JP2023127679A - 発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】発振器の小型化を妨げずに発振器に必要な容量を実現できる発振器の提供。【解決手段】発振器4は、振動子10と、振動子10を発振させる発振回路30を有する発振用の集積回路装置20と、振動子10を加熱する発熱用の集積回路装置200を含む。発熱用の集積回路装置200は、振動子10を加熱する発熱トランジスターTRと、第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極を有するMIMキャパシターCM1と、MIMキャパシターCM1の第1電極に接続されたパッドPM1を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、発振器等に関する。
従来より、発熱トランジスターを設けた集積回路装置を備えた恒温槽型発振器が知られている。例えば特許文献1には、パッドから拡散層への電流が、ビアを介して最短経路で流れるレイアウト配置とすることで、エレクトロマイグレーションによる断線の可能性を低減させる発熱トランジスターを備えた発振器が開示されている。
特開特開2015-122219号公報
従来技術においては、発振器に必要な種々のキャパシターをディスクリート部品で構成する必要があった。このため発振器全体の小型化を阻害するという課題があった。
本開示の一態様は、振動子と、前記振動子を発振させる発振回路を有する発振用の集積回路装置と、前記振動子を加熱する発熱用の集積回路装置と、を含み、前記発熱用の集積回路装置は、前記振動子を加熱する発熱トランジスターと、第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極を有するMIMキャパシターと、前記MIMキャパシターの前記第1電極に接続されたパッドと、を含む発振器に関係する。
本実施形態の発振器の構成例。 本実施形態の発振器の他の構成例。 本実施形態の発振器の詳細な第1構成例。 本実施形態の発振器の詳細な第2構成例。 本実施形態の発振器の詳細な第3構成例。 発熱用の集積回路装置のレイアウト配置例。 発熱用の集積回路装置のレイアウト配置例。 MIMキャパシター、発熱トランジスター、パッドの断面構造を示す模式的な断面図。 発熱トランジスターの模式的なレイアウト配置例。 本実施形態の発振器の詳細な第4構成例。 発熱トランジスターのヒーター制御の説明図。 PDM信号の説明図。 第1温度補償処理を行う温度補償回路の構成例。 第2温度補償処理を行う処理回路、クロック信号生成回路の構成例。 発振器のモード設定や感度設定についての説明図。 ジッタークリーニング回路の構成例。 発振器の構造例。 発振器の構造例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲の記載内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが必須構成要件であるとは限らない。
1.発振器
図1に本実施形態の発振器4の構成例を示す。本実施形態の発振器4は、振動子10と、振動子10を発振させる発振回路30を有する発振用の集積回路装置20と、振動子10を加熱する発熱用の集積回路装置200を含む。本実施形態では、これらの振動子10、発振用の集積回路装置20、発熱用の集積回路装置200が、例えばパッケージに収容されて発振器4が構成される。
振動子10は、電気的な信号により機械的な振動を発生する素子である。振動子10は、例えば水晶振動片などの振動片により実現できる。例えば振動子10は、カット角がATカットやSCカットなどの厚みすべり振動する水晶振動片、音叉型水晶振動片、又は双音叉型水晶振動片などにより実現できる。例えば振動子10は、恒温槽を備える恒温槽型水晶発振器(OCXO)に内蔵されている振動子である。なお本実施形態の振動子10は、例えば厚みすべり振動型、音叉型又は双音叉型以外の振動片や、水晶以外の材料で形成された圧電振動片などの種々の振動片により実現することも可能である。例えば振動子10として、SAW(Surface Acoustic Wave)共振子や、シリコン基板を用いて形成されたシリコン製振動子としてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子等を採用することも可能である。
集積回路装置20、200は、IC(Integrated Circuit)と呼ばれる回路装置である。例えば集積回路装置20、200は、半導体プロセスにより製造されるICであり、半導体基板上に回路素子が形成された半導体チップである。
振動子10は集積回路装置20に電気的に接続されている。例えば振動子10、集積回路装置20、200を収納するパッケージの内部配線等を用いて、振動子10と集積回路装置20は電気的に接続されている。そして集積回路装置20は発振回路30を含む。
発振回路30は振動子10を発振させる回路である。例えば発振回路30は、振動子10を発振させることで発振信号を生成する。発振信号は発振クロック信号である。例えば発振回路30は、振動子10の一端及び他端に電気的に接続される発振用の駆動回路と、キャパシターや抵抗などの受動素子により実現できる。駆動回路は、例えばCMOSのインバーター回路やバイポーラートランジスターにより実現できる。駆動回路は、発振回路30のコア回路であり、駆動回路が、振動子10を電圧駆動又は電流駆動することで、振動子10を発振させる。発振回路30としては、例えばインバーター型、ピアース型、コルピッツ型、又はハートレー型などの種々のタイプの発振回路を用いることができる。また発振回路30には、可変容量回路が設けられ、この可変容量回路の容量の調整により、発振周波数を調整できるようになっている。可変容量回路は、例えばバラクターなどの可変容量素子により実現できる。例えば可変容量回路は、温度補償電圧に基づいて容量が制御される可変容量素子により実現できる。或いは可変容量回路を、キャパシターアレイと、キャパシターアレイに接続されるスイッチアレイとにより実現してもよい。この場合にはスイッチアレイが含む複数のスイッチを例えばデジタルの制御信号によりオン又はオフにすることで、可変容量回路の容量を制御する。なお本実施形態における接続は電気的な接続である。電気的な接続は、電気信号が伝達可能に接続されていることであり、電気信号による情報の伝達が可能となる接続である。電気的な接続は受動素子等を介した接続であってもよい。
発熱用の集積回路装置200は、発熱トランジスターTRと、MIMキャパシターCM1と、パッドPM1を含む。発熱トランジスターTRは、振動子10を加熱するトランジスターである。MIMキャパシターCM1は、第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極を有するMIM(Metal-Insulator-Metal)構造のキャパシターである。パッドPM1は、MIMキャパシターCM1の端子である第1電極に接続される。
発熱トランジスターTRは、高電位側電源ノードであるVCCノードと、低電位側電源ノードであるGNDノードとの間に設けられ、温度制御信号GCに基づいてゲート電圧が制御される。なお本実施形態ではグランドを、適宜、GNDと記載する。GNDはVSSとも呼ぶことができる。グランド電圧は例えば接地電位である。発熱トランジスターTRは例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)のトランジスターであり、具体的には例えばn型のMOSトランジスターである。また発熱トランジスターTRは、後述の図9で説明するように複数のトランジスターにより構成される。複数のトランジスターは、発熱トランジスターTRのドレインとソースの間に並列に設けられ、複数のトランジスターのゲートに温度制御信号GCが入力される。温度制御信号GCは例えば集積回路装置200の外部から入力される。なお温度制御信号GCを集積回路装置200の内部で生成するようにしてもよい。
また集積回路装置200は図1に示すように電流制限抵抗RLを含む。電流制限抵抗RLは、高電位側電源ノードであるVCCノードと発熱トランジスターTRのドレインとの間に設けられる。発熱トランジスターTRのソースは、低電位側電源ノードであるGNDノードに接続される。電流制限抵抗RLは例えば拡散層により構成される。電流制限抵抗RLは、例えば発熱トランジスターTRのドレインを構成する拡散層と同じ拡散層により構成できる。なお電流制限抵抗RLをポリシリコン層等により構成する変形実施も可能である。電流制限抵抗RLは、VCCの電源投入等による起動時においてVCCのノードからの過電流が発熱トランジスターTRに流れるのを制限する抵抗として用いられる。例えば発熱トランジスターTRのドレイン電圧をVDRとし、電流制限抵抗RLの抵抗値をRとした場合に、起動時には、電流制限抵抗RLにより、発熱トランジスターTRに流れる電流がIL=(VCC-VDR)/Rに制限される。一例として、VCCが3.0Vであり、ドレイン電圧VDRが0.5Vであり、電流制限抵抗RLの抵抗値が2.5Ωである場合には、発熱トランジスターTRに流れる電流が例えば1A程度に制限される。そして電源投入等による起動後、温度制御信号GCに基づいて発熱トランジスターTRの定常状態の発熱制御が行われるまでの間は、電流制限抵抗RLに電流が流れることによるジュール熱がヒーターICである集積回路装置200の支配的な熱となる。一方、温度制御信号GCに基づいて発熱トランジスターTRの定常状態の発熱制御が行われると、VCCから電流制限抵抗RL及び発熱トランジスターTRを介してグランドに流れる電流が、例えば0.1A~0.3A程度の電流に制御される。これにより発熱トランジスターTRにオン電流が流れることによるジュール熱がヒーターICである集積回路装置200の支配的な熱になる。
MIMキャパシターCM1は、絶縁層を2つの金属の電極により挟み込んだMIM構造のキャパシターである。MIM構造のキャパシターは、少ない面積で大きな容量を得ることができる薄膜のキャパシターであり、高い容量密度を実現できる。具体的にはMIMキャパシターCM1は、第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極と、第1電極と第2電極の間に設けられる絶縁層を有する。第1金属層は、第2金属層の上層又は下層の金属層であり、第1金属層及び第2金属層は例えばアルミ等の金属層である。そして図1では、MIMキャパシターCM1の第1電極は、パッドPM1に電気的に接続され、MIMキャパシターCM1の第2電極は、GNDノードに電気的に接続される。なお第2電極は、GNDとは異なる電位のノードに接続されてもよい。
パッドPM1は、半導体チップである集積回路装置200の端子である。例えばパッド領域では、絶縁層であるパッシベーション膜から金属層が露出しており、この露出した金属層により集積回路装置200の端子であるパッドが構成される。
図2に本実施形態の集積回路装置200の他の構成例を示す。図1ではMIMキャパシターCM1の第1電極だけがパッドPM1に接続されていたが、図2ではMIMキャパシターCM1の第1電極がパッドPM1に接続され、MIMキャパシターCM1の第2電極がパッドPM1Bに接続されている。即ちMIMキャパシターCM1の両端の各電極が各パッドに接続されている。このようにすることで、図1に比べて更に汎用性の高いMIMキャパシターCM1の提供が可能になる。
以上のように本実施形態の発振器4は、振動子10を発振させる発振回路30を有する発振用の集積回路装置20と、振動子10を加熱する発熱トランジスターTRを有する発熱用の集積回路装置200とが設けられる。このようにすれば、発振用の集積回路装置20の発振回路30により振動子10を発振させて、発振信号に基づくクロック信号を生成できると共に、発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRにより振動子10を加熱することで、例えば振動子10を一定の温度に維持しながら発振させることが可能になる。振動子10が一定の温度に維持されることで、環境温度の変動が原因で振動子10の発振周波数が変動してしまうのを抑制できるようになる。
そして本実施形態では、このような発熱用の集積回路装置200に対して、内蔵のキャパシターであるCM1を設けている。即ち、発熱用の集積回路装置200に、MIMキャパシターCM1を設けると共に、MIMキャパシターCM1の第1電極に接続されるパッドPM1を設けている。このようにすれば、発振器4において、キャパシターの容量が必要なノードがある場合に、そのノードに発熱用の集積回路装置200のパッドPM1を接続することで、集積回路装置200に設けられるMIMキャパシターCM1を、そのノードに必要な容量として使用できるようになる。この場合にMIMキャパシターCM1は、例えば発熱用の集積回路装置200での発熱トランジスターTRの配置領域を有効活用して形成できる。従って、発振器4の小型化を阻害することなく、キャパシターの容量が必要なノードに、MIMキャパシターCM1の容量を利用できるようになる。特にMIM構造のキャパシターは、集積回路装置200のチップ面積がそれほど大きくなくても、大容量のキャパシターを実現できるというメリットがある。
また本実施形態の比較例の手法として、発振器4において容量が必要なノードに対して、ディスクリート部品のキャパシターを接続する手法が考えられる。例えば発振器4のパッケージの外側面に実装されるディスクリート部品のキャパシターや、発振器4が実装される回路基板に実装されるディスクリート部品のキャパシターを用いる手法である。しかしながら、この比較例の手法では、ディスクリート部品のキャパシターが外気の温度の影響を受けてしまい、環境温度の変化により容量が変動してしまうという問題が発生する。これに対して本実施形態では、MIMキャパシターCM1は、発熱トランジスターTRにより温度が一定に保たれる発熱用の集積回路装置200に設けられる。従って、環境温度の変化による容量の変動が抑制されたMIMキャパシターCM1を、発振器4において容量が必要なノードに対して接続することが可能になる。またMIMキャパシターCM1は、発熱用の集積回路装置200に内蔵されるため、ディスクリート部品の削減に繋がり、発振器4の低コスト化も図れるようになる。
2.詳細な構成例
図3に本実施形態の発振器4の詳細な第1構成例を示す。なお本実施形態の発振器4、集積回路装置20、200の構成は、図3の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に置き換えるなどの種々の変形実施が可能である。
発振用の集積回路装置20は、発振回路30、温度補償回路40、温度センサー48、出力回路80を含む。また集積回路装置20は、パッドPVDD1、PGND1、PCK、PX1、PX2を含む。パッドPVDD1、PGND1は、VDD、GNDが供給されるパッドであり、パッドPCKは第1クロック信号CK1を出力するためのパッドあり、PX1、PX2は振動子接続用のパッドである。
発振回路30は、振動子接続用のパッドPX1、PX2を介して振動子10に接続される。例えば振動子10の一端がパッドPX1を介して発振回路30に接続され、振動子10の他端がパッドPX2を介して発振回路30に接続される。そして発振回路30は可変容量回路32を含む。可変容量回路32は、例えばバラクター等の可変容量素子により構成される。可変容量回路32は、振動子10の一端に電気的に接続される。なお可変容量回路32である第1可変容量回路と、第2可変容量回路を設け、第1可変容量回路を振動子10の一端に電気的に接続し、第2可変容量回路を振動子10の他端に電気的に接続してもよい。
温度補償回路40は、例えば多項式近似によるアナログ方式の温度補償を行う。例えば振動子10の周波数温度特性を補償する温度補償電圧が多項式により近似される場合に、温度補償回路40は、当該多項式の係数情報に基づいてアナログ方式の温度補償を行う。アナログ方式の温度補償は、例えばアナログ信号である電流信号や電圧信号の加算処理等により実現される温度補償である。例えば、高次の多項式により温度補償電圧が近似される場合、多項式の0次係数、1次係数、高次係数が、それぞれ0次補正データ、1次補正データ、高次補正データとして、例えば不揮発性メモリー等により実現される記憶部に記憶される。高次係数は例えば1次より大きい高次の次数の係数であり、高次補正データは、高次係数に対応する補正データである。例えば3次多項式により温度補償電圧が近似される場合には、多項式の0次係数、1次係数、2次係数、3次係数が、0次補正データ、1次補正データ、2次補正データ、3次補正データとして記憶部に記憶される。そして温度補償回路40は、0次補正データ~3次補正データに基づいて温度補償を行う。この場合に2次補正データや2次補正データに基づく温度補償については省略してもよい。また例えば5次多項式により温度補償電圧が近似される場合には、多項式の0次係数、1次係数、2次係数、3次係数、4次係数、5次係数が、0次補正データ、1次補正データ、2次補正データ、3次補正データ、4次補正データ、5次補正データとして記憶部に記憶される。そして温度補償回路40は、0次補正データ~5次補正データに基づいて温度補償を行う。この場合に2次補正データ又は4次補正データや、2次補正データ又は4次補正データに基づく温度補償については省略してもよい。また多項式近似の次数は任意であり、例えば5次よりも大きい次数の多項式近似を行うようにしてもよい。また0次補正を温度センサー48が行うようにしてもよい。
そして、このように温度補償回路40により生成された温度補償信号である温度補償電圧が、容量制御電圧として可変容量回路32に入力され、これにより発振回路30の発振周波数の温度補償が行われるようになる。
温度センサー48は温度を検出するセンサーである。具体的には温度センサー48は、環境の温度に応じて変化する温度依存電圧を、温度検出信号である温度検出電圧として出力する。例えば温度センサー48は、温度依存性を有する回路素子を利用して温度検出信号である温度検出電圧を生成する。具体的には温度センサー48は、例えばPN接合の順方向電圧が有する温度依存性を用いることで、温度に依存して電圧が変化する温度検出電圧を出力する。なお温度センサー48としてデジタル方式の温度センサー回路を用いる変形実施も可能である。この場合には温度検出データをD/A変換して温度検出電圧を生成すればよい。
出力回路80は、発振回路30の発振信号に基づく第1クロック信号CK1を出力する。例えば出力回路80は、発振回路30からの発振クロック信号である発振信号をバッファリングして、第1クロック信号CK1として、パッドPCKに出力する。例えば出力回路80は、シングルエンドのCMOSの信号形式で第1クロック信号CK1を出力する。なお出力回路80が、CMOS以外の信号形式で第1クロック信号CK1を出力するようにしてもよい。また発振回路30の後段に、発振信号の周波数を逓倍した周波数のクロック信号を生成するPLL回路等のクロック信号生成回路を設け、出力回路80が、このクロック信号生成回路により生成されたクロック信号をバッファリングして第1クロック信号CK1として出力するようにしてもよい。
なお発振器4は、発振用の集積回路装置20からの第1クロック信号CK1を、発振器4のクロック出力端子を介して外部に出力してもよいし、後述の図10に示すように、第1クロック信号CK1に基づき生成された第2クロック信号CK2を、クロック出力端子を介して外部に出力してもよい。
また図3では集積回路装置200は、図1、図2の発熱トランジスターTRと、電流制限抵抗RLと、MIMキャパシターCM1と、パッドPM1に加えて、温度センサー224、ダイオードDI3、DI4、抵抗RE1、RE2、RT、パッドPVCC、PGND、PGC、PTSを含む。
パッドPGCは温度制御信号GCが入力されるパッドである。パッドPTSは温度センサー224からの温度検出信号TSが出力されるパッドである。パッドPVCCは電源電圧であるVCCが供給されるパッドであり、パッドPGNDは、グランドであるGNDが供給されるパッドである。
温度センサー224は温度を検出するセンサーである。具体的には温度センサー224は、環境の温度に応じて変化する温度依存電圧を、温度検出信号TSとして出力する。具体的には温度センサー224は、温度検出信号TSの出力パッドであるパッドPTSのノードとGNDノードとの間に直列に設けられ、パッドPTSのノードからGNDノードの方向を順方向とするダイオードDI1、DI2を含む。そして温度センサー224は、これらのダイオードDI1、DI2のPN接合の順方向電圧に基づく温度検出電圧である温度検出信号TSを出力する。なおパッドPTSと温度センサー224のダイオードDI1の間には抵抗RTが設けられている。
ダイオードDI3、DI4、抵抗RE1は静電保護用の回路である。ダイオードDI3は、パッドPGCから入力される温度制御信号GCの入力ノードN1とVCCノードの間に設けられ、入力ノードN1からVCCノードへの方向を順方向とするダイオードである。ダイオードDI4は、温度制御信号GCの入力ノードN1とGNDノードの間に設けられ、GNDノードから入力ノードN1への方向を順方向とするダイオードである。抵抗RE1は温度制御信号GCの入力ノードN1と発熱トランジスターTRのゲートノードN2の間に設けられ、発熱トランジスターTRのゲートを保護する。
抵抗RE2は、発熱トランジスターTRの発熱制御が行われていないときに発熱トランジスターTRのゲートをGNDに設定するプルダウン抵抗である。抵抗RE2は、発熱トランジスターTRのゲートノードN2とGNDノードとの間に設けられる。
そして図3では、MIMキャパシターCM1の第1電極は、発熱トランジスターTRのゲートに電気的に接続されている。例えばMIMキャパシターCM1の第2電極はGNDノードに接続され、第1電極は発熱トランジスターTRのゲートに、受動素子である抵抗RE2などを介して接続されている。このようにすればヒーター素子である発熱トランジスターTRを制御する温度制御信号GCの直流化や安定化のための容量として、集積回路装置200に内蔵されるMIMキャパシターCM1を利用できるようになる。例えば温度制御信号GCが、PDM(Pulse Density Modulation)信号のように変調されたデジタル信号に基づく信号である場合に、このデジタル信号の直流化のための容量として、MIMキャパシターCM1を用いることができる。例えば前段のローパスフィルターによりPDM信号等のデジタル信号を平滑化して直流化した後に、大きな容量のMIMキャパシターCM1によるカットオフ周波数が極めて低いローパスフィルター処理により、DC信号の温度制御信号GCを発熱トランジスターTRに入力するようにする。このようにすれば、適切で安定した発熱トランジスターTRの発熱制御が可能になる。またMIMキャパシターCM1は集積回路装置200に内蔵されるキャパシターであるため、発熱トランジスターTRの発熱により温度を一定に維持できるようになる。従って、ディスクリート部品によるキャパシターに比べて環境温度の影響を受けにくいMIMキャパシターCM1を、温度制御信号GCの直流化や安定化に使用できるという利点がある。
また図3では、MIMキャパシターCM1の第1電極は、パッドPM1を介して発熱トランジスターTRのゲートに電気的に接続されている。具体的にはMIMキャパシターCM1の第1電極は、パッドPM1、パッドPGC、抵抗RE1を介して発熱トランジスターTRのゲートに接続されている。即ち本実施形態では、MIMキャパシターCM1の第1電極を、パッドPM1を介して、容量が必要な外部のノードに接続できるようになっている。このようにすれば、図3のようにMIMキャパシターCM1を、その第1電極をパッドPM1等を介して発熱トランジスターTRのゲートに接続するという用途に使用できると共に、後述するように振動子10の一端に接続する用途に使用したり、集積回路装置20の電源端子に接続する用途に使用することも可能になる。従って、MIMキャパシターCM1が使用される用途を広げることができるという利点がある。なお温度制御信号GCは後述するように集積回路装置20、200以外の集積回路装置から入力される信号であってもよいし、集積回路装置20から入力される信号であってもよい。
図4に本実施形態の発振器4の詳細な第2構成例を示す。図4の第2構成例が図3の第1構成例と異なるのは、MIMキャパシターCM1の第1電極の接続先である。即ち図4では、MIMキャパシターCM1の第1電極は、振動子10の一端に電気的に接続されている。具体的にはMIMキャパシターCM1の第1電極は、パッドPM1や発振器4の内部配線を介して、振動子10の一端に電気的に接続されている。内部配線は、例えば発振器4のパッケージの面に形成された金属線、金属端子や、ボンディングワイヤーや、或いはパッケージ内部に形成された金属線などである。
このようにすれば、例えば発振用の集積回路装置20には内蔵できないような発振の負荷容量を、発熱用の集積回路装置200に内蔵したMIMキャパシターCM1により実現できるようになる。例えば振動子10の負荷容量が温度依存性を持つと、環境温度の変化により発振周波数が変動してしまうという問題が発生する。例えばディスクリート部品のキャパシターの場合は、環境温度の変化に応じて容量が変動してしまうため、振動子10の負荷容量として用いると発振周波数が変動してしまうおそれがある。この点、MIMキャパシターCM1は、温度が制御される集積回路装置200に内蔵されるキャパシターであるため、環境温度が変化に対する容量の変動を十分に小さくできる。従って、MIMキャパシターCM1を用いることで、振動子10の負荷容量として好適な容量を発振器4に実装することが可能になり、発振周波数の安定化等を図れるようになる。
また図4に示すように発振用の集積回路装置20は、MIMキャパシターCM1と並列に、振動子10の一端に電気的に接続される可変容量回路32を含んでいる。例えばMIMキャパシターCM1の第1電極及び可変容量回路32の一端は、共に振動子10の一端に電気的に接続されており、MIMキャパシターCM1の第2電極及び可変容量回路32の他端は、GND電位などの所定の電位のノードに電気的に接続されている。このようにすれば、発熱用の集積回路装置200に内蔵されるMIMキャパシターCM1を、可変容量回路32に並列に設けられる負荷容量として利用することが可能になる。例えば後述するように振動子10の負荷容量を大きくして、容量に対する周波数の変化の感度を小さくしたいような要求がある場合には、発熱用の集積回路装置200のMIMキャパシターCM1を、可変容量回路32と並列に振動子10の一端に接続することで、このような要求に応えることが可能になる。
なお図4では、MIMキャパシターCM1に加えてMIMキャパシターCM2を発熱用の集積回路装置200に設けている。またパッドPM1に加えてパッドPM2を設けている。そしてMIMキャパシターCM2の第1電極がパッドPM2に電気的に接続されている。MIMキャパシターCM2の第2電極は例えばGNDノードに接続されている。そして図4では、図3と同様に、MIMキャパシターCM2の第1電極が発熱トランジスターTRのゲートに電気的に接続されている。具体的にはMIMキャパシターCM2の第1電極は、パッドPM2、パッドPGC、抵抗RE1を介して発熱トランジスターTRのゲートに接続されている。このようにすれば、図3と同様に、MIMキャパシターCM2を温度制御信号GCの直流化や安定化のための容量として使用できると共に、MIMキャパシターCM1を、振動子10の一端に接続される負荷容量として使用できるようになる。なお図4では、2つのMIMキャパシターCM1、CM2を設けているが、これらのうちの一方のMIMキャパシターだけを設ける構成としてもよい。
図5に本実施形態の発振器4の詳細な第3構成例を示す。図5の第3構成例が図3の第1構成例と異なるのは、MIMキャパシターCM1の第1電極の接続先である。即ち図5では、MIMキャパシターCM1の第1電極は、発振用の集積回路装置20の電源のパッドPVDD1に電気的に接続されている。具体的にはMIMキャパシターCM1の第1電極は、パッドPM1や発振器4の内部配線を介して、発振用の集積回路装置20の電源のパッドPVDD1に電気的に接続されている。
このようにすれば、例えば発振用の集積回路装置20には内蔵できないような電源の安定化容量を、発熱用の集積回路装置200に内蔵したMIMキャパシターCM1により実現できるようになる。例えば発振用の集積回路装置20では、電源が変動すると、発振周波数も変動してしまい、発振信号に基づくクロック信号の特性が劣化してしまう。一方、発振用の集積回路装置20には、発振信号の生成や温度補償やクロック信号の出力等のための多くの回路素子がレイアウト配置されているため、容量となるキャパシターを形成する余裕が少ない。この点、本実施形態では、発熱用の集積回路装置200では、サイズの大きな発熱トランジスターTRの上方の領域が空きスペースであることに着目し、発熱用の集積回路装置200にMIMキャパシターCM1を内蔵している。従って、発振用の集積回路装置20では作り込めない容量を、発熱用の集積回路装置200のMIMキャパシターCM1により作り込んで、発振用の集積回路装置20の電源の容量として発振器4に実装することが可能になる。従って、発振器4の小型化を阻害することなく、発振用の集積回路装置20の電源の容量を形成して、安定した発振周波数の発振信号を生成してクロック信号を生成できるようになる。
なお図5では、図4と同様に、MIMキャパシターCM1、パッドPM1に加えて、MIMキャパシターCM2、パッドPM2を発熱用の集積回路装置200に設けて、MIMキャパシターCM2の第1電極をパッドPM2を介して発熱トランジスターTRのゲートに電気的に接続している。このようにすれば、図3と同様に、MIMキャパシターCM2を温度制御信号GCの直流化や安定化のための容量として使用できると共に、MIMキャパシターCM1を、発振用の集積回路装置20の電源の安定化容量として使用できるようになる。なお図5では、2つのMIMキャパシターCM1、CM2を設けているが、これらのうちの一方のMIMキャパシターだけを設ける構成としてもよい。
3.レイアウト配置
図6、図7に発熱用の集積回路装置200のレイアウト配置例を示す。図6は、後述の図8の金属層AL5のレイアウトパターンの例であり、図7は、金属層AL4のレイアウトパターンの例である。なお金属層AL3のレイアウトパターンは図8の金属層AL5のレイアウトパターンと同様である。
集積回路装置200の外形は、辺SD1と、辺SD1の対辺である辺SD2を有する。また集積回路装置200の外形は、辺SD1、辺SD2に交差する辺SD3と、辺SD3の対辺である辺SD4を含む。辺SD4は辺SD1、辺SD2に交差する。辺SD1、SD2、SD3、SD4は、各々、第1辺、第2辺、第3辺、第4辺である。集積回路装置200の外形は、例えば集積回路装置200を実現する半導体基板の外形である。図6、図7では、辺SD1から辺SD2へと向かう方向が、方向DR1になっている。そして辺SD1、辺SD2は、方向DR1に直交する方向DR2に沿った辺であり、辺SD3、辺SD4は方向DR1に沿った辺である。
集積回路装置200はGNDのパッドPGNDとVCCのパッドPVCCを含む。そして図6、図7では、辺SD1に沿って、発熱トランジスターTRのソースに電気的に接続されるGNDのパッドPGNDが配置される。ここでは複数のパッドPGNDが辺SD1に沿って配置されており、一例としては2個のパッドPGNDが配置されている。また図6、図7では辺SD2に沿って、発熱トランジスターTRのドレインに電源電圧VCCを供給するVCCのパッドPVCCが配置される。ここでは複数のパッドPVCCが辺SD2に沿って配置されており、一例としては2個のパッドPVCCが配置されている。発熱トランジスターTRには大電流が流れるため、このように複数のパッドPGND、複数のパッドPVCCを配置することが望ましい。なおパッドPGND、パッドPVCCの配置数は図6、図7の配置数には限定されず、任意である。
また方向DR2の反対方向を方向DR4とした場合に、図6、図7では、パッドPGNDの方向DR2側には、MIMキャパシターCM1に接続されるパッドPM1が配置され、パッドPGNDの方向DR4側には、MIMキャパシターCM2に接続されるパッドPM2が配置される。またパッドPM2の方向DR4側には、温度制御信号GCの入力パッドであるパッドPGCが配置される。即ち、辺SD1に沿ってパッドPGC、PM2、PGND、PM1が配置されている。またパッドPVCCの方向DR4側には、温度センサー24の温度検出信号TSの出力パッドであるパッドPTSが配置される。即ち、辺SD2に沿ってパッドPTS、PVCCが配置されている。なおパッドPGND、PGC、PM1、PM2、PVCC、PTSの配置は一例であり、このような配置に限定されるものではない。
そして図6、図7に示すように発熱トランジスターTRは、パッドPGNDとパッドPVCCの間に配置される。後述の図9で説明するように、この発熱トランジスターTRは複数のトランジスターにより構成されている。例えば集積回路装置200の辺SD1の方向DR1側にパッドPGNDが配置され、パッドPGNDの方向DR1側に発熱トランジスターTRが配置され、発熱トランジスターTRの方向DR1側にパッドPVCCが配置される。図6、図7では、発熱トランジスターTRは、例えば方向DR2を長手方向として、パッドPGNDの方向DR1側に配置される。
このようにすれば、パッドPGNDと発熱トランジスターTRのソースをショートパスの経路で電気的に接続し、発熱トランジスターTRのドレインとパッドPVCCもショートパスの経路等で電気的に接続することが可能になる。従って、当該経路に存在する寄生抵抗等が発熱トランジスターTRの発熱性能に対して与える悪影響を低減することができ、発熱性能の向上を図れる。なお図1~図5で説明したように集積回路装置200は、一端がパッドPVCCに電気的に接続され、他端が発熱トランジスターTRのドレインに電気的に接続される電流制限抵抗RLを含む。そして、この電流制限抵抗RLは、例えば発熱トランジスターTRとパッドPVCCの間に配置される。
図8は、MIMキャパシターCM1、CM2やパッドの断面構造を示す模式的な断面図である。パッドでは、集積回路装置200の基板に直交する方向において複数の金属層AL1~AL5が積層されている。基板に直交する方向は図6、図7の方向DR1及び方向DR2に直交する方向である。また金属層AL1~AL5は導電層であり、例えばアルミ層である。
また本実施形態では、MIMキャパシターCMはスタック構造となっている。なお本実施形態では、MIMキャパシターCM1、CM2を、適宜、MIMキャパシターCMと総称する。スタック構造の上側のMIMキャパシターCMは、金属層AL5とAL4の間のMIM用の金属層M54と、金属層AL4と、金属層M54とAL4の間の絶縁層とにより構成される。この場合にMIMキャパシターCMの第1電極は金属層M54により構成され、第2電極は金属層AL4により構成される。そして金属層M54による第1電極は、上層の金属層AL5に接続されて、図6に示すようにパッドPM1又はパッドPM2に接続されることになる。また金属層AL4による第2電極は、図7に示すようにパッドPGNDに接続される。従って第1電極がパッドPM1又はパッドPM2に接続され、第2電極がパッドPGNDに接続されるMIMキャパシターCMが実現される。
一方、スタック構造の下側のMIMキャパシターCMは、金属層AL4とAL3の間のMIM用の金属層M43と、金属層AL3と、金属層M43と金属層AL3の間の絶縁層とにより構成される。この場合に例えばMIMキャパシターCMの第1電極は金属層AL3により構成され、第2電極は金属層M43により構成される。そして金属層AL3による第1電極は、図6に示すようにパッドPM1又はパッドPM2に接続されることになる。また金属層M43による第2電極は、上層の金属層AL4等を介して、図7に示すようにパッドPGNDに接続される。従って第1電極がパッドPM1又はパッドPM2に接続され、第2電極がパッドPGNDに接続されるMIMキャパシターCMが実現される。このように図8では、基板に直交する方向において複数のMIMキャパシターCMがスタックされた構成となっている。このようにすることで、少ないレイアウト面積で大きな容量のMIMキャパシターCMを実現できるようになる。
以上のように本実施形態では、図6~図8に示すように、発熱用の集積回路装置200の基板に直交する平面視において、MIMキャパシターCM1、CM2と発熱トランジスターTRは重なっている。例えば図6、図7では、平面視においてパッドPGND、PM1、PM2とパッドPVCCの間に、発熱トランジスターTRが配置されている。そしてMIMキャパシターCM1、CM2も、平面視においてパッドPGND、PM1、PM2とパッドPVCCの間に、発熱トランジスターTRと重なるように配置される。具体的には図8に示すように、基板から見て発熱トランジスターTRの上方に、金属層M54とAL4又は金属層M43とAL3を電極とするMIMキャパシターCMが設けられている。このようにすれば、発熱用の集積回路装置200において多くの面積を占める発熱トランジスターTRの配置領域を有効利用して、平面視において発熱トランジスターTRに重なるようにMIMキャパシターCM1、CM2を配置できるようになる。そしてMIMキャパシターCM1、CM2が接続されるパッドPM1、PM2を設けることで、図3~図5で説明したように、MIMキャパシターCM1、CM2を、容量が必要な種々なノードに接続できるようになり、様々な用途に使用することが可能になる。また発熱トランジスターTRは、温度制御信号GCにより特定の温度に維持されるように制御されるため、MIMキャパシターCM1、CM2も特定の温度に維持されるように制御される。従って、MIMキャパシターCM1、CM2の容量が、環境温度に依存して変動してしまうような事態も抑制でき、環境温度の変化に対する容量の変動が最小限のキャパシターを提供できるようになる。またMIMキャパシターCM1、CM2は、小さな配置面積でも大きな容量のキャパシターを実現できるという利点もある。例えばMIMキャパシターCM2の容量は数百pF程度であり、MIMキャパシターCM1の容量は数pF~数十pF程度である。
図9は発熱トランジスターTRのレイアウト配置を模式的に示す図である。図9では発熱トランジスターTRは、温度制御信号GCに基づいてゲート電圧が制御され且つ並列接続された複数のトランジスターT1~T6により構成されている。また、これらの複数のトランジスターT1~T6と平面視において重なる金属配線ALSや、一端が金属配線ALSに接続され、他端が複数のトランジスターT1~T6の複数のソース領域に接続される複数のビアVCが設けられている。金属配線ALSはGNDを発熱トランジスターTRのソースに供給する配線である。図9では、この金属配線ALSが、平面視において、発熱トランジスターTRを構成する複数のトランジスターT1~T6に重なるように配置されている。例えば全面ベタのパターンの金属配線ALSが、平面視において発熱トランジスターTRの複数のトランジスターT1~T6に重なるように配置される。
また図9では、一端が金属配線ALSに接続され、他端が複数のトランジスターT1~T6の複数のソース領域に接続される複数のビアVCが設けられている。そして、これらの複数のビアVCは、平面視において、複数のトランジスターT1~T6の複数のソース領域と重なる位置に設けられる。
このようにすれば、発熱トランジスターTRの複数のトランジスターT1~T6に平面視において重なる金属配線ALSから、複数のトランジスターT1~T6のソース領域に対して、当該ソース領域に平面視において重なる複数のビアVCを介して、グランドを供給できるようになる。このため、複数のトランジスターT1~T6のソース領域からの電流が、ソース領域を構成する拡散領域よりも抵抗値が低い金属配線ALS及び複数のビアVCを介して、グランドに流れるようになる。従って、発熱トランジスターTRのソース抵抗の抵抗値を実質的に下げることが可能になる。これにより、ソース抵抗が原因となって発熱トランジスターTRのゲート・ソース間電圧が低下して発熱性能が低下するのを効果的に抑制できるようになる。
また図9では、トランジスターT1とトランジスターT2は、ソース領域が共有されており、この共有のソース領域に対してビアVCが設けられている。同様にトランジスターT3とトランジスターT4や、トランジスターT5とトランジスターT6も、ソース領域が共有されており、この共有のソース領域に対してビアVCが設けられている。また金属配線ALDは、ビアVCDを介して発熱トランジスターTRのドレイン領域であるトランジスターT1~T6のドレイン領域に接続されている。
なお発熱トランジスターTRのレイアウト配置は図9には限定されず種々の変形実施が可能である。例えば図9に示すようなビアVCや金属配線ALSを設けないようなレイアウト配置とする変形実施も可能である。
4.第4構成例
図10に本実施形態の発振器4の詳細な第4構成例を示す。図10の発振器4は、振動子10と、発振用の集積回路装置20と、発熱用の集積回路装置200と、制御用の集積回路装置100を含む。図10において、発熱用の集積回路装置200は、振動子10の近傍に配置される。このように発振器4に発熱用の集積回路装置200を設けることで、振動子10の温度を一定に保てるようになり、恒温槽を有するOCXOの発振器4を実現できるようになる。例えば発熱用の集積回路装置200により振動子10の温度を例えば90℃等の一定の温度にする。これにより例えばSCカット等の振動子10を用いて、動作温度範囲内での周波数変動が少ないOCXOの発振器4を実現できるようになる。
発振用の集積回路装置20は、発振回路30、温度補償回路40、温度センサー48、ロジック回路60、不揮発性メモリー70、出力回路80、電源回路90を含む。
温度補償回路40は、温度センサー48での温度検出結果に基づいて第1温度補償処理を行う。これにより、発振回路30の発振動作により生成された第1クロック信号CK1に対して第1温度補償処理が行われ、第1温度補償処理後の第1クロック信号CK1が集積回路装置20から出力される。この第1温度補償処理後の第1クロック信号CK1は、制御用の集積回路装置100に入力される。制御用の集積回路装置100は補正用の集積回路装置と言うこともできる。そして制御用の集積回路装置100は、第1補償処理後の第1クロック信号CK1に対して第2温度補償処理を行って、第2温度補償処理後の第2クロック信号CK2を出力する。第2クロック信号CK2は、例えば集積回路装置100のPLL回路140により、第1クロック信号CK1の周波数を逓倍したクロック信号となっている。そして、この第2クロック信号CK2が、発振器4の出力クロック信号として出力されるようになる。
ロジック回路60は制御回路であり、種々の制御処理を行う。例えばロジック回路60は、発振用の集積回路装置20の全体の制御を行ったり、集積回路装置20の動作シーケンスの制御を行う。またロジック回路60は、発振回路30の制御のための各種の処理を行ったり、不揮発性メモリー70の情報の読み出しや書き込みの制御を行う。ロジック回路60は、例えばゲートアレイ等の自動配置配線によるASIC(Application Specific Integrated Circuit)の回路により実現できる。
不揮発性メモリー70は、電源を供給しなくても情報の記憶を保持するメモリーである。例えば不揮発性メモリー70は、電源を供給しなくても情報を保持できると共に、情報の書き換えが可能なメモリーである。不揮発性メモリー70は、集積回路装置20の動作等に必要な種々の情報を記憶する。不揮発性メモリー70は、FAMOSメモリー(Floating gate Avalanche injection MOS memory)又はMONOSメモリー(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon memory)により実現されるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により実現できる。例えば不揮発性メモリー70は、温度補償回路40がアナログ方式の第1温度補償処理を行う場合に、前述した多項式の係数情報を記憶する。具体的には不揮発性メモリー70は、多項式の0次係数、1次係数、高次係数の情報を、それぞれ0次補正データ、1次補正データ、高次補正データとして記憶する。
電源回路90は、電源電圧であるVDDやグランド電圧であるGNDが供給されて、集積回路装置20の内部回路用の種々の電源電圧を内部回路に供給する。図10では、例えば発振器4の端子TVCCに供給されたVCCが制御用の集積回路装置100の電源回路190に供給され、電源回路190が例えばレギュレーター等により生成した電源電圧VR1が、VDDとして集積回路装置20の電源回路90に供給される。また発振器4の端子TGNDに供給されたGNDが、集積回路装置20の電源回路90に供給される。
また図10では制御用の集積回路装置100は、クロック信号生成回路130、処理回路160、温度センサー148、不揮発性メモリー170、電源回路190、ヒーター制御回路192を含む。
クロック信号生成回路130は、PLL回路140と出力回路180を有し、発振用の集積回路装置20から出力された第1クロック信号CK1の周波数を逓倍した第2クロック信号CK2を生成する。処理回路160は、制御用の集積回路装置100での各種の制御処理や演算処理を行う。例えば処理回路160は、発振用の集積回路装置20からの第1クロック信号CK1に対して第2温度補償処理を行って、第2温度補償処理後の第2クロック信号CK2を生成するための処理を行う。クロック信号生成回路130、処理回路160の詳細については後述する。
温度センサー148は、集積回路装置100に設けられて、温度を検出するセンサーである。図10では集積回路装置20に設けられる温度センサー48の温度検出結果である温度検出電圧VTSと、集積回路装置100に設けられる温度センサー148からの温度検出結果とが、処理回路160に入力される。そして処理回路160は、第1温度センサーである温度センサー48の温度検出結果と、第2温度センサーである温度センサー148の温度検出結果とに基づいて、第2温度補償処理を行う。このようにすることで、集積回路装置100の温度センサー148の温度検出だけではなく、振動子10の近くに配置される温度センサー48の温度検出結果に基づいて、第2温度補償処理を行うことが可能になり、振動子10の周波数温度特性等を適正に補償できる温度補償処理が可能になる。なお処理回路160は、発熱用の集積回路装置200に設けられた温度センサー224の温度検出結果も更に加えて、第2温度補償処理を行ってもよい。
不揮発性メモリー170は、電源を供給しなくても情報の記憶を保持するメモリーであり、例えば電源を供給しなくても情報を保持できると共に、情報の書き換えが可能なメモリーである。不揮発性メモリー170は、集積回路装置100の動作等に必要な種々の情報を記憶する。不揮発性メモリー170は、FAMOSメモリー又はMONOSメモリーにより実現されるEEPROM等により実現できる。例えば不揮発性メモリー170は、集積回路装置100がデジタル方式の第2温度補償処理を行う場合に、このデジタル方式の第2温度補償処理に必要な情報を記憶する。例えば処理回路160が、学習済みモデルの情報に基づいて第2温度補償処理を行う場合に、不揮発性メモリー170は、学習済みモデルの情報を記憶する。
また集積回路装置100は、ヒーター回路である発熱用の集積回路装置200のヒーター制御を行うヒーター制御回路192を含む。そしてヒーター制御回路192が出力するヒーター制御信号である温度制御信号GCは、集積回路装置100のパッド等を介し発熱用の集積回路装置200に入力される。これにより、ヒーター制御回路192からの温度制御信号GCにより集積回路装置100の発熱トランジスターTRの発熱を制御し、振動子10の温度を一定にするヒーター制御が可能になる。このように集積回路装置100にヒーター制御回路192を設けることで、ヒーター制御回路192による集積回路装置200の発熱トランジスターTRのヒーター制御により、OCXOにおけるオーブン制御が可能になる。即ち恒温槽を有するオーブン型の発振器4のオーブン制御を実現できる。なお恒温槽はシングルオーブン型であってもよいし、ダブルオーブン型であってもよい。
また図1~図5で説明したように、発熱用の集積回路装置200には、MIMキャパシターCM1、CM2と、パッドPM1、PM2が設けられている。そしてMIMキャパシターCM2の第1電極は、パッドPM1を介して発熱トランジスターTRのゲートに電気的に接続される。即ち本実施形態の発振器4は、発熱用の集積回路装置200を制御する制御用の集積回路装置100を含み、制御用の集積回路装置100の温度制御信号GCが発熱トランジスターTRのゲートに入力される。そしてMIMキャパシターCM2の第1電極は、温度制御信号GCが出力される制御用の集積回路装置100のパッドに電気的に接続されている。例えばMIMキャパシターCM2の第1電極は、発振器4の内部配線等を介して当該パッドに電気的に接続されている。このパッドは集積回路装置100において温度制御信号GCが出力される出力パッドである。このようにすれば、図3で説明したように、発熱用の集積回路装置200に設けられるMIMキャパシターCM2を、温度制御信号GCの直流化や安定化のために使用できるようになり、発熱トランジスターTRによる適正なヒーター制御の実現が可能になる。
例えば図11は発熱トランジスターTRのヒーター制御の説明図である。ヒーター制御回路192は、図12に示すようなヒーター制御用のPDM信号を生成する。PDMはパルス密度変調であり、2進法の信号でアナログ信号を表現するのに使われる変調方式である。制御用の集積回路装置100には例えばローパスフィルター&アンプ194が設けられており、ローパスフィルター&アンプ194が、1ビットのデジタルコードの信号であるPDM信号に対してローパスフィルター処理を行って、直流の温度制御信号が生成される。そして発熱用の集積回路装置200に設けられたMIMキャパシターCM2を用いることで、例えば1Hz程度のカットオフ周波数のローパスフィルターが実現され、ローパスフィルター&アンプ194により減衰できなかったAC成分を十分に減衰できるようになる。これにより発熱トランジスターTRの安定した発熱制御の実現が可能になる。
また後述の図17、図18で説明するように、本実施形態の発振器4は、振動子10と、発振用の集積回路装置20と、発熱用の集積回路装置200と、を収容する第1パッケージ15を含む。例えば図17に示すように第1パッケージ15の内側の収容空間SP1に、発振用の集積回路装置20と発熱用の集積回路装置200が実装されている。このようにすれば第1パッケージ15の収容空間SP1を恒温槽とするOCXOの発振器4を実現できるようになる。即ち発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRの発熱により、第1パッケージ15の収容空間SP1の温度を一定の温度に保ちながら、発振用の集積回路装置20の発振回路30の発振信号に基づくクロック信号を生成できるようになる。従って、振動子10と発振用の集積回路装置20と発熱用の集積回路装置200とにより、恒温槽を有する発振器4を実現することが可能になる。
また発熱用の集積回路装置200は、第1パッケージ15内の温度を一定の温度に維持する集積回路装置である。例えば発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRのゲートが温度制御信号GCにより制御されることで、第1パッケージ15内の温度が一定の温度に維持されるようになる。これにより、発熱用の集積回路装置200と共に第1パッケージ15内に設けられる振動子10の温度も、一定の温度に維持されるようになる。従って、振動子10が周波数温度特性を有する場合にも、振動子10の温度が一定に維持されることで、環境温度の変化に対して周波数変動の少ない発振信号を生成できるようになり、この発振信号に基づく高精度のクロック信号を生成できるようになる。
また図10では、振動子10の一端と、発熱用の集積回路装置200のパッドPM1とが、第1パッケージ15の内部配線を介して電気的に接続されている。例えば振動子10の一端とパッドPM1が、発振器4の第1パッケージ15の面に形成された金属線、金属端子や、ボンディングワイヤーや、或いはパッケージ内部に形成された金属線などの内部配線を介して電気的に接続される。図17を例にとれば、振動子10の端子が、ボンディングワイヤー、第1パッケージ15の内部や面に設けられる金属線、金属端子などを用いて、発熱用の集積回路装置200のパッドPM1に電気的に接続される。このようにすれば、図4で説明したように、発振用の集積回路装置20には内蔵できないような発振の負荷容量を、発熱用の集積回路装置200に内蔵したMIMキャパシターCM1により実現できるようになる。また発熱用の集積回路装置200では、温度制御信号GCに基づく発熱トランジスターTRの発熱制御により、温度が一定に維持されるため、環境温度の変化に応じてMIMキャパシターCM1による負荷容量が変動してしまうのも抑制できるようになる。従って、MIMキャパシターCM1を用いることで、振動子10の負荷容量として好適な容量を発振器4に実装することが可能になり、発振周波数の安定化等を実現できるようになる。
なお図10では、MIMキャパシターCM1の第1電極が振動子10の一端に電気的に接続されているが、図5に示すように、MIMキャパシターCM1の第1電極を、発振用の集積回路装置20のVDDのパッドに電気的に接続するようにしてもよい。このようにすれば、発熱用の集積回路装置200に設けられるMIMキャパシターCM1を、発振用の集積回路装置20の電源の安定化容量として利用できるようになる。
また後述の図18、図17で詳細に説明するように、発振器4は、発熱用の集積回路装置200を制御する制御用の集積回路装置100と、第1パッケージ15と制御用の集積回路装置100とを収容する第2パッケージ5を含む。例えば図17に示すように、第1パッケージ15の収容空間SP1に振動子10と発振用の集積回路装置20と発熱用の集積回路装置200が収容される。そして図18に示すように、この第1パッケージ15と、制御用の集積回路装置100とが、第2パッケージ5の収容空間SP2に収容される。このようにすれば、第1パッケージ15内の発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRの発熱により、第1パッケージ15内の振動子10の温度を一定に維持できるようになる。そして、この第1パッケージ15と共に第2パッケージ5に設けられた制御用の集積回路装置100により、発熱用の集積回路装置200の制御を行うことで、第1パッケージ15を恒温槽とするヒーター制御を実現できるようになる。
また制御用の集積回路装置100の温度制御信号GCは、第2パッケージ5の内部配線及び第1パッケージ15の内部配線を介して発熱用の集積回路装置200のパッドPGCに入力される。例えば図18において、制御用の集積回路装置100の温度制御信号GCのパッドは、ボンディングワイヤーBWや、第2パッケージ5の面や内部に形成された金属端子や金属線を介して、第1パッケージ15に接続される。そして第1パッケージ15のボンディングワイヤーBWや、第1パッケージ15の面や内部に形成された金属端子や金属線を介して、発熱用の集積回路装置200のパッドPGCに接続される。これにより制御用の集積回路装置100からの温度制御信号GCが、発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRのゲートに入力されるようになる。このようにすれば、第1パッケージ15と共に第2パッケージ5に設けられた制御用の集積回路装置100からの温度制御信号GCにより、第1パッケージ15内の発熱用の集積回路装置200の発熱トランジスターTRのゲートを制御することで、第1パッケージ15を恒温槽とするヒーター制御を実現できるようになる。
また本実施形態では、発振用の集積回路装置20は、振動子10の発振信号に基づく第1クロック信号CK1の第1温度補償処理を行って、第1温度補償処理後の第1クロック信号CK1を出力する。例えば集積回路装置20の温度補償回路40が、温度センサー48から温度検出結果に基づき、発振回路30の可変容量回路32の容量を制御する第1温度補償処理を行うことで、第1温度補償処理が行われた第1クロック信号CK1が、発振用の集積回路装置20から出力される。そして制御用の集積回路装置100は、第1温度補償処理後の第1クロック信号CK1に対して第2温度補償処理を行って、第2温度補償処理後の第2クロック信号CK2を出力する。この第2温度補償処理後の第2クロック信号CK2は、例えば出力回路180によりバッファリングされて、発振器4の出力クロック信号として出力されるようになる。
ここで、第1温度補償処理は、例えば温度変動による第1クロック信号CK1の周波数の変動を抑制して補償する処理である。例えば第1温度補償処理はアナログの温度補償回路を用いたアナログの温度補償処理である。第2温度補償処理は、例えば温度変動による第2クロック信号CK2の周波数の変動を抑制して補償する処理である。例えば第2温度補償処理はデジタル回路を用いたデジタルの温度補償処理である。集積回路装置100が出力する第2クロック信号CK2は、第1クロック信号CK1と周波数が異なっていてもよいし、周波数が同じであってもよい。
そして集積回路装置20は、第1温度補償処理として、例えば1次の第1温度補償処理を行う。一方、集積回路装置100は、第2温度補償処理として、例えば高次の第2温度補償処理を行う。
例えば集積回路装置20は、第1温度補償処理として、振動子10の周波数温度特性以外の周波数温度特性を補償する処理を行う。例えば集積回路装置20は、振動子10の周波数温度特性以外の周波数温度特性として、発振回路30に設けられる回路素子の周波数温度特性について温度補償処理を行う。回路素子は、トランジスター等の能動素子、或いは抵抗、キャパシター等の受動素子などである。このような振動子10の周波数温度特性以外の周波数温度特性を補償する処理としては、1次の温度補償処理が好適である。
一方、集積回路装置100は、振動子10の周波数温度特性を主に補償するために高次の第2温度補償処理を行う。集積回路装置100は、少なくとも高次の第2温度補償処理を行えばよく、1次の第2温度補償処理を行うこともできる。例えば振動子10が3次、5次等の高次の周波数温度特性を有する場合に、集積回路装置100は、この高次の周波数温度特性を補償する第2温度補償処理を行う。例えば集積回路装置100は、集積回路装置20による第1温度補償処理では温度補償できなかった残存する周波数温度特性を温度補償する処理を、第2温度補償処理として行う。例えば振動子10が高次の周波数温度特性を有する場合に、集積回路装置20による1次の第1温度補償処理では振動子10の高次の周波数温度特性は温度補償されずに残存することになるが、集積回路装置100は、この残存する周波数温度特性を温度補償する第2温度補償処理を行う。例えば集積回路装置100は、集積回路装置20による第1温度補償処理後の第1クロック信号CK1に対して、第2クロック信号CK2の周波数温度特性を、発振器4の要求仕様の範囲内にするための第2温度補償処理を行う。第2クロック信号CK2の周波数温度特性が要求仕様の範囲内であるとは、例えば発振器4の動作温度範囲での第2クロック信号CK2の周波数変化が規定値以下になることである。
このように集積回路装置20が1次の第1温度補償処理を行うようにすれば、集積回路装置20は高次の温度補償処理を行わなくても済むようになり、集積回路装置20での高次の温度補償処理に起因する、キャリア周波数の近傍ノイズ等の位相ノイズを低減できるため、ノイズ特性の悪化を抑制できる。一方、集積回路装置100が、高次の第2温度補償処理を行うことで、集積回路装置20の1次の第1温度補償処理では温度補償できずに残存する高次の周波数温度特性を温度補償できるようになる。例えば発振回路30の回路素子の周波数温度特性については、集積回路装置20の1次の第1温度補償処理により温度補償し、振動子10の高次の周波数温度特性については、集積回路装置100の高次の第2温度補償処理により温度補償できるようになる。従って、第2クロック信号CK2の周波数温度特性を要求仕様の範囲内にすることができ、近傍ノイズ等の位相ノイズも低減できる発振器4の実現が可能になる。
また本実施形態では後述の図15で説明するように、集積回路装置20は、第1モードでは、第1温度補償処理として1次の第1温度補償処理を行い、第2モードでは、第1温度補償処理として1次及び高次の第1温度補償処理を行う。例えば集積回路装置20がOCXOの発振器に用いられる場合には第1モードに設定され、集積回路装置20の温度補償回路40は、1次の第1温度補償処理を行う。一方、集積回路装置20がTCXOの発振器に用いられる場合には第2モードに設定され、集積回路装置20の温度補償回路40は、1次及び高次の第1温度補償処理を行う。
図13に、集積回路装置20の温度補償回路40の構成例を示す。なお以下では、温度補償回路40が第2モードにおいて1次及び高次の第1温度補償処理を行う場合を主に例にとり説明する。図13では示していないが実際には、第1モードと第2モードを切り替えるためのスイッチ回路が温度補償回路40に設けられている。
温度補償回路40は、温度を変数とする多項式近似によって温度補償電圧VCPを出力する回路である。この温度補償回路40は電流生成回路42と電流電圧変換回路46を含む。電流生成回路42は、温度センサー48の温度検出結果に基づいて関数電流を生成する。例えば電流生成回路42は、温度センサー48からの温度検出結果である温度検出電圧VTSに基づいて、振動子10の周波数温度特性を温度補償するための関数電流を生成する。そして電流電圧変換回路46は、電流生成回路42からの関数電流を電圧に変換して温度補償電圧VCPを出力する。具体的には電流電圧変換回路46は、増幅回路AMにより温度補償電圧VCPを出力する。
電流生成回路42は、1次補正回路43と高次補正回路44を含む。1次補正回路43は、温度検出電圧VTSに基づいて、1次関数を近似する1次電流を出力する。例えば1次補正回路43は、多項式近似における多項式の1次係数に対応する1次補正データに基づいて1次関数電流を出力する。高次補正回路44は、温度検出電圧VTSに基づいて、高次関数を近似する高次電流を、電流電圧変換回路46に出力する。例えば高次補正回路44は、多項式近似における多項式の高次係数に対応する高次補正データに基づいて高次電流を出力する。一例としては、高次補正回路44は、3次関数を近似する3次電流を出力する。なお図13では、温度センサー48が、多項式の0次係数に対応する0次補正データに基づいて、温度検出電圧VTSのオフセット補正を行っている。即ち温度センサー48は、0次補正データが示すオフセットの分だけ、温度検出電圧VTSのオフセットを調整する。また高次補正回路44は、4次以上の補正を行う補正回路を更に含んでもよい。例えば高次補正回路44は、4次関数を近似する4次電流を出力する4次補正回路と、5次関数を近似する5次電流を出力する5次補正回路などを更に含んでもよい。
電流電圧変換回路46は、1次電流と高次電流を加算すると共に、その加算電流を電流電圧変換することで温度補償電圧VCPを出力する。これにより、多項式関数を近似する温度補償電圧VCPが生成される。この電流電圧変換回路46は、増幅回路AMと抵抗RCとキャパシターCCとを含む。増幅回路AMは演算増幅器により実現される。抵抗RC及びキャパシターCCは、増幅回路AMの出力端子と反転入力端子との間に並列接続される。増幅回路AMの非反転入力端子には基準電圧VRCが入力される。これにより電流電圧変換回路46は、例えばA級動作の増幅回路AMにより温度補償電圧VCPを出力する。
このような構成の温度補償回路40によれば、温度センサー48の温度検出結果に基づき電流生成回路42により生成された関数電流を、電流電圧変換回路46により電圧に変換して温度補償電圧VCPとして出力できるようになる。
図14に集積回路装置100のクロック信号生成回路130、処理回路160等の詳細な構成例を示す。図14では、クロック信号生成回路130は、PLL回路140と出力回路180を含み、処理回路160は、デルタシグマ変調回路162、演算回路164を含む。
出力回路180は、PLL回路140が出力するクロック信号CKQに基づいて第2クロック信号CK2を出力する。例えば出力回路180は、不図示の分周回路を含み、この分周回路によりクロック信号CKQの分周を行うことで、第2クロック信号CK2の周波数を可変に設定できるようになっている。これにより、第2クロック信号CK2の周波数をユーザーが所望する周波数に設定できる。また出力回路180は、例えば種々の信号形式で、第2クロック信号CK2を外部に出力する。
PLL回路140は、第1クロック信号CK1が基準クロック信号として入力され、PLL(Phase Locked Loop)の動作を行う。例えばPLL回路140は、第1クロック信号CK1の周波数を逓倍した周波数のクロック信号CKQを生成する。即ち第1クロック信号CK1に位相同期した高精度のクロック信号CKQを生成する。PLL回路140は、位相比較回路142と制御電圧生成回路144と電圧制御発振回路146と分周回路147を含む。
位相比較回路142は、基準クロック信号である第1クロック信号CK1とフィードバッククロック信号FBCKとの間の位相比較を行う。例えば位相比較回路142は、第1クロック信号CK1とフィードバッククロック信号FBCKの位相を比較し、第1クロック信号CK1とフィードバッククロック信号FBCKの位相差に応じた信号CQを位相比較結果の信号として出力する。位相差に応じた信号CQは、例えば位相差に比例したパルス幅のパルス信号である。
制御電圧生成回路144は、位相比較回路142での位相比較の結果に基づいて、制御電圧VC2を生成する。例えば制御電圧生成回路144は、位相比較回路142からの位相比較結果の信号CQに基づいて、チャージポンプ動作やフィルター処理を行って、電圧制御発振回路146の発振を制御する制御電圧VC2を生成する。
VCO(Voltage controlled oscillator)である電圧制御発振回路146は、制御電圧VC2に対応する周波数のクロック信号CKQを生成する。例えば制御電圧生成回路144からの制御電圧VC2に基づいて発振動作を行って、クロック信号CKQを生成する。例えば電圧制御発振回路146は、制御電圧VC2に応じて変化する周波数のクロック信号CKQを発振動作により生成する。一例としては、電圧制御発振回路146は、バラクターなどの可変容量素子を有し、この可変容量素子の容量が制御電圧VC2に基づいて変化することで、電圧制御発振回路146の発振動作により生成される発振信号であるクロック信号CKQの周波数が変化する。なお電圧制御発振回路146としては、例えばインダクターを用いるLC発振回路などを用いることができる。
分周回路147は、クロック信号CKQを分周してフィードバッククロック信号FBCKを出力する。例えば分周回路147は、クロック信号CKQの周波数を、分周比設定信号SDIVにより設定される分周比で分周した周波数の信号を、フィードバッククロック信号FBCKとして出力する。例えば電圧制御発振回路146の発振の周波数をfvcoとし、分周回路147の分周動作の分周比をDIVとした場合に、フィードバッククロック信号FBCKの周波数は、fvco/DIVになる。そして位相比較回路142は、前述のように、第1クロック信号CK1と、分周回路147からのフィードバッククロック信号FBCKの位相比較を行う。
このような位相比較回路142、制御電圧生成回路144、電圧制御発振回路146、分周回路147を有する構成のPLL回路140を用いることで、第1クロック信号CK1に位相同期したクロック信号CKQを生成し、クロック信号CKQに基づく高精度の第2クロック信号CK2を生成して出力できるようになる。
また本実施形態では、処理回路160は、デルタシグマ変調回路162と演算回路164を含む。このデルタシグマ変調回路162によりデルタシグマ変調を行うことで、PLL回路140がフラクショナル-N型のPLL回路として動作するようになる。また演算回路164は、温度検出電圧STをA/D変換するA/D変換回路168からの温度検出データDTと、レジスター166からの分周比設定値VDIVに基づいて、第2温度補償処理を行う。分周比設定値VDIVはPLL回路140の分周比を設定するためのデータである。デルタシグマ変調回路162は、演算回路164の演算結果である演算値に対して、デルタシグマ変調を行い、分周回路147の分周比を設定する分周比設定信号SDIVを出力する。
例えば図14では、分周回路147とデルタシグマ変調回路162とによりフラクショナル分周器が構成される。フラクショナル分周器は、PLL回路140の逓倍率の逆数を分周比としてクロック信号CKQを分周し、分周後のクロック信号をフィードバッククロック信号FBCKとして位相比較回路142に出力する。デルタシグマ変調回路162は、分周比の小数部の値をデルタシグマ変調して、整数である変調値を生成する。例えばデルタシグマ変調回路162は3次や4次のデルタシグマ変調処理を行う。そして分周比の整数部の値と変調値の加算値が、分周比設定信号SDIVとして分周回路147に設定される。これによりフラクショナル-N型のPLL回路140が実現される。
演算回路164は、温度検出データDTに基づいて第2温度補償処理を行って、温度補償値を生成する。そして演算回路164は、分周比設定値VDIVと温度補償値の加算処理を行って、演算値を求め、求められた演算値を演算結果としてデルタシグマ変調回路162に出力する。デルタシグマ変調回路162は、この演算値に対してデルタシグマ変調を行って、分周比設定信号SDIVを生成し、分周回路147に出力する。
このようにすれば、フラクショナル分周器を実現できると共に、温度変化による第2クロック信号CK2の周波数の変動を抑制する第2温度補償処理を実現できるようになる。またフラクショナル分周器を実現するフラクショナル分周処理と、温度補償処理とを、処理回路160におけるデジタル演算処理により一括して実行できる。従って、集積回路装置100の回路規模の増加等の抑制を図りながら、フラクショナル分周処理と温度補償処理を実現できるようになる。
なお集積回路装置100が行う第2温度補償処理としては種々の処理が考えられる。例えば集積回路装置100に設けられる処理回路160が、学習済みモデルの情報に基づいて第2温度補償処理を行ってもよい。例えば処理回路160は、温度センサーによる温度検出結果と、学習済みモデルの情報とに基づいて、第2温度補償処理を行う。そして温度補償処理が行われた周波数設定信号を生成する。例えば不図示の記憶回路は、温度計測結果に対して、対応する温度補償値が得られるように機械学習させた学習済みモデルの情報を記憶する。処理回路160は、温度検出結果と記憶回路の学習済みモデルの情報とに基づいて、各温度に対応する温度補償値を求める第2温度補償処理を行う。処理回路160がニューラルネットワーク演算を行う場合には、記憶回路は、学習済みモデルの情報として、ニューラルネットワーク演算の重み付け係数の情報を記憶する。処理回路160は、例えば温度検出結果に対応する温度検出データに基づいて、重み付け係数の情報を記憶回路から読み出して、ニューラルネットワーク演算を行うことで、各温度に対応する温度補償値を求める第2温度補償処理を実行する。
このように学習済みモデルの情報を用いて、第2温度補償処理を行うことで、より正確で適切な第2温度補償処理の実現が可能になる。例えば発振器4の製造時や出荷時において、当該発振器4の周波数温度特性を計測することで得られた学習済みモデルの情報を、不揮発性メモリーなどにより実現される記憶回路に書き込んで記憶させる。例えば発振器4の製造時や出荷時において、恒温槽などを用いて環境温度を変化させながら、各温度でのクロック信号の周波数特性を計測する。そして計測結果に基づき求められた学習済みモデルの情報を、記憶回路に書き込んで記憶させる。例えば各温度でのクロック周波数と温度検出信号をモニターし、各温度での温度検出信号の値に対応する適正な温度補償値が得られるように機械学習させた学習済みモデルの情報を、記憶回路に書き込んで記憶させる。このようにすることで、発振器4の実動作時において、処理回路160は、温度センサーの温度検出結果に対応する温度補償データを求める第2温度補償処理を実行できるようになる。これにより、製造のプロセス変動や回路特性の変動などの影響を抑制してキャンセルした第2温度補償処理を実現することが可能になる。
図15は発振器4のモード設定や感度設定についての説明図である。図15に示すように発振器4が、振動子10の温度を制御する恒温槽型発振器であるOCXOとして用いられるときは、第1モードに設定される。従って、集積回路装置20が1次の第1温度補償処理を行い、集積回路装置100が高次の第2温度補償処理を行うようになる。そしてOCXOでは、ヒーター回路である発熱用の集積回路装置200により振動子10の温度が一定に保たれる。従って、周波数温度特性が良くなり、動作温度範囲での周波数変化を数ppb~数十ppbというように非常に小さくすることが可能になる。また発振器4がOCXOとして用いられるときに、第1モードに設定されることで、集積回路装置20が高次の第1温度補償処理を行わなくなるため、図15に示すように近傍ノイズを低減でき、ノイズ特性を向上できる。従って、発振器4がOCXOとして用いられるときに、第1モードに設定することで、周波数温度特性を向上できると共にノイズ特性も向上できるようになる。
また図15に示すように発振器4が、振動子10の温度を制御しない温度補償型発振器であるTCXOとして用いられるときは、第1モード又は第2モードに設定される。例えば発振器4がTCXOとして用いられるときに、第1モードに設定されると、集積回路装置20が1次の第1温度補償処理を行い、集積回路装置100が高次の第2温度補償処理を行うようになる。これにより図15に示すように、周波数温度特性については、動作温度範囲での周波数変化が数百ppb~数ppmとなるが、近傍ノイズが低減され、ノイズ特性を向上できる。一方、発振器4がTCXOとして用いられるときに、第2モードに設定されると、集積回路装置20が1次及び高次の第1温度補償処理を行い、集積回路装置100が高次の第2温度補償処理を行うようになる。これにより図15に示すように、周波数温度特性については、動作温度範囲での周波数変化が数十ppb~数百ppbとなり、第1モードに比べて向上できる。一方、近傍ノイズは増加してしまい、ノイズ特性が第1モードに比べて悪化する。このように発振器4がTCXOとして用いられるときに、第1モード又は第2モードに設定されることで、ノイズ特性の向上を優先する場合には、第1モードに設定することで、これに対応し、周波数温度特性の向上を優先する場合には、第2モードに設定することで、これに対応できるようになる。
例えば発振器4が第2モードに設定され、集積回路装置20が1次及び高次の第1温度補償処理を行うことで、粗調整の第1温度補償処理が行われることになる。これにより集積回路装置20から出力される第1クロック信号CK1の周波数温度特性での周波数変動量は小さくなる。そして集積回路装置100が、集積回路装置20からの第1クロック信号CK1に基づいて第2クロック信号CK2を生成する際に、微調整の温度補償処理である第2温度補償処理を行う。このように集積回路装置20により粗調整の第1温度補償処理を行った後に、集積回路装置100により微調整の第2温度補償処理を行うことで、温度計測結果の揺らぎなどを原因とする周波数のマイクロジャンプを小さくすることが可能になり、発振器4のクロック周波数の高精度化等を実現できる。
また本実施形態では図15に示すように、温度補償電圧VCPに対する図3~図5の可変容量回路32の容量感度が、第1モードでは第2モードに比べて低い感度に設定される。容量感度は、容量制御電圧である温度補償電圧VCPに対する可変容量回路32の容量の変化の感度である。この容量感度により、発振回路30における発振周波数の周波数電圧感度が設定される。例えば可変容量回路32は、温度補償電圧VCPに対する容量感度を可変に設定できるようになっている。従って、第1モードにおいては、可変容量回路32の容量感度を低い感度に設定することで、温度補償電圧VCPの変化に対する発振周波数の変化を小さくする。一方、第2モードにおいては、可変容量回路32の容量感度を高い感度に設定することで、温度補償電圧VCPの変化に対する発振周波数の変化を大きくする。
例えば可変容量回路32の容量感度が高くなると、温度補償電圧VCPの変化に対する発振回路30の発振周波数の変化が大きくなる。そして集積回路装置20が出力する温度補償電圧VCPには、集積回路装置20を構成する回路素子が発生する熱ノイズやフリッカーノイズ等のノイズも重畳されているため、このノイズが可変容量回路32の高い容量感度により増幅されてしまう。従って、発振周波数がノイズにより変動してしまい、ノイズ特性が悪化する。そこでノイズ特性の向上を優先する第1モードでは、図15に示すように可変容量回路32の容量感度を低い感度に設定する。これにより、集積回路装置20を構成する回路素子のノイズが増幅されて、発振周波数がノイズにより変動してしまうのを抑制できるようになり、ノイズ特性の悪化を防止できるようになる。
そして本実施形態では、図4、図10で説明したように、発熱用の集積回路装置200に設けられるMIMキャパシターCM1の第1電極を、振動子10の一端に接続できる。このようにMIMキャパシターCM1の第1電極が振動子10の一端に接続されることで、振動子10の負荷容量が大きくなり、可変容量回路32の容量感度を低い感度に設定できるようになる。従って、発振器4が第1モードに設定されてOCXOとして用いられる場合には、MIMキャパシターCM1の第1電極を振動子10の一端に電気的に接続する。これにより、ノイズ特性の向上を優先する第1モードにおいて、可変容量回路32の容量感度を低い感度に設定することで、集積回路装置20を構成する回路素子のノイズが増幅されて、発振周波数がノイズにより変動してしまうのを抑制できるようになる。
また図15に示すように、発振器4がOCXOとして用いられ、第1モードに設定される場合も、フロアーノイズについては改善できない。そこで本実施形態では、例えば図16に示すように、第2クロック信号CK2のジッタークリーニングを行うジッタークリーニング回路150を設けている。
5.ジッタークリーニング回路
図16にジッタークリーニング回路150の構成例を示す。このようなジッタークリーニング回路150を集積回路装置100に設けることで、フロアーノイズを低減できるようになり、位相ノイズの特性を向上できるようになる。
図16に示すようにジッタークリーニング回路150は、位相比較回路152、ローパスフィルター154、電圧制御発振回路156、分周回路158を含むジッタークリーニング用のPLL回路である。
位相比較回路152は、PLL回路140からのクロック信号CKQとフィードバッククロック信号FBCKCとの位相比較を行い、クロック信号CKQとフィードバッククロック信号FBCKCの位相差に応じた信号を位相比較結果信号して出力する。ローパスフィルター154は、位相比較回路152からの位相比較結果信号のローパスフィルター処理を行い、高周波成分を除去して、発振周波数の制御電圧を電圧制御発振回路156に出力する。電圧制御発振回路156は、振動子11を発振させる動作を行って、制御電圧に対応する周波数のクロック信号CKCを出力する。分周回路158は、クロック信号CKCを分周して、フィードバッククロック信号FBCKCを位相比較回路152に出力する。出力回路180は、電圧制御発振回路156により生成されたクロック信号CKCのバッファリングを行って、第2クロック信号CK2を出力する。
このように図16では、PLL回路140の後段にジッタークリーニング用のPLL回路を設けている。そしてジッタークリーニング用のPLL回路は、例えば振動子11を発振させる電圧制御発振回路156によりクロック信号CKCを生成しているため、位相ノイズがPLL回路140等に比べて低い。従って、このようなジッタークリーニング用のPLL回路により構成されるジッタークリーニング回路150を、PLL回路140の後段に設けて、第2クロック信号CK2を出力するようにすれば、PLL回路140で発生した高周波の位相ノイズも低減できるようになる。従って、高周波のフロアーノイズを低減することができ、第2クロック信号CK2の位相ノイズの特性を向上できるようになる。
6.発振器
次に本実施形態の発振器4の構造例を図17、図18を用いて説明する。本実施形態では、図17の構造の発振器14が、図18に示すように第2パッケージ5に収容されて発振器4が構成される。
図17に示すように発振器14は、振動子10と、発振用の集積回路装置20と、発熱用の集積回路装置200と、振動子10及び集積回路装置20、200を収容する第1パッケージ15を有する。第1パッケージ15は、例えばセラミック等により形成され、その内側に収容空間SP1を有しており、この収容空間SP1に振動子10及び集積回路装置20、200が収容されている。収容空間SP1は気密封止されており、望ましくは真空に近い状態である減圧状態になっている。第1パッケージ15により、振動子10及び集積回路装置20、200を衝撃、埃、熱、湿気等から好適に保護することができる。
第1パッケージ15はベース16とリッド17を有する。具体的には第1パッケージ15は、振動子10及び集積回路装置20、200を支持するベース16と、ベース16との間に収容空間SP1を形成するようにベース16に接合されたリッド17とにより構成されている。そして振動子10は、ベース16の内側に設けられた段差部に端子電極を介して支持されている。また集積回路装置20、200は、ベース16の内側面に配置されている。具体的には集積回路装置20、200は、能動面がリッド17の方に向くように配置されている。能動面は集積回路装置20、200の回路素子が形成される面である。また集積回路装置20、200のパッドにはボンディングワイヤーBWが接続されている。そして、ボンディングワイヤーBWや、第1パッケージ15の面や内部に形成される金属線、金属端子などの内部配線により、振動子10と集積回路装置20、200との接続や、集積回路装置20と集積回路装置200との接続が行われる。また集積回路装置20、200のパッドは、ボンディングワイヤー等の内部配線を介して、発振器14の外部端子18、19に電気的に接続される。外部端子18、19は、第1パッケージ15の外側面に形成されている。そして図18に示すように、発振器14の外部端子18、19は、ボンディングワイヤーBW、金属線、金属端子等を介して、制御用の集積回路装置100に電気的に接続される。これにより集積回路装置20からの第1クロック信号CK1や温度検出電圧VTSを集積回路装置100に入力したり、集積回路装置100からの温度制御信号GCを集積回路装置200に入力できるようになる。
なお図18では、振動子10及び集積回路装置20、200を第1パッケージ15に収容し、第1パッケージ15及び集積回路装置100を第2パッケージ5に収容するダブルシール構造について説明した。しかしながら本実施形態の発振器4の構造はこれに限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば振動子10と集積回路装置20、100、200を1つのパッケージに収容するシングルシール構造を採用するようにしてもよい。
図18は発振器4の全体的な構造例を示す図である。図18の発振器4は、振動子10及び集積回路装置20、200を収容する第1パッケージ15と、第1パッケージ15及び集積回路装置100を収容する第2パッケージ5を含む。第1パッケージ15、第2パッケージ5は、各々、第1容器、第2容器と言うこともできる。
このようにすれば、振動子10と集積回路装置20、200を収容する第1パッケージ15を恒温槽とするOCXOを実現できるようになる。例えば第1パッケージ15内に、ヒーターICである集積回路装置200が配置され、温度制御信号GCに基づく集積回路装置200の発熱トランジスターTRの発熱制御により、恒温槽である第1パッケージ15の温度制御が行われる。これにより例えば環境温度が変化しても、振動子10の温度を一定に保つような温度制御が行われ、恒温槽型水晶発振器であるOCXOの実現が可能になる。
また図18の発振器4の構造によれば、振動子10と集積回路装置20、200とが第1パッケージ15に収容された既存の製品の発振器14を利用することも可能になる。即ち既存の製品の発振器14を、制御用の集積回路装置100と共に、第2パッケージ5に収容することで、OCXOを実現できるようになる。従って、既存の製品の発振器を有効利用したOCXOの実現が可能になり、製品コストや開発コストや開発期間等を削減できるようになる。
また図18の発振器4は、第2パッケージ5に設けられ、発熱用の集積回路装置200に温度制御信号GCを出力する集積回路装置100と、集積回路装置100に接続されたジッタークリーニング用の振動子11とを含む。ジッタークリーニング用の振動子11は、第2パッケージ5の外側底面に実装されている。例えば第2パッケージ5の底面には凹部が形成されており、この凹部の底面に振動子11が実装されている。なお第2パッケージ5の底面には、発振器4の外部端子8、9も設けられている。集積回路装置100は図10に示すようにオーブン制御回路であるヒーター制御回路192を有しており、このヒーター制御回路192からの温度制御信号GCが発熱用の集積回路装置200に入力され、発熱トランジスターTRの発熱制御が行われる。このようにすれば、集積回路装置100が温度制御信号GCに基づく温度制御を行うことで、集積回路装置200の発熱トランジスターTRの発熱制御が行われ、これにより恒温槽となる第1パッケージ15の温度制御が行われて、OCXOが実現されるようになる。また集積回路装置100は、図16に示したジッタークリーニング回路150を内蔵しており、振動子11に接続されたジッタークリーニング用のPLL回路により、出力信号の位相ノイズの特性を向上させている。
なお発振器4は図17、図18の構造に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば発熱用の集積回路装置200を第2パッケージ5の収容空間SP2に配置してもよい。例えば第1パッケージ15の上面に発熱用の集積回路装置200を配置して、発熱制御を行ってもよい。
以上に説明したように本実施形態の発振器は、振動子と、振動子を発振させる発振回路を有する発振用の集積回路装置と、振動子を加熱する発熱用の集積回路装置と、を含む。そして発熱用の集積回路装置は、振動子を加熱する発熱トランジスターと、第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極を有するMIMキャパシターと、MIMキャパシターの第1電極に接続されたパッドと、を含む。
本実施形態によれば、発振用の集積回路装置の発振回路により振動子を発振させて、発振信号に基づくクロック信号を生成できると共に、発熱用の集積回路装置の発熱トランジスターにより振動子を加熱することで、振動子の温度制御が可能になる。そして本実施形態では、このような発熱用の集積回路装置に対して、MIMキャパシターを設けると共に、MIMキャパシターの第1電極に接続されるパッドを設けている。このようにすれば、発振器において、キャパシターの容量が必要なノードがある場合に、そのノードに発熱用の集積回路装置のパッドを接続することで、集積回路装置に設けられるMIMキャパシターを、そのノードに必要な容量として使用できるようになる。従って、発振器の小型化を妨げずに発振器に必要な容量を実現できる発振器の提供が可能になる。
また本実施形態では、発熱用の集積回路装置の基板に直交する平面視において、MIMキャパシターと発熱トランジスターは重なっていてもよい。
このようにすれば、発熱用の集積回路装置において面積を占める発熱トランジスターの配置領域を利用して、平面視において発熱トランジスターに重なるようにMIMキャパシターを配置できるようになる。そしてMIMキャパシターが接続されるパッドを設けることで、MIMキャパシターを、発振器において容量が必要な種々なノードに接続できるようになる。
また本実施形態では、MIMキャパシターの第1電極は、発熱トランジスターのゲートに電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、発熱トランジスターを制御する温度制御信号の直流化や安定化のための容量として、集積回路装置に内蔵されるMIMキャパシターを利用できるようになる。
また本実施形態では、MIMキャパシターの第1電極は、パッドを介して発熱トランジスターのゲートに電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、MIMキャパシターの第1電極をパッドを介して発熱トランジスターに接続するという用途に使用できると共に、他の用途に使用することも可能になる。
また本実施形態では、MIMキャパシターの第1電極は、振動子の一端に電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、発振用の集積回路装置には内蔵できないような発振の負荷容量を、発熱用の集積回路装置に内蔵したMIMキャパシターにより実現できるようになる。
また本実施形態では、発振用の集積回路装置は、MIMキャパシターと並列に、振動子の一端に電気的に接続される可変容量回路を含んでもよい。
このようにすれば、発熱用の集積回路装置に内蔵されるMIMキャパシターを、可変容量回路に並列に設けられる負荷容量として利用することが可能になる。
また本実施形態では、MIMキャパシターの第1電極は、発振用の集積回路装置の電源のパッドに電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、例えば発振用の集積回路装置には内蔵できないような電源の安定化容量を、発熱用の集積回路装置に内蔵したMIMキャパシターにより実現できるようになる。
また本実施形態では、発熱用の集積回路装置を制御する制御用の集積回路装置を含み、制御用の集積回路装置の温度制御信号が発熱トランジスターのゲートに入力され、MIMキャパシターの第1電極は、温度制御信号が出力される制御用の集積回路装置のパッドに電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、発熱用の集積回路装置に設けられるMIMキャパシターを、温度制御信号の直流化や安定化のために使用できるようになり、発熱トランジスターによる適正なヒーター制御の実現が可能になる。
また本実施形態では、振動子と、発振用の集積回路装置と、発熱用の集積回路装置と、を収容する第1パッケージを含んでもよい。
このようにすれば第1パッケージの収容空間を恒温槽とする発振器などを実現できるようになる。
また本実施形態では、発熱用の集積回路装置は、第1パッケージ内の温度を一定の温度に維持する集積回路装置であってもよい。
このようにすれば、振動子が周波数温度特性を有する場合にも、振動子の温度が一定に維持されることで、環境温度の変化に対して周波数変動の少ない発振信号を生成できるようになり、この発振信号に基づく高精度のクロック信号を生成できるようになる。
また本実施形態では、振動子の一端と、発熱用の集積回路装置のパッドとが、第1パッケージの内部配線を介して電気的に接続されていてもよい。
このようにすれば、発振用の集積回路装置には内蔵できないような発振の負荷容量を、発熱用の集積回路装置に内蔵したMIMキャパシターにより実現できるようになる。
また本実施形態では、発熱用の集積回路装置を制御する制御用の集積回路装置と、第1パッケージと制御用の集積回路装置とを収容する第2パッケージと、を含んでもよい。
このようにすれば、第1パッケージ内の発熱用の集積回路装置の発熱トランジスターの発熱により、第1パッケージ内の振動子の温度を一定に維持できるようになる。そして、この第1パッケージと共に第2パッケージに設けられた制御用の集積回路装置により、発熱用の集積回路装置の制御を行うことで、第1パッケージを恒温槽とするヒーター制御を実現できるようになる。
また本実施形態では、制御用の集積回路装置の温度制御信号が、第2パッケージの内部配線及び第1パッケージの内部配線を介して発熱用の集積回路装置のパッドに入力されてもよい。
このようにすれば、第1パッケージと共に第2パッケージに設けられた制御用の集積回路装置からの温度制御信号により、発熱用の集積回路装置の発熱トランジスターのゲートを制御することで、第1パッケージを恒温槽とするヒーター制御を実現できるようになる。
また本実施形態では、発振用の集積回路装置は、振動子の発振信号に基づく第1クロック信号の第1温度補償処理を行って、第1温度補償処理後の第1クロック信号を出力してもよい。そして制御用の集積回路装置は、第1温度補償処理後の第1クロック信号に対して第2温度補償処理を行って、第2温度補償処理後の第2クロック信号を出力してもよい。
このようにすれば、発振用の集積回路装置からの第1温度補償処理後の第1クロック信号に対して、制御用の集積回路装置により第2温度補償処理を行って、第1クロック信号に基づく第2クロック信号として出力できるようになる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また発振器、集積回路装置の構成・動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
4…発振器、5…第2パッケージ、8、9…外部端子、10、11…振動子、14…発振器、15…第1パッケージ、16…ベース、17…リッド、20…集積回路装置、24…温度センサー、30…発振回路、32…可変容量回路、40…温度補償回路、42…電流生成回路、43…1次補正回路、44…高次補正回路、46…電流電圧変換回路、48…温度センサー、60…ロジック回路、70…不揮発性メモリー、80…出力回路、90…電源回路、100…集積回路装置、130…クロック信号生成回路、140…PLL回路、142…位相比較回路、144…制御電圧生成回路、146…電圧制御発振回路、147…分周回路、148…温度センサー、150…ジッタークリーニング回路、152…位相比較回路、154…ローパスフィルター、156…電圧制御発振回路、158…分周回路、160…処理回路、162…デルタシグマ変調回路、164…演算回路、166…レジスター、168…A/D変換回路、170…不揮発性メモリー、180…出力回路、190…電源回路、192…ヒーター制御回路、194…ローパスフィルター&アンプ、200…集積回路装置、224…温度センサー、AL1~AL5…金属層、ALD、ALS…金属配線、AM…増幅回路、BW…ボンディングワイヤー、CC…キャパシター、CK1…第1クロック信号、CK2…第2クロック信号、CKC、CKQ…クロック信号、CM1、CM2、CM…MIMキャパシター、GC…温度制御信号、M43…金属層、M54…金属層、PM1、PM1B、PM2、PCK、PGC、PVCC、PGND、PTS、PVDD1、PGND1、PX1、PX2…パッド、RC、RE1、RE2、RT…抵抗、RL…電流制限抵抗、SP1、SP2…収容空間、T1~T6…トランジスター、TGND、TVCC…端子、TR…発熱トランジスター

Claims (14)

  1. 振動子と、
    前記振動子を発振させる発振回路を有する発振用の集積回路装置と、
    前記振動子を加熱する発熱用の集積回路装置と、
    を含み、
    前記発熱用の集積回路装置は、
    前記振動子を加熱する発熱トランジスターと、
    第1金属層による第1電極と、第2金属層による第2電極を有するMIMキャパシターと、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極に接続されたパッドと、
    を含むことを特徴とする発振器。
  2. 請求項1に記載の発振器において、
    前記発熱用の集積回路装置の基板に直交する平面視において、前記MIMキャパシターと前記発熱トランジスターは重なっていることを特徴とする発振器。
  3. 請求項1又は2に記載の発振器において、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極は、前記発熱トランジスターのゲートに電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  4. 請求項3に記載の発振器において、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極は、前記パッドを介して前記発熱トランジスターのゲートに電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項1又は2に記載の発振器において、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極は、前記振動子の一端に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項5に記載の発振器において、
    前記発振用の集積回路装置は、
    前記MIMキャパシターと並列に、前記振動子の一端に電気的に接続される可変容量回路を含むことを特徴とする発振器。
  7. 請求項1又は2に記載の発振器において、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極は、前記発振用の集積回路装置の電源のパッドに電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  8. 請求項1又は2に記載の発振器において、
    前記発熱用の集積回路装置を制御する制御用の集積回路装置を含み、
    前記制御用の集積回路装置の温度制御信号が前記発熱トランジスターのゲートに入力され、
    前記MIMキャパシターの前記第1電極は、前記温度制御信号が出力される前記制御用の集積回路装置のパッドに電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発振器において、
    前記振動子と、前記発振用の集積回路装置と、前記発熱用の集積回路装置と、を収容する第1パッケージを含むことを特徴とする発振器。
  10. 請求項9に記載の発振器において、
    前記発熱用の集積回路装置は、前記第1パッケージ内の温度を一定の温度に維持する集積回路装置であることを特徴とする発振器。
  11. 請求項9又は10に記載の発振器において、
    前記振動子の一端と、前記発熱用の集積回路装置の前記パッドとが、前記第1パッケージの内部配線を介して電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  12. 請求項9乃至11のいずれか一項に記載の発振器において、
    前記発熱用の集積回路装置を制御する制御用の集積回路装置と、
    前記第1パッケージと前記制御用の集積回路装置とを収容する第2パッケージと、
    を含むことを特徴とする発振器。
  13. 請求項12に記載の発振器において、
    前記制御用の集積回路装置の温度制御信号が、前記第2パッケージの内部配線及び前記第1パッケージの内部配線を介して前記発熱用の集積回路装置の前記パッドに入力されることを特徴とする発振器。
  14. 請求項12又は13に記載の発振器において、
    前記発振用の集積回路装置は、
    前記振動子の発振信号に基づく第1クロック信号の第1温度補償処理を行って、前記第1温度補償処理後の前記第1クロック信号を出力し、
    前記制御用の集積回路装置は、
    前記第1温度補償処理後の前記第1クロック信号に対して第2温度補償処理を行って、前記第2温度補償処理後の第2クロック信号を出力することを特徴とする発振器。
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