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まず、図1を参照して、本形態に係るコンピュータプログラムを利用して構成されるゲームシステムの全体構成の一例を説明する。ゲームシステム1は、ゲームサーバ2と、そのゲームサーバ2と所定のネットワークNTを介して接続されることによりゲームサーバ2に対するクライアント装置として機能する複数のユーザ装置3とを含む。ゲームサーバ2は、単一の物理的なコンピュータ装置によって構成されてもよいし、複数の物理的なコンピュータ装置を組み合わせて機能される論理的なサーバ装置、例えばクラウド型のサーバ装置として設けられてもよい。ユーザ装置3もコンピュータ装置であって、例えばPC(パーソナルコンピュータの略。)、タブレット型端末装置、据置型又は携帯型のゲーム装置、スマートフォン等の情報通信端末といったユーザ用に構成された各種のコンピュータ装置がユーザ装置3として利用されてよい。なお、ユーザはユーザ装置3を操作する者を意味する概念であり、ユーザ装置3のユーザがゲームをプレイする場合にプレイヤとなる。ネットワークNTは典型的にはインターネットである。ゲームサーバ2とユーザ装置3、及びユーザ装置3間は、ネットワークNTを介して相互に通信可能である。ユーザ装置3は、本形態に係るゲーム用のコンピュータプログラムが実装されることにより、所定のゲームをユーザにプレイさせるゲーム装置として機能する。
次に、本形態のゲームシステム1によって提供されるゲームの具体例を説明する。
1.ゲームの概要
本形態に係るゲームの概要は以下の通りである。
・キャラクタ群を構成する複数のキャラクタが、プレイヤの指示に基づいて所定のフィールド内で行動する。
・キャラクタ群のうち、一のキャラクタにはターゲットの役割が、他の一のキャラクタにはキラーの役割がそれぞれ設定される。残りのキャラクタは、ターゲット及びキラーの役割のいずれも設定されないノーマルのキャラクタに区分される。
・イベント発生条件の一例として殺害発生条件が設定される。殺害発生条件は、キャラクタの行動と関連付けて設定される。殺害発生条件が成立すると、ターゲット及びキラーの役割に対応するイベントの一例として、キラーがターゲットを殺害するイベントが発生する。
・複数のプレイヤは、殺害発生条件が成立しないようにキャラクタの行動を指示する第1サイドと、殺害発生条件が成立するようにキャラクタの行動を指示する第2サイドとに区分される。
・ゲームはターン制で進行する。ターンごとにキャラクタの行動を指示する機会がプレイヤに与えられ、与えられた指示に従ってキャラクタが行動する。
・各キャラクタは、第1サイド及び第2サイドのいずれのサイドからも指示を与えて行動させることが可能であるが、一部のキャラクタに関しては例外がある。なお、プレイヤが指示を与えてキャラクタを行動させる操作を、以下ではキャラクタの操作と呼ぶことがある。
・ゲームのプレイ開始時点で、第1サイドのプレイヤにはターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるかが知らされず、第2サイドのプレイヤにはターゲット及びキラーのキャラクタが知らされる。したがって、第1サイドのプレイヤは、ターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるのか、を推定しつつ殺害が発生しないようにゲームを進めることになる。
・第1サイドのプレイヤに対して、少なくともターゲットを推定する手がかりを与えるため、第1サイドからキャラクタを行動させる場合と、第2サイドからキャラクタを行動させる場合との間で異なる制限が生じるように制御が差別化される。
・ターゲット及びキラーの推定の手がかりとなる情報を、少なくとも第1サイドのプレイヤに提供する情報提供機会が設けられる。
・最後のターンが終了するまでに殺害発生条件が成立して殺害が発生すると第2サイドが勝利となる。殺害発生条件が成立せず、殺害が発生しないまま最後のターンが終了すると、いずれのキャラクタがキラーであるかを指定する機会が第1サイドのプレイヤに与えられ、指定が正解であれば第1サイドのプレイヤが勝利となり、不正解であれば第1サイドと第2サイドは引き分けとなる。
以下、各事項について具体例を挙げつつ説明する。
2.フィールド
(1)フィールドの構成
図2は、キャラクタが行動する仮想的な場として設定されるフィールドの一例である。フィールド10は建物の屋内を模して設定される。複数のキャラクタ11は、フィールド10を移動し、探索するといった各種の行動をフィールド10内で取ることができる。フィールド10は壁12(太実線で示している。)によって複数の部屋13に仕切られる。壁12には少なくとも一つの扉14が設けられる。キャラクタ11は扉14を開いて部屋13間を行き来することができる。扉14以外の箇所で壁12を通り抜けて部屋13間を移動することはできない。部屋13や扉14の数、配置等が異なる複数のフィールド10が用意される。プレイヤは、いずれかのフィールド10を選択してゲームをプレイする。
フィールド10はさらに複数のエリア15に区分される。図2では、エリア15を破線で区別して示している。エリア15は、キャラクタ11が移動する単位として設定される。各部屋13は少なくとも一つのエリア15を含む。エリア15は一例として正方形状であるが、長方形状、六角形状等の適宜の形状に設定されてよい。各エリア15は同形同大であることを必ずしも要しない。一つのフィールド10内にて、形状や大きさが異なる複数種のエリア15が設定されてもよい。
(2)探索物
フィールド10内には、複数種類の探索物が用意される。例えば、図3に示すように、第1種の探索物としての凶器16A、第2種の探索物としての食料16B、及び第3種の探索物16Cがフィールド10の適宜の位置に設定される。以下では、各種の探索物16A~16Cを区別する必要がない場合に探索物16と表記する。凶器16Aは殺害発生条件の成否に影響するゲーム上の仮想的な物品である。食料16Bはキャラクタ11の行動に影響するゲーム上の仮想的な物品である。第3種の探索物16Cは、凶器16A及び食料16Bとは異なる影響をゲームに与えるアイテムやギミック、あるいは影響を与えない外れアイテムといった複数種類の物品を含む。キャラクタ11は、フィールド10内を移動して探索物16にアクセスし、これを探索することにより探索物16を獲得することができる。ただし、第3種の探索物16Cに含まれる外れアイテムに関しては、これを探索してもキャラクタ11は何も得られない。探索物16の数、配置はフィールド10の種類に応じて異なる。探索物16はフィールド10に対して一義的に設定され、同一のフィールド10において、プレイヤ間、あるいはキャラクタ11間で探索物16が差別化されることはない。一方、同一のフィールド10であっても、ゲームがプレイされるごとに、あるいは一又は適宜数のターンごとに探索物16の数、配置等が動的に変更されてもよい。
ゲーム画面における探索物16の表示は、第1サイド又は第2サイドの間で差別化される。例えば、第2サイドのプレイヤに対しては、全ての凶器16A、全ての食料16B、及び全ての第3種の探索物16Cが、探索物16A~16Cの種類を識別可能な態様で表示される。ただし、第3種の探索物16Cに関しては、キャラクタ11がアクセスしない限り、その中身は不明である。つまり、第3種の探索物16Cのさらなる具体的な種別までは第2サイドのプレイヤに対して明示されない。一方、第1サイドのプレイヤに対しては、全ての凶器16A、全ての食料16B、及び全ての第3種の探索物16Cの位置が示されるが、一部の食料16Bを除いて探索物16の種別は示されない。つまり、第1サイドのプレイヤは、例外的に明示される食料16Bを除き、探索物16が凶器16A、食料16B又は第3種の探索物16Cのいずれであるかをゲーム画面から直ちに判別することはできない。第1サイドのプレイヤは、一部の食料16Bを除き、探索物16の位置までキャラクタ11を移動させてこれを探索しない限り、探索物16が何であるかを知ることができない。
3.ゲーム画面
図4は、ユーザ装置3に表示されるゲーム画面の一例である。ゲーム画面100には、上述したフィールド10が適宜の視点からの3次元画像として表示される。なお、フィールド10は、ゲーム上の仮想的な場又は空間として設定される論理的な場、あるいは空間である。ゲーム画面100内の表示要素としてのフィールドは、図2等に示したフィールド10とは厳密には区別されるべきものであるが、ゲーム内容等を説明する上で両者を厳密に区別して扱う必要はない。そのため、以下では図2等の説明で使用した用語及び参照符号をゲーム画面100に関してもそのまま使用する。キャラクタ11等も同様である。
ゲーム画面100において、キャラクタ11は、フィールド10内のどの位置にいるかが把握しやすいように例えば丸印を付してフィールド10内に表示される。また、扉14、探索物16もフィールド10内に表示されるが、それらの表示対象は、その位置が分かりやすいように強調された状態でフィールド10内に表示される場合がある。フィールド10におけるエリア15の区別は、キャラクタ11の移動先を指示する場合等の一定の条件下で表示される。
ゲーム画面100には、ゲームに参加しているプレイヤの名称等を一覧形式で示すプレイヤ情報部102、プレイヤの役割を示す役割マーク103、現在の進行状況を示す進行情報部104、キャラクタ11に関する情報を提示するキャラクタ情報部105、プレイヤが操作可能なキャラクタ数、及びその指示が可能な残り時間を表示する操作情報部106、プレイヤが行動の指示を終えたことを意思表示するために操作する指示終了ボタン107が含まれる。プレイヤ情報部102では、各プレイヤが第1サイド又は第2サイドのいずれに属するかが、例えば色、模様等の表示態様の差別化を通じて示される。役割マーク103は、ゲーム画面100が表示されているユーザ装置3のユーザが、第1サイド又は第2サイドのいずれのプレイヤとしてゲームに参加しているかに応じて異なるマークが表示される。進行情報部104は、例えば現在のターンが何番目のターンであるか、残りのターン数は幾つかといったターン進行に関する情報が表示される。キャラクタ情報部105に関しては後述する。
4.キャラクタ
(1)キャラクタ群の構成
図5は、ゲームに登場するキャラクタ群の構成の一例を示す。ゲームでは、ターゲット、キラー及びノーマルの少なくとも3体のキャラクタが登場する。ターゲット、キラー及びノーマルは、殺害のイベントに関して担うべき役割が異なる。ターゲットは第1の役割であって、これを担うキャラクタを第1キャラクタの一例に、キラーは第2の役割であって、これを担うキャラクタを第2キャラクタの一例に、ノーマルは第3の役割であって、これを担うキャラクタを第3キャラクタの一例にそれぞれ区別することができる。
図5の例では、合計6体のキャラクタ11が登場人物として設定されている。キャラクタ11には、その識別のために互いに異なる外見が設定されるとともに、互いに異なるキャラクタ名が設定される。一例として、図5では、左から右に向かって”Agatha”(アガサ)、”Berkeley”(バークリー)、”Catherine”(キャサリン)、”Dorothy”(ドロシー)、”Ellery”(エラリー)及び”Freeman”(フリーマン)のキャラクタ名が設定されている。それらのキャラクタ名は、頭文字A~Fにて相互に区別可能である。図4のゲーム画面100では、各キャラクタ11を区別するための参考として、キャラクタ11が頭文字A~Fを付して表示される。
上述したように、複数のキャラクタ11のうち、いずれか1体のキャラクタ11はターゲットとして設定され、他の1体のキャラクタ11はキラーとして設定される。残りの4体のキャラクタはノーマルである。それらの設定はゲームのプレイが開始される時点で適宜に、例えばランダムに設定される。一回のゲームが終了するまでの間、ターゲット及びキラーが変更されることはない。一方、ターゲット及びキラーは、ゲームがプレイされるごとに設定される。よって、一回のゲームにおけるターゲット及びキラーの少なくとも一方と、次のゲームにおけるターゲット及びキラーの少なくとも一方とが一致する場合もあるし、いずれも一致しない場合もある。
(2)プレイヤのサイドとの関係
ゲームのプレイが開始される時点で、第1サイドのプレイヤには、ターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるかが知らされない。一方、第2サイドのプレイヤにはターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるかが知らされる。つまり、プレイヤが第1サイド及び第2サイドに区分され、かつターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるかの情報が第1サイドには知らされず、第2サイドには知らされた状態でゲームのプレイが開始される。そのような状態がゲームの基本状態の一例である。ただし、基本状態はプレイ開始時点で設定されることを必ずしも必須としない。ゲームのプレイ途中の適宜の時点で基本状態が設定され、その設定を契機として、第1サイドと第2サイドとの間で殺害の発生を巡って対戦が開始されるようにゲームの進行が制御されてもよい。
5.キャラクタの行動
フィールド内において、各キャラクタは各種の行動を取ることが可能である。プレイヤが指示可能な行動としては、図4のゲーム画面100におけるフィールド10内の移動、扉14の開閉、探索物16の探索、獲得した探索物16の使用等といった行動がある。キラーによる殺害の実行、食料16Bの摂取等も行動の一種であるが、それらの行動はプレイヤが直接的に指示する行動ではない点で、移動等のプレイヤが直接的に指示する行動とは異なる間接的な、あるいは付帯的な行動と言い得る。ただし、食料16Bの摂取等の行動も、プレイヤの指示を反映した行動と関連して一定条件下で生じるものであって、この点ではプレイヤからの指示に基づくキャラクタ11の行動、あるいはプレイヤからの指示に関連付けられた行動の一種である。
キャラクタ11の移動は、原則として、一回のターンで現在のエリア15から3エリア以内に制限される。つまり、1つのエリア15を移動の単位とすれば、一回のターンにおけるキャラクタ11の移動距離の上限は3エリアである。ただし、その上限には例外が存在する。この点は後述する。部屋13をまたぐ移動は扉14を開けて通る場合に限って可能であり、扉14の位置以外にて壁12を通り抜けて部屋13間を移動することはできない。したがって、キャラクタ11の移動距離は、壁12を避けて移動可能な経路上に存在するエリア15の個数によって特定される概念である。移動元と移動先とを直線で結んだ場合のエリア15の個数と移動距離とは必ずしも一致しない。
6.行動の指示方法
図6は、プレイヤがキャラクタ11の移動を指示する場合のゲーム画面100の表示態様の一例を示している。キャラクタ11の移動を指示する場合には、指示対象となるキャラクタ11(図6の例では”Berkeley”である。)が位置しているエリア15と、そのエリア15から移動可能な範囲内にあるエリア15とが、例えば枠線110によって明示される。現在位置から移動距離の上限である3エリア目のエリア15と他のエリア15とは、例えば枠線110の色や模様等を替えて異なる態様で表示される。それにより、プレイヤは、上限のエリア15を他のエリア15と区別して把握することができる。プレイヤは、次に移動すべきエリア15を例えばユーザ装置3のポインティングデバイス等の操作によって選択することにより、キャラクタ11の移動先を指示することが可能である。
図7は、探索物16の探索を指示する場合のゲーム画面100の表示態様の一例を示している。キャラクタ11が移動した先のエリア15に探索物16が設定されている場合、その探索物16に対応して、探索するか否かを指定するメニュー111が表示される。プレイヤがメニュー111から「探索」を選択すると、移動対象のキャラクタ11が探索物16を探索する。その探索により、キャラクタ11が凶器16Aや食料16B等を獲得する。探索物16が外れアイテムであった場合は何も得られない。各キャラクタ11が探索物16を所持(獲得)しているか否か、及び所持している場合にはその探索物16が何であるかは第1サイド及び第2サイドのプレイヤに等しく知らされる。なお、一回のターンにおける移動の指示と探索の指示とは排他的ではない。プレイヤは、行動対象のキャラクタ11及び移動先を選んで移動を指示し、かつ移動先のエリア15にて探索を指示することが可能である。ただし、キャラクタ11の行動の指示に関しては、第1サイドと第2サイドとの間で異なる制限が設定される。制限の詳細は後述する。
7.プレイヤの区分
プレイヤは第1サイド又は第2サイドのいずれか一方のサイドに属してゲームをプレイする。第1サイド及び第2サイドのそれぞれのプレイヤ数、及び一回のターンで各サイドから行動を指示できるキャラクタ数の上限は、第1サイドと第2サイドとの間で差別化される。その一例を図8に示す。同図の例では、同一のゲームに参加するプレイヤの人数(プレイヤ総数と呼ぶ。)が2名、3名、及び4名の場合における第1サイド及び第2サイドのそれぞれのプレイヤの人数と、操作可能、つまり行動を指示することが可能なキャラクタ数の上限とが差別化されている。プレイヤ人数については、プレイヤ総数の多少に関わりなく第2サイドが1名、残りが第1サイドに区分される。また、一回のターンで操作可能なキャラクタ数の上限は、プレイヤ総数の多少に関わりなく第2サイドが2体に設定される。一方、第1サイドでは、プレイヤ総数が2名の場合の上限が3体、プレイヤ総数が3名の場合の上限が4体(プレイヤ1名につき上限が2体)、プレイヤ総数が4名の場合の上限が3体(プレイヤ1名につき上限が1体)にそれぞれ設定される。
第2サイドはターゲット及びキラーが既知であり、殺害を発生させる観点からは有利な立場である。そのため、図8の例では第2サイドのプレイヤ人数が相対的に少なく設定され、かつ第2サイドが操作可能なキャラクタ数の上限も第1サイドの全体で操作可能なキャラクタ数の上限よりも小さく設定されている。ただし、図8は一例であり、ゲームに参加するプレイヤ総数、各サイドのプレイヤ人数はゲームの難易度等に応じて適宜に変更されてよい。
プレイヤは少なくとも一名が、ユーザ装置3を操作する実在のユーザであればよい。一部のプレイヤは、ユーザ装置3等のコンピュータによって生成される仮想的なプレイヤであってもよい。コンピュータはゲームの進行を制御する主体としてターゲットもキラーも判別可能であるが、ターゲット及びキラーを知らない状態でゲームをプレイする第1サイドのプレイヤを仮想的に生成し、実在のプレイヤと同様に、仮想的なプレイヤにキャラクタ11の行動を指示させることが可能である。仮想的なプレイヤは第2サイドのプレイヤとして参加してもよい。したがって、実在の1名のプレイヤが第1サイド又は第2サイドのいずれかのプレイヤとなり、仮想的なプレイヤと1対1で対戦することも可能である。
なお、ゲームに参加している各プレイヤが第1サイド又は第2サイドのいずれのサイドに区分されているかの情報は、ゲームの対戦開始時にプレイヤ間で共有されることを必ずしも要しない。各プレイヤには、少なくとも自身がいずれのサイドでプレイするかが把握できればよい。他のプレイヤが第1サイド又は第2サイドのいずれのサイドであるかが不明であってもよい。その場合、図4に示したゲーム画面100のプレイヤ情報部102には、他のプレイヤがいずれのサイドであるかを示す情報が示されない。
8.ターン制
(1)ターン構成
図9は、ゲームにおけるターン構成の一例を示している。図9の例では、ゲーム上の時間として1日目~4日目が設定される。1日目~3日目に関しては、朝、夕及び夜のそれぞれで1ターンずつ、4日目に関しては朝のみ1ターンが設定される。それにより、ゲームの一回のプレイは、ターン1~ターン10に区別されて進行する。最終のターン10までに殺害が発生しなかった場合には、最後のターンに続いて推理フェーズが発生することがある。推理フェーズは、プレイ結果を確定させるために、第1サイドのプレイヤにキラーと判断したキャラクタを指定させるフェーズである。
各回のターンは、コマンドフェーズとそれに続くアクションフェーズとに区分される。コマンドフェーズでは、所定の制限時間内(一例として180秒以内)で各プレイヤにキャラクタの行動を指示する機会が与えられる。したがって、コマンドフェーズは指示機会の一例に相当する。指示を与えるか否かは任意であり、指示しない選択も可能である。一回のコマンドフェーズにおいて、全てのキャラクタに行動が指示されることは必須ではなく、一部のキャラクタに限って行動が指示されることも許容される。コマンドフェーズでは、第1サイド及び第2サイドのそれぞれのプレイヤに対して行動を指示する機会が同時的に与えられる。コマンドフェーズの制限時間内で個々のプレイヤが行動を指示するタイミングが前後することはあっても、第1サイドが行動を指示する機会と、第2サイドが行動を指示する機会との間で時間的な先後関係が設定されるものではない。アクションフェーズは、コマンドフェーズにて与えられた指示に基づいて各キャラクタを行動させるフェーズである。したがって、アクションフェーズは行動機会の一例に相当する。コマンドフェーズにて、第1サイド及び第2サイドのいずれからも行動が指示されなかったキャラクタは、コンピュータが一定のルールで行動させてもよいし、行動しないように扱われてもよい。
(2)情報提供機会
図9に示したように、一部のターン間には情報提供機会が設定される。図9の例では、1日目~3日目のそれぞれの夜のターンと、2日目~4日目の朝のターンとの間に情報提供機会が設けられている。ただし、情報提供機会は図9の時期に限らず、ゲームのプレイ開始後、終了までの間の適宜の時期に設定されてよい。例えば、第1サイドのプレイヤの求めに応じた適宜の時期に情報提供機会が生じるものとしてもよい。プレイヤが一定の条件を満たす場合、例えば所定の上限回数内、特定のアイテムを獲得している場合に、プレイヤの求めに応じて情報提供機会を発生させてもよい。コンピュータによる抽選等を用いて定められるランダムな時期に情報提供機会が設けられてもよい。
情報提供機会は、第1サイドのプレイヤをサポートする存在として設定された仮想的なキャラクタが、ターゲット及びキラーを絞り込む手がかりとなる情報を、少なくとも第1サイドのプレイヤに提供する機会として設けられる。この種の情報を提供するキャラクタはフィールドを行動する対象となるターゲット、キラー及びノーマルのキャラクタのいずれとも異なるキャラクタであり、以下ではサポートキャラクタと称して行動対象のキャラクタと区別することがある。サポートキャラクタによる情報提供の具体例は後述する。なお、ターンの進行に関しては、原則として図9の通りであるが、殺害が発生した場合にはその時点でゲーム終了である。また、殺害が発生していない段階で第1サイドのプレイヤがキラーのターゲットを一意に特定できる状況が発生した場合には、ターンの進行に関して例外的な取り扱いがなされる。ターン進行の例外については後述する。
9.キャラクタの状態異常
キャラクタに関しては、行動の結果として状態異常が生じることがある。例えば、図10に示すように、キャラクタには、「疲労」、「空腹」及び「瀕死」の状態異常が生じることがある。「疲労」は、キャラクタの移動と関連付けて発生する状態異常である。例えば、第1サイドからの指示に従ってキャラクタが3エリアを移動した場合、そのキャラクタは「疲労」の状態異常となる。「疲労」となったキャラクタは、次のターンにて、第1サイドからは最大で2エリアしか移動させることができない。つまり、第1サイドからの指示に対応するキャラクタの移動距離の上限が2エリアに制限される。上限が制限されたターンの次のターンでは「疲労」が解消して移動距離の上限が3エリアに回復する。
一方、第2サイドからは2回のターンに亘って連続してキャラクタを3エリア移動させることができる。2回のターンで続けて3エリア移動させた場合に、その次のターンでは、「疲労」として2エリアの制限が適用されてもよいし、「疲労」を生じさせることなく、移動距離の上限が3エリアに維持されてもよい。このように、第1サイドと第2サイドとの間で、キャラクタの移動距離の上限に差が設けられているため、同一のキャラクタが2ターン連続して3エリア移動した場合には、そのキャラクタが第2サイドからの指示に従って移動したことが判明する。その事実は、後述する行動制御との組み合わせにより、第1サイドのプレイヤがターゲットの役割が設定されていないキャラクタ(ターゲット外のキャラクタ)を特定可能となる作用効果を生じさせる。
「空腹」及び「瀕死」は、キャラクタが食料を所持しているか否かと関連付けて発生する状態異常である。ゲーム中の所定の食事時期、例えば、2日目~4日目の毎朝のターン(ターン4、7、10)の開始時において、キャラクタが食料を所持していないと「空腹」の状態異常が発生する。「空腹」となったキャラクタは次のターンの移動距離の上限が1エリアに制限される。その制限は、第1サイド又は第2サイドのいずれのサイドから行動を指示する場合も等しく発生する。「瀕死」は、「空腹」の状態異常にあるキャラクタがさらに次の食事時期でも食料を所持していない場合に発生する状態異常である。「瀕死」のキャラクタは次のターンの移動距離の上限が1エリアに制限される点で「空腹」のキャラクタと同様に行動が制限される。加えて、ノーマルのキャラクタに関しては、「瀕死」か否かが殺害発生条件の成否に影響する。この点で、「瀕死」の状態異常は、「空腹」の状態異常とは異なる影響をゲームに与える。「空腹」又は「瀕死」のキャラクタが次回の食事時期までにフィールドを探索して食料を獲得すれば、次回の食事時期にキャラクタが食事を摂ったものとして、「空腹」、「瀕死」のいずれの状態異常も解消する。ただし、「瀕死」の状態異常を、一回の食事摂取で「空腹」へと変化させてもよい。
10.殺害発生条件
殺害発生条件は、キャラクタの行動と関連付けて設定される。一例として、殺害発生条件は、次の三つの要件A~Cのいずれもが満たされた場合に成立するように構成される。殺害発生条件は、ゲームのルールとして全てのプレイヤに周知される。
要件A:キラーが凶器16A(図3参照)を所持している。
要件B:フィールド10において、ターゲットとキラーが同一のエリア15に位置している。
要件C:ターゲット及びキラーが位置するエリアと同一の部屋13内に、ノーマルのキャラクタ11がいない。ただし、「瀕死」の状態異常となっているノーマルのキャラクタ11は、たとえターゲット及びキラーと同一の部屋13にいても、いないものと見做される。
要件Aは、キラーのキャラクタの探索行動と関連付けて成否が変化する要件である。すなわち、キラーが探索により凶器を獲得した場合に要件Aが成立し、凶器を獲得していない場合には要件Aが不成立となる。要件Bは、ターゲット及びキラーのそれぞれの行動と関連付けて成否が変化する要件であって、ターゲット及びキラーの位置関係に応じて成否が変化する第1の位置的要件の一例である。ターゲット及びキラーのそれぞれが同一のエリアに位置するように行動した場合に要件Bが成立し、それ以外の場合は要件Bが不成立となる。要件Cは、ノーマルのキャラクタの行動と関連付けて成否が変化する要件であって、ターゲット及びキラーとノーマルキャラクタとの間の位置関係に応じて成否が変化する第2の位置的要件の一例である。「瀕死」の状態異常は要件Cの成否に影響するが、「瀕死」の状態異常が発生するか否かは、ノーマルキャラクタが探索行動によって食料を獲得するか否かに依存する。したがって、要件Cは、ノーマルキャラクタの行動と関連付けて成否が変化する要件の一種である。
以上のように、殺害発生条件は、いずれもキャラクタの行動と関連付けて成否が変化するように定められている。したがって、第1サイドのプレイヤには、ターゲット及びキラーがいずれのキャラクタであるかを推定しつつ、殺害発生条件が成立しないようにキャラクタを行動させることが求められる。一方、第2サイドのプレイヤには、殺害発生条件が成立するようにキャラクタを行動させることが求められる。しかも、キャラクタ群には、殺害の当事者、すなわち被害者及び加害者であるターゲット及びキラーの役割を担うべき第1キャラクタ及び第2キャラクタに加え、それらの役割が設定されない第3キャラクタとしてのノーマルのキャラクタが含まれている。そして、殺害発生条件には、ターゲット及びキラーの行動と関連付けられた要件A及び要件Bに加えて、ノーマルのキャラクタの行動と関連付けられた要件Cも含まれる。したがって、プレイヤは、ターゲット及びキラーのキャラクタの行動のみならず、ノーマルのキャラクタをどのように行動させるべきか、あるいはノーマルのキャラクタがどのように行動したかも考慮して、キャラクタに与えるべき行動の指示を検討する必要がある。これにより、ゲームの戦略性が高まり、ゲームの興趣も向上する。
上述した要件A~Cは一例である。殺害発生条件は、プレイヤからの指示に応じたキャラクタの行動と関連付けられる限りにおいて、適宜の設定が可能である。つまり、第1サイド及び第2サイドのそれぞれのプレイヤがどのような指示を与えてキャラクタをどのように行動させたか、が成否に影響するように設定されている限り、殺害発生条件は適宜に構成されてよい。キラーにおける凶器の所持の有無、ターゲットとキラーとの位置関係、さらにノーマルキャラクタの位置関係、「瀕死」の状態異常の発生の有無は、それぞれのキャラクタの状態、あるいは状況を示すものであるが、それらの事項はキャラクタの行動に依存して現れる事項である。したがって、各キャラクタの状態又は状況に関連する要件は、キャラクタの行動と関連付けて成否が変化する要件の一種として位置付けられるものである。
11.キャラクタの行動順序
(1)行動順序の設定
各ターンのアクションフェーズにおけるキャラクタの行動は、予め定められた順序で実行される。図11は、図4のゲーム画面100の中央上部に表示されるキャラクタ情報部105を拡大して示すものである。キャラクタ情報部105には、各キャラクタ11の拡大画像がその行動順序において早い順に左から右へと並べて表示される。行動順序には、所定の初期状態、一例としてキャラクタ名の頭文字A~Fの順に倣った順序が設定される。その初期状態の順序は、各ターンの開始時点における各キャラクタ11の状態に応じて逐次に変更される。状態異常が発生しているキャラクタ11の行動順序は、状態異常が発生していないキャラクタ11よりも遅くなる。また、状態異常が発生しているキャラクタ11間では、その異常の程度が高いほど行動順序が遅く設定される。例えば、「疲労」、「空腹」又は「瀕死」のキャラクタ11は、それらの状態異常が発生していないキャラクタ11よりも遅い順序に変更される。また、「空腹」又は「瀕死」のキャラクタ11は「疲労」のキャラクタ11よりも移動距離の上限が小さいために状態異常の程度が高いものとして遅い行動順序となり、「瀕死」のキャラクタ11は「空腹」のキャラクタ11よりもさらに状態異常の程度が高いものとして、より遅い行動順序になるといったごとくである。キャラクタ情報部105では、各ターンのコマンドフェーズの開始時にキャラクタ11の並び順の変更が反映される。
(2)殺害発生条件との関係
アクションフェーズにおいては、キャラクタ情報部105にて示された順序に従って各キャラクタ11が行動する様子がゲーム画面100に表示される。一方、殺害発生条件の成否は、一回のターンのコマンドフェーズにて与えられた指示に基づいて、全てのキャラクタを行動させた状態、つまり全てのキャラクタの行動が完了した状態を基準として判別される。したがって、アクションフェーズの途中で一時的に殺害発生条件が成立する状況が発生しても、全ての行動が完了した時点で殺害発生条件が成立していなければ殺害は発生しない。例えば、アクションフェーズの途中で上述した要件A~Cの全てが成立する状況が生じても、その後に一部のキャラクタが要件A~Cの少なくとも一部が不成立となるように行動した場合、例えば、ターゲットがキラーとは異なるエリアに移動するといった場合、そのターンにて殺害は発生しない。
(3)行動順序の例外
キャラクタの行動順序の変更には例外が設けられる。その例外は、第2サイドからキラーのキャラクタに対して特定行動の一例としての「襲撃」が指示された場合に発生する。この場合、「襲撃」が指示されたキャラクタの行動順序が最後(キャラクタ情報部105の右端)に変更され、その変更が同一ターンのアクションフェーズの開始時にキャラクタ情報部105の表示に反映される。キャラクタ情報部105における並び順の変更は、上記の通り各ターンのコマンドフェーズの開始時に行われる。したがって、アクションフェーズの開始時点でキャラクタ情報部105における並び順が変更された場合、第1サイドのプレイヤは「襲撃」が指示されたこと、及びその指示の対象となったキャラクタがキラーであることを把握することができる。「襲撃」の具体例は後述する。
12.キャラクタの行動の制御
(1)プレイヤのサイドとキャラクタの種別
キャラクタの行動は、第1サイドから指示する場合と第2サイドから指示する場合との間で等しく制御されず、プレイヤのサイドとキャラクタとの間の指示関係の少なくとも一部において差別化して制御される。ここでいう指示関係とは、行動を指示するサイドと、指示の対象となるキャラクタとの対応関係を意味する。図12は、指示関係に応じた差別化の例を示す。なお、図12では、ターゲットのキャラクタを参照符号11Tで、キラーのキャラクタを参照符号11Kで、ノーマルのキャラクタを参照符号11Nで区別して示す。図12の例において、ターゲットのキャラクタ11Tは第1種別C1、キラー及びノーマルのキャラクタ11K、11Nは第2種別C2として区分され、第1種別C1に関しては第1サイドS1のプレイヤPLが、第2種別C2に関しては第2サイドS2のプレイヤPLが有利となるように制御が差別化される。
すなわち、第1種別C1のキャラクタ11Tに対して、第1サイドS1からは指示を与えて行動させることが可能である一方、第2サイドS2からは指示を与えて行動させることができない、という差別化が適用される。つまり、第1種別C1のキャラクタ11Tの行動に関しては、第2サイドS2に対して、指示を与えて行動させることができない制限(指示に対する所定の制限)が発生し、第1サイドS1にはそのような制限が発生しない。よって、第1種別C1のキャラクタ11Tを行動させる権限に関しては第1サイドS1が専有的である。第2サイドS2から見れば、ターゲットとなるキャラクタ11Tを自サイドからの指示によって行動させることができないことになる。この点は、殺害発生条件を成立させるべく第2サイドS2が各キャラクタ11を行動させる上での制約として作用する。なお、第1種別C1のキャラクタ11Tの行動に関し、第2サイドS2に適用される制限は、第2サイドS2から行動を指示することができないように指示それ自体を制限する態様、又は第2サイドS2から指示を与えることができても、その指示に従ってキャラクタ11Tが行動しないといったように指示が無効とされる態様のいずれによって実現されてもよい。いずれの態様も、第2サイドS2からの指示に対して制限が課される点で変わりはない。
一方、第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに関しては、第1サイドS1及び第2サイドS2のいずれからも指示を与えて行動させることが可能である。この点では、第1サイドS1と第2サイドS2との間で差はない。しかしながら、第1サイドS1からの指示と第2サイドS2からの指示とが同一のキャラクタ11に対して重複した場合には、第2サイドS2からの指示が優先される。この点で制御が差別化される。つまり、第1サイドS1に対しては、第2サイドS2からの指示と重複しないことを条件としてキャラクタ11K、11Nを行動させることが可能となるという制限があり、第2サイドS2に関しては、第1サイドS1からの指示が重複するか否かに関わりなく、自らのサイドS2からの指示に従ってキャラクタ11K、11Nを行動させることが可能である。第2種別C2に関して、第2サイドS2には、第1サイドS1における制限が発生しない。よって、第2種別C2のキャラクタ11K、11Nを行動させる権限に関しては、第2サイドS2が優先的である。以上の関係をまとめると図13の表に示す通りである。表中で、〇は制限が適用されない場合を、×は行動させることが不可能である場合を、△は第1サイドからの指示よりも第2サイドからの指示が優先される場合をそれぞれ示している。
第2サイドS2のプレイヤは、殺害発生条件を成立させるため、キラーのキャラクタ11Kに関しては、凶器16Aを獲得し、かつターゲットのキャラクタ11Tに接近するように行動させ、かつノーマルのキャラクタ11N(ただし、「瀕死」の場合は例外である。)に関してはキラーのキャラクタ11Kとは異なる部屋13に位置するように行動させる必要がある。そのような状況を作り出す上で、第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに関する上述した制限は第2サイドS2のプレイヤに有利に作用する。
一方、第1サイドS1の立場では、いずれか一のキャラクタ11に接近するように行動する傾向がある他の一のキャラクタ11が存在し、かつそれらのキャラクタ11とは別の部屋13に移動するように行動する傾向のキャラクタ11が存在することを認識できる可能性がある。第1サイドS1のプレイヤがそのような行動傾向の差を感知できれば、ターゲット又はキラーとして行動するキャラクタ11と、ノーマルとして行動するキャラクタ11とを区別して推定する手がかりが得られる。その推定に基づいて、第1サイドS1では、同一の部屋13に2体のキャラクタ11のみが位置する状態が生じないようにキャラクタ11の行動を指示して殺害発生条件の成立を防ぐことが可能となる。そのような操作に関して、ターゲットのキャラクタ11Tを第1サイドS1が専有的に行動させる取り扱いは、第1サイドS1に有利に作用する。
(2)ターゲット等の推定との関係
第1種別C1のキャラクタ11Tは第1サイドS1のみが指示を与えて行動させることが可能であり、かつ第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに関しては、両サイドS1、S2からの指示が重複した場合に第2サイドS2の指示が優先される。それらの制限が組み合わされることにより、第1サイドS1が第1種別C1と第2種別C2のキャラクタ11とを識別するためのさらなる手がかりを生じさせることができる。すなわち、第1サイドS1から見れば、第1種別C1のキャラクタ11を常に自サイドS1からの指示に従って行動させることが可能である一方、第2種別C2のキャラクタ11は第2サイドS2からの指示と重複した場合に行動させることができない。したがって、自らが指示を与えてもその通りに行動しなかったキャラクタ11がいた場合、そのキャラクタ11はターゲット外、換言すれば、少なくともキラー又はノーマルであると推定することが可能である。そのような推定が積み重ねられることにより、ターゲットのキャラクタ11Tを徐々に絞り込み、やがてはターゲットのキャラクタ11Tを確定的に判別することが可能となり得る。一方、ターゲット外であると推定したキャラクタ11の行動の傾向、例えば、いずれかのキャラクタ11に接近するような行動の傾向、あるいは他のキャラクタ11とは別の部屋13に移動する傾向がそれぞれあるか否かといった行動傾向の差を手がかりとして、キラーのキャラクタ11Kを絞り込むことが可能となる。
上述した第2種別C2に関する制限が適用されたか否かを第1サイドS1が把握するためには、少なくともターゲットのキャラクタ11Tを第2サイドS2からは行動させることができない制限、及び第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに関しては第2サイドS2の指示が優先される制限が存在すること、が第1サイドS1のプレイヤPLに認識されている必要がある。例えば、制御の差別化、つまりは制限の適用を、ゲームのルールとして各プレイヤPLに事前に知らせておけばよい。また、ゲームのプレイ中においては、両サイドS1、S2からの指示の重複が実際に発生し、その結果として第2サイドS2の指示が優先されたことを第1サイドS1のプレイヤPLが知る必要がある。そのためには、第2サイドS2の指示が優先された場合の行動が発生したことを第1サイドS1のプレイヤPLに通知するといった処理が行われてよい。ただし、第1サイドS1から指示を与えても、その指示通りにキャラクタが行動しない状態が、第2サイドS2からの指示との重複を原因とする場合に限って発生する場合には、特段の通知等を与えなくとも指示とは異なる行動の発生をもって第1サイドS1が指示の重複を認識可能である。
以上のように、第1種別C1のキャラクタ11Tに関して第2サイドS2に適用される制限、及び第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに関して第1サイドS1に適用される制限は、第1サイドS1のプレイヤPL対して、各キャラクタがターゲットに該当するか否かを判別する手がかりを与え、ターゲットのキャラクタ11Tを絞り込み、さらにはキラーのキャラクタ11Kを推定する手がかりを与えるように機能する。
ターゲット等を絞り込む手がかりを与えるための制御の差別化、あるいは制限の差別化は、図13の例に限られない。以下に幾つかの変形例を挙げる。
図14(a)は一変形例を示すものである。この例では、第1種別のキャラクタ(図13の例ではターゲットのキャラクタ11T)に対する第2サイドの制限のみが適用される。第2種別のキャラクタ(図13の例ではキラー及びノーマルのキャラクタ11K、11N)に関しては、第1サイド及び第2サイドのいずれからも行動させることが可能で、かつ両サイドからの指示が重複した場合には、例えば抽選等を利用することにより両サイドに対して公平性が維持されるようにして、いずれか一方のサイドからの指示を採用してキャラクタを行動させる(表中では◇で示す。)。その場合でも、第1種別のキャラクタに関しては第1サイドからの指示に従って行動し、第2サイドからの指示による行動が現れない一方で、第2種別のキャラクタに関してはいずれのサイドからの指示による行動が出現するという差が生じる。その差を通じて第1サイドがターゲットのキャラクタを推定する手がかりを与えることが可能である。
図14(b)は他の変形例を示す。この例では、第1種別のキャラクタ(図13の例ではキャラクタ11T)に関して第1サイドからの指示に優先権が与えられ、第2サイドは第1サイドからの指示と重複しない限りキャラクタを行動させることが可能とされる。第2種別のキャラクタ(図13の例ではキャラクタ11K、11N)に関しては、第1サイド及び第2サイドのいずれからも行動させることが可能で、かつ両サイドからの指示が重複した場合には、両サイドに対して公平性を維持しつつ一方のサイドからの指示が採用されてキャラクタ11が行動する。この例は、第2サイドにも、ターゲットのキャラクタ11Tの行動を指示できる可能性を残す点で図13、及び図14(a)の例と相違する。図14(b)の例でも、第1種別のキャラクタ11Tに関しては、第1サイドから指示が与えられた場合にその指示が必ず優先され、第2種別のキャラクタ11K、11Nに関しては、第1サイドから行動を指示してもその通りの行動が現れない場合が生じる。そのため、キャラクタがターゲットであるか、又はターゲット外であるかを推定する手がかりを第1サイドに与えることが可能である。
上記の制限のうち、表中に△で示した優先的な取り扱いの部分は、両サイドからの指示が重複した場合に、一方のサイドからの指示を必ず選択する態様に限定されない。例えば、図14(c)の変形例において、第2種別のキャラクタ11K、11Nの行動に関し、両サイドからの指示が重複した場合、第1サイドからの指示が採用される確率が第2サイドからの指示が採用される確率よりも有意に小さくなるように制限が設定されてもよい。その場合でも、第1サイドから見れば、第1種別のキャラクタ11Tに指示した行動がその通りに出現する頻度と、第2種別のキャラクタ11K、11Nに指示した行動がその通りに出現する頻度との間に有意な差が生じる。そのため、ターゲット外のキャラクタがいずれであるかを推定し、それに伴ってターゲットのキャラクタ11Tを絞り込むことが可能である。他の例においても、両サイドからの指示が重複した場合の制限が同様に設定されてよい。
なお、いずれの例においても、第1サイドに対しては、第1種別C1のキャラクタ11T、及び第2種別C2のキャラクタ11K、11Nのいずれの種別のキャラクタ11に対しても、指示を与えて行動させる可能性を担保させる必要がある。ここでいう「担保」は、いずれの種別のキャラクタについても、指示の対象として選択して行動させる可能性が完全には排除されず、少なくとも一部の機会において残されていること、つまりは指示を与えて行動させることが不可能ではないことを意味する。例えば、第1サイドにおける第1種別のキャラクタは制限なく行動させることが可能であって、その可能性は何ら排除されていない。第2種別のキャラクタに関しても第2サイドからの指示が重複しない限りにおいて、指示を与えて行動させる可能性が第1サイドに残されており、当該可能性は完全には排除されていない。言い換えれば、「担保」は、指示を与えて行動させる権限を少なくとも一部の機会にて保障することを意味する。仮に、いずれか一方の種別C1又はC2に対して第1サイドが指示を与えて行動させることが不可能となるように制限を設定すれば、行動を指示できないキャラクタ11の特定をもって直ちにキャラクタ11が第1種別C1又は第2種別C2のいずれであるかを判別し、それにより少なくともターゲットのキャラクタ11Tを確定的に判別することが可能となる。この場合にはターゲットのキャラクタ11T及びキラーのキャラクタ11Kが不明な状態でそれらを第1サイドのプレイヤが徐々に絞り込むというゲームの前提が維持できない不都合が生じる。
図8の例から明らかなように、少なくとも第1サイドには複数のプレイヤが存在することがある。その場合、同一のキャラクタに対する指示の重複がサイド間に限らず、同一サイド内でも生じることが想定される。第1サイド内での指示が重複した場合にもいずれか一の指示を採用してキャラクタの行動を定めることが必要であるが、第1サイドの各プレイヤから見れば、自らが与えた指示とは異なる行動をキャラクタが取ることとになる。そのような行動は、第2サイドからの指示との重複に起因するものなのか、同一サイドからの指示の重複に起因するものかが判別できないおそれがある。そのようなおそれを排除するためには、上述した通知、すなわち第2サイドからの指示が優先された旨の通知を第1サイドに与えることが効果的である。
各プレイヤが第1サイド又は第2サイドのいずれであるかの情報がプレイヤ間で共有される場合には、上記の通知に加えて、あるいは代えて、第1サイド内で各プレイヤがどのキャラクタの行動を指示したかの情報をゲーム画面に表示し、あるいは当該情報をチャットその他の仕組みを通じて第1サイド内のプレイヤが共有可能としてもよい。その場合には、第2サイドからの指示が優先された結果の行動であるか否かを第1サイドの各プレイヤが識別することが可能である。あるいは、第1サイド内での指示の重複を排除するように、第1サイド内の各プレイヤが指示対象のキャラクタを排他的に制御する処理が適用されてもよい。ただし、第1サイド及び第2サイドのプレイヤがそれぞれ1名の場合には、第1サイドのプレイヤが指示を与えてないキャラクタが行動したことをもって、当該キャラクタがターゲット外のキャラクタ11K、11Nであることを判別することが可能となり得る。ただし、第1サイド及び第2サイドのいずれからも指示が与えられなかったキャラクタ(以下、指示外キャラクタと呼ぶことがある。)をコンピュータが自動的に行動させる場合には、そのような行動と第2サイドからの指示に対応した行動とを区別して示す必要がある。
すなわち、一回のターンのコマンドフェーズにて指示外キャラクタが存在する場合、同一ターンのアクションフェーズにてその指示外キャラクタが行動しないように制御が実行される限りは、第1サイドのプレイヤから見て、第1サイドから行動を指示していないにも関わらず何らかの行動をとったキャラクタを、第2サイドからの指示に従って行動したキャラクタであると判別し、当該キャラクタがターゲット外であると判別することができる。しかしながら、指示外キャラクタに関し、コンピュータが何らかの制御ルールに従って自動的に行動させる場合(コンピュータが生成する仮想的なプレイヤが指示を与えて行動させる場合とは異なる。)には、その行動が第2サイドからの指示に起因するのか、コンピュータの制御によって自動的に発生したものかを第1サイドからは判別することができない。このような行動が生じると、第1サイドにおける第1種別又は第2種別の識別に差し支えが生じるおそれがある。そのような不都合を回避するためには、第2サイドからの指示による行動であるか、あるいは指示外のキャラクタのコンピュータ制御による行動であるか、を第1サイドが区別できるように第1サイドに情報を与える必要がある。第2サイドからの指示が優先された旨の通知はそのような情報の一種として機能するが、それに加えて、又は代えて、コンピュータ制御による行動である旨を第1サイドに明示し、あるいは第1サイド又は第2サイドからの指示による行動とは区別可能な特有の傾向が現れるようにコンピュータがキャラクタを行動させてもよい。
なお、指示外キャラクタをコンピュータが行動させる場合、その制御の傾向は、一例として第1サイド又は第2サイドのプレイヤからの指示に対応して現れるべき傾向、すなわち、殺害発生条件の成立を防ぐことを指向する傾向、又は成立させることを指向する傾向が現れるように設定されてもよいし、上述した特有の傾向が現れるように設定されてもよい。特有の傾向としては、例えば、キラーのキャラクタはターゲットのキャラクタに接近するように行動する傾向が生じ、キラー以外のキャラクタは探索を優先するように行動する傾向が生じるといった設定が可能である。
以上に説明したように、本形態のゲームでは、プレイヤのサイドとキャラクタの種別との間の指示関係に応じてキャラクタの行動の制御が差別化されることにより、第1サイドから与える指示がキャラクタの行動にどのように反映されるかに関して第1種別と第2種別との間で差を生じさせることができる。その差を通じて、各キャラクタがターゲットに該当する可能性の有無を判別する手がかりを第1サイドのプレイヤに与え、さらには、第1サイドのプレイヤがターゲットのキャラクタ及びキラーのキャラクタを絞り込み、ひいてはそれらのキャラクタを推定する根拠を与えることが可能である。
上記の例では、キャラクタを行動させることが可能となる条件を、プレイヤのサイドとキャラクタの種別との間の指示関係に応じて差別化したが、制御の差別化はそのような条件面での差別化に限定されない。一方のサイドからの指示に対応して現れる行動と、他方のサイドからの指示に対応して現れる行動との差によって、第1サイドのプレイヤが第1種別のキャラクタと第2種別のキャラクタとを区別する手がかりを得られる限り、適宜の態様で制御が差別化されてよい。例えば、上述したキャラクタ11の移動距離の上限に関する差別化は、第1種別と第2種別とを区別する手がかりを与えるものである。すなわち、図13の関係において、第2サイドS2のプレイヤPLは第1種別C1のキャラクタ11Tを行動させることができず、かつ、第2種別C2のキャラクタ11K、11Nは少なくとも2ターンに亘って連続して3エリア移動させることができる。したがって、第2種別C2のキャラクタ11K、11Nに対して、第1サイドS1からの指示と第2サイドS2からの指示とが重複しなくとも、2ターンに亘って連続して3エリア移動するキャラクタ11が出現すれば、第1サイドS1のプレイヤPLはそのキャラクタ11が第2種別C2であること、すなわちターゲットのキャラクタ11Tではないこと、を把握することが可能である。
(3)「襲撃」の行動について
図11の行動順序の説明で言及したように、第2サイドのプレイヤは特定行動としての「襲撃」を指示することが可能である。「襲撃」の指示の対象は、凶器16Aを所持するキラーのキャラクタに限定され、かつ移動先のエリアの指定を要しない。第2サイドのプレイヤがコマンドフェーズにて「襲撃」を指示すると、続くアクションフェーズにおけるキラーのキャラクタの行動順序が最後に変更され、キラーのキャラクタが「襲撃」の行動を特定行動として取る。「襲撃」の行動は、キラーのキャラクタが、ターゲットのキャラクタが位置するエリアに向けて自動的に移動する行動として特徴付けられる。ただし、その移動距離の上限は、第2サイドに適用される移動距離の上限がそのまま適用される。
「襲撃」が指定されたコマンドフェーズにて、ターゲットのキャラクタがキラーのキャラクタに対して3エリア内に位置していても、その後のアクションフェーズにてキャラクタが移動して、キラーのキャラクタが同一エリアに到達できず、殺害発生条件の上記要件Bが成立しない場合、あるいはキラー及びターゲットと同一の部屋内にノーマルのキャラクタ(「瀕死」の場合を除く。)が移動して要件Cが成立しない場合には、「襲撃」が発生しても殺害は発生しない。一方、第1サイドのプレイヤは、アクションフェーズの開始時におけるキャラクタ情報部105(図11)の並び順の変更を通じて、いずれのキャラクタがキラーであるかを一意に特定することが可能となる。
(4)行動から判明した事実の提示
上述したように、キャラクタの行動を通じてキャラクタがターゲット外であることが判明し、さらにはキラーのキャラクタが判明する場合がある。そこで、そのような事実が判明した場合、その事実が図11のキャラクタ情報部105を介して第1サイドのプレイヤに提示される。キャラクタ情報部105には、各キャラクタ11がターゲット又はキラーのいずれかに該当する可能性の有無を提示するための識別部120がキャラクタ11の画像と1対1に対応付けて設けられている。識別部120は、ターゲットに該当する可能性の有無を示す第1識別部120aと、キラーに該当する可能性の有無を示す第2識別部120bとをさらに含む。第1識別部120a及び第2識別部120bのそれぞれは該当の可能性がある場合と、可能性がない場合との間で表示態様が変化する。図11は、全てのキャラクタ11がターゲット又はキラーのいずれかに該当する可能性が残っている場合の表示態様の一例である。第1識別部120aにはターゲットを象徴するマークが、第2識別部120bにはキラーを象徴するマークがそれぞれ表示されることにより、ターゲットに該当する可能性、及びキラーに該当する可能性のいずれもが否定されていないことが示されている。ゲームの開始時点において、第1サイドのプレイヤはターゲットもキラーも不明であるため、それらの識別部120a、120bの表示は図11の状態である。
一方、キャラクタ11がターゲット外であることが判明すると、第1識別部120aはマークが見えない状態、一例としてブラックアウトされた状態へと表示が変化する。図15はそのように表示が変化した場合の一例を示す。図15の例は、”Agatha”のキャラクタ11に関して、第2サイドからの指示を優先した行動が生じた結果として、”Agatha”がターゲット外であることが判明し、”Agatha”に対応する第1識別部120aにて、ターゲットを象徴するマークが表示から非表示へと変化した場合を示している。「襲撃」が指示されてキラーが特定された場合には、そのキラーのキャラクタ11における第2識別部120bの表示態様をキラーのマークが見えない状態へと変化させてその事実を示すことも可能である。このように、キャラクタ情報部105は、キャラクタ11の行動に応じてターゲットに該当する可能性、又はキラーに該当する可能性が否定された場合、その事実を第1サイドのプレイヤに提示する機能も担っている。ターゲット外であるといった事実はキャラクタ11の行動を通じて把握可能であり、キャラクタ情報部105にて提示されることは必須ではない。しかしながら、そのような事実を提示する機能を設けることにより、第1サイドのプレイヤはキャラクタ11の行動を通じて得られる事実を見逃し、あるいは失念することなく、サポートキャラクタによる情報提供と合わせてターゲット及びキラーの絞り込みを着実に進めることができる。
13.サポートキャラクタによる情報提供
(1)サポートキャラクタが判別する事項
上述したように、プレイヤのサイドとキャラクタの種別との間の指示関係に応じて制御が差別化されることにより、第1サイドのプレイヤに対して、ターゲット及びキラーを絞り込む手がかりを与えることができる。これに加えて、別途の手がかりを与えるため、ゲーム中の情報提供機会(図9参照)において、サポートキャラクタから一定の情報が提供される。
サポートキャラクタの情報提供は、図2のフィールド10内にておけるキャラクタ11の位置関係に関連付けられた情報提供を含む。すなわち、サポートキャラクタは、ターゲットのキャラクタ11とキラーのキャラクタ11とが所定の距離的範囲内に位置しているか否かを判別し、その判別結果を第1サイドのプレイヤに提供する。サポートキャラクタの情報提供を制御する主体であるコンピュータは、当然ながらターゲット及びキラーがいずれのキャラクタ11であるかを把握している。しかし、その情報を第1サイドに開示すればゲームが成立しない。したがって、サポートキャラクタは、ターゲット及びキラーが所定の距離的範囲内に位置する状態が発生しているか否かを判別し、その判別結果を少なくとも第1サイドのプレイヤに通知する。以下では、この判別を位置関係の判別と称することがある。
位置関係判別の具体例は以下の通りである。まず、サポートキャラクタが判別を行うべき時期にて、図16に示すようにフィールド10内で各キャラクタ11が位置していると仮定する。なお、図16では、各キャラクタ11を頭文字A~Fにて区別して示す。図16の例において、判別対象となる距離的範囲を一のキャラクタ11から3エリア内の距離に設定すれば、各キャラクタ11に対して所定の距離的範囲内(3エリア内)に位置するキャラクタ11は図17の通りである(同図ではキャラクタを頭文字A~Fで代表する)。なお、ここでいう距離的範囲は、上述したキャラクタ11の移動距離の概念と同様に、壁12を避けて移動可能な経路上に存在するエリア15の個数によって特定される概念であって、移動元と移動先とを直線で結んだ場合のエリア15の個数とは必ずしも一致しないものとする。2体のキャラクタが同一エリア内に位置する場合も、当然に距離的範囲内の一態様である。
図16及び図17の関係にある場合において、仮に”Dorothy”(図中のD)がターゲット、”Berkeley”(図中のB)がキラーであったならば、それらのキャラクタ11は3エリア内に位置していないため、サポートキャラクタの判別結果は「いない」となる。一方、仮に”Dorothy”(図中のD)がターゲット、”Freeman”(図中のF)がキラーであったならば、それらのキャラクタ11は3エリア内に位置しているため、サポートキャラクタの判別結果は「いる」となる。サポートキャラクタはこのようにターゲットに対してキラーが3エリア内に位置しているか否かを判別し、その判別結果を少なくとも第1サイドのプレイヤに通知する。
(2)判別結果から導かれる事実
上述した位置関係の判別結果は、ターゲット及びキラーを絞り込むための新たな情報であって、上述した制御の差別化では得られない別の情報として作用する。例えば、キャラクタ11の位置関係が図16及び図17の通りであって、判別結果が「いない」であった場合、図17に示された全ての対応関係はターゲットとキラーの関係を成立させない関係であることが判明する。図17の例では、”Agatha”と、”Dorothy”及び”Freeman”との間ではターゲットとキラーとの対応関係の成立が否定される。同様に”Berkeley”と”Ellery”との間でもターゲットとキラーとの対応関係の成立が否定される。したがって、サポートキャラクタが「いない」と判別した場合には、キャラクタ間におけるターゲットとキラーとの対応関係に該当するか否かについて、図18に示す事実を導くことができる。図18は、縦方向にキャラクタ11を仮のターゲットとして並べ、横方向に各キャラクタ11を仮のキラーとして並べ、それらの間でターゲットとキラーとの対応関係に該当する可能性が否定される箇所を×印で示す。無印箇所は、サポートキャラクタの判別結果からは、ターゲットとキラーとの対応関係に該当するか否かを判別できない部分である。
一方、図16及び図17の例において、サポートキャラクタによる判別結果が「いる」であった場合、図17に示されたいずれかの対応関係がターゲットとキラーの関係を成立させる関係であることが判明する。その場合、図17に対して排反事象となる関係、つまり、一のキャラクタと、そのキャラクタから見て3エリア外に位置する他のキャラクタとの間ではターゲットとキラーとの対応関係が成立しないことになる。図16の例において、各キャラクタ11に対して3エリア以内に位置しないキャラクタ11は図19の通りであり、その関係を図18と同様にキャラクタ間の対応関係の成否で示せば図20の通りである。
このように、サポートキャラクタにて、所定の距離的範囲内にターゲットとキラーとが位置するか否かを判別すれば、その判別結果から、ターゲットとキラーとの関係が成立しないキャラクタの組み合わせが判明する。その判明した事実を、位置関係の判別結果に加えて、第1サイドのプレイヤに追加情報として提供すれば、第1サイドのプレイヤは、ターゲット及びキラーの関係が成立するキャラクタの組み合わせを正確に絞り込み、ひいてはターゲット及びキラーを正しく推定することが可能となる。なお、サポートキャラクタの判別結果、及びその判別結果から導かれる事実をプレイヤに提供する態様については後述する。
サポートキャラクタが位置関係の判別の基準に用いる距離的範囲は、3エリアに必ずしも限定されない。距離的範囲が過度に大きい場合には「いる」と判別される例が顕著に増加し、絞り込みに適した情報が提供できないおそれがある。一方、距離的範囲が過度に小さい場合には、「いない」と判別される例が顕著に増加し、「いる」と判別された場合において距離的範囲内に位置する2体のキャラクタの組み合わせが限定的となってターゲット及びキラーを必要以上に容易に特定できる可能性が生じる。距離的範囲はそのようなバランスを考慮して定めることが望ましい。
また、距離的範囲は、一回のターンにおけるキャラクタ11の移動距離の上限と必ずしも一致させることを要しない。ただし、移動距離の上限と、サポートキャラクタが判別に用いる距離的範囲とを一致させた場合には、「いる」の判別結果が殺害発生条件の成立に近い状態であること、具体的には次のターンで殺害発生条件の要件Bが満たされる可能性が比較的高まっていることを意味するものとなる。そのため、ゲームにおける緊張感を高め、あるいは予測性を高めるといった好ましい作用効果が生じ得る。なお、距離的範囲を移動距離の上限と関連付ける場合、キラーが「空腹」又は「瀕死」であってその移動距離の上限が小さく変更されている場合には、その変更後の移動距離の上限に合わせて距離的範囲を縮小してもよい。ただし、距離的範囲の縮小は、「空腹」又は「瀕死」のキャラクタがキラーであることを推定させる手がかりとなり得るため、縮小の事実を第1サイドのプレイヤに知らせるか、又は知らせないかはゲームの難易度やバランス等に鑑みて定めることが望ましい。
上記の距離的範囲は、キャラクタの移動経路に沿ったエリア数によって定まることを必ずしも要しない。例えば、各キャラクタを中心とした一定の半径の円形内を距離範囲内として設定し、その範囲内でターゲットとキラーとの組み合わせとなる関係が存在するか否かを判別してもよい。
(3)キャラクタの行動から判明する事実との総合
位置関係の判別結果から導かれる事実は、上述した制御の差別化に起因して判明する事実と総合することができる。図12及び図13に示した例では、第2種別C2に区分されるキラー及びノーマルのキャラクタ11K、11Nは、第2サイドからの指示が優先されて行動したことをもって、ターゲット外であるという事実が判明する。そのような事実が判明した場合には、図15に例示したようにキャラクタ情報部105を介して第1サイドのプレイヤに通知されるが、それとは別に、サポートキャラクタの判別結果から導かれる事実と組み合わせて、ターゲットとキラーとの対応関係の成否を示す追加情報がプレイヤに提示されてもよい。
例えば、”Agatha”のキャラクタが第2サイドからの指示で行動したことにより、”Agatha”はターゲットではないことが判明したならば、図18に示した対応関係のうち、”Agatha”を仮のターゲットとする部分に関しては、いずれのキャラクタも対応関係を否定することができる。そのような事実を反映させれば、図18の対応関係は図21に示したように変形することが可能である。なお、図21では、”Agatha”の行動からターゲットの該当性が否定された対応関係をグレーで示し、サポートキャラクタの判別によって成立が否定された対応関係の×印とは区別している。この場合、”Agatha”は既にターゲットではないことが判明しているので、”Agatha”を基準として所定の距離的範囲内にキラーが存在するか否かをサポートキャラクタが判別しても、その判別結果から新たな事実は導かれない。よって、”Agatha”を仮のターゲットとした判別は省略されてもよい。
(4)キルチェック
上述したサポートキャラクタによる位置関係の判別結果、及びこれから導かれる事実の提供とは別に、サポートキャラクタによる情報提供の一態様として、キルチェックから導かれる事実を示す情報も提供される。キルチェックは、見かけ上、殺害発生条件が成立する状況にあるにも関わらず殺害が発生しなかった状況をいうものである。サポートキャラクタはキルチェックから導かれる事実を示す情報を少なくとも第1サイドのプレイヤに提供する。
第1サイドのプレイヤはターゲットもキラーも不知のため、図2のフィールド10において、仮に2体のキャラクタ11が同一のエリア15に位置し、いずれか一方のキャラクタ11が凶器16Aを所持し、かつそれらのキャラクタ11と同一の部屋13内に他のキャラクタ11がいないか、又はいても「瀕死」の状態異常となっている場合、見かけ上は殺害発生条件の要件A~Cがすべて成立する。
しかしながら、同一エリア15に位置する2体のキャラクタ11のうち、少なくともいずれか一方がターゲットでもキラーでもない場合には要件Bが成立しない。同一エリア15に位置する2体のキャラクタ11がターゲット及びキラーであっても、ターゲットのキャラクタ11のみが凶器16Aを所持し、キラーが凶器16Aを持っていない場合には、要件Aが成立しない。そのような状況がキルチェックである。そして、キルチェックが生じた事実からは、以下の事実をさらに導くことができる。
・2体のキャラクタ11のいずれもが凶器16Aを所持しているにも関わらず殺害が発生しなかった場合には、当該2体のキャラクタ11間では、ターゲットとキラーとの対応関係が成立しない。いずれか一方のキャラクタ11がターゲット又はキラーに該当する可能性は否定されず、2体のキャラクタ11のそれぞれが、ターゲット及びキラーのいずれにも該当しない可能性も否定されない。
・2体のキャラクタ11の一方が凶器16Aを所持し、他方が凶器16Aを所持していない状態で殺害が発生しなかった場合には、凶器16Aを所持する一方のキャラクタ11をキラー、凶器16Aを所持しない他方のキャラクタ11をターゲットとする対応関係が成立しない。その場合、凶器16Aを所持するキャラクタ11がターゲットに該当する可能性、及び凶器16Aを所持しないキャラクタ11がキラーに該当する可能性の少なくとも一方の可能性は否定されない。それらの2体のキャラクタ11のそれぞれがターゲット及びキラーのいずれにも該当しない可能性も否定されない。
このようにキルチェックが生じた場合には、ターゲットとキラーとの対応関係を絞り込む手がかりとなる一定の事実を導くことができる。そこで、サポートキャラクタは、キルチェックから導かれる事実を示す情報を参考情報として第1サイドのプレイヤに提供する。例えば、凶器を所持しているキャラクタが同一エリアに位置するキャラクタに対して殺意を持たないことを通知するといった態様で、ターゲットとキラーとの対応関係が否定される組み合わせを示唆することにより参考情報が提供される。
(5)キルチェックから導かれる事実の反映
キルチェックから導かれる事実は、図18、図20、図21に例示した仮のターゲットと仮のキラーとの対応関係に反映させることができる。例えば、キルチェックとして、”Ellery”と”Agatha”とが同一エリアに位置し、”Agatha”が凶器を所持し、かつ「瀕死」ではない他のキャラクタが”Ellery”及び”Agatha”とは同じ部屋にいない状況で殺害が発生しなかった場合、”Ellery”がターゲットで、”Agatha”がキラーの関係が成立しないことが判明する。その事実を反映させれば、図21の対応関係は図22のようにさらに変形することができる。なお、図22でも、キルチェックによって否定された対応関係をグレーで示し、サポートキャラクタの判別によって成立が否定された対応関係の×印とは区別している。
(6)情報提供の具体例
図23は、上述した位置関係の判別結果、及びその判別結果と既に判明している事実とから導かれる事実をプレイヤに通知するための情報提供画面の一例を示している。図23の情報提供画面130は、サポートキャラクタが情報を通知する様子を示す第1情報部131と、キャラクタ11間におけるターゲットとキラーとの対応関係の成否に関して判明した事実を示す第2情報部132とを含む。
第1情報部131には、サポートキャラクタ133の画像とともに、そのサポートキャラクタ133から提供すべき情報を文章形式で表現したセリフ部134が設けられる。セリフ部134には、上記の位置関係の判別結果が、例えば、「いない」の判別結果であれば、「ターゲットの3エリア以内にキラーはいない。」といった文章で、「いる」の場合は「ターゲットの3エリア以内にキラーがいる。」といった文章で示される。
セリフ部134には、さらに上記の追加情報も文章形式で表示される。すなわち、キャラクタ間にてターゲットとキラーとの対応関係が否定されていること、又は成立する可能性が残っていることを示す文章がセリフ部134に表示される。例えば、対応関係の成立が否定される組み合わせが図22のごとく判明している場合、上述した位置関係の判別結果を示す文章に続けて、「つまり、考えられるのは以下のケースだ。」と前置きした上で、図24に示すように、「Berkeleyを狙えるキラー候補は4人、Agatha、Catherine、Dorothy、Freemanだ。」といったごとく、いずれか一のキャラクタをターゲットと仮定したときに、そのキャラクタに対してキラーとなり得る可能性がまだ否定されていないキャラクタを知らせる文章が表示される。図24のセリフ部134に表示される文章は、図22において、”Berkley”を仮のターゲットした場合、キラーに該当する可能性が否定されていないキャラクタ(空欄となっているキャラクタ)をそれぞれの名称で通知するものである。
図24のセリフ部134の文章形式による情報提供は、”Catherine”以下の各キャラクタについても、ターゲットと仮定した場合にキラーとなり得るキャラクタの名称を順次示すようにして続行される。なお、図24の例では、ターゲットとキラーにそれぞれ該当する可能性が残っているキャラクタの組み合わせを明示するようにセリフ部134の文章が構成される。したがって、既に該当の可能性が否定されている組み合わせについてはセリフ部134の表示対象とならない。図22の例では”Agatha”を仮のターゲットした場合、キラーに該当する可能性があるキャラクタは存在しない。したがって、”Agatha”をターゲットと仮定した場合の文章は表示されない。キラーチェックによってターゲットとキラーとの対応関係に該当する可能性が否定されている組み合わせに関しても、セリフ部134の表示対象とならない。
セリフ部134の文章は、ターゲットとキラーとの対応関係に該当する可能性が否定されている組み合わせをプレイヤに通知するように構成されてもよい。その場合、図22の例におけるグレー部分、すなわち、”Agatha”を仮のターゲットした場合における他の全てのキャラクタとの対応関係、”Ellery”を仮のターゲットした場合における”Agatha”との対応関係、については、セリフ部134にて通知する対象に含まれてもよいし、省略されてもよい。
図23に戻って、第2情報部132は、図21及び図22に例示したキャラクタ間の対応関係を可視化して示すものである。すなわち、第2情報部132には、”Agatha”から”Freeman”までの6体のキャラクタ11のそれぞれを左端に配置し、他のキャラクタ11を左右に並べた6つのキャラクタ列135A~135F(参照符号135で代表することがある。)が設けられる。キャラクタ列135A~135Fの添え字A~Fは、左端に配置されるキャラクタ11の名称の頭文字に対応する。一つのキャラクタ列135は、図21又は図22の表中の一行に対応する。例えば、”Berkeley”を仮のターゲットする行は、キャラクタ列135Bに対応するといったごとくである。そして、各キャラクタ列135においては、ターゲットとキラーとの組み合わせに該当する可能性が否定されたキャラクタ11に×印が付され、かつグレーアウト等の手法を用いて目立たないように表示態様が変更される。また、キャラクタ11の行動、あるいはキルチェックからキラーに該当する可能性が否定されたキャラクタ11に関してはグレーアウト等の手法を用いて目立たないように表示態様が変更されるが、×印は付されない。それらの表示態様は、図21、図22の表中の表現に対応する。
第2情報部132が上記のように表示されることにより、プレイヤは、図21、図22に例示したような事実関係、すなわち各キャラタ11がターゲットであると仮定した場合に、キラーとなる可能性が既に否定されているキャラクタ11を判別し、各キャラクタ列135にて明部として残されている部分のいずれかにターゲット及びキラーの組み合わせが存在するものして、ターゲット及びキラーを絞り込むことが可能である。なお、第2情報部132にて明部として残されている関係は、第1情報部131のセリフ部134に表示される文章にて明かされる関係と一致する。
以上に示した情報提供画面130は、図9に例示した情報提供機会にて、サポートキャラクタ133から提供される情報の少なくとも一部として表示される。ただし、情報提供に加えて、例えば、第1サイドのプレイヤの求めに応じたタイミング等の適宜の時期に情報提供画面130を表示可能とすることにより、プレイヤが必要に応じて情報提供画面130を参照できるようにしてもよい。情報提供機会を、図9に示した時期に限らず、第1サイドのプレイヤの求め等に応じた適宜の時期に発生させる場合には、その時期におけるサポートキャラクラ133の位置関係の判別とその判別結果から導かれる事実、及びそれまでに判明している事実を示すように情報提供画面130が表示されてよい。さらに、その後の適宜の時期に情報提供画面130を再び参照できるようにしてもよい。
図25は、キルチェックが発生した場合において、その事実から導かれる事実をサポートキャラクタがプレイヤに提供する場合に表示される情報提供画面140の一例を示している。情報提供画面140は、サポートキャラクタ133の画像とセリフ部141とを含む点で情報提供画面130における第1情報部131と同様である。ただし、セリフ部141には、キルチェックから導かれる事実を記述した情報が文章形式で表示される。例えば、キルチェックの説明で挙げた例、すなわち”Ellery”と”Agatha”とが同一エリアに位置し、”Agatha”が凶器を所持し、かつ「瀕死」ではない他のキャラクタが”Ellery”及び”Agatha”とは同じ部屋にいない状況で殺害が発生しなかった場合、「AgathaにはElleryに対する殺意がない。」といった文章をセリフ部141に表示することにより、”Ellery”がターゲットで、”Agatha”がキラーの関係が成立しない事実(図22のグレー部分に相当。)が判明したことをプレイヤに示してもよい。
キルチェックは、図9に示した情報提供機会とは異なり、各ターンのアクションフェーズ中に生じ得るものである。したがって、キルチェックに対応した情報提供画面140は、そのキルチェックが生じたアクションフェーズにて表示されることが望ましい。ただし、情報提供画面130と同様に、表示済みの情報提供画面140をプレイヤからの求めに応じた時期等に再び参照できるようにしてもよい。また、キルチェックから導かれる事実に関しては、図23に示した情報提供画面130にも反映されることにより、情報提供機会にて提供される情報の一部としても位置付けることが可能である。また、図15に示したキャラクタ情報部105の識別部120におけるターゲット及びキラーの該当性の表示は、ターゲット及びキラーを絞り込むための手がかりとなる情報の一種を伝える点で、ゲームにおける情報提供の一態様に相当する。
情報提供画面130では、全てのキャラクタを仮のターゲットした場合に、他のキャラクタがキラーである可能性の有無を示すものであるが、その表示対象は全てのキャラクタを対象とすることを必ずしも要しない。例えば、第1サイドのプレイヤが仮のターゲットを指定し、指定された仮のターゲットに対してキラーとなる可能性の有無のみを情報提供画面130に表示させてもよい。その場合、サポートキャラクタによる判別は、全てのキャラクタを対象とするものであってもよいし、仮のターゲットとして指定されたキャラクタを基準として3エリア以内にキラーがいるか否かのみを判別するものであってもよい。このような措置は、第1サイドのプレイヤがターゲット及びキラーをある程度絞り込んだ段階で、疑わしい組み合わせに関してのみターゲットとキラーとの関係に該当する可能性があるか否かを確認したい場合、あるいは多数のキャラクタがフィールドにいる場合において、全てのキャラクタを対象として情報提供画面130を表示すると、得られる情報量が多すぎて却って絞り込みに混乱が生じるおそれがある場合等に、判別対象又は表示対象を一部に限定することが第1サイドのプレイヤにとって有利に作用し得る。
図9に例示したように、一回のゲームにて複数の情報提供機会が発生することがある。この場合、フィールド内における各キャラクタの位置関係及び状態異常の有無が情報提供機会間で異なるため、前回の情報提供機会にてターゲット及びキラーの組み合わせに該当する可能性が否定されなかった関係(図21、図22にて空白となる部分の関係)が、今回の情報提供機会ではターゲット及びキラーの組み合わせに該当する可能性が否定され、それにより、ターゲット及びキラーを絞り込む手がかりとなる新たな情報が得られることがある。一方、前回の情報提供機会にてターゲット及びキラーの組み合わせに該当する可能性が否定された関係(図21、図22にて×印が付される部分の関係)が、今回の情報提供機会ではターゲット及びキラーの組み合わせに該当する可能性が否定できない場合も生じ得る。このため、各回の情報提供機会にて単独で得られる事実のみを情報提供画面130にて表示する場合には、以前に得られていた事実、すなわち、ターゲットとキラーとの組み合わせに該当する可能性が否定される事実をプレイヤが失念するおそれがある。このような不都合を回避するためには、前回までに得られていた事実に対して、今回の情報提供機会にて新たに得られた事実を追加するように情報提供画面130が生成されることが望ましい。ただし、情報提供画面130は各回の情報提供機会にて得られた事実を示すものとし、前回以前に得られた事実は、過去の情報提供画面130として別に参照可能とするか、あくまでプレイヤの記憶に委ねるものとしてもよい。
情報提供画面130、140による情報提供の対象は、ターゲット及びキラーの絞り込みを支援する観点からは、少なくとも第1サイドのプレイヤであればよい。第2サイドのプレイヤに関しては、ターゲットもキラーも既知であるため、情報提供画面130、140を表示することは必ずしも必要ではない。一方、第2サイドのプレイヤに対しても情報提供画面130、140の少なくとも一部が表示されてもよい。第2サイドのプレイヤにとって、情報提供画面130、140から得られる情報は、第1サイドによるターゲット及びキラーの絞り込みがどの程度進んでいるかを把握する手がかりとして利用することができる。したがって、第2サイドのプレイヤが、第1サイドによる絞り込みの程度を考慮してキラー及びノーマルのキャラクタの行動を検討することが可能となり、第2サイドにとってもゲームの戦略性、娯楽性が高まる。
情報提供画面130、140を通じて提供される情報のうち、サポートキャラクタの位置関係の判別結果、すなわち「いる」又は「いない」の判別結果を除く情報は、いずれもキャラクタの行動との関連で判明する事実、又は判明した事実を突き合わせることにより確定的に導かれる事実であって、情報提供画面130、140を介して提供されなくともプレイヤが把握することが可能である。しかしながら、単独の事象から判明する事実、例えば第2サイドからの指示が優先されて行動したキャラクタが発生した場合、当該キャラタがターゲット外であるという事実は比較的容易かつ明確に把握できるが、複数の事実が積み重なるに従って、それらの事実を総合して新たな事実を導き出すことの難易度が徐々に高まり、ひいてはゲームの興趣が損なわれるおそれがある。情報提供画面130、140を通じて適宜に情報を提供すれば、ゲームの難易度を適度に調整してゲームの興趣を適切に維持することが可能である。なお、プレイヤがゲームに習熟するに従って、情報提供画面130、140による情報提供の少なくとも一部が省略されても、ターゲット及びキラーを正確に絞り込むスキルをプレイヤが獲得し、それに伴ってゲームの難易度が相対的に低下するおそれもある。したがって、情報提供の程度、例えば情報提供機会の回数、一回の情報提供機会で情報提供の対象となるキャラクタの範囲等を、ゲームの難易度設定、プレイヤの希望等に応じて適宜に変化させてもよい。
14.ターン進行の例外
上述したように、ゲームの勝敗は、殺害発生の有無、及び殺害が発生しない場合の第1サイドによるキラーの特定の成否によって分かれる。そのため、第1サイドがキラーを一意に特定できる状況が生じると、その後のゲームの進行はキラーが不明な場合の進行とは異質なものとなり得る。例えば、第1サイドがキラーのキャラクタを特定できれば、そのキャラクタと同一のエリアに他のキャラクタがいないように、あるいはキラーのキャラクタと同一の部屋に「瀕死」以外のキャラクタがいるようにキャラクタを行動させれば殺害発生を防ぐことが可能であり、ゲームの難易度が明らかに低下する。
キラーがいずれのキャラクタであるかは、ゲームのプレイ開始時点では第1サイドのプレイヤに知らされない。しかしながら、ゲームの進行状況によっては、キラーのキャラクタを一意に特定可能となる場合がある。例えば、「襲撃」が発生した場合にはキラーが判明する。あるいは、6体のキャラクタのうち、5体のキャラクタに関して第2サイドからの指示が優先された行動、あるいは2ターンに亘って連続した3エリアの移動が生じれば、残りの1体のキャラクタがターゲットであることが確定する。そして、サポートキャラクタによる位置関係の判別結果と、その判別結果から導かれる事実、あるいはキルチェックから導かれる事実とから、ターゲットとキラーとの対応関係に該当する可能性が否定される組み合わせが増加すれば、いずれはターゲットとキラーとの対応関係に該当する可能性が絞り込まれ、ターゲット外であると判明している事実との突き合わせによって、論理的にキラーが一意に特定される場合がある。
そこで、キラーが特定される状況が発生した場合には、図9に示したターン構成の例外として、次のターンが1回限りの特別ターンとして設定される。例えば、ターン10よりも前のターンにてそのような状況が発生した場合には、その時点で何ターン目であるかに関わりなく、未消化のいずれかのターンを特別ターンとして設定してよい。ターン10にてそのような状況が発生した場合には、例外として、ターン11が追加されてそれが特別ターンとされてよい。そのような特別ターンは、第2サイドに殺害発生に向けての一回限りの最終的な行動指示の機会を与えるものである。第1サイドのプレイヤは、判明したキラーに対して殺害発生条件が成立しないように他のキャラクタを行動させればよい。
15.プレイ結果の確定
一回のゲームにおけるプレイ結果は、殺害が発生したか否かに応じてその確定時期が異なる。最終ターンが終了するまでに殺害が発生した場合には、その発生したターンにてゲームが終了し、第2サイドのプレイヤの勝利、第1サイドのプレイヤの敗北としてプレイ結果が確定する。この場合、第1サイドに複数のプレイヤが区分されていても、それらのプレイヤに対して合一に敗北の結果が確定する。なお、最終ターンは図9のターン10であるが、上述したように「襲撃」が発生した場合には特別ターンが最終ターンとなる。
一方、最終ターンが終了するまでに殺害が発生しなかった場合には、図9に示した推理フェーズへとゲームが進む。推理フェーズでは、6体のキャラクタからキラーと判断した1体のキャラクタを第1サイドのプレイヤに指定させる機会が提供される。その機会は、例えば、6体のキャラクタを画面に一覧形式で表示し、キラーと判断した1体のキャラクタをプレイヤに選択させるといった体裁で実現される。第1サイドに複数のプレイヤがいる場合にはプレイヤごとに個別にキラー指定の機会が与えられる。キラーを正しく指定した第1プレイヤは第2サイドのプレイヤに対して勝利したものとしてプレイ結果が確定する。キラーを誤って指定した第1プレイヤは第2サイドのプレイヤに対して引き分けとしてプレイ結果が確定する。第1サイドに複数のプレイヤがいる場合、プレイ結果は第1サイドのプレイヤごとに確定する。したがって、第1サイド内において、勝利となるプレイヤと、引き分けとなるプレイヤとが混在する場合がある。第2サイドに複数のプレイヤがいる場合、それらのプレイヤのプレイ結果は、第1サイドのプレイヤごとに合一に確定する。なお、「襲撃」が発生し、最終ターンにて殺害が発生しなかった場合は、上述したようにキラーのキャラクタが第1サイドにおいて判明する。その場合、推理フェーズにて第1サイドのプレイヤにキラーを指定させてもよいが、推理フェーズを省略し、最終ターンの終了をもって第1サイドの全てのプレイヤが勝利としてプレイ結果を確定させてよい。
次に、図26~図33を参照して、上述したゲームを実現するためのユーザ装置3の制御系及びその処理について説明する。
1.制御系の構成
図26は、上述したゲームを実現するためのユーザ装置3における制御系の概略構成を示す。ユーザ装置3には、制御ユニット30及び記憶ユニット31が設けられている。制御ユニット30はCPU及びその動作に必要な内部記憶装置、例えばキャッシュメモリ、RAM、フレームメモリ等を含んだコンピュータとして構成されている。記憶ユニット31は制御ユニット30に対する外部記憶装置として機能する磁気記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体を用いた記憶装置である。制御ユニット30には、ユーザの操作を検出し、検出結果に応じた操作信号を出力する入力装置32と、ゲーム画面等を表示するための表示装置33とが接続される。その他にも、制御ユニット30には、音を出力するためのスピーカユニット、ゲームサーバ2等との通信を制御するための通信制御ユニット等も接続されるが、それらの図示は省略した。
記憶ユニット31には、ゲームプログラムPg、ゲームデータDg、及びプレイデータDpが記録される。ゲームプログラムPgは、制御ユニット30の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット30に実行させるためのアプリケーションプログラムである。ゲームプログラムPgには、上述したゲームを制御するために必要な各種の情報、例えばターン構成、殺害発生条件、プレイヤのサイドとキャラクタの種別との間の指示関係に応じた制限の設定等が記述される。
ゲームデータDgは、ゲームの制御において適宜に参照されるべきデータである。ゲームデータDgは、一例として、各種のフィールドの構成を記述したフィールドデータDg1を含む。プレイデータDpは、ユーザ装置3のユーザによるゲームのプレイと関連付けられたユーザごとのデータである。例えば、ユーザのプレイ履歴、ステータスといった情報がプレイデータDpに記述される。
上述したプログラムPg、及びゲームデータDgは、ゲームサーバ2からユーザ装置3に適宜に配信されて記憶ユニット31に保存される。プレイデータDpは、ユーザ装置3におけるゲームのプレイに応じて適宜に更新され、かつ適宜のタイミングでゲームサーバ2にユーザの識別情報と対応付けて保存される。また、ユーザがゲームをプレイする際にゲームサーバ2に対して認証を済ませると、そのユーザに対応するプレイデータDpがゲームサーバ2からユーザ装置3に提供されて記憶ユニット31に保存される。
制御ユニット30がゲームプログラムPgを実行することにより、制御ユニット30にはゲーム制御部35が設けられる。ゲーム制御部35は、制御ユニット30のコンピュータハードウエアと、ソフトウエアとしてのゲームプログラムPgとが協働して実現される論理的装置である。ゲーム制御部35は、上述したゲームを所定の手順に従って進行させるために必要な各種の処理、例えば対戦の基本状態の設定、プレイヤからの指示に応じたキャラクタの行動制御、殺害発生条件の成否の判別、サポートキャラクタによって提供すべき情報の生成といった各種の演算処理を実行する。ゲーム制御部35はゲームの進行状況を判別するためのステータスデータDsを生成してこれを制御ユニット30の内部記憶装置に保持させ、ゲームの進行に伴ってステータスデータDsを適宜に更新する。ステータスデータDsは、例えば図2のフィールド10における各キャラクタ11の位置、キャラクタ11の状態(状態異常の有無を含む。)、ゲームの進行に伴って判明した事実を示す情報(上述した追加情報や参考情報)等の各種の情報を含む。
2.制御系の処理
次に、図27~図33を参照して、上述したゲームをプレイさせるためにゲーム制御部35が実行する各種の処理を説明する。なお、以下の処理は、キャラクタの行動の制御に関して、図13の例に従って制限が設定される場合の例である。ゲームを制御する主体となるコンピュータは、ユーザ装置3の制御ユニット30に必ずしも限定されず、少なくとも一部の処理がゲームサーバ2にて実行されてもよいし、同一ゲームに参加する複数のプレイヤのユーザ装置3が適宜に分担してもよく、その他にも適宜のコンピュータにて実行されてよい。以下では、同一のゲームに参加するプレイヤのそれぞれのユーザ装置3が、各プレイヤの操作情報を交換しつつ、相互に並行してゲームを制御する場合を例として説明する。
(1)ターン開始までの処理
図27は、ゲーム制御部35がゲームの全体的な進行を制御するために実行するゲーム制御処理の手順の一例を示す。ゲームプログラムPgに従ってゲームの処理が開始されると、ゲーム制御部35は所定の環境設定、ユーザの認証等の処理を実行し、その後、ゲームのプレイを受け付ける状態となる。ユーザ装置3のユーザ(プレイヤ)からゲームのプレイ開始が指示されると、ゲーム制御部35は図27のゲーム制御処理を開始する。ゲーム制御処理において、まずゲーム制御部35はプレイヤに第1サイド又は第2サイドのいずれでプレイするかを選択させる(ステップS101)。ゲームの難易度、プレイを希望するフィールド等の選択肢に関してもプレイヤの希望を取得してもよい。ただし、いずれのサイドでプレイするかをプレイヤに選択させることなく、あるいはプレイヤの選択を考慮しつつゲーム制御部35が主体的に決定してもよい。
続いて、ゲーム制御部35はゲームサーバ2に対してマッチングを要求し、マッチング結果を取得する(ステップS102)。マッチングに関しては一般的なゲームと同様でよい。マッチング結果を受け取ると、ゲーム制御部35は、同一のプレイに参加する全てのプレイヤのユーザ装置3との間の通信を確立し、ユーザ装置3間における情報共有を可能とする。なお、ユーザ装置3間の通信はゲームサーバ2を経由したものであってもよいし、ゲームサーバ2を経由しない直接的な通信であってもよい。なお、マッチングされたプレイヤ人数によっては、同一のゲームに参加するプレイヤのいずれか一のユーザ装置3にて仮想的なプレイヤを生成し、その操作情報を同一のユーザ装置3にて生成して他のユーザ装置3に通知してもよい。ユーザ装置3の実在のユーザが他のユーザ装置3の実在のユーザとの対戦を希望しない場合には、ステップS102のマッチング処理に代えて、ユーザ装置3が対戦相手としての仮想的なプレイヤを生成してもよい。
続いて、ゲーム制御部35は、今回のゲームにてターゲット及びキラーの役割を担うべきキャラクタを設定する(ステップS103)。ターゲット及びキラーのキャラクタは、同一のゲームに参加するプレイヤ間で合一に定まるべき事項である。したがって、複数のユーザ装置3間でゲームがプレイされる場合には、それらのユーザ装置3のうち、いずれか一のユーザ装置3のゲーム制御部35にてターゲット及びキラーを決定し、その情報を他のユーザ装置3に通知してもよい。
ターゲット及びキラーが設定されると、ゲーム制御部35は第2サイドのプレイヤに対して、ターゲット及びキラーとして設定されたキャラクタを通知する(ステップS104)。ただし、ユーザ装置3を操作するプレイヤがステップS101にて選択したサイドが第1サイドであった場合には、ステップS104の処理は省略される。その後、ゲーム制御部35は、現在のターン番号として1を指定する(ステップS105)。続いて、ゲーム制御部35は現在のターンにおけるコマンドフェーズの処理及びアクションフェーズの処理を順次実行し(ステップS106、S107)、アクションフェーズの処理が終了すると図28の処理へと移る。図28は、一回のターンにおけるアクションフェーズの結果に対する処理である。以下では、図28の処理に先立って、コマンドフェーズ及びアクションフェーズの処理を順に説明する。
(2)コマンドフェーズの処理
図29は、図27のステップS106のサブルーチン処理として実行されるコマンドフェーズ処理の手順の一例を示している。コマンドフェーズの処理は、各プレイヤからのキャラクタの行動の指示を取得する処理である。コマンドフェーズの処理が開始されると、ゲーム制御部35は、まずステータスデータDs(図26)に記録されている情報に従って、キャラクタ11の位置や状態等に関する表示を更新(ステップS201)。この処理では、キャラクタ情報部105(図11及び図15)におけるキャラクタ11の並び順も今回のターンにおける行動順序に従って更新される。
続いて、ゲーム制御部35は、コマンドフェーズの制限時間に関する計時を開始し(ステップS202)、その後、コマンドフェーズの終了か否かを判別する(ステップS203)。この処理では、制限時間が経過した場合、又は全てのプレイヤが指示終了ボタン107(図4)を操作していれば、コマンドフェーズが終了と判断され、それ以外の場合は終了していないと判断される。
コマンドフェーズが終了していないと判断された場合、ゲーム制御部35は、自機のプレイヤが指示終了ボタン107を操作して終了を指示したか否かを判別する(ステップS204)。終了が指示されていない場合、ゲーム制御部35は、自機のプレイヤが行動を指示したキャラクタ数が上限内か否かを判別し(ステップS205)、上限内であれば行動の指示の対象となるキャラクタを選択させる(ステップS206)。ただし、プレイヤが第2サイドである場合、ターゲットのキャラクタが選択不可能となるように選択範囲が制限される。第1サイドのプレイヤに対してはそのような制限が発生しない。したがって、第2サイドのプレイヤからはターゲットのキャラクタに指示を与えて行動させることが不可能であり、その一方、第1サイドのプレイヤはターゲットのキャラクタを行動させることが可能である。続いて、ゲーム制御部35はプレイヤが選択したキャラクタが移動可能な範囲のエリアを、例えば図6に示したように表示する(ステップS207)。なお、「疲労」、「空腹」又は「瀕死」の状態異常が生じて移動範囲が小さく制限されているキャラクタの場合は、その制限に沿った範囲が表示される。
続いて、ゲーム制御部35はプレイヤに移動先のエリアを指示させる(ステップS208)。同一エリアを移動先として指示すること、つまりは移動しない選択も指示可能とされてよい。さらに、ゲーム制御部35は、プレイヤが指示対象として選択しているキャラクタに関して、追加の行動が可能か否かを判別し(ステップS209)、可能であればプレイヤに行動を指示させてこれを取得する(ステップS210)。例えば、図7に示すようにメニュー111が表示されて探索等の行動が追加で指示可能とされてよい。ステップS210の処理後はステップS203へと処理が戻され、コマンドフェーズが終了と判断されるまではステップS204以下の処理が繰り返される。
ステップS204にて終了が指示されていると判断された場合、ゲーム制御部35はステップS205以下の処理をスキップしてステップS203に戻る。なお、終了が指示された場合、ゲーム制御部35は同一のゲームに参加している他のプレイヤのユーザ装置3に対してもその旨を通知する。他のユーザ装置3におけるステップS203の処理に必要なためである。ステップS205にてキャラクタ数が上限であると判断された場合、ゲーム制御部35は、指示可能なキャラクタ数が上限に達していることをプレイヤに通知する(ステップS221)。続いて、ゲーム制御部35は、プレイヤに対して、いずれかのキャラクタへの指示を解除して別のキャラクタへの指示を可能とする機会を与え(ステップS222)、その後にステップS203に戻る。
ステップS203にてコマンドフェーズの終了が判断された場合、ゲーム制御部35は他のユーザ装置3のゲーム制御部35との間で各プレイヤが与えた指示の情報を交換し、それにより、今回のコマンドフェーズにて全てのプレイヤが与えた指示を取得する(ステップS231)。以上によりゲーム制御部35はコマンドフェーズの処理を終える。なお、ユーザ装置3間におけるプレイヤの指示の共有は、図29の処理中に随時行われてもよい。例えば、コマンドフェーズ中において同一サイドのプレイヤ間で指示を共有する場合には、各プレイヤから指示が与えられる都度、ユーザ装置3間で情報が交換されてもよい。
(3)アクションフェーズの処理
図30~図32は、図27のステップS107のサブルーチン処理として実行されるアクションフェーズ処理の手順の一例を示している。アクションフェーズの処理は、コマンドフェーズにて取得された各プレイヤからのキャラクタの指示に基づいてキャラクタの行動等を演算し、その演算結果に従ってゲームが進行する様子をゲーム画面100に表示する処理である。図30及び図31は、主としてゲーム制御部35による演算処理の手順を示し、図32は主として処理結果をゲーム画面100に反映させる手順を示している。図30以下の処理は、図29の処理の終了後、ゲーム制御部35の内部処理として直ちに開始されてよい。プレイヤには、図32の処理によってアクションフェーズにおけるゲーム画像が示される。
図30のアクションフェーズの処理が開始されると、まずゲーム制御部35は第2サイドのプレイヤが「襲撃」を指示したか否かを判別し(ステップS301)、指示されている場合は襲撃フラグに1をセットする(ステップS302)。続いて、ゲーム制御部35は、ステータスデータDsに保持されている行動順序を、「襲撃」が指示されたキャラクタ(つまり、キラーである。)が最後となるように変更する(ステップS303)。その後、ゲーム制御部35はステップS304に進む。ステップS301が否定判断された場合、ゲーム制御部35はステップS302及びS303をスキップしてステップS304に進む。
ステップS304において、ゲーム制御部35は同一のキャラクタに対して複数のプレイヤからの指示が重複しているか否かを判別する。指示が重複している場合、ゲーム制御部35は、その重複が第1サイドと第2サイドとの間にて発生しているか否かを判別する(ステップS305)。第1サイドと第2サイドとの間で指示が重複している場合、ゲーム制御部35は第2サイドの指示を優先されるべき指示として選択する(ステップS306)。続いて、ゲーム制御部35は、ステップS306にて第2サイドからの指示が選択されたキャラクタに関して、今回のターンにおける優先行動のキャラクタであることをステータスデータDsに記録する(ステップS307)。
一方、ステップS305にて、重複が第1サイドと第2サイドとの間ではない、つまり、同一サイド内における指示の重複であった場合、ゲーム制御部35は重複した指示からいずれか一の指示を選択する(ステップS308)。ステップS307又はS308にて一つの指示が選択された場合、又はステップS304にて重複がなかった場合、ゲーム制御部35はステップS309に進み、指示外キャラクタ、すなわち第1サイド及び第2サイドのいずれからも指示が与えられなかったキャラクタに対して与えるべき指示を決定する。仮想的プレイヤからの指示は図29のコマンドフェーズの処理にて生成済みであり、ステップS309の指示はコンピュータが指示外キャラクタを自動的に操作するためのものである。なお、指示外キャラクタがいなかった場合、あるいは指示外キャラクタは行動させない場合にはステップS309の処理がスキップされてよい。
ステップS309までの処理により、各キャラクタに対する行動の指示が確定する。この後、ゲーム制御部35は、各キャラクタの行動を、確定した指示が反映されるように演算する(ステップS310)。その演算順序はステータスデータDsに保持されている行動順序に従って行われる。行動の演算が完了すると、ゲーム制御部35は演算結果をステータスデータDsに記録し(ステップS311)、その後に図31の処理に進む。なお、ステップS311にて記録される演算結果は、各キャラクタの行動を記述し、かつ行動完了時点におけるフィールド及びキャラクタの状態を記述したものである。ステップS310の演算では、キャラクタの行動の結果として生じる状態、例えば「疲労」の状態異常の有無も演算により決定される。
図31に進んで、ゲーム制御部35は、ステータスデータDsに記録された演算結果に従って、今回のアクションフェーズの終了時点で殺害発生条件が成立しているか否かを判別し(ステップS321)、殺害フラグに1をセットする(ステップS322)。一方、ステップS321にて殺害発生条件が不成立であった場合、ゲーム制御部35は、ステータスデータDsに保持された演算結果に基づいてキルチェックが発生したか否かを判別し(ステップS323)、発生してればキルチェックフラグに1をセットする(ステップS324)。ステップS322又はステップS324にてフラグをセットし、又はステップS323が否定判断された場合、ゲーム制御部35はステップS325に進み、今回のアクションフェーズにて判明した事実を示す情報をステータスデータDsに記録する(ステップS325)。判明した事実としては、例えばステップS306にて第2サイドの指示が優先されたキャラクタがターゲット外であるという事実、2ターン連続して3エリア移動したキャラクタがターゲット外であるという事実、あるいは、ステップS323にてキルチェックが発生したと判断された場合に、そのキルチェックから導かれる上述した事実、すなわち、ターゲット及びキラーに該当する可能性が否定されるキャラクタの関係がある。
続いて、ゲーム制御部35はステータスデータDsに既に記録されている情報(今回のステップS325で記録された情報も含む。)に基づいて、キラーが特定可能な状態までゲームが進んでいるか否かを判別する(ステップS326)。ここで参照される情報は、後述するようにサポートキャラクタによる位置関係の判別結果から導かれる事実、及びその判別結果と関連付けて、ターゲットとキラーとの対応関係が否定されるキャラクタの組み合わせも含むものである。上述したように、それらの事実が積み重なることにより、ターゲット及びキラーの関係に該当するキャラクタの組み合わせが徐々に絞り込まれ、結果としてキラーが一意に特定可能となる場合がある。あるいは「襲撃」が発生した場合も同じくキラーが特定可能となる。ステップS326ではそのような状態が発生しているか否かが判別される。ステップS326が肯定判断された場合、ゲーム制御部35はキラー特定フラグに1をセットし(ステップS327)、その後に図32の処理へと進む。キラー特定フラグは、キラーが一意に特定されている状況であるか否かを判別するためのフラグである。ステップS326が否定判断された場合にはステップS327がスキップされる。
図32に進んで、ゲーム制御部35は襲撃フラグに1がセットされているか否かを判別し(ステップS341)、セットされている場合には、図11、図15のキャラクタ情報部105におけるキャラクタ11の行動順序(並び順)を、ステータスデータDsに保持されている最新の行動順序に合わせて更新する(ステップS342)。それにより、「襲撃」の行動が指示されたキラーのキャラクタ11が右端に移動し、そのキャラクタがキラーであることがプレイヤに示される。ステップS342で行動順序の表示を更新した場合、またはステップS341が否定判断された場合、ゲーム制御部35は、行動を表示すべき対象のキャラクタの行動順序に1を指定し(ステップS343)、その表示対象のキャラクタが第2サイドの指示が優先されて行動する優先行動キャラクタか否かを判別する(ステップS344)。表示対象のキャラクタが、図30のステップS307で記録されたキャラクタであればステップS344は肯定判断される。
ステップS344で優先行動キャラクタではないと判断された場合、ゲーム制御部35は表示対象のキャラクタが今回のターンにおける演算結果(ステータスデータDsに記録されている行動)に従って行動する様子を表示する(ステップS345)。この行動は、第2サイドの指示が優先された行動と区別する意味での通常の行動として表示されてよい。一方、ステップS344が肯定判断された場合、ゲーム制御部35は、表示対象のキャラクタが今回のターンにおける演算結果に従って行動する様子を、第2サイドの指示が優先された優先行動であると判別可能な態様で表示する(ステップS346)。つまり、ステップS345における行動の表示とは異なり、図30のステップS306にて第2サイドの指示が優先して選択された結果の行動であることが判別できるようにしてキャラクタの行動が表示される。この表示により、第1サイドのプレイヤは、表示対象のキャラクタがターゲット外であることを知り得る。その後、ゲーム制御部35は、優先行動したキャラクタがターゲット外であると確定したことがわかるように図15の識別部120における第1識別部120aの表示を更新する(ステップS347)。図15では”Agatha”がターゲット外である場合の表示例である。
ステップS345又はS347の処理後、ゲーム制御部35は全てのキャラクタの行動の表示が終了したか否かを判別する(ステップS348)。終了していない場合、ゲーム制御部35は行動順序に1を加算し(ステップS349)、その後にステップS344の処理に戻る。ステップS344~ステップS349の処理が繰り返されることにより、行動順序に従って各キャラクタが行動する様子が表示される。「襲撃」が指示されている場合には、「襲撃」の行動が最後に表示される。
ステップS348が肯定判断されると、ゲーム制御部35はキルチェックフラグに1がセットされているか否かを判別する(ステップS350)。セットされている場合、ゲーム制御部35は、今回のキルチェックから判明する事実を、例えば図25に示した態様で表示する(ステップS351)。それにより、第1サイドのプレイヤは、キルチェックによってターゲットとキラーとの関係に該当しないキャラクタの組み合わせを明確に把握することができる。なお、ステップS351の処理が行われた場合、次のターンに備えてキルチェックフラグはリセットされる。ステップS351の処理が終了し、又はステップS350が否定判断された場合、図30~図32のアクションフェーズ処理が終了し、ゲーム制御部35は図28のステップS111に進む。
(4)アクションフェーズ後の処理
ステップS111以下は、一回のターンにおける各キャラクタの行動結果に従ってターンを終了させてゲームを進行させるための処理である。ステップS111において、ゲーム制御部35は殺害フラグに1がセットされているか否かを判別する(ステップS111)。今回のターンのアクションフェーズ処理にて殺害発生条件が成立した場合には殺害フラグに1がセットされ、未成立の場合はセットされていない(図31のステップS321、S322)。フラグがセットされていない場合、ゲーム制御部35は情報提供機会が到来したか否かを判別する(ステップS112)。例えば、図9の例では今回のターンが「夜」であれば、情報提供機会が到来したと判断する。情報提供機会が到来した場合、ゲーム制御部35はサポートキャラクタによる情報提供処理を実行する(ステップS113)。ステップS113の処理が終了すると、ゲーム制御部35はステップS114に進む。ステップS112が否定判断された場合にはステップS113がスキップされてステップS114へと処理が進められる。
ステップS114において、ゲーム制御部35はキラー特定フラグに1がセットされているか否かを判別する。キラー特定フラグは、例えば図31のステップS327にてセットされるが、ステップS113の情報提供処理にてセットされる場合もある。この点は後述する。ステップS114が否定判断された場合、ゲーム制御部35は今回のターンが、最終ターンとして設定されているターン10(10番目のターン)か否かを判別する(ステップS115)。ターン10でなければ、ゲーム制御部35はターン番号に1を加算し(ステップS116)、加算後のターンが2日目~4日目のいずれかの朝のターンであるか否かを判別する(ステップS117)。朝のターンであれば、ゲーム制御部35は食事時期であると判断し、各キャラクタが食料を所持しているか否かに応じて各キャラクタの状態を更新し、更新後の状態をステータスデータDsに記録する(ステップS118)。これにより、「空腹」、又は「瀕死」の状態異常のキャラクタが生じ得る。ステップS118の処理後、又はステップS117が否定判断された後、ゲーム制御部35は図27のステップS106に戻る。それにより、次のターンが開始される。
一方、ステップS115にてターン10であると判断された場合、ゲーム制御部35は、キラーが特定されていない状態でターン10までゲームが進んだと判断して推理フェーズの処理を実行する(ステップS121)。この処理は、上述したように6体のキャラクタを第1サイドのプレイヤに提示し、いずれのキャラクタをキラーと判断したかを指定させ、その指定の正否に応じて第1サイドのプレイヤの勝利又は引き分けとしてプレイ結果を確定させる処理である。自機のプレイヤが第2サイドである場合、そのプレイヤには指定の機会は与えられない。この場合、第1サイドのプレイヤが指定する様子が第2サイドのプレイヤに対して提示されてよい。
一方、ステップS114にてキラー特定フラグに1がセットされている場合、ゲーム制御部35は今回のターンが特別ターンか否かを判別する(ステップS131)。特別ターンは、キラーが一意に特定される状況が発生したターンの次に一回限りの最終機会として与えられるターンである。今回のターンが特別ターンではない場合、つまり、今回のターンでキラーが特定可能となった場合、ゲーム制御部35は次回を特別ターンとして設定し(ステップS132)、その後に図27のステップS107に戻る。一方、ステップS131が肯定判断された場合、すなわち、今回のターンが特別ターンであった場合、ゲーム制御部35は、特別ターンにて殺害発生条件が成立しなかったものと判断し(ステップS111が既に否定判断されている。)、第1サイドのプレイヤが勝利したものとしてプレイ結果を確定させる(ステップS133)。
ステップS111にて殺害フラグに1がセットされている場合、ゲーム制御部35は殺害が発生したものと判断し、キラーがターゲットを殺害する様子を演出した所定の動画を表示させる(ステップS141)。続いて、ゲーム制御部35は第2サイドのプレイヤの勝利としてプレイ結果を確定する(ステップS142)。ステップS121、S133、又はS142にてプレイ結果が確定すると、ゲーム制御部35はステップS151に進み、ゲームを終了させるための一定の処理を実行する。例えば、プレイ結果の表示、プレイ結果に応じた各プレイヤのプレイデータDpの更新等、各種のゲームにおける終了処理と同様の処理が実行されてよい。ステップS151の処理が完了すると、ゲーム制御処理が終了する。
(5)情報提供機会の処理
図33は、図28のステップS113のサブルーチン処理として実行される情報提供処理の手順の一例を示す。情報提供処理が開始されると、ゲーム制御部35はステータスデータDsに記録されているフィールド及びキャラクタの状態を取得する(ステップS401)。この場合、少なくとも、フィールドにおける各キャラクタの位置が取得される。続いて、ゲーム制御部35は、ターゲットのキャラクタとキラーのキャラクタとが、位置関係判別の基準となる距離的範囲内、一例として3エリア内に位置しているか否かを判別する(ステップS402)。さらに、ゲーム制御部35は、これまでのターンで既に判明している事実をステータスデータDsから取得する(ステップS403)。例えば、図31のステップS325にて記録され、前回以前の図33の処理にて更新された事実が取得される。
その後、ゲーム制御部35は、ステップS402の判別結果と、ステップS403にて取得した事実とを総合して、ターゲットとキラーとの関係に該当する可能性の有無に関して導かれる事実を更新する(ステップS404)。この処理は、図22に例示したように、各キャラクタをターゲットと仮定した場合に、他のキャラクタがキラーとして成立し得るか否かを、ステップS402の判別結果に基づいて判別し、かつ、既にターゲット外のキャラクタと判明している事実、及びキルチェックから導かれる事実を総合することにより、ターゲットとキラーとの関係に該当する可能性の有無を判別するものであって、図22に例示した対応関係を導き出す処理に相当する。ステータスデータDsには図22の対応関係のテーブルに相当するデータを記録し、ターゲット外であることが判明した事実、あるいはターゲットとキラーとの関係に該当する可能性が否定された事実が生じるごとに、新たに判明した事実を反映してデータを更新すればよい。
次に、ゲーム制御部35は、キラーが一意に特定可能な状況であるか否かを判別し(ステップS405)、特定可能な場合にはキラー特定フラグに1をセットする(ステップS406)。キラーが特定可能な状況ではない場合、ステップS406はスキップされる。これらの処理は図31のステップS325、S326と同様であるが、ステップS402の位置関係の判別に起因して、キラーが特定される場合が新たに生じる可能性があることに対応するものである。すなわち、ステップS402の判別結果が新たに加わることにより、ターゲットとキラーとの関係に該当する可能性が新たに否定されるキャラクタの組み合わせが生じることがある。そして、その否定が生じる結果として、ターゲット及びキラーに該当する可能性が残されている組み合わせが絞り込まれ、キラーが特定される場合がある。ステップS405、S406はそのような状態をキラー特定フラグに反映させるための処理である。
ステップS406の処理が完了し、又はステップS405が否定判断された後、ゲーム制御部35は今回の情報提供処理におけるステップS402の判別結果、及びその判別結果から判明した事実を、すくなとも第1サイドのプレイヤに対して表示する(ステップS407)。その表示は、例えば、図23に示した情報提供画面130の第1情報部131及び第2情報部132を用いるものであってよい。ステップS407の表示が終了すると、ゲーム制御部35は図33の情報提供処理を終えて図28のステップS114に進む。
以上の形態においては、ゲーム制御部35が図27のステップS101~S104の処理を実行することによりゲーム設定手段の一例として機能し、図29のコマンドフェーズ処理及び図30~図32のアクションフェーズ処理を実行することにより行動制御手段の一例として機能し、図31のステップS321、S322の処理、及び図28のステップS141の処理を実行することによりイベント制御手段の一例として機能し、図32のステップS345の処理を実行することにより優先通知手段の一例として機能し、図3のS303の処理を実行することにより特定行動情報提供手段の一例として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、ターゲットのキャラクタを第1種別に、キラー及びノーマルのキャラクタを第2種別にそれぞれ区分したが、その区分は適宜に変更されてよい。キラーのキャラクタを第1種別に、ターゲット及びノーマルのキャラクタを第2種別にそれぞれ区分することも可能である。その場合、キャラクタの種別とプレイヤのサイドとの間の指示関係に応じた制限の設定については、例えば図13又は図14に示した関係に代えて、図34に示した関係を設定することができる。図34の例では、第1種別のキラーの行動に関して、第2サイドからの指示と重複しない限り行動させることが可能となる制限が第1サイドに適用され、第2サイドはキラーを優先して行動させる権限を有する。一方、第2種別のターゲット及びノーマルに関しては、第1サイド及び第2サイドに対して等しく行動の権限が設定される。この例では、第1サイドがキラーを行動させようとする場合において、他の場合と比較して制限が発生するため、その差からキラーを絞り込むことが可能である。図34の例では、上記の形態と逆に、第1サイドがターゲットを特定できるか否かによってプレイ結果を定めてよく、サポートキャラクタによる情報提供等は同様の仕組みで実現可能である。
上記の形態では、キラーがターゲットを殺害することをイベントとして設定したが、イベントの内容は適宜に変更されてよく、キャラクタに設定される役割もイベント内容に応じて適宜に変更されてよい。また、特定の役割としてのターゲットは基本状態にて設定されることを要するが、キラーの役割に関しては必ずしも基本状態にて一のキャラクタに固定して設定されることを要しない。例えば、ゲームの進行状況に応じて第2種別のキャラクタ群内で動的に役割が割り当てられてもよい。つまり、第1サイドのプレイヤが、ゲームの進行に伴って特定の役割が設定された第1種別のキャラクタを徐々に絞り込む要素を含む限りにおいて、ターゲット外のさらなる役割に関しては、適宜の変更が可能である。
イベント発生条件は、少なくとも特定の役割が設定されたキャラクタの行動と関連付けて設定されていればよく、上述したキラーやノーマルのような他の役割が設定されたキャラクタの行動と関連付けての設定は必ずしも必須ではない。さらに、特定の役割以外の役割が設定されることも必須ではない。一方で、上述したキラー及びノーマルの役割に加えてさらなる役割が設定されたキャラクタが第2種別のキャラクタに含まれてもよい。
ゲームのプレイ結果は、イベント発生の有無、及び第2種別内でさらなる役割が設定されたキャラクタの特定の成否に対応して定まる例に限らない。例えば、第1種別のキャラクタの特定の成否によってプレイ結果を区別してもよい。また、プレイ結果は必ずしも一回のゲームにおける最終的な結果として定まることを必ずしも要しない。例えば、ゲームに複数のステージ等の区分を設け、一つの区分におけるプレイ結果を上記形態のように定めるといった変形も可能である。
行動の制御に関する差別化によって、キャラクタが第1種別であるか第2種別であるかを第1サイドが判別可能であれば、情報提供の機会を設けることは必ずしも必要ではない。上述した位置関係判別やその判別結果から導かれる事実を示す情報の提供は適宜に省略されてもよい。ただし、第1種別ではないことが判明したキャラクタについて、プレイヤが見逃し、又は失念するおそれを低減又は解消する目的で何らかの情報を提供することは、プレイヤの便宜を図る目的で適宜に実行されてよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームが提供されるようにコンピュータ(30)を機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させるように構成され、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1サイドにて、前記第1種別のキャラクタに該当するか否かを判別する手がかりが得られるように、前記キャラクタの種別と前記プレイヤのサイドとの間の指示関係に応じて前記行動の制御を差別化して実行するものである。
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームを提供するように機能するコンピュータ(30)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させ、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1サイドにて、前記第1種別のキャラクタに該当するか否かを判別する手がかりが得られるように、前記キャラクタの種別と前記プレイヤのサイドとの間の指示関係に応じて前記行動の制御を差別化して実行するものである。
本発明の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームを提供するようにコンピュータ(30)を機能させるゲームシステム(1)の制御方法であって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させ、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1サイドにて、前記第1種別のキャラクタに該当するか否かを判別する手がかりが得られるように、前記キャラクタの種別と前記プレイヤのサイドとの間の指示関係に応じて前記行動の制御を差別化して実行するものである。
上記の態様によれば、キャラクタの種別とプレイヤのサイドとの間の指示関係に応じて、キャラクタの行動が差別化して制御される。したがって、第1サイドのプレイヤがキャラクタを行動させる場合と、第2サイドのプレイヤがキャラクタを行動させる場合とで、キャラクタの種別に応じた差が生じる。そのような差を通じて、キャラクタが第1種別又は第2種別のいずれであるかを判別する手がかりを第1サイドのプレイヤに与えることが可能である。それにより、シナリオ等の予め定められた手段に依存しなくとも、キャラクタの行動を通じて特定の役割のキャラクタを絞り込むような仕組みをゲームに導入することができる。
上記態様において、前記行動制御手段は、前記キャラクタの種別と前記プレイヤのサイドとが所定の指示関係にある場合に所定の制限が生じ、他の指示関係では前記制限が生じないように前記行動の制御を差別化してもよい。これによれば、制限が適用されるか否かを通じて、キャラクタの種別を判別する手がかりを第1サイドのプレイヤに与えることができる。
また、前記行動制御手段は、前記第1種別のキャラクタと前記第2サイドとの指示関係に対して前記制限を生じさせてもよい。この場合、第1種別のキャラクタの行動に関して第2サイドに制限が生じるため、第1サイドのプレイヤは、第1種別のキャラクタを行動させる上で第2サイドよりも優位となる。その優位性が現れるか否かを通じて、キャラクタが第1種別又は第2種別のいずれであるかを判別する手がかりを第1サイドのプレイヤに与えることが可能である。
さらに、前記行動制御手段は、前記第2サイドからは前記第1種別のキャラクタを行動させることが不可能となるように前記制限を生じさせてもよい。この場合、第1種別のキャラクタが第2サイドからの指示で行動することがない。そのため、第1サイドでは第種別のキャラクタを第2サイドによって妨げられることなく行動させることが可能である。それにより、キャラクタが第1種別又は第2種別のいずれであるかを判別する有力な手がかりを第1サイドのプレイヤに与えることが可能である。
前記行動制御手段は、前記第2種別の同一キャラクタに対して前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれからの指示が重複した場合には前記第2サイドからの前記指示を優先して当該キャラクタを行動させることにより、前記第2種別のキャラクタと前記第1サイドとの指示関係に対して前記制限を適用してもよい。この場合には、第2種別のキャラクタに関して、第1サイドが行動を指示しても、第2サイドからの指示と重複したときには第1サイドからの指示に従ってキャラクタが行動しない。そのような指示に合致しない行動が生じた場合、第1サイドでは、指示を与えたキャラクタが第2種別であると判別することが可能である。
前記第2サイドからの前記指示が優先されて前記キャラクタが行動したことを前記第1サイドに通知する優先通知手段(35、S345)として前記コンピュータをさらに機能させてもよい。この場合は、第1サイドから与えた指示に沿って行動しないキャラクタが第2種別のキャラクタであることを第1サイドに対して明確に認識させ、第1サイドにおける見逃しや失念を防ぐことができる。
前記第1種別のキャラクタに関して第2サイドからは行動させることができない制限が設定されている場合において、前記行動制御手段は、各プレイヤからの指示に基づいて前記キャラクタが前記フィールド内を移動するように前記行動を制御し、かつ前記第2種別のキャラクタに関しては、一回の指示に対する当該キャラクタの移動距離の上限を、前記第1サイドから指示される場合の上限よりも前記第2サイドから指示される場合の上限が大きくなるように設定することにより、前記行動の制御を差別化してもよい。これによれば、一回の指示に対するキャラクタの移動距離が、第1サイドから指示する場合の上限を超えていれば、そのキャラクタが第2種別であることを第1サイドが判別可能となる。
前記ゲーム設定手段は、前記特定の役割を前記イベントにて担うべき第1の役割としたときに、前記イベントにて担うべき役割であってかつ前記第1の役割とは異なる第2の役割を前記第2種別のキャラクタのうちいずれかのキャラクタ(11K)に設定し、かつ前記第2の役割のキャラクタがいずれのキャラクタであるかが前記第1サイドには知らされず、前記第2サイドには知らされた状態を前記基本状態として設定し、前記イベント発生条件は、前記第1の役割が設定されたキャラクタの行動に加えて、前記第2の役割が設定されたキャラクタの行動とも関連付けて成否が変化するように設定されてもよい。これによれば、第2の役割を担うべきキャラクタの行動もイベント発生条件の成否と関連するため、第1サイドのプレイヤは第1種別のキャラクタがいずれであるかの推定に加えて、第2の役割を担うべきキャラクタがいずれであるかも、例えばイベント発生条件を成立させるように行動する傾向が現れるか否かといった観点から推定する必要が生じる。それにより、ゲームの戦略性が高まり、ゲームの興趣が向上する。
前記ゲーム設定手段は、前記第1及び第2の役割とは異なる第3の役割を前記第2種別のキャラクタのうち、前記第2の役割が設定されたキャラクタとは異なるキャラクタ(11N)に設定し、かつ前記第3の役割のキャラクタがいずれのキャラクタであるかが前記第1サイドには知らされず、前記第2サイドには知らされた状態を前記基本状態として設定し、前記イベント発生条件は、前記第1及び前記第2の役割が設定されたキャラクタの行動に加えて、前記第3の役割が設定されたキャラクタの行動とも関連付けて成否が変化するように設定されてもよい。この場合は、第3の役割を担うべきキャラクタの行動もイベント発生条件の成否と関連するため、第1サイドのプレイヤは第1種別及び第2種別のキャラクタがそれぞれいずれであるかを推定してキャラクタを行動させる必要に加えて、第3の役割を担うべきキャラクタに関しても、イベント発生条件の成立を妨げるように行動させる必要がある。それにより、ゲームの戦略性がさらに高まり、ゲームの興趣のさらなる向上を図ることができる。
前記行動制御手段は、前記第2の役割が設定されたキャラクタに対して前記第2サイドから特定指示(一例として「襲撃」の指示)が与えられた場合、当該キャラクタが、前記イベント発生条件を成立させるための特定行動を取るように前記行動を制御してもよい。これによれば、第2サイドでは特定指示を与えることによってイベントの発生に有利な状況を作り出せる一方、第1サイドでは特定行動が生じたキャラクタを第2の役割のキャラクタとして判別することが可能となり、その判別結果に基づいてイベント発生を防ぐように他のキャラクタを行動させることが可能となる。したがって、ゲームの駆け引きを多様化してゲームの戦略性をさらに高め、ゲームの興趣のさらなる向上を図ることができる。
前記特定行動が生じたことを把握するための情報を前記第1サイドに提供する特定行動情報提供手段(35、S303)として前記コンピュータをさらに機能させてもよい。これによれば、特定行動が生じたことを第1サイドのプレイヤに確実に認識させることができる。
前記行動制御手段は、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれが前記行動を指示する指示機会と、前記指示機会にて与えられた指示に基づいて各キャラクタを行動させる行動機会とを含んだターンを繰り返すことにより前記ゲームを進行させてもよい。これによれば、各プレイヤが与えた指示に基づいてキャラクタが行動するターンが繰り返されることにより、第1サイドのプレイヤが第1種別又は第2種別のキャラクタを判別する手がかりを徐々に取得するようにゲームを進行させることができる。
本発明の他の一態様に係るコンピュータプログラム(Pg)は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームが提供されるようにコンピュータ(30)を機能させるゲーム用のコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させるように構成され、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1種別のキャラクタの行動に関しては前記第2サイドからの指示に対して所定の制限を生じさせ、かつ前記第2種別のキャラクタの行動に関しては、前記第2種別の同一キャラクタに対して前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれからの指示が重複した場合には前記第2サイドからの前記指示を優先して当該キャラクタを行動させるものである。
本発明の他の一態様に係るゲームシステム(1)は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームを提供するように機能するコンピュータ(30)を含んだゲームシステムであって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させ、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1種別のキャラクタの行動に関しては前記第2サイドからの指示に対して所定の制限を生じさせ、かつ前記第2種別のキャラクタの行動に関しては、前記第2種別の同一キャラクタに対して前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれからの指示が重複した場合には前記第2サイドからの前記指示を優先して当該キャラクタを行動させるものである。
本発明の他の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、特定の役割が設定された第1種別(C1)のキャラクタ(11T)と、前記特定の役割が設定されない第2種別の複数のキャラクタ(11K、11N)とを含むキャラクタ群がフィールド(10)内で行動するゲームを提供するようにコンピュータ(30)を機能させるゲームシステム(1)の制御方法であって、前記コンピュータを、複数のプレイヤが、前記第1種別のキャラクタの行動と関連付けられたイベント発生条件が成立しないように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第1サイド(S1)と、前記イベント発生条件が成立するように少なくとも一部のキャラクタの行動を指示する第2サイド(S2)とに分かれ、かつ前記第1サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされず、前記第2サイドには前記第1種別及び前記第2種別のそれぞれのキャラクタがいずれのキャラクタであるかが知らされた状態を基本状態として設定して前記ゲームをプレイさせるゲーム設定手段(35、S101~S104)、前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれのプレイヤから与えられる指示を取得し、得られた指示に基づいて前記キャラクタ群の各キャラクタの行動を制御する行動制御手段(35、S201~S231、S301~S351)、及び、前記イベント発生条件が成立すると、前記第1種別のキャラクタの役割に対応したイベントを発生させるイベント制御手段(35、S321、S322、S141)、として機能させ、前記行動制御手段は、前記キャラクタの前記行動の制御に関し、前記第1サイドから前記第1種別及び前記第2種別のキャラクタのそれぞれに前記指示を与えて行動させる可能性、及び前記第2サイドからは前記第2種別のキャラクタに前記指示を与えて行動させる可能性を担保しつつ、前記第1種別のキャラクタの行動に関しては前記第2サイドからの指示に対して所定の制限を生じさせ、かつ前記第2種別のキャラクタの行動に関しては、前記第2種別の同一キャラクタに対して前記第1サイド及び前記第2サイドのそれぞれからの指示が重複した場合には前記第2サイドからの前記指示を優先して当該キャラクタを行動させるものである。
上記の態様によれば、第1種別のキャラクタの行動に関しては第2サイドからの指示に対して所定の制限が生じ、かつ第2種別のキャラクタの行動に関しては、両サイドからの指示が同一キャラクタに対して重複した場合に第2サイドの指示が優先されるという差が生じる。そのような差を通じて、キャラクタが第1種別又は第2種別のいずれであるかを判別する手がかりを第1サイドのプレイヤに与えることが可能である。それにより、シナリオ等の予め定められた手段に依存しなくとも、キャラクタの行動を通じて特定の役割のキャラクタを絞り込むような仕組みをゲームに導入することができる。
なお、本発明の各態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。