JP2023139634A - 半導体素子 - Google Patents

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正雄 内田
Masao Uchida
千秋 工藤
Chiaki Kudo
恒一郎 佐野
Koichiro Sano
貴史 長谷川
Takashi Hasegawa
優典 武井
Masanori Takei
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【課題】高信頼性の半導体素子を提供する。【解決手段】半導体素子は、半導体層と、半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、半導体層に接する複数の第1電極と、第1絶縁膜の少なくとも一部上および複数の第1電極上に配置され、複数の開口部内で複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、第1配線の上に配置され、第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、第1配線は、第1配線層と、第1配線層および前記上部金属膜の間に位置する第2配線層と、第1配線層および第2配線層の間に位置し、第1バリア金属を含むバリア金属層と、を含む積層構造を有し、第1配線の少なくとも第1配線層は、各開口部の底部上、各開口部の側壁上、および、第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体素子に関する。
炭化珪素(シリコンカーバイド:SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きくかつ高硬度の半導体材料である。SiCは、例えば、スイッチング素子および整流素子などの半導体素子に応用されている。SiCを用いた半導体素子は、Siを用いた半導体素子に比べて、例えば、電力損失を低減することができるという利点を有する。
SiCを用いた代表的な半導体素子は、金属-絶縁体-半導体電界効果トランジスタ(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor:MISFET)である。金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor:MOSFET)は、MISFETの一種である。
SiCを用いた半導体素子は、SiCから形成された半導体層を有している。半導体層の上方には、半導体層に接する電極(例えばソース電極)が配置されている。当該電極は、その上に設けられた金属膜を介して、半導体素子の外部にある配線などに電気的に接続される。
特許文献1は、SiCを用いたMISFETにおいて、炭化珪素半導体層とオーミック接合を形成する電極の上に、アルミニウムを含む金属膜およびNiめっき膜が設けられた構造を開示している。
特開2021-064696号公報
本開示の一態様は、信頼性を高めることの可能な半導体素子を提供する。
本開示の一態様に係る半導体素子は、半導体層と、半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、半導体層に接する複数の第1電極と、第1絶縁膜の少なくとも一部上および複数の第1電極上に配置され、複数の開口部内で複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、第1配線の上に配置され、第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、第1配線は、第1配線層と、第1配線層および上部金属膜の間に位置する第2配線層と、第1配線層および第2配線層の間に位置し、第1バリア金属を含むバリア金属層と、を含む積層構造を有し、第1配線の少なくとも第1配線層は、各開口部の底部上、各開口部の側壁上、および、第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている。
本開示の一態様によると、信頼性を高めることの可能な半導体素子が提供される。
本開示の第1の実施形態の半導体素子を示す断面図である。 本開示の第1の実施形態の他の半導体素子を示す断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の一部を示す拡大断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 本開示の第1の実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 実施例の半導体素子のより詳細な断面を例示する図である。 比較例の半導体素子のより詳細な断面を例示する図である。 実施例および比較例の半導体素子のオン抵抗を示す図である。 実施例および比較例の半導体素子の短絡耐量の測定に用いた回路を示す図である。 実施例および比較例の半導体素子の短絡耐量時間を示す図である。 本開示の第2の実施形態の半導体素子を示す断面図である。 参考例の半導体素子を示す断面図である。 参考例の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。 参考例の半導体素子の製造工程を示す工程断面図である。
大電流、高耐圧をスイッチングする半導体素子には、高い信頼性が求められている。特に、SiCからなるスイッチング素子には、高い短絡耐量、すなわち短絡時の素子の耐久性が高いことが要求される。
しかしながら、本発明者が検討したところ、半導体素子の電極上に金属膜(例えばめっき膜)を設けると、十分な短絡耐量性能を確保できない場合があった。詳細は後述する。
本発明者は、以下の態様に係る半導体素子に想到した。
本開示の一態様に係る半導体素子は、半導体層と、前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、前記第1配線は、第1配線層と、前記第1配線層および前記上部金属膜の間に位置する第2配線層と、前記第1配線層および前記第2配線層の間に位置し、第1バリア金属を含むバリア金属層と、を含む積層構造を有し、前記第1配線の少なくとも前記第1配線層は、前記各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている。
前記第1配線の上面の一部は、例えば、各開口部内に位置してもよい。
前記第1配線層の比抵抗は、例えば、前記上部金属膜の比抵抗よりも小さくてもよい。
前記各開口部の側壁上において、前記第1配線層の厚さは、例えば、前記第2配線層の厚さよりも大きくてもよい。
前記各開口部の側壁上における前記第1配線層の厚さは、例えば、0.4μm以上であってもよい。
前記各開口部の側壁上において、例えば、前記バリア金属層の少なくとも一部は前記第2配線層から露出し、前記上部金属膜に直接接していてもよい。
上記半導体素子は、前記第1バリア金属と同じまたは異なるバリア金属を含む下部バリア金属膜をさらに備えてもよい。前記下部バリア金属膜は、例えば、前記第1配線層と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置してもよい。
前記第1バリア金属は、例えば、TiまたはTaを含んでもよい。
前記バリア金属層は、例えば、TiNを含んでもよい。
前記第1配線層および前記第2配線層は、例えば、Alを含んでもよい。
前記上部金属膜は、例えば、Niを含むめっき層であってもよい。
前記第1絶縁膜の前記各開口部の前記底部の幅Wは、例えば、4μm以下であってもよい。
前記第1絶縁膜の前記各開口部の深さHと、前記各開口部の前記底部の幅Wとは、例えば、H/W≧0.5を満たしてもよい。
本開示の他の一態様に係る半導体素子は、半導体層と、前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、前記第1配線と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置し、バリア金属を含む下部バリア金属膜と、前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、前記第1配線の比抵抗は、前記上部金属膜の比抵抗よりも小さく、前記第1配線は、前記各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている。
本開示のさらに他の一態様に係る半導体素子は、半導体層と、前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、前記第1配線と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置し、バリア金属を含む下部バリア金属膜と、前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、前記上部金属膜の比抵抗は、前記第1配線の比抵抗よりも小さく、前記上部金属膜は、前記各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている。
前記半導体素子は、例えば、MISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは3.9μ秒以上であってもよい。
前記半導体素子は、例えば、MISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは5.3μ秒以上であってもよい。
前記半導体素子は、例えば、MISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは6.7μ秒以上であってもよい。
前記半導体素子は、例えば、MISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間をTsc(μ秒)、前記MISFETの室温における閾値電圧をVth(V)とするとき、前記Tscは、Tsc≧1.430×Vth+1.012を満たしてもよい。
前記半導体素子は、例えば、MISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間をTsc(μ秒)、前記MISFETの室温における閾値電圧をVth(V)、前記半導体素子の定格電圧をV(V)とするとき、前記Tscは、Tsc≧(1.430×Vth+1.012)×1700/Vを満たしてもよい。
前記半導体層は、炭化珪素半導体層であってもよい。
前記複数の第1電極のそれぞれは、例えば、前記炭化珪素半導体層の一部とオーミック接合を形成するシリサイド電極であってもよい。
上記半導体素子は、例えば、主面および裏面を有する半導体基板であって、前記半導体層は前記主面上に位置する半導体基板と、前記半導体層の上方に配置されたゲート電極と、前記ゲート電極と前記半導体層との間に位置するゲート絶縁膜と、前記半導体基板の裏面に設けられたドレイン電極と、をさらに備え、前記半導体層は、前記半導体層内に位置する第2導電型の複数のボディ領域と、第1導電型の複数のソース領域であって、前記複数のソース領域のそれぞれは、前記複数のボディ領域の対応する1つの内部に位置する、複数のソース領域と、前記半導体層のうち前記複数のボディ領域および前記複数のソース領域以外の領域に配置された第1導電型のドリフト領域と、を含み、前記複数の第1電極のそれぞれは、前記各開口部内で、前記複数のソース領域の1つに電気的に接続されたソース電極であってもよい。
上記半導体素子は、前記半導体層と前記ゲート絶縁膜との間に、第1導電型の不純物を含むチャネル層をさらに含んでもよい。
以下、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する機能を有する構成要素については、同じ参照符号を付している。
(第1の実施形態)
図面を参照しながら、本開示の半導体素子の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、第1導電型がn型、第2導電型がp型である例について示すが、これに限定されない。本開示の実施形態において、第1導電型がp型、第2導電型がn型であってもよい。
<半導体素子の構造>
図1は、本実施形態に係る半導体素子1000の概略を説明するための断面図である。ここでは、SiC-MISFETを例に、半導体素子1000の構成を説明する。
半導体素子1000は、複数のユニットセル100Uを含む活性領域(主通電領域または有効領域ともいう。)を有する。複数のユニットセル100Uのそれぞれは、MISFETとして機能し、互いに並列に接続されている。つまり、各ユニットセル100Uにおいて、トランジスタが構成されている。半導体素子1000の上方から見て、複数のユニットセル100Uは、活性領域に2次元に配列されている。図1は、半導体素子1000の活性領域に配置された、隣接する2つのユニットセル100Uを示している。図示しないが、半導体素子1000は、高耐圧を実現する終端領域を含んでもよい。終端領域は、平面視において、活性領域の周辺に、活性領域を囲むように配置され得る。
各ユニットセル100Uは、第1導電型の半導体基板101と、半導体基板101上に位置する半導体層102と、半導体層102の上方に位置するゲート電極108と、ゲート電極108と半導体層102との間に位置するゲート絶縁膜107と、層間絶縁膜111と、ソース電極109と、ソース配線112と、上部金属膜114と、半導体基板101の裏面に配置されたドレイン電極110とを備えている。
半導体基板101は、第1導電型の炭化珪素からなる半導体基板であり、例えば第1導電型の4H-SiC基板である。半導体素子1000がIGBTである場合、半導体基板101として第2導電型の半導体からなる基板を用いてもよい。
半導体層102は、炭化珪素からなる半導体層であり、例えば4H-SiCからなるエピタキシャル層である。半導体層102は、半導体層102の表面に選択的に形成された第2導電型のボディ領域103と、ボディ領域103の表面に選択的に形成された第1導電型のソース領域104と、第1導電型のドリフト領域102dとを含む。ドリフト領域102dは、半導体層102のうちボディ領域103の外側の領域およびソース領域104が形成されていない領域に位置する。ソース領域104は、ドリフト領域102dよりも高い濃度で第1導電型の不純物を含む。半導体層102は、半導体素子1000の表面から見て、ソース領域104に隣接して配置された第2導電型のコンタクト領域105をさらに有していてもよい。コンタクト領域105は、ボディ領域103よりも高い濃度で第2導電型の不純物を含む。コンタクト領域105は、ソース領域104の下端より下まで延伸されてボディ領域103に接続されている。
図示していないが、半導体素子1000は、半導体層102と半導体基板101との間に、第1導電型のバッファ層を備えていてもよい。バッファ層は第1導電型の炭化珪素からなり、半導体層102(ドリフト領域102d)よりも高い不純物濃度を有してもよい。なお、半導体素子1000は、バッファ層を備えていなくてもよい。
半導体素子1000は、半導体層102とゲート絶縁膜107との間にチャネル層106をさらに備えてもよい。図示する例では、半導体層102上に、チャネル層106として、例えば第1導電型の不純物を含む半導体層(ここでは炭化珪素層)が設けられている。チャネル層106は、ボディ領域103の少なくとも一部に接して配置されている。チャネル層106はエピタキシャル層であってもよい。なお、半導体素子1000は、チャネル層を備えていなくてもよい。
ゲート絶縁膜107は、例えばSiOを主として含む。ゲート絶縁膜107は、CVD等の手法で半導体層102上に絶縁膜を堆積することによって形成されてもよい。あるいは、炭化珪素層(半導体層102またはチャネル層106)の表面の熱酸化によって形成された熱酸化膜でもよい。
ゲート電極108は、ゲート絶縁膜107の上に設けられている。ゲート電極108は、半導体層102の上方から見たとき、隣接する2つのボディ領域103の端部およびその間のドリフト領域102dに重なるように配置されている。ゲート電極108は、例えば、n型の低抵抗ポリシリコン層であってもよい。
層間絶縁膜111は、半導体層102の上方に、各ユニットセル100Uのゲート電極108を覆うように配置されている。層間絶縁膜111は、複数のユニットセル100Uに亘って配置されている。各ユニットセル100Uにおいて、層間絶縁膜111を含む第1絶縁膜には、半導体層102の一部を露出する開口部111cが形成されている。各開口部111cは、例えば、ソース領域104の一部およびコンタクト領域105を露出している。本明細書では、「第1絶縁膜」は、半導体層102上またはチャネル層106上に形成され、かつ、半導体層102の一部を露出する開口部111cが形成された絶縁膜をいう。第1絶縁膜は、少なくとも層間絶縁膜111を含む。図示する例では、第1絶縁膜は、層間絶縁膜111およびゲート絶縁膜107を含む。この場合、開口部111cの側壁は、層間絶縁膜111の側面およびゲート絶縁膜107の側面から構成され得る。
ソース電極109は、開口部111cの底部に位置し、半導体層102に接している。この例では、ソース電極109は、ソース領域104の一部およびコンタクト領域105とオーミック接合を形成している。ソース電極109は、例えばNiを主として含む。ソース電極109は、Niシリサイド電極であってもよい。
ソース配線112は、層間絶縁膜111の少なくとも一部上および複数の開口部111c内に配置されている。ソース配線112は、各開口部111c内において、ソース電極109上に配置され、ソース電極109に電気的に接続されている。ソース配線112は、複数のユニットセル100Uのソース電極109を並列接続する。
本実施形態では、ソース配線112は、バリア金属層112Bを含む積層構造を有する。ソース配線112の積層構造については後述する。
ソース配線112は、各開口部111cの底部上、各開口部111cの側壁上および層間絶縁膜111の上面111a(第1絶縁膜の上面)上に連続して配置されている。ソース配線112は、各開口部111cの底部および側壁全体を覆っていてもよい。本明細書では、「層間絶縁膜111の上面111a(または第1絶縁膜の上面)」は、層間絶縁膜111(または第1絶縁膜)のうち開口部111cが形成されていない部分の上面を指す。層間絶縁膜111の上面111aは、層間絶縁膜111のうちゲート電極108の上方に位置する部分の上面を含む。
ソース配線112の上面の一部は、開口部111cの内部に位置してもよい。つまり、層間絶縁膜111の上面111aよりも半導体層102側に位置してもよい。半導体素子1000のオン抵抗低減のためにはユニットセル100Uを小さくしてセル密度を高くすることが好ましく、この観点からは、開口部111cの幅が小さいことが好ましい。また、高信頼性を実現するためには、層間絶縁膜111は厚いことが好ましい。開口部111cの幅を小さくしたり、層間絶縁膜111を厚くしたりすると、図示するように、ソース配線112の上面の一部が絶縁膜111の上面111aよりも半導体層102側に位置することがある。例えば、半導体基板101の主面101aに垂直な断面において、ソース配線112の上面は、各開口部111cの形状を反映して凹状に湾曲しており、凹状に湾曲した部分(凹部)の少なくとも一部が、当該開口部111cの内部に位置してもよい。なお、ソース配線112や層間絶縁膜111の厚さ、開口部111cの幅などによっては、ソース配線112の上面の全体が、層間絶縁膜111の上面111aの上方に位置してもよい。
上部金属膜114は、ソース配線112の少なくとも一部上に配置され、ソース配線112に電気的に接続されている。上部金属膜114は、例えばソース電極109の外部接続を容易にするために設けられる。
上部金属膜114は、ソース配線112よりも厚い金属厚膜であってもよい。上部金属膜114は、例えばNiめっき層、Cuめっき層などのめっき層であってもよい。上部金属膜114の比抵抗は、ソース配線112の比抵抗よりも大きくてもよい。上部金属膜114は、ソース配線112の上面に接していてもよい。
図示するように、上部金属膜114の下面(ソース配線112側に位置する面)は、各開口部111cの上方において、半導体層102側に凸状に湾曲していてもよい。上部金属膜114は、半導体層102側(半導体基板101側)に延び、層間絶縁膜111の開口部111c内に位置する部分(開口部111cを充填する部分)を含んでもよい。
図1に示すように、第1配線層112Aと層間絶縁膜111およびソース電極109との間に、下部バリア金属膜120がさらに設けられていてもよい。これにより、半導体素子1000の外部から層間絶縁膜111やゲート絶縁膜107に不純物等が侵入し難くなるので、不純物等に起因する半導体素子1000の特性変動(特に閾値電圧の変動)を抑制できる。下部バリア金属膜120は、バリア金属として、例えば、Tiを含む。下部バリア金属膜120は、例えばTi膜であってもよい。あるいは、下部バリア金属膜120は、Ti窒化膜などの金属窒化膜であってもよい。下部バリア金属膜120のバリア金属は、ソース配線112のバリア金属層112Bに含まれるバリア金属と同じでもよいし、異なっていてもよい。
<ソース配線112の構造>
本実施形態におけるソース配線112は、第1配線層112Aと、第1配線層112Aの上部金属膜114側に位置する第2配線層112Cと、第1配線層112Aおよび第2配線層112Cの間に位置するバリア金属層112Bとを少なくとも含む積層構造を有する。第1配線層112Aの上面はバリア金属層112Bに接していてもよい。第2配線層112Cの下面はバリア金属層112Bに接していてもよい。
第1配線層112Aは、例えば、AlまたはCuを含む金属層であってもよい。第1配線層112Aは、バリア金属層112Bよりも比抵抗の小さい金属層であってもよい。本実施形態では、第1配線層112Aの比抵抗は、上部金属膜114の比抵抗よりも小さい。第1配線層112Aは、例えば、主としてAlを含む。第1配線層112Aは、Al膜であってもよい。
バリア金属層112Bは、第1バリア金属を含む。第1バリア金属は、例えば、TiまたはTaであってもよい。バリア金属層112Bは、Ti膜またはTiN膜であってもよい。あるいは、バリア金属層112Bは、Ti膜およびTiN膜を含む積層膜でもよい。
第2配線層112Cは、第1配線層112Aと同じ材料(金属)を含んでもよいし、異なる材料を含んでもよい。第1配線層112Aと第2配線層112Cとを同じ材料を用いて形成することにより、工業的に生産コストを低減できる。第2配線層112Cは、例えば、主にAlを含む。第2配線層112Cは、Al膜であってもよい。
ソース配線112が上記積層構造を有することにより、次のような効果が得られる。第1配線層112Aの上(上部金属膜114側)にバリア金属層112Bを配置することで、後述するソース配線112の表面処理工程で第1配線層112Aがエッチングされることを抑制できる。従って、図示するように、ソース配線112における少なくとも第1配線層112Aは、各開口部111cの底部上、各開口部111cの側壁上および層間絶縁膜111の上面111a(第1絶縁膜の上面)上に連続して配置され得る。つまり、第1配線層112Aのうち、各開口部111cの底部に位置する部分と層間絶縁膜111の上面111a上に位置する部分とは、各開口部111cの側壁上に位置する部分を介して繋がっている。このような構成によって、低抵抗なソース配線112が得られる。また、表面処理工程に起因する半導体素子1000の短絡耐量の低下を抑制でき、高い短絡耐量を実現し得る。さらに、バリア金属層112Bと上部金属膜114との間に第2配線層112Cが介在することにより、ソース配線112と上部金属膜114との密着性を高めることができるので、コンタクト抵抗を低減でき、信頼性を向上できる。
ソース配線112におけるバリア金属層112Bも、各開口部111cの底部上、各開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面111a上に連続して配置されていることが好ましい。これにより、第1配線層112Aのエッチングをより確実に抑制できる。図1に示す例では、第2配線層112Cも、同様に、各開口部111cの底部上、各開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面111a上で連続している。なお、第2配線層112Cは、バリア金属層112Bと上部金属膜114との間に少なくとも部分的に位置していればよく、各開口部111cの底部上に位置する部分は、層間絶縁膜111の上面111a上に位置する部分と連続して(つながって)いなくてもよい。
図2は、本実施形態における他の半導体素子1010を例示する断面図である。図2に示すように、開口部111cの側壁上において、ソース配線112の第2配線層112Cには、バリア金属層112Bを露出する開口が形成されていてもよい。例えば、第2配線層112Cのうち開口部111cの底部に位置する部分と、層間絶縁膜111の上面111a上に位置する部分とは互いに離隔していてもよい。この場合、開口部111cの側壁上において、バリア金属層112Bの露出表面は上部金属膜114に直接接していてもよい。なお、半導体素子1010においても、第1配線層112Aは、各開口部111cの底部上、各開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面111a上で連続しているので、配線抵抗の増加および短絡耐量の低下が抑制され得る。
<ソース配線の表面処理と半導体素子の短絡耐量との関係>
以下、図面を参照しながら、本実施形態によると、ソース配線の表面処理に起因した短絡耐量の低下が抑制される理由を説明する。
図25は、参考例の半導体素子9000を示す断面図である。参考例の半導体素子9000は、ソース配線912がバリア金属層を含んでいない点で、半導体素子1000と異なっている。ソース配線912は、例えばAl層のみからなる単層構造を有する。ソース配線912は、開口部111c内および層間絶縁膜111上に、下部バリア金属膜120を介して配置されている。ソース配線912上には、上部金属膜114として、例えばNiめっき層などのめっき層が設けられている。図示するように、半導体素子9000では、ソース配線912の表面処理工程に起因して、ソース配線912は開口部111cの側壁上で薄くなったり、消失したりする場合がある。
図26および図27は、それぞれ、参考例の半導体素子9000の製造工程を示す工程断面図である。図26は表面処理を行う前のソース配線912、図27は表面処理後のソース配線912の状態を示す。
参考例では、図26に示すように、層間絶縁膜111上および複数の開口部111c内に、下部バリア金属膜120およびソース配線912を堆積する。ここでは、ソース配線912として、例えばスパッタ法で、所定の厚さを有するAl層を堆積する。ソース配線912の上面は、開口部111cを反映した凹部を有している。ソース配線912の厚さは、開口部111cの深さよりも小さく、ソース配線912の上面の一部(凹部の少なくとも底部)は開口部111c内に位置している。なお、ソース配線912を真空蒸着プロセスで形成した場合、成膜直後のソース配線912の厚さは、層間絶縁膜111の開口部111cの側壁上で、上面111a上よりも小さくなる傾向がある。
この後、ソース配線912であるAl層に対して表面処理を実施する。この表面処理は、Al層上に、上部金属膜114としてめっき層(例えばNiめっき層)を形成しやすくするための前処理を含む。表面処理は、例えば、Al層表面の酸化物を除去する処理、および/または、Al層上に被膜を形成する処理を含む。被膜は、例えば、上部金属膜114の金属(めっきによって成長させる金属)に対する密着性を向上させ得る膜であってもよい。表面処理として、例えばジンケート処理を行ってもよい。
Al層の表面処理を行う際に、Al層の表面部分もエッチング(オーバーエッチング)され得る。参考例では、ソース配線912であるAl層の上面のうち開口部111c内に位置する部分で、エッチングが加速することがある。エッチングの加速は、ソース配線912の上面が開口部111cを反映した凹部を有する場合、特にその凹部の幅が、凹部の高さ(深さ)に対して十分小さい場合に顕著になり得る。これは、表面処理に使用されるエッチャントが、凹部内に残存しやすく、実質的なエッチング時間が増加してしまうからと考えられる。このため、Al層のうち開口部111cの側壁上や底部に位置する部分のエッチング量が、層間絶縁膜111上に位置する部分のエッチング量よりも大きくなり得る。この表面処理では、また、Al層の粒塊の境界からエッチャントがAl層の内部に選択的に侵入することがある。
上記表面処理の結果、図27に示すように、Al層のうち開口部111cの側壁上に位置する部分の厚さが、層間絶縁膜111上に位置する部分の厚さよりもさらに小さくなる(つまり、厚さの差が拡大する)場合がある。表面処理の条件によっては、開口部111cの側壁上でAl層が部分的に除去され、層間絶縁膜111上または開口部111cの上部に位置する部分と、開口部111cの底部に位置する部分とが断絶する可能性がある。
なお、参考例では、ソース配線912の上面の一部が開口部111c内に位置しているが、ソース配線912の上面全体が、層間絶縁膜111の上面111aよりも上方に位置していてもよい。この場合でも、ソース配線912の上面が開口部111cに対応する凹部を有していれば、その凹部内にエッチャントが残存することで、上述したようなエッチングの加速が生じ得る。
続いて、表面処理を実施した後のソース配線912の上に、上部金属膜114として、例えばNiめっき層を形成することにより、図25に示した半導体素子9000を得る。
参考例の半導体素子9000では、オフの状態から急にオン状態(短絡状態)になった場合、裏面電極113側のドレイン電極110から半導体基板101、半導体層102、チャネル層106(チャネル層が設けられていない場合には、ボディ領域103とゲート絶縁膜107の間に形成される反転層)およびソース電極109を介して、ソース配線912に過渡的に大電流が流れる。参考例では、ソース配線912であるAl層の比抵抗は、上部金属膜114であるNiめっき層の比抵抗よりも小さいので、短絡時の過渡的な大電流(突発電流)は、瞬間的に、比抵抗の小さいソース配線912を流れる。このとき、開口部111cの側壁上においてAl層が断絶していたり、Al層が部分的に薄くなっていたりすると、過渡的な大電流に伴う局所的な発熱が瞬時に発生し、短絡耐量が低下してしまう可能性があった。
これに対し、図1および図2に示した本実施形態の半導体素子1000、1010では、ソース配線112における少なくとも第1配線層112Aのエッチングが抑制される。
図3および図4は、それぞれ、本実施形態の半導体素子の製造工程を示す工程断面図であり、表面処理を行う前および表面処理後のソース配線112の状態を示す。ここでは、図2に示す半導体素子1010を製造する工程を例に説明する。
図3に示すように、本実施形態では、層間絶縁膜111上および複数の開口部111c内に、下部バリア金属膜120を堆積した後、下部バリア金属膜120上に、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cをこの順で堆積することにより、積層構造を有するソース配線112を得る。ソース配線112における第1配線層112Aおよび第2配線層112Cのそれぞれは、例えば主としてAlを含み、バリア金属層112Bは、例えば主としてTiNを含む。参考例と同様に、ソース配線112の上面は、開口部111cの形状を反映した凹部を有している。ソース配線112の上面の一部(凹部の少なくとも底部)は開口部111c内に位置してもよい。
この後、ソース配線112に対して表面処理を実施する。図27を参照して前述したように、ソース配線112の表面処理を行う際に、ソース配線112の表面部分もエッチングされ得る。本実施形態でも、参考例と同様に、ソース配線112の上面のうち開口部111c内に位置する部分でエッチングが加速してしまう場合がある。この結果、ソース配線112の第2配線層112C(例えばAl層)のうち開口部111cの側壁上に位置する部分が、層間絶縁膜111上に位置する部分よりも薄くなる場合がある(図1参照)。エッチャントの種類、エッチング時間などの表面処理条件によっては、ソース配線112のオーバーエッチングが部分的に過剰に進行し、図4に示すように、第2配線層112Cが、層間絶縁膜111の開口部111cの側壁部において、部分的に消失する(つまり、厚さ方向に亘って除去される)こともある。
この表面処理工程において、第1配線層112Aは、バリア金属層112Bで覆われているので、表面処理に使用するエッチャントによって除去されにくい。バリア金属層112Bの材料として、表面処理に使用される材料(例えば、エッチャント等の薬液)に対して耐性を有する材料を選択することが好ましい。これにより、表面処理工程における第1配線層112Aのエッチングをより確実に抑制できる。
この後、ソース配線112上に、上部金属膜114として、例えばNiめっき層を堆積することにより、半導体素子1010を得る。
図1および図2に示す半導体素子1000、1010では、短絡時の過渡的な大電流(突発電流)は、上部金属膜114およびソース配線112のうちの比抵抗の小さい方を流れる。上記例では、ソース配線112の第1配線層112Aの比抵抗は、上部金属膜114の比抵抗よりも小さいので、過渡的な大電流は、ソース配線112の第1配線層112Aを流れる。本実施形態における第1配線層112Aは、層間絶縁膜111の上面111a上、開口部111cの側壁上および開口部111cの底部上で連続して(つながって)いる。このため、参考例の半導体素子9000よりも、短絡時の過渡的な大電流に伴う局所的な過渡熱が抑制されるので、短絡耐量を高めることが可能になる。
<ソース配線112における各層の厚さ>
続いて、図5を参照しながら、ソース配線112における各層の厚さを説明する。
図5に示すように、第1配線層112Aの開口部111cの底部上、開口部111cの側壁上、および、層間絶縁膜111の上面111a上(例えばゲート電極108の上方)における厚さを、それぞれ、「第1厚さta1」、「第2厚さta2」および「第3厚さta3」と呼ぶ。同様に、第2配線層112Cの開口部111cの底部上、開口部111cの側壁上、および、層間絶縁膜111の上面111a上における厚さを、それぞれ、「第1厚さtc1」、「第2厚さtc2」および「第3厚さtc3」と呼ぶ。
ソース配線112における各層の厚さは、例えば、半導体素子1000の断面観察によって求めることができる。本明細書では、開口部111cの底部上における各層の厚さは、半導体基板101の主面に垂直な断面において、開口部111cの底部(例えばソース電極109の上面)を近似した直線に垂直な方向(この例では、半導体基板101の主面に垂直な方向)における最小厚さとする。また、開口部111cの側壁上における各層の厚さは、半導体基板101の主面に垂直な断面において、開口部111cの側壁を近似した直線に垂直な方向における最小厚さとする。なお、開口部111cの側壁上における各層の最小厚さは、半導体基板101の主面に垂直な断面において、各ユニットセルの開口部111cの底部の両側(図5では、底部の右側および左側)に位置する側壁上における最小厚さである。
図5に例示するように、第1配線層112Aの第1厚さta1は、第1配線層112Aのうち開口部111cの底部に位置する最も薄い部分の厚さであり、開口部111cの底部を近似した直線に平行な2つの補助線m1、m2の間の距離である。また、第1配線層112Aの第2厚さta2は、第2配線層112Cのうち開口部111cの側壁上に位置する最も薄い部分の厚さであり、開口部111cの側壁を近似した直線に平行な2つの補助線n1、n2の間の距離である。
第1配線層112Aの第3厚さta3は、バリア金属層112Bの厚さおよび第2配線層112Cの第3厚さtc3よりも大きくてもよい。層間絶縁膜111の上面111a上において、第1配線層112Aの第3厚さta3は、ソース配線112全体の厚さ(ここでは、上面111a上における、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cの合計厚さ)の1/2よりも大きく、0.9以下であってもよい。また、第1配線層112Aの第2厚さta2は、バリア金属層112Bの厚さおよび第2配線層112Cの第2厚さtc2よりも大きくてもよい。開口部111cの側壁上において、第1配線層112Aの第2厚さta2は、ソース配線112全体の厚さの1/2よりも大きく0.9以下であってもよい。このように、第1配線層112Aを相対的に厚くすることで、ソース配線112の配線抵抗をより低減できる。また、ソース配線112において、短絡時の過渡電流の経路がより確実に確保されるので、半導体素子1000の短絡耐量の低下をより効果的に抑制できる。
第1配線層112Aの第1厚さta1~第3厚さta3は、特に限定しないが、0.4μm以上であってもよい。これにより、ソース配線112の配線抵抗を低減でき、かつ、半導体素子1000の短絡耐量をさらに高めることができる。一方、第1配線層112Aの第1厚さta1~第3厚さta3は、10μm以下であってもよい。これにより、第1配線層112Aの成膜時間を短縮でき、製造コストを低減できる。
バリア金属層112Bの厚さは、開口部111c内および層間絶縁膜111の上面111a上において、例えば20nm以上200nm以下であってもよい。20nm以上であれば、後の表面処理工程において、第1配線層112Aのエッチングをより確実に抑制できる。200nm以下であれば、ソース配線112の抵抗の増加を抑制できる。
第2配線層112Cの第3厚さtc3は、特に限定しないが、例えば50nm以上1μm以下であってもよい。50nm以上であれば、上部金属膜114とソース配線112との密着性をより効果的に高めることができる。1μm以下であれば、第2配線層112Cの成膜時間を短縮でき、製造コストを低減できる。第2配線層112Cは、開口部111cの側壁上で部分的に薄くてもよい。第2配線層112Cの第2厚さtc2は、例えば、第3厚さtc3よりも小さい。第2配線層112Cの第2厚さtc2は、第2配線層112Cの第1厚さtc1よりも小さくてもよい。図2に例示したように、開口部111cの側壁上において、第2配線層112Cが部分的に除去され、バリア金属層112Bが露出していてもよい。
<開口部111cのサイズおよび形状>
次いで、図5を参照して、各ユニットセル100Uにおける開口部111cのサイズおよび形状を説明する。
開口部111cの底部の幅Wは、好ましくは4μm以下、例えば3μmである。開口部111cの底部の幅Wは、半導体基板101の主面の法線方向から見たときの開口部111cの底部の最小幅を指す。開口部111cの底部の平面形状が略矩形であれば、矩形の短辺の長さが幅Wである。層間絶縁膜111の開口部111cの底部の幅Wを小さく(例えば4μm以下)することで、各ユニットセル100Uのサイズを低減できる。ユニットセル100Uのサイズを小さくすることにより、半導体素子1000の単位面積あたりに流せる電流密度を大きくできる。半導体素子1000の有効面積の縮小によって、1枚の半導体ウェハからより多くの半導体素子1000を作製できるので、工業的にコスト低減を実現できる。また、チャネル密度を向上できるので、オン抵抗をより低減できる。一方、幅Wは、例えば1μm以上であってもよい。これにより、ソース電極109と半導体層102(ソース領域104やコンタクト領域105)との接触面積を十分に確保できる。
開口部111cの深さHは、ゲート絶縁膜107の厚さ、ゲート電極108の厚さおよび層間絶縁膜111の厚さによって決定され得る。開口部111cの深さHは、開口部111cの底部におけるソース電極109の表面と層間絶縁膜111の上面111aとの、半導体基板101の主面の法線方向における距離である。深さHは、例えば0.5μm以上3μm以下である。
開口部111cの深さHの幅Wに対する比H/Wは、例えば0.5以上であってもよい。これにより、チャネル密度を向上させてオン抵抗を低減することが可能になる。また、層間絶縁膜111の厚膜化によって半導体素子1000の信頼性を向上できる。一方、上記比H/Wは、例えば2以下であってもよい。これにより、開口部111c内に、短絡耐量の低下を抑制し得るソース配線112をより確実に充填できる。
なお、図25に示した参考例の半導体素子9000では、開口部111cの幅Wを小さくしたり(例えば0.4μm以下)、開口部111cの上記比H/Wを大きくしたりすると(例えば0.5以上)、ソース配線912の上面には、比較的深い凹部が形成され、表面処理に使用する薬液(エッチャント)が凹部内に残存しやすい。このため、凹部内でソース配線912のエッチング量が大きくなり、ソース配線912の部分的な消失による短絡耐量の低下がより顕著になり得る。また、開口部111cの側壁の傾斜角度αが大きい場合(例えば65°以上)も、同様に、凹部内にエッチャントが残存しやすいので、短絡耐量の低下がより顕著になり得る。これに対し、本実施形態によると、開口部111cのサイズや形状にかかわらず、ソース配線112のうち第1配線層112Aのエッチングが抑制されるので、高い短絡耐量を維持できる。従って、開口部111cの幅Wを例えば4μm以下に設定したり、上記比H/Wを例えば0.5以上に設定したり、または、開口部111cの側壁の傾斜角度αを例えば65°以上に設定することで、高い短絡耐量を確保しつつ、チャネル密度を高くしてオン抵抗を低減できる。また、層間絶縁膜111の厚膜化によって、半導体素子の信頼性をさらに向上できる。なお、傾斜角度αは、90°以下、例えば85°未満であってもよい。
(半導体素子の製造方法)
次に、図面を参照しながら、図1に示す半導体素子1000の製造方法を例に、本実施形態に係る半導体素子の製造方法を説明する。説明を簡便にするために、ここでは半導体素子1000における複数のユニットセル100Uのうちの隣接する2つのユニットセルに着目して説明する。図示していないが、複数のユニットセル100Uが配置された活性領域の周辺には、これらのユニットセル100Uのゲート電極に接続するゲートパッド、活性領域を取り囲む終端構造などが形成され得る。
図6~図18は、それぞれ、半導体素子1000の製造方法の一部を説明する工程断面図である。
まず、半導体基板101を準備する。半導体基板101は、例えば、抵抗率が0.02Ωcm程度の低抵抗な半導体基板である。ここでは、半導体基板101として、例えば<11-20>方向に4度オフカットされた、第1導電型(n型)の低抵抗4H-SiC(0001)基板を用いる。
次に、図6に示すように、半導体基板101の主面101a上に、n型の半導体層102をエピタキシャル成長により形成する。半導体層(ドリフト層)102の不純物濃度は、半導体基板101の不純物濃度よりも低い。半導体層102は、例えば、n型4H-SiCによって構成される。半導体層102の不純物濃度は、例えば5×1015cm-3、半導体層102の厚さは、例えば15μmである。半導体層102を形成する前に、半導体基板101上に、SiCによって構成されるn型のバッファ層を形成してもよい。バッファ層の不純物濃度は、半導体層102の不純物濃度よりも高く、例えば1×1018cm-3であり、バッファ層の厚さは、例えば1μmである。半導体層102およびバッファ層の不純物濃度および厚さは、特に限定されず、必要な耐圧を得るために適宜選択される。
次に、図7に示すように、半導体層102の上に、例えばポリシリコンからなるマスク901を形成する。マスク901の材料の種類や構造は限定されない。この後、マスク901の上方から、半導体層102の一部にp型の不純物イオン(例えばAlイオンまたはBイオン)を注入する。これにより、半導体層102に、ボディ領域となるイオン注入領域153を形成する。
次に、図8に示すように、半導体層102の上に、イオン注入領域153の一部を覆うように、例えばSiOからなるマスク902を形成する。マスク902の材料の種類や層構造は限定されない。マスク902は、マスク901の側壁に接する部分を有してもよい。マスク902のうちマスク901の側壁に接する部分は、一般的な半導体プロセスで用いられるセルフアラインプロセスにより形成してもよい。ここでは、マスク901を利用しているが、マスク901を削除し、注入用のマスクを別途形成してもよい。
次いで、マスク901およびマスク902の上方から、イオン注入領域153の一部に、n型の不純物イオン(例えばNイオンまたはPイオン)を注入する。これにより、半導体層102に、ソース領域となるイオン注入領域154を形成する。この後、マスク901および902を除去する。
続いて、図9に示すように、半導体層102の上に、例えばSiOからなるマスク903を形成する。マスク903の材料の種類や構造は限定されない。この後、p型の不純物イオン(例えばAlイオンまたはBイオン)を半導体層102に注入する。これにより、半導体層102に、コンタクト領域となるイオン注入領域155を形成する。この後、マスク903を除去する。
必要に応じて、半導体層102の表面のうち、隣接するイオン注入領域153の間に位置する領域(いわゆるJFET領域)の少なくとも一部に対し、半導体層102と同じ導電型の不純物イオン(例えばNイオン)を注入してもよい。これにより、半導体素子1000のJFET領域における抵抗を低減することが可能となる。例えば、JFET領域の不純物濃度は、1×1017cm-3であってもよい。
また、半導体基板101の裏面(半導体層102を堆積した面の反対側の面)側に、半導体層102と同じ導電型の不純物イオン(例えばNイオンまたはPイオン)を注入してもよい。これにより半導体素子1000の半導体基板101裏面の接触抵抗を低減することが可能となる。
続いて、不活性雰囲気中で1700℃程度の温度で活性化アニールを行う。これにより、図10に示すように、イオン注入領域153、154、155から、p型のボディ領域103、n型のソース領域104、およびp型のコンタクト領域105が形成される。なお、この活性化アニールを行う前に、半導体層102の表面に、活性化温度に耐えうる保護膜を形成してもよい。
ボディ領域103の深さは、例えば約0.6~1μmであり、ボディ領域103の表面付近のp型不純物の濃度(ここではAl濃度)は、例えば2×1016~5×1019cm-3、好ましくは1×1018~2×1019cm-3であってもよい。ソース領域104の深さは、例えば約0.2~0.4μmであり、ソース領域104のn型不純物の平均濃度は、例えば1×1019~1×1021cm-3であってもよい。半導体層102がSiC層であり、かつ、ソース領域104がn型不純物としてNを含む場合、ソース領域104のn型不純物の平均濃度は、3×1019~7×1019cm-3であることが好ましい。コンタクト領域105の深さは、例えば約0.3~0.5μmであり、コンタクト領域105の表面付近のp型不純物の濃度は、例えば5×1019~1×1021cm-3であってもよい。
続いて、図11に示すように、半導体層102の上に、n型の炭化珪素(SiC)を含むチャネル層106を設ける。チャネル層106は、半導体層102上にエピタキシャル成長によって形成されたエピタキシャル層であってもよい。図11に示す例では、チャネル層106として、半導体層102の上面全体にSiCエピタキシャル層を形成する。チャネル層106の厚さは、例えば、20nm以上200nm以下であってもよく、チャネル層106の平均的な不純物濃度は、例えば、1×1016cm-3以上5×1018cm-3以下であってもよい。チャネル層106の厚さや不純物濃度は、特に限定されず、半導体素子1000がトランジスタ動作する場合の閾値電圧を調整するために適宜選択される。
続いて、図12に示すように、チャネル層106の上にゲート絶縁膜107を形成した後、ゲート絶縁膜107上にゲート電極108を配置する。
ゲート絶縁膜107は、炭化珪素からなるチャネル層106の熱酸化によって形成されてもよいし、別途CVD等で半導体層102上に絶縁膜を堆積することによって形成されてもよい。ゲート絶縁膜107は、例えばSiOを主として含む。ゲート絶縁膜107の厚さは、40~100nm程度であってもよく、例えば70nm程度であってもよい。
ゲート電極108は、例えば、n型の低抵抗ポリシリコン層であってもよい。この場合、ゲート電極108は、ゲート絶縁膜107上に、厚さが500nm程度のポリシリコン膜を堆積し、ポリシリコン膜のうちの不要な部分を除去することによって形成されてもよい。
次に、図13に示すように、半導体層102の上に、ゲート絶縁膜107およびゲート電極108を覆う層間絶縁膜111を形成する。ここでは、まず、半導体層102の上方(この例ではチャネル層106上)に層間絶縁膜111を堆積する。この後、必要に応じて層間絶縁膜111に熱処理を実施して層間絶縁膜111の膜密度を向上させてもよい。続いて、層間絶縁膜111上に所定の領域を開口するマスク(不図示)を設け、層間絶縁膜111およびゲート絶縁膜107のエッチングを行う。これにより、ユニットセル100Uのそれぞれにおいて、層間絶縁膜111およびゲート絶縁膜107に、チャネル層106の一部を露出する開口部111cを形成する。開口部111cは、例えばドライエッチングによって形成される。半導体基板101の主面101aの法線方向から見たとき、各開口部111cは、コンタクト領域105の一部およびソース領域104の一部に重なるように配置される。この後、マスクを除去する。
層間絶縁膜111の厚さは、例えば0.5μm~3.0μmであってもよい。0.5μm以上であれば、半導体素子の信頼性を向上できる。一方、3.0μm以下であれば、開口部111cや後に形成するソース電極109を比較的容易に形成できる。この例では、層間絶縁膜111として、厚さが1.6μmのSiO膜を形成する。なお、ここでいう層間絶縁膜111の厚さは、層間絶縁膜111のうちゲート電極108の上方に位置する部分の厚さである。
層間絶縁膜111は、ゲート電極108の上面および側面を覆うことが好ましい。図示する例では、ゲート絶縁膜107の幅はゲート電極108の幅よりも大きく、ゲート絶縁膜107の側面は開口部111c内に露出している。
なお、ゲート絶縁膜107は、少なくともゲート電極108と半導体層102との間に位置していればよい。ゲート絶縁膜107が開口部111cを形成しようとする領域まで延設されていない場合には、開口部111cは層間絶縁膜111のみに形成される。
開口部111cを形成する際に、層間絶縁膜111およびゲート絶縁膜107とともに、チャネル層106も除去してもよい。この場合には、ユニットセル100Uのそれぞれにおいて、開口部111cの底部には、半導体層102(ここでは、ソース領域104の一部およびコンタクト領域105の一部)が露出する。
次に、図14に示すように、層間絶縁膜111の各開口部111c内にソース電極109を形成する。具体的には、まず、層間絶縁膜111上および開口部111c内に金属膜(不図示)を堆積する。ここでは、金属膜として、例えば厚さが約100nmのニッケル(Ni)膜を形成する。次いで、例えば不活性ガス雰囲気中で、1000℃で2分程度の熱処理を行うことにより、金属膜を、炭化珪素表面(チャネル層106または半導体層102の表面)と反応させてシリサイド化する。この後、金属膜(ニッケル膜)のうち、層間絶縁膜111の上面111a上および開口部111cの側壁上に位置し、炭化珪素と反応しなかった部分を除去する。これにより、各開口部111cの底部に選択的に、金属シリサイド(ここではNiシリサイド)から構成されるソース電極109が形成される。各開口部111c内において、ソース電極109は、ソース領域104の一部及びコンタクト領域105とオーミック接合を形成する。ボディ領域103は、コンタクト領域105を介して、対応するソース電極109に電気的に接続される。なお、NiがSiCと反応する(シリサイド化)際に、Niは半導体層102側だけでなく横方向にも拡散するので、ソース電極109の幅は、開口部111cの幅よりも大きくなり得る(図5参照)。
次に、半導体基板101の裏面上にドレイン電極110を形成する。具体的には、まず、半導体基板101の裏面側に金属膜を堆積する。ここでは、金属膜として、例えば、厚さ約200nmのNi膜またはTi膜を形成してもよい。次いで、例えば不活性ガス雰囲気中で、1000℃で2分程度の熱処理を行うことにより、金属膜を炭化珪素(ここでは半導体基板101の裏面)と反応させてシリサイド化する。これにより、図14に示したように、半導体基板101の裏面に、金属シリサイドから構成されるドレイン電極110が形成される。ドレイン電極110は、半導体基板101の裏面とオーミック接合を形成する。ドレイン電極110は、例えばNiまたはTiを主として含んでもよい。ドレイン電極110は、Niシリサイド電極またはTiシリサイド電極であってもよい。
なお、先に説明した、ソース電極109を形成するための(すなわちシリサイド化のための)熱処理と、ドレイン電極110を形成するための熱処理とを同時に実行してもよい。これにより、半導体素子1000の製造工程数を低減できる。
次に、図15に示すように、層間絶縁膜111上および各開口部111c内に下部バリア金属膜120を形成した後、下部バリア金属膜120上にソース配線112を形成する。ソース配線112は、各開口部111c内で、下部バリア金属膜120を介してソース電極109に電気的に接続されている。なお、下部バリア金属膜120が設けられていなくてもよい。
本実施形態では、ソース電極109および層間絶縁膜111の上に、下部バリア金属膜120、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cを、例えばスパッタ法で連続して堆積する。なお、下部バリア金属膜120、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cの形成方法は特に限定されない。
下部バリア金属膜120は、例えばTiを含む。下部バリア金属膜120は、例えば、厚さが40nmのTi膜を下層とし、厚さが80nmのTiN膜を上層とする積層膜である。
第1配線層112Aは、例えばAlを含む。第1配線層112Aは、主としてAlを含んでもよい。本明細書において、「主としてAlを含む」とは、例えば、Alを90重量%以上含むことをいう。第1配線層112Aのうちゲート電極108の上方に位置する部分の厚さは、例えば0.4μm~10μmであってもよい。第1配線層112Aは、例えば厚さが1.5μmのAl層である。Al層は、CuまたはSiを含んでもよい。Al層がCuまたはSiを含む場合、Alの含有率は90重量%以上であってもよい。例えば、Cuを含むAl層では、Alの含有率は99.5重量%、Cuの含有率は0.5重量%であってもよい。
バリア金属層112Bは、例えばTiを含む。バリア金属層112Bのうちゲート電極108の上方に位置する部分厚さは、例えば20nm以上200nmであってもよい。バリア金属層112Bは、例えば厚さが80nmのTiN膜である。
第2配線層112Cは、例えばAlを含む。第2配線層112Cのうちゲート電極108の上方に位置する部分厚さは、例えば0.5μm~2μmであってもよい。0.5μm以上であれば、後の表面処理工程でオーバーエッチングされた場合でも、少なくとも層間絶縁膜111の上面に、所定の厚さの第2配線層112Cを残すことが可能になるので、上部金属膜114とソース配線112との密着性を高めたり、上部金属膜114がめっき膜である場合にはソース配線112上にめっき膜をより容易に形成することができる。従って、ソース配線112と上部金属膜114との密着性をさらに向上できる。2μm以下であれば、第2配線層112Cの成膜時間を短縮でき、製造コストを低減できる。第2配線層112Cは、例えば厚さが1.5μmのAl層である。Al層はCuを含んでもよい。
なお、本工程で説明した下部バリア金属膜120、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cの厚さは、その層のうちゲート電極108の上方に位置する部分の堆積直後の厚さである。これらの層の厚さは、開口部111c内とゲート電極108の上方とで異なっていてもよい。例えば、これらの層のうち開口部111c内に位置する部分の厚さは、ゲート電極108の上方に位置する部分の厚さよりも小さくてもよい。さらに、完成後の半導体素子における各層の厚さは、後の表面処理によって、堆積直後の厚さよりも小さくなり得る。
下部バリア金属膜120とバリア金属層112Bとを同じ材料から形成してもよい。また、第1配線層112Aと第2配線層112Cとを同じ材料から形成してもよい。これにより、製造工程が簡便化され、生産性が向上する。
図示する例では、ソース配線112は3層構造を有する。なお、ソース配線112は、第1配線層112A、バリア金属層112Bおよび第2配線層112Cを半導体層102側からこの順で含んでいればよく、4層以上の積層構造を有してもよい。
この後、図16に示すように、半導体基板101の裏面側に、ドレイン電極110を覆う裏面電極113を形成する。ここでは、裏面電極113として、例えばドレイン電極110側から、Ti膜(厚さ:0.1μm)、Ni膜(厚さ:0.3μm)およびAg膜(厚さ:0.7μm)をこの順で含む積層電極を形成する。
次いで、図17に示すように、上部金属膜114となるめっき層を形成するために、表面処理を行う。ここでは、ソース配線112の表面(ここでは第2配線層112CであるAl層の表面)の酸化皮膜を除去し、かつ、Al層の表面に亜鉛皮膜を形成するジンケート処理を行うための溶液処理を施す。溶液処理では、第2配線層112Cの表面もエッチングされるので、第2配線層112Cの厚さは、表面処理前の厚さ(堆積直後の厚さ)よりも小さくなる。第2配線層112Cの上面は、層間絶縁膜111の開口部111cを反映した凹部を有するので、凹部内にエッチャントが残存することで、凹部内で第2配線層112Cのエッチング量が大きくなることがある。この結果、第2配線層112Cのうち開口部111cの側壁上に位置する部分が、他の部分よりも薄くなり得る。一方、バリア金属層112B(ここではTiN膜)は上記エッチャントでエッチングされにくいので、バリア金属層112Bによって第1配線層112Aのエッチングが抑制される。従って、表面処理後でも、少なくとも第1配線層112Aは、複数の開口部111c内および層間絶縁膜111上に亘って連続している。第1配線層112Aの厚さは、表面処理前の厚さ(堆積直後の厚さ)と略同じであってもよい。バリア金属層112Bの厚さは、表面処理前の厚さ(堆積直後の厚さ)と略同じであってもよい。
図17には示されていないが、ソース配線112の表面(ここでは第2配線層112Cの表面)には、微細な凹凸が形成されていてもよい。例えば、表面処理工程において、ソース配線112の表面を構成するAl膜の結晶粒界が選択的にエッチングされることで、微細な凹部が生じることがある。
なお、本工程で行う表面処理は、めっき前処理に限定されない。上部金属膜114の形成方法にかかわらず、酸化膜の除去、上部金属膜114との密着性向上などを目的として、ソース配線の表面に対して実施される処理を広く含む。
この後、図18に示すように、ソース配線112上に上部金属膜114を形成する。上部金属膜114の形成方法は特に限定しないが、例えばめっき法であってもよい。ここでは、上部金属膜114として、例えば、主としてNiを含むめっき層を形成する。上部金属膜114の厚さ(上部金属膜114のうちゲート電極108の上方に位置する部分の厚さ)は、1μm~10μm、例えば約3μmである。このようにして、半導体素子1000が製造される。
(実施例および比較例)
以下、実施例および比較例の半導体素子を作製し、評価を行ったので、その方法および結果を説明する。ここでは、実施例および比較例の半導体素子として、室温における定格電圧(定格耐圧)1700Vを保証する高耐圧MISFETを、それぞれ10個ずつ作製した。
<半導体素子の作製>
図19は、実施例の半導体素子の一部を示す模式的な拡大断面図である。図20は、比較例の半導体素子の一部を示す模式的な拡大断面図である。これらの図では、1つのユニットセルにおける半導体層102よりも下部の構造を省略している。図20に示す比較例の半導体素子は、Al層のみからなるソース配線912を有する点以外は、図19に示す実施例の半導体素子と同様の構造を有する。
実施例および比較例では、所定の金属膜をスパッタ法で堆積することにより、ソース配線112、912を形成した。ソース配線112、912の各層の材料と、ゲート電極108の上方における各層の堆積直後の厚さ(すなわち表面処理を行う前の厚さ)を表1に示す。
この後、ソース配線112、912の表面処理を行った。ここでは、実施例および比較例におけるソース配線構造の違いが素子特性に与える影響を調べるため、表面処理を過剰な条件(オーバーエッチングが生じやすい条件)で実施した。表面処理後、ソース配線112、912上に、上部金属膜114として、厚さが3μmのNiめっき層を形成した。上記以外の製造方法は、図6~図18を参照して前述したとおりである。
続いて、実施例および比較例の半導体素子の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)で観察した。
図19に示すように、実施例の半導体素子では、上記表面処理によって第2配線層112Cがオーバーエッチングされた結果、第2配線層112Cは、層間絶縁膜111の上面111aには残存しているものの、開口部111c内ではほぼ消失していた。これは、開口部111c内で第2配線層112Cのエッチングが加速されたからと考えられる。このため、層間絶縁膜111の開口部111c内では、ソース配線112の上面にバリア金属層112Bが露出していた。バリア金属層112Bの露出表面は上部金属膜114に接していた。
一方、図20に示すように、比較例の半導体素子では、上記表面処理によりAl層(単層)であるソース配線912がオーバーエッチングされた結果、ソース配線912は、層間絶縁膜111の上面に残存しているものの、開口部111cの側壁上では完全に消失していた。このため、ソース配線912は、開口部111c側壁上で断絶していた。つまり、ソース配線912のうち層間絶縁膜111の上面に位置する部分と、開口部111cの底部に位置する部分とは互いに離隔していた。
実施例および比較例の半導体素子完成後の第1配線層112Aにおける開口部111cの底部上、開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面上における第1厚さta1~第3厚さta3と、第2配線層112Cにおける開口部111cの底部上、開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面上における第1厚さtc1~第3厚さtc3とを表1に示す。同様に、比較例のソース配線912のAl層の開口部111cの底部上、開口部111cの側壁上、および層間絶縁膜111の上面上における厚さt1~t3を表1に示す。これらの厚さの測定方法は、図5を参照して前述した方法と同様である。
Figure 2023139634000002
<半導体素子の評価>
続いて、上記方法で作製した実施例および比較例の各半導体素子の閾値電圧Vthを測定した。ここでは、室温環境において、各半導体素子のドレイン-ソース間に10Vの電圧を印加した状態で(Vds=10V)、ドレイン-ソース間に電流密度が100mA/cmとなる電流Idsを流した時のソース-ゲート間の電圧Vgsを「閾値電圧Vth」とした。なお、電流密度を定義するための面積は、各半導体素子の活性領域の面積(1つのユニットセル100Uの総面積)とした。例えば、半導体素子1000の活性領域の面積が0.1cmである場合、閾値電圧を定義する電流Idsは10mAである。
また、室温環境において、各半導体素子のオン電流が定格電流(ここでは50A)のときのオン抵抗Ronを測定した。
図21は、実施例および比較例の各半導体素子の、室温における閾値電圧Vthとオン抵抗Ronとの関係を示す図である。図21に示すように、実施例および比較例の半導体素子のオン抵抗Ronは略同程度であることが分かった。
次に、実施例および比較例の各半導体素子の短絡耐量を評価した。
図22は、短絡耐量評価を実施する際の測定回路を例示する図である。まず、評価対象となる半導体素子800の定格電圧より低い電源電圧を有する電源801を用意し、電源801によりコンデンサ802に電荷を蓄える。この後、ゲートドライバ803により、半導体素子800のゲートにゲートパルスを与えて、半導体素子800の各ユニットセルを構成するトランジスタをオン状態とする。その状態で、コンデンサ802に蓄えられた電荷を、半導体素子800のソース-ドレイン間に流す。ここでは、半導体素子800のゲートに印加する電圧(ゲート―ソース間電圧)Vgsを20Vとする。ゲートパルス幅を0.1μ秒ずつ増加させて、半導体素子800が破壊するまで同様の評価を実施し、半導体素子800が破壊したときのゲートパルス幅Tb(μ秒)を得る。破壊直前のゲートパルス幅であるTb―0.1(μ秒)を、半導体素子800の「短絡耐量時間Tsc(μ秒)」と定義する。
図23は、実施例および比較例の各半導体素子の、室温における閾値電圧Vthと短絡耐量時間Tscとの関係を示す図である。図23では、実施例および比較例のそれぞれについて、10個の半導体素子の測定結果をプロットしている。図23に示す結果から、実施例の半導体素子は、比較例の半導体素子よりも高い短絡耐性を有することが確認される。
また、図23に示す比較例の半導体素子の10点の測定結果について、最小二乗法により直線近似式を求めたところ、下記式(1)が得られた。式(1)を図23に破線p1で示す。
Tsc≒1.430×Vth+0.212 (1)
これに対し、実施例の半導体素子では、比較例の半導体素子よりも短絡耐量時間Tscが1μ秒程度改善した。つまり、実施例の半導体素子は、下記式(2)で表される短絡耐量時間Tscを有し得る。式(2)を図23に実線p2で示す。
Tsc≧1.430×Vth+1.012 (2)
本実施形態の半導体素子の閾値電圧Vthは、特に限定されず、適宜変更され得る。本実施形態によると、上記式(2)から分かるように、室温環境において、閾値電圧Vthが2V以上のMISFETは、3.9μ秒以上の短絡耐量時間Tscを有し得る。同様に、閾値電圧Vthが3V以上のMISFETは、5.3μ秒以上の短絡耐量時間Tsc、閾値電圧Vthが4V以上のMISFETは、6.7μ秒以上の短絡耐量時間Tscを有し得る。
さらに、上記実施例および比較例の半導体素子の室温における定格電圧は1700Vであるが、本実施形態の半導体素子の定格電圧は1700Vに限定されない。SiCからなるチャネル部を有するMISFETでは、短絡時の飽和電流はチャネル部で律速されると考えられる。このため、主に半導体層102の濃度と厚さを調整することで、定格電圧を変更できる。定格電圧が例えばVであるMISFETの評価にも、図22に示したような短絡耐量評価回路を用いることができる。ただし、短絡耐量評価回路における電源801の電圧を定格電圧に準じて変更する。これによって半導体素子に与える負荷エネルギーは変化するが、半導体素子が耐え得る短絡耐量エネルギーは一定であると仮定する。そうすると、上記式(2)で示される短絡耐量時間Tsc(図23中の実線p2)は概ね1700/V倍される。従って、定格電圧Vの半導体素子(SiC-MISFET)は、下記式(3)で表される短絡耐量時間Tscを有し得る。
Tsc≧(1.430×Vth+1.012)×1700/V (3)
以上のように、本実施形態によると、ソース配線112内にバリア金属層112Bを配置して、第1配線層112Aのエッチングを抑制することにより、層間絶縁膜111の上面上、開口部111cの側壁上および開口部111cの底部上(ソース電極109上)に連続した第1配線層112Aを形成できる。これにより、半導体素子の短絡耐量時間Tscの低下を抑制することが可能となる。
(第2の実施形態)
図24は、第2の実施形態に係る半導体素子2000の概略を説明するための断面図である。
図24に示す半導体素子2000は、ソース配線212がバリア金属層を含まない点、および、上部金属膜214がソース配線212よりも比抵抗の小さい金属を主に含んでいる点で、前述の実施形態と異なる。図1に示す半導体素子1000と同様の構成要素には同じ参照符号を付している。以下、半導体素子1000と同様の構成要素についての説明を適宜省略し、半導体素子1000と異なる点を主に説明する。
半導体素子2000のソース配線212は、バリア金属を実質的に含まない金属層であり、上部金属膜214は、ソース配線212よりも比抵抗の小さい金属層である。例えば、ソース配線212はAl層であり、上部金属膜214はCuめっき層であってもよい。
本実施形態でも、上部金属膜214を形成する前に、ソース配線212に対して表面処理を行う。表面処理によってソース配線212の表面はオーバーエッチングされ得る。図示する例では、ソース配線212の表面が過度にエッチングされた場合を示しており、開口部111cの側壁上の一部でソース配線212が完全に除去されている。なお、表面処理の条件によって、開口部111cの側壁上でソース配線212が薄く残る場合もある。開口部111cのサイズや形状は、前述の実施形態と同様であってもよい。
半導体素子2000では、短絡時の過渡電流は、比抵抗の小さい上部金属膜214側を瞬時に流れる。局所的に過度にエッチングされたソース配線212には過渡電流が流れにくいので、短絡耐量低下を抑制できる。
上部金属膜214は、比較的厚い(例えば3μm以上)であることが好ましい。ゲート電極108の上方において、上部金属膜214の厚さは、例えばソース配線212の厚さよりも大きくてもよい。このように厚い上部金属膜214では、短絡時に過渡電流が流れても局所的な発熱が起こりにくいので、短絡耐量をより効果的に向上できる。
第2の実施形態の半導体素子がMISFETである場合、MISFETの短絡耐量時間Tscと閾値電圧Vthとは、第1の実施形態と同様の関係(例えば上述した式(2)および(3))を有し得る。
上述した実施形態の半導体素子1000、1010、2000はいずれもMISFETであるが、本開示の実施形態の半導体素子は、半導体層102と異なる導電型の半導体基板101を用いた絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)であってもよい。IGBTの場合、上述したMISFETにおけるソース電極、ドレイン電極、ソース配線およびソース領域は、それぞれ順に、「エミッタ電極」、「コレクタ電極」、「エミッタ配線」および「エミッタ領域」と呼ばれる。なお、本明細書では、MISFETのソース電極やIGBTのエミッタ電極に相当する電極を「第1電極」と呼び、MISFETのソース配線やIGBTのエミッタ配線に相当する配線を「第1配線」と呼ぶことがある。
さらに、上記実施形態では、炭化珪素が4H-SiCである例を説明したが、炭化珪素は6H-SiC、3C-SiCまたは15R-SiCなどの他のポリタイプであってもよい。また、本開示の実施形態では、SiC基板の主面が(0001)面からオフカットした面である例を説明したが、SiC基板の主面は、(11-20)面、(1-100)面、(000-1)面、またはこれらのオフカット面であってもよい。また、半導体基板101としてSi基板を用いてもよい。Si基板上に、3C-SiC半導体層を形成してもよい。この場合、3C-SiCに注入された不純物イオンを活性化するためのアニールを、Si基板の融点以下の温度において実施してもよい。
さらに、上記実施形態では、半導体素子がプレーナ型のMISFETである例を説明したが、本開示の半導体素子は、一般的なトレンチ型MISFET、トレンチ型IGBTなどであってもよい。
本開示は、例えば、民生用、車載用または産業機器用の電力変換器に搭載するためのパワー半導体デバイスに用いられ得る。
101 半導体基板
102 半導体層
102d ドリフト領域
103 ボディ領域
104 ソース領域
105 コンタクト領域
106 チャネル層
107 ゲート絶縁膜
108 ゲート電極
109 ソース電極
110 ドレイン電極
111 層間絶縁膜
112、212 ソース配線
112A 第1配線層
112B バリア金属層
112C 第2配線層
113 裏面電極
114、214 上部金属膜
120 下部バリア金属膜
100U ユニットセル
111c :開口部
111a :層間絶縁膜111の上面
1000、1010、2000、9000 半導体素子

Claims (23)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、
    前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、
    前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、
    前記第1配線は、第1配線層と、前記第1配線層および前記上部金属膜の間に位置する第2配線層と、前記第1配線層および前記第2配線層の間に位置し、第1バリア金属を含むバリア金属層と、を含む積層構造を有し、
    前記第1配線の少なくとも前記第1配線層は、各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている、半導体素子。
  2. 前記第1配線の上面の一部は、前記各開口部内に位置する、請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第1配線層の比抵抗は、前記上部金属膜の比抵抗よりも小さい、請求項1または2に記載の半導体素子。
  4. 前記各開口部の側壁上において、前記第1配線層の厚さは、前記第2配線層の厚さよりも大きい、請求項1から3のいずれかに記載の半導体素子。
  5. 前記各開口部の側壁上における前記第1配線層の厚さは、0.4μm以上である、請求項1から4のいずれかに記載の半導体素子。
  6. 前記各開口部の側壁上において、前記バリア金属層の少なくとも一部は前記第2配線層から露出し、前記上部金属膜に直接接している、請求項1から4のいずれかに記載の半導体素子。
  7. 前記半導体素子は、前記第1バリア金属と同じまたは異なるバリア金属を含む下部バリア金属膜をさらに備え、
    前記下部バリア金属膜は、前記第1配線層と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置する、請求項1から5のいずれかに記載の半導体素子。
  8. 前記第1バリア金属は、TiまたはTaを含む、請求項1から7のいずれかに記載の半導体素子。
  9. 前記バリア金属層はTiNを含む、請求項8に記載の半導体素子。
  10. 前記第1配線層および前記第2配線層はAlを含む、請求項1から9のいずれかに記載の半導体素子。
  11. 前記上部金属膜はNiを含むめっき層である、請求項1から10のいずれかに記載の半導体素子。
  12. 前記第1絶縁膜の前記各開口部の前記底部の幅Wは4μm以下である、請求項1から11のいずれかに記載の半導体素子。
  13. 前記第1絶縁膜の前記各開口部の深さHと、前記各開口部の前記底部の幅Wとは、H/W≧0.5を満たす、請求項1から12のいずれかに記載の半導体素子。
  14. 半導体層と、
    前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、
    前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、
    前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1配線と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置し、バリア金属を含む下部バリア金属膜と、
    前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、
    前記第1配線の比抵抗は、前記上部金属膜の比抵抗よりも小さく、
    前記第1配線は、各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている、半導体素子。
  15. 半導体層と、
    前記半導体層の上に配置され、複数の開口部を有する第1絶縁膜と、
    前記複数の開口部の底部にそれぞれ位置し、前記半導体層に接する複数の第1電極と、
    前記第1絶縁膜の少なくとも一部上および前記複数の第1電極上に配置され、前記複数の開口部内で前記複数の第1電極に電気的に接続された第1配線と、
    前記第1配線と前記第1絶縁膜および前記複数の第1電極との間に位置し、バリア金属を含む下部バリア金属膜と、
    前記第1配線の上に配置され、前記第1配線に電気的に接続された上部金属膜と、を備え、
    前記上部金属膜の比抵抗は、前記第1配線の比抵抗よりも小さく、
    前記上部金属膜は、各開口部の前記底部上、前記各開口部の側壁上、および、前記第1絶縁膜の上面上に連続して配置されている、半導体素子。
  16. 前記半導体素子はMISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは3.9μ秒以上である、請求項1から14のいずれかに記載の半導体素子。
  17. 前記半導体素子はMISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは5.3μ秒以上である、請求項1から15のいずれかに記載の半導体素子。
  18. 前記半導体素子はMISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間Tscは6.7μ秒以上である、請求項1から15のいずれかに記載の半導体素子。
  19. 前記半導体素子はMISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間をTsc(μ秒)、前記MISFETの室温における閾値電圧をVth(V)とするとき、前記Tscは、
    Tsc≧1.430×Vth+1.012
    を満たす、請求項1から15のいずれかに記載の半導体素子。
  20. 前記半導体素子はMISFETであって、前記半導体層は炭化珪素を含み、前記半導体素子の室温環境における短絡耐量時間をTsc(μ秒)、前記MISFETの室温における閾値電圧をVth(V)、前記半導体素子の定格電圧をV(V)とするとき、前記Tscは、
    Tsc≧(1.430×Vth+1.012)×1700/V
    を満たす、請求項1から15のいずれかに記載の半導体素子。
  21. 前記半導体層は、炭化珪素半導体層である、請求項1から15のいずれかに記載の半導体素子。
  22. 前記半導体素子は、
    主面および裏面を有する半導体基板であって、前記半導体層は前記主面上に位置する半導体基板と、
    前記半導体層の上方に配置されたゲート電極と、
    前記ゲート電極と前記半導体層との間に位置するゲート絶縁膜と、
    前記半導体基板の裏面に設けられたドレイン電極と、をさらに備え、
    前記半導体層は、
    前記半導体層内に位置する第2導電型の複数のボディ領域と、
    第1導電型の複数のソース領域であって、前記複数のソース領域のそれぞれは、前記複数のボディ領域の対応する1つの内部に位置する、複数のソース領域と、
    前記半導体層のうち前記複数のボディ領域および前記複数のソース領域以外の領域に配置された第1導電型のドリフト領域と、を含み、
    前記複数の第1電極のそれぞれは、前記各開口部内で、前記複数のソース領域の1つに電気的に接続されたソース電極である、請求項1から21のいずれかに記載の半導体素子。
  23. 前記半導体素子は、前記半導体層と前記ゲート絶縁膜との間に、第1導電型の不純物を含むチャネル層をさらに含む、請求項22に記載の半導体素子。
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