JP2023131129A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着剤層に難燃剤を含有していなくても、また含有している難燃剤が少なくても、高い難燃性と高い粘着物性とを有する粘着テープを提供する。【解決手段】基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材がフラットヤーンクロスを含み、前記粘着剤層がアクリル系樹脂と架橋剤を含み、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paである粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関し、さらに詳しくは、難燃性に優れた粘着テープに関するものである。
従来、粘着テープは様々な用途で使用される様になり、特に航空機用、自動車用、建築用に使用される粘着テープは近年のより安全性を重視する傾向による難燃性の向上が求められている。特に建築用に用いられる粘着テープは、粘着物性を有し、さらに難燃性に優れることが求められる。
粘着テープに難燃性を付与する方法としては、粘着テープの基材に難燃剤を含有させる方法、粘着剤層に難燃剤を含有させる方法があるが、基材の強度を保持するためには、難燃剤を基材に含有させるのではなく、粘着剤層に難燃剤を添加する方法がとられている。
しかし、粘着剤層に難燃剤を含有させる場合、粘着テープに十分な難燃性を保有させようとすると、粘着剤層の粘着剤に対する難燃剤の割合を大きくする必要がある。難燃剤の割合を大きくすると粘着剤層の粘着性能が低下する傾向があり、少量の難燃剤であっても、または難燃剤を含有していなくても、高い難燃性を有する粘着テープが望まれていた。
特開2017-179329号公報
上記特許文献1には粘着剤層にリン酸エステル系難燃剤を少量含有する粘着剤組成物が開示されているが難燃性は十分とは言えず、さらに高い難燃性が求められる。
そこで、本発明ではこのような背景の下において、粘着剤層に難燃剤を含有していなくても、また含有している難燃剤が少なくても、高い難燃性と高い粘着物性とを有する粘着テープを提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、基材としてフラットヤーンクロスを含んでなる基材を使用し、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有し、粘着剤層にアクリル系樹脂、架橋剤を含み、粘着剤層の180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paであることで、難燃性、粘着物性に優れた粘着テープとなることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]
基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材がフラットヤーンクロスを含み、前記粘着剤層がアクリル系樹脂と架橋剤を含み、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paである粘着テープ。
[2]
アクリル系樹脂がそのモノマー単位としてカルボキシ基含有モノマー単位を含む[1]に記載の粘着テープ。
[3]
アクリル系樹脂がそのモノマー単位として下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー単位を含む[1]または[2]に記載の粘着テープ。
Figure 2023131129000001
ここで、R1は水素またはメチル基、R2は2価の飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基、飽和脂環族基、または不飽和脂環族炭化水素基、nは1以上の正数を示す。
[4]
アクリル系樹脂がそのモノマー単位として水酸基含有モノマー単位を含む[1]~[3]のいずれかに記載の粘着テープ。
[5]
架橋剤がエポキシ系架橋剤を含有する[1]~[4]のいずれかに記載の粘着テープ。
[6]
架橋剤がイソシアネート系架橋剤を含有する[5]に記載の粘着テープ。
[7]
粘着剤層にアクリル系樹脂100質量部に対して難燃剤を10質量部未満含有する[1]~[6]のいずれかに記載の粘着テープ。
[8]
粘着剤層に粘着付与剤を含有する[1]~[7]のいずれかに記載の粘着テープ。
[9]
欧州建材火災安全規格 EN13501-1の着火性試験で燃焼長が100mm以下である[1]~[8]のいずれかに記載の粘着テープ。
本発明は、フラットヤーンクロスを含んでなる基材の少なくとも一方の面に、アクリル系樹脂および架橋剤を含む粘着剤層を有し、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paである粘着テープであることから、難燃性、粘着物性に優れた粘着テープとなる。そのため、特に使い勝手がよく、高い難燃性が要求される建築用の粘着テープとして好適に用いることができる。
そして本発明のなかでもアクリル系樹脂がモノマー単位として、カルボキシ基含有モノマーを有することで、粘着物性に優れた粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでもアクリル系樹脂がモノマー単位として、上記式(1)で表される末端カルボキシ基含有モノマーを有することで、より高い難燃性を有する粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでもアクリル系樹脂がモノマー単位として、水酸基含有モノマーを有することで、より粘着物性に優れた粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでも架橋剤がエポキシ系架橋剤を含有することで、より粘着物性に優れた粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでも架橋剤がイソシアネート系架橋剤を含有することで、より難燃性に優れた粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでも粘着剤層にアクリル系樹脂100質量部に対して難燃剤が10質量部未満含有することで粘着物性に優れた粘着テープとすることができる。
そして本発明のなかでも粘着剤層に粘着付与剤を含有することで、より粘着物性に優れた粘着テープとすることができ、通常、粘着付与剤を含有すると難燃性は低下するところ、本発明の粘着テープは高い難燃性を保持することができる。
そして本発明のなかでも欧州建材火災安全規格 EN13501-1の着火性試験で燃焼長が100mm以下である粘着テープは難燃性に優れている。
以下に、本発明を実施するための形態の例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が、次に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む共重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明において「テープ」とは「フィルム」や「シート」をも含めた意味である。
本発明において、「主成分」とは、対象物中の最も多い成分をさし、通常、対象物中の50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、殊に好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
また、本発明において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」あるいは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)あるいは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」あるいは「Y未満であることが好ましい」旨の意も包含する。
本発明の一実施形態に係る粘着テープ(以下、「本粘着テープ」という場合がある)は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有するものである。そして、前記基材がフラットヤーンクロスを含み、前記粘着剤層がアクリル系樹脂と架橋剤を含み、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paの粘着テープである。
一般に粘着テープに難燃性を付与するには、基材に難燃剤を含有させるかまたは粘着剤層に難燃剤を含有させるが、基材に難燃剤を含有させると基材の強度が低下する懸念がある。一方、粘着剤層に難燃剤を添加すると粘着物性が低下する懸念がある。基材にも粘着剤層にも難燃剤を含有させない、または難燃剤を含有したとしてもアクリル系樹脂100質量部に対し10質量部未満の少ない含有量で高い難燃性能を発現させるため、基材としてフラットヤーンクロスを含有する基材を用い、粘着剤層に架橋剤を含有し、粘着剤層の180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paとすることで難燃性に優れた粘着テープとすることができる。
その理由は明らかでないが、フラットヤーンクロスは一方向に延伸されたヤーンを織ったもので、着火源が近づき温度が上がると収縮し、着火源が遠ざかることで火が着きにくくなる。また、例え火が着いたとしても、粘着剤層の180℃における貯蔵弾性率が3.0×103Pa以上であると粘着剤層が熱による分解ガスの発生が抑制されることで燃焼が継続されにくくなる。しかし、貯蔵弾性率が4.5×104Paを超えると粘着剤層が硬くなりすぎるためか、フラットヤーンクロスの収縮を妨げ、難燃性が低下してしまうと考えられる。
<<粘着剤層>>
本実施形態に用いられる粘着剤層は、アクリル系樹脂、架橋剤を含有する粘着剤組成物を架橋することにより得られる粘着剤から形成されることが好ましい。アクリル系樹脂は、粘着剤組成物の主成分として用いられ、特定のモノマーに由来する構造単位、すなわち特定のモノマー単位を有する。以下、アクリル系樹脂について説明する。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)は、アクリル系モノマー単位を有するものであり、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位を有することが好ましく、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位のなかでも(メタ)アクリル酸モノマー(a1-1)単位を有することが好ましく、さらには特定の構造を有する末端カルボキシ基含有モノマー(a1-2)単位を有することが好ましい。さらには水酸基含有モノマー(a2)、特にはモノマー(a3)単位を有することが好ましく、必要に応じてさらにモノマー(a4)~(a5)単位を有するものである。
以下、各モノマー単位について説明する。
〔モノマー(a1)単位〕
カルボキシ基含有モノマー(a1)単位のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN-グリコール酸、ケイ皮酸、後述の特定の構造を有する末端カルボキシ基含有モノマー等があげられる。カルボキシ基含有モノマー(a1)としては、これらの中でも、(メタ)アクリル酸モノマー(a1-1)、特定の構造を有する末端カルボキシ基含有モノマー(a1-2)が好ましい。
〔モノマー(a1-1)単位〕
(メタ)アクリル酸モノマー(a1-1)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常0.1~5質量%、特には0.5~4.5質量%、さらには1~4質量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎると粘着物性が低下する傾向があり、多すぎると塗工液の粘度が上昇し、塗工性が悪化する傾向がある。
〔モノマー(a1-2)単位〕
特定の構造を有する末端カルボキシ基含有モノマー(a1-2)単位とは、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー単位をいう。
Figure 2023131129000002
ここで、R1は水素またはメチル基、R2は2価の飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基、飽和脂環族基、または不飽和脂環族炭化水素基、nは1以上の正数を示す。
上記R1は水素であることが好ましく、R2の炭化水素は、通常、メチレン基等の炭素数1~10、さらには1~5、特には1~2のアルキレン、フェニル、フェニレン、さらにはエチレンであることが好ましく、上記nは1~10であることが好ましく、さらには1~5、特には1~3、殊には1~2であることが好ましく、それらを複合して有していてもよい。
上記モノマー(a1-2)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常1~20質量%、特には1.5~15質量%、さらには2~8.5質量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎても多すぎても粘着物性が低下する傾向がある。
上記モノマー(a1-2)単位を有するアクリル系樹脂(A)を得る方法としては、下記化学式(2)のモノマーを共重合モノマーとして用いて重合することによって得られる。
〔式〕 CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(2)
(ここで、R1は水素またはメチル基、R2は2価の飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基、飽和脂環族基、または不飽和脂環族炭化水素基、nは1以上の正数を示す。)
また、モノマー(a1-2)単位とモノマー(a1-1)単位との含有割合は、質量比で、モノマー(a1-2)単位100質量部に対してモノマー(a1-1)単位が、通常10~400質量部、特には20~200質量部、さらには25~100質量部、殊には30~75質量部であることが好ましい。モノマー(a1-1)単位が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると塗工液の粘度が上昇し、塗工性が悪化する傾向がある。
〔モノマー(a2)単位〕
上記水酸基含有モノマー(a2)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2-ジメチル-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーをあげることができる。
これらの中でも、架橋剤との反応性に優れる点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、特には(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、さらには2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記水酸基含有モノマー(a2)単位は、イソシアネート系架橋剤(b2)による架橋点となることから有用である。かかる水酸基含有モノマー(a2)単位は、アクリル系樹脂(A)全体の通常0.01~5質量%、特には0.05~3質量%、さらには0.05~2質量%であることが好ましい。モノマー(a2)単位が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると粘着物性が低下する傾向がある。
〔モノマー(a3)単位〕
本実施形態で用いるアクリル系樹脂(A)は、さらに炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3)単位を有することが望ましい。上記炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3)単位を形成するための共重合モノマーとしては、炭素数4~24のいずれかのアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーであればよく、なかでも炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3-1)、および、炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3-2)を含有することが好ましい。
上記炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3-1)としては、例えば、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも入手が容易で経済性に優れる点でn-ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3-2)としては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、べヘニル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも極性が低く、ガラス転移温度が低い点で炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、特には2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記モノマー(a3)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常55~97質量%、特には70~95質量%、さらには80~93質量%であることが好ましい。含有量が少なすぎると粘着物性が低下する傾向があり、多すぎると粘着物性が低下すると共に保持力が低下する傾向がある。
また、上記モノマー(a3-1)単位の上記モノマー(a3-2)単位に対する含有割合は、質量比で、通常(a3-1)/(a3-2)=1/99~85/15、特には2/98~75/25、さらには3/97~70/30、殊には5/95~60/40、殊さらには5/95~45/55であることが好ましい。上記モノマー(a3-1)単位の含有割合が小さすぎると保持力が低下する傾向があり、大きすぎると粘着物性が低下する傾向がある。
〔モノマー(a4)単位〕
本実施形態で用いるアクリル系樹脂(A)は、さらに、炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a4-1)単位、環状構造含有モノマー(a4-2)単位、または炭素数3~10のビニルエステル系モノマー(a4-3)単位を有することが好ましい。なお、上記(a4-1)~(a4-3)の総称が、モノマー(a4)である。
上記炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a4-1)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記環状構造含有モノマー(a4-2)単位を形成するための共重合モノマーは、通常、環状構造を含有する置換基を有する(メタ)アクリル系モノマーであり、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン等のモルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の複素環を有する複素環含有(メタ)アクリレートがあげられ、またフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートもあげられる。その他、(メタ)アクリル系モノマーではないものとして、スチレン、α-メチルスチレン等があげられる。なかでも各種物性のバランスが良いことから、モルホリン環を有する複素環含有(メタ)アクリレートが好ましく、特には入手の容易さや安全性の点から、N-(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
また、上記炭素数3~10のビニルエステル系モノマー(a4-3)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等があげられる。なかでも、入手が容易な点で、酢酸ビニルが好ましい。
上記モノマー(a4)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の、通常11質量%以下、好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。(a4)成分の含有量が多すぎると被着体に対する粘着物性が低下する傾向がある。なお、共重合成分(a)における(a4)成分の含有量の下限は0質量%であるが、通常1質量%である。
〔モノマー(a5)単位〕
本実施形態で用いるアクリル系樹脂(A)は、必要に応じて、他の共重合モノマー(a5)単位を有していてもよく、他の共重合モノマー(a5)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー等の官能基含有モノマーやその他の共重合性モノマーがあげられる。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等があげられる。
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等があげられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基(無置換または置換アミノ基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや(メタ)アクリル酸N-(t-ブチル)アミノエチル等のN-アルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の一置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等のN,N-ジアルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の二置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらアミノ基含有モノマーの四級化塩等;p-アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン類;3-(ジメチルアミノ)スチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;N,N-ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N-ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノアルキルビニルエーテル類;アリルアミン、4-ジイソプロピルアミノ-1-ブテン、トランス-2-ブテン-1,4-ジアミン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン等があげられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミド基(アミド結合を有する基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-イソブチル(メタ)アクリルアミド、N-s-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N'-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(s-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(t-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N-エチルメチルアクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミド-t-ブチルスルホン酸等の置換アミド基含有モノマー;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;これらアミド基含有モノマーの四級化塩等があげられる。
上記その他の共重合性モノマーとしては、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等があげられる。
他の共重合モノマー(a5)は、用途に応じて物性を調整するために本発明の効果を阻害しない程度、例えば10質量%以下を含有してもよい。下限値は通常0質量%である。
かくして、上記モノマー(a1)~(a5)を適宜重合することにより、アクリル系樹脂(A)が得られる。すなわち、上記モノマー(a1)~(a5)単位を適宜有するアクリル系樹脂(A)が得られ、例えば、好ましくは上記モノマー(a1)単位、より好ましくはモノマー(a2)単位、さらに好ましくはモノマー(a3)単位、特に好ましくはモノマー(a4)単位、必要に応じてさらにモノマー(a5)単位を有するアクリル系樹脂(A)が得られる。なお、これら各モノマー(a1)~(a5)単位は、それぞれ単独でもしくは2種類以上を併せて有していてもよい。
上記重合にあたっては、溶液重合で製造することが、安全に、安定的に、任意のモノマー組成でアクリル系樹脂(A)を製造できる点で好ましい。特に有機溶剤中で重合されることが好ましく、有機溶剤中で重合されたアクリル系樹脂(A)は有機溶剤系アクリル系樹脂となる。
かかる溶液重合は、常法にしたがって、例えば、有機溶媒中に、上記モノマー(a1)~(a5)等の共重合成分、および、重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50~98℃で0.1~20時間重合すればよい。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例としてあげられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量としては、通常、共重合成分(a)100質量部に対して0.001~5質量部である。
このようにして得られるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常10万~500万、好ましくは15万~250万、特に好ましくは20万~150万である。重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、大きすぎると粘着力が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には15以下が好ましく、さらには10以下が好ましく、殊には7以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると粘着剤層の耐久性が低下し、発泡等が発生しやすくなる傾向にある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列にして用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法を用いることができる。
また、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、-80~10℃、特には-70~-10℃、さらには-65~-20℃であることが好ましく、ガラス転移温度が高すぎるとタックが不足する傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
上記ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度および質量分率を、下記のFoxの式に当てはめて算出した値である。
Figure 2023131129000003
Tg :樹脂成分(特にアクリル系樹脂(A))のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wa :モノマーAの質量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wb :モノマーBの質量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wn :モノマーNの質量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
ここで、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、JIS K7121-1987や、JIS K6240に準拠した方法で示差走査熱量計(DSC)により測定される値、およびカタログの記載値を用いる。
アクリル系樹脂(A)は通常、溶媒等により粘度調整され、アクリル系樹脂(A)溶液として塗工に供せられる。上記アクリル系樹脂(A)溶液の粘度としては、取扱い易さの点から500~20000mPa・s/25℃であることが好ましく、特には1000~18000mPa・s/25℃が好ましく、さらには2000~15000mPa・s/25℃が好ましい。かかる粘度が高すぎると流動性が低下して取り扱いにくくなる傾向にあり、低すぎると粘着剤の塗工が困難となる傾向がある。なお、塗工の際の溶液濃度は、通常10~70質量%である。
上記溶媒としては、アクリル系樹脂(A)を溶解させるものであれば特に限定されることはないが、有機溶媒が好ましく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒等を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトン、特に酢酸エチルが好適に用いられる。これら上記の溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系樹脂(A)溶液の粘度の測定に関しては、25℃に調温した樹脂溶液を、B型粘度計を用いた回転粘度計法により測定する。
<架橋剤(B)>
粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)に加え、架橋剤(B)を含有することが好ましい。
上記架橋剤(B)は、アクリル系樹脂(A)中の官能基と反応し、架橋構造を形成させるものであり、特にエポキシ系架橋剤(b1)およびイソシアネート系架橋剤(b2)を併用することが好ましい。併用することで難燃性の改善効果が大きくなる。
その理由は明らかではないが、エポキシ系架橋剤(b1)とイソシアネート系架橋剤(b2)を併用することで均一な架橋密度を持つ粘着剤層を形成することができ、難燃剤の少量添加または無添加で難燃性能を改善することができたものと考えられる。エポキシ系架橋剤(b1)だけでは燃焼時に発生した水分で架橋構造が加水分解して架橋密度が低下し、燃焼が継続しやすくなる傾向があると考えられ、イソシアネート系架橋剤(b2)だけでは架橋密度が不均一となるためか、難燃性能が不足する傾向がある。
上記エポキシ系架橋剤(b1)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアミン等の脂肪族エポキシ系架橋剤;1,3-ビス(N,N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン等の脂環式エポキシ系架橋剤;ジグリシジルアニリン等の芳香族エポキシ系架橋剤、1,3,5-トリス-(2,3-エポキシブチル)-イソシアヌレート、1,3,5-トリス-(3,4-エポキシブチル)-イソシアヌレート、1,3,5-トリス-(4,5-エポキシペンチル)-イソシアヌレート等の複素環式エポキシ架橋剤等があげられ、なかでも脂環式エポキシ系架橋剤が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記イソシアネート系架橋剤(b2)は、イソシアネート基を少なくとも2個以上含むものであり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体等があげられる。特にはトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記エポキシ系架橋剤(b1)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、通常0.02~0.5質量部、特には0.03~0.45質量部、さらには0.035~0.4質量部、殊には0.04~0.35質量部であることが好ましい。上記範囲内であると、難燃性に優れる傾向がある。
上記イソシアネート系架橋剤(b2)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して、通常0.4~9質量部、特には0.5~8質量部、さらには0.6~7質量部、殊には0.7~6質量部であることが好ましい。上記範囲内であると、難燃性に優れる傾向がある。
上記エポキシ系架橋剤(b1)とイソシアネート系架橋剤(b2)の含有割合としては、質量比(b1/b2)で、通常0.001~1、特には0.005~0.5、さらには0.01~0.1であることが好ましい。
上記架橋剤は溶剤等で希釈して使用することができるが、上記含有量、含有割合は溶剤等を除く実質の架橋剤の含有量、含有割合を示す。
本実施形態では、上記(b1)成分および(b2)成分の架橋剤を併用することが好ましいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の架橋剤も併用してもよい。その他の架橋剤としては、例えば、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができるが、(b1)成分または(b2)成分を含まない架橋剤の組み合わせでは本発明の効果は発現されない傾向がある。その他の架橋剤の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。下限値は通常0質量部である。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリス-1-(2-メチルアジリジン)ホスフィン、トリメチロールプロパントリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等があげられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるアミノ基含有メチロールメラミン、イミノ基含有メチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロールメラミン誘導体、メチロールメラミン誘導体にメチルアルコールやブチルアルコール等の低級アルコールを反応させて部分的または完全にエーテル化した、部分または完全アルキル化メチロールメラミン、イミノ基含有部分または完全アルキル化メチロールメラミン等のアルキル化メチロールメラミン等があげられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-2-イミダゾリジン、ジメチロール尿素、N-メチロールアクリルアミド、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂等の水溶液中でアルデヒドを遊離するアルデヒド系化合物、または、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド系化合物があげられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)(以下、「MOCA」と略記する)、変性MOCA、ジエチルトルエンジアミン等があげられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、金属原子がアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズ等のキレート化合物があげられ、性能の点からアルミニウムキレート化合物が好ましい。アルミニウムキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート等があげられる。
<難燃剤(C)>
本粘着テープは、本発明の効果を阻害しない範囲で難燃剤(C)を含有させることができる。粘着物性の点から、難燃剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して10質量部未満であることが好ましく、より好ましくは5質量部未満、さらに好ましくは1質量部以下である。また、難燃剤(C)を含有しなくても難燃性を有することができる。
上記難燃剤(C)は、公知一般に粘着剤の難燃剤として用いられる難燃剤を用いればよく、例えば、リン系難燃剤、金属水酸基系難燃剤、ホスフィン酸金属塩系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンの併用、メラミンシアヌレートやトリアジン化合物等の含窒素化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
リン系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2-ナフチルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6-キシレニルホスフェート等の非ハロゲン系リン酸エステル;大八化学工業社製「CR-733S」、「CR-741」、「PX-200」等の芳香族縮合リン酸エステル;大八化学工業社製「DAIGUARD-580」、「DAIGUARD-610」「DAIGUARD-880」等の非ハロゲン縮合リン酸エステル;ポリリン酸メラミン等のリン酸アミン塩;樹脂で被覆されていないあるいはメラミン等で被覆されたポリリン酸アンモニウム等があげられる。
これらの中でも、ハロゲンを含まないがリン濃度が高いため難燃性が高く、少量添加で粘着物性を低下させずに難燃性を付与できる点でポリリン酸塩が好ましく、なかでもポリリン酸アンモニウムが好ましく、さらには加水分解を抑制し耐湿熱性に優れる点で、メラミン等で被覆されたポリリン酸アンモニウムが特に好ましい。
金属水酸基系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等があげられる。
ホスフィン酸金属塩系難燃剤としては、例えば、クラリアント社製「ExolitOP1230」、「ExolitOP930」等があげられる。
ハロゲン系難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロデカン、ジブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、臭素化ポリスチレン、エチレンビステトラブロモフタルイミド等の臭素系難燃剤;塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤;トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート等の含ハロゲンリン酸エステル;大八化学工業社製「CR-504L」、「CR-570」、「DAIGUARD-540」等の含ハロゲン縮合リン酸エステル等があげられる。
これらの中でも、ハロゲンを含有する難燃剤は、焼却時に有毒なハロゲンガスを発生させたり、金属を腐食させたりすることがあるので、難燃剤(C)は、ハロゲンを含有しない難燃剤であることが好ましい。
また、難燃剤(C)は、例えばコンパウンド品(複合物、複合材料)については、単独で使用するよりも、作用機構が異なる難燃剤を併用することにより相乗効果が得られるとされているが、本発明においては、粘着力や粘着剤との相溶性を低下させない観点から、単独で使用するほうが好ましい。
特には、上記に例示したリン系難燃剤が好ましく、粘着物性の低下が少なく優れた難燃性が得られることから、また加水分解を抑制し耐湿熱性に優れることから、メラミン等で被覆されたポリリン酸アンモニウムが特に好ましい。
<粘着付与剤(D)>
粘着付与剤(D)は、必須成分ではないが、アクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるために用いられるものであり、粘着剤組成物に含有させることが好ましい。粘着付与剤(D)としては、アクリル系樹脂(A)に相溶性を示す樹脂、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン系樹脂、石油系樹脂等があげられる。これらの粘着付与剤(D)は、単独でもしくは2種以上を併せて用いることができる。なかでも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂が好ましい。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、原料ロジンを、水素化(水添)、不均化、二量化、酸付加したものを、グリセリンやペンタエリスリトールを用いてエステル化したロジンエステル樹脂や、原料ロジンにフェノールを付加したロジンフェノール樹脂があげられる。いずれのロジン系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、原料ロジンを不均化しグリセリンまたはペンタエリスリトールでエステル化を行い軟化点が70~130℃の範囲にある不均化ロジンエステルや、原料ロジンを二量化してペンタエリスリトールでエステル化を行い、軟化点を110~170℃の範囲に調整した重合ロジンエステルや、原料ロジンにフェノールを付加して軟化点を120~160℃の範囲に調整したロジンフェノールが好ましい。
上記テルペン系樹脂は、分子式(C58nで表されるイソプレン則に基づく化合物の総称であり、本実施形態で用いる粘着付与剤(D)としては、モノテルペン(例:α-ピネン、β-ピネン、リモネン等)を原料とし、フリーデルクラフト触媒により単独または共重合した樹脂があげられる。具体的には、モノテルペンが単独または共重合した樹脂として、例えば、α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂やこれらを水素添加した水添テルペン樹脂等があげられる。これらのなかでも、アクリル系樹脂(A)と相溶性が良いことから、テルペンフェノール樹脂が好ましく、いずれのテルペンフェノール樹脂もアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させることができるが、特には、軟化点が90~170℃、水酸基価が20~250(mgKOH/g)の範囲のものが好ましく、さらには軟化点が100~150℃、水酸基価が50~150(mgKOH/g)の範囲のものが好ましい。
上記石油系樹脂は、例えば、ナフサ等の熱分解により生成するC4-C5およびC9-C11留分モノマーの重合、さらには水添によって得られ、原料留分の種類によって、純モノマー系樹脂、脂肪族系(C5)石油樹脂、芳香族系(C9)石油樹脂、水添石油系樹脂等があげられる。いずれの石油系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、軟化点が90~130℃の範囲のものが好ましく、さらにはスチレン系モノマーと脂肪族系モノマーとの共重合系を用いることが好ましい。
なお、粘着付与剤(D)の軟化点はJIS K 2531の環球法により測定することができ、水酸基価はJIS K 0070に準ずる電位差滴定法により測定することができる。
上記粘着付与剤(D)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して通常1~50質量部、特には5~30質量部、さらには5~20質量部であることが好ましく、要求物性に応じて適量配合する。
<その他の成分>
さらに、粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、アクリル系樹脂(A)以外の樹脂成分、アクリル系モノマー、重合禁止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、架橋促進剤、ラジカル発生剤、過酸化物、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、安定化剤、充填剤、ラジカル捕捉剤等の各種添加剤、金属、および樹脂粒子等を配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いることができる。また、上記の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。下限値は通常0質量部である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。ただし、上記の含有量では、その効果を発揮しない添加剤(顔料、充填剤、金属および樹脂粒子等)に関しては、添加剤の効果を発揮しつつ本発明の効果を阻害しない範囲で適量を添加する場合がある。
粘着剤組成物は、上記のように、アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)、必要に応じて難燃剤(C)に加え、粘着付与剤(D)、さらには、その他の成分等を含有するものである。
粘着剤組成物の調製方法は、特に限定されるものではないが、一般に知られる機械的混練分散法の他に、必要に応じて溶剤分散法、超音波分散法等の公知の方法を用いることができる。
上記各成分を混合することにより、粘着剤組成物を得ることができる。また、この粘着剤組成物の少なくとも一部が架橋されることにより、粘着剤が得られる。すなわち、粘着剤組成物の殆ど全てが架橋された場合だけでなく、未架橋の状態の粘着剤組成物を一部に含有する場合や、粘着剤組成物の一部が架橋されている場合も粘着剤に含むものである。
そして、この粘着剤は、種々の基材に適用し粘着テープの粘着剤とすることができるが、なかでも難燃粘着テープの粘着剤層として好適に用いることができる。
<<粘着テープ>>
本粘着テープは、基材と、この基材の少なくとも一方の面(片面)に粘着剤層を有しており、この粘着剤層は上記粘着剤組成物が架橋することにより得られた粘着剤を含有するものである。
例えば、上記粘着剤組成物を酢酸エチル等の溶剤に溶解し、固形分濃度が10~70質量%になるように塗工用の粘着剤組成物溶液を調液し、この溶液を基材に塗工、乾燥することにより粘着剤組成物が架橋して粘着剤を含有する粘着剤層が形成され、粘着テープが製造される。上記のように調製された粘着剤組成物は有機溶剤系粘着剤組成物であり、それが架橋されたものが有機溶剤系粘着剤となる。
本粘着テープの製造方法については、公知一般の粘着テープの製造方法を用いればよく、例えば、基材の一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面にリリースライナーを重ねる方法、あるいはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法によって製造することができる。なかでも、リリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法がハンドリング等の点から好ましい。
<基材>
本実施形態に用いられる基材は、フラットヤーンクロスを含有するものであり、フラットヤーンクロスを含有する基材を用いることでより難燃性に優れた粘着テープとすることができる。その理由は明らかでないが、フラットヤーンクロスは一方向に延伸されたヤーンを織ったもので、着火源が近づき温度が上がると収縮し、着火源が遠ざかることで火が着きにくくなるものと思われる。
上記基材は、手切れ性を有するものが好ましい。基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理等の公知ないし慣用の表面処理を適宜施してもよい。
上記基材としては、フラットヤーンクロスを含有する従来公知の基材であれば特に限定されることはないが、例えば、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムがラミネートされた積層フィルム等があげられる。
なお、「フラットヤーンクロスを有する基材」は、フラットヤーンクロスそれ自体だけでなく、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルム等がラミネートされた積層フィルムを概念的に包含する。
フラットヤーンクロスとは、フラットヤーンと呼ばれるフィルムを短冊状にカットし延伸することにより強度を持たせた平らな糸を織って織布としたものであり、通常は、この織布の縦と横に交差するフラットヤーンの交差部を熱融着により固定して目ずれしないようにしたものが用いられる。フラットヤーンの材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンといったオレフィン系樹脂が好ましく、ポリエチレンがより好ましく、高密度ポリエチレンがさらに好ましい。
フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムがラミネートされた基材を使用することが、安定した粘着物性や剥離性が得られる点で好ましい。これは両面粘着テープの場合、プラスチックフィルムを有することで、一方の面の粘着剤が基材を抜けて他方の面の粘着剤と混合することを防いだり、一方の面の粘着剤に含有されている添加剤、例えば架橋剤や難燃剤、可塑剤等が他方の面の粘着剤に移行することを抑制したりできるためと考えられる。また、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムをラミネートすることで、破断点がスムーズに伝播されるためか、手切れ性も向上し、破断面の直線性が向上する。フラットヤーンクロスにラミネートするプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンフィルムが好ましく、低密度ポリエチレンフィルムがより好ましい。
また、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムがラミネートされた基材は軽量であることが好ましく、プラスチックフィルムは薄膜であることが好ましい。プラスチックフィルムの厚みは10~80μmであることが好ましい。プラスチックフィルムはフラットヤーンクロスの片面のみにラミネートされていてもよく、両面にラミネートされていてもよい。フラットヤーンクロスへのフィルムのラミネート方法については、接着剤を使わずに軽量化できる点で、押出ラミネートが好ましい。
フラットヤーンクロスを含む基材の厚みは、好ましくは10~200μmであり、より好ましくは50~180μmであり、さらに好ましくは60~150μmである。かかる厚みが薄すぎると、手切れ性は向上するものの粘着テープ製造時にシワが混入する等の不良が増加する傾向があり、厚すぎると粘着テープ製造時の不良は低減するものの、切断により大きな力が必要となり手切れ性が低下する傾向がある。
<リリースライナー>
上記リリースライナーとしては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハン等のプラスチックからなるプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート;ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム等を発泡させてなる発泡体シート;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体等があげられる。また、これらはその片面または両面にコロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、上記リリースライナーとして、例えば、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙にポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗工した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂等を塗工してなるものもあげられる。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの中でも、容易に手で引き裂けやすいという点で紙製のリリースライナーが好ましく、原紙の坪量が40~120g/m2、好ましくは50~80g/m2である紙製リリースライナーが特に好ましい。さらに、かかるリリースライナーの厚みとしては、40~180μmであることが好ましく、特には60~140μm、さらには80~120μmであることが好ましい。かかる厚みが薄すぎると巻き取り時にシワが入る等、製造が困難になる傾向があり、厚すぎると手切れ性が低下する傾向がある。
上記基材もしくはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工する際に用いる塗工装置としては、通常使用されている塗工装置を用いればよく、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーター等があげられる。
また、粘着剤層の乾燥後の厚みとしては、5~200μmであることが好ましく、特に好ましくは10~150μm、さらに好ましくは15~130μmである。
かかる厚みが厚すぎると粘着剤の塗工が困難になる傾向があり、薄すぎると十分な粘着力が得られない傾向がある。
上記乾燥条件は、乾燥時に粘着剤中の溶媒や残留モノマーが乾燥し除去され、かつ、架橋剤(B)を使用する場合にはアクリル系樹脂(A)が有する官能基と架橋剤(B)とが反応し、架橋構造が形成され得る条件であればよい。乾燥条件として、例えば、60~120℃、1~5分間程度が好ましい。乾燥後、シート状基材で粘着剤層を挟んだ状態で熟成(エージング)し、さらに架橋反応を進行させることができる。
また、本粘着テープは、片面粘着テープであってもよいし、両面粘着テープであってもよい。また、両面粘着テープの粘着剤層は、ともに同一の粘着剤層であってもよいし、異なる組成の粘着剤層であってもよい。
なお、両面粘着テープの粘着剤層上にリリースライナーを積層する場合においては、作業性の向上のために、両面に積層されるリリースライナーの剥離力が異なるようにそれぞれのリリースライナーを選択することが好ましい。例えば、両面粘着テープの初めに貼着する面側のリリースライナーの剥離力は、次に貼着する面側のリリースライナーの剥離力より小さいリリースライナーを選択すると作業性が向上する。
本粘着テープは、ロール状であってもよいし、枚葉状態であってもよいし、あるいはさらに種々の形状に加工されたものであってもよい。
そして、粘着テープが、両面粘着テープであり、枚葉状態である場合には、2つの粘着剤層の両方の表面にリリースライナーが設けられることが好ましく、また、ロール状態の場合には、2つの粘着剤層の一方の表面のみにリリースライナーが設けられることが好ましい。
かくして本粘着テープが得られるものであるが、本粘着テープは、粘着物性を低下させる被着体や基材に対しても粘着物性の低下がなく、また、良好な保持力を有するものである。さらに、基材として、手切れ性を有する基材を用いた場合には、テープの幅方向に対してテープカッター等を使用することなく任意の位置において手で容易に切断することができ、粘着テープとして特に有用なものとなる。
上記粘着テープにおける粘着剤層の180℃における貯蔵弾性率としては、3.0×103~4.5×104Paであるが、難燃性の点から3.0×103~4.0×104Paであることが好ましく、特に好ましくは3.0×103~3.5×104Paであり、さらに好ましくは3.0×103~3.0×104Paである。
上記粘着テープにおける粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率としては、5.0×104Pa未満が好ましく、4.0×104Pa未満がさらに好ましく、3.0×104Pa未満が特に好ましい。23℃における貯蔵弾性率の下限としては、通常5.0×103Paであり、好ましくは1.0×104Paであり、さらに好ましくは2.0×104Paである。かかる貯蔵弾性率が高すぎると粘着力が低下する傾向がある。
上記23℃と180℃における貯蔵弾性率の測定としては、粘弾性測定装置を用いて動的粘弾性を測定することにより、かかる貯蔵弾性率を測定することができ、例えば、後記実施例に記載の方法で測定することができる。
本粘着テープにおける粘着剤層の粘着力としては、通常、使用される被着体に対して、180°剥離強度が1~100N/25mmであることが好ましい。なかでも、被着体として比較的極性が高いSUS304鋼の試験板を使用した場合は、180°剥離強度が3N/25mm以上であることが好ましく、特に好ましくは4N/25mm以上、さらに好ましくは5N/25mm以上である。なお、通常上限は100N/25mm程度である。
かかる粘着力の測定は、JIS Z0237に準じて測定することができる。具体的には、粘着テープを幅25mm、長さ150mmにカットした粘着テープの粘着剤層を試験板に重さ2kgのローラーを圧着速さ10mm/sで2往復させて圧着させ、引き剥がし角度180°、300mm/分の速度で試験板から粘着テープを引き剥がし、剥離強度を測定することができる。
なお、粘着力は被着体の組成(材質)や表面状態(表面粗さ)、処理(洗浄)条件等で変わるため、上記剥離強度の範囲に限定されるものではない。
試験片が両面粘着テープである場合には、試験しない粘着面はJIS C2318に規定される呼び厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラー S10)で覆って測定することができる。
本粘着テープは欧州建材火災安全規格 EN13501-1に定められている着火性試験規格であるISO11925-2に準じた難燃性試験において燃焼長が100mm以下であることが好ましい。特には90mm以下が好ましく、さらには80mm以下が好ましく、殊には70mm以下が好ましく、殊さらには60mm以下が好ましい。
本粘着テープは、難燃性に優れるものである。そのため、例えば、難燃粘着テープ、難燃接着テープ、クラフトテープ、OPPテープ、布粘着テープ等の包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、気密防水用粘着テープ、医療用救急絆創膏等の貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、光学用両面テープ、半導体用ダイシングテープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープ等として、幅広い用途に用いることができる。
なかでも、建築用粘着テープに好適に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、質量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂(A)を調製した。
なお、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度、および粘度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)の製造に先立ち、製造に用いる共重合成分(a)として以下のものを用意した。
(a1-1)成分
・アクリル酸
(a1-2)成分
・下記一般式(2)で示される末端カルボキシ基含有モノマー
CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(2)
上記一般式(2)においてR1は水素、R2はエチレン鎖、nは1~5
(a2)成分
・2-ヒドロキシエチルメタクリレート
(a3-1)成分
・n-ブチルアクリレート
(a3-2)成分
・2-エチルヘキシルアクリレート
(a4-1)成分
・メチルアクリレート
〔アクリル系樹脂(A1)の製造〕
温度計、撹拌機および還流冷却機を備えた反応器内に、共重合成分として、サイポマーH 5部〔一般式(2)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1-2)3.6部、アクリル酸(a1)1.4部〕、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-ブチルアクリレート(a3-1)25.8部、2-エチルヘキシルアクリレート(a3-2)63.1部、メチルアクリレート(a4-1)6部、さらに溶媒として酢酸エチル55部、および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.15部を仕込み、撹拌しながら昇温し、酢酸エチル(混合物)還流温度にて7時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分56%、粘度7000mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A1)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A1)の重量平均分子量は62万、分散度5.8、ガラス転移温度は-59℃であった。
〔アクリル系樹脂(A2)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、溶媒として酢酸エチル82部、トルエン39部、重合開始剤としてAIBN0.04部を仕込み、撹拌しながら昇温し、混合溶媒の還流温度になったら、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-ブチルアクリレート(a3-1)94.9部、を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。さらに重合途中に酢酸エチル3.5部にAIBN0.03部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら前記還流温度にて7時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分45%、粘度1000mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A2)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A2)の重量平均分子量は22万、分散度2.94、ガラス転移温度は-51.2℃であった。
〔アクリル系樹脂(A3)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、溶媒として酢酸エチル100部、重合開始剤としてAIBN0.04部を仕込み、撹拌しながら昇温し、混合溶媒の還流温度になったら、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-ブチルアクリレート(a3-1)94.9部、を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。さらに重合途中に酢酸エチル7部にAIBN0.03部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら前記還流温度にて7時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分40%、粘度6500mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A3)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A3)の重量平均分子量は64万、分散度4.10、ガラス転移温度は-51.2℃であった。
〔アクリル系樹脂(A4)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、共重合成分として、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-ブチルアクリレート(a3-1)94.9部、を仕込み、さらに酢酸エチル40部、アセトン40部、重合開始剤としてAIBN0.013部を仕込み、内温を沸点まで上昇させて反応を開始させた。次いで、酢酸エチル60部とAIBN0.027部を含有する混合液を滴下しながら還流温度で4時間反応させた後、酢酸エチルにて希釈して固形分25%、粘度8000mPa・s/25℃のアクリル系樹脂溶液(A4)を得た。
得られたアクリル系樹脂(A4)の重量平均分子量は148万、分散度3.81、ガラス転移温度は-51.2℃であった。
〔アクリル系樹脂(A5)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、溶媒として酢酸エチル107部、重合開始剤としてAIBN0.04部を仕込み、撹拌しながら昇温し、混合溶媒の還流温度になったら、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-ブチルアクリレート(a3-1)94.9部、を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。さらに重合途中に酢酸エチル7部にAIBN0.07部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら前記還流温度にて4時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分37%、粘度1900mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A5)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A5)の重量平均分子量は37万、分散度3.58、ガラス転移温度は-51.2℃であった。
〔アクリル系樹脂(A6)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、溶媒として酢酸エチル50部、重合開始剤としてAIBN0.04部を仕込み、撹拌しながら昇温し、混合溶媒の還流温度になったら、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、2-エチルヘキシルアクリレート(a3-2)94.9部、を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。さらに重合途中に酢酸エチル13部にAIBN0.07部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら前記還流温度にて4時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分39%、粘度3600mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A6)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A6)の重量平均分子量は43万、分散度4.40、ガラス転移温度は-76.0℃であった。
〔アクリル系樹脂(A7)の製造〕
還流冷却器、撹拌器および温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、溶媒として酢酸エチル100部、重合開始剤としてAIBN0.04部を仕込み、撹拌しながら昇温し、混合溶媒の還流温度になったら、アクリル酸(a1)5.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n-オクチルアクリレート(a3-1)94.9部、を混合溶解させた混合物を2時間にわたって滴下した。さらに重合途中に酢酸エチル8部にAIBN0.086部を溶解させた重合開始剤液を逐次追加しながら前記還流温度にて4時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分44%、粘度860mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A7)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A7)の重量平均分子量は42万、分散度4.30、ガラス転移温度は-68.2℃であった。
<架橋剤(B)>
架橋剤(B)として以下のものを用意した。
・エポキシ系架橋剤(b1):三菱ガス化学社製、テトラッドC(1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・イソシアネート系架橋剤(b2):東ソー社製、コロネートL-55E(固形分55%)
<粘着付与剤(D)>
粘着付与剤(D)として以下のものを用意した。
・不均化ロジンエステル:荒川化学工業社製、スーパーエステルA-100(不均化ロジンのグリセリンエステル、軟化点95~105℃)
<実施例1用粘着剤組成物>
上記のようにして調製、準備したアクリル系樹脂(A1)溶液について、その固形分(樹脂分)100部に対して、エポキシ系架橋剤(b1)(テトラッドC)を固形分(樹脂分)に換算で0.042部、イソシアネート系架橋剤(b2)(コロネートL-55E)を固形分(樹脂分)換算で0.71部、粘着付与剤(D)15部を混合し、酢酸エチルにて固形分濃度を40%になるように調液し、均一になるまで撹拌し、実施例1用の粘着剤組成物の溶液を得た。
<実施例2~12、比較例1~11用粘着剤組成物>
上記実施例1において、粘着剤組成物の組成を下記表1の示すように変更した以外は同様に行い、実施例2~12および比較例1~11用の粘着剤組成物の溶液を得た。
[貯蔵弾性率の測定]
得られた実施例1~12および比較例1~11用の粘着剤組成物の溶液を用いて、リリースライナー〔セパレーターSP-PET-03-BU(三井化学東セロ社製、厚み38μm)〕の剥離面に対して乾燥後の厚みが100μmになるようにアプリケーターを用いて塗工し、その後80℃で5分間乾燥し、リリースライナー〔セパレーターSP-PET-01-BU(三井化学東セロ社製、厚み50μm)〕の剥離面を貼り合わせた。その後、40℃の乾燥機中で7日間加熱エージング処理を行い、貯蔵弾性率測定用の粘着剤層のシートを作製した。
粘着剤層サンプルを直径25mmの円状に切り取り、直径25mmのパラレルプレートに貼り付け、粘弾性測定装置Physica MCR301(AntonPaar社製)を用いて0~200℃まで昇温10℃/分、周波数1Hzの条件で動的粘弾性を測定し、23℃と180℃における貯蔵弾性率を読み取り、下記表2に示す。
<実施例1~12、比較例1~11:粘着テープ>
得られた実施例1~12および比較例1~11用の粘着剤組成物の溶液を用いて、以下の通り粘着テープを作製し、以下の評価を行った。評価結果を下記表2に示す。
〔粘着テープの作製〕
上記のようにして準備した粘着剤組成物の溶液を紙製リリースライナー〔SS-70-SBX(シノムラ化学工業社製)〕の剥離面に対して乾燥後の厚みが100μmになるようにアプリケーターを用いて塗工し、その後80℃で5分間乾燥し、フラットヤーン(ダイヤテックス社製、厚み130μm)を貼り合わせた。その後、40℃の乾燥機中で7日間加熱エージング処理を行い、粘着テープを作製した。
<難燃性(EN13501-1 ISO11925-2)>
上記粘着テープを用いて欧州建材火災安全規格 EN13501-1に定められている着火性試験規格であるISO11925-2に準じて試験を実施し、その時の平均燃焼長で難燃性を評価した。
<180°剥離強度>
上記粘着テープを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。また、被着体として耐水サンドペーパー(#360)にて研磨処理したSUS304鋼の試験板を酢酸エチルで表面を洗浄した後、23℃50%RHの雰囲気下で一晩静置して用いた。上記試験片から紙製リリースライナーを剥離し、試験片の粘着剤層を上記試験板に、重さ2kgのローラーを圧着速さ5mm/sで1往復させて圧着させた。圧着後、23℃50%RHの雰囲気下に20分間静置し、試験片の遊び部分を180°折り返し、30mm剥がした後、同雰囲気下で剥離強度試験機の下部のチャックに試験板を、上部のチャックに試験片の端をそれぞれ固定し、引き剥がし角度180°、300mm/分の速度で被着体から粘着テープを引き剥がし、粘着力を測定した。
Figure 2023131129000004
Figure 2023131129000005
上記表2の結果より、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paである粘着剤層を有する粘着テープである実施例1~12は、EN規格の燃焼性試験において、燃焼長が100mm以下で難燃性に優れており、粘着物性にも優れるものであった。
これに対し、貯蔵弾性率が3.0×103未満である比較例1,3~5、7~11、および貯蔵弾性率が4.5×104Paを超える比較例2,6は、いずれもEN規格の燃焼性試験おいて、燃焼量が100mmを超え燃焼性に劣るものであった。
本発明の粘着テープは難燃性、粘着物性、手切れ性に優れ、特に建築用粘着テープとして優れており、大いに期待される。

Claims (9)

  1. 基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有する粘着テープであって、前記基材がフラットヤーンクロスを含み、前記粘着剤層がアクリル系樹脂と架橋剤を含み、180℃における貯蔵弾性率が3.0×103~4.5×104Paである粘着テープ。
  2. アクリル系樹脂がそのモノマー単位としてカルボキシ基含有モノマー単位を含む請求項1に記載の粘着テープ。
  3. アクリル系樹脂がそのモノマー単位として下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー単位を含む請求項1または2に記載の粘着テープ。
    Figure 2023131129000006
    ここで、R1は水素またはメチル基、R2は2価の飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基、飽和脂環族基、または不飽和脂環族炭化水素基、nは1以上の正数を示す。
  4. アクリル系樹脂がそのモノマー単位として水酸基含有モノマー単位を含む請求項1または2に記載の粘着テープ。
  5. 架橋剤がエポキシ系架橋剤を含有する請求項1または2に記載の粘着テープ。
  6. 架橋剤がイソシアネート系架橋剤を含有する請求項5に記載の粘着テープ。
  7. 粘着剤層にアクリル系樹脂100質量部に対して難燃剤を10質量部未満含有する請求項1または2に記載の粘着テープ。
  8. 粘着剤層に粘着付与剤を含有する請求項1または2記載の粘着テープ。
  9. 欧州建材火災安全規格 EN13501-1の着火性試験で燃焼長が100mm以下である請求項1または2に記載の粘着テープ。
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