JP2023135880A - 澱粉含有食品用品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、澱粉含有食品において、保管時に低温であっても、麺と麺または米飯と米飯の付着を抑制、すなわちほぐれ性が良好であり、かつ、油脂由来の光沢が抑制された良好な外観を有する、澱粉含有食品用品質改良剤を提供することを課題とする。【解決手段】本発明により、油脂0.1~14.9質量%、及び、(A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C)有機酸モノグリセリドの乳化剤を合計で99.9~85.1質量%含有する油脂組成物を、澱粉含有食品用品質改良剤として用いることで、保管時に低温であっても、ほぐれ性が良好であり、かつ、油脂由来の光沢が抑制された良好な外観を有する、澱粉含有食品用品質改良剤を提供できることを見いだした。【選択図】なし

Description

本発明は、澱粉含有食品に用いる品質改良剤に関するものである。
近年の食の多様化により、加工食品のニーズが増大している。特に麺類や米飯類に代表される澱粉含有食品は、大量に加工及び調理され、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店で販売され、多くの消費者に食されている。
これら流通や市販される加工食品において、特に問題となるのが加工の利便性と時間の経過による品質劣化である。
麺類、米飯等の澱粉含有食品は、加工・調理の際、食品表面に澱粉質が流出し、食品同士が結着してしまう。その結果、麺製品であれば、麺同士の付着により、一食分に小分けしたり、喫食時に汁やソースと混ぜたりすることが困難になる。低温での保管時に起こる、麺と麺の付着または米飯と米飯の結着性を抑制し、喫食時に箸やスプーンで一口分を持ち上げることができる、すなわちほぐれ性を改善するために、ほぐれ剤と呼称される品質改良剤が使用される場合がある。
澱粉含有食品に用いるほぐれ剤としては、例えば特許文献1~3が存在する。特許文献1には、「構成脂肪酸が中鎖脂肪酸であるトリグリセリドを15~99.9質量%、ポリグリセリン脂肪酸エステルを0.1~3質量%含有し、前記中鎖脂肪酸が、炭素数6~12の直鎖飽和脂肪酸であることを特徴とする、炊飯用油脂組成物」について記載されている。
また特許文献2には、「油脂とポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する麺用ほぐれ剤であって、該油脂が、トリグリセリドの構成脂肪酸の35~100質量%が、炭素数6~10の中鎖脂肪酸であり、該ポリグリセリン脂肪酸エステルがHLB3~10であり、麺用ほぐれ剤の油溶性成分中に該油脂を20~90質量%、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを10~80質量%含有することを特徴とする、麺用ほぐれ剤」について記載されている。
特許文献3では、「油脂と乳化剤を含有する澱粉含有食品用ほぐれ剤であって、油脂を92.0~99.5質量%含有し、以下の乳化剤Aを0.2~1.0質量%、乳化剤Bを0.1~1.2質量%、乳化剤Cを0.1~5.0質量%、乳化剤Dを0.1~0.5質量%含有する、澱粉含有食品用ほぐれ剤」について記載されている。
特開2018-108052号公報 特開2019-141006号公報 特開2020-115782号公報
本発明は、澱粉含有食品において、保管時に低温であっても、麺と麺または米飯と米飯が付着しにくく、ほぐれ性が良好であり、かつ、澱粉含有食品において油脂由来の光沢が抑制された良好な外観を有する、澱粉含有食品用品質改良剤を提供することを課題とする。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売されている麺類や米飯類は、調理された後、冷蔵または冷凍温度帯で流通および保管される。低温時で保管されている際、時間の経過とともに、麺同士又は米飯同士が接着するという課題を有していた。一つの解決手段として、油脂を使用して麺類や米飯類をコーティングすることによって、麺同士または米飯同士の付着を抑制する方法があるが、油脂量が多い場合、麺類や米飯類が持つ、本来の風味及び外観を損ねてしまうという問題点があった。
なお、特許文献1~3では、ほぐれ剤中の油脂含有量が多く、澱粉含有食品である麺類や米飯類に、油脂由来の不自然な光沢やコクを生じさせるため、本発明において、参考とはならなかった。
そこで上記課題を解決すべく本発明者は鋭意研究を行った。その結果、油脂0.1~14.9質量%、及び、(A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C)有機酸モノグリセリドの乳化剤を合計で99.9~85.1質量%含有する油脂組成物を用いることで、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)油脂0.1~14.9質量%、及び、以下の(A)、(B)及び(C)の乳化剤の合計量が99.9~85.1質量%を含有する油脂組成物を含む、澱粉含有食品用品質改良剤、
(A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル、
(B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル、
(C)有機酸モノグリセリド、
(2)該油脂が、30℃で流動性を有する油脂である、(1)記載の品質改良剤、
(3)該油脂が中鎖脂肪酸トリグリセリドである、(1)又は(2)に記載の品質改良剤、
(4)該油脂組成物が水中油型乳化物である、(1)~(3)いずれか1項に記載の品質改良剤、
(5)(1)~(4)いずれか1項に記載の品質改良剤を含む、澱粉含有食品、
である。
本発明によれば、澱粉含有食品において、保管時に低温であっても、麺と麺または米飯と米飯の付着が抑制され、ほぐれ性が良好であり、かつ、澱粉含有食品において油脂由来の光沢が抑制された良好な外観を有する、澱粉含有食品用品質改良剤を提供することができる。
さらに、本発明における品質改良剤を用いることで、風味が良好な澱粉含有食品を提供することができる。
(澱粉含有食品)
本発明の澱粉含有食品とは、米,小麦,大麦,稗,粟,とうもろこしや、キャッサバ、馬鈴薯,甘藷等について、それらをそのまま、またはその粉砕品を、あるいはそれから得た澱粉を用いた、各種食品を指す。
また、米や大麦の加工品として米飯、麦飯、おにぎり、寿司、ピラフ、チャーハン、炊き込みご飯、混ぜご飯等が例示できる。
また、小麦粉,米や米粉,または他の穀物に由来する、澱粉を主要原料として生地を茹でることによって製造される食品として、例えば、麺類が挙げられ、乾麺、生麺、パスタ、そば、うどん、中華麺、素麺、即席麺等が例示できる。
本発明では、麺類や米飯類であることが好ましく、特に、そば、うどん、中華麺、パスタ等の麺類、ご飯、チャーハン、カレーライス、丼物等の飯類であることが好ましい。
これらの澱粉含有食品には、家庭で調理されるものを始めその場で食べることを目的とする最終商品型の加工食品や食べる際に調理の必要な半製品が含まれ、常温、冷蔵、冷凍、氷温等の方法で市場に流通している食品が含まれる。
(澱粉含有食品用品質改良剤)
本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、油脂及び所定の乳化剤を含む油脂組成物である必要がある。乳化剤は、(A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C)有機酸モノグリセリドを使用する必要がある。
本発明において、澱粉含有食品用品質改良剤中に油脂、及び、乳化剤(A)、(B)、及び(C)を含有することにより、澱粉含有食品の付着が抑制され、ほぐれ性が良好である澱粉含有食品用品質改良剤を得ることができる。
本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、油脂を0.1~14.9質量%、及び乳化剤(A)、(B)、及び(C)を合計で99.9~85.1質量%を含む油脂組成物である必要がある。より好ましくは油脂を1~10質量%、及び乳化剤を合計で99~90質量%含有することが好ましい。所定量の油脂及び乳化剤を含有することで、澱粉含有食品の付着が抑制され、ほぐれ性が良好である澱粉含有食品用品質改良剤を得ることができる。
(油脂)
本発明の澱粉含有食品用改良剤に含有する油脂は、動植物油脂、グリセリンと脂肪酸から合成した油脂及びそれらの分別油、エステル交換油、水素添加油などを単独あるいは組み合わせて用いることができる。
動植物油脂は、例えば、大豆油、なたね油、ハイオレイックなたね油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、コーン油、綿実油、米油、ゴマ油、エゴマ油、亜麻仁油、落花生油、グレープシード油、牛脂、乳脂、魚油、ヤシ油、パーム油、パーム核油などが挙げられる。
グリセリンと脂肪酸から合成した油脂は、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などが挙げられる。
分別油は、例えば、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パームステアリン、パームミッドフラクションなどのパーム油の分別油が挙げられる。
エステル交換油としては、パーム油あるいはパーム油の分別油と他の液状油脂のエステル交換油、あるいはMCTと植物油などとのエステル交換油を用いることができる。
水素添加油は、動植物油、動植物油の分別油の水素添加油の他、エステル交換油の水素添加油などが挙げられる。
本発明で用いる油脂は、30℃で流動性を有する態様のものが好ましい。原料油脂の一部が30℃で固体であっても、他の原料油脂と併用して用いることによって、油脂全体として流動性を有していれば好適に使用できる。20℃で流動性を有する油脂がより好ましく、20℃で液状である油脂がさらに好ましい。特に、融点の低い液状油でありながら、酸化安定性も良好であるという利点を有することから、なたね油、パームオレイン、これらの混合物などを好適に使用することができる。特に、本発明では、油脂は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を使用することが好ましい。
(乳化剤)
本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、以下の乳化剤(A)、(B)、及び(C)を含有する必要がある。以下に詳細を説明する。
本発明では、HLBが5~10であるポリグリセリン脂肪酸エステルである乳化剤(A)を含有する。乳化剤(A)は、HLBが6~8であることがより好ましい。また乳化剤(A)を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、ベヘン酸などが挙げられる。本発明の澱粉含有食品用品質改良剤に乳化剤(A)を含有することで、澱粉含有食品である麺表面または米粒表面を被覆することで、澱粉同士の接着を抑制できる。
また、乳化剤(A)は、澱粉含有食品用品質改良剤中に25~50質量%含有することが好ましく、より好ましくは30~45質量%、更に好ましくは35~40質量%含有することが好ましい。
また、本発明では、HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステルである乳化剤(B)を含有する。乳化剤(B)は、HLBが14~16であることがより好ましい。澱粉食品に乳化剤を含有する油脂組成物においては、水相への分散性が重要であり、乳化剤(B)を使用する必要がある。乳化剤(B)を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、ベヘン酸などが挙げられる。
また、乳化剤(B)は、澱粉含有食品用品質改良剤中に5~30質量%含有することが好ましく、より好ましくは10~20質量%、更に好ましくは12.5~15質量%含有することが好ましい。
本発明では、さらに有機酸モノグリセリドである乳化剤(C)を含有する。有機酸モノグリセリドを構成する有機酸としては、特に限定されるものではないが、クエン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、酪酸等を好適に使用できる。特にクエン酸モノグリセリドは、澱粉の改質効果に優れ高いほぐれ性が発揮されるため、好ましい。乳化剤(C)は、HLBが5~10であることが好ましく、より好ましくは5.5~9、更に好ましくは6~7であることが好ましい。
また、乳化剤(C)は、澱粉含有食品用品質改良剤中に25~50質量%含有することが好ましく、より好ましくは30~45質量%、更に好ましくは35~40質量%含有することが好ましい。
また、使用する乳化剤の割合は、乳化剤(A)、(B)、及び(C)の合計量が99.9~85.1質量%であれば、いずれの割合で使用することができるが、乳化剤(A):乳化剤(B):乳化剤(C)を1:1:1~5:1:5の割合で配合することが好ましく、より好ましくは1.2:1:1.2~4:1:4の割合で配合することが好ましい。特に、乳化剤(A):乳化剤(B):乳化剤(C)を3:1:3の割合で使用することが最も好ましい。本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、乳化剤(A):(B):(C)を3:1:3の割合で使用することで、より高いほぐれ性の効果を付与することができるものである。
なお、HLBは、親水性疎水性バランス(Hydrophile Lipophile Balance)の略であって、乳化剤が親水性か親油性かを知る指標となるもので、0~20の値をとる。HLB値が小さい程、親油性が強いことを示す。
また、HLB値の算出はアトラス法の算出法を用いる。アトラス法の算出法は、以下の式からHLB値を算出する方法を言う。
HLB=20×(1-S/A)
S:ケン化価
A:エステル中の脂肪酸の中和価
同算出方法では、HLB値は、算術平均として算出される。
本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、上記成分以外にも、本発明の効果を妨げない範囲で、澱粉含有食品用品質改良剤に一般的に配合される原材料を使用することができる。具体的には、増粘多糖類、pH調整剤、調味剤、着色料、香料、酸化防止剤、糖類、糖アルコール類、安定剤、乳化剤等を使用することができる。これらの成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、澱粉含有食品用品質改良剤中に好ましくは10質量%以下含有させることができ、より好ましくは0~3質量%、さらに好ましくは0~1質量%含有させることができる。
本発明の澱粉含有食品は、麺類あるいは飯類に本発明に係る澱粉含有食品用品質改良剤を塗布またはスプレーして、冷蔵又は冷凍する。本発明の澱粉含有食品用品質改良剤は、澱粉含有食品に塗布またはスプレーした後に、冷蔵又は冷凍しても、澱粉含有食品のほぐれ性を良好に維持することができる。澱粉含有食品用品質改良剤は、澱粉含有食品100質量部に対して、0.01~0.7質量部となるように塗布することが好ましく、0.05~0.5質量部となるように塗布することがより好ましい。該品質改良剤は、そのまま使用することができるが、塗布しやすくするため、水を用いて10倍希釈し、混合して水中油型乳化物の状態で使用することができる。澱粉含有食品用品質改良剤を10倍希釈する場合、澱粉含有食品100質量部に対して、希釈したものを0.1~7質量部となるように塗布することが好ましく、0.5~5質量部となるように塗布することがより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。なお、例中の%はいずれも質量基準を意味する。
○澱粉含有食品用品質改良剤の調製
表1~2の配合に従って、70℃で加熱し、均一に溶解するまで混合し、油脂組成物1~8の品質改良剤を得た。使用した原材料は以下の通りである。なお、油脂組成物1~8の品質改良剤を水で10倍に希釈して混合した各水中油型乳化物を、澱粉含有食品用品質改良剤として、ほぐれ性の検討に用いた。
・油脂(中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)からなる植物油脂)
・乳化剤(A):ポリグリセリン脂肪酸エステル、HLB7.3、「ポエムDO-100V」(理研ビタミン株式会社製)
・乳化剤(B):ポリグリセリン脂肪酸エステル、HLB15.5、「ポエムJ-0021」(理研ビタミン株式会社製)
・乳化剤(C):クエン酸モノグリセリド、HLB6、「ポエムK-37V」(理研ビタミン株式会社製)
表1.配合
Figure 2023135880000001
表2.配合
Figure 2023135880000002
なお、油脂0質量%、乳化剤(A)42.9質量%、乳化剤(B)14.2質量%、乳化剤(C)42.9質量%の場合は、粘度が高く、乳化剤が均一に混ざらなかったため、油脂組成物を調製することができなかった。
○澱粉含有食品でのほぐれ性の検討
市販の生麺(「マルちゃんの生ラーメン 醤油」東洋水産株式会社製)を2分間茹で、氷水で冷却した後、水を切った。油脂組成物1~8の品質改良剤を水で10倍に希釈し混合した水中油型乳化物1~8を、澱粉含有食品用品質改良剤として、ほぐれ性の検討に用いた。麺100質量部に対して希釈溶液を3質量部塗布してサンプル麺を得た。5℃にて24時間静置し、サンプル麺の外観、ほぐれ性、及び官能評価(風味)を評価し、合議にて点数の決定を行った。外観、ほぐれ性、及び官能評価(風味)の評価基準は以下の通りである。
なお、本評価におけるパネラーは、従前からほぐれ剤の研究に従事し、熟練したパネラー5名であった。
<外観>
5点:非常に良好(光沢が全く見られず、明らかに表面に透明感及び瑞々しさがみられる)
4点:良好(光沢が見られず、表面に透明感及び瑞々しさがみられる)
3点:許容できる
2点:やや不良(表面がくすみ、白濁して見える)
1点:不良(表面に不自然な光沢がみられる)
<ほぐれ性>
5点:非常に良好(箸を入れると、明らかに抵抗なくほぐれる)
4点:良好(箸を入れると抵抗なくほぐれる)
3点:許容できる
2点:やや不良(数回のほぐし動作でほぐれる)
1点:不良(別途他のほぐし剤を使用しないとほぐれない)
<官能評価>
5点:非常に良好(油脂特有のコクを感じず自然な風味)
4点:良好(油脂特有のコクをほぼ感じない)
3点:許容できる
2点:やや不良(油脂特有のコクをやや感じる)
1点:不良(油脂特有のコクを強く感じる)
各パネラーの評点の平均値を求めた。そして平均値より、
A:4.5点以上
B:3.5点以上4.5点未満
C:3.0点以上3.5点未満
D:1.5点以上3.0点未満
E:1.5点未満
の5段階で評価付けを行い、外観、ほぐれ性、及び官能評価(風味)のすべてがC評価以上のものを、合格品質とした。結果を表3~4に示した。
表3.評価結果
Figure 2023135880000003
表4.評価結果
Figure 2023135880000004
実施例1~7は、すべての評価項目において結果がC評価以上であり、合格であった。特に、実施例2が外観、ほぐれ性、及び官能評価(風味)の全項目でA評価であり、油脂10質量%、及び乳化剤(A)、(B)、及び(C)の合計量が90質量%であって、割合が乳化剤(A):(B):(C)=3:1:3であることで、特に良好な結果であった。また、実施例1~7の澱粉含有食品用品質改良剤を使用した澱粉含有食品は、いずれも風味が良好なものであった。
考察
以上の結果より、本発明において、油脂0.1~14.9質量%、及び、(A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル、及び(C)有機酸モノグリセリドの乳化剤を合計で99.9~85.1質量%含有する油脂組成物を、澱粉含有食品用品質改良剤として用いることで、保管時に低温であっても、ほぐれ性が良好であり、かつ、澱粉含有食品において油脂由来の光沢が抑制された良好な外観を有する、澱粉含有食品用品質改良剤を提供することができることを見出した。さらに、本発明における品質改良剤を用いることで、風味が良好な澱粉含有食品を提供できることを見出した。

Claims (5)

  1. 油脂0.1~14.9質量%、及び、以下の(A)、(B)及び(C)の乳化剤の合計量が99.9~85.1質量%を含有する油脂組成物を含む、澱粉含有食品用品質改良剤。
    (A)HLBが5~10のポリグリセリン脂肪酸エステル。
    (B)HLBが12~16のポリグリセリン脂肪酸エステル。
    (C)有機酸モノグリセリド。
  2. 該油脂が、30℃で流動性を有する油脂である、請求項1記載の品質改良剤。
  3. 該油脂が中鎖脂肪酸トリグリセリドである、請求項1又は2に記載の品質改良剤。
  4. 該油脂組成物が水中油型乳化物である、請求項1~3いずれか1項に記載の品質改良剤。
  5. 請求項1~4いずれか1項に記載の品質改良剤を含む、澱粉含有食品。
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