JP2023135336A - 積層セラミック電子部品、および積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品、および積層セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な耐湿性および信頼性を両立することができる積層セラミック電子部品およびその製造方法を提供する。【解決手段】 互いに対向して積層された複数の内部電極層12と、AサイトおよびBサイトを有する一般式ABO3で表されるペロブスカイト構造を有し、複数の内部電極層12を介して設けられた複数の誘電体層11と、複数の内部電極層12が互いに対向する領域である容量領域14の複数の内部電極層12の積層方向の上下に設けられ、複数の誘電体層11と同じ元素を主成分とする1対のカバー層13と、を備え、容量領域14は、積層方向の中央に位置する第1領域30と、第1領域30の外側に位置する1対の第2領域40とを有し、第1領域30におけるA/B比は、第2領域40におけるA/B比より大きく、カバー層13におけるA/B比は、第1領域30のA/B比より大きい。【選択図】 図4

Description

本発明は、積層セラミック電子部品、および積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
携帯電話を代表とする高周波通信用システムにおいて、ノイズを除去するために、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品が用いられている。
特開2011-124429号広報 特開2017-011172号公報
積層セラミック電子部品は、電気容量を有する容量領域と、容量領域を積層方向の上下から挟む1対のカバー層とを備えている。カバー層は、内部電極層からの金属成分の拡散量が少ないことから、容量領域に比べて緻密化温度が高く、容量領域に比べて十分に緻密化されずに耐湿性に問題が起きるおそれがある。カバー層の緻密化を促進させるために、ケイ素やマンガンをカバー層に添加する手法(特許文献1,2)も挙げられるが、容量領域にケイ素やマンガンが拡散し、誘電率低下や異常粒成長を引き起こし信頼性が低下するおそれがある。そのため、なるべくカバー層に添加剤を入れずに、カバー層と容量領域とを同組成に近づけることが好ましい。
他の方法として、Bサイト元素に対するAサイト元素のモル比率(A/B比)を容量領域よりもカバー層の方で大きくすることで、カバー層の緻密化温度を下げる手法が挙げられる。しかしながら、この場合、A/B比の差に起因してカバー層から容量領域へAサイト元素が拡散しやすくなり、容量領域に異常粒成長が生じやすくなり、信頼性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、良好な耐湿性および良好な信頼性を両立することができる積層セラミック電子部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層セラミック電子部品は、互いに対向して積層された複数の内部電極層と、AサイトおよびBサイトを有する一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有し、前記複数の内部電極層を介して設けられた複数の誘電体層と、前記複数の内部電極層が互いに対向する領域である容量領域の前記複数の内部電極層の積層方向の上下に設けられ、前記複数の誘電体層と同じ元素を主成分とする1対のカバー層と、を備え、前記容量領域は、前記積層方向の中央に位置する第1領域と、前記第1領域の外側に位置する1対の第2領域とを有し、前記第1領域におけるA/B比は、前記第2領域におけるA/B比より大きく、前記カバー層におけるA/B比は、前記第1領域のA/B比より大きい。
上記積層セラミック電子部品において、前記第1領域におけるA/B比は、0.98以下であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記第1領域におけるA/B比は、0.97以上であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記1対のカバー層のA/B比は、1.005以上1.010以下であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記1対の第2領域におけるA/B比は、0.96以下であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記1対の第2領域におけるA/B比は、0.95以上であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記複数の内部電極層が対向する方向における前記1対の第2領域の各々の厚さは、5μm以下であってもよい。
上記積層セラミック電子部品において、前記複数の誘電体層および前記1対のカバー層は、チタン酸バリウムを主成分としてもよい。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、AサイトおよびBサイトを有する一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミックを含む複数の第1セラミックグリーンシートを用意する工程と、前記セラミックを含み、前記複数の第1セラミックグリーンシートよりA/B比が小さい複数の第2セラミックグリーンシートを用意する工程と、前記セラミックを含み、前記複数の第1セラミックグリーンシートよりA/B比が大きい1対の第3セラミックグリーンシートを用意する工程と、前記複数の第1セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを形成する工程と、前記内部電極パターンが形成された前記複数の第1セラミックグリーンシートを積層する工程と、積層された前記複数の第1セラミックグリーンシートに前記複数の第2セラミックグリーンシートを積層する工程と、積層された前記複数の第2セラミックグリーンシートに前記1対の第3セラミックグリーンシートを積層して積層体を得る工程と、前記積層体を焼成する工程と、を含む。
上記積層セラミック電子部品の製造方法は、前記複数の第2セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを形成する工程を含んでいてもよい。
本発明によれば、良好な耐湿性および良好な信頼性を両立することができる積層セラミック電子部品およびその製造方法を提供することができる。
積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 容量領域の各部を説明するための図である。 積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。 (a)は内部電極形成工程を例示する図であり、(b)は圧着工程を例示する図である。 (a)および(b)はサイドマージン形成工程を例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、図1のB-B線断面図である。図1~図3で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、略直方体形状を有する素体10と、素体10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、素体10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、素体10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。
なお、図1~図3において、X軸方向は、素体10の長さ方向であって、素体10の2端面が対向する方向であり、外部電極20aと外部電極20bとが対向する方向である。Y軸方向は、内部電極層の幅方向であり、素体10の2側面が対向する方向である。Z軸方向は、積層方向であり、素体10の上面と下面とが対向する方向である。X軸方向と、Y軸方向と、Z軸方向とは、互いに直交している。
素体10は、誘電体として機能するセラミック材料を含む誘電体層11と、内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、素体10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。それにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。その結果、積層セラミックコンデンサ100は、複数の誘電体層11が内部電極層12を介して積層された構成を有する。また、誘電体層11と内部電極層12との積層体において、積層方向の最外層には内部電極層12が配置され、当該積層体の上面および下面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。なお、内部電極層12が異なる2つの面に露出して、異なる外部電極に導通していれば、図1から図3の構成に限られない。
積層セラミックコンデンサ100のサイズは、例えば、長さ0.25mm、幅0.125mm、高さ0.125mmであり、または長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mm、または長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであり、または長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmであり、または長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.6mmであり、または長さ4.5mm、幅3.2mm、高さ2.5mmであるが、これらのサイズに限定されるものではない。
内部電極層12は、ニッケル(Ni),銅(Cu),スズ(Sn)等の卑金属を主成分とする。内部電極層12として、白金(Pt),パラジウム(Pd),銀(Ag),金(Au)などの貴金属やこれらを含む合金を用いてもよい。内部電極層12の厚みは、例えば、0.1μm以上3μm以下であり、0.1μm以上1μm以下であり、0.1μm以上0.5μm以下である。
誘電体層11は、誘電体組成物であって、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含む。本実施形態では、当該セラミック材料として、チタン酸バリウム(BaTiO)を用いる。例えば、誘電体層11において、チタン酸バリウムは、90at%以上含まれている。誘電体層11の厚みは、例えば、0.2μm以上10μm以下であり、0.2μm以上5μm以下であり、0.2μm以上2μm以下である。
誘電体層11には、添加物が添加されていてもよい。誘電体層11への添加物として、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、希土類元素(イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb))の酸化物、または、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、リチウム(Li)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)もしくはケイ素(Si)を含む酸化物、または、コバルト、ニッケル、リチウム、ホウ素、ナトリウム、カリウムもしくはケイ素を含むガラスが挙げられる。
カバー層13は、誘電体組成物であって、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含む。本実施形態では、当該セラミック材料として、チタン酸バリウム(BaTiO)を用いる。例えば、カバー層13において、チタン酸バリウムは、90at%以上含まれている。カバー層13の厚みは、例えば、5μm以上15μm以下であり、20μm以上60μm以下であり、80μm以上100μm以下である。
カバー層13には、添加物が添加されていてもよい。カバー層13への添加物として、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、希土類元素(イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)およびイッテルビウム(Yb))の酸化物、または、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、リチウム(Li)、ホウ素(B)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)もしくはケイ素(Si)を含む酸化物、または、コバルト、ニッケル、リチウム、ホウ素、ナトリウム、カリウムもしくはケイ素を含むガラスが挙げられる。
図2で例示するように、外部電極20aに接続された内部電極層12と外部電極20bに接続された内部電極層12とが対向する領域は、積層セラミックコンデンサ100において電気容量を生じる領域である。そこで、当該電気容量を生じる領域を、容量領域14と称する。すなわち、容量領域14は、異なる外部電極に接続された隣接する内部電極層12同士が対向する領域である。
外部電極20aに接続された内部電極層12同士が、外部電極20bに接続された内部電極層12を介さずに対向する領域を、エンドマージン15と称する。また、外部電極20bに接続された内部電極層12同士が、外部電極20aに接続された内部電極層12を介さずに対向する領域も、エンドマージン15である。すなわち、エンドマージン15は、同じ外部電極に接続された内部電極層12が異なる外部電極に接続された内部電極層12を介さずに対向する領域である。エンドマージン15は、電気容量を生じない領域である。
図3で例示するように、素体10において、サイドマージン16は、誘電体層11および内部電極層12の2側面側の端部(Y軸方向の端部)を覆うように設けられた領域である。サイドマージン16も、電気容量を生じない領域である。
ここで、図2の容量領域14内の各部について説明する。図4で例示するように、容量領域14において、Z軸方向の中央部分を第1領域30と称する。容量領域14において、第1領域30よりもZ軸方向の外側に位置する1対の部分を第2領域40と称する。第1領域30および第2領域40は、少なくとも1層の誘電体層11を含んでおり、複数の誘電体層11を含んでいてもよい。
本実施形態においては、一般式ABOで表せるペロブスカイト構造を有するチタン酸バリウムにおけるA/B比、すなわち、チタン100molに対するバリウムのモル比率(Ba/Ti比)は、第1領域30よりもカバー層13の方が大きく、第1領域30よりも第2領域の方が小さくなっている。この構成によれば、カバー層13におけるBa/Ti比が大きくなることから、カバー層13の緻密化温度を低下させることができる。それにより、カバー層13のポア率が低下し、耐湿性が向上する。次に、Ba/Ti比が第1領域30よりも第2領域40の方が小さくなっていることから、カバー層13のバリウムは主として第2領域に拡散することになり、カバー層13から第1領域30へのバリウムの拡散は抑制されることになる。それにより、第1領域30における異常粒成長が抑制され、積層セラミックコンデンサ100の寿命が長くなり、信頼性が向上する。以上のことから、本実施形態によれば、良好な耐湿性および良好な信頼性を両立することができる。
なお、第1領域30におけるBa/Ti比がストイキオメトリ近傍であると、ジルコニウムの若干量の混入によってA/B比が1/1000単位でも変動すると、積層セラミックコンデンサ100の信頼性に大きく影響するおそれがある。そこで、第1領域30において、Ba/Ti比をストイキオメトリよりも小さくすることが好ましい。例えば、第1領域30におけるBa/Ti比は、0.980以下であることが好ましく、0.970以下であることがより好ましく、0.965以下であることがさらに好ましい。
一方、第1領域30におけるBa/Ti比が小さすぎると、第1領域30の緻密化温度が高温化し、十分に第1領域30を緻密化させることができないおそれがある。そこで、第1領域30におけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、第1領域30におけるBa/Ti比は、0.970以上であることが好ましく、0.973以上であることがより好ましく、0.975以上であることがさらに好ましい。
カバー層13におけるBa/Ti比が大きすぎると、カバー層13の緻密化温度が高温化し、カバー層13を十分に緻密化させることができないおそれがある。そこで、カバー層13におけるBa/Ti比に上限を設けることが好ましい。例えば、カバー層13におけるBa/Ti比は、1.010以下であることが好ましく、1.008以下であることが好ましく、1.006以下であることが好ましい。
一方、カバー層13におけるBa/Ti比が小さすぎると、カバー層13に異常粒成長が生じるおそれがある。そこで、カバー層13におけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、カバー層13におけるBa/Ti比は、1.005以上であることが好ましく、1.005以上であることがより好ましく、1.0055以上であることがさらに好ましい。
第2領域40におけるBa/Ti比が大きすぎると、カバー層13から第1領域30へのバリウムの拡散を十分に抑制できないおそれがある。そこで、第2領域40におけるBa/Ti比に上限を設けることが好ましい。例えば、第2領域40におけるBa/Ti比は、0.960以下であることが好ましく、0.955以下であることがより好ましく、0.950以下であることがさらに好ましい。
一方、第2領域40におけるBa/Ti比が小さすぎると、緻密化温度が高温化し、カバー層13の接合部を十分に緻密化することができないおそれがある。そこで、第2領域40におけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、第2領域40におけるBa/Ti比は、0.950以上であることが好ましく、0.960以上であることがより好ましく、0.970以上であることがさらに好ましい。
カバー層13におけるポア率が高いと、水分が侵入しやすくなり、積層セラミックコンデンサ100の耐湿性が低下するおそれがある。そこで、カバー層13におけるポア率に上限を設けることが好ましい。例えば、積層方向に沿った断面において、ポアの面積比率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。なお、カバー層13のポア率は、カバー層13の緻密化温度を低下させて緻密化を促進することで低下させることができる。
第1領域30における誘電体層11は、ジルコニウムおよびハフニウムの少なくともいずれか一方をペロブスカイト構造におけるBサイトに含んでいてもよい。例えば、ジルコニウムおよびハフニウムは、チタン酸バリウムのBサイトに置換固溶していてもよい。誘電体層11にジルコニウムおよびハフニウムの少なくともいずれか一方が含まれることによって、カバー層13から誘電体層11へのバリウムの拡散が抑制される。
各第2領域40のZ軸方向の厚みは、例えば、1μm以上5μm以下であり、3μm以上9μm以下であり、6μm以上15μm以下である。各第2領域40における誘電体層11の積層数は、第1領域30における誘電体層11の積層数の0.01倍以上0.05倍以下であり、0.03倍以上0.06倍以下であり、0.06倍以上0.10倍以下である。または、第2領域40は、容量領域14の最外層の誘電体層11だけのことを意味することもある。
なお、上記例ではA/B比の一例としてBa/Ti比に着目しているが、AサイトおよびBサイトの少なくともいずれか一方に他の元素が含まれる場合には、A/B比とは、Bサイト元素の合計に対するAサイト元素の合計のモル比率のことである。
続いて、積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。図5は、積層セラミックコンデンサ100の製造方法のフローを例示する図である。
(原料粉末作製工程)
まず、誘電体層11を形成するための誘電体材料を用意する。誘電体層11に含まれるAサイト元素およびBサイト元素は、通常はABOの粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。例えば、チタン酸バリウムは、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このチタン酸バリウムは、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。誘電体層11の主成分セラミックの合成方法としては、従来種々の方法が知られており、例えば固相法、ゾル-ゲル法、水熱法等が知られている。本実施形態においては、これらのいずれも採用することができる。
得られたセラミック粉末に、目的に応じて所定の添加化合物を添加する。添加化合物としては、ジルコニウム、ハフニウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、バナジウム、クロム、希土類元素(イットリウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウムおよびイッテルビウム)の酸化物、または、コバルト、ニッケル、リチウム、ホウ素、ナトリウム、カリウムもしくはケイ素を含む酸化物、または、コバルト、ニッケル、リチウム、ホウ素、ナトリウム、カリウムもしくはケイ素を含むガラスが挙げられる。
例えば、セラミック原料粉末に添加化合物を含む化合物を湿式混合し、乾燥および粉砕してセラミック材料を調製する。例えば、上記のようにして得られたセラミック材料について、必要に応じて粉砕処理して粒径を調節し、あるいは分級処理と組み合わせることで粒径を整えてもよい。以上の工程により、誘電体材料が得られる。なお、粉砕の際には、ジルコニアビーズなどを用いることができる。ジルコニアビーズを用いることで、誘電体材料にジルコニウムを若干量添加することができる。
(塗工工程)
次に、得られた原料粉末に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、図6(a)中に例示する基材51上にセラミックグリーンシート52を塗工して乾燥させる。基材51は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。塗工工程を例示する図は省略した。
(内部電極形成工程)
次に、図6(a)で例示するように、セラミックグリーンシート52上に、内部電極パターン53を成膜する。図6(a)では、一例として、セラミックグリーンシート52上に4層の内部電極パターン53が所定の間隔を空けて成膜されている。内部電極パターン53が成膜されたセラミックグリーンシート52を、積層単位とする。内部電極パターン53には、内部電極層12の主成分金属の金属ペーストを用いる。金属ペーストには、共材としてセラミック粒子を添加する。セラミック粒子の主成分は、特に限定するものではないが、誘電体層11の主成分セラミックと同じであることが好ましい。例えば、平均粒子径が50nm以下のチタン酸バリウムを均一に分散させてもよい。
(圧着工程)
次に、セラミックグリーンシート52を基材51から剥がしつつ、図6(b)で例示するように、積層単位を積層する。次に、積層単位が積層されることで得られた積層体の上下にカバーシート54を所定数(例えば2~10層)だけ積層して熱圧着させ、所定チップ寸法(例えば1.0mm×0.5mm)にカットする。カバーシート54も、原料粉末作製工程で得られた原料粉末を含むスラリを塗工して乾燥させたものである。図6(b)の例では、点線に沿ってカットする。図7(a)は、カットした後の積層体のYZ平面での断面図である。
図7(a)で例示するように、セラミックグリーンシート52は、第1セラミックグリーンシート52aおよび第2セラミックグリーンシート52bの2種類を含んでいる。セラミックグリーンシート52の積層体において、第1セラミックグリーンシート52aが積層方向の中央に位置し、第2セラミックグリーンシート52bが第1セラミックグリーンシート52aよりも積層方向の外側に位置する。また、第1セラミックグリーンシート52aにおけるA/B比は、第2セラミックグリーンシート52bにおけるA/B比よりも大きく、カバーシート54(第3セラミックグリーンシート)におけるA/B比は、第1セラミックグリーンシート52aのA/B比よりも大きくしてある。
(サイドマージン形成工程)
次に、図7(b)で例示するように、積層体のY軸方向端に、サイドマージンシート56を貼り付ける。サイドマージンシート56も、原料粉末作製工程で得られた原料粉末を含むスラリを塗工して乾燥させたものである。
(焼成工程)
このようにして得られたセラミック積層体を、N雰囲気で脱バインダ処理した後に外部電極20a,20bの下地層となる金属ペーストをディップ法で塗布し、酸素分圧が10-12MPa~10-9MPa、1160℃~1280℃の還元雰囲気で、5分~10時間の焼成を行なう。
(再酸化処理工程)
還元雰囲気で焼成された誘電体層11の部分的に還元された主相であるチタン酸バリウムに酸素を戻すために、内部電極層12を酸化させない程度に、約1000℃でNと水蒸気の混合ガス中、もしくは500℃~700℃の大気中での熱処理が行われることがある。この工程は、再酸化処理工程とよばれる。
(めっき処理工程)
その後、外部電極20a,20bの下地層上に、めっき処理により、銅、ニッケル、スズ等の金属コーティングを行う。以上の工程により、積層セラミックコンデンサ100が完成する。
本実施形態に係る製造方法によれば、A/B比は、第1領域30よりもカバー層13の方が大きく、第1領域30よりも第2領域の方が小さくなる。それにより、良好な耐湿性および良好な信頼性を両立することができる。
なお、第1セラミックグリーンシート52aにおけるBa/Ti比がストイキオメトリ近傍であると、ジルコニウムの若干量の混入によってA/B比が1/1000単位でも変動すると、積層セラミックコンデンサ100の信頼性に大きく影響するおそれがある。そこで、第1セラミックグリーンシート52aにおいて、Ba/Ti比をストイキオメトリよりも小さくすることが好ましい。例えば、第1セラミックグリーンシート52aにおけるBa/Ti比は、0.980以下であることが好ましく、0.970以下であることがより好ましく、0.965以下であることがさらに好ましい。
一方、第1セラミックグリーンシート52aにおけるBa/Ti比が小さすぎると、第1セラミックグリーンシート52aの緻密化温度が高温化し、十分に第1領域30を緻密化させることができないおそれがある。そこで、第1セラミックグリーンシート52aにおけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、第1セラミックグリーンシート52aにおけるBa/Ti比は、0.970以上であることが好ましく、0.973以上であることがより好ましく、0.975以上であることがさらに好ましい。
カバーシート54におけるBa/Ti比が大きすぎると、カバーシート54の緻密化温度が高温化し、カバー層13を十分に緻密化させることができないおそれがある。そこで、カバーシート54におけるBa/Ti比に上限を設けることが好ましい。例えば、カバーシート54におけるBa/Ti比は、1.010以下であることが好ましく、1.008以下であることが好ましく、1.006以下であることが好ましい。
一方、カバーシート54におけるBa/Ti比が小さすぎると、カバー層13に異常粒成長が生じるおそれがある。そこで、カバーシート54におけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、カバーシート54におけるBa/Ti比は、1.005以上であることが好ましく、1.005以上であることがより好ましく、1.0055以上であることがさらに好ましい。
第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比が大きすぎると、カバー層13から第1領域30へのバリウムの拡散を十分に抑制できないおそれがある。そこで、第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比に上限を設けることが好ましい。例えば、第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比は、0.960以下であることが好ましく、0.955以下であることがより好ましく、0.950以下であることがさらに好ましい。
一方、第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比が小さすぎると、緻密化温度が高温化し、カバー層13の接合部を十分に緻密化できないおそれがある。そこで、第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比に下限を設けることが好ましい。例えば、第2セラミックグリーンシート52bにおけるBa/Ti比は、0950以上であることが好ましく、0.960以上であることがより好ましく、0.970以上であることがさらに好ましい。
なお、上記各実施形態においては、積層セラミック電子部品の一例として積層セラミックコンデンサについて説明したが、それに限られない。例えば、バリスタやサーミスタなどの、他の積層セラミック電子部品を用いてもよい。
以下、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを作製し、特性について調べた。
(実施例1,2および比較例1~4)
チタン酸バリウムの粉末にバインダと、有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合し、得られたスラリを使用して、基材上にセラミックグリーンシートを塗工して乾燥させ、その上に内部電極パターンを成膜し、積層単位を作成した。積層単位を積層して得られた積層体の上下にカバーシートを積層して熱圧着させ、所定チップ寸法にカットした。次に、積層体のY軸方向端に、チタン酸バリウムを主成分セラミックとするサイドマージンシートを順に貼り付けた。このようにして得られたセラミック積層体を、脱バインダ処理した後に還元雰囲気で焼成した。Ba/Ti比について、セラミックグリーンシートの積層体において、積層方向の上下端5μmの領域については、積層方向の中央の領域よりも小さくした。また、Ba/Ti比について、当該中央の領域よりもカバーシートにおいて大きくした。
(Ba/Ti比)
実施例1,2および比較例1~4の積層セラミックコンデンサについて、各部のBa/Ti比を調べた。具体的には、積層セラミックコンデンサを研磨機により断面が露出するように研磨し、研磨した断面に対してLA-ICP-MS(レーザアブレーション誘導結合プラズマ質量分析)を用いて測定を行った。表1に結果を示す。なお、容量領域において積層方向の上下端5μmの領域を第2領域と定め、第2領域に挟まれた領域を第1領域と定めた。第1領域と第2領域との境界は、Ba/Ti比の濃度勾配の中間点としてもよい。
Figure 2023135336000002
実施例1では、カバー層におけるBa/Ti比が1.010であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.960であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.980であった。実施例2では、カバー層におけるBa/Ti比が1.006であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.960であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.980であった。比較例1では、カバー層におけるBa/Ti比が0.980であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.980であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.980であった。比較例2では、カバー層におけるBa/Ti比が0.940であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.960であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.980であった。比較例3では、カバー層におけるBa/Ti比が1.003であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.997であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.960であった。比較例4では、カバー層におけるBa/Ti比が1.001であり、第2領域におけるBa/Ti比が0.990であり、第1領域におけるBa/Ti比が0.980であった。
(耐湿性)
実施例1,2および比較例1~4の積層セラミックコンデンサについて、積層セラミックコンデンサを研磨機により断面が露出するように研磨し、露出した断面をSEM(走査電子顕微鏡)で観察し、カバー層のポア率=(ポアの断面積)/(カバー層の断面積)により算出した。
実施例1では、カバー層のポア率は、5%であった。実施例2では、カバー層のポア率は、3%であった。比較例1では、カバー層のポア率は、20%であった。比較例2では、カバー層のポア率は、25%であった。比較例3では、カバー層のポア率は、2%であった。比較例4では、カバー層のポア率は、1%であった。
ポア率が高くなると耐湿性が低下することから、ポア率が10%を上回る場合には耐湿性が不良「×」であると判定し、ポア率が10%未満の場合には耐湿性が良好「〇」と判定した。実施例1,2および比較例3,4については、耐湿性が良好「〇」と判定された。比較例1,2については、耐湿性が不良「×」と判定された。
(寿命)
実施例1,2および比較例1~4の積層セラミックコンデンサについて、高加速寿命を測定した。具体的には、170℃、125Vで20個のサンプルが全数故障するまで試験を行ない、それらの寿命の平均時間を寿命値とした。実施例1では、寿命値は4500minであった。実施例2では、寿命値は4900minであった。比較例1では、寿命値は4800minであった。比較例2では、寿命値は4200minであった。比較例3では、寿命値は200minであった。比較例4では、寿命値は500minであった。
寿命値が3000min以上となった場合には寿命特性が良好「〇」と判定した。寿命値が3000min未満となった場合には寿命特性が不良「×」と判定した。実施例1,2および比較例1,2については、寿命特性が良好「〇」と判定された。比較例3,4については、寿命特性が不良「×」と判定された。
(総合判定)
耐湿性および寿命特性の両方が良好「〇」と判定された場合に、総合判定が良好「〇」であると判定した。耐湿性および寿命特性のいずれか一方でも不良「×」と判定された場合に、総合判定が不良「×」であると判定した。
実施例1,2のいずれにおいても総合判定が良好「〇」と判定された。これは、Ba/Ti比が、カバー層>第1領域>第2領域となったことで、カバー層に良好な緻密性が得られたとともに、第1領域の異常粒成長が抑制されたからであると考えられる。
比較例1~4のいずれにおいても総合判定が不良「×」と判定された。比較例1,2については、Ba/Ti比が、カバー層≦第2領域≦第1領域となったことで、カバー層のBa/Ti比が小さく、カバー層の緻密化温度が低くならなかったからであると考えられる。比較例3,4については、Ba/Ti比がカバー層≧第2領域≧第1領域となったことで、第2領域のBa/Ti比が十分に小さくならず、Baが第1領域に拡散して異常粒成長が生じたからであると考えられる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 素体
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
14 容量領域
15 エンドマージン
16 サイドマージン
20a,20b 外部電極
100 積層セラミックコンデンサ

Claims (10)

  1. 互いに対向して積層された複数の内部電極層と、
    AサイトおよびBサイトを有する一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有し、前記複数の内部電極層を介して設けられた複数の誘電体層と、
    前記複数の内部電極層が互いに対向する領域である容量領域の前記複数の内部電極層の積層方向の上下に設けられ、前記複数の誘電体層と同じ元素を主成分とする1対のカバー層と、を備え、
    前記容量領域は、前記積層方向の中央に位置する第1領域と、前記第1領域の外側に位置する1対の第2領域とを有し、
    前記第1領域におけるA/B比は、前記第2領域におけるA/B比より大きく、前記カバー層におけるA/B比は、前記第1領域のA/B比より大きい、積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1領域におけるA/B比は、0.98以下である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1領域におけるA/B比は、0.97以上である、請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記1対のカバー層のA/B比は、1.005以上1.010以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記1対の第2領域におけるA/B比は、0.96以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記1対の第2領域におけるA/B比は、0.95以上である、請求項5に記載の積層セラミック電子部品。
  7. 前記複数の内部電極層が対向する方向における前記1対の第2領域の各々の厚さは、5μm以下である、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
  8. 前記複数の誘電体層および前記1対のカバー層は、チタン酸バリウムを主成分とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品。
  9. AサイトおよびBサイトを有する一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミックを含む複数の第1セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックを含み、前記複数の第1セラミックグリーンシートよりA/B比が小さい複数の第2セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックを含み、前記複数の第1セラミックグリーンシートよりA/B比が大きい1対の第3セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記複数の第1セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを形成する工程と、
    前記内部電極パターンが形成された前記複数の第1セラミックグリーンシートを積層する工程と、
    積層された前記複数の第1セラミックグリーンシートに前記複数の第2セラミックグリーンシートを積層する工程と、
    積層された前記複数の第2セラミックグリーンシートに前記1対の第3セラミックグリーンシートを積層して積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、を含む積層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 前記複数の第2セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを形成する工程を含む、請求項9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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