JP2021155721A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着力、保持力に優れ、釘打ちされた時の漏水抑制に優れる粘着テープを提供する。【解決手段】粘着剤が基材上に形成されている粘着テープであって、粘着剤は、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位、および水酸基含有モノマー(a2)単位を含むアクリル系樹脂(A)と、エポキシ系架橋剤(b1)と、イソシアネート系架橋剤(b2)を含有する粘着組成物からなり、粘着剤のゲル分率が37〜47重量%とする。さらにアクリル系樹脂(A)が末端カルボキシキ基含有モノマー(a1−1)単位を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関し、さらに詳しくは、粘着力、保持力および長期間の使用を想定した湿熱処理後の保持力に優れ、釘打ちされた時の漏水抑制に優れた粘着テープに関するものである。
従来、気密防水粘着テープとしては、高温・高湿の環境下においても優れた接着性及び耐湿熱性を付与することを検討してきた。例えば、特許文献1には末端カルボキシル基含有モノマー及び(メタ)アクリル酸を含む共重合成分を共重合してなるアクリル系樹脂にイソシアネート系架橋剤を含有することで、接着性、高温・恒湿の環境下に保存したのちの保持力の安定性にすぐれた粘着テープが開示されている。
特開2018−154732号公報
しかし、上記特許文献1に開示されている粘着テープは釘打ちされた時の漏水抑制については検討されておらず、漏水抑制能力は不足していた。
そこで,本発明ではこのような背景の下において、特定のアクリル系樹脂に、架橋剤として、エポキシ系架橋剤とイソシアネート系架橋剤を併用した粘着剤組成物からなる粘着剤のゲル分率が37〜47%とすることで、基材に粘着剤層を有する粘着テープが粘着性、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、漏水抑制にも優れた粘着テープを提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、粘着剤としてアクリル系樹脂を構成する共重合成分として、カルボキシ基含有モノマー、および水酸基含有モノマーを含有し、エポキシ系架橋剤およびイソシアネート系架橋剤の両方を含有した粘着剤組成物からなる粘着剤層を基材表面に有し、該粘着剤のゲル分率が37〜47%である粘着テープが粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、漏水抑制に優れた粘着テープとなることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位、および水酸基含有モノマー(a2)単位を含むアクリル系樹脂(A)と、エポキシ系架橋剤(b1)と、イソシアネート系架橋剤(b2)とを含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層が基材上に形成されている粘着テープであり、前記粘着剤のゲル分率が37〜47%であることから、粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、漏水抑制に優れた粘着テープとなるものである。そのため、気密防水用粘着テープとして好適に用いることができる。
そして、本発明のなかでも、特に、前記カルボキシ基含有モノマー(a1)単位が下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)単位を含むことでより粘着力、保持力に優れたものとすることができる。
Figure 2021155721
そして、本発明のなかでも、特に、前記カルボキシ基含有モノマー(a1)単位が(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位を含むことでより粘着力、保持力に優れたものとすることができる。
そして、本発明のなかでも、特に、上記アクリル系樹脂(A)が、下記(a1)〜(a4)のモノマー単位を有するアクリル系樹脂である粘着剤組成物であると、より粘着力、保持力にバランスよく優れたものとすることができる。
(a1−1)上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー単位 1〜20重量%
(a1−2)(メタ)アクリル酸モノマー単位 0.1〜5重量%
(a2)水酸基含有モノマーモノマー単位 0.01〜5重量%
(a3)炭素数4〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー単位 55〜97重量%
そして、本発明のなかでも、特に粘着テープがAAMA711−13 5.2(WATER PENETRATION RESISTANCE AROUND NAILS:釘打ち漏水試験)に合格するものであると、釘打ちされた時の漏水抑制に優れたものとすることができる。
AAMA711−13とは AAMA(American Architectual Manufactures Association:アメリカ建材製造業者協会)の定める、外壁などへ気密防水用途で使用されるテープに関する規格である。このなかで5.2はテープを貼り付けた外壁用の木材へ釘を打ち込んだ場合の漏水性を評価する試験項目をさす。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む共重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の粘着テープに用いる粘着剤組成物は、特定のモノマー単位を有するアクリル系樹脂(A)を含有するものである。
<アクリル系樹脂(A)>
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位、および水酸基含有モノマー(a2)単位を有するものである。
〔カルボキシ基含有モノマー(a1)単位〕
本発明のカルボキシ基含有モノマー(a1)単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位、クロトン酸モノマー単位、マレイン酸モノマー単位、無水マレイン酸モノマー単位、フマル酸モノマー単位、シトラコン酸モノマー単位、グルタコン酸モノマー単位、イタコン酸モノマー単位、アクリルアミドN−グリコール酸モノマー単位、ケイ皮酸モノマー単位、上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)単位等が挙げられ、中でも上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)単位、(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位を含んでいることが好ましい。
カルボキシ基含有モノマー(a1)単位はアクリル系樹脂(A)全体の通常1〜20重量%、特には1.5〜15重量%、さらには2〜8.5重量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎでも多すぎても粘着力が低下する傾向がある。
カルボキシ基含有モノマー(a1)単位は、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)単位を含むことが好ましい。
Figure 2021155721
上記R1は水素であることが好ましく、R2の炭化水素は、通常、メチレン基等の炭素数1〜10、さらには1〜5、特には1〜2のアルキレン、フェニル、フェニレン、さらにはエチレンであることが好ましく、上記nは1〜10であることが好ましく、さらに好ましくは1〜5、殊に好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2であり、それらを複合して有していてもよい。
上記モノマー(a1−1)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常1〜20重量%、特には1.5〜15重量%、さらには2〜8.5重量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎでも多すぎても粘着性が低下する傾向がある。
上記モノマー(a1−1)単位を有するアクリル系樹脂(A)を得る方法としては、下記化学式(2)のモノマーを共重合モノマーとして用いて重合することによって得られる。
〔式〕 CH2=CR1−CO−O−(R2−COO−)nH ・・・(2)
(ここで、R1は水素またはメチル基、R2は2価の飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、芳香族基、飽和脂環族基、または不飽和脂環族炭化水素基、nは1以上の正数を示す。)
また、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位は(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位を含んでいることが好ましく、(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常0.1〜5重量%、特には0.5〜4.5重量%、さらには1〜4重量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎると粘着性が低下する傾向があり、多すぎると塗工液の粘度が上昇し、塗工性が悪化する傾向がある。
また、モノマー(a1−1)単位とモノマー(a1−2)単位との含有割合は、重量比で、モノマー(a1−1)単位100重量部に対してモノマー(a1−2)単位が、通常10〜400重量部、特には20〜200重量部、さらには25〜100重量部、殊には30〜75重量部であることが好ましい。モノマー(a1−2)単位が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると塗工液の粘度が上昇し、塗工性が悪化する傾向がある。
〔モノマー(a2)単位〕
上記水酸基含有モノマー(a2)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーをあげることができる。
これらの中でも、架橋剤との反応性に優れる点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、特には(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、さらには2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記水酸基含有モノマー(a2)単位はイソシアネート系架橋剤(b2)による架橋点となることから有用である。かかる水酸基含有モノマー(a2)単位は、アクリル系樹脂(A)全体の通常0.01〜5重量%、特には0.05〜3重量%、さらには0.05〜2重量%であることが好ましい。モノマー(a2)単位が少なすぎると保持力および湿熱処理後の保持力が低下する傾向があり、多すぎると粘着性が低下する傾向がある。
〔モノマー(a3)単位〕
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、さらに炭素数4〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3)単位を有することが望ましい。上記炭素数4〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3)単位を形成するための共重合モノマーとしては、炭素数4〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3−1)、および、炭素数8〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3−2)を含有することが好ましい。
上記炭素数4〜7のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3−1)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも入手が容易で経済性に優れる点でn−ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数8〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a3−2)としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、べヘニル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも極性が低く、ガラス転移温度が低い点で炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、特には2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記モノマー(a3)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常55〜97重量%、特には70〜95重量%、さらには80〜93重量%であることが好ましい。モノマー(a3)単位の含有量が少なすぎると粘着性が低下する傾向があり、多すぎると保持力が低下する傾向がある。
また、上記モノマー(a3−1)単位の上記モノマー(a3−2)単位に対する含有割合は、重量比で、(a3−1)/(a3−2)=1/99〜85/15、特には2/98〜75/25、さらには3/97〜70/30、殊には4/96〜60/40、殊さらには5/95〜45/55であることが好ましい。上記モノマー(a3−1)単位の含有割合が小さすぎると保持力が低下する傾向があり、大きすぎると粘着性が低下する傾向がある。
〔モノマー(a4)単位〕
本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、さらに、炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a4−1)単位、環状構造含有モノマー(a4−2)単位または炭素数3〜10のビニルエステル系モノマー(a4−3)単位を有することが好ましい。
上記炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー(a4−1)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記環状構造含有モノマー(a4−2)単位を形成するための共重合モノマーは、通常、環状構造を含有する置換基を有するアクリル系モノマーであり、例えば、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン等のモルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の複素環を有する複素環含有(メタ)アクリレートや、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、その他、スチレン、α−メチルスチレン等があげられる。なかでも各種物性のバランスが良いことからモルホリン環を有する複素環含有(メタ)アクリレート、特には入手の容易さ、安全性の点からN−(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
また、上記炭素数3〜10のビニルエステル系モノマー(a4−3)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等があげられる。なかでも、入手が容易な点で、酢酸ビニルが好ましい。
上記モノマー(a4)単位の含有割合としては、アクリル系樹脂(A)全体の通常、11重量%以下、好ましくは10重量%以下、特に好ましくは8重量%以下である。(a4)成分の含有量が多すぎると被着体に対する粘着性が低下する傾向がある。なお、共重合成分(a)における(a4)成分の含有量の下限は、通常1重量%である。
〔モノマー(a5)成分〕
本発明では必要に応じてその他の共重合モノマー(a5)単位を有していてもよく、その他の共重合モノマー(a5)単位を形成するための共重合モノマーとしては、例えば、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー等の官能基含有モノマーやその他の共重合モノマーがあげられる。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等があげられる。
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等があげられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基(無置換または置換アミノ基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや(メタ)アクリル酸N−(t−ブチル)アミノエチル等のN−アルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の一置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等のN,N−ジアルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の二置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらアミノ基含有単量体の四級化塩等;p−アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン類;3−(ジメチルアミノ)スチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノアルキルビニルエーテル類;アリルアミン、4−ジイソプロピルアミノ−1−ブテン、トランス−2−ブテン−1,4−ジアミン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン等があげられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミド基(アミド結合を有する基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリルアミド;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−s−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(n−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(s−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸等の置換アミド基含有モノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;これらアミド基含有モノマーの四級化塩等があげられる。
上記以外のその他の共重合モノマー(a5)としては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等があげられる。
その他の共重合モノマー(a5)は、用途に応じて物性を調整するために本発明の効果を阻害しない程度、例えば10重量%以下を含有してもよい。
かくして、上記モノマー(a1)〜(a2)単位、好ましくはさらにモノマー(a3)単位、必要に応じてさらにモノマー(a4)〜(a5)単位を有するアクリル系樹脂(A)が得られる。なお、これら各モノマー(a1)〜(a5)単位は、それぞれ単独でもしくは2種類以上を併せて有していてもよい。
上記重合にあたっては、溶液重合で製造することが、安全に、安定的に、任意のモノマー組成でアクリル系樹脂(A)を製造できる点で好ましい。
かかる溶液重合は、常法にしたがって、例えば、有機溶媒中に、モノマー(a1)〜(a5)等の共重合成分、および、重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50〜98℃で0.1〜20時間重合すればよい。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例としてあげられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の使用量としては、通常、共重合成分100重量部に対して0.001〜5重量部である。
このようにして得られるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常10万〜500万、好ましくは30万〜150万、特に好ましくは40万〜90万である。重量平均分子量が小さすぎると、耐久性が低下する傾向があり、大きすぎると粘着力が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には15以下が好ましく、さらには10以下が好ましく、殊には7以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると粘着剤層の耐久性が低下し、発泡等が発生しやすくなる傾向にある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100〜2×107、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列にして用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法を用いることができる。
また、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80〜10℃、特には−70〜−10℃、さらには−65〜−20℃であることが好ましく、ガラス転移温度が高すぎるとタックが不足する傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
上記ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率を、下記のFoxの式に当てはめて算出した値である。
Figure 2021155721
Tg:アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(K)
Tga:モノマーAのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wa:モノマーAの重量分率
Tgb:モノマーBのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wb:モノマーBの重量分率
Tgn:モノマーNのホモポリマーのガラス転移温度(K)
Wn:モノマーNの重量分率
(Wa+Wb+・・・+Wn=1)
ここで、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、JIS K7121−1987や、JIS K6240に準拠した方法で示差走査熱量計(DSC)により測定される値、およびカタログの記載値を用いる。
アクリル系樹脂(A)は通常、溶媒等により粘度調整され、アクリル系樹脂(A)溶液として塗工に供せられる。上記アクリル系樹脂(A)溶液の粘度としては、取扱い易さの点から500〜20000mPa・sであることが好ましく、特には1000〜18000mPa・sが好ましく、さらには2000〜15000mPa・sが好ましい。かかる粘度が高すぎると流動性が低下して取り扱いにくくなる傾向にあり、低すぎると粘着剤の塗工が困難となる傾向がある。なお、この際の溶液濃度は、通常10〜70重量%である。
上記溶媒としては、アクリル系樹脂(A)を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒等を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトン、特に酢酸エチルが好適に用いられる。これら上記の溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また上記の溶媒の添加はアクリル系樹脂(A)のみに対しての添加に限定されず、その他の成分を含んだ状態で添加されてもよい。
上記アクリル系樹脂(A)溶液の粘度は、JIS K5400(1990)の4.5.3 回転粘度計法に準じて測定することができる。
上記有機溶媒中で重合された上記アクリル系樹脂(A)は有機溶剤系アクリル系樹脂である。
<架橋剤(B)>
本発明の粘着テープに用いられる粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)に加え、架橋剤(B)を含有する。
上記架橋剤(B)は、アクリル系樹脂(A)中の官能基と反応し、架橋構造を形成させるものであり、特にエポキシ系架橋剤(b1)およびイソシアネート系架橋剤(b2)を併用することで、粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れる。
エポキシ系架橋剤(b1)はカルボキシ基との反応性が高いことから、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位と反応し、架橋構造を形成する。
特に、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位が、一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)を含む場合、主鎖からの側鎖が比較的長く、側鎖の極性が高いことから、架橋後の粘着剤層が柔軟でありながら、靭性のある粘着剤層となり、安定した粘着力、保持力を発現し、釘打ちされた時の漏水抑制にも優れる。また、イソシアネート系架橋剤(b2)は水酸基との反応性が高いことから、アクリル系樹脂(A)の水酸基含有モノマー(a2)単位と反応して架橋構造を形成する。
また、イソシアネート系架橋剤(b2)はカルボキシ基とも脱炭酸を伴って反応しアミド結合による架橋構造を形成する。
この様にアクリル系樹脂(A)がエポキシ系架橋剤、イソシアート系架橋剤と反応性を有する官能基を有し、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤を併用することによって、弾性を有しつつも柔軟性のある粘着剤層とすることで粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、釘打ちされた時の漏水抑制にも優れた粘着テープとなる。
上記エポキシ系架橋剤(b1)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアミン等の脂肪族エポキシ系架橋剤;1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン等の脂環式エポキシ系架橋剤;ジグリシジルアニリン等の芳香族エポキシ系架橋剤、1,3,5−トリス−(2,3−エポキシブチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(3,4−エポキシブチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス−(4,5−エポキシペンチル)−イソシアヌレート等の複素環式エポキシ架橋剤等があげられ、なかでも脂環式エポキシ系架橋剤が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記イソシアネート系架橋剤(b2)は、イソシアネート基を少なくとも2個以上含むものであり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体等があげられる。特にはトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記エポキシ系架橋剤(b1)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜0.1重量部であり、特には0.008〜0.08重量部、さらには0.01〜0.05重量部、殊には0.012〜0.03重量部であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると各種被着体に対する粘着性が低下する傾向がある。
上記イソシアネート系架橋剤(b2)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜1.0重量部であり、特には0.15〜0.8重量部、さらには0.18〜0.5重量部、殊には0.2〜0.4重量部であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると粘着性が低下する傾向がある。
上記エポキシ系架橋剤(b1)とイソシアネート系架橋剤(b2)の含有割合としては、イソシアネート系架橋剤(b2)100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(b1)が2.5〜25重量部であることが好ましく、特には3.5〜15重量部、さらには5〜10重量部であることが好ましい。
上記架橋剤は溶剤等で希釈して使用することができるが、上記含有量、含有割合は溶剤等を除く実質の架橋剤の含有量、含有割合を示す。
本発明は、上記(b1)成分および(b2)成分の架橋剤を併用するが、場合によっては、その他の架橋剤も併用してもよい。その他の架橋剤としては、例えば、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤をさらに併用してもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができるが、(b1)成分および(b2)成分を含まない架橋剤の組み合わせでは本発明の効果は発現されない。
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤(C)は、アクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるために用いられるものであり、本発明の粘着テープの粘着剤に含有されることが好ましい。粘着付与剤(C)としては、アクリル系樹脂(A)に相溶性を示す樹脂、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン系樹脂、石油系樹脂等があげられる。これらの粘着付与剤(C)は、単独でもしくは2種以上を併せて用いることができる。なかでも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂が好ましい。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、原料ロジンを、水素化(水添)、不均化、二量化、酸付加したものを、グリセリンやペンタエリスリトールを用いてエステル化したロジンエステル樹脂や、フェノールを付加したロジンフェノール樹脂があげられる。いずれのロジン系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、原料ロジンを不均化しグリセリンまたはペンタエリスリトールでエステル化を行い軟化点が70〜130℃の範囲にある不均化ロジンエステルや、原料ロジンを二量化してペンタエリスリトールでエステル化を行い軟化点が110〜170℃の範囲にある重合ロジンエステルや、原料ロジンにフェノールを付加し、軟化点が120〜160℃の範囲にあるロジンフェノールが好ましい。
上記テルペン系樹脂は、分子式(C58nで表されるイソプレン則に基づく化合物の総称であり、本発明で用いる粘着付与剤(C)としては、モノテルペン(例:α−ピネン、β−ピネン、リモネン等)を原料とし、フリーデルクラフト触媒により単独または共重合した樹脂があげられる。具体的には、モノテルペンが単独または共重合した樹脂として、例えば、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂やこれらを水素添加した水添テルペン樹脂等があげられる。これらのなかでも、アクリル系樹脂(A)と相溶性が良いことから、テルペンフェノール樹脂が好ましく、いずれのテルペンフェノール樹脂もアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、特には、軟化点が90〜170℃、水酸基価が20〜250(mgKOH/g)の範囲のものが好ましく、さらには軟化点が100〜150℃、水酸基価が50〜150(mgKOH/g)の範囲のものが好ましい。
上記石油系樹脂は、例えば、ナフサ等の熱分解により生成するC4−C5およびC9−C11留分モノマーの重合、さらには水添によって得られ、原料留分の種類によって、純モノマー系樹脂、脂肪族系(C5)石油樹脂、芳香族系(C9)石油樹脂、水添石油系樹脂等があげられる。いずれの石油系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、軟化点が90〜130℃の範囲のものが好ましく、さらにはスチレン系モノマーと脂肪族系モノマーとの共重合系を用いることが好ましい。
上記粘着付与剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して通常1〜50重量部、特には5〜30重量部、さらには5〜20重量部であることが好ましく、要求物性に応じて適量配合する。
さらに、本発明の粘着テープの粘着剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、アクリル系樹脂(A)以外の樹脂成分、アクリル系モノマー、重合禁止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、架橋促進剤、ラジカル発生剤、過酸化物、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、安定化剤、充填剤、難燃剤、ラジカル捕捉剤等の各種添加剤、金属および樹脂粒子等を配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いることができる。また、上記の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。ただし、顔料、充填剤、金属および樹脂粒子等の上記の含有量では、その効果を発揮しない添加剤等に関しては添加剤の効果を発揮しつつ本発明の効果を阻害しない範囲で適量を添加する場合がある。
本発明の粘着テープに用いられる粘着剤組成物は、上記のように、アクリル系樹脂(A)、架橋剤(B)、必要に応じて粘着付与剤(C)、さらには、その他の成分等を含有するものである。
本発明の粘着テープに用いられる粘着剤組成物の作製方法については、特に限定されるものではないが、一般に知られる機械的混練分散法の他に、必要に応じて溶剤分散法、超音波分散法等の公知の方法を用いることができる。
上記のように作製された粘着剤組成物は有機溶剤系粘着剤組成物である。
上記各成分を混合した粘着剤組成物からなる粘着剤を種々の基材に適用することにより、本発明の粘着テープが得られる。
<粘着テープ>
本発明の粘着テープは、上記粘着剤組成物から構成される粘着剤を、粘着剤層として含有するものである。具体的には、上記粘着剤組成物を、酢酸エチル等の溶媒に溶解させて、固形分濃度が10〜70重量%になるように塗工用の粘着剤組成物溶液を調液し、この溶液を基材に塗工、乾燥することにより粘着テープとすることができる。
かかる粘着テープの製造方法については、公知一般の粘着テープの製造方法を用いればよく、例えば、基材の一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面にリリースライナーを重ねる方法、あるいはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法によって製造することができる。なかでも、リリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法がハンドリング等の点から好ましい。
また、上記基材は、手切れ性を有するものが好ましく、手切れ性を有する基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理等の公知慣用の表面処理を適宜施してもよい。
上記基材としては、従来公知の基材であれば特に限定されることはないが、例えば、レーヨン布、綿布、ポリエステル布、レーヨンとポリエステルの混紡糸からなる布、不織布、フラットヤーンクロス、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムがラミネートされた積層フィルム等があげられる。これらの中でも長手方向の引張強度が高い点から、フラットヤーンクロスを含有するものが好ましい。
フラットヤーンクロスとは、フラットヤーンと呼ばれるポリエチレンやポリプロピレンのフィルムを、短冊状にカットし延伸することにより強度を持たせた平らな糸を織って織布としたもので、この織布の縦と横に交差するフラットヤーンの交差部を熱融着により固定して目ずれしないようにしたものが用いられる。
上記リリースライナーとしては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハン等のプラスチックからなるプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート;ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム等を発泡させてなる発泡体シート;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体等があげられる。また、これらはその片面または両面にコロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、上記リリースライナーとして、例えば、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙にポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗工した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂等を塗工してなるものもあげられる。
これらの中でも、容易に手で引き裂けやすいという点で紙製のリリースライナーが好ましく、原紙の坪量が40〜120g/m2、好ましくは50〜80g/m2である紙製リリースライナーが特に好ましい。さらに、かかるリリースライナーの厚みとしては、40〜180μmであることが好ましく、特には60〜140μm、さらには80〜120μmであることが好ましい。かかる厚みが薄すぎると巻き取り時にシワが入る等、製造が困難になる傾向があり、厚すぎると手切れ性が低下する傾向がある。
上記基材もしくはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工する際に用いる塗工装置としては、通常使用されている塗工装置を用いればよく、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーター等があげられる。
また、粘着剤層の乾燥後の厚みとしては、5〜200μmであることが好ましく、特に好ましくは30〜180μm、さらに好ましくは60〜150μm、特に好ましくは80〜130μmである。
かかる厚みが厚すぎると粘着剤の塗工が困難になる傾向があり、薄すぎると充分な粘着力、釘打ちされた時の漏水抑制が得られにくくなる傾向がある。
また、本発明の粘着テープは、片面粘着テープであってもよいし、両面粘着テープであってもよい。また、両面粘着テープの粘着剤層は、ともに同一の粘着剤層であってもよいし、異なる組成の粘着剤層であってもよい。
なお、両面粘着テープの粘着剤層上にリリースライナーを積層する場合においては、作業性の向上のために、両面に積層されるリリースライナーの剥離力が異なるようにそれぞれのリリースライナーを選択することが好ましい。例えば、両面粘着テープの初めに貼着する面側のリリースライナーの剥離力は、次に貼着する面側のリリースライナーの剥離力より軽剥離であるリリースライナーを選択すると作業性が向上する。
上記乾燥条件は、乾燥時に粘着剤中の溶媒や残留モノマーが乾燥し除去され、かつ、架橋剤(B)を使用する場合にはアクリル系樹脂(A)が有する官能基と架橋剤(B)とが反応し、架橋構造が形成され得る条件であればよい。乾燥条件として、例えば、60〜120℃、1〜5分間程度が好ましい。乾燥後、シート状基材で粘着剤層を挟んだ状態で熟成(エージング)し、さらに架橋反応を進行させることができる。
本発明の粘着テープは、ロール状であってもよいし、枚葉状態であってもよいし、あるいはさらに種々の形状に加工されたものであってもよい。
そして、粘着テープが、両面粘着テープであり、枚葉状態である場合には、2つの粘着剤層の両方の表面にリリースライナーが設けられることが好ましく、また、ロール状態の場合には、2つの粘着剤層の一方の表面のみにリリースライナーが設けられることが好ましい。
かくして本発明の粘着テープが得られるものであるが、本発明の粘着テープは、粘着物性を低下させる被着体や基材に対しても粘着物性の低下もなく、また、良好な保持力を有するものである。さらに、基材として、手切れ性を有する基材を用いた場合には、テープの幅方向に対してテープカッター等を使用することなく任意の位置において手で容易に切断することができ、粘着テープとして特に有用なものとなる。
上記粘着テープにおける粘着剤層の粘着力としては、通常、使用される被着体に対して、JIS Z0237に準じた180°剥離強度が1〜100N/25mmであることが好ましい。
なかでも、被着体として比較的極性が高いSUS304鋼の試験板を使用した場合は、180°剥離強度が25N/25mm以上であることが好ましく、特に好ましくは30N/25mm以上、さらに好ましくは35N/25mm以上である。なお、通常上限は100N/25mm程度である。
なお、粘着力は被着体の組成(材質)や表面状態(表面粗さ)、処理(洗浄)条件等で変わるため、上記剥離強度の範囲に限定されるものではない。
かかる粘着力の測定は、JIS Z0237に準じて測定する値である。具体的には、後記実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、試験片が両面粘着テープである場合には、試験しない粘着面はJIS C2318に規定される呼び厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラー S10)で覆って測定することができる。
また、本発明の粘着テープにおける粘着剤層の保持力としては、下記の<保持力の測定方法>、具体的には後記実施例に記載の方法で測定した場合、24時間経過後に試験片が試験板から落下しないことが特に好ましく、試験片が24時間以内に落下したとしても、その保持時間は、500分間以上であることが好ましい。
<保持力の測定方法>
幅25mm、長さ75mmにカットした粘着テープの粘着剤層とSUS板との接触面積が幅25mm×長さ25mmになるように圧着した後、SUS板に対し粘着テープが鉛直に垂れ下がるように1000gの錘を取り付け、その後40℃の環境にて粘着テープが落下するまでの時間を測定する。
さらに、上記粘着テープにおける粘着剤層のゲル分率は、37〜47重量%とすることで漏水抑制効果を発現することができる。ゲル分率を37〜47重量%となるようにするにはエポキシ系架橋剤(b1)、イソシアネート系架橋剤(b2)の種類や含有量を調整すればよく、ゲル分率は40〜46.5重量%がさらに好ましく、42〜45重量%が特に好ましい。ゲル分率が37重量%未満、47重量%を超える粘着剤層が基材上に形成された粘着テープは漏水抑制できない。
ゲル分率が37〜47重量%である粘着剤層を有する粘着テープが漏水抑制効果を有する理由は明らかではないが、ゲル分率が47重量%以下であることで釘打ちされた時に、粘着剤層が釘に追従密着することで漏水を抑制し、ゲル分率が37重量%以上であることで釘に密着した粘着剤層が水圧で釘から引き剥がされないだけの弾性を有しているものと推定される。
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、得られた粘着テープを包み込めるサイズの200メッシュのSUS製金網を準備し重量を測定する(1)。粘着テープから紙製リリースライナーを剥離し、前述のSUS金網で包みテープ重量を金網ごと測定する(2)。23℃に保ったトルエン中に48時間浸漬した後、充分に乾燥し、テープ重量を金網ごと測定する(3)。浸漬後のテープを金網から取り出し、残存している粘着剤層を取り除いた後、基材重量を測定する(4)。下記式に示すように差し引きを行い、浸漬前に対する浸漬後の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
〔式〕ゲル分率(%)=(SUS金網重量を含む浸漬後のテープ重量(3)−基材重量(4)−SUS金網重量(1))/(SUS金網重量を含む浸漬前のテープ重量(2)−基材重量(4)−SUS金網重量(1))×100
なお、粘着剤のゲル分率を上記範囲に調整するにあたっては、架橋剤(B)の種類と量を調整すること等により達成される。
また、本発明の粘着テープは引張強度の大きいものが好ましく、被着体等に貼り付ける際、歪まない様に引っ張ったり、位置補正のために剥がしたりするために必要な強度が求められる。粘着テープの引張強度としては、20N/25mm以上、さらには30N/25mm以上、さらには50N/25mm以上が好ましい。なお、引張強度の上限としては、通常250N/25mmである。引張強度の大きい両面粘着テープとするには、基材の引張強度が、目的とする粘着テープの引張強度と同等、もしくはそれ以上の引張強度をもつ基材を用いることで達成することができる。
本発明の粘着テープは、安定した粘着力、保持力を有し、釘打ちされた時の漏水抑制に優れるものである。そのため、例えば、難燃接着テープ、クラフトテープ、OPPテープ、布粘着テープ等の包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、気密防水用粘着テープ、医療用救急絆創膏等の貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープ等として、幅広い用途に用いることができるが、特に気密防水用粘着テープとして好適に用いることができる。
上記粘着テープは、例えば、住宅の構造体やその部材、部材間の間隙等に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂(A)を調製した。
なお、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)の製造に先立ち、製造に用いる共重合成分(a)として以下のものを用意した。
(a1−1)成分
・下記一般式(2)で示される末端カルボキシ基含有モノマー
CH2=CR1−CO−O−(R2−COO−)nH ・・・(2)
上記一般式(2)においてR1は水素、R2はエチレン鎖、nは1〜5
(a1−2)成分
・アクリル酸
(a2)成分
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート
(a3−1)成分
・n−ブチルアクリレート
(a3−2)成分
・2−エチルヘキシルアクリレート
(a4−1)成分
・メチルアクリレート
(a4−3)成分
・酢酸ビニル
なお、上記(a1)成分については、ソルベイ日華社製の「サイポマーH」を使用した。
サイポマーHは、一般式(1)のR1が水素、R2がエチレン鎖、n=1の化合物(a1−1−1)を56%と、R1が水素、R2がエチレン鎖、n=2〜5の化合物(a1−1−2)16.1%と、アクリル酸(a1−2)を27.9%含有する混合物である(以下、サイポマーHに含まれる、一般式(1)のR1が水素、R2がエチレン鎖、n=1〜5の化合物を「CAO」と称することがある)。
〔アクリル系樹脂(A1)の製造〕
温度計、撹拌機および還流冷却機を備えた反応器内に、共重合成分として、サイポマーH 5部〔CAO(a1−1)3.6部、アクリル酸(a1−2)1.4部〕、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(a2)0.1部、n−ブチルアクリレート(a3−1)25.8部、2−エチルヘキシルアクリレート(a3−2)63.1部、メチルアクリレート(a4−1)6部、さらに溶媒として酢酸エチル55部、および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15部を仕込み、撹拌しながら昇温し、酢酸エチル(混合物)還流温度にて7時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分56%、粘度7000mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A1)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A1)の重量平均分子量は62万、分散度5.8、ガラス転移温度は−59℃であった。
〔アクリル系樹脂(A2)の製造〕
温度計、撹拌機および還流冷却機を備えた反応器内に、共重合成分として、上記(a1)成分についてはβ-CEAを用い、β-CEA6部〔CAO(a1−1)4.8部、アクリル酸(a1−2)1.2部〕、n−ブチルアクリレート(a3−1)1部、2−エチルヘキシルアクリレート(a3−2)91部、酢酸ビニル(a4−3)2部、さらに溶媒として酢酸エチル55部、および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15部を仕込み、撹拌しながら昇温し、酢酸エチル(混合物)還流温度にて7時間重合させた後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、固形分49%、粘度12,000mPa・s/25℃のアクリル系樹脂(A2)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A2)の重量平均分子量は66万、分散度4.3、ガラス転移温度は−65℃であった。
<架橋剤(B)>
架橋剤(B)として以下のものを用意した。
・エポキシ系架橋剤(b1):三菱ガス化学社製、テトラッドC(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
・イソシアネート系架橋剤(b2):東ソー社製、コロネートL−55E(トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体:固形分55%)
・アルミキレート系架橋剤(b3):アルミニウムアセチルアセトナート(酢酸エチル溶液、固形分5%)
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤(C)として以下のものを用意した。
・不均化ロジンエステル(C−1):荒川化学工業社製、スーパーエステルA−100(不均化ロジンのグリセリンエステル、軟化点95〜105℃)
・テルペンフェノール共重合体(C−2):ヤスハラケミカル社製、YSレジンPX1000(軟化点95〜105℃)
<実施例1>
上記のようにして調製、準備したアクリル系樹脂(A1)溶液について、その固形分(樹脂分)100部に対して、エポキシ系架橋剤(b1)(テトラッドC)を固形分(樹脂分)に換算で0.017部、イソシアネート系架橋剤(b2)(コロネートL−55E)を固形分(樹脂分)換算で0.29部、粘着付与剤(C)15部を混合し、酢酸エチルにて固形分濃度を40%になるように調液し、均一になるまで撹拌し、粘着剤組成物の溶液を得た。
<実施例2、比較例1〜3>
上記実施例1において、粘着剤組成物の組成を下記表1の示すように変更した以外は同様に行い、実施例2、比較例1〜3の粘着剤組成物の溶液を得た。
得られた実施例1〜2および比較例1〜3の粘着剤組成物について、以下の通り粘着テープを作製し、以下の評価を行った。評価結果を後記の表2に示す。
〔粘着テープの作製〕
上記のようにして準備した粘着剤組成物の溶液を紙製リリースライナー〔SS−70−SBX(シノムラ化学工業社製)〕の剥離面に対して乾燥後の厚みが100μmになるようにアプリケーターを用いて塗工し、その後80℃で5分間乾燥し、フラットヤーン(ダイヤテックス社製、厚み130μm)を貼り合わせた。その後、40℃の乾燥機中で7日間加熱エージング処理を行い、粘着テープを作製した。
<ゲル分率>
得られた粘着テープを包み込めるサイズの200メッシュのSUS製金網を準備し重量を測定する(1)。粘着テープから紙製リリースライナーを剥離し、前述のSUS金網で包みテープ重量を金網ごと測定する(2)。23℃に保ったトルエン中に48時間浸漬した後、充分乾燥し、テープ重量を金網ごと測定する(3)。浸漬後のテープを金網から取り出し、残存している粘着剤層を取り除いた後、基材重量を測定する(4)。下記式に示すように差し引きを行い、浸漬前に対する浸漬後の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
〔式〕ゲル分率(重量%)=(SUS金網重量を含む浸漬後のテープ重量(3)−基材重量(4)−SUS金網重量(1))/(SUS金網重量を含む浸漬前のテープ重量(2)−基材重量(4)−SUS金網重量(1))×100
<180°剥離強度>
上記粘着テープを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。また、被着体として耐水サンドペーパー(#360)にて研磨処理したSUS304鋼の試験板を酢酸エチルで表面を洗浄した後、23℃50%RHの雰囲気下で一晩静置して用いた。上記試験片から紙製リリースライナーを剥離し、試験片の粘着剤層を上記試験板に、重さ2kgのローラーを圧着速さ5mm/sで1往復させて圧着させた。圧着後、23℃50%RHの雰囲気下に20分間静置し、試験片の遊び部分を180°折り返し、30mm剥がした後、同雰囲気下で剥離強度試験機の下部のチャックに試験板を、上部のチャックに試験片の端をそれぞれ固定し、引き剥がし角度180°、300mm/minの速度で被着体から粘着テープを引き剥がし、剥離強度を測定した。
<保持力>
上記粘着テープを幅25mm、長さ75mmにカットして試験片を作製した。また、被着体として耐水サンドペーパー(#360)にて研磨処理したSUS304鋼の試験板を酢酸エチルで表面を洗浄した後、23℃50%RHの雰囲気下で一晩静置して用いた。この試験板に、紙製リリースライナーを剥離した試験片の粘着剤層と試験板との接触面積が幅25mm×長さ25mmになるように、上記試験片を重さ2kgのローラーを圧着速さ5mm/sで1往復させて圧着させた。また、試験片の粘着剤が露出する部分は折り返した。圧着後23℃50%RHの環境にて30分間静置し、その後40℃の環境に移し20分間静置した。試験板に対し試験片が鉛直に垂れ下がるように1000gの錘を取り付け、その後40℃の環境にて試験片が落下するまでの時間を測定した。24時間(1440分間)後であっても落下しなかったものは1440分間以上とした。
<湿熱処理後の保持力>
上記保持力の測定方法と同様に試験片を試験板に圧着させた後、60℃90%RHの環境下で14日間静置した。その後40℃の環境に移し20分間静置した。試験板に対し試験片が鉛直に垂れ下がるように1000gの錘を取り付け、その後40℃の環境にて試験片が落下するまでの時間を測定した。24時間(1440分間)後であっても落下しなかったものは1440分間以上とした。
<漏水試験>
AAMA711−13 5.2に準じて釘打ち漏水試験を行い、漏水が確認できなかったものを合格、漏水が確認されたものを不合格とした。
Figure 2021155721
Figure 2021155721


上記表2の結果より、粘着剤層のゲル分率が37〜47重量%である本発明の実施例1、2は、漏水抑制されており、長期間使用を想定した湿熱処理後においても保持力を維持していた。
これに対し、ゲル分率が37重量%未満の比較例1および、47重量%より高い比較例2は漏水抑制に劣るものであった。また、比較例1は湿熱処理後において保持力が大きく低下することが分かる。アクリル系樹脂が水酸基含有モノマー単位を有せず、イソシアネート系架橋剤(b2)を含有していない比較例3では漏水抑制に劣り、湿熱処理後の保持力も大きく低下した。
即ち、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位、水酸基含有モノマー(a2)単位を含むアクリル系樹脂(A)、エポキシ系架橋剤(b1)、イソシアネート系架橋剤(b2)を含有する粘着剤組成物からなる粘着剤が基材上に形成されている粘着テープの粘着剤のゲル分率が37〜47%である粘着テープは粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、漏水抑制に優れるものであることがわかる。
本発明の粘着テープは、粘着力、保持力および湿熱処理後の保持力に優れ、漏水抑制に優れることから気密防水用粘着テープとして優れたものであり、大いに期待される。

Claims (5)

  1. 粘着剤が基材上に形成されている粘着テープであって、
    前記粘着剤は、カルボキシ基含有モノマー(a1)単位、および水酸基含有モノマー(a2)単位を含むアクリル系樹脂(A)と、エポキシ系架橋剤(b1)と、イソシアネート系架橋剤(b2)を含有する粘着組成物からなり、前記粘着剤のゲル分率が37〜47重量%であることを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記カルボキシ基含有モノマー(a1)単位が下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1−1)単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
    Figure 2021155721
  3. 前記カルボキシ基含有モノマー(a1)単位が(メタ)アクリル酸モノマー(a1−2)単位を含むことを特徴する請求項1または2に記載の粘着テープ。
  4. 上記アクリル系樹脂(A)が、下記(a1−1)〜(a3)のモノマー単位を有するアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の粘着テープ。
    (a1−1)上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー単位 1〜20質量%
    (a1−2)(メタ)アクリル酸モノマー単位 0.1〜5質量%
    (a2)水酸基含有モノマー単位 0.01〜5質量%
    (a3)炭素数4〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー単位 55〜97質量%
  5. AAMA711−13 5.2(WATER PENETRATION RESISTANCE AROUND NAILS:釘打ち漏水試験)に合格する請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着テープ。
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