JP2023127807A - エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物、塗料、硬化物、塗膜 - Google Patents

エポキシ樹脂、硬化性樹脂組成物、感光性樹脂組成物、塗料、硬化物、塗膜 Download PDF

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大樹 杉山
Daiki Sugiyama
隼人 小笠原
Hayato Ogasawara
航 深山
Ko Fukayama
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Abstract

【課題】常温で固形であり、色相が良好なビスフェノールF型エポキシ樹脂又はアルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、そのエポキシ樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物ならびに硬化物を提供する。【解決手段】式(1)で示される固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂であって、エポキシ当量が500~5000g/eqであり、全塩素量が1000ppm以下であるエポキシ樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂及びそれを含む硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物を含む
感光性樹脂組成物又は塗料、並びに硬化物及び硬化物を含む塗膜に関する。
エポキシ樹脂は、電気特性、接着性、耐熱性等に優れることから主に塗料分野、土木分
野、電気分野の多くの用途で使用されている。これらの用途で使用されるエポキシ樹脂は
、一般には、硬化剤と共に硬化させることで使用される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂は経済性、入手性および物性のバランスに優れることか
ら、塗料、電気・電子材料、接着剤、CFRP、半導体プロセス材料などの用途において
、広く用いられている。なかでも常温で固形のビスフェノールF型エポキシ樹脂は溶融時
に低粘度であり、且つビスフェノールA型エポキシ樹脂に比べて良好な機械物性であるこ
とから、成形時に流動性が求められる用途や、硬化後に耐屈曲性が求められる用途で用い
られている。
しかしながら、ビスフェノール型エポキシ樹脂は不純物に由来する可視光領域の電磁波
吸収によって、黄色に着色するという問題があった。その結果、製品外面に使用する用途
、例えば塗料用途で用いる際に調色が困難になる恐れがあった。また、半導体プロセスで
用いられるフォトリソグラフィでの露光時に着色成分が原因で硬化不良を誘発し、不良率
が高くなる恐れがあった。
黄色味を少なくする、すなわち色相を良好にするためには、原料エポキシ樹脂を精製し
、塩素不純物を減少させる手法が知られており、例えば、特許文献1では加水分解性塩素
含有量が150ppm以下のビスフェノール型エポキシ樹脂が開示されている。
特許第3579797号
しかしながら、特許文献1に記載のビスフェノール型エポキシ樹脂は全塩素量を既定し
ていないために、色相を要求水準以上に良好にすることができなかった。また、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂に関する記述はあるものの、ゲル化の懸念があるために実際に重
合を達成することができなかった。
そこで本発明は、常温で固形であり、色相が良好なビスフェノールF型エポキシ樹脂又
はアルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、そのエポキシ樹脂を含んでなる硬化性
樹脂組成物ならびに硬化物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記式(1)で示される固
体状のビスフェノール型エポキシ樹脂であって、エポキシ当量が500~5000g/eqであり、
全塩素量が1000ppm以下であるエポキシ樹脂が、上記課題を解決し得ることを見出し、発
明の完成に至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]~[####]に存する。
[1] 下記式(1)で示される固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂であって、エポ
キシ当量が500~5000g/eqであり、全塩素量が1000ppm以下であるエポキシ樹脂。
Figure 2023127807000001
(上記式(1)中、pは平均の繰り返し数であり、1~50の正数である。R1及び/又はR2
水素原子、メチル基のいずれかを示し、各々同一でも異なっていてもよい。)
[2] α-グリコール体量が0.05meq/g以下である、[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3] L*a*b*色空間におけるb*値が2以下である[1]又は[2]に記載のエポキシ樹
脂。
[4] 上記式(1)中、R1及びR2が水素原子である[1]~[3]のいずれかに記載の
エポキシ樹脂。
[5][1]~[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含んでなる硬化性樹
脂組成物。
[6][5]に記載の硬化性樹脂組成物を含む、感光性樹脂組成物。
[7][5]に記載の硬化性樹脂組成物を含む、塗料。
[8][5]に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
[9][8]に記載の硬化物よりなる、塗膜。
本発明によれば、常温で固形であり、色相が良好なビスフェノールF型エポキシ樹脂お
よびアルキル置換ビスフェノールF型エポキシ樹脂、そのエポキシ樹脂を含んでなる硬化
性樹脂組成物ならびに硬化物を提供できる。しかるに、本発明のエポキシ樹脂、硬化性樹
脂組成物及び硬化物は、電気・電子材料、FRP(繊維強化樹脂)、接着剤、塗料及び半
導体プロセス材料等の分野において応用展開が可能である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、
その前後の値を含むものとして用いることとする。
〔エポキシ樹脂〕
本発明の一実施形態であるエポキシ樹脂(以降、単にエポキシ樹脂と称す事もある)は
、式(1)で示される。
Figure 2023127807000002
上記式(1)中、pは平均の繰り返し数であり、0~50の正の整数である。R1及び/又は
R2は水素原子、メチル基のいずれかを示し、各々同一でも異なっていてもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、500~5000g/eqであるが、好ましくは60
0g/eq以上、より好ましくは700g/eq以上、更に好ましくは800g/eq以
上である。エポキシ当量が大きくなるほど、耐ブロッキング性が向上する。
一方、好ましくは5000g/eq以下、より好ましくは4000g/eq以下である
。エポキシ当量が大きくなると、架橋点間距離が長くなり緻密な三次元ネットワーク構造
を形成できず、耐屈曲性が低下する恐れがある。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1000~50000であるが、1500
以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。一方、40000
以下であることがより好ましく、30000以下であることがより好ましい。下限以下で
あると固形樹脂としてハンドリングができなくなる。上限以上であると軟化点が高くなり
、使用時のプロセス適合性が悪くなる恐れがある。
エポキシ樹脂の分子量分布(=重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))の値
の下限値は、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。
一方上限値は、20.0以下であることが好ましく、15.0以下であることがより好ま
しく、10.0以下であることがさらに好ましい。分子量分布の値を前記範囲内に調整す
ることで、再現性良くエポキシ樹脂を合成できる。
なお、エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)はゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。より詳細な
方法の例について後述の実施例において説明する。
エポキシ樹脂の加水分解性塩素量の下限値は0ppm以上が好ましく、10ppm以上が好まし
く、20ppm以上が好ましい。下限値以下を製造するためには精製方法や製造方法に特段の
工夫が必要となり、経済性が損なわれる。一方、上限値は300ppm以下が好ましく、200ppm
以下が好ましく、100ppm以下が特に好ましい。上限値以上ではエポキシ樹脂の色相が悪化
する恐れがある。ただし、加水分解性塩素が上記範囲内であっても良好な色相が得られる
とは限らず、全塩素量を基準として製品を製造することが必要である。
エポキシ樹脂の全塩素量の下限値は0ppm以上が好ましく、100ppm以上が好ましく、200
ppm以上が好ましい。下限値以下を製造するためには精製方法や製造方法に特段の工夫が
必要となり、経済性が損なわれる。一方、上限値は1000ppm以下が好ましく、900ppm以下
が好ましく、800ppm以下が特に好ましい。上限値以上ではエポキシ樹脂の色相が悪化する
なお、塩素量は電位差滴定法により測定することができる。より詳細な方法の例につい
て後述の実施例において説明する。
エポキシ樹脂のαグリコール体量の下限値は0meq/g以上が好ましく、0.005meq/g以上が
より好ましく、0.010meq/g以上が特に好ましい。下限値以下を製造するためには精製方法
や製造方法に特段の工夫が必要となり、経済性が損なわれる。一方、上限値は0.050meq/g
以下が好ましく、0.040mg/gが特に好ましい。上限値以上のαグリコール体を持つエポキ
シ樹脂は塩素量も高い恐れがあり、結果として色相が悪化する。
なお、αグリコール体量は電位差滴定法により測定することができる。より詳細な方法
の例について後述の実施例において説明する。
エポキシ樹脂の性状は23℃での樹脂の状態を、液体、固体で区別した。ハンドリング
性の観点から固体が好ましい。
エポキシ樹脂の色相は後述する実施例での測定方法において、b*値の上限値は2.0以下
が好ましく、1.8以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましい。b*値が上記以上である
と黄色味が強く、光硬化反応の際に不具合が生じる恐れがある。また、YI値の上限値は4.
0以下が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.0以下がさらに好ましい。理由はb*値と同
様である。
〔エポキシ樹脂の製造方法〕
本発明のエポキシ樹脂は低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物とビスフェノール類
の共重合によって製造することができる。
低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物としては、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
、ジメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹
脂等が挙げられる。ビスフェノール類としては、ビスフェノールF、ジメチルビスフェノ
ールF、テトラメチルビスフェノールF等が挙げられる。
低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物は塩素不純物が少ない高純度なものを用いる
ことが好ましい。高純度な低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物を得るためには、粗
エポキシ化合物をアルカリ処理する手法、蒸留する手法等が挙げられる。また、ビスフェ
ノール類をアリルエーテル化した後に酸化反応によってエポキシ化する手法によっても、
高純度な低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物を得られる。経済性と純度のバランス
から、蒸留法が好ましい。
低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物の全塩素量としては1500ppm以下が好ましく
、1400ppm以下が好ましく、1300ppm以下が色相を良好にできる観点で特に好ましい。下限
としては0ppm以上が好ましく、300ppm以上が好ましく、600ppm以上が特に好ましい。塩素
不純物は少ないほど好ましいが、低塩素化するにつれて経済性が悪化するからである。
ビスフェノール類としては2核体純度が高いものを用いることが好ましい。目的とする
エポキシ樹脂の分子量によって、ビスフェノール類に求められる2核体純度は異なるが、
重合時にゲル化しない程度の2核体純度は必須である。
エポキシ樹脂は、低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物とビスフェノール類とを、
触媒共存下において、好適な仕込み比のもと反応させることで得られる。
[触媒(E)]
エポキシ樹脂を製造するための反応工程には触媒(E)を用いてもよい。触媒(E)と
しては、通常、エポキシ樹脂の製法におけるアドバンス法の触媒として用いられるもので
あれば特に制限されない。
触媒(E)としては、例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、
第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム
、塩化リチウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;アルカリ金属フェノキシド、水素化ナトリウ
ム、水素化リチウム等のアルカリ金属の水素化物;酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリ
ウム等の有機酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機リン化合物の具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフ
ィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリ-2,4-キシ
リルホスフィン、トリ-2,5-キシリルホスフィン、トリ-3,5-キシリルホスフィ
ン、トリス(p-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(p-メトキシフェニ
ル)ホスフィン、トリス(p-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p-n
-オクチルフェニル)ホスフィン、トリ(p-n-ノニルフェニル)ホスフィン、トリア
リルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリベンジルホスフィ
ン、トリイソブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-n-オクチ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-n-プロピルホスフィン、ジ-t
-ブチルメチルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、シクロヘキシルジ-tert
-ブチルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジ-n-ブチルフェニルホスフィン
、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフ
ェニルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン
、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラ
メチルホスホニウムアイオダイド、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリ
メチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウム
ブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニ
ウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニ
ウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホ
スホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチ
ルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェ
ニルベンジルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
第3級アミン類の具体例としては、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、ト
リ-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン等が挙
げられる。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テト
ラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリ
エチルメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエ
チルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピル
アンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチ
ルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモ
ニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチル
アンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジ
ルトリブチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド等が
挙げられる。
環状アミン類の具体例としては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデ
セン、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-5-ノネン等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチル
イミダゾール、2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
以上に挙げた触媒(E)は1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒としては第4級アンモニウム塩を使用することが、重合反応を円滑に進行させる点
で好ましい。
触媒(E)を用いる場合、その使用量は通常、低分子量ビスフェノール型エポキシ化合
物の使用量に対して10000重量ppm以下、例えば10~5000重量ppmとする
ことが好ましい。触媒の使用量が10000重量ppmを超えると、エポキシ樹脂中に残
存する触媒がエポキシ基のアニオン重合を誘発するため、貯蔵安定性が著しく低下する。
下限以下では反応が極めて遅く経済性が悪い。
[反応溶媒(F)]
エポキシ樹脂を製造するための反応工程において、反応溶媒(F)を用いてもよい。こ
の反応溶媒(F)としては、原料を溶解するものであれば、どのようなものでもよいが、
通常は有機溶媒である。
有機溶媒としては例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエ
ーテル系溶媒等が挙げられる。芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等が挙げられる。ケトン系溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン
、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、シクロ
ペンタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等が挙げられる。アミド系溶媒の具体
例としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、
アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリド
ン、N-メチルピロリドン等が挙げられる。グリコールエーテル系溶媒の具体例としては
、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙
げられる。
以上に挙げた反応溶媒(F)は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
なお、反応途中で高粘性生成物が生じたときは反応溶媒(F)を更に加えて反応を続け
ることもできる。
<反応条件>
低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物とビスフェノール類との反応は、常圧、加圧
、減圧いずれの条件で行うこともできる。
反応温度は通常、60~240℃、好ましくは80~220℃、より好ましくは100
~200℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすいために好まし
い。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、高純度のエポキシ樹
脂を得る観点から好ましい。
反応時間としては特に限定されないが、通常0.5~24時間であり、好ましくは1~
22時間であり、更に好ましくは1.5~20時間である。反応時間が上記上限以下であ
ると、生産効率向上の点で好ましく、上記下限以上であると、未反応成分を削減できる点
で好ましい。
[希釈溶剤(G)]
エポキシ樹脂は、反応終了後に希釈溶剤(G)を混合して固形分濃度を調整してもよい
。その希釈溶剤(G)としては、通常、エポキシ樹脂を溶解するものであれば、どのよう
なものでもよいが、通常は有機溶剤である。有機溶剤の具体例としては前述の反応溶媒(
F)として挙げたものと同様のものを用いることができる。
なお、本発明において、「溶媒」と「溶剤」という語は、反応時に用いるものを「溶媒
」、反応終了後に用いるものを「溶剤」として用いることとするが、同種のものを用いて
も、異種のものを用いてもよい。
〔硬化性樹脂組成物〕
本発明の一実施形態である硬化性樹脂組成物は、少なくとも前述したエポキシ樹脂と硬
化剤とを含むものである。また、硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ化
合物、硬化促進剤、その他の成分等を適宜配合することができる。
[硬化剤]
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する
物質である。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエ
ポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、
硬化剤とみなすこととする。
硬化性樹脂組成物における硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100重量部に対して好ま
しくは0.1~1000重量部であり、より好ましくは100重量部以下であり、更に好
ましくは80重量部以下であり、特に好ましくは60重量部以下である。
また、エポキシ樹脂以外の後述する他のエポキシ化合物が含まれる場合、硬化剤の含有
量は、固形分としての全エポキシ成分100重量部に対して好ましくは0.1~1000
重量部であり、より好ましくは100重量部以下であり、更に好ましくは80重量部以下
であり、特に好ましくは60重量部以下である。
硬化剤のより好ましい量は、硬化剤の種類に応じてそれぞれ以下に記載する通りである

本明細書において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味し、固体のエポキシ樹脂な
いしはエポキシ化合物のみならず、半固形や粘稠な液状物をも含むものとする。また、「
全エポキシ成分」とは、エポキシ樹脂と後述する他のエポキシ化合物との合計を意味する
硬化剤としては多官能フェノール類、ポリイソシアネート系化合物、アミン系化合物、
酸無水物系化合物及び酸末端ポリエステル樹脂、イミダゾール系化合物、アミド系化合物
、カチオン重合開始剤及び有機ホスフィン類からなる群のうちの少なくとも1つを用いる
ことが好ましい。
多官能フェノール類の例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールZ、テトラブロモビス
フェノールA等のビスフェノール類、4,4’-ビフェノール、3,3’,5,5’-テ
トラメチル-4,4’-ビフェノール等のビフェノール類;カテコール、レゾルシン、ヒ
ドロキノン、ジヒドロキシナフタレン類;及びこれらの化合物の芳香環に結合した水素原
子がハロゲン基、アルキル基、アリール基、エーテル基、エステル基、硫黄、リン、珪素
等のヘテロ元素を含む有機置換基等の非妨害性置換基で置換されたもの等が挙げられる。
更に、これらのフェノール類やフェノール、クレゾール、アルキルフェノール等の単官
能フェノール類とアルデヒド類の重縮合物であるノボラック類、レゾール類等が挙げられ
る。
ポリイソシアネート系化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のポ
リイソシアネート化合物が挙げられる。更に、これらのポリイソシアネート化合物と、ア
ミノ基、水酸基、カルボキシル基、水等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物と
の反応により得られるポリイソシアネート化合物、又は前記のポリイソシアネート化合物
の3~5量体等を挙げることができる。
アミン系化合物の例としては、脂肪族の一級、二級、三級アミン、芳香族の一級、二級
、三級アミン、環状アミン、グアニジン類、尿素誘導体等があり、具体的には、トリエチ
レンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、メタキシレ
ンジアミン、ジシアンジアミド、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-7-ウンデセ
ン、1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)-5-ノネン、ジメチル尿素、グアニル尿素
等が挙げられる。
酸無水物系化合物の例としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水マレイン酸と不飽和化合物の縮合物等が挙げられる。
酸末端ポリエステル樹脂の例としては、酸末端ポリエステル(B)の項で上げられた2
価カルボン酸と2価アルコールとを反応させて得られる重縮合物があげられる。
イミダゾール系化合物の例としては、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、2-
メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチル
イミダゾール、2-フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。なお、
イミダゾール系化合物は後述する硬化促進剤としての機能も果たすが、本発明においては
硬化剤に分類するものとする。
アミド系化合物の例としては、ジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が
挙げられる。
カチオン重合開始剤は、熱又は活性エネルギー線照射によってカチオンを発生するもの
であり、芳香族オニウム塩等が挙げられる。具体的には、SbF6-、BF4-、AsF
6-、PF6-、CF3SO32-、B(C6F5)4-等のアニオン成分とヨウ素、硫
黄、窒素、リン等の原子を含む芳香族カチオン成分とからなる化合物等が挙げられる。特
に、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩が好ましい。
有機ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が例示され、ホス
ホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフ
ェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラ
ブチルボレート等が例示され、テトラフェニルボロン塩としては、2-エチル-4-メチ
ルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルボレ
ート等が例示される。
硬化剤として多官能フェノール類、アミン系化合物、酸無水物系化合物、酸末端ポリエ
ステル樹脂を用いる場合は、硬化性樹脂組成物の全エポキシ基に対する硬化剤中の官能基
(多官能フェノール類の水酸基、アミン系化合物のアミノ基又は酸無水物系化合物の酸無
水物基)の当量比で0.8~1.5の範囲となるように用いることが好ましい。ポリイソ
シアネート系化合物を用いる場合、硬化性樹脂組成物中の水酸基数に対してポリイソシア
ネート系化合物中のイソシアネート基数が、当量比で1:0.01~1:1.5の範囲で
用いることが好ましい。イミダゾール系化合物を用いる場合、硬化性樹脂組成物中の固形
分としての全エポキシ成分100重量部に対して0.5~10重量部の範囲で用いること
が好ましい。アミド系化合物を用いる場合、硬化性樹脂組成物中の固形分としての全エポ
キシ成分とアミド系化合物との合計量に対して0.1~20重量%の範囲で用いることが
好ましい。カチオン重合開始剤を用いる場合、硬化性樹脂組成物中の固形分としての全エ
ポキシ成分100重量部に対し、0.01~15重量部の範囲で用いることが好ましい。
有機ホスフィン類を用いる場合、硬化性樹脂組成物中の固形分としての全エポキシ成分と
有機ホスフィン類との合計量に対して0.1~20重量%の範囲で用いることが好ましい

以上に挙げた硬化剤の他、例えば、メルカプタン系化合物、有機酸ジヒドラジド、ハロ
ゲン化ホウ素アミン錯体等も硬化剤として用いることができる。
これらの硬化剤は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[他のエポキシ化合物]
硬化性樹脂組成物には、上記エポキシ樹脂以外のエポキシ化合物(本明細書において、
「他のエポキシ化合物」と称することがある。)を用いることができる。
他のエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、そ
の他の多官能フェノール型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、上記芳
香族エポキシ樹脂の芳香環を水素添加したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ
樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂
、複素環式エポキシ樹脂等のエポキシ化合物が挙げられる。以上に挙げた他のエポキシ化
合物は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化性樹脂組成物が、上記エポキシ樹脂と他のエポキシ化合物とを含有する場合、エポ
キシ樹脂含有組成物中の固形分としての全エポキシ成分中の他のエポキシ化合物の割合は
、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、一方、好ましく
は99重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下である。他のエポキシ化合物の
割合が上記下限値以上であることにより、他のエポキシ化合物を配合することによる物性
向上効果を十分に得ることができる。一方、他のエポキシ化合物の割合が上記上限値以下
であることにより、エポキシ樹脂による可撓性向上効果を得ることができる。
[溶剤]
硬化性樹脂組成物には、塗膜形成時等の取り扱い時に、エポキ樹脂含有組成物の粘度を
適度に調整するために溶剤を配合し、希釈してもよい。硬化性樹脂組成物において、溶剤
は、硬化性樹脂組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、そ
の使用量には特に制限がない。なお、前述の通り、本発明においては「溶剤」という語と
「溶媒」という語をその使用形態により区別して用いるが、それぞれ独立して同種のもの
を用いても異なるものを用いてもよい。
エポキシ樹脂が含み得る溶剤としては、エポキシ樹脂の製造に用いる反応溶媒(F)と
して例示した有機溶媒の1種又は2種以上を用いることができる。
[その他の成分]
硬化性樹脂組成物には、以上に挙げた成分の他にその他の成分を含有することができる
。その他の成分としては例えば、硬化促進剤(ただし、前記硬化剤に該当するものを除く
。)、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料、
無機充填材、有機充填材等が挙げられる。以上に挙げたその他の成分はエポキシ樹脂含有
組成物の所望の物性により適宜組み合わせて用いることができる。
硬化性樹脂組成物に上記化合物が配合されていることは、エポキシ樹脂組成物の分離精
製を行った後にSEC-MALS法、元素分析法、官能基分析により確認することができ
る。
〔硬化物〕
硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物を得ることができる。ここでいう「
硬化」とは熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂を意図的に硬化させることを意味するも
のであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。
硬化性樹脂組成物を硬化させて硬化物とする際の硬化方法は、硬化性樹脂組成物中の配
合成分や配合量、配合物の形状によっても異なるが、通常、50~200℃で5秒~18
0分の加熱条件が挙げられる。この加熱は50~160℃で5秒~30分の一次加熱と、
一次加熱温度よりも40~120℃高い90~200℃で1分~150分の二次加熱との
二段処理で行うことが、硬化不良を少なくする点で好ましい。
硬化物を半硬化物として製造する際には、加熱等により形状が保てる程度に硬化性樹脂
組成物の硬化反応を進行させればよい。硬化性樹脂組成物が溶剤を含んでいる場合には、
加熱、減圧、風乾等の手法で大部分の溶剤を除去するが、半硬化物中に5重量%以下の溶
剤を残留させてもよい。
硬化物に上記エポキシ樹脂が含まれていることは、この硬化物の赤外分光法により、硬
化物から上記エポキシ樹脂を特定することで確認することができる。
〔用途〕
常温で固形であり、色相が良好なビスフェノールF型エポキシ樹脂およびアルキル置換
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、そのエポキシ樹脂を含んでなる硬化性樹脂組成物なら
びに硬化物に関する。前記エポキシ、硬化性樹脂組成物、硬化物は、色相、電気特性、接
着性、耐熱性、耐屈曲性等に優れることから主に塗料分野、接着分野、土木分野、電気分
野の多くの用途で使用することができ、とりわけ、塗料分野、感光性樹脂組成物において
好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によ
り何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果
の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつもので
あり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値
との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物]
低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物として、以下のA-1~A-2を用いた。
A-1:粗ビスフェノールF型エポキシ化合物(エポキシ当量:169g/eq、全塩素
量:1685ppm、液状)
A-2:高純度ビスフェノールF型エポキシ化合物(エポキシ当量:156g/eq、全
塩素量:1086ppm、蒸留品、液状)
[ビスフェノール類]
ビスフェノール類として市販のビスフェノールF(OH当量:100g/eq、固体)を
用いた。
〔評価方法〕
以下の実施例及び比較例における評価方法は以下の通りである。
[数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)]
実施例及び比較例における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)、ならびに
分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した。GPCの測定に用いた装置及び測定条件は以下の通りである。
装置:GPC
機種:HLC-8120GPC(東ソー製)
カラム:TSKGEL HM-H+H4000+H4000+H3000+H2000
(東ソー製)
検出器:UV-8020(東ソー製)、254nm
溶離液:THF(0.5mL/分、40℃)
サンプル:1%テトラヒドロフラン溶液(10μインジェクション)
検量線:標準ポリスチレン(東ソー製)
[エポキシ当量]
実施例及び比較例におけるエポキシ当量は、JIS K 7236に基づき測定を行っ
た。
[加水分解性塩素]
実施例及び比較例における加水分解性塩素(JISでは易可けん化塩素と称され、主に不
完全な脱塩化水素反応によって残存する1,2-クロルヒドリンとして存在する塩素)は、JI
S K 7243-2に基づき測定を行った。
[全塩素]
実施例及び比較例における全塩素は、JIS K 7243-3に基づき測定を行った。
[αグリコ―ル体]
実施例及び比較例におけるαグリコール体は、JIS K 7146に基づき測定を行った。
[色相]
実施例及び比較例における色相は目視および測色色差計で測定を行い、評価した。
〈目視外観〉
製造で得られたエポキシ樹脂塊を10mmメッシュの篩を通過するように粉砕し、得られた
樹脂粉砕物の外観を観察した。
〈測色色差計〉
樹脂粉砕物30重量部をシクロヘキサノン70重量部に加熱溶解させた後、光路長10mmのセ
ルに投入して測色色差計(日本電色工業、ZE-6000)で測定し、L*a*b*色空間におけるb*
値および、ASTM D1925規格のYI値を確認した。
〈色相総合評価〉
目視外観および測色色差計での測定値を基に総合評価をした。〇であれば実用水準であ
ると判断される。
〇:粉砕物目視外観が無色であり、測色色差計でのb*値が2.0以下、YI値が3.0以下であ
る。
×:粉砕物目視外観が淡黄色であり、測色色差計でのb*値が2.0超、YI値が3.0超である
(比較例、実施例)
表-1に記載の仕込み重量に従い、低分子量ビスフェノール型エポキシ化合物、ビスフ
ェノール類、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)を、反応器に入れ、窒素ガス
雰囲気下165℃で4時間、重合反応を行い、エポキシ樹脂を得た。
得られたエポキシ樹脂について、エポキシ当量、重量平均分子量(Mw)、数平均分子
量(Mn)、加水分解性塩素、全塩素、αグリコール体、色相の測定を行い、表-1にま
とめた。
Figure 2023127807000003
[評価結果]
表-1の実施例及び比較例から分かるように、式(1)で示される固体状のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂であって、エポキシ当量が500~5000g/eqであり、全塩素量が1000ppm
以下であるエポキシ樹脂は色相が極めて良好である。
比較例I-1は塩素不純物の多い粗エポキシ化合物を用いて製造したエポキシ樹脂である
。エポキシ樹脂中の塩素不純物が多く、良好な色相ではなかった。
実施例II-1は適切に精製した塩素不純物の少ないエポキシ化合物を用いて製造したエポ
キシ樹脂である。塩素不純物は少なく、良好な色相であった。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で示される固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂であって、エポキシ当
    量が500~5000g/eqであり、全塩素量が1000ppm以下であるエポキシ樹脂。
    Figure 2023127807000004
    (上記式(1)中、pは平均の繰り返し数であり、1~50の正数である。R1及び/又はR2
    水素原子、メチル基のいずれかを示し、各々同一でも異なっていてもよい。)
  2. α-グリコール体量が0.05meq/g以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. L*a*b*色空間におけるb*値が2以下である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 上記式(1)中、R1及びR2が水素原子である請求項1~3のいずれか1項に記載のエポキ
    シ樹脂。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含んでなる硬化性樹脂
    組成物。
  6. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含む、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を含む、塗料。
  8. 請求項5に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる、硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物よりなる、塗膜。
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