JP2023143228A - 架空線引き留め用カムアロングとこれを用いた架空線張力の仮支持工法 - Google Patents

架空線引き留め用カムアロングとこれを用いた架空線張力の仮支持工法 Download PDF

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【課題】宙乗り機や自走機を用いずに、鉄塔上から遠隔操作で架空線上に設置して架空線を仮把持でき、しかも堅牢な架空線引き寄せ用カムアロングとこれを用いた架空線張力の仮支持工法を提供する。【解決手段】カムアロング1は、把持装置2、操作棒3を具備する。把持装置2は、架空線G上の鉄塔Tから離れた位置において上下クランプ5,6間で架空線Gを把持し、牽引手段で鉄塔Tへ引き寄せられる。操作棒3は、鉄塔T上から遠隔操作で、把持装置2を設置位置まで架空線G上を滑らせて送り出し、かつ上下クランプ5,6に架空線Gを仮把持させる。上クランプ5は、操作棒3による操作レバー8の回動で下降し、下クランプ6との間で圧縮ばね81の初期把持力をもって架空線Gを仮把持する。リンク機構7は、牽引に伴い、下クランプ6を押し上げるように下クランプ6に連結され、それにより、上クランプ5との間で架空線Gを初期把持力に追加した把持力をもって把持するように設けられる。【選択図】図1

Description

既設の架空地線などの架空線を張り替えたり、架空線周りの付随設備を交換したりする工事においては、架空線を鉄塔から切り離し又は接続する作業の間、これを鉄塔に引き寄せて仮留めし、その張力をいったん鉄塔に預けて、作業箇所の張力をなくすことが行われる。本発明は、このような工事において、架空線を鉄塔側へ引き寄せて仮支持するために用いられるカムアロングに関するものである。
例えば、既設の架空線を鉄塔との接続部から切り離す際には、架空線を別途、カムアロングで緊線して鉄塔に仮留めし、接続部の張力を鉄塔に一旦預けてから作業を行う。この場合、カムアロングは、接続部より鉄塔から離れた位置において架空線に取り付ける必要がある。
特許文献1に記載のカムアロングは、電線を把持する二つ割りのクサビ部材と、このクサビ部材が挿入される筒状のカムアロング本体と、カムアロング本体に結合するアームとを具備する。クサビ部材の外周面及びカムアロング本体の内周面は挿入側先細りのテーパー状に形成されている。電線を挿入したクサビ部材をカムアロング本体に装着して、鉄塔に連結した後、チェーンブロック等でアームを引き寄せると、クサビ部材とカムアロング本体とで電線を把持し、緊線することができる。
特許文献2に記載のカムアロングは、鉄塔に結合されたチェーンブロックのワイヤに接続されたアームと、電線を内側に受け入れて把持する対向一対の挟持片を備えたクランプとがリンクで連結される。一対の挟持片は、チェーンブロックによるアームの引き寄せに伴うアームとクランプとの延線方向の相対移動により電線を把持し、これを緊線することができる。
特許文献3に記載の自走式カムアロングは、架空電線をクサビとの間に通して移動可能な本体と、その進行方向の後方に位置する自走車とを備え、自走車が押し棒により本体を押し付けて架空電線上を走行し、本体を所定の把持位置まで搬送する。自走車を逆走させて回収後、本体の把手に結合したワイヤをウィンチ等で牽引し、カム機構を介してクサビを本体に押し込むことで電線を把持して引き寄せる。
実開昭58-193807号公報 特許4121081号公報 実公平3-006100号公報
特許文献1,2に記載のいずれのカムアロングも、その取り付け、取り外し作業は、作業員が架空線に吊られる宙乗り機に乗って接続部(例えば碍子の先端部)より先の位置まで移動して行う必要がある。小径の架空線では、宙乗り機自体の使用が禁止されるので、これを適用することができないという問題点がある。
特許文献3に記載の自走式のカムアロングは、電線上にダンパ等の障害物があると使用できず、電源等の駆動源が必要なため、大重量化により総合的に施工性の低下を招く。また、電気設備の経年劣化が早く、故障による装置の回収困難等、電気設備の脆弱性に伴うトラブルが生じやすい問題点がある。
したがって、本発明は、宙乗り機や電動式自走機を用いることなく、鉄塔上の作業員が、遠隔操作で架空線上に取り付け、取り外しすることができ、しかも堅牢な架空線引き寄せ用カムアロングを提供し、またこれを用いて、工事期間中、架空線の張力を鉄塔に仮に支持する工法を提供することを目的とする。
以下の説明において添付図面の符号を参照するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明のカムアロング1は、把持装置2と、これに連結される操作棒3とを具備する。把持装置2は、鉄塔Tに引き留められた架空線G上の鉄塔Tから離れた位置において上下クランプ5,6間で架空線Gを把持し、チェーンブロックCのような牽引手段により鉄塔Tへ引き寄せられる。操作棒3は、把持装置2に連結され、鉄塔T上から把持装置2を遠隔操作可能に設けられる。開放した上下クランプ5,6間に架空線Gを受け入れた把持装置2を設置位置まで架空線G上を滑らせて送り出し、また引き戻し、かつ上下クランプ5,6を接近させて架空線Gを初期把持力もって仮把持し、また離反させて把持を解除する操作は、鉄塔T上からの操作棒3による遠隔操作で行われる。把持装置2は、本体4と、これに支持される上クランプ5、下クランプ6、操作レバー8、リンク機構7を具備する。上クランプ5は、架空線G上に載せ置かれ、下クランプ6との間で架空線Gを把持する下位の把持位置と、これを解放する上位の開放位置との間を相対上下動自在である。下クランプ6は、上クランプ5の下方に相対向して上クランプ5との間で架空線Gを把持する上位の把持位置と、これを解放する下位の開放位置との間を相対上下動自在である。操作レバー8は、一端側において枢軸86により本体4に上下方向に揺動自在に枢支され、他端側において操作棒3の先端に接続され、その間において圧縮ばね84を保持し、それによって、本体4に対する傾斜角度を遠隔調整可能である。リンク機構7は、一端側において牽引手段に接続され、他端側において下クランプ6に連結される。操作レバー8は、本体4に対して第1の傾斜角度において圧縮ばね84で上クランプ5を把持位置へ押下し、初期把持力をもって下クランプ6との間で架空線Gを仮把持させる。本体4は、操作レバー8を第1の傾斜角度において保持する第1の係合部451を具備する。操作レバー8は、第1の係合部451に係脱する係合部材83を具備する。係合部材83は、第1の係合部451に係合する方向に付勢され、操作ワイヤ85等の伝動手段を介して操作棒3の基端側において操作が可能である。リンク機構7は、牽引手段による牽引に伴い、下クランプ6を把持位置へ押し上げるように下クランプ6に連結され、それにより、上クランプ5との間で架空線Gを初期把持力に追加した把持力をもって把持する。
また、本発明のカムアロング1を用いた架空線Gの仮支持工法は、把持装置2の上下クランプ5,6間を開いた状態で、架空線Gを上下クランプ5、6間に取り込み、把持装置2を架空線G上に支持する第1の工程と、これに続いて、把持装置2に接続された操作棒3により、把持装置2を架空線上で滑らせて所定の設置位置まで移動させる第2の工程と、これに続いて、操作棒3を下方へ回動させることにより、操作レバー8を第1の傾斜角度位置に保持させ、圧縮ばね84で上クランプ5を把持位置へ押下し、初期把持力をもって下クランプ6との間で架空線Gを仮把持させる第3の工程と、これに続いて、リンク機構7の一端側を牽引手段により牽引することにより、下クランプ6を押し上げて上クランプ5との間で架空線Gを初期把持力に追加した把持力をもって把持しつつ、鉄塔T側へ引き寄せて仮支持し、それにより所定の工事箇所の架空線Gの張力をなくす第4の工程と、これに続いて、牽引手段による牽引を緩めることによって上下クランプ5,6間の把持力を低減させる第5の工程と、これに続いて、操作棒3の基端側において伝動手段を操作して操作レバー8の係合部材83を第1の係合部から離脱させると共に、操作棒3の基端側を上方に回動することにより、上クランプ5を開放位置へ戻し、架空線Gの把持を解き、その張力を解放する第6の工程と、これに続いて、操作棒3をたぐって把持装置2を架空線Gに沿って手元まで引き寄せ、架空線G上から取り外す第7の工程とを含む。
本発明によれば、宙乗り機や電動式自走機を用いることなく、鉄塔上の作業員が、遠隔操作で容易に架空線上に取り付け、取り外しすることができ、しかも堅牢な架空線引き寄せ用カムアロングを提供できる。また、このカムアロングを用いて架空線の仮支持作業を安全、迅速に行える。
本発明に係る架空線引き留め用カムアロングの斜視図である。 図1のカムアロングの使用状態の説明図である。 図1のカムアロングの正面図である。 図1のカムアロングにおける把持装置の正面図である。 図4におけるV-V断面図である。 図4におけるVI-VI断面図である。 図1のカムアロングにおける把持装置本体の斜視図である。 図1のカムアロングにおける上クランプの斜視図である。 図1のカムアロングにおける下クランプと押し上げレバーの斜視図である。 図1のカムアロングにおける操作レバーの斜視図である。 図1のカムアロングの動作の過程(解放)を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図1のカムアロングの動作の過程(脱線防止)を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図1のカムアロングの動作の過程(仮把持)を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。 図1のカムアロングの動作の過程(仮支持)を示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
図面を参照して本発明に係る架空線引き留め用カムアロングの実施の一形態を説明する。
カムアロング1は、例えば図2に示すように、鉄塔Tに引き留められた既設の架空線Gを張り替える等の工事において、架空線Gを碍子連Iから取り外す作業の間、架空線Gを鉄塔Tに別途仮止めして一旦張力を預ける工法を実行する際に、架空線Gの取り外し箇所より前方を把持装置2で把持し、牽引ワイヤW,チェーンブロックC等の牽引手段を介して架空線Gを鉄塔Tへ引き寄せて仮支持するために用いられ、工事終了後は架空線Gから取り外して回収される。
図1,3に示すように、カムアロング1は、把持装置2と操作棒3とを具備する。把持装置2は、鉄塔Tに引き留められた既設の架空地線等の架空線G上に配置され、架空線Gを把持して鉄塔T上のチェーンブロックC等により牽引ワイヤWを介して引き寄せられる。
操作棒3は、把持装置2に連結分離可能で、鉄塔T上からの遠隔操作で、把持装置2を架空線G上の所定の設置位置まで送り出すと共に、把持装置2に架空線Gに対する初期把持力を付与又は除去できる。
図4~6によく示すように、把持装置2は、本体4と、本体4上に相対上下動自在に支持され、架空線G上に載せ置かれる上クランプ5と、上クランプ5の下方に相対向し、リンク機構7を介して本体4上に相対上下動自在に支持される下クランプ6とを具備する。リンク機構7は、本体4上に支持され、一端側において牽引ワイヤWに接続され、他端側において下クランプ6に連結される。
上クランプ5は、操作棒3の下方回動操作に連動して揺動する操作レバー8により、本体4に対して相対的に下降することにより、下クランプ6との間で初期把持力をもって架空線Gを仮把持し、また上方回動操作により上昇して把持を解除するように設けられる。
リンク機構7は、牽引ワイヤWの牽引に伴い、下クランプ6を押し上げるように下クランプ6に連結され、それにより、上クランプ5との間で架空線Gを初期把持力に追加した把持力をもって把持するように設けられる。
図5~7に示すように、把持装置2の本体4は、架空線Gの延線直交方向の片側(後側)に架空線Gに沿うように配置される垂直平板状の支持板部41と、支持板部41の上縁から前側に、架空線G上へ直角に張り出すように設けられる水平板部42とを具備する。水平板部42の中央部に、ガイド筒部43、その延線方向前方に軸受け突片44,後方に係合突片45を具備する。係合突片45は、第1及び第2の上下2段の係合部451,452を具備する。支持板部41の後側には、リブ411が形成される。支持板部41の下部前側には、これと平行に間隔を置いてリンク支持板46が固定される。リンク支持板46は、ボルト47,48で支持板部41に固定される。ボルト47,48は、支持板部41とリンク支持板46との間にリンク機構7を枢支する。
上クランプ5は、図6,8によく示すように、支持板部41の前側に配置され、架空線G上に載せ置かれるクランプ本体51と、昇降ロッド52を具備する。昇降ロッド52は、図8によく示すように、クランプ本体51の中央から垂直に上方へ延出し、本体4のガイド筒部43を昇降自在に貫通して操作レバー8に連結される。昇降ロッド52は、ガイド筒部43から突出する上部に、軸線方向の長孔52aと、ばね受け段部52bを介して上方へ延出する小径のばね受け棒部52cを具備する。
上クランプ5には、クランプ本体51を架空線G上へ載せ置く際に、これを上クランプ5下へ導くように、クランプ本体51の下縁から前方下傾斜で延出するガイドフレーム53が設けられる。
図9によく示すように、下クランプ6は、クランプ本体61とリンク板62とを具備する。クランプ本体61は、架空線Gの下面に当接して上クランプ5との間に架空線Gを把持する。リンク板62は、クランプ本体61を前後に挟んで一対が下方へ延出し、下部において軸74で押し上げレバー72の中間部に枢着される。
図4,5,10によく示すように、パイプ状の操作レバー8は、一端側において枢軸86により本体4の軸受け突片44に上下方向に揺動自在に枢支され、他端側において操作棒3の先端に接続される。操作レバー8は、枢軸86の近傍の他端側位置に設けられた長孔8aに昇降ロッド52を上下に貫通させると共に、昇降ロッド52を押圧する圧縮ばね81を保持する。操作レバー8は、昇降ロッド52の貫通部において、長孔52aを貫通する貫通軸87により昇降ロッド52に連結される。
圧縮ばね81は、下部において貫通軸87により操作レバー8に枢支されたばねケース82内に保持され、その下端は昇降ロッド52のばね受け段部52b上に係止される。
操作レバー8は、本体の係合突片45を上下方向に貫通させる長孔8bを具備する。この長孔8bに隣接して、操作レバー8の内部に、係合突片45に係脱する係合部材83が設けられる。係合部材83は、プランジャピンで構成され、先端側が係合部451,452に係合する方向に内装ばね84で付勢され、基端側には操作ワイヤ85が係止される。操作ワイヤ85は、長孔8cから外部へ引き出され、操作棒3に沿ってその基端側まで延び、操作棒3と共に遠隔操作できるようになっている。
操作レバー8は、図13に示すように、係合部材83が係合突片45の第1の係合部451に係合する第1の傾斜角度、すなわち架空線Gとほぼ平行となる傾斜角度において保持され、圧縮ばね81で上クランプ5を把持位置へ押下する。上クランプ5は、このばね力による初期把持力をもって下クランプ6との間で架空線Gを仮把持する。
操作レバー8が、係合部材83を係合突片45の第2の係合部452に係合させて図12に示す第2の傾斜角度に保持されるとき、上クランプ5は把持位置までは下降せず、上下クランプ5,6間に架空線Gを把持することはない。この状態においては、ガイドフレーム53の先端が、下クランプ6の上面より下位にある。したがって、この状態で把持装置2を架空線G上で移動させるとき、ガイドフレーム53によって、上下クランプ5,6間の側方開放部がふさがれるので、把持装置2が架空線Gから脱線するのが防止される。
操作レバー8は、図11に示すように、第2の傾斜角度位置より大きい傾斜角度位置において係合突片45から解放されるから、傾斜角度を自由に変更してばね81を圧縮し、上下クランプ5,6間を大きく開くことができる。したがって、この状態で、把持装置2を架空線G上へ装着するときに、上下クランプ5,6間への架空線Gの受け入れが容易である。
図4,5によく示すように、リンク機構7は、本体4の支持板部41とリンク支持板46との間に支持される(図5)。リンク機構7は、牽引ワイヤWに接続される概略円弧状の牽引レバー71と、牽引レバー71が引かれるとき下クランプ6を押し上げるように回転する概略L字状の押し上げレバー72とを具備する(図4)。
牽引レバー71は、一端側において牽引ワイヤWに接続され、中間の円弧状長孔71aにおいてボルト48で本体4に枢支され、他端側において押し上げレバー72の一端に軸73で枢支される。押し上げレバー72は、中間において軸74で下クランプ6のリンク板62に枢支され、他端側においてボルト47で本体4に枢支される。牽引レバー71と下クランプ6のリンク板62との間には、引張りばね75が介設される。これにより、牽引レバー71に接続される牽引ワイヤWやチェーンブロックCなどの牽引手段の荷重のみによっては牽引レバー71が回転せず、したがって、牽引レバー71が牽引されるまで、下クランプ6が下位に保持される。
次に、本発明のカムアロング1を用いた緊線作業について説明する。図11に示すように、操作レバー8が係合突片45に係合しておらず、したがって、把持装置2の上下クランプ5,6間が開いた状態で、ガイドフレーム53を架空線Gに掛け、架空線Gを上下クランプ5,6間(上クランプ5の下)に取り込む。この状態で、装置全体が架空線G上に支持される。
次いで、図12に示すように、操作棒3を下方へ揺動回転させて、操作レバー8を係合突片45の第2の係合部452に係合させる。この間、昇降ロッド52が上クランプ本体51と共に本体4に対して下降する。クランプ本体51が架空線Gの上に乗っているので、本体4が下クランプ6と共に架空線Gに対して引き上げられ、上下クランプ5,6の間隔が縮まるが、この状態では架空線Gを把持しない。しかし、ガイドフレーム53が上下クランプ5,6間の側方開放部を閉じ、把持装置2の脱線を防止する。
この状態で、操作棒3を押しながら、把持装置2を架空線G上で滑らせて所定の位置まで移動させる。把持装置2が所定の位置に到達したら、操作棒3をさらに下方へ揺動回転させて、操作レバー8を係合突片45の第1の係合部451に係合させると、上クランプ5がさらに下降し、図13に示すように、上下クランプ5,6間に架空線Gが圧縮ばね81による初期把持力をもって仮把持される。
次いで、牽引レバー71に接続されている牽引ワイヤWをチェーンブロックCで鉄塔T側へ牽引すると、牽引力が引張りばね75のばね力を超え、押し上げレバー72が図14(A)において軸47を中心に反時計方向へ回転し、軸74を介して下クランプ6を押し上げ、架空線Gの把持力を増強しつつ、架空線Gを鉄塔T側へ引き寄せる。
以上で緊線作業が完了する。これで、工事箇所の架空線Gの張力がなくなり、所定の工事が可能となる。
所定の工事が完了したら、チェーンブロックCを緩め、上下クランプ5,6間の把持力を低減させた後、操作ワイヤ85を引いて係合部材83を第1の係合部451から外し、係合部材83が第2の係合部452に係合する角度(図12)まで操作棒3を上方回動させる。これで上クランプ6が、開放位置に上昇し、架空線Gの把持が解け、架空線Gの張力が解放される。
この状態で、操作棒3をたぐり寄せて把持装置2を鉄塔T側へ引き寄せる。この間、ガイドフレーム53が上下クランプ5,6間の側方開放部を閉じているので、把持装置2が架空線Gから脱線することがない。把持装置2を手元まで引き寄せたら、操作ワイヤ85を引いて係合部材83を第2の係合部452から外して操作レバー8を解放し、操作棒3をさらに引き上げることで上下クランプ5,6間をさらに開いて、把持装置2を架空線G上から取り外して回収する。
1 カムアロング
2 把持装置
3 操作棒
4 把持装置の本体
41 支持板部
411 リブ
42 水平板部
43 ガイド筒部
44 軸受け突片
45 係合突片
451 第1の係合部
452 第2の係合部
46 リンク支持板
47 ボルト
48 ボルト
5 上クランプ
51 上クランプ本体
52 昇降ロッド
52a 長孔
52b ばね受け段部
52c ばね受け棒
53 ガイドフレーム
6 下クランプ
61 下クランプ本体
62 リンク板
7 リンク機構
71 牽引レバー
71a 円弧状長孔
72 押し上げレバー
73 軸
74 軸
75 引張りばね
8 操作レバー
8a 長孔
8b 長孔
8c 長孔
81 圧縮ばね
82 ばねケース
83 係合部材
84 内装ばね
85 操作ワイヤ
86 枢軸
87 貫通軸
C チェーンブロック
G 架空線
I 碍子連
T 鉄塔
W 牽引ワイヤ

Claims (7)

  1. 鉄塔に引き留められた架空線上の当該鉄塔から離れた位置に配置され、当該架空線を上下クランプの間で把持し、牽引手段により前記鉄塔へ引き寄せられる把持装置と、
    前記把持装置に連結され、開放した前記上下クランプ間に前記架空線を受け入れた当該把持装置を設置位置まで前記架空線上を滑らせて送り出し、また引き戻し可能で、かつ前記上下クランプを接近させて前記架空線を初期把持力もって仮把持し、また離反させて把持を解除するように前記把持装置を鉄塔上から遠隔操作する操作棒とを具備し、
    前記把持装置は、本体と、前記架空線上に載せ置かれ前記下クランプとの間で前記架空線を把持する下位の把持位置と当該架空線を解放する上位の開放位置との間を相対上下動自在に前記本体上に支持される前記上クランプと、当該上クランプの下方に相対向して前記上クランプとの間で前記架空線を把持する上位の把持位置と当該架空線を解放する下位の開放位置との間を相対上下動自在に前記本体上に支持される前記下クランプと、一端側において枢軸により前記本体に上下方向に揺動自在に枢支され他端側において前記本体に対する傾斜角度を遠隔調整可能に前記操作棒の先端に接続されその間において圧縮ばねを保持する操作レバーと、前記本体上に支持され一端側において前記牽引手段に接続され他端側において前記下クランプに連結されるリンク機構とを具備し、
    前記操作レバーは、前記本体に対して第1の傾斜角度において前記圧縮ばねで前記上クランプを把持位置へ押下して初期把持力をもって前記下クランプとの間で前記架空線を仮把持させるように設けられ、
    前記本体は、前記操作レバーを前記第1の傾斜角度において保持する第1の係合部を具備し、
    前記操作レバーは、前記第1の係合部に係合する方向に付勢され前記操作棒の基端側において当該第1の係合部に対する係脱操作が可能な係合部材を具備し、
    前記リンク機構は、前記牽引手段による牽引に伴い前記下クランプを把持位置へ押し上げるように当該下クランプに連結され、それにより、前記上クランプとの間で前記架空線を前記初期把持力に追加した把持力をもって把持するように設けられることを特徴とする架空線引き寄せ用カムアロング。
  2. 前記上クランプは、前記本体上に延出する昇降ロッドを具備し、当該昇降ロッドは軸方向の長孔を有し、
    前記操作レバーは、軸線方向の長孔を有し、当該長孔と前記昇降ロッドの長孔を移動自在に貫通する貫通軸により当該昇降ロッドに枢着され、
    前記圧縮ばねは、前記操作レバーの前記貫通軸により当該操作レバーに結合されたばね受け部材に保持され、下端が前記昇降ロッドに当接するように設けられ、
    前記ばね受け部材は、前記操作レバーが前記第1の傾斜角度に押下されるとき、前記枢軸と共に前記昇降ロッドに対して下降し前記圧縮ばねで前記昇降ロッドと共に前記上クランプを把持位置へ押下するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の架空線引き寄せ用カムアロング。
  3. 前記本体は、前記操作レバーを前記第1の傾斜角度に保持する第1の係合部を具備し、
    前記操作レバーは、前記貫通軸を挟んで前記枢軸と反対側に、前記本体の第1の係合部に係合する方向に内装ばねで付勢された前記係合部材を具備し、
    前記係合部材は、前記操作棒に沿って当該操作棒の基端側へ延びる操作ワイヤに接続され、当該操作ワイヤの引き、戻し操作により前記本体の第1の係合部に対する係脱可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載の架空線引き寄せ用カムアロング。
  4. 前記本体は、前記架空線の延線直交方向の片側である後側に当該架空線に沿うように垂直に配置される平板状の支持板部と、当該支持板部の上部から前記架空線の延線直交方向の他側である前側に当該架空線上へ張り出すように設けられる上下方向のガイド筒部とを具備し、
    前記上クランプは、前記ガイド筒部に前記昇降ロッドを貫通させて前記支持板部の前側面に沿って上下動するように設けられ、
    前記上クランプは、当該上クランプを前記架空線上へ載せ置く際に当該架空線を当該上クランプ下へ導くように前方下傾斜で前方へ延出するガイドフレームが設けられ、
    前記本体は、前記操作レバーを前記第1の傾斜角度より大きい第2の傾斜角度に保持する第2の係合部をさらに具備し、
    前記操作レバーが前記第2の傾斜角度位置にあるとき、前記上下クランプ間に前記架空線を把持することなく、かつ前記ガイドフレームが前記上下クランプ間の側方開放部を閉鎖し、前記架空線が前記上下クランプ間から脱落するのを阻止するように、前記上下クランプと前記ガイドフレームが設けられることを特徴とする請求項2に記載の架空線引き寄せ用カムアロング。
  5. 前記操作レバーは、前記第2の傾斜角度位置より大きい傾斜角度位置にあるとき、前記本体に対する傾斜角度を自由に変更可能に設けられることを特徴とする請求項4に記載の架空線引き寄せ用カムアロング。
  6. 前記リンク機構は、前記牽引手段による牽引に伴い前記下クランプを押し上げるように回動する押し上げレバーを含み、
    前記下クランプは、前記リンク機構が前記牽引手段により牽引されるまで前記上クランプから離れた下位の開放位置に保持するように引張りばねにより下方に付勢されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の架空線引き寄せ用カムアロング。
  7. 請求項1に記載のカムアロングを用いた架空線張力の仮支持工法であって、
    前記把持装置の上下クランプ間を開いた状態で、前記架空線を当該上下クランプ間に取り込み、当該把持装置を架空線上に支持する第1の工程と、
    前記第1の工程に続いて、前記把持装置に接続された前記操作棒により、当該把持装置を架空線上で滑らせて所定の設置位置まで移動させる第2の工程と、
    前記第2の工程に続いて、前記操作棒を下方へ回動させることにより、前記操作レバーを前記第1の傾斜角度位置に保持させ、前記圧縮ばねで前記上クランプを把持位置へ押下して初期把持力をもって前記下クランプとの間で前記架空線を仮把持させる第3の工程と、
    前記第3の工程に続いて、前記リンク機構の一端側を前記牽引手段により牽引することにより、前記下クランプを押し上げて前記上クランプとの間で前記架空線を前記初期把持力に追加した把持力をもって把持しつつ、前記鉄塔側へ引き寄せて仮支持し、それにより所定の工事箇所の前記架空線の張力をなくす第4の工程と、
    前記所定の工事個所の工事完了後、前記牽引手段による牽引を緩めることによって前記上下クランプ間の把持力を低減させる第5の工程と、
    前記第5の工程に続いて、前記操作レバーの係合部材を前記第1の係合部に対して離脱操作すると共に、前記操作棒の基端側を上方に回動することにより、前記上クランプを前記開放位置へ戻し、前記架空線の把持を解くことにより張力を解放する第6の工程と、
    前記第6の工程に続いて、前記操作棒をたぐって前記把持装置を前記架空線に沿って手元まで引き寄せ、当該架空線上から取り外す第7の工程とを含むことを特徴とする架空線張力の仮支持工法。
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