JP2023128629A - 架橋性アクリルゴム組成物 - Google Patents

架橋性アクリルゴム組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023128629A
JP2023128629A JP2022033107A JP2022033107A JP2023128629A JP 2023128629 A JP2023128629 A JP 2023128629A JP 2022033107 A JP2022033107 A JP 2022033107A JP 2022033107 A JP2022033107 A JP 2022033107A JP 2023128629 A JP2023128629 A JP 2023128629A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic rubber
group
meth
weight
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022033107A
Other languages
English (en)
Inventor
智 齋藤
Satoshi Saito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unimatec Co Ltd
Original Assignee
Unimatec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unimatec Co Ltd filed Critical Unimatec Co Ltd
Priority to JP2022033107A priority Critical patent/JP2023128629A/ja
Publication of JP2023128629A publication Critical patent/JP2023128629A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】アクリルゴム架橋物の熱酸化劣化初期にみられる顕著な軟化劣化を抑制し、その機械的強度の低下を最小限に抑え、かつ架橋速度の制御、架橋物の機械的強度の制御が容易でさらに耐圧縮永久歪性に優れた架橋性アクリルゴム組成物を提供する。【解決手段】(A)カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴム(B)多価アミン架橋剤および(C)架橋促進剤からなる架橋性アクリルゴム組成物。このアクリルゴムは、通常用いられる多価アミン架橋剤を添加せずに架橋することが可能である。【選択図】 なし

Description

本発明は、架橋性アクリルゴム組成物に関する。さらに詳しくは、熱酸化劣化による架橋物の機械的物性の低下を抑えかつ耐圧縮永久歪性に優れた架橋性アクリルゴム組成物に関する。
地球規模の気候変動対策およびエネルギーの効率利用の観点から、自動車エンジンに代表される内燃機関で排出される二酸化炭素およびNOxガス等の排出量規制が一層厳しくなる傾向にある。その対応策として、自動車エンジンには高出力化、高熱効率化および排出ガスの低減と無害化が要求され、このためエンジンルーム内の温度は上昇する傾向にある。それに伴い、その周辺で使用されるゴム、プラスチック等の高分子材料には、さらなる耐熱性の向上が求められている。
具体例として、エンジンの燃費改善を目的としたターボチャージャーシステムを搭載した車両の普及が進んでいる。このターボチャージャーからインタークーラーやエンジンに導かれる空気は高温高圧であることから、これを輸送するゴム製ホース材料には高い耐熱性が求められている。
このように、自動車のエンジンに使用される高分子材料の使用環境の高温化や長寿命化の要求に伴い、その対策として例えばゴム製品部材の原料ゴム自体の耐熱性を向上させる取り組みや、適切な老化防止剤をゴム製品部材に添加することが行われている。
ゴム部材の代表的な老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤やアミン系老化防止剤が用いられ、特により高温の使用環境下で用いられるゴム部材ではアミン系老化防止剤が用いられる。
例えば、アクリルゴムの場合、老化防止剤として、4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンに代表されるアミン系老化防止剤が用いられている(特許文献1~4)。
また、アクリルゴム自体の耐熱性を向上させる取り組みとして、架橋部位単量体を活性塩素含有不飽和単量体からα,β-不飽和カルボン酸単量体に代えることにより、高温環境下の使用に耐え得る強固な架橋構造を形成させることが行われている。
しかしながら、原料ゴム自体の耐熱性向上およびアミン系老化防止剤をもってしても、昨今の耐熱要求を十分に満足することはできない。
近年ではゴム材料の老化防止剤としてフェノチアジン系老化防止剤が有効であることが、特許文献5に記載されている。
特許文献5には、加硫特性、機械的特性および熱老化特性にすぐれ、防振ゴム用途に特に好適なゴム材料として、(A)ジエン系ゴム、(B)ビスマレイミド化合物および(C)下記フェノチアジン化合物を含有するものが記載されている。
Figure 2023128629000001
R1、R2:水素原子、芳香族環で置換されてもよい
C1~C8のアルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子、シアノ基
R3:水素原子、C1~C6の鎖状または環状のアルキル基、
ビニル基、芳香族基
m、n:0~2
5位の硫黄原子が-SO2-のフェノチアジン化合物も知られており、例えば特許文献6に記載されている。
特許文献6には、下記一般式で示される縮合複素環化合物およびそれを含有する有機材料組成物が記載されており、酸化的、熱的あるいは光誘発性崩壊を受け易いポリマー等の有機材料に対し、高い加工安定性、耐熱性、長寿命を付与することが可能であると述べられている。
Figure 2023128629000002
Y:化学的な単結合、-S(=O)-、-SO2-
Ra、Rb:置換基を有してもよいC1~C30有機基
Za、Zb:化学的な単結合、-SO2-
X1、X2:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基、
ニトロ基、-OR1、-O-CO-R1、-CO-OR1、-O-CO-OR1、-NR2R3
-NR2-CO-R1、-CO-NR2R3、-O-CO-NR2R3
n、m:0~2、ただしいずれか一方は0ではない
また、ゴム部材からのアミン系老化防止剤の揮散を防止するため、アミン系老化防止剤の高分子量化および高融点化の検討がなされている。しかしながら、老化防止剤の高分子量化、高融点化に伴い、ゴムに対する分散性およびゴム内部での移行性が低下するなどの問題がある。
老化防止剤の揮散を防止し、高温環境下におけるゴム部品の長寿命化を図る目的のため、重合性不飽和基を有する老化防止剤を原料ゴムに共重合する方法も検討されている(特許文献7)。
例えば、非特許文献1~2には重合性不飽和基を有する老化防止剤ノクラックG-1(大内新興化学工業製品)やAPMA(精工化学製品)が例示されている。
Figure 2023128629000003
しかしながら、上記老化防止剤では、ジフェニルアミノ基のラジカル重合禁止作用により、重合性不飽和単量体とのラジカル共重合は実用的に困難である。
また、エラストマー性重合体の変性反応によりジフェニルアミノ構造を重合体に導入する方法がいくつか開示されている。例えば、オレフィン系不飽和基を有するエラストマーの側鎖をヒドロホルミル化した後、ジフェニルアミノ基を導入する方法(特許文献8)、ジエン系共重合体に遊離基発生剤の存在下で無水マレイン酸を付加させた後、ジフェニルアミノ基を導入する方法(特許文献9)などが知られている。しかしながらこれらの方法は、もととなる共重合体を製造した後にジフェニルアミノ基を導入する変性工程がさらに必要となり、製造コストの面から実用的ではない。
さらに、4-アミノジフェニルアミン共存下でアクリルゴムを架橋する方法が知られているが(特許文献10)、耐圧縮永久歪性を悪化させる懸念がありその利用が制限される。
このように従来技術では、原料ゴム自体の耐熱性向上、各種老化防止剤の性能向上および熱老化防止成分を原料ゴムに化学的に結合させる方法の何れをもってしても、昨今の耐熱要求を十分に満足することは難しかった。
特開平11-21411号公報 WO 2011/58918 A1 特開2010-254579号公報 WO 2006/001299 A1 特開2015-227402公報 WO 2011/093443 A1 特開2009-209268号公報 特開平4-264106号公報 特開平5-230132号公報 WO 2020/158132 A1 特開2009-036960公報 特開2010-235955公報 特開2020-111552公報
Rubber Chem.Technol.,46巻,106頁(1973) Rubber Chem.Technol.,52巻,883頁(1979) Journal of Photopolymer Science and Technology,18巻,3号, 419頁(2005) Material Technology,25巻,6号,285頁(2007)
上記の課題に対して本出願人は先に、カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴム、アミン系老化防止剤および架橋促進剤からなる架橋性アクリルゴム組成物を提案している(特願2021-133264)。これによりエチルアクリレートを主要原料とするアクリルゴムの熱酸化劣化初期にみられる顕著な軟化劣化を抑制できることができる。
しかしながら、上記架橋性アクリルゴム組成物は、架橋速度の制御、架橋物の機械的強度の制御および耐圧縮永久歪性に対し、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、アクリルゴム架橋物の熱酸化劣化初期にみられる顕著な軟化劣化を抑制し、その機械的強度の低下を最小限に抑え、かつ架橋速度の制御、架橋物の機械的強度の制御が容易でさらに耐圧縮永久歪性に優れた架橋性アクリルゴム組成物を提供するものである。
具体的には
(A)カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴム
(C)架橋促進剤
からなる架橋性アクリルゴム組成物に
(B)多価アミン架橋剤
を添加することにより上記課題が解決される。
カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴムは、架橋に際し、熱および架橋促進剤の作用によりカルバミン酸エステル基が分解してアミノ基を遊離し、次いでα,β-不飽和カルボン酸単量体に由来する活性部位と反応し、固有の架橋構造が形成される。このようにカルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴムは、通常用いられる多価アミン架橋剤を添加せずに架橋することが可能であり、その結果得られるアクリルゴム架橋物は、熱酸化劣化初期において顕著な軟化劣化を抑制するといった効果を奏する。
本発明者等は、カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴムおよび架橋促進剤からなる架橋性組成物に多価アミン架橋剤を添加することにより、耐熱酸化劣化特性を損なうことなく、架橋速度および架橋物の機械的強度を容易に制御することが可能となり、さらには耐圧縮永久歪性を改善しうることを見出した。
なお、カルバミン酸エステル基を含有する(メタ)アクリレート共重合体は、特許文献11および非特許文献3~4に記載されており、さらにジカルバミン酸エステル化合物を用いてカルボキシル基含有アクリルゴムを架橋できることは、特許文献12に記載されている。
190℃におけるアクリルゴム架橋物の硬度変化の経時変化を、図式化(実施例1:-◆-、比較例1:--◆--、実施例2:-●-、比較例2:--●--、実施例3:-▲-、比較例3:--▲---、実施例4:-■-、比較例4:--■--;図1~4共通)したものである。 190℃におけるアクリルゴム架橋物の100%モジュラス変化率の経時変化を、図式化したものである。 190℃におけるアクリルゴム架橋物の破断時強度変化率の経時変化を、図式化したものである。 190℃におけるアクリルゴム架橋物の破断時伸び変化率の経時変化を、図式化したものである。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物は、
(A)カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴム
(B)多価アミン架橋剤
および
(C)架橋促進剤
から構成される。
(A)成分のカルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴムとしては、
態様(A-1):アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.8重量%、α,β-不飽和カルボン酸単量体 0.1~5重量%および一般式〔I〕
Figure 2023128629000004
(ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1~10の二価の脂肪族炭化水素基である)で表されるカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体 0.1~5重量%の単量体割合で共重合されたアクリルゴム
または
態様(A-2):アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.9重量%と一般式〔I〕で表されるカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体 0.1~10重量%との単量体割合で共重合されたアクリルゴム(i)
および
アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.9重量%とα,β-不飽和カルボン酸単量体 0.1~10重量%との単量体割合で共重合体されたアクリルゴム(ii)
の混合物であって、それぞれの成分の重量比が90~10重量%、10~90重量%である
のいずれかが用いられる。ここで、(メタ)アクリレートはアクリレートまたはメタクリレートを指している。
単一のアクリルゴムからなる(A-1)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体99.8~90重量%、好ましくは99~90重量%、α,β-不飽和カルボン酸単量体が0.1~5重量%、好ましくは0.5~5重量%、カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体0.1~5重量%、好ましくは0.5~5重量%の単量体割合で共重合されたものが用いられる。
態様(A-1)のアクリルゴム中のカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体の重量分率組成およびα,β-不飽和カルボン酸単量体の重量分率組成の比の大凡の目安は、wCA/MCA≧wNH2/MNH2で求められる。これらの割合は、架橋速度および架橋物の諸物性等の因子を考慮して適宜調整することもできる。
CA(wt%):アクリルゴムのα,β-不飽和カルボン酸単量体の重量分率組成
CA(g/mol):α,β-不飽和カルボン酸単量体の分子量
NH2(wt%):アクリルゴムのカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体の重量分率組成
NH2 (g/mol):カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体の分子量
上記以外の態様(A-1)のアクリルゴムとしては、例えばエチレン、メチルアクリレート、カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体およびα,β-不飽和カルボン酸単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体、あるいはエチレン、酢酸ビニル、カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体およびα,β-不飽和カルボン酸単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体等を使用することができる。
アクリルゴムの混合物からなる態様(A-2)に用いられるのアクリルゴム(i)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体99.9~90重量%、好ましくは99.5~95重量%、カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%の単量体割合で共重合されたものが用いられる。
また、アクリルゴム(ii)は、アルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体99.9~90重量%、好ましくは99.5~95重量%、α,β-不飽和カルボン酸単量体0.1~10重量%、好ましくは0.5~5重量%の単量体割合で共重合されたものが用いられる。アクリルゴム(i)とアクリルゴム(ii)との混合割合は、混合物中に含まれるカルボミン酸エステル基およびα,β-不飽和カルボン酸単量体の活性部位の化学量論量を勘案して、それぞれ90~10重量%、10~90重量%とされる。
態様(A-2)のアクリルゴム混合物中のアクリルゴム(i)およびアクリルゴム(ii)の重量比の大凡の目安は、W(i)×w(i)NH2/M(i)NH2≦W(ii)×w(ii)CA/M(ii)CAで求められる。これらの割合は、架橋速度および架橋物の諸物性等の因子を考慮して適宜調整することもできる。
(i)(重量部):アクリルゴム(i)の重量
(i)NH2wt%):アクリルゴム(i)のカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート
単量体の重量分率組成
(i)NH2(g/mol):カルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体の分子量
(ii)(重量部):アクリルゴム(ii)の重量
(ii)CA(wt%):アクリルゴム(ii)のα,β-不飽和カルボン酸単量体の重量分率組成
(ii)CA(g/mol):α,β-不飽和カルボン酸単量体の分子量
アクリルゴム混合物(A-2)は、アクリルゴム(i)およびアクリルゴム(ii)をオープンロール、ニーダ、バンバリーミキサ等を用いて混合することにより容易に調製することができる。
また、アクリルゴム(i)の水性ラテックスとアクリルゴム(ii)の水性ラテックスを任意の割合で混合した後、電解質水溶液によって凝析し乾燥することによって所望のアクリルゴム混合物を調製することもできる。
上記以外のアクリルゴム(i)としては、例えばエチレン、メチルアクリレートおよびカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体、あるいはエチレン、酢酸ビニルおよびカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体等を使用することができる。
上記以外のアクリルゴム(ii)としては、例えばエチレン、メチルアクリレートおよびα,β-不飽和カルボン酸単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体、あるいはエチレン、酢酸ビニルおよびα,β-不飽和カルボン酸単量体を主要構成要素とするエラストマー性共重合体等を使用することができる。
態様(A-1)の単一のアクリルゴム、態様(A-2)のアクリルゴム(i)および(ii)を構成する各単量体は次の通りである。
態様(A-1)のアクリルゴム、態様(A-2)のアクリルゴム(i)および(ii)の単量体単位であるアルキル(メタ)アクリレート単量体および/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体としては、炭素数1~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、炭素数7~20のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数2~8のアルコキシアルキル基を有するアルコキシアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種類の(メタ)アクリレートが用いられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が用いられる。
アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばベンジル(メタ)アクリレートが用いられる。
また、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメトキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等が用いられる。
また、態様(A-1)のアクリルゴム、態様(A-2)のアクリルゴム(i)および(ii)の主要成分(単量体)以外に、必要に応じて副成分として次の重合性不飽和単量体を用いることができる。
重合性不飽和単量体としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸アミド、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、エチレン、プロピレン、ピペリレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、シクロペンタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
態様(A-1)のアクリルゴムおよび態様(A-2)のアクリルゴム(i)の単量体単位である一般式〔I〕で表されるカルバミン酸エステル含有(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、
Figure 2023128629000005
等が挙げられ、好ましくは製造の容易さから
Figure 2023128629000006
が用いられる。
一般式〔I〕で表されるカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体は、ウレタン化反応触媒存在下で、イソシアナトアルキルアクリレートまたはイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートと9-フルオレニルメタノールを反応させることにより容易に製造することができる。
ウレタン化反応触媒としては、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機ビスマス化合物等を用いることができる。
有機スズ化合物としては、ジラウリン酸ジブチルスズ、ビス(2-エチルヘキサン酸)スズ、ジブチルスズ(2,4-ペンタンジオネート)等が挙げられる。
有機チタン化合物としては、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
有機ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセテート)、ジルコニウムテトラ(アセチルアセテート)等が挙げられる。
有機ビスマス化合物としては、ビスマストリス(ネオデカノエート)等が挙げられる。
反応はベンゼン、トルエン、ジオキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等の有機溶媒中で40~80℃の温度下で行われる。
態様(A-1)のアクリルゴムおよび態様(A-2)のアクリルゴム(ii)の単量体単位であるα,β-不飽和カルボン酸単量体としては、一塩基酸α,β-不飽和カルボン酸、二塩基酸α,β-不飽和カルボン酸または二塩基酸α,β-不飽和カルボン酸モノアルキルエステルが挙げられる。
一塩基酸α,β-不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
二塩基酸α,β-不飽和カルボン酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸が挙げられる。
二塩基酸α,β-不飽和カルボン酸モノアルキルエステルとしては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸のモノアルキルエステルが挙げられる。具体例としては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn-プロピル、マレイン酸モノイソプロピル、マレイン酸モノn-ブチル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸モノn-ヘキシル、マレイン酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn-プロピル、フマル酸モノイソプロピル、フマル酸モノn-ブチル、フマル酸モノイソブチル、フマル酸モノn-ヘキシル、フマル酸モノシクロヘキシル等が挙げられる。
態様(A-1)のアクリルゴム、態様(A-2)のアクリルゴム(i)および(ii)は、一般的なアクリルゴムの重合方法によって製造される。共重合反応は、乳化重合法、けん濁重合法、溶液重合法、塊状重合法など任意の方法で行ない得るが、好ましくは乳化重合法またはけん濁重合法が用いられ、約-10~100℃、好ましくは約5~80℃の温度で反応が行われる。
反応の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、第3ブチルヒドロパーオキサイド、クミルヒドロパーオキサイド、p-メチレンヒドロパーオキサイド等の有機パーオキサイドまたはヒドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチルアミジン等のジアゾ化合物、過硫酸アンモニウムによって代表されるアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の過酸化物塩などが単独であるいはレドックス系として用いられる。
特に好ましい乳化重合法に用いられる乳化剤としては、アニオン系またはノニオン系の界面活性剤が、必要に応じて酸または塩基によりpH調整され、無機塩で緩衝溶液とした水溶液などとして用いられる。
重合反応は、単量体混合物の転化率が90%以上に達する迄継続される。得られた水性ラテックスは、塩-酸凝固法、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウムの如き塩を用いる方法、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物を用いる方法、熱による凝固法、凍結凝固法などによって凝固させ、得られた共重合体は十分に水洗、乾燥される。このアクリルゴムは、約5~100、好ましくは約20~80のムーニー粘度 PML1+4(100℃)を有する。
本発明の組成物の構成成分である(B)成分としては、脂肪族多価アミン化合物、脂肪族多価アミン化合物の炭酸塩、アミノ基が有機基で保護された脂肪族多価アミン化合物、芳香族多価アミン化合物を用いることができる。
脂肪族多価アミン化合物としては、例えばヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、脂肪族多価アミン化合物の炭酸塩としては、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが挙げられる。アミノ基が有機基で保護された脂肪族多価アミンとしては、N,N′-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミンまたは特許文献12に開示された化合物が挙げられる。
芳香族多価アミン化合物としては、4,4′-メチレンジアニリン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、4,4′-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3,5-ベンゼントリアミン、4,4′-(m-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4′-(p-フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4′-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。
上記に挙げた多価アミン化合物は単独で用いることもできるし、二つ以上を組み合わせて用いることもでき、好ましくはヘキサメチレンジアミンカーバメート、4,4′-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが用いられる。
かかる(B)成分 多価アミン架橋剤の添加量は、所望の架橋速度、架橋物の機械的強度、耐圧縮永久歪性および耐熱酸化劣化性に応じて適宜調整され、(A)成分 アクリルゴム100重量部に対して約0.01~5重量部、好ましくは約0.05~3重量部用いられる。多価アミン架橋剤がこれより少ないと、耐圧縮永久歪性の改善は見込まれない。一方これより多く用いられると、アクリルゴムの耐熱酸化劣化特性の悪化を招く恐れがある。
(C)成分 架橋促進剤としては、グアニジン化合物、ジアザビシクロアルケン化合物またはその有機酸塩等の架橋促進剤が挙げられる。
グアニジン化合物としては、テトラメチルグアニジン、テトラエチルグアニジン、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン等が挙げられる。好ましくは1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジンまたはそれらの組み合わせである。
ジアザビシクロアルケン化合物としては、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンが好ましい。
ジアザビシクロアルケン化合物の有機酸塩としては、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンの有機酸塩が好ましい。
1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンの有機酸塩に用いられる有機酸としては、有機一塩基酸または有機二塩基酸が挙げられる。
有機一塩基酸としては、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、n-カプリン酸、n-ラウリン酸、p-トルエンスルホン酸、フェノール等が挙げられる。有機二塩基酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸等が挙げられ、炭素数6~18のモノカルボン酸またはジカルボン酸が好ましい。
(C)成分 架橋促進剤は、(A)成分 アクリルゴム100重量部に対して約0.1~5重量部、好ましくは約0.3~3重量部用いられる。架橋促進剤がこれより少ないと、架橋速度の著しい低下、架橋後のアクリルゴムの機械的物性の低下および熱老化後の機械的物性の低下を招くことがある。一方、これより多く用いられると、アクリルゴムの耐熱酸化劣化の悪化または耐圧縮永久歪性の悪化を招く恐れがある。
本発明の架橋性アクリルゴム組成物には、必要に応じて、例えば、老化防止剤、充填剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、スコーチ防止剤、滑剤等の各種添加剤を配合することができる。
老化防止剤としては、アミン系老化防止剤が一般的に用いられる。例えば、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンが代表例として挙げられる。
より高温環境下での耐熱酸化劣化性を必要とする場合は、フェノチアジン系老化防止剤が好ましい。
例えば下記一般式〔II〕で表されるフェノチアジン系老化防止剤が例示される。
Figure 2023128629000007
(ここで、R3は水素原子、炭素数1~20の一価の脂肪族炭化水素基、炭素数7~20のアラルキル基または下記一般式〔III〕
Figure 2023128629000008
で表されるアシル基である。ただしR4は炭素数1~20の一価の脂肪族炭化水素基である。
R5は炭素数7~20のアラルキル基である)
R3が炭素数1~20の脂肪族炭化水素基である場合の具体例として、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-ウンデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘプタデシル基、イソプロピル基、2-ブチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基、第3ブチル基、1,1-ジメチル-1-プロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-アダマンチル基等が挙げられる。
R3が炭素数7~20のアラルキル基瀬ある場合の具体例として、ベンジル基、α-メチルベンジル基、9-フルオレニルメチル基等が挙げられる。
R4で表される炭素数1~20の一価の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-ウンデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘプタデシル基、イソプロピル基、2-ブチル基、2-ペンチル基、3-ペンチル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、4-ヘプチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、4-オクチル基、第3ブチル基、1,1-ジメチル-1-プロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-アダマンチル基等が挙げられる。
特に炭素数が4~20であり、カルボニル基に対してα-位の炭素が3級炭素である一価の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば第3ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,1-ジメチル-1-ブチル基、1,1-ジメチル-1-ペンチル基、1,1-ジメチル-1-ヘキシル基、3-メチル-3-ペンチル基、3-エチル-3-ペンチル基、3-メチル-3-ヘキシル基、1-メチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-アダマンチル基等が好ましい基として挙げられる。
R5で表されるアラルキル基としては、ベンジル基、α-メチルベンジル基、α,α-ジメチルベンジル基が挙げられ、特にα,α-ジメチルベンジル基が好ましい。
R3が水素原子であるフェノチアジン系老化防止剤は、特許文献6記載の方法によって製造することができる。例えば、フェノチアジンに酸性触媒存在下α-メチルスチレンを作用させ、3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン(以下CD-Sと略称する)とした後、酸化剤により硫黄原子を酸化することにより、3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド(以下CD-SO2と略称する)を製造することができる。
R3が炭素数1~20の脂肪族炭化水素基であるフェノチアジン系老化防止剤の場合、CD-Sに塩基を作用させ、次いで炭素数1~20の脂肪族炭化水素のハロゲン化物によりNアルキル化した後、酸化することにより所望のフェノチアジン老化防止剤を製造することができる。また、特許文献6で得られたCD-SO2に塩基を作用させ、次いで炭素数1~20の脂肪族炭化水素のハロゲン化物を反応させてもよい。
R3が一般式〔III〕で表されるアシル基の場合、特許文献13記載の方法により製造することができる。具体的には、塩基性有機化合物または塩基性無機化合物存在下、CD-Sをアシルハロゲン化物によりNアシル化した後、酸化することにより所望のフェノチアジン老化防止剤を製造することができる。また、CD-SO2から同様の方法によりNアシル化して製造することができる。
一般式〔II〕で表されるフェノチアジン系老化防止剤の具体例としては、
3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-メチル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-プロピル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-イソプロピル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-ベンジル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-ピバロイル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-(2,2-ジメチル-ブタノイル)-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
10-(1-アダマンタンカルボニル)-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド
等が挙げられる。
充填剤としては、塩基性シリカ、酸性シリカ等のシリカ、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅等の金属硫化物;合成ハイドロタルサイト、ケイ藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫化バリウム)、グラファイト、カーボンブラック(MTカーボンブラック、SRFカーボンブラック、FEFカーボンブラック等)、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス、石英微粉末、亜鉛華、タルク、雲母粉末、ウォラストナイト、炭素繊維、アラミド繊維、各種ウィスカー、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤等が挙げられる。
加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;オレイン酸エチル等の高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミン等の高級脂肪族アミン;カルナバワックス、セレシンワックス等の石油系ワックス;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のポリグリコール;ワセリン、パラフィン等の脂肪族炭化水素;シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤等が挙げられる。
可塑剤としては、例えばエポキシ樹脂、フタル酸誘導体やセバシン酸誘導体等が、軟化剤としては、例えば潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ステアリン酸カルシウム等が、老化防止剤としては、例えばフェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属塩等が挙げられる。
必要に応じて使用される上記の配合剤は、アクリルゴム、架橋剤および架橋促進剤からなる本発明の架橋性アクリルゴム組成物にアミン系老化防止剤とともに配合され、バンバリーミキサや加圧ニーダ、オープンロール等を用いて混和される。得られた架橋性混和物の架橋は、約120~250℃、約1~60分間の一次架橋および必要に応じて約120~200℃、約1~20時間のオーブン架橋(二次架橋)が行われる。
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本発明は効果を含めてこの実施例に限定されるものではない。
参考例1
3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド〔CD-SO2〕の製造
Figure 2023128629000009
マグネット攪拌子、温度計、窒素ガス導入口と排出口および還流冷却管を備えた容量500mlの四口フラスコに、フェノチアジン 24.9g(0.125モル)、p-トルエンスルホン酸 0.6gおよびトルエン 115mlを投入し、80℃に昇温した後、α-メチルスチレン 29.5g(0.25モル)を加え、窒素ガス雰囲気下で1時間反応させた。
次に、反応混合物に酢酸30gを加えた後、30%過酸化水素水42.5gを5回に分けて加え、さらに80℃で2時間反応させた。内容物を室温まで冷却し、静置した後、上層のトルエン層を500mlのメタノール中に注いだ。室温で一夜放置後、淡黄色の結晶として粗製CD-SO2 42.5g(収率72%)を得た。これをエタノールで再結晶し、淡黄色の針状結晶としてCD-SO2 38g(収率65%)を得た。
参考例2
10-ピバロイル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキサイド〔CD-SO2-PIV〕の製造
Figure 2023128629000010
マグネット攪拌子、温度計、窒素ガス導入口と排出口および還流冷却管を備えた容量1000mlの四口フラスコに、フェノチアジン 119.6g(0.6モル)、p-トルエンスルホン酸 2.88gおよびトルエン 480mlを投入し、80℃に昇温した後、α-メチルスチレン 141.9g(1.2モル)を加え、窒素ガス雰囲気下で1時間反応させた。
反応混合物を室温まで冷却した後、減圧下でトルエンを留去し、紫色固体状の反応生成物265.5gを得た。これを1500mlのエタノールで再結晶することにより、薄赤紫色の結晶として粗製3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン〔CD-S〕 179g(収率68%)が得られた。さらに、この粗製CD-Sをエタノールで再度再結晶し、無色鱗片状の結晶として精製CD-S 161g(収率61%)を得た。
マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量500mlの三口フラスコに、粗製CD-S 68.7g(158ミリモル)、ピバロイルクロリド 24.8g(206ミリモル)およびピリジン 60gを順次投入し、120℃で1.5時間反応させた。得られた反応混合物から減圧下でピリジンを留去し、次いで残留物をジクロロメタン 300mlに溶解した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液300mlで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液から揮発性成分を減圧留去し、赤色の高粘性液体81.7gを得た。
この高粘性液体をトルエン250mlに溶解し、マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量1000mlの三口フラスコ中に投入した。次いで、酢酸80gおよび30%過酸化水素水107gを順次投入し、100℃で2時間反応させた。
内容物を室温まで冷却した後、上層のトルエン層を取出し、減圧下で揮発性物質を留去した。得られた淡赤色固体89gを、エタノール/トルエン(容積比9:1)混合溶媒で再結晶し、無色の針状結晶としてCD-SO2-PIV 70.3g(収率81%)を得た。

1H NMR(300MHz、CDCl3、δ ppm):1.22 (s、9H、-C(CH 3)3)
1.71 (s、12H、-C(CH 3)2-)
7.19~7.30 (m、12H、Ar)
7.42 (d、J=9.0Hz、2H、Ar)
8.03 (d、J=1.8Hz、2H、Ar)
参考例3
10-ベンジル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン-5,5-ジオキシド〔CD-SO2-Bn〕の製造
Figure 2023128629000011
マグネット攪拌子、温度計、ガス導入管および還流冷却管を備えた容量1000mlの四口フラスコに、精製CD-S 43.6g (100ミリモル)およびN,N-ジメチルホルムアミド250mlを投入し、窒素雰囲気下5℃以下に冷却した。系内の温度を10℃以下に保ちながら水素化ナトリウム 3.6g(150ミリモル)を加え、1時間反応させた。塩化ベンジル16.4g(130ミリモル)を加えた後、70℃で1時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、飽和塩化ナトリウム水溶液に注いだ。生成物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液から揮発性成分を減圧留去し、僅かに黄色みをおびた固体として粗製10-ベンジル-3,7-ビス(α,α-ジメチルベンジル)-10H-フェノチアジン〔CD-S-Bn〕を55.1g得た。
粗製CD-S-Bn 55.1gをトルエン500mlに溶解し、マグネット攪拌子、温度計および還流冷却管を備えた容量1000mlの四口フラスコ中に投入した。次いで、酢酸60gおよび60%過酸化水素水68gを順次投入し、90℃で2時間反応させた。
内容物を室温まで冷却した後、上層のトルエン層を取出し、減圧下で揮発性物質を留去した。得られた赤色の生成物をトルエンで再結晶し、無色の結晶としてCD-SO2-Bn を48.1g(CD-Sからの収率86%)得た。

1H NMR(400MHz、Acetone d6、δ ppm):
1.74 (s、12H、-C(CH 3)2-)
5.56 (s、2H、N-CH 2-Ar)
7.15~7.37 (m、17H、Ar)
7.42(dd、J=8.8Hz、2.8Hz、2H、Ar)
7.92 (d、J=2.8Hz、2H、Ar)
参考例4
9FMMの製造
Figure 2023128629000012
マグネット攪拌子、温度計、窒素ガス導入口と排出口および還流冷却管を備えた容量1000mlの四口フラスコに、9-フルオレニルメタノール 29.6g(151ミリモル)、2-イソシアナトエチルメタクリレート 25.5g(164ミリモル)、ジラウリン酸ジブチルスズ1.1gおよびベンゼン 440mlを投入し、窒素ガス雰囲気下80℃で2時間反応させた。
反応混合物を室温まで冷却した後パラメトキシフェノールを60mg加え、次いで減圧下でベンゼンを留去し粗反応生成物55.7gを得た。これを600mlのエタノールで再結晶することにより、無色の結晶として9FMMを44.7g(収率84%)得た。

1H-NMR(400MHz、Acetone d6、δ ppm):
1.91 (s, 3H, CH2=C(CH 3)-C(=O)-O-)
3.47 (q, J=5.6Hz, 2H, -O-CH2CH 2-NH-C(C=O)-)
4.21 (t, J=5.6Hz, 2H, -O-CH 2CH2-NH-C(C=O)-)
4.23 (t, J=7.2Hz, 1H, -C(=O)-OCH2-CH-Ar2)
4.35 (d, J=7.2Hz, 2H, -C(=O)-OCH 2-CH-Ar2)
5.62 (s, 1H,カルボニル基に対してtrans-CH 2=C(CH3)-C(=O)-O-)
6.10 (s, 1H,カルボニル基に対してcis-CH 2=C(CH3)-C(=O)-O-)
6.73 (brs, 1H, -O-CH2CH2-NH-C(C=O)-
7.32 (t, J=7.6Hz, 2H, Ar)
7.41 (t, J=7.6Hz, 2H, Ar)
7.68 (d, J=7.6Hz, 2H, Ar)
7.86 (d, J=7.6Hz, 2H, Ar)
参考例5
〔アクリルゴム(a)の製造〕
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管およびジムロート冷却管を備えたセパラブルフラスコ内に、
水 187重量部
ラウリル硫酸ナトリウム 2 〃
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 2 〃
仕込み単量体混合物
アクリル酸エチル〔EA〕 97.4 〃
フマル酸モノn-ブチル〔MBF〕 1.6 〃
9FMM 1.0 〃
を仕込み、窒素ガス置換を行って系内の酸素を十分に除去した後、
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.008重量部
(富士フィルム和光純薬工業製品ロンガリット)
第3ブチルハイドロパーオキサイド 0.0047 〃
(日油製品パーブチルH69)
を加えて、室温条件下で重合反応を開始させ、重合転化率が90%以上になる迄反応を継続した。得られた水性ラテックスを、10重量%硫酸ナトリウム水溶液で凝析させた後、水洗、乾燥してアクリルゴム(a)を得た。
得られたアクリルゴム(a)のムーニー粘度 PML1+4(100℃)は、44であった。モル分率組成を1H-NMR(400MHz、CD3C(=O)CD3、δ ppm)より下式を用いて求めたところ、9FMMは0.28モル%、EA+MBFは99.72モル%であった。
α:6.4-8.1ppmのシグナルの積分値
β:3.2-5.0ppmのシグナルの積分値
9FMM(mol%)=200×α/(9β-5α)
EA+MBF(mol%)=100-9FMM(mol%)
また、近似的な重量分率組成を下式より求めたところ、9FMMは1.0重量%、EA+MBFは99.0重量%であった。
9FMM(wt%)=(9FMM(mol%)×351.4×100)/
〔9FMM(mol%)×351.4+(EA+MBF(mol%))×100.8)〕
EA+MBF(wt%)=100-9FMM(wt%)
さらに、アクリルゴム(a)の酸価測定することによりMBF(wt%)を求めたところ、1.2重量%であった。
参考例6
〔アクリルゴム(b)の製造〕
参考例5のアクリルゴム(a)の製造において、仕込み単量体混合物として
アクリル酸エチル〔EA〕 97.2 〃
フマル酸モノn-ブチル〔MBF〕 1.6 〃
9FMM 1.2 〃
を用い、アクリルゴム(b)を得た。得られたアクリルゴム(b)のムーニー粘度 PML1+4(100℃)は、46であった。モル分率組成および近似的な重量分率組成を参考例5と同様の方法により求めたところ、9FMM:0.35モル%、EA+MBF:99.65モル%、9FMM:1.2重量%、EA+MBF:98.8重量%であった。
また、アクリルゴム(b)の酸価を測定することによりMBF含量(wt%)を求めたところ、1.2重量%であった。
参考例7
〔アクリルゴム(c)の製造〕
参考例5のアクリルゴム(a)の製造において、仕込み単量体混合物として
アクリル酸エチル〔EA〕 57.2 〃
アクリル酸エチル〔BA〕 40.0 〃
フマル酸モノn-ブチル〔MBF〕 1.6 〃
9FMM 1.2 〃
を用い、アクリルゴム(c)を得た。得られたアクリルゴム(c)のムーニー粘度 PML1+4(100℃)は、34であった。モル分率組成および近似的な重量分率組成を下式より求めたところ、9FMM:0.38モル%、EA+BA+MBF:99.62モル%、9FMM:1.2重量%、EA+BA+MBF:98.8重量%であった。
α:6.4-8.1ppmのシグナルの積分値
β:3.2-5.0ppmのシグナルの積分値
9FMM(mol%)=200×α/(9β-5α)
EA+BA+MBF(mol%)=100-9FMM(mol%)
9FMM(wt%)=(9FMM(mol%)×351.4×100)/
〔9FMM(mol%)×351.4+(EA+BA+MBF(mol%))×110.3)〕
EA+BA+MBF(wt%)=100-9FMM(wt%)
また、アクリルゴム(c)の酸価を測定することによりMBF含量(wt%)を求めたところ、1.2重量%であった。
実施例1
アクリルゴム(a) 100重量部
SRFカーボンブラック(東海カーボン製品シーストGS) 60 〃
ステアリン酸(ミヨシ油脂製品TST) 1 〃
ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸 0.5 〃
(東邦化学工業製品フォスファノールRL-210)
ヘキサメチレンジアミンカーバメート 0.2 〃
(ユニマテック製品ケミノックスAC6F)
架橋促進剤(Safic-Alcan社製品Vulcofac ACT55) 1 〃
4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン
(大内新興化学工業製品ノクラックCD) 2 〃
以上の各成分の内、アクリルゴム(a)、SRFカーボンブラック、ステアリン酸およびポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸をバンバリーミキサで混和した。得られた混和物と残りの各成分とをオープンロールを用いて混和し、架橋性アクリルゴム組成物を得た。
これを、100トンプレス成形機により180℃で8分間の一次架橋を行い、さらに175℃で4時間のオーブン架橋を行い、厚さ約2mmのシート状架橋物(ポストキュアシート)および直径約29mm、高さ約12.5mmの円柱状架橋物を得た。
アクリルゴム組成物の架橋特性およびその架橋物の物性を、次のようにして測定した。
ムーニースコーチ試験:JIS K6300-1準拠(125℃)
東洋精機製作所製ムーニービスコメーターAM-3を用い、最小ムーニー粘度
(ML min)とスコーチ時間(t5)の値を測定
架橋試験:JIS K6300-2準拠(180℃、12分間)
東洋精機製作所製ロータレス・レオメータRLR-3使を用い、ML、MH、tc
(10)およびtc(90)の値を測定
ML:最小トルク
MH:最大トルク
tc(10):架橋トルクがML+(MH-ML)×0.1に達するまでに要する時間
tc(90):架橋トルクがML+(MH-ML)×0.9に達するまでに要する時間
常態物性:JIS K6251、JIS K6253に準拠し、ポストキュアシートについて測定
空気加熱老化試験:JIS K6257に準拠し、ポストキュアシートについて測定
(190℃:100時間、200時間、300時間、400時間、500時間)
圧縮永久歪試験:JIS K6262準拠
(175℃:70時間、500時間)
実施例2
実施例1において、4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミンの代わりにCD-SO2-PIVが2重量部用いられた。
実施例3
実施例1において、アクリルゴム組成物として下記の各成分が用いられた。
アクリルゴム(b) 100重量部
SRFカーボンブラック(シーストGS) 60 〃
ステアリン酸(TST) 1 〃
ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸 0.5 〃
(フォスファノールRL-210)
2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン 0.5 〃
(東京化成工業製品)
架橋促進剤(Vulcofac ACT55) 1 〃
CD-SO2-Bn 2 〃
実施例4
実施例1において、アクリルゴム組成物として下記の各成分が用いられた。
アクリルゴム(c) 100重量部
SRFカーボンブラック(シーストGS) 60 〃
ステアリン酸(TST) 1 〃
ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸 0.5 〃
(フォスファノールRL-210)
ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC6F) 0.2 〃
架橋促進剤(Vulcofac ACT55) 1 〃
CD-SO2 2 〃
比較例1
実施例1において、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC6F)が用いられなかった。
比較例2
実施例2において、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC6F)が用いられなかった。
比較例3
実施例3において、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが用いられなかった。
比較例4
実施例4において、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(ケミノックスAC6F)が用いられなかった。
以上の実施例1~4および比較例1~4で得られた結果は、次の表に示される。


実施例 比較例
測定結果
ムーニースコーチ試験
ML min (pts) 74 72 67 54 71 66 67 52
t5 (分) 1.6 1.4 2.0 1.8 1.5 1.5 2.5 3.0
架橋試験
tc(10) (分) 0.45 0.46 0.62 0.50 0.53 0.55 0.57 0.62
tc(90) (分) 4.77 4.66 6.33 6.02 5.00 5.21 5.53 6.15
ML (N・m) 0.22 0.23 0.21 0.17 0.21 0.21 0.20 0.16
MH (N・m) 0.95 0.93 0.92 0.90 0.76 0.76 0.81 0.77
常態物性(ポストキュア)
硬度 (Duro A) 62 60 63 60 58 57 59 57
100%モジュラス (MPa) 6.5 6.0 8.2 8.1 4.2 4.5 5.7 6.4
破断強度 (MPa) 16.3 16.4 16.5 12.2 15.4 15.7 16.2 12.2
破断時伸び (%) 200 190 170 130 260 240 220 160
熱老化試験(190℃、100時間)
硬度変化 (Duro A) +1 +2 +6 +4 +3 +4 +5 +5
100%モジュラス変化率(%) -43 -16 -16 -17 -38 -16 -16 -16
破断強度変化率 (%) -23 -16 -10 -6 -37 -22 -17 -12
破断時伸び変化率 (%) +36 +17 +5 +15 +23 +13 +12 +6
熱老化試験(190℃、200時間)
硬度変化 (Duro A) +3 +8 +7 +3 +7 +8 +6 +2
100%モジュラス変化率(%) -49 -28 -24 -26 -45 -33 -32 -31
破断強度変化率 (%) -42 -32 -24 -19 -57 -42 -36 -27
破断時伸び変化率 (%) +38 +21 +4 +10 +33 +26 +18 +12
熱老化試験(190℃、300時間)
硬度変化 (Duro A) +14 +13 +12 +6 +13 +11 +13 +7
100%モジュラス変化率(%) -46 -48 -44 -42 -36 -47 -47 -42
破断強度変化率 (%) -57 -51 -44 -28 -68 -63 -59 -40
破断時伸び変化率 (%) +28 +32 +21 +29 +20 +43 +27 +18
熱老化試験(190℃、400時間)
硬度変化 (Duro A) +21 +20 +19 +5 +27 +20 +21 +7
100%モジュラス変化率(%) -23 -43 -39 -47 +12 -40 -40 -48
破断強度変化率 (%) -58 -61 -51 -38 -63 -70 -65 -50
破断時伸び変化率 (%) -13 +33 +12 +35 -32 +38 +17 +18
熱老化試験(190℃、500時間)
硬度変化 (Duro A) +29 +21 +24 +10 +33 +27 +28 +13
100%モジュラス変化率(%) -32 -34 -40 -29 -25 -41
破断強度変化率 (%) -55 -66 -59 -45 -56 -74 -67 -52
破断時伸び変化率 (%) -53 -2 +3 +9 -69 +8 +1 +7
圧縮永久歪試験
175℃、70時間 (%) 16 16 17 19 20 20 18 20
175℃、500時間 (%) 34 30 35 29 41 37 39 33
圧縮永久歪試験のデータについて、実施例1~4と比較例1~4をそれぞれ比較すると、各実施例の耐圧縮永久歪性が対応する比較例と比べて改善されていることが示されている。

Claims (7)

  1. (A)カルバミン酸エステル基およびカルボキシル基を含有するアクリルゴム
    (B)多価アミン架橋剤
    および
    (C)架橋促進剤
    からなる架橋性アクリルゴム組成物。
  2. (A)成分が、
    アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.8重量%、α,β-不飽和カルボン酸単量体 0.1~5重量%および一般式〔I〕
    Figure 2023128629000013
    (ここで、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭素数1~10の二価の脂肪族炭化水素基である)で表されるカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体 0.1~5重量%の単量体割合で共重合されたアクリルゴムである請求項1記載の架橋性アクリルゴム組成物。
  3. (A)成分が、
    アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.9重量%と一般式〔I〕で表されるカルバミン酸エステル基含有(メタ)アクリレート単量体 0.1~10重量%との単量体割合で共重合されたアクリルゴム
    および
    アルキル(メタ)アクリレートおよび/またはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート単量体 90~99.9重量%とα,β-不飽和カルボン単量体 0.1~10重量%との単量体割合で共重合体されたアクリルゴム
    の混合物であって、それぞれの成分の重量比が90~10重量%、10~90重量%である請求項1記載の架橋性アクリルゴム組成物。
  4. 多価アミン架橋剤が脂肪族多価アミン化合物または芳香族多価アミン化合物である請求項1記載の架橋性アクリルゴム組成物。
  5. 脂肪族多価アミン化合物がヘキサメチレンジアミンカーバメートである請求項4記載の架橋性アクリルゴム組成物。
  6. 芳香族多価アミン化合物が2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンである請求項4記載の架橋性アクリルゴム組成物。
  7. 架橋促進剤が、1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕-7-ウンデセンまたはその有機酸塩である請求項1記載の架橋性アクリルゴム組成物。
JP2022033107A 2022-03-04 2022-03-04 架橋性アクリルゴム組成物 Pending JP2023128629A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022033107A JP2023128629A (ja) 2022-03-04 2022-03-04 架橋性アクリルゴム組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022033107A JP2023128629A (ja) 2022-03-04 2022-03-04 架橋性アクリルゴム組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023128629A true JP2023128629A (ja) 2023-09-14

Family

ID=87972236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022033107A Pending JP2023128629A (ja) 2022-03-04 2022-03-04 架橋性アクリルゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023128629A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7161942B2 (ja) フェノチアジン誘導体を含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物
JP7165062B2 (ja) フェノチアジン誘導体およびそれを含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物
JP7036107B2 (ja) ジアリールアミン系化合物、老化防止剤、およびポリマー組成物
CN116018378B (zh) 丙烯酸系弹性体共聚物及其交联性组合物
KR20100071930A (ko) 가황성 중합체 조성물
JP5541196B2 (ja) アクリルゴム組成物およびゴム架橋物
JP7490899B2 (ja) 架橋性アクリルゴム組成物
JP5716597B2 (ja) アクリルゴム組成物およびゴム架橋物
JP2022185177A (ja) フェノチアジン誘導体化合物およびその製造法
CN114080401B (zh) 丙烯酸橡胶、丙烯酸橡胶组合物以及橡胶交联物
JP6020254B2 (ja) アクリルゴム組成物の製造方法
JP2020111551A (ja) フェノチアジン誘導体およびそれを含有するカルボキシル基含有アクリルゴム組成物
JP2023128629A (ja) 架橋性アクリルゴム組成物
WO2023223643A1 (ja) 架橋性アクリルゴム組成物
JP2022090304A (ja) フェノチアジン誘導体化合物およびその製造法
JP7478032B2 (ja) ジフェニルアミン誘導体化合物およびその製造法
JP7387014B2 (ja) フェノチアジン誘導体およびアクリルゴム組成物
JP7505492B2 (ja) アクリルゴム組成物およびゴム架橋物
JP2022168824A (ja) アクリルゴム混合物および架橋性アクリルゴム組成物
EP4442719A1 (en) Acrylic elastomer copolymer
CN118339208A (zh) 丙烯酸类弹性体共聚物
WO2021161838A1 (ja) ジアリールアミン系化合物、表面処理フィラー、およびポリマー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20230328