JP2023132310A - 表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法 - Google Patents

表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表皮とパッド材が一体成形され、シートクッションの意匠性に制約が生じることなく、表皮及びパッド材の成形後にセンサ等の装置が内部に収容可能な表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法を得る。【解決手段】シートパッド14の内部にポケット部材36が埋没され、ポケット部材36の開口部38は外部に露出するシートパッド14の下面14E側に設けられている。これにより、シートパッド14及びシート表皮16を一体成形させた後、開口部38を通じて着座センサ20をポケット部材36の内部37に着座センサ20を収容させることができる。また、ポケット部材36の開口部38は見えない位置に設けられているため、シートクッション12の意匠性に制約は生じない。つまり、シートクッション12の意匠面に影響を与えることなく、センサ等の装置をポケット部材36の内部37に収容させることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法に関する。
従来から、車両用シートのシートクッションにおいて、クッションパッド(以下、「パッド材」と称する)の表面に表皮を被覆するカバーリング作業が行われている。一方、シートクッションに対して、例えば、着座センサ等のセンサが配設される場合があり、この場合、パッド材と表皮の間に当該センサが配置される。
例えば、下記特許文献1では、表皮の裏面側に袋状のポケット部材を縫製すると共に表皮の表面(シートクッションの意匠面)側にポケット部材の開口部を形成しており、パッド材の表面に表皮が被覆された状態で、当該開口部を通じてセンサを収容可能とする技術が開示されている。
特開2020-93079号公報
しかしながら、上記先行技術では、シートクッションの意匠面側にポケット部材の開口部が形成されるため、意匠性に制約が生じる。
ところで、近年では、パッド材と表皮を一体成形する技術が開発されており、これにより、カバーリング作業が廃止され、部品点数の削減を実現している。
このように、パッド材と表皮を一体成形する場合、センサを含めてパッド材と表皮が一体成形されることになるが、パッド材の原料、接着剤等がセンサに付着してしまうと、センサが動作不良を起こす可能性が高い。
本発明は上記事実を考慮し、表皮とパッド材が一体成形され、シートクッションの意匠性に制約が生じることなく、表皮及びパッド材の成形後にセンサ等の装置が内部に収容可能な表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドは、乗員が着座するシートクッションの一部を構成するパッド材と、前記パッド材が一体に成形され、当該パッド材における前記シートクッションの意匠面側を被覆する表皮と、前記パッド材の内部に埋没され、少なくとも外部に露出する当該パッド材の表面に開口部が設けられたポケット部材と、を有する。
請求項1に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドでは、パッド材、表皮及びポケット部材を含んで構成されている。パッド材は、乗員が着座するシートクッションの一部を構成し、表皮はパッド材と一体に成形され、当該パッド材におけるシートクッションの意匠面側を被覆する。また、ポケット部材は、パッド材の内部に埋没されており、ポケット部材の開口部は、少なくとも外部に露出する当該パッド材の表面に設けられている。
このように、少なくともパッド材の表面に開口部が設けられ、当該パッド材の内部に埋没されるポケット部材が設けられることによって、パッド材と表皮を一体成形した後、開口部を通じてセンサ等の装置をポケット部材の内部に挿入し、センサ等の装置をポケット部材の内部に収容させることができる。
ここで、ポケット部材の開口部は、少なくとも外部に露出する当該パッド材の表面に設けられている。パッド材におけるシートクッションの意匠面側は表皮によって被覆されるため、ポケット部材の開口部は、パッド材において、シートクッションの意匠面以外の部位に設けられることになる。このため、シートクッションの意匠性に制約は生じない。つまり、シートクッションの意匠面に影響を与えることなく、センサ等の装置をポケット部材の内部に収容させることができる。
また、本発明では、ポケット部材は、パッド材の内部に埋没されるため、ポケット部材の内部に収容されるセンサ等の装置もパッド材の内部に埋没されることになる。つまり、シートクッションにセンサ等の装置が設けられたとしても、着座する乗員に対して異物感を与えないようにすることができる。
請求項2に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドは、請求項1に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドにおいて、前記開口部は開閉可能とされている。
請求項2に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドでは、ポケット部材の開口部は開閉可能とされており、これにより、表皮一体成形シートパッドを成形する際、ポケット部材の開口部を閉止させ、表皮一体成形シートパッドの成形後にポケット部材の開口部を開放させることができる。
このように、表皮一体成形シートパッドの成形時において、ポケット部材の開口部を閉止させることによって、本発明では、表皮一体成形シートパッドの成形時において、ポケット部材の内部にパッド材の原料等が浸入しないようにすることができる。
請求項3に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドは、請求項1又は請求項2に記載の表皮一体成形シートパッドにおいて、前記開口部には、当該開口部を開閉可能とする開閉部材が設けられている。
請求項3に記載の発明に係る表皮一体成形シートパッドでは、ポケット部材の開口部には、当該開口部を開閉可能とする開閉部材が設けられており、この開閉部材を介してポケット部材の開口部が開閉される。例えば、開閉部材として、マジックテープ(登録商標)、両面テープ等が挙げられる。
請求項4に記載の発明に係る車両用シートは、乗員が着座するシートクッションに対して、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記表皮一体成形シートパッドが適用されている。
請求項4に記載の発明に係る車両用シートでは、乗員が着座するシートクッションに対して表皮一体成形シートパッドが適用されることによって、カバーリング作業が廃止され、部品点数が削減される。また、車両用シートにおいて、シートクッションの意匠面に影響を与えることなく、センサ等の装置をポケット部材の内部に収容させることができる。
また、センサ等の装置はパッド材の内部に埋没されるため、シートクッションにセンサ等の装置が設けられたとしても、着座する乗員に対して異物感を与えないようにすることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用シートは、請求項4に記載の発明に係る車両用シートにおいて、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記ポケット部材は、前記シートクッションにおけるシート前後方向の後部側に設けられ、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記開口部は、前記シートクッションにおけるシート上下方向の下面側に設けられている。
請求項5に記載の発明に係る車両用シートでは、ポケット部材は、シートクッションにおけるシート前後方向の後部側に設けられており、ポケット部材の開口部はシートクッションにおけるシート上下方向の下面側に設けられている。すなわち、ポケット部材の開口部は、車両用シートの見えない位置に設けられることになる。
請求項6に記載の発明に係る車両用シートは、請求項5に記載の車両用シートにおいて、前記ポケット部材の内部には、乗員が着座した状態で作動可能な装置が収容可能とされる。
請求項6に記載の発明に係る車両用シートでは、ポケット部材の内部には、乗員が着座した状態で作動可能な装置が収容可能とされる。装置としては、例えば、着座センサ、温度センサ等のセンサの他、シート状ヒータ、スピーカの一部を構成するボイスコイル等が挙げられる。
請求項7に記載の発明に係る車両用シートは、請求項6に記載の車両用シートにおいて、前記装置は、乗員が着座した状態を検知可能な着座センサとされる。
請求項7に記載の発明に係る車両用シートでは、表皮一体成形シートパッドの成形後にポケット部材の内部に着座センサが収容される。
請求項8に記載の発明に係る表皮一体成形方法は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記表皮一体成形シートパッドを成形する金型は、前記表皮が収容される下型と、前記下型との間で空間が形成され前記空間内に前記パッド材の原料が注入され前記表皮一体成形シートパッドを成形する上型と、を備え、前記表皮一体成形シートパッドの成形時において、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記ポケット部材が前記空間内に配置されるように、前記下型又は前記上型に対して当該ポケット部材が保持されるように設定されている。
請求項8に記載の発明に係る表皮一体成形方法では、表皮一体成形シートパッドを成形する金型は、表皮が収容される下型と、当該下型との間で空間を形成する上型と、を備え、当該上型と下型との間で形成された空間内にパッド材の原料を注入し表皮一体成形シートパッドが成形される。
ここで、表皮一体成形シートパッドの成形時において、ポケット部材が当該空間内に配置されるように、下型又は上型に対して当該ポケット部材が保持されるように設定されている。これにより、ポケット部材はパッド材の内部に埋没された状態で配置される。
請求項9に記載の発明に係る表皮一体成形方法は、請求項8に記載の発明に係る表皮一体成形方法において、前記ポケット部材の開口部は閉止された状態で前記表皮一体成形シートパッドが成形される。
請求項9に記載の発明に係る表皮一体成形方法では、ポケット部材の開口部は閉止された状態で表皮一体成形シートパッドが成形されるため、表皮一体成形シートパッドの成形時にパッド材の原料がポケット部材内に浸入することを防止することができる。
請求項10に記載の発明に係る表皮一体成形方法は、請求項8又は請求項9に記載の発明に係る表皮一体成形方法において、前記ポケット部材の内部に板状部材が収容された状態で成形される。
請求項10に記載の発明に係る表皮一体成形方法では、ポケット部材の内部に板状部材が収容された状態で表皮一体成形シートパッドが成形されることによって、表皮一体成形シートパッドの成形後に当該板状部材を取り除くことでポケット部材の内部には板状部材の形状に沿って収容空間が形成される。
この収容空間は、荷重が作用していない無負荷状態において形状が維持されるため、無負荷状態においてポケット部材の内部に収容された装置に対して荷重が入力されないようにすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、表皮とパッド材が一体成形され、意匠性に制約が生じることなく、成形後にセンサ等の装置が内部に収容可能な表皮一体成形シートパッド、車両用シート及びシート表皮一体成形方法を得ることができる。
本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションを示す平面図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションにおいて車両前後方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 図2に示す符号Aで囲まれる部位を拡大して示す拡大断面図である。 図2に示す符号Bで囲まれる部位を拡大し簡素化して示す拡大断面図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションが成形される前の状態の金型内を示す概略断面図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションが成形された後の状態の金型内を示す概略断面図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションを成形する金型の変形例1においてシート幅方向に沿って切断した状態を簡易的に示す概略断面図である。 変形例1の作用について説明するための説明図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションを成形する金型の変形例2を示す図5に対応する概略断面図である。 変形例2の補足事項を説明するための説明図である。 変形例2の金型で成形されたシートクッションに対して補足事項を説明するための説明図である。 本実施形態に係る表皮一体成形シートパッドが適用された車両用シートのシートクッションを成形する際の変形として変形例3を示す図5に対応する概略断面図である。 変形例3の補足事項を説明するための説明図である。 変形例3の補足事項を説明するための説明図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るシートカバーについて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは、車両用シートの前方向(着座者の向く方向)を示しており、矢印UPは車両用シートの上方向を示し、矢印RHは車両用シートの右方向を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両用シートの前後、車両用シートの上下、進行方向を向いた場合の車両用シートの左右を示すものとする。
(表皮一体成形シートパッドの構成)
まず、本実施の形態に係る表皮一体成形シートパッドの構成について説明する。
図1に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション12と、図示はしないがシートクッション12の後端部12Aから立設されシートクッション12に着座した乗員の上体を支持するシートバックと、シートバックの上端部に取り付けられシートクッション12に着座した乗員の頭部を支持するヘッドレストと、を備えている。
なお、当該ヘッドレストは、左右セパレートタイプの車両用シートに適用されてもよいし、ベンチシートタイプの車両用シートに適用されてもよい。このため、ヘッドレストは、適用されるシートに応じて、その形状は適宜変更可能である。勿論、ヘッドレストについては必ずしも必要ではない。
図2に示されるように、当該シートクッション12は、骨格部材であるシートフレーム(図示省略)と、シートパッド(パッド材)14と、シートパッド14を被覆するシート表皮(表皮)16と、を備えている(後述する)。
本実施形態では、シートパッド14とシート表皮16は一体に成形されており、シートパッド14の上面14A、前面14B、後面14C、両側面14D(図1参照)はシート表皮16によって被覆されている。このように、シート表皮16が一体に成形されたシートパッド14を以下表皮一体パッド(表皮一体成形シートパッド)18と称する。
一方、図1に示されるように、シートクッション12は、車両の右側に配置されるシートクッション12Rと、車両の左側に配置されるシートクッション12Lと、を含んで構成されている。シートクッション12Rとシートクッション12Lの間には、例えば、図示はしないがアームレストが前倒した状態で配置可能とされる。
ここで、シートクッション12R、12Lは、それぞれシート幅方向の中央部にメイン部30が設けられており、メイン部30に乗員の臀部及び大腿部が配置される。メイン部30の車両幅方向の外側にはそれぞれサイド部32が設けられており、シートクッション12Rのメイン部30とシートクッション12Lのメイン部30の間には、センタ部34が設けられ、センタ部34の上方側にアームレストが配置可能とされる。なお、このアームレストは必ずしも必要ではない。
シートクッション12Lのメイン部30の後部30A側には、シートパッド14の内部にポケット部材36が埋没されている(図2参照)。なお、ここでは、シートクッション12L側のみにポケット部材36が設けられているが、シートクッション12R側にもポケット部材36が設けられている。
本実施形態では、シートクッション12Rとシートクッション12Lは、略同じ構成であるため、以下の説明では、シートクッション12Rとシートクッション12Lの区別は行わず、シートクッション12として説明する。
シートクッション12に設けられたポケット部材36は、例えば、平面視で略矩形状を成しており、シートパッド14の原料が含浸しないシート部材で形成されている。図2に示されるように、ポケット部材36は、シートパッド14の上面14Aと略平行になるようにシートパッド14の内部に配置されており、ポケット部材36の開口部38は、シートパッド14の下面14E側に設けられている。つまり、シートパッド14の下面14E側からポケット部材36の内部37へのアクセスが可能とされる。
なお、図3は、図2に示す符号Aで囲まれる部位を拡大して示したものであり、図4は、図2に示す符号Bで囲まれる部位を拡大し形状を簡素化させて示したものである。図2~図4に示されるように、ここでは、ポケット部材36を分かりやすく示すため、ポケット部材36の上部36Aと下部36Bの間に隙間39が設けられているが、実際には、ポケット部材36内に何も挿入されていない状態では、表皮一体パッド18の成形時の圧力によってポケット部材36は略厚み方向に沿って押圧されるため、当該隙間39は設けられない。
一方、図4に示されるように、ポケット部材36の開口部38には、マジックテープ(登録商標)、両面テープ等の開閉部材40が設けられている。この開閉部材40によってポケット部材36の開口部38が開閉可能とされる。なお、ここでは、シートパッド14の下面14E側のみにポケット部材36の開閉部材40が設けられているが、ポケット部材36の両側部にも開閉部材40を設け、ポケット部材36の両側部も開口部38と連続して開閉可能となるようにしてしてもよい。この場合、ポケット部材36の内部37に装置等を挿入させる際に挿入させやすくなる。
本実施形態では、図5に示されるように、一例として、表皮一体パッド18を成形する成形用型(以下、「金型」と称する)42は、アルミニウム合金で形成されており、下型44と、上型46、中型48と、を含んで構成され、下型44と上型46の間には中型48が配置されている。なお、シート表皮16の形状等によっては、この中型48は必ずしも必要ではない。
中型48及び上型46は、図示しないヒンジ部を介して下型44に対して開閉可能とされており、下型44に対して中型48及び上型46が閉止された状態で、上型46、中型及び下型44の間には、空間部50が形成される。そして、図6に示されるように、この空間部50内にシートパッド14の原料となるウレタン等の発泡材が注入される。
表皮一体パッド18を成形する際、図5に示されるように、下型44には、キャビティ面に沿ってシート表皮16が配置される。この状態で、中型48を閉止させ、発泡材を注入して上型46を閉止させる。発泡材が発泡することによってシートパッド14がシート表皮16と一体に成形される。
本実施形態では、シートパッド14の内部にポケット部材36が埋没されているため、表皮一体パッド18の成形時において、ポケット部材36は空間部50内に配置されることになる。このため、本実施形態では、例えば、上型46に複数のピン52が取り付けられ、ピン52の先端にポケット部材36が保持されるようにする。
(表皮一体成形シートパッドの作用及び効果)
次に、本実施の形態に係る表皮一体成形シートパッドの作用及び効果について説明する。
図2に示されるように、本実施形態では、シートクッション12を構成するシートパッド14の内部にポケット部材36が埋没されており、ポケット部材36の開口部38は、外部に露出するシートパッド14の下面14E側に設けられている。
本実施形態では、シートパッド14の下面14E側に開口部38が設けられ、当該シートパッド14の内部に埋没されるポケット部材36が設けられることによって、シートパッド14及びシート表皮16を一体成形(表皮一体パッド18)させた後、開口部38を通じて着座センサ20をポケット部材36の内部37に挿入し、ポケット部材36内に着座センサ20を収容させることができる。
このように、本実施形態では、シートパッド14及びシート表皮16を一体成形した後にシートパッド14内に着座センサ20を配置することができるため、シート表皮16に着座センサ20が設けられた状態でシートパッド14及びシート表皮16を一体成形しなくても済む。
これにより、表皮一体パッド18の成形時において、シートパッド14の原料が着座センサ20に付着することはなく、これに伴う着座センサ20の誤作動は生じない。これにより、歩留まりを向上させることができ、結果的に製造コストを削減することができる。
裏を返すと、本実施形態では、表皮一体パッド18の成形後にシートパッド14の内部に着座センサ20を埋没させることができるため、本実施形態によれば、シートパッド14に着座センサ20を設ける構成であっても、シートパッド14及びシート表皮16を一体成形することができる。これにより、シートパッド14の表面にシート表皮16を被覆するカバーリング作業が廃止され、部品点数が削減される。
また、本実施形態では、1つのシートパッド14の内部に着座センサ20を埋没させることができる。比較例として、例えば、図示はしないが、シートパッドを上下二分割させ、下側シートパッド部に着座センサを固定した状態で下側シートバック部に上側シートパッド部を重ねた場合、下側シートパッド部と上側シートパッド部との間でずれが生じると異音が発生する場合がある。しかしながら、本実施形態では、1つのシートパッド14の内部に着座センサ20を埋没させるため、そのような問題は生じない。
なお、本実施形態では、ポケット部材36内に収容させる装置として着座センサ20を例に挙げているがこれに限るものではなく、温度センサ等他のセンサでもよく、さらにはシート状ヒータ、ボイスコイル等、センサ以外の装置でも収容可能である。
ここで、本実施形態では、ポケット部材36は、シートパッド14の内部に埋没される。このため、当該ポケット部材36の内部に収容されるセンサ等の装置もシートパッド14の内部に埋没されることになる。これにより、シートタイプ以外の厚みのある装置がシートクッション12に設けられたとしても、着座する乗員に対して異物感を与えないようにすることができる。
ところで、本実施形態では、ポケット部材36の開口部38は、少なくとも外部に露出するシートパッド14の下面14E側に設けられている。シートパッド14におけるシートクッション12の意匠面(上面14A、前面14B、後面14C、両側面14D(図1参照))側はシート表皮16によって被覆されるため、ポケット部材36の開口部38は、シートパッド14におけるシートクッション12の意匠面以外の部位(下面14E)に設けられることになる。
このように、本実施形態では、ポケット部材36は、シートクッション12のメイン部30の後部30A側に設けられ、ポケット部材36の開口部38はシートクッション12の下面14E側に設けられている。すなわち、ポケット部材36の開口部38は見えない位置に設けられることになる。
したがって、本実施形態では、シートクッション12の意匠性に制約は生じない。つまり、本実施形態では、シートクッション12の意匠面に影響を与えることなく、センサ等の装置をポケット部材36の内部37に収容させることができる。
また、シートパッド14におけるシートクッション12の意匠面以外の部位であれば、ポケット部材36の開口部38を任意の位置に設定することができる。つまり、ポケット部材36の開口部38の向き(センサ等の装置の挿入方向)を自由に設定することができる。これにより、センサ等の装置の挿入時において、図示はしないが、シートクッション12の裏面側、車体フロア側に設けられた部品と干渉しないようすることができる。
また、本実施形態では、ポケット部材36は、シートクッション12のメイン部30の後部30A側に設けられているが、ポケット部材36の開口部38が、シートパッド14におけるシートクッション12の意匠面以外の部位に設けられていればよいため、ポケット部材36の位置についてはこれに限るものではない。つまり、ポケット部材36の位置については、ポケット部材36の内部37に収容される装置によって適宜変更とされる。例えば、シートクッション12の前面14B側、側面14D側にポケット部材36が設けられてもよい。
また、本実施形態では、ポケット部材36の開口部38は開閉可能とされている。これにより、表皮一体パッド18を成形する際、ポケット部材36の開口部38を閉止させ、表皮一体パッド18の成形後にポケット部材36の開口部38を開放させることができる。
このように、ポケット部材36の開口部38を閉止させることによって、本実施形態では、表皮一体パッド18の成形時において、ポケット部材36の内部37にシートパッド14の原料等が浸入しないようにすることができる。
さらに、本実施形態では、ポケット部材36の開口部38には、当該開口部38を開閉可能とする開閉部材40が設けられている。このため、本実施形態では、この開閉部材40を介してポケット部材36の開口部38が開閉される。
したがって、表皮一体パッド18を成形する前に、開閉部材40を介してポケット部材36の開口部38を閉止させる。これにより、表皮一体パッド18の成形時において、より確実にポケット部材36の内部37にシートパッド14の原料等が浸入しないようにすることができる。
また、開閉部材40を介してポケット部材36の開口部38を開閉可能とすることによって、ポケット部材36の内部37に収容された装置の交換も可能である。
(本実施形態の補足事項)
なお、本実施形態では、図5に示されるように、表皮一体パッド18の成形時において、ポケット部材36を空間部50内に配置させるため、上型46に複数のピン52を取り付け、ピン52の先端にポケット部材36が保持されるようにしているが、これに限るものではない。
例えば、ピン52以外にも、変形例1として、図7、図8に示されるように、上型53に爪部54及び当該爪部54と対向して配置される受け部56で構成された挟持部58を設け、当該挟持部58によってポケット部材36を挟持させることで空間部50内でポケット部材36が保持されるようにしてもよい。なお、図7は、金型55において、シート幅方向に沿って切断した状態を示す概略断面図であるが、ここでは簡易的に示すため金型55を線図で示している。
また、本実施形態では、ポケット部材36の開口部38に開閉部材40を設け、表皮一体パッド18の成形時にポケット部材36の開口部38が閉止されるようにしているが、これに限るものではない。
例えば、変形例2として、図9に示されるように、上型60にスリット部62を形成し、スリット部62を通じてポケット部材36の開口側を金型64の外に出した状態でシートパッド14をシート表皮16と一体に成形する。
ここで、補足事項として、スリット部62は、図10、図11に示されるように、例えば、上型60の表面に沿ってスライド可能な封止部材66を設け、図示はしないがエアシリンダによって当該封止部材66を移動させ、スリット部62が封止されるように設定する。
そして、表皮一体パッド18が成形され、表皮一体パッド18が金型64から離型した後、表皮一体パッド18の表面から露出するポケット部材36の露出部68を切断する。この場合、図11に示されるように、切断部70がポケット部材36の開口部38となる。
さらに、以上の実施形態では、表皮一体パッド18の成形後にポケット部材36内に着座センサ20等の装置を挿入可能としているため、表皮一体パッド18の成形時にはポケット部材36の内部37には何も挿入されていない状態となっている。
これに対して、例えば、図12に示されるように、ポケット部材36内に板状部材72を挿入した状態で表皮一体パッド18の成形が行われてもよい。
この場合、図13、図14に示されるように、表皮一体パッド18の成形後に板状部材72をポケット部材36から取り除くとポケット部材36の内部37には板状部材72の形状に沿って収容空間74が形成される。この収容空間74は、荷重が作用していない無負荷状態において形状が維持されるため、無負荷状態においてポケット部材36の内部37に収容された装置に対して荷重が入力されないようにすることができる。
また、本実施形態では、ポケット部材36の内部37に挿入させる装置の形状に合わせてポケット部材36の内部37に収容空間74を形成することができるため、ポケット部材36の内部37に装置を挿入させやすくすることができる。
以上の実施形態では、図1に示されるように、車両用シート10のシートクッション12に適用させた例について説明したが、本発明では、これに限らず、車両用シート10のシートバックに適用されてもよい。さらには、車両用シート10に限らず、図示はしないがマッサージ用シート等に適用されてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能である。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことはいうまでもない。
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートパッド(パッド材、表皮一体成形シートパッド)
14A 上面(シートクッションの意匠面)
14B 前面(シートクッションの意匠面)
14C 後面(シートクッションの意匠面)
14D 側面(シートクッションの意匠面)
14E 下面(シートクッションの意匠面以外の部位)
16 シート表皮(表皮、表皮一体成形シートパッド)
18 表皮一体パッド(表皮一体成形シートパッド)
20 着座センサ(装置)
36 ポケット部材
38 開口部
40 開閉部材
42 金型
44 下型
46 上型
53 上型
55 金型
60 上型
64 金型
72 板状部材

Claims (10)

  1. 乗員が着座するシートクッションの一部を構成するパッド材と、
    前記パッド材が一体に成形され、当該パッド材における前記シートクッションの意匠面側を被覆する表皮と、
    前記パッド材の内部に埋没され、少なくとも外部に露出する当該パッド材の表面に開口部が設けられたポケット部材と、
    を有する表皮一体成形シートパッド。
  2. 前記開口部は開閉可能とされている請求項1に記載の表皮一体成形シートパッド。
  3. 前記開口部には、当該開口部を開閉可能とする開閉部材が設けられている請求項1又は請求項2に記載の表皮一体成形シートパッド。
  4. 乗員が着座するシートクッションに対して、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記表皮一体成形シートパッドが適用されている車両用シート。
  5. 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記ポケット部材は、前記シートクッションにおけるシート前後方向の後部側に設けられ、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記開口部は、前記シートクッションにおけるシート上下方向の下面側に設けられている請求項4に記載の車両用シート。
  6. 前記ポケット部材の内部には、乗員が着座した状態で作動可能な装置が収容可能とされる請求項5に記載の車両用シート。
  7. 前記装置は、乗員が着座した状態を検知可能な着座センサとされる請求項6に記載の車両用シート。
  8. 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記表皮一体成形シートパッドを成形する金型は、
    前記表皮が収容される下型と、
    前記下型との間で空間が形成され前記空間内に前記パッド材の原料が注入され前記表皮一体成形シートパッドを成形する上型と、
    を備え、
    前記表皮一体成形シートパッドの成形時において、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の前記ポケット部材が前記空間内に配置されるように、前記下型又は前記上型に対して当該ポケット部材が保持されるように設定されている表皮一体成形方法。
  9. 前記ポケット部材の前記開口部は閉止された状態で前記表皮一体成形シートパッドが成形される請求項8に記載の表皮一体成形方法。
  10. 前記ポケット部材の内部に板状部材が収容された状態で成形される請求項8又は請求項9に記載の表皮一体成形方法。
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