JP2023130103A - 形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法 - Google Patents

形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法 Download PDF

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Yoshikatsu Kisanuki
裕治 村岸
Yuji Murakishi
昌敏 羽田
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雅大 藤本
Masahiro Fujimoto
健司 外園
Kenji Sotozono
高志 野村
Takashi Nomura
昌平 吉田
Shohei Yoshida
颯真 河邉
Soma Kawabe
武史 羽鳥
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Abstract

【課題】荷重等の作用により変形する対象物の形状変化を検出できる形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法を提供する。【解決手段】計測対象物50の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体64と、弾性体64の各々の交点に設けられ、弾性体64の電気的特性の変化を検出する計測端子Miと、計測端子Miに接続された信号線70を介して入力された弾性体64における各々の計測端子Mi間の電気的特性の変化を示す電気信号を測定する測定部12と、測定部12で測定された電気的特性に基づいて、外力の作用による計測端子Miの三次元座標を推定し、当該三次元座標に基づいて、計測対象物50の内外形状、及び計測端子Miが配設された位置に作用する力ベクトルを算出する演算部14と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、荷重等により変形する計測対象物の形状変化を検出するための形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法に関する。
柔軟なクッションを備えた椅子等は、荷重が作用すると当該荷重に応じて変形する。かかる荷重による変形を定量的に検出することが求められている。
特許文献1には、複数の次元の空間において計測された複数のデータを弾性体の形状データの構成要素と見なし、当該複数のデータをステッチ(接続)することにより形状データを得るデータステッチング装置の発明が開示されている。特許文献1に開示された発明では、形状データを計測対象物の表面を複数の計測パスに沿って計測することによって、ステッチングを行う際に、例えば、計測装置で計測された座標値データ又はカメラ等で撮影された画像データ等を参照している。
特許文献2には、光学式触覚センサを用いた力ベクトル再構成法の発明が開示されている。具体的には、マーカを埋め込んだ透明弾性体の反埋め込み側にCCDカメラを配設し、撮影した映像からマーカの移動情報を検出。検出した移動情報に基づいて算出した移動ベクトルから力ベクトル分布を算出している。
特許文献3には、物質のたわみ特性が材料の角度変化に影響していることに着目して、シートに使用される支持部材の支持力を解析する発明が開示されている。
特許6508723号公報 特許4206057号公報 特許5937482号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、光学的な手段で取得した計測対象物の表面形状データを入力して弾性体モデルの解析を行うことから、当該弾性体の表面に荷重を作用させる物体等が存在する場合は表面形状データを得ることが出来ないため、測定可能な条件に大きな制約が生じるおそれがある。
特許文献2に記載の技術は、マーカが埋設可能な計測対象物に適用が限定されることに加え、カメラがマーカを埋設した反対側に配設することを要するので、多様な計測対象物での計測が困難となるおそれがある。
特許文献3に記載の技術は、支持力解析方法であることから、計測対象物から解析片を切り出して測定を行うため、実条件での現象と乖離が生じるおそれがある。更に、計測対象物の内外形状と外力のベクトルを同時に得ることが出来ないため、好適な支持力の解析に難があるという問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みて成されたものであり、荷重等の作用により変形する対象物の形状変化を検出できる形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る形状変化検出センサは、計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体と、前記弾性体の各々の交点に設けられ、前記弾性体の電気的特性の変化を検出する計測端子と、前記計測端子に接続された信号線と、を含む。
上記目的を達成するために、請求項2に係る形状演算装置は、計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体と、前記弾性体の各々の交点に設けられ、前記弾性体の電気的特性の変化を検出する計測端子と、前記計測端子に接続された信号線を介して入力された前記弾性体における各々の計測端子間の電気的特性の変化を示す電気信号を測定する測定部と、前記測定部で測定された電気的特性に基づいて、前記外力の作用による前記計測端子の三次元座標を推定し、該三次元座標に基づいて、前記計測対象物の内外形状、及び前記計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを算出する演算部と、を含む。
請求項3に係る形状演算装置は、前記弾性体は、前記信号線の一部を介して電圧が印加され、前記電気的特性は、前記電圧が印加された際の、前記弾性体において隣接する計測端子の間の抵抗値であり、前記演算部は、三次元座標を推定する対象計測端子と、該対象計測端子に各々隣接する4つの計測端子との間の前記弾性体の抵抗値に基づいて各々算出した距離を半径とし、各々の中心を前記4つの計測端子とする4つの球から選んだ2つの球の交差の複数の組み合わせから各々得られた複数の交線の交点の三次元座標から前記対象計測端子の三次元座標を推定する。
請求項4に係る形状演算装置は、前記演算部は、前記対象計測端子の三次元座標と、前記計測対象物の内外形状を数値モデル化した形状演算モデルとを用いて前記計測対象物の内外形状、及び前記対象計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを演算する。
請求項5に係る形状演算装置は、前記演算部は、所定の時間間隔で記憶部に格納した前記電気信号が示す電気的特性から推定された前記計測端子の三次元座標の時系列での変化に矛盾が生じた場合は、前記矛盾が生じた三次元座標を、矛盾が生じていない三次元座標で内挿補間する。
請求項6に係る形状演算装置は、前記演算部は、前記計測対象物の内外形状の変形モードを予め規定した変形モード規定部を参照して前記計測対象物の内外形状を算出する。
上記目的を達成するために、請求項7に係る形状演算方法は、計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体の各々の交点に設けられた計測端子により前記弾性体の電気的特性の変化を示す電気信号を測定する工程と、前記測定された電気的特性に基づいて、前記外力の作用による前記計測端子の三次元座標を推定する工程と、該三次元座標に基づいて、前記計測対象物の内外形状、及び前記計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを算出する工程と、を含む。
本発明の形状変化検出センサ、形状演算装置、及び形状演算方法によれば、荷重等の作用により変形する対象物の形状変化を検出できる。
本発明の第1実施形態に係る形状演算装置の構成の一例を示したブロック図である。 演算装置の具体的な構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る形状演算装置の処理の一例を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る形状演算モデルの概略図である。 (A)は、計測対象物のA部位が矢印方向に変形した場合を、(B)は、形状演算モデルの対応部位A´が計測対象物に追従する形で変形した場合を各々示した説明図である。 形状演算モデルを模式的に展開した状態を示す。 (A)は、変形前の格子形状を、(B)は、変形後の格子形状を各々示した説明図である。 弾性体の長さと電気抵抗値との関係の一例を示した概略図である。 形状変化検出センサの計測端子の間の電気抵抗を計測する場合の一例を示した説明図である。 結合点についての補正例を示した説明図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)の各々は、3つの球の交線の交点として計測端子の三次元座標を得る説明図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)の各々は、2つの球の交線の交点として計測端子の三次元座標を得る説明図である。 保存されたデータにおけるデータ矛盾の発生状況の一例を示した概略図である。 本発明の第1実施形態における外力のベクトルの算出についての説明図である。 本発明の第2実施形態に係る形状演算装置の構成の一例を示したブロック図である。 計測対象物の内外形状の変形モードを予め規定した変形モード規定部を用いて計測対象物50の変形を算出する場合の説明図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る形状演算装置10の構成の一例を示したブロック図である。形状演算装置10は、図1に示すように、計測対象物50の表面又は該表面下に隣接配設された複数の計測端子Mi(i=1,2,3,…)及び複数の計測端子同士を結合する弾性体64を備えた形状変化検出センサ60と、形状変化検出センサ60の計測端子Miに信号接続され、計測端子Miの出力信号Sを測定する測定部12と、測定部12と信号接続され、出力信号Sに基づいて計測対象物50の内外形状を演算する演算部14と、演算部14の演算に必要なデータ及び演算部14による演算結果を記憶する記憶部18と、演算結果を表示・出力する表示・出力部16から構成されている。
形状変化検出センサ60は、所定間隔Δdで配設された計測端子Miと、2つ以上の計測端子Miを結合する弾性体64と、計測端子Miに接続された信号線70とを含み、センサ取付固定位置62で計測対象物50に固定されることにより、計測対象物50の表面又は該表面下に配設される。形状変化検出センサ60の弾性体64は、伸縮に伴って電気抵抗や静電容量などの電気的特性が変化する、例えば、導電性弾性体等で構成されている。弾性体64に用いられる導電性弾性体は、後述するように、荷重等が作用して変形すると電気抵抗が変化する特性を有する。弾性体64の電気抵抗の変化を計測するには、弾性体64に電圧を印加する必要があり、本実施形態では、信号線70の一部が弾性体64への電圧印加のために用いられる。
一方、測定部12には各弾性体64の電気抵抗の変化に係る出力信号Sが伝送される複数の信号線70が接続されており、測定部12は、信号線70の各々の出力信号Sを、所定時間間隔で出力信号Sを計測するためのタイマー等により所定時間間隔Δtで測定する。弾性体64の電気的特性により検出された電気抵抗の変化に係る出力信号Sはアナログ信号なので、測定部12は、当該アナログ信号が入力される信号入力部を備える。出力信号Sを、演算部14で処理するには、出力信号Sがデジタル信号であることを要するので、測定部12はアナログ信号である出力信号Sをデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換器をさらに備えている。測定部12でデジタル信号に変換された出力信号Sは、測定部12の信号出力部から演算部14に出力される。
図2は、演算部14の具体的な構成の一例を示すブロック図である。演算部14は、一種のコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)14B、ROM(Read Only Memory)14A、RAM(Random Access Memory)14C、及び入出力ポート14Dを備える。
演算部14では、CPU14B、ROM14A、RAM14C、及び入出力ポート14Dがアドレスバス、データバス、及び制御バス等の各種バスを介して互いに接続されている。入出力ポート14Dには、各種の入出力機器として、測定部12、ハードディスク(HDD)等である記憶部18、及び表示・出力部16等が各々接続されている。
記憶部18には、出力信号Sを基に形状演算を行うための形状演算プログラムがインストールされている。本実施形態では、CPU14Bが形状演算プログラムを実行することにより形状演算を実行する。形状演算プログラムは、後述する形状演算モデル200に基づいて出力信号Sに従って計測対象物50の形状変化を算出する。形状演算時には、形状演算プログラムが記憶部18からRAM14Cにロードされ、CPU14Bによって実行される。CPU14Bは、形状演算プログラムによる処理結果を表示・出力部16に表示させる。また、出力信号Sは時間間隔Δt毎に測定部12から入力された出力信号SはRAM14Cに記憶され、CPU14Bにおける形状演算に供される。そして、CPU14Bによる形状演算結果は、記憶部18に保存される。
本実施形態の形状演算プログラムを演算部14にインストールするには、幾つかの方法があるが、例えば、形状演算プログラムをセットアッププログラムと共にCD-ROMやDVD等に記憶しておき、入出力装置であるディスクドライブ等にディスクをセットし、CPU14Bに対してセットアッププログラムを実行することにより記憶部18に形状演算プログラムをインストールする。または、公衆電話回線又はネットワークを介して演算部14と接続される他の情報処理機器と通信することで、記憶部18に形状演算プログラムをインストールするようにしてもよい。
次に、演算部14のCPU14Bが形状演算プログラムを実行することで実現される各種機能について説明する。形状演算プログラムは、形状演算モデル200による演算を行う形状演算機能、各々の計測端子Miの間の距離を比較する比較機能、計測端子Miの間の距離を補正する補正機能、及び補正した計測端子Miの間の距離に基づいて推定した計測対象物50の内外形状を表示・出力部16に出力する出力機能として機能させる。CPU14Bは、形状演算プログラムを実行することにより、形状演算部40、比較部42、補正部44、及び出力部46として機能する。
図3は、本実施形態に係る形状演算装置10の処理の一例を示したフローチャートである。ステップS100では、測定部12から入力された出力信号SをメモリであるRAM14Cに保存する。
現在時刻の出力信号SをRAM14Cに保存した後、ステップS102では、形状演算モデル200を用いて内外形状を算出する。図4は、本実施形態に係る形状演算モデル200の概略図である。図4に示したように、形状演算モデル200は、図1に示した形状変化検出センサ60を、例えば、ばねモデル210によって等比形状モデル化したものである。形状演算モデル200は、計測対象物50上の計測端子Miの配設状況に対応した位置に各ばねモデル210の結合点Ni(i=1,2,3,…)があり、結合点Niは計測端子Miをモデル化したものに相当する。また、計測対象物50におけるセンサ取付固定位置62と同様の位置が演算空間における固定部位212として定義されている。
図5(A)は、計測対象物50のA部位が矢印方向に変形した場合を、図5(B)は、形状演算モデル200の対応部位A´が計測対象物50に追従する形で変形した場合を各々示した説明図である。
図5(A)に示したように、計測対象物50のA部位が矢印方向に変形すると、図5(B)に示したように、形状演算モデル200の対応部位A´が計測対象物50に追従する形で変形する。
図6に形状演算モデル200を模式的に展開した状態を示す。変形した部位A´近傍のばねモデル210が伸縮し、変形前に比べ歪んだ、例えば一辺がLnの格子形状となる。また、格子形状の歪みは部位A´近傍のみならず、広範囲に及ぶ。
図7(A)は、変形前の格子形状を、図7(B)は、変形後の格子形状を各々示した説明図である。図7(B)に示したように、変形後の格子の各辺L1~L4は、各々伸縮する。具体的には、辺L1の伸縮量ΔL1は、下記のようになる。
ΔL1=(初期状態の辺長L1)-( 変形後のL1´)
弾性体64の変形に係る出力信号Sは、各辺の伸縮量ΔLに対応した値となる。かかる弾性体64の伸縮は、計測対象物50の内外形状の変化によって生じるものであり、弾性体64の伸縮量ΔLを計測することによって、変形後の格子各辺の長さLが算出される。ばねモデル210において、対応する辺の値を入力して形状演算モデル200で拮抗状態を演算することによって、計測対象物50の内外形状が得られる。
図8は、弾性体64の長さと電気抵抗値との関係の一例を示した概略図である。図8に示したように、弾性体64の長さが伸びるほど電気抵抗値は増加し、その電気抵抗値は増加する。すなわち、形状演算モデル202における結合点Niに対応した形状変化検出センサ60の計測端子Miの間の電気抵抗値が分かれば、その際の弾性体64の長さが分かる。
図9は、形状変化検出センサ60の計測端子M1と計測端子M2との間の電気抵抗を計測する場合の一例を示した説明図である。図9に示したように、計測端子M1、M2、M3の各々は、弾性体64の電流及び電圧を検出可能なセンサM1a、M1b、M2a、M2b、M3a、M3bを各々備えている。センサM1a、M1b、M2a、M2b、M3a、M3bは、一例としてシャント抵抗等を用いた電流センサと、計測端子M1、M2、M3の各々における電圧を計測するためのプローブが設けられており、電流センサ及びプローブの各々には信号線70(図示せず)が接続されている。計測端子M2が備える電流センサによって計測端子M1と計測端子M2との間の電流I2aが検出されると共に、計測端子M2が備えるプローブによって計測端子M2の電圧が検出されれば、オームの法則に基づいて、計測端子M1と計測端子M2との間の電気抵抗値が算出できる。計測端子M1と計測端子M2との間の電気抵抗値の算出は、測定部12で行ってもよいし、演算部14で行ってもよい。
しかしながら、出力信号Sに電気的なノイズ等が重畳した場合は、弾性体64の伸縮量ΔLに誤差が重畳したこととなり、誤差の大きさや重畳した弾性体64の部位によってはデータ矛盾が生じ、形状演算モデル200による演算で拮抗状態が得られない、又は内外形状が実際と異なったものになる場合がある。かかるデータ矛盾の回避処理を行うため、演算部14では出力信号Snを時系列でRAM14Cに保存する。
図3のステップS104では、各々の計測端子Miの間の距離を、前回演算した距離と比較する。具体的には、形状演算モデル200を用いて算出した内外形状の座標と、Δt時刻前で求めた内外形状の座標との差Δpの絶対値を求める。本実施形態において内外形状の座標の差Δpの絶対値とは、2つの計測端子Miの各々座標から算出される距離の差の絶対値である。
前回演算した距離は、RAM14C又は記憶部18に記憶されるが、図3に示した処理が最初の場合は、前回演算した距離を0に擬制してもよい。
ステップS106では、ステップS104で算出した内外形状の座標の差Δpの絶対値を、予め設定した規定値と比較する。ステップS106において、内外形状の座標の差Δpの絶対値が規定値より大きければ手順をステップS108に移行し、内外形状の座標の差Δpの絶対値が規定値より小さければ、手順をステップS114に移行する。ステップS106での判定に用いる規定値は、計測対象物50の内外形状の変化を算出する際に許容できる誤差等に基づいて決定する。
内外形状の座標の差Δpの絶対値が規定値より大きければ、 ステップS108においてΔpの演算に関連する出力信号Sを隣接弾性体のSで補正する。補正方法としては、例えば、画像処理などで用いられている平滑化フィルターなどを用いることもできるが、後述するように、本実施形態では、形状演算モデル200における結合点Nnを原点とし、半径がSnである複数の球を用いて補正する。
図10は、結合点N0についての補正例を示した説明図である。図10では、4つの出力信号Sa、Sb 、Sc 、及びSdに基づいて結合点N0の三次元座標を算出する。
結合点N0の三次元座標は、対応する位置のばねモデル210に各出力信号Snを入力して、拮抗状態となった際に得られる。従って、各出力信号Snに誤差が重畳した場合は、本来とは異なった位置で拮抗状態となり、拮抗時の結合点N0の座標が誤差の影響を受ける。
一例としてSdに誤差が重畳した場合を考える。 Sdに+(伸び)誤差が生じてSd´となった場合、結合点N0の拮抗状態における座標は、誤差が無い場合の拮抗状態座標に対してx、y軸座標はN1~N2方向に、z軸座標は+方向に遷移する。
このようなSd´によって生じる結合点N0の座標誤差を、関連するSa、Sb 及びScを用いて補正する例を以下に示す。
図10において、結合点N0と接続する結合点N2、N4、N5及びN7の座標が既知であるとすると、三角測量法に係る概念を用いることによって結合点N0の座標が得られる。例えば、N0の座標は、図11(A)、(E)に示したように、N2を原点とする半径Sbの球とN4を原点とする半径Saの球とN7を原点とする半径Sdの球の3つの球の交点として得られる。図11(B)、(C)、(D)に示したように3つの球の組み合わせは複数あり、Sdに誤差が重畳した場合、Sdを半径とする球が含まれる組み合わせで結合点N0の座標を得ることは出来ない。
3つの球に関する方程式を連立して解く方法に対して、2つの球の組み合わせごとに交線を求め、各交線の交点から結合点N0を求める方法がある。具体的には、三次元座標を推定する対象である結合点N0と、対象である結合点N0に各々隣接する4つの結合点との間の弾性体64の抵抗値に基づいて各々算出した距離を半径とし、各々の中心を前述の4つの結合点とする4つの球を想定する。そして、想定した4つの球から選んだ2つの球の交差の複数の組み合わせから各々得られた複数の交線の交点の三次元座標から結合点N0の三次元座標を推定する。
図12は、2つの球の組み合わせを例示した説明図である。図12(G)に示したように、2つの球が交差すると、交線90が生じる。図12において、図12(E)、及び図12(F)の場合を除けば、出力信号Sに一定の大きさの誤差が重畳した場合でも図12(A)、(B)、(C)、(D)に示したように、交線82、84、86、88が得られる。よって得られた複数の交線の交点を結合点N0 とすることによって、データ矛盾が生じた場合でも尤もらしい座標を得ることができる。このような一連の処理は、データ矛盾に対する空間的な補正処理である。
ステップS110では、ステップS108での空間的な補正処理に対して、時間的な補正処理も行う。演算部14では出力信号Snを時系列で保存しており、保存する際の時間間隔はΔtである。
図13は、保存されたデータにおけるデータ矛盾の発生状況の一例を示した概略図である。図13に示したCase1では、データ矛盾が発生しておらず、各時刻で得られた結合点Nnの座標を用いて、計測対象物50の内外形状の変化を得ることができる。
しかしながら、Case2では時刻tn+1においてデータ矛盾が発生している。本実施形態におけるデータ矛盾とは、一例として、ある時刻tnで得られた出力信号Snに基づいて推定された計測端子Miの三次元座標と、後続する時刻tn+1で得られた出力信号Sn+1に基づいて推定された計測端子Miの三次元座標との乖離が所定値以上の場合である。当該所定値は、計測対象物50の内外形状の変化を算出する際に許容できる誤差等に基づいて決定する。本実施形態では、時刻tn+1においては、ステップS108における空間的な補間処理を行って、尤もらしい座標を得ている。さらに本実施形態では、時刻tnと時刻tn+2とでは、データ矛盾が発生していないことから、これらの時刻で得られた座標を用いて、時刻tn+1における座標を内挿補間する。さらに内挿補間して得られた座標と、ステップS108での空間的な補間処理を行って求めた座標とを用いて補正を行う。補正方法としては、両者の中間座標を補正座標とする方法、又はいずれかの補正値に重みを設けて補正を行う方法等がある。
なお、Case3のようにデータ矛盾が連続して発生した場合においても、Case2の場合と同様に内挿補間を行う。
ステップS112では、補正したデータに基づき、演算部14において形状演算モデル200を用いて計測対象物50の内外形状を演算する。
図14は、本実施形態における外力のベクトルの算出についての説明図である。本実施形態で算出される外力のベクトルは、図14に示したように時刻tnにおける結合点Aの座標と時刻tn+1における座標の差分から得られる。従って、結合点AからA´への時間変位は、結合点Aに作用した外力によるものであり、各軸方向の移動量Δx(=Fx)、Δy(z=Fy)、Δz(=Fz)は各軸方向に作用した外力に対応する。従って、計測対象物50の内外変形と作用した外力のベクトルFを同時に得ることができる。
ステップS114では、ステップS112で計測対象物50の内外形状を算出した後、案出結果を表示・出力部に演算結果を出力して処理を終了する。
以上説明したように、本願実施形態によれば、計測端子Miと弾性体64とで構成された形状変化検出センサ60によって、従来困難であった計測対象物50に物体が接触して当該物体の荷重等に係る外力が作用している状態における計測対象物50の内外形状を電気的信号として得ることができる。
外力が作用した際に計測対象物50である弾性体の内外形状が外力の大きさや向きに応じて変化する。計測端子Miを計測対象物の所定位置に配設し、該計測端子Miを弾性体64で結合することによって、計測端子Mi間の相対位置を電気的特性として得ることができ、計測対象物50の内外形状の変化に応じた電気的特性を得ることができる。
また、計測端子Miの配設位置の三次元座標を結ぶことによって計測対象物50の内外形状が得られるので、当該電気的特性を所定時間ごとに繰り返し計測することによって、計測対象物50の内外形状の時間変化を得ることができる。また、計測端子Miの三次元座標の変化は、計測対象物50に作用する外力によって生じることから、繰り返し計測された際の当該三次元座標の変化方向及び変化量は作用した外力のベクトルに対応し、計測対象物50に作用した外力のベクトル分布の時間変化を得ることができる。
以上のように、計測端子Miを計測対象物50に配設し、計測端子間の電気的特性を基に、従来技術では複数の計測手段を用いなければ得られなかった、計測対象物50の内外形状と作用した外力のベクトルを同時に得ることが出来るといった優れた効果が得られる。
一般に計測対象物50に外力が作用する場合は、外力を作用させる物体とは接触状態にある。このため、光学的な手段による計測装置では、接触面の形状変化を得ることが困難になる。
しかしながら、本実施形態に係る形状演算装置10では、計測対象物50に配設した計測端子Miを結合する弾性体64から得られる電気的特性を基に演算処理を行うことから、物体との接触状態にあっても、カメラ映像などの死角のように計測条件によって測定が困難となることがなく、多様な計測条件で計測対象物50の内外形状を得ることが可能となる。
また、弾性体64の電気特性の時間履歴を用いて弾性体数値モデル(形状演算モデル)による計測対象物の内外形状演算を行って空間と時間とに対するデータの連続性を担保することにより、電気的特性に誤差が重畳した場合でも、内外形状の演算誤差を低減する。
本実施形態では、計測された電気的信号に誤差が重畳した場合においても、空間的な補間処理と時間的な補間処理とを併せて行うことによって誤差の影響を低減し、計測誤差に対するロバスト性が高くなり、高精度な内外形状を得ることが可能となる。
なお、空間的な補間処理と時間的な補間処理とは、いずれか一方を行うようにしてもよい。空間的な補間処理のみであっても、時間的な補間処理のみであっても、出力信号Sに重畳された誤差を補正することができる。
[第2実施形態]
続いて本発明の第2実施形態について説明する。図15は本実施形態に係る形状演算装置100の構成の一例を示したブロック図である。本実施形態に係る形状演算装置100は、第1実施形態に係る形状演算装置10とは、変形モード規定部116をさらに備え、演算部114が変形モード規定部116を用いた形状演算を行う点で相違するが、その他の構成は第1実施形態と同一なので、第1実施形態と同一の形態については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態では、計測端子Miで計測した出力信号Sを用いて形状演算モデル200で計測対象物50の内外形状を演算する際に、変形モードの規定を行う変形モード規定部116を含めて構成される。変形モード規定部116は、演算部14と信号線で接続されており、演算部14から出力される内外形状の演算結果を入力信号として、変形モード規定信号を演算部14に出力する。
変形モード規定部116で行う処理を、図16を用いて説明する。弾性体64の初期の結合状態がA-B-Cであり、弾性体64の伸びによって出力信号SがS´に変化すると、変形状態は結合状態A-E-C又は結合状態A-F-Cとなる。形状演算モデル200による演算でいずれの変形状態となるかは、例えば、アナログ信号であった出力信号Sをデジタル信号に変換した際の量子化誤差など不確定な要因で決まる。従って、予め誤差要因の影響を回避するために、変形モードを規定する必要がある。
図16においては、結合点Bに外力Fが-z軸方向にのみ作用しているとすると、結合点Bは-z軸方向へのみ移動し、結合状態A-E-Cは生じない。従って、形状演算モデル200での演算結果が結合状態A-E-Cであった場合は、結合状態A-F-Cを演算結果として出力するように変形モード規定信号を演算部14に出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、計測対象物50の内外形状の変形モードを予め規定した変形モード規定部116により、計測対象物50の変形を正しく算出することができる。
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した形状演算処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、形状演算処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
また、上記各実施形態では、形状演算プログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
10 形状演算装置
12 測定部
14 演算部
16 表示・出力部
18 記憶部
50 計測対象物
60 形状変化検出センサ
62 センサ取付固定位置
64 弾性体
70 信号線
82、84、86、88、90 交線
100 形状演算装置
114 演算部
116 変形モード規定部
200 形状演算モデル
202 形状演算モデル
210 ばねモデル
212 固定部位

Claims (7)

  1. 計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体と、
    前記弾性体の各々の交点に設けられ、前記弾性体の電気的特性の変化を検出する計測端子と、
    前記計測端子に接続された信号線と、
    を含む形状変化検出センサ。
  2. 計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体と、
    前記弾性体の各々の交点に設けられ、前記弾性体の電気的特性の変化を検出する計測端子と、
    前記計測端子に接続された信号線を介して入力された前記弾性体における各々の計測端子間の電気的特性の変化を示す電気信号を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された電気的特性に基づいて、前記外力の作用による前記計測端子の三次元座標を推定し、該三次元座標に基づいて、前記計測対象物の内外形状、及び前記計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを算出する演算部と、
    を含む形状演算装置。
  3. 前記弾性体は、前記信号線の一部を介して電圧が印加され、
    前記電気的特性は、前記電圧が印加された際の、前記弾性体において隣接する計測端子の間の抵抗値であり、
    前記演算部は、三次元座標を推定する対象計測端子と、該対象計測端子に各々隣接する4つの計測端子との間の前記弾性体の抵抗値に基づいて各々算出した距離を半径とし、各々の中心を前記4つの計測端子とする4つの球から選んだ2つの球の交差の複数の組み合わせから各々得られた複数の交線の交点の三次元座標から前記対象計測端子の三次元座標を推定する請求項2に記載の形状演算装置。
  4. 前記演算部は、前記対象計測端子の三次元座標と、前記計測対象物の内外形状を数値モデル化した形状演算モデルとを用いて前記計測対象物の内外形状、及び前記対象計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを演算する請求項3に記載の形状演算装置。
  5. 前記演算部は、所定の時間間隔で記憶部に格納した前記電気信号が示す電気的特性から推定された前記計測端子の三次元座標の時系列での変化に矛盾が生じた場合は、前記矛盾が生じた三次元座標を、矛盾が生じていない三次元座標で内挿補間する請求項2~4のいずれか1項に記載の形状演算装置。
  6. 前記演算部は、前記計測対象物の内外形状の変形モードを予め規定した変形モード規定部を参照して前記計測対象物の内外形状を算出する請求項2~5のいずれか1項に記載の形状演算装置。
  7. 計測対象物の表面及び該表面下のいずれかに所定の間隔で配設され、外力の作用による伸縮で電気的特性が変化する弾性体の各々の交点に設けられた計測端子により前記弾性体の電気的特性の変化を示す電気信号を測定する工程と、
    前記測定された電気的特性に基づいて、前記外力の作用による前記計測端子の三次元座標を推定する工程と、
    該三次元座標に基づいて、前記計測対象物の内外形状、及び前記計測端子が配設された位置に作用する力ベクトルを算出する工程と、
    を含む形状演算方法。
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