JP2023130956A - 食材保存システム - Google Patents

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舞子 添田
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Abstract

【課題】食材の鮮度、熟度に応じて当該食材に適した調理を支援できる食材保存システムを提供する。【解決手段】食材保存システムは、食材の貯蔵室が設けられた食材保存庫と、食材の鮮度及び熟度の一方又は両方を含む食材状態を取得する食材状態取得部60と、食材状態取得部60が取得した食材状態に基づいて、当該食材に適した調理情報を出力する調理情報出力部64と、食材状態取得部60により取得された食材状態に関する情報、及び、調理情報出力部64から出力された調理情報を記憶する記憶部63と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、食材保存システムに関するものである。
食材庫の重量の変化、及び、食材庫の内部を撮像した画像処理の結果等の判定要因から食材の鮮度について判定する鮮度判定サーバと、食材庫の状態情報から現在の食材庫にある食材で作られる料理のレシピを収集し、外部端末の要求に応じて庫内の状態情報から現在の在庫から作れそうなレシピ等を提供するレシピ収集サーバと、を備えたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-057022号公報
しかしながら、特許文献1に示されるようなシステムにおいては、提供されるレシピは、在庫されている食材については考慮されているものの、在庫されている食材の鮮度、熟度については全く考慮されていない。一般的なレシピは喫食に適した状態すなわち鮮度がよく、適度に熟した状態の食材の使用を前提としている。このため、鮮度が悪い食材、未熟、過熟な食材を使用した場合、食材の状態に適した調理が難しい。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、食材の鮮度、熟度に応じて当該食材に適した調理を支援できる食材保存システムを提供することにある。
本開示に係る食材保存システムは、食材の貯蔵室が設けられた食材保存庫と、食材の鮮度及び熟度の一方又は両方を含む食材状態を取得する食材状態取得部と、前記食材状態取得部が取得した食材状態に基づいて、当該食材に適した調理情報を出力する調理情報出力部と、前記食材状態取得部により取得された食材状態に関する情報、及び、前記調理情報出力部から出力された調理情報を記憶する記憶部と、を備える。
本開示に係る食材保存システムによれば、食材の鮮度、熟度に応じて当該食材に適した調理を支援できるという効果を奏する。
実施の形態1に係る食材保存システムが備える冷蔵庫の構成を示す正面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る食材保存システムの構成を示すブロック図である。 食材の鮮度、熟度と食べごろの時期との関係の一例を説明する図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。 調理及び料理例と調味液の浸透状態との関係の一例を説明する図である。 実施の形態1に係る推論装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る推論装置の動作例を示すフロー図である。 実施の形態1に係る学習装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。 実施の形態1に係る学習装置の動作の一例を示すフロー図である。
本開示に係る食材保存システムを実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図12を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は食材保存システムが備える冷蔵庫の構成を示す正面図である。図2は冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。図3は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。図4は食材保存システムの構成を示すブロック図である。図5は食材の鮮度、熟度と食べごろの時期との関係の一例を説明する図である。図6は冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図7は調理及び料理例と調味液の浸透状態との関係の一例を説明する図である。図8は推論装置の構成を示すブロック図である。図9は推論装置の動作例を示すフロー図である。図10は学習装置の構成を示すブロック図である。図11は学習装置におけるニューラルネットワークの一例を示す図である。図12は学習装置の動作の一例を示すフロー図である。
この実施の形態に係る食材保存システムは、食材を保存するための食材保存庫を備えている。食材保存庫は、食材を常温で保存するものであっても、食材を冷蔵温度帯又は冷凍温度帯等に冷却して保存する冷蔵庫であってもよい。ここでは、食材保存システムが備える食材保存庫が冷蔵庫である場合の例について説明する。図1及び図2に示すのは、この実施の形態に係る食材保存システムが備える食材保存庫の一例である冷蔵庫1である。
本開示では、原則として、冷蔵庫1が使用可能な状態に設置されたときを基準として、各方向を定義する。また、図1及び図2によって示される冷蔵庫1を構成する各部材の寸法、位置関係及び形状等は、実際のものとは必ずしも完全に一致しない場合がある。冷蔵庫1の構成は、図1及び図2によって示されるものに限定されるものではない。
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、断熱箱体8を有している。断熱箱体8は、外箱、内箱及び断熱材によって構成される。外箱は、例えば、鋼鉄製である。内箱は、例えば、樹脂製である。内箱は、外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば、発泡ウレタン、真空断熱材等である。断熱材は、外箱と内箱との間の空間に充填されている。
断熱箱体8の正面は開口している。断熱箱体8の内部には、貯蔵空間が形成されている。貯蔵空間は、食品等の被貯蔵物が収納される空間である。断熱箱体8の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材によって、食品を収納保存するための複数の貯蔵室に区画されている。例えば、冷蔵庫1は、図1及び図2に示すように、複数の貯蔵室として、冷蔵室10、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を備えている。上記の各貯蔵室は、断熱箱体8において、上下方向に4段構成となって配置されている。このように、冷蔵庫1は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体を備えている。
冷蔵室10は、断熱箱体8の最上段に配置されている。図2に示すように、冷蔵室10の内部には、例えば、複数の棚板が設けられている。冷蔵室10の内部は、これらの棚板によって、上下方向に複数の空間に仕切られている。
切替室20は冷蔵室10の下方における左右の一側に配置されている。切替室20内の温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかに選択的に切り替えることが可能である。切替室20内の温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯、ソフト冷凍温度帯、チルド温度帯、冷蔵温度帯等である。冷凍温度帯は、例えば、-18℃程度の温度帯である。ソフト冷凍温度帯は、例えば、-7℃程度の温度帯である。チルド温度帯は、例えば、0℃程度の温度帯である。冷蔵温度帯は、例えば、3℃程度の温度帯である。ガラス凍結温度帯については後述する。
製氷室30は、切替室20の側方に隣接して配置される。製氷室30は、切替室20と並列に配置される。すなわち、製氷室30は、冷蔵室10の下方における左右の他側に配置されている。冷凍室40は、切替室20及び製氷室30の下方に配置されている。冷凍室40は、被貯蔵物を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いられる。また、野菜室50は、冷凍室40の下方の配置されている。野菜室50は、断熱箱体8の最下段に配置されている。野菜室50には、例えば、野菜及び容量の大きなペットボトル等が収納される。
冷蔵室10の正面部には、当該冷蔵室10を開閉するための冷蔵室扉2が設けられている。冷蔵室扉2は、例えば、両開き式の回転式の扉である。両開き式の冷蔵室扉2は、冷蔵室右扉2a及び冷蔵室左扉2bにより構成されている。冷蔵室扉2の外側表面には、操作パネル3が設けられている。図示の構成例では、操作パネル3は、冷蔵室左扉2bに設けられている。操作パネル3は、各貯蔵室の保冷温度等の設定及び各貯蔵室の温度等の各種情報の表示のためのものである。
切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50は、例えば、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫1の奥行方向にスライドできるようになっている。この実施の形態に係る冷蔵庫1の使用者は、引出し式の扉をスライドさせることで、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉する。
切替室20の内部及び冷凍室40の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース21及び冷凍室収納ケース41が、それぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室50内には、食品等を内部に収納できる野菜室収納ケース51が、引き出し自在に格納されている。
切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に連動して引き出される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に連動して引き出される。同様に、野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に連動して引き出される。
なお、冷蔵庫1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室10を開閉するための扉は、スライド式であってもよい。また、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉するための扉は、回転式であってもよい。切替室収納ケース21、冷凍室収納ケース41及び野菜室収納ケース51は、それぞれ、2つ以上設けられてもよい。
冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却するための冷凍機構として、圧縮機4、冷却器5、送風ファン6及び風路9等を備えている。圧縮機4及び冷却器5は、図示を省略している凝縮器及び絞り装置等と、冷凍サイクル回路を構成している。圧縮機4は、冷凍サイクル回路内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機4から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器5は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機4は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
風路9は、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するためのものである。風路9は、断熱箱体8の内部に形成されている。風路9は、例えば、冷蔵庫1の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路を構成している冷却器5は、この風路9内に設置される。また、風路9内には、冷却器5で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン6も設置されている。
送風ファン6が動作すると、冷却器5で冷却された空気、すなわち冷気が、風路9を通って、冷凍室40、切替室20、製氷室30及び冷蔵室10へ送られる。これにより、各貯蔵室内が冷却される。また、野菜室50には、冷蔵室10から戻った冷気が図示しない風路を介して導入される。これにより、野菜室50内が冷却される。野菜室50を通過した空気は、冷却器5が設置されている風路9内へと戻される。風路9内へと戻された空気は、再び冷却器5によって冷却され、冷蔵庫1内を循環する。なお、ここで説明した空気の循環経路は一例であり、どのような経路であってもよい。
また、風路9からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。このダンパは、図1及び図2においては図示を省略する。各ダンパの開閉状態が変化することで、各貯蔵室へと供給される冷気の風量が調節される。貯蔵室へと供給される冷気の風量は、送風ファン6の運転が制御されることによっても調節される。また、各貯蔵室へと供給される空気の温度は、圧縮機4の運転が制御されることで調節される。
各貯蔵室には、内部の温度を検知するサーミスタが設置される。このサーミスタは、図1及び図2においては図示を省略する。上記のダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、サーミスタの検知結果に基づいて制御される。ダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。本実施の形態において、以上のように設けられた圧縮機4と冷却器5とを含む冷凍サイクル回路、送風ファン6、風路9及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段の一例である。
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、制御装置7を備えている。制御装置7は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の上部に設けられる。制御装置7には、冷蔵庫1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置7の各機能は、この制御回路によって実現される。制御装置7は、冷却手段を制御する制御手段の一例である。
図3は、この実施の形態に係る冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置7の制御回路には、例えば、プロセッサ7a及びメモリ7bが備えられている。制御装置7は、メモリ7bに記憶されたプログラムをプロセッサ7aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
プロセッサ7aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ7bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
なお、制御装置7の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置7の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、且つ、当該制御回路にプロセッサ7a及びメモリ7bが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
制御装置7には、各貯蔵室の内部の温度を検知するサーミスタから信号が入力される。制御装置7は、サーミスタから入力された信号に基づいて、各貯蔵室内の温度が設定温度に維持されるように、圧縮機4、送風ファン6及びダンパ等を制御する。
また、この実施の形態の操作パネル3は、例えば、図3に示すように、操作部3a及び表示部3bを備えている。操作部3aは、各貯蔵室の設定温度及び冷蔵庫1の動作モードを設定するためのスイッチ等を備えている。表示部3bは、冷蔵庫1に関する各種の情報を表示する液晶ディスプレイ及びLEDの表示灯等を備えている。なお、操作パネル3は、操作部3aと表示部3bとを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。また、操作パネル3には、音声報知を行うスピーカ等が備えられていてもよい。
制御装置7には、操作パネル3の操作部3aからの信号が入力される。操作部3aは、使用者による当該操作部3aの操作に応じた信号を、制御装置7へ出力する。制御装置7は、操作部3aから入力された信号に基づいた処理を実行する。また、制御装置7は、操作パネル3の表示部3bの動作も制御する。
この実施の形態に係る食品保存システムは、以上のような食材保存庫である冷蔵庫1の他に、図4に示すように、食材状態取得部60、調理情報出力部64、記憶部63及び通信部65を備えている。食材状態取得部60は、食材100の食材状態を取得する。食材状態取得部60が取得する食材状態には、当該食材100の鮮度及び熟度の一方又は両方が含まれている。食材100の鮮度とは、当該食材100の新鮮さの度合いである。食材100の熟度とは、当該食材100の熟した度合いである。
なお、食材状態取得部60が取得する食材状態には、当該食材100の鮮度及び熟度の両方が含まれることが望ましい。食材100の種類によって鮮度を検出した方がよいものと、熟度を検出した方がよいものがあるためである。また、鮮度がよいほど美味しく食せる食材100と、熟した方が美味しく食せる食材100では、使用に最適なタイミングが異なるためである。
例えば、食材100の購入時から開始した時間経過で考えると、魚、肉、葉物野菜といった食材100は、図5(a)に示すように購入時が最も鮮度がよく、時間の経過共に鮮度は悪化する。このような食材100は、鮮度がよいうちに、すなわち購入後なるべく早く食べた方がよい。一方で、果菜、フルーツ、例えばアボカド、メロン等の食材100は、図5(b)に示すように購入時は未熟である場合が多く、時間経過とともに熟成が進む。このような食材100は、鮮度とは異なり、購入直後ではなく、ある程度時間が経過し、熟した段階が最もおいしく食べられる状態である。このように、食材100の種類によって、喫食に適する時期が異なり、喫食に適する時期の判断に鮮度、熟度のどちらを用いた方がよいのかも異なる。このため、食材状態取得部60が取得する食材状態には、当該食材100の鮮度及び熟度の両方が含まれることが望ましい。
ここで説明する構成例では、食材状態取得部60は、検出部61と推定部62とを備えている。検出部61は、食材100に関する物理量を検出する。推定部62は、検出部が検出した物理量に基づいて食材100の食材状態を推定する。検出部61が検出した食材100に関する物理量は、1次情報である。推定部62が推定した食材100の食材状態は、1次情報から導出された2次情報である。
検出部61が検出する食材100に関する物理量としては、例えば、食材100の重量、色彩、形状、食材100が冷蔵庫1に保存されてからの経過時間、食材100に特定波長の光を照射した際の蛍光等が挙げられる。検出部61は、検出する物理量に応じたセンサ等を有している。検出部61が食材100の重量を検出する場合、検出部61は重量センサ等を備えている。検出部61が食材100の色彩、形状を検出する場合、検出部61は例えばカメラ等を備えている。検出部61が食材100に特定波長の光を照射した際の蛍光を検出する場合、検出部61は例えば食材100に特定波長の光を照射する光源と、食材100の蛍光を検出するカメラ等を備えている。
次に、食材状態取得部60による食材100の鮮度及び熟度の取得方法について鮮度・熟度それぞれの検出方法について説明する。なお、ここで説明する方法はあくまで一例であり、鮮度、熟度を取得できるのであれば、どのような方法であってもよい。また、単一の手法で鮮度及び熟度の両方を取得できてもよいし、複数の手法の組み合わせ、使い分け等により鮮度及び熟度を取得できてもよい。
例えば、鮮度を検出する場合、検出部61はカメラを備えている。検出部61のカメラは、例えば、冷蔵庫1の貯蔵室内に設置される。カメラは、貯蔵室内に保存されている食材100を撮影する。そして、カメラにより撮影された画像に画像識別処理等を施すことで保存されている食材100を判別する。
推定部62は、検出部61のカメラで撮影した画像から、新しい食材100が追加された時期を判定し、その時期を当該食材100の購入タイミングとして特定する。そして、推定部62は、購入タイミングからの経過時間により食材100の鮮度を推定する。食材100の種類ごとに鮮度の劣化速度が異なるため、同じ経過時間であっても、食材100の種類ごとに鮮度は異なる。そのため、推定部62は、例えば、食材100の種類ごとに経過時間と鮮度との対応関係を定めた鮮度判定テーブルを予め記憶している。そして、推定部62は、鮮度判定テーブルを参照することで、経過時間から食材100の鮮度を推定する。
また、対象の食材100が、野菜、果物等のクロロフィル及びポリフェノール類を一方又は両方を含んでいる場合、食材100に特定波長の光を照射した際の蛍光を用いて食材100の食材状態すなわち鮮度及び熟度を推定する方法が有効である。そこで、次に、食材100に特定波長の光を照射した際の蛍光を用いて食材100の食材状態を推定する場合の構成例について説明する。
クロロフィルを含む食材100に特定の波長、具体的には400nm以上500nm以下の波長の光を照射すると、クロロフィルが光を吸収して蛍光を発する。また、ポリフェノール類を含む食材100に特定の波長、具体的には315nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、ポリフェノール類が光を吸収して蛍光を発する。検出部61は、食材100に特定の波長の光を照射する光源として、青色LED及びUV-LEDの2種の発光ダイオード(LED)を備えている。青色LEDは、一般的に青色と称される波長範囲の光を照射する。具体的には、青色LEDは、400nm以上500nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。青色LEDが照射する光のピーク波長は、望ましくは420nm以上490nm以下である。UV-LEDは、一般的にUVA(紫外線A波)と称される波長範囲の光を照射する。UV-LEDは、315nm以上400nm以下の範囲にピーク波長を有する光を照射する。UV-LEDが照射する光のピーク波長は、望ましくは350nm以上380nm以下である。
青色LED及びUV-LEDが照射する光の光量は、それぞれ0.1[W/m^2]以上10000[W/m^2]以下である。ただし、UV-LEDの光量は、望ましくは4[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは10[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。また、青色LEDの光量は、望ましくは1[W/m^2]以上500[W/m^2]以下であり、さらに望ましくは8[W/m^2]以上100[W/m^2]以下である。
検出部61は、食材100に特定波長の光を照射した際に当該食材100が発する蛍光の波長の光を検出する光検出手段としてカメラを備えている。ポリフェノール類を含む食材100に315nm以上400nm以下の波長の光を照射すると、ポリフェノール類がこの光を吸収して蛍光を発する。ポリフェノール類の蛍光は淡く色づいているものもあるが、白色光が多い。また、クロロフィルを含む食品に400nm以上500nm以下の波長の光を照射すると、クロロフィルがこの光を吸収して蛍光を発する。クロロフィルの蛍光は680nmあたりにピークを有する赤色光である。カメラは、これらの蛍光の波長の光を含む可視光を感知して画像として出力する。
このようにして、検出部61は、食材100に特定波長の光を照射した際の蛍光を検出する。検出部61である光源(青色LED及びUV-LED)及びカメラは、例えば、冷蔵庫1の野菜室50等の貯蔵室の内部に設けられている。これにより、検出部61は、冷蔵庫1の貯蔵室内に保存されている食材100の蛍光を検出できる。
推定部62は、検出部61により検出された蛍光に基づいて、食材100の食材状態を推定する。食材100が貯蔵室内に投入された後、予め設定された一定周期毎に、青色LED及びUV-LEDの一方又は両方が点灯され、カメラにより食材100が発する蛍光が撮影される。推定部62は、例えばこうして一定周期毎に撮影された蛍光の時間変化に基づいて、食材100の少なくとも鮮度及び熟度の一方又は両方を推定して食材状態を取得する。推定部62は、例えば、食材100について最初に撮影された蛍光の状態を初期状態とし、初期状態からの蛍光の変化量に基づいて、鮮度及び熟度の一方又は両方を推定する。
食材100に青色LEDからの光を照射すると、食材100に含まれるクロロフィルが683nm付近の波長を中心とした赤色の蛍光を発する。そこで、クロロフィルを含む食材100における蛍光の変化は、光の赤色成分を定量化した指標を用いて評価できる。具体的に例えば、カメラにより撮影された画像における、L*a*b*(CIELAB)表色系のa*値の変化量を用いることで蛍光の変化を定量化して評価できる。そして、クロロフィルの蛍光の初期状態からの減少量により、食材100の鮮度、熟度を推定できる。
また、食材100にUV-LEDからの光を照射すると、食材100に含まれるポリフェノール類が主に白色の蛍光を発する。そこで、ポリフェノール類を含む食材100における蛍光の変化は、光の強度の明度又は強度を定量化した指標を用いて評価できる。具体的に例えば、カメラにより撮影された画像における、L*a*b*表色系のL*値の変化量を用いることで蛍光の変化を定量化して評価できる。そして、ポリフェノール類の蛍光の初期状態からの減少量により、食材100の鮮度、熟度を推定できる。
なお、蛍光の初期状態からの減少量と、食材100の鮮度、熟度との関係は、食材100の種類ごとに異なる。そこで、そのため、推定部62は、例えば、食材100の種類ごとに蛍光の減少量と鮮度、熟度との対応関係を定めた判定テーブルを予め記憶している。そして、推定部62は、判定テーブルを参照することで、蛍光の減少量から食材100の鮮度、熟度を推定する。
食材状態取得部60は、冷蔵庫1の貯蔵室の外部に設けられていてもよい。例えば、食材状態取得部60の特に検出部61を冷蔵庫1の冷蔵室扉2の外側表面又は操作パネル3等に設ける。このようにすることで、冷蔵庫1に保存していない食材100についても、当該食材100の食材状態を容易に取得できる。
調理情報出力部64は、例えば、冷蔵庫1の制御装置7に備えられている。調理情報出力部64は、食材状態取得部60が取得した食材状態に基づいて、当該食材100に適した調理情報を出力する。調理情報出力部64が出力する調理情報は、レシピ情報を含んでいる。レシピ情報は、使用する食材100の種類及び量並びに調理手順からなる情報である。より詳しくは、レシピ情報には、目的とする料理を調理するための、食材100の切り方、下ごしらえ方法、味付け、加熱方法、加熱量(加熱時間・加熱温度)、調理手順(レシピの順番)等の情報が含まれている。
調理情報出力部64は、食材状態取得部60が取得した食材状態に基づいて、レシピ情報の全体、すなわち、目的とする料理自体を変更してもよいし、レシピ情報が含む使用する食材100の種類及び量並びに調理手順の一部のみを変更してもよい。食材100の鮮度、熟度といった食材状態情報に合わせ、目的とする料理自体を変更することに加えて、目的とする料理自体を変更することなく調理方法等を変更することで、食材100の状態に応じて適した調理が可能となる。
なお、以降の説明においては、レシピ情報の全体、すなわち、目的とする料理自体を変更することをレシピの提案といい、あるいは、これに類する表現を用いることがある。また、レシピ情報が含む使用する食材100の種類及び量並びに調理手順の一部のみを変更することをレシピの変更といい、あるいは、これに類する表現を用いることがある。
次に、調理情報出力部64による食材100の食材状態に適した調理情報を出力方法について、鮮度と熟度のそれぞれの観点から説明する。なお、ここで説明する方法はあくまで一例であり、本開示に係る食材状態に適した調理情報を出力方法は、以下に限られない。
まず、食材100の鮮度に応じた調理情報の最適化についての例を説明する。鮮度がよい食材100であれば、食材100自体の味を感じることができるため、調理情報出力部64は、食材100の味を感じられるレシピを提案する。また、調理情報出力部64は、レシピの味付けを薄味に変更して食材100自体の味を引き立たせる、食材100の食感を楽しむために大きいサイズに切る、短時間でさっと加熱する等のレシピ変更を行う。一方、鮮度が悪い食材100であれば、食材100の味が悪くなっていたり、嫌な臭いが発生したりしている可能性がある。このため、調理情報出力部64は、味付けを濃味にする、加熱時間を長くする、食材100の投入順序を入れ替えて早い段階から加熱を始める、加熱温度を高くして匂いを飛ばす、細かく食材100を分割して味を染み込ませる等のレシピ変更を行う。
次に、食材100の熟度に応じた調理情報の最適化についての例を説明する。ちょうどよい熟度の場合、食材100の味を最もよく味わえる状態であるため、調理情報出力部64は、食材100の味を活かした生に近い状態のレシピを提案する。あるいは、調理情報出力部64は、レシピの味付けを薄味に変更する等のレシピ変更を行う。未熟の状態では、食材100が硬く、青臭く感じることがあるため、調理情報出力部64は、加熱時間を長くしたり加熱温度を上げたりすることで食材100を軟化させる、電子レンジ等で予加熱してからフライパン等で本加熱を行う、調味料等を活用して青臭さを取り除く等のレシピ変更を行う。未熟状態又は鮮度の高い食材100の場合、食材100内部は水分を多く含んでいるため、調理情報出力部64は、高火力で加熱し、水分を飛ばすことで、仕上がりを一定に保つ等のレシピ変更を行う。
過熟状態で少し傷みが発生しているような場合は、調理情報出力部64は、加熱時間を長くする、加熱温度を高くする、濃い味付けにする等のレシピ変更を行う。また、過熟状態の場合、食材100は軟らかく、崩れやすくなっているため、調理情報出力部64は、フライパンで加熱せず、電子レンジによる加熱等へと加熱方法を変えるレシピ変更を行う。食材100が軟化しすぎている場合は、調理情報出力部64は、50~60℃での加熱により硬化反応を促進させ、食感を良くするレシピ変更を行う。過熟状態で少し傷みが発生した食材100の場合は調理後も腐りやすい状態のため、調理情報出力部64は、調理機の保温温度を高い温度に変更し、保存時の衛生性を高めるようレシピ変更を行う。食材100の種類及び熟度によっては、えぐみ、アクが出るため、調理情報出力部64は、加熱温度、加熱時間を変えるようレシピ変更を行ってもよい。
また、具体的な食材100について熟度に応じたレシピの提案として、例えば以下のようなものが挙げられる。
・食材100がアボカドの場合:比較的に熟しており軟らかければディップのレシピを提案し、比較的に未熟で硬ければグラタンのレシピを提案する。
・食材100がトマトの場合:比較的に熟しており軟らかければトマトソースのレシピを提案し、比較的に未熟で硬ければサラダのレシピを提案する。
記憶部63は、食材状態取得部60により取得された食材状態に関する情報、及び、調理情報出力部64から出力された調理情報を記憶する。記憶部63は、例えば、冷蔵庫1の制御装置7に設けられる。記憶部63は、他に例えば、冷蔵庫1外部のサーバ等に設けられてもよい。この場合、記憶部63が設けられたサーバと、食材状態取得部60及び調理情報出力部64とは通信可能に設けられる。なお、記憶部63は、食材状態取得部60が参照する各種の判定テーブル、調理情報出力部64が使用するレシピ情報等を記憶していてもよい。
記憶部63に記憶された食材状態に関する情報及び調理情報は、例えば、操作パネル3の表示部3bに表示可能にするとよい。このようにすることで、使用者は、冷蔵庫1の外から保存されている食材100の状態、当該食材100に適した調理情報を容易に確認できる。
以上のように構成された食材保存システムによれば、食材100の鮮度、熟度を含む食材情報を取得して活用することで、食材の鮮度、熟度に合わせたレシピ提案と、レシピ内容の変更を実施することができる。このため、使用者は、食材100の鮮度、熟度を意識しなくとも、調理の失敗をなくすことができる。したがって、食材100の鮮度、熟度に応じて当該食材100に適した調理を支援できる。
通信部65は、記憶部63に記憶された食材状態に関する情報及び調理情報の一方又は両方を、外部機器66に送信する。通信部65は、例えば、冷蔵庫1の制御装置7に備えられている。外部機器66は、冷蔵庫1の外部に設けられた機器である。外部機器66には、例えば、端末装置66a、調理機器66bが含まれる。したがって、通信部65は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方を端末装置66aに送信する。また、通信部65は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方を調理機器66bに送信する。
端末装置66aは、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ等の携帯端末、タブレット端末、PC、スマートテレビ、スマートスピーカ等である。通信部65から送信された食材状態に関する情報、調理情報を受信した端末装置66aは、端末装置66aのディスプレイ等に、受信した食材状態に関する情報、調理情報を表示する。
通信部65から外部機器66への情報送信は、冷蔵庫1から外部機器66に直接に行ってもよいし、サーバ、インターネット等を介して行ってもよい。通信部65と端末装置66aとの間の通信をインターネット等を介して行うことで、使用者は外出先でも食材100の状態情報を確認することができ、利便性が向上する。このようにすることで、スマートフォン等の携帯端末から食材100の状態情報をいつでもどこでも確認できるため、食材100の使い忘れを防止でき、食材100を無駄にせずに使い切ることができる。また、鮮度、熟度の情報をもとにして食材100の使用順序を決めることができるため、献立を決定しやすくなり、食材100の使い勝手も向上する。さらに、在庫管理としても活用することができる。この際、記憶部63に記憶されている情報を活用し、食材100の状態情報の履歴を確認できるようにしてもよい。履歴から状態情報の変化を可視化すれば、使用者は今後の食材状態の変化を推測できるようになるため、翌日以降についても食材の使用順序を予定することができ、さらに利便性が向上する。
また、端末装置66aがスマートスピーカであれば、受信した食材状態に関する情報、調理情報を音声により報知する。使用者は、食材100の状態に適した調理情報を活用して調理することで、食材100の状態を意識せずに、最適な調理を実施することができる。端末装置66aは、食材状態に関する情報として、例えば、熟しすぎて食材100が軟化している場合は、包丁でのカットの仕方、食材100が崩れやすい等を音声で報知してもよい。これにより、調理中で手が汚れていたり、濡れていたりと、手が離せない時でも、音声で情報を得ることができるため、利便性がさらに向上する。また、冷蔵庫1、調理機器66bがスマートスピーカの機能を備えてもよい。
調理機器66bは、例えば、IHクッキングヒータ、炊飯器、電子レンジ、自動調理器等である。通信部65から送信された食材状態に関する情報、調理情報を受信した調理機器66bは、受信した食材状態に関する情報、調理情報の一方又は両方に基づいて、食材100の調理動作を行う。特に、調理機器66bは、調理情報出力部64から出力された調理情報に含まれるレシピ情報に従って調理動作を行うことで、食材100の鮮度、熟度の状態に応じて適したレシピで当該食材100を調理できる。したがって、食材100のおいしさを向上するとともに、調理機器66bの操作が容易になり使い勝手を向上することができる。
具体的には、調理機器66bは、食材100の鮮度、熟度に応じて、調理機器66bの加熱制御(加熱温度・時間といったシーケンス、電子レンジ等であればW数)、調理機器66b内の圧力制御、保温制御等を、自動で変更する。このように、食材100の状態に応じて調理機器66bの各制御を自動で変更することにより、使用者は意識することなく、食材100の状態に適した調理を実行できる。使用者に調理経験がなくとも食材に応じた調理が可能となり、さらに使い勝手が向上する。
実際の調理では1つのレシピにおいて複数の食材100が組み合わされて使用されるのが一般的である。この際、使用する食材100の鮮度、熟度が、それぞれ異なる場合がある。例えば、鮮度が異なる食材100を2種類以上使用する場合、鮮度がよい食材100にとっては短い加熱の方がよく、鮮度が悪い食材100にとってはしっかり加熱した方がよいといった状況が生じ得る。また、熟度の異なる食材100を2種類以上使用する場合、未熟な食材は硬いため、長い加熱の方がよいが、過熟な食材は軟らかいため、短い加熱の方がよいといった状況が生じ得る。食材100ごとに最適な加熱時間が異なると、レシピ通りの手順では、それぞれの食材100に適した加熱調理を実現できない可能性がある。
そこで、レシピ通りの調理と、熟度、鮮度に合わせた最適な加熱調理との両立を図るために、調理情報出力部64は、レシピの調理手順を鮮度、熟度によって変化させてもよい。上記の例では、調理情報出力部64は、鮮度の悪い食材から先に加熱を始め、鮮度のよい食材100を後から加熱するようにレシピの調理手順を変更する。また、調理情報出力部64は、未熟な食材100から先に加熱を始め、過熟な食材100は後から加熱するようにレシピの調理手順を変更する。このように、通常のレシピの調理手順を、熟度・鮮度の情報に合わせて変化させることで、最適な加熱調理を実現できる。これにより、調理の段取りを整理でき、使い勝手が向上する。また、加熱時間が長い食材100から加熱を始めることができるため、短時間ですべての食材100を最適に加熱することができる。
また、鮮度、熟度の食材状態を取得済の食材100を複数使う場合、調理情報出力部64は、取得した食材状態に応じた加熱条件(加熱時間、加熱温度)が近い食材100同士を組み合わせたレシピを提案してもよい。レシピによっては、異なる鮮度、熟度の食材100を使用した内容にレシピを変更できない場合、鮮度、熟度の差が大きすぎて加熱しすぎてしまう場合等が考えられる。最適な加熱条件が近い食材100を組み合わせることで、このような課題を解決できるとともに、提案できるレシピ自体の種類も多くなり、使用者の利便性が向上する。
さらに、調理情報出力部64は、複数の食材100の鮮度、熟度の食材状態に関する情報から、一定期間例えば1週間のレシピを提案してもよい。使用者は、保存している食材100の管理ができるとともに、食材状態に合わせた食材100の選択とレシピの選択ができるため、日々の献立を考えなくとも冷蔵庫1に食材100を保存するだけでよい。また、食材状態に合わせたレシピ提案が可能性となるため、食材100を腐らせて無駄にすることがなくなる。
複数個の食材100の食材状態を取得する場合、食材状態取得部60の検出部61はカメラを備えるとよい。カメラにより撮影された画像を解析することで、複数個の食材100それぞれの種類を特定するとともに、複数個の食材100それぞれの鮮度、熟度等の食材状態を取得できる。さらに、カメラで撮影した画像に食材状態に関する情報を重ねて表示させることで、使用者に視覚的に情報を伝えることができ、より利便性が向上する。
また、カメラで撮影した画像の経時変化に基づいて、どの食材100を使用したかについても推測できる。例えば、熟したアボカドと、熟していないアボカドの2つが保存されていて、調理情報出力部64が出力した調理情報では熟したアボカドを使用するレシピである場合に、使用者が誤って熟していないアボカドを取り出してしまうことも考えられる。このようなときに、カメラで撮影した画像の経時変化に基づいて、熟していないアボカドが冷蔵庫1から取り出されたことが検知できれば、使用者に誤った食材100を選択していることを報知する事が可能である。また、調理情報出力部64は、実際に取り出された食材100、すなわち、熟していないアボカドに適した料理情報を出力し直すようにしてもよい。また、調理情報出力部64によるレシピ変更前と後とで使用する食材100の種類が異なる場合も同様である。さらに、調理情報出力部64が出力した調理情報では使用することになっている食材100が冷蔵庫1から取り出されない場合、当該食材100を使用する調理情報を削除してもよい。このようにして、複数の食材100についても、鮮度、熟度を含む食材状態を取得することで、利便性を向上するとともに、よりおいしい料理をつくることができる。
食材保存システムが備える食材保存庫が冷蔵庫1である場合、制御装置7は、冷蔵庫1の冷却手段を、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて制御してもよい。すなわち、冷蔵庫1の冷却手段は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて動作するようにしてもよい。
制御装置7による制御により、例えば、冷却手段は、食材100の鮮度が悪くなるに従い、当該食材100が保存されている貯蔵室の温度を低下させて、鮮度を維持させる。また、適した熟度で食材100を使用する場合、冷却手段は、貯蔵室内の温度を低下させて、食材100の熟度変化速度を遅くさせる。例えば、冷却手段は、使用日の前日に貯蔵室内の温度を戻し、成熟を進行させて、丁度良い熟度で使用できるようにする。このように、冷蔵庫1の冷却手段を制御することで、食材100の使い勝手がさらに向上する。
また、制御装置7は、冷蔵庫1の冷却手段を、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて制御することで、食材100の下ごしらえを実施させてもよい。図6に示すように、制御装置7は、冷蔵庫1の冷却手段を制御して、食材100への調味液の浸透を促進させる下ごしらえを実施する処理工程を実行させる。処理工程は、第1工程と第2工程とを有する。図6中の下ごしらえ工程は、1回以上に設定された実行回数分の処理工程に相当する。冷却工程、昇温工程は、それぞれ第1工程、第2工程に相当する。第1工程は、貯蔵室内の食材100の一部を凍結させる工程である。第2工程は、第1工程の終了の後に開始される。第2工程は、食材100の第1工程で凍結された部分を融解させる工程である。
図6に示すように、時間TSにおいて対象の食材100が冷蔵庫1の貯蔵室内に投入されると、制御装置7は下ごしらえ工程を開始する。下ごしらえ工程を開始すると、制御装置7はまず冷却工程を開始する。冷却工程においては、制御装置7は、食材100が保存されている貯蔵室の設定温度を第1温度θLに設定する。第1温度θLは食材100を凍結可能な温度で、例えば-20℃である。冷却工程を開始すると、制御装置7は当該貯蔵室に通じるダンパを開き、当該貯蔵室内に冷気が流入して当該貯蔵室内の温度(以下、庫内温度ともいう)が急速に低下する。制御装置7は、庫内温度が基準温度以下になった時点T0で、冷却工程の経過時間計測を開始する。基準温度は例えば、第2温度θHである。
制御装置7は、庫内温度が第1温度θLに到達した後は、ダンパを制御することで庫内温度が第1温度θLで維持されるようにする。冷却工程を開始してから一定時間ΔTLが経過すると、制御装置7は冷却工程を終了し、次の昇温工程に移行する。ΔTLは、例えば60分である。
昇温工程においては、制御装置7は、当該貯蔵室の設定温度を第2温度θHに設定する。第2温度θHは、第1温度θL及び食材100の凍結点θfよりも高い温度であり、例えば4℃である。昇温工程を開始すると、制御装置7は当該貯蔵室に通じるダンパを閉じるとともにヒータをONにする。これにより庫内温度が急速に上昇する。制御装置7は、庫内温度が第2温度θHに到達した後は、ダンパ及びヒータを制御することで庫内温度が第2温度θHで維持されるようにする。昇温工程を開始してから一定時間ΔTHが経過すると、制御装置7は昇温工程を終了し、1回分の下ごしらえ工程が終了する。ΔTHは、例えば60分である。
処理工程の実行回数が2回以上の場合、制御装置7は以上の第1工程と第2工程の制御を繰り返す。設定された実行回数分の処理工程が終了した場合、下ごしらえ工程は終了となり、制御装置7は保存制御を開始する。保存制御では、制御装置7は庫内温度をθRに設定し、庫内温度がθRで維持されるように、ダンパを制御する。θRは、第2温度θHより低く、第1温度θL及び食材100の凍結点θfよりも高い温度である。θRは、例えば-0.5℃である。
図7に示すのは、調理及び料理例と、一般的に人がおいしいと感じる調味液の浸透状態の一例を示したものである。パターンAは、食材100の中心部まで調味液が浸透した状態で、おでん、シチュー、煮物といった煮込み料理に最適な状態である。パターンBは、食材100の外側(表面から少し内部まで)に調味液が浸透し、中心までは浸透していない状態である。内部は食品自体の味が残る状態で、焼き魚、からあげ、肉魚の下ごしらえといった、焼きもの、揚げ物料理に最適な状態である。パターンCは、内部に味が浸透しない状態で、てんぷら、刺身といった、調理の直前、食べる直前に味をまとわせる調理に最適な状態である。
このように、最適な調味液の浸透状態は、食材100ではなく調理メニューによっても異なる。そこで、食材100の状態及び調理情報に基づいて処理工程を実施することで、調理メニュー、料理に適した調味液の浸透状態を実現する。食材100への調味液の浸透状態は、処理工程の回数で変化する。この実施の形態においては、制御装置7は、食材状態に関する情報及び調理情報の一方又は両方に基づいて、処理工程の実行回数を変更する。すなわち、冷蔵庫1の冷却手段は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報及び調理情報出力部64が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて処理工程の実行回数を変更する。
例えば、図7のパターンAでは処理工程の実行回数を3回にする。図6に示すのは、処理工程の実行回数が3回である場合の例である。また、図7のパターンBでは処理工程の実行回数を1回にする。そして、図7のパターンCでは処理工程の実行回数を0回にする。処理工程の実行回数を多くするほど調味液は食材100のより内部まで浸透するため、目的とする調味液の浸透状態に応じて、処理工程の回数を変更してよい。また、パターンA-Cの3つのパターンに限られず、より多いパターン数、あるいは、より少ないパターン数を設定してもよい。
また、例えば、過熟状態の食材100、鮮度が悪い食材100であれば、食材100に傷みが発生して軟化している状態であるため、処理工程の実行回数が少なくても食材100の内部まで調味液を浸透させることができる。そこで、冷蔵庫1の冷却手段は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報に基づいて処理工程の実行回数を変更する。このようにすることで、味が濃すぎたり薄すぎたりすることを抑制し、どのような状態の食材100であってもレシピに合わせて適した下ごしらえを実行することが可能となる。
なお、熟度、鮮度によっては、目標とする調味液の浸透状態にできない場合もある。例えば、前述のパターンBのように表面だけに調味液を浸透させたいが熟成が進んでいるために内部まで浸透してしまう場合、前述のパターンAのように内部まで調味液を浸透させたいのに未熟であるために表面しか浸透しない場合等である。加えて、取得した熟度、鮮度の精度が悪かったり、1つの食材100で部分的に成熟、劣化が生じていたりする場合も考えられる。このような状態では、食材100に均一に調味液を浸透させるのは難しい。特に、食材100が未熟と完熟の中間の状態、完熟と過熟の中間の状態である場合には、1つの食材100における熟度のバラつきが大きくなりやすい。このような場合、処理工程の回数だけでなく、調理情報出力部64が出力する調理情報における下ごしらえ手順で使用する調味液の濃度を変更してもよい。このようにすることで、食材100ごとのバラつきを考慮して、下ごしらえを適切に実施できる。
以上のような下ごしらえ工程を実施する際は、使用者は、事前に食材100を調味液につける等の準備作業が必要である。そのため、調理情報出力部64から出力された調理情報において下ごしらえが必要である場合には、冷蔵庫1又は端末装置66a等により、使用者に下ごしらえに関する情報を報知するとよい。この際に報知する情報は、例えば、下ごしらえする食材100、調味液のレシピ、保存場所、下ごしらえに必要な時間等である。
この実施の形態に係る食材保存システムは、図8に示すような推論装置80をさらに備えてもよい。この実施の形態に係る推論装置80は、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論するものである。本開示において、食材100の喫食に適した時期とは、例えば、図5に示す「食べごろ」の時期である。食べごろとは、一般的に人がおいしく食材100を喫食できる状態に食材100がある時期のことである。特に鮮度が食べごろに影響する食材100では、図5(a)に示すように購入時の鮮度がよい時期が食べごろである。また、特に熟度が食べごろに影響する食材100では、図5(b)に示すように購入後にある程度時間が経過して成熟が進んだ時期が食べごろである。しかしながら、食材100の喫食に適した時期には、個人の嗜好が大きく影響する。この実施の形態に係る推論装置80によれば、個人の嗜好を反映して、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論できる。
推論装置80により推論された個人ごとの食材100の喫食に適した時期の情報は、例えば、調理情報出力部64に入力される。そして、調理情報出力部64は、個人ごとの食材100の喫食に適した時期の情報に基づいて、当該食材100に適した調理情報を出力する。また、推論装置80により推論された個人ごとの食材100の喫食に適した時期の情報は、他に例えば、通信部65から端末装置66a及び調理機器66bを含む外部機器66に送信される。そして、端末装置66aにおいて個人ごとの食材100の喫食に適した時期の情報を表示等したり、調理機器66bにおいて個人ごとの食材100の喫食に適した時期に応じた調理動作を行ったりする。
推論装置80は、推論用データ取得部81及び推論部82を備えている。推論装置80の処理回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。推論装置80は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、推論装置80の動作を制御する。すなわち、推論装置80においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、推論装置80のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、推論装置80が備える推論用データ取得部81及び推論部82の機能が実現される。
学習済モデル記憶部90には、学習済モデルが記憶されている。学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報を含む入力データから、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論するためのものである。学習済モデル記憶部90に記憶される学習済モデルは、例えば、後述する学習装置70により生成される。学習済モデル記憶部90は、例えば、推論装置80と通信可能に設けられたサーバ装置等に備えられる。また、学習済モデル記憶部90を推論装置80に設けてもよい。さらに、学習済モデル記憶部90は、前述した記憶部63であってもよい。
推論装置80の推論用データ取得部81は、推論装置80への入力データを取得する。入力データには、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報が含まれている。
推論装置80の推論部82は、学習済モデル記憶部90に記憶されている学習済モデルを用いて、推論用データ取得部81が取得した入力データから、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論する。推論部82は、推論用データ取得部81が取得した入力データを、学習済モデルに入力することで、入力データから推論される喫食に適した時期を出力することができる。このようにして、推論部82は、入力データから喫食に適した時期を推論するための学習済モデルを用いて、推論用データ取得部81が取得した入力データから喫食に適した時期を出力する。
次に、以上のように構成された、食材状態取得部60、推論装置80及び調理情報出力部64を備えたシステムの動作例ついて、図9のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS11において、推論装置80の推論用データ取得部81は、食材100の鮮度、熟度を含む食材状態に関する情報である入力データを、食材状態取得部60から取得する。続くステップS12において、推論装置80の推論部82は、ステップS11で取得した入力データを学習済モデルに入力する。さらに続くステップS13において、推論部82は、ステップS12で学習済モデルに入力データを入力して得られた推論結果である、個人ごとの食材100の喫食に適した時期のデータを出力する。
ステップS13で推論部82から出力されたデータは、調理情報出力部64に入力される。ステップS13の後、調理情報出力部64はステップS14の処理を行う。ステップS14においては、調理情報出力部64は、ステップS13で入力された、個人ごとの食材100の喫食に適した時期のデータに基づいて、当該食材100及び当該個人に適した調理情報を出力する。ステップS14の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
この実施の形態に係る食材保存システムは、図10に示すような学習装置70をさらに備えてもよい。この実施の形態に係る学習装置70は、個人ごとの食材の喫食に適した時期を学習するものである。
次に、図10を参照しながら、この実施の形態に係る学習装置70の構成について説明する。同図に示すように、学習装置70は、学習用データ取得部71及びモデル生成部72を備えている。学習装置70の処理回路には、例えば、図示しないプロセッサ及びメモリが備えられている。学習装置70は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行することによって予め設定された処理を実行し、学習装置70の動作を制御する。すなわち、学習装置70においてメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが実行し、学習装置70のハードウェアとソフトウェアとが協働することによって、学習装置70が備える学習用データ取得部71及びモデル生成部72の機能が実現される。
学習用データ取得部71は、学習用データを取得する。学習用データには、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材100の喫食に適した時期とが含まれている。学習用データに含まれる個人ごとの食材100の喫食に適した時期は、当該個人から当該個人の嗜好との合致度に基づく評価が高いものが採用される。すなわち、推論装置80が推論した喫食に適した時期における食材100の状態(鮮度、熟度)が、当該個人の嗜好により合致していたときデータが学習用データとして使用される。学習用データは、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材の喫食に適した時期とを互いに関連付けたデータである。
モデル生成部72は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材100の喫食に適した時期との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データから、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を学習する。すなわち、モデル生成部72は、学習用データ取得部71が取得した学習用データを用いて、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報から個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論する学習済モデルを生成する。
モデル生成部72が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、ニューラルネットワークを適用した場合について説明する。モデル生成部72は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、よどみ度分布を学習する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果(ラベル)のデータの組を学習装置70に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、及び、複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層又は2層以上でもよい。
例えば、図11に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1とW2の値によって変わる。
本開示において、ニューラルネットワークは、学習用データ取得部71によって取得された食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材100の喫食に適した時期との組み合わせに基づいて作成された前述の学習用データに基づいて、いわゆる教師あり学習により、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を学習する。すなわち、ニューラルネットワークは、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報を入力層に入力して出力層から出力された結果が、個人ごとの食材100の喫食に適した時期に近くなるように重みW1とW2を調整することで学習する。
モデル生成部72は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、出力する。学習済モデル記憶部90は、モデル生成部72から出力された学習済モデルを記憶する。学習済モデル記憶部90は、前述したように、例えば、推論装置80と通信可能に設けられたサーバ装置等、又は、推論装置80に備えられてもよいし、前述した記憶部63であってもよい。また、学習済モデル記憶部90を学習装置70に設けてもよい。
次に、以上のように構成された学習装置70の動作例ついて、図12のフロー図を参照しながら説明する。まず、ステップS21において、学習用データ取得部71は、学習用データを取得する。なお、学習用データに含まれる食材状態取得部60が取得した食材状態に関するデータと、個人ごとの食材100の喫食に適した時期のデータを同時に取得するものとしたが、これらのデータを関連づけて入力できればよく、食材状態取得部60が取得した食材状態に関するデータと、個人ごとの食材100の喫食に適した時期のデータとをそれぞれ別のタイミングで取得してもよい。
ステップS21の後、学習装置70は次にステップS22の処理を行う。ステップS22においては、モデル生成部72は、ステップS21で取得された学習用データを用いて、いわゆる教師あり学習により、喫食に適した時期を学習し、学習済モデルを生成する。続くステップS23において、学習済モデル記憶部90は、ステップS22で生成された学習済モデルを記憶する。ステップS23の処理が完了すれば、一連の動作は終了となる。
なお、モデル生成部72は、外部から学習済モデルを取得して用いてもよい。また、モデル生成部72は、複数の冷蔵庫1に対して作成される学習用データに従って、喫食に適した時期を学習するようにしてもよい。なお、モデル生成部72は、同一のエリアで使用される複数の冷蔵庫1から学習用データを取得してもよいし、異なるエリアで独立して動作する複数の冷蔵庫1から収集される学習用データを利用して喫食に適した時期を学習してもよい。また、学習用データを収集する冷蔵庫1を途中で対象に追加したり、対象から除去したりすることも可能である。さらに、ある冷蔵庫1に関して喫食に適した時期を学習した学習装置70を、これとは別の冷蔵庫1に適用し、当該別の冷蔵庫1に関して喫食に適した時期を再学習して更新するようにしてもよい。
また、以上においては、モデル生成部72が用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、強化学習、教師なし学習、又は、半教師あり学習等を適用することも可能である。
モデル生成部72が用いる学習アルゴリズムに強化学習(Reinforcement Learning)を適用した場合について説明する。強化学習では、ある環境内におけるエージェント(行動主体)が、現在の状態(環境のパラメータ)を観測し、取るべき行動を決定する。エージェントの行動により環境が動的に変化し、エージェントには環境の変化に応じて報酬が与えられる。エージェントはこれを繰り返し、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られる行動方針を学習する。強化学習の代表的な手法として、Q学習(Q-learning)、TD学習(TD-learning)等が知られている。
強化学習によって学習済モデルを生成する場合、モデル生成部72は、報酬計算部及び関数更新部を備えている。報酬計算部は、食材状態取得部60が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材100の喫食に適した時期とに基づいて報酬を計算する。報酬計算部は、予め設定された報酬基準に基づいて、報酬を計算する。例えば、個人ごとの食材100の喫食に適した時期の評価値が増大した場合には報酬を増大させ(例えば「1」の報酬を与え)、他方、個人ごとの食材100の喫食に適した時期の評価値が減少した場合には報酬を低減する(例えば「-1」の報酬を与える)。
関数更新部は、報酬計算部によって計算された報酬に従って、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を決定するための行動価値関数を更新する。モデル生成部72は、以上のような行動価値関数の更新を繰り返し実行することで、学習済モデルを生成する。そして、学習済モデル記憶部90は、関数更新部によって更新された行動価値関数すなわち学習済モデルを記憶する。
さらに、モデル生成部72に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシン等を用いて機械学習を実行してもよい。
また、学習装置70及び推論装置80は、冷蔵庫1の制御、調理機器66bの制御等に用いられる食材100の喫食に適した時期を学習するために使用されるが、冷蔵庫1及び調理機器66b等とそれぞれ別個の装置であってもよいし、冷蔵庫1又は調理機器66bに内蔵されていてもよい。また、学習装置70及び推論装置80は、クラウドサーバ上に存在していてもよい。
以上のような学習装置70及び推論装置80を備えることで、個人の嗜好を反映して、個人ごとの食材100の喫食に適した時期を推論でき、この推論結果に基づいて、食材100の状態及び当該個人の嗜好に合わせた調理を支援できる。また、使用者の評価をフィードバックして学習結果に反映できるため、食材100の喫食に適した時期の推論精度の向上を図ることが可能である。
なお、食材状態取得部60が推定部62を有する場合、推定部62は、機械学習を用いて、検出部61が検出した物理量に基づく食材100の食材状態すなわち鮮度、熟度の推定を行ってもよい。例えば、食材100の購入タイミングからの経過時間に基づいて当該食材100の鮮度を推定する場合、推定部62は、食材100の種類と検出部61が検出した当該食材100の購入タイミングからの経過時間とを含む入力データから、当該食材100の鮮度を推論するための学習済モデルを予め記憶している。そして、推定部62は、前述した鮮度判定テーブルを参照することに代えて、学習済モデルに入力データを入力して得られた推論結果を用いることで、当該食材100の鮮度を推定する。
また、検出部61により検出された蛍光に基づいて食材100の食材状態を推定する場合、推定部62は、食材100の種類と検出部61が検出した蛍光の初期状態からの減少量とを含む入力データから、当該食材100の鮮度、熟度を推論するための学習済モデルを予め記憶している。そして、推定部62は、前述した判定テーブルを参照することに代えて、学習済モデルに入力データを入力して得られた推論結果を用いることで、当該食材100の鮮度、熟度を推定する。
推定部62が機械学習を用いて食材100の鮮度、熟度を推定する場合、例えば同一のエリアで使用される複数の冷蔵庫1に対して作成される学習用データを用いて学習した学習済モデルを使用してもよい。また、食材100の鮮度、熟度の推定結果についての使用者の評価をフィードバックして再学習を行うことで、学習済モデルを更新してもよい。このようにすることで、食材100の鮮度、熟度の推定精度の向上を図ることが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室扉
2a 冷蔵室右扉
2b 冷蔵室左扉
3 操作パネル
3a 操作部
3b 表示部
4 圧縮機
5 冷却器
6 送風ファン
7 制御装置
7a プロセッサ
7b メモリ
8 断熱箱体
9 風路
10 冷蔵室
11 チルド室
20 切替室
21 切替室収納ケース
30 製氷室
40 冷凍室
41 冷凍室収納ケース
50 野菜室
51 野菜室収納ケース
60 食材状態取得部
61 検出部
62 推定部
63 記憶部
64 調理情報出力部
65 通信部
66 外部機器
66a 端末装置
66b 調理機器
70 学習装置
71 学習用データ取得部
72 モデル生成部
80 推論装置
81 推論用データ取得部
82 推論部
90 学習済モデル記憶部
100 食材

Claims (13)

  1. 食材の貯蔵室が設けられた食材保存庫と、
    食材の鮮度及び熟度の一方又は両方を含む食材状態を取得する食材状態取得部と、
    前記食材状態取得部が取得した食材状態に基づいて、当該食材に適した調理情報を出力する調理情報出力部と、
    前記食材状態取得部により取得された食材状態に関する情報、及び、前記調理情報出力部から出力された調理情報を記憶する記憶部と、を備えた食材保存システム。
  2. 前記食材状態取得部は、
    食材に関する物理量を検出する検出部と、
    前記検出部が検出した物理量に基づいて前記食材の食材状態を推定する推定部と、を備えた請求項1に記載の食材保存システム。
  3. 前記食材状態取得部は、前記貯蔵室の外部に設けられた請求項1又は請求項2に記載の食材保存システム。
  4. 前記調理情報出力部が出力する調理情報は、使用する食材の種類及び量並びに調理手順からなるレシピ情報を含み、
    前記調理情報出力部は、前記食材状態取得部が取得した食材状態に基づいて、前記レシピ情報の全体を変更する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  5. 前記調理情報出力部が出力する調理情報は、使用する食材の種類及び量、並びに、調理手順からなるレシピ情報を含み、
    前記調理情報出力部は、前記食材状態取得部が取得した食材状態に基づいて、前記レシピ情報が含む使用する食材の種類及び量並びに調理手順の一部を変更する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  6. 前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報及び前記調理情報出力部が出力した調理情報の一方又は両方を端末装置に送信する通信部をさらに備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  7. 前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報及び前記調理情報出力部が出力した調理情報の一方又は両方を調理機器に送信する通信部をさらに備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  8. 前記調理機器は、前記通信部から送信された食材状態に関する情報及び調理情報の一方又は両方に基づいて食材の調理動作を行う請求項7に記載の食材保存システム。
  9. 前記貯蔵室内を冷却する冷却手段をさらに備え、
    前記冷却手段は、前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報及び前記調理情報出力部が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて動作する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  10. 前記冷却手段は、
    前記貯蔵室内の食材の一部を凍結させる第1工程と、前記第1工程の終了の後に開始され、前記食材の凍結された部分を融解させる第2工程とを有する処理工程を実行可能であり、
    前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報及び前記調理情報出力部が出力した調理情報の一方又は両方に基づいて前記処理工程の実行回数を変更する請求項9に記載の食材保存システム。
  11. 個人ごとの食材の喫食に適した時期を推論する推論装置をさらに備え、
    前記推論装置は、
    前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報を含む入力データを取得するデータ取得部と、
    前記データ取得部が取得した前記入力データから個人ごとの食材の喫食に適した時期を出力する推論部と、を備えた請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の食材保存システム。
  12. 前記推論部は、前記入力データから個人ごとの食材の喫食に適した時期を推論するための学習済モデルを用いて、前記データ取得部が取得した前記入力データから個人ごとの食材の喫食に適した時期を出力する請求項11に記載の食材保存システム。
  13. 個人ごとの食材の喫食に適した時期を学習する学習装置をさらに備え、
    前記学習装置は、
    前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報と、個人ごとの食材の喫食に適した時期とを含む学習用データを取得する学習用データ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記食材状態取得部が取得した食材状態に関する情報から個人ごとの食材の喫食に適した時期を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備えた請求項11又は請求項12に記載の食材保存システム。
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