JP2023138070A - ゼオライトの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な触媒性能を有するゼオライトを簡便に製造する方法を提供する。【解決手段】ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、前記スラリーのpHを10.0以下に調整する工程と、前記スラリーからゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する、ゼオライトの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゼオライトの製造方法に関する。
プロピレンは、ナフサのスチームクラッキング法や減圧軽油の流動接触分解法などにより、製造されている。スチームクラッキング法では、プロピレンの他にエチレンも大量に生成し、プロピレンとエチレンの生成比の調整が難しいため、プロピレンとエチレンの需給バランスの変化に対応することが困難であった。
そこで、エチレンからプロピレンを直接製造する技術について、検討がなされている。その一つとして、エチレンを、ゼオライト触媒と接触させることにより、プロピレンを製造する方法が提案されており、ここで、ゼオライトの平均一次粒径は、プロピレンの収率の観点から小さいものが好ましいことが開示されている(特許文献1)。
特開2014-46273号公報
しかしながら、粒径の小さなゼオライトは、合成後に反応液中から取得することは難しい。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、良好な触媒性能を有するゼオライトを簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた。この結果、水熱合成後のゼオライトを含むスラリーのpHを調整する、もしくは、スラリーを酸と接触させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の[1]から[7]を提供するものである。
[1]ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、前記スラリーのpHを10.0以下に調整する工程と、前記スラリーからゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する、ゼオライトの製造方法。
[2]ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、前記スラリーに酸を接触させる工程と、前記スラリーから前記ゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する、ゼオライトの製造方法。
[3]上記[1]又は[2]に記載のゼオライトの製造方法であって、前記水熱合成により得られるスラリーに酸を添加することにより、スラリーのpHを10.0以下に調整する、ゼオライトの製造方法。
[4]前記ゼオライトの平均一次粒径が10nm以上1μm以下である、上記[1]~[3]の何れかに記載のゼオライトの製造方法。
[5]前記ゼオライトがアルミノシリケートである、上記[1]~[4]の何れかに記載のゼオライトの製造方法。
[6]前記ゼオライトの構造が、International Zeolite Association(IZA)で規定されるコードでCHA型である、上記[1]~[5]の何れかに記載のゼオライトの製造方法。
[7]前記固液分離を濾過及び遠心分離の少なくとも何れかの方法により行う、上記[1]~[6]の何れかに記載のゼオライトの製造方法。
本発明によれば、触媒性能の高いゼオライトを、簡便に製造することができる。
以下、本発明のゼオライトの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」と称することがある。)の実施の形態について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれらの内容に何ら限定されない。
本発明のゼオライトの製造方法は、ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、このスラリーからゼオライトを固液分離する工程を有する。また、本発明のゼオライトの製造方法は、この水熱合成により得られるスラリーのpHを10.0以下に調整する工程及びこの水熱合成により得られるスラリーに酸を接触させる工程の少なくとも何れかの工程(以下、この両工程を纏めて「ゼオライト凝集工程」と称する場合がある。)を、スラリーからゼオライトを固液分離する工程の前に有する。
すなわち、本発明のゼオライトの製造方法(以下、「第1の製造方法」と称することがある。)は、ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、このスラリーのpHを10.0以下に調整する工程と、このスラリーからゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する。また、他方の本発明のゼオライトの製造方法(以下、「第2の製造方法」と称することがある。)は、ケイ素源と、アルミニウム源と、水と、を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、このスラリーに酸を接触させる工程と、このスラリーからゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する。
<ゼオライトを含むスラリーを得る工程>
ゼオライトを含むスラリーを得る工程は、ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物(以下、「本発明に係る原料組成物」又は単に「原料組成物」と称する場合がある。)の水熱合成により、ゼオライトを合成し、ゼオライトを含むスラリーを得る工程である。
(ケイ素源)
ケイ素源は、ゼオライトを構成するケイ素原子になる原料化合物のことを言う。ケイ素源としては、ヒュームドシリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、水ガラス、ケイ酸エチル、ケイ酸メチルなどが挙げられ、これらの1種類又は2種類以上が用いられる。これらのうち、取扱い易く、反応性が高いことから、ヒュームドシリカ及びコロイダルシリカが好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。これらのケイ素源は、市販品を用いてもよく、コロイダルシリカとしては、例えば、カタロイドSi-30(日揮触媒化成社製)、スノーテックス40(日産化学社製)等を用いることができる。
ケイ素源と水の仕込み比は、特に限定されないが、原料濃度が高く、生産効率に優れる点では、ケイ素源が多いことが好ましいが、また、一方で、原料組成物が低粘度で流動性に優れ、攪拌しやすく、粒径が小さいゼオライトを製造しやすい点では、ケイ素源が少ないことが好ましい。そこで、ケイ素源と水の仕込み比は、ケイ素源に含まれるケイ素原子に対する水のモル比で、通常10以上、好ましくは15以上、より好ましくは20以上とし、また、一方で、通常100以下、好ましくは50以下、より好ましくは40以下とする。
(アルミニウム源)
アルミニウム源は、ゼオライトを構成するアルミニウム原子になる原料化合物のことを言う。アルミニウム源は、通常、擬ベーマイト、ギブサイト、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド等のアルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、アルミナゾルおよびアルミン酸ナトリウムなどが挙げられ、これらの1種類又は2種類以上が用いられる。これらのうち、水酸化アルミニウムが取り扱い易く反応性が高い点で好ましい。
原料組成物中におけるケイ素源とアルミニウム源の仕込み比は、水熱合成によりケイ素源とアルミニウム源が反応してゼオライトが合成されれば特に限定されるものではないが、ゼオライト骨格からの脱アルミニウムによる酸強度低下やコーク付着によるゼオライトの失活が起こり難い点ではシリカ源が多いことが好ましく、また、一方で、酸点が多く、エチレン転化率が高くなりやすい点では、アルミニウム源が多いことが好ましい。そこで、具体的には、原料組成物中におけるアルミニウム原子に対するケイ素原子のモル比(以下、「組成物中のSi/Al比」と称す場合がある。)で、通常4以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、また、一方で、通常200以下、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは25以下である。
本発明の製造方法は、比較的結晶性が低いゼオライトの結晶化を有利にする上で、特にSi原子の比率が大きいもの、具体的にはSiO/Alが40以上のゼオライトの製造において好ましく用いられる。
(その他の成分)
原料組成物中には、本発明のゼオライトの製造を著しく妨げなければ、ケイ素源、アルミニウム源及び水以外の成分(以下、「その他の成分」と称する場合がある。)が含まれていてもよい。その他の成分としては、リン源、構造規定剤、アルカリ金属源、アルカリ土類金属源、種晶などが挙げられる。
(リン源)
原料組成物にリン源が含まれる場合におけるリン源としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、過リン酸アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、五酸化リン、ホスフィン類等を用いることができる。好ましくは、リン酸、リン酸一水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸、ポリリン酸等の水溶性のリン化合物であり、より好ましくはリン酸である。リン源を用いる場合、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組み合わせと比率で用いてもよい。
(構造規定剤)
本発明に係る原料組成物には、所望の構造のゼオライトを製造しやすい点では、構造規定剤が含まれることが好ましい。構造規定剤は、所望の構造のゼオライトの結晶化を促進する化合物を選択すればよい。例えば、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの骨格構造を規定するコードで、CHA型のゼオライトを製造する場合は、N,N,N-トリアルキル-1-アダマンタンアンモニウムカチオン、N,N,N-トリアルキルベンジルアンモニウムカチオン、3-キヌクリジナールから誘導されるカチオン、2-exo-アルミノノルボルネンから誘導されるカチオン等の脂環式アミンから誘導されるカチオン及びN,N,N-トリアルキルシクロヘキシルアンモニウムカチオン等が挙げられる。これらのうち、Si原子含有比の高いアルミノシリケートの結晶化を促進する効果が高い点で、N,N,N-トリアルキル-1-アダマンタンアンモニウムカチオン及びN,N,N-トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンが好ましく、N,N,N-トリアルキル-1-アダマンタンアンモニウムカチオンがより好ましい。N,N,N-トリアルキル-1-アダマンタンアンモニウムカチオンとしては、N,N,N-トリメチル-1-アダマンタンアンモニウムカチオンが特に好ましく、N,N,N-トリアルキルベンジルアンモニウムカチオンとしては、N,N,N-トリメチルベンジルアンモニウムカチオンが特に好ましい。構造規定剤を用いる場合は、1種類のみ使用しても、2種類以上を任意の組み合わせと比率で併用してもよい。
構造規定剤を用いる場合、その仕込み量は、特に限定されないが、所望の構造のゼオライトの結晶化を促進する観点では多いことが好ましく、また、一方で、生成するゼオライトの水熱安定性や耐酸性、構造規定剤を使用コストの観点では少ないことが好ましい。そこで、構造規定剤は、原料組成物中のケイ素源中のケイ素原子に対して、モル比で、通常0.01以上とし、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上とする。また、一方で、通常1.0以下とし、好ましくは0.5以下とし、より好ましくは0.3以下とする。
(アルカリ金属源)
原料組成物にアルカリ金属源が含まれる場合におけるアルカリ金属源としては、
LiOH、NaOH、KOH、CsOH等のLi、Na、K、Cs等の原子を含有する化合物が挙げられる。これらのうち、ゼオライト構造の形成を促進する傾向が強く、合成後に除去し易いことから、Na原子を含有する化合物が好ましい。Na原子を含有する化合物は、水熱合成時にNa原子を供給できれば、特に限定されないが、通常、Naの塩や水酸化物が使用され、好ましくは水酸化ナトリウムである。アルカリ金属源は、原料組成物に固体として供給しても、水溶液などとして供給してもよい。アルカリ金属源は、製造コスト、濃度や組成の調整のしやすさの点から、水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ金属源を用いる場合における使用量は、特に限定されない。但し、結晶化のために構造規定剤を用いる場合における使用量を削減しやすい点、原料組成物中の塩基性を上げて結晶化途中で析出せずに結晶化速度を上げやすい点では、アルカリ金属源が多いことが好ましい。また、一方で、原料組成物でケイ素源が溶解状態で安定化し難く、ゼオライトの結晶生成を促進しやすい点では、アルカリ金属源は少ないことが好ましい。そこで、原料組成物中に含まれるケイ素原子に対するアルカリ金属原子のモル比として、0.01以上とすることが好ましく、0.05以上とすることがより好ましく、また、一方で、1.0以下とすることが好ましく、0.5以下とすることがより好ましい。
アルカリ金属源と構造規定剤を併用する場合、アルカリ金属源と構造規定剤の仕込み比(アルカリ金属原子/構造規定剤)は、特に限定されない。但し、結晶化促進の観点では、構造規定剤が相対的に多いことが好ましく、また、一方で、高価な構造規定剤の使用量を削減して結晶化しやすい点では、アルカリ金属源が相対的に多いことが好ましい。そこで、構造規定剤に対するアルカリ金属原子のモル比として、20以下とすることが好ましく、5以下とすることがより好ましく、また、一方で、0.5以上とすることが好ましく、1.0以上とすることがより好ましい。
(アルカリ土類金属源)
本発明に係る原料組成物には、アルカリ土類金属源が含まれていてもよい。アルカリ土類金属化合物としては、例えば、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)等のアルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。
(種晶)
本発明に係る原料組成物には、種晶が含まれていてもよい。種晶は、溶媒に溶解させて添加しても、水などの分散媒に分散させて添加してもよいし、固体のまま添加してもよい。
種晶は、ゼオライトの結晶化を促進する化合物であれば、種類は問わないが、通常ゼオライトを用いる。ゼオライトを効率よく結晶化させるためには、製造されるゼオライトと同じ構造を有するゼオライトを用いることが好ましい。すなわち、製造されるゼオライトがアルミノシリケートであれば、同じくアルミノシリケートのゼオライトが好ましく、製造されるゼオライトのIZAで規定されるコードがCHA型であれば、CBUとしてd6rが含まれるゼオライトが好ましい。
種晶を用いる場合における種晶の量は、ゼオライトの結晶化促進効果が発現しやすい点では多いことが好ましく、また、一方で、種晶が溶解して機能しやすい点では少ないことが好ましい。そこで、種晶の量は、原料組成物に含まれるケイ素源に対して0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。また、一方で、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
<水熱合成工程>
ゼオライトを含むスラリーは、上述の原料組成物を水熱合成することにより得ることができる。水熱合成に用いる反応容器は、通常、水熱合成に用いられる容器を用いることができる。具体的には、オートクレーブなどの耐熱耐圧容器を用いることができる。
水熱合成を行う温度は、目的とする構造のゼオライトを高純度で得やすい点では低温で行うことが好ましい。また、一方で、反応が進行しやすい点では高温とすることが好ましい。そこで、原料組成物の水熱合成温度は、通常、100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上で行うことがよく、また、一方で、通常200℃以下、好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下で行うことがよい。
水熱合成時の圧力は、特に限定されず、水熱合成中に生じる自生圧力で十分である。また、反応容器内は、必要に応じて、窒素などの不活性ガスを充填してもよい。
反応時間(加熱時間)は特に限定されないが、ゼオライトが十分に結晶化しやすい点では長いことが好ましく、また、一方で、目的とする構造のゼオライトを高純度で効率よく得やすい点では短いことが好ましい。そこで、通常1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上とし、また、一方で、通常10日間以下、好ましくは5日間以下、より好ましくは2日間(48時間)以下、さらに好ましくは30時間以下、特に好ましくは20時間以下とする。
<ゼオライト凝集工程>
本発明ゼオライトの製造方法は、水熱合成により得られるスラリーのpHを10.0以下に調整する工程及びこの水熱合成により得られるスラリーに酸を接触させる工程の少なくとも何れかの工程を有する。この工程により、粒径の小さいゼオライトを凝集させることができ、スラリーからゼオライトを固液分離しやすくさせることができる。
すなわち、スラリーのpHを10.0以下への調整は、スラリーに酸を接触させることにより行うことが好ましい。また、スラリーに酸を接触させることにより、スラリーのpHを10.0以下に調整することが好ましい。なお、水熱合成により得られるスラリーのpHは、通常11以上である。
酸は、本発明に係るゼオライトを含むスラリーのpHを下げることができればよい。酸は、有機酸でも無機酸でもよい。また、炭酸ガス(CO)などの水溶液中で酸性を示すものも使用できる。酸は、具体的には、例えば、有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸等が挙げられる。また、無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、リン酸、炭酸ガス(CO)等が挙げられる。これらの酸は、1種類のみを使用しても、2種類以上の酸を任意の組み合わせと比率で併用してもよい。酸は、汎用性が高く安価であり、ゼオライト結晶から除去し易いことから、酢酸、硫酸及び炭酸ガス(CO)が好ましく、酢酸及び炭酸ガス(CO)がより好ましく、酢酸がさらに好ましい。
酸の量は、スラリー中のゼオライトを凝集させることができる量を用いればよい。但し、ゼオライトが十分に凝集してスラリーから分離しやすくなりやすい点では、酸の量は多いことが好ましい。また、一方で、ゼオライト骨格からの構成成分の脱離に伴う結晶構造の崩壊が起こり難い点では、酸の量は少ないことが好ましい。そこで、酸と接触させた後のスラリーのpHは、10.0以下に調整することが好ましく、9.5以下に調整することがより好ましく、9.0以下に調整することがさらに好ましく、8.5以下に調整することが特に好ましく、8.0以下に調整することが最も好ましい。また、一方で、酸と接触させた後のスラリーのpHは、1.0以上に調整することが好ましく、3.0以上に調整することがより好ましく、5.0以上に調整することがさらに好ましく、6.0以上に調整することが特に好ましく、6.5以上に調整することが最も好ましい。
スラリーと酸との接触方法は、スラリー中のゼオライトと酸が接触すれば、特に限定されない。但し、スラリー中でpHが均一になるように調整しやすい点では、スラリーを攪拌した状態で、酸を添加する方法が好ましく、酸を少量ずつ添加する方法がより好ましい。
スラリーと酸を接触させる時の温度は、酸との接触により、スラリー中のゼオライトを凝集させることができれば特に限定されない。但し、ゼオライト骨格からの構成成分の脱離に伴う結晶構造の崩壊が起こり難い点では、酸との接触によるスラリーの中和反応に伴う発熱による温度上昇が小さいことが好ましい。そこで、酸との接触による温度上昇は、40℃以下とすることが好ましく、20℃以下とすることがより好ましく、10℃以下とすることがさらに好ましく、5℃以下とすることが特に好ましい。
<ゼオライトをスラリーから固液分離する工程>
本発明のゼオライトの製造方法は、上述のようにして凝集させたゼオライトをスラリーから固液分離する工程を有する。
ゼオライトをスラリーから固液分離する方法としては、スラリーからゼオライトを分離できれば特に限定されない。固液分離する方法としては、濃縮、濾過、デカンテーション及び遠心分離等の方法が挙げられる。これらのうち、ハンドリングし易く、処理量を多くしやすいことから濾過及び遠心分離が好ましく、濾過がより好ましい。固液分離する方法は、これらのうち、何れか1種類の方法により行っても、2種類以上の方法を組み合わせて行ってもよい。
固液分離時の温度は、通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上とし、また、一方で、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは50℃以下とする。
固液分離時の圧力は、特に限定されないが、絶対圧で、通常0.0001MPa以上、好ましくは0.001MPa以上、より好ましくは0.01MPa以上とし、また、一方で、通常10MPa以下、好ましくは5MPa以下、より好ましくは3MPa以下とする。
特に、固液分離を濾過により行う場合、加圧濾過でも吸引濾過でもよいが、加圧濾過により行うことが好ましい。加圧濾過により固液分離を行う場合における圧力は、スラリー中からゼオライトを分離できれば特に限定されないが、絶対圧で、通常0.1MPa以上、好ましくは0.3MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上とし、また、一方で、通常10MPa以下、好ましくは5MPa以下、より好ましくは3MPa以下とする。
スラリーから分離した固形分は、水洗することが好ましい。また、水洗後に、室温(25℃)から200℃以下で乾燥させることがより好ましい。
なお、固液分離では、全ての溶存成分や溶媒を除去する必要はない。
<その他の工程>
本発明のゼオライトの製造方法は、前述の3工程以外の工程(以下、「その他の工程」と称する場合がある。)を有していてもよい。具体的には、ゼオライトをスラリーから固液分離する工程の後に、更に以下の工程を有していてもよい。
<焼成工程>
スラリーから分離したゼオライトは、焼成してもよい。すなわち、本発明のゼオライトの製造方法は、ゼオライトをスラリーから固液分離する工程の後に、更に、スラリーから固液分離されたゼオライトを焼成する工程を有していてもよい。
特に、ゼオライトを水熱合成するときに構造規定剤を用いた場合、より触媒性能に優れるゼオライトを得やすいことから、焼成によりゼオライト中の構造規定剤を除去することが好ましい。
焼成する場合、焼成温度は、短時間で構造規定剤を除去しやすい点では、高温であることが好ましいが、また、一方で、得られるゼオライトの結晶性に優れる点では低温であることが好ましい。そこで、焼成温度は、具体的には、400℃以上とすることが好ましく、450℃以上とすることがより好ましく、500℃以上とすることがさらに好ましい。また、一方で、900℃以下とすることが好ましく、850℃以下とすることがより好ましく、800℃以下とすることがさらに好ましい。焼成時の雰囲気は、空気又は酸素を含有する不活性ガスが好ましい。
<イオン交換処理工程>
スラリーから分離したゼオライトは、イオン交換処理を行ってもよい。すなわち、本発明のゼオライトの製造方法は、ゼオライトをスラリーから固液分離する工程の後に、更に、スラリーから固液分離されたゼオライトをイオン交換処理する工程を有していてもよい。ここで、本発明のゼオライトの製造方法が上述の焼成工程を有する場合、通常、焼成工程の後にイオン交換処理工程を行う。スラリーから分離されたゼオライトを焼成すると、ゼオライトは通常アルカリ金属型に変換される。そこで、このアルカリ金属型ゼオライトをイオン交換処理することにより、各種のイオン型に変換することができる。具体的には、各種のアンモニウム塩を用いてイオン交換処理することにより、焼成後のアルカリ金属型のゼオライトをNH型(アンモニウムイオン型)のゼオライトに変換することが好ましい。また、このNH型のゼオライトをさらに焼成することにより、H型(プロトン型)に変換してもよい。スラリーから分離したゼオライトは、後述するシリル化処理により外表面の酸量を減らしやすいため、Na型またはH型が好ましい。
<シリル化処理>
スラリーから分離したゼオライトは、シリル化処理を行ってもよい。すなわち、本発明のゼオライトの製造方法は、ゼオライトをスラリーから固液分離する工程の後に、更に、スラリーから固液分離されたゼオライトをシリル化処理する工程を有していてもよい。ここで、本発明のゼオライトの製造方法が上述のイオン交換処理工程を有する場合、イオン交換処理工程により、ゼオライトをNa型またはH型に変換した後に、シリル化処理を行うことが好ましい。
シリル化処理は、スラリーから分離されたゼオライトの外表面がシリル化されれば特に限定されない。具体的には、例えば、国際公開2010/128644号パンフレットに記載の方法により、ゼオライトの外表面をシリル化することができる。シリル化処理は、ゼオライトを水と接触させた後にトルエン等の炭化水素溶媒中でアルコキシシランなどのシリル化剤と反応させることにより行うことが好ましい。
ゼオライトにシリル化処理を行うことにより、ゼオライトの外表面酸量を減らすことができる。
ゼオライトの外表面酸量とは、ゼオライトの外表面に存在する酸点の量である。ゼオライトの外表面酸点は、製造されたゼオライトを後述するプロピレン製造用触媒として用いた場合に、プロピレン以外の副生物を生成し難い点から、少ないことが好ましい。そこで、ゼオライトの外表面酸量は、ゼオライトに含まれる全酸量の5%以下とすることが好ましい。
なお、ゼオライトの外表面に存在する酸点の量に、ゼオライトの細孔表面に存在する酸点の量を合わせた量がゼオライトの表面酸量となる。ゼオライトの表面酸量は、国際公開2010/128644号パンフレットに記載の方法により測定することができる。
ゼオライトにシリル化処理を行うことにより、ゼオライトの細孔表面の酸性水酸基やシラノール性水酸基がシリル化され、細孔径が縮小し、高い形状選択性を発現することにより、プロピレンを選択的に生成しやすくなると考えられる。
シリル化処理により、通常、ゼオライトの骨格構造や粒径等に変化はない。但し、ゼオライトの原子組成は、シリル化剤がゼオライトの外表面の反応点に結合することにより、ケイ素原子の割合が増加する。
<ゼオライト>
本発明の製造方法により、骨格構造にアルミニウム原子とケイ素原子を有するアルミノシリケート(アルミノケイ酸塩)、骨格構造にアルミニウム原子とリン原子を有するアルミノホスフェート(アルミノリン酸塩、ALPO)、骨格構造にケイ素原子、アルミニウム原子及びリン原子を有するシリコアルミノホスフェート(シリコアルミノリン酸塩、SAPO)等を製造することができる。これらのうち、プロピレン製造用触媒として、高活性であることから、アルミノシリケート及びシリコアルミノホスフェートが好ましく、アルミノシリケートがより好ましい。ゼオライトがこれらの何れのゼオライトであるかは、XRD測定や組成分析により確認することができる。なお、ここで、「XRD」とは、X線回折法(X-ray diffraction)を意味する。
本発明の製造方法により、アルミノシリケートゼオライトを製造する場合におけるゼオライト中のケイ素原子とアルミニウム原子の比率は特に限定されない。但し、本発明の製造方法により得られるゼオライトを触媒として用いた場合における耐久性に優れる点では、ケイ素原子が相対的に多いことが好ましく、また、一方で、ゼオライトの酸量が多く、触媒活性に優れる点ではアルミニウム原子が相対的に多いことが好ましい。そこで、ゼオライト中に含まれるアルミニウム原子に対するケイ素原子の比率を、Alに対するSiOのモル比(以下、「SiO/Alモル比」と称する場合がある。)に換算した値が、12以上であることが好ましく、16以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましく、また、一方で、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、50以下であることがさらに好ましい。なお、SiO/Alモル比は、後述する高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、蛍光X線分析(XRF)法等により測定することができる。
本発明の製造方法により、International Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの骨格構造を規定するコードで、CHA型、ERI型、AEI型、AFX型、RHO型、KFI型、DDR型、CON型等のゼオライトを製造することができる。これらのうち、本発明の製造方法により得られるゼオライトをプロピレン製造用触媒として用いた時に高活性を発現しやすいことからCHA型が好ましい。
本発明の製造方法により得られるゼオライトの平均一次粒径は、特に限定されないが、本発明の製造方法により得られるゼオライトを後述するプロピレン製造触媒として用いた場合におけるプロピレン選択率が高くなりやすい点では、平均一次粒径は小さいことが好ましい。ここで、前述のとおり、小粒径のゼオライトは、取得することが難しいが、本発明の製造方法を用いることにより、小粒径で触媒性能の高いゼオライトを製造することができる。ゼオライトの平均一次粒径は、1μm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。また、ゼオライトの平均一次粒径は通常10nm以上である。
ここで、ゼオライトの粒径は、走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と称する場合がある。)又は透過型電子顕微鏡(以下、「TEM」と称する場合がある。)による粒子の観察で、確認可能な最小構成単位の粒子を一次粒子と定義し、各粒子の最長径を一次粒径とする。なお、粒子が長方形である場合、粒子の長辺と短辺を計測して(奥行は計測せず)、その和の平均(つまり(長辺+短辺)÷2)を算出して、その粒子の粒径とする。そして、ゼオライトの平均一次粒径は、任意の50~100個のゼオライトの各一次粒径をx、x、x・・・xとしたとき、下記式(1)で表される値とする。
(成形処理)
本発明の製造方法により得られたゼオライトを、触媒として用いる場合、そのまま用いてもよいし、他の成分と混合して用いてもよいし、バインダー等を用いて造粒・成形して用いてもよい。
バインダー等としては、アルミナまたはアルミナゾル、シリカ、シリカゾル及び、石英等が挙げられる。これらの成分を用いる場合、1種類のみ用いてもよく、2種類以上用いてもよい。また、バインダーを用いた成形により、バインダーとゼオライト外表面の酸点を結合させることにより、上述の外表面酸量を全体酸量に対して好ましい比率に調整することも可能である。
<プロピレンの製造方法>
本発明の製造方法により得られるゼオライトは、エチレンやエタノールと接触させることにより、プロピレンを製造する触媒として好適である。
プロピレンの製造は、公知の方法により行なうことができる。具体的には、特開2007-291076号公報や、国際公開2010/128644号パンフレットに記載の方法を用いることができる。
本発明のゼオライトの製造方法によれば、水熱合成により得られるスラリーのpHを10.0以下に調整する工程及びこの水熱合成により得られるスラリーに酸を接触させる工程の少なくとも何れかの工程を有することにより、粒径の小さいゼオライトを凝集させることができ、水熱合成により得られるスラリーからゼオライトを固液分離しやすくさせることができる。そして、プロピレン製造触媒として高活性な小粒径のゼオライトを簡便に製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例により何ら限定されない。
(物性の測定)
(SiO/Al比(モル比))
ゼオライトのSiO/Alモル比は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により測定した。具体的には、白金るつぼに約10mgの試料を秤量し、これに炭酸ナトリウムとホウ酸を加え、1000℃の電気炉を用いてアルカリ溶融させた後に、純水を加えて溶解させ、定容・希釈した後、ICP発光装置により測定した。測定は、Agilent(Varian)製のICP発光装置「ICP VISTA Pro」を用いて行った。
(平均一次粒径)
ゼオライトの平均一次粒径は、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡「S-4100」を用いて、加速電圧15kVで観察したSEM画像から求めた。
具体的には、SEMを用いて倍率6万倍でゼオライトを観察し、確認可能な最小構成単位の粒子を一次粒子と定義した。そして、SEM画像で1μm×1μmの範囲内にある50~100個の各粒子の最長径(一次粒径)を求め、各個々の一次粒子の粒径をx、x、x・・・xとしたとき、下記式(1)で表される値を平均一次粒径とした。
(プロピレン選択率)
ゼオライト触媒を用いてプロピレンを製造した場合におけるプロピレンの選択率は、反応生成物のガスクロマトグラフィー分析を行い、下記式(2)によって求めた。
プロピレン選択率(%)=〔反応器出口プロピレン由来カーボン(モル)/[反応器出口総カーボン(モル)-反応器出口エチレン由来カーボン(モル)]〕×100 (2)
[実施例1]
水酸化ナトリウム2.1gおよび25質量%のN,N,N-トリメチル-1-アダマンタンアンモニウムハイドロキサイド(N,N,N-trimethyl-1-adamantammonium hydroxide)水溶液47gを順次、水90gに溶解させた。次に水酸化アルミニウム4.3g(酸化アルミニウム換算で53.5質量%)を加えて混合した後に、ケイ素源として日揮触媒化成社製コロイダルシリカ「SI‐30」(SiO換算で30質量%、Naを0.3質量%含有)を110g加えて十分に攪拌した。さらにこの加えたSiO100質量部に対して2質部のCHA型ゼオライトを種晶として加えて攪拌した。得られたゲルを1000cmのオートクレーブに仕込み、自圧下で、回転速度250rpmで攪拌させながら、160℃で20時間、水熱合成反応を行った。
得られたスラリー(pH12.3)50gを100cmのビーカーに移し、スラリーのpHが6.5となるように酢酸を少しずつ添加した。次いで、脱塩水50cmを加えてから、桐山漏斗60mmΦ、濾紙5A(保留粒子7μm)を用いて、10kPaAで減圧濾過を実施したところ、目漏れを発生することなく、ウェットケーキ状の固形分を回収することができた。得られた固形分を100℃の常圧乾燥機にて一晩乾燥させた。
乾燥後の固形分を空気流通下、580℃で6時間焼成を行った後、1モル/Lの硝酸アンモニウム水溶液を用いて80℃で1時間のイオン交換を2回行った後に100℃で乾燥させた。これを、空気流通下、500℃で6時間焼成し、プロトン型のCHA型ゼオライトを得た(SiO/Alモル比は24)。
このプロトン型のCHA型ゼオライト1.0gを磁器の皿に入れ、大気中に開放しておくことにより、ゼオライト中の水分を10質量%に調湿した。これに対して、溶媒としてトルエン10cm、シリル化剤としてテトラエトキシシラン2.5cmを加えて、攪拌しながら100℃で6時間加熱処理を行った。加熱処理後に濾過によって固液分離し、得られたゼオライトを100℃で乾燥することにより、シリル化されたゼオライトを製造した。
このようにして製造されたシリル化ゼオライトを触媒として用いて、常圧の固定床流通反応装置によりプロピレンを製造した。具体的には、シリル化ゼオライト100mgと石英砂400mgを内径6mmの石英製反応管に充填した。次いで、エチレンと窒素を、エチレンの空間速度が0.36Hr-1で、エチレン30体積%と窒素70体積%となるように反応管に供給し、350℃、0.1MPaでプロピレンの合成反応を行った。得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析することにより、反応成績を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、酢酸をスラリーのpHが9.1となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてシリル化ゼオライトを製造し、プロピレン製造における反応成績を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、酢酸を加えなかった以外は、実施例1と同様にして脱塩水50cmを加えてから減圧濾過を実施したが、濾紙からの目漏れが多量に発生し、濾過によりウェットケーキを回収できなかった。
[比較例2]
比較例1において、水熱合成反応における攪拌の回転速度を50rpmとした以外は、比較例1と同様にしてスラリー(pH12.3)の減圧濾過を行った。目漏れは発生しなかったが、実施例1及び実施例2に対して、濾過に長時間を要した。得られたウェットケーキ状の固形分について、実施例1と同様の処理を行うことにより、シリル化ゼオライトを製造し、プロピレン製造における反応成績を評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例1において、水熱合成反応における攪拌を行わなかった以外は、比較例1と同様にしてスラリー(pH12.3)の減圧濾過を行った。目漏れは発生しなかったが、比較例2より濾過に更に長時間を要した。得られたウェットケーキ状の固形分について、実施例1と同様の処理を行うことにより、シリル化ゼオライトを製造し、プロピレン製造における反応成績を評価した。結果を表1に示す。
表1の結果より、本発明のゼオライトの製造方法により、良好な触媒性能を有する小粒径のゼオライトを簡便に製造できることが裏付けられた。
本発明のゼオライトの製造方法により、良好な触媒性能を有する小粒径のゼオライトを簡便に製造できる。特に、プロピレンを高選択率で製造できる触媒を得ることができる。

Claims (7)

  1. ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、
    前記スラリーのpHを10.0以下に調整する工程と、
    前記スラリーからゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する、ゼオライトの製造方法。
  2. ケイ素源、アルミニウム源及び水を含む組成物の水熱合成により、ゼオライトを含むスラリーを得る工程と、
    前記スラリーに酸を接触させる工程と、
    前記スラリーから前記ゼオライトを固液分離する工程と、をこの順に有する、ゼオライトの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のゼオライトの製造方法であって、前記水熱合成により得られるスラリーに酸を添加することにより、スラリーのpHを10.0以下に調整する、ゼオライトの製造方法。
  4. 前記ゼオライトの平均一次粒径が10nm以上1μm以下である、請求項1~3の何れか1項に記載のゼオライトの製造方法。
  5. 前記ゼオライトがアルミノシリケートである、請求項1~4の何れか1項に記載のゼオライトの製造方法。
  6. 前記ゼオライトの構造が、International Zeolite Association(IZA)で規定されるコードでCHA型である、請求項1~5の何れか1項に記載のゼオライトの製造方法。
  7. 前記固液分離を濾過及び遠心分離の少なくとも何れかの方法により行う、請求項1~6の何れか1項に記載のゼオライトの製造方法。
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