JP2023133174A - 人工皮革およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面に極細繊維からなる立毛を有していながらも、防汚性に優れた人工皮革を提供すること。【解決手段】 平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とを構成要素として含む人工皮革であって、前記人工皮革の少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を有し、前記人工皮革がシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有する、人工皮革。【選択図】 なし

Description

本発明は、表面に極細繊維からなる立毛を有し、防汚性に優れた人工皮革に関するものである。
主として不織布等の繊維質基材とポリウレタンからなる人工皮革は、耐久性や均一性の高さなど天然皮革にはない優れた特徴を有しており、なかでも、その表面をバフィングして立毛を形成させた、いわゆるスエード調の人工皮革は、衣料用素材、車輌内装材、家具・インテリア用素材および工業材料など、様々な分野で使用されている。
特に、極細繊維からなる立毛を有するスエード調人工皮革の場合には、優美な表面外観と、滑らかなタッチを有しているため、人の手や外気に触れやすい部分に使用されることが多く、したがって人の手から付着する皮脂や、外気からのホコリをはじめとする、種々の汚れにより汚染されやすいだけでなく、付着した汚れが極細繊維からなる立毛部の微細な隙間に入り込んでしまい、一般の繊維製品と比較して汚れが取れにくいという課題がある。
これに対し、布帛や合成皮革に対し防汚性を付与する方法としては、その表面にフッ素系化合物などの防汚剤を付与することが提案されている。例えば、特許文献1では、ポリエステル系繊維布帛の繊維表面に、難燃剤、バインダー樹脂および防汚剤が付与されているインテリア資材シートであって、難燃剤が熱硬化性樹脂で被覆されたポリリン酸アンモニウム系化合物であり、防汚剤が無機系ケイ素化合物および/またはフッ素系化合物であり、インテリア資材シートの通気度が特定の範囲であることを特徴とするインテリア資材シートが提案されている。
また、特許文献2では、少なくとも繊維布帛基材、樹脂層、表面処理層の順で積層された合成皮革において、表面処理層は、少なくとも水系ポリウレタン樹脂とイソシアネート系化合物と親水性化合物を含有する組成物から形成されるものであって、親水性化合物がポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンをグラフト重合させた水溶性高分子であることを特徴とする防汚性能を有する合成皮革が提案されている。
特開2005-187975号公報 特開2020-169427号公報
特許文献1、2に開示された方法においては、立毛を有さない繊維布帛や、表面に高分子弾性体の層を有する合成皮革に一定の防汚性を有することは可能である。しかしながら、極細繊維からなる立毛を有するスエード調人工皮革の場合には、前述のように汚れが極細繊維からなる立毛部の微細な隙間に入り込んでしまうため、単に防汚剤を付与するだけでは十分な防汚性能を付与することが出来ない。
そこで、本発明の目的は、上記の従来技術の背景に鑑み、表面に極細繊維からなる立毛を有していながらも、防汚性に優れた人工皮革を提供することにある。
上記の目的を達成すべく本発明者らが検討を重ねた結果、立毛内部への汚れの入り込みの抑制と、入り込んだ汚れの除去性を向上させるために、人工皮革にシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有させることで、スエード調の優美な外観を有していながら、防汚性に優れるスエード調人工皮革を得ることができることを見出した。
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば以下の発明が提供される。
[1] 平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とを構成要素として含む人工皮革であって、前記人工皮革の少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を有し、前記人工皮革がシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有する、人工皮革。
[2] 前記フッ素系化合物が、フルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体、および、フルオロアルキル基を有するメタクリレート共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、前記[1]に記載の人工皮革。
[3] 前記シリコーン系化合物が、ジメチルシリコーン、および、メチルフェニルシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種である、前記[1]または[2]に記載の人工皮革。
[4] 前記繊維質基材が、前記極細繊維それぞれが絡合してなる不織布、または、前記極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の人工皮革。
[5] 前記繊維質基材が、前記不織布の内部に織物および/または編物が挿入されてなるものである、前記[4]に記載の人工皮革。
[6] 平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とからなるシートの少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を形成した後、シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する、前記[1]~[5]のいずれかに記載の人工皮革の製造方法。
本発明によれば、表面に極細繊維からなる立毛を有していながら、防汚性に優れた人工皮革が得られる。
図1は、本発明の人工皮革に係る立毛長の測定方法について説明する、人工皮革の断面概念図である。
本発明の人工皮革は、平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と、高分子弾性体とからなる人工皮革であって、前記人工皮革の少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を有し、前記人工皮革がシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有する、人工皮革である。
以下にこの構成要素について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する範囲に何ら限定されるものではない。
[極細繊維]
本発明に用いられる極細繊維に用いることができる樹脂としては、優れた耐久性、特には機械的強度、耐熱性および耐光性の観点から、例えば、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどが挙げられる。ポリエステル系樹脂は、例えば、ジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体とジオールとから得ることができる。
前記のポリエステル系樹脂に用いられるジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体などが挙げられる。なお、本発明でいうエステル形成性誘導体とは、ジカルボン酸の低級アルキルエステル、酸無水物、アシル塩化物などである。具体的には、メチルエステル、エチルエステル、ヒドロキシエチルエステルなどが好ましく用いられる。本発明で用いられるジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体としてより好ましい態様は、テレフタル酸および/またはそのジメチルエステルである。
前記のポリエステル系樹脂に用いられるジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。中でもエチレングリコールが好ましく用いられる。
極細繊維に用いられる樹脂としてポリアミド系樹脂を用いる場合には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド56、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、共重合ポリアミド等を用いることができる。
極細繊維に用いられる樹脂には、種々の目的に応じて、酸化チタン粒子等の無機粒子、潤滑剤、顔料、熱安定剤、紫外線吸収剤、導電剤、蓄熱剤および抗菌剤等を含有することができる。
極細繊維の断面形状としては、丸断面、異形断面のいずれでも採用することができる。異形断面の具体例としては、楕円、扁平、三角などの多角形、扇形、十字型などが挙げられる。
本発明において、極細繊維の平均単繊維直径は、0.1μm以上10μm以下であることが重要である。極細繊維の平均単繊維直径が10μm以下、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下であることによって、人工皮革をより柔軟なものとすることができる。また、立毛の品位を向上させることができる。一方、極細繊維の平均単繊維直径が0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.7μm以上であることによって、染色を行う場合に染色後の発色性に優れた人工皮革とすることができる。また、バフィングによる起毛処理を行う際に、束状に存在する極細繊維の分散しやすさ、さばけやすさを向上させることができる。
本発明でいう平均単繊維直径とは、以下の方法で測定されるものである。すなわち、
(1)得られた人工皮革を厚み方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM、例えば、株式会社キーエンス製「VHX-D500/D510」など)により観察する。
(2)観察面内の任意の50本の極細繊維の繊維直径をそれぞれの極細繊維断面において3方向で測定する。ただし、異型断面の極細繊維を採用した場合には、まず単繊維の断面積を測定し、当該断面積となる円の直径を以下の式で算出する。これより得られた直径をその単繊維の単繊維直径とする
単繊維直径(μm)=(4×(単繊維の断面積(μm))/π)1/2
(3)得られた合計150点の算術平均値(μm)を算出し、小数点以下第二位で四捨五入する。
[繊維質基材]
本発明で用いられる繊維質基材は、前記の極細繊維からなる。なお、繊維質基材には、異なる原料の極細繊維が混合されていることが許容される。
前記の繊維質基材の具体的な形態としては、前記の極細繊維それぞれが絡合してなる不織布や極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布を用いることができる。中でも、極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布が、人工皮革の強度や風合いの観点から好ましく用いられる。柔軟性や風合いの観点から、特に好ましくは、極細繊維の繊維束を構成する極細繊維同士が適度に離間して空隙を有する不織布が好ましく用いられる。このように、極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布は、例えば、極細繊維発現型繊維をあらかじめ絡合した後に極細繊維を発現させることによって得ることができる。また、極細繊維の繊維束を構成する極細繊維同士が適度に離間して空隙を有する不織布は、例えば、海成分を除去することによって島成分の間を空隙とすることができる海島型複合繊維を用いることによって得ることができる。
前記の不織布としては、短繊維不織布、長繊維不織布のいずれでもよいが、人工皮革の風合いや品位の観点から短繊維不織布がより好ましく用いられる。
短繊維不織布を用いた場合における短繊維の繊維長は、25mm以上90mm以下の範囲であることが好ましい。繊維長を25mm以上、より好ましくは35mm以上、さらに好ましくは40mm以上とすることにより、絡合により耐摩耗性に優れた人工皮革が得られやすくなる。また、繊維長を90mm以下、より好ましくは80mm以下、さらに好ましくは70mm以下とすることにより、より風合いや品位に優れた人工皮革を得ることができる。
本発明において、繊維質基材として不織布を用いる場合、強度を向上させるなどの目的で、不織布の内部に織物や編物を挿入し、または積層し、または裏張りすることもできる。かかる織物や編物を不織布の内部に挿入する場合、織物や編物を構成する繊維の平均単繊維直径は、ニードルパンチ時における損傷を抑制し、強度を維持することができるため、0.3μm以上10μm以下であることがより好ましい。
本発明において、前記の不織布とともに織物および/または編物を用いる場合、織物あるいは編物を構成する繊維の平均単繊維直径は、人工皮革断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影し、織物あるいは編物を構成する繊維をランダムに10本選び、その繊維の単繊維直径を測定して10本の算術平均値を計算して、小数点以下第二位で四捨五入することにより算出されるものとする。ただし、異型断面の繊維を採用した場合には、不織布を構成する極細繊維の平均単繊維直径の測定・算出の場合と同様に、まず繊維の断面積(μm)を測定し、当該断面を円形と見立てた場合の直径、すなわち、円相当径を算出することによって繊維の直径(μm)を求めるものとする。
前記の織物あるいは編物を構成する繊維がマルチフィラメントである場合、撚数を1000~4000T/mとすることが好ましい。撚数を4000T/m以下、より好ましくは3500T/m以下、さらに好ましくは3000T/m以下とすることにより、柔軟性に優れた人工皮革が得られ、撚数を1000T/m以上、より好ましくは1500T/m以上、さらに好ましくは2000T/m以上とすることにより、不織布と織物、編物をニードルパンチ等で絡合一体化させる際に、織物、編物を構成する繊維の損傷を防ぐことができ、人工皮革の機械的強度が優れたものとなるため好ましい。
前記の織物の基本組織は、ツイルやサテンを用いても良いが、目ずれなどが発生しにくい平組織を好ましく用いることができる。
前記の編物としては、経編、緯編、レース編みおよびそれらの編組織を基本とした各種編物のいずれも採用することができる。
前記の織物の織密度は、人工皮革において、経糸と緯糸の両方が40本/2.54cm~200本/2.54cmになるように調整することが好ましい。人工皮革を構成する織物の織密度を40本/2.54cm以上、より好ましくは60本/2.54cm以下にすることにより、形態安定性に優れた人工皮革を得ることができる。一方、人工皮革を構成する織物の織密度を200本/2.54cm以下、より好ましくは150本/2.54cm以下とすることにより、人工皮革の風合いを柔軟にすることができるだけでなく、不織布と織物を絡合一体化させる際に不織布の繊維同士の絡合を阻害することがなく、結果として人工皮革の繊維脱落を抑制することができる。
前記の織物や編物を構成する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステルや、ポリアミド6やポリアミド66などのポリアミド等の合成繊維、セルロース系ポリマー等の再生繊維、綿や麻等の天然繊維などを用いることができる。
[高分子弾性体]
本発明の人工皮革を構成する高分子弾性体は、人工皮革において、前記の極細繊維を把持するバインダーの役割を果たすものである。そのため、人工皮革がより柔軟な風合いを奏するように、高分子弾性体としては、ポリウレタン、ポリウレタン、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)およびアクリル樹脂などを用いることが好ましい。中でも、ポリウレタンが主成分であることがより好ましい態様である。ポリウレタンが主成分であることにより、充実感のある触感、皮革様の外観および実使用に耐える物性を備えた人工皮革を得ることができる。なお、本発明でいう「主成分である」とは、高分子弾性体全体の質量に対してポリウレタンの質量が50質量%より多いことをいう。
本発明においてポリウレタンを用いる場合には、有機溶剤に溶解した状態で使用する有機溶剤系ポリウレタンと、水に分散した状態で使用する水分散型ポリウレタンのどちらも採用することができる。また、ポリウレタンとしては、ポリマージオールと有機ジイソシアネートと鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタンが好ましく用いられる。
本発明においてポリウレタンを用いる場合には、ポリウレタンを構成するポリマージオールとしては、平均分子量500以上3000以下のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、あるいはポリエステルポリエーテルジオールなどのポリマージオールなどから選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールを用いることができるが、ポリウレタンが付着した汚れに対してバインダーとして機能を損ないにくい、耐加水分解性に優れるポリカーボネートジオールを、ポリマージオールのうち50モル%以上、より好ましくは80モル%以上含むことが好ましい。
ポリカーボネートジオールの例としては、2-メチル-1,3-プロパンジオールポリカーボネートジオール、ネオペンチルグリコールポリカーボネートジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオールポリカーボネートジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールポリカーボネートジオール、1,4-ブタンジオール/1,5-ペンタンジオール共重合ポリカーボネートジオール、1,4-ブタンジオール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオール、1,4-ブタンジオール/1,10-デカンジオール共重合ポリカーボネートジオール、1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオ-ル、ネオペンチルグリコール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール/1,6-ヘキサンジオール共重合ポリカーボネートジオールなどが挙げられ、これらのうち複数のポリマージオールを含むことも許容される。
また、高分子弾性体には、目的に応じて各種の添加剤、例えば、カーボンブラックなどの顔料、「リン系、ハロゲン系および無機系」などの難燃剤、「フェノール系、イオウ系およびリン系」などの酸化防止剤、「ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリレート系およびオキザリックアシッドアニリド系」などの紫外線吸収剤、「ヒンダードアミン系やベンゾエート系」などの光安定剤、ポリカルボジイミドなどの耐加水分解安定剤、可塑剤、耐電防止剤、界面活性剤、凝固調整剤および染料などを含有させることができる。
一般に、人工皮革における高分子弾性体の含有量は、使用する高分子弾性体の種類、高分子弾性体の製造方法および風合いや物性を考慮して、適宜調整することができるが、本発明においては、高分子弾性体の含有量は、繊維絡合体の質量に対して20質量%以上50質量%以下とすることが好ましい。前記の高分子弾性体の含有量を20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、とすることで、人工皮革の耐摩耗性を向上させることができる。一方、前記の高分子弾性体の含有量を50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下とすることで、人工皮革をより柔軟性の高いものとすることができる。
[シリコーン系化合物]
本発明の人工皮革を構成するシリコーン系化合物は、立毛を構成する極細繊維からの汚れの除去性を高める役割を果たすものである。特に、流動性を有する液体汚れは、立毛の内部に入り込んだ後に、乾燥し極細繊維の周囲に付着して汚れの除去を困難にする。しかしながら、本発明の人工皮革においては、例えば、極細繊維の表面にシリコーン系化合物が存在することで、シリコーン系化合物の有する撥水性により、立毛の内部に汚れが入り込みにくくなり、汚れの除去を容易とすることができる。
シリコーン系化合物としては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチル水素シリコーンなどのストレートシリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどの変性シリコーンのいずれも用いることができるが、特に、耐熱性に優れる、ジメチルシリコーンやメチルフェニルシリコーンを用いることが好ましい。
[フッ素系化合物]
本発明の人工皮革を構成するフッ素系化合物は、人工皮革において、表面の立毛内部に汚れ、特には流動性を有する液体汚れが入り込んでしまった場合でも、立毛を構成する極細繊維からの汚れの除去性を高める役割を果たすものである。
フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体、および、フルオロアルキル基を有するメタクリレート共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、パーフルオロアルキルアクリレートやパーフルオロメタクリレートと塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、アジピン酸、アクリルアミド等のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。
[親水性基を有するポリエステル系化合物]
本発明の人工皮革を構成する親水性基を有するポリエステル系化合物は、人工皮革において、表面の立毛内部に汚れ、特には油性の汚れが入り込んでしまった場合でも、立毛を構成する極細繊維からの油性の汚れの除去性を高める役割を果たすものである。親水性基を有するポリエステル化合物を極細繊維の表面に含むことで、極細繊維がポリエステルなどの、油性汚れとの親和性の高い繊維から構成されている場合でも、拭き取りによって油性汚れを容易に除去することができる。なお、本発明において、「親水性基を有するポリエステル系化合物」とは、ポリエステルの構成成分である多価カルボン酸、ポリアルコールの少なくとも一方に、スルホ基、ホスホン基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ポリアルキレンオキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ジスルホンアミド基などの親水性基が導入されているか、親水性基を有する成分が共重合されているポリエステル系化合物のことを指す。
具体的には、この親水性基を有するポリエステル系化合物として、例えば、ジメチルイソフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂、ジメチルテレフタレート及びポリエチレングリコールからなる共重合ポリエステル樹脂、テレフタル酸と、アジピン酸と、5-スルホイソフタル酸と、ポリエチレングリコールとからなる共重合ポリエステル樹脂、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸とアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールとからなるブロック共重合ポリエステル樹脂等が挙げられる。
[人工皮革]
本発明の人工皮革は、前記の繊維質基材と高分子弾性体とを構成要素として含む人工皮革であって、この人工皮革が前記のシリコーン系化合物と前記のフッ素系化合物と前記の親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有する。
そして、本発明の人工皮革は、少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を有する。この立毛について、その長さ(以降、単に「立毛長」と略記することがある。)が150μm以上、好ましくは200μm以上であることで、スエード調の優美な外観を有する人工皮革とすることができる。一方で、立毛長を400μm以下、好ましくは350μm以下とすることで、立毛の内部への汚れの入り込みを抑制することができ、長期間の実使用時にも汚染の少なく、外観の優れる人工皮革とすることができる。
本発明において、前記の立毛長は、以下の方法により算出されるものとする。
(1)リントブラシ等を用いて、前記の立毛を逆立てた状態で人工皮革の断面を走査型電子顕微鏡(SEM、例えば、株式会社キーエンス製「VHX-D500/D510」など)により倍率50~100倍で撮影する。
(2)撮影したSEM画像において、図1に示す人工皮革の断面の模式図に従って、人工皮革の底面(図1中L)に対して平行な線(図1中L)上に200μm間隔で垂線を引く。
(3)立毛部(図中1)とその立毛部以外の部分である基体部(図中2)の境界線(L)上に点P~P10をマークする。
(4)点P~P10からそれぞれ立毛部方向に垂線を引き、立毛層の先端と交わる点Q~Q10をマークする
(5)点PとQの距離Rとし、同様にR10まで求め、その平均値(算術平均)を算出し、本発明における立毛長とする。
本発明の人工皮革は、JIS L1919:2012「繊維製品の防汚性試験方法」に記載の「A-2法(密閉形樹脂製袋を用いる方法)」、「B法(スプレー法)」、「C法(滴下拭き取り法」にて規定される、「2)付いた汚れの落ちやすさ試験」がいずれも3級以上であることが好ましい。これらの試験方法は、A-2法が気中に浮遊している粉塵などを想定した細かい粒子を含んだ乾性の粉体汚染物質に対する防汚性、B法が親水性汚れに対する防汚性、C法が親油性汚れに対する防汚性を測定するものであり、これら全ての試験方法に対して3級以上の防汚性を有していることで、実使用時に汚れの除去性に優れた人工皮革となる。
[人工皮革の製造方法]
本発明の人工皮革の製造方法は、好ましくは、平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とからなるシートの少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を形成した後、シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する。以下に、その詳細を説明する。
<極細繊維からなる繊維質基材を作製する工程>
本発明において、極細繊維を得る手段としては、極細繊維発現型繊維を用いることが好ましい態様である。例えば、極細繊維発現型繊維をあらかじめ絡合し不織布とした後に、繊維の極細化を行うことによって、極細繊維束が絡合してなる不織布を得ることができる。
極細繊維発現型繊維としては、溶剤溶解性の異なる2成分(島繊維が芯鞘複合繊維の場合は2または3成分)の熱可塑性樹脂を海成分と島成分とし、前記の海成分を、溶剤などを用いて溶解除去することによって島成分を極細繊維とする海島型複合繊維を用いることが、海成分を除去する際に島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維間に適度な空隙を付与することができるため、人工皮革用基体の風合いや表面品位の観点から好ましい。
海島型複合繊維としては、海島型複合用口金を用い、海成分と島成分の2成分(島繊維が芯鞘複合繊維の場合は3成分)を相互配列して紡糸する高分子相互配列体を用いる方式が、均一な単繊維直径の極細繊維が得られるという観点から好ましい。
海島型複合繊維の海成分としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナトリウムスルホイソフタル酸やポリエチレングリコールなどを共重合した共重合ポリエステル、およびポリ乳酸などを用いることができるが、製糸性や易溶出性等の観点から、ポリスチレンや共重合ポリエステルが好ましく用いられる。
また、繊維絡合体は不織布の形態をとることが好ましく、前述のように短繊維不織布でも長繊維不織布でも用いることができるが、短繊維不織布であると、人工皮革の厚さ方向を向く繊維が長繊維不織布に比べて多くなり、起毛した際の人工皮革の表面に高い緻密感を得ることができるため好ましい。
繊維絡合体として短繊維不織布を用いる場合には、得られた極細繊維発現型繊維に、好ましくは捲縮加工を施し、所定長にカット加工して原綿を得る。捲縮加工やカット加工は、公知の方法を用いることができる。
次に、得られた原綿を、クロスラッパー等により繊維ウェブとし、絡合させることにより短繊維不織布を得る。繊維ウェブを絡合させ短繊維不織布を得る方法としては、ニードルパンチ処理やウォータージェットパンチ処理等を用いることができる。
さらに、得られた短繊維不織布と織物を積層し、そして絡合一体化させることで、繊維絡合体の強度を向上することも好ましい。短繊維不織布と織物の絡合一体化には、短繊維不織布の片面もしくは両面に織物を積層するか、あるいは複数枚の短繊維不織布ウェブの間に織物を挟んだ後に、ニードルパンチ処理やウォータージェットパンチ処理等によって短繊維不織布と織物の繊維同士を絡ませることができる。
このようにして得られた繊維絡合体は、緻密化の観点から、乾熱もしくは湿熱またはその両者によって収縮させ、さらに高密度化することが好ましい態様である。また、不織布はカレンダー処理等により、厚み方向に圧縮することもできる。
次に、前記の不織布に水溶性樹脂の水溶液を含浸し、乾燥することにより水溶性樹脂を付与することもできる。不織布に水溶性樹脂を付与することにより、繊維が固定されて寸法安定性が向上される。
極細繊維発現型繊維として海島型複合繊維を用いる場合の繊維極細化処理(脱海処理)は、例えば、溶剤中に海島型複合繊維を浸漬し、搾液することによって行うことができる。海成分を溶解する溶剤としては、海部がポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンの場合には、トルエンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤を用いることができる。また、海部が共重合ポリエステルやポリ乳酸の場合には、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を用いることができる。また、海部が水溶性熱可塑性ポリビニルアルコール系樹脂の場合には、熱水を用いることができる。
<高分子弾性体を付与する工程>
本工程では、好ましくは、極細繊維または極細繊維発現型繊維を主構成成分とする繊維質基材に高分子弾性体の前駆体の溶液を含浸し固化して、高分子弾性体を付与する。ここでいう高分子弾性体の前駆体とは、後述する凝固や固化などの手段によって高分子弾性体となる前駆体(以下、単に「前駆体」と略記することがある)のことを言う。例えば、人工皮革の構成要素として含まれる高分子弾性体として、ポリウレタン樹脂が用いられる場合には、ポリウレタン樹脂の各反応成分、すなわち、ポリマージオール、有機ジイソシアネート、鎖伸長剤の混合物が高分子弾性体の前駆体である。
高分子弾性体としてポリウレタンを付与させる際、高分子弾性体の前駆体の溶液の溶媒としては、N,N’-ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等が好ましく用いられる。また、高分子弾性体としてポリウレタンを付与させる際に、ポリウレタンを水中にエマルジョンとして分散させた水分散型ポリウレタン液を用いてもよい。
高分子弾性体を不織布に固定する方法としては、高分子弾性体の前駆体の溶液、または、エマルジョン液を繊維絡合体に含浸させた後、湿式凝固または乾式凝固する方法があり、使用する高分子弾性体の種類により適宜これらの方法を選択することができる。
なお、繊維質基材への高分子弾性体の付与は、極細繊維発生型繊維から極細繊維を発生させる前に付与してもよいし、極細繊維発生型繊維から極細繊維を発生させる後に付与してもよい。
<立毛を形成させる工程>
前記の工程を経て得られたシートは、製造効率の観点から、立毛を形成させる前に厚み方向に半分に分割して(半裁して)、2枚の高分子弾性体が付与されてなる繊維質基材とすることも好ましい態様である。
さらに、前記の工程を経て得られたシート、あるいは、前記の工程を経て得られたシートを半裁したシートの少なくとも一方の表面に、150μm以上400μm以下の立毛を形成し、立毛シートとする。
この立毛を形成する際、立毛長を前述の範囲とするために、サンドペーパーやロールサンダーを用いることが好ましく、サンドペーパーを用いて研削することがより好ましい。また、サンドペーパーの番手は120番手から320番手の間を使用することが好ましい。
さらに、立毛シートは、この段階で染色されることも好ましい。この染色処理としては、例えば、ジッガー染色機や液流染色機を用いた液流染色処理、連続染色機を用いたサーモゾル染色処理等の浸染処理、あるいはローラー捺染、スクリーン捺染、インクジェット方式捺染、昇華捺染および真空昇華捺染等による立毛面への捺染処理等を用いることができる。中でも、柔軟な風合いが得られること等から、品質や品位面から液流染色機を用いることが好ましい。
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>
次に、立毛シートまたは染色された立毛シートに、シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する。シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物の付与方法としては、パディング法、スプレー法、キスロール法等により所定量を付与すれば良いが、立毛の根本部分まで均一にシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与でき、少ない付与量でも優れた防汚性を発現可能なパディング法を用いることが好ましい。パディング法を用いるときは、含浸液に立毛シート、または、染色された立毛シートを浸漬してマングル等で絞った後、テンター乾燥機などの公知の乾燥機を用いて乾燥すればよい。
シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とをパディング法で付与する場合において、含浸液のピックアップ量を立毛シートまたは染色された立毛シートの質量に対して30%以上90%以下となるように、マングルのクリアランスや圧力を調整することが好ましい。ピックアップ率を30%以上、より好ましくは40%以上とすることで、立毛シートまたは染色された立毛シートに均一に付与することができる。一方で、ピックアップ率を90%以下、より好ましくは80%以下とすることで、立毛シートまたは染色された立毛シートの乾燥効率を向上させることができる。
シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とをパディング法で付与する場合において、付与した後の乾燥としては、150℃以下で乾燥させることが好ましい。150℃以下、より好ましくは130℃以下で乾燥させることにより、含浸液のマイグレーションを抑制し、立毛シート、または、染色された立毛シートの厚み方向に均一に付与することができる。
シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とは、立毛シート、または、染色された立毛シートに別々に付与しても、シリコーン系化合物と、フッ素系化合物と、親水性基を有するポリエステル系化合物とを同時に付与しても良いが、製造効率の観点からは、同時に付与することが好ましい。
シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを、パディング法で同時に付与する場合には、含浸液にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン性の界面活性剤を含有することが好ましい。含浸液に非イオン性の界面活性剤を含有させることで、含浸液の安定性を向上させることができる。
含浸液に非イオン性の界面活性剤を含有させる場合には、界面活性剤の添加量としては、含浸液の濃度の0.1%以上1%以下とすることが好ましい。0.1%以上、より好ましくは0.3%以上とすることで、長時間加工時にも含浸液の変質が起こりにくくなる。一方で、1%以下、より好ましくは0.8%以下とすることで、含浸液の泡立ちを抑制することができる。
<後加工工程>
さらに、必要に応じて、前記工程によって得られたシートの表面に意匠性を施すこともできる。例えば、パーフォレーション等の穴開け加工、エンボス加工、レーザー加工、ピンソニック加工、およびプリント加工等の後加工処理を施すことができる。
以上に例示された製造方法によって得られる本発明の人工皮革は、表面に極細繊維からなる立毛を有していながら、防汚性に優れており、家具、椅子および車両内装材から衣料用途まで幅広く用いることができるが、特にその優れた防汚性から車両内装材に好適に用いられる。
次に、実施例を用いて本発明の人工皮革についてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。次に、実施例で用いた評価法とその測定条件について説明する。ただし、各物性の測定において、特段の記載がないものは、前記の方法に基づいて測定を行ったものである。
[測定方法および評価用加工方法]
(1)平均単繊維直径(μm)、人工皮革の表面における立毛の長さ(μm)
平均単繊維直径、人工皮革の表面における立毛の長さは、株式会社キーエンス製「VHX-D500/D510」を用いて、前記の方法に従って測定を行った。なお、表1~表3において、人工皮革の表面における立毛の長さのことを、単に、「表面の立毛長」として略記した。
(2)人工皮革の防汚性
前記の通り、JIS L 1919:2012「繊維製品の防汚性試験方法」に記載の「A-2法(密閉形樹脂製袋を用いる方法)」、「B法(スプレー法)」、「C法(滴下拭き取り法」にて規定される、「2)付いた汚れの落ちやすさ試験」を行い、JIS L0805:2005に規定される汚染用グレースケールを用いて級数を判定し、A-2法で得られた結果を、乾性の粉体汚染物質に対する防汚性、B法で得られた結果を、親水性汚れに対する防汚性、C法で得られた結果を、親油性汚れに対する防汚性とした。
なお、汚れの付与については各法の「1)汚れにくさ試験」で規定される方法で行い、汚れを付着させた試験片を、JIS L1092:2009の「6.2.2 b)(ドライクリーニング処理 B法(石油系法))」で規定される処理を行った後に、級数を判定した。
(3)人工皮革の触感
健康な成人20名を評価者として、人工皮革の触感を、下記のようにA、B、Cで評価し、最も多かった評価を人工皮革の触感とした。本発明において良好なレベルは、「AまたはB」である。
A:ベタつきが殆どなく、柔らかい
B:ややベタつきがあるが、柔らかい
C:ベタつきがあり、硬い
(4)人工皮革の外観
健康な成人20名を評価者として、人工皮革の触感を、下記のようにA、Cで評価し、最も多かった評価を人工皮革の外観とした。本発明において良好なレベルは、「A」である。
A:スエード調の外観を有する
C:立毛が短く、スエード調の外観を有さない
[実施例1]
<極細繊維からなる繊維質基材を作製する工程>
島成分として固有粘度(IV)が0.73のポリエチレンテレフタレートを用い、また海成分としてメルトフローレート(MFR)が65のポリスチレンを用い、島数が16島/ホールの海島型複合用口金を用いて、紡糸温度が285℃、島/海質量比率が80/20、吐出量が1.2g/分・ホール、紡糸速度が1100m/分の条件で溶融紡糸した。次いで、90℃の温度の紡糸用の油剤液浴中で2.8倍に延伸し、押し込み型捲縮機を用いて捲縮加工処理し、その後、51mmの長さにカットし、単繊維繊度が3.8dtexの海島型複合繊維の原綿を得た。
次に、上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成し、2500本/cmのパンチ本数でニードルパンチ処理して、目付が600g/mで、厚みが2.7mmの不織布を得た。
上記のようにして得られた不織布を96℃の温度の熱水で収縮処理させた後、これに、鹸化度が88%で、12質量%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液を含浸後にロールで絞り、温度120℃の熱風で10分間PVAをマイグレーションさせながら乾燥させ、不織布の質量に対するPVA質量が27質量%のPVA付シートを得た。
上記のようにして得られたPVA付シートをトリクロロエチレンに浸漬させて、マングルによる搾液と圧縮を10回行うことによって、海成分の溶解除去とPVA付シートの圧縮処理を行い、極細繊維不織布とPVAとからなる脱海PVA付シートを得た。
<高分子弾性体を付与する工程>
次いで、脱海PVA付シートを、ポリマージオールとして、1,4-ブタンジオール/1,10-デカンジオール共重合ポリカーボネートジオールを、有機ジイソシアネートとして、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを、鎖伸長剤として水を用い、固形分濃度13%に調整したポリウレタン前駆体のジメチルホルムアミド(DMF)溶液に浸漬後にロールで絞り、次いでDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、厚みが1.8mmで、不織布の質量に対するポリウレタン質量が35質量%のポリウレタン付シートを得た。
<立毛を形成させる工程>
得られたポリウレタン付シートを厚さ方向に垂直に半裁し、厚みが0.9mmの半裁シートを得た。そして、上記のようにして得られた半裁シートの、半裁面の反対面をサンドペーパー番手180番のエンドレスサンドペーパーで表層から0.30mm研削し、立毛面を形成させ、厚み0.60mmの起毛シートを得た。得られた立毛シートを、液流染色機を用いて、120℃の温度条件下で分散染料を用いて黒色に染色し、染色された立毛シートを得た。
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>
上記のようにして得られた染色された立毛シートを、シリコーン系化合物を含む薬剤として薬剤A(日華化学株式会社製「ニコソルトS-12」)を10質量部、フッ素系化合物を含む薬剤として薬剤B(日華化学株式会社製「NKガードS55」)を2質量部、親水性基を有するポリエステル系化合物を含む薬剤として薬剤C(日華化学株式会社製「ナイスポールPR-99」)を10質量部、水77.5質量部、そして、含浸液の安定化剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液に浸し、立毛シートの質量に対するピックアップ率が50%となるようにマングルで絞ったのちに、120℃のテンターで10分間乾燥させることで、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを2質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水85.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革は、スエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例3]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを16質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水71.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革は、スエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例4]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを2質量部、水85.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革は、スエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例5]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを20質量部、水67.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ややベタつきがあるものの、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例6]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを0.4質量部、薬剤Cを10質量部、水79.1質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表2に示す。
[実施例7]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを8質量部、薬剤Cを10質量部、水71.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ややベタつきがあるものの、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表2に示す。
[実施例8]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを10質量部、薬剤Bを2質量部、薬剤Cを10質量部、水77.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用していたところ、薬剤Aを10質量部、フッ素系化合物を含む薬剤として薬剤D(明成化学工業株式会社製「AG-E061」)を2質量部、親水性基を有するポリエステル系化合物として薬剤E(高松油脂株式会社製「SR-1000」)を10質量部、水71.5質量部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル0.5質量部からなる含浸液を使用することに変えた以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表2に示す。
[実施例9]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを40質量部、薬剤Bを8質量部、薬剤Cを40質量部、水12質量部からなる調合液をキスロールによって立毛シートの質量に対する調合液の付与量が12.5質量%となるように立毛シートの表面に塗布した以外は実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ややベタつきがあるものの、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表2に示す。
[実施例10]
<極細繊維からなる繊維質基材を作製する工程>
実施例1と同様にして、単繊維繊度が3.8dtexの海島型複合繊維の原綿を得た。
次に、上記の海島型複合繊維の原綿を用いて、カードおよびクロスラッパー工程を経て積層ウェブを形成したのちに、ポリエチレンテレフタレートからなるマルチフィラメント(平均単繊維直径:11.0μm、総繊度:84dtex、72フィラメント)に2500T/mの撚りを施した撚糸を、緯糸と経糸の両方に用いた、織密度が経95本/2.54cm、緯76本/2.54cmの平織物(目付75g/m)を積層ウェブの上下に積層し、2500本/cmのパンチ本数でニードルパンチ処理して、目付が750g/mで、厚みが3.0mmの絡合シートを得た。
上記のようにして得られた絡合シートを96℃の温度の熱水で収縮処理させた後、これに、鹸化度が88%で、5質量%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液を含浸後にロールで絞り、温度120℃の熱風で10分間PVAをマイグレーションさせながら乾燥させ、絡合シートの質量に対するPVA質量が10質量%のPVA付シートを得た。
上記のようにして得られたPVA付シートをトリクロロエチレンに浸漬させて、マングルによる搾液と圧縮を10回行うことによって、海成分の溶解除去とPVA付シートの圧縮処理を行い、極細繊維不織布とPVAとからなる脱海PVA付シートを得た。
<高分子弾性体を付与する工程>
次いで、脱海PVA付シートを、ポリマージオールとして、1,4-ブタンジオール/1,10-デカンジオール共重合ポリカーボネートジオールを、有機ジイソシアネートとして、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを、鎖伸長剤として水を用い、固形分濃度13%に調整したポリウレタン前駆体のジメチルホルムアミド(DMF)溶液に浸漬後にロールで絞り、次いでDMF濃度30%の水溶液中でポリウレタンを凝固させた。その後、PVAおよびDMFを熱水で除去し、110℃の温度の熱風で10分間乾燥することにより、厚みが2.4mmで、不織布の質量に対するポリウレタン質量が30質量%のポリウレタン付シートを得た。
<立毛を形成させる工程>
得られたポリウレタン付シートを厚さ方向に垂直に半裁し、厚みが1.2mmの半裁シートを得た。そして、上記のようにして得られた半裁シートの、半裁面をサンドペーパー番手180番のエンドレスサンドペーパーで表層から0.30mm研削し、立毛面を形成させ、厚み0.90mmの起毛シートを得た。得られた立毛シートを、液流染色機を用いて、120℃の温度条件下で分散染料を用いて黒色に染色し、染色された立毛シートを得た。
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>
実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであった。結果を表2に示す。
Figure 2023133174000001
Figure 2023133174000002
[比較例1]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Aを付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有しているものの、防汚性に劣るものであった。結果を表3に示す。
[比較例2]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Cを付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有しているものの、親油性汚れに対する防汚性に劣るものであった。結果を表3に示す。
[比較例3]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Bを付与しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が300μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はスエード調の外観を有し、ベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有しているものの、親水性汚れ、親油性汚れに対する防汚性に劣るものであった。結果を表3に示す。
[比較例4]
<立毛を形成させる工程>において、厚みが0.9mmの半裁シートの、半裁面の反対面をサンドペーパー番手180番のエンドレスサンドペーパーで研削していたところ、サンドペーパー番手600番のエンドレスサンドペーパーで研削することに変えたこと以外は、実施例1と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が80μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであったものの、立毛が短くスエード調の優美な外観を有していないものであった。結果を表3に示す。
[比較例5]
<シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する工程>において、薬剤Cを付与しなかったこと以外は、比較例4と同様にして、平均単繊維直径が4.4μmで、表面の立毛長が80μmの人工皮革を得た。得られた人工皮革はベタつきが殆どなく、柔軟な触感を有していながら、防汚性に優れるものであったものの、立毛が短くスエード調の優美な外観を有していないものであった。結果を表3に示す。
Figure 2023133174000003
実施例1~10の人工皮革は、特定の長さの立毛を有する染色された立毛シートに対して、シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物を全て付与したものであるため、スエード調の優美な外観を有していながら、防汚性に優れる人工皮革を得ることができた。一方、比較例1~3の人工皮革は、染色された立毛シートに対してシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物のいずれかが付与されていないために、防汚性に劣るものであった。また、比較例4、5の人工皮革は、立毛が短いためにシリコーン系化合物の付与有無に関わらず良好な防汚性を有したものの、立毛が短すぎて外観に劣るものであった。
1:立毛部
2:基体部

Claims (6)

  1. 平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とを構成要素として含む人工皮革であって、前記人工皮革の少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を有し、前記人工皮革がシリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを含有する、人工皮革。
  2. 前記フッ素系化合物が、フルオロアルキル基を有するアクリレート共重合体、および、フルオロアルキル基を有するメタクリレート共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の人工皮革。
  3. 前記シリコーン系化合物が、ジメチルシリコーン、および、メチルフェニルシリコーンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の人工皮革。
  4. 前記繊維質基材が、前記極細繊維それぞれが絡合してなる不織布、または、前記極細繊維の繊維束が絡合してなる不織布である、請求項1または2に記載の人工皮革。
  5. 前記繊維質基材が、前記不織布の内部に織物および/または編物が挿入されてなるものである、請求項4に記載の人工皮革。
  6. 平均単繊維直径0.1μm以上10μm以下の極細繊維からなる繊維質基材と高分子弾性体とからなるシートの少なくとも一方の表面に150μm以上400μm以下の立毛を形成した後、シリコーン系化合物とフッ素系化合物と親水性基を有するポリエステル系化合物とを付与する、請求項1または2に記載の人工皮革の製造方法。
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