝突による発熱に起因する回転ターゲットの損傷を抑制することができる。また、複数の電子放出部の各々から照射され、回転ターゲットにおける複数の電子放出部の各々の互いに異なる焦点位置に入射する電子線の入射角度が一定になるように調整されていることにより、複数の電子放出部の各々の焦点位置において焦点サイズが変化することを抑制することができる。そのため、電子放出部が切り替えられることによる収差の影響を抑制することができる。これらの結果、回転ターゲットへの電子線の衝突による発熱に起因する回転ターゲットの損傷を抑制しながら、取得されるX線画像が陰極-陽極間の距離の変動に起因して不鮮明になることを抑制することができる。
一実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示した模式図である。 X線源と検出器とを説明するための図である。 複数の電子放出部の構成を説明するための模式図である。 回転ターゲット上の焦点軌道を説明するための平面模式図である。 電子放出部に含まれる冷陰極電子源の構成を説明するための模式図である。 電子放出部の切り替えを説明するための第1の図である。 電子放出部の切り替えを説明するための第2の図である。 電子放出部の切り替えを説明するための第3の図である。 記憶部に記憶される各種データを示す図である。 被写体の拡大率変化の補正を説明するための第1の図である。 被写体の拡大率変化の補正を説明するための第2の図である。 被写体の投影像の位置の補正を説明するための図である。 X線撮影装置の撮影動作を説明するためのフロー図である。 再構成処理の流れを説明するためのフロー図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(X線撮影装置の全体構成)
図1を参照して、一実施形態によるX線撮影装置100の全体構成について説明する。
図1に示すように、X線撮影装置100は、被写体90のX線CT画像56を撮影する装置である。本実施形態のX線撮影装置100は、たとえば非破壊検査用途に用いられる。この場合の被写体90は、検査対象となる試料である。また、本実施形態のX線撮影装置100は、たとえば医療用途に用いられる。この場合の被写体90は、検査対象となる生体である。
X線撮影装置100は、X線源1と、検出器2と、被写体設置部3と、回転機構4と、画像処理部5と、撮影制御部6と、を備える。X線源1と、検出器2とは、X線画像を撮影する撮影部7を構成している。
X線源1は、被写体設置部3に配置された被写体90にX線を照射するように構成されている。X線源1は、高電圧が印加されることにより、X線10を発生させるように構成されている。X線源1は、被写体設置部3を介して、検出器2と対向する。本実施形態では、X線源1と被写体設置部3と検出器2とが、水平方向に並んで配置されている。
検出器2は、X線源1から出射されたX線10を検出するように構成されている。X線源1から出射されたX線10は、被写体90を透過して、検出器2の検出面に入射する。検出器2は、検出されたX線10を電気信号に変換するように構成されている。これにより、被写体90におけるX線10の透過を反映したX線画像が得られる。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、検出面内で行列状に並んで配置されている。検出器2の検出信号(画像信号)は、画像処理部5に送られる。
被写体設置部3は、X線源1と検出器2との間に配置され、被写体90を支持するように構成されている。本実施形態では、被写体設置部3は、被写体90が設置される被写体ステージにより構成されている。被写体90は、被写体90を保持するための保持具(図示せず)などを介して被写体設置部3に設置されることがある。
回転機構4は、X線源1と検出器2とを含む撮影部7と、被写体設置部3とを相対的に回転させる。これにより、回転機構4は、被写体90の撮影角度40を変化させるように構成されている。回転機構4は、撮影部7と被写体設置部3とを回転軸4a周りに相対回転させる。回転軸4aは、X線源1から被写体設置部3上の被写体90を通って検出器2に向かう直線(X線束の代表線)に対して直交する。本実施形態では、回転軸4aは、被写体設置部3を通り、鉛直方向に沿っている。
回転機構4は、撮影部7および被写体設置部3の少なくとも一方を、回転軸4a周りに回転させる。本実施形態では、回転機構4は、被写体設置部3を水平面内で回転軸4a周りに回転させる。回転機構4は、撮影部7を回転させない。回転機構4は、被写体ステージである被写体設置部3を回転させるためのモータ(図示せず)および減速機(図示せず)などを含む。本実施形態では、被写体設置部3と回転機構4とにより、被写体90の回転ステージが構成されている。
被写体設置部3の回転に伴って、被写体設置部3に支持された被写体90が水平面内で回転軸4a周りに回転される。回転により、被写体90の撮影角度40(図2参照)が変化する。撮影角度40は、被写体90と撮影部7との相対角度である。本実施形態では、撮影角度40は、回転機構4の原点角度(初期角度)を0度とした、回転軸4a周りの被写体設置部3の角度である。図2では、被写体設置部3が、原点角度から、ある撮影角度40に回転された状態の例を示している。回転機構4は、被写体90を任意の撮影角度40に位置付けるように、被写体設置部3を任意の角度に回転させることができる。
図1に戻り、画像処理部5は制御装置20に設けられている。制御装置20は、たとえばPC(パーソナルコンピュータ)により構成される。制御装置20は、主制御部21、画像処理部5、記憶部22および入出力部23を備える。制御装置20は、表示装置24および入力装置25と接続されている。
主制御部21は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、または、回路(Circuitry)により構成され、記憶部22に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、X線撮影装置100における撮影条件の設定や、撮影開始および撮影停止の制御を行う。
画像処理部5は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)または画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサにより構成されている。
画像処理部5は、複数の撮影角度40の各々における複数の投影画像データ50(図9参照)を検出器2から取得する。つまり、画像処理部5は、撮影角度毎に、検出器2の検出信号(画像信号)から投影画像データ50を生成する。上記のように、回転機構4によって被写体の撮影角度40を変化させることにより、予め設定された複数の撮影角度40の各々で、撮影部7による被写体90のX線画像が撮影される。投影画像データ50は、撮影角度毎に取得されるX線画像のデータである。
撮影角度40毎の投影画像データ50の取得は、予め設定された所定角度範囲に亘って行われる。予め設定された所定角度範囲は、360度(1回転)である。また、投影画像データ50は、予め設定された撮影角度数(ビュー数)に応じた数だけ取得される。本実施形態では、複数の撮影角度40は、360度(1回転)を撮影角度数で分割した等角度間隔で設定された各々の角度である。したがって、複数の投影画像データ50は、撮影部7と被写体90とを撮影角度数に応じた単位角度ずつ順次相対回転させた各々の撮影角度40において取得されたX線画像である。
画像処理部5は、取得した複数の投影画像データ50(図9参照)に基づいてCT画像56(図9参照)を生成するように構成されている。画像処理部5は、360度分の撮影角度毎の複数の投影画像データ50のセット(投影データセットと呼ぶ)に対して、再構成処理を実行することにより、CT画像56を生成する。CT画像56とは、被写体90の3次元構造を反映する画像であり、様々な撮影角度40で撮影された複数のX線画像(投影画像データ50)から演算処理によって再構成される。CT画像56は、被写体90の断層画像、3次元立体画像などの形態でありうる。
記憶部22は、揮発性記憶装置および不揮発性記憶装置を含んで構成される。記憶部22は、プログラム51(図9参照)、X線撮影装置100のCT撮影に関する各種の設定情報53(図9参照)などを記憶している。記憶部22は、取得された複数の投影画像データ50(図9参照)と、それらの投影画像データ50に基づいて生成されたCT画像56とを記憶する。
入出力部23は、制御装置20に対する信号の入出力を行うための各種のインターフェースにより構成されている。入出力部23は、表示装置24および入力装置25と接続されている。表示装置24は、たとえば液晶表示装置などである。入力装置25は、キーボードおよびマウスなどを含む。画像処理部5は、入出力部23を介して、検出器2からの検出信号(画像信号)を取得する。主制御部21は、入出力部23を介して、撮影制御部6に対して撮影開始または撮影停止の指示などを送信する。
撮影制御部6は、X線源1の動作制御を行う。また、撮影制御部6は、回転機構4の動作制御を行う。撮影制御部6は、X線源1の制御機器、回転機構4の制御機器などから構成されている。撮影制御部6は、複数の投影画像データ50(図9参照)の取得時に、X線源1からX線10を照射させる制御および照射を停止させる制御を行うとともに、被写体90を複数の撮影角度40に順次位置付けるように回転機構4を制御する。
(X線源の構成)
図2に示すように、本実施形態では、X線源1は、回転ターゲット11と、複数の電子放出部12とを含む。回転ターゲット11と、複数の電子放出部12とは、真空容器13中に収容されている。
X線源1は、陰極である電子放出部12と陽極である回転ターゲット11との間に電圧を印加することによって電子放出部12から電子線36を放出させ、放出した電子線36を回転ターゲット11に衝突させることによって、回転ターゲット11からX線10を発生させるように構成されている。
回転ターゲット11は、円板形状を有する。回転ターゲット11は、傾斜した表面11aを有する。回転ターゲット11は、回転ターゲット11の周縁部に向かって薄肉となるように傾斜している。回転ターゲット11は、傾斜した表面11aに電子線36が衝突することにより発生したX線10が、電子線36の飛来方向とは異なる方向へ出射されるように構成されている。回転ターゲット11は、ロータ11cの回転軸周りに回転可能に支持されている。回転ターゲット11は、ロータ11cによって回転軸線11b周りに回転される。すなわち、X線源1は、いわゆる回転陽極型の構造を有している。
図3に示すように、複数の電子放出部12は、回転ターゲット11上の異なる焦点位置14にそれぞれ電子線36を照射するように構成されている。撮影制御部6は、複数の電子放出部12からの電子線36の照射を個別に制御する。撮影制御部6は、複数の電子放出部12のうち、いずれか1つの電子放出部12を選択して電子線36を照射させる。電子放出部12の数は、特に限定されない。図3では、3つの電子放出部12を図示している。電子放出部12の数は、2つでもよいし、4つ以上であってもよい。3つの電子放出部12は、それぞれ回転ターゲット11の異なる焦点位置14に向けて、電子線36を放出することにより、電子放出部12に対応する焦点位置14から、それぞれ検出器2に向けて、X線10を出射させる。これにより、X線源1は、X線源1が備える電子放出部12の数と等しい数の、互いに異なる焦点(焦点位置14)からそれぞれX線を出射することが可能である。なお、回転ターゲット11への電子線36の衝突による発熱を分散させる観点から、回転ターゲット11上の焦点の数は多い方が好ましい。すなわち、電子放出部12の数は多い方が好ましい。
複数の電子放出部12の各々の焦点位置14は、回転ターゲット11における回転軸線11bからの距離が異なるように位置している。複数の電子放出部12の各々の焦点位置14は、回転ターゲット11の傾斜した表面11a上において回転ターゲット11の径方向に並ぶように位置している。すなわち、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14は、回転ターゲット11の傾斜した表面11a上において回転軸線11bから離れる方向に並ぶように位置している。
電子線36は、回転ターゲット11上の1つの焦点位置14に対して照射される。各焦点位置14は、回転ターゲット11の径方向に一定の距離で配置されている。焦点位置14で電子線36が衝突したスポット(点状領域)が、X線10の焦点となる。図4に示すように、回転ターゲット11の傾斜した表面11aには、複数の電子放出部12の各々の焦点のスポットにより構成される複数の円形状の焦点軌道37が形成される。図4に示す本実施形態では、電子放出部12が3つ設けられているので(図3参照)、焦点軌道37が3つ形成される。図4では、複数の焦点軌道37を破線にて表している。なお、隣接する焦点位置14の間の距離は、同じでも良いし、異なっていてもよい。
回転ターゲット11上の隣接する焦点の範囲14d同士は、離間して重ならないように位置している。本明細書では、「焦点の範囲」とは、電子線36が衝突したスポットのことを示す。回転ターゲット11上の隣接する焦点軌道37も、離間して重ならないように位置している。本実施形態において、回転ターゲット11上の焦点のスポットの径(焦点サイズ)は、約20μm~30μmである。また、回転ターゲット11上の隣接する焦点位置14の間の距離D1は、約1mmである。電子放出部12によって形成される焦点のスポットの径は、隣接する焦点位置14の間の距離D1よりも小さい。隣接する焦点の範囲14d同士が離間して重ならないように位置していることや、焦点スポットの径が隣接する焦点位置14の間の距離よりも小さいことにより、いずれかの焦点位置14への電子衝突によって発生した熱の影響が、隣の他の焦点の範囲14dにまで及ぶことを抑制することができる。
また、図2に示すように、複数の電子放出部12の各々から照射され、回転ターゲット11における複数の電子放出部12の各々の焦点位置14に入射する電子線36の入射角度が一定になるように調整されている。入射角度θは、電子線36の入射方向と、回転ターゲット11の複数の電子放出部12の各々の焦点位置14の法線とがなす角度を意味する。なお、図2では、電子線36の入射方向と焦点位置14の法線とが一致していることを図示している。複数の電子放出部12の各々から照射され、焦点位置14に入射する電子線36の入射角度θは、いずれの電子放出部12が選択されても同じである。すなわち、電子放出部12aから照射され、焦点位置14aに入射する電子線36の入射角度θ、電子放出部12bから照射され、焦点位置14bに入射する電子線36の入射角度θ、および、電子放出部12cから照射され、焦点位置14cに入射する電子線36の入射角度θは、互いに一定になるように調整されている。
具体的には、X線源1は、複数の電子放出部12が設けられる基板31をさらに含んでいる。基板31は、シリコンやガラスなどの平板である。回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14が位置する傾斜する表面11aの部分と、基板31の表面とが、互いに平行になるように調整されている。また、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14が回転ターゲット11上に径方向に並んで位置するように、基板31上に複数の電子放出部12が設けられている。電子放出部12から照射される電子線36は、回転ターゲット11の傾斜する表面11a上の焦点位置14に対して垂直に入射するように構成されている。複数の電子放出部12の各々から照射される電子線36の軸線36a(電子線軸)(図2参照)は、互いに平行である。
図5は、電子放出部12および回転ターゲット11の、より詳細な構成例を示す。X線源1は、平面上に配列された複数の冷陰極電子源30を有する電子源ユニット15を含む。複数の電子放出部12は、それぞれ、複数の冷陰極電子源30のうちの互いに異なるグループにより構成されている。
電子源ユニット15は、半導体製造技術の応用により、基板31上に多数の冷陰極電子源30をアレイ状に形成したものである。アレイ状に配列された複数の冷陰極電子源30のうちの一部により構成されたグループが、1つの電子放出部12を構成する。
複数の電子放出部12の1つを構成するグループは、回転ターゲット11の同一の焦点位置14へ電子を照射する1つ以上の冷陰極電子源30により構成されている。1つの電子放出部12は、1個以上の冷陰極電子源30を含む。1つの電子放出部12は、たとえば10個以上、100個以上、または1000個以上の冷陰極電子源30を含む。1つの電子放出部12が複数の冷陰極電子源30から構成される場合、その電子放出部12を構成する複数の冷陰極電子源30の各々から放出される電子の集合が、その電子放出部12から放出される電子線36を形成する。電子線36は、回転ターゲット11上の1つの焦点位置14に対して照射される。
個々の冷陰極電子源30は、電界が印加されたエミッタからトンネル効果によって電子を放出させる電界放出型電子源である。冷陰極電子源30は、図5に示すように、たとえばスピント型電子源である。スピント型電子源は、基板31上に形成された陰極電極32と、陰極電極32上に形成された先細り形状のエミッタ33と、エミッタ33の周囲を囲む絶縁層34を介して絶縁層上に形成されたゲート電極35と、を含む。陰極電極32とゲート電極35との間に所定の引き出し電圧が印加されることによって、エミッタ33の先端に高い電界が発生してエミッタ33の先端から電子が放出される。
なお、スピント型電子源では、ゲート電極35および絶縁層34を貫通する孔をエッチングにより形成し、形成された孔内にエミッタ材料を堆積させる手法でエミッタ33が作成される。冷陰極電子源30は、スピント型以外の構造を有していてもよい。たとえばエミッタ33は、カーボンナノチューブなどの針状体により形成され得る。
また、図3に示すように、電子放出部12のエミッタ33(図5参照)からの電子線36を集束させるための電磁レンズ38が複数設けられている。電磁レンズ38は、コイルを利用した電磁石であり、コイルの孔の中心に向かって突き出すように形成された図示しない磁極(ポールピース)を有する。電界放出電子源30から出射された電子線36はポールピースで囲まれた範囲(孔)を通り抜けてターゲット11に衝突する。なお、電子線36を集束させるためのレンズは、電磁レンズ38でなく、静電レンズであっても良いし、他の公知のレンズであっても良い。
X線源1は、個々の電子放出部12(冷陰極電子源30のグループ)に対して、電圧の印加を個別に制御するための切替部17を備える。撮影制御部6(図1参照)は、陰極電極32(図5参照)と回転ターゲット11との間に所定の電圧を印加するように電源を制御する。撮影制御部6は、選択された電子放出部12に属する冷陰極電子源30のゲート電極(図4参照)を電源と選択的に接続し、ゲート電極に引き出し電圧を印加するように切替部17を制御する。これにより、選択された電子放出部12に属する冷陰極電子源30のグループから電子線36が放出され、選択された電子放出部12に対応する焦点位置14からX線が出射される。
(電子放出部の切り替え制御)
本実施形態では、撮影制御部6は、複数の電子放出部12を順次切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御するように構成されている。
本実施形態において、撮影制御部6は、電子線36の衝突による発熱に起因する回転ターゲット11の損傷を防止するため、焦点位置14を切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する。すなわち、撮影制御部6は、複数の電子放出部12を順次切り替えるようにX線源1を制御する。本実施形態において、回転ターゲット11の材料は、タングステンである。タングステンの融点は、約3420度である。撮影制御部6は、電子線36が照射されている焦点位置14の温度が約3000度を超えないように、複数の電子放出部12を順次切り替えるようにX線源1を制御する。なお、回転ターゲット11の材料はタングステンに限定されず、公知の材料を用いることができる。
図2に示すX線管内部は真空状態であり、かつ、回転陽極では回転ターゲット11が高速で回転している。それ故に、回転ターゲット11の焦点位置14の温度をリアルタイムで検知することは困難である。そのため、シミュレーションや実験が予め行われ、回転ターゲット11の温度上昇に関する情報が予め取得される。回転ターゲット11の温度上昇に関する条件(パラメータ)として、回転ターゲット11上の焦点サイズおよび焦点軌道37(図4参照)の半径、回転ターゲット11の形状および材質、回転ターゲット11の回転数、X線源1において印加される電圧、電子放出部12による電子線36の照射時間などが挙げられる。なお、回転ターゲット11の形状および材質として、回転ターゲット11の半径、体積、傾斜する表面11aの回転軸線11bに対する傾斜角度、および、材質の密度、熱伝導率、比熱などが挙げられる。取得された回転ターゲット11の温度上昇に関する情報に基づいて、種々の条件下における電子線36の照射可能時間が予め設定される。電子線36の照射可能時間とは、電子放出部12から照射される電子線36を、一の焦点位置14に対して、回転ターゲット11が熱により損傷されずに継続して照射可能な最長時間である。設定された電子線36の照射可能時間は、予め記憶部22に記憶される。撮影制御部6は、予め取得された電子線36の照射可能時間に基づいて、複数の電子放出部12を順次切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御するように構成されている。
電子線36の照射可能時間は、撮影条件により異なる。また、電子線36の照射可能時間は、複数の電子放出部12毎に異なる。回転ターゲット11上の焦点軌道37(図4参照)は、焦点位置14と回転軸線11bとの間の距離が小さいほうが短くなる。そのため、電子線36の照射可能時間は、焦点位置14と回転軸線11bとの間の距離が小さくなるほど短くなるように設定されている。
電子放出部12の切り替え制御について、図6~8を参照して具体的に説明する。なお、図6では、第1撮影角度40aにおいて第1電子放出部12aが選択されている例を図示している。また、図7では、第2撮影角度40bにおいて第1電子放出部12aが選択されている例を図示している。また、図8では、第3撮影角度40cにおいて第2電子放出部12bが選択されている例を図示している。図6に示すように、撮影制御部6は、初期の第1撮影角度40aにおいて、いずれかの電子放出部12、たとえば第1電子放出部12aを選択して、焦点位置14aからX線照射を行うよう制御する。検出器2により、第1撮影角度40aの投影画像データ50が取得される。投影画像データ50の取得後、撮影制御部6は、被写体設置部3を単位角度回転させて、第1撮影角度40aから次の第2撮影角度40b(図7参照)に変更するように、回転機構4を制御する。
そして、撮影制御部6は、第1撮影角度40aにおいて電子線36の照射を行った第1電子放出部12aの焦点位置14aへの電子線36の照射可能時間の残量を取得する。電子線36の照射可能時間の残量は、第1電子放出部12aにおける電子線36の照射可能時間から第1撮影角度40aにおける電子線36の照射時間を差し引いた時間である。撮影制御部6は、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が、第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いか否かを判定する。なお、照射時間とは、投影画像データ50を取得するために各撮影角度において電子線36が照射される時間のことである。
そして、撮影制御部6は、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いと判定した場合、第1電子放出部12aとは異なる電子放出部12を選択する。本実施形態においては、第2電子放出部12bを選択する。すなわち、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて使用する電子放出部12を、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替える。撮影制御部6は、選択した第2電子放出部12bにより焦点位置14bからX線照射を行い、第2撮影角度40bの投影画像データ50を取得させる。投影画像データ50の取得後、撮影制御部6は、第2撮影角度40bから次の第3撮影角度40c(図8参照)に変更させる。
これに対して、撮影制御部6は、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも長いと判定した場合、図7に示すように、第2撮影角度40bにおいても同じ第1電子放出部12aを選択する。撮影制御部6は、選択した第1電子放出部12aにより焦点位置14aからX線照射を行い、第2撮影角度40bの投影画像データ50を取得させる。投影画像データ50の取得後、撮影制御部6は、第2撮影角度40bから次の第3撮影角度40c(図8参照)に変更させる。
そして、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて電子線36の照射を行った第1電子放出部12aまたは第2電子放出部12bの焦点位置14への電子線36の照射可能時間の残量を取得する。第3撮影角度40cにおいても、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて実行した処理と同様の処理を行う。すなわち、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて電子線36の照射を行った電子放出部12の電子線36の照射可能時間の残量が第3撮影角度40cにおける電子線36の照射時間よりも短いか否かを判定する。
そして、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて電子線36の照射を行った電子放出部12の電子線36の照射可能時間の残量が第3撮影角度40cにおける電子線36の照射時間よりも短いと判定した場合に、電子放出部12を他の電子放出部12に切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する。図8では、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替えられて電子線36が照射されている例を示している。そして、撮影制御部6は、切り替えた電子放出部12により焦点位置14からX線照射を行い、第3撮影角度40cの投影画像データ50を取得させる。投影画像データ50の取得後、撮影制御部6は、第3撮影角度40cから次の第4撮影角度40(不図示)に変更させる。
これに対して、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおいて電子線36の照射を行った電子放出部12の電子線36の照射可能時間の残量が第3撮影角度40cにおける電子線36の照射時間よりも長いと判定した場合に、第2撮影角度40bにおいて電子線36の照射を行った電子放出部12と同じ電子放出部12により電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する。そして、撮影制御部6は、同じ電子放出部12により焦点位置14からX線照射を行い、第3撮影角度40cの投影画像データ50を取得させる。投影画像データ50の取得後、撮影制御部6は、第3撮影角度40cから次の第4撮影角度40(不図示)に変更させる。
撮影制御部6(図1参照)は、360度を予め設定された撮影角度数で分割した複数の撮影角度40の各々に位置付けるように、回転機構4を制御するように構成されている。そのため、撮影制御部6は、上記の制御を撮影角度数だけ繰り返すことにより、撮影部7に360度分の複数の投影画像データ50を撮影させる。
このような制御により、撮影角度毎の投影画像データ50の取得のためにX線照射を行う毎に、予め取得された電子線36の照射可能時間に基づいて、直前に電子線36が照射された選択された電子放出部12を切り替えるか否かの判定を行い、判定結果に基づいて選択された電子放出部12から電子線36の照射を行う。この制御により、電子線36の照射可能時間に基づいて電子放出部12が選択され、選択された電子放出部12により電子線36が照射される。
なお、電子放出部12の切り替えにおいて、撮影制御部6は、第1電子放出部12aとは異なる第2電子放出部12bを選択する。本実施形態においては、回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14に対応するように基板31上に一定方向に配置された複数の電子放出部12において、撮影制御部6は、一定方向に隣接する順に異なる電子放出部12を選択するように構成されている。
(再構成処理)
次に、画像処理部5(図1参照)による、複数の投影画像データ50(図9参照)を用いた再構成処理について説明する。
まず、再構成処理に用いるデータについて説明する。図10に示すように、制御装置20(図1参照)の記憶部22は、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14の情報52を予め記憶している。X線源1の回転ターゲット11の表面上における各焦点位置14は、複数の電子放出部12および回転ターゲット11の構造的関係に基づいて決定され、既知である。焦点位置14の情報は、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14が、CT画像56の再構成処理における空間座標系においてどの位置座標に配置されるかを特定可能な情報である。
また、記憶部22は、SRD情報57およびSDD情報58を記憶している。SRD情報57とは、回転ターゲット11の焦点位置14から被写体設置部3を回転させる回転機構4の回転軸4aまでの距離である、焦点-回転中心間距離SRD(Source to Rotation center Distance)情報のことである。SDD情報58とは、回転ターゲット11の焦点位置14から検出器2までの距離である、焦点-検出器間距離SDD(Source to Detector Distance)情報のことである。被写体90が設置される被写体ステージには、回転機構4の回転軸4aの位置を検出する位置計測センサ(不図示)が設けられている。検出器2を支持する支持台(不図示)には、検出器2の検出面の位置を検出する位置測定センサ(不図示)が設けられている。個々の投影画像データ50は、その投影画像データ50を取得したときに各位置検出センサから取得されたSRD情報57およびSDD情報58と関連付けて、記憶部22に記憶されている。
なお、記憶部22には、主制御部21および画像処理部5が実行するプログラム51と、設定情報53とが記憶されている。設定情報53は、複数の電子放出部12の切り替え順序、管電圧、撮影角度数、後述する電子放出部12の切り替えに伴う焦点位置14のZ方向(図13参照)への移動量、および、再構成処理における定数データなどを規定する。また、個々の投影画像データ50は、その投影画像データ50を取得したときの撮影角度40および放出部識別情報54と関連付けて、記憶部22に記憶されている。放出部識別情報54は、その投影画像データ50の取得に使用した電子放出部12が、複数の電子放出部12のいずれであるかを識別する情報である。1回のCT画像56を生成するために、設定情報53に設定された撮影角度数に対応する数の投影画像データ50のセット(以下、投影データセットと呼ぶ)が、記憶部22に記憶される。記憶部22は、生成されたCT画像56を記憶する。
画像処理部5(図1参照)は、記憶部22に記憶されたプログラム51を実行することにより、投影データセット、焦点位置14の情報52、SRD情報57およびSDD情報58を含む再構成情報に基づいて、CT画像56を生成するように構成されている。画像処理部5は、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率および被写体の投影像の位置を補正する補正処理を含む再構成処理を行うことにより、CT画像56を生成するように構成されている。
本実施形態では、電子放出部12の切り替えにより焦点位置14が変更される。焦点位置14の変更に伴い、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率が変化する。また、焦点位置14の変更に伴い、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の投影像の位置が変化する。そこで、画像処理部5は、補正処理として、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率変化の補正処理、および、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の投影像の位置の補正処理を実施する。また、本実施形態では、画像処理部5は、再構成処理として、解析的再構成法の一種であるFDK法(Feldkamp法)を応用した再構成処理を実施する。
(被写体の拡大率変化の補正)
複数の投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率変化の補正について設明する。被写体90の拡大率変化の補正とは、電子放出部12の切り替え(焦点位置14の切り替え)に起因する、X方向(図11参照)の焦点位置移動に伴う被写体90の拡大率変化を補正するための補正処理である。なお、図10~図12では、回転ターゲット11の回転軸線11bと直交し、かつ、X線が照射される方向をX方向として説明する。また、回転ターゲット11の回転軸線方向をZ方向として説明する。また、X方向およびZ方向に直交する方向をY方向として説明する。
図10において、回転ターゲット11の傾斜する表面11aには、3つの電子放出部12(図3参照)の各々の焦点位置14として3つの焦点位置14a、14b、14cがX方向に並ぶように位置している。3つの焦点位置14a、14b、14cのうち、X方向における中央の焦点位置14bに電子線36が照射され、中央の焦点位置14bからX線10が出射される。このとき、YZ平面において寸法Rを有する被写体90は、検出器2の検出面において拡大投影され、検出面において寸法Rの投影像を形成する。その拡大率R/Rは、下記式(1)である。
Figure 2023143444000002
ここで、Rは、YZ平面における被写体90の寸法である。Rは、焦点位置14bにおける検出面において拡大投影された被写体90の寸法である。SRDは、焦点位置14bにおける焦点-回転中心間距離である。SDDは、焦点位置14bにおける焦点-検出器間距離である。
ここで、図10および図11に示すように、焦点位置14が、X方向における中央の焦点位置14bから、右側(外周側)の焦点位置14cに切り替えられた場合、焦点位置14の切り替え前のSRDおよびSDDは、焦点位置14の切り替え後において、SRDおよびSDDに変化する。これにより、焦点位置14の切り替え前の拡大率R/Rも、焦点位置14の切り替え後の拡大率R/Rに変化する。すなわち、焦点位置14の切り替え前と後では、検出面において拡大投影される被写体90の拡大率が変化する。
そこで、画像処理部5は、再構成処理の実施の前に、焦点位置14の切り替えに伴い変化する検出面での被写体90の拡大率がいずれの焦点位置14においても等しくなるように、検出面での被写体90の拡大率を補正する。本実施形態においては、投影画像データ50における焦点位置14bにおける検出面において拡大投影される被写体90の拡大率に、投影画像データ50における焦点位置14cにおける検出面において拡大投影される被写体90の拡大率が一致するように、投影画像データ50における被写体90の拡大率を補正する。
画像処理部5は、記憶部22に記憶された中央の焦点位置14bにおいて撮影した投影画像データ50に関連付けられたSRD、SDDを取得する。また、画像処理部5は、中央の焦点位置14bにおいて撮影した投影画像データ50、SRDおよびSDDに基づいて、被写体90の寸法Rを取得する。画像処理部5は、取得したSRD、SDD、および、被写体90の寸法Rに基づいて、拡大率R/Rを取得する。拡大率R/Rは、上記式(1)である。
次に、画像処理部5は、記憶部22に記憶された右側の焦点位置14cにおいて撮影した投影画像データ50に関連付けられたSRD、SDDを取得する。また、画像処理部5は、右側の焦点位置14cにおいて撮影した投影画像データ50に基づいて、被写体90の寸法Rを取得する。画像処理部5は、取得したSRD、SDD、および、被写体90の寸法Rに基づいて、拡大率R/Rを取得する。拡大率R/Rは、下記式(2)である。
Figure 2023143444000003
ここで、Rは、YZ平面における被写体90の寸法である。Rは、焦点位置14cにおける検出面において拡大投影された被写体90の寸法である。SRDは、焦点位置14cにおける焦点-回転中心間距離である。SDDは、焦点位置14cにおける焦点-検出器間距離である。
被写体90の寸法Rに対して、拡大率R/Rを拡大率R/Rで除算した値を乗算することにより、投影画像データ50における被写体90の拡大率を補正することができる。拡大率R/Rを拡大率R/Rで除算した値は、下記式(3)である。
Figure 2023143444000004

ここで、Rは、YZ平面における被写体90の寸法である。Rは、焦点位置14bにおける検出面において拡大投影された被写体90の寸法である。Rは、焦点位置14cにおける検出面において拡大投影された被写体90の寸法である。SRDは、焦点位置14bにおける焦点-回転中心間距離である。SDDは、焦点位置14bにおける焦点-検出器間距離である。SRDは、焦点位置14cにおける焦点-回転中心間距離である。SDDは、焦点位置14cにおける焦点-検出器間距離である。
画像処理部5は、上記式(3)に基づいて、投影画像データ50に含まれる各画像の拡大率を揃えるように拡大率補正を行う。以上の補正処理により、X方向の焦点位置移動に伴う被写体90の拡大率変化を補正することができる。
(被写体の投影像の位置の補正)
次に、複数の投影画像データ50の各々における被写体90の投影像の位置の補正について設明する。被写体90の投影像の位置の補正とは、電子放出部12の切り替え(焦点位置14の切り替え)に起因する、Z方向(図12参照)の焦点位置移動に伴う被写体90の投影像の位置を補正するための補正処理である。被写体90の投影像の位置の補正処理は、被写体90の拡大率変化の補正処理が実施された投影画像データ50に対して実施される。
図12において、回転ターゲット11の傾斜する表面11aには、3つの電子放出部12(図3参照)の各々の焦点位置14として3つの焦点位置14a、14b、14cがX方向に並ぶように位置している。3つの焦点位置14a、14b、14cのうち、X方向における中央の焦点位置14bに電子線36が照射され、中央の焦点位置14bからX線10が出射される。ここで、焦点位置14が、X方向における中央の焦点位置14bから、右側(外周側)の焦点位置14cに切り替えられた場合、検出器2の検出面に投影される被写体90の投影像の位置がZ方向に移動する。そこで、画像処理部5は、被写体90の拡大率変化の補正処理が実施された投影画像データ50に対して、Z方向の焦点位置移動に伴う被写体90の投影像の位置を補正する。
X方向における中央の焦点位置14bから、右側(外周側)の焦点位置14cに切り替えられた場合、右側の焦点位置14cは、中央の焦点位置14bと比べて、Z方向に移動量zだけ移動している。また、右側の焦点位置14cにおける被写体90の投影像の位置も、中央の焦点位置14bにおける被写体90の投影像の位置と比べて、検出器2の検出面においてZ方向に移動量zだけ移動している。なお、焦点位置14のZ方向への移動量zは、予め記憶部22に記憶されている。
なお、投影像の位置の補正処理は、被写体90の拡大率変化の補正処理が実施された投影画像データ50に対して実施される。被写体90の拡大率変化の補正処理により、右側の焦点位置14cにおける投影画像データ50の被写体90の拡大率は、中央の焦点位置14bにおける投影画像データ50の被写体90の拡大率と一致している。また、右側の焦点位置14cにおける投影画像データ50のSRDおよびSDDは、中央の焦点位置14bにおける投影画像データ50のSRDおよびSDDと一致している。そのため、これらの投影画像データ50において、X方向におけるX線照射の始点は同じ位置である。その結果、これらの投影画像データ50において、X方向におけるX線照射の始点はZ方向にのみ移動しているものとみなすことができる。
このとき、被写体90の投影像の位置の移動量zは、下記の式(4)で算出される。ここで、SRDおよびSDDは、基準となる中央の焦点位置14bにおけるSRDおよびSDDである。
Figure 2023143444000005
ここで、zは、焦点位置14の移動量である。zは、被写体90の投影像の位置のZ方向における移動量である。SRDは、焦点-回転中心間距離である。SDDは、焦点-検出器間距離である。
画像処理部5は、上記式(4)に基づいて、被写体90の拡大率変化の補正処理が実施された右側の焦点位置14cにおける投影画像データ50に対して、被写体90の投影像の位置を移動量zだけ移動させる補正を行う。以上の補正処理により、Z方向の焦点位置移動に伴う被写体90の投影像の位置を補正することができる。
次に、画像処理部5は、被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を補正する補正処理を実施した複数の投影画像データ50を用いて、フィルタ処理および逆投影処理を含む再構成処理を行うことにより、CT画像56を生成するように構成されている。
画像処理部5は、再構成処理において、被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を補正する補正処理を実施した複数の投影画像データ50に対して、フィルタ処理を行うように構成されている。フィルタ処理は、公知の手法を用いて行うことができる。
画像処理部5は、再構成処理において、複数の投影画像データ50の各々に対して、逆投影処理を行うように構成されている。逆投影処理は、公知の手法を用いて行うことができる。本実施形態では、画像処理部5は、FDK法(Feldkamp法)を応用した再構成処理を実施する。
再構成処理の結果、画像処理部5は、被写体90のCT画像56を生成する。
(X線撮影装置100の動作)
次に、図14を参照して、本実施形態のX線撮影装置100の撮影動作を説明する。X線撮影装置100は、本実施形態によるX線撮影方法を実施する。X線撮影装置100における撮影動作の制御は撮影制御部6が行う。投影画像データ50の取得およびCT画像56の生成は画像処理部5が行う。以下の動作説明において、X線撮影装置100の装置構成については図1、図6~8を参照し、各種データについては図9を参照するものとする。
撮影動作は、制御装置20が入力装置25を介した操作入力を受け付けることにより開始される。被写体が被写体設置部3に設置された後、入力装置25を介して撮影開始の操作入力を受け付けると、主制御部21が、撮影制御部6へ撮影動作の開始を指示する信号を送信する。主制御部21からの信号を受信することにより、撮影制御部6は、X線源1および回転機構4を制御し、被写体の撮影動作を開始する。
ステップ101において、撮影制御部6は、今回の撮影角度40におけるX線照射に用いる電子放出部12を、複数の電子放出部12のうちから選択する。CT撮影における初回の撮影時には、予め設定された初期の第1撮影角度40a(β=0度)におけるX線照射に用いる第1電子放出部12aが選択される。電子放出部12の切り替え順序(選択順序)は、設定情報において予め設定されている。
ステップ102において、撮影制御部6は、ステップ101で選択した第1電子放出部12aを用いて電子線36を出射するように、X線源1を制御する。撮影制御部6は、切替部17(図3参照)を制御することにより、複数の電子放出部12のうちの選択された第1電子放出部12aから回転ターゲット11に電子線36を照射させる。これにより、選択された第1電子放出部12aに対応する焦点位置14aからX線が出射される。
X線源1の焦点位置14aから出射されたX線は、被写体90を透過して、検出器2の検出面において検出される。ステップ103において、画像処理部5は、検出器2から出力される検出信号により投影画像データ50を取得(生成)する。取得された投影画像データ50は、撮影角度40、使用した電子放出部12の放出部識別情報、SRDおよびSDDに関連付けられて記憶部22に記憶される。
ステップ104において、撮影制御部6は、予め設定された所定角度範囲(360度)分、撮影(投影画像データ50の取得)が実行されたか否かを判断する。撮影制御部6は、所定角度範囲分の撮影が実行されていない場合には、ステップ105に処理を進める。
ステップ105において、撮影制御部6は、次に撮影を行う第2撮影角度40bに移動するように、回転機構4を制御する。撮影制御部6は、所定角度範囲(360度)を撮影角度数で分割した単位角度だけ、被写体設置部3と撮影部7とを相対回転させるように回転機構4を制御する。本実施形態では、上記の通り回転機構4が被写体設置部3を回転させる。
ステップ106において、撮影制御部6は、第1撮影角度40aにおいて電子線36の照射を行った第1電子放出部12aの焦点位置14aへの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いか否かを判定する。
その後、撮影制御部6は、処理をステップ101に戻す。ステップ101において、撮影制御部6は、ステップ106における判定の結果が、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いとの判定結果である場合に、電子線36を照射させる電子放出部12を第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替える。すなわち、撮影制御部6は、第2撮影角度40bにおけるX線照射に用いる電子放出部12として、第2電子放出部12bを選択する。
これに対して、ステップ101において、撮影制御部6は、ステップ106における判定の結果が、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短くないとの判定結果である場合に、電子線36を照射させる電子放出部12を切り替えず、第2撮影角度40bにおけるX線照射に用いる電子放出部12として、第1電子放出部12aを選択する。そして、ステップ102およびステップ103によって、今回の撮影角度40での投影画像データ50が取得される。
撮影制御部66は、ステップ101~ステップ106を、撮影角度数に対応した回数だけ繰り返すことにより、所定角度範囲(360度)の各投影画像データ50の撮影を行う。その結果、所定角度範囲(360度)の各投影画像データ50からなる投影データセットが記憶部22に記憶される。所定角度範囲分の撮影が実行された場合、撮影制御部6は、ステップ104からステップ107に処理を進める。
ステップ107において、画像処理部5は、投影データセットに含まれる各投影画像データ50に基づいて、上記した補正処理を含む再構成処理を行う。
ステップ108において、画像処理部5は、ステップ107の結果生成されたCT画像56を出力する。画像処理部5は、CT画像56を記憶部22に記憶させるとともに、表示装置24へ表示させる。このようにして、X線撮影装置100の撮影動作が行われる。
(再構成処理の制御)
次に、図13のステップ107における再構成処理の動作の流れを説明する。
図14のステップ111において、画像処理部5は、投影データセットに含まれるいずれかの投影画像データ50と、その投影画像データ50に関連付けられた撮影角度40、放出部識別情報、SRD情報57およびSDD情報58を記憶部22から取得する。画像処理部5は、放出部識別情報によって特定される電子放出部12に対応する焦点位置14の情報52を、記憶部22から取得する。
ステップ112において、画像処理部5は、投影画像データ50の取得に用いた電子放出部12の焦点位置14の情報52、SRD情報57およびSDD情報58を含む再構成情報に基づいて、投影画像データ50における被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を補正する補正処理を行う。
ステップ113において、画像処理部5は、補正処理後の投影画像データ50に対して、フィルタ処理を行う。
ステップ114において、画像処理部5は、投影データセットに含まれる複数の投影画像データ50の全てについて、補正処理およびフィルタ処理を完了したか否かを判断する。全ての投影画像データ50について補正処理およびフィルタ処理が完了していない場合、画像処理部5は、ステップ111に処理を戻す。
ステップ111~ステップ114が繰り返される結果、画像処理部5は、投影データセットに含まれる各撮影角度40の投影画像データ50の全てについて、補正処理およびフィルタ処理を行う。この場合、画像処理部5は、ステップ115に処理を進める。
ステップ115において、画像処理部5は、補正処理およびフィルタ処理が行われた各撮影角度40の投影画像データ50に対して、逆投影処理を行う。
これにより、ステップ116において、画像処理部5は、CT画像56を生成する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線撮影装置100は、回転軸線11b周りに回転可能に支持された回転ターゲット11と、回転ターゲット11における回転軸線11bからの距離が異なる複数の焦点位置14にそれぞれ電子線36を照射する複数の電子放出部12とを含み、複数の電子放出部12の各々から照射され、回転ターゲット11における複数の電子放出部12の各々の焦点位置14に入射する電子線36の入射角度θが一定になるように調整されたX線源1と、X線源1から出射されたX線を検出する検出器2と、検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部5と、複数の電子放出部12を順次切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する撮影制御部6と、を備える。複数の電子放出部12が順次切り替えられて電子線36の照射が行われることにより、回転ターゲット11における回転軸線11bからの距離が異なる複数の焦点位置14にそれぞれ電子線36が照射される。回転ターゲット11上の焦点位置14が変更されることにより、回転ターゲット11における発熱箇所を分散させることができる。そのため、回転ターゲット11の同一の焦点位置14が継続的に発熱する場合と比較して、回転ターゲット11における局所的な温度上昇を低減することができることにより、回転ターゲット11への電子線36の衝突による発熱に起因する回転ターゲット11の損傷を抑制することができる。また、複数の電子放出部12の各々から照射され、回転ターゲット11における複数の電子放出部12の各々の互いに異なる焦点位置14に入射する電子線36の入射角度θが一定になるように調整されていることにより、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14において焦点サイズが変化することを抑制することができる。そのため、電子放出部12が切り替えられることによる収差の影響を抑制することができる。これらの結果、回転ターゲット11への電子線36の衝突による発熱に起因する回転ターゲット11の損傷を抑制しながら、取得されるX線画像が陰極-陽極間の距離の変動に起因して不鮮明になることを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14は、回転ターゲット11において径方向に並ぶように位置する。これにより、回転ターゲット11には、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14により構成される半径の異なる複数の円形状の焦点軌道37が形成される。そのため、回転ターゲット11の同一の焦点軌道37が継続的に発熱する場合と比較して、回転ターゲット11における局所的な温度上昇を容易に低減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線源1は、複数の電子放出部12が設けられる基板31をさらに含み、回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14が位置する表面部分と、基板31の表面とが互いに平行になるように調整されている。これにより、複数の電子放出部12の各々から照射され、回転ターゲット11における複数の電子放出部12の各々の互いに異なる焦点位置14に入射する電子線36の入射角度θが一定になるようにする調整を、簡易な構成により実現することができる。
また、本実施形態では、上記のように、回転ターゲット11における隣接する焦点の範囲14d同士は、離間して重ならないように位置している。これにより、いずれかの焦点位置14への電子衝突によって発生した熱の影響が、隣の他の焦点の範囲14dにまで及ぶことを抑制することができる。そのため、一定方向に隣接する順に焦点位置14が切り替えられる場合であっても、直前に照射された隣接する一方の焦点の範囲14dの熱の影響が次に照射される隣接する他方の焦点の範囲14dに及ぶことを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、撮影制御部6は、予め取得された、電子放出部12から照射される電子線36を焦点位置14に回転ターゲット11が熱により損傷されずに継続して照射可能な最長時間である電子線36の照射可能時間に基づいて、複数の電子放出部12を順次切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する。これにより、回転ターゲット11への電子線36の衝突による発熱に起因する回転ターゲット11の損傷を、電子線36の照射可能時間に基づいて適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、X線源1と検出器2との間に配置され、被写体を支持する被写体設置部3と、被写体の撮影角度40を変化させるように、X線源1と検出器2とを含む撮影部7と被写体設置部3とを相対的に回転させる回転機構4と、をさらに備え、複数の電子放出部12は、第1電子放出部12aと、第1電子放出部12aとは異なる第2電子放出部12bとを含み、画像処理部5は、複数の撮影角度40の各々における検出信号に基づいて複数の投影画像データ50を生成するとともに、生成した複数の投影画像データ50に基づいて画像であるCT画像56を生成し、回転機構4により複数の撮影角度40における第1撮影角度40aから第2撮影角度40bに回転された場合に、撮影制御部6は、第1撮影角度40aにおいて電子線36の照射を行った第1電子放出部12aの焦点位置14aへの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける焦点位置14への電子線36の照射時間よりも短いか否かを判定し、撮影制御部6は、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いと判定した場合に、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替えて電子線36の照射を行うようにX線源1を制御する。これにより、一の撮影角度40における撮影(投影画像データ50の取得)の実行中に第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替えて電子線36の照射を行うことを防止することができる。そのため、取得した投影画像データ50に対して被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を適切に補正することができる。
また、本実施形態では、上記のように、焦点位置14と回転軸線11bとの間の距離が小さくなるほど、電子線36の照射可能時間は短くなるように設定されている。電子線36の照射時間が同じである場合、焦点軌道37の長さ(円周)が短い方が、焦点軌道37の長さ(円周)が長い方と比べて回転ターゲット11上における同じ焦点位置に対する電子線の衝突回数は増加する。そのため、焦点軌道37の長さ(円周)が短い方が、焦点軌道37の長さ(円周)が長い方よりも温度上昇しやすい。そこで、焦点軌道37の長さを決定する焦点位置14と回転軸線11bとの間の距離に応じて電子線36の照射可能時間を設定することにより、回転ターゲット11への電子線36の衝突による発熱に起因する回転ターゲット11の損傷をより適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の電子放出部12の各々の焦点位置14の情報を記憶する記憶部22をさらに備え、画像処理部5は、複数の投影画像データ50の各々の取得に用いた複数の電子放出部12の焦点位置14の情報52、焦点位置14と被写体設置部3との間の距離SRD情報57、および、焦点位置14と検出器2との間の距離SDD情報58を含む再構成情報に基づいて、複数の投影画像データ50の再構成処理を行うことにより、CT画像56を生成するように構成されている。これにより、電子放出部12を切り替えた場合であっても、適切なCT画像56を生成することができる。
また、本実施形態では、上記のように、画像処理部5は、再構成処理において、複数の投影画像データ50の各々に対して、再構成情報に基づいて、投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を補正するように構成されている。これにより、電子放出部12の切り替えに起因する、X方向の焦点位置移動に伴う被写体の拡大率変化、および、Z方向の焦点位置移動に伴う被写体90の投影像の位置を補正することができる。そのため、これらの補正処理を行わずに再構成処理を実行する場合と比べて、より適切なCT画像56を生成することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、第1撮影角度40aから第2撮影角度40bに回転された場合に、撮影制御部6は、第1撮影角度40aにおいて電子線36の照射を行った第1電子放出部12aの焦点位置14aへの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いか否かを判定し、第1電子放出部12aの電子線36の照射可能時間の残量が第2撮影角度40bにおける電子線36の照射時間よりも短いと判定した場合に、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替えて電子線36の照射を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。
本発明では、予め取得された電子放出部毎の焦点位置14への電子線36の照射可能時間から、予め取得された複数の撮影角度40における電子線36の照射時間を減算することにより、電子放出部毎の電子線36を照射可能な最大撮影角度数(最大ビュー数)を予め取得してもよい。撮影制御部6は、撮影角度40が変更された場合に、撮影角度数(ビュー数)が選択された第1電子放出部12aの最大撮影角度数(最大ビュー数)を超える場合に、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bに切り替えて電子線36の照射を行ってもよい。なお、第1電子放出部12aから第2電子放出部12bへの切り替えの基準となる撮影角度数(ビュー数)は、電子線36を照射可能な最大撮影角度数(最大ビュー数)以内であれば、特に限定されない。また、予め取得された電子放出部12の最大撮影角度数(最大ビュー数)および各撮影角度40における電子線36の照射時間に基づいて、電子放出部毎の撮影角度数(ビュー数)が予め設定されていてもよい。この場合、撮影制御部6は、予め設定された電子放出部毎の撮影角度数(ビュー数)に基づき、電子放出部12の切り替えを実行してもよい。
また、上記実施形態では、回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14に対応するように基板31上に一定方向に配置された複数の電子放出部12において、撮影制御部6は、一定方向に隣接する順に異なる電子放出部12を選択する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮影制御部6は、第1電子放出部12aとは異なる第2電子放出部12bをランダムに選択するように構成されていてもよい。撮影制御部6による電子放出部12の切り替え順は特に限定されない。
また、上記実施形態では、複数の投影画像データ50に基づいてCT画像56を生成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の投影画像データ50に基づいて単純X線画像を生成してもよいし、単一の投影画像データ50に基づいて単純X線画像を生成してもよい。
また、上記実施形態では、画像処理部5は、再構成処理において、投影画像データ50の各々における被写体90の拡大率および被写体90の投影像の位置を補正する補正処理を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記補正処理を含まない再構成処理を行ってもよい。しかしながら、CT画像56の画質を向上させるためには、上記補正処理を含む再構成処理を行うことが好ましい。
また、上記実施形態では、再構成処理の一例として、解析的手法の一種であるFDK法を応用した演算手法を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、画像処理部5によるCT画像56の再構成処理として、FDK法以外の他の解析的手法による再構成処理を行ってもよい。また、解析的手法以外の、たとえば逐次近似法を利用した再構成処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14が位置する傾斜する表面11aの部分と、基板31の表面とが、互いに平行になるように調整されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転ターゲット11において径方向に並ぶ複数の焦点位置14が位置する傾斜する表面11aの部分と、基板31の表面とが、互いに平行でなくても良い。
また、上記実施形態では、電子放出部12から照射される電子線36は、回転ターゲット11の傾斜する表面11a上の焦点位置14に対して垂直に入射するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電子放出部12から照射される電子線36は、回転ターゲット11の傾斜する表面11a上の焦点位置14に対して斜めに入射するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、回転機構4が被写体設置部3を回転させることにより、被写体の撮影角度40を変化させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転機構4が撮影部7(X線源1および検出器2)を回転させることにより、被写体の撮影角度40を変化させてもよい。
また、上記実施形態では、複数の電子放出部12は冷陰極電子源30により構成され、冷陰極電子源30はスピント型電子源である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の電子放出部12は熱陰極電子源により構成されていてもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
回転軸線周りに回転可能に支持された回転ターゲットと、前記回転ターゲットにおける前記回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置にそれぞれ電子線を照射する複数の電子放出部とを含み、前記複数の電子放出部の各々から照射され、前記回転ターゲットにおける前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置に入射する電子線の入射角度が一定になるように調整されたX線源と、
前記X線源から出射されたX線を検出する検出器と、
前記検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部と、
前記複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する撮影制御部と、を備える、X線撮影装置。
(項目2)
前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置は、前記回転ターゲットにおいて径方向に並ぶように位置する、項目1に記載のX線撮影装置。
(項目3)
前記X線源は、前記複数の電子放出部が設けられる基板をさらに含み、
前記回転ターゲットにおいて径方向に並ぶ複数の前記焦点位置が位置する表面部分と、前記基板の表面とが互いに平行になるように調整されている、項目2に記載のX線撮影装置。
(項目4)
前記回転ターゲットにおける隣接する前記焦点の範囲同士は、離間して重ならないように位置している、項目1~3のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目5)
前記撮影制御部は、予め取得された、前記電子放出部から照射される電子線を前記焦点位置に前記回転ターゲットが熱により損傷されずに継続して照射可能な最長時間である電子線の照射可能時間に基づいて、前記複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する、項目1~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
(項目6)
前記X線源と前記検出器との間に配置され、被写体を支持する被写体設置部と、
前記被写体の撮影角度を変化させるように、前記X線源と前記検出器とを含む撮影部と前記被写体設置部とを相対的に回転させる回転機構と、をさらに備え、
前記複数の電子放出部は、第1電子放出部と、前記第1電子放出部とは異なる第2電子放出部とを含み、
前記画像処理部は、複数の前記撮影角度の各々における前記検出信号に基づいて複数の投影画像データを生成するとともに、生成した前記複数の投影画像データに基づいて前記画像であるCT画像を生成し、
前記回転機構により複数の前記撮影角度における第1撮影角度から第2撮影角度に回転された場合に、前記撮影制御部は、前記第1撮影角度において電子線の照射を行った前記第1電子放出部の前記焦点位置への前記電子線の照射可能時間の残量が前記第2撮影角度における前記焦点位置への電子線の照射時間よりも短いか否かを判定し、
前記撮影制御部は、前記第1電子放出部の前記電子線の照射可能時間の残量が前記第2撮影角度における前記電子線の照射時間よりも短いと判定した場合に、前記第1電子放出部から前記第2電子放出部に切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する、項目5に記載のX線撮影装置。
(項目7)
前記焦点位置と前記回転軸線との間の距離が小さくなるほど、前記電子線の照射可能時間は短くなるように設定されている、項目6に記載のX線撮影装置。
(項目8)
前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置の情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記画像処理部は、前記複数の投影画像データの各々の取得に用いた前記複数の電子放出部の前記焦点位置の情報、前記焦点位置と前記被写体設置部との間の距離の情報、および、前記焦点位置と前記検出器との間の距離の情報を含む再構成情報に基づいて、前記複数の投影画像データの再構成処理を行うことにより、前記CT画像を生成するように構成されている、項目6または7に記載のX線撮影装置。
(項目9)
前記画像処理部は、前記再構成処理において、前記複数の投影画像データの各々に対して、前記再構成情報に基づいて、前記投影画像データの各々における前記被写体の拡大率および前記被写体の投影像の位置を補正するように構成されている、項目8に記載のX線撮影装置。
1 X線源
2 検出器
3 被写体設置部
4 回転機構
5 画像処理部
6 撮影制御部
7 撮影部
10 X線
11 回転ターゲット
11b 回転軸線
12(12a、12b、12c) 電子放出部
14(14a、14b、14c) 焦点位置
14d 焦点の範囲
22 記憶部
31 基板
36 電子線
40(40a、40b、40c) 撮影角度
50 投影画像データ
52 焦点位置の情報
57 焦点位置と被写体設置部との間の距離の情報
58 焦点位置と検出器との間の距離の情報
56 CT画像
90 被写体
100 X線撮影装置
θ 入射角度

Claims (9)

  1. 回転軸線周りに回転可能に支持された回転ターゲットと、前記回転ターゲットにおける前記回転軸線からの距離が異なる複数の焦点位置にそれぞれ電子線を照射する複数の電子放出部とを含み、前記複数の電子放出部の各々から照射され、前記回転ターゲットにおける前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置に入射する電子線の入射角度が一定になるように調整されたX線源と、
    前記X線源から出射されたX線を検出する検出器と、
    前記検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部と、
    前記複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する撮影制御部と、を備える、X線撮影装置。
  2. 前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置は、前記回転ターゲットにおいて径方向に並ぶように位置する、請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記X線源は、前記複数の電子放出部が設けられる基板をさらに含み、
    前記回転ターゲットにおいて径方向に並ぶ複数の前記焦点位置が位置する表面部分と、前記基板の表面とが互いに平行になるように調整されている、請求項2に記載のX線撮影装置。
  4. 前記回転ターゲットにおける隣接する前記焦点の範囲同士は、離間して重ならないように位置している、請求項1~3のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  5. 前記撮影制御部は、予め取得された、前記電子放出部から照射される電子線を前記焦点位置に前記回転ターゲットが熱により損傷されずに継続して照射可能な最長時間である電子線の照射可能時間に基づいて、前記複数の電子放出部を順次切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する、請求項1~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  6. 前記X線源と前記検出器との間に配置され、被写体を支持する被写体設置部と、
    前記被写体の撮影角度を変化させるように、前記X線源と前記検出器とを含む撮影部と前記被写体設置部とを相対的に回転させる回転機構と、をさらに備え、
    前記複数の電子放出部は、第1電子放出部と、前記第1電子放出部とは異なる第2電子放出部とを含み、
    前記画像処理部は、複数の前記撮影角度の各々における前記検出信号に基づいて複数の投影画像データを生成するとともに、生成した前記複数の投影画像データに基づいて前記画像であるCT画像を生成し、
    前記回転機構により複数の前記撮影角度における第1撮影角度から第2撮影角度に回転された場合に、前記撮影制御部は、前記第1撮影角度において電子線の照射を行った前記第1電子放出部の前記焦点位置への前記電子線の照射可能時間の残量が前記第2撮影角度における前記焦点位置への電子線の照射時間よりも短いか否かを判定し、
    前記撮影制御部は、前記第1電子放出部の前記電子線の照射可能時間の残量が前記第2撮影角度における前記電子線の照射時間よりも短いと判定した場合に、前記第1電子放出部から前記第2電子放出部に切り替えて電子線の照射を行うように前記X線源を制御する、請求項5に記載のX線撮影装置。
  7. 前記焦点位置と前記回転軸線との間の距離が小さくなるほど、前記電子線の照射可能時間は短くなるように設定されている、請求項6に記載のX線撮影装置。
  8. 前記複数の電子放出部の各々の前記焦点位置の情報を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記画像処理部は、前記複数の投影画像データの各々の取得に用いた前記複数の電子放出部の前記焦点位置の情報、前記焦点位置と前記被写体設置部との間の距離の情報、および、前記焦点位置と前記検出器との間の距離の情報を含む再構成情報に基づいて、前記複数の投影画像データの再構成処理を行うことにより、前記CT画像を生成するように構成されている、請求項6または7に記載のX線撮影装置。
  9. 前記画像処理部は、前記再構成処理において、前記複数の投影画像データの各々に対して、前記再構成情報に基づいて、前記投影画像データの各々における前記被写体の拡大率および前記被写体の投影像の位置を補正するように構成されている、請求項8に記載のX線撮影装置。
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