JP2023127785A - 希土類鉄炭素硼素系磁性粉末及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性に優れるとともに磁気特性に優れ、さらに減磁曲線においてクニックが抑制された希土類鉄炭素硼素系磁性粉末、及びその製造方法を提供すること。【解決手段】一般式:Sm2Fe(17-m-n)ComGanCxBy(但し、0.0≦m≦1.0,1.0≦n≦2.0,1.25≦x≦1.75,0.05≦y≦1.00)で表される組成を全体として有し、 菱面体晶系Th2Zn17型化合物からなる主相と、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物を含む副相と、を含む、希土類鉄炭素硼素系磁性粉末。【選択図】図1

Description

本発明は、希土類鉄炭素硼素系磁性粉末及びその製造方法に関する。
永久磁石は、自動車、電化製品、IT機器を始め、幅広い分野で用いられており、現代の産業において欠くことができない。特に永久磁石は、電力を必要とせず磁力を発生できるため、近年の地球温暖化対策や省エネルギーの観点から、その重要性がますます高まっている。
永久磁石の中でも希土類磁石は、磁石の基本特性(磁束密度、保磁力、最大エネルギー積)が、フェライトやアルニコなどの他の磁石を凌駕するほど優れている。特に希土類磁石は、最大エネルギー積(BHmax)が高く、小型で強力な磁石とすることが可能である。そのため部品の小型化及び高性能化の流れに応じて期待が高い。特に近年の電気自動車やハイブリッド自動車の実用化の流れに応じて、その使用量は急増しており、各種磁石の中でも金額ベースでの市場占有率が最も大きい。
希土類磁石の中では、ネオジム磁石がよく知られている。ネオジム磁石は、ネオジム鉄硼素(NdFe14B)系化合物を主相とする磁石であり、現在実用化されている磁石の中で最も高い最大エネルギー積を誇る。そのためネオジム磁石は、焼結磁石やボンド磁石として広範囲に利用されている。しかしながらネオジム磁石は高温環境下で使用することができないとの問題がある。すなわちネオジム磁石はキュリー温度(Tc)が312℃と低く、高温減磁の問題がある。またネオジム磁石は耐酸化性に劣る。すなわち希土類元素は原子番号の順に酸化し易く、軽希土類元素たるネオジム(Nd)を含むネオジム磁石は、メッキなどの表面処理を施さなければ実用に供することは困難である。
ネオジム磁石以外の希土類磁石として、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系化合物やサマリウム鉄炭素(SmFe17)系化合物を用いた磁石が知られている。これらの化合物は、SmFe17の結晶格子間に窒素(N)又は炭素(C)原子が侵入した侵入型化合物である。このうちSmFe17系磁石は、優れた磁気特性、特にキュリー温度(Tc)と保磁力(Hc)が高いという特徴を活かして、ネオジム磁石とともに広く用いられている。SmFe17系磁性粉末は、x=3のときに最も優れた磁気特性を示し、その時のキュリー温度(Tc)は473℃と高い。また異方性磁場(H)が21MA/mと高く、この値はNdFe17B系化合物の3倍以上である。その上、飽和磁化(Ms)が1.57Tと、NdFe17B系化合物に匹敵するほど高い。
しかしながらサマリウム鉄窒素(SmFe17)系化合物は低温で分解しやすいという問題がある。すなわちこの化合物は、窒素(N)量によって異なるが550~700℃程度の温度で分解し始める。そのため焼結磁石にすることが困難であり、ボンド磁石としての利用に留まっている。ボンド磁石は非磁性バインダー樹脂を必須成分にするため、磁束密度(B)及び最大エネルギー積(BHmax)を高める上で限界がある。
これに対してサマリウム鉄炭素(SmFe17)系化合物は、サマリウム鉄窒素(SmFe17)系化合物に比べて熱安定性に優れている。実際、SmFe17系化合物は1000℃以上の高温でも分解しないため、これをボンド磁石のみならず焼結磁石にも適用できる。またSmFe17系化合物は、鉄(Fe)の一部をコバルト(Co)で置換することで、キュリー温度Tcを600℃程度にまで高めることができる。そのため高温減磁が少なく、高温用途の磁石への適用が可能である。したがってSmFe17系化合物は優れたポテンシャルを有する材料と言うことができる。
SmFe17系化合物の合成を開示する文献として、特許文献1及び非特許文献1が挙げられる。特許文献1には、一般式RFe(1-x-y-z)の組成(RはSm等の希土類金属、MはTi等)を有し、かつRFe17型菱面体晶化合物を主相とする希土類磁石材料が開示されている(特許文献1の請求項1及び[0007])。また特許文献1にはこの磁石材料に関して、Nd-Fe-B系永久磁石と同等の磁気特性を確保できるばかりか、キュリー点の上昇により温度特性の大幅な向上を達成できることなどが記載されている(特許文献1の[0038])。
非特許文献1には、SmFe17-xCo化合物について、FeをCoで置換すると、菱面体晶RhZn17型構造(2:17)が安定化されること、Co量xが増えるにつれてキュリー温度が急増するとともに格子定数が小さくなること、SmFe12Co1.25化合物は、室温での飽和磁化μ=1.36T、異方性磁場μ=7.1T、キュリー温度Tc=874K、動作可能最高温度Tmが473Kより高いことなどが記載されている(非特許文献1のAbstract)。
特開平5-25592号公報
Z. Altounian et al., J. Phys.: Condens. Matter 15 (2003) 3315-3322
このようにサマリウム鉄炭素(SmFe17)系化合物は熱安定性が良好であり、優れたポテンシャルを有するものの、従来の技術では高い磁気特性を示す化合物を簡易なプロセスで合成することが困難であった。すなわちこの化合物は炭素量が多いほど、キュリー温度及び磁気異方性が高くなる。しかしながら従来のプロセスでは、十分な量の炭素(C)を結晶格子中に取り込むことができず、磁気特性向上を図る上で限界があった。そのためこの化合物は、その研究例が少なく、本発明者らの知る限り実用化された例はない。
本発明者らは、このような問題点に鑑みて鋭意検討を行った。その結果、熱安定性に優れ且つ高い磁気特性を示すSmFe17系化合物からなる磁性粉末を工業的に利用可能なプロセスを用いて合成する上で、鉄(Fe)の一部をコバルト(Co)とガリウム(Ga)とによって同時に置換することが有効であることを見出した。さらに所定の組成を有するSmFe17系磁性粉末は飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)のみならず角形性にも優れており、磁石の最大エネルギー積(BHmax)を高める上で好適であるとの知見を得た(特願2020-152108号)。
しかしながら、更に調査を進めたところ、このような磁性粉末であって、角形性をさらに改良できる余地のあることが分かった。すなわち従来のSmFe17系化合物では、磁気測定によって得られたヒステリシスループ(M-H曲線)の第2象限(減磁曲線)において、ステップ状の段差(クニック)が僅かに観察される場合があった。このクニックは異相として含まれるα-Fe相に由来すると考えられる。このようなクニックの存在は、減磁曲線の角形性を悪くし、最大エネルギー積を低下させる恐れがある。
このような問題に鑑みて本発明者らが検討を進めた結果、ガリウム(Ga)、またはコバルト(Co)とガリウム(Ga)を含むSmFe17系化合物に更に硼素(B)を加えると、主相の他に鉄(Fe)-硼素(B)系化合物が形成され、これにより減磁曲線によるクニックが抑制されて角形性が向上するとの知見を得た。
本発明は、このような知見に基づき完成されたものであり、熱安定性に優れるとともに磁気特性に優れ、さらに減磁曲線においてクニックが抑制された希土類鉄炭素硼素系磁性粉末、及びその製造方法の提供を課題とする。
本発明は、(1)~(13)の態様を包含する。なお本明細書において、「~」なる表現は、その両端の数値を含む。すなわち「X~Y」は「X以上Y以下」と同義である。
(1)一般式:SmFe(17-m-n)CoGa(但し、0.0≦m≦1.0,1.0≦n≦2.0,1.25≦x≦1.75,0.05≦y≦1.00)で表される組成を全体として有し、
菱面体晶系ThZn17型化合物からなる主相と、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物を含む副相と、を含む、希土類鉄炭素硼素系磁性粉末。
(2)前記m及びnが、0.5≦n/(m+n)≦1.0を満たす、上記(1)の磁性粉末。
(3)前記鉄(Fe)-硼素(B)系化合物が、一般式:FeBで表される組成を有する正方晶系化合物である、上記(1)又は(2)の磁性粉末。
(4)前記副相の含有割合が30体積%以下である、上記(1)~(3)のいずれかの磁性粉末。
(5)前記磁性粉末の平均粒子径D50が5.0μm以下である、上記(1)~(4)のに記載の磁性粉末。
(6)サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる、上記(1)~(5)のいずれかの磁性粉末。
(7)サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる、上記(1)~(5)のいずれかの磁性粉末。
(8)α-Fe相の含有量が5体積%以下である、上記(1)~(7)のいずれかの磁性粉末。
(9)主相、副相、及びα-Fe相以外の異相を含まない、上記(1)~(8)のいずれかの磁性粉末。
(10)前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)が80Wb・m/kg以上であり、且つ保磁力(iHc)が250kA/m以上である、上記(1)~(9)のいずれかの磁性粉末。
(11)前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)が90Wb・m/kg以上であり、且つ保磁力(iHc)が300kA/m以上である、上記(1)~(10)のいずれかの磁性粉末。
(12)前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)に対する残留磁化(Mr)の比(Mr/Ms比)が0.90以上である、上記(1)~(11)のいずれかの磁性粉末。
(13)上記(1)~(12)のいずれかの磁性粉末の製造方法であって、以下の工程; サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、硼素(B)、及び必要に応じてコバルト(Co)を含む原料を準備する工程、
準備した原料を配合する工程、
配合した原料を坩堝又は鋳型に入れた後に、溶解鋳造して鋳塊にする工程、
前記鋳塊に熱処理を施して均質化する工程、及び
均質化した鋳塊を粉砕して粉砕粉にする工程、
を含む、方法。
本発明によれば、熱安定性に優れるとともに磁気特性に優れ、さらに減磁曲線においてクニックが抑制された希土類鉄炭素硼素系磁性粉末、及びその製造方法が提供される。
磁性粉末のヒステリシスカーブの一例を示す(実施例2)。 磁性粉末のヒステリシスカーブの他の一例を示す(実施例3)。 磁性粉末のX線回折プロファイルの一例を示す(実施例2)。 磁性粉末のX線回折プロファイルの他の一例を示す(実施例3)。
本発明の具体的実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
<<1.希土類鉄炭素硼素系磁性粉末>>
本実施形態の希土類鉄炭素硼素系磁性粉末は、一般式:SmFe(17-m-n)CoGa(但し、0.0≦m≦1.0,1.0≦n≦2.0,1.25≦x≦1.75,0.05≦y≦1.00)で表される組成を全体として有する。またこの希土類鉄炭素硼素系磁性粉末は、菱面体晶系ThZn17型化合物からなる主相と、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物を含む副相と、を含む。
本実施形態の希土類鉄炭素硼素系磁性粉末(以下、「磁性粉末」と総称する場合がある)は、一般式:SmFe(17-m-n)CoGaで表される組成を全体として有する。但し、コバルト(Co)量m、ガリウム(Ga)量n、炭素(C)量x、硼素(B)量yは、0.0≦m≦1.0、1.0≦n≦2.0、1.25≦x≦1.75、及び0.05≦y≦1.00の範囲内に限定される。この磁性粉末は、サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(B)を必須成分として含み、場合によってコバルト(Co)を更に含む。またこの磁性粉末は、上述した一般式で表される組成を粉末全体として満足する。すなわち、後述するように、磁性粉末は、菱面体晶系ThZn17型化合物からなる主相と、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物を含む副相と、を含む。そして、主相及び副相を含む粉末の全体組成が上述した一般式を満足する。
本実施形態の磁性粉末は、菱面体晶系ThZn17型化合物からなる主相を含む。ここで主相とは、粉末を構成する2つ以上の相のうち50体積%以上の割合を占める相である。また、この主相は、ガリウム(Ga)、またはコバルト(Co)及びガリウム(Ga)で鉄(Fe)の一部が置換されたSmFe17系化合物を含む。SmFe17系化合物は、SmFe17を基本組成とする化合物のみならず、サマリウム(Sm)、鉄(Fe)及び炭素(C)の一部が他の元素で置換された化合物を包含する。さらに本実施形態の主相化合物は、そのSmと(Fe+Co+Ga)の比が厳密に2:17である必要はない。格子空孔や欠陥の存在により2:17から偏倚することがあり、菱面体晶系ThZn17構造を維持できる限り、そのような偏倚は許容される。
主相化合物たるSmFe17系化合物は、その結晶構造がSmFe17と同一である。SmFe17は、低温では菱面体晶系ThZn17構造を安定相とし、高温では六方晶系ThNi17構造が安定相である。これらの構造はいずれも、希土類磁石材料として知られるSmCoが属する六方晶CaCu構造から派生したと考えることができる。例えばThZn17構造はCaCu構造のRサイト(Smサイト)の1/3をダンベル鉄(Fe-Fe)で規則的に置換したものに相当する。
SmFe17系化合物は、SmFe17の結晶格子間に炭素(C)が侵入した炭素侵入型化合物(合金)である。SmFe17は、Sm-Fe化合物の中で、磁気モーメント(磁化)の担い手となる鉄(Fe)原子を最も多く含み、それ故、潜在的には大きな磁化を示す可能性がある。しかしながら実際には炭素を含まないSmFe17はキュリー温度(Tc)が低く、室温での飽和磁化が小さい。これは結晶格子中でのFe-Fe原子間距離が短すぎて、Fe原子に基づく強磁性的磁気秩序が不安定であるからと考えられている。またSmFe17は、磁気異方性定数Kが負であるため、面内磁気異方性を示す。面内磁気異方性を示す材料では、結晶中ab面内を磁化容易軸が回転するため、高い保磁力(Hc)を得ることができない。このような理由でSmFe17は、これ単独では優れた磁石材料にはならない。
これに対してSmFe17に炭素(C)を加えてSmFe17にすることで、結晶格子が膨張してFe-Fe原子間距離が長くなる。そのため磁気秩序が安定化されて、キュリー温度(Tc)が大幅に上昇する。また加えられた炭素(C)は、鉄(Fe)原子の磁気モーメントやサマリウム(Sm)サイトの結晶場に影響を及ぼす。これに伴い、結晶中c軸方向に磁化容易軸が固定される一軸磁気異方性が発現するとともに、磁気異方性定数の絶対値が大きくなる。このような理由でSmFe17系化合物は、飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)の高い優れた磁石材料になると考えられる。また結晶格子中に取り込まれる炭素(C)量が多いほど、より優れた磁気特性(Ms、Hc、Tc)を得られると期待される。
本実施形態の磁性粉末では、上述した一般式においてコバルト(Co)量mを0.0≦m≦1.0(0.0以上1.0以下)の範囲内に限定する。すなわち磁性粉末や主相がコバルトを含んでもよく(m=0.0)、あるいは含まなくてもよい(0.0<m)。しかしながらコバルトを含む場合には、その量mは1.0以下に限定される。コバルトは、SmFe17系化合物の鉄サイトを占めて、ThZn17結晶構造を安定化させるとともに、キュリー温度(Tc)を高める働きがある。一方でコバルト置換により格子が縮む。そのため、mが1.0を超えるほどコバルト過剰であると、磁気異方性に悪影響を及ぼし、それにより保磁力が低下する恐れがある。本実施形態の磁性粉末には、格子を膨らませる働きのあるガリウム(Ga)が適量含まれている。そのためコバルト量mが1.0以下に限定されていても、キュリー温度が十分に高く、室温で高い飽和磁化を得ることができる。またコバルト量を限定することで、保磁力の低下を防ぐことができる。
本実施形態の磁性粉末では、ガリウム(Ga)量nを1.0≦n≦2.0(1.0以上2.0以下)の範囲内に限定する。ガリウムは、SmFe17系化合物の鉄サイトを占めて、結晶構造を安定化させる働きがある。ガリウム量nが1.0未満であると、結晶構造が不安定になり、SmFe17系化合物が分解する恐れがある。分解によりα-Feなどの異相が生成し、その結果、保磁力(Hc)を始めとする磁気特性が劣化する。よって、nは1.0以上が好ましい。一方でnが2.0を超えると、飽和磁化及び保磁力が低下する。ガリウムは非磁性元素であるためこれが過度に多く含まれると、単位胞あたりの磁気モーメント及びFe-Fe原子間の磁気秩序が弱くなると推察される。よって、nは2.0以下が好ましい。
本実施形態の磁性粉末は、好ましくはコバルト(Co)量m及びガリウム(Ga)量nが0.50≦n/(m+n)≦1.0を満たす。この範囲内であると、磁性粉末の飽和磁化(Ms)と保磁力(Hc)とをバランスよく高めることが可能になる。
本実施形態の磁性粉末では、上述した一般式において炭素(C)量xを1.25≦x≦1.75(1.25以上1.75以下)の範囲内に限定する。炭素には、主相化合物の結晶格子間に侵入してキュリー温度(Tc)及び一軸磁気異方性を高める働きがある。炭素量xが1.25未満であると、キュリー温度が低下して、室温での飽和磁化(Ms)が小さくなる。またxが大幅に低い場合には磁化容易軸が面内異方性をもつようになり、保磁力(Hc)が低下してしまう。一方でxが1.75を超えると、結晶構造が不安定になる。そのためα-Feなどの異相が生成して保磁力が低下する恐れがある。xは1.50以上1.75以下であってもよい。
本実施形態の磁性粉末では、上述した一般式において硼素(B)量yを0.05≦y≦1.00(0.05以上1.00以下)の範囲内に限定する。硼素は、副相として含まれる鉄-硼素系化合物(Fe-B系化合物)を構成する成分である。このFe-B系化合物には、後述するように、磁性粉末の磁化(Ms、Mr)を向上させるとともに、減磁曲線におけるクニックを抑制して角形性を高める働きがある。磁性粉末中に適量の硼素を含ませることで、Fe-B系化合物の含有量を好ましい範囲内に制御できる。硼素量yが0.05未満であると、Fe-B系化合物に基づく効果を十分に活かすことができない。一方でyが1.00を超えると、Fe-B系化合物の割合が過多になったり、あるいは硼素リッチの異相が生成したりして、磁気特性が却って悪化する恐れがある。yは0.25以上0.50以下であってもよい。
本実施形態の磁性粉末は、上述した組成を満足する限り、その主相を構成する化合物(SmFe17系化合物)がサマリウム(Sm)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(硼素)以外の他の元素を含んでいてもよい。例えばサマリウム(Sm)以外に、ネオジム(Nd)やプラセオジウム(Pr)といった希土類元素を主相が含んでもよい。また炭素(C)以外に窒素(N)を含んでもよい。しかしながらサマリウム以外の希土類元素を多量に含むと、主相化合物の一軸磁気異方性が弱くなり、保磁力が低下する場合がある。また窒素を多量に含むと、化合物の熱安定性が劣化する場合がある。したがって磁性粉末に含まれる他の元素は少ないほど好ましい。他の元素の含有量は30原子%以下であってよく、10原子%以下であってよく、5原子%以下であってよく、1原子%以下であってもよく、0.1原子%以下であってもよい。磁性粉末が、サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる組成を有してもよい。また磁性粉末が、サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ガリウム(Ga)、炭素(C)及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる組成を有してもよい。ここで不可避不純物は製造工程上不可避的に混入する成分であり、その量は典型的には1000ppm以下である。
本実施形態の磁性粉末は、主相化合物以外に、副相を含む。ここで副相は、粉末を構成する2つ以上の相のうち50体積%未満の割合を占める相である。この副相は、硼素-鉄系化合物(Fe-B系化合物)を含む。Fe-B系化合部物は、鉄(Fe)と硼素(B)を含む化合物である。好適には、Fe-B系化合物は、一般式:FeBで表される組成を有する正方晶系化合物である。
FeBなどのFe-B系化合物を副相として含ませることで、磁性粉末の飽和磁化(Ms)及び残留磁化(Mr)が向上する。また減磁曲線においてクニックが消失し、それにより角形性が向上する。そのメカニズムの詳細は不明であるが、次のように推測している。すなわち磁性粉末中にα-Fe相などの異相に生成すると、磁性粉末の磁気特性が劣化する。特にα-Fe相は磁気異方性をもたず、軟磁性を示す。このようなα-Fe相が多く含まれると、減磁曲線上にクニックが生じ、磁性粉末の角形性が悪くなる。これに対して、磁性粉末製造時に、Fe-B系化合物を形成させることで、磁気特性劣化をもたらすα-Fe相の生成を抑えることができる。例えば、製造時に余剰の鉄分がα-Feとして存在したとしても、このα-Feが硼素と反応してFe-B系化合物に変化する。そのためα-Fe相の生成が抑えられ、その結果、減磁曲線上のクニックが抑制される。
本実施形態の磁性粉末は、SmFe17系化合物及びFe-B系化合物以外の他の相を副相として含んでもよい。その他の相として、SmFe14C相、α-Fe相、サマリウム炭化物相(Sm3-x相等)、サマリウム鉄炭化物相、及びこれらの相にコバルト(Co)、ガリウム(Ga)及び/又は炭素(C)が固溶した相などが挙げられる。
しかしながら、SmFe17系化合物の優れた磁気特性を十分に生かすため、副相の割合は少ないほど好ましい。磁性粉末中の副相の含有割合は30体積%以下であってよく、10体積%以下であってよく、5体積%以下であってよく、1体積%以下であってよく、0.1体積%以下であってもよい。
特にα-Fe相は、保磁力を低下させる要因となる。したがって、α-Fe相を必要量の硼素と反応させてFe-B系化合物(FeB等)に変化させておくことが好ましい。磁性粉末中のα-Fe相の含有量は、好適には5体積%以下である。ここでα-Fe相は、鉄(Fe)のみからなるものだけでなく、鉄(Fe)にコバルト(Co)やガリウム(Ga)が固溶したものを含む。α-Fe相が多量に形成されると、粉末の保磁力(Hc)や角形性の低下をもたらす恐れがある。α-Fe相の量は、3体積%以下であってよく、1体積%以下であってよい。磁性粉末がα-Fe相を含まなくともよい。なおα-Fe相の含有量は、磁性粉末をX線回折により分析することで求めることができる。また「α-Fe相を含まない」とは、X線回折プロファイルにて、α-Fe相に基づく回折ピークが存在しない、又は存在したとしてもノイズ以下の強度であることを意味する。X線回折分析は、後述する実施例での条件に準じた条件で行う。
本実施形態の磁性粉末は、好ましくは、菱面体晶系ThZn17型化合物(SmFe17系化合物)、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物(Fe-B系化合物)及びα-Fe相以外の異相を含まない。SmFe17系化合物の合成反応が不十分な場合、あるいは炭素(C)量が過剰な場合には、遊離炭素が発生し、この遊離炭素が他の元素と反応して炭化物を形成することがある。このような炭化物が形成されると、SmFe17系化合物を構成する炭素(C)の量が実質的に少なくなる。そのためキュリー温度(Tc)や結晶磁気異方性が低下する結果、飽和磁化(Ms)や保磁力(Hc)といった磁気特性が劣化する恐れがある。したがって、炭化物などの異相を減らすことが好ましい。なお異相の存在は、磁性粉末をX線回折することで確認することができる。また「異相を含まない」とは、X線回折プロファイルにて、異相に基づく回折ピークが存在しない、又は存在したとしてもノイズ以下の強度であることを意味する。
本実施形態の磁性粉末は、好ましくはその平均粒子径(d50)が5.0μm以下である。SmFe17系化合物は、SmFe17系化合物と同様に、ニュークリエーション型の磁化反転機構を有すると考えられる。ニュークリエーション型の機構では、逆磁区の核形成に基づき磁化が反転する。そのため平均粒子径が5.0μmを超えて過度に大きくなると、逆磁区の核が多くなり、保磁力が低下する恐れがある。平均粒子径は3.0μm以下であってよく、2.5μm以下であってよく、2.0μm以下であってもよい。一方で平均粒子径が過度に小さいと、粉砕歪の蓄積や化合物の分解が生じる恐れがあるとともに、極度にサイズが小さい超常磁性粒子の影響を無視し得なくなる。平均粒子径は0.1μm以上であってよく、0.5μm以上であってよい。
本実施形態の磁性粉末は、その飽和磁化(飽和質量磁化;Ms)が80Wb・m/kg(80emu/g)以上であってよく、90Wb・m/kg(90emu/g)以上であってよく、100Wb・m/kg(100emu/g)以上であってよく、110Wb・m/kg(110emu/g)以上であってもよい。このように高い飽和磁化(Ms)を示す磁性粉末は、磁束密度(Ms)が高く磁力の強い磁石を製造するための原料として有用である。
本実施形態の磁性粉末は、その保磁力(Hc)が250kA/m(3.14kOe)以上であってよく、275kA/m(3.46kOe)以上であってよく、300kA/m(3.77kOe)以上であってよく、325kA/m(4.08kOe)以上であってよく、350kA/m(4.40kOe)以上であってもよい。このように高い保磁力(Hc)を示す磁性粉末は、高磁場下で減磁しにくい磁石を製造するための原料として有用である。
好ましい態様では、飽和磁化(Ms)が80Wb・m/kg(80emu/g)以上であり、且つ保磁力(Hc)が250kA/m(3.14kOe)以上である。より好ましい態様では、飽和磁化(Ms)が90Wb・m/kg(90emu/g)以上であり、且つ保磁力(Hc)が300kA/m(3.77kOe)以上である。このように高い飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)を示す磁性粉末は、高磁場下で減磁しにくく且つ強力な磁石、例えば高出力モーター用磁石を製造するための原料として有用である。
本実施形態の磁性粉末は、磁気測定によって得られたヒステリシスループ(M-H曲線)の第2象限(減磁曲線)において、クニック(ステップ状の段差)が観察されないことが好ましい。クニックは、第2象限の印加磁場の絶対値が小さい領域において、α-Fe相などの軟磁性の振る舞いによって生じる。クニックは、減磁曲線の角形性を悪くするため好ましくない。すなわち飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)が高い磁性粉末であっても、角形性が悪いと、この粉末を用いて作製した磁石の最大エネルギー積(BHmax)が小さくなる。最大エネルギー積が小さい磁石は、動作点での磁束密度が低いとともに、磁場変動や寸法変動に伴う磁束密度の変化の度合いが大きく、安定的に動作させることができない。
本実施形態の磁性粉末は、飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)が高いのみならず、クニックが抑制されて角形性に優れている。例えば、角形性の指標となる、残留磁化(Ms)に対する残留磁化(Mr)の比(Mr/Ms比)が0.90(90.0%)以上である。そのためこの粉末を用いて、基本性能(磁束密度、保磁力、最大エネルギー積)に優れた磁石を製造することができる。さらにこの磁性粉末は、高温で分解することがなく、またキュリー温度(Tc)が高い。そのためボンド磁石のみならず焼結磁石の原料として用いることができる。その上、製造後の磁石の熱安定性を良好なものにすることが可能である。したがって磁石用原料として実用上の価値が高い。
特に本実施形態の磁性粉末は、SmFe17系化合物の鉄(Fe)の一部を所定量のガリウム(Ga)、またはコバルト(Co)及びガリウム(Ga)で置換することで、炭素(C)を結晶格子中に効率よく取り込むことができる。そのため異相形成を抑制しつつも炭素量xを高めることができ、その結果、熱安定性に優れるとともに高い磁気特性(飽和磁化、保磁力、角形性)を示す磁性粉末を得ることが可能である。またFe-B系化合物を副相として含ませることで、α-Fe等の異相の生成が抑制され、その結果、磁性粉末の磁気特性、特に飽和磁化及び角形性を向上させることが可能である。実際、本発明者らは、ガリウム(Ga)、またはコバルト(Co)とガリウム(Ga)の置換及びFe-B系化合物の生成により、炭素量xが1.75と高いにも関わらず異相(α-Fe相)が少なく、磁気特性に優れた磁性粉末の合成に成功している。
本発明者らの知る限り、このように高い磁気特性を示すSmFe17系磁性粉末を合成することは知られていない。例えば特許文献1には広範な組成を有するR-Fe-M-C化合物を主相とする希土類磁石材料が開示されているが、異相生成の影響について十分に検討していない。例えば、特許文献1では実施例においてチタン(Ti)とコバルト(Co)を同時に加えて磁石材料を作製することが開示されているが、チタン(Ti)は炭化物を生成し易い成分である(特許文献1の表2(試料番号21~25)及び[0011])。したがって特許文献1の磁石粉末では、異相たる炭化物(TiC)が形成されることで、主相結晶格子中に炭素を十分に取り込むことができないと推察される。その上、特許文献1にはFe-B系化合物の組み込みを示唆する記載はない。
また非特許文献1はSmFe17系化合物についてコバルト(Co)置換を提案するものの、Fe-B系化合物の組み込みを示唆する記載はない。
<希土類鉄炭素系磁性粉末の製造方法>
本実施形態の磁性粉末は、上述した要件を満足する限り、その製造方法は限定されない。しかしながら好適な製造方法は、以下の工程;サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、硼素(B)、及び必要に応じてコバルト(Co)を含む原料を準備する工程(準備工程)、準備した原料を配合する工程(配合工程)、配合した原料を坩堝又は鋳型に入れた後に、溶解鋳造して鋳塊にする工程(溶解鋳造工程)、鋳塊に熱処理を施して均質化する工程(均質化熱処理工程)、及び均質化した鋳塊を粉砕して粉砕粉にする工程(粉砕工程)、を含む。
準備工程では、サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)及び硼素(B)を含む原料を準備する。コバルト(Co)を含む磁性粉末を製造する場合には、原料がコバルトを含んでもよい。原料として、サマリウム、鉄、コバルト、ガリウム、炭素及び硼素のそれぞれを元素形態で含む原料を用いてもよく、あるいはこれらの組み合わせを化合物又は合金の形態で含むものを用いてもよい。例えば溶解鋳造法又は還元拡散法で作製したSm-Fe合金を用いてもよい。また鉄源及び硼素源として硼化鉄(FeB)を用いてもよい。
配合工程では、準備した原料を配合する。原料の配合は、製造後の磁性粉末が所定の組成になるように調整すればよい。ただしサマリウム(Sm)などの揮発し易い成分は、後続する溶解鋳造工程での揮発を見越して過剰になるように配合することが好ましい。例えば、サマリウムを目標組成での必要量に対して5~30質量%過剰になる量で配合してもよい。
溶解鋳造工程では、配合した原料を坩堝又は鋳型に入れた後に、溶解鋳造して鋳塊(インゴット)にする。溶解鋳造は、高周波溶解法やアーク溶解法などの公知の手法で行えばよい。またその条件も、原料が十分に溶解して鋳塊になるように適宜設定すればよい。
必要に応じて、鋳塊の表面に研削加工などの加工処理を施して、表面変質層を除去する工程(加工処理工程)を設けてもよい。鋳造後の鋳塊の表面には酸化物層などの表面変質層が存在することがある。このような表面変質層は、製造後の磁性粉末の特性を劣化させる原因になるため、これを除去することが望ましい。加工処理は、表面変質層を除去できる限り限定されず、例えば研削加工や研磨加工が挙げられる。また加工処理は、溶解鋳造工程の直後に行ってもよく、あるいは後述する均質化熱処理後に行ってもよい。
均質化熱処理工程では、得られた鋳塊に熱処理(均質化熱処理)を施して均質化する。鋳造後の鋳塊では、成分が偏析して、組成や組織が不均一になっている場合がある。不均一な組成や組織は、製造後の磁性粉末の特性を劣化させる原因になる恐れがある。鋳塊に均質化熱処理を施すことで、組成及び組織の均質化を図ることができる。均質化熱処理は、例えばアルゴン(Ar)ガスなどの不活性雰囲気下1000~1200℃の温度で8~192時間行えばよい。
粉砕工程では、均質化した鋳塊を粉砕して粉砕粉にする。先述したようにSmFe17系化合物は、その磁化反転機構がニュークリエーション型である。そのため微細な粉末にすることで保磁力(Hc)が高くなる。粉砕は公知の手法で行えばよい。例えば鋳塊を粗粉砕し、得られた粗粉砕粉を微粉砕する手法が挙げられる。粗粉砕は、乳鉢、ジョークラッシャー及び/又はスタンプミルなど公知の破砕機を用いて行えばよい。また微粉砕は、ボールミル、振動ミル及び/又はアトライタなどの公知の粉砕機を用いて、乾式及び/又は湿式で行えばよい。
ただし鋳塊や粉砕粉には、酸化しやすいサマリウム(Sm)や鉄(Fe)成分が含まれている。そのため粉砕工程は、アルゴン(Ar)ガスの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。また保磁力の高い粉末を得るためには、微細な粉砕粉を得るように粉砕条件を設定することが好ましい。具体的には粉砕粉の平均粒子径(d50)が5.0μm以下になるまで粉砕することが好ましい。さらに粉砕歪を取り除く目的で、粉砕粉に熱処理を施してもよい。
このようにして本実施形態の磁性粉末を製造することができる。製造後の磁性粉末は、熱安定性が良好であるととともに磁気特性に優れている。そのためこの磁性粉末を用いて、熱安定性が良好で且つ基本性能に優れる磁石を製造することができる。
<ボンド磁石>
本実施形態の磁性粉末は、それ自体の磁気特性が優れている。したがってこの粉末は、磁性粉末の特性が直接反映されるボンド磁石を製造するための原料として好適である。特にこの磁性粉末は飽和磁化(Ms)及び保磁力(Hc)のみならず角形性に優れている。そのため最大エネルギー積(BHmax)の高いボンド磁石を得ることができる。ボンド磁石は、磁性粉末と樹脂バインダーとを混合してコンパウンドを作製し、得られたコンパウンドを成形して作製する。また樹脂バインダーの種類に応じて、成型体に硬化処理を施してもよい。
樹脂バインダーは熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってよい。熱可塑性樹脂系バインダーの種類は特に限定されない。例えば、6ナイロン、6-6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、6-12ナイロン、芳香族系ナイロン、これらの分子を一部変性、または共重合化した変性ナイロン等のポリアミド樹脂、直鎖型ポリフェニレンサルファイド樹脂、架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、セミ架橋型ポリフェニレンサルファイド樹脂、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合樹脂、アイオノマー樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、メタクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂、エチレン-四フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化エチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリルエーテルアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、前出の各樹脂系エラストマー等が挙げられる。またこれらの単重合体や他種モノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、他の物質での末端基変性品などが挙げられる。さらに熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
樹脂バインダーの配合量は、特に制限されるものではないが、コンパウンド100質量部に対して1~50質量部が好ましい。1質量部より少ないと著しい混練トルクの上昇、流動性の低下を招いて成形困難になるだけでなく、磁気特性が不十分になることがある。一方で50質量部よりも多いと、所望の磁気特性が得られないことがある。樹脂バインダーの配合量は、3~50質量部であってよく、5~30質量部であってよく、7~20質量部であってよい。
コンパウンドには、反応性希釈剤、未反応性希釈剤、増粘剤、滑剤、離型剤、紫外線吸収剤、難燃剤や種々の安定剤などの添加剤、充填材を配合することができる。また求められる磁気特性に合わせて、本実施形態の磁性粉末以外の他の磁性粉末を配合してもよい。他の磁性粉末として通常のボンド磁石に用いるものを採用することができ、例えば希土類磁石粉、フェライト磁石粉及びアルニコ磁石粉などが挙げられる。
磁性粉末と樹脂バインダーとを混合する際には、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、ニーダールーダー、単軸押出機、二軸押出機等の混練機を用いて溶融混練すればよい。またコンパウンドの成形は、射出成形、押出成形又は圧縮成形により行えばよい。
ボンド磁石は異方性磁石であってよく、あるいは等方性磁石であってもよい。しかしながら最大エネルギー積がより高い異方性磁石が好ましい。異方性ボンド磁石を作製する場合には、成形機の金型に磁気回路を組み込み、コンパウンドの成形空間(金型キャビティ)に配向磁場がかかるようして成形する。一方で配向磁場をかけなければ、等方性ボンド磁石が得られる。
<焼結磁石>
本実施形態の磁性粉末は磁気特性のみならず耐熱性に優れる。特にこの粉末は1000℃以上の高温でも分解しない。そのため焼結磁石を製造するための原料として好適である。焼結磁石は、磁性粉末を成形し、得られた成型体を焼結して作製する。成形性を改善するために、磁性粉末にステアリン酸などの潤滑剤(成形助剤)を加えてもよい。また焼結性を改善するために焼結助剤を加えてもよい。
磁性粉末の成形は、射出成形、押出成形及び圧縮成形などの公知の手法で行えばよい。異方性磁石を作製する場合には、ボンド磁石と同様に、成形機の金型に磁気回路を組み込み、成形空間に配向磁場がかかるようして成形すればよい。また緻密化を図るために、得られた成型体に静水圧加圧成形(CIP)を施してもよい。
焼結は、常圧焼結、ホットプレス(HP)及び熱間等方圧加圧(HIP)などの公知の手法を用いて、不活性ガス又は真空中で成型体が緻密になるまで行えばよい。焼結が不足すると、焼結体の密度が高まらず、磁束密度(B)及び最大エネルギー積(BHmax)の高い磁石を得ることができない。一方で焼結が過度に進行すると、焼結体中の結晶粒子が粗大化して、保磁力が低下する恐れがある。したがって結晶粒子が過度に粗大化しない範囲で緻密な焼結体が得られる条件を選択すればよい。
本実施形態のボンド磁石や焼結磁石は、熱安定性が良好であるとともに、磁石の基本特性(磁束密度、保磁力、最大エネルギー積)に優れている。そのため自動車、一般家電製品、通信・音響機器、医療機器、一般産業機器等に至る幅広い分野において極めて有用である。
[例1~6]
(1)磁性粉末の作製
まず、原料として、金属サマリウム(Sm)、金属鉄(Fe)、金属コバルト(Co)、金属ガリウム(Ga)、炭素(C)及び硼化鉄(FeB)を準備し、これらを所定の配合量となるように秤量した。この際、炭素として粗粒(>1mm)を用い、硼化鉄として粗粉末(<850μm)を用いた。また仕込組成はサマリウム(Sm)の揮発を考慮してSmが15%過剰に含まれる組成にした。秤量した原料から高周波溶解法によりφ12mm×80~100mmLの大きさのSm-Fe-Co-Ga-C-B合金鋳塊を作製した。次いで均質化を目的として、得られた鋳塊をアルゴン(Ar)雰囲気下1080℃×50時間の条件で熱処理(均質化熱処理)した。均質化熱処理後に、鋳塊の外径がφ10.5mmになるまで表面を研削して、酸化物層などの表面変質層を除去した。
続いてアルゴン(Ar)雰囲気のグローブボックス中で、表面研削した鋳塊を鉄製乳鉢で粗粉砕し、その後、ふるいがけして粒径45~250μmの粗粉末を得た。得られた粗粉末に分散剤としてステアリン酸を適量加えてボールミル粉砕した。ボールミル粉砕は、遊星型ボールミル装置を用いて、自転及び公転回転数600rpmの条件で60分間行った。また粉砕メディアとしてφ5mmのジルコニアボールを、溶媒としてヘプタンを用いた。これによりSm-Fe-Co-Ga-C-B粉末(磁性粉末)を得た。
(2)磁性粉末の評価
例1~6で得られた磁性粉末につき、各種特性の評価を以下に示すとおりに行った。
<組成>
磁性粉末の組成をICP発光分析法により調べた。
<平均粒子径>
磁性粉末の平均粒子径(d50)をレーザー回折法により測定した。具体的にはレーザー回折式乾式粒度分布測定装置(Sympatec社、HELOS&RODOS)を用いて、体積粒度分布における50%累積径を求めた。
<結晶相>
磁性粉末をX線回折(XRD)法により分析してX線回折プロファイルを求め、このX線回折プロファイルを用いて粉末中の結晶相を調べた。分析条件は、以下のとおりにした。
‐X線回折装置:Rigaku SmartLab
‐線源:CuKα
‐管電圧:45kV
‐管電流:200mA
‐スキャン速度:8°/分
‐スキャン範囲(2θ):20~120°
またX線回折プロファイルをリートベルト法により解析して、粉末中のα-Fe相の量を求めた。
<磁気特性>
磁性粉末の磁気特性(飽和磁化、残留磁化及び保磁力)を測定した。測定は、ボンド磁石試験方法ガイドブックBMG-2005(日本ボンド磁性材料協会)に則り、振動試料型磁力計(理研電子株式会社、VSM)を用いて行った。まずグローブボックス内のアルゴン(Ar)雰囲気下において20mg程度の磁性粉末をデルリン製カプセル(内径6mm(外径7mm)×高さ5.5mm)に入れて、このカプセルをホットプレートに載せた。次にパラフィンを溶かしながらカプセル上限まで入れて、カプセルの蓋をしてから冷却した。グローブボックス外でカプセルを再度ホットプレートに載せてパラフィンを溶かし、カプセルの水平方向に18MA/mの磁場を印加して粉末を磁場配向させた。粉末が配向した後に冷却してパラフィンを固めて測定試料を作製した。6.4MA/mの磁場中で着磁した後に、測定試料をVSMのロッド先端にセットし、最大印加磁場1.6MA/mの条件で磁化曲線(ヒステリシスカーブ)を描かせた。得られたヒステリシスカーブから、飽和磁化(Ms)、残留磁化(Mr)及び保磁力(Hc)を読み取った。また飽和磁化と残留磁化より、Mr/Ms比を求めた。なお各例において、磁性粉末から取り出した3点のサンプルにつき磁気特性(飽和磁化、残留磁気、保磁力、及びMr/Ms比)を求め、その平均値をそれぞれの磁気特性とした。また、ヒステリシスカーブ(M-H曲線)の第2象限(減磁曲線)において、ステップ状の段差(クニック)が観察されるか否かを目視にて判別した。
(3)評価結果
例1~6について磁性粉末の特性を表1に示す。ここで例3及び例5が比較例サンプルであり、それ以外が実施例サンプルである。
表1の例1~例3及び例6は、鉄(Fe)の一部をガリウム(Ga)のみで置換した場合について、硼素(B)の添加効果を調べた結果を示している。
ガリウム(Ga)組成nを2.0に固定した例1~3を比較する。硼素量(y)がゼロの比較例サンプル(例3)は、飽和磁化Msが103.6Wb・m/kg、残留磁化Mrが93.9Wb・m/kgであるのに対して、硼素量y=0.25および0.50の実施例サンプル(例1および例2)は、飽和磁化Msがそれぞれ105.2Wb・m/kg、105.4Wb・m/kg、残留磁化Mrが97.8Wb・m/kg、97.7Wb・m/kgとなっていた。このことから、硼素を含まない例3に比べて、硼素を含む例1及び例2の方が、磁化(Ms、Mr)が高くなることが分かった。また、飽和磁化Msに対する残留磁化Msの比、すなわちMr/Msは、例1~3のいずれも90%を超えた。しかしながら、硼素量y=0.25および0.50の実施例サンプル(例1および例2)の方が例3より高い値を示した。
上記の磁気特性の違いを、図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、例2と例3のM-H曲線である。例3のM-H曲線(図2)の第2象限にはステップ状の段差(クニック)が見られるのに対して、例2のM-H曲線(図1)ではクニックが観察されない。M-H曲線の見かけから、クニックが残留磁化Mrを低下させていることは容易に想像がつく。さらに、クニックの原因となる生成相は、飽和磁化Msや保磁力Hcにも悪影響を与えると考えられる。
クニックの原因については、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4は、例2と例3のX線回折プロファイルである。硼素(B)を添加していない例3のX線回折プロファイル(図4)ではα-Fe相が観察された。これに対して、硼素(B)を添加した例2のX線回折プロファイル(図3)ではα-Fe相は観察されずにFeB相が観察された。FeB相はα-Fe相と比較して軟磁性としての振る舞いが弱いと考えられるため、例2のM-H曲線においてクニックが観察されない結果につながったと解釈される。さらに、このようなα-Fe相の抑制は、飽和磁化Msの向上にも寄与していると考えられる。なお、保磁力については、例1~3のいずれにおいても350kA/m超である。また、リートベルト解析の結果、例1および例2のサンプルは、異相たるα-Fe相の量が1体積%以下と少なかったが、例3では5体積%超と多かった。
ガリウム(Ga)の組成をn=1.0とした例6でも、硼素量y=0.25の実施例サンプル(例6)のM-H曲線にはクニックが観察されなかった。また、飽和磁化Ms、残留磁化Mrは、上記の実施例サンプル(例1、2)と同等であった。なお、保磁力は300kA/m超を示した。
表1の例4及び例5は、鉄(Fe)の一部を、コバルト(Co)及びガリウム(Ga)で置換(m=1.0、n=2.0)した場合について、硼素(B)の添加効果を調べた結果を示している。硼素量(y)がゼロの比較例サンプル(例5)のM-H曲線にはクニックが観察されたが、硼素量y=0.5の実施例サンプル(例4)ではクニックが観察されなかった。また、両サンプルの磁気特性に関して、飽和磁化Msは同等であったものの、残留磁化Mrおよび保磁力は、硼素量y=0.5の実施例サンプル(例4)のほうが高い値であった。そして、Mr/Msは実施例サンプル(例4)のみが90%超であった。
以上の結果より、本実施形態によれば、熱安定性に優れるとともに磁気特性に優れ、さらに減磁曲線においてクニックが抑制された希土類鉄炭素硼素系磁性粉末、及びその製造方法が提供されることを理解できる。
Figure 2023127785000002

Claims (13)

  1. 一般式:SmFe(17-m-n)CoGa(但し、0.0≦m≦1.0,1.0≦n≦2.0,1.25≦x≦1.75,0.05≦y≦1.00)で表される組成を全体として有し、
    菱面体晶系ThZn17型化合物からなる主相と、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物を含む副相と、を含む、希土類鉄炭素硼素系磁性粉末。
  2. 前記m及びnが、0.5≦n/(m+n)≦1.0を満たす、請求項1に記載の磁性粉末。
  3. 前記鉄(Fe)-硼素(B)系化合物が、一般式:FeBで表される組成を有する正方晶系化合物である、請求項1又は2に記載の磁性粉末。
  4. 前記副相の含有割合が30体積%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  5. 前記磁性粉末の平均粒子径D50が5.0μm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  6. サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  7. サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、及び硼素(B)を含み、残部不可避不純物からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  8. α-Fe相の含有量が5体積%以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  9. 菱面体晶系ThZn17型化合物、鉄(Fe)-硼素(B)系化合物及びα-Fe相以外の異相を含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  10. 前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)が80Wb・m/kg以上であり、且つ保磁力(iHc)が250kA/m以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  11. 前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)が90Wb・m/kg以上であり、且つ保磁力(iHc)が300kA/m以上である、請求項1~10のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  12. 前記磁性粉末の飽和磁化(Ms)に対する残留磁化(Mr)の比(Mr/Ms比)が0.90以上である、請求項1~11のいずれか一項に記載の磁性粉末。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の磁性粉末の製造方法であって、以下の工程;
    サマリウム(Sm)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、炭素(C)、硼素(B)、及び必要に応じてコバルト(Co)を含む原料を準備する工程、
    準備した原料を配合する工程、
    配合した原料を坩堝又は鋳型に入れた後に、溶解鋳造して鋳塊にする工程、
    前記鋳塊に熱処理を施して均質化する工程、及び
    均質化した鋳塊を粉砕して粉砕粉にする工程、
    を含む、方法。
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