JP2023133435A - 睡眠促進用組成物並びに該睡眠促進用組成物を用いた医薬品組成物及び飲食品組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな睡眠促進用組成物を提供すること。【解決手段】ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を有効成分とする、睡眠促進用組成物を提供する。本技術に係る睡眠促進用組成物は、ノンレム睡眠及びレム睡眠を長期化させたり、睡眠中の自発行動量を減少させたり、睡眠中の覚醒時間を減少させたりして、睡眠時間を長期化させることができる。本技術に係る睡眠促進用組成物は、日中の覚醒困難を減少させることもできる。本技術に係る睡眠促進用組成物は、医薬品組成物や飲食品組成物に用いることができる。【選択図】なし

Description

本技術は、睡眠促進用組成物並びに該睡眠促進用組成物を用いた医薬品組成物及び飲食品組成物に関する。
現代社会では、日常生活や就労における精神的ストレスや24時間型の生活習慣から、不眠に悩む人が増加している。日本人を対象にした調査では不眠症の疑いのある人の割合は約40%にのぼり、深刻な社会問題となっている(非特許文献1参照)。
睡眠感に対する不満として、例えば、寝つきが悪い、悪夢を見る、起床時にまだ眠気がある、熟眠感(ぐっすり眠った感じ)がしない、目覚めても疲労が残っている、日中覚醒困難(昼間に眠気を感じる)、等が例示される。これらの睡眠障害により仕事の能率が低下することや、思わぬ事故につながる危険性もある。これらの原因としては、睡眠時間が短いことだけではなく、良質な睡眠が得られていないことが挙げられる。すなわち、就寝後にノンレム睡眠が出現するまでの時間(入眠潜時)が長い、ノンレム睡眠時間が短い、レム睡眠とノンレム睡眠の適切な睡眠パターンが乱れるなど、深いノンレム睡眠が得られていないためである。したがって、快適な睡眠を望む人のための不眠を改善する薬の需要は今後ますます増えるものと考えられる。
これらに対し睡眠の質を改善させる手段として、医薬品の睡眠薬の利用が考えられる。しかし、睡眠薬を利用する際には医師の診断が必要である。睡眠薬には目覚めの悪さ、記憶障害、依存性などの副作用もあり、手軽に安全に利用することが困難な場合が多い。また、医薬品の睡眠薬の中には、ベンゾジアゼピン系、バルビルツール酸塩酸系を主とする睡眠薬のように、ノンレム睡眠を減少させる医薬品もあり、正しく使用しなければ逆に睡眠の質が低下するものもある。その他の精神的ストレスを緩和させる精神安定剤や抗不安剤、睡眠薬などの化学合成薬剤の使用は、いずれも重篤な副作用や習慣性の面から日常的あるいは長期的な使用に適さないという問題がある。
また、睡眠改善への対処方法として、生活習慣の改善やメンタルトレーニングなどの対処法も試みられているが、その有効性は限定されている。
医薬品以外では、天然成分や飲食品からの睡眠改善剤の研究開発が盛んに行われ、種々のものが提案されている。このような睡眠改善剤の有効成分としては、例えば、ナス科ウィザニア属植物由来成分(特許文献1参照)、アキノワスレグサの発酵処理物(特許文献2参照)、茶葉由来のテアミン(特許文献3参照)等が挙げられる。また、S-アデノシルメチオニン含有酵母(特許文献4参照)、セイヨウトネリコエキスおよびシベリアカラマツエキス(特許文献5参照)、αリポ酸と亜鉛を含有する組成物(特許文献6参照)等も提案されている。
近年、腸内環境が腸から脳へのシグナル伝達に関与することが明らかにされつつあり、腸を起点とする睡眠の制御について報告されている。
例えば、特許文献7では、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999を投与したマウスで、ノンレム睡眠時間の延長効果およびレム睡眠時間の短縮効果が開示されている。また、非特許文献2では、乳酸菌Lactobacillus brevis SBC8803の投与が、概日リズムを調節してノンレム睡眠を促進する効果があることが開示されている。
特開2006-28051号公報 特開2006-62998号公報 WO2005/097101 特開2013-082641号公報 WO2013/051727 WO2015/098441 WO2010/060722
Sleep Med 2012;13 (7):831-837 Life Science 2014;111(1-2):47-52
前述の通り、これまでプロバイオティクスの菌体あるいは発酵産物を摂取することによるノンレム睡眠の改善作用は既にいくつか報告されているが、プロバイオティクスは菌株ごとに異なった生理作用を示すことが知られており、一致した結果は得られていない。中途覚醒を減少させ、ノンレム睡眠及び/またはレム睡眠の両方を促進する成分は知られていなかった。
そこで、本技術では、新たな睡眠促進用組成物を提供することを主目的とする。
すなわち、本技術では、まず、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を有効成分とする、睡眠促進用組成物を提供する。
本技術に係る睡眠促進用組成物において、前記ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌としては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)を用いることができる。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、睡眠を促進して、睡眠時間を長期化させることができる。
より具体的には、本技術に係る睡眠促進用組成物は、ノンレム睡眠及び/またはレム睡眠を長期化させたり、睡眠中の自発行動量を減少させたり、睡眠中の覚醒時間を減少させたりして、睡眠時間を長期化させることができる。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、日中の覚醒困難を減少させることもできる。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、医薬品組成物や飲食品組成物に用いることができる。
本技術によれば、新たな睡眠促進用組成物を提供できる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.睡眠促進用組成物
本技術の睡眠促進用組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を有効成分とする。
ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)とは、ビフィドバクテリウム属に属する菌種の一つである。ビフィドバクテリウム・ブレーベは、主に乳幼児の大腸内に多く住みついており、ビフィドバクテリウム属に属する菌種の中でもビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)等とともに、乳幼児型のビフィドバクテリウム属細菌として知られている。
本技術の睡眠促進用組成物は、その有効成分が、主に乳幼児の大腸内に多く住みついている、ビフィドバクテリウム・ブレーベであることから、安全性に優れ、長期間、連続的に投与しても副作用を心配する必要性も少ないため、非常に有用である。さらに、他の薬剤との併用においても安全性が高い。
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)、M-16V(NITE BP-02622)、UCC2003、YIT4010、YIT4064、BBG-001、BR-03、B632(DSMZ 24706)、C50、Bb99(DSM 13692)、R0070、ATCC15700、ATCC15698、DSM 24732等が挙げられるが、なかでもMCC1274(FERM BP-11175)、M-16V(NITE BP-02622)を用いることが好ましい。
MCC1274は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国 〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6(現IPOD 独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センター(NITE-IPOD):日本国 〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に、2009年8月25日より、IPOD FERM BP-11175の受託番号で寄託されている。
M-16Vは、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、2018年1月26日付で、NITE BP-02622の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。
本技術では、これらの中でも、前記ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)を用いることが好ましい。
なお、上記例示した菌株名で特定される菌株には、当該菌株名で所定の機関に寄託や登録がなされている株そのもの(以下、説明の便宜上、「寄託株」ともいう)に限られず、それと実質的に同等な株(「派生株」または「誘導株」ともいう)も包含される。すなわち、例えば、「フィドバクテリウム・ブレーベ MCC1274(FERM BP-11175)」には、MCC1274(FERM BP-11175)の寄託番号で上記寄託機関に寄託されている株そのものに限られず、それと実質的に同等な株も包含される。
菌株について、「上記寄託株と実質的に同等の株」とは、上記寄託株と同一の種に属し、本発明の効果である睡眠促進効果を得られる株を意味する。上記寄託株と実質的に同等の株は、例えば、当該寄託株を親株とする派生株であってよい。派生株としては、寄託株から育種された株や寄託株から自然に生じた株が挙げられる。
実質的に同一の菌株、派生株は下記のような株が挙げられる。
(1)RAPD法(Randomly Amplified Polymorphic DNA)、PFGE法(Pulsed-field gel electrophoresis)法により同一の菌株と判定される菌株(Probiotics in food/Health and nutritional properties and guidelines for evaluation 85 Page43に記載)
(2)当該寄託菌株由来の遺伝子のみ保有し、外来由来の遺伝子を持たず、DNAの同一性が95%以上である菌株
(3)当該菌株から育種された株(遺伝子工学的改変、突然変異、自然突然変異を含む)、同一の形質を有する株
本技術の睡眠促進用組成物は、睡眠を促進して、睡眠時間を長期化させることができる。より具体的には、本技術に係る睡眠促進用組成物は、ノンレム睡眠及びレム睡眠を長期化させたり、睡眠中の自発行動量を減少させたり、睡眠中の覚醒時間を減少させたりして、睡眠時間を長期化させることができる。例えば、本技術の睡眠促進用組成物を摂取することにより、長時間継続して眠ることができ、睡眠中の中途覚醒が減少するため、睡眠の質が向上し、熟眠することができる。
また、本技術に係る睡眠促進用組成物は、日中の覚醒困難を減少させることもできる。
更に、本技術に係る睡眠促進用組成物は、鎮静効果も有する。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、睡眠を促進することにより、睡眠不良下において起こる症状や疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。睡眠不良下において起こる症状や疾患としては、例えば、不眠症(寝つきの悪さ、途中で起きてしまい再入眠できない、朝早く起きてしまう、熟睡できない)、過眠症(日中眠くてしかたない、居眠りをして注意をされる)、概日リズム睡眠障害、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、いびき、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時随伴症、ナルコプレシー、睡眠時遊行症、錯乱性覚醒、睡眠時驚愕症(夜驚症)、律動性運動障害、睡眠時ひきつけ、寝言、夜泣き、乳児疝痛(コリック)、夜間下肢こむらがえり、悪夢、睡眠麻痺、睡眠関連陰茎勃起障害、レム睡眠行動障害、歯ぎしり、夜尿、いびき、発作性ジストニア、周期性四肢運動障害、乳幼児突然死症候群(SIDS)等が挙げられる。
更に、本技術に係る睡眠促進用組成物は、特定の状況下における睡眠を促進することもできる。具体的には、例えば、更年期、高齢者、授乳婦、シフトワーカー、海外渡航による時差ぼけ、休日明けの社会的時差ぼけ、スマートフォン・パソコンの光刺激による覚醒(テクノストレス不眠)等で長時間ぐっすり眠れない場合に有効である。
本技術に係る睡眠促進用組成物の対象は、特に限定されず、ヒトを含む動物に適用することができる。例えば、寝つきが悪い(入眠障害)、一度入眠した後夜中に目が覚める(中途覚醒)、本人が望む時間より早く目が覚める(早朝覚醒)、十分眠ったという満足感がない(熟眠障害)に用いられることが出来る。また、その対象性別、対象年齢等も特に限定されないが、ヒトであれば、寝つきが悪い乳幼児、睡眠障害がおこりやすい中高年に用いることが出来る。
また、特に、35才以上、望ましくは40才以上、さらに望ましくは45才以上の中高年以上に特に効果的に用いることができる。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、その有効成分であるビフィドバクテリウム・ブレーベ属する細菌として、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を含む培養物を含有しても良い。
本技術に用いられるビフィドバクテリウム・ブレーベを培養する培地としては、特に限定されず、ビフィドバクテリウム属に属する細菌の培養に、通常用いられる培地を用いることができる。
すなわち、炭素源としては、例えば、グルコース、ガラクトース、ラクトース、アラビノース、マンノース、スクロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。
培養条件は、本技術の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、培養温度は、通常25~50℃であり、35~42℃であることが好ましい。また、培養は嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
本菌体は、培養後、得られた培養物をそのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよく、培養物から回収した菌体を用いてもよい。また、本発明の効果を損なわない限り、培養後に加熱、及び凍結乾燥等の種々の追加操作を行うことができる。また、本菌体は、生菌であっても死菌であってもよい。生菌の場合は、菌液凍結法、スプレードライ法、凍結乾燥法、オイルドロップ法で処理することが好ましい。死菌としては、加熱や凍結乾燥等により殺菌された死菌が挙げられる。その他の死菌体の調製法として、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、レトルト殺菌法、凍結乾燥法、UHT殺菌法、加圧殺菌法、高圧蒸気滅菌法、乾熱滅菌法、流通蒸気消毒法、電磁波殺菌法、電子線滅菌法、高周波滅菌法、放射線滅菌法、紫外線殺菌法、酸化エチレンガス滅菌法、過酸化水素ガスプラズマ滅菌法、化学的殺菌法(アルコール殺菌法、ホルマリン固定法、電解水処理法)等が挙げられる。また、本菌体は、破砕物であってもよい。破砕物は、生菌を破砕したものでも死菌を破砕したものでもよく、破砕後に加熱や凍結乾燥等を施したものでもよい。
また、破砕は、当技術分野で公知の方法及び機器を使用した、例えば、物理的破砕、酵素溶解処理、薬品処理、自己溶解処理などによる破砕を選択することができる。
物理的破砕は、菌体懸濁液の状態での処理、菌体粉末の状態での処理のいずれによってもよい。物理的破砕の例として、超音波ホモジナイザー、ホモジナイザー、ボールミル、ビーズミル、ダイノミル、遊星ミル等を使用した撹拌による破砕、ジェットミル、フレンチプレス、細胞破砕機等を使用した圧力による破砕、フィルター濾過処理により菌体を損傷させることによる破砕を選択することができる。
酵素溶解処理としては、例えばリゾチームなどの酵素を用いて、乳酸菌菌体の細胞構造を破壊することができる。
薬品処理としては、ダイズリン脂質、グリセリン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を使用して、乳酸菌菌体の細胞構造を破壊することができる。
自己溶解処理としては、一部の乳酸菌自身の酵素により乳酸菌菌体を溶解することができる。
なお、本発明においては、他の薬品や化合物を添加する必要がないため物理的破砕が好ましい。
なお、本明細書における「培養物」は、培養上清をも含む概念である。
本技術に係る睡眠促進用組成物は、前記有効成分のみからなるものであってもよく、前記有効成分と有効成分以外の任意成分とを配合した組成物であってもよい。
前記任意成分としては、特に限定されず、従来、医薬品に配合されている添加剤(例えば、後述する製剤担体など)を配合できる。
2.本技術に係る睡眠促進用組成物の具体的形態
本技術に係る睡眠促進用組成物は、飲食品、医薬品、医薬部外品、飼料等の形態で用いることができる。
なお、本実施形態の用途は、治療目的使用であっても、非治療目的使用であってもよい。
「非治療目的」とは、医療行為、すなわち、治療による人体への処置行為を含まない概念である。例えば、健康増進、美容行為等が挙げられる。
「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転;疾患、症状又は状態の悪化防止、遅延;疾患又は症状の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
「予防」とは、適用対象における疾患若しくは症状の発症の防止や遅延、又は適用対象の疾患若しくは症状の危険性の低下をいう。
<飲食品>
本技術に係る睡眠促進用組成物は、公知の飲食品に添加して調製することもできるし、飲食品の原料中に混合して新たな飲食品を製造することもできる。
本技術に係る睡眠促進用組成物を用いる飲食品は、液状、ペースト状、固体、粉末等の形態を問わず、錠菓、流動食等のほか、例えば、小麦粉製品、即席食品、農産加工品、水産加工品、畜産加工品、乳・乳製品、油脂類、基礎調味料、複合調味料・食品類、冷凍食品、菓子類、飲料、これら以外の市販品等が挙げられる。
前記小麦粉製品としては、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等が挙げられる。
前記即席食品類としては、例えば、即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等が挙げられる。
前記農産加工品としては、例えば、農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等が挙げられる。
前記水産加工品としては、例えば、水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等が挙げられる。
前記畜産加工品としては、例えば、畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等が挙げられる。
前記乳・乳製品としては、例えば、発酵乳、加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、育児用調整粉乳、乳児用栄養補助食品その他の乳製品等が挙げられる。
前記油脂類としては、例えば、バター、マーガリン類、植物油等が挙げられる。
前記基礎調味料としては、例えば、しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等が挙げられ、前記複合調味料・食品類として、調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等が挙げられる。
前記冷凍食品としては、例えば、素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等が挙げられる。
前記菓子類としては、例えば、キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、その他の菓子等が挙げられる。
前記飲料としては、例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等が挙げられる。
上記以外の市販食品としては、例えば、ベビーフード、ふりかけ、お茶潰けのり等が挙げられる。
本発明の飲食品組成物は、通常の飲食品の原料に本菌体を添加することにより製造することができ、本菌体を添加すること以外は、通常の飲食品と同様にして製造することができる。本菌体の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。また、添加した本菌体による発酵工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。そのような飲食品組成物としては、乳酸菌飲料、及び発酵乳等が挙げられる。
飲食品組成物の原料としては、通常の飲食品に用いられる原料を使用することができる。製造された飲食品組成物は、経口的に摂取することが可能である。
また、本発明の飲食品組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の又は将来的に見出されるプロバイオティクス効果を有する成分又はプロバイオティクス効果を補助する成分を使用することができる。例えば、本発明の飲食品組成物は、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、大豆タンパク質、若しくはエンドウ豆タンパク質(ピープロテイン)等の各種タンパク質若しくはその混合物、分解物;ロイシン、バリン、イソロイシン若しくはグルタミン等のアミノ酸;ビタミンB6若しくはビタミンC等のビタミン類;クレアチン;クエン酸;フィッシュオイル;又は、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース等のオリゴ糖等の成分と、本菌体とを配合して製造することができる。
本技術に係る飲食品中のビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の含有量は、本技術の効果を損なわない限り、自由に設定することができる。本技術では、特に、飲食品中のビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の含有量を、飲食品の最終組成物に対し、1×10~1×1012CFU/g含有することがより好ましい。また、1日当たりの投与量は、少なくとも1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは2×1010CFU/日以上、又はそれ以上添加することが好ましい。「cfu」は、colony forming unit(コロニー形成単位)を表す。本菌体が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。本菌体が破砕物の場合、破砕する前の菌数(個細胞/g)から重量換算で表示することが可能である。
〔機能性表示飲食品〕
また、本技術で定義される飲食品等は、特定の用途(特に保健の用途)や機能が表示された飲食品として提供・販売されることも可能である。
「表示」行為には、需要者に対して前記用途を知らしめるための全ての行為が含まれ、前記用途を想起・類推させうるような表現であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物・媒体等の如何に拘わらず、全て本技術の「表示」行為に該当する。
また、「表示」は、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により行われることが好ましい。具体的には、飲食品に係る商品又は商品の包装に前記用途を記載したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が挙げられる。
一方、表示内容としては、行政等によって認可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示等)であることが好ましい。また、そのような表示内容を、包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等へ付することが好ましい。
また、「表示」には、健康食品、機能性食品、病者用食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示も挙げられる。この中でも特に、消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品制度、機能性表示食品制度、これらに類似する制度にて認可される表示等が挙げられる。より具体的には、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、機能性表示食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示等を挙げることができる。この中でも典型的な例としては、健康増進法施行規則(平成15年4月30日日本国厚生労働省令第86号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、食品表示法(平成25年法律第70号)に定められた機能性表示食品としての表示及びこれらに類する表示である。
なお、上述したような表示を行うために使用する文言は、睡眠促進等の文言のみに限られるわけではなく、それ以外の文言であっても、睡眠促進に関連する各種疾患や症状の予防、治療及び/又は改善の効果を表す文言であれば、本技術の範囲に包含されることは言うまでもない。そのような文言としては、例えば、「眠れない方へ」「睡眠の質を向上させたい方へ」「寝つきが気になる方へ」「起床時に疲れがたまっている方へ」等、需要者に対して睡眠促進の効果を認識させるような種々の用途に基づく表示も可能である。
また、例えば、新生児や乳児に対し、搾乳された母乳に本菌体を添加して、経口摂取させたり、経鼻胃栄養チューブ等によって摂取させる方法を採用することも可能である。
また、本発明の飲食品組成物には、本発明の効果を損なわない限り、公知の又は将来的に見出されるプレバイオティクス効果を有する成分又はプレバイオティクス効果を補助する成分を使用することができる。例えば、本発明の飲食品組成物は、ホエイタンパク質、カゼインタンパク質、大豆タンパク質、若しくはエンドウ豆タンパク質(ピープロテイン)等の各種タンパク質若しくはその混合物、分解物;ロイシン、バリン、イソロイシン若しくはグルタミン等のアミノ酸;ビタミンB6若しくはビタミンC等のビタミン類;クレアチン;クエン酸;フィッシュオイル;又は、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラクチュロース、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)等のオリゴ糖等の成分と、本菌体とを配合して製造することができる。本発明で使用出来るヒトミルクオリゴ糖としては、2’-フコシルラクトース、3-フコシルラクトース、2’,3-ジフコシルラクトース、ラクト-N-トリオースII、ラクト-N-テトラオース、ラクト-N-ネオテトラオース、ラクト-N-フコペンタオースI、ラクト-N-ネオフコペンタオース、ラクト-N-フコペンタオースII、ラクト-N-フコペンタオースIII、ラクト-N-フコペンタオースV、ラクト-N-ネオフコペンタオースV、ラクト-N-ジフコヘキサオースI、ラクト-N-ジフコヘキサオースII、6’-ガラクトシルラクトース、3’-ガラクトシルラクトース、ラクト-N-ヘキサオースおよびラクト-N-ネオヘキサオース等の中性ヒトミルクオリゴ糖、3’-シアリルラクトース、6’-シアリルラクトース、3-フコシル-3’-シアリルラクトース、ジシアリル-ラクト-N-テトラオースなどの酸性ヒトミルクオリゴ糖が使用出来る。
本技術に係る飲食品として、乳幼児用調製粉乳を挙げることが出来る。乳幼児用調製粉乳とは、0~12か月の乳児を対象とする乳児用調製粉乳、6~9か月以降の乳児および年少幼児(3歳まで)を対象とするフォローアップミルク、出生時の体重が2500g未満の新生児(低出生体重児)を対象とする低出生体重児用調製粉乳、牛乳アレルギーや乳糖不耐症等の病的状態を有する児の治療に用いられる各種治療用ミルクなどを指す。さらに、該組成物を保健機能食品や病者用食品に適用することができる。保健機能食品制度は、内外の動向、従来からの特定保健用食品制度との整合性を踏まえて、通常の食品のみならず錠剤、カプセル等の形状をした食品を対象として設けられたもので、特定保健用食品(個別許可型)と栄養機能食品(規格基準型)の2種類の類型からなる。
本技術に係る飲食品として、妊娠期・授乳期の母親向けのママ用ミルク(調製粉乳)や栄養補助食品を挙げることができる。ママ用ミルクとは、妊娠・授乳期に必要な栄養をバランスよく配合したミルクなどを指す。
本技術の調製粉乳は、具体的には、例えば、以下の方法により製造できる。
すなわち、本技術は、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を含む菌体粉末と、プレバイオティクス及び/又は粉乳を混合し、睡眠促進用の粉乳を得る、睡眠促進用粉乳の製造方法を提供する。
具体的には、例えば、下記工程(A)~(C)を含む、睡眠促進用粉乳の製造方法を提供する:
(A)乳成分を含有する培地でビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を培養し、培養物を得る工程;
(B)前記培養物を噴霧乾燥および/または凍結乾燥に供し、菌体粉末を得る工程;
(C)前記菌体粉末とプレバイオティクスを混合し、睡眠促進用の粉乳を得る工程。
また、本技術は、下記工程(A)を含む、睡眠促進用粉乳の製造方法を提供する:
(A)プレバイオティクス、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌、および乳成分を混合し、粉乳を得る工程。
また、本技術の食品組成物は、具体的には、例えば、睡眠促進用サプリメントであってよい。睡眠促進用サプリメントは、例えば、以下の方法により製造できる。
すなわち、本技術は、下記工程(A)および(B)を含む、睡眠促進用サプリメントの製造方法を提供する:
(A)ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌、および賦形剤を混合し、混合物を得る工程;
(B)前記混合物を打錠する工程。
上記いずれの製造方法においても、適宜、上記工程で言及した成分以外の成分を併用してよい。
<医薬品、医薬部外品>
本技術に係る睡眠促進用組成物は、公知の医薬品又は医薬部外品(以下、「医薬品等」ともいう)に添加して調製することもできるし、医薬品等の原料中に混合して新たな医薬品等を製造することもできる。
本技術に係る睡眠促進用組成物を医薬品等に配合する場合、該医薬品等は、経口投与や非経口投与などの投与方法に応じて、適宜所望の剤形に製剤化することができる。その剤形は特に限定されないが、経口投与の場合、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、トローチ剤、カプセル剤等の固形製剤;溶液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。非経口投与の場合、例えば、座剤、噴霧剤、吸入剤、軟膏剤、貼付剤、注射剤等に製剤化することができる。本技術では、経口投与の剤形に製剤化することが好ましい。
なお、製剤化は剤形に応じて、適宜、公知の方法により実施できる。
製剤化に際しては、適宜製剤担体を配合する等して製剤化してもよい。また、本技術の睡眠促進用組成物のほか、通常製剤化に用いられている賦形剤、pH調整剤、着色剤、矯味剤等の成分を用いることができる。更に、公知の又は将来的に見出される疾患や症状の予防、改善及び/又は治療の効果を有する成分を、適宜目的に応じて併用することも可能である。
前記製剤担体としては、剤形に応じて、各種有機又は無機の担体を用いることができる。固形製剤の場合の担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
前記賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α-デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
前記結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
前記崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
前記滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
前記安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
前記矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
本技術に係る医薬品等中のビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の含有量は、本技術の効果を損なわない限り、自由に設定することができる。
医薬組成物における本菌体の含有量は、剤形、用法、対象の年齢、性別、疾患や症候、症状又は障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、通常1×10~1×1012CFU/g含有することがより好ましい。また、1日当たりの投与量は、少なくとも1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは2×1010CFU/日以上、又はそれ以上であることが好ましい。。本菌体が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。本菌体が破砕物の場合、cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlは、上記cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlの生菌又は死菌の破砕物と置き換えることができる。
<飼料>
本技術に係る睡眠促進用組成物は、公知の飼料に添加して調製することもできるし、飼料の原料中に混合して新たな飼料を製造することもできる。
本技術に係る睡眠促進用組成物を飼料に配合する場合、飼料の原料としては、例えば、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦等の穀類;ふすま、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;脱脂粉乳、ホエー、魚粉、骨粉等の動物性飼料類;ビール酵母等の酵母類;リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;アミノ酸類;糖類等が挙げられる。また、前記飼料の形態としては、例えば、愛玩動物用飼料(ペットフード等)、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
本技術に係る飼料中のビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の含有量は、本技術の効果を損なわない限り、体重等に応じて自由に設定することができる。
飼料組成物における本菌体の含有量は、剤形、用法、対象の年齢、性別、疾患や症候、症状又は障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、通常、1×10~1×1012CFU/g含有することがより好ましい。また、1日当たりの投与量は、少なくとも1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは1×10CFU/日以上、より好ましくは2×1010CFU/日以上、又はそれ以上であることが好ましい。本菌体が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。本菌体が破砕物の場合、cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlは、上記cfu/gもしくはcfu/mlまたは個細胞/gもしくは個細胞/mlの生菌又は死菌の破砕物と置き換えることができる。
本技術は、以下の構成を採用することも可能である。
[1]
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を有効成分とする、睡眠促進用組成物。
[2]
前記細菌が、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)である、[1]の睡眠促進用組成物。
[3]
睡眠時間を長期化させる、[1]又は[2]の睡眠促進用組成物。
[4]
ノンレム睡眠及び/またはレム睡眠を長期化させる、[3]の睡眠促進用組成物。
[5]
睡眠中の自発行動量を減少させる、[3]又は[4]の睡眠促進用組成物。
[6]
睡眠中の覚醒時間を減少させる、[1]から[5]のいずれかの睡眠促進用組成物。
[7]
日中の覚醒困難を減少させる、[1]から[6]のいずれかの睡眠促進用組成物。
[8]
医薬品組成物である、[1]から[7]のいずれかの睡眠促進用組成物。
[9]
食品組成物である、[1]から[7]のいずれかの睡眠促進用組成物。
[10]
睡眠促進剤、睡眠促進用医薬、又は睡眠促進用飲食品へのビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の使用。
[11]
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を対象に投与することを含む、睡眠促進方法。
[12]
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を35才以上のヒトに投与することを含む、睡眠促進方法。
[13]
睡眠不良下において起こる、不眠症(寝つきの悪さ、途中で起きてしまい再入眠できない、朝早く起きてしまう、熟睡できない)、過眠症(日中眠くてしかたない、居眠りをして注意をされる)、概日リズム睡眠障害、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、いびき、睡眠時無呼吸症候群、睡眠時随伴症、ナルコプレシー、睡眠時遊行症、錯乱性覚醒、睡眠時驚愕症(夜驚症)、律動性運動障害、睡眠時ひきつけ、寝言、夜泣き、乳児疝痛(コリック)、夜間下肢こむらがえり、悪夢、睡眠麻痺、睡眠関連陰茎勃起障害、レム睡眠行動障害、歯ぎしり、夜尿、いびき、発作性ジストニア、周期性四肢運動障害、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防、治療及び/又は改善のための、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の使用。
[14]
下記工程(A)~(C)を含む、睡眠促進用粉乳の製造方法:
(A)乳成分を含有する培地でビフィドバクテリウム・ブレーベを培養し、培養物を得る工程;
(B)前記培養物を噴霧乾燥および/または凍結乾燥に供し、菌体粉末を得る工程;
(C)前記菌体粉末とプレバイオティクスを混合し、睡眠促進用の粉乳を得る工程。
[15]
下記工程(A)を含む、睡眠促進用粉乳の製造方法:
(A)プレバイオティクス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、および乳成分を混合し、粉乳を得る工程。
[16]
前記乳成分が、乳タンパク質である、[14]または[15]に記載の方法。
[17]
前記乳タンパク質が、ホエイ、ホエイ加水分解物、カゼインからなる群より選択される少なくとも1つの成分である、[14]~[16]のいずれか一項に記載の方法。
[18]
下記工程(A)および(B)を含む、睡眠促進用サプリメントの製造方法:
(A)ビフィドバクテリウム・ブレーベ、および賦形剤を混合し、混合物を得る工程;
(B)前記混合物を打錠する工程。
以下、実施例に基づいて本技術をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
[実験例1]
実験例1では、睡眠動物モデルを用いて、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の睡眠促進効果を検証した。
<試験試料の製造>
ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の一例として、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の培養液を濃縮、乾燥させ、生菌乾燥物を得た。
<睡眠動物モデル>
Slc:Wistarラット(オス、10週齢)を用いて、試験試料の投与が動物の睡眠に与える影響について、検討を行った。ラットは日本エスエルシー株式会社より購入した。ラットは12時間ごとの明暗周期下(午前5時;明期の開始時刻)で、室温23±3℃、湿度55±15%の環境下で飼育した。飼料は、オリエンタル酵母社の未滅菌滅MF固形飼料を使用し、自由摂餌・自由飲水させた。ラットは、ソムペンチル麻酔下でバリカンで頸部から背部の被毛を剃り、消毒したのちに切開し、行動量測定用の3軸加速度センサーおよび無線測定用電極を埋設・留置した。切開部は消毒後に縫合糸にて縫合し、切開部および縫合部は手術後マーカイン(R)注0.25%にて塗布による鎮痛処置を行った。さらに手術後保温・回復度を観察し、十分に麻酔から覚めた個体を飼育ゲージに戻した。ラットは耳パンチ法により個体識別およびケージカードにて識別した。対照群には溶媒(生理食塩水)、陽性対照として清酒酵母粉末(三菱ガス化学社製)およびビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999を用いた。
<試験方法>
各試験試料は、ディスポーザブルシリンジを用いて胃ゾンデによる強制経口投与法により投与した。試料の投与液量は、下記の表1に示すように、投与前日の体重を基に5mL/kg又は10mL/kgで液量を算出した。行動量・脳波測定データは、試験試料の投与前日および投与当日に、消灯30分前から7時間にわたって記録した。投与当日は、測定開始前に試料を経口投与し、測定を開始した。1日目(前日)はコントロールとして溶媒のみを投与して測定し、翌日は試験試料を生理食塩水に溶解し投与後に測定した。行動量の測定結果に基づいて、各試料が異なる時間帯に沈静効果を示すことを確認した。次に、行動量の測定結果と脳波、筋電図、心電図の測定結果を合わせて、睡眠促進効果の有無を検討した。覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の判定は、キッセイコムテック社製睡眠解析ソフト「スリープサイン」を用いて、定法(Kohtoh et al., Sleep Biol Rhythms. 2008;6:163-171)に従い行った。投与後6時間までの脳波データを解析し、1時間毎の覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠の時間を算出した。
<統計解析>
得られた行動量、脳波の数値は、各群の平均値を算出した。時間毎の覚醒時間、レム睡眠時間、ノンレム睡眠時間、行動量は、前日(未投与)の値に対するStudent's t-testにて検定した。群間の有意差は対照群に対するStudent's t-testにて検定した。有意水準は危険率5%とした。
<結果>
(1)陰性対照群
陰性対照群の睡眠測定結果を表2に示す(*, p<0.05)。
陰性対照群では、統計学的に有意な変化はなかった。
(2)陽性対照群1(清酒酵母)
陽性対照群1(清酒酵母)の睡眠測定結果を表3に示す。
陽性対照群1(清酒酵母)では、投与後3-6時間帯におけるレム睡眠、ノンレム睡眠がやや増加したが、統計学的な有意差はみられなかった。行動量は投与後5-6時間帯で減少した。
(3)陽性対照群2(ATCC BAA-999)
陽性対照群2(ATCC BAA-999)の睡眠測定結果を表4に示す。
陽性対照群2(ATCC BAA-999)では、投与後2時間時点におけるレム睡眠の増加が統計学的な有意差(p<0.05)を示した。一方、投与後5時間、7時間ではノンレム睡眠が減少し、覚醒傾向が見られた。
(4)試験群(MCC1274)
試験群(MCC1274)の睡眠測定結果を表5に示す。
試験群(MCC1274)では、投与後4、6時間帯で覚醒時間が減少、投与後4-6時間に行動量が減少し、睡眠増加効果が示された。投与後6時間時点における覚醒の減少、レム睡眠の増加、ノンレム睡眠の増加がともに統計学的な有意差(p<0.05)を示した。
以上の結果から、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を投与することにより、睡眠時の行動量の減少とともに、睡眠時の覚醒時間の短縮、レム睡眠の誘発、ノンレム睡眠の誘発がみられた。陽性対照として用いた清酒酵母や、ビフィドバクテリウム・ロンガムATCC BAA-999では、覚醒時間とノンレム睡眠で有意差がみられなかったことから、これらと比べても高い睡眠促進効果が認められた。
[実験例2]
実験例2では、ヒトを対象として、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の睡眠促進効果を検証した。
<試験試料の製造>
前記実験例1と同様の方法にて製造した生菌乾燥物をデンプンと混合し、1カプセルに345mgに充填し、試験試料とした。
一方、カプセルにデンプンのみ345mgを充填したプラセボカプセルを製造し、これを対照試料とした。
試験試料と対照試料は、外観、色、味から見分けがつかない事を確認した。
<被験者>
20歳以上の健常者(BMI25以上30未満)を被験者として臨床試験に登録した。さらに、体組成測定、血液検査、意思による問診により、以下の(1)~(7)の除外基準に抵触しない者を解析対象とした。
(1)重篤な疾患等の治療を受けている者またはこれらの重篤な既往歴のある者
(2)胃腸疾患に罹患し、投薬を受けている者
(3)生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)の薬物治療を受けている者
(4)薬物アレルギーあるいは重篤な食物アレルギーの既往歴がある者
(5)妊娠している者、試験期間中妊娠の意思がある者、授乳中の者
(6)ヘビースモーカー、多量飲酒者、生活習慣が不規則な者
(7)被験者背景、身体所見、問診などの結果から、試験責任医師または試験分担医師により被験者として不適当と判断された者
具体的な被験者の背景因子を下記表6に示す。対象群と試験群の年齢に、有意差は認められなかった。
<試験方法>
健常成人男女を対象にビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274を投与し、摂取前後での睡眠に及ぼす影響を検討した。被験者は、12週間にわたって試験試料又は対照試料を1日1回、食後30分以内に水などと一緒に摂取した。すなわち、試験群の1日あたりの摂取量は、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の生菌として200億個とした。
摂取前、摂取後12週目において、ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index;PSQI)を用いて、睡眠の質,入眠時間,睡眠時間,睡眠効率,睡眠困難,睡眠薬の使用,日中覚醒困難の7要素の合計得点として算出した。
<結果>
ビフィドバクテリウム・ブレーベ摂取前後のピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)総合得点の平均値および変化量を表7に示す。
表7に示す通り、被験物質の摂取前と比べて、12週間の摂取後ではPSQI総合得点が-0.20低下しており、睡眠の質、入眠時間、睡眠時間、睡眠効率、睡眠薬の使用、日中覚醒困難が総合的にみて改善されていた。
更にPSQIの項目別スコアの平均値を、下記表8に示す。
表8に示す通り、睡眠時間(C3)、睡眠効率(C4)が摂取前よりも改善しており、特に日中覚醒困難(C7)については、摂取前と比べて有意な改善が観察された。
以上の結果から、ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌の摂取により、総合的な睡眠の質と睡眠状態が改善されたことが示された。特に、睡眠時間が延長したことが項目別スコアの睡眠時間(C3)および起床時間と就寝時間の差から算出される睡眠効率(C4)の結果から示唆され、それにより車の運転中や食事中や社会活動中など眠ってはいけない時に起きていられなくなったり、物事をやり遂げるのに必要な意欲を持続しなかったりする日中覚醒困難(C7)の症状が改善することが示された。
[製造例]
下記に睡眠促進用組成物、医薬品組成物、及び食品組成物の製造例を示す。
<製造例1>
ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を、MRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。菌末と、ホエイタンパク質濃縮物(Whey protein concentrate;WPC)と、プレバイオティクス(ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖)を均一に混合して組成物を得る。当該組成物20gを200gの水に溶かし、睡眠促進用組成物を得る。当該組成物の投与により、睡眠を促進することができる。
<製造例2>
ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を、MRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。菌末と、乳タンパク質濃縮物の乾燥粉末(MPC480、フォンテラ社製、タンパク質含量80質量%、カゼインタンパク質:ホエイタンパク質=約8:2)と、プレバイオティクス(ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖)を均一に混合して、組成物を得る。当該組成物20gを200gの水に溶かし、睡眠促進用組成物を得る。
<製造例3>
ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を、MRS液体培地3mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。次に、プレバイオティクス(ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖)、結晶セルロースを撹拌造粒機に投入し混合する。その後、精製水を加え造粒、造粒物を乾燥し、細菌の抽出成分及びプレバイオティクスを含有し、賦形剤を含有してなる造粒物(医薬品組成物)を得る。当該造粒物を投与することにより睡眠を促進することができる。
<製造例4>
ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を添加した発酵乳の製造法を下記に示す。
まず、乳原料、および必要に応じた水、その他の成分等を混合し、好ましくは均質化処理を行い、加熱殺菌処理する。均質化処理および加熱殺菌処理は常法により行うことができる。加熱殺菌された殺菌調乳液に乳酸菌スターターを添加(接種)し、所定の発酵温度に保持して発酵させ、発酵物を得る。発酵によりカードが形成される。
乳酸菌スターターとしては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)等のヨーグルト製造に通常用いられている乳酸菌を用いることができる。pHが目標の値に達したら、形成されたカードを撹拌により破砕し、10℃以下に冷却して発酵物を得る。10℃以下に冷却することにより、乳酸菌の活性を低下させて酸の生成を抑制することができる。
次いで、発酵工程で得られた発酵物を加熱処理して加熱後発酵物(加熱処理後の発酵物)を得る。発酵物を適度に加熱することにより、加熱後発酵物中の乳酸菌による酸の生成を抑えることができる。これによって、その後の製造工程中および/またはビフィズス菌入り濃縮発酵乳の保存中のpHの低下を抑えることができ、その結果、ビフィズス菌の生残性を向上させることができる。
次いで、加熱処理工程で得られた加熱後発酵物に、ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)及びプレバイオティクス(ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖)を添加する。ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の添加量は、加熱後発酵物に対して1×10~1×1011CFU/mLが好ましく、1×10~1×1010CFU/mLがより好ましい。ビフィドバクテリウム・ブレーベ(NITE BP-02622、NITE BP-11175)が死菌の場合、CFU/mLは、個細胞/mLと置き換えることができる。
加熱後発酵物にビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)及びプレバイオティクスを添加した後、濃縮を行う。濃縮工程は公知の濃縮方法を適宜用いて行うことができる。遠心分離法では、被濃縮物(ビフィズス菌及びプレバイオティクスが添加された加熱後発酵物)中のホエーが除去されて、固形分濃度が高められたビフィズス菌及びレバイオティクス入り濃縮発酵乳が得られる。得られた発酵乳を摂取することにより、睡眠を促進することができる。
<製造例5>
ビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)を添加した調製粉乳の製造法を下記に示す。
脱塩牛乳乳清蛋白質粉末(ミライ社製)10kg、牛乳カゼイン粉末(フォンテラ社製)6kg、乳糖(ミライ社製)48kg、ミネラル混合物(富田製薬社製)920g、及びビタミン混合物(田辺製薬社製)32g、ラクチュロース(森永乳業社製)500g、ラフィノース(日本甜菜製糖社製)500g、ガラクトオリゴ糖液糖(ヤクルト薬品工業社製)900gを温水300kgに溶解し、さらに90℃で10分間加熱溶解し、調製脂肪(太陽油脂社製)28kgを添加して均質化する。その後、殺菌、濃縮の工程を行って噴霧乾燥し、調製粉乳約95kgを調製する。これに、澱粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベMCC1274(FERM BP-11175)の菌体粉末(1.8×1011cfu/g、森永乳業社製)100gを加えてビフィズス菌・オリゴ糖配合調製粉乳約95kgを調製する。得られた調製粉乳を水に溶解して、標準調乳濃度である総固形分濃度14%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中のビフィズス菌数は2.7×10cfu/100mlを得ることができる。上述のようにして得られた調整粉乳を投与することにより、睡眠の促進が可能である。

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  1. ビフィドバクテリウム・ブレーベに属する細菌を有効成分とする、睡眠促進用組成物。
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