JP2023143282A - ウィンドウフィルムの製造方法およびウィンドウフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線照射による粘着剤組成物の硬化反応が紫外線吸収剤によって阻害されることなく、かつ、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルムを好適に製造できる製造方法を提供すること。【解決手段】本発明のウィンドウフィルムの製造方法は、基材の一方の面側に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物を付与する工程と、粘着剤組成物に紫外線を照射することにより、粘着剤組成物を硬化して粘着剤層とする工程と、を備え、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、粘着剤組成物において、アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ウィンドウフィルムの製造方法およびウィンドウフィルムに関する。
ウィンドウフィルムとは、自動車、船舶、鉄道等の車両、家屋、マンション、オフィスビル等の建築物等の窓ガラスに適用される粘着フィルムであり、太陽光中の紫外線および/または赤外線の遮蔽、プライバシー保護、防犯、ガラスの飛散防止、装飾等を目的として広く使用されている。
特に、紫外線は人体に有害であることが知られている一方で、一般的なクリアガラスでは、波長300nm~400nmの紫外線をカットすることができないため、高透明かつ無彩色でありながら効率的に紫外線をカットできるウィンドウフィルムのニーズが高まっている。
このようなウィンドウフィルムとしては、粘着剤層中に紫外線吸収剤を含有させたウィンドウフィルム等が用いられている。(例えば、特許文献1)
ウィンドウフィルムは、例えば、有機溶剤と紫外線吸収剤とを含む粘着剤組成物を基材上に塗布する工程と、有機溶剤を除去する工程と、熱硬化反応により紫外線吸収剤を含む粘着剤層を形成する工程とを有する方法により形成することができる。
一方、近年、有機溶剤を除去するための乾燥工程の必要がないこと、乾燥工程用の設備を必要とせず、省エネルギー化に寄与すること、揮発性有機化合物(VOC)の発生を抑え、環境負荷の軽減の観点から有利であること等から、従来の溶剤型の熱硬化型粘着剤組成物の代わりに、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物を用いる試みがある。
しかしながら、従来の溶剤型の熱硬化型粘着剤組成物の代わりに、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物を用いて、紫外線吸収剤を含むウィンドウフィルムを製造する場合、以下のような問題を生じる。
すなわち、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物の硬化反応のために照射される紫外線が、該粘着剤組成物に含有される紫外線吸収剤によって吸収されてしまい、硬化反応が阻害されてしまう。
一方で、粘着剤組成物の紫外線吸収剤の含有量を少なくすると、最終的に得られるウィンドウフィルムにおいて、十分な紫外線吸収機能を付与することができなくなってしまう。
特開2020-012082号公報
本発明の目的は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を用いたウィンドウフィルムの製造方法において、紫外線照射による粘着剤組成物の硬化反応が、該粘着剤組成物に含有される紫外線吸収剤によって阻害されることなく、かつ、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルムを好適に製造できる、ウィンドウフィルムの製造方法を提供すること、また、十分に硬化反応が進行した材料で構成された粘着剤層を有するとともに、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルムを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のウィンドウフィルムの製造方法は、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた粘着剤層とを備えるウィンドウフィルムの製造方法であって、
前記基材の一方の面側に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物を付与する工程と、
前記粘着剤組成物に紫外線を照射することにより、該粘着剤組成物を硬化して前記粘着剤層とする工程と、を備え、
前記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、
前記粘着剤組成物において、前記アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
前記粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とする。
本発明では、前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造またはヒドロキシフェニルトリアジン構造を有するものであることが好ましい。
本発明では、前記紫外線吸収剤が、下記式(1)~下記式(12)で表される化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
(式(11)中、RはC10以上C12以下のアルキル基である。)
本発明では、前記アクリル系ポリマー全体に対する、前記ベンゾフェノン構造を有する官能基の割合が、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
本発明では、前記基材は、ポリエステルを含む材料で構成されたものであることが好ましい。
本発明では、前記基材の一方の面に付与された前記粘着剤組成物の、前記基材とは反対側の面に剥離ライナーを積層する工程をさらに備えることが好ましい。
本発明のウィンドウフィルムは、基材と、前記基材の一方の面側に設けられた粘着剤層とを備えるウィンドウフィルムであって、
前記粘着剤層は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物の硬化物であり、
前記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、
前記粘着剤組成物において、前記アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
前記粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とする。
本発明では、前記粘着剤層の厚さが、1μm以上100μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を用いたウィンドウフィルムの製造方法において、紫外線照射による粘着剤組成物の硬化反応が、該粘着剤組成物に含有される紫外線吸収剤によって阻害されることなく、かつ、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルムを好適に製造できる、ウィンドウフィルムの製造方法を提供すること、また、十分に硬化反応が進行した材料で構成された粘着剤層を有するとともに、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルムを提供することができる。
本発明のウィンドウフィルムの製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のウィンドウフィルムの一構成例を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]ウィンドウフィルムの製造方法
まず、ウィンドウフィルムの製造方法について説明する。
図1は、本発明のウィンドウフィルムの製造方法の一例を模式的に示す断面図である。
本発明のウィンドウフィルムの製造方法は、基材2と、基材2の一方の面側に設けられた粘着剤層3とを備えるウィンドウフィルム1の製造方法であって、基材2の一方の面側に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物3’を付与する粘着剤組成物付与工程と、粘着剤組成物3’に紫外線を照射することにより、粘着剤組成物3’を硬化して粘着剤層3とする硬化工程と、を備える。そして、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、粘着剤組成物3’において、アクリル系ポリマーの100質量部に対する紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、粘着剤層3についての、波長260nmの分光透過率が50%以上である。
本発明によれば、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を用いたウィンドウフィルムの製造方法において、粘着剤組成物3’における紫外線硬化型ホットメルト粘着剤が、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであることで、粘着剤組成物3’の紫外線による硬化反応、言い換えると、アクリル系ポリマー間での架橋反応のための波長帯域と、形成される粘着剤層3において紫外線カットのための紫外線吸収波長帯域とを好適にずらすことができる。
具体的には、例えば、粘着剤組成物3’の紫外線硬化のための波長帯域を220nm~280nmとし、形成される粘着剤層3における紫外線吸収剤による紫外線吸収波長帯域を300nm~380nmとすることができる。
また、粘着剤組成物3’において、アクリル系ポリマー:100質量部に対する紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であることで、粘着剤組成物3’の紫外線による硬化反応が、紫外線吸収剤によって阻害されることなく好適に進行するとともに、形成される粘着剤層3において紫外線を吸収する効果を十分に得ることができる。
また、粘着剤層3についての、波長260nmの紫外線の透過率が50%以上であることで、紫外線硬化型の粘着剤組成物3’に、硬化反応のための波長260nmの紫外線を照射した際に、粘着剤組成物3’中に含有される紫外線吸収剤による紫外線の吸収が低く抑えられ、より多くの紫外線を照射することができ、紫外線照射による粘着剤組成物3’の硬化反応が好適に進行する。
このように、本発明によれば、紫外線照射による粘着剤組成物3’の硬化反応が、該粘着剤組成物3’に含有される紫外線吸収剤によって阻害されることなく、かつ、十分な紫外線吸収機能を有するウィンドウフィルム1を好適に製造できる、ウィンドウフィルムの製造方法を提供することができる。
本発明による優れた効果は、ウィンドウフィルムの製造方法が上記のような構成を有することにより得られるのであって、上記のような構成を有していない場合には得られない。
例えば、粘着剤組成物においてアクリル系ポリマーがベンゾフェノン構造を有する官能基を有していないと、粘着剤組成物3’の紫外線硬化のための波長帯域と、紫外線カットのための吸収波長帯域とを好適にずらすことができず、本発明の目的とする効果が得られない。
また、粘着剤組成物におけるアクリル系ポリマー100質量部に対する紫外線吸収剤の割合が前記下限値未満であると、形成される粘着剤層において紫外線を吸収する効果が十分に得られない。
また、粘着剤組成物におけるアクリル系ポリマー100質量部に対する紫外線吸収剤の割合が前記上限値を超えると、粘着剤組成物の紫外線による硬化反応が、紫外線吸収剤により阻害されてしまう。
また、粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が低すぎると、粘着剤組成物に、硬化反応のための波長260nmの紫外線を照射した際に、粘着剤組成物中に含有される紫外線吸収剤によって紫外線が吸収されてしまい、紫外線照射による粘着剤組成物の硬化反応を好適に進行させることができない。
なお、粘着剤層3についての、260nm分光透過率は、JIS R3106の5.3.1に準じた測定装置を用い、JIS R3106の5.3.2に準じた方法により、測定される。
上記分光透過率の測定には、ポリエチレンテレフタレートを含む材料からなる基材は、紫外線の一部を吸収してしまうため、紫外線を実質的に吸収しないポリプロピレンを含む材料からなる基材を使って行う。
粘着剤組成物3’中における、アクリル系ポリマーの100質量部に対する紫外線吸収剤の割合は、0.5質量部以上20.0質量部以下であればよいが、2.0質量部以上18.0質量部以下であるのが好ましく、5.0質量部以上10.0質量部以下であるのがより好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。
また、粘着剤層3についての、波長260nmの分光透過率は、50%以上であればよいが、80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。
[1-1]粘着剤組成物付与工程
図1(a)に示すように、粘着剤組成物付与工程では、基材2の一方の面側に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物3’を付与する。
[1-1-1]基材
基材2は、粘着剤層3を支持する機能を有する。
基材2は、いかなる材料で構成されていてもよく、例えば、基材2の構成材料としては、各種樹脂材料等が挙げられるが、基材2は、ポリエステルを含む材料で構成されているのが好ましく、主としてポリエステルで構成されているのがより好ましい。
これにより、ウィンドウフィルム1のハンドリング性が良好なものとなり、ウィンドウフィルム1の被着体への貼着等の作業性が向上する。また、ウィンドウフィルム1の耐久性が良好なものとなる。
なお、本明細書において、「主として」とは、対象となる部位のうち最も含有率が高いもののことを言う。
特に、基材2中におけるポリエステルの含有率は、90質量%以上であるのが好ましく、95質量%以上であるのがより好ましい。
基材2を構成するポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
これにより、ウィンドウフィルム1のハンドリング性がより良好なものとなり、ウィンドウフィルム1の被着体への貼着等の作業性がより向上する。また、ウィンドウフィルム1の耐久性がより良好なものとなる。また、後述する材料で構成される粘着剤層3との密着性が良好なものとなる。
基材2は、上記以外の成分を含んでいてもよい。
このような成分としては、例えば、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、耐熱安定剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
基材2は、全体にわたって実質的に均一な組成を有していてもよいし、組成の異なる部位を有していてもよい。例えば、基材2は、互いに組成が異なる(例えば、樹脂材料の分子量が異なる場合等を含む)部位を有する複数の層を備えた積層体であってもよいし、組成が厚さ方向に沿って傾斜的に変化する傾斜材料で構成されていてもよい。
基材2は、粘着剤層3との密着性を高めるための表面処理が施されていてもよい。
このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、接着向上剤の塗布等が挙げられる。
これらの表面処理法は、基材2を構成する材料に応じて適宜選ばれるが、一般には接着向上剤の塗布が効果および操作性等の面から好ましい。
基材2の厚さは、特に限定されないが、10μm以上300μm以下であるのが好ましく、15μm以上200μm以下であるのがより好ましく、20μm以上100μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウィンドウフィルム1の飛散防止性が得られるとともに、ウィンドウフィルム1のハンドリング性が向上し、被着体への貼着等の作業を容易に行うことができる。また、湾曲した被着体への形状追従性等が向上し、皺等の発生が効果的に防止される。
[1-1-2]粘着剤組成物
粘着剤組成物3’は、粘着剤層3の形成に用いるものである。
粘着剤組成物3’を用いて形成される粘着剤層3は、ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する際に、被着体に接触し接合する機能を有する。
粘着剤組成物3’は、紫外線の照射により硬化反応し得る紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する。
紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、紫外線の照射による架橋反応に寄与する紫外線反応性基としてベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーである。
これにより、形成される粘着剤層3は、紫外線照射により架橋し、凝集力が向上する。
アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーの重合体または共重合体である。
アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、特に、アクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーとして、アルキル基の炭素数が1以上8以下のアルキル(メタ)アクリレートを含んでいることが好ましい。アルキル基の炭素数が1以上8以下のアルキル(メタ)アクリレートの中でも、特に、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
紫外線反応性基は、紫外線の照射によって励起されて硬化反応(架橋反応)の引き金となるラジカルを発生させる。紫外線反応性基は、例えば、アクリル系ポリマーの側鎖に導入されている。
紫外線反応性基としてベンゾフェノン構造を有する官能基を備えることで、紫外線に対する反応性をより優れたものとしつつ、紫外線以外の刺激に対する安定性をより優れたものとすることができる。特に、粘着剤組成物3’の紫外線硬化、言い換えると、アクリル系ポリマー間での架橋反応のための波長帯域と、形成される粘着剤層3において紫外線カットのための紫外線吸収波長帯域とを好適にずらすことができる。
アクリル系ポリマー全体に対する、ベンゾフェノン構造を有する官能基の割合は、0.1質量%以上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.2質量%以上3.0質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。また、粘着剤組成物3’のポットライフを長くしつつ、粘着剤層3の粘着性を優れたものとすることができる。
ベンゾフェノン構造を有する官能基を紫外線反応性基として備えるアクリル系ポリマーとしては、例えば、BASF社製の「acResin(登録商標)」等が挙げられる。「acResin(登録商標)」としては、「acResin(登録商標)A250 UV」、「acResin(登録商標)A260 UV」、「acResin(登録商標)A204 UV」、「acResin(登録商標)UV 3532」が挙げられる。
粘着剤組成物3’中における前記アクリル系ポリマーの含有率は、50.0質量%以上99.5質量%以下であるのが好ましく、70.0質量%以上99.2質量%以下であるのがより好ましく、85.0質量%以上98.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、熱等のエネルギーに変換することにより、人体や物品に紫外線が与える影響を防ぐ機能を有する。
紫外線吸収剤は、濃度0.1質量%のアセトニトリル溶液における波長200nm以上500nm以下の範囲内での吸光度の吸収極大波長が400nm以下にあることが好ましく、特に390nm以下にあることが好ましく、さらには380nm以下にあることが好ましい。
なお、波長200nm以上500nm以下の範囲内での吸光度の吸収極大波長が複数存在する場合には、少なくとも一つの吸収極大波長が上記範囲にあればよい。
これにより、上記紫外線を照射したときに、当該紫外線吸収剤に阻害されることなく、アクリル系ポリマーを十分に硬化させることができる。
一方、上記吸収極大波長の下限値は、人体や物品に紫外線が与える影響を防ぐ観点から、200nm以上であることが好ましく、特に250nm以上であることが好ましく、さらには280nm以上であることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾオキサジノン系、トリアジン系、フェニルサリシレート系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系等の化合物が挙げられ、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造またはヒドロキシフェニルトリアジン構造を有する化合物を使用することが好ましい。
これらの化合物は、前述したアクリル系ポリマー等との相溶性に優れるとともに、300nm以上380nm以下の波長帯域において高い紫外線吸収機能を有しており、形成される粘着剤層3が、前述した光学物性を満たし易いものとなる。
特に、紫外線吸収剤は、下記式(1)~下記式(12)で表される化合物のうちの少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、上述した効果をさらに顕著なものとすることができる。
(式(11)中、RはC10以上C12以下のアルキル基である。)
上記のような紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、BASF社から商品名「チヌビン(登録商標)PS」、「チヌビン(登録商標)460」、「チヌビン(登録商標)477」、「チヌビン(登録商標)400」、「チヌビン(登録商標)384-2」が市販されており、シプロ化成社から商品名「SEESORB SB701」、「SEESORB SB704」、「SEESORB SB706」、「SEESORB SB707」、「SEESORB SB709」、「SEESORB SB107」、「SEESORB SB106」が市販されている。
粘着剤組成物3’は、上記以外の成分を含んでいてもよい。以下、この項目内において、このような成分を「その他の成分」とも言う。
その他の成分としては、例えば、分散剤、粘着付与剤、酸化防止剤、重合開始剤、光安定剤、熱安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤、着色剤および帯電防止剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ただし、粘着剤組成物3’中におけるその他の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、5質量%以下であるのがより好ましく、3質量%以下であるのがさらに好ましい。
粘着剤組成物3’の軟化点は、90℃以上150℃以下であるのが好ましく、100℃以上150℃以下であるのがより好ましい。
粘着剤組成物3’の160℃における溶融粘度は、2000mPa・s以上13000mPa・s以下であるのが好ましく、4000mPa・s以上12000mPa・s以下であるのがより好ましい。
なお、粘着剤組成物3’の溶融粘度は、JIS K6862:1984に準じた方法により測定される。
粘着剤層3の形成方法は、特に限定されないが、溶融押出し法を好適に採用することができる。より具体的には、粘着剤層3は、溶融した粘着剤組成物3’を、押出機を用いてTダイ等から基材2上に供給することにより好適に形成することができる。
粘着剤組成物3’を基材2上に供給する際、粘着剤組成物3’は、溶融されるように加熱されていればよいが、粘着剤組成物3’の温度(塗工温度)は、120℃以上210℃以下であるのが好ましく、130℃以上190℃以下であるのがより好ましい。
[1-2]剥離ライナー積層工程
本実施形態では、図1(b)に示すように、基材2の一方の面に付与された粘着剤組成物3’の、基材2とは反対側の面に剥離ライナー4を積層する剥離ライナー積層工程をさらに備えている。
これにより、製造されるウィンドウフィルム1の保管時、搬送時等に、粘着剤層3に埃等が付着してしまったり、粘着剤層3が不本意な部位に貼着してしまったりすることを効果的に防止することができる。
特に、前述した粘着剤組成物付与工程と後述する硬化工程との間に、剥離ライナー積層工程を有することにより、粘着剤層3の表面を好適に平坦化することができる。
剥離ライナー4は、ウィンドウフィルム1を被着体に貼着する際には、粘着剤層3から剥離される。
[1-2-1]剥離ライナー
剥離ライナー4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート等の各種樹脂よりなるシートや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙等の各種紙材を基材とし、この基材の粘着剤層3との接触面に、必要により剥離処理が施されたもの等を用いることができる。
剥離処理としては、例えば、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等の剥離剤よりなる剥離剤層の形成等が挙げられる。
剥離ライナー4の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上400μm以下であることが好ましい。また、上記の剥離層が設けられる場合の当該剥離層の厚さは、例えば、0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。
[1-3]硬化工程
図1(c)、(d)に示すように、硬化工程では、粘着剤組成物3’に紫外線を照射することにより、該粘着剤組成物3’を硬化して粘着剤層3とする。
形成される粘着剤層3において、波長260nmの分光透過率が50%以上である。
これにより、粘着剤組成物3’に、硬化反応のための波長260nmの紫外線を照射した際に、粘着剤組成物3’中に含有される紫外線吸収剤による紫外線の吸収が低く抑えられ、より多くの紫外線を照射することができ、紫外線照射による粘着剤組成物3’の硬化反応が好適に進行する。
紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV-LED等が用いられる。
このようにして形成される粘着剤層3は、アクリル構造を含むポリマーと、紫外線吸収剤とを含む材料で構成されたものとなる。
なお、図1(c)に示す例では、剥離ライナー4側から、粘着剤組成物3’に紫外線を照射しているが、これに限定されず、例えば、基材2側から粘着剤組成物3’に紫外線を照射してもよい。より具体的には、例えば、剥離ライナー4が波長260nmの紫外線を透過するポリプロピレンフィルムである場合には、剥離ライナー4側から、粘着剤組成物3’に紫外線を照射してもよく、基材2が波長260nmの紫外線を透過するポリプロピレンである場合には、基材2側から粘着剤組成物3’に紫外線を照射してもよい。
また、剥離ライナー4の無い状態で粘着剤組成物3’に紫外線を照射してもよい。
[2]ウィンドウフィルム
次に、本発明のウィンドウフィルムについて説明する。
図2は、本発明のウィンドウフィルムの一構成例を模式的に示す断面図である。
ウィンドウフィルム1は、基材2と、基材2の一方の面側に設けられた粘着剤層3とを備える。
そして、特に、ウィンドウフィルム1において、粘着剤層3は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物3’の硬化物であり、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、粘着剤組成物3’において、アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、粘着剤層3についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とする。
このようなウィンドウフィルム1は、上述したような製造方法により好適に製造することができる。
このようなウィンドウフィルム1は、十分に硬化反応が進行した材料で構成された粘着剤層3を有するとともに、十分な紫外線吸収機能を有するものとなる。
粘着剤層3についての、波長260nmの分光透過率は、50%以上であればよいが、80%以上であるのが好ましく、90%以上であるのがより好ましい。
これにより、上述した効果をより顕著なものとすることができる。
粘着剤層3の厚さは、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、5μm以上80μm以下であるのがより好ましく、10μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウィンドウフィルム1の耐久性や、より優れた紫外線吸収機能が得られるとともに、ウィンドウフィルム1のハンドリング性が向上し、被着体への貼着等の作業をより容易に行うことができる。また、湾曲した被着体への形状追従性等が向上し、皺等の発生が効果的に防止される。
また、粘着剤層3についてのJIS A5759:2016に準拠して測定される紫外線の透過率は3%未満であることが好ましく、1%未満であることがより好ましい。
この理由は、かかる紫外線透過率の値が、3%未満であることにより、ウィンドウフィルム1がより効果的に紫外線を遮蔽可能なためである。
なお、JIS A5759:2016に準拠して測定される紫外線の透過率の下限値については特に限定されず、例えば、0%以上であってよく、0.01%以上であってよく、特に0.1%以上であってよく、さらには0.50%以上であってよい。
基材2は、上記[1-1-1]で述べた条件を満たすものであるのが好ましい。
ウィンドウフィルム1では、粘着剤層3の、基材2とは反対側の面に剥離ライナー4が配されていてもよい。
ウィンドウフィルム1の厚さは、特に限定されないが、11μm以上400μm以下であるのが好ましく、18μm以上230μm以下であるのがより好ましく、20μm以上100μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウィンドウフィルム1の耐久性や、紫外線吸収機能をより優れたものとすることができるとともに、ウィンドウフィルム1のハンドリング性がさらに向上し、被着体への貼着等の作業をより容易に行うことができる。また、湾曲した被着体への形状追従性等がさらに向上し、皺等の発生がより効果的に防止される。
なお、上記ウィンドウフィルム1の厚さには、剥離ライナー4の厚さは含まれない。言い換えると、被着体に貼着される部分のみの厚さである。
ウィンドウフィルム1は、被着体の外観を損なわないよう、透明であることが好ましい。
なお、本明細書において「透明」とは、可視光領域における透過率が60%以上(上限値100%)であることをいい、80%以上(上限値100%)であることが好ましい。ウィンドウフィルム1の透過率は、JIS A5759:2016(建築窓ガラス用フィルム-可視光線透過率試験)に準じた方法により測定することができる。
ウィンドウフィルム1の黄色度(YI)は、4以下であるのが好ましく、1以上3.5以下であるのがより好ましく、1.5以上2.5以下であるのがさらに好ましい。
これにより、着色がより好適に抑制されたウィンドウフィルム1が得られ、より優れた透明性や無色性を得ることができ、ウィンドウフィルムとしてより好適である。
なお、ウィンドウフィルム1の黄色度(YI)は、JIS K 7373に準じた方法により測定することができる。
[3]被着体
次に、ウィンドウフィルム1が貼着される被着体について説明する。
ウィンドウフィルム1は、住宅、ビル等の建物や、自動車、電車等の乗物の窓ガラス、鏡、ガラスケースやショーウィンドウのガラス等に好適に適用される。
これにより、太陽光中等に含まれる紫外線を好適にカットすることができ、紫外線が人体に与える影響や、紫外線による物品の劣化から十分に保護することができる。
[4]ウィンドウフィルムの貼着方法
次に、ウィンドウフィルムの貼着方法について説明する。
ウィンドウフィルム1を窓ガラス等の被着体に貼着する場合、剥離ライナー4がある場合には、まず剥離ライナー4を剥離して粘着剤層3を露出させ、粘着剤層3を被着体に接着させることにより貼着することができる。ここで、粘着剤層3と被着体との界面に界面活性剤を水に添加した施工液を介して貼着し、その後施工液をスキージと呼ばれる治具を用いて掻きだす、いわゆる水貼りと呼ばれる方法により貼着してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、ウィンドウフィルムは、前述した以外の構成を有するものであってもよい。より具体的には、例えば、基材と粘着剤層との間に、少なくとも1層の中間層を有していてもよいし、基材の外表面側に少なくとも1層のコート層(ハードコート層等)をさらに有していてもよい。
また、本発明のウィンドウフィルムの製造方法は、粘着剤組成物付与工程と、硬化工程とを有していればよく、さらに他の工程を有していてもよい。
また、前述した実施形態では、粘着剤組成物を基材の一方の面側に付与して基材上に粘着剤層を形成する場合について中心的に説明したが、粘着剤層は、剥離ライナーの一方の面側に形成し、その後、粘着剤層が設けられた剥離ライナーと基材とを接合する、転写法を適用して形成してもよい。このような場合でも、前記と同様の効果が得られる。転写法を適用する場合、硬化工程は、剥離ライナー上に設けられた粘着剤層と基材とを接触させる前(言い換えると、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物を基材に付与する工程の前)に行うのが好ましい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の実施例中の処理、測定で、温度条件を示していないものについては、23℃で行った。
[5]ウィンドウフィルムの製造
(実施例1)
まず、基材として、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さ50μmのフィルム(東洋紡社製、商品名「コスモシャインA4160」)を用意した。
次に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤と、紫外線吸収剤とを混合して紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物を調製した。紫外線硬化型ホットメルト粘着剤としては、ベンゾフェノン基含有アクリル系ホットメルト粘着剤であるBASF社製、商品名「acResin(登録商標)A204UV」を用いた。紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニルトリアジン構造を有する紫外線吸収剤であるチヌビン460(BASF社製)を用いた。紫外線吸収剤の添加量は、アクリル系ポリマーの100質量部に対して、4.0質量部とした。
基材の一方の面側に、ホットメルト塗工機により粘着剤組成物を厚さ25μmに塗工し、粘着剤組成物付き基材を得た。
次に、粘着剤組成物付き基材の粘着剤層上に剥離ライナーを貼り合わせた。剥離ライナーとしては、粘着剤層と接触する面にシリコーンを塗布した、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムを用いた。
次に、紫外線照射装置としての高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製、アイグランテージECS-4011GX)を用いて、剥離ライナー側から、照射強度48mW/cm、積算光量60mJ/cmの条件下にて紫外線を含む光線を照射することにより、粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を形成してウィンドウフィルムを得た。
(実施例2~19)
紫外線吸収剤の種類および添加量を、表1に記載のものに変えたこと以外は、前記実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを製造した。
(比較例1~8)
紫外線吸収剤の種類および添加量を、表1に記載のものに変えたこと以外は、前記実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを製造した。
(比較例9)
紫外線吸収剤を使用しなかったこと以外は、前記実施例1と同様にしてウィンドウフィルムを製造した。
[6]ウィンドウフィルムの評価
得られたウィンドウフィルムにつき、以下の評価を行った。
[6-1]260nm透過率
JIS R3106の5.3.1に準じた測定装置を用い、JIS R3106の5.3.2に準じた方法により、得られたウィンドウフィルムの粘着剤層についての、260nm分光透過率を測定した。
[6-2]保持力試験
得られたウィンドウフィルムを、25mm×50mmに切り出してサンプルとした。
サンプルを被着体のSUS板に、貼着面積が25mm×25mmになるように貼着した。SUS板およびサンプルを鉛直方向に保持し、サンプルに質量1kgの重りを取り付け、40℃環境下で70000秒静置した。試験後に貼着した箇所からズレた長さを測定し、以下の判定基準により保持力を判定した。
◎:ズレ量が0.0mm(ズレ無し)
○:ズレ量が0.1mm以上5.0mm未満
△:ズレ量が5.0mmを以上15.0mm未満
×:ズレ量が15.0mm以上
[6-3]耐候性試験
得られたウィンドウフィルムを3mmフロートガラスに貼付して、JIS A5759:2016に準拠して、サンシャインカーボン促進耐候性試験機(スガ試験機社製、サンシャインウェザーメーター S80)を用い、ブラックパネル温度計の示す温度63℃±3℃、相対湿度50%±5%の試験条件にて、ガラス面から紫外線を連続2000時間照射した。耐候性試験中には、ウィンドウフィルムに対し、120分照射中に、18分間水噴射を行った。
耐候性試験に投入する前後のYIの値からΔYIを算出(ΔYI=耐候性試験後のYI-耐候性試験前のYI)し、以下の判定基準により耐候性を判定した。
◎:ΔYIが0.0以上1.0以下
○:ΔYIが1.1以上3.0以下
△:ΔYIが3.1以上5.0未満
×:ΔYIが5.0以上
なお、黄色度(YI)の測定は、分光色差計(日本電色工業社製、Spectro Color Meter SQ2000)を用いて、JIS K 7373に準じた方法により行った。
YIは、下記式にて定義される値である。
YI=100(1.28X-1.067Z)/Y
(XおよびYは、色差計で測定されるウィンドウフィルムのXYZ座標系における三刺激値の値である。)
表1に、前記各実施例および各比較例について、ウィンドウフィルムの主な構成とともに、上記の評価の結果をまとめて示す。
表1中、ベンゾフェノン基含有アクリル系ホットメルト粘着剤であるacResinA204UV(BASF社製)を「acResin」、上記式(1)で示される紫外線吸収剤を「式(1)」、上記式(2)で示される紫外線吸収剤を「式(2)」、上記式(3)で示される紫外線吸収剤を「式(3)」、上記式(4)で示される紫外線吸収剤を「式(4)」、上記式(5)で示される紫外線吸収剤を「式(5)」、上記式(6)で示される紫外線吸収剤を「式(6)」、上記式(7)で示される紫外線吸収剤を「式(7)」、上記式(8)で示される紫外線吸収剤を「式(8)」、上記式(9)で示される紫外線吸収剤を「式(9)」、上記式(10)で示される紫外線吸収剤を「式(10)」、上記式(11)で示される紫外線吸収剤を「式(11)」、上記式(12)で示される紫外線吸収剤を「式(12)」、ヒドロキシフェニルトリアジン構造を有する紫外線吸収剤であるチヌビン477(BASF社製)を「T477」、紫外線吸収剤としての2,2'-dihydroxy-4-methoxy benzophenoneであるCYASORB UV-24(Solvay社製)を「UV-24」と示した。
表1から明らかなように、前記各実施例では、粘着剤組成物の紫外線による硬化反応が好適に進行しており、保持力試験においてズレ量が小さく良好な結果が得られた。また、十分な紫外線吸収機能を有し、耐候性試験においても良好な結果が得られた。また、形成された粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率は、いずれも50%以上であった。
これに対し、アクリル系ポリマーの100質量部に対する紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部未満とした比較例では、形成される粘着剤層において耐候性が十分なものではなかった。また、紫外線吸収剤の割合が、20.0質量部を超えた比較例では、粘着剤組成物の紫外線による硬化反応が、紫外線吸収剤によって阻害されてしまい、硬化性が十分ではなかった。また、紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であっても、粘着剤層についての波長260nmの分光透過率が50%未満である比較例では、粘着剤組成物の紫外線による硬化反応が十分に進行せず、耐候性が十分なものではなかった。
また、積層体として、剥離ライナーの一方の面側に紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成した後、当該粘着剤層上に基材を貼り合わせることにより製造したものを用いた以外は、前記各実施例および各比較例と同様にしてウィンドウフィルムを製造し、これらについて、前記と同様にして評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
また、粘着剤層の厚さを1μm以上100μm以下の範囲内で種々変更した以外は、前記各実施例および各比較例と同様にしてウィンドウフィルムを製造し、これらについて、前記と同様にして評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
1 :ウィンドウフィルム
2 :基材
3’:粘着剤組成物
3 :粘着剤層
4 :剥離ライナー

Claims (8)

  1. 基材と、前記基材の一方の面側に設けられた粘着剤層とを備えるウィンドウフィルムの製造方法であって、
    前記基材の一方の面側に、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物を付与する工程と、
    前記粘着剤組成物に紫外線を照射することにより、該粘着剤組成物を硬化して前記粘着剤層とする工程と、を備え、
    前記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、
    前記粘着剤組成物において、前記アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
    前記粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とするウィンドウフィルムの製造方法。
  2. 前記紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール構造、ベンゾフェノン構造またはヒドロキシフェニルトリアジン構造を有するものである請求項1に記載のウィンドウフィルムの製造方法。
  3. 前記紫外線吸収剤が、下記式(1)~下記式(12)で表される化合物のうちの少なくとも1種である請求項1または2に記載のウィンドウフィルムの製造方法。
    (式(11)中、RはC10以上C12以下のアルキル基)
  4. 前記アクリル系ポリマー全体に対する、前記ベンゾフェノン構造を有する官能基の割合が、0.1質量%以上5.0質量%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のウィンドウフィルムの製造方法。
  5. 前記基材は、ポリエステルを含む材料で構成されたものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載のウィンドウフィルムの製造方法。
  6. 前記基材の一方の面に付与された前記粘着剤組成物の、前記基材とは反対側の面に剥離ライナーを積層する工程をさらに備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載のウィンドウフィルムの製造方法。
  7. 基材と、前記基材の一方の面側に設けられた粘着剤層とを備えるウィンドウフィルムであって、
    前記粘着剤層は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤および紫外線吸収剤を含有する粘着剤組成物の硬化物であり、
    前記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ベンゾフェノン構造を有する官能基を備えたアクリル系ポリマーであり、
    前記粘着剤組成物において、前記アクリル系ポリマーの100質量部に対する前記紫外線吸収剤の割合が、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
    前記粘着剤層についての、波長260nmの分光透過率が50%以上であることを特徴とするウィンドウフィルム。
  8. 前記粘着剤層の厚さが、1μm以上100μm以下である請求項7に記載のウィンドウフィルム。
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