JP2023161504A - X線管の製造方法およびx線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子放出部から出射された電子線によりターゲット上に発生する歪曲収差の影響を抑制することが可能なX線管の製造方法を提供する。【解決手段】このX線管1の製造方法は、基板31上の配置領域36にアレイ状に配置され、電子線9を照射する複数の電子放出部12と、電子放出部とターゲット11の間に配置され、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状Tが結像される結像点Iが形成されるように電子線を集束するように構成されたレンズ14と、を含むX線管における、ターゲット上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を補正するように電子放出部が配置された補正配置パターンを取得するステップと、取得した補正配置パターンに基づいて、基板上に電子放出部を形成するステップと、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、X線管の製造方法およびX線撮影装置に関し、特に、電子放出部を含むX線管の製造方法およびX線撮影装置に関する。
従来、電子放出部を含むX線管が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、電子線を放出するカソードを備えるX線管が開示されている。カソードから放出された電子線がターゲットに衝突することによって、X線が発生する。上記特許文献1には、カソードとして、スピント型のコールドカソード(スピント型の電界放出電子源)が開示されている。
特開2012-256441号公報
上記特許文献1には開示されていないが、電界放出電子源は、電子源から発生する電子線の角度広がりが大きい。また、電界放出電子源は、熱電子放出型電子源と比べて非常に高い電流密度の電子線を発生させることができるが、単一の電界放出電子源から得られる電流量は限られる。そのため、電界放出電子源の場合は、ある程度の数の電界放出電子源が並列に配置されることにより、電界放出電子源による電子線の出射面積が大きくなる。ここで、上記特許文献1には開示されていないが、電子線を集束するための後焦点光学系を採用することにより、電子源の出射面積が大きい場合であっても、電子線をターゲット上において一点に集束させることができる。本明細書において、後焦点光学系とは、レンズの後焦点の位置とターゲットの電子線が衝突する面の位置とを一致させるように電子線を集束するように構成された光学系である。しかしながら、後焦点光学系では、電子源の出射面積が大きい場合であっても電子線をターゲット上において一点に集束させることができる一方で、角度広がりが大きい電子線をレンズにより集束させることができない。上述したように、電界放出電子源は、電子線の角度広がりが大きいため、ターゲット上に電子線の角度広がりに応じたぼけが形成される場合がある。
上記特許文献1には、スパッタ成膜法およびリソグラフィ法によってエミッタと絶縁層とを形成することにより作製されるスピント型の電界放出電子源が開示されている。上記特許文献1には開示されていないが、スピント型の電界放出電子源によれば、多数の電界放出電子源を狭い面積内に配置することができる。そのため、大きな出射面積から出射される電子線を集束するための後焦点光学系を採用せずに、角度広がりが大きな電子線を集束するための結像光学系を採用することができる。本明細書において、結像光学系とは、レンズにより、電子源から出射された電子線の角度広がりを集束するとともに、ターゲット上に複数の電界放出電子源全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように電子線を集束するように構成された光学系である。これにより、電子源から出射された角度広がりが大きな電子線を集束することができる。また、結像光学系によれば、ターゲット上に複数の電界放出電子源全体の外形形状が略縮小投影された実焦点形状を得ることができる。
しかしながら、電子源から出射された角度広がりが大きな電子線を集束する結像光学系を採用した場合においても、出射された電子線によりターゲット上に形成された実焦点において、歪曲収差が発生する場合がある。これにより、取得されるX線画像においても、上記の歪曲収差に起因する歪みが発生するおそれがある。そのため、電子源(電子放出部)から出射された電子線によりターゲット上に発生する歪曲収差の影響を抑制することが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、電子放出部から出射された電子線によりターゲット上に発生する歪曲収差の影響を抑制することが可能なX線管の製造方法およびX線撮影装置を提供することである。
この発明の第1の局面におけるX線管の製造方法は、基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、電子放出部とターゲットの間に配置され、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管における、ターゲット上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を補正するように電子放出部が配置された補正配置パターンを取得するステップと、取得した補正配置パターンに基づいて、基板上に電子放出部を形成するステップと、を備える。
この発明の第2の局面におけるX線撮影装置は、基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、電子放出部とターゲットの間に配置され、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管と、X線管から出射されたX線を検出する検出器と、検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部とを備え、X線管の基板上の配置領域における電子放出部の配置パターンは、ターゲット上に生じる歪曲収差を補正するように電子放出部が配置された補正配置パターンであるように構成されている。
本発明の第1の局面におけるX線管の製造方法は、上記のように、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように電子線を集束するように構成されたレンズを含むX線管における、ターゲット上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を補正するように電子放出部が配置された補正配置パターンを取得するステップを含む。上記のように構成されたレンズにより、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状(平面形状)が略縮小投影された実焦点形状を得ることができる。つまり、電子放出部全体の外形形状を調整することにより、ターゲット上に形成される実焦点形状を調整することができる。そこで、発生する歪曲収差の形状に基づいて基板上の複数の電子放出部の配置パターンを補正することにより、ターゲット上において歪曲収差が抑制された所望の実焦点形状に近づけることができる補正配置パターンを予め取得することができる。これにより、取得した補正配置パターンに基づいて電子放出部を配置することができる。そのため、電子放出部から出射された電子線によりターゲット上に発生する歪曲収差の影響を抑制することができる。
本発明の第2の局面におけるX線撮影装置は、上記のように、X線管は、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように電子線を集束するように構成されたレンズを含み、かつ、X線管の基板上の配置領域における電子放出部の配置パターンは、ターゲット上に生じる歪曲収差を補正するように電子放出部が配置された補正配置パターンであるように構成されている。上記のように構成されたレンズにより、ターゲット上に複数の電子放出部全体の外形形状(平面形状)が略縮小投影された実焦点形状を得ることができる。つまり、電子放出部全体の外形形状を調整することにより、ターゲット上に形成される実焦点形状を調整することができる。そこで、発生する歪曲収差の形状に基づいて基板上の複数の電子放出部の配置パターンを補正することにより、ターゲット上において歪曲収差が抑制された所望の実焦点形状に近づけることができる補正配置パターンを予め取得することができる。これにより、電子放出部の配置を補正配置パターンとすることができる。そのため、電子放出部から出射された電子線によりターゲット上に発生する歪曲収差の影響を抑制することができる。
一実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示した模式図である。 一実施形態によるX線管の構成を示した模式図である。 糸巻き型の歪曲収差の一例および第1補正配置パターンの一例を示す図である。 樽型の歪曲収差の一例および第2補正配置パターンの一例を示す図である。 電子放出部に含まれる電界放出電子源の構成を説明するための模式図である。 結像光学系を説明するための模式図である。 後焦点光学系を説明するための模式図である。 略長方形状である実焦点形状を示す模式図である。 X線管の製造方法について説明するフローチャートである。 変形例に係る第1補正配置パターンの一例を示す図である。 変形例に係る第2補正配置パターンの一例を示す図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(X線撮影装置100の全体構成)
まず、図1を参照して、一実施形態によるX線撮影装置100の全体構成について説明する。
図1に示すように、X線撮影装置100は、被写体90のX線CT画像を撮影する装置である。本実施形態のX線撮影装置100は、たとえば非破壊検査用途に用いられる。被写体90は、検査対象となる試料である。
X線撮影装置100は、X線管1と、検出器2と、被写体設置部3と、回転機構4と、画像処理部5と、撮影制御部6と、を備える。
X線管1は、被写体設置部3に配置された被写体90にX線10を照射するように構成されている。X線管1は、高電圧が印加されることにより、X線10を発生させるように構成されている。X線管1は、被写体設置部3を介して、検出器2と対向する。本実施形態では、X線管1と被写体設置部3と検出器2とが、水平方向に並んで配置されている。なお、X線管1の詳細は後述する。
検出器2は、X線管1から出射されたX線10を検出するように構成されている。X線管1から出射されたX線10は、被写体90を透過して、検出器2の検出面に入射する。検出器2は、検出されたX線10を電気信号に変換するように構成されている。これにより、被写体90におけるX線10の透過を反映したX線画像が得られる。検出器2は、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)である。検出器2は、複数の変換素子(図示せず)と複数の変換素子上に配置された画素電極(図示せず)とにより構成されている。複数の変換素子および画素電極は、所定の周期(画素ピッチ)で、検出面内で行列状に並んで配置されている。検出器2の検出信号(画像信号)は、画像処理部5に送られる。
被写体設置部3は、X線管1と検出器2との間に配置され、被写体90を支持するように構成されている。本実施形態では、被写体設置部3は、被写体90が設置される被写体ステージにより構成されている。
回転機構4は、X線管1および検出器2と、被写体設置部3とを相対的に回転させる。これにより、回転機構4は、被写体90の撮影角度を変化させるように構成されている。
画像処理部5は制御装置20に設けられている。制御装置20は、たとえばPC(パーソナルコンピュータ)により構成される。制御装置20は、主制御部21、画像処理部5、記憶部22および入出力部23を備える。制御装置20は、表示装置24および入力装置25と接続されている。
主制御部21は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、または、回路(Circuitry)により構成され、記憶部22に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、X線撮影装置100における撮影条件の設定や、撮影開始および撮影停止の制御を行う。
画像処理部5は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)または画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサにより構成されている。
画像処理部5は、複数の撮影角度の各々における複数の投影画像データを検出器2から取得する。画像処理部5は、取得した複数の投影画像データに基づいてCT画像を生成するように構成されている。画像処理部5は、360度分の撮影角度毎の複数の投影画像データのセットに対して、再構成処理を実行することにより、CT画像を生成する。CT画像とは、被写体90の3次元構造を反映する画像であり、様々な撮影角度で撮影された複数のX線画像(投影画像データ)から演算処理によって再構成される。CT画像は、被写体90の断層画像、3次元立体画像などの形態でありうる。
記憶部22は、揮発性記憶装置および不揮発性記憶装置を含んで構成される。記憶部22は、プログラム、X線撮影装置100のCT撮影に関する各種の設定情報などを記憶している。記憶部22は、取得された複数の投影画像データと、それらの投影画像データに基づいて生成されたCT画像とを記憶する。
入出力部23は、制御装置20に対する信号の入出力を行うための各種のインターフェースにより構成されている。入出力部23は、表示装置24および入力装置25と接続されている。表示装置24は、たとえば液晶表示装置24などである。入力装置25は、キーボードおよびマウスなどを含む。画像処理部5は、入出力部23を介して、検出器2からの検出信号(画像信号)を取得する。主制御部21は、入出力部23を介して、撮影制御部6に対して撮影開始または撮影停止の指示などを送信する。
撮影制御部6は、X線管1の動作制御を行う。また、撮影制御部6は、回転機構4の動作制御を行う。撮影制御部6は、X線管1の制御機器、回転機構4の制御機器などから構成されている。
(X線管1の構成)
図2に示すように、本実施形態では、X線管1は、複数の電子放出部12と、ターゲット11と、電磁レンズ14とを含む。複数の電子放出部12と、ターゲット11と、電磁レンズ14とは、真空容器13中に収容されている。
X線管1は、陰極である電子放出部12と陽極であるターゲット11との間に電圧を印加することによって電子放出部12から電子を放出させ、放出した電子をターゲット11に衝突させることによって、ターゲット11からX線を発生させるように構成されている。
図3および図4に示すように、複数の電子放出部12は、後述する補正配置パターンにより配置されている。補正配置パターンは、第1補正配置パターン61(図3参照)または第2補正配置パターン62(図4参照)のいずれかである。複数の電子放出部12は、基板31上の配置領域36にアレイ状に配置されている。アレイ状とは、決められたパターンに従って複数行複数列に電子放出部12が配置された状態をいう。複数の電子放出部12は、それぞれ電子線9(図2参照)を照射するように構成されている。配置領域36は、少なくとも後述する陰極電極32(図5参照)が形成された領域を含む領域である。
基板31上の配置領域36は、矩形状を有する。本実施形態では、基板31上の配置領域36は、長方形状である。配置領域36に配置される複数の電子放出部12の数は、特に限定されない。図2~図4においては、説明の便宜上、所定数の電子放出部12を示しているが、電子放出部12の数は、たとえば、10個以上、100個以上、または1000個以上でありうる。
電子放出部12は、電界放出電子源30(図5参照)を含む。電界放出電子源30は、半導体製造技術の応用により、基板31上にアレイ状に形成されたものである。基板31は、シリコンやガラスなどの平板である。複数の電界放出電子源30を含む複数の電子放出部12は、互いに等間隔に配置されている。なお、複数の電子放出部12は、等間隔に配置されていなくても良い。
1つの電子放出部12は、1つの電界放出電子源30(図5参照)を含む。複数の電子放出部12の各々の電界放出電子源30から電子線9が照射される。電子線9は、ターゲット11上の焦点位置に対して照射される。電子線9の衝突によって、ターゲット11上の焦点からX線10(図2参照)が発生する。
図5に示すように、電界放出電子源30は、電界が印加されたエミッタ33からトンネル効果によって電子を放出させる。電界放出電子源30は、たとえばスピント型電子源である。スピント型電子源は、基板31上に形成された陰極電極32と、陰極電極32上に形成された先細り形状のエミッタ33と、エミッタ33の周囲を囲む絶縁層34を介して絶縁層34上に形成されたゲート電極35と、を含む。陰極電極32とゲート電極35との間に所定の引き出し電圧が印加されることによって、エミッタ33の先端に高い電界が発生してエミッタ33の先端から電子が放出される。
なお、スピント型電子源では、ゲート電極35および絶縁層34を貫通する孔をエッチングにより形成し、形成された孔内にエミッタ33の材料を堆積させる手法でエミッタ33が作成される。電界放出電子源30は、スピント型以外の構造を有していてもよい。たとえばエミッタ33は、カーボンナノチューブなどの針状体により形成されうる。
ターゲット11の構造は、特に限定されない。本実施形態において、ターゲット11は、反射型(図2参照)である。図2に示すように、反射型ターゲット11は、電子ビームに対して斜めに傾斜した表面11aを有し、傾斜した表面11aにより電子線9の飛来方向とは異なる方向へX線10が反射するように出射するタイプのターゲット11である。ターゲット11は、透過型ターゲットであっても良い。また、ターゲット11は、真空容器13中に固定状態で設けられていてもよいし、モータなどの駆動源によって回転されてもよい。すなわち、ターゲット11は、いわゆる回転陽極型の構造を有していてもよい。
1つまたは複数の電界放出電子源30(図5参照)には、エミッタ33(図5参照)からの電子を集束させるためのフォーカス制御用の電磁レンズ14が1つまたは複数設けられている。電磁レンズ14は、コイルを利用した電磁石であり、コイルの孔の中心に向かって突き出すように形成された図示しない磁極(ポールピース)を有する。電界放出電子源30から出射された電子線9はポールピースで囲まれた範囲(孔)を通り抜けてターゲット11に衝突する。なお、フォーカス制御用のレンズは、電磁レンズ14でなく、静電レンズであっても良いし、他の公知のレンズであっても良い。
(結像光学系)
結像光学系について説明する。X線管1は、後焦点光学系ではなく、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状T(図3、図4参照)が結像される結像点Iが形成されるように電子線9を集束するように構成された電磁レンズ14を含む結像光学系が採用されている。図6は、結像光学系を説明するための模式図である。結像光学系により、基板31上の電子放出部12から異なる角度で出射された電子線9を、ターゲット11上に形成された結像点Iにおいて一点に集束させる。また、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状Tが結像される結像点Iが形成されるように電子線9を集束させる。結像光学系によれば、大きな出射面積から出射される電子線9を集束することはできないが、電子放出部12から出射された電子線9の角度広がりを集束することはできる。
これに対して、図7は、後焦点光学系を説明するための模式図である。後焦点光学系により、基板31上の異なる位置から出射された電子線9を、ターゲット11上に形成された焦点Fにおいて一点に集束させる。後焦点光学系によれば、電子放出部12から出射された電子線9の角度広がりを集束することはできないが、大きな出射面積から出射される電子線9を集束することはできる。
図6に示す結像光学系を採用することにより、電子放出部12から出射された電子線9の角度広がりを抑制することができるとともに、歪曲収差が発生しないと仮定した場合、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状Tが略縮小投影された実焦点形状53を得ることができる。
(歪曲収差)
歪曲収差について説明する。電子放出部12から出射された電子線9の角度広がりを集束する結像光学系を採用した場合においても、出射された電子線9によりターゲット11上に形成された実焦点において、いわゆる糸巻き型の形状や樽型の形状の歪曲収差が発生する場合がある。図3は、糸巻き型の歪曲収差51の一例である。糸巻き型の歪曲収差51では、ターゲット11上に形成された実焦点形状53が長方形の対角方向に延びるように歪曲する。換言すると、糸巻き型の歪曲収差51では、実焦点形状53における四辺の各々の中央部53aが内側に窪むように歪曲する。
また、図4は、樽型の歪曲収差52の一例である。樽型の歪曲収差52では、ターゲット11上に形成された実焦点形状53が長方形状の対角方向に縮むように歪曲する。換言すると、樽型の歪曲収差52では、実焦点形状53における四辺の各々の中央部53aが外側に向かって膨らむように歪曲する。電磁レンズ14と絞り(不図示)との位置関係により、ターゲット11上に生じる歪曲収差が、糸巻き型の歪曲収差51となるか、あるいは、樽型の歪曲収差52となるかが決定される。
ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状は、配置領域36にアレイ状に配置された複数の電子放出部12と、ターゲット11と、電磁レンズ14を含む結像光学系と、を含むX線管1の設計情報に基づいて取得される。具体的には、X線管1の設計情報に基づいてシミュレーションや実験が行われ、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状が取得される。
(補正配置パターン)
補正配置パターンについて説明する。補正配置パターンは、ターゲット11上に生じた歪曲収差を補正するように電子放出部12が配置された補正配置パターンである。補正配置パターンは、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状Tが略縮小投影された実焦点形状53を得ることができるという結像光学系(図6参照)の特性を利用するものである。補正配置パターンは、設計情報に基づいて取得した歪曲収差の形状に基づいて取得される。具体的には、取得した歪曲収差の形状に基づいてシミュレーションや実験が行われ、ターゲット11上に生じた歪曲収差を補正するように電子放出部12が配置された補正配置パターンが取得される。ここで、複数の電子放出部12全体の外形形状Tとは、最外周に配置された電子放出部12の外形線をつないだ輪郭であって、囲んだ輪郭における最小の輪郭のことである。
図3は、歪曲収差の形状が糸巻き型の形状である場合における、第1補正配置パターン61である。第1補正配置パターン61は、少なくとも長方形状の配置領域36の四隅63において電子放出部12が配置されていない。換言すると、第1補正配置パターン61は、少なくとも長方形状の配置領域36の四隅63において電子放出部12が欠けたパターンである。また、第1補正配置パターン61は、電子放出部12全体の外形形状Tの長辺と短辺とがL字状に窪んだ窪みを介して接続された輪郭内に複数の電子放出部12が配置された補正配置パターンである。
なお、図3では、便宜的に、四隅63の各々において1つ電子放出部12が欠けたパターンを図示している。しかしながら、四隅63の各々において配置されない電子放出部12の数は1つに限定されず、複数でも良い。四隅63の各々において配置されない電子放出部12の数を含む、第1補正配置パターン61における電子放出部12の具体的な配置は、糸巻き型の歪曲収差51の影響をより低減するためにより長方形状に近い実焦点形状53(図8参照)とすることができるように、適宜設定することができる。
図4は、歪曲収差の形状が樽型の形状である場合における、第2補正配置パターン62である。第2補正配置パターン62は、少なくとも長方形状の配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12が配置されていない。換言すると、第2補正配置パターン62は、少なくとも長方形状の配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12が欠けたパターンである。また、第2補正配置パターン62は、電子放出部12全体の外形形状Tの四辺の中央部において内側に向かって窪んだ窪みを有する輪郭内に複数の電子放出部12が配置された補正配置パターンである。
なお、図4では、便宜的に、四辺の各々の中央部64において2つ電子放出部12が欠けたパターンを図示している。しかしながら、四辺の各々の中央部64において配置されない電子放出部12の数は2つに限定されず、1つでも、3つ以上でも良い。四辺の各々の中央部64において配置されない電子放出部12の数を含む、第2補正配置パターン62における電子放出部12の具体的な配置は、樽型の歪曲収差52の影響をより低減するためにより長方形状に近い実焦点形状53(図8参照)とすることができるように、適宜設定することができる。
図8に示すように、基板31上の長方形の配置領域36に補正配置パターンに基づいて複数の電子放出部12を配置することにより、ターゲット11上に形成される実焦点形状53を略長方形状とすることができる。このとき、複数の電子放出部12の配置を補正する前の設計情報の配置パターンにおける複数の電子放出部12全体の長方形状の外形形状Tと、補正配置パターンによりターゲット11上に形成される実焦点形状53とは、相似形である。ターゲット11上に形成される実焦点形状53を略長方形状とすることにより、略正方形状である場合と比べて、ターゲット11上の焦点の実質的な面積を増加させることができる。これにより、許容されるX線管1のX線を発生させる電子線9電流を増加させることができる。
(X線管1の製造方法)
次に、図9を参照して、本実施形態に係るX線管1の製造方法について説明する。
ステップS1において、配置領域36にアレイ状に配置された複数の電子放出部12と、ターゲット11と、電磁レンズ14を含む結像光学系と、を含むX線管1の設計情報を取得する。その後、ステップS2に進む。
ステップS2において、取得したX線管1の設計情報に基づいて、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状を取得する。より詳細には、X線管1の設計情報に基づいて、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状として、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかを取得する。その後、ステップS3に進む。
ステップS3において、取得した歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を補正するように電子放出部12が配置された補正配置パターンを取得する。より詳細には、歪曲収差の形状が糸巻き型の形状である場合に、第1補正配置パターン61を取得する。また、歪曲収差の形状が樽型の形状である場合に、第2補正配置パターン62を取得する。その後、ステップS4に進む。
ステップS4において、取得した補正配置パターンに基づいて、基板31上に電子放出部12を形成する。
(本実施形態によるX線管1の製造方法の効果)
本実施形態のX線管1の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、X線管1の製造方法は、基板31上の配置領域36にアレイ状に配置され、電子線9を照射する複数の電子放出部12と、電子放出部12とターゲット11の間に配置され、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状Tが結像される結像点Iが形成されるように電子線9を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管1における、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を補正するように電子放出部12が配置された補正配置パターンを取得するステップと、取得した補正配置パターンに基づいて、基板31上に電子放出部12を形成するステップと、を備える。上記のように構成されたレンズにより、ターゲット11上に複数の電子放出部12全体の外形形状Tが略縮小投影された実焦点形状53を得ることができる。つまり、電子放出部12全体の外形形状Tを調整することにより、ターゲット11上に形成される実焦点形状53を調整することができる。そこで、発生する歪曲収差の形状に基づいて基板31上の複数の電子放出部12の配置パターンを補正することにより、ターゲット11上において歪曲収差が抑制された所望の実焦点形状53に近づけることができる補正配置パターンを予め取得することができる。これにより、取得した補正配置パターンに基づいて電子放出部12を配置することができる。そのため、電子放出部12から出射された電子線9によりターゲット11上に発生する歪曲収差の影響を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状は、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかである。これにより、歪曲収差の典型的な形状である糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかの歪曲収差の形状に基づいて、歪曲収差を適切に補正した補正配置パターンを取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補正配置パターンを取得するステップにおいて、歪曲収差の形状が糸巻き型の形状である場合に、補正配置パターンは、少なくとも矩形状の配置領域36の四隅63において電子放出部12が配置されていない第1補正配置パターン61となるように構成されている。配置領域36の四隅63に配置された電子放出部12は、像が矩形の対角方向に延びるように歪曲する部分における電子線9を照射した電子放出部12に相当する。配置領域36の四隅63において電子放出部12を配置しないことにより、像の矩形の対角方向に延びるように歪曲する糸巻き型の歪曲収差51を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、補正配置パターンを取得するステップにおいて、歪曲収差の形状が樽型の形状である場合に、補正配置パターンは、少なくとも矩形状の配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12が配置されていない第2補正配置パターン62となるように構成されている。配置領域36の四辺の各々の中央部64に配置された電子放出部12は、像の矩形の四辺の各々の中央部が外側に向かって膨らむように歪曲する部分における電子線9を照射した電子放出部12に相当する。配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12を配置しないことにより、像の矩形の四辺の各々の中央部が外側に向かって膨らむように歪曲する樽型の歪曲収差52を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の電子放出部12とレンズとを含むX線管1の設計情報に基づいて、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状を取得するステップをさらに備える。これにより、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状を正確かつ確実に取得することができる。そのため、電子源から出射された電子線9によりターゲット11上に発生する歪曲収差の影響をより適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の電子放出部12は、複数の電界放出電子源30により構成され、複数の電界放出電子源30の各々は、ターゲット11へ電子線9を照射するように構成されている。これにより、射出面積が大きい熱電子放出型電子源を設ける場合と異なり、結像光学系を採用することにより、電子放出部12から出射された電子線9の角度広がりを抑制することができる。これにより、ターゲット11上に複数の電界放出電子源30全体の外形形状Tが略縮小投影された実焦点形状53を得ることができる。そのため、歪曲収差を適切に補正した補正配置パターンを取得することができる。
(本実施形態によるX線撮影装置100の効果)
本実施形態のX線撮影装置100は、上記の製造方法により製造されたX線管1を含むX線撮影装置100であるため、上記と同様の、電子放出部12から出射された電子線9によりターゲット11上に発生する歪曲収差の影響を抑制することができるという効果を得ることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、第1補正配置パターン61として、少なくとも矩形状の配置領域36の四隅63において電子放出部12が配置されていない補正配置パターンの例を示したが、本発明はこれに限られない。
図10に示すように、歪曲収差の形状が糸巻き型の形状である場合に、変形例に係る第1補正配置パターン61は、少なくとも矩形状の配置領域36の四隅63において最外側の複数の電子放出部12が配置領域36の四辺に対して斜めに並ぶように配置されているように構成されていても良い。これにより、像の矩形の対角方向に延びるように歪曲する糸巻き型の歪曲収差51を抑制することができる。
また、上記実施形態では、第1補正配置パターン61において、電子放出部12は正格子状に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。図10に示すように、第1補正配置パターン61において、電子放出部12は斜め格子状に並ぶように配置されていても良い。また、図10に示すように、糸巻き型の歪曲収差51(図3参照)を補正するように電子放出部12が配置された第1補正配置パターン61は、平面視において上下左右対称でなくても良い。
また、図3に示すように、糸巻き型の歪曲収差51では、実焦点形状53における四辺の各々の中央部53aが内側に湾曲するように歪曲する。そこで、像の四辺の各々の中央部53aおいて内側に湾曲する歪曲収差を補正するように電子放出部12を配置しても良い。この場合、配置領域36の四隅63において電子放出部12が配置されておらず、かつ、配置領域36の四辺の各々の中央部64が外側に湾曲するように電子放出部12を配置する補正配置パターンとなるように構成することができる。
また、上記実施形態では、第2補正配置パターン62として、少なくとも矩形状の配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12が配置されていない補正配置パターンの例を示したが、本発明はこれに限られない。
また、図11に示すように、歪曲収差の形状が樽型の形状である場合に、変形例に係る第2補正配置パターン62は、少なくとも矩形状の配置領域36の四辺の各々において最外側の複数の電子放出部12が配置領域36の中央に向かって傾斜して窪むように並んで配置されていても良い。これにより、像の矩形の四辺の各々の中央部が外側に向かって膨らむように歪曲する樽型の歪曲収差52を抑制することができる。
また、上記実施形態では、第2補正配置パターン62において、電子放出部12は正格子状に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。図11に示すように、第2補正配置パターン62において、電子放出部12は斜め格子状に並ぶように配置されていても良い。また、図11に示すように、樽型の歪曲収差52(図4参照)を補正するように電子放出部12が配置された第2補正配置パターン62は、平面視において上下左右対称でなくても良い。
また、図4に示すように、樽型の歪曲収差52では、実焦点形状53における四辺の各々の中央部53aが外側に向かって膨らむように歪曲する。そこで、像の四辺の各々の中央部53aおいて外側に湾曲する歪曲収差を補正するように電子放出部12を配置しても良い。この場合、配置領域36の四辺の各々の中央部64において電子放出部12が配置されておらず、かつ、配置領域36の四辺の各々の中央部64が内側に湾曲するように電子放出部12を配置する補正配置パターンとなるように構成することができる。
また、上記実施形態では、基板31上の配置領域36が長方形状であり、複数の電子放出部12は、配置領域36にアレイ状、かつ、等間隔に配置されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。配置領域36は、正方形状でも良いし、多角形状であっても良い。また、複数の電子放出部12は、配置領域36に非アレイ状に配置されていても良いし、かつ、異なるピッチにより配置されていても良い。
また、上記実施形態では、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状はX線管1の設計情報に基づいて取得される例を示したが、本発明はこれに限定されない。ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状は、設計情報に基づいて製造されたX線管1に基づいて取得されても良い。
また、上記実施形態では、X線撮影装置100は非破壊検査用途に用いられる例を示したが、本発明はこれに限定されない。X線撮影装置100は医療用途に用いられても良い。この場合の被写体90は、検査対象となる生体である。
また、上記実施形態では、ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状として、糸巻き型の形状および樽型の形状の例を示したが、本発明はこれに限定されない。ターゲット11上に生じる歪曲収差の形状は、上記以外の形状であっても良い。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、前記電子放出部とターゲットの間に配置され、前記ターゲット上に複数の前記電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように前記電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管における、前記ターゲット上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、前記歪曲収差を補正するように前記電子放出部が配置された補正配置パターンを取得するステップと、
前記取得した前記補正配置パターンに基づいて、前記基板上に前記電子放出部を形成するステップと、を備える、X線管の製造方法。
(項目2)
前記ターゲット上に生じる前記歪曲収差の形状は、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかである、項目1記載のX線管の製造方法。
(項目3)
前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において前記電子放出部が配置されていない第1補正配置パターンとなるように構成されている、項目2に記載のX線管の製造方法。
(項目4)
前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の四辺に対して斜めに並ぶように配置されている第1補正配置パターンとなるように構成されている、項目2に記載のX線管の製造方法。
(項目5)
前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々の中央部において前記電子放出部が配置されていない第2補正配置パターンとなるように構成されている、項目2に記載のX線管の製造方法。
(項目6)
前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の中央に向かって傾斜して窪むように並んで配置されている第2補正配置パターンとなるように構成されている、項目2に記載のX線管の製造方法。
(項目7)
複数の前記電子放出部と前記レンズとを含む前記X線管の設計情報に基づいて、前記ターゲット上に生じる歪曲収差の形状を取得するステップをさらに備える、項目1~6のいずれか1項に記載のX線管の製造方法。
(項目8)
複数の前記電子放出部は、複数の電界放出電子源により構成され、複数の前記電界放出電子源の各々は、前記ターゲットへ前記電子線を照射するように構成されている、項目1~7のいずれか1項に記載のX線管の製造方法。
(項目9)
基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、前記電子放出部とターゲットの間に配置され、前記ターゲット上に複数の前記電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように前記電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管と、
前記X線管から出射されたX線を検出する検出器と、
前記検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部とを備え、
前記X線管の前記基板上の配置領域における前記電子放出部の配置パターンは、前記ターゲット上に生じる歪曲収差を補正するように前記電子放出部が配置された補正配置パターンであるように構成されている、X線撮影装置。
(項目10)
前記ターゲット上に生じる前記歪曲収差の形状は、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかである、項目9に記載のX線撮影装置。
(項目11)
前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において前記電子放出部が配置されていない第1補正配置パターンとなるように構成されている、項目9に記載のX線撮影装置。
(項目12)
前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の四辺に対して斜めに並ぶように配置されている第1補正配置パターンとなるように構成されている、項目10に記載のX線撮影装置。
(項目13)
前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々の中央部において前記電子放出部が配置されていない第2補正配置パターンとなるように構成されている、項目10に記載のX線撮影装置。
(項目14)
前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の中央に向かって傾斜して窪むように並んで配置されている第2補正配置パターンとなるように構成されている、項目10に記載のX線撮影装置。
(項目15)
複数の前記電子放出部は、複数の電界放出電子源により構成され、複数の前記電界放出電子源の各々は、前記ターゲットへ電子線を照射するように構成されている、項目9~14のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
1 X線管
2 検出器
9 電子線
10 X線
11 ターゲット
12 電子放出部
14 電磁レンズ
30 電界放出電子源
31 基板
36 配置領域
51 糸巻き型の歪曲収差
52 樽型の歪曲収差
61 第1補正配置パターン
62 第2補正配置パターン
63 四隅
64 四辺の中央部
90 被写体
100 X線撮影装置

Claims (15)

  1. 基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、前記電子放出部とターゲットの間に配置され、前記ターゲット上に複数の前記電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように前記電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管における、前記ターゲット上に生じる歪曲収差の形状に基づいて、前記歪曲収差を補正するように前記電子放出部が配置された補正配置パターンを取得するステップと、
    前記取得した前記補正配置パターンに基づいて、前記基板上に前記電子放出部を形成するステップと、を備える、X線管の製造方法。
  2. 前記ターゲット上に生じる前記歪曲収差の形状は、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかである、請求項1に記載のX線管の製造方法。
  3. 前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において前記電子放出部が配置されていない第1補正配置パターンとなるように構成されている、請求項2に記載のX線管の製造方法。
  4. 前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の四辺に対して斜めに並ぶように配置されている第1補正配置パターンとなるように構成されている、請求項2に記載のX線管の製造方法。
  5. 前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々の中央部において前記電子放出部が配置されていない第2補正配置パターンとなるように構成されている、請求項2に記載のX線管の製造方法。
  6. 前記補正配置パターンを取得するステップにおいて、前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の中央に向かって傾斜して窪むように並んで配置されている第2補正配置パターンとなるように構成されている、請求項2に記載のX線管の製造方法。
  7. 複数の前記電子放出部と前記レンズとを含む前記X線管の設計情報に基づいて、前記ターゲット上に生じる歪曲収差の形状を取得するステップをさらに備える、請求項1に記載のX線管の製造方法。
  8. 複数の前記電子放出部は、複数の電界放出電子源により構成され、複数の前記電界放出電子源の各々は、前記ターゲットへ前記電子線を照射するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のX線管の製造方法。
  9. 基板上の配置領域にアレイ状に配置され、電子線を照射する複数の電子放出部と、前記電子放出部とターゲットの間に配置され、前記ターゲット上に複数の前記電子放出部全体の外形形状が結像される結像点が形成されるように前記電子線を集束するように構成されたレンズと、を含むX線管と、
    前記X線管から出射されたX線を検出する検出器と、
    前記検出部から出力される検出信号に基づいて画像を生成する画像処理部とを備え、
    前記X線管の前記基板上の配置領域における前記電子放出部の配置パターンは、前記ターゲット上に生じる歪曲収差を補正するように前記電子放出部が配置された補正配置パターンであるように構成されている、X線撮影装置。
  10. 前記ターゲット上に生じる前記歪曲収差の形状は、糸巻き型の形状および樽型の形状のうちのいずれかである、請求項9に記載のX線撮影装置。
  11. 前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において前記電子放出部が配置されていない第1補正配置パターンとなるように構成されている、請求項10に記載のX線撮影装置。
  12. 前記歪曲収差の形状が前記糸巻き型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四隅において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の四辺に対して斜めに並ぶように配置されている第1補正配置パターンとなるように構成されている、請求項10に記載のX線撮影装置。
  13. 前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々の中央部において前記電子放出部が配置されていない第2補正配置パターンとなるように構成されている、請求項10に記載のX線撮影装置。
  14. 前記歪曲収差の形状が前記樽型の形状である場合に、前記補正配置パターンは、少なくとも矩形状の前記配置領域の四辺の各々において最外側の複数の前記電子放出部が前記配置領域の中央に向かって傾斜して窪むように並んで配置されている第2補正配置パターンとなるように構成されている、請求項10に記載のX線撮影装置。
  15. 複数の前記電子放出部は、複数の電界放出電子源により構成され、複数の前記電界放出電子源の各々は、前記ターゲットへ電子線を照射するように構成されている、請求項9~14のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
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