JP2023127012A - 熱伝導部材 - Google Patents

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淳一 石田
Junichi Ishida
雅昭 花野
Masaaki Hanano
敏彦 小関
Toshihiko Koseki
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Abstract

【課題】熱輸送効率を向上させることができる熱伝導部材を提供する。【解決手段】熱伝導部材1は、内部空間10aを有する筐体と、ウィック構造体30と、作動媒体20と、を備える。筐体は、内部空間10aに配置される柱部15を有する。前記ウィック構造体30と前記作動媒体20とは、前記内部空間10aに収容される。上記熱伝導部材1は、下記を満たす。V1>V2V1:前記内部空間10aにおける前記ウィック構造体30以外の空間に含まれ、前記作動媒体20の蒸気が存在しうる蒸気空間Sの体積V2:前記ウィック構造体30の体積【選択図】図2

Description

本発明は、熱伝導部材に関する。
従来の熱伝導部材は、平板状密閉容器と、多孔質シートと、作動流体と、を有する。平板状密閉容器は、内部を有する。多孔質シートは、平板状密閉容器の内面に配置される。作動流体は、内部に収容される。
平板状密閉容器は、発熱体と接触して配置される。多孔質シートは、発熱体側の多孔質シートと、発熱体側と反対側である冷却側の多孔質シートと、を有する場合がある。作動流体は、発熱体によって加熱されて発熱体側の多孔質シートから気化する。気化して蒸気となった作動流体は、2つの多孔質シートの間の隙間空間を拡散し、冷却側の多孔質シートにおいて凝縮する。これにより、発熱体側から冷却側に熱が輸送される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-62072号公報
しかしながら、上記のような熱伝導部材は、作動流体の蒸気が平板状密閉容器内で拡散しにくく、熱輸送効率が低下しやすい課題があった。
上記状況に鑑み、本発明は、熱輸送効率を向上させることができる熱伝導部材を提供することを目的とする。
本発明の例示的な熱伝導部材は、内部空間を有する筐体と、ウィック構造体と、作動媒体と、を備える。筐体は、内部空間に配置される柱部を有する。ウィック構造体と作動媒体とは、内部空間に収容される。上記熱伝導部材は、下記を満たす。
V1>V2
V1:内部空間におけるウィック構造体以外の空間に含まれ、作動媒体の蒸気が存在しうる蒸気空間の体積
V2:ウィック構造体の体積
本発明の例示的な熱伝導部材によれば、熱輸送効率を向上させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る熱伝導部材の模式的な側面断面図である。 図3は、本発明の変形例に係る熱伝導部材の模式的な側面断面図である。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向を示し、+Z方向が上側であり、-Z方向が下側である。Z軸方向は、後述する第1金属板11と第2金属板12との対向方向でもある。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+X方向および-X方向とする。Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+Y方向および-Y方向とする。上記上下方向は、例えば鉛直方向とすることができる。その場合、上側は重力方向と逆方向であり、下側は重力方向である。ただし、上記上下方向は、鉛直方向に限ることはない。
また、本明細書において、「焼結」とは、金属の粉末または金属の粉体を、金属の融点よりも低い温度まで加熱して、金属の粒子を焼き固める技術を指す。また、「焼結体」とは、焼結によって得られる物体を指す。
<1.熱伝導部材の構成>
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る熱伝導部材1の斜視図であり、図2は、熱伝導部材1の模式的な側面断面図である。なお、図2は、図1の一点鎖線A-Aに沿う断面図である。熱伝導部材1は、ベーパーチャンバーとも呼ばれ、発熱体Hの熱を輸送する。発熱体Hとしては、例えば、車両の車輪を駆動するためのトラクションモータに備えられるインバータのパワートランジスタが挙げられる。当該パワートランジスタは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。この場合、熱伝導部材1は、トラクションモータに搭載される。IGBTの発熱量は、一般的に100W以上である。
熱伝導部材1の下面には、発熱体Hが接して配置される。発熱体Hにより発生した熱は、熱伝導部材1の上面より放熱される。なお、放熱性を向上させるために、熱伝導部材1の上面にスタックドフィンやピンフィンなどの放熱フィンを設けてもよい。その場合、放熱フィン間に冷却媒体を流す。冷却媒体は、例えば水や油であってもよいし、空気でもよい。
なお、図1および図2で示す構成では、一例として、矩形体状の熱伝導部材1の下面中央部に、1つの発熱体Hが配置される。ただし、発熱体Hを熱伝導部材1の下面縁部に配置してもよい。また、複数の発熱体を熱伝導部材1の下面に配置してもよい。
熱伝導部材1のZ方向の厚みは、例えば5mm以上である。熱伝導部材1は、筐体10と、作動媒体20と、ウィック構造体30と、を備える。
<2.筐体の構成>
筐体10は、内部空間10aを有する。作動媒体20と、ウィック構造体30と、は内部空間10aに収容される。筐体10は、内部空間10aに配置される柱部15を有する。(請求項1)筐体10は、対向して配置される第1金属板11および第2金属板12を有する。
第1金属板11および第2金属板12は、例えば、銅等の熱伝導性の高い金属から形成される。また、銅以外の金属の表面に銅メッキを施して形成されてもよい。銅以外の金属としては、例えばステンレス鋼が考えられる。
第1金属板11および第2金属板12は、上面視において水平方向に拡がる矩形の板状である。第2金属板12の下面には発熱体Hが接触する。すなわち、第2金属板12は、発熱体H側に配置される。第1金属板11は、第2金属板12の上面を覆う。なお、本実施形態の第1金属板11および第2金属板12は、上面視において四角形であるがこの限りではない。例えば、上面視において多角形、または円形であってもよい。
第1金属板11は、周縁から下方に延びる第1側壁部13aを有する。第2金属板12は、周縁から上方に延びる第2側壁部13bを有する。第1側壁部13aの下面と第2側壁部13bの上面とが接合部14で接合される。なお、第2側壁部13bを省いて、第1側壁部13aの下面と第2金属板12の上面とを接合してもよい。または、第1側壁部13aを省いて、第2側壁部13bの上面と第1金属板11の下面とを接合してもよい。
内部空間10aは、第1金属板11および第2金属板12で囲まれて形成される。内部空間10aは、密閉空間であり、例えば大気圧よりも気圧が低い減圧状態に維持される。内部空間10aが減圧状態であることにより、内部空間10aに収容される作動媒体20が蒸発しやすくなる。作動媒体20は、例えば水であるが、アルコールなどの他の液体であってもよい。
接合部14は、上面視において、ウィック構造体30の周囲に位置する。第1側壁部13aと第2側壁部13bとの接合方法は、特に限定されない。例えば、熱と圧力を加えて接合する方法、拡散接合、ろう材を用いた接合、などのいずれの接合方法であってもよい。
なお、接合部14は、封止部を含んでいてもよい。封止部は、例えば、熱伝導部材1の製造過程において、作動媒体20を筐体10内に注入するための注入口を溶接によって封止した箇所である。
柱部15は、少なくとも1つの中実な中実柱部151を有する。中実柱部151は、第1金属板11および第2金属板12とは別部材である。中実柱部151は、第1金属板11と第2金属板12とを連結する。これにより、中実柱部151は、第1金属板11および第2金属板12を支持する。なお、「中実」な部材とは、いわゆるソリッドな部材であることを意味し、中身が密に詰まっており、多孔質でない。例えば、「中実」な部材は、内部に空洞がない部材であってもよいし、単数または複数の巨視的な空洞を内部に有する部材であってもよい。
中実柱部151は、銅等の熱伝導性の高い金属から形成される。中実柱部151は、Z軸方向に延び、中実柱部151の上端部および下端部は、第1金属板11の下面および第2金属板12の上面にそれぞれろう材を用いて接合される。なお、中実柱部151は、ろう材による接合以外に溶接などにより第1金属板11および第2金属板12と接合されてもよい。また、中実柱部151は、第1金属板11および第2金属板12の一方と一体であってもよい。このとき、中実柱部151は、第1金属板11または第2金属板12をエッチングまたは切削して形成する際に形成することができる。
中実柱部151は、例えば、上面視において円形の円柱で構成される。中実柱部151は、XY面内において2次元的に、かつ、規則的に並んで位置する。Z軸方向において柱部15が、第1金属板11および第2金属板12を支持することにより、筐体10のZ軸方向の厚みが一定に保たれる。これにより、筐体10のZ軸方向の変形によって内部空間10aが、狭くなることを抑制できる。
柱部15は、少なくとも1つの連結柱部152をさらに有する。(請求項4)連結柱部152は、柱状である。連結柱部152は、Z軸方向に延び、例えば、上面視において円形の円柱で構成される。また、連結柱部152は、XY面内において2次元的に、かつ、規則的に並んで位置する。連結柱部152は、隣り合う中実柱部151の中間に配置されることが好ましい。
<3.ウィック構造体の構成>
ウィック構造体30は、第1ウィック構造体部31と、第2ウィック構造体部32と、少なくとも1つの第3ウィック構造体部33と、を有する。
第1ウィック構造体部31、第2ウィック構造体部32、および第3ウィック構造体部33は、多孔質であり、作動媒体20の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。第1ウィック構造体部31は、第1金属板11の内面に配置される板状の部材であり、発熱体H側と反対側の冷却側に配置される。第2ウィック構造体部32は、第2金属板12の内面に配置される板状の部材であり、発熱体H側に配置される。第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32とは対向して配置される。第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との間には、蒸気空間Sが形成される。蒸気空間Sは、作動媒体20の蒸気を拡散させるための空間である。
連結柱部152は、後述の第1ウィック構造体部31と後述の第2ウィック構造体部32とを連結する。(請求項4)連結柱部152は、第1ウィック構造体部31および第2ウィック構造体部32を介して第1金属板11および第2金属板12を支持する。これにより、連結柱部152が中実柱部151を補強して筐体10のZ軸方向の変形をより抑制できる。
また、第1ウィック構造体部31と、第2ウィック構造体部32と、連結柱部152と、は、それぞれ多孔質の焼結体であり、一体である。第1ウィック構造体部31、第2ウィック構造体部32、および連結柱部152を多孔質の焼結体とすることにより、メッシュ材よりも容易に製造可能であり、熱伝導部材1の製造コストを下げることができる。また、連結柱部152を設けることにより、第1ウィック構造体部31から第2ウィック構造体部32への作動媒体20の流路を増やすことができる。
第2ウィック構造体部32の厚みW2は、第1ウィック構造体部31の厚みW1よりもZ方向に大きいことが好ましい。発熱体H側に配置される第2ウィック構造体部32は、第1ウィック構造体部31よりも液状の作動媒体20の気化が、促進される。このため、第2ウィック構造体部32の厚みW2を、第1ウィック構造体部31の厚みW1よりもZ方向に大きくすることにより、第2ウィック構造体部32の作動媒体20の保持性を第1ウィック構造体部31の作動媒体20の保持性よりも高くできる。これにより、気化した作動媒体20が放熱により凝縮して第2ウィック構造体部32に還流するまでに第2ウィック構造体部32に含まれる作動媒体20がすべて気化してしまうドライアウトの発生を抑制できる。
さらに、Z方向において、第1ウィック構造体部31の厚みW1と、第2ウィック構造体部32の厚みW2と、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との隙間の長さW3とは、式(1)を満たすことが好ましい。
W3>W2+W1 ・・・(1)
内部空間10aにおいて、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32とのZ方向の隙間を大きく設けることにより、第2ウィック構造体部32から気化した作動媒体20が、内部空間10a内でXY面内に拡散し易くなる。これにより、第1ウィック構造体部31における作動媒体20の凝縮が促進される。
さらに、Z方向において、第1ウィック構造体部31の厚みW1と、第2ウィック構造体部32の厚みW2と、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との隙間の長さW3とは、式(2)~式(4)を満たすことがより好ましい。
4W1≧W2≧2W1 ・・・(2)
7W1≧W3≧5W1 ・・・(3)
W3+W2=9W1 ・・・(4)
すなわち、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との隙間の長さW3と、第2ウィック構造体部32の厚みW2との和が第1ウィック構造体部31の厚みW1の9倍と等しい上で、第2ウィック構造体部32の厚みW2を第1ウィック構造体部31の厚みW1の2倍以上4倍以下とし、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との隙間の長さW3を第1ウィック構造体部31の厚みW1の5倍以上7倍以下とすることが好ましい。これにより、第2ウィック構造体部32の作動媒体20の保持性を確保しながら、第1ウィック構造体部31における作動媒体20の凝縮をより促進することができる。
また、発熱体Hとは反対側の冷却側に配置される第1ウィック構造体部31は、第2ウィック構造体部32よりも気化した作動媒体20の凝縮が、促進される。このため、第1ウィック構造体部31は、第2ウィック構造体部32と比べて作動媒体20の冷却効率が高いことが好ましい。
また、第2ウィック構造体部32は、第1ウィック構造体部31よりも空隙率が高い。これにより、第2ウィック構造体部32の毛細管力が、第1ウィック構造体部31の毛細管力よりも大きくなる。
ここで、第1ウィック構造体部31および第2ウィック構造体部32の全体積に対する空間の体積の割合を、空隙率と呼ぶ。空隙率の単位は%である。空隙率は以下の方法によって求められる。例えば、ウィック構造体部の断面写真から、空間の面積を測定し、空間の面積が全体に占める割合を算出することにより、空隙率を求めることができる。第1ウィック構造体部31および第2ウィック構造体部32の断面の観察においては、被写界深度の深い走査型電子顕微鏡を用いることが好ましい。なお、断面の観察の方法は、金属部分と空間とを容易に判別できる方法であればよく、特に限定されない。
なお、本実施形態では、第1ウィック構造体部31および第2ウィック構造体部32を多孔質の焼結体で構成しているが、第1ウィック構造体部31または第2ウィック構造体部32は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材であってもよい。第2ウィック構造体部32をメッシュ材で構成し、第1ウィック構造体部31を多孔質の焼結体で構成することにより、第2ウィック構造体部32の毛細管力を、第1ウィック構造体部31の毛細管力よりも容易に大きくすることができる。
また、第1ウィック構造体部31は、複数の溝部を有する構成としてもよい。これにより、冷却側に配置される第1ウィック構造体部31の作動媒体20の保持性を低下させ、凝縮した作動媒体20の発熱体H側への還流を促すことができる。
第1ウィック構造体部31、第2ウィック構造体部32、および連結柱部152は、例えば、以下のように形成される。まず、マイクロ銅粒子、銅体および樹脂を含む混合粉体を接合前の第1金属板11の下面および第2金属板12の上面に吹き付け塗布する。次に、柱状に成形した混合粉体を挟んで第1金属板11および第2金属板12を接合する。その後、筐体10を加熱して混合粉体を焼成する。これにより、筐体10の内部空間10aに、第1ウィック構造体部31と、第2ウィック構造体部32と、連結柱部152と、を、容易に一体に形成できる。これにより、熱伝導部材1の製造コストを抑制することができる。なお、第1ウィック構造体部31、第2ウィック構造体部32および連結柱部152を別々に焼成した後に、第1金属板11および第2金属板12を接合してもよい。
なお、本明細書において、「塗布」とは、第1金属板11の下面および第2金属板12の上面に金属粉体を付着させることを指す。吹き付け塗布する方法以外に、金属粉体を含むペーストを塗布してもよい。
マイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集または結合した粒子である。マイクロ銅粒子の粒径は、1μm以上1mm未満である。マイクロ銅粒子は、例えば多孔質である。
銅体は、マイクロ銅粒子よりも小さいサブマイクロ銅粒子が焼結により溶融して固まった銅溶融体である。サブマイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集または結合した粒子である。溶融前のサブマイクロ銅粒子の粒径は、0.1μm以上1μm未満である。
樹脂は、マイクロ銅粒子および銅体を構成する銅の融点以下の温度で揮発する揮発性の樹脂である。このような揮発性の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。これらの中では、熱分解性の高いアクリル樹脂を用いることが好ましい。
<4.熱伝導部材の動作>
図2において、作動媒体20が気化して生成される蒸気の流れを熱伝導部材1内の黒矢印で示し、液状の作動媒体20の流れを熱伝導部材1内の白抜き矢印で示す。
上記の構成の熱伝導部材1では、発熱体Hで発生した熱により、第2金属板12の温度が上昇すると、第2ウィック構造体部32に含まれた液状の作動媒体20が、気化する。
気化して蒸気とされた作動媒体20は、蒸気空間Sで拡散する。なお、蒸気空間Sは、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との間の隙間空間から柱部15および第3ウィック構造体部33により占有される空間を除いた空間である。
このとき、気化した作動媒体20の一部は、第1ウィック構造体部31に接触して冷却され、凝縮する。第1ウィック構造体部31は、第1金属板11の下面よりも表面積が大きく冷却効率が高い。このため、第1ウィック構造体部31を設けることにより、気化した作動媒体20の冷却効率が向上して凝縮が促進される。
第1ウィック構造体部31で凝縮した作動媒体20の一部は、滴下して第2ウィック構造体部32に吸収される。また、第1ウィック構造体部31で凝縮した作動媒体20の一部は、第1ウィック構造体部31中および第3ウィック構造体部33中を移動して第2ウィック構造体部32に吸収される。また、第1ウィック構造体部31で凝縮した作動媒体20の一部は、柱部15の外面に沿って移動して第2ウィック構造体部32に吸収される。
このとき、第2ウィック構造体部32の毛細管力は、第1ウィック構造体部31の毛細管力よりも高いため、凝縮した作動媒体20を第2ウィック構造体部32を介して発熱体Hが配置される位置に、より早く移動させることができる。従って、作動媒体20による熱輸送効率が向上する。
上記のように作動媒体20が状態変化を伴いながら移動することにより、発熱体H側から冷却側への熱輸送が連続的に行われる。
<5.蒸気空間について>
先述したように、蒸気空間Sは、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32との間の隙間空間から中実柱部151および連結柱部152により占有される空間を除いた空間である。すなわち、蒸気空間Sは、内部空間10aにおけるウィック構造体30以外の空間に含まれ、作動媒体20の蒸気が存在しうる空間である。
そして、本実施形態では、下記式(5)が満たされる。
V1>V2 ・・・(5)
ただし、V1:蒸気空間Sの体積、V2:ウィック構造体30の体積
このようにすることで、蒸気空間Sの体積を確保し、作動媒体20の蒸気の拡散を促進することができる。従って、熱伝導部材1の熱輸送効率を向上させることができる。
また、蒸気空間Sは、内部空間10aにおけるウィック構造体30および少なくとも1つの中実柱部151以外の空間である。中実柱部151は筐体10の強度を確保することができるが、配置することにより蒸気空間Sが狭くなる要因となり、そのような中実柱部151を設ける場合でも上記式(5)を満たすことで蒸気の拡散を促進できる。
また、上記式(5)より、蒸気空間Sの体積は、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32と連結柱部152との各体積の総和よりも大きくなることで、蒸気の拡散を促進できる。
<6.柱部と第3ウィック構造体部>
本実施形態では、柱部15の中実柱部151と連結柱部152とは、次のような構成であることが好ましい。
中実柱部151の上面と第1金属板11の下面とが接合される接合面積の総和は、連結柱部152の上面と第1ウィック構造体部31の下面とが接合される接合面積の総和よりも大きい。かつ、中実柱部151の下面と第2金属板12の上面とが接合される接合面積の総和は、連結柱部152の下面と第2ウィック構造体部32の上面とが接合される接合面積の総和よりも大きい。なお、接合面積の総和とは、1本の中実柱部151または連結柱部152についての接合面積のすべての本数分の総和のことである。
ただし、図3に変形例を示すように、連結柱部152が第1ウィック構造体部31を貫通して第1金属板11に接合されるとともに、第2ウィック構造体部32を貫通して第2金属板12に接合されてもよい。このような場合には、中実柱部151の上面と第1金属板11の下面とが接合される接合面積の総和は、連結柱部152の上面と第1金属板11の下面とが接合される接合面積の総和よりも大きい。かつ、中実柱部151の下面と第2金属板12の上面とが接合される接合面積の総和は、連結柱部152の下面と第2金属板12の上面とが接合される接合面積の総和よりも大きい。
すなわち、中実柱部151の一方側端部が第1金属板11と接する接触面積の総和は、連結柱部152の一方側端部が第1ウィック構造体部31または第1金属板11と接する接触面積の総和よりも広く、かつ、中実柱部151の他方側端部が第2金属板12と接する接触面積の総和は、連結柱部152の他方側端部が第2ウィック構造体部32または第2金属板12と接する接触面積の総和よりも広い。
中実柱部151の強度は、連結柱部152の強度よりも高い。従って、上記のような接触面積の大小関係により、連結柱部152を用いる構成であっても、中実柱部151によって筐体10の強度を十分に確保することができる。
<7.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾を生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
例えば、第1ウィック構造体部31と第2ウィック構造体部32のうち一方を設けないようにしてもよい。または、中実柱部15と連結柱部152のうち少なくとも一方を設けないようにしてもよい。
本発明は、各種発熱体の冷却に利用することができる。
1 熱伝導部材
10 筐体
10a 内部空間
11 第1金属板
12 第2金属板
13a 第1側壁部
13b 第2側壁部
14 接合部
15 柱部
151 中実柱部
152 連結柱部
20 作動媒体
30 ウィック構造体
31 第1ウィック構造体部
32 第2ウィック構造体部
33 第3ウィック構造体部
H 発熱体
S 蒸気空間

Claims (14)

  1. 内部空間を有する筐体と、
    ウィック構造体と、
    作動媒体と、
    を備え、
    前記筐体は、前記内部空間に配置される柱部を有し、
    前記ウィック構造体と前記作動媒体とは、前記内部空間に収容され、
    下記を満たす、熱伝導部材。
    V1>V2
    V1:前記内部空間における前記ウィック構造体以外の空間に含まれ、前記作動媒体の蒸気が存在しうる蒸気空間の体積
    V2:前記ウィック構造体の体積
  2. 前記筐体は、
    対向して配置される第1金属板および第2金属板と、
    を有し、
    前記柱部は、少なくとも1つの中実な中実柱部を有し、
    前記中実柱部は、前記第1金属板と前記第2金属板とを連結し、
    前記蒸気空間は、前記内部空間における前記ウィック構造体および少なくとも1つの前記柱部以外の空間である、請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記ウィック構造体は、
    対向して配置される第1ウィック構造体部および第2ウィック構造体部と、を有し、
    前記柱部は、前記第1ウィック構造体部と前記第2ウィック構造体部とを連結する、少なくとも1つの連結柱部をさらに有する請求項1に記載の熱伝導部材。
  4. 前記ウィック構造体は、
    対向して配置される第1ウィック構造体部および第2ウィック構造体部と、を有し、
    前記柱部は、前記第1ウィック構造体部と前記第2ウィック構造体部とを連結する、少なくとも1つの連結柱部をさらに有する請求項2に記載の熱伝導部材。
  5. 前記中実柱部の一方側端部が前記第1金属板と接する接触面積の総和は、前記連結柱部の一方側端部が前記第1ウィック構造体部または前記第1金属板と接する接触面積の総和よりも広く、かつ、前記中実柱部の他方側端部が前記第2金属板と接する接触面積の総和は、前記連結柱部の他方側端部が前記第2ウィック構造体部または前記第2金属板と接する接触面積の総和よりも広い、請求項4に記載の熱伝導部材。
  6. 前記第2ウィック構造体部は、発熱体側に配置され、
    前記第1ウィック構造体部は、複数の溝部を有する、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  7. 前記連結柱部は、多孔質の焼結体である、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  8. 前記第2ウィック構造体部は、発熱体側に配置され、
    前記第2ウィック構造体部の厚みは、前記第1ウィック構造体部の厚みよりも大きい、請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  9. 前記第1ウィック構造体部は、多孔質の焼結体である、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  10. 前記第2ウィック構造体部は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材である、請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  11. 前記第2ウィック構造体部は、多孔質の焼結体である、請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  12. 前記第1ウィック構造体部と、前記第2ウィック構造体部と、前記連結柱部と、が一体である、請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  13. 前記第2ウィック構造体部は、前記第1ウィック構造体部よりも空隙率が高い、請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  14. 前記第2ウィック構造体部の毛細管力は、前記第1ウィック構造体部の毛細管力よりも高い、請求項3から請求項13のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
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