JP2023136866A - 除菌装置 - Google Patents

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則雅 鈴木
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誠 山崎
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Abstract

【課題】筐体内を流れる空気の除菌を行うために筐体内で発光する紫外線が漏れ光として筐体の外部に届くことを抑制する除菌装置を提供すること。【解決手段】実施形態によれば、除菌装置は、筒状の筐体、光源部、光触媒フィルタ及び処理部を有する。筐体は、第1端部、第1端部とは反対側の第2端部、及び、第1端部及び第2端部との間に設けられ第1端部の内側又は第2端部の内側よりも面積が大きい表面を有する側部を備える。光源部は、筐体内で第1端部側に配設され、第2端部側に向けて紫外線を照射する。光触媒フィルタは、光源部に離間し、かつ光源部の光軸に対して、前面が交差するように筐体内に配設される。処理部は、筐体内で、光源部と光触媒フィルタとの間に配設され、紫外線を反射する部材を壁とする。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、除菌装置に関する。
除菌装置は、周囲の空気を筐体内に取り込んで、筐体内に配置した光源から紫外線を光触媒フィルタの表面に照射して、光触媒フィルタの表面を通る空気や、光触媒フィルタの周囲の空気を除菌し、その空気を筐体の外部に排出する。このとき、除菌装置の光源から発する紫外線は除菌装置の外部に漏れることを防止することが要求される。
特許第6965271号
本発明が解決しようとする課題は、筐体内を流れる空気の除菌を行うために筐体内で発光する紫外線が筐体の外部に届くことを抑制する除菌装置を提供することである。
実施形態によれば、除菌装置は、筒状の筐体、光源部、光触媒フィルタ、及び、処理部を備える。筐体は、第1端部と、第1端部とは反対側に設けられる第2端部と、第1端部および第2端部との間に設けられ第1端部の内側又は第2端部の内側よりも面積が大きい表面を有する側部とを備える。第1端部には、内側から外側、又は、外側から内側に空気を通す第1の口が設けられる。第2端部には、外側から内側、又は、内側から外側に空気を通す第2の口が設けられる。光源部は、筐体内で第1端部側に配設され、第2の口の方向に紫外線を照射する。光触媒フィルタは、前面と背面とを接続する複数の孔を有する母材と、母材に担持された光触媒とを備える。光触媒フィルタは、光源部に離間し、かつ光源部の光軸に対して前面が交差するように筐体内に配設される。処理部は、筐体内で、光源部と光触媒フィルタとの間に配設され、紫外線を反射する部材を壁とする。
本発明によれば、筐体内を流れる空気の除菌を行うために筐体内で発光する紫外線が漏れ光として筐体の外部に届くことを抑制する除菌装置が提供される。
図1は、実施形態に係る除菌装置を示す概略的な斜視図である。 図2は、図1に示す除菌装置の一点鎖線の符号IIで示すあるZX平面から+Y軸方向を見た断面図である。 図3は、図1に示す除菌装置の二点鎖線の符号IIIで示すあるYZ平面から-X軸方向を見た断面図である。 図4は、操作部及び第1の通気部の図示を省略した除菌装置の上面図である。 図5は、脚部の図示を省略した除菌装置の下面図である。 図6は、図1に示す除菌装置の三点鎖線の符号VIで示すあるXY平面から+Z軸方向を見た断面図である。 図7は、除菌装置の上面図である。 図8は、図3に示す除菌装置の上部の拡大図である。 図9は、図8に示す除菌装置の概略的な斜視図である。
本実施形態に係る除菌装置100においては、除菌装置100内の処理部(除菌処理部)218内に紫外線を照射することで、処理部218内に流通もしくは滞在する空気を除菌、殺菌、もしくは滅菌することが可能である。空気を除菌、殺菌、滅菌とは、空気内に存在する菌やウイルス、におい物質などを不活化したり、吸着したりすることをいう。また、以下の実施形態においては除菌を例に用いて説明を行うが、「除菌」の用語は、「殺菌」ないし「滅菌」に置き換えることが可能である。
実施形態の除菌装置(100)は、筒状の筐体(102)と、光源部(216)と、光触媒フィルタ(266)と、処理部(218)とを備える。筐体(102)は、第1端部(112)と、第1端部(112)とは反対側に設けられる第2端部(114)と、第1端部(112)および第2端部(114)の間に設けられ第1端部(112)の内側又は第2端部(114)の内側よりも面積が大きい表面を有する側部(116)とを備える。第1端部(112)には、内側から外側、又は、外側から内側に空気を通す第1の口(106)が設けられる。第2端部(114)には、外側から内側、又は、内側から外側に空気を通す第2の口(108)が設けられる。光源部(216)は、筐体(102)内で第1端部(112)側に配設され、第2の口(108)の方向に紫外線を照射する。光触媒フィルタ(266)は、前面(表面)と背面とを接続する複数の孔を有する母材と、母材に担持された光触媒とを備える。光触媒フィルタ(266)は、光源部(216)に離間し、かつ光源部(216)の光軸に対して、前面が交差するように筐体内に配設される。処理部(218)は、筐体(102)内で、光源部(216)と光触媒フィルタ(266)との間に配設され、紫外線を反射する部材を壁とする。
光源部(216)から照射された紫外線(UV-A)は、光触媒フィルタ(266)で吸収される。このため、紫外線のうち、第2端部(114)側の第2の口(108)に到達する光は少なくなる。また、光源部(216)から照射された紫外線の一部は、光触媒フィルタ(266)の前面(表面)で反射する可能性がある。この場合、光触媒フィルタ(266)の前面で反射した紫外線は、第1端部(112)側の第1の口(106)に向かうものもある。しかしながら、紫外線は、処理部(218)を通る過程で反射する。このとき、紫外線のうち、処理部(218)で多重反射もしくは処理部(218)内で減衰(光強度は距離の2乗に反比例)によって第1の口(106)に到達する光は少なくなる。よって、第1の口(106)から紫外線が漏れることを抑制可能である。また、光触媒フィルタ(266)は、光源部(216)の光軸に対して最も大きい面積の面が交差するように筐体(102)内に配設される。このため、紫外線は、第2の口(108)から紫外線が漏れることを抑制可能である。したがって、除菌装置(100)は、筐体(102)内を流れる空気の除菌を行うために筐体(102)内で発光する紫外線が漏れ光として筐体(102)の外部に届くことを抑制することができる。
実施形態に係る除菌装置(100)の光源部(216)は、UV-Aを照射する光源(254)と、UV-Cを照射する光源(256)とを備える。
UV-Aの光源(254)は、光触媒用であり、UV-Cの光源(256)は深紫外線用である。UV-Aの光源(254)から光触媒フィルタ(266)に紫外線(UV-A)を照射すると、光触媒フィルタ(266)はUV-Aを吸収し、活性酸素とOHラジカルを生成し、光触媒フィルタ(266)を通る空気に含まれる臭いを水と二酸化炭素に分解し、ウイルスや菌の活動を抑制し、除菌、脱臭効果を発揮する。UV-Cの光源(256)から処理部(218)内(の光触媒フィルタ(266))に向かって紫外線(UV-C)を照射すると、処理部(218)内の空気に含まれるウイルスや菌の活動を抑制し、除菌効果を発揮することが可能である。
実施形態に係る除菌装置(100)の光源部(216)の光源(254,256)は、複数列に並べられる。UV-Cの光源(256)の少なくとも1つは、UV-Aの光源(254)よりも処理部(218)の壁に近い位置に配設されている。
UV-Aの紫外線は、光触媒フィルタ(266)の表面にできるだけ直接的に照射されることが好適であるため、処理部(218)の壁であまり反射しない方がよい。反対に、UV-Cの紫外線は、処理部(218)内の空気をまんべんなく除菌するため、広い範囲に照射したい。このように紫外線が作用するように光源(254,256)を配置することにより、UV-A、UV-Cの特性を生かして、除菌装置(100)で効果的に空気の除菌処理を行うことができる。
実施形態に係る除菌装置(100)の筐体(102)には、光源部(216)と処理部(218)との間、かつ、光源部(216)からの紫外線の直射光が入射しない領域に、紫外線を吸収する吸収部(222)が設けられている。
光源部(216)は光源(254,256)で、適宜の指向性があり、光源(254,256)を適宜の方向に向けると、光源(254,256)からの直射光は吸収部(222)に入射しない。そして、例えば光触媒フィルタ(266)からの反射光で、筐体外に向かう紫外線は吸収部(222)で吸収することができる。
実施形態に係る除菌装置(100)の光源部(216)と光触媒フィルタ(266)との間の距離は、500mm以上550mm以下である。
実施形態に係る除菌装置(100)は、単位時間あたりに殺菌できる除菌空間である処理部(218)の体積を適宜の大きさとし、UV-Cの光量を適宜にし、かつ、除菌装置(100)の必要以上の大型化を抑制でき、除菌装置(100)の意匠性を維持することができる。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る空気循環式の除菌装置100を示す概略的な斜視図である。実施形態に係る除菌装置100は、例えば住居内、オフィス環境、医療施設・介護施設、飲食店、宿泊施設、トイレブースなど、種々の場所に置かれる。
除菌装置100に対し、図1に示すように、XYZ直交座標系を設定する。XY平面を後述する開口縁410,510に平行な面とし、Z軸を開口縁410,510に直交する軸とする。なお、開口縁410,510のそれぞれ1対の長辺縁412a,412b,512a,512bに沿う方向をX軸とし、開口縁410,510のそれぞれ1対の短辺縁414a,414b,514a,514bに沿う方向をY軸とする。以下、図2から図9においても同様にXYZ直交座標系を設定する。
図1に示すように、除菌装置100は、筐体(装置本体)102と、操作部104と、第1の通気部(排気口又は吸気口)106と、第2の通気部(吸気口又は排気口)108と、脚部110とを備える。第1の通気部106と、第2の通気部108は、それぞれ異なる通気部であり、例えば、第1の通気部106が排気口の場合は、第2の通気部108は吸気口である。
筐体102は、筒状に形成される。本実施形態では、略略直方体の矩形筒状に形成される。筐体102は、一端側の上部(第1端部)112と、他端側の下部(第1端部とは反対側の第2端部)114と、側部116とを備える。本実施形態では、筐体102の側部116は、4つ(2対)の側板部122a,122b,124a,124bを有する。このうち、側板部122aは除菌装置100の例えば正面板となり、側板部122bは除菌装置100の例えば背面板となる。また、側板部124a,124bは除菌装置100の例えば側面板となる。側板部122a,122bは、それぞれ、ZX平面に平行又は略平行な表面及び背面を有する。側板部124a,124bは、それぞれ、YZ平面に平行又は略平行な表面及び背面を有する。
図2は、図1に示す除菌装置100の一点鎖線の符号IIで示すあるZX平面に沿う仮想平面(第1の仮想平面)から+Y軸方向を見た断面図である。図3は、図1に示す除菌装置100の二点鎖線の符号IIIで示すあるYZ平面に沿う仮想平面(第2の仮想平面)から-X軸方向を見た断面図である。
ここで、図2に示す断面の外縁は、図1に示す上部112、下部114および側部116の側板部124a,124bに交差する。図2に示す断面の下部114、上部112および側部116の側板部124a,124bの外縁に囲まれる領域内のZX平面における断面積をA1とする。また、図3に示す断面の外縁は、図1に示す上部112、下部114および側部116の側板部122a,122bに交差する。図3に示す断面の上部112、下部114および側部116の側板部122a,122bの外縁に囲まれる領域内のYZ平面における断面積をA2とする。本実施形態では、面積A1よりも面積A2の方が小さい。このため、本実施形態に係る除菌装置100の筐体102は、いわゆる薄型又はスリム型に形成されている。
図4は、操作部104及び第1の通気部106の図示を省略した除菌装置100の上面図である。図5は、脚部110の図示を省略した除菌装置100の下面図である。
図4に示すように、筐体102は、上部112に開口縁410を有する。図5に示すように、筐体102は、下部114に開口縁510を有する。本実施形態では、図4及び図5に示す上部112及び下部114の開口縁410,510のそれぞれ1対の長辺縁412a,412b,512a,512bに沿う方向(X軸に沿う方向)を除菌装置100の長手方向とし、開口縁410,510のそれぞれ1対の短辺縁414a,414b,514a,514bに沿う方向(Y軸に沿う方向)を除菌装置100の短手方向とする。また、開口縁410,510の長手方向及び短手方向に直交する方向(Z軸に沿う方向)を除菌装置100の高さ方向(幅方向)とする。
図4及び図5に示す開口縁410,510の外縁の内側の面積(開口縁410,510の外縁の内側領域のXY平面における断面積)をA3とする。本実施形態では、面積A2よりも面積A3の方が小さい。本実施形態では、筒状の筐体102は、上下方向に直交する上部112の外縁に囲まれる面(例えば開口縁410の内側)の面積よりも側部116の面積が大きく、上下方向に直交する下部114の外縁に囲まれる面(例えば開口縁510の内側)の面積よりも側部116の面積が大きい。このため、本実施形態に係る除菌装置100の筐体102は、上下方向に長い、いわゆる縦長に形成される。したがって、図1に示すように、本実施形態に係る除菌装置100の筐体102は、除菌装置100の正面板となる側板部122aの表面側から見て、上下に長い縦長で、かつ、奥行き方向に薄い薄型に形成されている。
図6は、図1に示す除菌装置100の三点鎖線の符号VIで示すあるXY平面に沿う仮想平面(第3の仮想平面)から+Z軸方向を見た断面図である。本実施形態では、図6に示すように、開口縁410,510間の筐体102の側部116の外縁に囲まれる領域内のあるXY平面に沿う仮想平面(第3の仮想平面)を規定するとき、その仮想平面の形状は、開口縁410,510内の領域の形状と略同じであり、面積A3と略同じ面積である。本実施形態では、開口縁410,510間のいずれのXY断面で筐体102の形状及び大きさは略同じである。
面積A1,A2は、筐体102が直方体形状であれば、筐体102の側板部122a,122b,124a,124bの表面の4面全てが、開口縁410,510の内側の面積A3より大きい。
なお、本実施形態の筐体102は、例えば長手方向が350mmから450mm程度、短手方向が140mmから170mm程度、高さ方向が700mmから900mm程度である。脚部110の長手方向は、筐体102の開口縁410,510の長手方向と同程度又はそれよりも長い。脚部110の短手方向は、筐体102の開口縁410,510の短手方向よりも長い。
このように、本実施形態に係る除菌装置100の筐体102は、開口縁410,510の長手方向の長さに対して開口縁410,510の短手方向の長さが例えば半分又はそれ以下程度で、高さ方向が開口縁410,510の長手方向の長さに比べて2倍程度の、いわゆる薄型又はスリム型に形成されている。このため、除菌装置100は、例えば屋内の壁面の近くに配置するときに、壁面からの出っ張りが抑制される。また、屋内の壁面から離れた位置に除菌装置100が設置されるときにも、除菌装置100の配置スペースが抑制される。
図1から図3に示すように、筐体102の上部112の開口縁410には、操作部104及び第1の通気部(第1の口)106が設けられる。操作部104及び第1の通気部106は短手方向に隣接する。操作部104及び第1の通気部106は、それぞれ略長方形に形成されている。操作部104及び第1の通気部106は、それぞれの長方形の長辺の長さが1対の長辺縁412a,412b(図4参照)の長さと略同じで、長辺で隣接する。操作部104及び第1の通気部106のそれぞれの長方形の短辺の長さは、同じであっても、異なっていてもよい。図1に示す例では、操作部104の短辺よりも第1の通気部106の短辺が長く形成されている。
操作部104は、除菌装置100の筐体102の上部112の開口縁410のうち、正面側となる側板部122a側に設けられる。操作部104は、略長方形状の操作パネル130と、操作パネル130の長辺130a,130b間に設けられる例えば4つの押圧ボタン(操作ボタン)132,134,136,138とを有する。操作パネル130の一方の長辺130a近傍は、上部112の開口縁410の一方の長辺縁412aに固定されている。操作パネル130の一方の短辺130c近傍は、上部112の開口縁410の一方の短辺縁414aに固定され、他方の短辺130d近傍は、上部112の開口縁410の他方の短辺縁414bに固定される。
図1及び図7に示すように、4つの押圧ボタン132,134,136,138は、操作パネル130の長辺130a,130b間に長手方向に沿う方向に例えば等間隔に並べられている。4つの押圧ボタン132,134,136,138の押圧方向は、下向き(第2の通気部108側)である。なお、4つの押圧ボタン132,134,136,138には、適宜に機能が設定される。
第1の通気部106は、除菌装置100の筐体102の上部112の開口縁410のうち、背面側となる側板部122b側に設けられる。第1の通気部106は、操作パネル130と協働して、筐体102の上部112を覆う。第1の通気部106は、外枠142と、外枠142に設けられる通気路144とを有する。外枠142は、開口縁410に固定されている。第1の通気部106の通気路144は、外枠142の内側に設けられ、例えば後述するファン212,214による空気の流れ(通気)を確保するとともに、ユーザの指等が筐体102内に入らないようにする。
図2、図3及び図6に示すように、筐体102には、制御基板210と、制御基板210の下方の1対のファン212,214と、1対のファン212,214の下方の光源部(LED光源部)216と、光源部216の下方の処理部(除菌処理部)218と、処理部218の下方のフィルタ部220とが設けられる。
図8は、図3に示す除菌装置100の上部の拡大図であり、図9は図8の斜視図である。
図3、図8及び図9に示すように、ファン212,214と光源部216との間には、紫外線吸収部222及び第1の通風遮光部224の少なくとも一方が設けられることが好適である。両方がなくてもよい。本実施形態では、筐体102内で発光する紫外線が筐体102内に漏れ出すことを確実に防止するため、紫外線吸収部222及び第1の通風遮光部224の両方が設けられている例について説明する。
制御基板210は、操作部104の操作パネル130の直下に設けられる。制御基板210は、除菌装置100の筐体102の正面側となる側板部122aの背面に設けられる。なお、制御基板210は、除菌装置100の筐体102の背面側となる側板部122bの背面とは離間する。制御基板210は、操作部104の操作パネル130と平行に配設されることが好適である。本実施形態では、制御基板210は、操作パネル130と同様に例えば矩形状で、筐体102内に収容されるように操作パネル130に対して小さく形成されている。
制御基板210は、第1から第4の押圧ボタン132,134,136,138の操作に基づいて、除菌装置100の電源のON/OFF、1対のファン212,214の回転速度、光源部216に供給する電流の大小に基づく光量の大小等を制御する。
制御基板210の下側には、例えば1対のファン212,214が長手方向に並べられている。ファン212,214は、筐体102内で、筐体102の上部112と下部114との間の中間部分より上部112側に配設される。本実施形態では、2つのファン212,214を用いる例について説明する。ファンの数は、1つであっても、3つ以上であってもよい。
1対のファン212,214は、制御基板210に電気的に接続される。本実施形態では、1対のファン212,214は、制御基板210に制御されながら回転し、1対のファン212,214の下側から上側に向かう空気の流れを作り出す。すなわち、本実施形態では、1対のファン212,214は、筐体102の下側の第2の通気部108から空気を吸い、上側の第1の通気部106から空気を排気する。1対のファン212,214は、例えば同じ構造であり、同じ方向に回転する。
図2から図4に示すように、1対のファン212,214はそれぞれ略直方体状のケース212a,214aに収容される。ケース212a,214aの上面及び下面は略正方形状に形成される。ファン212,214の中心軸C1,C2は、ケース212a,214aの略正方形状の上面及び下面の図心に一致する。ファン212,214の中心軸C1,C2同士を結ぶ、中心軸C1、C2に垂直な破線で示す線分は、長手方向(X軸方向)に平行であることが好適である。ケース212a,214aの略正方形状の上面及び下面の一辺は、筐体102の短手方向(Y軸方向)の側部116の側板部122a,122bの内壁間距離と同じか、それよりも小さく形成されている。
図3、図4、図7に示すように、1対のファン212,214の中心軸C1,C2の仮想的な延長線は、第1の通気部106を通るように配置される。つまり、1対のファン212、214の中心軸C1、C2と、第1の通気部106と、は上面視で重なるように配置される。図7に示すように、除菌装置100を上から見たとき、操作部104により、1対のファン212,214の操作部104側が隠れる。また、図8に示すように、操作部104の直下で、1対のファン212,214の直上に制御基板210が設けられることにより、ファン212,214からの空気が制御基板210に当てられる。そのため、ファン212,214からの空気により、制御基板210で発生した熱を放熱することも可能である。
ここで、図8に示すように、制御基板210と、ファン212,214との短手方向の重なり距離をL1とする。距離L1は、ファン212,214の短手方向の最大距離をとるべく、ファン212,214と制御基板210とが重なる、ファン212,214の径方向(Y軸方向)に沿う幅である。なお、制御基板210の短手方向の大きさは、ファン212,214の中心軸C1,C2までは届かないように形成されている。つまり、1対のファン212、214の中心軸C1、C2と、制御基板210と、は上面視で重ならないように配置される。
図3及び図8に示すように、制御基板210と1対のファン212,214とは、上下方向に離間して配置される。制御基板210の下面とファン212,214の上面との間の高さ方向(Z軸方向)に沿う距離をL2とする。このとき、距離L1は、距離L2よりも小さい。
制御基板210と1対のファン212,214とを距離L1<距離L2のように離間して配置することにより、1対のファン212,214からの風の一部が制御基板210にあたって生じる風の曲がりが、制御基板210と1対のファン212,214とを近づける場合(距離L1>距離L2)に比べて抑制される。言い換えると、制御基板210にあたる風の量を低減することができる。このため、1対のファン212,214からの風の流れは、制御基板210により阻害されにくい状態で、第1の通気部106に向かう。本実施形態に係る除菌装置100の場合、制御基板210と1対のファン212,214との距離L2は、上下方向に例えば30mm以上離されることが好適である。
1対のファン212,214と制御基板210との間の一部には、ファン212,214により生じる風を第1の通気部106に案内する傾斜面232が形成されていてもよい。傾斜面232は、平面として形成されていることが好適である。
傾斜面232の傾斜方向は、ファン212,214から第1の通気部106に向かって空気を案内し、空気の流れを遮断しない向きであり、又は、第1の通気部106を通過した空気をファン212,214に向かって案内し、ファン212,214に向かう空気の流れを遮断しない向きである。
傾斜面232は、一部又は全部がファン212,214側に向かう凸状、ファン212,214から離間する凹状、又は、凹凸を有する曲面として形成されていてもよい。なお、ファン212,214からの風の一部は、制御基板210の冷却に用いてもよい。
傾斜面232が平面である場合、1対のファン212,214の中心軸C1,C2と、傾斜面232と、の間の角度θ(0°<θ<90°)(図8参照)は、例えば45°以下であることが好適である。傾斜面232は、例えば制御基板210の大きさによるが、ZX平面(θ=0°)に近づくことが好適である。傾斜面232がXY平面(θ=90°)に近づき、すなわち、角度θが45°以上で90°に近づくと、ファン212,214からの空気の流れの一部の曲がりが大きくなり、排気の勢い、又は、吸気の勢いに影響を与える可能性が生じるためである。
傾斜面232の上端から第1の通気部106に向かって例えば平面234が設けられる。平面234は、操作部104の操作パネル130の長辺130bから下側に向かって延出され、側板部122a,122bと同様に例えばZX平面に沿うことが好適である。平面234の下端は、傾斜面232の上端と交差する位置である。平面234により、風が第1の通気部106に案内される。
なお、平面234は、傾斜面232との一体成型のための抜き勾配を考慮した傾斜面として形成されることも好適である。
処理部218は、筐体102内の紫外線吸収部222及び第1の通風遮光部224の下方で、筐体102内の光源部216とフィルタ部220との間に設けられる。図2及び図3に示すように、処理部218は、筐体102の側板部122a,122b,124a,124bの背面側にそれぞれ設けられる紫外線反射板242a,242b,244a,244bを有する。紫外線反射板242a,242b,244a,244bは、紫外線を反射する素材として、例えばアルミニウム合金材やステンレス合金材で形成される。本実施形態では、4つの紫外線反射板242a,242b,244a,244bは、矩形筒を形成する。なお、処理部218は、主として、UV-C(深紫外線)を反射する4つの紫外線反射板242a,242b,244a,244bを壁とする除菌空間として用いられる。
図8及び図9に示すように、光源部(LED光源部)216は、処理部218の上端218aの近傍に設けられる。光源部216は、例えば2列に並べられる光源基板252a,252bを有する。光源基板252a,252bは、短手方向に離間し、長手方向に延出する。光源基板252a,252bは、制御基板210に電気的に接続される。光源基板は、1列であってもよく、3列以上であってもよい。
本実施形態では、光源部216の光源基板252a,252bには、それぞれ、複数の第1の光源(UV-A光源)254と、複数の第2の光源(UV-C光源)256とが発光方向が下向き(第2の通気部108側)となるように設けられる。複数の第1の光源(UV-A光源)254、及び、複数の第2の光源(UV-C光源)256は、筐体102内に流通する空気に対して紫外線を照射する。第1の光源254及び第2の光源256は、それぞれLEDが用いられる。このため、光源部216のLEDは複数列に並べられる。
なお、例えば、光源基板252aには、第1の光源254及び第2の光源256が交互に又はランダムに1列又は複数列に並べられていることが好適である。同様に、光源基板252bには、第1の光源254及び第2の光源256が交互に又はランダムに1列又は複数列に並べられていることが好適である。各光源基板252a,252bに対して、第1の光源254及び第2の光源256が交互に又はランダムにジグザグ状に並べられることも好適である。また、第1の光源254から照射される光の処理部218での反射率が低い場合は、第1の光源254は、筐体102の側板部122a,122b,124a,124b、から離間した位置に配置されてもよい。
本実施形態では、第1の光源254及び第2の光源256として、それぞれの所望の波長をピーク波長とする光を射出するLEDを用いる。第1の光源254は、ピーク波長が380nm以下の第1の紫外線(以下、主にUV-Aとする)を下方に向かって照射することが好ましい。第1の光源254は、UV-Aを後述する光触媒フィルタ266の表面を照明するために用いられる。このため、第1の光源254から射出される光のピーク波長は、光触媒の吸収波長領域にあるかその近傍にあることが好ましい。第1の光源254から射出される光のピーク波長は、例えば320nm以上400nm以下とすることが好ましい。第1の光源254から出射される光のピーク波長は、例えば、395nmである。
第2の光源256は、ピーク波長が例えば200nm以上320nm以下の第2の紫外線(以下、主にUV-Cとする)を下方に向かって照射することが好ましい。
本実施形態では、第1の光源254及び第2の光源256は、それぞれLEDを用いるため、白熱電球に比べて指向性が高く、配光角度がそれほど大きくなるわけではない。しかしながら、第1の光源254からのUV-Aを光触媒フィルタ266の表面にできるだけ直接的に、損失なく効率的に照射したいので、第1の光源254のそれぞれの光軸に対して、光触媒フィルタ266の最も大きい面積の面(主面)である表面(前面)が交差するようにUV-Aが照射される。ここでは、第1の光源254のそれぞれの光軸に対して、光触媒フィルタ266の最も大きい面積の表面が略直交することが好適である。なお、いずれの第1の光源254も、紫外線反射板242a,242b,244a,244bに光の射出方向が向けられていないことが好適である。つまり、いずれの第1の光源254も、その光軸が、紫外線反射板242a,242b,244a,244bと交差しないことが好適である。
一方、第2の光源256からのUV-Cは、処理部218内の空間内を通る空気にまんべんなく照射されて、空気の除菌処理を行いたい。このため、処理部218の紫外線反射板242a,242b,244a,244bに一部が反射する程度に、処理部218内をまんべんなく照射することが好適である。そして、UV-Cは、光を広げる(拡散させるために)紫外線反射板242a,242b,244a,244bで適宜に反射することが好適である。このため、光源基板252a,252bのうち、長手方向に沿って最も紫外線反射板244a側、及び、最も紫外線反射板244b側の位置には、第1の光源254ではなく、第2の光源256が配置されることが好適である。したがって、第2の光源256は、光触媒フィルタ266に向く方向、及び、紫外線反射板242a,242b,244a,244bに光の射出方向が向けられていることが好適である。
最も紫外線反射板244a側及び最も紫外線反射板244b側の第2の光源256間には、第1の光源254と第2の光源256とが光源基板252a,252bに対して例えば交互に配置されるなど、適宜に配置される。また、複数の第1の光源254は、紫外線反射板244a,244b間の中央近傍に配置され、複数の第2の光源256は、第1の光源254よりも紫外線反射板244aに近い側、及び、第1の光源254よりも紫外線反射板244bに近い側に配置されることも好適である。
第1の光源254及び第2の光源256の配置は、第1の光源254及び第2の光源256の配光角度、第1の光源254及び第2の光源256と紫外線反射板242a,242b,244a,244bとの間の距離、第1の光源254及び第2の光源256と光触媒フィルタ266との間の距離等を考慮して適宜に設定される。
なお、各光源基板252a,252bに対して、第1の光源254及び第2の光源256が1列ずつ配置されてもよい。この場合、第1の光源254は、第2の光源256よりも紫外線反射板242a,242b,244a,244bから離間する位置に配置される。
なお、少なくとも1個の第2の光源(UV-C光源)が筐体102の内壁側、少なくとも1個の第1の光源(UV-A光源)が筐体102の内壁から離れた内側にあればよい。
フィルタ部220は、第2の通風遮光部262と、プレフィルタ264と、光触媒フィルタ266とを有する。本実施形態では、光触媒フィルタ266の下方にプレフィルタ264が設けられる。プレフィルタ264の下側に第2の通風遮光部262が設けられる。なお、プレフィルタ264は、第2の通風遮光部262より下方側に設けられていてもよい。
第2の通風遮光部262は、第2の通気部(吸気口)108の上方に隣接して設けられることが好適である。第2の通風遮光部262は、光源部216からの光や処理部218内の反射光が光触媒フィルタ266及びプレフィルタ264を通して第2の通気部108に向かうことを抑制する。
第2の通風遮光部262は、例えば複数の羽板262aが例えば長手方向(X軸方向)に離間して配置される。各羽板262aは、例えば長方形の板の短手方向(ここでは除菌装置100の短手方向とは異なる)の中間点同士を結ぶ線分を折れ線部262bとして略L字状に折り曲げた形状を有する。各羽板262aは、例えば除菌装置100の短手方向(Y軸方向)に沿って両端が筐体102の下部114で固定される。折れ線部262bは、除菌装置100の短手方向に沿う。本実施形態では、羽板262aの上端及び下端はフリーである。羽板262aの上端及び下端を結ぶ仮想線に対して隣接する羽板262aの折れ線部262bは、交差する。このため、除菌装置100を下側から見たとき、複数の羽板262aは見えるが、プレフィルタ264は視認できない。
羽板262a同士は、除菌装置100の長手方向に適宜の隙間を有するため、空気が第2の通風遮光部262からプレフィルタ264に向かって流れる。
なお、光源部216からの光や処理部218内の反射光が光触媒フィルタ266及びプレフィルタ264を通して第2の通気部108に向かうことが防止されていれば、第2の通風遮光部262は必ずしも必要ではない。第2の通風遮光部262が存在しない場合、空気の流れをより良好に、プレフィルタ264及び光触媒フィルタ266に流すことができる。
プレフィルタ264は、第2の通気部(吸気口)108の上方で、第2の通風遮光部262の上方に隣接して設けられる。プレフィルタ264の外縁、又は、プレフィルタ264が配置される位置の外縁は例えば矩形状で、筐体102の側板部122a,122b,124a,124bの内壁又は紫外線反射板242a,242b,244a,244bの内壁との間の隙間が小さく形成されている。プレフィルタ264の最も大きい面の法線は、それぞれ、例えば、筐体102の上部112及び下部114に向かう。プレフィルタ264は、適宜の大きさの網状で、適宜の大きさを超える埃等が光触媒フィルタ266に向かうことを防止する。
なお、プレフィルタ264の外縁と筐体102の内壁との間は、下部114側を光学的に閉塞することが好適である。
光触媒フィルタ266は、表面(前面)と背面とを接続する複数(無数)の孔を有する母材と、母材の表面に担持された光触媒とを備え、例えば矩形板状又は矩形シート状に形成される。本実施形態では、光触媒フィルタ266は、第2の通気部108から光が漏れることを防止するように、筐体102の下部114に設けられる。そして、板状の光触媒フィルタ266のうち、最も大きい面積の領域である表面は、第1の光源254及び第2の光源256に対向する。
なお、光触媒フィルタ266の外縁と筐体102の内壁との間は、下部114側を光学的に閉塞することが好適である。
光触媒フィルタ266の母材は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)で形成される。光触媒は、例えば酸化チタンや酸化タングステン等の金属酸化物で形成される。光触媒フィルタ266は、例えば多孔質で、本実施形態では上下方向に通気性を有する状態に形成されるが、上下方向に紫外線(UV-A及びUV-C)を通し難い状態に形成されることが好適である。すなわち、光触媒フィルタ266は、筐体102内の下部(第1端部とは反対側の第2端部)114側から上部112側への通気を確保しながら、下部114側を光学的に閉塞するように配設される。光触媒フィルタ266は、例えばUV-A、UV-Cなどの光を遮光し、かつ、プレフィルタ264を通した空気が光触媒フィルタ266を通して上側に流れるように形成される。光触媒フィルタ266は、例えば第1の光源254及び第2の光源256からの距離や、第1の光源254及び第2の光源256からの光量との関係で、適宜の厚さで適宜の空隙率に形成される。このとき、光触媒フィルタ266は、紫外線(UV-A及びUV-C)を通し難くなるように形成される。
本実施形態では、ファン212,214の下方で、光源部216の上方には、光源部216からの光や処理部218内の反射光が第1の通気部106に向かうことを抑制する第1の通風遮光部224が設けられる。第1の通風遮光部224は、例えば複数の羽板224aが離間して配置される。各羽板224aは、例えば長方形の板の短手方向(ここでは除菌装置100の短手方向とは異なる)の中間点同士を結ぶ線分を折れ線部224bとして略L字状に折り曲げた形状を有する。羽板224aは、例えば除菌装置100の長手方向(X軸方向)に沿って両端で固定される。折れ線部224bは、除菌装置100の長手方向に沿う。本実施形態では、羽板224aの上端及び下端はフリーである。各羽板224aの上端及び下端を結ぶ仮想線に対して短手方向(-Y軸方向)に隣接する羽板224aの折れ線部224bは、交差する。このため、除菌装置100を上側から見たとき、ファン212,214を通して複数の羽板224aの一部は見えるが、処理部218内は視認できない。なお、空気は、短手方向に隣接する羽板224a間を下側から上側に通る。このため、短手方向に隣接する羽板224a間は、できるだけ広いことが好適である。これは、第2の通風遮光部262も同様である。
図3に示すように、本実施形態では、第1の通風遮光部224及び第2の通風遮光部262は、羽板224a,262aが異なる向きに配置される例について説明したが、両者は、同じ向きに配置されることも好適である。
例えば第1の通風遮光部224の下側で、紫外線反射板242a,242b,244a,244bの上端近傍には、紫外線吸収部222が設けられている。紫外線吸収部222は、光源基板252a,252bの下面と面一の面及びその下方を含む面に環状に形成されていてもよい。そして、紫外線吸収部222は、第1の光源254及び第2の光源256が下向きに向けられた状態で、第1の光源254からの直射光、第2の光源256からの直射光が入射されない位置に設けられることが好適である。
本実施形態では、紫外線吸収部222は、例えば紫外線反射板242a,242b,244a,244bに対して、塗料(紫外線吸収コート剤)などの紫外線吸収性の吸光部材を塗布することで、紫外線反射板242a,242b,244a,244bと一体に構成することが可能である。紫外線吸収部222は、吸光部材で囲まれた空間である。紫外線吸収部222は処理部218と一体化されている。紫外線吸収部222は、塗料を用いる他、紫外線を吸収し、紫外線による劣化が少ない素材であれば何でもよい。
処理部218の上端部近傍から第1の通気部106までの間の筐体102内の全内壁が紫外線吸収部222として形成されていてもよい。
(作用)
次に、本実施形態に係る除菌装置100の作用について説明する。
本実施形態では、筒状の筐体102は、上下方向に直交する上部112の外縁に囲まれる面(例えば開口縁410の内側)の面積よりも側部116の面積が大きく、上下方向に直交する下部114の外縁に囲まれる面(例えば開口縁510の内側)の面積よりも側部116の面積が大きい。このため、除菌装置100の筐体102は、縦長に形成される。本実施形態では、筐体102の第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIとして、それぞれ、上部112、下部114および側部116に交差し、上部112、下部114および側部116の外縁に囲まれる領域内を規定する。第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIは、例えば高さ方向に沿う面として規定する。また、第3の仮想平面VIとして、上部112と下部114との間の領域において第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIと直交し、側部116の外縁に囲まれる領域内を規定する。第3の仮想平面VIは、例えば長手方向及び短手方向に沿う面、すなわち、床面に平行な面として規定する。このとき、筐体102の第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIの面積A1,A2よりも第3の仮想平面VIの面積A3の方が小さい。このため、除菌装置100の筐体102は、縦長で、薄型又はスリム型に形成される。
筐体102の外側に露出する操作部104の操作パネル130上の第1の押圧ボタン132は、例えば電源のON/OFFボタンとして設定される。第1の押圧ボタン132が例えば1回押圧されると、除菌装置100の電源のON/OFFが切り換えられる。第1の押圧ボタン132の押圧方向は、下向き、すなわち、除菌装置100の設置床面側である。このため、除菌装置100には、除菌装置100を倒す方向に負荷がかからない。また、第1の押圧ボタン132だけでなく、他の各種の押圧ボタン134,136,138のいずれを押圧する場合でも、除菌装置100を倒す方向には負荷がかからない。
本実施形態では、筐体102内の例えばファン212,214の存在により、除菌装置100の重心が、より上部112に近い側にあると想定される。この場合、除菌装置100は、筐体102の側部116の側板部122a又は側板部122bなど、横方向から筐体102に力が加えられると倒れ易くなることが想定される。本実施形態に係る除菌装置100では、操作部104を上部112の上面に配置し、ユーザが操作部104の押圧ボタン132,134,136,138を操作する方向は下方向となる。このため、縦長の筐体102であり、重心が比較的上側にある除菌装置100であっても、操作部104を操作するときにも床面に対する除菌装置100の揺れを抑制し、除菌装置100の安定性を確保し、除菌装置100を倒れ難くすることができる。したがって、本実施形態に係る除菌装置100は、操作時など、力が加えられたときに除菌装置100の立位の安定性が低下することを抑制することができる。
除菌装置100は、第1の押圧ボタン132を例えば1回押圧し、オフの状態であった電源がオンに切り替えられる。電源がオンに切り替えられると、例えば制御基板210を通して供給される電力により、光源部216の第1の光源(UV-A光源)254及び第2の光源(UV-C光源)256が発光するとともに、1対のファン212,214が回転する。
ファン212,214の回転により、第2の通気部108、第2の通風遮光部262、プレフィルタ264、光触媒フィルタ266を通して、空気が処理部218に吸気される。処理部218に入った空気は、ファン212,214の回転により、ファン212,214を通して第1の通気部106から排気される。このとき、第2の通気部(第2の口)108から筐体102内に入った空気は、上部(第1端部)112と下部(第2端部)114との間で、光触媒フィルタ266及び処理部218内を上下方向(Z軸方向)に真っ直ぐに移動し、第1の通気部(第1の口)106から排出される。このため、除菌装置100内に空気の流れを大きく曲げる箇所がなく、除菌装置100内を流れる空気に圧力損失を生じることを抑制することができる。
このように、除菌装置100は、除菌装置100の外側の第2の通気部108から、除菌装置100の周囲の空気を除菌装置100内に取り込む。第1の光源(UV-A光源)254からは、処理部218内を通してUV-Aが光触媒フィルタ266の表面に向かって照射される。このとき、光触媒フィルタ266の表面(上面)では、UV-Aを吸収し、活性酸素とOHラジカルを生成し、生成した活性酸素とOHラジカルによって、光触媒フィルタ266を通る空気や光触媒フィルタ266周囲の空気に含まれる菌、ウイルス、臭い物質を水と二酸化炭素に分解したり、ウイルスや菌(細菌)の活動を抑制したりする。このため、光触媒フィルタ266の表面にUV-Aが照射されると、UV-Aを吸収し、光触媒フィルタ266を通る空気の除菌、脱臭効果を発揮する。したがって、光触媒フィルタ266を通る空気は、除菌、脱臭されながら処理部218内に入る。
第2の光源(UV-C光源)256からは、UV-Cが処理部218内に照射される。UV-Cは、処理部218内に直接光だけでなく、例えば紫外線反射板242a,242b,244a,244bによる反射光を用いて処理部218内の広い範囲に照射される。このため、処理部218内(の空気)には、UV-Cがまんべんなく照射される。このとき、UV-Cの照射により、光触媒を用いて除菌、脱臭された後の処理部218内の空気に含まれるウイルスや菌(細菌)の活動を抑制し、除菌効果を発揮する。
処理部218内を大きな空間とし、UV-Cを広い空間内に照射し続けることにより、処理部218内を通る空気が処理部218内に存在している間中、除菌することができる。このため、UV-Cにより効果的に除菌効果を発揮し、除菌した空気を第1の通気部106から排出することができる。
本実施形態の第1の光源254及び第2の光源256が発光し続ける間、除菌装置100は、第1の光源254の発光による光触媒フィルタ266での物質の分解による除菌、脱臭効果と、第2の光源256の発光による除菌効果とを発揮し続ける。このため、除菌装置100は、光触媒フィルタ266を通す空気の除菌と、第2の光源256の発光による空間内の空気の除菌とのダブル効果により、空気をより効果的に除菌することができる。
なお、第1の光源254からのUV-Aが光触媒フィルタ266の表面を照らすとき、第1の光源254からのUV-Aは、光触媒フィルタ266の表面に全てが吸収されるわけではなく、一部が光触媒フィルタ266の表面で反射する可能性がある。反射したUV-Aの一部は、処理部218の紫外線反射板242a,242b,244a,244bで反射を繰り返す。この場合、UV-A光源は光触媒フィルタ266の表面であると仮定できる。
また、光触媒フィルタ266の表面で反射したUV-Aの一部は、処理部218内の空間を通して光源部216側に向かう可能性がある。ここで、光の強さは、光源からの距離の2乗に反比例する。本実施形態では、筐体102は縦長に形成されている。このため、光触媒フィルタ266の表面で反射したUV-Aは、光源部216の近傍に近づくにつれて減衰する。したがって、UV-A光源は光触媒フィルタ266の表面であると仮定した場合、光触媒フィルタ266の表面からのUV-Aは、例えば、第1の光源254からのUV-Aの光量、光触媒フィルタ266の表面の空孔率、表面粗さ等により、第1の通風遮光部224に到達するまで減衰し、第1の通風遮光部224の地点では検出できない状態となり得る。
処理部218の紫外線反射板242a,242b,244a,244bの上部近傍には、紫外線吸収部222が設けられている。このため、紫外線反射板242a,242b,244a,244bでの反射、及び、光触媒フィルタ266の表面からの距離に基づく減衰を繰り返したUV-Aが紫外線吸収部222で吸収される。したがって、本実施形態に係る除菌装置100では、紫外線吸収部222よりも上側にUV-Aが到達することが防止される。なお、紫外線収集部222は、可視光も吸収するように構成されていてもよい。
なお、処理部218の上端と開口縁410との間の内壁が紫外線吸収部222として形成されていると、より確実に、UV-Aが第1の通気部106に届くことが防止される。
第2の光源256からのUV-Cの一部は、処理部218の紫外線反射板242a,242b,244a,244bで反射しながら、光触媒フィルタ266の表面に照射される。図3には、第2の光源256からのUV-Cの一部の光路Pを示す。
本実施形態では、仮に、UV-A、UV-Cが処理部218の上端よりも上側に到達したとき、処理部218及び光源部216の上側には、第1の通風遮光部224が存在する。このため、UV-A、UV-Cは、第1の通風遮光部224で反射し、UV-A、UV-Cが第1の通風遮光部224から上側に到達することを防止する。したがって、図7に示すように、ユーザが除菌装置100の上側を見たとき、UV-A、UV-Cがユーザの眼に届くことが防止されている。なお、第1の通風遮光部224は、処理部218からファン212,214への通気を確保する。
また、仮に、光触媒フィルタ266の表面に照射したUV-A及びUV-Cの少なくとも一部が光触媒フィルタ266の下側のプレフィルタ264に到達すると仮定する。このとき、プレフィルタ264は単なる網状であるため、UV-A及びUV-Cの少なくとも一部は、第2の通風遮光部262に到達する可能性がある。UV-A、UV-Cは、第2の通風遮光部262で反射する。このため、UV-A、UV-Cは、第2の通風遮光部262から下側に到達することを防止する。このため、図5に示すように、ユーザが除菌装置100の脚部110を取り外して筐体102の開口縁510を見たとき、UV-A、UV-Cがユーザの眼に届くことが防止されている。すなわち、UV-A、UV-Cが筐体102の開口縁510を通して除菌装置100の外側に漏れ、ユーザの眼に届くことが防止されている。なお、第2の通風遮光部262は、除菌装置100の外側からフィルタ部220、さらには、処理部218への通気を確保する。
このため、ファン212,214の回転、第1の光源254及び第2の光源256の発光により、除菌装置100は、第2の通気部108から空気を取り込み、筐体102を通しながら第2の通気部108を通した空気を連続的に除菌、脱臭しながら、第1の通気部106から排気し続けることができる。
除菌装置100において、筐体102を薄型化する場合、課題となるのは操作部104の位置である。筐体102の下方に配設すると操作性が悪く、筐体102の上方かつ側面に配設すると、特に、筐体102が縦長の場合、操作部104を操作した場合に、筐体102が倒れてしまう虞がある。そのため、筐体102を薄型化する場合は、操作部104は、筐体102の上部112の上面に配設することが望ましい。ただし、筐体102の上部112の上面には、第1の通気部(第1の口)106が存在するため、吸気、もしくは排気を妨げない構造が必要とされていた。
本実施形態においては、除菌装置100のファン212,214を回転させると、ファン212,214は、制御基板210に向けて空気を当てる。このため、除菌装置100を動作させているとき、制御基板210を冷却することができる。また、除菌装置100を図4及び図7に示すように上側から見たとき、制御基板210とファン212,214の一部とが重なる位置にあるため、除菌装置100を薄型化し、かつ、縦長とすることができる。このとき、例えば、除菌装置100のファン212,214と制御基板210との間の距離L2は、ファン212,214と制御基板210とが重なる、ファン212,214の径方向に沿う幅(距離(L1))よりも大きい。このため、本実施形態に係る除菌装置100は、流体的な損失を少なくした効果的な排気(吸気)を行うことができる。すなわち、ファン212,214と制御基板210との間の距離を比較的離すことにより、除菌装置100は、第1の通気部(第1の口)106への排気(第1の通気部(第1の口)106からの吸気)のための空間をファン212,214の上側に十分に設けることができる。
本実施形態では、制御基板210の一部を覆う位置に傾斜面232が形成されている。傾斜面232を用いることで、ファン212,214から制御基板210に向かう風の少なくとも一部を、第1の通気部106に向けて誘導する。このため、第1の通気部106から排出される空気に圧力損失を生じることを抑制することができる。
本実施形態では、1対のファン212,214の中心軸C1,C2と傾斜面232との間の角度θ(図8参照)が例えば45°以下であるため、傾斜面232は、ファン212,214から第1の通気部(第1の口)106に向かう空気を第1の通気部106に誘導することができる。
本実施形態に係る除菌装置100で除菌、脱臭処理する空気は、第2の通気部108を通して筐体102内に入ると、そのまま略真っ直ぐに上方の第1の通気部106を通して除菌装置100外側に排出される。このため、本実施形態に係る除菌装置100は、空気の流れを曲げることが少なく、ファン212,214の回転効率を良好に維持し、いわゆる圧力損失が発生することを抑制することができる。また、光源部216は、適宜の範囲の処理部218内及び光触媒フィルタ266の表面を照射すればよいので、第1の光源254及び第2の光源256の配置が簡単で、効率的に除菌、脱臭処理を行うことができる。
なお、第2の押圧ボタン134は、例えば風量切替ボタンとして設定される。第2の押圧ボタン134が押圧されると、1対のファン212,214の回転速度を制御し、例えば押圧回数に応じて第1の通気部106から排出される風量が複数段階に切り換えられる。第3の押圧ボタン136は、例えば除菌パワー切替ボタンとして設定される。第3の押圧ボタン136が押圧されると、光源部216の第2の光源256からの光量を制御し、例えば光源部216の第2の光源256の光量の調整に基づく除菌パワーの強弱が押圧回数に応じて複数段階に切り換えられる。第4の押圧ボタン138は、例えば脱臭機能オン/オフ、及び、脱臭パワー切替ボタンとして設定される。第4の押圧ボタン138が押圧されると、光源部216の第1の光源254からの光量を制御し、例えば光源部216の第1の光源254の光量の調整に基づく脱臭パワーの強弱が押圧回数に応じて複数段階に切り替えられる。なお、光源部216の第1の光源254の光量の調整により、脱臭機能のオン/オフを切り替えることができる。
押圧ボタン134,136,138の押圧方向は、第1の押圧ボタン132の押圧方向と同様に、下向き、すなわち、除菌装置100の設置床面側である。このため、除菌装置100には、除菌装置100を倒す方向に負荷がかからない。また、第1から第4の押圧ボタン132,134,136,138のいずれを押圧する場合でも、除菌装置100を倒す方向には負荷がかからない。
ファン212,214の回転数を増大し、第1の通気部106から排出される風量を増加させる場合、制御基板210は、所定の除菌、脱臭性能を維持するため、ファン212,214の回転数の増大に連動して、光源部216の第1の光源254及び第2の光源256からの光量を増大させるように制御することが好適である。
なお、本実施形態では、筐体102は、略直方体状を例にして説明した。筐体102は、円筒状や、楕円筒状、その他、三角形、五角形、六角形等の適宜の多角パイプ状であってもよい。本実施形態に係る除菌装置100は、面積A1,A2が同一であっても、異なっていても、面積A3が面積A1又は面積A2よりも小さく形成される。このため、本実施形態に係る除菌装置100は、筐体102が円筒状や、楕円筒状、その他、三角形、五角形、六角形等の適宜の多角パイプ状であっても、上下方向に長い、いわゆる縦長に形成される。なお、面積A1,A2が同一となる例は、筐体102が例えば円筒状である場合である。筐体102が円筒状である場合、筐体102は、上下方向に直交する上部112の外縁に囲まれる面(例えば開口縁410の内側)の面積よりも側部116の面積が大きく、上下方向に直交する下部114の外縁に囲まれる面(例えば開口縁510の内側)の面積よりも側部116の面積が大きい。このため、本実施形態に係る除菌装置100の筐体102は、上下方向に長い、いわゆる縦長に形成される。筐体102が円筒状である場合、第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIは、例えば円筒の中心軸を通る面として規定される。このため、第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIの面積A1,A2は同じとなる。なお、筐体102が楕円筒状である場合、第1の仮想平面IIは、例えば中心及び2つの焦点を含む面とし、第2の仮想平面IIIは、第1の仮想平面IIに直交し、中心を通る面として規定される。このため、第1の仮想平面II、第2の仮想平面IIIの面積A1,A2は面積A1の方が面積A2よりも大きい。
筐体102が円筒形状であれば、筐体102の円筒状の側面(側板部)は、高さ×円周で導出される筐体102の外周面の面積Aが、開口縁410,510の内側の面積A3より大きい。また、筐体102が円筒形状であれば、「開口縁410の内側の面積又は開口縁510の内側の面積」の4倍の面積A3、すなわち、4×面積A3は、筐体102の側面(側板部)の面積Aよりも小さくてもよい。
なお、本実施形態に係る除菌装置100では、第1の通気部106を上側に、第2の通気部108を下側に配置する例について説明した。第2の通気部108は、筐体102の下側から空気を吸気するのではなく、筐体102の下部114の側面から空気を吸気してもよい。第1の通気部106は、筐体102の上側に空気を排気するのでなく、筐体102の上部112の側面に空気を排気してもよい。
また、第1の通気部106は、筐体102の上側から空気を吸気してもよく、筐体102の上部112の側面から空気を吸気してもよい。第2の通気部108は、筐体102の下側から空気を排気してもよく、筐体102の下部114の側面に空気を排気してもよい。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の除菌装置100によれば、操作時など、力が加えられたときに立位の安定性が低下することを抑制することができる。
光源部216から照射されたUV-Aは、光触媒フィルタ266が備える光触媒で吸収される。このため、紫外線のうち、下部(第2端部)114側の第2の通気部(第2の口)108に到達する光は少なくなる。また、光源部216から照射された紫外線の一部は、光触媒フィルタ266の表面で反射する可能性がある。この場合、光触媒フィルタ266の表面で反射した紫外線は、上部(第1端部)112側の第1の通気部(第1の口)106に向かうものもある。しかしながら、紫外線は、処理部218を通る過程で反射する。このとき、紫外線のうち、処理部218で多重反射もしくは処理部218内で減衰(光強度は距離の2乗に反比例)によって第1の通気部106に到達する光は少なくなる。よって、第1の通気部106から紫外線が漏れることが抑制される。また、光触媒フィルタ266は、下部114側を光学的に閉塞する。このため、紫外線は、第2の通気部108から紫外線が漏れることが抑制される。
本実施形態に係る除菌装置100では、第1の通気部106を上側に、第2の通気部108を下側に配置する例について説明した。除菌装置100は、第1の通気部106及び第2の通気部108を水平に配置してもよい。この場合、開口縁410,510の長手方向(X軸方向)及び短手方向(Y軸方向)に直交する方向(Z軸方向)を高さ方向に代えて幅方向(水平方向)とする。このように、除菌装置100は、第1の通気部106及び第2の通気部108の通気方向を上下方向に沿う方向でなく、幅方向(水平方向)として配置してもよい。このとき、除菌装置100の向きは、縦長でなく、例えば横長となる。この場合、除菌装置100により、空気は、水平方向に吸気、排気される。そして、この除菌装置100は、床面に載置されてもよく、壁面に支持されてもよい。除菌装置100が壁面に支持される場合、脚部110は不要となり得る。
このため、本実施形態に係る除菌装置100は、筐体102を、例えば縦長に配置しても、横長に配置しても、筐体102内を流れる空気の除菌を行うために筐体102内で発光する紫外線が漏れ光として筐体102の外部に届くことを抑制することができる。
本実施形態に係る除菌装置100では、第1の通気部106を上側に、第2の通気部108を下側に配置し、1対のファン212,214を光源部216及びフィルタ部220の上側に配置し、ファン212,214により第2の通気部108から空気を筐体102内に取り込み、第1の通気部106から筐体102内の空気を排出する例について説明した。例えば、除菌装置100は、1対のファン212,214を光源部216及びフィルタ部220の下側に配置し、1対のファン212,214により筐体102の上側の第1の通気部106から空気を吸い、下側の第2の通気部108から空気を排気してもよい。すなわち、筐体102内で、上側から下側に向かって順に、フィルタ部220、処理部218、光源部216、ファン212,214が配置されることも好適である。この場合、ファン212,214の向きが上述した実施形態と反対に配置される。そして、除菌装置100は、上側の第1の通気部(第1の口)106から空気を筐体102内に取り込み、下側の第2の通気部(第2の口)108から筐体102内の除菌、脱臭した空気を排出する。
また、ファン212,214の向きを反対に配置し、上側の第1の通気部(第1の口)106から空気を筐体102内に取り込み、下側の第2の通気部(第2の口)108から筐体102内の空気を排出するようにしてもよい。この場合、筐体102内では、上側から下側に向かって順に、ファン212,214、フィルタ部220、処理部218、光源部216が配置されることが好適である。
実施形態に係る除菌装置100のLED光源部216のLED光源254,256は、複数列に並べられる。UV-CのLED光源256の少なくとも1つは、UV-Aの第1の光源254よりも処理部218の壁に近い位置に配設されている。UV-Aの紫外線は、光触媒フィルタ266の表面にできるだけ直接的に照射されることが好適であるため、処理部218の壁であまり反射しない方がよい。反対に、UV-Cの紫外線は、処理部218内の空気をまんべんなく除菌するため、広い範囲に照射したい。このように光源254,256を配置することにより、UV-A、UV-Cの特性を生かして、除菌装置100で効果的に空気の除菌処理を行うことができる。光源部216の光源254,256の配光は白熱電球に比べて比較的狭いとは言え、処理部218の壁の近傍に配設するほど反射する可能性が高くなる。このため、処理部218の壁により反射しやすい位置にUV-Cの光源256を配設すればよい。なお、少なくとも1個のUV-Cの光源256が処理部218の壁側にあり、少なくとも1個のUV-Aの光源254が処理部218の壁から遠い位置にあればよい。
上述したように、本実施形態に係る除菌装置100では、光源部216の第1の光源254及び第2の光源256と、光触媒フィルタ266の上面との間の距離は、500mm以上、550mm以下である。この場合、筐体102の奥行きを薄型化しても、第2の光源(UV-C光源)256と光触媒フィルタ266との間に比較的距離があるため、処理部218のUV-Cによる除菌空間を大きくすることができ、より大きな体積の空間内の空気を一度に除菌することができる。すなわち、単位時間あたりに除菌できる空気の体積をより多くすることができる。なお、第2の光源256の数やそれぞれの光量は、処理部218の除菌空間を除菌可能な程度に適宜に設定可能である。
第2の光源256と光触媒フィルタ266との間の距離が例えば500mm以下であり、筐体102が薄型であると、処理部218の空間体積が比較的小さくなる。このため、一度に処理部218内で除菌又は殺菌処理できる空気の体積が減少する。すなわち、単位時間あたりに除菌できる空気の体積が減少する。例えば、距離が500mm以下なら、処理部218での体積が比較的小さく、UV-Cによる処理部218内の空気殺菌効果が低くなり得る。
また、第2の光源256と光触媒フィルタ266との間の距離が例えば550mm以上であると、除菌装置100が大型化し、意匠性が低下し得る。また、第1の光源254と光触媒フィルタ266との間の距離が例えば550mm以上であると、光触媒フィルタ266に光を照射するための第1の光源254の光量を大きくしたり、第1の光源254の数を多くする必要が生じる。
また、距離を550mm以上にした場合、その分、処理部218での除菌空間(単位時間あたりに除菌する空気の体積)が大きくなる。このため、UV-CのLED光源256から照射する紫外線強度(UV-C光量)を上げないと大量の空気を適切に除菌処理できなくなる可能性がある。このため、第2の光源(UV-C光源)256のUV-Cの出力強度(光の強度)を上げないと、処理部218内での除菌又は殺菌処理できる空気の体積を超える可能性がある。この場合、第2の光源256に供給する駆動電流を増大させる必要があるため、第1の光源254に比べて第2の光源256が早く寿命を迎える可能性が生じる。処理部218の体積を大きくしながら、除菌又は殺菌の効果を維持する場合、第2の光源256の数を増やす必要があり、光源部216の寸法が大型化する可能性がある。
本実施形態で説明したように、除菌装置100のLED光源部216と光触媒フィルタ266との間の距離を500mm以上550mm以下とすることで、単位時間あたりに殺菌できる除菌空間の体積を適宜の大きさとし、UV-Aに対するUV-Cの光量を適宜にし、かつ、除菌装置100の必要以上の大型化を抑制でき、意匠性を維持することができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の除菌装置100によれば、筐体102内を流れる空気の除菌を行うために筐体102内で発光する紫外線が漏れ光として筐体102の外部に届くことを抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…除菌装置、102…筐体、104…操作部、106…第1の通気部、108…第2の通気部、110…脚部、112…上部、114…下部、116…側部、122a,122b,124a,124b…側板部、130…操作パネル、130a,130b…長辺、130c,130d…短辺、132,134,136,138…押圧ボタン、144…通気路、210…制御基板、212,214…ファン、212a,214a…ケース、216…光源部(LED光源部)、218…処理部、220…フィルタ部、222…紫外線吸収部、224…第1の通風遮光部、232…傾斜面、234…平面、242a,242b,244a,244b…紫外線反射板、252a,252b…光源基板、254…第1の光源(第1のLED光源)、256…第2の光源(第2のLED光源)、262…第2の通風遮光部、264…プレフィルタ、266…光触媒フィルタ、410…開口縁、412a,412b…長辺縁、414a,414b…短辺縁、510…開口縁、512a,512b…長辺縁、514a,514b…短辺縁。

Claims (5)

  1. 内側から外側、又は、外側から内側に空気を通す第1の口が設けられる第1端部と、前記第1端部とは反対側に設けられ、外側から内側、又は、内側から外側に空気を通す第2の口が設けられる第2端部と、前記第1端部および前記第2端部との間に設けられ前記第1端部の内側又は前記第2端部の内側のよりも面積が大きい表面を有する側部と、を備える筒状の筐体と;
    前記筐体内で前記第1端部側に配設され、前記第2の口の方向に紫外線を照射する光源部と;
    前面と背面とを接続する複数の孔を有する母材と、前記母材に担持された光触媒と、を備え、前記光源部に離間し、かつ前記光源部の光軸に対して前記前面が交差するように前記筐体内に配設される光触媒フィルタと;
    前記筐体内で、前記光源部と前記光触媒フィルタとの間に配設され、前記紫外線を反射する部材を壁とする処理部と;
    を備える除菌装置。
  2. 前記光源部は、UV-Aを照射する光源と、UV-Cを照射する光源とを備える、請求項1に記載の除菌装置。
  3. 前記光源部の前記光源は、複数列に並べられ、
    前記UV-Cの前記光源の少なくとも1つは、前記UV-Aの前記光源よりも前記処理部の壁に近い位置に配設されている、請求項2に記載の除菌装置。
  4. 前記筐体には、前記光源部と前記処理部との間、かつ、前記光源部からの前記紫外線の直射光が入射しない領域に、前記紫外線を吸収する吸収部が設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の除菌装置。
  5. 前記光源部と前記光触媒フィルタとの間の距離は、500mm以上550mm以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の除菌装置。
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