JP2023136331A - 樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

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Daiki Kinumura
隼人 大盛
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Abstract

【課題】印刷性に優れ、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性に優れる樹脂組成物、及びその樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を有する積層体の提供。【解決手段】樹脂組成物は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%~90質量%含む樹脂(A)と、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まない(メタ)アクリル系樹脂(B)とを含み、前記樹脂(B)は、ガラス転移温度が40℃~70℃であり、前記樹脂(A)と前記樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、90/10~10/90である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及び積層体に関する。
従来、二輪車等の外装部品の表面を装飾する方法として、外装部品の表面に加飾フィルムや加飾シートを貼り付ける方法が知られている。上記加飾フィルムや加飾シートの最外層には保護クリア層が設けられ、加飾フィルムや加飾シートの外観向上に寄与している(例えば、特許文献1参照)。
近年、加飾フィルムや加飾シートの高付加価値が求められている。一例として、外観に大きく寄与する保護クリア層の高光沢化が求められている。しかしながら、一般的なアクリル樹脂を使用したクリアインキでは、高光沢クリア層は得られない。高光沢クリア層を得るための一つの方法として高屈折率樹脂を使用することが考えられ、例えば、高屈折率物質であるポリスチレンを使用して、高光沢クリア層を得ることが検討されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2017-048264号公報 特開2006-348116号公報
保護クリア層は加飾性の観点から作製時の印刷性に優れることも求められ、さらに最表面に位置することから耐候性に優れることも求められている。しかしながら、特許文献2に記載のスチレン系樹脂含有クリアインキは印刷時に外観上で気泡の発生が確認されるため印刷性に劣ることが明らかとなった。また、スチレン系樹脂含有クリアインキは一般的なアクリル樹脂含有クリアインキと比較して耐候性に劣っている。さらには、スチレン系樹脂の含有割合が多いクリアインキは、例えば保護クリア層として用いた場合に、下層の色インキ層との界面での密着性不良が発生しやすいことも明らかとなった。
なお、一般的なアクリル樹脂含有クリアインキは光沢性に改良の余地がある。
本発明は、印刷性に優れ、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性に優れる樹脂組成物、及びその樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を有する積層体を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下の態様を包含する。
<1> 炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%~90質量%含む樹脂(A)と、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まない(メタ)アクリル系樹脂(B)とを含み、
前記樹脂(B)は、ガラス転移温度が40℃~70℃であり、
前記樹脂(A)と前記樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、90/10~10/90である、樹脂組成物。
<2> 前記樹脂(A)と前記樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、80/20~80/20である、<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記芳香族含有モノマーが、(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーである、<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 前記芳香族含有モノマーが、ベンジル基を有する(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーである、<1>~<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5> 基材と、前記基材に積層される<1>~<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層と、を備える積層体。
本発明によれば、印刷性に優れ、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性に優れる樹脂組成物、及びその樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層を有する積層体が提供される。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、組成物中の各成分の量は、特に断らない限り、各成分に複数の種類の物質が含まれる場合に複数の種類の物質を合計した量で表す。
本開示において(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの一方または両方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの一方または両方を意味する。
<樹脂組成物>
本開示の樹脂組成物は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%~90質量%含む樹脂(A)と、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まない(メタ)アクリル系樹脂(B)とを含む。そして、樹脂(B)は、ガラス転移温度が40~70℃であり、樹脂(A)と樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、90/10~10/90である。
本発明者らの検討の結果、上記構成の樹脂組成物は印刷性に優れ、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性に優れることが明らかとなった。
本開示の樹脂組成物を硬化物としたときに光沢に優れる理由は、芳香族含有モノマーがスチレンと同様に高屈折率モノマーであることが考えられる。また、高屈折率モノマーから得られる重合体は高屈折率樹脂を生成する。芳香族含有モノマーが炭素数9以上であると、樹脂(A)を含有する樹脂組成物はスチレン系樹脂を含有する樹脂組成物よりも印刷性に優れ、硬化物としたときの耐候性にも優れていることが見出された。
また、上述のとおり、光沢性を高めるためにスチレン系樹脂の含有割合を多くしたクリアインキは、例えば保護クリア層として用いた場合に下層の色インキ層との界面で密着性が低下しやすい。しかしながら、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まずガラス転移温度(Tg)が40℃~70℃の樹脂(B)を併用し、かつ樹脂(A)と樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))を90/10~10/90とすることで、下層の色インキ層との密着性が向上することが判明した。
[樹脂(A)]
(炭素数9以上の芳香族含有モノマー)
樹脂(A)は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を有する。芳香族含有モノマーの炭素数は、他のモノマーとの共重合性の観点から、20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
炭素数9以上の芳香族含有モノマーは、(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーであることが好ましい。芳香族含有モノマーが、(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーであると、透明性が向上する傾向にある。透明性が向上すると、光沢性も向上する。
また、(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーはベンジル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基又はアントラセニル基を有することが好ましく、印刷性の観点からベンジル基を有する(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーであることがより好ましい。
これらの炭素数9以上の芳香族含有モノマーは、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
樹脂(A)は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%以上含み、45質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましい。樹脂(A)は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を60質量%以上含んでもよく、70質量%以上含んでもよく、80質量%以上含んでもよく、85質量%以上含んでもよい。樹脂(A)が炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%以上含むと、硬化物としたときの光沢性が優れる。
また、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を90質量%以下で含む。樹脂(A)における炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位の含有率が90質量%以下であると、樹脂製造時の重合性に優れる。
樹脂(A)における、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位の含有率は、40質量%~90質量%であり、45質量%~90質量%であることが好ましく、50質量%~90質量%であることが好ましい。
(その他のモノマー)
樹脂(A)は、炭素数9以上の芳香族含有モノマー以外のその他のモノマーに由来する構成単位をさらに有していてもよい。その他のモノマーは、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
その他のモノマーとしては、カルボキシ基含有モノマー、及び水酸基含有モノマーが挙げられる。樹脂(A)がカルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の少なくとも1種を有すると、硬化性に優れる。カルボキシ基含有モノマー及び水酸基含有モノマーは、それぞれ(メタ)アクリルモノマーであることが好ましい。
水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチル-3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-3-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-3-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
樹脂(A)がカルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の少なくとも1種を有する場合、樹脂(A)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。当含有率が5質量%以上であると、硬化性、耐候性、及び耐薬品性に優れる傾向がある。
また、樹脂(A)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、20質量%以下であってもよく、15質量%以下であってもよい。当含有率が20質量%以下であると、硬化物としたときの光沢性に優れる傾向がある。
樹脂(A)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、5質量%~20質量%であってもよく、10質量%~20質量%であってもよい。
さらに、その他のモノマーとして、アルキル(メタ)アクリレートモノマーを用いてもよい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。
硬化物としたときの光沢性の観点から、樹脂(A)における、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位の含有率は、0質量%~10質量%であることが好ましく、0質量%~5質量%であることが好ましい。
(ガラス転移温度)
樹脂(A)のガラス転移温度は、30℃以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が30℃以上であると、印刷性に優れる傾向がある。
また、樹脂(A)のガラス転移温度は、75℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましく、60℃以下であることがより好ましく、50℃以下であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が75℃以下であると、積層体とした際にタックが抑えられ、耐ブロッキング性が向上する傾向がある。
樹脂(A)のガラス転移温度は、30℃~75℃であることが好ましい。
樹脂(A)のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置により測定することができる。
(分子量)
樹脂(A)の重量平均分子量は、5,000以上であることが好ましく、7,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。樹脂(A)の重量平均分子量が5,000以上であると、樹脂組成物が適度な粘度となり、印刷性に優れる傾向がある。
また、樹脂(A)の重量平均分子量は、30,000以下であることが好ましく、25,000以下であることがより好ましく、20,000以下であってもよい。樹脂(A)の重量平均分子量が30,000以下であると、樹脂組成物が適度な粘度となり、印刷性に優れる傾向がある。
樹脂(A)の重量平均分子量は、5,000~30,000であることが好ましい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて標準ポリスチレン換算法により求めることができる。より詳しくは、GPC分析システム装置として東ソー(株)製「HLC-8220」を用い、カラムとして東ソー(株)製「TSKgel Super Multipore HZ-H」を直列に2本接続し、検出器としてGPC分析システム装置に組込まれた示差屈折率計(RI)を用い、移動相にテトラヒドロフランを用い、流速0.35mL/分、カラム温度40℃の条件で重量平均分子量を求めることができる。
[樹脂(B)]
樹脂(B)は、(メタ)アクリル系であって、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まず、ガラス転移温度が40℃~70℃であれば、特に限定されない。樹脂(B)のガラス転移温度が70℃以下であると、硬化物としたときの密着性に優れる。また、樹脂(B)のガラス転移温度が40℃以上であると、スクリーン印刷の際の版離れが良好となり、印刷性に優れる。
樹脂(B)のガラス転移温度は、41℃以上であることが好ましい。また、樹脂(B)のガラス転移温度は、68℃以下であることが好ましく、66℃以下であることがより好ましい。
樹脂(B)のガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置により測定することができる。
樹脂(B)は、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まず、(メタ)アクリル系モノマーに由来する構成単位で構成されていればよく、(メタ)アクリル系モノマーは、カルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、アルキル(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。樹脂(B)におけるカルボキシ基を有する(メタ)アクリルモノマー、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー、及びアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、樹脂(A)で説明したものを同様に用いることができる。
樹脂(B)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。当含有率が5質量%以上であると、硬化性に優れる傾向がある。
また、樹脂(B)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、20質量%以下であってもよく、15質量%以下であってもよい。当含有率が20質量%以下であると、硬化性に優れ、硬化物としたときの耐候性及び耐薬品性に優れる傾向がある。
樹脂(B)における、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位及び水酸基含有モノマーに由来する構成単位の総量の含有率は、5質量%~20質量%であってもよく、10質量%~20質量%であってもよい。
樹脂(B)における、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位の含有率は、40質量%以上含むことが好ましく、50質量%以上含むことがより好ましく、60質量%以上含んでいることがさらに好ましい。樹脂(B)は、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を70質量%以上含んでもよく、80質量%以上含んでもよく、85質量%以上含んでもよい。樹脂(B)がアルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を40質量%以上含むと、硬化物としたときの密着性に優れる。
また、樹脂(B)はアルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を95質量%以下で含んでもよく、90質量%以下で含んでもよい。
樹脂(B)における、アルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位の含有率は、40質量%~95質量%であることが好ましく、50質量%~90質量%であることが好ましい。
樹脂(B)の重量平均分子量は、1,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、5,000以上であってもよく、7,000以上であってもよい。樹脂(B)の重量平均分子量が1,000以上であると、樹脂組成物が適度な粘度となり、印刷性に優れる傾向がある。
また、樹脂(B)の重量平均分子量は、25,000以下であることが好ましく、22,000以下であることがより好ましく、20,000以下であってもよく、18,000以下であってもよい。樹脂(B)の重量平均分子量が25,000以下であると、樹脂組成物が適度な粘度となり、印刷性に優れる傾向がある。
樹脂(B)の重量平均分子量は、1,000~25,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量は、樹脂(A)の重量平均分子量と同様の方法で測定することができる。
[樹脂(A)及び樹脂(B)]
(質量比率)
本開示の樹脂組成物は、樹脂(A)と樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、90/10~10/90である。樹脂(B)に対する樹脂(A)の質量比率が10以上であると、光沢性に優れる。樹脂(B)に対する樹脂(A)の質量比率が90以下であると、密着性に優れる。樹脂(A)/樹脂(B)は85/15~15/85であることが好ましく、80/20~20/80であることがより好ましく、80/20~40/60であることがさらに好ましい。
[その他の樹脂]
本開示の樹脂組成物は、樹脂(A)及び樹脂(B)以外のその他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、当該分野における公知の樹脂を挙げることができる。但し、本発明の効果を効果的に奏する観点からは、樹脂全体におけるその他の樹脂の占める割合は、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
つまり、樹脂全体における樹脂(A)及び樹脂(B)の総量の含有率は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
[その他の成分]
本開示の樹脂組成物は、樹脂以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、架橋剤、溶剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、光輝剤、フィラー等が挙げられる。
(架橋剤)
架橋剤としては特に限定されないが、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物の多量体であることが好ましい。1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びこれらの水添物、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、並びにイソホロンジイソシアネートが挙げられる。上記の中でも、黄変が抑制される観点からHMDIが好ましい。架橋剤は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
架橋剤を用いる場合、樹脂組成物中の架橋剤の含有量は、架橋剤中の架橋性基が樹脂(A)の架橋性官能基に対して0.8~1.1当量となる量であることが好ましい。例えば、樹脂(A)100質量部に対して、1質量%~20質量%であってもよい。
(溶剤)
溶剤としては、シクロヘキサノン、イソホロン、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ミネラルスピリット、ケロシン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、1,2,4-トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、及びクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤が挙げられる。溶剤は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
樹脂組成物をスクリーン印刷に用いる際には、蒸発速度比が0.3以下の溶剤を用いることが好ましい。ここで蒸発速度比とは、酢酸ブチルの蒸発速度を1とした際の各溶剤の相対的な速度の値である。溶剤の蒸発速度比の数値が小さいほど、蒸発速度は遅いという関係にある。樹脂組成物が蒸発速度比で0.3以下の溶剤を含む場合、スクリーン印刷時の版乾きが抑制され、作業性が向上する傾向にある。
(レベリング剤)
レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤、ケイ素系レベリング剤、アクリル系レベリング剤等が挙げられる。樹脂組成物がレベリング剤を含む場合、レベリング剤が樹脂組成物の乾燥時に塗膜表面に配向し、塗膜の表面張力を均一化することで、浮きまだらやハジキなどの外観不良が防止されるとともに、基材フィルムとの濡れが改善される。レベリング剤として具体的には、例えば、「ポリフロー」(共栄社化学(株)製のアクリル系レベリング剤)、「ディスパロン」(楠本化成(株))、「BYK」(ビックケミー・ジャパン)等が挙げられる。レベリング剤は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
(消泡剤)
消泡剤、紫外線吸収剤、及び光安定剤としては、公知のものを適宜使用することができる。消泡剤としては、例えば、「DOWSIL」(ダウ・東レ(株)、シリコーン系消泡剤)、「信越シリコーン」(信越化学工業(株))、TSF451シリーズおよびTFH450シリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)等が挙げられる。消泡剤は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
消泡剤を用いる場合、消泡剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部~0.5質量部であることが好ましい。
(紫外線吸収剤、光安定剤)
紫外線吸収剤及び光安定剤としては、それぞれ公知のものを適宜使用することができる。紫外線吸収剤としては、例えば、「Tinuvin400」(BASF社)等が挙げられる。光安定剤としては、例えば、「Tinuvin770」(BASF社)等が挙げられる。紫外線吸収剤、及び光安定剤は、それぞれ1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
紫外線吸収剤を用いる場合、紫外線吸収剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、1質量部~3質量部であることが好ましい。光安定剤を用いる場合、光安定剤の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、1質量部~3質量部であることが好ましい。紫外線吸収剤と光安定剤を併用する場合、紫外線吸収剤と光安定剤の総量は、樹脂(A)100質量部に対して、2質量部~6質量部であることが好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、公知のものを適宜使用することができるが、顔料が好ましい。
(用途等)
樹脂(A)組成物は、各種の塗工層の形成に用いることができ、保護クリア層の形成に好ましく用いることができる。樹脂組成物の塗工方法は特に制限されず、スクリーン印刷、グラビア印刷、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装等により行うことができる。
<積層体>
本開示の積層体は、基材と、基材に積層される上記説明の樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層と、を備える。積層体は、必要に応じて被着体に貼着するための粘着剤層、接着剤層等の他の部材を含んでもよい。また、樹脂層と基材との間に印刷層を設けてもよい。
基材の材質は特に制限されない。例えば、樹脂、金属、セラミックス、紙、木材、これらの組み合わせ等が挙げられる。基材の厚みは特に制限されず、用途に応じて選択できる。基材の厚みは、例えば、20μm~500μmの範囲とすることができ、30μm~100μmの範囲であることが好ましい。
基材として使用可能な樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(エチレン-テトラフルオロエチレン)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。2種類以上の樹脂を併用する場合は、混合して用いても、樹脂の異なる2種類以上の基材を組み合わせて用いてもよい。
上記の中でも、ポリ塩化ビニルは、樹脂層との密着性に優れるため、積層体からの樹脂層の剥離が抑制される傾向にある。
樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層は、上述した樹脂組成物を基材又は必要に応じて設けられる印刷層の上に塗工し、硬化させることで形成される。樹脂組成物の塗工方法は特に制限されず、スクリーン印刷、グラビア印刷、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、スプレー塗装、静電塗装、浸漬塗装等が挙げられる。中でも、スクリーン印刷が好ましい。樹脂組成物を硬化させる方法は特に制限されず、熱風乾燥、オーブン、ホットプレート等を使用して行うことができる。
樹脂層の厚みは特に制限されず、用途に応じて選択できる。例えば、1μm~100μmの範囲とすることができ、3μm~20μmの範囲であることが好ましい。
積層体が樹脂層と基材との間に印刷層を含む場合、印刷層の形成方法は特に制限されない。例えば、樹脂、着色剤、溶剤等を含む樹脂組成物を基材上にスクリーン印刷等の方法で付与し、必要に応じて乾燥、硬化等の工程を経ることによって形成される。
本開示の積層体における樹脂層は、印刷性に優れ塗工時の発泡が抑えられ、かつ光沢性及び耐候性に優れている。このため、例えば、車両の車体や屋外に設置された物体に貼り付けるためのフィルム、ステッカー等としての使用に適している。
以下、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)基材の準備
[基材]
基材として、粘着加工したポリ塩化ビニルフィルム(日本カーバイド工業(株)製、商品名「ハイエスカル0010H)を使用した。
(2)色インキの印刷
赤インキとして、(帝国インキ造製(株)製、商品名「VK911」)、青インキとして、(帝国インキ製造(株)製、商品名「VK391」)、緑インキとして、(帝国インキ製造(株)製、商品名「VK791」)、黄インキとして、(帝国インキ製造(株)製、商品名「VK247」)、白インキとして、(帝国インキ製造(株)製、商品名「VK661」)、黒インキとして、(帝国インキ製造(株)製、商品名「VK911」)を用いた。
各色のそれぞれのインキ70質量部に対して、ブチルセロソルブアセテート(大伸化学(株)製)/ソルベッソ100(エクソンモービル・ジャパン合同会社製)=50/50体積%混合溶剤を30質量部添加して各色の色インキを調製した。調製した色インキを基材に印刷し、インク層を形成した。
(3)樹脂組成物の調製
ベンジルメタクリレート(炭素数11)を86.5質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを12.5質量部、及びアクリル酸を1質量部用いて共重合し、樹脂(A1)を合成した。得られた樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は12,000であり、ガラス転移温度(Tg)は48℃であった。
また、メタクリル酸メチルを47質量部、n-ブチルアクリレートを7質量部、n-ブチルメタクリレートを32質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを13質量部、及びアクリル酸を1質量部用いて共重合し、樹脂(B1)を合成した。得られた樹脂(B1)の重量平均分子量(Mw)は18,000であり、及びガラス転移温度(Tg)は50℃であった。
樹脂(A1)の80質量部と樹脂(B1)の20質量部とを混合し、ここに消泡剤を0.20質量部、紫外線吸収剤を2.0質量部、光安定剤を2.0質量部添加した組成物を調製した。この組成物にHMDI系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHK」、固形分100.0質量%)を14質量部、希釈溶剤として、ブチルセロソルブアセテート(大伸化学(株)製)/ソルベッソ100(エクソンモービル・ジャパン合同会社製)=50/50体積%混合溶剤を11質量部添加し、実施例1の樹脂組成物を調製した。
(4)樹脂層の形成
基材上に、又は下地層としてのインク層上に、(株)セリアコーポレーションのセミオートのスクリーン印刷機を用いて厚み7μmになるように180メッシュで上記の樹脂組成物を印刷した。印刷条件は、スキャンスピード:300mm/sec、スキージ印圧:0.2MPa、スキージ硬度:70~75°、スキージ押込み量:0.5mm、スキージ角度:70°、クリアランス:4.00mmとした。塗工後、熱風乾燥機を用いて80℃雰囲気下にて60分間の加熱乾燥を行い、樹脂層を形成した。基材上に樹脂層を形成したサンプルをサンプル1、インク層上に樹脂層を形成したサンプルをサンプル2とする。
(5)評価
(5-1)光沢性
サンプル2について、JIS Z 8741:1997に基づいて、オールインワン光沢計IQ(Rhopoint Instrument社製)を使用して、受光角60°で光沢度を測定した。
測定したサンプルはA4サイズのシートで、上部、中部、下部でそれぞれ左、中央、右で計N=9で測定し、平均値で評価を行った。評価基準は以下のとおりである。なお、下記の評価基準で判断するに際し、各色のインク層を有するサンプル中で最も低い光沢度となった色のサンプルを評価対象とした。具体的には実施例1では、黒インキのインク層を有するサンプルの光沢度について下記評価基準で光沢性を判断した。評価結果を表2に示す。
-評価基準-
A:光沢度Gs(60°)が93.0以上である。
B:光沢度Gs(60°)が89.5%以上93.0%未満である。
F:光沢度Gs(60°)が89.5%未満である。
(5-2)印刷性
サンプル1の作製において、樹脂組成物を印刷した直後又は乾燥した直後の外観を観察し、印刷性を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表2に示す。
-評価基準-
A:乾燥直後、外観上問題無し。
B:乾燥直後、ゆず肌や発泡がある。
F:印刷直後に発泡があるか、スクリーン版離れが悪い。
(5-3)耐候性
サンプル1を促進耐候性試験機(サンシャインウェザーメーター、S-WOM)に1000時間入れた後、外観を観察して耐候性を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表2に示す。
-評価基準-
A:外観上問題無し。
F:黄変が発生するか、光沢度が著しく低下している。
(5-4)密着性
サンプル2の離型処理フィルムを剥がして、アルミニウム基板を貼り合わせ、48時間後にJIS K5400:1990に準じて「セロテープ」(登録商標)(ニチバン株式会社)を樹脂層に貼り、このセロテープ(登録商標)の1mm碁盤目100個をそれぞれ90度方向に急激に剥がして、樹脂層とインク層との間の剥がれの個数を確認した。表2に結果を示す。表2において「100/100」は、100個の測定個数のうち、外観上剥がれが一個も見られなかったことを意味する。
評価基準は以下のとおりである。なお、下記の評価基準で判断するに際し、各色のインク層を有するサンプル中で最も密着性が低い色のサンプルを評価対象とした。評価結果を表2に示す。
-評価基準-
A:100/100
B:90/100以上100/100未満
F:90/100未満か、碁盤目外で剥がれがあった
表2中、※は、碁盤目外で剥がれがあったことを示す。
〔実施例2〕
樹脂(B1)に代えて、メタクリル酸メチル57質量部、n-ブチルアクリレート7質量部、n-ブチルメタクリレート22質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート13質量部、及びアクリル酸を1質量部に変更した樹脂(B2)を用いた以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。樹脂(B2)は、重量平均分子量(Mw)が16,000であり、ガラス転移温度(Tg)は65℃であった。
〔実施例3〕
樹脂(B1)に代えて、メタクリル酸メチル37質量部、n-ブチルアクリレート7質量部、n-ブチルメタクリレート42質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート13質量部、及びアクリル酸を1質量部に変更した樹脂(B3)を用いた以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。樹脂(B3)は、重量平均分子量(Mw)が18,000であり、ガラス転移温度(Tg)は42℃であった。
〔実施例4〕
樹脂(A1)と樹脂(B1)の配合比率(樹脂(A)/樹脂(B))を60/40に変更した以外は、製造例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔実施例5〕
樹脂(A1)と樹脂(B1)の配合比率(樹脂(A)/樹脂(B))を40/60に変更した以外は、製造例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔実施例6〕
樹脂(A1)と樹脂(B1)の配合比率(樹脂(A)/樹脂(B))を20/80に変更した以外は、製造例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔実施例7〕
樹脂(A1)と樹脂(B1)の配合比率(樹脂(A)/樹脂(B))を10/90に変更した以外は、製造例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔実施例8〕
樹脂(A1)と樹脂(B1)の配合比率(樹脂(A)/樹脂(B))を90/10に変更した以外は、製造例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔実施例9〕
樹脂(A1)に代えて、ベンジルアクリレート(炭素数10)86.5質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.5質量部、及びアクリル酸1質量部に変更した樹脂(A2)を用いた以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。樹脂(A2)は、重量平均分子量(Mw)が12,000であり、ガラス転移温度(Tg)は47℃であった。
〔実施例10〕
樹脂(A1)に代えて、フェニルメタクリレート(炭素数10)86.5質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.5質量部、及びアクリル酸1質量部に変更した樹脂(A3)を用いた以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。樹脂(A3)は、重量平均分子量(Mw)が12,000であり、ガラス転移温度(Tg)は38℃であった。
〔比較例1〕
実施例1の樹脂組成物の調製において、樹脂(A)を用いず、樹脂(B)の100質量部に、消泡剤を0.50質量部、UVAを2.0質量部、HALSを2.0質量部添加した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例2〕
スチレンモノマー50質量部、メタクリル酸メチル31.5質量部、n-ブチルアクリレート5質量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート12.5質量部、及びアクリル酸1.0質量部用いて共重合し、スチレン系樹脂(S)を合成した。得られたスチレン系樹脂(S)の重量平均分子量(Mw)は13,000であり、ガラス転移温度(Tg)は45℃であった。
得られたスチレン系樹脂(S)の100質量部に、消泡剤を0.50質量部、UVAを2.0質量部、HALSを2.0質量部添加した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例3〕
樹脂(A1)をスチレン系樹脂(S)(炭素数8)に変更した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例4〕
実施例1の樹脂組成物の調製において、樹脂(B1)を用いず、樹脂(A1)の100質量部に、消泡剤を0.50質量部、UVAを2.0質量部、HALSを2.0質量部添加した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例5〕
メタクリル酸メチルを67質量部、n-ブチルアクリレートを7質量部、n-ブチルメタクリレートを12質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを13質量部、及びアクリル酸を1質量部用いて共重合し、樹脂(B-1)を合成した。得られた樹脂(B-1)の重量平均分子量(Mw)は16,000であり、及びガラス転移温度(Tg)は75℃であった。
樹脂(B1)を樹脂(B-1)に変更した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例6〕
メタクリル酸メチルを27質量部、n-ブチルアクリレートを7質量部、n-ブチルメタクリレートを52質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを13質量部、及びアクリル酸を1質量部用いて共重合し、樹脂(B-2)を合成した。得られた樹脂(B-2)の重量平均分子量(Mw)は16,000であり、及びガラス転移温度(Tg)は35℃であった。
樹脂(B1)を樹脂(B-2)に変更した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。
〔比較例7〕
ベンジルメタクリレートを69.2質量部、メタクリル酸メチルを9.4質量部、n-ブチルアクリレートを1.4質量部、n-ブチルメタクリレートを6.4質量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレートを12.6質量部、及びアクリル酸を1質量部用いて共重合し、樹脂(C)を合成した。得られた樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は13,000であり、及びガラス転移温度(Tg)は39℃であった。
得られた樹脂(C)の100質量部に、消泡剤を0.50質量部、UVAを2.0質量部、HALSを2.0質量部添加した以外は実施例1と同様にしてサンプル1及び2を作製し、実施例1と同様の方法で評価を行った。

表2の結果より、実施例1~10の樹脂組成物は印刷性に優れ、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性に優れることがわかった。
他方、本開示の樹脂(A)を用いない比較例1は、光沢性が実施例よりも劣っていた。また、スチレン系樹脂(S)を用いた比較例2は、光沢性は優れていたものの本開示の樹脂(B)を含有しないため、密着性が実施例よりも劣っていた。また、比較例2では印刷時に発泡が確認され、印刷性が実施例よりも劣っていた。比較例3は樹脂(A)の代わりにスチレン系樹脂(S)を用いており、この場合には本開示の樹脂(B)を併用しているにもかかわらず、印刷性が実施例よりも劣っていた。スチレン系樹脂(S)を用いる比較例2及び比較例3は、耐候性についても実施例より劣っていた。比較例4は本開示の樹脂(A)を用いているものの、本開示の樹脂(B)を用いないため、密着性が実施例よりも劣っていた。
また、比較例5は樹脂(B-1)のガラス転移温度が70℃超のため、密着性が実施例よりも劣っていた。比較例6は樹脂(B-2)のガラス転移温度が40℃未満のため、印刷性が実施例よりも劣っていた。そのため、比較例6では、硬化物としたときの光沢性、耐候性及び密着性が評価できなかった。
比較例7で用いた樹脂は、炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%~90質量%含んでおり、樹脂(B)の機能が期待されるようなアルキル(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位をさらに含んでいるが、この樹脂を用いた場合には、密着性が実施例よりも劣っており、光沢性についても実施例よりも低下していた。この結果から、実施例1~10のように、高光沢性向上と密着性向上との機能を分離して、それぞれ樹脂(A)と樹脂(B)とに分けて含有させることが本発明の効果に寄与していることがわかる。

Claims (5)

  1. 炭素数9以上の芳香族含有モノマーに由来する構成単位を40質量%~90質量%含む樹脂(A)と、芳香族含有モノマーに由来する構成単位を含まない(メタ)アクリル系樹脂(B)とを含み、
    前記樹脂(B)は、ガラス転移温度が40℃~70℃であり、
    前記樹脂(A)と前記樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、90/10~10/90である、樹脂組成物。
  2. 前記樹脂(A)と前記樹脂(B)の質量比率(樹脂(A)/樹脂(B))が、80/20~80/20である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記芳香族含有モノマーが、(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーである、請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記芳香族含有モノマーが、ベンジル基を有する(メタ)アクリレート系芳香族含有モノマーである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 基材と、前記基材に積層される請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物を含む樹脂層と、を備える積層体。
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