JP2023128155A - はく離ライナー付き光学粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】大判の光学粘着シートからのはく離ライナーの剥離安定性を確保するのに適したはく離ライナー付き光学粘着シートを提供する。【解決手段】はく離ライナー付き光学粘着シートXは、光学粘着シート10と、はく離ライナー20とを備える。はく離ライナー20は、光学粘着シート10の第1面11に剥離可能に接する。光学粘着シート10は、平面視において408.57mm以上の最大長さを有する。はく離ライナー20は、延出端部20Aを有する。延出端部20Aは、厚さ方向Hと直交する面方向Dにおいて光学粘着シート10のシート端面13よりも外方に延出している。はく離ライナー20は、厚さ方向Hに深さを有するハーフカット溝21を、光学粘着シート10のシート端面13に沿って有する。ハーフカット溝21の深さの標準偏差σは10μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、はく離ライナー付き光学粘着シートに関する。
スマートフォン用およびタブレット端末用のディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。そのようなディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの接合のために、例えば、光学的に透明な粘着シート(光学粘着シート)が用いられる。光学粘着シートについては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2018-087334号公報
ディスプレイパネル用の光学粘着シートは、従来、例えば次のようにして製造される。
まず、図9Aに示すように、長尺の原反シートとしての積層シート90を作製する。積層シート90は、はく離ライナー91と、粘着剤層92と、はく離ライナー93とを厚さ方向Hに順に含む。はく離ライナー91は、粘着剤層92の一方面に剥離可能に接している。はく離ライナー93は、粘着剤層92の他方面に剥離可能に接している。
次に、図9Bに示すように、積層シート90における粘着剤層92に対する打抜き加工により、複数の枚葉状の光学粘着シート92Aを形成する(打抜き加工工程)。この工程では、図10に示すように、はく離ライナー91上の粘着剤層92に対し、刃型100の刃先101を、はく離ライナー93側からはく離ライナー91に至るまで突入させる。これにより、所定の平面視形状の光学粘着シート92Aを形成する。
本工程では、粘着剤層92における光学粘着シート92Aまわりには、周囲部92aが生ずる。はく離ライナー93も打抜き加工されて、粘着剤層92と同一の平面視形状のはく離ライナー93Aが形成され、はく離ライナー93Aまわりに周囲部93aが生ずる。また、本工程では、図11に示すように、刃型100によってはく離ライナー91にハーフカット溝95が形成される。ハーフカット溝95は、刃型100における鋭利な刃先101に対応した楔型形状を有する。
次に、図9Cに示すように、はく離ライナー91上から周囲部92a,93aを除去する。この後、図9Dに示すように、長尺のはく離ライナー91が枚葉状のはく離ライナー91Aに切断される。これにより、枚葉状のはく離ライナー付き光学粘着シート(はく離ライナー91A/光学粘着シート92A/はく離ライナー93A)が得られる。
一方、スマートフォン用およびタブレット端末用のディスプレイパネルについては、大型製品の開発が進んでいる。ディスプレイパネルが大型化するほど、求められる光学粘着シートも大きくなる。そして、光学粘着シートが大きいほど、上述の打抜き加工工程(図10)では、より大きな刃型100を用いる必要がある。
しかし、刃型100が大きいほど、はく離ライナー91Aに形成されるハーフカット溝95の深さのバラつきが大きくなる。具体的には、ハーフカット溝95における最大深さと最小深さとの差が大きくなる。刃型100が大きいほど、積層シート90に対する刃型100の姿勢調整に高い精度が求められ、当該調整が難しくなるからである。ハーフカット溝95の深さのバラつきは、光学粘着シート92Aからはく離ライナー91Aを剥離する際の剥離開始部位の違いによる剥離力のバラつきの原因、および、剥離途中でのはく離ライナー91Aの破断の原因となり、好ましくない(剥離安定性の低下)。このような不具合は、はく離ライナー91A上に光学粘着シート92Aおよびはく離ライナー93Aに代えて粘着剤層付き表面保護フィルム(粘着剤層側にはく離ライナー91Aが貼着している)を作製する場合にも、生じ得る。
本発明は、大判の光学粘着シートからのはく離ライナーの剥離安定性を確保するのに適したはく離ライナー付き光学粘着シートを提供する。
本発明[1]は、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する光学粘着シートと、前記第1面に剥離可能に接するはく離ライナーとを備える、はく離ライナー付き光学粘着シートであって、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する光学粘着シートと、前記第1面に剥離可能に接するはく離ライナーとを備える、はく離ライナー付き光学粘着シートであって、前記光学粘着シートが、平面視において408.57mm以上の最大長さを有し、前記はく離ライナーが延出端部を有し、当該延出端部は、厚さ方向と直交する面方向において前記光学粘着シートのシート端面よりも外方に延出し、前記はく離ライナーが、前記厚さ方向に深さを有するハーフカット溝を前記光学粘着シートの前記シート端面に沿って有し、前記ハーフカット溝の深さの標準偏差σが10μm以下である、はく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
はく離ライナー付き光学粘着シートにおいては、上記のように、はく離ライナーが、最大長さ408.57mm以上の大判の光学粘着シートのシート端面に沿うハーフカット溝を有し、当該ハーフカット溝の深さの標準偏差σが10μm以下である。ハーフカット溝の深さは、当該深さの標準偏差σが10μm以下の程度にバラつきが小さい。そのため、はく離ライナー付き光学粘着シートは、大判の光学粘着シートからのはく離ライナーの剥離安定性を確保するのに適する。
本発明[2]は、前記はく離ライナーの厚さに対する前記ハーフカット溝の深さの比率が0.5以下である、上記[1]に記載のはく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
このような構成は、はく離ライナーにおいてハーフカット溝が形成されている部分の強度を確保するのに好ましい。はく離ライナーの強度の確保は、光学粘着シートからはく離ライナーを剥離する時に、はく離ライナーの破断を抑制するのに役立つ。
本発明[3]は、前記ハーフカット溝が、前記シート端面と面一の第1内壁面と、当該第1内壁面と前記面方向に対向する第2内壁面と、前記面方向における前記第1内壁面と第2内壁面との間の、曲率半径1μm以上の丸底とを有する、上記[1]または[2]に記載のはく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
このような構成は、はく離ライナーが楔型形状のカット溝を有する従来のはく離ライナー付き光学粘着シートよりも、はく離ライナーの破断を抑制するのに好ましい。
本発明[4]は、前記光学粘着シートが5000mm以上の平面視面積を有する、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
このような構成は、光学粘着シートの大判化の観点から好ましい。
本発明[5]は、前記光学粘着シートの前記第2面に剥離可能に接するはく離ライナーを更に備える、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
このようなはく離ライナー付き光学粘着シートは、光学粘着シートを挟む2枚のはく離ライナーを備えるため、光学粘着シートを適切に保護できる。
本発明[6]は、前記光学粘着シートの前記第2面に接合している基材フィルムを更に備える、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シートを含む。
このような片面粘着シート(基材フィルム/光学粘着シート)のはく離ライナーにおいても、本発明は剥離安定性を確保するのに適する。
本発明のはく離ライナー付き光学粘着シートの第1の実施形態の断面模式図である。 図1に示すはく離ライナー付き光学粘着シートの平面図である。 図1に示すはく離ライナー付き光学粘着シートの端部の部分拡大断面図である。 図1に示すはく離ライナー付き光学粘着シートの製造方法を表す。図4Aは積層シート作製工程を表し、図4Bは第1外形加工工程を表し、図4Cは除去工程を表し、図4Dは第2外形加工工程を表す。 図1に示す光学粘着シートの変形例を表す。本変形例では、一方のはく離ライナーが、光学粘着シートの端面より外方に延出する延出端部を有しない。 図5に示すはく離ライナー付き光学粘着シートの端部の部分拡大断面図である。 本発明のはく離ライナー付き光学粘着シートの第2の実施形態の断面模式図である。 図7に示すはく離ライナー付き光学粘着シートの端部の部分拡大断面図である。 従来のはく離ライナー付き光学粘着シートの製造方法の一例を表す。図9Aは積層シート作製工程を表し、図9Bは打抜き加工工程を表し、図9Cは除去工程を表し、図9Dは切断工程を表す。 刃型による打抜き加工工程を表す。 打抜き加工工程後の切断箇所の部分拡大断面模式図である。
本発明のはく離ライナー付き光学粘着シートの第1の実施形態としてのはく離ライナー付き光学粘着シートXは、図1から図3に示すように、光学粘着シート10と、第1はく離ライナーとしてのはく離ライナー20と、第2はく離ライナーとしてのはく離ライナー30(図2では省略)とを備える。光学粘着シート10は、第1面11と、当該第1面11とは反対側の第2面12とを有する。はく離ライナー20は、剥離面20aを有する。はく離ライナー20は、剥離面20a側で、第1面11に剥離可能に接する。はく離ライナー30は、剥離面30aを有する。はく離ライナー30は、剥離面30a側で、第2面12に剥離可能に接する。すなわち、はく離ライナー付き光学粘着シートXは、はく離ライナー20と、光学粘着シート10と、はく離ライナー30とを、厚さ方向Hに順に備える。はく離ライナー付き光学粘着シートXは、厚さ方向Hと直交する面方向Dに広がる。
光学粘着シート10は、例えば、ディスプレイパネルにおける光通過箇所に配置される光学的に透明な粘着シートである。ディスプレイパネルとしては、例えば、フレキシブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルとしては、例えば、フォルダブルディスプレイパネルおよびローラブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどの要素を含む積層構造を有する。光学粘着シート10は、例えば、ディスプレイパネルの製造過程において、積層構造に含まれる要素どうしの接合に、用いられる。はく離ライナー20,30は、それぞれ、光学粘着シート10の使用時に所定のタイミングで剥離される。
光学粘着シート10は、平面視において所定の形状を有する。光学粘着シート10の平面視形状としては、例えば、四角形、角丸四角形、円形および楕円形が挙げられる。四角形としては正方形および長方形が挙げられる。角丸四角形としては、角丸正方形および角丸長方形が挙げられる。図2は、光学粘着シート10の平面視形状が長方形である場合を例示的に示す。光学粘着シート10は、平面視において、408.57mm以上の最大長さLを有する。図2は、光学粘着シート10の最大長さLが長方形の対角線である場合を例示的に示す。また、光学粘着シート10は、同シートの平面視外郭形状を規定する端面として、シート端面13を有する。シート端面13は、本実施形態では、第1面11に対して傾斜している傾斜端面である。シート端面13は、はく離ライナー20側からはく離ライナー30側にかけてシート内側に傾斜している。
はく離ライナー20は、延出端部20Aを有する。延出端部20Aは、面方向Dにおいて、シート端面13よりも外方に延出している部分である。また、はく離ライナー20は、剥離面20a側に、光学粘着シート10のシート端面13に沿ってハーフカット溝21を有する。ハーフカット溝21は、厚さ方向Hに深さを有する。ハーフカット溝21の深さの標準偏差σは、10μm以下である。ハーフカット溝21の深さの標準偏差σは、ハーフカット溝21における合計10の測定点(平面視におけるハーフカット溝21の全長において等間隔に離れている)で測定される深さの測定値(合計10の深さ測定値)の標準偏差である。ハーフカット溝21の深さの標準偏差σを求める方法は、具体的には、後記の実施例に関して後述するとおりである。
はく離ライナー付き光学粘着シートXにおいては、上述のように、はく離ライナー20が、最大長さ408.57mm以上の大判の光学粘着シート10のシート端面13に沿うハーフカット溝21を有し、ハーフカット溝21の深さの標準偏差σが10μm以下である。ハーフカット溝21の深さは、当該深さの標準偏差σが10μm以下の程度にバラつきが小さい。そのため、はく離ライナー付き光学粘着シートXは、大判の光学粘着シート10からのはく離ライナー20の剥離安定性を確保するのに適する。具体的には、光学粘着シート10からはく離ライナー20を剥離する際、剥離開始部位の違いによる剥離力のバラつきを抑制するのに適する。また、剥離途中でのはく離ライナー20の破断を抑制するのに適する。より具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。
ハーフカット溝21の深さの標準偏差σは、はく離ライナー20の剥離安定性の確保の観点から、好ましくは9μm以下、より好ましくは7μm以下、更に好ましくは5μm以下、特に好ましくは4μm以下である。同標準偏差σは、例えば、0.1μm以上、1μm以上、または2μm以上である。深さの標準偏差σがこのように小さいハーフカット溝21は、後述のように、はく離ライナー20上の光学粘着シート10をレーザー加工によって外形加工することによって、形成できる。
はく離ライナー20の厚さdに対するハーフカット溝21の深さdの比率(d/d)は、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下、特に好ましくは0.17以下である。このような構成は、はく離ライナー20においてハーフカット溝21が形成されている部分の強度を確保するのに好ましい。はく離ライナー20の強度の確保は、光学粘着シート10からはく離ライナー20を剥離する時に、はく離ライナー20の破断を抑制するのに役立つ。
ハーフカット溝21は、図3に示すように、内壁面21a(第1内壁面)と、内壁面21b(第2内壁面)と、丸底21cとを有する。内壁面21aは、ハーフカット溝21における面方向Dの内側(光学粘着シート10側)に配置されている。内壁面21aは、シート端面13と面一である。すなわち、内壁面21aは、シート端面13と同じ傾斜を有する。内壁面21bは、ハーフカット溝21における面方向Dの外側に配置されている。内壁面21bは、面方向Dに内壁面21aから離れており、面方向Dにおいて内壁面21aと対向する。丸底21cは、面方向Dにおける内壁面21a,21b間に配置されている。平面視においてシート端面13に沿って延びるハーフカット溝21の延び方向と直交する方向の断面(図3)において、丸底21cは、湾曲形状(円弧形状)を有する。丸底21cの最深部を厚さ方向Hに通る仮想線を対象軸として、内壁面21a,21bは対称的に傾斜している。
丸底21cの曲率半径R(図3に示す)は、ハーフカット溝21の底部の形状の鋭さを低減してはく離ライナー20の破断を抑制する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上である。はく離ライナー20において、ハーフカット溝21の溝幅を抑制してハーフカット溝21形成箇所の強度を確保する観点から、曲率半径Rは、好ましくは120μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは90μm以下である。従来の光学粘着シートの製造方法として上述した方法では、打抜き加工工程(図9B)の後に、図11に示すように、ハーフカット溝95の底部の尖端(図11中の下端)を起点として、はく離ライナー91に破断Bが生じやすい。これに対し、ハーフカット溝21における、上述のように有意な曲率半径の丸底21cは、はく離ライナー20の破断の起点になりにくい。
光学粘着シート10の平面視面積は、光学粘着シート10の大判化の観点から、好ましくは5000mm以上、より好ましくは10000mm以上、更に好ましくは100000mm以上である。はく離ライナー付き光学粘着シートXによると、光学粘着シート10がこのように大きくても、ハーフカット溝21の深さの標準偏差σが10μm以下であるため、はく離ライナー20の剥離安定性を確保するのに適する。
はく離ライナー付き光学粘着シートXは、光学粘着シート10を挟む2枚のはく離ライナー20,30を備えるため、光学粘着シート10を適切に保護できる。
はく離ライナー付き光学粘着シートXにおいて、はく離ライナー20は、上述のように、面方向Dにおいて光学粘着シート10のシート端面13よりも外方に延出している延出端部20Aを有する。このような構成は、複数のはく離ライナー付き光学粘着シートXを厚さ方向Hに重ねた場合において、各光学粘着シート10の端部どうしが付着し合うこと(ブロッキング)を抑制するのに適する。ブロッキング抑制の観点から、面方向Dにおける、シート端面13からの延出端部20Aの延出長さLは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上、特に好ましくは1.5mm以上である。はく離ライナー付き光学粘着シートXの効率的製造の観点から、延出長さLは、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。
はく離ライナー30は、本実施形態では、延出端部30Aを有する。延出端部30Aは、面方向Dにおいて、光学粘着シート10のシート端面13よりも外方に延出している。このような構成は、はく離ライナー付き光学粘着シートXにおいて、上述のブロッキングが生ずるのを抑制するのに適する。ブロッキング抑制の観点から、面方向Dにおける、シート端面13からの延出端部30Aの延出長さLは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1mm以上、特に好ましくは1.5mm以上である。はく離ライナー付き光学粘着シートXの効率的製造の観点から、延出長さLは、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下、更に好ましくは10mm以下である。延出長さLと上述の延出長さLとは、同じであってもよいし、異なってもよい。
光学粘着シート10は、粘着剤組成物から形成されている。粘着剤組成物は、ベースポリマーを含む。ベースポリマーは、粘着性を発現させる粘着成分である。ベースポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、およびポリビニルエーテルポリマーが挙げられる。ベースポリマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。光学粘着シート10における良好な透明性および粘着性を確保する観点から、ベースポリマーとしては、好ましくはアクリルポリマーが用いられる。
アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体である。「(メタ)アクリル」は、アクリルおよび/またはメタクリルを意味する。(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが用いられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(即ちラウリルアクリレート)、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、および(メタ)アクリル酸テトラデシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)と、ラウリルアクリレート(LA)と、アクリル酸n-ブチルとからなる群より選択される少なくとも一つである。モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、光学粘着シート10において粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、また、例えば99質量%以下である。
モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、極性基を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素原子含有環を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリルポリマーへの架橋点の導入、アクリルポリマーの凝集力の確保など、アクリルポリマーの改質に役立つ。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、および(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルが挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチルからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。モノマー成分におけるヒドロキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、および、粘着シートにおける凝集力の確保の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーの極性(粘着シートにおける各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、およびN-(メタ)アクリロイル-2-ピロリドンが挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくは、N-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。モノマー成分における、窒素原子含有環を有するモノマーの割合は、光学粘着シート10における凝集力の確保、および、光学粘着シート10における対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、アクリルポリマーの極性(粘着シートにおける各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
ベースポリマーは、好ましくは、架橋構造を有する。ベースポリマーへの架橋構造の導入方法としては、架橋剤と反応可能な官能基を有するベースポリマーと架橋剤とを粘着剤組成物に配合し、ベースポリマーと架橋剤とを粘着シート中で反応させる方法(第1の方法)、および、ベースポリマーを形成するモノマー成分に架橋剤としての多官能モノマーを含め、当該モノマー成分の重合により、ポリマー鎖に分枝構造(架橋構造)が導入されたベースポリマーを形成する方法(第2の方法)が、挙げられる。これら方法は、併用されてもよい。
上記第1の方法で用いられる架橋剤としては、例えば、ベースポリマーに含まれる官能基(ヒドロキシ基およびカルボキシ基など)と反応する化合物が挙げられる。そのような架橋剤としては、例えば、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、およびエポキシ架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
上記第2の方法では、モノマー成分(架橋構造を導入するための多官能モノマーと他のモノマーとを含む)は、一度で重合させてもよいし、多段階で重合させてもよい。多段階重合の方法では、まず、ベースポリマーを形成するための単官能モノマーを重合させ(予備重合)、これによって部分重合物(低重合度の重合物と未反応のモノマーとの混合物)を含有するプレポリマー組成物を調製する。次に、プレポリマー組成物に架橋剤としての多官能モノマーを添加した後、部分重合物と多官能モノマーとを重合させる(本重合)。多官能モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を1分子中に2個以上含有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーとしては、活性エネルギー線重合(光重合)によって架橋構造を導入可能な観点から、多官能アクリレートが好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートとしては、好ましくは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)が用いられる。
アクリルポリマーは、上述のモノマー成分を重合させることによって形成できる。重合方法としては、例えば、溶液重合、無溶剤での光重合(例えばUV重合)、塊状重合、および乳化重合が挙げられる。溶液重合の溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。また、重合の開始剤としては、例えば、熱重合開始剤および光重合開始剤が用いられる。
ベースポリマーの重量平均分子量は、光学粘着シート10における凝集力の確保の観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上である。同重量平均分子量は、好ましくは500万以下、より好ましくは300万以下、更に好ましくは200万以下である。ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)によって測定してポリスチレン換算により算出される。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は、光学粘着シート10の柔らかさを確保する観点から、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下である。同ガラス転移温度は、例えば-80℃以上である。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)については、下記のFoxの式に基づき求められるガラス転移温度(理論値)を用いることができる。Foxの式は、ポリマーのガラス転移温度Tgと、当該ポリマーを構成するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。下記のFoxの式において、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を表し、Wiは当該ポリマーを構成するモノマーiの重量分率を表し、Tgiは、モノマーiから形成されるホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。ホモポリマーのガラス転移温度については文献値を用いることができる。例えば、「Polymer Handbook」(第4版,John Wiley & Sons, Inc., 1999年)および「新高分子文庫7 塗料用合成樹脂入門」(北岡協三著,高分子刊行会,1995年)には、各種のホモポリマーのガラス転移温度が挙げられている。一方、モノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、特開2007-51271号公報に具体的に記載されている方法によって求めることも可能である。
Foxの式 1/(273+Tg)=Σ[Wi/(273+Tgi)]
粘着剤組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、溶剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤、軟化剤、および酸化防止剤が挙げられる。溶媒としては、例えば、アクリルポリマーの重合時に必要に応じて用いられる重合溶媒、および、重合後に重合反応溶液に添加される溶媒が、挙げられる。当該溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。
光学粘着シート10の厚さは、被着体に対する充分な粘着性を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。光学粘着シート10のハンドリング性の観点から、光学粘着シート10の厚さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
光学粘着シート10のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。光学粘着シート10のヘイズは、JIS K7136(2000年)に準拠して、ヘイズメーターを使用して測定できる。ヘイズメーターとしては、例えば、日本電色工業社製の「NDH2000」、および、村上色彩技術研究所社製の「HM-150型」が挙げられる。
光学粘着シート10の25℃でのせん断貯蔵弾性率は、粘着剤としての凝集力を確保する観点から、好ましくは10kPa以上、より好ましくは15kPa以上、更に好ましくは20kPa以上、特に好ましくは25kPa以上である。光学粘着シート10の25℃でのせん断貯蔵弾性率は、フレキシブルディスプレイパネル用途の光学粘着シートに求められる柔らかさを実現する観点から、好ましくは1000kPa以下、より好ましくは700kPa以下、更に好ましくは500kPa以下、特に好ましくは300kPa以下である。光学粘着シート10がこのように軟質である場合に特に、後述のようにレーザー加工によってはく離ライナー付き光学粘着シートXを外形加工するメリットが大きい(従来の刃型によると、粘着シートが軟質であるほど、当該粘着シートは刃先に付着するが、レーザー加工によると、そのような問題を生じない)。せん断貯蔵弾性率の調整方法としては、例えば、光学粘着シート10におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整が挙げられる。せん断貯蔵弾性率の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。
光学粘着シート10のゲル分率は、好ましくは、40%以上80%以下である。このような構成は、はく離ライナー付き光学粘着シートXの製造過程における、光学粘着シート10の外形の加工しやすさを、確保するのに好ましい(はく離ライナー付き光学粘着シートXの製造方法については後述する)。光学粘着シート10の外形加工のしやすさを確保する観点から、光学粘着シート10のゲル分率は、より好ましくは50%以上、更に好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上であり、また、より好ましくは78%以下、更に好ましくは75%以下である。ゲル分率の調整方法としては、例えば、光学粘着シート10におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整が挙げられる。ゲル分率の測定方法は、実施例に関して後述するとおりである。
はく離ライナー20としては、例えば、可撓性を有するプラスチックフィルムが挙げられる。当該プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエステルフィルムが挙げられる。はく離ライナー20の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。はく離ライナー20の表面は、好ましくは剥離処理されている。剥離処理としては、例えば、シリコーン剥離処理およびフッ素剥離処理が挙げられる(後記の剥離処理についても同様である)。
はく離ライナー30としては、例えば、はく離ライナー20に関して上記したプラスチックフィルムが挙げられる。はく離ライナー30の厚さは、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。はく離ライナー30の表面は、好ましくは剥離処理されている。
はく離ライナー付き光学粘着シートXは、例えば以下のようにして、製造できる。
まず、図4Aに示すように、長尺の積層シートYを作製する(積層シート作製工程)。積層シートYは、長尺の粘着剤層101と、粘着剤層101の厚さ方向Hの一方面を被覆する長尺のはく離ライナー102と、他方面を被覆する長尺のはく離ライナー103とからなる。積層シートYは、例えば、上述の粘着剤組成物をはく離ライナー102上に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜の上にはく離ライナー103を貼り合わせ、当該塗膜を乾燥させ且つ必要に応じて光照射することによって、製造できる。粘着剤組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、およびダイコートが挙げられる。塗膜の乾燥温度は、例えば50℃~200℃である。乾燥時間は、例えば5秒~20分である。
次に、図4Bに示すように、はく離ライナー102上の粘着剤層101に対するレーザー加工により、複数の枚葉状の光学粘着シート10を形成する(第1外形加工工程)。具体的には、積層シートYの切断予定ラインに沿って、積層シートYに対してはく離ライナー103側から厚さ方向Hにレーザーを照射することにより、はく離ライナー102上の粘着剤層101およびはく離ライナー103を切断する。これにより、粘着剤層101において、光学粘着シート10(シート端面13を有する)が形成され、且つ、光学粘着シート10まわりに周囲部101aが生じる。はく離ライナー103において、はく離ライナー103Aが形成され、且つ、はく離ライナー103Aまわりに周囲部103aが生ずる。はく離ライナー102には、上述のハーフカット溝21(図示略)が形成される。レーザー加工によると、ハーフカット溝21の深さのバラつきは、形成される光学粘着シート10のサイズに対して依存性を有しない。したがって、レーザー加工は、深さの標準偏差σが10μm以下のハーフカット溝21を形成するのに適する。レーザー加工によるハーフカット溝21の深さの調整方法としては、例えば、レーザー加工におけるレーザー照射条件の調整が挙げられる。レーザー照射条件としては、例えば、レーザーのパルス幅、パルスの周波数、レーザー出力、および、レーザーのビームスポット径が挙げられる。
レーザー加工用のレーザーとしては、例えば、気体レーザー、固体レーザー、および半導体レーザーが挙げられる。気体レーザーとしては、例えば、エキシマレーザーおよびCOレーザー(10.6μm)が挙げられる(括弧内の数値はレーザー波長を表す。レーザーに関して以下同じ)。エキシマレーザーとしては、例えば、Fエキシマレーザー(157nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、およびXeClエキシマレーザー(308nm)が挙げられる。固体レーザーとしては、例えば、Nd:YAGレーザー(1064nm)、Nd:YAGレーザーの第2高調波(532nm)、Nd:YAGレーザーの第3高調波(355nm)、およびNd:YAGレーザーの第4高調波(266nm)が挙げられる。半導体レーザーとしては、例えば、波長405nmの半導体レーザーが挙げられる。レーザー加工において、照射レーザーのパルス幅は例えば0.5~50μ秒であり、パルスの周波数は例えば1~200kHzであり、レーザー出力は例えば2~250Wである。
次に、図4Cに示すように、はく離ライナー102上から周囲部101a,103aを除去する(除去工程)。
次に、図4Dに示すように、長尺のはく離ライナー102が枚葉状のはく離ライナー20に切断される(第2外形加工工程)。切断方法としては、例えば、レーザーの照射による切断、および、打抜き加工による切断が挙げられる。
次に、光学粘着シート10上のはく離ライナー103Aを剥離した後、当該剥離によって露出した光学粘着シート10の露出面に、はく離ライナー30を貼り合わせる(貼替え工程)。これにより、はく離ライナー付き光学粘着シートXが得られる。
図5および図6に示すように、はく離ライナー付き光学粘着シートXは、延出端部30Aを有しないはく離ライナー30を備えてもよい。このようなはく離ライナー付き光学粘着シートXは、例えば、第2外形加工工程(図4D)の後に上述の貼替え工程を実施しないことによって製造できる。この場合、はく離ライナー103A(図4D)が第2はく離ライナーとしてのはく離ライナー30となる。光学粘着シート10の端部の保護の観点からは、はく離ライナー30は、上述のように延出端部30Aを有する方が好ましい。
本変形例におけるはく離ライナー30は、同ライナーの平面視外郭形状を規定する端面として、ライナー端面31を有する。ライナー端面31は、シート端面13と面一である。ライナー端面31は、本実施形態では、シート端面13と同様に傾斜している傾斜端面である。
本発明のはく離ライナー付き光学粘着シートの第2の実施形態としてのはく離ライナー付き光学粘着シートX'は、図7および図8に示すように、はく離ライナー20と、光学粘着シート10と、基材フィルム40とを厚さ方向Hに順に備える。はく離ライナー付き光学粘着シートX'は、所定の厚さのシート形状を有し、厚さ方向Hと直交する面方向Dに広がる。はく離ライナー付き光学粘着シートX'は、はく離ライナー30の代わりに基材フィルム40を備える点で、はく離ライナー付き光学粘着シートXと異なる。他の構成については、はく離ライナー付き光学粘着シートX'ははく離ライナー付き光学粘着シートXと同じである。
基材フィルム40は、可撓性を有する透明な表面保護フィルムである。基材フィルム40は、光学粘着シート10の第2面12に接合している。このような基材フィルム40および光学粘着シート10は、粘着剤層付き表面保護フィルムZを形成する。粘着剤層付き表面保護フィルムZを備えるはく離ライナー付き光学粘着シートX'は、例えば、ディスプレイパネルの製造過程において、同パネルの積層構造に組み込まれる粘着剤層付き表面保護フィルムの供給材として用いられる。
基材フィルム40は、同フィルムの平面視外郭形状を規定する端面として、フィルム端面41を有する。フィルム端面41は、シート端面13と面一である。フィルム端面41は、本実施形態では、シート端面13と同様に傾斜している傾斜端面である。
基材フィルム40(表面保護フィルム)としては、例えば、可撓性と透明性とを兼ね備えたプラスチックフィルムが挙げられる。当該プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエステルフィルムが挙げられる。
粘着剤層付き表面保護フィルムZにおける光学粘着シート10(粘着剤層)の厚さは、表面保護フィルムにとっての表面粘着力の確保の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上である。粘着剤層付き表面保護フィルムZにおける光学粘着シート10の厚さは、粘着剤層付き表面保護フィルムZの薄さの確保の観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下である。
はく離ライナー付き光学粘着シートX'においては、はく離ライナー付き光学粘着シートXと同様に、はく離ライナー20が、最大長さ408.57mm以上の大判の光学粘着シート10のシート端面13に沿うハーフカット溝21を有し、ハーフカット溝21の深さの標準偏差σが10μm以下である。ハーフカット溝21の深さは、当該深さの標準偏差σが10μm以下の程度にバラつきが小さい。そのため、はく離ライナー付き光学粘着シートX'は、大判の粘着剤層付き表面保護フィルムZからのはく離ライナー20の剥離安定性を確保するのに適する。具体的には、粘着剤層付き表面保護フィルムZからはく離ライナー20を剥離する際、剥離開始部位の違いによる剥離力のバラつきを抑制するのに適する。また、剥離途中でのはく離ライナー20の破断を抑制するのに適する。より具体的には、後記の実施例および比較例をもって示すとおりである。
このようなはく離ライナー付き光学粘着シートX'は、例えば、長尺のはく離ライナー103の代わりに、基材フィルム40形成用の長尺の基材フィルムを用いること以外は、はく離ライナー付き光学粘着シートXと同様にして製造できる。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〔実施例1〕
〈粘着剤組成物の調製〉
まず、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)50質量部と、ラウリルアクリレート(LA)40質量部と、アクリル酸n-ブチル(BA)2質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)6質量部と、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)2質量部と、光重合開始剤(品名「Omnirad 184」,IGM Resins社製)0.015質量部とを含む混合物に対して紫外線を照射し(重合反応)、プレポリマー組成物(重合率は約10%)を得た(プレポリマー組成物は、重合反応を経ていないモノマー成分を含有する)。次に、プレポリマー組成物100質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)0.08質量部と、シランカップリング剤(品名「KBM-403」,3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,信越化学工業社製)0.3質量部とを混合し、粘着剤組成物を得た。
〈積層シートの作製〉
まず、片面が剥離処理されている第1はく離ライナーの剥離処理面上に、粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。第1はく離ライナーの基材フィルムは、厚さ75μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,東レアドバンストマテリアルズコリア製)を有する。次に、第1はく離ライナー上の塗膜に、片面が剥離処理されている第2はく離ライナーの剥離処理面を貼り合わせた。第2はく離ライナーの基材フィルムは、厚さ75μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(品名「ルミラー XD500P」,東レアドバンストマテリアルズコリア製)である。次に、塗膜に対して第2はく離ライナー越しに紫外線を照射して塗膜を紫外線硬化させ、厚さ50μmの粘着剤層を形成した。紫外線照射では、照射光源としてブラックライトを用い、照射強度を5mW/cmとした。これにより、はく離ライナー付き光学粘着シートの原反シートとしての積層シート(第1はく離ライナー/粘着剤層/第2はく離ライナー)を得た。
〈第1外形加工〉
次に、積層シートの粘着剤層を外形加工した(第1外形加工工程)。具体的には、積層シートの第1切断予定ラインに沿って、積層シートに対して第2はく離ライナー側から厚さ方向にCOレーザーを照射することにより、第1はく離ライナー上の粘着剤層および第2はく離ライナーを厚さ方向に切断した(レーザー加工)。レーザー照射では、レーザー加工装置(品名「LC500」,武井電機工業製)を使用し、照射レーザーのパルス幅を3.3μ秒とし、パルスの周波数を15kHzとし、レーザー出力を20Wとした。本工程では、粘着剤層において、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(434.4mm×311.4mm,最大長さ(対角線長さ)534.48mm,平面視面積135272mm)を形成した。また、粘着剤層における光学粘着シートの周りには第1周囲部が生じ、第2はく離ライナーにおいて、第1周囲部上に第2周囲部が生じた。第1はく離ライナーにおける粘着剤層側には、粘着剤層対する切断ラインに沿ってハーフカット溝が形成された。
〈周囲部の除去,第2外形加工〉
第1外形加工工程の後、第1はく離ライナー上から第1および第2周囲部を除去した。その後、第1はく離ライナーを外形加工した(第2外形加工工程)。具体的には、第1はく離ライナーの第2切断予定ラインに沿って、第1はく離ライナーに対して厚さ方向にCOレーザーを照射することにより、第1はく離ライナーを所定の平面視形状に切断した。第2切断予定ラインは、上述の第1切断予定ラインよりも面方向外側に3mm離れている。また、本工程のレーザー照射では、第1レーザー加工装置(品名「LC500」,武井電機工業製)を使用し、照射レーザーのパルス幅を3.3μ秒とし、パルスの周波数を15kHzとし、レーザー出力を20Wとした。
以上のようにして、実施例1のはく離ライナー付き光学粘着シート(第1はく離ライナー/光学粘着シート(厚さ50μm)/第2はく離ライナー)を作製した。
〔実施例2〕
第1外形加工工程において照射レーザーのパルス周波数を100kHzとしたこと以外は実施例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、実施例2のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。
〔実施例3〕
第1外形加工工程において照射レーザーのパルス周波数を50kHzとしたこと以外は実施例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、実施例3のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。
〔比較例1〕
次のこと以外は実施例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程において、レーザー加工に代えて打抜き加工を実施した。具体的には、第1はく離ライナー上の粘着剤層に対し、第2はく離ライナー側から第1はく離ライナーに至るまで厚さ方向に第1プレス刃型を突入させることにより、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(920mm×730mm,最大長さ(対角線長さ)1174.44mm,平面視面積671600mm)を形成した。第1はく離ライナーにおける粘着剤層側には、粘着剤層対する切断ラインに沿ってハーフカット溝が形成された。第1プレス刃型は、刃物角80度の刃先を有する。
〔比較例2〕
次のこと以外は比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例2のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程(打抜き加工)において第1プレス刃型に代えて第2プレス刃型を用い、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(920mm×730mm,最大長さ(対角線長さ)1174.44mm,平面視面積671600mm)を形成した。第2プレス刃型は、刃物角60度の刃先を有する。
〔比較例3〕
次のこと以外は比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例3のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程(打抜き加工)において第1プレス刃型に代えて第3プレス刃型を用い、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(920mm×730mm,最大長さ(対角線長さ)1174.44mm,平面視面積671600mm)を形成した。第3プレス刃型は、刃物角30度の刃先を有する。
〔比較例4〕
次のこと以外は比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例4のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程(打抜き加工)において第1プレス刃型に代えて第4プレス刃型を用い、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(354mm×204mm,最大長さ(対角線長さ)408.57mm,平面視面積72216mm)を形成した。第4プレス刃型は、刃物角80度の刃先を有する。
〔比較例5〕
次のこと以外は比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例5のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程(打抜き加工)において第1プレス刃型に代えて第5プレス刃型を用い、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(354mm×204mm,最大長さ(対角線長さ)408.57mm,平面視面積72216mm)を形成した。第5プレス刃型は、刃物角60度の刃先を有する。
〔比較例6〕
次のこと以外は比較例1のはく離ライナー付き光学粘着シートと同様にして、比較例6のはく離ライナー付き光学粘着シートを作製した。第1外形加工工程(打抜き加工)において第1プレス刃型に代えて第5プレス刃型を用い、所定サイズの平面視矩形の光学粘着シート(354mm×204mm,最大長さ(対角線長さ)408.57mm,平面視面積72216mm)を形成した。第6プレス刃型は、刃物角30度の刃先を有する。
〈ゲル分率〉
実施例1~3および比較例1~6の各光学粘着シートのゲル分率を測定した。具体的には、次のとおりである。
まず、光学粘着シートから約0.1g(質量:Wmg)の粘着剤サンプルを採取した。次に、粘着剤サンプルを、平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質膜(質量:Wmg)で巾着状に包み、口を凧糸(質量:Wmg)で縛り、包みを得た。テトラフルオロエチレン樹脂製多孔質膜としては、日東電工株式会社製の多孔質膜(品名「ニトフロンNTF1122」)を使用した。次に、粘着剤サンプル入りの包みを、容積50mLの容器に入れた後、当該容器に酢酸エチルを満たした(包みごとに一つの容器を使用した)。これを23℃で7日間静置した後、包みを容器から取り出して130℃で2時間乾燥させた。その後に当該包みの質量(Wmg)を測定した。そして、W~Wの値を下記式に代入することにより、粘着剤層のゲル分率を算出した。その値を表1,2に示す。
ゲル分率(%)=[(W-W-W)/W]×100
〈せん断貯蔵弾性率〉
実施例1~3および比較例1~6の各光学粘着シートについて、動的粘弾性を測定した。
まず、光学粘着シートごとに、必要数の測定用サンプルを作製した。具体的には、まず、光学粘着シートから切り出した複数の粘着シート片を貼り合わせて、約1.5mmの厚さのサンプルシートを作製した。次に、このシートを打抜いて、測定用サンプルである円柱状のペレット(直径7.9mm)を得た。
そして、測定用サンプルについて、動的粘弾性測定装置(品名「Advanced Rheometric Expansion System (ARES)」,Rheometric Scientific社製)を使用して、直径7.9mmのパラレルプレートの治具に固定した後に動的粘弾性測定を行った。本測定において、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-40℃~100℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとした。測定結果から25℃におけるせん断貯蔵弾性率と、測定温度範囲内で最大のせん断貯蔵弾性率とを読み取った。その値を表1,2に示す。
〈形状解析〉
実施例1~3および比較例1~6の各はく離ライナー付き光学粘着シートにおける第1はく離ライナーのハーフカット溝の深さを、形状解析レーザー顕微鏡(品名「VK-X1000」,KEYENCE製)により、合計10の測定点で測定した。測定点は、平面視で矩形環状のハーフカット溝において、隣り合う測定点がほぼ等間隔で離れた測定点として、任意に選択した。測定したハーフカット溝の深さの平均値を、ハーフカット溝の深さd(μm)として表1,2に示す。第1はく離ライナーの厚さd(75μm)に対するハーフカット溝の深さdの比率(d/d)も、表1,2に示す。また、合計10の上記測定点でのハーフカット溝の深さの測定値に基づき、ハーフカット溝の深さの標準偏差σ(μm)を求めた。その値も表1,2に示す。
実施例1~3および比較例1~6の各はく離ライナー付き光学粘着シートにおける第1はく離ライナーのハーフカット溝の底部を、形状解析レーザー顕微鏡(品名「VK-X1000」,KEYENCE製)によって観察した。実施例1~3におけるハーフカット溝は、丸底を有していた。実施例1~3におけるハーフカット溝の底部の曲率半径R(μm)を、上記顕微鏡によって測定した。その結果を表1,2に示す。比較例1~6におけるハーフカット溝の底部は、用いたプレス刃型の刃先に対応した楔型形状を有していた。
〈はく離ライナーの断裂抑制性〉
実施例1~3および比較例1~6のはく離ライナー付き光学粘着シートについて、第1はく離ライナー剥離時の第1はく離ライナーの断裂しにくさを評価した。
まず、はく離ライナー付き光学粘着シートごとに、10個の評価用サンプルを作製した。評価用サンプルの作製においては、まず、はく離ライナー付き光学粘着シートの光学粘着シートから第2はく離ライナーを剥離した。次に、当該剥離によって露出した光学粘着シートの露出面を、市販のアルカリガラス板に貼り合わせた。これにより、評価用サンプルを得た。
次に、評価用サンプルごとに、剥離試験を実施した。具体的には、アルカリガラス板上の光学粘着シートから第1はく離ライナーを手作業によって勢いよく剥離した。そして、はく離ライナーの断裂しにくさ(断裂抑制性)について、剥離試験で第1はく離ライナーに切断および裂けのいずれも生じなかった評価用サンプルの数が、0であった場合を“優”と評価し、1~4であった場合を“可”と評価し、5以上であった場合を“不良”と評価した。その評価結果を表1,2に示す。
Figure 2023128155000002
Figure 2023128155000003
X はく離ライナー付き光学粘着シート
H 厚さ方向
10 光学粘着シート
11 第1面
12 第2面
13 シート端面
20,30 はく離ライナー
20a,30a 剥離面
20A,30A 延出端部
21 ハーフカット溝
21a,21b 内壁面
21c 丸底

Claims (6)

  1. 第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する光学粘着シートと、
    前記第1面に剥離可能に接するはく離ライナーとを備える、はく離ライナー付き光学粘着シートであって、
    前記光学粘着シートが、平面視において408.57mm以上の最大長さを有し、
    前記はく離ライナーが延出端部を有し、当該延出端部は、厚さ方向と直交する面方向において前記光学粘着シートのシート端面よりも外方に延出し、
    前記はく離ライナーが、前記厚さ方向に深さを有するハーフカット溝を前記光学粘着シートの前記シート端面に沿って有し、
    前記ハーフカット溝の深さの標準偏差σが10μm以下である、はく離ライナー付き光学粘着シート。
  2. 前記はく離ライナーの厚さに対する前記ハーフカット溝の深さの比率が0.5以下である、請求項1に記載のはく離ライナー付き光学粘着シート。
  3. 前記ハーフカット溝が、前記シート端面と面一の第1内壁面と、当該第1内壁面と前記面方向に対向する第2内壁面と、前記面方向における前記第1内壁面と第2内壁面との間の、曲率半径1μm以上の丸底とを有する、請求項1または2に記載のはく離ライナー付き光学粘着シート。
  4. 前記光学粘着シートが5000mm以上の平面視面積を有する、請求項1から3のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シート。
  5. 前記光学粘着シートの前記第2面に剥離可能に接するはく離ライナーを更に備える、請求項1から4のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シート。
  6. 前記光学粘着シートの前記第2面に接合している基材フィルムを更に備える、請求項1から4のいずれか一つに記載のはく離ライナー付き光学粘着シート。
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