JP2023137576A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023137576A
JP2023137576A JP2022043832A JP2022043832A JP2023137576A JP 2023137576 A JP2023137576 A JP 2023137576A JP 2022043832 A JP2022043832 A JP 2022043832A JP 2022043832 A JP2022043832 A JP 2022043832A JP 2023137576 A JP2023137576 A JP 2023137576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm switching
lower arm
switching element
switching elements
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022043832A
Other languages
English (en)
Inventor
康平 ▲高▼田
Kohei Takada
辰樹 柏原
Tatsuki Kashiwabara
孝次 小林
Koji Kobayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Corp filed Critical Sanden Corp
Priority to JP2022043832A priority Critical patent/JP2023137576A/ja
Priority to PCT/JP2023/005384 priority patent/WO2023176280A1/ja
Publication of JP2023137576A publication Critical patent/JP2023137576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02MAPPARATUS FOR CONVERSION BETWEEN AC AND AC, BETWEEN AC AND DC, OR BETWEEN DC AND DC, AND FOR USE WITH MAINS OR SIMILAR POWER SUPPLY SYSTEMS; CONVERSION OF DC OR AC INPUT POWER INTO SURGE OUTPUT POWER; CONTROL OR REGULATION THEREOF
    • H02M7/00Conversion of ac power input into dc power output; Conversion of dc power input into ac power output
    • H02M7/42Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal
    • H02M7/44Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters
    • H02M7/48Conversion of dc power input into ac power output without possibility of reversal by static converters using discharge tubes with control electrode or semiconductor devices with control electrode

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】スイッチング素子から寄生容量を介して流出するノイズ(コモンモード電流)を容易に低減することができる電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置1は、上下アームスイッチング素子18A~18Fの接続点における電圧をモータ8に印加するものであって、下アームスイッチング素子18D~18Fと筐体2(仕切壁3:ヒートシンク)間の寄生容量が、上アームスイッチング素子18A~18Cと筐体2(仕切壁3:ヒートシンク)間の寄生容量よりも小さい。或いは、下アームスイッチング素子18D~18Fと筐体2(仕切壁3:ヒートシンク)間の誘電率が、上アームスイッチング素子18A~18Cと筐体2(仕切壁3:ヒートシンク)間の誘電率よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加する電力変換装置に関するものである。
従来よりこの種電力変換装置は、正側電源ラインと負側電源ラインの間に上アームスイッチング素子(IGBT等)と下アームスイッチング素子(IGBT等)を直列に接続し、この接続点(アーム中点)を電動圧縮機のモータ等の負荷に接続する。そして、各スイッチング素子のスイッチングを制御することにより、交流変換された電圧を負荷に印加し、駆動する構成とされていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平4-242997号公報 特許第5030551号公報
ここで、この種電力変換装置、特に三相インバータ回路においては、スイッチング素子のアーム中点と筐体間の寄生容量を介して流出するノイズが多い。そのため、制御回路の入力部に大型のEMIフィルタを搭載し、コモンモードコイルやYコンデンサを用いてノイズ源(スイッチング素子)から寄生容量を介して筐体(例えば、電動圧縮機の筐体)に流出するノイズ(コモンモード電流)をノイズ源に還流させるノイズ低減対策を行っていた。しかしながら、この方法ではノイズ源であるスイッチング素子から筐体に流出したノイズ(コモンモード電流)に対し、EMIフィルタまでの配線長が長く、Yコンデンサのフィルタ効果を十分得られにくいため、十分なインピーダンスを持つ大型のコモンモードコイルを挿入する必要があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、スイッチング素子から寄生容量を介して流出するノイズ(コモンモード電流)を容易に低減することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の電力変換装置は、上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加するものであって、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量が、上アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量よりも小さいことを特徴とする。
請求項2の発明の電力変換装置は、上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加するものであって、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の誘電率が、上アームスイッチング素子とヒートシンク間の誘電率よりも小さいことを特徴とする。
請求項3の発明の電力変換装置は、上記各発明において上下アームスイッチング素子とヒートシンク間に介設されたシートを備え、下アームスイッチング素子とヒートシンク間に介設されたシートの厚さ寸法が、上アームスイッチング素子とヒートシンク間に介設されたシートの厚さ寸法よりも大きいことを特徴とする。
請求項4の発明の電力変換装置は、上記発明において上下アームスイッチング素子のスイッチングを制御する制御装置を備え、この制御装置は、上アームスイッチング素子の導通時間を、下アームスイッチング素子の導通時間よりも長くすることを特徴とする。
請求項5の発明の電力変換装置は、上記発明において複数相の上下アームスイッチング素子を備え、制御装置は、各相の上下アームスイッチング素子をスイッチングする指令電圧に対して等しい電圧を加算することにより、上アームスイッチング素子の導通時間を長くすることを特徴とする。
請求項6の発明の電力変換装置は、上記発明において制御装置は、上アームスイッチング素子をスイッチングするためのブートストラップコンデンサを備え、加算する電圧を制御することで、ブートストラップコンデンサの充電時間を確保することを特徴とする。
請求項7の発明の電力変換装置は、請求項1又は請求項2の発明において上下アームスイッチング素子を冷却する冷却装置を備え、下アームスイッチング素子は、上アームスイッチング素子よりも、冷却装置による冷却作用を強く受けるように配置されていることを特徴とする。
請求項8の発明の電力変換装置は、請求項1又は請求項2の発明において三相の上下アームスイッチング素子の接続点における相電圧を、電動圧縮機の圧縮機構を駆動するモータに印加すると共に、各相の上下アームスイッチング素子は、電動圧縮機に吸入される冷媒と熱交換関係に配置され、下アームスイッチング素子は、上アームスイッチング素子よりも、吸入される冷媒の上流側に配置されていることを特徴とする。
請求項9の発明の電力変換装置は、請求項3の発明において複数相の上下アームスイッチング素子を備え、シートの厚さは、各相の上下アームスイッチング素子と平滑コンデンサとの間の配線長と、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量との比率を利用することにより設定されていることを特徴とする。
請求項10の発明の電力変換装置は、上記発明において直流電源から各相の上下アームスイッチング素子に至る経路のインダクタンスのインピーダンスと、上下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量のインピーダンスがバランスされていることを特徴とする。
通常IGBT等のスイッチング素子は、放熱効率を上げるためにコレクタ電極(IGBTの場合)にヒートスプレッダを持つ。高電圧大電流のスイッチング素子においては略全てがこの構造に該当する。そして、ヒートスプレッダは絶縁若しくは絶縁用のシートを介してヒートシンク(例えば、電動圧縮機の筐体)に接続される。例えば三相のインバータの場合、6個のスイッチング素子が放熱のために同一のヒートシンクに接続される。
このシートは一定の誘電率を持つため、コレクタ電極がヒートスプレッダに接続されている場合、このコレクタ電極とヒートシンクの間は平行平板コンデンサと同一の構造になり、EMIノイズに悪影響を及ぼすアーム中点、即ち、下アームスイッチング素子のコレクタ電極とヒートシンク間に数10pF~数100pFの大きな寄生容量(中間容量)を持つことになる。
そこで、請求項1や請求項2の発明によれば、上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加する電力変換装置において、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量を、上アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量よりも小さくした、或いは、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の誘電率を、上アームスイッチング素子とヒートシンク間の誘電率よりも小さくしたので、アーム中点から流出するコモンモード電流によるEMIノイズを著しく低減させることができるようになる。
特に、請求項3の発明の如く下アームスイッチング素子とヒートシンク間に介設されたシートの厚さ寸法を、上アームスイッチング素子とヒートシンク間に介設されたシートの厚さ寸法よりも大きくすることで、容易且つ安価にEMIノイズの低減を実現することができるようになる。
ここで、シートの厚さ寸法を大きくすると、下アームスイッチング素子の放熱性能が悪化する。そこで、請求項4の発明の如く制御装置により、上アームスイッチング素子の導通時間を、下アームスイッチング素子の導通時間よりも長くすることで、上アームスイッチング素子に発熱を集中させて、下アームスイッチング素子の発熱を抑制し、シートの厚さ寸法拡大による放熱性能の悪化を補うことができるようになる。
この場合、請求項5の発明の如く制御装置が、各相の上下アームスイッチング素子をスイッチングする指令電圧に対して等しい電圧を加算することで、上アームスイッチング素子の導通時間を長くすることができる。
尚、上記のように上アームスイッチング素子の導通時間を長くすると、上アームスイッチング素子をスイッチングするためのブートストラップコンデンサの充電時間が短くなってしまうが、請求項6の発明の如く制御装置が、加算する電圧を制御することでブートストラップコンデンサの充電時間を確保するようにすれば、上アームスイッチング素子のスイッチングも支障無く行うことができるようになる。
また、請求項7の発明の如く下アームスイッチング素子を、上アームスイッチング素子よりも、冷却装置による冷却作用を強く受けるように配置することで、下アームスイッチング素子の放熱性能の悪化に伴う問題を解消することが可能となる。
例えば電力変換装置が電動圧縮機の圧縮機構を駆動するモータに相電圧を印加する場合は、請求項8の発明の如く各相の上下アームスイッチング素子を電動圧縮機に吸入される冷媒と熱交換関係に配置し、下アームスイッチング素子を、上アームスイッチング素子よりも、吸入される冷媒の上流側に配置することで、下アームスイッチング素子の放熱性能の悪化に伴う問題を解消することができる。
また、請求項9の発明の如くシートの厚さを、各相の上下アームスイッチング素子と平滑コンデンサとの間の配線長と、下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量との比率を利用することにより設定することで、請求項10の発明の如きインピーダンスのバランスをとりやすくなり、EMIノイズを効果的に低減することができるようになる。
本発明の一実施例の電力変換装置の電気回路図である。 図1の電力変換装置を備えた一実施例の電動圧縮機の縦断側面図である。 図2の電動圧縮機をインバータ収容部側から見たカバーと基板を除く側面図である。 上下アームスイッチング素子の取付構造を説明する図2の電動圧縮機の要部拡大断面図である。 上アームスイッチング素子の内部構造とその取付構造を説明する図である。 下アームスイッチング素子の内部構造とその取付構造を説明する図である。 上下アームスイッチング素子と筐体間の寄生容量を示す図である。 モータの三相変調制御を行う場合の三相変調パルス幅指令値を示す図である。 電圧と電流位相が等しい場合の図8のU相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子に流れる電流の大きさを示す図である。 各相の二相変調パルス幅指令値を示す図である。 電圧と電流位相が等しい場合の図10のU相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子に流れる電流の大きさを示す図である。 PWM信号生成部によるPWM信号の生成動作を説明する図である。 EMIノイズの測定結果を説明する図である。 図13に示した二つの測定結果の差異を説明する図である。 図1のゲートドライバの内部構成を示す図である。 零相電圧加算制御を行った場合の各相の二相変調パルス幅指令値を示す図である。 図16の場合にU相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子に流れる電流の大きさを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図2と図3を参照しながら本発明の電力変換装置1を一体に備えた実施例の電動圧縮機(インバータ一体型電動圧縮機)16について説明する。尚、実施例の電動圧縮機16は、電動車両に搭載される車両用空気調和装置の冷媒回路の一部を構成するものである。
(1)電動圧縮機16の構成
図2において、電動圧縮機16の金属性の筐体2(ヒートシンク)内は、当該筐体2の軸方向に交差する仕切壁3(筐体2の一部)により圧縮機構収容部4とインバータ収容部6とに区画されており、圧縮機構収容部4内に例えばスクロール型の圧縮機構7と、この圧縮機構7を駆動するモータ8(負荷)が収容されている。この場合、モータ8は筐体2に固定されたステータ9と、このステータ9の内側で回転するロータ11から成るIPMSM(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)である。
仕切壁3の圧縮機構収容部4側の中心部には軸受部12が形成されており、ロータ11の駆動軸13の一端はこの軸受部12に支持され、駆動軸13の他端は圧縮機構7に連結されている。筐体2の圧縮機構収容部4に対応する位置の仕切壁3近傍には吸入口14が形成されており、モータ8のロータ11(駆動軸13)が回転して圧縮機構7が駆動されると、この吸入口14から筐体2の圧縮機構収容部4内に作動流体である低温の冷媒が流入し、圧縮機構7に吸引されて圧縮される。
そして、この圧縮機構7で圧縮され、高温・高圧となった冷媒は、図示しない吐出口より筐体2外の前記冷媒回路に吐出される構成とされている。また、吸入口14から流入した低温の冷媒は、仕切壁3近傍を通ってモータ8の周囲を通過し、圧縮機構7に吸引されることから、仕切壁3も冷却されることになる。
そして、この仕切壁3で圧縮機構収容部4と区画されたインバータ収容部6内には、モータ8(負荷)を駆動制御する本発明の電力変換装置1が収容される。この場合、電力変換装置1は、仕切壁3を貫通する密封端子やリード線を介してモータ8に給電する構成とされている。
(2)電力変換装置1の構造(上下アームスイッチング素子18A~18Fの配置)
実施例の場合、電力変換装置1は、基板17と、この基板17の一面側に配線された6個の上下アームスイッチング素子18A~18Fと、基板17の他面側に配線された制御部21と、図示しないHVコネクタ、LVコネクタ等から構成されている。各スイッチング素子18A~18Fは、実施例ではMOS構造をゲート部に組み込んだ絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)から構成されている。
この場合、実施例では後述する三相のインバータ回路(三相インバータ回路)28のU相インバータ19Uの上アームスイッチング素子18Aと、V相インバータ19Vの上アームスイッチング素子18Bと、W相インバータ19Wの上アームスイッチング素子18Cの三つが並び、U相インバータ19Uの下アームスイッチング素子18Dと、V相インバータ19Vの下アームスイッチング素子18Eと、W相インバータ19Wの下アームスイッチング素子18Fの三つが並んだかたちで、図3に示す如く基板17に配置されている。
この場合、実施例ではU相インバータ19Uの下アームスイッチング素子18Dと、V相インバータ19Vの下アームスイッチング素子18Eと、W相インバータ19Wの下アームスイッチング素子18Fが吸入口14側に位置しており、U相インバータ19Uの上アームスイッチング素子18Aと、V相インバータ19Vの上アームスイッチング素子18Bと、W相インバータ19Wの上アームスイッチング素子18Cは吸入口14とは反対側の位置に配置されている。
そして、吸入口14から吸入された冷媒は、図3中破線矢印の如く筐体2の軸を中心として反時計回りに回転する。そのため、吸入冷媒の流れに対してU相インバータ19Uの下アームスイッチング素子18Dと、V相インバータ19Vの下アームスイッチング素子18Eと、W相インバータ19Wの下アームスイッチング素子18Fは上流側(本発明における冷却作用を強く受ける場所)に位置し、それの下流側にU相インバータ19Uの上アームスイッチング素子18Aと、V相インバータ19Vの上アームスイッチング素子18Bと、W相インバータ19Wの上アームスイッチング素子18Cが配置されたかたちとなる。また、各スイッチング素子18A~18Fの端子部22は、基板17の中心側となった状態で基板17に接続されている。
そして、このように組み立てられた電力変換装置1は、各スイッチング素子18A~18Fがある一面側が仕切壁3側となった状態でインバータ収容部6内に収容されて仕切壁3に取り付けられ、カバー23にて塞がれる。この場合、基板17は仕切壁3から起立するボス部24を介して仕切壁3に固定されることになる。
このように電力変換装置1が仕切壁3に取り付けられた状態で、各スイッチング素子18A~18Fは仕切壁3に、図4に示す如く絶縁及び/又は放熱用のシート26を介して密着し、筐体2の仕切壁3と熱交換関係となる。このとき、各スイッチング素子18A~18Fは軸受12及び駆動軸13に対応する箇所を避けた位置に配置される(図3)。
そして、前述した如く仕切壁3は圧縮機構収容部4内に吸入される冷媒によって冷やされているので、各スイッチング素子18A~18Fは仕切壁3を介して吸入冷媒と熱交換関係となり、仕切壁3を介して圧縮機構収容部4内に吸入された冷媒によって冷却され、各スイッチング素子18A~18F自体は仕切壁3を介して冷媒に放熱するかたちとなる。即ち、電動圧縮機16の仕切壁3(筐体2の一部)が本発明におけるヒートシンク及び冷却装置の実施例となる。
(3)上下アームスイッチング素子18A~18F内部構造とそれらの取付構造
実施例でIGBTから構成された上下アームスイッチング素子18A~18Fは、何れも同様の構造であり、図5及び図6に示すように、半導体から成るIGBT素子41と、コレクタ電極42と、エミッタ電極43と、ゲート電極44と、絶縁層46を介してコレクタ電極42に接続されたヒートスプレッダ47とから成る。そして、このヒートスプレッダ47が前述したシート26を介して仕切壁3(筐体2)に密着して取り付けられている。
この場合、実施例では下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3間に介設されたシート26の厚さ寸法H1は(図6)、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3間に介設されたシート26の厚さ寸法H2(図5)よりも大きい値(H2<H1)とされている。シート26は厚さに反比例した一定の誘電率を有するので、係る構成により、下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3(筐体2:ヒートシンク)との間の誘電率は、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3との間の誘電率よりも小さくされている。言い換えれば、下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3(筐体2:ヒートシンク)との間の寄生容量は、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3との間の寄生容量よりも小さくなる。
(4)電力変換装置1の回路構成
次に、図1において電力変換装置1は、前述した三相のインバータ回路(三相インバータ回路)28と、制御部21を備えている。インバータ回路28は、直流電源(電動車両のバッテリ)29の直流電圧(例えば、DC300V)を三相交流電圧に変換してモータ8のステータ9の電機子コイルに印加する回路である。このインバータ回路28は、前述したU相インバータ19U、V相インバータ19V、W相インバータ19Wを有しており、各相インバータ19U~19Wは、それぞれ前述した上アームスイッチング素子18A~18Cと、下アームスイッチング素子18D~18Fを個別に有している。更に、各スイッチング素子18A~18Fには、それぞれフライホイールダイオード31が逆並列に接続されている。
そして、インバータ回路28の上アームスイッチング素子18A~18Cのコレクタ電極42は、直流電源29及び平滑コンデンサ32の正側電源ライン45(HV+)に接続されている。尚、平滑コンデンサ32も基板17に設けられて電力変換装置1を構成するものであるが、各スイッチング素子18A~18Fの配置を分かり易くするため、図2、図3では示していない。一方、インバータ回路28の下アームスイッチング素子18D~18Fのエミッタ電極43は、直流電源29及び平滑コンデンサ32の負側電源ライン50(HV-)に接続されている。
そして、U相インバータ19Uの上アームスイッチング素子18Aのエミッタ電極43と下アームスイッチング素子18Dのコレクタ電極42が接続され、それらの接続点(アーム中点)はモータ8のU相の電機子コイルに接続されている。また、V相インバータ19Vの上アームスイッチング素子18Bのエミッタ電極43と下アームスイッチング素子18Eのコレクタ電極42が接続され、それらの接続点(アーム中点)はモータ8のV相の電機子コイルに接続されている。更に、W相インバータ19Wの上アームスイッチング素子18Cのエミッタ電極43と下アームスイッチング素子18Fのコレクタ電極42が接続され、それらの接続点(アーム中点)はモータ8のW相の電機子コイルに接続されている。
図中51はコモンモードコイルであり直流電源29の後段に接続されている。52、53はYコンデンサであり、Yコンデンサ52は正側電源ライン45と筐体2間に、Yコンデンサ53は負側電源ライン50と筐体2間にそれぞれ接続されている。これらコモンモードコイル51とYコンデンサ52、53でEMIフィルタが構成される。また、54はシャント抵抗であり、負側電源ライン50に接続されてモータ8の相電流を検出するために用いられる。
(5)上下アームスイッチング素子18A~18Fのコレクタ電極42と筐体2間の寄生容量
図7は上下アームスイッチング素子18A~18Fと筐体2(仕切壁3)間の寄生容量を示している。図中56は上アームスイッチング素子18A~18Cのコレクタ電極42と筐体2間の寄生容量であり、数10~数100pF程度の値である。57は下アームスイッチング素子18D~18Fのコレクタ電極42(アーム中点)と筐体2間の寄生容量であり、これも数10~数100pF程度の値である。前述した如くこれら下アームスイッチング素子18D~18Fのコレクタ電極42(アーム中点)と筐体2間の寄生容量57を介して流出するコモンモード電流(ノイズ)が多いため、実施例では前述した如く下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法H1を大きくしているが、その効能については後に詳述する。
(6)制御部21の構成
次に、制御部21はプロセッサを有するマイクロコンピュータから構成されており、電動車両ECUから回転数指令値を入力し、シャント抵抗54からのモータ8の相電流を入力して、これらに基づき、インバータ回路28の各スイッチング素子18A~18FのON/OFF状態を制御する。具体的には、各スイッチング素子18A~18Fのゲート電極44に印加するゲート電圧を制御する。
この制御部21は、相電圧指令演算部33と、線間変調演算部34と、PWM信号生成部36と、ゲートドライバ37を有している。相電圧指令演算部33は、モータ8の電気角、電流指令値と相電流に基づいてモータ8の各相の電機子コイルに印加するPWMの三相変調パルス幅指令値Cu(U相のパルス幅指令値)、Cv(V相のパルス幅指令値)、Cw(W相のパルス幅指令値)を演算する。
この三相変調パルス幅指令値Cu、Cv、Cwは、モータ8の三相変調制御を行う場合における電圧指令値の正規化後(0~1に補正後)の値であり、図8に示す(変調率0.2)。また、図9には電圧と電流位相が等しい場合のU相の上アームスイッチング素子18Aと下アームスイッチング素子18Dに流れる電流の大きさを示している(コレクタ電極42~エミッタ電極43方向の電流)。
線間変調演算部34は、相電圧指令演算部33により演算され、算出された三相変調パルス幅指令値Cu、Cv、Cwに基づき、二相変調パルス幅指令値Cu’(U相のパルス幅指令値)、Cv’(V相のパルス幅指令値)、Cw’(W相のパルス幅指令値)を演算する。この線間変調演算部34は、各相の三相変調パルス幅指令値Cu、Cv、Cwに対して等しい電圧(0以上の任意の零相電圧)を加算することで、各相の二相変調パルス幅指令値Cu’、Cv’、Cw’を生成する。
実施例ではU相の二相変調パルス幅指令値Cu’が0°~60°、300°~360°の位相で1となるように電圧を加算し、V相については二相変調パルス幅指令値Cv’が60°~180°の位相で1となるように電圧を加算し、W相については二相変調パルス幅指令値Cw’が180°~300°の位相で1となるように電圧を加算する。その様子を図10に示す(零相電圧を最大まで加算した状態)。
これにより、0°~60°、300°~360°の位相においてはU相の上アームスイッチング素子18AがONしたままとなり、下アームスイッチング素子18DはOFFしたままとなる。また、60°~180°の位相においてはV相の上アームスイッチング素子18BがONしたままとなり、下アームスイッチング素子18EはOFFしたままとなる。更に、180°~300°の位相においてはW相の上アームスイッチング素子18CがONしたままとなり、下アームスイッチング素子18FはOFFしたままとなる。そして、何れの位相においてもスイッチングは他の二相の上下アームスイッチング素子で行われることになる(二相変調)。
図11にはその場合のU相の上アームスイッチング素子18Aと下アームスイッチング素子18Dに流れる電流の大きさを示す。これにより、上アームスイッチング素子18Aの導通時間は下アームスイッチング素子18Dの導通時間よりも長くなり、発熱は上アームスイッチング素子18Aに集中し、下アームスイッチング素子18Dの発熱は低下することになる。他のV相、W相についても同様である。
次に、PWM信号生成部36は、線間変調演算部34により演算され、算出された二相変調パルス幅指令値Cu’、Cv’、Cw’に基づき、インバータ回路28のU相インバータ19U、V相インバータ19V、W相インバータ19Wの駆動指令信号となるPWM信号Vu、Vv、Vwを、キャリア三角波X1と大小を比較することにより発生させる。図12はその様子を示しているが、これは上記位相の期間ではない。
ゲートドライバ37は、PWM信号生成部36から出力されるPWM信号Vu、Vv、Vwに基づき、U相インバータ19Uのスイッチング素子18A、18Dのゲート電圧Vuu、Vulと、V相インバータ19Vのスイッチング素子18B、18Eのゲート電圧Vvu、Vvlと、W相インバータ19Wのスイッチング素子18C、18Fのゲート電圧Vwu、Vwlを発生させる。これらのゲート電圧Vuu、Vul、Vvu、Vvl、Vwu、Vwlは、所定時間におけるON状態の時間割合であるデューティにて表すことができる。
そして、インバータ回路28の各スイッチング素子18A~18Fは、ゲートドライバ37から出力されるゲート電圧Vuu、Vul、Vvu、Vvl、Vwu、Vwlに基づき、ON/OFF駆動される。即ち、ゲート電圧がON状態(所定の電圧値)となるとトランジスタがON動作し、ゲート電圧がOFF状態(零)となるとトランジスタがOFF動作する。このゲートドライバ37は、スイッチング素子18A~18Fが前述したIGBTである場合には、PWM信号に基づいてゲート電圧をIGBTに印加するための回路であり、後述するブートストラップ回路58の他、絶縁回路やプッシュプル回路(フォトカプラやロジックIC、トランジスタ等)から成る上アームのゲートドライブ回路59及び下アームのゲートドライブ回路61を有する(図15に示す)。尚、ブートストラップ回路58や各ゲートドライブ回路59、61については後に詳述する。
(7)下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法の効能
前述した如く、EMIノイズに悪影響を及ぼすアーム中点、即ち、下アームスイッチング素子18D~18Fのコレクタ電極42と仕切壁3(筐体2:ヒートシンク)間には数10pF~数100pFの大きな寄生容量(中間容量)を持つが、実施例では下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3間に介設されたシート26の厚さ寸法H1を、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3間に介設されたシート26の厚さ寸法H2よりも大きい値(H2<H1)とし、下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3との間の誘電率を、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3との間の誘電率よりも小さくしている(下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3との間の寄生容量を、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3との間の寄生容量よりも小さくする)。
これにより、アーム中点(下アームスイッチング素子18D~18Fのコレクタ電極42)から筐体2に流出するコモンモード電流によるEMIノイズを著しく低減させることができるようになる。特に、実施例では下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3(筐体2:ヒートシンク)間に介設されたシート26の厚さ寸法H1を、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3間に介設されたシート26の厚さ寸法H2よりも大きくすることで、下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3との間の誘電率(寄生容量)を、上アームスイッチング素子18A~18Cと仕切壁3との間の誘電率よりも小さくしているので、上アームスイッチング素子18A~18Cのシート26については従前のものを使用でき、容易且つ安価にEMIノイズの低減を実現することができるようになる。
図13は上アームスイッチング素子18A~18Cのシート26の厚さ寸法H2と、下アームスイッチング素子18D~18Fのシートの厚さ寸法H1が同一の場合(H2=H1)のコモンモード電流によるEMIノイズの測定結果(No.0)と、下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法H1を、上アームスイッチング素子18A~18Cのシートの厚さ寸法H2の3倍とした場合(3×H2=H1)のコモンモード電流によるEMIノイズの測定結果(No.1)を示し、図14には測定結果(No.1)と測定結果(No.1)の差異(No.0-No.1)を示している。
図14で0dBより上が改善された領域を意味している。各図から明らかな如く、下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法H1を、上アームスイッチング素子18A~18Cのシート26の厚さ寸法H2より大きくしたとき(各図では3倍)、特に10MHz帯以下でノイズ低減効果が顕著に表れていることが分かる。
(8)上下アームスイッチング素子18A~18Fのシート26の厚さ調整
尚、各相の上下アームスイッチング素子18A~18Fと平滑コンデンサ32との間の配線長が異なる場合は、各スイッチング素子18A~18Fのシート26の厚さ寸法H2、H1を、各相の上下アームスイッチング素子18A~18Fと平滑コンデンサ32との間の配線長と、下アームスイッチング素子18D~18Fと仕切壁3(筐体2:ヒートシンク)間の寄生容量との比率を利用し、調整して設定するとよい。
直流電源29から上アームスイッチング素子18A~18Cに至る正側電源ライン45のインダクタンスのインピーダンスと、直流電源29から下アームスイッチング素子18D~18Fに至る負側電源ライン50のインダクタンスのインピーダンスと、上下アームスイッチング素子18A~18Fと筐体2間の寄生容量のインピーダンスのバランスが阻害されるとEMIノイズが増大することになるが、上記のようにシート26の厚さ寸法H2、H1を調整し、下アームスイッチング素子18D~18Fと筐体2間の寄生容量を小さくすることで、インピーダンスバランスがとりやすくなり、EMIノイズを効果的に低減することができるようになる。即ち、インピーダンスバランスを行う上で、不要な中間容量の容易な削除手段としても有効である。
(9)下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法の拡大に伴う放熱性能低下の解決策
しかしながら、シート26の厚さ寸法による寄生容量の調整とスイッチング素子の放熱性能とはトレードオフの関係となり、実施例の如く下アームスイッチング素子18D~18Fのシート26の厚さ寸法H1を大きくすると下アームスイッチング素子18D~18Fの放熱性能は低下することになる。
そこで、実施例では制御部21の線間変調演算部34による前述した二相変調で上アームスイッチング素子18A~18Cに発熱を集中させることにより、下アームスイッチング素子18D~18Fの発熱(損失)を抑制している。これにより、下アームスイッチング素子18D~18Fの放熱性能を補い、過熱する不都合を回避することができる。
尚、上記のように上アームスイッチング素子18A~18Cに発熱を集中させても、依然として下アームスイッチング素子18D~18Fに熱が集中する可能性もあるが、実施例では前述した如く電動圧縮機16の吸入冷媒の流れに対して下アームスイッチング素子18D~18Fを上アームスイッチング素子18A~18Cよりも上流側に配置している(図3)。これにより、下アームスイッチング素子18D~18Fはより低温の吸入冷媒により、強く冷却されることになるので、下アームスイッチング素子18D~18Fの過熱も回避される。
また、実施例の如く二相変調により上アームスイッチング素子18A~18Cに発熱を集中させた結果、上アームスイッチング素子18A~18Cに熱が集中し過ぎる場合は、二相変調を行わない、或いは、図8と図10の間の状態となるように加算する零相電圧を小さくすればよい。
(10)ゲートドライバ37のブートストラップ回路58に関する制御の対策
次に、図15を参照しながら、ゲートドライバ37のブートストラップ回路58に関する制御の対策について説明する。尚、図15において図1と同一符号で示すものは同一とする。また、図15ではU相のみ示しているが、V相、W相についても同様の回路構成であるものとする。
図中において、58は前述したブートストラップ回路、59は前述した上アームのゲートドライブ回路、61は前述した下アームのゲートドライブ回路(何れもU相)である。上アームのゲートドライブ回路59は、ゲートドライバ37内部で生成されるU相上ゲート指令に基づき、前述したゲート電圧Vuuを生成して上アームスイッチング素子18Aのゲートに印加するもので、ブートストラップ回路58を介してDC15V電源62に接続されている。また、下アームのゲートドライブ回路61はゲートドライバ37内部で生成されるU相下ゲート指令に基づき、前述したゲート電圧Vulを生成して下アームスイッチング素子18Dのゲートに印加するもので、DC15V電源62に接続されている。
一方、ブートストラップ回路58はブートストラップコンデンサ63(上アームスイッチング素子をスイッチングするためのブートストラップコンデンサ)と、ダイオード64と、電流制限抵抗66から構成されており、上アームのゲートドライブ回路59とDC15V電源62の間に図15のように接続されている。ここで、上下アームスイッチング素子18A、18Dはゲート電圧が15V必要なIGBTであるものとすると、下アームスイッチング素子18Dを駆動するためのゲート電圧Vulは、HVGND(筐体)に対して+15Vでよいため、特に特殊な対策を施すことなく駆動可能である。
他方、上アームスイッチング素子18Aを駆動するためには、上アームスイッチング素子18Aのゲート電圧Vuuは、モータ8に接続されているアーム中点に対して+15Vである必要がある。そこで、ブートストラップ回路58を用いて上アームスイッチング素子18Aを駆動するための+15Vを作る。
図15で下アームスイッチング素子18DがONし、上アームスイッチング素子18AがOFFした状態の場合、アーム中点の電圧はHVGNDになり、図中破線矢印の経路で電流が流れ、ブートストラップコンデンサ63に充電が行われる。次に、下アームスイッチング素子18DをOFFし、上アームスイッチング素子18AをONする。こうすることで、アーム中点の電圧に対して上アームスイッチング素子18Aのゲート電圧Vuuは、15V高い電位に保たれる。
しかしながら、上アームスイッチング素子18AのON状態が連続すると、ブートストラップコンデンサ63の電荷が放出され、上アームスイッチング素子18Aを駆動するのに必要な電位よりも低くなってしまう。これを回避するためには、定期的に下アームスイッチング素子18DをONする必要がある。
通常の三相変調の場合は、規定のスイッチング周波数(例えば、電動圧縮機16であれば20kHz)で下アームスイッチング素子18DをON/OFFさせるため、ブートストラップコンデンサ63は例えば50μsだけ必要な電位を確保できる容量があればよい。また、ブートストラップコンデンサ63はUVWの三相分必要となり、上下アームスイッチング素子18A~18Fやゲートドライブ回路59、61付近に配置する必要がある。そのため、特に電動圧縮機16では配置できる場所が限られ、大容量のコンデンサを使用することができない。
しかしながら、前述した如き二相変調で上アームスイッチング素子18A~18Cを連続してON状態とし、導通時間を長くすると、図11のU相の例では0°~60°、300°~360°の区間は下アームスイッチング素子18DがONされないので、この区間はブートストラップコンデンサ63を充電することができない。そのため、ブートストラップコンデンサ63の容量を大きくしなければ、特に低速駆動時に前述した二相変調を実施できなくなり、電動圧縮機16には極めて不利となる問題があった。
この問題を解決するため、本発明の制御部21の線間変調演算部34は、図10や図11に示した二相変調に零相電圧加算制御を定期的に組み合わせる。具体的には、例えば図16や図17に示すように、略30°毎に0.1cnt分(同じ値)を三相のパルス幅指令値Cu’、Cv’、Cw’から減算することで、定期的に下アームスイッチング素子18D~18FがONする時間を設けている。このように、定期的に下アームスイッチング素子18D~18FのON期間を設けることで、下アームスイッチング素子18D~18Fの導通時間の増加を抑えながら、ブートストラップコンデンサ63を充電時間を確保し、上アームスイッチング素子18A~18Cの導通時間を長くする二相変調を支障無く実現する。
尚、図16、図17では一例を示したが、パルス幅指令値Cu’、Cv’、Cw’から減算するタイミングは任意でよく、ブートストラップコンデンサ63の容量や回転数により決定すればよい。また、二相変調に拘らない場合は、360°全域で減算してもよい。
また、実施例ではIGBTから成るスイッチング素子で説明したが、MOSFETでもよい。更に、実施例では電動圧縮機16のモータ8を駆動制御する電力変換装置1に本発明を適用し、ヒートシンクを電動圧縮機16の筐体2(仕切壁3)としたが、それに限らず、上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加する各種電力変換装置に本発明は有効である。
1 電力変換装置
2 筐体(ヒートシンク)
3 仕切壁
8 モータ
16 電動圧縮機
18A~18F スイッチング素子
19U U相インバータ
19V V相インバータ
19W W相インバータ
21 制御部
26 シート
28 三相インバータ回路
33 相電圧指令演算部
34 線間変調演算部
36 PWM信号生成部
37 ゲートドライバ
42 コレクタ電極
43 エミッタ電極
44 ゲート電極
47 ヒートスプレッダ
63 ブートストラップコンデンサ

Claims (10)

  1. 上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加する電力変換装置において、
    前記下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量が、前記上アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間の寄生容量よりも小さいことを特徴とする電力変換装置。
  2. 上下アームスイッチング素子の接続点における電圧を負荷に印加する電力変換装置において、
    前記下アームスイッチング素子とヒートシンク間の誘電率が、前記上アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間の誘電率よりも小さいことを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記上下アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間に介設された絶縁及び/又は放熱用のシートを備え、
    前記下アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間に介設された前記シートの厚さ寸法が、前記上アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間に介設された前記シートの厚さ寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記上下アームスイッチング素子のスイッチングを制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記上アームスイッチング素子の導通時間を、前記下アームスイッチング素子の導通時間よりも長くすることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. 複数相の前記上下アームスイッチング素子を備え、
    前記制御装置は、各相の上下アームスイッチング素子をスイッチングする指令電圧に対して等しい電圧を加算することにより、前記上アームスイッチング素子の導通時間を長くすることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
  6. 前記制御装置は、前記上アームスイッチング素子をスイッチングするためのブートストラップコンデンサを備え、前記加算する電圧を制御することで、前記ブートストラップコンデンサの充電時間を確保することを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
  7. 前記上下アームスイッチング素子を冷却する冷却装置を備え、
    前記下アームスイッチング素子は、前記上アームスイッチング素子よりも、前記冷却装置による冷却作用を強く受けるように配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  8. 三相の前記上下アームスイッチング素子の接続点における相電圧を、電動圧縮機の圧縮機構を駆動するモータに印加すると共に、
    前記各相の上下アームスイッチング素子は、前記電動圧縮機に吸入される冷媒と熱交換関係に配置され、前記下アームスイッチング素子は、前記上アームスイッチング素子よりも、前記吸入される冷媒の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  9. 複数相の前記上下アームスイッチング素子を備え、
    前記シートの厚さは、前記各相の上下アームスイッチング素子と平滑コンデンサとの間の配線長と、前記下アームスイッチング素子とヒートシンク間の寄生容量との比率を利用することにより設定されていることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  10. 直流電源から前記各相の上下アームスイッチング素子に至る経路のインダクタンスのインピーダンスと、前記上下アームスイッチング素子と前記ヒートシンク間の寄生容量のインピーダンスがバランスされていることを特徴とする請求項9に記載の電力変換装置。
JP2022043832A 2022-03-18 2022-03-18 電力変換装置 Pending JP2023137576A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022043832A JP2023137576A (ja) 2022-03-18 2022-03-18 電力変換装置
PCT/JP2023/005384 WO2023176280A1 (ja) 2022-03-18 2023-02-16 電力変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022043832A JP2023137576A (ja) 2022-03-18 2022-03-18 電力変換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023137576A true JP2023137576A (ja) 2023-09-29

Family

ID=88022932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022043832A Pending JP2023137576A (ja) 2022-03-18 2022-03-18 電力変換装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023137576A (ja)
WO (1) WO2023176280A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5093452B2 (ja) * 2007-03-07 2012-12-12 学校法人同志社 電力変換機器に適用されるコモンモード漏れ電流抑制回路
JP2009273272A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Toyota Motor Corp インバータモジュール
JP6963495B2 (ja) * 2017-12-22 2021-11-10 サンデンホールディングス株式会社 電力変換装置
JP7403220B2 (ja) * 2018-12-05 2023-12-22 日立Astemo株式会社 電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023176280A1 (ja) 2023-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111480287B (zh) 电力变换装置
JP4848187B2 (ja) 電力変換装置
WO2013080748A1 (ja) 機電一体型の電動駆動装置
WO2014103482A1 (ja) インバータ一体型電動圧縮機
JP5250442B2 (ja) 電力変換装置
JP2014176237A (ja) 電力変換装置
JP6750549B2 (ja) 電動圧縮機
US11223296B2 (en) Power conversion device
WO2022039018A1 (ja) インバータ装置
WO2015049774A1 (ja) 電力変換装置
JP5174936B2 (ja) 電力変換装置
JP4879330B2 (ja) 空気調和装置のインバータ制御装置
WO2023176280A1 (ja) 電力変換装置
JP7221802B2 (ja) 電力変換装置
WO2023176281A1 (ja) 電力変換装置
JP6854936B1 (ja) 回転電機
KR20130131354A (ko) 통합된 스위치 어셈블리를 갖는 교류 (ac) 전기 기계를 포함하는 전기 기계 시스템을 위한 냉각 시스템
JP2021169788A (ja) 電動圧縮機
JP7380543B2 (ja) 車載用インバータ装置及び車載用流体機械
EP4131357A1 (en) Power conversion device
CN220937809U (zh) 一种由无刷电机驱动的低噪音食品加工机
JP5645605B2 (ja) 電動圧縮機及びその制御装置
WO2023228641A1 (ja) インバータ装置及びそれを備えた電動圧縮機
JP2014183638A (ja) 電力変換装置
JP2024015807A (ja) インバータ