JP2023134802A - エリスリトールを有効成分とする組成物、これを用いる錠剤の製造方法および錠剤 - Google Patents

エリスリトールを有効成分とする組成物、これを用いる錠剤の製造方法および錠剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 錠剤の溶解を遅延させる、発泡性錠剤における発泡時間を延長させる、発泡性錠剤から発生する気泡を微小化する、あるいは発泡性錠剤における液体中の気体濃度を向上させるといった、錠剤に優れた機能性を付与する組成物を提供する。また、これを用いる錠剤の製造方法および錠剤を提供する。【解決手段】 エリスリトールを有効成分とする錠剤の溶解遅延用組成物およびこれを用いる錠剤の製造方法ならびにエリスリトールを含有する錠剤。本発明によれば、錠剤に優れた機能性を付与することができる。また、機能性が向上した錠剤を簡便に製造することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、エリスリトールを有効成分とする、錠剤に優れた機能性を付与する組成物、これを用いる錠剤の製造方法および錠剤に関する。
錠剤とは、一般に、活性成分または活性成分に賦形剤等の副材料を加えたものを圧縮形成などの方法により一定の形に製した固形の製剤である。錠剤は、従来から、内服用や口腔用等の医薬品、菓子等の食品、入浴剤、洗浄剤等さまざまな分野で製品が製造されている。
錠剤の多くは、使用時には液体に溶解させ、活性成分を溶出させることにより用いられる。しかしながら、製品によっては、錠剤の溶解完了までの時間(溶解時間)を長くさせることが求められる。そのような製品としては、例えば、薬効を一定時間持続させるために溶解を遅延させた徐放錠が挙げられる。また、発泡性の入浴剤や発泡性のキャンディやグミなどの食品といった発泡性錠剤では、発泡感が持続することが求められる。
この点、特許文献1には、食品の表面を凹凸模様の糖衣でコーティングし、凹部に発泡成分を含有させることで、従来よりも発泡時間を持続させた食品が開示されている。また、特許文献2には、発泡成分を特定の包材で覆い、浴湯との接触をコントロールすることで、発泡時間を延長させた入浴剤が開示されている。
特許第5407811号公報 特許第6110102号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の技術は特殊なコーティング方法や包材を必要とすることから、製造設備や製造方法が限定され、製造コストも大きくなる懸念がある。すなわち、これら特許文献を鑑みても、錠剤の溶解を遅延させ、あるいは発泡性錠剤の発泡時間を延長させる簡便な技術は十分に提供されている状況ではない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、錠剤の溶解を遅延させる、発泡性錠剤における発泡時間を延長させる、発泡性錠剤から発生する気泡を微小化する、あるいは発泡性錠剤における液体中の気体濃度を向上させるといった、錠剤に優れた機能性を付与する組成物を提供することを目的とする。また、これを用いる錠剤の製造方法および錠剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、エリスリトールが、錠剤の溶解を遅延させること、発泡性錠剤における発泡時間を延長させること、発泡性錠剤から発生する気泡を微小化すること、発泡性錠剤における液体中の気体濃度を向上させること、および食品の発泡性錠剤に優れた味質を付与することを見出した。そこで、これらの知見に基づいて、下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係る錠剤の溶解遅延用組成物は、エリスリトールを有効成分とする。
(2)本発明に係る発泡性錠剤における発泡時間延長用組成物は、エリスリトールを有効成分とする。
(3)本発明に係る発泡性錠剤から発生する気泡の微小化用組成物は、エリスリトールを有効成分とする。
(4)本発明に係る発泡性錠剤における液体中の気体濃度向上用組成物は、エリスリトールを有効成分とする。
(5)本発明に係る体濃度向上用組成物において、気体は二酸化炭素であってよい。
(6)本発明に係る錠剤の製造方法は、本発明に係る組成物を含有する原材料を打錠する工程を有する。
(7)本発明に係る錠剤は、エリスリトールを含有する。本発明に係る錠剤は、食品および経口摂取される医薬品を除くものであってよい。
(8)本発明に係る錠剤は、発泡性錠剤であってよい。
(9)本発明に係る発泡性錠剤は、発泡性の入浴剤または発泡性の洗浄剤であってよい。
本発明によれば、錠剤の溶解を遅延させることができる。したがって、例えば、洗浄剤の洗浄効果を一定時間持続させる、医薬品の薬効を一定時間持続させるといった機能性の向上に寄与することができる。
また、本発明によれば、発泡性錠剤の発泡時間を延長させることができる。したがって、例えば、菓子等の発泡性食品や発泡性入浴剤で、より長く発泡感を楽しめるといった機能性の向上に寄与することができる。
また、本発明によれば、発泡性錠剤から発生する気泡を微小化することができる。したがって、例えば、発泡性食品ではきめ細かな食感や口当たりのよさ、発泡性入浴剤ではきめ細かな触感、発泡性洗浄剤では隙間まで届く高い洗浄効果といった機能性の向上に寄与することができる。
また、本発明によれば、発泡性錠剤溶解後の液体中の気体濃度を向上することができる。したがって、例えば、発泡性入浴剤の温浴効果を高める、水生動物飼育用酸素発生剤の酸素溶存効果を高めるといった機能性の向上に寄与することができる。
さらに、本発明によれば、上述の機能性が向上した錠剤を簡便に製造することができる。
エリスリトール(1番)およびソルビトール(2番)をそれぞれ含有する発泡性錠剤から発生した気泡を示す実体顕微鏡の観察画像である。 エリスリトール(1番)、ソルビトール(2番)およびグルコース(3番)をそれぞれ含有する発泡性錠剤から発生した気泡の直径と頻度を示すグラフである。 エリスリトール(1番)およびソルビトール(2番)をそれぞれ含有する発泡性錠剤が溶解した後の液体(pH4)中の二酸化炭素濃度を示すグラフである。 エリスリトール(1番)およびソルビトール(2番)をそれぞれ含有する発泡性錠剤が溶解した後の液体(pH7)中の二酸化炭素濃度を示すグラフである。 エリスリトールを含有する発泡性錠剤(1番)の味質の評価結果を示すグラフである。1番の評点は、ソルビトールを含有する発泡性錠剤(2番)を基準(3)としている。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、錠剤とは、活性成分または活性成分に賦形剤等の副材料を加えたものを原材料として、一定形状に圧縮成型したものをいう。本発明は、特に、最終消費者による使用時に液体に溶解させて当該液体に活性成分を溶出させることにより用いられる錠剤を適用対象としている。使用時に液体に溶解させて用いるものである限り錠剤の用途は特に限定されず、例えば、医薬品、飲食品、入浴剤や洗浄剤などの日用品・工業用品・清掃用品等の各種の用途の錠剤を適用対象としている。錠剤の寸法や重量、形状もまた特に限定されず、その用途や活性成分等に応じて適宜設定できる。
本発明に係る錠剤の一態様としては、食品を除く錠剤であってもよい。また、別の一態様として、経口摂取される医薬品を除く錠剤であってもよい。食品および経口摂取される医薬品を除く錠剤の具体例としては、上述の入浴剤や洗浄剤などの日用品・工業用品・清掃用品等を挙げることができる。なお、この場合の「経口摂取される医薬品」とは、ヒトの身体の構造または機能に影響を及ぼすことが目的とされている物のうち、経口摂取される物をいう。
本発明において、発泡性錠剤とは、液体と接触した際に気泡を発生する錠剤をいう。すなわち、発泡性錠剤は、液体と接触した際に気体を発生する反応を起こす成分(発泡成分)を含有する。発泡成分としては、炭酸水素ナトリウムと酸(二酸化炭素が発生する)や過酸化カルシウム(酸素が発生する)を例示することができるが、これらに限らず、気体発生反応を起こす成分であればいかなるものも用いることができる。
本発明は、下記(a)~(d)の組成物を提供する。以下、これらをまとめて「本発明の組成物」あるいは「本発明に係る組成物」という場合がある。
(a)エリスリトールを有効成分とする、錠剤の溶解遅延用組成物。
(b)エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤における発泡時間延長用組成物。
(c)エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤から発生する気泡の微小化用組成物。
(d)エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤における液体中の気体濃度向上用組成物。
エリスリトールは、化学名が1,2,3,4-Butaneterolである糖アルコールであり、エリトリトールとも呼ばれる。エリスリトールは、市販されているものを用いてもよく、当業者に公知の方法に従って製造して用いてもよい。
公知の製造方法としては、グルコースなどを炭素源としてエリスリトール生産菌を培養して生産させ、これを精製して得る方法を挙げることができる。ここで、エリスリトール生産菌としては、例えば、トリゴノプシス属またはカンジダ属に属する微生物(特公昭47-41549号公報)、トルロプシス属、ハンゼヌラ属、ピヒア属またはデバリオミセス属に属する微生物(特公昭51-21072号公報)、モニリエラ属に属する微生物(特開昭60-110295号公報、特開平10-215887)、オーレオバシデュウム属に属する微生物(特公昭63-9831号公報)、イエロビア属に属する微生物(特開平10-215887号公報)などを挙げることができ、培養条件は、各菌に適した通常の条件で行うことができる。また、エリスリトールの精製は、菌体分離、クロマトグラフィーによるエリスリトールの分取、脱塩、脱色、晶析、結晶分解および乾燥の工程を常法に従って行うことができる。
市販のエリスリトールまたは上述の方法により製造したエリスリトールはそのまま用いてもよいが、造粒して、エリスリトールを主成分とする顆粒(エリスリトール顆粒)としてから用いてもよい。
造粒方法としては、例えば、エリスリトールの粉末を攪拌しながら、当該エリスリトールの粉末に結着剤を含有する噴霧液を噴霧した後、乾燥させる方法を挙げることができる。結着剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)やヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)といったセルロース誘導体を用いることができる。噴霧液におけるHPCまたはHPMCの濃度は、例えば、2.5~30質量%などとすることができる。本造粒方法は、後述する実施例の試験方法(2)に示すように流動層造粒法により行うことができるほか、攪拌造粒法、噴霧乾燥法などにより行うこともできる。
エリスリトールは、錠剤を構成する他の原材料と合わせて、打錠することにより用いる。すなわち、本発明は、本発明の組成物を含有する原材料を打錠する工程を有する、錠剤の製造方法も提供する。ここで、打錠方法には、活性成分と賦形剤等の副材料とを混合して、加水せずそのまま打錠する「乾式直接打錠法(直打法)」と、活性成分と副材料との混合物を結合剤溶液や水等の適当な溶媒を用いて造粒し、これを乾燥した後に打錠する「湿式造粒打錠法」とがあるが、本発明ではこれらのいずれも用いることができる。
錠剤を構成する本発明の組成物以外の原材料は、錠剤の用途に応じて適宜設定することができる。原材料あるいは錠剤におけるエリスリトールの含有割合は特に限定されず、例えば、1~100質量%、1~99質量%、1~98質量%、10~98質量%、15~98質量%、20~98質量%などとすることができる。
本発明において、「錠剤の溶解が遅延した」とは、錠剤が液体と接触した時から錠剤の溶解が完了するまでの時間(溶解時間)が延長したことを指す。ここで、溶解時間が延長したか否かは、エリスリトールを含有させた錠剤と含有させていない錠剤とを同条件化で液体に投入し、溶解時間を比較することにより確認することができる。前者の方が溶解時間が長ければ、本発明の組成物により錠剤の溶解が遅延したと判断することができる。
本発明において、「発泡性錠剤における発泡時間が延長した」とは、発泡性錠剤が液体と接触して発泡を開始した時から、発泡性錠剤が溶解して発泡が終了するまでの時間(発泡時間)が延長したことを指す。ここで、発泡時間が延長したか否かは、エリスリトールを含有させた発泡性錠剤と含有させていない発泡性錠剤とを同条件化で液体に投入し、発泡時間を比較することにより確認することができる。前者の方が発泡時間が長ければ、本発明の組成物により発泡性錠剤における発泡時間が延長したと判断することができる。
本発明において、「発泡性錠剤から発生する気泡が微小化した」とは、発泡性錠剤が液体と接触した場合に発生させる気泡が小さくなったことを指す。ここで、気泡が微小化したか否かは、エリスリトールを含有させた発泡性錠剤と含有させていない発泡性錠剤とを同条件化で液体に投入し、発生する気泡の大きさを比較することにより確認することができる。前者の方が気泡が小さければ、本発明の組成物により発泡性錠剤から発生する気泡が微小化したと判断することができる。なお、通常、気泡は極めて多数発生し、その大きさにはばらつきがある。ここでいう「気泡が小さくなった」とは、発生する全ての気泡が小さいことをいうのではなく、小さい気泡の数の割合が大きくなったこと、あるいは、気泡の平均径が小さくなったことをいう。
本発明において、「発泡性錠剤における液体中の気体濃度が向上した」とは、発泡性錠剤が液体と接触した場合に発生する気体の液体中濃度が大きくなったことを指す。ここで、気体の液体中濃度が大きくなったか否かは、エリスリトールを含有させた発泡性錠剤と含有させていない発泡性錠剤とを同条件化で液体に投入し、液体中の気体濃度を比較することにより確認することができる。前者の方が濃度が大きければ、本発明の組成物により発泡性錠剤における液体中の気体濃度が向上したと判断することができる。
最後に、本発明は、エリスリトールを含有する錠剤を提供する。エリスリトールは上述のとおり、錠剤の溶解を遅延させる、発泡性錠剤における発泡時間を延長させる、発泡性錠剤から発生する気泡を微小化する、あるいは発泡性錠剤における液体中の気体濃度を向上させるといった効果を有するため、本錠剤は、これらの優れた機能性を具備した錠剤である。本錠剤は、これらの機能性を生かした用途、例えば、発泡性の入浴剤や発泡性の洗浄剤などの発泡性錠剤として、好適に用いることができる。
以下、本発明について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<試験方法>
本実施例は、別段に記載のない限り下記(1)~(3)の方法で行った。また、本実施例においては、別段に記載のない限り「%」は「質量%」を意味する。
(1)賦形剤
本実施例で使用した賦形剤を表1に示す。
Figure 2023134802000002
(2)エリスリトール顆粒の調製
造粒装置「マルチプレックス FD-MP-01ND(パウレック)」に、粉末状のエリスリトール(エリスリトール50M(物産フードサイエンス))を仕込み、熱風入口温度が80℃、風量が0.6m/分、噴霧圧力が0.2MPaにて、噴霧液を噴霧しながら造粒を行った。噴霧液には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC SSL SFP(日本曹達))を9%となるよう溶解した水溶液を用いた。調製したエリスリトール顆粒中にはHPCが3%の濃度で含有されていた。
(3)錠剤の調製
表1の賦形剤、デキストリン(TK-16AG(松谷化学))および滑沢剤(シュガーエステルS-370F(三菱ケミカルフーズ)を混合して連続式単発打錠機「AUTO TAB200(市橋精機)」に仕込み、1.0~12.0kNの打錠圧で、普通Rの円形錠に圧縮成型した。錠剤のサイズは、直径が8mmで1錠当たりの重量が200mg、または直径が10mmで1錠当たりの重量が600mgとした。発泡性錠剤の場合は、デキストリンに換えて、炭酸水素ナトリウム(和光純薬)および無水クエン酸(「クエン酸フソウ(無水)」扶桑化学)を用いた。錠剤硬度はロードセル式錠剤硬度計DC-30(岡田精工)により測定した。
<実施例1>錠剤の溶解時間
表2に示す配合で1~5番の錠剤(直径8mm、200mg/錠)を調製し、錠剤硬度を測定した。これらの錠剤を37℃の脱イオン水を入れた水槽に投入し、30サイクル/分のストロークで当該水槽を上下運動させて、水槽投入時から錠剤の溶解完了までに要した時間を測定し、これを溶解時間とした。本試験は崩壊試験機(NT-200(富山産業))を用いて行った。その結果を表2の最下段に示す。
Figure 2023134802000003
表2に示すように、1~5番の錠剤はいずれも錠剤硬度が30N前後で同等であったにもかかわらず、1番および2番は、3~5番と比較して、溶解時間が顕著に長かった。すなわち、エリスリトールを含有する錠剤は、溶解完了までに要する時間が顕著に長いことが明らかになった。この結果から、エリスリトールは、錠剤の溶解を遅延させることが明らかになった。
<実施例2>発泡性錠剤の発泡時間
表3に示す配合で1~3番の錠剤(直径10mm、600mg/錠)を調製し、錠剤硬度を測定した。これらの錠剤を脱イオン水200mLを入れた水槽に1錠ずつ投入し、発泡開始から発泡終了までの時間を計測して、これを発泡時間とした。発泡の開始および終了は目視にて判断した。その結果を表3の最下段に示す。
Figure 2023134802000004
表3に示すように、1~3番の錠剤はいずれも錠剤硬度が50N前後で同等であったにもかかわらず、1番は、2番および3番と比較して、発泡時間が顕著に長かった。すなわち、エリスリトールを含有する錠剤は、発泡時間が顕著に長いことが明らかになった。この結果から、エリスリトールは、発泡性錠剤における発泡時間を延長させることが明らかになった。
<実施例3>発泡性錠剤の気泡の大きさ
表4に示す配合で1~3番の錠剤(直径10mm、600mg/錠)を調製した。これらの錠剤を脱イオン水20mLを入れた水槽に1錠ずつ投入し、錠剤から発生する気泡を実体顕微鏡VHX-6000(キーエンス)により観察した。1番および2番についての観察画像を図1に示す。また、発泡開始から発泡終了までの間、気泡の大きさ(気泡径)をレーザー回析・散乱式粒度分布測定装置(LA910(堀場製作所))により測定した。その結果を図2に示す。また、累積分布50%径(d50:μm)および累積分布10%径(d10:μm)を表4の最下段に示す。
Figure 2023134802000005
図1、図2および表4に示すように、1番は、2番および3番と比較して、気泡径が顕著に小さかった。すなわち、エリスリトールを含有する発泡性錠剤から発生する気泡の大きさは顕著に小さいことが明らかになった。この結果から、エリスリトールは、発泡性錠剤における気泡を微小化させることが明らかになった。
<実施例4>発泡性錠剤溶解後の液体中の気体濃度
表5に示す配合で1番および2番の錠剤(直径8mm、200mg/錠)を調製した。室温環境下で、これらの錠剤を脱イオン水50mL(pH4またはpH7)を入れた水槽に1錠ずつ投入し、溶解させた。目視にて溶解完了(発泡終了)を確認した後、溶解完了から16時間後まで、ポータブル炭酸ガス濃度計「CGP-31(東亜ディーディーケー)」を用いて二酸化炭素濃度を経時的に測定した。pH4での測定結果を図3に、pH7での測定結果を図4に、それぞれ示す。また、測定時間中での最大濃度、ならびに最大濃度達成後、濃度が300mg/mL、200mg/mLおよび100mg/mLとなるまでに要した時間を表5の最下段に示す。
Figure 2023134802000006
図3、図4および表5に示すように、1番は、いずれの測定時においても2番と比較して二酸化炭素濃度が大きかった。すなわち、エリスリトールを含有する発泡性錠剤が溶解した後の液体では、気体濃度が大きいことが明らかになった。この結果から、エリスリトールは、発泡性錠剤における液体中の気体濃度を向上させることが明らかになった。
<実施例5>発泡性錠剤の官能評価
表6に示す配合で1番および2番の錠剤(直径8mm、200mg/錠)を調製した。
これらの錠剤について、7名のパネリストにより官能試験を行い、発泡時間および味質を評価した。なお、本実施例5において、錠剤は噛まずに舌の上で舐めて評価を実施した。発泡時間は、錠剤1粒を口に含んで舌の上に置いた瞬間から全て溶けきるまでの時間をストップウォッチで測定した。また、味質は、下記評価項目について2番の錠剤を基準(3)として、1番の錠剤について1から5までの評点をつけた。評価結果の平均値を表6の最下段に示す。また、味質の結果を図5に示す。
《味質の評価項目》
「泡の持続性」 1;なし、 3;同程度、5;あり
「泡のきめ細かさ」1;粗い、 3;同程度、5;細かい
「泡の密度」 1;大きい、 3;同程度、5;小さい
「泡のマイルド感」1;ストロング、3;同程度、5;マイルド
「舌触り」 1;悪い、 3;同程度、5;良い
「口当たり」 1;悪い、 3;同程度、5;良い
Figure 2023134802000007
表6に示すように、1番は、2番と比較して発泡時間が顕著に長かった。また、表6および図5に示すように、1番は、2番と比較して、泡の持続性、きめ細やかさおよびマイルド感が顕著に高評価であり、口当たりも高評価であった。すなわち、エリスリトールを含有する錠剤は、口腔内での発泡時間が顕著に長く、また、発泡性錠剤に優れた味質を付与することが明らかになった。

Claims (5)

  1. エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤から発生する気泡の微小化用組成物。
  2. エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤における発泡時間延長用組成物。
  3. エリスリトールを有効成分とする、発泡性錠剤における液体中の気体濃度向上用組成物。
  4. 前記気体が二酸化炭素である、請求項3に記載の組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の組成物を含有する原材料を打錠する工程を有する、錠剤の製造方法。
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