JP2023132077A - 電波反射体 - Google Patents

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Masao Fujita
将之 豊田
Masayuki Toyoda
尚曄 李
Sang Yeop Lee
恭弥 高野
Kyoya Takano
紳介 原
Shinsuke Hara
一世 渡邊
Kazuyo Watanabe
章史 笠松
Akifumi Kasamatsu
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Abstract

【課題】所定の周波数の電波を良好に反射することができる電波反射体を実現すること。【解決手段】電波1入射面側から第1誘電体層11と抵抗層12と第2誘電体層13と反射層14とが順次積層された電波反射体10であって、前記電波反射体で反射させる電波の中心波長をλとしたとき、前記第2誘電体層の厚さdが、d=λ/2であるる。【選択図】図1

Description

本開示は、電波を反射する電波反射体に関し、特に、所定の周波数帯域の電波を選択的に反射することができる電波反射体に関する。
近年は、携帯電話などの移動体通信や無線LAN、料金自動収受システム(ETC)などで、数ギガヘルツ(GHz)の周波数帯域を持つセンチメートル波、さらには、30ギガヘルツから100ギガヘルツの周波数を有するミリ波帯、ミリ波帯域を超えた高い周波数帯域の電波としてテラヘルツ(THz、100GHz~)帯域の周波数を有する電波を利用する技術の研究も進んでいる。
このような高い周波数の電波を利用する技術トレンドに対応して、不要な電波を吸収する電波吸収体に対しても、ミリ波帯域からそれ以上の高い周波数帯域の電波を吸収可能とするものへの要望がより強くなることが考えられる。
不要な電波の反射を抑えて吸収する電波吸収体としては、誘電体層の電波入射側表面に抵抗皮膜が設けられ、反対側の裏面には電波を反射する反射層が設けられて、反射層で反射して外部に放射される電波の位相を抵抗皮膜の表面で反射する電波の位相から1/2波長分ずらすことで、電波吸収体から反射する電波を打ち消しあって吸収するいわゆる電波干渉型(反射型とも言う)のものが知られている。電波干渉型の電波吸収体は、磁性体粒子によって磁気的に電波を吸収するタイプの電波吸収体と比べて軽量であり、容易に製造することができるため低コスト化が可能という利点を有している。
発明者らは、薄型に形成された電波干渉型の電波吸収体である電波吸収シートとして、誘電体層の表面に形成される抵抗皮膜に導電性有機高分子膜を採用することで、所望する周波数帯域の電波を良好に吸収することができるとともに高い可撓性を備えた、取り扱いの容易な電波吸収シートを提案している(特許文献1参照)。
国際公開番号WO2018/088492号公報
上記従来の電波吸収体を用いることで、不所望な電波を吸収してノイズ要因を低減させて良好な環境で電波通信技術を展開することができる。
一方、所望する周波数帯域の電波を良好に反射させて所望しない周波数の電波の反射を抑えることによっても、不所望な電波を除外することができる。特に、ミリ波帯、テラヘルツ帯域へと電波の周波数が高くなるにつれて電波の直進性が高くなるため、所望する位置に高周波数の電波を届けるためには、電波を反射させる反射体を電波の進行経路内に配置することが重要となる。
本開示は、上記の課題を解決するもので、所定の周波数の電波を良好に反射することができる電波反射体を実現することを目的とする。
上記課題を解決するため本願で開示する電波反射体は、電波入射面側から第1誘電体層と抵抗層と第2誘電体層と反射層とが順次積層された電波反射体であって、前記電波反射体で反射させる電波の中心波長をλとしたとき、前記第2誘電体層の厚さdが、d=λ/2であることを特徴とする。
本願で開示する電波反射体は、第1誘電体層、抵抗層、第2誘電体層、反射層が順次積層された構成において、第2誘電体層の厚さdが反射させる電波の中心波長λに対してd=λ/2であるため、電波反射体に入射した後に抵抗層で反射される電波と反射層で反射される電波との位相が重なり重畳される。このため、所望する周波数の電波を強く反射することができる。
本実施形態にかかる電波反射シートの第1の構成を説明する部分断面図である。 本実施形態にかかる電波反射シートにおける電波反射特性を確認するためのシミュレーションに用いられるモデル図と等価回路図である。図2(a)が本実施形態にかかる電波反射シートの透過回路図を、図2(b)が検討に用いた電波反射シートのモデル図を示す。 シミュレーションに用いる電波反射シートと実際に作製した電波反射シートの構成を説明するモデル図である。 実際に作製した第1の構成の電波反射シートの反射減衰特性を、シミュレーション結果と比較する図である。 本実施形態にかかる電波反射シートの第2の構成を説明する部分断面図である。 実際に作製した電波反射シートの反射減衰特性を、シミュレーション結果と比較する図である。
本願で開示する電波反射体は、電波入射面側から第1誘電体層と抵抗層と第2誘電体層と反射層とが順次積層された電波反射体であって、前記電波反射体で反射させる電波の中心波長をλとしたとき、前記第2誘電体層の厚さdが、d=λ/2である。
なお、ここで、電波反射体で反射させる電波の中心波長λは、電波が第2誘電体層の内部を伝搬するときの波長をいう。
このような構成とすることで、電波反射体に入射した電波のうち抵抗層で反射された電波と第2誘電体層を透過した後に反射層で反射された電波との位相が重なって、反射する電波を強いものとすることができる。また、電波反射体の表面で反射された電波と、抵抗層で反射された電波および反射層で反射された電波との総合作用によって、広い周波数帯域の電波を反射することができる。一方、反射帯域の中心周波数の約0.5倍、1.5倍の帯域で急性を持ち、フィルタ特性を齎すことができる。
上記電波反射体において反射させる前記電波の中心周波数は、100GHz以上450GHz以下であることが好ましい。
また、前記抵抗層の抵抗値が、80Ω/sq以上250Ω/sq以下であることが好ましい。抵抗層の抵抗値を80~250Ω/sqの範囲とすることで、抵抗層で反射される電波と抵抗層を透過する電波とのバランスが良くなり、特に数100GHz帯域の電波を良好に反射することができる。
さらに、前記第2誘電体層が粘着性を有することが好ましい。このようにすることで、抵抗層と第2誘電体層と反射層とを、第2誘電体層自体が備える粘着性で接着することができ、各層を接着するための接着剤が不要となるため、電波反射体を低コストで製造することができる。
さらにまた、前記抵抗層が、導電性有機高分子膜、スパッタ膜、蒸着膜のいずれかで形成されていることが好ましい。
また、本願で開示する電波反射体は、前記第1誘電体層、前記抵抗層、前記第2誘電体層、前記反射層がいずれも薄膜状に作製され、全体として可撓性を有するシート状に形成されていることが好ましい。電波反射体を可撓性を有するシート状とすることで、所望する場所に配置する場合などに取扱いが容易な電波反射体を実現することができる。
以下、本願で開示する電波反射体について、図面を参照して説明する。
ここでは、本願で開示する電波反射体として、主面積に対して厚さが十分に小さくシートとして把握できる電波反射シートを例示して説明する。このように、本願で開示する電波反射体とは、その表面積と厚さとの関係でシートとして捉えられる電波反射シートと、相対的に厚さが厚く全体がブロック形状として把握される電波反射ブロックとの両方を含む概念である。
なお、後述するように、本願で開示する電波反射体が主たるターゲットとするミリ波帯域以上の高周波帯域では、周波数の逆数である波長λの値が小さくなり、誘電体層を介した電波の干渉を用いて所定の周波数の反射量を大きくする電波反射体における誘電体層の厚さはそれほど厚くはならない。また、電波の経路上の所定の位置に配置される電波反射体としては、厚みが薄いシート状であることが他への干渉が少なくなり好都合である。このため、本願で開示する電波反射体は、一定の表面積を有し厚さが小さいシート状の形態を採ることがより一般的であると考えられる。
(実施の形態)
<第1の構成>
図1は、本実施形態にかかる電波反射シート(電波反射体)の第1の構成を示す一部断面斜視図である。
なお、図1、および、第2の構成を説明する図5は、いずれも本実施形態にかかる電波反射シートの構成を理解しやすくするために記載された図であり、図中に示された部材の大きさ、特に各層の厚さに関しては必ずしも現実に即して表されたものではない。
[電波反射シートの全体構成]
本実施形態で例示する第1の構成の電波反射シート10は、反射する電波1の入射面側から、第1誘電体層11、抵抗層12、第2誘電体層13,反射層14が順次積層されて構成されている。
なお、図1に例示する第1の構成の電波反射シート10では、第1誘電体層11として、抵抗層12を塗布形成する際の基材としての樹脂製シートを第1誘電体層11として用いる構成を採用している。
本実施形態にかかる電波反射シート10は、電波干渉型(反射型とも称される)の電波シートと同様に、誘電体層を挟んで配置された部材で反射される電波を互いに干渉させることで所定の周波数帯域の電波を反射するものである。
[各部材の詳細について]
次に、本実施形態にかかる電波反射シート10を構成する各部材について説明する。
<誘電体層>
本実施形態にかかる電波反射シート10の第1誘電体層11、第2誘電体層13は、いずれも、酸化チタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル樹脂、ガラス、シリコーンゴムなどの各種誘電体で形成することができる
なお、第1誘電体層11、第2誘電体層13は、いずれも1種の材料で形成された1層構成のものとして形成することができる。また、同種、異種の材料を2層以上積層した構成とすることもできる。さらに、第1誘電体層11と第2誘電体層13とは同じ誘電体材料を用いて形成することができ、また、その層構成数を含めて異なる誘電体材料を用いて構成することも可能である。
図1に示す本実施形態の電波反射シート10では、上述したように抵抗層12を形成するための樹脂製基材である厚さ300μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のシートを第1誘電体層11として用いている。
第1誘電体層11および、第2誘電体層13の厚さは、電波反射吸収シート10によって反射させたい電波1の周波数に基づいて、それぞれの誘電体層を構成する誘電性部材の誘電率を勘案して適宜求めることができる。具体的には、電波反射シート10で反射させる電波1の中心周波数が100GHzから450GHzまでの場合には、第1誘電体層11、第2誘電体層12を比誘電率が2~3程度の一般的な誘電材料を用いて、その厚さを160μmから500μmとすることが好ましい。比誘電率が2~3程度の誘電体層の場合に、その厚みが160μmよりも薄いと電波反射シートで反射される電波の中心波長が450GHzよりも高くなる。一方、誘電体層の厚みが500μmよりも厚い場合には、電波反射シートで反射される電波の中心波長が100GHzよりも低くなる。特に、第1誘電体層11、第2誘電体層13の厚さを、300μm以上350μm以下とすることが好ましい。
また、第1誘電体層11の厚さと第2誘電体層13の厚さとの差は、100μm以下とすることが好ましい。。
図1に示す第1の構成の電波反射シート10では、第2誘電体層13を、透光性があり粘着性を有するアクリル系のOCA(Optical Clear Adhesive)で構成している。第2誘電体層13に、粘着性を有する樹脂材料を用いることで、抵抗層を形成する基材である第1誘電体層11を含む抵抗層12と、反射層14とを第2誘電体層13が有する接着力によって接着することができるため、電波反射シート10の構成を簡易なものとして製造時の作業性の向上や材料低減ができ、電波反射シート10を作製するコストが低減される。
もちろん、基材層である第1誘電体層11と抵抗層12、第2誘電体層13、反射層14を接着するために両面粘着シートなどの粘着材料を用いることができ、各層を接着する面に接着剤を塗布して電波反射シート10としての積層体を構成することもできる。
また、図1に第1の構成として例示した電波反射シート10の第1誘電体層11や第2誘電体層13のように、透明または一定以上の透光性を有する材料で形成された層を用い、さらに、抵抗層12と反射層14とを透光性を有する材料で構成した場合には、全体として一定以上の全光線透過率を有する透光性を備えた電波反射シート10を実現することができる。電波吸収反射シート10の全光線透過率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
<抵抗層>
本実施形態に示す電波反射シート10の抵抗層12は、第1誘電体層11と第2誘電体層13との間に配置され、第1誘電体層11を透過した電波1の一部を反射し、残りを透過させる機能を果たす。
抵抗層12における電波1を反射する割合は、抵抗層12の抵抗値によって定まり、抵抗値が高いほど反射する電波の割合が低下し透過する電波の割合が増える。また、入射する電波の周波数によっても抵抗層12を透過する電波の割合が変化し、同じ抵抗値の抵抗層12である場合、電波1の周波数が高くなるほど抵抗層12を透過する割合が増える。
本実施形態として示す電波反射シート10の場合は、反射させる電波1の中心周波数を300GHzと設定していて、抵抗層12の抵抗値は130Ω/sqとしている。なお、電波反射シート10で反射させる電波1の中心周波数を300GHzとする場合には、300GHzを中心とした周波数帯域の電波1を良好に反射させるために、抵抗層12の抵抗値は80Ω/sq以上250Ω/sq以下とすることが好ましい。抵抗層12の抵抗値が80Ω/sqより小さい場合や、抵抗層12の抵抗値が250Ω/sqより大きい場合は、抵抗層12で反射する電波1と抵抗層12を透過して反射層14で反射される電波とのバランスが崩れて、電波反射シート10で反射される電波の周波数帯域が狭くなったり、中心周波数の電波の反射量が低減したりする場合がある。
なお、図1に示す本実施形態にかかる電波反射シート10に用いられる抵抗層12としては、表面抵抗値が所定の範囲となるものであれば特に制限はない。具体的には、導電性有機高分子膜、スパッタ膜、蒸着膜などを良好に用いることができる。また、上述の導電性有機高分子膜、スパッタ膜、蒸着膜は、膜厚や形成密度によって抵抗値を制御することが可能であるため、所望の抵抗値を有する抵抗層12を容易に形成することができる点で好ましい。
抵抗層12として用いられる導電性有機高分子としては、共役導電性有機高分子が用いられ、ポリチオフェンやその誘導体、ポリピロールやその誘導体を用いることが好ましい。
また、抵抗層12としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子を使用することができ、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、および、これらの共重合体等を用いることができる。
なお、抵抗層12に用いられる導電性有機高分子として、ポリアニオンをカウンターアニオンとして用いることができる。ポリアニオンとしては特に限定されないが、上述した抵抗層12に用いられる共役導電性有機高分子に、化学酸化ドープを生じさせることができるアニオン基を含有するものが好ましい。このようなアニオン基としては、例えば、一般式-O-SO3X、-O-PO(OX)2、-COOX、-SO3Xで表される基等(各式中、Xは水素原子またはアルカリ金属原子を示す。)が挙げられ、中でも、共役導電性有機高分子へのドープ効果に優れることから、-SO3X、および、-O-SO3Xで表される基が特に好ましい。
上記導電性有機高分子は、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。上記例示した材料の中でも、透明性と導電性とがより高くなることから、ポリピロール、ポリ(3-メトキシチオフェン)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(2-アニリンスルホン酸)、ポリ(3-アニリンスルホン酸)から選ばれる1種または2種からなる重合体が好ましい。
特に、共役系の導電性有機高分子とポリアニオンの組み合わせとしては、ポリ(3、4-エチレンジオキシチオフェン:PEDOT)と、ポリスチレンスルホン酸(PSS)を用いることが好ましい。
また、本実施形態にかかる電波反射シート10の抵抗層12においては、導電性有機高分子の電気伝導度を制御して、所定の抵抗値を得るために、ドーパントを併用することができる。ドーパントとしては、ヨウ素、塩素等のハロゲン類、BF3、PF5等のルイス酸類、硝酸、硫酸等のプロトン酸類や、遷移金属、アルカリ金属、アミノ酸、核酸、界面活性剤、色素、クロラニル、テトラシアノエチレン、TCNQ等が使用できる。 抵抗層12における導電性有機高分子の含有量は、抵抗層12組成物に含まれる固形分の全質量に対して、10質量%以上35質量%以下であることが好ましい。含有量が10質量%を下回ると、抵抗層12の導電性が低下する傾向にある。このため、インピーダンス整合をとるために抵抗層12の表面電気抵抗値を所定の範囲とした結果、抵抗層12の膜厚が大きくなることによって、電波反射シート10全体が厚くなったり、透光性を備える場合では光学特性が低下したりする傾向がある。一方、含有量が35質量%を超えると、導電性有機高分子の構造に起因して抵抗層12をコーティングする際の塗布適正が低下して、良好な抵抗層12を形成しづらくなり、透光性を有する場合には、抵抗層12のヘイズが上昇して、やはり光学特性が低下する傾向にある。
また抵抗層12がカーボンマイクロコイル、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン材料を含む構成でも良い。
カーボンマイクロコイルは、主としてアセチレンの触媒活性化熱分解法によって得られる一種の気相成長カーボンファイバーであり、コイル径がミクロンオーダーの3D-ヘリカル/らせん構造をなしている材料である。コイル径は1~10μmであり、該コイルを形成するカーボンファイバー径は0.1~1μmであり、コイルの長さは1~10mmであることが好ましい。
カーボンナノチューブは、具体的には例えばアーク放電法、レーザー蒸発法、熱分解法等の気相成長法によって得ることができる。本実施形態にかかる電波反射シート10の抵抗層12として用いられるカーボンナノチューブとしては、単層および多層のいずれであってもよい。
グラフェンは、例えば剥離転写法、SiC熱分解法、化学気相成長法、カーボンナナノチューブを切開する方法等によって得ることができる。本実施形態にかかる電波反射シート10の抵抗層12として用いられるグラフェンとしては、所望するアスペクト比を容易に得られること、および、電波反射シート10における配向性の観点から、鱗片形状の紛体状グラフェンを用いることが好ましい。
なお、上記したカーボン材料を分散させる樹脂としては、水溶性ポリエステル樹脂を用いることができる。
なお、抵抗層12は、上述のように抵抗層12の形成用塗料としてのコーティング組成物を樹脂製の基材の上に塗布して乾燥することにより形成することができる。
抵抗層形成用塗料を基材の上に塗布する方法としては、例えば、バーコート法、リバース法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、ディッピング法、スピンコート法、スリットコート法、スプレーコート法等の塗布方法を用いることができる。塗布後の乾燥は、抵抗層形成用塗料の溶媒成分が蒸発する条件であればよく、100~150℃で5~60分間行うことが好ましい。溶媒が抵抗皮膜に残っていると強度が劣る傾向にある。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥法、加熱乾燥法、真空乾燥法、自然乾燥等により行うことができる。また、必要に応じて、塗膜にUV光(紫外線)やEB(電子線)を照射して塗膜を硬化させることで抵抗層12を形成してもよい。
なお、抵抗層12を形成するために用いられる基材としては特に限定されないが、透明性を有する透明基材が好ましい。このような透明基材の材質としては、例えば、樹脂、ゴム、ガラス、セラミックス、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、または、OCA等の誘電体であれば種々のものが使用でき、上述したように本実施形態で例示する電波反射シート10では厚さが300μmのPET膜を用いている。
<反射層>
反射層14は、第2誘電体層13を透過した電波1を反射する層である。反射層12では、抵抗層12とは異なり電波1を透過させる必要は無い。このため、なるべく低い表面抵抗値であることが好ましく、表面抵抗値が0Ω/sqであることが最も好ましい。このような反射層14としては、金属箔や金属板を良好に使用できる。
電波反射シート10として可撓性を有するようにするためには、反射層14を構成する材料としては金属箔がより好ましく、銅箔、アルミ箔、金箔などの各種の金属箔を用いることができる。これらの中でも、コストと空気中での酸化の影響を考慮すると、反射層14としてアルミ箔を用いることが特に好ましい。反射層14を形成するアルミ箔などの金属箔は、金属材料を圧延することで容易に実現できる。また、非金属製材料の表面に金属を蒸着した蒸着膜で反射層14を形成する場合には、従来各種蒸着膜の形成に用いられている蒸着方法を、蒸着する金属材料と基材となる樹脂などの非金属性材料の耐熱温度などとを考慮して適宜選択することが好ましい。
反射層14の厚さは、可撓性を有する電波反射シート10とする場合としてアルミ箔を用いた場合には、1μm~20μmであることが好ましい。
また、図1に示す本実施形態にかかる電波反射シート10において、第2誘電体層13の抵抗層12が形成されている側とは反対側の表面に直接金属材料の蒸着膜を形成することで、反射層14を金属などの導電性材料の蒸着膜のみで形成することができる。第2誘電体層13の背面側に金属蒸着膜を形成した場合には、第2誘電体層13と反射層14とを別々に形成してこれを密着配置させる場合と比較して、第2誘電体層13と反射層14との間に間隙が生じない。このため、第2誘電体層13を透過した電波1を第2誘電体層13の背面側表面の位置で反射させることができ、所望する電波反射特性を有する電波反射シート10を実現することが容易となる。
一方で、反射層14に金属箔を用いる場合と比較して、蒸着膜を用いる場合には、蒸着膜における導電性材料の密度を均一に、かつ十分に形成する必要がある。発明者らの検討結果によれば、反射層の表面抵抗値は1Ω/sq以下となるようにすることが好ましく、金属蒸着膜の厚さを十分に制御して表面抵抗値を所望する値以下とすることが好ましい。
また、電波反射シート10として可撓性とともに透光性を有するようにするためには、反射層14として、導電性の繊維により構成された導電性メッシュが採用できる。導電性メッシュは、一例としてポリエステルモノフィラメントで織ったメッシュに金属を付着させて導電性とすることで構成できる。金属としては、導電性の高い銅、銀などを用いることができる。また、メッシュの表面を覆う金属膜による反射を低減するために、金属膜のさらに外側に黒色の反射防止層を付与したものも製品化されている。
反射層14としては、他にも、直径が数十から数百μmの細い銅線などの金属線が、縦横に配置された導電性金属格子を用いることができる。
なお、上述のメッシュや導電性金属格子により反射層14を構成した場合には、可撓性と透光性とを確保するために、反射層14として求められる表面抵抗値を実現できる限りにおいて、最低限の厚さを有するように構成されることとなる。
メッシュや導電性金属格子として形成される反射層14の開口率は、透光性を確保する観点からはより大きい方が、反射層14としてその表面で電波を確実に反射して電波反射シート10としての電波吸収特性を高くする観点からはより小さい方が好ましい。発明者らの検討によると、開口率が35%以上85%以下であることが好ましく、開口率が35%以上75%以下であることがより好ましい。
<接着層>
図1での図示は省略しているが、本実施形態にかかる電波反射シート10を所定の位置に容易に配置できるように、反射層14の背面に接着層を形成することができる。
接着層としては、粘着テープなどの粘着層として利用される公知の材料、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等を用いることができる。また被着体に対する粘着力の調節、糊残りの低減のために、粘着付与剤や架橋剤を用いることができる。被着体に対する粘着力は5N/10mm~12N/10mmが好ましい。粘着力が5N/10mmより小さいと、電波反射シート10が被着体から容易に剥がれてしまったり、ずれてしまったりすることがある。また、粘着力が12N/10mmより大きいと、電波反射シート10を被着体から剥離しにくくなる。
また接着層の厚さは、20μm~100μmが好ましい。接着層の厚さが20μmより薄いと、粘着力が小さくなり、電波反射シート10が被着体から容易に剥がれたり、ずれたりすることがある。接着層の厚さが100μmより大きいと、電波反射シート10を被着体から剥離しにくくなる。また接着層の凝集力が小さい場合は、電波反射シート10を剥離した場合、被着体に糊残りが生じる場合がある。また、電波反射シート10全体としての可撓性を低下させる要因となる。
なお、本実施形態にかかる電波反射シート10に使用可能な接着層としては、電波反射シート10を被着物体に剥離不可能に貼着する接着層とすることができるとともに、剥離可能な貼着を行う接着層とすることもできる。なお、本実施形態にかかる電波反射シート10において、接着層を備えた構成とすることは必須の要件ではなく、電波反射シート10を所望する部材に対して、従来一般的な各種の接着方法を用いて接着することができる。
(実施例)
以下、本実施形態にかかる電波反射シート10の電波反射特性の検討を行った検討結果について説明する。
[電波反射特性について]
発明者らは、第1誘電体層と抵抗層と第2誘電体層と反射層とが順次積層された本願で開示する電波反射シートにおける電波反射特性が得られる原理、特に、所定の周波数帯域幅において高い反射特性を有した電波反射体が得られる理由と、電波反射特性をコントロールすることの可能性について、電波反射シートのモデルを作製し、シミュレーションを行うとともにモデルに即した電波反射シートを実際に作製して対比を行った。
図2は、発明者らが検討に用いた電波反射体(シート)のシミュレーションを行う際に用いた等価回路図とそのときの構成モデルとを示している。図2(a)が等価回路図を、図2(b)が検討対象となる電波反射体のモデル構成を示す図である。
図2(b)に示す本実施形態にかかる電波反射シートのモデルは、電波が入射する表面から、第1誘電体層21、抵抗層22、第2誘電体層23、反射層24が順次積層されている。
このモデルにおける第1誘電体層21の表面であるポートP1のインピーダンス値は、第1誘電体層の比誘電率を考慮して、入射する電波の波長λの2分の1の厚みにおいて空気中のインピーダンスと同じく377Ωに設定されている。第1誘電体層21の背面に配置された抵抗層22の表面抵抗値をXΩとする。第2誘電体層23の厚みは、電波の波長λの2分の1とし、ポートP2となる反射層24の抵抗値は0Ω(=グランド)とする。
このような構成において、第1誘電体層21においては、その厚みがλ/2に設定されることで、波長λの電波が見かけ上吸収される。また、第2誘電体層23の厚みをλ/2に設定することで、抵抗層22で反射した電波の位相と反射層24で反射した電波の位相とが重なり合って、電波1が強く反射されることになる。ここで、抵抗層22の表面抵抗値Xが第1誘電体層の表面のインピーダンス値である377Ωよりも低い値(一例として130Ω)に設定されることで、ポート2(P2)側の影響が抑えられる。このようにして、第1誘電体層21による電波反射効果と、第2誘電体層23による電波反射効果とが複合されることで、所望する周波数を中心として一定の周波数帯域幅において強い電波反射特性が実現されるものと考えられる
そこで、図2(a)に示した等価回路を用いたAnsys HFSSシミュレーションを行って、本実施形態で示した電波反射シートにおける電波反射減衰量の周波数特性を求めるとともに、Ansys HFSSシミュレーションのモデルとなった電波反射シートを実際に作成して、その反射減衰量の周波数特性を実測した。
図3は、上記シミュレーションで用いた電波反射体の具体的なモデルを示している。
上記シミュレーションでは、図1として示した第1の電波反射シートの構成に合わせて、比誘電率3.2、厚さ300μmの第1誘電体層31、抵抗値が130Ω/sqの抵抗層32、比誘電率2.55、厚さ300μmの第2誘電体層33、抵抗値が0Ω/sq(=グランド)の反射層34が積層されたものについて、周波数100GHz~500GHzにおける反射減衰量を計算した。
一方、現実の電波吸収シートは、第1誘電体層31として比誘電率が3.2、厚さが300μmのPET膜上に、表面抵抗値が140Ω/sqのPEDOT抵抗層32を形成し、さらに第2誘電体層33として比誘電率が2.55、厚さが300μmのアクリルOCAを用い、反射層34はアルミ箔を用いて構成した。
この電波反射シートの周波数100GHz~500GHzにおける反射減衰量の周波数特性を、アドバンステスト社のTHZ-TDS TAS7500SP(製品名)を用いて測定した。電波反射特性は、上述したシミュレーションの結果と同様に、入射波に対する反射波の減衰量を反射減衰量として求め、dBで表示した。
図4に、電波反射シートの反射減衰量の周波数特性を示す。
図4において、符号41で示す実線が実際に作成した電波反射シートの測定結果を、符号42で示す破線が上記したシミュレーションの結果を示している。
図4から、実際に作成したモデルの測定結果と、シミュレーション結果との傾向がほぼ一致しており、上記シミュレーションによって、所望する電波反射特性を備えた電波反射シートを設計することが可能であることが確認できた。
<第2の構成>
ここで、本願で開示する電波反射体の第2の構成として、第1誘電体層が複数の誘電体層の積層体で構成された例について説明する。
図5は、本実施形態に示す第2の構成の電波反射シートの構成を示す部分断面斜視図である。
図5に示す第2の構成の電波反射シート50は、第1誘電体層51が、誘電体材料により形成された表面誘電体層51aと、反射層52を形成する際に用いられた樹脂製基材51bとの2層の誘電体で構成されている点が、図1に示した第1の構成の電波反射シート10と異なる。
上述したように、本願で開示する電波反射体は、第1誘電体層、第2誘電体層のいずれをも複数の誘電体膜の積層体として構成することができるため、図5に示す第2の構成のように、抵抗層を形成する際の基材として所定の誘電率を有する樹脂製材料を用い、さらに、別の誘電体材料により構成された誘電体膜を積層して第1誘電体層を構成することができる。
図5に示す第2の構成の電波反射シート50は、表面誘電体層51aとして厚さが250μmのアクリル系OCA膜を、抵抗層52を形成するための樹脂製基材51bとして厚さが50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のシートが用いられている。
なお、第2誘電体層53は、第1の構成の第2誘電体層13と同様に透光性があり粘着性を有するアクリル系のOCA(Optical Clear Adhesive)で構成している。また、反射層54も、第1の構成の反射層14と同様に、銅箔、アルミ箔、金箔などの各種の金属箔などを用いることができる。
図6は、図5に示した第2の構成、すなわち、第1誘電体層が2層の誘電体膜により構成されている場合の反射減衰量の周波数特性を示す。
図6において、符号61で示す実線が実際に作成した電波反射シートの測定結果を、符号62で示す破線がシミュレーションの結果を示している。
図6で示す第2の構成の周波数特性は、上記したシミュレーションによって求めたものであり、比誘電率2.55、厚さ250μmの表面誘電体層と比誘電率3.2、厚さが50μmの樹脂製基材との積層体として構成された合計厚さが300μmの第1誘電体層と、表面抵抗値が130Ω/sqの抵抗層、比誘電率2.55、厚さ300μmの第2誘電体層、表面抵抗値が0Ω/sq(=グランド)の反射層が積層されたものについて、周波数100GHz~500GHzにおける反射減衰量を計算した。
一方、現実の電波吸収シートは、第1誘電体層として、比誘電率が2.55、厚さが250μmのアクリル系OCAと、樹脂製基材として比誘電率が3.2、厚さが50μmのPET膜を用いて合計の厚さ300μmの誘電体層を構成し、樹脂製基材上に形成された表面抵抗値が140Ω/sqのPEDOTを抵抗層とし、第2誘電体層として比誘電率が2.55、厚さが300μmのアクリルOCAを用いて、反射層はアルミ箔を用いて構成した。
この電波反射シートの周波数100GHz~500GHzにおける反射減衰量の周波数特性を、図4に示す第1の構成のものと同様に、アドバンステスト社のTHZ-TDS TAS7500SP(製品名)を用いて測定した。電波反射特性は、上述したシミュレーションの結果と同様に、入射波に対する反射波の減衰量を反射減衰量として求め、dBで表示した。
図6に示すように、第1の誘電体層が2つの誘電体膜の積層体として構成されている場合でも、図4に示した単一の誘電体層が第1誘電体層を形成している場合と同様に、実際に作成したモデルの測定結果とシミュレーション結果との傾向がほぼ一致しており、上記シミュレーションによって、所望する電波反射特性を備えた電波反射シートを設計することが可能であることが確認できた。
なお、図4に示す、第1誘電体層を単独の誘電体膜で構成した場合、図6に示す、2層の誘電体の積層体として構成した場合のいずれにおいても、220GHz~370GHzの周波数帯域において反射減衰量が-10dBより小さい値、すなわち入射した電波の90%以上を反射する電波反射体が得られることが確認できた。
また、図4、図6に示すように、本実施形態で示す電波反射シートにおいて、上記良好に反射する周波数帯域の外側に位置する周波数の電波については反射減衰量が増加している。例えば、図4に示す第1の構成の電波反射シートの場合では、周波数が180GHz以下の電波、または、周波数が390GHz以上の電波では、反射減衰量の値が-20dBよりも大きくなり99%以上の電波が吸収されていること、言い換えれば、反射する電波が1%以下となっていることがわかる。
このように、本実施形態にかかる電波反射シートでは、反射させたい周波数以外の電波を良好に吸収することで、所望する周波数帯域の電波のみを反射する電波反射シートとなっていることがわかる。発明者らの検討によると、反射帯域の中心周波数の約0.5倍、および、約1.5倍の帯域で反射減衰特性が急激に大きくなるような周波数特性を示すことが多く、その結果、反射帯域の中心周波数近傍の電波を良好に反射し、その周辺の周波数帯域の電波を吸収する(=反射しない)フィルタ特性を齎すことが確認された。
このため、本実施形態にかかる電波反射シートを電波の経路に配置することで、特に電波の直進性が高くなるミリ波帯域以上などの高周波数帯域の電波を、所定の経路に沿って伝搬させることができる。また、所定の周波数帯域以外の電波は電波反射体で吸収されることで、本実施形態にかかる電波反射体を配置することで、不所望な電波の反射が生じるおそれを回避できる。例えば、会議室やオフィスの居室などの空間内において、電波の経路上にあたる部屋の内壁の所定の部分に本実施形態にかかる電波反射シートを配置することで、部屋内部に障害物がある場合でも部屋内の各所において良好に電波を受信することができる環境を、不所望な電波の反射が生じない状況で構成することができ、C/N比の高い電波受信環境を構築することができる。
以上説明したように、本実施形態に示す電波反射シートでは、電波の入射面側から第1誘電体層、抵抗層、第2誘電体層、反射層が順次積層される構成とすることで、第1誘電体層、第2誘電体層、第1誘電体層および第2誘電体層をそれぞれ介することによる電波反射特性が複合される。そして、第2誘電体層の厚さdを電波反射シートで反射させる電波の中心波長λに対してd=λ/2とすることによって、第2誘電体層を介して反射する電波を重畳させることで、所定の周波数を中心とした広い周波数帯域の電波に対する高い反射特性を備えた電波反射体を実現することができる。
なお、特に、第1誘電体層の比誘電率と厚さを変化させること、また、抵抗層の抵抗値を変化させることで、電波反射シート全体としての電波反射特性が変化するが、上記したシミュレーションを用いて電波反射シート全体の電波吸収特性(=反射量の周波数特性)が算出できることが確認されているため、より好ましい電波反射特性を備えた電波反射シートを設計することが可能である。
また、上記実施形態では、第1誘電体層と第2誘電体層との2つの誘電体層を備えた電波吸収体(シート)の構成についてのみ説明したが、本願で開示する電波反射体(シート)は、2つの誘電体層を備える構成に限られるものではない。
図1、または、図5に示した電波反射シートの構成において、第1誘電体層と抵抗層との間に第2の抵抗層と第3の誘電体層とがさらに積層された構成とするなど、抵抗層と誘電体層との組み合わせを2組以上備えて3層以上の誘電体層による所望する帯域の電波を反射する電波反射体とすること可能である。なお、複数以上の抵抗層が形成され誘電体層を3層以上備える場合であっても、反射層に隣接する第2誘電体層の厚さは、反射させる電波の中心波長λに対してλ/2の厚さとすることによって、中心波長における電波の反射量が大きくなり、より良好な電波反射特性を備えた電波反射体(シート)を実現することができる。
また、本願で開示する電波反射シートは、複数の誘電体層、抵抗層、反射層それぞれを、可撓性を有する材料で形成することで、電波反射シート全体として可撓性を有するものとすることかでき、所望する場所への配置時の取り扱いが容易なものとすることができる。
なお、シート状の形態のものに限らず、表面積に対して所定の厚さを有するブロック状の電波反射体として実現する場合でも、全体として可撓性を有することができれば、電波反射体を所定位置に配置する際の取り扱い性が向上し、実用性の高い電波反射体とすることができる。
さらに、複数の誘電体層、抵抗層、反射層それぞれを、透光性を有する材料で形成することで、例えば窓や透明な壁などにタイル状に並べて配置して反対側を見通せる電波反射ブロックとすることができる。この場合においても、複数の誘電体層による電波吸収効果が複合されることで、より広い周波数帯域の電波を選択的に反射することができるブロードな反射減衰特性を備えた電波反射体を実現することができる。
本願で開示する電波吸収体は、第1誘電体層、抵抗層、第2誘電体層、反射層が順次積層され、第2誘電体層の厚さdを、反射させる電波の中心波長λに対して、d=λ/2とすることで、中心波長の電波の周囲の波長領域(周波数領域)において高い反射特性を有する電波反射体を実現することができる。本願で開示する電波反射体は、所定の周波数帯域の電波を良好に反射し、その周囲の周波数帯域の電波は吸収してその反射量を低減することができる電波反射体として実現することができる。
1 (入射)電波
10 電波反射体
11 第1誘電体層
12 抵抗層
13 第2誘電体層
14 反射層

Claims (6)

  1. 電波入射面側から第1誘電体層と抵抗層と第2誘電体層と反射層とが順次積層された電波反射体であって、
    前記電波反射体で反射させる電波の中心波長をλとしたとき、前記第2誘電体層の厚さdが、d=λ/2であることを特徴とする、電波反射体。
  2. 前記電波反射体で反射させる前記電波の中心周波数が、100GHz以上450GHz以下である、請求項1に記載の電波反射体。
  3. 前記抵抗層の表面抵抗値が、80Ω/sq以上250Ω/sq以下である、請求項1または2に記載の電波反射体。
  4. 前記第2誘電体層が粘着性を有する、請求項1~3のいずれかに記載の電波反射体。
  5. 前記抵抗層が、導電性有機高分子膜、金属膜、スパッタ膜、蒸着膜のいずれかで形成されている、請求項1~4のいずれかに記載の電波反射体。
  6. 前記第1誘電体層、前記抵抗層、前記第2誘電体層、前記反射層がいずれも薄膜状に作製され、全体として可撓性を有するシート状に形成された、請求項1~5のいずれかに記載の電波反射体。
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