JP2014064705A - X線発生装置、x線検出装置、x線撮影システム及びx線撮影方法 - Google Patents

X線発生装置、x線検出装置、x線撮影システム及びx線撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高品質なX線画像を得る。
【解決手段】X線源を複数有し、平行X線を照射するX線照射部と、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部とを備える、X線発生装置が提供される。
【選択図】図7

Description

本開示は、X線発生装置、X線検出装置、X線撮影システム及びX線撮影方法に関する。
X線を用いて撮影を行う技術は、医療機関における生体検査や、工場における出荷検査等、幅広い分野で用いられている。これらの検査においては、より高品質(高解像度、高コントラスト、高S/N比等)なX線画像を得ることが求められている。
X線撮影においては、ひとつのX線源(単線源)を用いて撮影を行う場合と、2次元状に配列された複数のX線源(面線源)を用いて撮影を行う場合とがある。例えば、面線源を用いたX線撮影の一例として、特許文献1には、2次元状に配列された、それぞれ異なる線質を有する複数のX線源を選択的に駆動することで、X線照射位置や線質の選択の自由度を増し、高コントラストなX線画像を得ることができる技術が開示されている。
特開2009−205992号公報
しかし、単線源を用いたX線撮影においては、X線を検出する検出面内の位置に応じて、照射されるX線の強度(線量)や、X線の入射角が一様ではない。従って、検出面内においてX線の受光感度にばらつきが存在するため、高品質なX線画像を得ることが困難であった。
また、特許文献1に記載の技術では、X線源が2次元状に配列されるため、近接するX線源から照射されたX線照射領域の一部が、互いに重なり合う(干渉する)可能性があった。従って、X線検出位置に応じて、照射されるX線の線量にばらつきが生じるため、取得されるX線画像の品質が低下する一因となっていた。また、被写体と線源とX線検出器との位置関係によっては、被写体の内部にX線が通らない部分が出来るため、X線画像を利用した計算方法の誤差が大きくなる一因となっていた。
そこで、本開示では、より高品質なX線画像を得ることが可能な、X線発生装置、X線検出装置、X線撮影システム及びX線撮影方法を提案する。
本開示によれば、複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部とを備える、X線発生装置が提供される。
また、本開示によれば、X線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部とを備え、前記X線検出部は、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにX線照射条件が制御されたX線を検出する、X線検出装置が提供される。
また、本開示によれば、複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部と、前記X線照射部から照射されたX線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部とを備える、X線撮影システムが提供される。
また、本開示によれば、複数のX線源を有し平行X線を照射するX線照射部から照射される各X線の照射領域が、互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御するステップと、複数の前記X線照射条件によって照射されたX線を複数の受光素子によって検出し、前記受光素子から構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するステップと、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得するステップと、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成するステップとを含む、X線撮影方法が提供される。
本開示によれば、複数のX線源を有するX線照射部が、平行X線を照射し、照射制御部が、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する。
以上説明したように、本開示によれば、より高品質なX線画像を得ることが可能となる。
一般的なX線源の一構造例を示す概略図である。 図1に示すX線源における検出器の受光位置と焦点との関係の一例を模式的に示す概念図である。 図2Aに示す検出器の面内におけるX線の焦点の一例を模式的に示す概念図である。 ヒール効果を説明するための概念図である。 X線撮影時におけるX線の挙動の一例を示す概念図である。 X線撮影時におけるX線の挙動の一例を示す概念図である。 X線撮影時におけるX線の挙動の一例を示す概念図である。 単線源とグリッドを用いたX線撮影方法の一例を示す概念図である。 面線源を用いたX線撮影方法の一例を示す概念図である。 本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置の一構成例を示す概略図である。 全てのX線源からX線を照射した場合のX線照射領域の様子を示す概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例において、コリメータとアパーチャとが併用される一実施例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例において、コリメータとアパーチャとが併用される一実施例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るコリメータの一構造例を示す斜視図である。 図15Aに示すコリメータの貫通孔の配置を示す上面図である。 本実施形態に係るコリメータの異なる構造例を示す斜視図である。 図16Aに示すコリメータの貫通孔の配置を示す上面図である。 本実施形態に係るアパーチャの一構造例を示す正面図である。 図17Aに示すアパーチャのA−A断面における断面を示す断面図である。 本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置の一構成例を示す概略図である。 X線源とコリメータとの距離によるX線照射領域の変化について示す概念図である。 X線源とコリメータとの距離によるX線照射領域の変化について示す概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の一例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の異なる例を説明するための概念図である。 本実施形態に係る画像処理方法の異なる例を説明するための概念図である。 本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影方法の処理手順示すフロー図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.発明者による検討
1.1.X線源の構造
1.2.単線源について
1.3.面線源について
2.第1の実施形態
2.1.X線発生装置の構成
2.2.X線照射条件の制御について
2.3.第1の実施形態の変形例
3.第2の実施の形態
3.1.X線撮影装置の構成
3.2.X線照射条件の制御について
4.画像処理方法
5.X線撮影システムの構成
6.X線撮影方法の処理手順
7.まとめ
<1.発明者による検討>
まず、本開示をより明確なものとするために、本発明者が本開示に想到するに至った経緯について詳しく説明する。上述したように、本開示によれば、より高品質なX線画像を得ることが可能となる。本発明者は、より高品質なX線画像を得るために、まず、単線源や面線源を用いた一般的なX線撮影について検討を行った。ここでは、当該検討結果について詳しく説明する。
[1.1.X線源の構造]
まず、図1を用いて、一般的なX線源の構造について説明する。図1は、一般的なX線源の一構造例を示す概略図である。
図1を参照すると、X線源500は、内部が略真空に保たれているガラスバルブ501、並びにガラスバルブ501内に設けられる陰極502及び陽極503を備える。陰極502から放出された電子が、陽極503に衝突することで、X線が発生する。
陰極502は、例えば、フィラメント、加速電極、収束電極等を有する。陰極502は、例えば外部に設けられた電源装置や制御機器等に接続され、その駆動が制御される。陰極502は、フィラメントから放出された熱電子を、加速電極、収束電極によって、加速、収束し、陰極502に対向して配設された陽極503に向かって放出する。ここで、熱電子の加速電圧は、例えば数十〜数百keV程度であってよい。
陽極503は、例えば、金属製のターゲット504、ターゲット504の略中心に接続される回転シャフト505、及び回転シャフト505を支持するロータ506から構成される。陽極503は、更に、外部接続部507を有し、外部接続部507を介して外部に設けられた電源装置や制御機器等と接続され、その駆動が制御されてもよい。ターゲット504は円盤形状を有し、回転シャフト505を回転軸として回転可能に構成される。また、ターゲット504の外周部の一面はテーパ状に加工されており、陽極503は、ターゲット504のテーパ形状を有する部位(テーパ面)が、陰極502と対向するように配設される。従って、陰極502から放出された電子は、ターゲット504のテーパ面に衝突する。
X線源500は、X線を放出する際には、陽極503のターゲット504を回転させながら、陰極502からターゲット504のテーパ面に電子を衝突させる。衝突した電子と、ターゲット504を構成する原子の原子核や内殻の電子とが相互作用することで、例えば制動X線や特性X線等のX線が放出される。ここで、X線の発生原理は、本開示の主眼とするところではないため、詳細な説明は省略する。ターゲット504から放出されたX線は、ガラスバルブ501の一部領域に設けられたX線照射窓508から外部に照射される。図1では、放出されたX線照射方向の一例が矢印で示されている。ここで、X線が放出される領域(図1に示すX線源500においてはテーパ面)のことを焦点と呼ぶ。
ここで、X線源500のX線照射方向には、図1に示すように、コリメータ509が設置されてもよい。コリメータ509は、X線の照射方向選択部材の一例であり、X線の照射方向を制御するために用いられる。ここで、図1には、X線の照射方向選択部材の一例としてコリメータ509を図示しているが、X線の照射方向選択部材として用いられる部材はコリメータに限定されず、例えばコリメータの代わりにアパーチャが用いられてもよいし、あるいは、コリメータとアパーチャとが併用されてもよい。コリメータ509は、例えばX線を遮蔽可能な材料で形成された板状の部材の一部領域に、X線を通過させるためのX線通過部(スリット、孔等)が設けられた構造であってよい。図1では、コリメータ509の、X線通過部を通る断面が示されている。
図1に示すように、X線源500によって生じたX線は、コリメータ509に設けられたX線通過部を通過して、外部に照射される。従って、コリメータ509に設けられたX線通過部の形状や大きさを変更することで、X線源500から照射されるX線の照射角θを制御することができる。ここで、図1においては、X線源500とコリメータ509とは分離して構成されているが、例えば、X線源500とコリメータ509とは一体的に構成されてもよい。すなわち、X線源500のX線照射窓508が、コリメータ509と同様の機能を有していてもよい。
ここで、以下の説明においては、X線の照射角θが大きくなることを「X線が発散する」と表現することとする。例えば、「X線の発散を抑える」とは、X線の照射角θが小さくなるように制御することを表すこととする。
[1.2.単線源について]
X線源を1つだけ用いてX線撮影を行う際には、例えば図1に示すX線源500から被写体にX線が照射され、被写体を透過したX線が、被写体の後方、すなわち、被写体を挟んでX線源と逆側に設けられた検出器によって検出される。以下の説明では、このように1つだけで用いられるX線源のことを、単線源と呼ぶこととする。
また、以下の説明においては、X線源から照射されたX線を検出器によって検出する一連の処理のことを、X線撮影と呼ぶこととする。更に、以下の説明においては、X線撮影によって取得される画像のことをX線画像と呼ぶこととする。ただし、X線撮影及びX線画像においては、被写体の有無は考慮しないこととする。
まず、図2A、Bを参照して、単線源における検出器の受光位置と焦点との関係について説明する。図1に示すような回転ターゲットを有するX線源を単線源として用いる場合には、検出器の受光位置に応じて、見掛け上の焦点の大きさや形状が異なる。図2A、Bは、回転ターゲットを有するX線源における、検出器の受光位置と焦点との関係を模式的に示す図である。
図2Aは、陽極503のターゲット504から照射されたX線が、検出器610に入射する様子を示している。ここで、図2Aにおいては、図1に示すX線源500のうち、陰極502及び陽極503以外の構成要素は省略して示されている。図2Aを参照すると、検出器610の検出面内において、焦点(テーパ面)との位置関係がそれぞれ異なる検出部位における、見掛け上の焦点620、630、640が示されている。
図2Bは、図2Aにおける検出器610の検出面、すなわち陽極503と対向する面を示す模式図である。ここで、図2Bには、ターゲット504と検出器610との相対的な位置関係が明確になるように、ターゲット504を破線で示している。また、図2Bに記載の検出器610の検出面には、各検出部位における見掛け上の焦点が四角形で示されている。
図2Bを参照すれば、検出器610の検出部位によって、すなわち、ターゲット504と検出器610の検出部位との位置関係に応じて、見掛け上の焦点620、630、640の大きさが互いに異なる。また、検出面においては、ターゲット504の回転軸と直交する方向(図2Aにおける紙面に垂直な方向)でも、検出部位の位置によって、見掛け上の焦点の大きさや形状が異なる。ここで、見掛け上の焦点の大きさや形状が異なるということは、X線の発散の程度が異なることを意味する。このように、回転ターゲットを有するX線源においては、ターゲット504と検出器610の検出部位との位置関係に応じて、すなわち、X線の入射角に応じて、X線の発散の程度が異なる。
次に、図3を参照して、単線源におけるX線照射方向とX線の強度(線量)との関係について説明する。図1に示すような回転ターゲットを有するX線源においては、X線照射方向に応じてX線の線量が異なることが知られている。この現象はヒール効果と呼ばれる。図3は、ヒール効果を説明するための概念図である。
図3には、陽極503のX線発生位置aからX線が照射される様子が模式的に示されている。ここで、図3に記載の矢印は、X線発生位置aから互いに異なる方向に照射されたX線C、X線Dを模式的に示している。X線Cは、X線発生位置aから比較的陰極502方向に照射されるX線であり、X線Dは、X線発生位置aから比較的陽極503方向に照射されるX線である。ここで、図3においては、図1に示すX線源500のうち、陰極502及び陽極503以外の構成要素は省略している。
ヒール効果とは、図3に示すようなX線C及びX線Dを想定した場合、陰極502方向に照射されるX線Cの線量が、陽極503方向に照射されるX線Dの線量よりも相対的に大きくなる現象のことである。これは、X線Dの方が、X線Cよりも、ターゲット504の内部を通過する距離が長いため、ターゲット504通過時のX線の減衰量が多いことに起因すると考えられている。このように、回転ターゲットを有するX線源においては、X線照射方向、すなわち、検出器へのX線の入射角に応じて、X線の線量が異なる。
以上図2A、B及び図3を用いて説明したように、一般的な回転ターゲットを有するX線源を単線源として用いる場合には、X線の入射角に応じて、X線の発散の程度及び線量が異なる。従って、単線源を用いて、検出器の検出面内に一様なX線を照射することは困難である。
一方、高品質なX線画像を取得するためには、検出器の検出面内に一様なX線が照射されることが好ましい。これは、例えばX線の入射角に応じてX線の線量や発散の程度が異なると、検出器の検出部位に応じて受光感度やS/N比にばらつきが生じてしまうため、高品質なX線画像を取得することが困難になるためである。
このようなX線の入射角に起因する受光感度やS/N比のばらつきを抑えるために、単線源を用いたX線撮影においては、一般的に、単線源と検出器との距離は、可能な範囲で長く設定される。
一方、X線撮影において、X線は、以下の挙動を取り得る。すなわち、(1)被写体を透過する、(2)被写体によって反射、散乱(拡散)される、(3)被写体に照射されずに漏れる。これら(1)〜(3)の状態について、図4A〜Cを参照して説明する。
図4A〜Cは、X線撮影時におけるX線の挙動の一例を示す概念図である。図4A〜Cを参照すると、X線が、X線源710から被写体720及び検出器730に照射される様子が示されている。図4A〜Cにおける矢印は、X線源710から照射されるX線の方向を模式的に示している。ここで、X線源710の構造は特に限定されるものではなく、例えば図1に示すX線源500であってもよいし、他の構造を有するX線源であってもよい。
図4Aは、X線が被写体を透過する様子を示している。図4Aを参照すると、X線源710から照射されたX線は、被写体720を透過し、検出器730に入射している。被写体内部の部位に応じたX線透過率の違いを利用して、被写体720を透過したX線を検出することで、被写体内部の構造をX線画像の形で取得することができる。
図4Bは、X線が被写体によって反射、散乱(拡散)される様子を示している。図4Bを参照すると、X線源710から照射されたX線の一部は、被写体720の表面で反射される。また、X線源710から照射されたX線の一部は、例えばコンプトン散乱(拡散)によって被写体の内部で散乱される。図4Bに示す例においては、反射、散乱が1度しか生じていないが、このようなX線の反射、散乱は、複数回起こり得る。反射、散乱したX線が検出器730で検出されると、被写体のいずれの部位を透過してきたX線かが不明確であるため、X線画像にいわゆるボケが生じ、X線画像が不鮮明になる可能性がある。
図4Cは、X線が被写体に照射されずに漏れる様子を示している。図4Cを参照すると、X線源710から照射されたX線は、被写体720及び検出器730に入射することなく、外部に漏れている。このようにX線が漏れることで、周囲のX線非照射対象、例えば装置操作者等が不要な被ばくを受けてしまう可能性がある。
以上図4A〜Cを参照して説明したように、X線の反射や散乱は、X線画像の品質低下につながる可能性がある。また、X線の漏れは、周囲の不要な被ばくにつながる可能性がある。
X線の漏れを低減するためには、X線源と被写体及び検出器との距離を短くすることが望ましい。しかし、図2A、B及び図3を用いて説明したように、単線源を用いたX線撮影においては、X線の入射角に起因する受光感度やS/N比のばらつきを抑えるために、X線源と検出器との距離は、可能な範囲で長く設定されることが求められる。つまり、単線源を用いたX線撮影においては、X線源と検出器との距離に対して、X線画像の品質とX線の漏れとは、トレードオフの関係にある。
一方、X線の反射や散乱によるX線画像の品質低下を抑えるためには、グリッドを利用する方法が考えられている。ここで、グリッドとは、図1において説明したコリメータ及び/又はアパーチャと同様、X線の照射方向選択部材の一例である。このようなグリッドを用いたX線撮影方法の一例について、図5を参照して説明する。図5は、単線源とグリッドを用いたX線撮影方法の一例を示す概念図である。
図5を参照すると、X線源810から照射されたX線が、検出器830に入射する様子が示されている。また、図5においては、X線源810から照射されたX線が模式的に矢印で示されている。ここで、X線源810の構造は特に限定されるものではなく、例えば図1に示すX線源500であってもよいし、他の構造を有するX線源であってもよい。
更に、図5を参照すると、検出器830の、X線が入射する方向には、グリッド820が設けられている。グリッド820は、例えばX線を遮蔽可能な材料で形成された板状の部材の一部領域に、X線を通過させるためのX線通過部(スリットや孔)が複数設けられた構造であってもよい。図5においては、グリッド820の、複数のX線通過部を通る断面が示されている。
X線撮影時には、被写体(図示せず。)が、X線源810とグリッド820との間に配置される。X線源810から照射されたX線は、被写体を透過し、グリッド820のX線通過部を通過して、検出器830によって検出される。ここで、グリッド820のX線通過部は、検出器830の検出面内の位置に応じて、検出面に対して異なる角度を有するように形成されている。具体的には、グリッド820のX線通過部は、X線源810から照射されるX線の、検出器830への入射角に対応する角度を有するように形成されている。従って、グリッド820は、散乱、反射等され、本来の入射角と異なる角度で入射したX線を遮ることができる。
このように、グリッド820を用いることで、X線の反射や散乱によるX線画像の品質低下を抑えることができる可能性がある。しかし、グリッド820では、上述のように、X線源810から照射されるX線の入射角に対応してX線通過部が形成されるため、X線源810とグリッド820との相対的な位置関係が変化すると、X線の入射方向とX線通過部の方向とがずれてしまい、良好なX線画像が得られなくなる可能性がある。つまり、X線源810とグリッド820との相対的な位置関係が変更される度に、グリッド820のX線通過部の角度も調整される必要がある。
以上、図1〜図5を参照して、単線源を用いたX線撮影について検討した。検討結果について、以下にまとめる。
単線源、特に回転ターゲットを有するX線源を用いたX線撮影においては、X線の入射角に応じて、X線の発散の程度や線量が異なる。従って、検出器の検出面内で受光感度やS/N比にばらつきが生じ、高品質なX線画像を得ることが困難である。このようなX線の入射角に応じた受光感度やS/N比のばらつきに対しては、X線源と検出器との距離を長くすることが有効であると考えられる。
一方、X線撮影時には、X線の漏れを考慮する必要がある。X線の漏れを低減するためには、X線源と検出器との距離を短くすることが有効であると考えられる。従って、単線源を用いたX線撮影においては、X線源と検出器との距離に対して、X線画像の品質とX線の漏れとが、トレードオフの関係にある。
また、X線画像の品質を向上させるためには、X線の反射や散乱の影響を抑える必要がある。そのために、グリッドを用いる方法が考えられるが、X線源とグリッドとの相対的な位置関係に応じて、グリッドの形状を調整する必要があるため、X線撮影時には不便が伴う。
[1.3.面線源について]
以上、一般的な単線源を用いたX線撮影についての検討結果を詳しく説明した。このような単線源を用いたX線撮影における状況を鑑みて、X線源を複数並べることで、被写体及び検出器に一様なX線を照射することが考えられている。このように、複数並べられて用いられるX線源のことを、以下の説明では面線源と呼ぶこととする。
図6を参照して、一般的な面線源を用いたX線撮影について説明する。図6は一般的な面線源を用いたX線撮影方法の一例を示す概念図である。
図6を参照すると、面線源850から照射されたX線が、検出器870に入射する様子が示されている。また、検出器870の、X線が入射する方向には、グリッド860が設けられている。ここで、図6における矢印は、面線源850から照射されたX線を模式的に表すものである。
更に、図6を参照すると、面線源850は、複数のX線源840から構成されている。ここで、図6においては、説明を簡単にするため、X線源840が5つ、1列に並べられている場合について示しているが、実際には、より多数のX線源840が平面状に並べられていてよい。また、X線源840の構造は特に限定されるものではなく、例えば図1に示すX線源500であってもよいし、他の構造を有するX線源であってもよい。更に、グリッド860は、図5に示すグリッド820と同様の機能を果たす、X線の照射方向選択部材の一例である。
ここで、以下の説明においては、面線源(X線源)と検出器とが対向して配設される際に、面線源(X線源)から検出器の検出面に下した垂線の方向を垂直方向と呼ぶこととする。また、当該垂直方向と直交する、面線源又は検出器の検出面と平行な方向を水平方向と呼ぶこととする。例えば、図6においては、図中に示すX方向が水平方向であり、Y方向が垂直方向である。
X線撮影時には、被写体(図示せず。)が、面線源850とグリッド860との間に配置される。面線源850から照射されたX線は、被写体を透過し、グリッド860のX線通過部を通過して、検出器870によって検出される。ここで、図6を参照すると、図5に示すグリッド820とは異なり、グリッド860においてX線通過部が形成される方向は、垂直方向に固定されていてもよい。これは、面線源850を用いたX線撮影においては、複数のX線源840のそれぞれからX線が照射されるため、照射されるX線の略垂直方向成分のみを通過させればよいからである。つまり、図6に示すように、グリッド860は、略垂直方向以外に発散するX線を遮って、検出器870に到達させないように設計される。従って、X線源と検出器との相対的な位置関係に応じて、グリッド860を調整する必要は生じない。
更に、面線源850は複数のX線源840を有するため、点線源の場合の様に、X線の入射角に応じた受光感度等のばらつきを考慮する必要がなくなる。従って、X線源と検出器との距離をより短くすることができる。よって、X線の漏れを低減しつつ、X線画像の品質の向上を図ることができる。
以上、図6を参照して説明したように、面線源850とグリッド860とを用いてX線撮影を行うことで、X線画像の品質が向上する可能性がある。また、更に高品質なX線画像を得るために、グリッド860のX線通過部を設ける間隔(ピッチ)をより小さくすることが考えられている。このようにX線通過部のピッチがより小さく設計されたグリッドは高精細グリッドと呼ばれる。しかし、高精細グリッドを用いると、高精細グリッドによって遮られるX線の割合が増加するため、照射したX線のうち検出器870で検出されるX線の割合が低下する。つまり、X線の受光効率が低下してしまう。従って、高精細グリッドを用いてより高品質なX線画像を得るためには、X線源から照射するX線の線量を増加させる必要があった。
また、面線源850を用いたX線撮影においては、近接するX線源から照射されるX線の照射領域が重なり合うことも問題となる。近接するX線源から照射されるX線の照射領域が重なり合うと、検出器に照射されるX線の線量が、検出面内で一様ではなくなるため、X線画像の品質が低下する一因となる。
以上、一般的な面線源を用いたX線撮影について検討した。面線源を用いたX線撮影においては、X線画像の品質についてある程度の向上を見込める可能性はあるものの、例えば高精細グリッドを用いる場合には、X線の受光効率が低下してしまう。従って、X線源から照射するX線の線量を増加させる必要があり、被写体に対する被ばく量の増加にもつながる恐れがあった。また、近接するX線源から照射されたX線の照射領域が重なり合うことが、X線画像の品質低下の一因となっていた。
以上検討したように、一般的な単線源を用いたX線撮影及び一般的な面線源を用いたX線撮影においては、取得されるX線画像の品質に改良の余地があった。また、その一因として、検出器に照射されるX線が、検出面内で一様でないことが考えられた。このような検討結果を鑑みて、本発明者は、より高品質なX線画像を取得することが可能な、本開示に係るX線発生装置、X線検出装置、X線撮影システム及びX線撮影方法に想到した。以下では、その好適な実施形態について詳述する。
<2.第1の実施形態>
[2.1.X線発生装置の構成]
まず、図7を参照して、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置について説明する。図7は、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置の一構成例を示す概略図である。図7を参照すると、本実施形態に係るX線発生装置10は、X線照射部100、X線検出部200及び制御部300を備える。
まず、X線照射部100の機能及び構成について説明する。X線照射部100は後述する照射制御部310からの制御により、X線を照射する。ここで、X線照射部100は、X線源群110を有する。X線源群110は、例えば複数のX線源が平面状に並べられた面線源であってよい。
本実施形態においては、当該X線源は、例えば、半導体デバイスの製造プロセスを用いて形成される、μmオーダーの微小なX線源であってもよい。ただし、X線源群110を構成するX線源の種類及び構造は特に限定されず、あらゆるX線源が用いられてよい。本実施形態におけるX線源の構造の一例については、図8を参照して、後で詳しく説明する。
また、X線照射部100は、平行X線を照射するように構成される。ここで、以下の説明において、平行X線とは、照射方向が垂直方向(X線源群110から後述するX線検出部200の受光素子群210に下した垂線方向)に制御されたX線のことを示すこととする。つまり、平行X線とは、照射方向が略垂直方向になるように照射角θが制御されたX線のことを示す言葉であってよく、以下の説明において、平行X線には、照射角θが0度以外のX線も含まれてよい。
また、この照射方向の制御は、例えばコリメータ及び/又はアパーチャ等を用いることで実現される。ここで、コリメータ及びアパーチャは、いずれも、X線の照射方向選択部材の一種であり、例えばX線照射部100のX線照射方向に配設され、X線照射部100から照射されるX線の一部を遮蔽し、残りの部分を透過させることにより、X線の照射方向や照射角θを制御するための部材である。例えば、アパーチャは、X線を集光させる(照射方向を変更する)機能を有し、コリメータは、不要な方向へのX線の照射を遮るために用いられる。
平行X線を生成する際の照射方向の制御には、コリメータとアパーチャとがともに用いられてもよいし、コリメータ又はアパーチャのいずれかのみが用いられてもよい。また、平行X線を生成する際の照射方向の制御は、X線源群110のX線照射方向にコリメータ及び/又はアパーチャ等が設けられることによって実現されてもよいし、X線源群110を構成するX線源のそれぞれにコリメータ及び/又はアパーチャ等の機能が設けられることによって実現されてもよい。更に、その両者が併用されてもよい。つまり、X線照射部100が平行X線を照射することができれば、その実現の方法は限定されない。
次に、X線検出部200の機能及び構成について説明する。X線検出部200は、X線照射部100から照射されるX線を検出する。ここで、X線検出部200は、受光素子群210を有する。受光素子群210は、例えば、複数の受光素子が平面状に並べられて構成される。ここで、当該受光素子の種類や構造は特に限定されない。当該受光素子は、例えばフォトダイオードであってよい。
また、受光素子群210を構成する受光素子は、いくつかの受光素子ごとに画素を構成してもよい。ここで、1つの受光素子が1つの画素を構成してもよいし、いくつかの受光素子が1つの画素を構成してもよい。
受光素子群210を構成する複数の受光素子は、X線照射部100から照射されるX線を検出し、検出したX線の線量に応じた信号を出力する。ここで、出力される信号は、受光素子ごとに出力されてもよいし、画素ごと、すなわち1つの画素を構成するいくつかの受光素子ごとに出力されてもよい。以下では、画素ごとに出力されるX線の線量に応じた信号のことを、画素信号と呼ぶこととする。X線検出部200は、検出した画素信号を、後述する画素選択情報取得部320及び画像処理部330に送信する。ここで、受光素子が検出した画素信号に対して、例えば、フィルタ回路によるノイズ除去処理や増幅器による増幅処理等、画像処理における一般的な信号処理が適宜行われてよい。なお、X線照射部100のX線源群110と、X線検出部200の受光素子群210との距離(X線の照射距離)は、X線撮影の条件、例えば検査項目や被写体の種類等に応じたX線の線量やX線の照射範囲等に基づいて、適宜調整されてよい。
次に、制御部300の機能及び構成について説明する。制御部300は、X線発生装置10を統括的に制御するとともに、X線照射部100によって照射されるX線の照射条件(X線照射条件)の制御や、検出されたX線に関する情報に基づいてX線画像の構成処理を行う。制御部300は、例えば、照射制御部310、画素選択情報取得部320及び画像処理部330を有する。
照射制御部310は、X線照射部100によって照射されるX線のX線照射条件を制御する。具体的には、照射制御部310は、X線源群110が有する複数のX線源から照射される各平行X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線照射条件を制御する。ここで、X線の照射領域とは、X線検出部200によって検出され得る大きさの線量を有するX線が存在する領域のことであってよい。
ここで、X線照射条件の制御とは、例えば、X線源の駆動制御、X線の発散の制御及びX線源の位置の制御の少なくともいずれかを含む。X線源の駆動制御とは、X線照射部100に、X線源を駆動させ、X線を照射させる制御である。ここで、X線照射部100は、照射制御部310からの制御により、複数のX線源のうち、任意のX線源のみを駆動することが可能であってよい。
また、X線の発散の制御とは、X線源から照射されるX線の発散状態を制御することである。ここで、X線の発散の制御のために、例えば、X線源のX線照射方向にコリメータ及び/又はアパーチャが配設されてよい。コリメータ及び/又はアパーチャが配設される場合、照射制御部310は、X線源とコリメータ及び/又はアパーチャとの距離を調整することによって、X線の発散の制御を行ってよい。X線の発散の制御については、図19A、Bを参照して、後で詳しく説明する。
また、X線源の位置の制御とは、X線照射部100を移動させることで、X線照射部100と、X線検出部200との相対的な位置関係を制御することである。例えば、照射制御部310は、X線照射部100を水平方向に移動させることで、X線照射部100とX線検出部200との、水平方向における相対的な位置を変化させることができる。また、例えば、照射制御部310は、X線照射部100を垂直方向に移動させることで、X線照射部100とX線検出部200との、水平方向における相対的な位置を変化させることができる。
ここで、X線照射条件として、X線源の駆動、X線の発散及びX線源の位置について説明したが、X線照射条件は、これら以外にも、各種のX線の照射に関する条件を含んでもよい。例えば、X線照射条件は、照射するX線の線質を含んでもよい。具体的には、照射制御部310は、X線源を駆動する際の電子の加速電圧を制御することで、X線照射部100から照射されるX線の線質を変更することができる。
X線撮影時に照射制御部310が行うX線照射条件の制御の一例については、[2.2.X線照射条件の制御について]及び[3.2.X線照射条件の制御について]で詳しく説明する。
画素選択情報取得部320は、受信した画素信号に基づいて、画素選択情報を取得する。更に、画素選択情報取得部320は、取得した画素選択信号を画像処理部330に送信する。また、画像処理部330は、画素信号及び画素選択情報に基づいて、X線画像を構成する。
ここで、画素選択情報について詳しく説明する。本実施形態においては、X線照射条件を変更して複数回X線照射を行い、X線画像を取得する。ここでは、例えば、X線照射を2回行い、画像を構成する場合を考える。この場合、例えば、第1のX線照射条件において1度目のX線照射が行われ、第2のX線照射条件において2度目のX線照射が行われる。ここで、ある画素Pに注目すると、画素Pからは、1度目のX線照射時には画素信号Q1が、2度目のX線照射時には画素信号Q2が出力される。画像処理部330は、画素を構成する際に、画素Pの画素信号として、画素信号Q1又は画素信号Q2のいずれかの値を用いる。すなわち、画素を構成する際に、複数のX線照射条件のうちどのX線照射条件に対応する画素信号を用いるかが、画素ごとに決められている。本実施形態においては、このような、画像の構成時に用いられる、画素ごとに定められた、X線照射条件と画素信号との関係に関する情報のことを、画素選択情報と呼ぶ。
具体的には、画素選択情報は、例えば、画素ごとの、X線照射条件と画素信号の強度との関係に関する情報であってもよい。画素選択情報がX線照射条件と画素信号の強度との関係に関する情報である場合、画像処理部330は、例えば、画素信号Q1と画素信号Q2との信号強度を比較して、値の大きい方の画素信号を、画素Pの出力とすることができる。
ここで、例えば、実際にX線を照射して画素信号を取得しなくても、X線照射条件に応じて画素信号の強度の大小を想定できる場合には、画素選択情報取得部320は、X線照射が行われる前に画素選択情報を取得してもよい。その場合、画素選択情報取得部320は、X線照射が行われる前に、照射制御部310から、X線照射条件に関する情報を受け取ってもよい。
以上の説明では、X線照射を2回行う場合について説明したが、X線撮影は3回以上の任意の回数行われてよい。画像処理部330は、画素信号及び画素選択情報に基づいて、画素ごとに何回目のX線照射時の画素信号を使用するかを選択することによって、X線画像を構成することができる。
以上説明したように、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置10においては、照射制御部310が、X線源群110が有する複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線照射条件を制御する。また、画像処理部330が、画素選択情報に基づいて、複数のX線照射条件のうちどのX線照射条件に対応する画素信号を用いるかを、画素ごとに選択することで、画素を構成する。従って、受光素子群210の検出面内に一様なX線が照射された状態で画像処理が行われるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
ここで、本実施形態に係るX線発生装置10においては、受光素子群210のX線照射方向、すなわち、X線源群110の方向に、グリッドが設けられてもよい。グリッドは、X線の照射方向選択部材の一例であり、グリッドを設けることで、受光素子群210に入射するX線の発散を更に抑えることができるため、より高品質なX線画像を得ることができる。ここで、グリッドの形状、例えばX線通過部の大きさ、配置間隔等は、受光素子群210の画素数等に基づいて適宜設計されてよい。
また、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置10は、記憶部、出力部及び入力部等の機能を更に備えてもよい。以下、これらの概略構成について説明する。
記憶部は、例えば、X線発生装置10におけるデータ格納用の装置であり、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。この記憶部は、例えば制御部300が実行する処理に関するプログラムや各種データ、及び外部から取得した各種データなどを格納する。例えば、記憶部は、X線照射条件、画素選択情報、画素信号等の、一連のX線撮影や画像構成に用いられる各種の情報を記憶することができる。
出力部は、取得した情報をユーザ(装置使用者)に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力部は、例えば、X線発生装置10が行った各種処理により得られた結果を出力する。ここで、出力部は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプ等の表示装置であってよい。表示装置は、例えば、一連のX線撮影や画像構成に用いられる各種の情報をテキスト形式で表示してもよいし、取得されたX線画像をイメージ形式で表示してもよい。また、出力部は、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置や、プリンタ装置等を含んでもよい。音声出力装置は、例えば、X線発生装置10が行った各種処理により得られた結果を音声形式で出力する。また、プリンタ装置は、例えば、上記表示装置に表示された各種の情報を印刷して出力してもよい。
入力部は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等、ユーザが操作する操作手段である。また、入力部は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよい。更に、入力部は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、制御部300に出力する入力制御回路などから構成されている。X線発生装置10のユーザは、この入力部を操作することにより、X線発生装置10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。ユーザは、例えば、入力部を介して、一連のX線撮影や画像構成に用いられる各種の情報をX線発生装置10に入力することができる。
以上、図7を参照して、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置10の機能及び構成の一例について詳細に説明した。ここで、上記の各構成要素は、汎用的な部材や回路を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。また、制御部300については、各構成要素の機能を、CPU(Central Processing Unit)等が全て行ってもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用する構成を変更することが可能である。
[2.2.X線照射条件の制御について]
次に、図8〜10を参照して、以上説明したX線照射条件の制御の具体的な方法について説明する。図8は、面線源の全てのX線源からX線を照射した場合のX線照射領域の様子を示す概念図である。図9及び図10は、本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。
図8〜10を参照すると、X線源群110と受光素子群210とが対向して配置されている。また、X線源群110は複数のX線源111〜115から構成される。ここで、図8〜10においては、説明を簡単にするために、X線源が5つしか記載されていないが、実際にはより多くのX線源が平面状に並んでいてもよい。更に、これらのX線源は、同一平面状に並べられなくてもよく、例えば、X線源及び受光素子が、被写体を取り囲むように3次元的に配設されてもよい。ここで、以下では、説明を簡単にするために被写体についての図示及び説明を省略しているが、X線撮影時には、X線源群110と受光素子群210との間に被写体が存在してもよい。
図8〜10を参照すると、X線源111は、略コの字形状を有する陽極180と、陽極180の開口部に相当する部位に配設されるニードル状の陰極190とを有する。陽極180と陰極190との間に電圧を印加することで、陰極190から熱電子が放出され、放出した熱電子が陽極180に衝突し、X線が照射される。ここで、以上の説明では、X線源111を例に挙げて説明を行ったが、X線源群110を構成する他のX線源もX線源111と同様の構造であってよい。
図8は、X線源111〜115の全てからX線が照射されている様子を示している。また、各X線源から照射されるX線の照射領域Eが、ハッチングで表されている。X線源111〜115は、平行X線を照射することができるが、[2.1.X線発生装置の構成]で説明したように、照射されるX線の照射角θは0度ではなく、ある角度を有してよい。従って、隣り合うX線源から照射されたX線の照射領域Eが重畳し、重畳領域Fが形成され得る。このような重畳領域Fが存在すると、X線画像の品質が低下する一因となる。
そこで、本開示の第1の実施形態においては、照射制御部310によって、重畳領域Fが生じないようにX線照射条件の制御が行われる。具体的には、照射制御部310は、重畳領域Fが生じないように、例えば、複数のX線源のうち任意のX線源だけを駆動する制御を行う。以下、図9及び図10を参照して、このようなX線照射条件の制御の一例について説明する。
まず、X線照射部100は、照射制御部310からの制御により、複数のX線源のうち一部のX線源のみを駆動し、1度目のX線照射を行う。例えば、X線照射部100は、図9に示すように、複数のX線源のうち、X線源111、X線源113及びX線源115だけを駆動し、1度目のX線照射を行う。X線源111、X線源113及びX線源115だけを駆動することで、重畳領域Fが生じないようにすることができる。
ここで、1度目のX線照射においては、X線源111、X線源113及びX線源115だけが駆動されているので、受光素子群210のうち、X線源111、X線源113及びX線源115に対応する位置に配設された受光素子だけにX線が入射している。図9において、受光素子群210のうち、白色で塗りつぶされている領域は、X線が照射されている受光ブロック220、黒色で塗りつぶされている領域は、X線が照射されていない非受光ブロック230を表している。X線検出部200は、1度目のX線照射において検出されたX線の強度に対応する画素信号を、画素選択情報取得部320及び画像処理部330に送信する。
次に、X線照射部100は、照射制御部310からの制御により、X線照射条件を変更して2度目のX線照射を行う。例えば、X線照射部100は、1度目のX線照射で駆動しなかったX線源だけを駆動する。すなわち、X線照射部100は、図10に示すように、複数のX線源のうち、X線源112及びX線源114だけを駆動し、2度目のX線照射を行う。ここで、2度目のX線照射においても、X線源112及びX線源114だけを駆動することで、重畳領域Fが生じないようにすることができる。
X線検出部200は、2度目のX線照射において検出されたX線の強度に対応する画素信号を、画素選択情報取得部320及び画像処理部330に送信する。ここで、2度目のX線照射においては、1度目のX線照射で駆動しなかったX線源だけが駆動されるため、受光素子群210のうち、1度目のX線照射によってX線が入射しなかった受光素子にX線が入射する。従って、X線照射を2度行うことによって、受光素子群210の全領域に渡ってX線が入射する。
画素選択情報取得部320は、1度目のX線照射による画素信号及び2度目のX線照射による画素信号に基づいて、画素選択情報を取得する。そして、画像処理部330は、画素信号及び画素選択情報に基づいて画像を構成することができる。
ここで、画素選択情報は、例えば、[2.1.X線発生装置の構成]で説明したように、1度目のX線照射時及び2度目のX線照射時の画素信号の強度に関する情報であってよい。画素選択情報が1度目のX線照射時及び2度目のX線照射時の画素信号の強度に関する情報である場合、画像処理部330は、例えば、それらの画素信号の強度を画素ごとに比較して、値の大きい方の画素信号を、その画素の出力とすることができる。
ここで、実際にX線を照射して画素信号を取得しなくても、X線照射条件に応じて画素信号の強度の大小を想定できる場合には、画素選択情報取得部320は、X線照射が行われる前に画素選択情報を取得してもよい。例えば、図9及び図10に示す実施例においては、駆動するX線源の位置に応じて、受光ブロック220及び非受光ブロック230の位置も想定することができる。従って、予め、画素選択情報取得部320に、画素選択情報として、X線照射条件と受光ブロック220及び非受光ブロック230との関係が入力されていてもよい。画像処理部330は、当該画素選択情報に基づいて、画素ごとの画素信号として、いずれのX線照射条件のときの画素信号を用いるかを選択することができる。
以上説明したように、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置10においては、照射制御部310が、X線照射領域の重畳領域が生じないようにX線照射部100を制御する。具体的には、照射制御部310は、X線照射部100が、複数のX線源のうち、任意のX線源を駆動するように制御することで、X線照射領域の重畳領域が生じないようにする。つまり、照射制御部310は、可動部400を制御することで、受光素子群210における受光ブロック220及び非受光ブロック230の位置及び面積を制御し、X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにすることができる。従って、受光素子群210の検出面内に一様なX線が照射されるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
ここで、図9及び図10に示す実施例においては、2回X線照射を行う場合について説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。X線照射領域が重畳しなければ、X線の照射はどのように制御されてもよく、例えば3回以上X線照射が行われてもよい。
[2.3.第1の実施形態の変形例]
次に、第1の実施形態の変形例について、図11及び図12を参照して説明する。図11及び図12は、本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例を説明するための概念図である。ここで、図11は図9に対応し、図12は図10に対応している。
図11及び図12を参照すると、X線源群110の、X線照射方向にコリメータ130が設置されている。ここで、図11及び図12に示す構成は、コリメータ130が設置されていること以外は、図9及び図10に示す構成と同様であるため、重複する構成については説明を省略する。更に、以下では、説明を簡単にするために被写体についての図示及び説明を省略しているが、X撮影時には、X線源群110と受光素子群210との間に被写体が存在してもよい。
コリメータ130は、X線の照射方向選択部材の一例であり、所望の照射方向以外に向かうX線を遮蔽し、X線の照射方向を制御する役割を果たす。図11及び図12を参照すると、コリメータ130のX線通過部が、X線源111〜115に対応する位置に配設されている。従って、X線源111〜115の各々から照射されるX線の発散が抑制され、重畳領域の発生を更に制限することができる。ここで、図11及び図12では、X線の照射方向選択部材の一例としてコリメータ130を図示しているが、X線の発散を抑えるために用いられるX線の照射方向選択部材はコリメータに限定されず、例えばコリメータの代わりにアパーチャが用いられてもよいし、あるいは、コリメータとアパーチャとが併用されてもよい。
本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例において、コリメータとアパーチャとが併用される場合の一実施例を、図13及び図14に示す。図13及び図14は、本実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例においてコリメータとアパーチャとが併用される場合の一実施例を説明するための概念図である。ここで、図13は図11に対応し、図14は図12に対応している。
図13及び図14を参照すると、X線源群110の、X線照射方向に設置されたコリメータ130のX線通過部の各々に、アパーチャ140が設置されている。図17A、Bを参照して後述するが、アパーチャはX線を集光させる機能を有するため、アパーチャを用いることにより、X線を所望の領域に照射する制御を行うことが可能となる。従って、図13及び図14に示すように、コリメータ130を設けるとともに、アパーチャ140を更に設けることにより、X線の発散をより抑制することができる。ここで、図13及び図14に示す構成は、アパーチャ140が設置されていること以外は、図11及び図12に示す構成と同様であるため、重複する構成については説明を省略する。
第1の実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例においては、このように、コリメータ130及び/又はアパーチャ140が設けられた状態で、[2.2.X線照射条件の制御について]で説明したX線照射条件の制御方法と同様のX線照射条件の制御が行われる。まず、図11又は図13に示すように、X線照射部100は、照射制御部310からの制御により、複数のX線源のうち、X線源111、X線源113及びX線源115だけを駆動し、1度目のX線照射を行う。次に、X線照射部100は、図12又は図14に示すように、複数のX線源のうち、X線源112及びX線源114だけを駆動し、2度目のX線照射を行う。このように駆動するX線源を変えて2度X線を照射することで、重畳領域が生じないようにすることができる。画素選択情報取得部320及び画像処理部330の機能は、[2.2.X線照射条件の制御について]で説明した機能と同様であるため、説明は省略する。
ここで、コリメータ130の一構造例を図15A、B及び図16A、Bを参照して説明する。また、アパーチャ140の一構造例を図17A、Bを参照して説明する。
まず、図15A、Bを参照して、X線通過部が正格子状に配設されたコリメータの構造例について説明する。図15Aは、本実施形態に係るコリメータの一構造例を示す斜視図である。また、図15Bは、図15Aに示すコリメータの貫通孔の配置を示す上面図である。ここで、正格子状とは、コリメータの上面内で、貫通孔が、互いに一定の間隔を保ち格子状に設けられている状態のことを示すものとする。
図15Aを参照すると、コリメータ130aは、板状の部材に複数の貫通孔135が設けられて構成される。コリメータ130aの材料は、例えば鉛やタングステンなどのX線遮蔽効果のある金属であってよい。従って、X線源をコリメータ130aの上面に対向させた状態でX線を照射すると、貫通孔135が設けられた部位だけX線が通過し、それ以外の部位ではX線は遮られる。つまり、貫通孔135は、X線通過部に相当する。また、図15Bを参照すると、本実施形態に係るコリメータ130aにおいては、コリメータ130aの上面内で、貫通孔135が、互いに一定の間隔を保ち格子状に設けられている。
次に、図16A、Bを参照して、X線通過部が千鳥格子状に配設されたコリメータの構造例について説明する。図16Aは、本実施形態に係るコリメータの異なる構造例を示す斜視図である。また、図16Bは、図16Aに示すコリメータの貫通孔の配置を示す上面図である。
図16A、Bを参照すると、本実施形態に係るコリメータ130bにおいては、コリメータ130bの上面内で、貫通孔135が、千鳥格子状に設けられている。すなわち、面内で、貫通孔135がチェッカーフラッグ状に配置されている。ここで、図16A、Bに示すコリメータ130bは、貫通孔135の面内における配置が異なるだけで、その他の構造及び構成は、図15A、Bに示すコリメータ130aと同様である。従って、ここでは、相違点である貫通孔の面内における配置以外の構成については説明を省略する。
ここで、コリメータ130a又はコリメータ130bを用いる場合には、例えば、X線源は、貫通孔135に対応する位置に配設されてもよい。従って、各X線源から照射されるX線が、それぞれ貫通孔135を通過してから、被写体及び/又は検出器に照射されるため、X線の発散が抑制され、X線の照射領域が重畳する可能性が低減される。
以上、図15A、B及び図16A、Bを参照して、本実施形態に係るコリメータの一構造例について説明した。ここで、上記の説明では、2種類の構造例について説明したが、本実施形態は、これらの実施例に限定されない。例えば、X線撮影の条件に応じて、被写体及び/又は検出器に照射されるX線の線量は調整されるため、X線撮影に用いられるX線の線量に応じて、X線源の数も調整され得る。従って、X線撮影に用いられるX線源の数に応じて、コリメータ130a、130bの形状、例えば、大きさ(貫通孔135が設けられる面の面積)や厚さ(貫通孔135の深さ)等は適宜設定されてよい。また、貫通孔135の孔の形状、形成位置、数等も、X線源の数や、用いられるX線の線質、線量等に応じて、適宜設定されてもよい。つまり、コリメータ130a、130bの形状及び貫通孔135の各種条件は、X線撮影に用いられるX線源の条件に応じて、適宜設計されてよい。
また、例えば、上記の説明では、X線源とコリメータ130a、130bの貫通孔135とが、1対1に対応している場合について説明したが、本実施形態は、かかる実施例に限定されない。例えば、複数のX線源に、1つの貫通孔が対応していてもよい。
次に、図17A、Bを参照して、アパーチャ140の一構造例について説明する。図17Aは、本実施形態に係るアパーチャの一構造例を示す正面図である。また、図17Bは、図17Aに示すアパーチャのA−A断面における断面を示す断面図である。また、図17Bには、アパーチャ140の機能の概略を説明するために、X線の照射方向が矢印で概念的に図示されている。
図17A、Bを参照すると、本実施形態に係るアパーチャ140は、例えば円盤形状を有し、当該円盤に、複数箇所の同心円状の空隙が設けられた構造を有する。また、当該空隙の半径方向の幅は、円盤の外周方向に向かうにつれて狭くなるように形成される。アパーチャ140の材料は、例えば鉛やタングステンなどのX線遮蔽効果のある金属であってよい。従って、図17Bに示すように、アパーチャ140の正面からX線を照射すると、空隙が設けられた部位だけX線が通過し、それ以外の部位ではX線は遮られる。更に、当該空隙の形状及び形成位置に応じて、照射されたX線を集光させることができる。図17Bでは、アパーチャ140に照射されたX線が、例えば点bに集光される様子を概念的に示している。
従って、X線照射部110のX線照射方向にアパーチャ140を設置することにより、X線照射部110から照射されるX線が集光され、被写体及び/又は検出器の所望の部位にX線が照射されるようにX線の照射方向を制御することができる。従って、X線の発散が抑制され、X線の照射領域が重畳する可能性が低減される。
なお、コリメータ130と同様、アパーチャ140の形状や構造、例えば、大きさ(空隙が設けられる面の面積)や厚さ(空隙の深さ)、空隙の形状、形成位置、数等は、特に限定されるものではなく、X線源の数や、用いられるX線の線質、線量等に応じて、所望の機能を有するように、適宜設定されてよい。
以上図11、図12、図13及び図14を参照して説明したように、本開示の第1の実施形態に係るX線照射条件の制御方法の変形例においては、X線源群110のX線照射方向に、例えば図15A、B及び図16A、Bに示すコリメータ130a、130b及び/又は図17A、Bに示すアパーチャ140が設けられる。従って、X線の発散が更に抑制され、重畳領域の発生が更に抑えられる。従って、より高品質なX線画像を得ることができる。
<3.第2の実施の形態>
[3.1.X線撮影装置の構成]
次に、図18を参照して、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置について説明する。図18は、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置の一構成例を示す概略図である。ここで、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置20は、後述するX線照射部100a及び可動部400の機能及び構成以外は、本開示の第1の実施形態に係るX線発生装置10と同様であるため、以下では、主に相違点についてのみ説明を行い、重複する機能及び構成については説明を省略する。
図18を参照すると、本実施形態に係るX線発生装置20は、例えば、X線照射部100a、X線検出部200、制御部300及び可動部400を備える。
X線照射部100aは、X線源群110及びコリメータ120を備える。ここで、X線照射部100aは、第1の実施形態に係るX線照射部100に、コリメータ120が更に設けられたものである。従って、以下の説明では、コリメータ120について主に説明する。
コリメータ120は、X線の照射方向選択部材の一例であり、所望の照射方向以外に向かうX線を遮蔽し、X線の照射方向を制御する役割を果たす。コリメータ120は、図18に示すように、X線源群110のX線照射方向に配設される。また、コリメータ120は、複数のX線通過部を有し、各X線通過部が、各X線源に対応する位置に配設されてもよい。各X線源から照射されるX線がコリメータ120のX線通過部を通過することで、X線の発散が抑えられる。
また、可動部400は、照射制御部310からの制御により、X線源群110及びコリメータ120を動かすための駆動機構である。可動部400は、例えば、X線源群110及びコリメータ120を移動させ、X線照射部100aとX線検出部200との相対的な位置関係を変化させる。また、可動部400は、例えば、X線源群110及びコリメータ120を移動させ、X線源群110とコリメータ120との距離を変化させる。ここで、可動部400は、X線源群110とコリメータ120との距離を変化させることで、X線照射部100から照射されるX線の発散の程度を調整することができる。
ここで、X線源とコリメータとの距離に応じて、X線の発散具合が変化する様子を、図19A、Bを参照して説明する。図19A、Bは、X線源とコリメータとの距離によるX線の発散の様子の変化について示す概念図である。ここで、図19A、Bにおいては、説明を分かりやすくするために、X線源が単線源であるときを例に挙げて説明を行う。
図19A、Bを参照すると、単線源910から照射されたX線が、コリメータ920を通過して、検出器930に入射する様子を示している。ここで、図19A、Bにおいては、X線の照射方向が、模式的に複数の矢印で表されている。また、図19A、Bに示すグラフは、横軸(S軸)が検出器930の検出面上の位置、縦軸(T軸)が検出されたX線の強度を模式的に表している。
図19Aを参照すると、図19Bと比較して、単線源910とコリメータ920との距離が近い。従って、単線源910から照射されるX線のうち、発散するX線の大半はコリメータ920によって遮られてしまう。その結果、グラフ上の曲線Gに示すように、X線の発散を抑えることができる。一方、図19Bでは、図19Aと比較して、単線源910とコリメータ920との距離が遠い。従って、図19Aに示す場合と比較して、単線源910から照射されるX線のうち、発散する成分がコリメータ920を通過してしまっている。その結果、グラフ上の曲線Hに示すように、相対的にX線が発散している。
以上、図19A、Bを参照して説明したように、X線源とコリメータとの距離に応じて、X線の発散の程度は変化する。本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置20においては、X線源とコリメータとの距離を調整することで、X線の発散を制御し、X線の照射領域の重畳を生じさせないようにすることができる。以下、その具体的な制御方法について説明する。
[3.2.X線照射条件の制御について]
図20及び図21を参照して、本開示の第2の実施形態に係るX線照射条件の制御の具体的な方法について説明する。図20及び図21は、本開示の第2の実施形態に係るX線照射条件の制御方法の一例を説明するための概念図である。
図20及び図21を参照すると、X線源群110と受光素子群210とが対向して配置されている。また、X線源群110は複数のX線源111〜115から構成される。更に、X線源群110のX線照射方向には、コリメータ120が配設されている。ここで、X線源群110及び受光素子群210の構成は、図8〜12と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、コリメータ120の構造及び形状は特に限定されないが、例えば、図15A、Bに示すコリメータ130a又は図16A、Bに示すコリメータ130bのいずれかと同様の構造及び形状であってよい。
本開示の第2の実施形態に係るX線照射条件の制御方法においては、照射制御部310によって、X線の照射領域に重畳領域が生じないようにX線照射条件の制御が行われる。具体的には、照射制御部310は、重畳領域が生じないように、X線源群110とコリメータ120との距離を調整する制御を行う。更に具体的には、可動部400が、X線源群110とコリメータ120との距離を、図20に示すように、X線源111〜115のそれぞれから照射されるX線の照射領域が重なり合わないように適宜調整する。図20に示すX線照射条件において1度目の照射が行われると、X線検出部200は、検出したX線の強度に対応する画素信号を、画素選択情報取得部320及び画像処理部330に送信する。
次に、照射制御部310は、X線照射条件を変更して、2度目のX線照射を行う。2度目のX線照射においては、可動部400は、X線源群110及びコリメータ120を移動させ、X線照射部100aとX線検出部200との相対的な位置関係を変化させる。具体的には、可動部400は、図21に示すように、X線源群110及びコリメータ120を、水平方向(X線源群110から受光素子群210に下した垂線に直交する方向)に移動させる。つまり、可動部400は、X線源群110及びコリメータ120を、図21に示す右方向に移動させる。
ここで、2度目のX線照射において、可動部400は、1度目のX線照射においてX線が入射しなかった受光素子にX線が入射するように、X線源群110及びコリメータ120を移動させる。従って、2度のX線照射によって、受光素子群210の全領域に渡ってX線が入射する。2度目のX線照射が行われると、X線検出部200は、検出したX線の強度に対応する画素信号を、画素選択情報取得部320及び画像処理部330に送信する。
画素選択情報取得部320は、これら2度のX線照射による画素信号に基づいて、画素選択情報を取得することができる。そして、画像処理部330は、画素信号と画素選択情報とに基づいて、画像を構成することができる。画素選択情報取得部320及び画像処理部330の機能及び構成は、第1の実施形態における機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置20においては、照射制御部310が、可動部400を制御することで、X線源群110が有する複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線照射条件を制御する。具体的には、照射制御部310は、可動部400に、X線源群110とコリメータ120との距離を調整させることで、X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにする。つまり、照射制御部310は、可動部400を制御することで、受光素子群210における受光ブロック220及び非受光ブロック230の位置及び面積を制御し、X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにすることができる。更に、画像処理部330が、画素選択情報に基づいて、複数のX線照射条件のうちどのX線照射条件に対応する画素信号を用いるかを、画素ごとに選択することで、画素を構成する。従って、受光素子群210の検出面内に一様なX線が照射された状態で画像処理が行われるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
ここで、第1の実施形態に係るX線発生装置10と同様、本実施形態に係るX線発生装置20においても、受光素子群210のX線照射方向、すなわち、X線源群110の方向に、グリッドが設けられてもよい。グリッドを設けることで、受光素子群210に入射するX線の発散を更に抑えることができるため、より高品質なX線画像を得ることができる。ここで、グリッドの形状、例えばX線通過部の大きさ、配置間隔等は、受光素子群210の画素数等に基づいて適宜設計されてよい。
また、第1の実施形態に係るX線発生装置10と同様、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置20も、記憶部、表示部、入力部等を更に備えてもよい。記憶部、表示部、入力部の機能及び構成は、[2.1.X線発生装置の構成]で説明した内容と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、図18、図19A、B、図20及び図21では、X線の照射方向選択部材の一例としてコリメータ120、920を図示しているが、X線源から照射される各X線の照射領域を制御するために用いられるX線の照射方向選択部材はコリメータに限定されず、例えばコリメータの代わりにアパーチャが用いられてもよいし、あるいは、コリメータとアパーチャとが併用されてもよい。コリメータ120、920と一緒に、又はコリメータ120、920の代わりにアパーチャが用いられる場合、コリメータ120、920と同様、可動部400はアパーチャを移動させることができてもよく、従って、照射制御部310は、重畳領域が生じないように、X線源群110とアパーチャとの距離を調整する制御を行ってもよい。また、その場合、アパーチャの形状や構造は特に限定されるものではなく、X線源の数や、用いられるX線の線質、線量等に応じて、所望の機能を有するように、適宜設定されてよい。
<4.画像処理方法>
次に、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置における画像処理方法について詳細に説明する。ここでは、図22A〜D及び図23A、Bを参照して、本開示の第2の実施形態に係る画像処理方法について説明する。ただし、第1の実施形態においても、同様の方法で画像処理を行うことができる。
上記<3.第2の実施形態>で説明したように、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置においては、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、すなわち、検出器の受光素子に受光ブロックと非受光ブロックとが形成されるように、X線源群とコリメータとの距離が制御される。そして、X線源群とコリメータとを、検出器に対して移動させながら複数回X線を照射することで、結果的に全ての受光素子にX線が照射されるように、X線撮影が行われる。以下では、複数回のX線照射のそれぞれで得られた複数枚のX線画像に基づいて、最終的に1枚のX線画像を得るための方法について説明する。ここで、X線源群は、X線源群とコリメータとが移動している間もX線を照射し続けていてもよいし、または、X線源群とコリメータとが移動している間はX線の照射は行わず、X線源群とコリメータとが所定の位置に移動し終えた際にX線を照射してもよい。いずれの場合も、画像処理に用いられる複数枚のX線画像は、X線源群とコリメータとが、所定の位置に到着した際にX線が照射されて得られた画像である。
まず、図22A〜Dを参照して、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置の画像処理方法の一例について説明する。図22A〜Dは、本開示の第2の実施形態に係る画像処理方法の一例を説明するための概念図である。ここで、図22A〜Dに示す画像処理方法の一例は、図15A、Bに示すX線通過部が格子状に配設されたコリメータ130aを用いた際のX線撮影に対応している。また、以下の説明においては、被写体を用いないでX線撮影を行った際の画像処理方法について説明する。
まず、X線源群110とコリメータ130aとが所定の位置1にあるときにX線を照射すると、例えば、受光素子群210上に、図22Aに示す受光ブロック220及び非受光ブロック230のパターンが得られる。図22Aは、X線源群110とコリメータ130aとが位置1にあるときの受光パターン1を模式的に表す図である。図22Aを参照すると、受光素子群210の面内において、X線が照射された領域が白色の受光ブロック220で表現されており、X線が照射されなかった領域が黒色の非受光ブロック230で表現されている。ここで、コリメータ130aは、図15A、Bに示すように、X線通過部が互いに一定間隔を保って格子状に配設されているため、図22Aにおいては、受光ブロック220が略等間隔に、コリメータ130aのX線通過部の数だけ形成される。受光パターン1の状態で、X線検出部200が、検出したX線の線量に応じた画素信号を出力することで、X線画像1が取得される。
X線画像1が得られたら、照射制御部310の制御により、可動部400が、X線源群110とコリメータ130aとを、所定の位置2に移動させる。図22Bは、X線源群110とコリメータ130aとが位置2にあるときの受光パターン2を模式的に表す図である。ここで、位置2は、X線源群110とコリメータ130aとが、コリメータ130aにおいてX線通過部が設けられているピッチに対して、半ピッチだけ上下左右のいずれかの方向に、位置1から移動した位置であってよい。図22Bに示す例では、X線源とコリメータ130aとを、右方向に半ピッチだけ移動させた場合に得られる受光パターンの模式図が表示されている。図22Bを参照すると、X線源群110とコリメータ130aとを半ピッチずらすことで、図22Aに示す位置1でのX線照射において非受光ブロック230だった領域に、X線が照射されている。
受光パターン2の状態で、X線検出部200が、検出したX線の線量に応じた画素信号を出力することで、X線画像2が取得される。X線画像2が得られたら、照射制御部310の制御により、可動部400が、X線源とコリメータ130aとを、所定の位置3に移動させる。
本実施例においては、この操作を、全部で4回繰り返す。図22Cは、X線源群110とコリメータ130aとが位置3にあるときの受光パターン3を模式的に表す図である。また、図22Dは、X線源群110とコリメータ130aとが位置4にあるときの受光パターン4を模式的に表す図である。このように、受光パターン1〜4に対応するX線画像1〜4が取得される。
図22A〜Dを参照すると、受光パターン2、3、4は、受光パターン1に対して、X線源群110とコリメータ130aとをそれぞれ異なる方向に半ピッチずらすことで得られる受光パターンになっている。従って、図22A〜Dに示す実施例では、4回X線を照射することで、受光素子群210の全面にX線が照射される。
このように、4枚のX線画像が得られたら、画素選択情報取得部320が、これらの画像に基づき、画素選択情報を取得する。また、画像処理部330が、その画素選択情報に基づいて、画像を構成する。ここで、画素選択情報は、例えば、X線画像1〜4における画素ごとの画素信号の強度に関する情報であってもよい。例えば、画像処理部330は、当該画素選択情報に基づいて、画素ごとに、X線画像1〜4における画素信号の強度を比較することができる。そして、画像処理部330は、例えば、ある画素の画素信号としてはX線画像1における画素信号を用い、異なる別の画素の画素信号としてはX線画像3における画素信号を用いる、といったように、画素ごとに、X線画像1〜4のうちのどの画素信号を用いるかを選択することができる。最終的に、画像処理部330は、選択した各画素の画素信号を組み合わせることで、1枚のX線画像を構成することができる。
次に、図23A、Bを参照して、本開示の第2の実施形態に係るX線発生装置の画像処理方法の異なる例について説明する。図23A、Bは、本実施形態に係る画像処理方法の異なる例を説明するための概念図である。ここで、図23A、Bに示す画像処理方法の一例は、図15A、Bに示すコリメータ130aの代わりに、図16A、Bに示すX線通過部が千鳥格子状に配設されたコリメータ130bを用いる実施例である。従って、上記図22A〜Dを参照して説明した画像処理方法の一例と、構成や処理が重複する部分については、詳細な説明は省略する。
まず、X線源群110とコリメータ130bとが所定の位置1にあるときにX線を照射すると、例えば、受光素子群210上に、図23Aに示す受光ブロック220及び非受光ブロック230の受光パターンが得られる。図23Aは、X線源群110とコリメータ130bとが位置1にあるときの受光パターン1を模式的に表す図である。ここで、コリメータ130bは、図16A、Bに示すように、X線通過部が千鳥格子状に配設されているため、図23Aにおいては、受光ブロック220と非受光ブロック230とが、チェッカーフラッグ状に形成される。受光パターン1の状態で、X線検出部200が、検出したX線の線量に応じた画素信号を出力することで、X線画像1が取得される。
X線画像1が得られたら、照射制御部310の制御により、可動部400が、X線源群110とコリメータ130bとを、所定の位置2に移動させる。図23Bは、X線源群110とコリメータ130bとが位置2にあるときの受光パターン2を模式的に表す図である。ここで、位置2は、X線源群110とコリメータ130aとが、コリメータ130bにおいてX線通過部が設けられているピッチに対して、半ピッチだけ上下左右のいずれかの方向に、位置1から移動した位置であってよい。このような位置2にX線源群110とコリメータ130bとを移動させることで、受光パターン1とは、受光ブロック220と非受光ブロック230とが略反転した受光パターン2を得ることができる。受光パターン2の状態で、X線検出部200が、検出したX線の線量に応じた画素信号を出力することで、X線画像2が取得される。
このように、受光素子群210の全面にX線を照射するために、図22A〜Dに示す実施例では、X線照射を4回行う必要があったが、図23A、Bに示す例では、X線照射を2回行えばよい。2枚のX線画像が得られた後の処理は、図22A〜Dに示す実施例と同様である。画素選択情報取得部320が、これらの画像に基づいて、画素選択情報を取得し、画像処理部330が、その画素選択情報に基づいて、画像を構成する。
以上、図22A〜D及び図23A、Bを参照して、本開示の第2の実施形態に係る画像処理方法の一例について説明した。このように、本開示の第2の実施形態に係る画像処理方法においては、X線源から照射されるX線の照射領域が重畳しないように複数回X線照射を行い、それぞれのX線照射で得られたX線画像に基づいて、最終的なX線画像を構成する。従って、より高品質なX線画像を得ることができる。
ここで、上記の説明においては、図15A、B及び図16A、Bに示すコリメータ130a、130bを用いた場合を例に挙げて説明を行ったが、本実施形態はこの例に限定されない。コリメータの形状及び構造は適宜変更されてよく、X線照射を行う所定の位置やX線照射回数も、コリメータの形状及び構造に応じて適宜設定されてよい。また、図22A〜D及び図23A、Bに図示した画像処理方法についての以上の説明においては、図18、図20及び図21に例示するように、X線の照射方向選択部材としてコリメータが設けられる実施例について説明したが、<3.第2の実施形態>で上述したように、X線の照射方向選択部材として用いられる部材はコリメータに限定されず、例えばコリメータの代わりにアパーチャが用いられてもよいし、あるいは、コリメータとアパーチャとが併用されてもよい。また、コリメータと一緒に、又はコリメータの代わりにアパーチャが用いられる場合、コリメータと同様、アパーチャも、X線源群との距離が制御され、検出器に対して水平方向に移動することにより、X線画像が撮影されてよい。
また、[2.2.X線照射条件の制御について]で説明したように、実際にX線を照射して画素信号を取得しなくても、X線照射条件に応じて画素信号の信号強度の大小を想定できる場合には、画素選択情報は、X線照射が行われる前に取得されていてもよい。例えば、図22A〜Dに示す実施例においては、コリメータ130aの形状と所定の位置1〜4との関係に基づいて、受光ブロック220及び非受光ブロック230の位置も想定することができる。従って、予め、画素選択情報取得部320に、画素選択情報として、X線照射条件と受光ブロック220及び非受光ブロック230との関係が入力されていてもよい。画像処理部330は、当該画素選択情報に基づいて、画素ごとの画素信号として、いずれのX線照射条件のときの画素信号を用いるかを選択することができる。
また、上記の説明においては、本開示の第2の実施形態に係る画像処理方法について説明したが、第1の実施形態においても、同様の方法で画像処理を行うことができる。第1の実施形態においては、X線源を個別に駆動することで、X線照射領域が重畳しないようにX線照射条件の制御が行われる。従って、第1の実施形態においても、駆動するX線源を変えながら複数回X線照射を行うことで、それぞれのX線照射で得られたX線画像に基づいて、最終的なX線画像を構成することができる。
また、上記の説明においては、被写体を用いないでX線撮影を行った際の画像処理方法について説明した。ここで、事前に被写体を用いないでX線撮影を行った際のX線照射条件及び画素選択情報を例えば記憶部に記憶しておき、被写体を用いてX線撮影を行う際に、当該X線照射条件及び当該画素選択情報を用いてX線画像を構成することができる。このように、事前に被写体を用いないでX線撮影を行い、X線照射条件に応じた画素選択情報を取得することをキャリブレーションと呼ぶ。キャリブレーションを行うことで、本来行いたい被写体を用いたX線撮影時の情報処理量を低減することができるため、X線撮影の効率化を図ることができる。
<5.X線撮影システムの構成>
以上、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置の機能及び構成について説明してきたが、本開示はかかる構成に限定されない。例えば、上記の説明においてX線発生装置が有していた機能を複数の装置が分割して有することで、X線撮影システムを構成してもよい。このようなX線撮影システムの一例について、図24を参照して説明する。
図24は、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図24を参照すると、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影システム30は、X線発生装置1100、X線検出装置1200及び画像処理装置1300を備える。
X線発生装置1100は、所望の条件で発生させたX線を、被写体及び後述するX線検出装置1200のX線検出部1210に向けて照射する。X線発生装置1100は、例えば、X線照射部1110、照射制御部1120を備える。また、X線発生装置1100は、可動部(図示せず。)を更に備えてもよい。更に、X線発生装置1100は、画像処理装置1300と、互いに通信可能に接続されていてもよい。X線発生装置1100は、例えば、X線照射条件に関する情報を、画像処理装置1300に送信することができる。ここで、X線照射部1110の機能及び構成は、図7又は図18におけるX線照射部100又はX線照射部100aの機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、照射制御部1120及び可動部の機能及び構成は、図7又は図18における照射制御部310及び可動部400の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
X線検出装置1200は、X線発生装置1100から照射されるX線を検出し、検出したX線に応じた画素ごとの信号を画素信号として出力する。X線検出装置1200は、例えば、X線検出部1210を備える。ここで、X線検出部1210の機能及び構成は、図7又は図18におけるX線検出部200の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、X線検出装置1200は、画像処理装置1300と、互いに通信可能に接続される。X線検出装置1200は、検出したX線に応じた画素信号を、画像処理装置1300に送信することができる。
画像処理装置1300は、X線発生装置1100から受信したX線照射条件に関する情報と、X線検出装置1200から受信した画素信号とに基づいて、画素選択情報を取得し、X線画像を構成する。画像処理装置1300は、例えば、画素選択情報取得部1310及び画像処理部1320を有する。ここで、画素選択情報取得部1310及び画像処理部1320の機能及び構成は、図7又は図18における画素選択情報取得部320及び画像処理部330の機能及び構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上、図24を参照して、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影システム30の概略構成について説明した。かかるX線撮影システム30によれば、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置10、20と同様な効果を得ることができる。すなわち、照射制御部1120が、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が重畳しないように、X線照射条件を制御することで、より高品質なX線画像を得ることができる。
ここで、本実施形態に係るX線撮影システム30の構成は、かかる例に限定されない。例えば、図24に示すX線発生装置1100、X線検出装置1200及び画像処理装置1300は、それぞれ、記憶部、表示部、入力部等を更に備えてもよい。記憶部、表示部、入力部の機能及び構成は、[2.1.X線発生装置の構成]で説明した内容と同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、本実施形態に係るX線撮影システム30は、上記説明した機能と同様な機能を有する限り、どのような構成であってもよい。例えば、上記説明では、X線検出装置と画像処理装置とが別々の装置として構成されていたが、X線検出装置が、X線検出装置の機能と画像処理装置の機能とを併せ持ってもよい。
<6.X線撮影方法の処理手順>
次に、図25を参照して、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影方法について説明する。図25は、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影方法の処理手順の一例を示すフロー図である。
図25を参照すると、X線撮影が開始されると、まず、ステップS2010で、照射制御部310、1120が、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が重畳しないようにX線照射条件を制御し、X線照射部100、100a、1110に、当該X線照射条件でX線を照射させる。ここで、X線照射条件を切り替えることで全ての画素にX線が照射されるように、複数のX線照射条件が事前に設定されていてよい。このようなX線照射条件は、例えば[2.2.X線照射条件の制御について]及び[3.2.X線照射条件の制御について]で説明したX線照射条件であってよい。
次に、ステップS2020で、X線検出部200、1210が、照射されたX線を検出し、検出したX線の線量に応じた画素信号を出力する。出力された画素信号は、例えば、X線発生装置、X線検出装置又は画像処理装置の内部又は外部に設けられた記憶部に記憶される。
次に、ステップS2030で、事前に設定された全てのX線照射条件でX線照射が行われたかどうかが判断される。全てのX線照射条件でX線照射が行われていない場合、ステップS2010に戻り、異なるX線照射条件で再度X線照射が行われる。一方、全てのX線照射条件でX線照射が行われた場合、ステップS2040に進む。
ステップS2040では、画素選択情報取得部320、1310が、画素信号に基づいて、画素選択情報を取得する。また、画像処理部330、1320が、画素信号及び画素選択情報に基づいて、X線画像を構成する。ここで、画素選択情報は、ステップS2040で取得されずに、事前にX線照射条件が設定されたときに、そのX線照射条件に応じて入力されてもよい。また、画素選択情報は、事前に行われるキャリブレーションによって入力されてもよい。ここで、画素選択情報取得部320、1310及び画像処理部330、1320の機能及び構成については、[2.1.X線発生装置の構成]で説明しているため、ここでは詳細な説明は省略する。また、ステップS2040で行われる画像処理方法は、例えば、<4.画像処理方法>で説明した画像処理方法であってよい。
以上、図25を参照して、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影方法の一例について説明した。このように、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線撮影方法によれば、照射制御部210、1120が、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が重畳しないようにX線照射条件を制御する。また、画像処理部330が、画素選択情報に基づいて、複数のX線照射条件のうちどのX線照射条件に対応する画素信号を用いるかを、画素ごとに選択することで、画素を構成する。従って、受光素子群210の検出面内に一様なX線が照射されるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
<7.まとめ>
以上説明したように、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置、X線撮影方法及びX線撮影システムにおいては、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が重畳しないようにX線照射条件が制御される。また、そのような複数のX線照射条件に応じて、複数のX線画像を取得し、それらの複数のX線画像に基づいて、最終的なX線画像を構成する。従って、X線検出面の面内に一様なX線が照射されるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
また、本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置、X線撮影方法及びX線撮影システムにおいては、複数のX線源から照射される各X線について、その照射角θや照射距離、並びにX線検出面の面内における受光ブロックと非受光ブロックの位置及び面積が制御される。従って、X線検出面の面内に一様なX線が照射されるため、より高品質なX線画像を得ることができる。
また、以上説明した本開示の第1の実施形態及び第2の実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置及びX線撮影システムの各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
なお、上述のような本実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置及びX線撮影システムの各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、パーソナルコンピュータ等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
また、本実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置、X線撮影方法及びX線撮影システムは、その用途が特に限定されるものではなく、医療分野、工業分野等、X線撮影が利用されるあらゆる分野において適用され得る。本実施形態に係るX線発生装置、X線検出装置、X線撮影方法及びX線撮影システムは、例えば、医療分野であれば、CTスキャン、トモシンセシス、マンモグラフィ等のX線診断に用いられてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部とを備える、X線発生装置。
(2)前記照射制御部は、前記X線照射部が、複数の前記X線源のうち、少なくともいずれか1つの前記X線源がX線を照射するように、前記X線照射条件を制御する、前記(1)に記載のX線発生装置。
(3)前記照射制御部は、前記X線照射部が、複数の前記X線源のうち、隣り合う前記X線源が同時にX線を照射しないように、前記X線照射条件を制御する、前記(1)又は(2)に記載のX線発生装置。
(4)前記X線照射部は、前記X線源のX線照射方向に配設され、前記X線源から照射されるX線のX線照射方向を制御する第1の照射方向選択部材を少なくとも1つ有し、複数の前記X線源及び前記第1の照射方向選択部材の少なくともいずれかを移動させる可動部を更に備える、前記(1)に記載のX線発生装置。
(5)前記照射制御部は、前記可動部に、前記複数のX線源と、前記第1の照射方向選択部材との距離を変化させる、前記(4)に記載のX線発生装置。
(6)前記照射制御部は、前記可動部に、前記X線源のX線照射方向と垂直な面内において、複数の前記X線源及び前記第1の照射方向選択部材を移動させる、前記(5)に記載のX線発生装置。
(7)前記第1の照射方向選択部材は、前記複数のX線源と対向する面内において、互いに一定の間隔を有して並べられる複数のX線通過部を有する、前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載のX線発生装置。
(8)前記第1の照射方向選択部材は、前記複数のX線源と対向する面内において、千鳥格子状に並べられる複数のX線通過部を有する、前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載のX線発生装置。
(9)前記X線照射部から照射されたX線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部を更に備える、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載のX線発生装置。
(10)前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部とを更に備える、前記(9)に記載のX線発生装置。
(11)前記画素選択情報は、前記X線照射条件に応じた前記画素信号の信号強度に関する情報を含み、前記画像処理部は、複数の前記画素信号のうち、最大の信号強度を有する前記画素信号を画素ごとに選択することにより、画像を構成する、前記(10)に記載のX線発生装置。
(12)前記画素選択情報取得部は、前記X線照射条件に応じた画素選択情報を、前記X線検出部がX線を検出する前に取得する、前記(10)又は(11)に記載のX線発生装置。
(13)前記X線検出部のX線入射方向には、前記X線源から照射されるX線のX線照射方向を制御する第2の照射方向選択部材が配設される、前記(9)〜(12)のいずれか1項に記載のX線発生装置。
(14)複数の前記X線源は平面状に並べられ、面線源を構成する、前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載のX線発生装置。
(15)X線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部とを備え、前記X線検出部は、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにX線照射条件が制御されたX線を検出する、X線検出装置。
(16)前記画素選択情報は、前記X線照射条件に応じた前記画素信号の信号強度に関する情報を含み、前記画像処理部は、複数の前記画素信号のうち、最大の信号強度を有する前記画素信号を画素ごとに選択することにより、画像を構成する、前記(15)に記載のX線検出装置。
(17)前記画素選択情報取得部は、前記X線照射条件に応じた画素選択情報を、前記X線検出部がX線を検出する前に取得する、前記(15)に記載のX線発生装置。
(18)複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線照射条件を制御する照射制御部と、前記X線照射部から照射されたX線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部とを備える、X線撮影システム。
(19)複数のX線源を有し平行X線を照射するX線照射部から照射される各X線の照射領域が、互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御するステップと、複数の前記X線照射条件によって照射されたX線を複数の受光素子によって検出し、前記受光素子から構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するステップと、前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得するステップと、前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成するステップとを含む、X線撮影方法。
10、20 X線発生装置
30 X線撮影システム
100 X線照射部
110 X線源群
111、112、113、114、115 X線源
120、130 コリメータ
140 アパーチャ
200 X線検出部
210 受光素子群
220 受光ブロック
230 非受光ブロック
300 制御部
310 照射制御部
320 画素選択情報取得部
330 画像処理部
400 可動部
1100 X線発生装置
1110 X線照射部
1120 照射制御部
1200 X線検出装置
1210 X線検出部
1300 画像処理装置
1310 画素選択情報取得部
1320 画像処理部

Claims (19)

  1. 複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、
    複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部と、
    を備える、X線発生装置。
  2. 前記照射制御部は、前記X線照射部が、複数の前記X線源のうち、少なくともいずれか1つの前記X線源がX線を照射するように、前記X線照射条件を制御する、
    請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記照射制御部は、前記X線照射部が、複数の前記X線源のうち、隣り合う前記X線源が同時にX線を照射しないように、前記X線照射条件を制御する、
    請求項2に記載のX線発生装置。
  4. 前記X線照射部は、前記X線源のX線照射方向に配設され、前記X線源から照射されるX線のX線照射方向を制御する第1の照射方向選択部材を少なくとも1つ有し、
    複数の前記X線源及び前記第1の照射方向選択部材の少なくともいずれかを移動させる可動部、を更に備える、
    請求項1に記載のX線発生装置。
  5. 前記照射制御部は、前記可動部に、前記複数のX線源と、前記第1の照射方向選択部材との距離を変化させる、
    請求項4に記載のX線発生装置。
  6. 前記照射制御部は、前記可動部に、前記X線源のX線照射方向と垂直な面内において、複数の前記X線源及び前記第1の照射方向選択部材を移動させる、
    請求項5に記載のX線発生装置。
  7. 前記第1の照射方向選択部材は、前記複数のX線源と対向する面内において、互いに一定の間隔を有して格子状に並べられる複数のX線通過部を有する、
    請求項4に記載のX線発生装置。
  8. 前記第1の照射方向選択部材は、前記複数のX線源と対向する面内において、千鳥格子状に並べられる複数のX線通過部を有する、
    請求項4に記載のX線発生装置。
  9. 前記X線照射部から照射されたX線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部、
    を更に備える、
    請求項1に記載のX線発生装置。
  10. 前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、
    前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部と、
    を更に備える、
    請求項9に記載のX線発生装置。
  11. 前記画素選択情報は、前記X線照射条件に応じた前記画素信号の信号強度に関する情報を含み、
    前記画像処理部は、複数の前記画素信号のうち、最大の信号強度を有する前記画素信号を画素ごとに選択することにより、画像を構成する、
    請求項10に記載のX線発生装置。
  12. 前記画素選択情報取得部は、前記X線照射条件に応じた画素選択情報を、前記X線検出部がX線を検出する前に取得する、請求項11に記載のX線発生装置。
  13. 前記X線検出部のX線入射方向には、前記X線源から照射されるX線のX線照射方向を制御する第2の照射方向選択部材が配設される、
    請求項9に記載のX線発生装置。
  14. 複数の前記X線源は平面状に並べられ、面線源を構成する、請求項1に記載のX線発生装置。
  15. X線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、
    前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、
    前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部と、
    を備え、
    前記X線検出部は、複数のX線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないようにX線照射条件が制御されたX線を検出する、X線検出装置。
  16. 前記画素選択情報は、前記X線照射条件に応じた前記画素信号の信号強度に関する情報を含み、
    前記画像処理部は、複数の前記画素信号のうち、最大の信号強度を有する前記画素信号を画素ごとに選択することにより、画像を構成する、
    請求項15に記載のX線検出装置。
  17. 前記画素選択情報取得部は、前記X線照射条件に応じた画素選択情報を、前記X線検出部がX線を検出する前に取得する、請求項15に記載のX線発生装置。
  18. 複数のX線源を有し、平行X線を照射するX線照射部と、
    複数の前記X線源から照射される各X線の照射領域が互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御する照射制御部と、
    前記X線照射部から照射されたX線を検出する受光素子を複数有し、前記受光素子によって構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するX線検出部と、
    前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得する画素選択情報取得部と、
    前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成する画像処理部と、
    を備える、X線撮影システム。
  19. 複数のX線源を有し平行X線を照射するX線照射部から照射される各X線の照射領域が、互いに重畳しないように、X線を照射する条件であるX線照射条件を制御するステップと、
    複数の前記X線照射条件によって照射されたX線を複数の受光素子によって検出し、前記受光素子から構成される画素ごとに、検出したX線量に応じた画素信号を出力するステップと、
    前記画素ごとの、前記X線照射条件と前記画素信号との関係に関する情報である、画素選択情報を取得するステップと、
    前記画素選択情報に基づいて、複数の前記X線照射条件に応じた複数の前記画素信号のうち、いずれかの前記画素信号を画素ごとに選択することによって、画像を構成するステップと、
    を含む、X線撮影方法。
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