JP2023137849A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造プロセスに起因して金属元素を含む残留物が生じても、誘電特性の観点から有利な積層体を提供する。【解決手段】積層体1aは、誘電性多孔質層10と、導電層20とを備える。誘電性多孔質層10は有機ポリマーを含んでいる。導電層20は、誘電性多孔質層10の厚み方向において誘電性多孔質層10と並んでいる。誘電性多孔質層10における金属元素の含有量は、原子数基準で、0.0001%~1.0%の範囲にある。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
従来、多孔質のポリマーフィルムの少なくとも一方の面に導電層を設けた積層体が知られている。
例えば、特許文献1には、ミリ波アンテナ用のシートとして有用な多孔質の低誘電性ポリマーフィルムが記載されており、この低誘電性ポリマーフィルムと導電層とを含む積層体が記載されている。低誘電性ポリマーフィルムにおいて、ポリマー材料からなるフィルムに微細な空孔が分散形成されている。低誘電性ポリマーフィルムは、所定の平均孔径の空孔を有し、所定の空孔率を有している。低誘電性ポリマーフィルムにおける多孔質の構造は独泡構造である。多孔質の低誘電性ポリマーフィルムは、ポリオキシエチレンジメチルエーテル等の多孔化剤をポリイミド前駆体中で不溶化させて、超臨界二酸化炭素を用いて多孔化剤を抽出した後にポリイミド前駆体をポリイミドに変換(イミド化)することによって作製されている。
特開2019-123851号公報
特許文献1に記載の技術では、超臨界二酸化炭素を用いた多孔化剤の抽出を伴う多孔化がなされており、多孔化剤は金属元素を含んでいない。特許文献1では、多孔質の低誘電性ポリマーフィルムの製造において金属元素を含む残留物が生じることは想定されていない。
そこで、本発明は、製造プロセスに起因して金属元素を含む残留物が生じても、誘電特性の観点から有利な積層体を提供する。
本発明は、
有機ポリマーを含む誘電性多孔質層と、
前記誘電性多孔質層の一方の主面に沿って配置されている金属層と、を備え、
前記誘電性多孔質層における金属元素の含有量は、原子数基準で、0.0001%~1.0%の範囲にある、
積層体を提供する。
上記の積層体は、製造プロセスに起因して金属元素を含む残留物が生じても、誘電特性の観点から有利である。
図1は、本発明に係る積層体の一例を示す断面図である。 図2Aは、本発明に係る積層体の別の一例を示す断面図である。 図2Bは、本発明に係る積層体のさらに別の一例を示す断面図である。 図2Cは、本発明に係る積層体のさらに別の一例を示す断面図である。 図3は、実施例に係る多孔質体の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図4は、比較例に係る多孔質体の断面のSEM写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、下記の説明は、本発明を例示的に説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるわけではない。
図1に示す通り、積層体1aは、誘電性多孔質層10と、導電層20とを備えている。誘電性多孔質層10は有機ポリマーを含んでいる。導電層20は、誘電性多孔質層10の一方の主面に沿って配置されている。導電層20は誘電性多孔質層10の厚み方向において誘電性多孔質層10に接触していてもよいし、誘電性多孔質層10の厚み方向において導電層20と誘電性多孔質層10との間に別の層が介在していてもよい。誘電性多孔質層10における金属元素の含有量CMは、原子数基準で、0.0001%~1.0%の範囲にある。金属元素の含有量CMは、例えば、走査型電子顕微鏡‐エネルギー分散型X線分光法(SEM‐EDX)に従って誘電性多孔質層10の断面に対してなされた元素分析の結果に基づいて決定される。
誘電性多孔質層10は、例えば、金属元素を含む多孔化剤を用いて製造される。例えば、有機ポリマー又は有機ポリマーの前駆体と、多孔化剤との混練によって得られた組成物から多孔化剤を所定の溶媒に抽出させることによって誘電性多孔質層10が製造されうる。組成物は、例えば、プレス、圧延、及び延伸からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理によってシート状に成形されうる。このような方法は、多孔化剤及び溶媒を適宜選択することによって、誘電性多孔質層10において調整可能な多孔質構造のバリエーションが豊富となり有利である。また、超臨界二酸化炭素による多孔化剤の抽出のような高温高圧でのプロセスを必ずしも必要としないので、誘電性多孔質層10の製造プロセスが簡素になりやすく、誘電性多孔質層10の製造コストを低減しやすい。
一方、金属元素を有する多孔化剤を用いた場合、多孔化剤に由来する金属元素を多孔質層から完全に除去することは難しい。このような金属元素の残留により、多孔質層の誘電特性を所望の状態に調整できない可能性がある。例えば、多孔質層の初期の誘電特性が所望の範囲から外れる可能性がある。もしくは、多孔質層が所定の環境に曝されたときに、残留した金属元素の作用によって多孔質層の誘電特性が変化する可能性がある。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、誘電性多孔質層10における金属元素の含有量を原子数基準で1.0%以下に調整することによって、誘電性多孔質層10の誘電特性が所望の範囲に調整されやすいことを突き止めた。一方、誘電性多孔質層10における金属元素の含有量を1.0%以下の範囲で0%に近づけていくと、換言すると、誘電性多孔質層10における金属元素を含む残留物を完全に除去しようとすると、誘電性多孔質層10の製造に過剰な負担が生じうる。しかし、誘電性多孔質層10における金属元素の含有量が原子数基準で1.0%以下の範囲において0.0001%以上であれば、誘電性多孔質層10の製造に過剰な負担が生じにくい。
金属元素を有する多孔化剤を用いて多孔質層を製造する場合、多孔質層を含む製品において、残留した金属元素の作用に伴う腐食によって、電気的絶縁状態、導通不良、及び電気的接続の損失が発生する可能性がある。一方、誘電性多孔質層10における金属元素の含有量CMが原子数基準で0.0001%~1.0%の範囲にあることにより、積層体1aでは、電気的絶縁状態、導通不良、及び電気的接続の損失が発生しにくい。
金属元素を有する多孔化剤を用いて多孔質層を製造する場合に、多孔質層を含む製品の製造、多孔質層の輸送、及び多孔質層の使用において、金属元素を含む残留物が脱落して異物が発生する可能性がある。一方、誘電性多孔質層10における金属元素の含有量CMが原子数基準で0.0001%~1.0%の範囲にあることにより、このような異物が発生しにくい。
金属元素の含有量CMは、望ましくは0.8%以下であり、より望ましくは0.6%以下であり、さら望ましくは0.4%以下であり、特に望ましくは0.2%以下である。金属元素の含有量CMは、0.0002%以上であってもよく、0.0005%以上であってもよく0.001%以上であってもよく、0.002%以上であってもよく、0.005%以上であってもよく、0.01%以上であってもよい。
誘電性多孔質層10に含まれる有機ポリマーは、特定のポリマーに限定されない。有機ポリマーは、例えば、液晶ポリマーである。この場合、誘電性多孔質層10が所望の誘電特性を有しやすい。加えて、液晶ポリマーは、成形性、耐熱性、低い線膨張、耐薬品性、ガスバリア性、及び制振性の観点からも有利である。
液晶ポリマーは、液晶性を示すポリマーである限り、特定のポリマーに限定されない。液晶ポリマーは、例えば、液晶性を示す熱可塑性ポリマーである。液晶ポリマーは、例えば、芳香族液晶ポリエステルである。液晶ポリマーとして、例えば、特開2020-147670号公報及び特開2004-189867号公報に記載されている液晶ポリマーが用いられてもよい。液晶ポリマーは、市販品を用いてもよい。市販品の例は、上野製薬社製のUENO LCP 8100シリーズ(低融点タイプ)及びUENO LCP 5000シリーズ(高強度タイプ)である。「UENO LCP」は、上野製薬社の登録商標である。
液晶ポリマーの融点は特定の値に限定されない。液晶ポリマーの融点は、例えば170℃以上であり、180℃以上であってもよく、200℃以上であってもよく、250℃以上であってもよく、280℃以上であってもよく、300℃以上であってもよい。液晶ポリマーの融点は、例えば、370℃以下である。液晶ポリマー10の融点は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)の結果に基づいて決定できる。
誘電性多孔質層10に含まれる有機ポリマーは、液晶ポリマー以外のポリマーであってもよい。有機ポリマーは、例えば、熱可塑性ポリマーである。熱可塑性ポリマーの例は、熱可塑性ポリイミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリルスルホン、熱可塑性フッ化ポリイミド、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、セルロース、及びアイオノマーである。
誘電性多孔質層10に含まれる金属元素は、特定の元素に限定されない。この金属元素は、例えば、誘電性多孔質層10の製造に用いられる多孔化剤に由来しうる。多孔化剤は、無機塩であってもよいし、セラミックスであってもよいし、金属酸化物であってもよいし、金属水酸化物であってもよいし、金属炭化物であってもよいし、金属窒化物であってもよいし、金属ホウ化物であってもよいし、他の金属化合物であってもよい。
誘電性多孔質層10は、例えば、ナトリウム等のアルカリ金属元素、カルシウム等のアルカリ土類金属元素、クロム、アルミニウム、及びセラミックスに含有されうる金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
誘電性多孔質層10の製造において多孔化剤の抽出のための溶媒は、特定の溶媒に限定されない。その溶媒は、水であってもよく、酸性の溶媒であってもよく、アルカリ性の溶媒であってもよい。酸性の溶媒の例は、塩酸、硫酸、硝酸、及び塩化鉄水溶液等の酸性の水溶液である。アルカリ性の溶媒の例は、水酸化ナトリウム水溶液及び有機系塩基性水溶液である。
誘電性多孔質層10における平均孔径dpは特定の値に限定されない。平均孔径dpは、例えば15μm以下である。この場合、誘電性多孔質層10に対してめっきなどの処理を行うときに、誘電性多孔質層10にめっき膜が均一に形成されやすい。加えて、誘電性多孔質層10において金属元素を含む残留物が脱落しにくく、異物が発生しにくい。また、誘電性多孔質層10が所望の誘電特性を有しやすい。平均孔径dpは、例えば、誘電性多孔質層10の断面のSEM写真を画像解析することによって決定できる。例えば、誘電性多孔質層10の断面のSEM像において、無作為に選んだ50個以上の空孔の最大径を求め、その最大径を算術平均することによって平均孔径dpを決定できる。
平均孔径dpは、14μm以下であってもよいし、13μm以下であってもよいし、12μm以下であってもよい。平均孔径dpは、例えば1μm以上であり、2μm以上であってもよく、4μm以上であってもよく、6μm以上であってもよく、8μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。
誘電性多孔質層10の空孔率P10は、特定の値に限定されない。空孔率P10は、例えば、50%以上である。この場合、誘電性多孔質層10が所望の誘電特性を有しやすい。また、積層体1aが軽量になりやすい。
空孔率P10は、52%以上であってもよく、54%以上であってもよく、56%以上であってもよく、58%以上であってもよく、60%以上であってもよい。空孔率P10は、例えば90%以下である。この場合、誘電性多孔質層10が所望の強度(剛性)を有しやすい。
誘電性多孔質層10の10GHzにおける比誘電率ε10は、特定の値に限定されない。比誘電率ε10は、例えば2.2以下である。これにより、例えば、1GHz以上の高い周波数の電波を用いた通信の用途に積層体1aを用いた場合に伝送損失が小さくなりやすい。比誘電率ε10は、望ましくは2.1以下であり、より望ましくは2.0以下であり、さらに望ましくは1.9以下であり、特に望ましくは1.8以下である。比誘電率ε10は、例えば、1.1以上である。
誘電性多孔質層10の10GHzにおける誘電正接tanδ10は、特定の値に限定されない。誘電正接tanδ10は、例えば0.0017以下である。比誘電率ε10は、0.0016以下であってもよいし、0.0015以下であってもよいし、0.0014以下であってもよい。
誘電性多孔質層10の10GHzにおける比誘電率の高温高湿環境試験の前後における変化量Δε10は、特定の値に限定されない。変化量Δε10は、高温高湿環境試験後の誘電性多孔質層10の10GHzにおける比誘電率ε11と高温高湿環境試験前の誘電性多孔質層10の10GHzにおける比誘電率ε10との差の絶対値|ε11-ε10|である。高温高湿環境試験は、例えば、積層体1a又は誘電性多孔質層10を温度85℃及び相対湿度85%の環境に168時間放置することによってなされる。変化量Δε10は、例えば0.2以下であり、望ましくは0.15以下であり、より望ましくは0.1以下である。
誘電性多孔質層10の10GHzにおける誘電正接の高温高湿環境試験の前後における変化量Δtanδ10は、特定の値に限定されない。変化量Δtanδ10は、高温高湿環境試験後の誘電性多孔質層10の10GHzにおける誘電正接tanδ11と高温高湿環境試験前の誘電性多孔質層10の10GHzにおける誘電正接tanδ10との差の絶対値|tanδ11-tanδ10|である。変化量Δtanδ10は、例えば0.0005以下であり、望ましくは0.0004以下であり、より望ましくは0.0003以下である。
誘電性多孔質層10の厚みt10は特定の値に限定されない。厚みt10は、例えば、1μm~240μmである。厚みt10が1μm以上であると、誘電性多孔質層10のハンドリングがしやすい。厚みt10が240μm以下であると、誘電性多孔質層10の曲げ剛性が低くなりやすい。
厚みt10は、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、30μm以上であってもよく、40μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。厚みt10は、230μm以下であってもよく、220μm以下であってもよく、210μm以下であってもよく、200μm以下であってもよい。
図1に示す通り、積層体1aは、例えば、非多孔質層30を備えている。非多孔質層30は、誘電性多孔質層10の厚み方向において誘電性多孔質層10と導電層20との間に配置されている。非多孔質層30によって、積層体1aにおいて導電層20が強固に固定されうる。また、所定の液体を用いた処理を積層体1aに対して行うときに、積層体1aの誘電性多孔質層10に液体が浸みにくい。これにより、積層体1aを備えた製品が所望の誘電特性を発揮しやすい。
非多孔質層30は、例えば、所定の有機ポリマーを含んでいる。非多孔質層30に含まれる有機ポリマーは、誘電性多孔質層10に含まれる有機ポリマーと同一種類のポリマーであってもよいし、異なる種類のポリマーであってもよい。非多孔質層30に含まれる有機ポリマーは、望ましくは、誘電性多孔質層10に含まれる有機ポリマーと同一種類のポリマーである。非多孔質層30に含まれる有機ポリマーの例は、誘電性多孔質層10に含まれる有機ポリマーの例と同じである。
非多孔質層30の厚みは特定の値に限定されない。非多孔質層30は、例えば0.1μm~20μmである。
非多孔質層30の10GHzにおける比誘電率ε30は特定の値に限定されない。比誘電率ε30は、例えば2.1~4.0である。非多孔質層30の10GHzにおける誘電正接tanδ30は特定の値に限定されない。誘電正接tanδ30は、例えば0.0005~0.02である。
積層体1aにおいて、誘電性多孔質層10の厚み方向における誘電性多孔質層10と導電層20との間には接着層等の別の層が配置されていてもよい。非多孔質層30が接着層として機能してもよい。
導電層20は、導電性を有する限り、特定の層に限定されない。導電層20は、例えば金属を含む。導電層20に含まれる金属は特定の金属に限定されない。導電層20は、例えば、銅を含んでいる。導電層20は、金属箔であってもよいし、めっき層であってもよいし、蒸着層であってもよいし、スパッタリング層であってもよい。
図1に示す通り、積層体1aにおいて、導電層20は、例えば、第一導電層21と、第二導電層22とを含んでいる。誘電性多孔質層10は、誘電性多孔質層10の厚み方向において第一導電層21と第二導電層22との間に配置されている。積層体1aは、1つの導電層20のみを備えていてもよい。
積層体1aにおいて、導電層20は所定の配線パターンをなすように形成されていてもよい。例えば、フォトリソグラフィ及びエッチングを含む方法、又は、レーザパターニング等の方法によって導電層20をパターニングして、所定の配線パターンが形成される。
積層体1aの用途は特定の用途に限定されない。積層体1aは、例えば、プリント配線板又はプリント配線板のための部材として提供されうる。積層体1aは、無線通信アンテナにおける基板として用いられてもよい。
積層体1aは、様々な観点から変更可能である。積層体1aは、例えば、誘電性多孔質層10の厚み方向において並んだ複数の誘電性多孔質層10を備えるように変更されてもよい。この場合、一対の誘電性多孔質層10の間に導電層20が配置されうる。
積層体1aは、図2Aに示す積層体1b、図2Bに示す積層体1c、図2Cに示す積層体1dのように変更されてもよい。積層体1b、積層体1c、及び積層体1dのそれぞれは、特に説明する部分を除き、積層体1aと同様に構成されている。積層体1aの構成要素と同一又は対応する積層体1b、積層体1c、及び積層体1dの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。積層体1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、積層体1b、積層体1c、及び積層体1dにも当てはまる。
図2A、図2B、及び図2Cに示す通り、積層体1b、積層体1c、及び積層体1dのそれぞれは、導電部23を備えている。導電部23は、第一導電層21と第二導電層22とを電気的に接続している。積層体1bにおいて、導電部23はブラインドビアをなすように形成されている。積層体1cにおいて、導電部23はフィルドビアをなすように形成されている。積層体1dにおいて、導電部23はスルーホールビアをなすように形成されている。導電部23は、例えば銅等の金属を含んでいる。導電部23は、例えば、積層体1aにレーザを用いて貫通孔又は非貫通孔を形成し、その貫通孔又は非貫通孔の内部をめっき処理することによって形成できる。
積層体1aが複数の誘電性多孔質層10を備える場合、導電部23は、べリードビアをなすように形成されていてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されない。まず、実施例の評価方法について説明する。
<金属元素の含有量>
日立ハイテクノロジーズ社製の電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)S-4800及びEDX装置Oxford、EMAX Evolution EX-470 X-MAX150を用いて、実施例及び比較例に係る多孔質体から作製した試料に対してSEM‐EDXに基づく元素分析を行った。EDXにおける検出器として、Bruker社のFlat QUADを用いた。このSEM‐EDXに基づく元素分析では、B以上の原子量を有する元素を検出可能であった。SEM‐EDXにおける加速電圧は5kV又は15kVに調節した。SEM‐EDXに基づく元素分析の結果から、試料における金属元素の原子数基準の含有量を決定した。結果を表1に示す。
<平均孔径>
日立ハイテクノロジーズ社製のFE-SEM S-4800を用いて、加速電圧を1kV、3kV、又は5kVに調節して、実施例及び比較例に係る多孔質体から作製した試料の二次電子像及び反射電子像を得た。これらの像は、多孔質体の主面に垂直な断面の像である。これらの像の画像解析を行い、空孔の最大径を求め、その最大径を算術平均することによって平均孔径dpを決定した。画像解析には解析ソフトImage Jを用いた。結果を表1に示す。実施例及び比較例に係る多孔質体の断面のSEM写真をそれぞれ図3及び図4に示す。
<空孔率>
実施例及び比較例において、無孔シートの質量Mi及び多孔質体の質量Mpを測定して、下記式(1)に従って、実施例及び比較例における多孔質体の空孔率を測定した。結果を表1に示す。式(1)において、Msは、原料における無機塩の質量である。Vsは、原料における無機塩の体積である。VLは、原料における液晶ポリマーの体積である。
空孔率[%]=100×{(Mi-Mp)/Ms}{Vs/(Vs+VL)} 式(1)
<誘電特性>
QWED社製のSPDR共振器を用いて、実施例及び比較例に係る多孔質体の10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。この測定は、各多孔質体の作製後かつ高温高湿環境試験前と、高温高湿環境試験後とに行った。結果を表1に示す。高温高湿環境試験では、温度85℃及び相対湿度85%の条件に保たれた環境に各多孔質体を168時間放置した。
<実施例1>
上野製薬社製の液晶ポリマーUENO LCP A5000と、硫酸ナトリウムとを、東洋精機社製の混練装置 ラボプラストミル4C150を用いて混練した。この液晶ポリマーの融点は280℃であった。この融点は、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計 SDT650を用いて、示差走査熱量測定法に従って測定された。示差走査熱量測定法において、昇温速度は10℃/分であり、窒素雰囲気でこの液晶ポリマーを加熱した。混練前の硫酸ナトリウムは、一次粒子が凝集して形成された二次粒子として存在していた。硫酸ナトリウムの一次粒子の粒径は1~10μmであり、硫酸ナトリウムの二次粒子の粒径は10~50μmであった。ラボプラストミルは、東洋精機社製の登録商標である。混練した液晶ポリマーの体積及び硫酸ナトリウムの体積の和に対する硫酸ナトリウムの体積の比は0.6であった。液晶ポリマーと硫酸ナトリウムとの混練における混練装置の内部の温度は350℃であった。混練装置におけるスクリューの回転速度は30rpm(revolutions per minute)に調整された。
井元製作所社製の手動油圧真空プレス11FDを用いて、液晶ポリマーと硫酸ナトリウムとの混練物がシート状に成形され、実施例1に係る無孔シートが得られた。実施例1に係る無孔シートの厚みは100μm~200μmであった。混練物のプレスにおける温度は350℃であり、プレス圧力は4~10MPaであった。
ザルトリウス社の実験装置MSE224S-0000-DIを用いて、実施例1に係る無孔シートから溶媒としての超純水に硫酸ナトリウムを抽出させた。超純水の温度は80℃に調整された。超純水を無孔シートの周囲に送るときの無孔シートの周囲の圧力はゲージ圧で10MPaに調整した。無孔シートを超純水に含浸させた時間である抽出時間は、50分間であった。その後、超純水に硫酸ナトリウムを抽出させて得られたシートを乾燥させて、実施例1に係る多孔質体を得た。
<比較例1>
下記の点以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る多孔質体を得た。図4によれば、比較例1では、混練前の硫酸ナトリウムは、実施例1における混練前の硫酸ナトリウムの粒度分布よりもブロードな粒度分布を有していたことが理解される。例えば、比較例1における混練前の硫酸ナトリウムは、50μmを超える粒径を有する粒子又は10μm未満の粒径を有する粒子を多数含んでいたと理解される。
表1に示す通り、実施例1及び比較例1に係る多孔質体において、多孔化剤として用いた硫酸ナトリウムに由来して、ナトリウムの存在が確認された。実施例1に係る多孔質体におけるナトリウムの含有量は、原子数基準で0.0001%~1.0%の範囲であり、高温高湿環境試験前後の多孔質体の比誘電率及び誘電正接は低かった。一方、比較例1に係る多孔質体におけるナトリウムの含有量は、原子数基準で23.0%にも及んでおり、比較的高かった。比較例1では、無孔シートにおいて比較的小さい粒径を有する硫化ナトリウムが独立して存在しており、このような硫化ナトリウムが抽出されずに残ったのではないかと考えられる。また、比較例1に係る多孔質体は、比較的高い比誘電率を示した。実施例1に係る多孔質体では金属元素を含む残留物が少なく、その多孔質体の比誘電率及び誘電正接が低かったものと考えられる。
図3に示す通り、実施例1に係る多孔質体における孔径は小さく、表1に示す通り、平均孔径は15μm以下であった。このため、この多孔質体にめっきなどの処理を行うときにめっき膜が均一に形成されやすいと考えられる。一方、図4に示す通り、比較例2に係る多孔質体では、所々に巨大な空孔が確認され、平均孔径は37.4μmにも及んでいた。
Figure 2023137849000002
1a、1b、1c、1d 積層体
10 誘電性多孔質層
20 導電層
21 第一導電層
22 第二導電層
23 導電部
30 非多孔質層

Claims (6)

  1. 有機ポリマーを含む誘電性多孔質層と、
    前記誘電性多孔質層の一方の主面に沿って配置されている導電層と、を備え、
    前記誘電性多孔質層における金属元素の含有量は、原子数基準で、0.0001%~1.0%の範囲にある、
    積層体。
  2. 前記誘電性多孔質層は、15μm以下の平均孔径を有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記有機ポリマーは、液晶ポリマーである、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記誘電性多孔質層は、10GHzにおいて2.2以下の比誘電率を有する、請求項1~3のいずれか項に記載の積層体。
  5. 前記導電層は、第一導電層と、第二導電層とを含み、
    前記誘電性多孔質層は、前記誘電性多孔質層の厚み方向において前記第一導電層と前記第二導電層との間に配置されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記第一導電層と前記第二導電層とを電気的に接続する導電部をさらに備えた、請求項5に記載の積層体。
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