JP2023139435A - 車両用サブフレーム - Google Patents

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Tomoyuki Yokota
敏之 川端
Toshiyuki Kawabata
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】剛性を適切に設定しながら、必要な強度を確保することができる車両用サブフレームを提供する。【解決手段】ロアメンバ30において、外側部60及び70と内側部65及び75との間の中間部62及び72が、外側湾曲底部63及び73と、内側湾曲底部64及び74と、を有し、第1クロスメンバ10の第1の閉断面SE1及びロアメンバ30の第2の閉断面SE2が第1の閉断面SE1を規定する第1クロスメンバ10の壁部12で隔てられて隣接する態様で上下方向に並置されて構成される並置閉断面SE1及びSE2が、外側湾曲底部63及び73及び内側湾曲底部64及び74の少なくとも一部に対応して設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用サブフレームに関し、特に、サスペンションアーム等を支持して自動車等の車両に装着される車両用サブフレームに関するものである。
近年、自動車等の車両においては、運動性能の向上に加えて乗り味の質の向上が求められるようになったため、かかる車両に装着されるサブフレームにおいては、強度を確保することに加えて剛性を適切に設定することが求められるようになっている。
そのため、かかるサブフレームに対しては、生産性を維持した上で、サスペンション部材の支持剛性を設定する際に、その設定の自由度を向上すると共に、応力の局所的な集中を避け得る構成を備えることが求められている。
かかる状況下で、特許文献1は、自動車の後部車体構造に関し、アーム長を確保しつつ、リヤサブフレームの軽量高剛性化を向上すると共に、後突安全性の向上を企図し、リヤサブフレーム21においては、左右のサイドメンバ部22、22の後部26が、左右のリヤサイドフレーム7、7に取付けられ、左右のサイドメンバ部22、22の前部25が、左右のリヤサイドフレーム7、7間に掛け渡された車体クロスメンバ10のリヤサイドフレーム7よりも内側部分に取付けられると共に、前側ロアアーム33の支持部29を構成するブラケット31が、各々L字断面を有すると共に前面視で略三角形状有する前側パネル34及び後側パネル35と、前側パネル34及び後側パネル35の外側開口を塞ぐ側部パネル36と、を有して閉断面構造を呈し、パイプ材製であるサイドメンバ部22及びクロスメンバ部23に接合された構成を開示している。
特開2013-95393号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成においては、車両走行時のロアアーム等からの入力荷重により応力が上昇する傾向が高いブラケット31の内側端部において、切り欠き部が設けられてブラケット31の閉断面が開放されていると共に、前側パネル34及び後側パネル35が、それらの内側に向かって面積を直線的に減少させるような単純な三角形状を有するものであるため、応力集中を適切に低減しながら、サスペンション部材の支持剛性の設定自由度を高めることについては自ずと限界があり、この点で、強度や剛性のバランスを取りつつ、必要な強度を確保しながら適切な剛性を設定することについては改良の余地があるものと考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたもので、その剛性の設定自由度を高める構成を実現することにより、その強度や剛性のバランスを取りつつこれらを最適化して、剛性を適切に設定しながら、必要な強度を確保することができる車両用サブフレームを提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明の第1の局面における車両用サブフレームは、前記第1クロスメンバに対して前記車両の前後方向で対向すると共に、前記幅方向に延在する第2クロスメンバと、前記幅方向で互いに対向して前記前後方向に各々延在すると共に、前記第1クロスメンバ及び前記第2クロスメンバに各々接合する一対のサイドメンバと、前記第1クロスメンバに対して前記車両の上下方向における下側で前記幅方向に延在すると共に、前記第1クロスメンバに接合するロアメンバと、を備えた車両用サブフレームであって、前記ロアメンバは、前記幅方向における外側から内側に向かって順に、前記車両のサスペンション部材を支持する下側支持部が設けられた外側部と、前記外側部に接続する中間部と、前記中間部に接続する内側部と、を有し、前記中間部は、前記外側部の底部に接続すると共に、前記内側に行くにつれて前記外側部の前記底部から下降することなく湾曲しながら上昇する軌跡を呈する外側湾曲底部と、前記内側部の底部に接続すると共に、前記外側に行くにつれて前記内側部の前記底部から上昇することなく湾曲しながら下降する軌跡を呈する内側湾曲底部と、を有し、前記第1クロスメンバは、前記前後方向及び前記上下方向で規定される平面で切った断面で第1の閉断面を呈し、前記ロアメンバは、前記平面で切った断面で第2の閉断面を呈し、前記第1の閉断面及び前記第2の閉断面が、前記第1の閉断面を規定する前記第1クロスメンバの壁部で隔てられて隣接する態様で、前記上下方向に並置される並置閉断面を、前記中間部における前記外側湾曲底部及び前記内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して設けた構成を有する。
また、本発明は、かかる第1の局面に加え、前記並置閉断面は、前記内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して必ず設けられることを第2の局面とする。
また、本発明は、かかる第1又は第2のいずれかの局面に加え、前記並置閉断面は、前記幅方向で、前記内側湾曲底部と、前記外側湾曲底部及び前記内側部の前記底部の一方又は双方と、にわたって連続して設けられることを第3の局面とする。
また、本発明は、かかる第1から第3のいずれかの局面に加え、前記ロアメンバに対して前記第1クロスメンバを挟んで前記上下方向における上側で対向すると共に、前記車両のサスペンション部材を支持する上側支持部を有する上支持部材が、前記第1クロスメンバに接合された態様で備えられ、前記上支持部材は、前記第1クロスメンバの筒状壁の一部を凹ませて傾斜させた傾斜面部に接合されることを第4の局面とする。
また、本発明は、かかる第1から第4のいずれかの局面に加え、前記一対のサイドメンバは、各々、前記幅方向で互いに対向する一対の側壁と、前記一対の側壁の前記上下方向における上側の端部同士を接続する上壁と、前記上壁に対して前記下側で対向すると共に、前記一対の側壁の前記上下方向における下側の端部同士を接続する底壁と、を有し、前記上壁は、前記前後方向におけるその前側の部分において、前記上壁が前記幅方向における中間部で前記下側に向かって陥設された陥設部と、前記上壁が前記幅方向における両端部で前記陥設部に対して前記上側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、前記上壁では、前記陥設部の前端部が前記第1クロスメンバに接合され、前記底壁は、その前記前側の部分において、前記底壁が前記幅方向における中間部で前記上側に向かって陥設された陥設部と、前記底壁が前記幅方向における両端部で前記陥設部に対して前記下側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、前記底壁では、前記陥設部の前端部が前記第1クロスメンバに接合されることを第5の局面とする。
本発明の第1の局面における構成によれば、ロアメンバが、幅方向における外側から内側に向かって順に、車両のサスペンション部材を支持する下側支持部が設けられた外側部と、外側部に接続する中間部と、中間部に接続する内側部と、を有し、中間部が、外側部の底部に接続すると共に、内側に行くにつれて外側部の底部から下降することなく湾曲しながら上昇する軌跡を呈する外側湾曲底部と、内側部の底部に接続すると共に、外側に行くにつれて内側部の底部から上昇することなく湾曲しながら下降する軌跡を呈する内側湾曲底部と、を有し、第1クロスメンバが、前後方向及び上下方向で規定される平面で切った断面で第1の閉断面を呈し、ロアメンバが、かかる平面で切った断面で第2の閉断面を呈し、第1の閉断面及び第2の閉断面が、第1の閉断面を規定する第1クロスメンバの壁部で隔てられて隣接する態様で、上下方向に並置される並置閉断面を、中間部における外側湾曲底部及び内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して設けた構成を有することにより、車両用サブフレームの必要強度を確保しつつそのサスペンション部材の支持剛性の設定自由度を高めることができて、その強度や剛性のバランスを取りつつこれらを最適化することができ、所望の剛性を設定し、かつ所要の強度を確保することができる。
また、本発明の第2の局面における構成によれば、並置閉断面が、内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して必ず設けられることにより、幅方向に最小範囲の並置縦断面で、車両用サブフレームの必要強度を確保しつつサスペンション部材の支持剛性を適切に設定することができる。
また、本発明の第3の局面における構成によれば、並置閉断面が、幅方向で、内側湾曲底部と、外側湾曲底部及び内側部の底部の一方又は双方と、にわたって連続して設けられることにより、車両用サブフレームの応力集中を低減して局所的な脆弱部位を排し、その強度をより増大することができる。
また、本発明の第4の局面における構成によれば、ロアメンバに対して第1クロスメンバを挟んで上下方向における上側で対向すると共に、車両のサスペンション部材を支持する上側支持部を有する上支持部材が、第1クロスメンバに接合された態様で備えられ、上支持部材が、第1クロスメンバの筒状壁の一部を凹ませて傾斜させた傾斜面部に接合されることにより、上支持部材を傾斜面部に確実に当接させた状態で互いに接合させることができ、接合部の剥離破壊の発生を抑制することができる。
また、本発明の第5の局面における構成によれば、一対のサイドメンバが、各々、幅方向で互いに対向する一対の側壁と、一対の側壁の上下方向における上側の端部同士を接続する上壁と、上壁に対して下側で対向すると共に、一対の側壁の上下方向における下側の端部同士を接続する底壁と、を有し、上壁が、前後方向におけるその前側の部分において、上壁が幅方向における中間部で下側に向かって陥設された陥設部と、上壁が幅方向における両端部で陥設部に対して上側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、上壁では、陥設部の前端部が第1クロスメンバに接合され、底壁が、その前側の部分において、底壁が幅方向における中間部で上側に向かって陥設された陥設部と、底壁が幅方向における両端部で陥設部に対して下側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、底壁では、陥設部の前端部が第1クロスメンバに接合されることにより、一対のサイドメンバへの塗装の付き廻り性を向上しながら、その溶接長を確保して溶接強度を増大することができる。
本発明の実施形態における車両用サブフレームの斜視図である。 本実施形態における車両用サブフレームの平面図である。 本実施形態における車両用サブフレームの底面図である。 本実施形態における車両用サブフレームの前面図である。 本実施形態における車両用サブフレームの右側面図である。 図6(a)は、本実施形態における車両用サブフレームの右サイドフレームの前部の前面図であり、図6(b)は、図6(a)のD-D断面図である。 図4のA-A断面図である。 図4のB-B断面図である。 図4のC-C断面図である。
以下、図1から図9を適宜参照して、本発明の実施形態における車両用サブフレームにつき詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成す。また、x軸の正方向が車体の左方向であり、y軸の正方向が車体の前方向であり、かつ、z軸の正方向が車体の上方向である。x軸の方向を幅方向と呼ぶことがあり、y軸の方向を前後方向と呼ぶことがあり、かつ、z軸の方向を上下方向と呼ぶことがある。また、x-y平面を水平面と呼ぶことがある。
図1は、本実施形態における車両用サブフレームの斜視図であり、図2は、本実施形態における車両用サブフレームの平面図であり、図3は、本実施形態における車両用サブフレームの底面図であり、図4は、本実施形態における車両用サブフレームの前面図であり、図5は、本実施形態における車両用サブフレームの右側面図である。図6(a)は、本実施形態における車両用サブフレームの右サイドフレームの前部の前面図であり、図6(b)は、図6(a)のD-D断面図である。また、図7から図9は、順に図4のA-A断面図、B-B断面図及び図1のC-C断面図である。なお、説明の便宜上、図5から図6(b)では、車両用サブフレームの左側の構成要素の一部を括弧書きの符号で必要に応じて右側の構成要素の符号に併せて示し、図7から図9では、車両用サブフレームの右側の構成要素の一部を括弧書きの符号で必要に応じて左側の構成要素の符号に併せて示している。
図1から図9に示すように、本実施形態におけるサブフレーム1は、いずれも図示を省略するが、自動車等の車両のリヤサイドフレーム等の車体に装着されながら、サスペンションアームを支持するものである。かかるサブフレーム1は、典型的には、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を通る平面に対して、基本的には左右対称(面対称)な形状を有する。
具体的には、サブフレーム1は、平面視で井桁形状を呈し、幅方向に延在する筒状部材から成るフロントクロスメンバ10と、フロントクロスメンバ10に対して、その後側で対向すると共に、幅方向に延在するリヤクロスメンバ100と、幅方向で互いに対向して前後方向に各々延在すると共に、フロントクロスメンバ10及びリヤクロスメンバ100に各々接合する左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220と、を主な骨格要素として備えている。かかる骨格要素の各々は、典型的にはアーク溶接等で各々が対応して溶接されて一体化されている。なお、適用される車両の種類等に応じて、サブフレーム1の前後配置は逆転してもかまわない。
フロントクロスメンバ10は、典型的には円筒形状の鋼管製であり、その円筒形状の周回壁12の一部が液圧成形等で元形状から部分的に凹むように成形されて平坦化されることにより、x-z平面に対して傾斜した傾斜平面部14及びx-z平面に平行な平面部16といった平面部を有している。なお、フロントクロスメンバ10は、周回壁12の頂部や底部が部分的に平坦化されたx-y平面に平行な平面部を有していてもよい。なお、フロントクロスメンバ10は、各々鋼板等の平板部材をプレス成形して得られる複数の部材から構成されるものであってもよい。
詳しくは、フロントクロスメンバ10は、平面視で後側に向かって凸の湾曲形状を有して幅方向に延在する本体部20と、本体部20の幅方向の左端部で、本体部20の曲率よりも大きな曲率で湾曲しながら左前方向に向かって延出する左延出部22と、本体部20の幅方向の右端部で、本体部20の曲率よりも大きな曲率で湾曲しながら右前方向に向かって延出する右延出部26と、を有する。左延出部22の左端部は、略円弧状に切り欠かれた左切り欠き部24を成し、左切り欠き部24には、カラー部材310がアーク溶接等で溶接されている。同様に、右延出部26の右端部は、略円弧状に切り欠かれた右切り欠き部28を成し、右切り欠き部28には、カラー部材310がアーク溶接等で溶接されている。
フロントクロスメンバ10において、本体部20、左延出部22及び右延出部26は、左切り欠き部24及び右切り欠き部28が開口端部となって、それらで本体部20、左延出部22及び右延出部26の内部が外方に開放されてはいるが、y-z平面に平行な平面で切った縦断面では閉断面SE1を成している。
フロントクロスメンバ10において、本体部20の曲率よりも左延出部22及び右延出部26の各々の曲率が大きく設定されるのは、幅方向における本体部20の剛性を確保しながら本体部20の前側のレイアウト空間を増大すると共に、左延出部22の左端部及び右延出部26の右端部を各々より前側に配置して、左切り欠き部24及び右切り欠き部28に対応して溶接され各々が前側の車体取付部となるカラー部材310及び310を、後側の車体取付部から遠ざけてより前側に位置させて、前後の車体取付部間のスパンを増大するためである。
フロントクロスメンバ10においては、図示を省略する必要容量のサブフレームマウント部材が装着されるカラー部材310及び310が左切り欠き部24及び右切り欠き部28に対応して所要の溶接強度で溶接可能であって、かつ左延出部22及び右延出部26の所要の強度や剛性を確保可能であることを前提に、上下方向における左延出部22及び右延出部26のレイアウト自由度を増大する観点から、本体部20の上下方向の長さよりも左延出部22及び右延出部26の上下方向の長さが短く設定されて、左延出部22及び右延出部26は扁平化されている。
また、フロントクロスメンバ10は、フロントクロスメンバ10の下側で幅方向に延在すると共に、フロントクロスメンバ10に接合するロアメンバ30を有する。なお、ロアメンバ30は、その幅方向の両端部でフロントクロスメンバ10から後側に偏位してはみ出た部分のみを左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220に跨らせて接合されていてもよい。
ロアメンバ30は、典型的には、各々、鋼板等の平板部材をプレス成形して得られ、y-z平面に平行な平面で切った縦断面が略L字形状である第1部材40及び第2部材50を有する。なお、ロアメンバ30は、必要に応じて、第1部材40及び第2部材50という2枚の板部材ではなく、1枚の板部材を用いて成形されるものであってもよい。
第1部材40は、ロアメンバ30の前側を塞ぐ縦壁であって、上下方向に立設されながら幅方向に延在する前縦壁42と、前縦壁42の下端部で水平面に平行に後側に折れ曲がってその下端部から後側に突設さながら幅方向に延在する前底壁44と、を有する。前縦壁42の左端部には、それを貫通する左前貫通孔46が形成されると共に、前縦壁42の右端部には、それを貫通する右前貫通孔48が形成されている。左前貫通孔46及び右前貫通孔48に対しては、前縦壁42の前面から前方向を向いてナット部材320及び320が各々起立するように溶接される。
第2部材50は、第1部材40の前後を反転したような基本構成を有して、ロアメンバ30の後側を塞ぐ縦壁であって、上下方向に立設されながら幅方向に延在する後縦壁52と、後縦壁52の下端部で水平面に平行に前側に折り曲がってその下端部から前側に突設さながら幅方向に延在する後底壁54と、を有する。後縦壁52の左端部には、それを貫通する左後貫通孔56が形成されると共に、後縦壁52の右端部には、それを貫通する右後貫通孔58が形成され、左後貫通孔56及び右後貫通孔58は、左前貫通孔46及び右前貫通孔48に対して、その後側で対向している。
詳しくは、ロアメンバ30は、左外側から内側に向かって順に、ロアアーム等の車両のサスペンションアームを支持する左前下側支持部に配置されるナット部材320、左前貫通孔46及び左後貫通孔56が設けられた左外側部60と、左外側部60にその右側で接続する左中間部62と、左中間部62にその右側であって幅方向の中央寄りの側で接続する左内側部65と、を有する。左中間部62は、左外側部60における前底壁44及び後底壁54である左外底部61に接続すると共に、左外底部61から下降することなく内側に向かい、内側に行くにつれて接線の傾き(水平面に対する角度)を増大させながら上昇する軌跡を示す湾曲形状であって、かつ斜め右下側に向かって凸の湾曲形状を呈する左外湾曲底部63と、左内側部65における前底壁44及び後底壁54である左内底部66に接続すると共に、左内底部66から上昇することなく外側に向かい、外側に行くにつれて接線の傾き(水平面に対する角度)を増大させながら下降する軌跡を示す湾曲形状であって、かつ斜め左上側に向かって凸の湾曲形状を呈する左内湾曲底部64と、を有する。かかる左外湾曲底部63及び左内湾曲底部64を設けることにより、設計時において、それらの曲率(曲率半径RO、RI)を変化させると、サスペンションアームから印加される主として幅方向の入力荷重に対する剛性を変化させることが可能であるため、ロアメンバ30、ひいてはサブフレーム1の所要の強度を確保することを前提として、サスペンションアームに対する所望の支持剛性、換言すればその支持剛性を与えるための左外湾曲底部63及び左内湾曲底部64の形状が自由度高く設定可能となる。なお、所要の強度や所望の剛性が確保可能であることを前提に、左外湾曲底部63及び左内湾曲底部64の間に、湾曲していない平面状の底部を介在させてもよい。また、左外湾曲底部63及び左内湾曲底部64の曲率(曲率半径RO、RI)は、各々単一の曲率(曲率半径RO、RI)である場合に限らず、必要に応じて複数の曲率(曲率半径RO、RO’…、RI、RI’…)から成る複合的な曲率であってもよい。
ロアメンバ30の右外側から内側に向かって順に配置される右外側部70、右中間部72及び右内側部75に関連する構成は、左外側部60、左中間部62及び左内側部65に関連する構成に対して、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を通る平面に対して、左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、左外側部60、左外底部61、左中間部62、左外湾曲底部63、左内湾曲底部64、左内側部65及び左内底部66に対応して、右外側部70、右外底部71、右中間部72、右外湾曲底部73、右内湾曲底部74、右内側部75及び右内底部76が設けられる。なお、所要の強度や所望の剛性が確保可能であることを前提に、サブフレーム1の幅方向の中央領域やその隣接領域、典型的には、左内側部65、右内側部75、及び幅方向におけるそれらの間の部分で、ロアメンバ30は、幅方向に連続せずに途切れて、左右に分割されていてもよい。
ロアメンバ30においては、左内側部65、右内側部75、幅方向におけるそれらの間の部分、左中間部62及び右中間部72で、前縦壁42の上端部が、その内面をフロントクロスメンバ10の前側の平面部16の外面に当接させながら、その平面部16の外面にアーク溶接等で溶接されることにより、第1部材40は、フロントクロスメンバ10と接合されて一体化されると共に、後縦壁52の上端部が、その内面をフロントクロスメンバ10の後側の平面部16の外面に当接させながら、その平面部16の外面にアーク溶接等で溶接されることにより、第2部材50は、フロントクロスメンバ10と接合されて一体化されている。これにより、ロアメンバ30への入力荷重と、左支持部材80又は右支持部材90への入力荷重と、が、幅方向で同じ向きに揃って、フロントクロスメンバ10とロアメンバ30との間の溶接部への剪断応力が大きくなるような条件下であっても、かかる溶接部の剥離破壊の発生を抑制して、所要の溶接強度を確保可能である。また、幅方向の全長にわたり、前底壁44の後端部と、後縦壁52の前端部と、が、互いに重ね合わされることにより規定されるそれらの境界部に沿って、アーク溶接等で溶接されることにより、第1部材40及び第2部材50は、接合されてロアメンバ30として一体化されている。なお、左外側部60及び右外側部70では、前縦壁42の上端部で水平面に平行に前側に折り曲がったフランジ部が設けられると共に、後縦壁52の上端部で水平面に平行に後側に折り曲がったフランジ部が設けられ、それらのフランジ部の上面をフロントクロスメンバ10の底平面部18の外面に当接させながら、その底平面部18の外面にアーク溶接等で溶接されている。底平面部18は、平面部16等と同様に、フロントクロスメンバ10の周回壁12の底部が液圧成形等で元形状から部分的に凹むように成形されて平坦化されたx-y平面に平行な平面部である。かかる左外側部60及び右外側部70における溶接部は、左内側部65、右内側部75、幅方向におけるそれらの間の部分、左中間部62及び右中間部72における溶接部よりも溶接長や前後スパンが短く設定された補助的な意味合いを有するもので足りる。
つまり、フロントクロスメンバ10及びロアメンバ30においては、これらの当接するものの端部同士が溶接されて接合され一体化されることにより、フロントクロスメンバ10における周回壁12と、ロアメンバ30における前縦壁42、前底壁44、後縦壁52及び後底壁54と、が協働して、y-z平面に平行な平面で切った縦断面で閉断面SE2を成している。閉断面SE2は、少なくとも左中間部62及び右中間部72において、前縦壁42及び後縦壁52の上端部が、それらの内面をフロントクロスメンバ10の平面部16の外面に当接させながら、その平面部16の外面に溶接されることにより規定されるものであるため、その前後方向の長さを長くとれて断面積を大きく確保可能である。ここで、閉断面SE2は、フロントクロスメンバ10の閉断面SE1に対して、その周回壁12を介して閉断面SE1の下側に隣接することになり、閉断面SE1及び閉断面SE2は、上下方向に隣接して並置される2層に積層された断面を成す。閉断面SE2が閉断面SE1と協働してサブフレーム1の強度を増大すると共にサスペンションアームの支持剛性を高める観点からは、閉断面SE2、つまり互いに並置される閉断面SE1及び閉断面SE2は、サスペンションアームから印加される入力荷重等によって応力が集中する傾向にある左中間部62及び右中間部72の双方の少なくとも一部に配置されることが好ましい。また、左中間部62及び右中間部72の中で最も応力が集中しやすいのは、左内側部65及び右内側部75寄りの部分であるため、閉断面SE2、つまり互いに並置される閉断面SE1及び閉断面SE2は、左内湾曲底部64及び右内湾曲底部74の双方の少なくとも一部に対応した位置に配置されることがより好ましい。更に、サスペンションアームから印加される入力荷重等によって応力集中をより緩和する観点からは、閉断面SE2、つまり互いに並置される閉断面SE1及び閉断面SE2は、左内湾曲底部64及び右内湾曲底部74と、これらに対応する左内底部66及び右内底部76と、にわたって幅方向に連続して配置されることがより好ましい。また、同様に、サスペンションアームから印加される入力荷重等によって応力集中をより緩和する観点からは、閉断面SE2、つまり互いに並置される閉断面SE1及び閉断面SE2は、左内湾曲底部64及び右内湾曲底部74と、これらに対応する左外湾曲底部63及び右外湾曲底部73と、にわたって幅方向に連続して配置されることがより好ましい。つまり、このように閉断面SE2が配置されるロアメンバ30の部位には、原則的には水抜き孔や塗料抜き孔等の孔を配置することは不可となるが、サブフレーム1の仕様等に依存して、左外湾曲底部63及び右外湾曲底部73、左内底部66及び右内底部76、並びに幅方向における左内底部66及び右内底部76の間の応力集中の度合いが低い場合には、所要の強度や剛性が確保可能であることを条件に、孔を設けることも可能となる。同様に、左外側部60及び右外側部70において強度的な余裕がある場合には、左外底部61及び右外側部70に孔や開口を設けることも可能となる。また、閉断面SE2のサイズについては、特にその上下方向の長さが、サスペンションアームを支持する左下側支持部及び右下側支持部の位置設定とも相まって、中央寄りの内側部から左右の外側部に向かって行くにつれて、特に左中間部62及び右中間部72で増大されることになる。
また、フロントクロスメンバ10は、その上側の幅方向の両端部の側で幅方向に延在すると共に、フロントクロスメンバ10に各々接合する左支持部材80及び右支持部材90を有する。なお、左支持部材80及び右支持部材90は、それらの幅方向の両端部でフロントクロスメンバ10からはみ出た部分を左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220に跨らせて接合されていてもよい。
左支持部材80は、典型的には、鋼板等の平板部材をプレス成形して得られる下側に向かって開いた略ハット状の縦断面形状を呈し、その左端部を前後方向に貫通する左前貫通孔88を有する前縦壁82、その左端部を前後方向に貫通すると共に、前縦壁82の左前貫通孔88に対して、その後側で対向する左後貫通孔89を有して、前縦壁82の後側でそれに対向する後縦壁84、及び前縦壁82及び後縦壁84を接続する上壁86を有する。なお、左前貫通孔88にはナット部材320が溶接される。
また、左支持部材80は、その前縦壁82の下端部から前方に延在する前フランジ83、及びその後縦壁84の下端部から後方に延在する後フランジ85を各々備え、前フランジ83及び後フランジ85の各々の端部は、それらの内面をフロントクロスメンバ10の傾斜平面部14の外面及び左サイドメンバ120の左上方部材130の上壁136等の外面に当接させながら、これらに典型的にはアーク溶接等により溶接されて接合される。これにより、ロアメンバ30への入力荷重と、左支持部材80又は右支持部材90への入力荷重と、が、幅方向で同じ向きに揃って、フロントクロスメンバ10と左支持部材80との間の各々の溶接部への剪断応力が大きくなるような条件下であっても、かかる溶接部の剥離破壊の発生を抑制して、所要の溶接強度を確保可能である。
フロントクロスメンバ10及び左支持部材80においては、これらの当接するものの端部同士が溶接されて接合され一体化されることにより、フロントクロスメンバ10における周回壁12と、左支持部材80における前縦壁82、後縦壁84、及び上壁86と、が協働して、y-z平面に平行な平面で切った縦断面で閉断面SE3を成している。かかる閉断面SE3は、サブフレーム1の強度を増大すると共にサスペンションアームの支持剛性を高める観点からは、フロントクロスメンバ10の閉断面SE1を挟んで、ロアメンバ30の閉断面SE2と上下方向で対向する部分を有することが好ましい。
右支持部材90に関連する構成は、左支持部材80に関連する構成に対して左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、前縦壁82、前フランジ83、後縦壁84、後フランジ85、上壁86、左前貫通孔88、左後貫通孔89及び平断面SE3、に対応して、前縦壁92、前フランジ93、後縦壁94、後フランジ95、上壁96、右前貫通孔98、右後貫通孔99及び平断面SE3が設けられている。
リヤクロスメンバ100は、典型的には、鋼板等の平板部材をプレス成形して得られる下側に向かって開いた略ハット状の縦断面形状を呈し、その前縦壁102の左端部及び右端部を前後方向に対応して貫通する左前貫通孔103及び右前貫通孔104、並びにその後縦壁106の左端部及び右端部を前後方向に対応して貫通すると共に、前縦壁102の左前貫通孔103及び右前貫通孔104に対して、その後側で対応して対向する左後貫通孔107及び右後貫通孔108を有して、前縦壁102及び後縦壁106は、上壁112を介して接続される。なお、左前貫通孔103、右前貫通孔104、左後貫通孔107及び右後貫通孔108には、いずれも図示を省略するが、ガイド部材を装着して、ロアアーム等のサスペンションアームをガイドしてもよい。
リヤクロスメンバ100は、その幅方向の中央部である本体部114から左右の外側に向かっては、前後方向の長さが漸増する左拡幅部116及び右拡幅部118を有する。左拡幅部116の左端部及び右拡幅部118の右端部は、各々切り欠かれた切り欠き部となって、左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220に、典型的にはアーク溶接等により溶接されて接合されるが、左拡幅部116の左端部の前端及び右拡幅部118の右端部の前端は、各々の後端に比較して、より大きな偏位長で前側に向かって偏位して、後述する左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220の陥設部136a、236a及び156a、256aの前端面に向けて近づいた部位に位置している。これにより、リヤクロスメンバ100は、左サイドメンバ120及び右サイドメンバ220に対する溶接長を長くすることが可能となると共に、より強度や剛性のあるフロントクロスメンバ10及びロアメンバ30側に接合されることが可能となる。
左サイドメンバ120は、典型的には、各々が鋼板等の平板部材をプレス成形して得られると共に縦断面で略コ字状の左上方部材130及び左下方部材150を上下方向で対向して有して、平面視で右方に凸の湾曲形状を呈する。なお、左サイドメンバ120は、鋼管等のパイプ部材で構成されていてもよい。
左上方部材130は、互いに幅方向で対向して前後方向に延在する外壁132及び内壁134、並びに外壁132及び内壁134を接続する上壁136を有し、上壁136の前部142で、上壁136の幅方向の中間部(幅方向の中央部及びその左右の部分)が下側に向かって陥設された陥設部136aを有すると共に、上壁136の後端部で、それが略円弧状に切欠かれた後切り欠き部148を有する。前部142では、陥設部136aの幅方向の両端部は、陥設部136aに対して上側に相対的に突設された上凸部144及び144を成すことになる。
左下方部材150は、左上方部材130の上下を反転したような基本構成を有して、互いに幅方向で対向して前後方向に延在する外壁152及び内壁154、並びに外壁152及び内壁154を接続する底壁156を有し、底壁156の前部162で、底壁156の幅方向の中間部が上側に向かって陥設された陥設部156aを有すると共に、底壁156の後端部で、それが略円弧状に切欠かれた後切り欠き部168を有する。前部162では、陥設部156aの幅方向の両端部は、陥設部156aに対して下側に相対的に突設された下凸部164及び164を成すことになる。
左上方部材130及び左下方部材150は、各々の対応する外壁132及び内壁134並びに外壁152及び内壁154が典型的にはアーク溶接等で対応して溶接されることにより接合されて一体化され、閉断面形状を呈する左サイドメンバ120を構成する。なお、左上方部材130及び左下方部材150は、互いに板厚が異なっていてもよい。
左上方部材130及び左下方部材150の前部142及び162において、陥設部136a及び156aの各々の前端部並びに外壁152及び内壁154の各々の前端部は、フロントクロスメンバ10の周回壁12の主として後側の外面に当接されながらその外面に溶接され、フロントクロスメンバ10及び左サイドメンバ120は、接合されて一体化されている。ここで、上凸部144及び下凸部164の各々の前端は、フロントクロスメンバ10の周回壁12の外面には当接せずに間隙を持って離れているため、それらの間隙を介して、左サイドメンバ120の内部空間は、その外部と連通することとなる。これにより、陥設部136a及び156aの各々の前端部並びに外壁152及び内壁154の各々の前端部と、フロントクロスメンバ10の周回壁12の主として後側の外面と、の接触長さを長く確保して、フロントクロスメンバ10及び左サイドメンバ120の溶接長さを長く確保することが可能となると共に、上凸部144及び下凸部164の各々の前端と、フロントクロスメンバ10の周回壁12の外面と、の間の間隙を介して、塗料を侵入させることができ、左サイドメンバ120への良好な塗装の付き廻り性を確保可能となる。
左上方部材130及び左下方部材150の後端部において上下方向で対向するように位置された後切り欠き部148及び168には、カラー部材310が、その上下方向の端部が上壁136及び底壁156から対応して突出した態様で配設されると共に、典型的にはアーク溶接等で固設される。
右サイドメンバ220に関連する構成は、左サイドメンバ120に関連する構成に対して、y-z平面と平行な平面であって車体の幅方向の中央を前後方向に走る中央線を通る平面に対して、左右対称なものであるため、その詳細な説明は省略するが、左上方部材130、外壁132、内壁134、上壁136、陥設部136a、前部142、上凸部144、左延出部146、後切り欠き部148、左下方部材150、外壁152、内壁154、底壁156、陥設部156a、前部162、下凸部164、左延出部166及び後切り欠き部168に対応して、右上方部材230、外壁232、内壁234、上壁236、陥設部236a、前部242、上凸部244、右延出部246、後切り欠き部248、右下方部材250、外壁252、内壁254、底壁256、陥設部256a、前部262、下凸部264、右延出部266及び後切り欠き部268が設けられる。
以上の構成において、サブフレーム1を構成する各部品の内部が外部に開いた部分である第1開口部、第2開口部、第3開口部、第4開口部、第5開口部、及び第6開口部を備える。具体的には、第1開口部は、ロアメンバ30の左前貫通孔48及び左後貫通孔56の間で、その内部が外部に開いた部分である。第2開口部は、ロアメンバ30の右前貫通孔48及び右後貫通孔58の間で、その内部が外部に開いた部分である。第3開口部は、リヤクロスメンバ100の左前貫通孔103及び左後貫通孔107の間で、その内部が外部に開いた部分である。第4開口部は、リヤクロスメンバ100の右前貫通孔104及び右後貫通孔99の間で、その内部が外部に開いた部分である。第5開口部は、左支持部材80の左前貫通孔88及び左後貫通孔89の間で、その内部が外部に開いた部分である。第6開口部は、右支持部材90の右前貫通孔98及び右後貫通孔99の間で、その内部が外部に開いた部分である。
ここで、第1開口部、第2開口部、第3開口部、第4開口部、第5開口部、及び第6開口部は、左前下の第1支持部S1、右前下の第2支持部S2、左後下の第3支持部S3、右後下の第4支持部S4、左前上の第5支持部S5、及び右前上の第6支持部S6が、各々対応して設定されている。
詳しくは、第1開口部に対応して配置された第1支持部S1においては、ロアメンバ30に設けられた左前貫通孔46、左後貫通孔56及びナット部材320を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの右ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
第2開口部に対応して配置された第2支持部S2においては、ロアメンバ30に設けられた右前貫通孔48、右後貫通孔58及びナット部材320を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの左ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
第3開口部に対応して配置された第3支持部S3においては、リヤクロスメンバ100に設けられた左前貫通孔103、左後貫通孔107及び図示を省略するガイド部材を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの右ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
第4開口部に対応して配置された第4支持部S4においては、リヤクロスメンバ100に設けられた右前貫通孔104、右後貫通孔108及び図示を省略するガイド部材を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの左ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
第5開口部に対応して配置された第5支持部S5においては、左支持部材80に設けられた左前貫通孔88、左後貫通孔89及びナット部材320を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの右ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
第6開口部に対応して配置された第6支持部S6においては、右支持部材90に設けられた右前貫通孔98、右後貫通孔99及びナット部材320を介して、いずれも図示を省略するサスペンションアームの左ピボットが締結ボルト等の締結部材で締結されて装着される。
かかる左右のピボットは、図示を省略する左右のピボットに対応してその幅方向の内側に対向して位置するサスペンションピボットであり、図示を省略する左右の後輪の長手方向及び幅方向の位置を対応して規定すると共に、サブフレームに対して主として幅方向に相対的に大きな外力を印加する。また、かかる左右のピボットの典型的な構成としては、その締結部材が挿通されるカラー部材にゴム部が接着された構成を有し、前後方向のバネ定数が小さく幅方向のバネ定数が大きいインシュレータブッシュ部材が挙げられる。なお、以上の左右のピボットの所定の左右の一対には、図示を省略するサスペンションスプリングのバネ反力が印加されるものであってもよい。
併せて、サブフレーム1においては、左前の第1取付部A1、左後の第2取付部A2、右前の第3取付部A3、及び右後の第4取付部A4も対応して設定されている。
詳しくは、第1取付部A1は、フロントクロスメンバ10の左延出部22における左切り欠き部24のカラー部材310に対応して配置されている。かかる第1取付部A1においては、左延出部22が、カラー部材310に装着された図示を省略するサブフレームマウント部材を介して、いずれも図示を省略する締結ボルト等の締結部材で左リヤサイドフレームに締結されて車体側に装着される。
第2取付部A2は、フロントクロスメンバ10の右延出部26における右切り欠き部28のカラー部材310に対応して配置されている。かかる第2取付部A2においては、右延出部26が、カラー部材310に装着された図示を省略するサブフレームマウント部材を介して、いずれも図示を省略する締結ボルト等の締結部材で右リヤサイドフレームに締結されて車体側に装着される。
第3取付部A3は、左サイドメンバ120の左延出部146及び166における後切り欠き部148及び168のカラー部材310に対応して配置されている。かかる第3取付部A3においては、左延出部146及び166が、カラー部材310に装着された図示を省略するサブフレームマウント部材を介して、いずれも図示を省略する締結ボルト等の締結部材で左リヤサイドフレームに締結されて車体側に装着される。
第4取付部A4は、右サイドメンバ220の右延出部246及び266における後切り欠き部248及び268のカラー部材310に対応して配置されている。かかる第4取付部A4においては、右延出部246及び266が、カラー部材310に装着された図示を省略するサブフレームマウント部材を介して、いずれも図示を省略する締結ボルト等の締結部材で左リヤサイドフレームに締結されて車体側に装着される。
かかるサブフレームマウント部材の典型的な構成としては、その締結部材が挿通されるカラー部材にゴム部が接着された構成を有し、上下方向のバネ定数が小さく幅方向のバネ定数が大きいインシュレータブッシュ部材が挙げられる。
以上の本実施形態の構成においては、ロアメンバ30が、幅方向における外側から内側に向かって順に、車両のサスペンション部材を支持する下側支持部が設けられた外側部60及び70と、外側部60及び70に接続する中間部62及び72と、中間部62及び72に接続する内側部65及び75と、を有し、中間部62及び72が、外側部60及び70の底部61及び71に接続すると共に、内側に行くにつれて外側部60及び70の底部61から71から下降することなく湾曲しながら上昇する軌跡を呈する外側湾曲底部63及び73と、内側部65及び75の底部66及び76に接続すると共に、外側に行くにつれて内側部65及び75の底部66及び76から上昇することなく湾曲しながら下降する軌跡を呈する内側湾曲底部64及び74と、を有し、第1クロスメンバ10が、前後方向及び上下方向で規定される平面で切った断面で第1の閉断面SE1を呈し、ロアメンバ30が、かかる平面で切った断面で第2の閉断面SE2を呈し、第1の閉断面SE1及び第2の閉断面SE2が、第1の閉断面SE1を規定する第1クロスメンバ10の壁部12で隔てられて隣接する態様で、上下方向に並置される並置閉断面SE1及びSE2を、中間部62及び72における外側湾曲底部63及び73及び内側湾曲底部64及び74の少なくとも一部に対応して設けた構成を有することにより、車両用サブフレーム1の必要強度を確保しつつそのサスペンション部材の支持剛性の設定自由度を高めることができて、その強度や剛性のバランスを取りつつこれらを最適化することができ、所望の剛性を設定し、かつ所要の強度を確保することができる。
また、本実施形態の構成においては、並置閉断面SE1及びSE2が、内側湾曲底部64及び74の少なくとも一部に対応して必ず設けられることにより、幅方向に最小範囲の並置縦断面で、車両用サブフレーム1の必要強度を確保しつつサスペンション部材の支持剛性を適切に設定することができる。
また、本実施形態の構成においては、並置閉断面SE1及びSE2が、幅方向で、内側湾曲底部64及び74と、外側湾曲底部63及び73及び内側部65及び75の底部66及び76の一方又は双方と、にわたって連続して設けられることにより、車両用サブフレーム1の応力集中を低減して局所的な脆弱部位を排し、その強度をより増大することができる。
また、本実施形態の構成においては、ロアメンバ30に対して第1クロスメンバ10を挟んで上下方向における上側で対向すると共に、車両のサスペンション部材を支持する上側支持部を有する上支持部材80及び90が、第1クロスメンバ10に接合された態様で備えられ、上支持部材80及び90が、第1クロスメンバ10の筒状壁12の一部を凹ませて傾斜させた傾斜面部14に接合されることにより、上支持部材80及び90を傾斜面部14に確実に当接させた状態で互いに接合させることができ、接合部の剥離破壊の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の構成においては、一対のサイドメンバ120及び220が、各々、幅方向で互いに対向する一対の側壁132及び134、232及び234と、一対の側壁132及び134、232及び234の上下方向における上側の端部同士を接続する上壁136及び236と、上壁136及び236に対して下側で対向すると共に、一対の側壁132及び134、232及び234の上下方向における下側の端部同士を接続する底壁156及び256と、を有し、上壁136及び236が、前後方向におけるその前側の部分142及び242において、上壁136及び236が幅方向における中間部で下側に向かって陥設された陥設部136a及び236aと、上壁136及び236が幅方向における両端部で陥設部136a及び236aに対して上側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部144及び244と、を有し、上壁136及び236では、陥設部136a及び236aの前端部が第1クロスメンバ10に接合され、底壁156及び256が、その前側の部分162及び262において、底壁156及び256が幅方向における中間部で上側に向かって陥設された陥設部156a及び256aと、底壁156及び256が幅方向における両端部で陥設部156a及び256aに対して下側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部164及び264と、を有し、底壁156及び256では、陥設部156a及び256aの前端部が第1クロスメンバ10に接合されることにより、一対のサイドメンバ120及び220への塗装の付き廻り性を向上しながら、その溶接長を確保して溶接強度を増大することができる。
なお、本実施形態においては、各種ナット部材、カラー部材及びガイド部材は、典型的には鋼材等の金属製である。
また、本実施形態においては、サスペンションアームは、同機能を有するものであれば、本実施形態の例示以外のものであってもよい。
また、本実施形態においては、サブフレーム1は、いわゆるフローティングではなく、いわゆるリジッド形式で車体に装着されていてもよい。
また、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、その剛性の設定自由度を高める構成を実現することにより、その強度や剛性のバランスを取りつつこれらを最適化して、剛性を適切に設定しながら、必要な強度を確保することができる車両用サブフレームを提供することができるものであるため、その汎用普遍的な性格から広範に車両等の移動体のサブフレームの分野に適用され得るものと期待される。
1…サブフレーム
10…フロントクロスメンバ
12…周回壁
14…傾斜平面部
16…平面部
18…底平面部
20…本体部
22…左延出部
24…左切り欠き部
26…右延出部
28…右切り欠き部
30…ロアメンバ
40…第1部材
42…前縦壁
44…前底壁
46…左前貫通孔
48…右前貫通孔
50…第2部材
52…後縦壁
54…後底壁
56…左後貫通孔
58…右後貫通孔
60…左外側部
61…左外底部
62…左中間部
63…左外湾曲底部
64…左内湾曲底部
65…左内側部
66…左内底部
70…右外側部
71…右外底部
72…右中間部
73…右外湾曲底部
74…右内湾曲底部
75…右内側部
76…右内底部
80…左支持部材
82…前縦壁
83…前フランジ
84…後縦壁
85…後フランジ
86…上壁
88…左前貫通孔
89…左後貫通孔
90…右支持部材
92…前縦壁
93…前フランジ
94…後縦壁
95…後フランジ
96…上壁
98…右前貫通孔
99…右後貫通孔
100…リヤクロスメンバ
102…前縦壁
103…左前貫通孔
104…右前貫通孔
106…後縦壁
107…左後貫通孔
108…右後貫通孔
112…上壁
114…本体部
116…左拡幅部
118…右拡幅部
120…左サイドメンバ
130…左上方部材
132…外壁
134…内壁
136…上壁
136a…陥設部
142…前部
144…上凸部
146…左延出部
148…後切り欠き部
150…左下方部材
152…外壁
154…内壁
156…底壁
156a…陥設部
162…前部
164…下凸部
166…左延出部
168…後切り欠き部
220…右サイドメンバ
230…右上方部材
232…外壁
234…内壁
236…上壁
236a…陥設部
242…前部
244…上凸部
246…右延出部
248…後切り欠き部
250…右下方部材
252…外壁
254…内壁
256…底壁
256a…陥設部
262…前部
264…下凸部
266…右延出部
268…後切り欠き部
310…カラー部材
320…ナット部材
A1…第1取付部
A2…第2取付部
A3…第3取付部
A4…第4取付部
S1…第1支持部
S2…第2支持部
S3…第3支持部
S4…第4支持部
S5…第5支持部
S6…第6支持部
SE1、SE2、SE3…閉断面

Claims (5)

  1. 車両の幅方向に延在する筒状の第1クロスメンバと、
    前記第1クロスメンバに対して前記車両の前後方向で対向すると共に、前記幅方向に延在する第2クロスメンバと、
    前記幅方向で互いに対向して前記前後方向に各々延在すると共に、前記第1クロスメンバ及び前記第2クロスメンバに各々接合する一対のサイドメンバと、
    前記第1クロスメンバに対して前記車両の上下方向における下側で前記幅方向に延在すると共に、前記第1クロスメンバに接合するロアメンバと、
    を備えた車両用サブフレームであって、
    前記ロアメンバは、前記幅方向における外側から内側に向かって順に、前記車両のサスペンション部材を支持する下側支持部が設けられた外側部と、前記外側部に接続する中間部と、前記中間部に接続する内側部と、を有し、
    前記中間部は、前記外側部の底部に接続すると共に、前記内側に行くにつれて前記外側部の前記底部から下降することなく湾曲しながら上昇する軌跡を呈する外側湾曲底部と、前記内側部の底部に接続すると共に、前記外側に行くにつれて前記内側部の前記底部から上昇することなく湾曲しながら下降する軌跡を呈する内側湾曲底部と、を有し、
    前記第1クロスメンバは、前記前後方向及び前記上下方向で規定される平面で切った断面で第1の閉断面を呈し、
    前記ロアメンバは、前記平面で切った断面で第2の閉断面を呈し、
    前記第1の閉断面及び前記第2の閉断面が、前記第1の閉断面を規定する前記第1クロスメンバの壁部で隔てられて隣接する態様で、前記上下方向に並置される並置閉断面を、前記中間部における前記外側湾曲底部及び前記内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して設けた車両用サブフレーム。
  2. 前記並置閉断面は、前記内側湾曲底部の少なくとも一部に対応して必ず設けられる請求項1に記載の車両用サブフレーム。
  3. 前記並置閉断面は、前記幅方向で、前記内側湾曲底部と、前記外側湾曲底部及び前記内側部の前記底部の一方又は双方と、にわたって連続して設けられる請求項1又は2に記載の車両用サブフレーム。
  4. 前記ロアメンバに対して前記第1クロスメンバを挟んで前記上下方向における上側で対向すると共に、前記車両のサスペンション部材を支持する上側支持部を有する上支持部材が、前記第1クロスメンバに接合された態様で備えられ、前記上支持部材は、前記第1クロスメンバの筒状壁の一部を凹ませて傾斜させた傾斜面部に接合される請求項1から3のいずれかに記載の車両用サブフレーム。
  5. 前記一対のサイドメンバは、各々、前記幅方向で互いに対向する一対の側壁と、前記一対の側壁の前記上下方向における上側の端部同士を接続する上壁と、前記上壁に対して前記下側で対向すると共に、前記一対の側壁の前記上下方向における下側の端部同士を接続する底壁と、を有し、
    前記上壁は、前記前後方向におけるその前側の部分において、前記上壁が前記幅方向における中間部で前記下側に向かって陥設された陥設部と、前記上壁が前記幅方向における両端部で前記陥設部に対して前記上側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、
    前記上壁では、前記陥設部の前端部が前記第1クロスメンバに接合され、
    前記底壁は、その前記前側の部分において、前記底壁が前記幅方向における中間部で前記上側に向かって陥設された陥設部と、前記底壁が前記幅方向における両端部で前記陥設部に対して前記下側に向かって相対的に突設された一対の凸形状部と、を有し、
    前記底壁では、前記陥設部の前端部が前記第1クロスメンバに接合される請求項1から4のいずれかに記載の車両用サブフレーム。
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