JP2023127007A - 熱伝導部材 - Google Patents

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淳一 石田
Junichi Ishida
雅昭 花野
Masaaki Hanano
敏彦 小関
Toshihiko Koseki
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Nidec Corp
Nidec Chaun Choung Technology Corp
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Abstract

【課題】熱輸送効率をより高めるためにコンテナ内部を広く設けようとすると、内部や外部からの大きな力が作用した場合、筐体であるコンテナが変形してしまう虞がある。【解決手段】熱伝導部材1の筐体10は、互いに対向して配置される第1金属板11及び第2金属板12と、柱部と、内部空間10aと、を有する。内部空間10aは、第1金属板11及び第2金属板12間に配置されてウィック構造体及び作動媒体20を収容する。内部空間10aは、作動媒体20の蒸気が存在し得る蒸気空間Sを含む。少なくとも1つの柱部15は、第1金属板11及び第2金属板12を支持する。鉛直方向から見て、第1金属板11と接する柱部15と第1金属板11との接触面積の総和Sa、及び、第2金属板12と接する柱部15と第2金属板12との接触面積の総和Sbのうちの少なくともどちらかは、鉛直方向から見て蒸気空間Sが占める面積よりも小さい。【選択図】図3

Description

本開示は、熱伝導部材に関する。
従来、金属製の密閉容器の内部に作動流体が封入された熱伝導部材が知られている。このような熱伝導部材の1つとして、内壁面の全域に多孔溶射被膜が形成されたコンテナの内部に、角柱状の焼結金属からなるスペーサウィックが加熱部の内面と放熱部の内面とに挟まれたヒートパイプがある。このヒートパイプでは、スペーサウィックが加熱部と放熱部とを内側から支持することで、コンテナが変形しないようにしている。(たとえば、特開平9-210582号公報参照)
特開平9-210582号公報
しかしながら、熱輸送効率をより高めるためにはコンテナ内部を広く設けようとすると、内部や外部からの大きな力が作用した場合、筐体であるコンテナが変形してしまう虞がある。
本開示は、熱伝導部材の筐体の強度を確保することを目的とする。
本開示の例示的な熱伝導部材は、筐体と、作動媒体と、ウィック構造体と、を備える。筐体は、第1金属板と、第2金属板と、接合部と、柱部と、内部空間と、を有する。第1金属板及び第2金属板は、互いに対向して配置される。接合部では、第1金属板が第2金属板と対向する鉛直方向から見て、第1金属板の外周縁部が直接又は中間部材を介して第2金属板に接続される。柱部は、中実な第1柱部及び多孔質の第2柱部のうちの少なくともどちらかを有する。内部空間は第1金属板及び第2金属板間に配置されて、ウィック構造体及び作動媒体を収容する。内部空間は、作動媒体の蒸気が存在し得る蒸気空間を含む。蒸気空間は、内部空間のうち、ウィック構造体及び柱部が占める空間以外の空間に含まれる。少なくとも1つの柱部は、第1金属板及び第2金属板を支持する。熱伝導部材は、下記の2式のうちの少なくともどちらかを満たす。
Sa<Sv
Sb<Sv
Sa:第1金属板と接する柱部と第1金属板との鉛直方向から見た接触面積の総和
Sb:第2金属板と接する柱部と第1金属板との鉛直方向から見た接触面積の総和
Sv:鉛直方向から見て蒸気空間が占める面積
本開示によると、熱伝導部材の筐体の強度を確保することができる。
図1は、本実施形態に係る熱伝導部材の斜視図である。 図2は、熱伝導部材の上面図である。 図3は、熱伝導部材の模式的な側面断面図である。 図4Aは、第1柱部の断面の一例を示す断面図である。 図4Bは、第1柱部の断面の他の一例を示す断面図である。 図5は、第1ウィック構造体の変形例を示す断面図である。 図6は、変形例に係る第2ウィック構造体の構成例を示す斜視図である。 図7は、変形例に係る第2ウィック構造体の拡大断面図である。 図8は、変形例に係る第2ウィック構造体の他の構成例を示す上面図である。
以下、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。Z軸方向は、後述する第1金属板11と第2金属板12とが対向する方向でもある。以下では、各々の構成要素において、+Z方向を向く面を「上面」と呼び、-Z方向を向く面を「下面」と呼ぶ。また、各々の構成要素のうち、+Z方向における端部を「上端部」と呼び、-Z方向における端部を「下端部」と呼ぶ。また、Z軸方向における構成要素の幅を「厚さ」と呼ぶ。
X軸方向は、Z軸方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+X方向および-X方向とする。
Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向を指し、その一方向および逆方向を、それぞれ+Y方向および-Y方向とする。
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
また、本明細書において、「焼結」とは、金属の粉末または金属の粉体を、金属の融点よりも低い温度まで加熱して、金属の粒子を焼き固める技術を指す。また、「焼結体」とは、焼結によって得られる物体を指す。
また、本明細書において、「中実」な部材とは、いわゆるsolidな物体で構成された部材であることを意味し、中身が密に詰まっており且つ多孔質ではない物体で構成された部材を指す。たとえば、「中実」な部材は、内部に空洞がない部材であってもよいし、単数又は複数の巨視的な空洞を内部に有する部材であってもよい。
<1.熱伝導部材の構成>
図1は、本実施形態に係る熱伝導部材1の斜視図である。図2は、熱伝導部材の上面図である。図3は、熱伝導部材1の模式的な側面断面図である。なお、図3は、図1の一点鎖線A-Aに沿う断面図である。熱伝導部材1は、ベーパーチャンバーとも呼ばれ、発熱体Hの熱を輸送する。本実施形態に係る熱伝導部材1のZ軸方向の厚さは、例えば5mm以上である。発熱体Hとしては、例えば、車両の車輪を駆動するためのトラクションモータに備えられるインバータのパワートランジスタが挙げられる。当該パワートランジスタは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。この場合、熱伝導部材1は、トラクションモータに搭載される。IGBTの発熱量は、一般的に100W以上である。但し、熱伝導部材1の用途は、この例示に限定されない。また、熱伝導部材1のサイズも上述の例示に限定されない。
熱伝導部材1は、被加熱部101と、放熱部102と、を備える(図3参照)。
被加熱部101は、例えば熱伝導部材1のうちの発熱体Hと接する部分であり、発熱体Hから伝達される熱によって加熱される。本実施形態では、発熱体Hは、熱伝導部材1の下面に接して配置される。なお、図3で示す構成では、発熱体Hは、熱伝導部材1の下面の+X方向側の端部に配置される。但し、発熱体Hの配置は、この例示に限定されない。たとえば、発熱体Hは、熱伝導部材1の下面中央部に配置されてもよい。また、複数の発熱体Hが、熱伝導部材1の下面に配置されてもよい。
放熱部102は、被加熱部101で加熱された後述の作動媒体20が有する熱を外部に放出する。たとえば、発熱体Hにより発生した熱は、熱伝導部材1の上面及び熱伝導部材1の下面のうちの被加熱部101から離れた領域より放熱される。なお、放熱部102には放熱性を向上させるために、放熱フィンやヒートシンク等の熱交換手段(図示せず)が熱的に接続されてもよい。或いは、放熱部102に、スタックドフィンやピンフィンなどの放熱フィンを有する冷却装置が配置されてもよい。その場合、好ましくは、放熱フィン間に冷却媒体が流される。冷却媒体には、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコールなどの不凍液、純水などの液体を採用できる。或いは、空気などの気体が採用されてもよい。
熱伝導部材1は、筐体10と、作動媒体20と、ウィック構造体30と、を備える。なお、作動媒体20は、本実施形態では純水であるが、水以外の媒体であってもよい。たとえば、作動媒体20は、メタノール及びエタノールなどのアルコール化合物、ハイドロフルオロカーボンなどの代替フロン、プロパン及びイソブタンなどの炭化水素化合物、ジフルオロメタンなどのフッ化炭化水素化合物、エチレングリコールなどのいずれかであってもよい。作動媒体20は、熱伝導部材1の使用環境に応じて適宜採用できる。
筐体10は、第1金属板11と、第2金属板12と、接合部14と、柱部15と、内部空間10aと、を有する。
第1金属板11及び第2金属板12は、互いに対向して配置される。第1金属板11及び第2金属板12は、例えば、銅等の熱伝導性の高い金属から成る。また、銅以外の金属の表面に銅メッキを施して形成されてもよい。銅以外の金属としては、銅以外の金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銀、金、マグネシウム、マンガン、及びチタンなどのいずれかの金属、又は、上述の少なくともいずれかの金属を含む合金(真鍮、ジェラルミン、ステンレス鋼など)を用いることができる。
第1金属板11及び第2金属板12は、Z軸方向から見て、水平方向に拡がる矩形の板状である。本実施形態では、第2金属板12の下面に、発熱体Hが接触して配置される。第1金属板11は、第2金属板12の上面を覆う。なお、本実施形態の第1金属板11及び第2金属板12は、Z軸方向から見て四角形であるが、この例示に限定されない。例えば、第1金属板11及び第2金属板12はそれぞれ、Z軸方向から見て、複数の角を有する多角形、または円形であってもよい。
第1金属板11は、周縁から下方(-Z方向)に延びる第1側壁部13aを有する。第2金属板12は、周縁から上方(+Z方向)に延びる第2側壁部13bを有する。第1側壁部13aの下面は、第2側壁部13bの上面と接合部14で接合される。なお、第2側壁部13bを省いて、第1側壁部13aの下面と第2金属板12の上面とを接合してもよい。または、第1側壁部13aを省いて、第2側壁部13bの上面と第1金属板11の下面とを接合してもよい。
接合部14では、第1金属板11が第2金属板12と対向する鉛直方向から見て、第1金属板11の外周縁部が直接又は中間部材を介して第2金属板12に接続される。なお、前述の如く、鉛直方向は、Z軸方向と平行である。接合部14は、Z軸方向から見て、ウィック構造体30の周囲に位置する。第1側壁部13aと第2側壁部13bとの接合方法は、特に限定されない。例えば、熱と圧力を加えて接合する方法、拡散接合、ろう材を用いた接合、などのいずれの接合方法であってもよい。また、第1金属板11は、直接に第2金属板12と接合されてもよいし、銅メッキ層などの中間部材を介して第2金属板12と接合されてもよい。後者において、中間部材は、例えば、Z軸方向から見て第1金属板11の上面の外周縁部と重なる領域に配置される。
なお、接合部14は、封止部を含んでいてもよい。封止部は、例えば、熱伝導部材1の製造過程において、作動媒体20を筐体10内に注入するための注入口を溶接によって封止した箇所である。
柱部15は、内部空間10aに配置される。柱部15は、中実な第1柱部151及び多孔質な第2柱部152のうち少なくともどちらかを有する。柱部15は、Z軸方向において、筐体10の第1金属板11側と第2金属板12側とを支持する。少なくとも1つの柱部15は、第1金属板11及び第2金属板12を支持する。これにより、筐体10の厚さが一定に保たれる。従って、筐体10のZ軸方向の変形によって内部空間10aが、狭くなることを抑制できる。なお、柱部15の詳細は後に説明する。
内部空間10aは、第1金属板11及び第2金属板12間に配置されて、ウィック構造体30及び作動媒体20を収容する。内部空間10aは、第1金属板11及び第2金属板12で囲まれて形成される。内部空間10aは、密閉空間であり、例えば大気圧よりも気圧が低い減圧状態に維持される。内部空間10aが減圧状態であることにより、内部空間10aに収容される作動媒体20が蒸発しやすくなる。内部空間10aは、作動媒体20の蒸気が存在し得る蒸気空間Sを含む。蒸気空間Sは、内部空間10aのうち、ウィック構造体30及び柱部15が占める空間以外の空間に含まれる。
次に、ウィック構造体30は、第1ウィック構造体31と、第2ウィック構造体32と、を有する。第1ウィック構造体31は、第1金属板11の第2金属板12側の内面に配置される。第2ウィック構造体32は、第2金属板12の第1金属板11側の内面に配置される。本実施形態では、第1ウィック構造体31は第1金属板11の下面に固定され、第2ウィック構造体32は第2金属板12の上面に固定される。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32は、多孔質であり、作動媒体20の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の詳細は、後に説明する。
熱伝導部材1は、下記の2式のうちの少なくともどちらかを満たす。
Sa<Sv (式1)
Sb<Sv (式2)
Sa:第1金属板11と接する柱部15と第1金属板11との鉛直方向から見た接触面積ΔSaの総和
Sb:第2金属板12と接する柱部15と第2金属板12との鉛直方向から見た接触面積ΔSbの総和
Sv:鉛直方向から見て蒸気空間Sが占める面積
上記の数式1,2のうちの少なくともどちらかを満たすことで、蒸気空間Sを確保しつつ、熱伝導部材1の筐体10の強度を確保できる。
また、好ましくは、少なくとも1つの柱部15において、柱部15の一方端部は第1金属板11に接続され、柱部15の他方端部は第2金属板12に接続される。こうすれば、少なくとも1つの柱部15が第1金属板11及び第2金属板12の両方に接続されるので、筐体10の強度を向上できる。たとえば、作動媒体20の気化によって筐体10の内圧が高くなっても、筐体10の変形を抑制又は防止できる。特に、熱伝導部材1の曲がり、膨張などを効果的に抑制又は防止できる。
<1-2.柱部>
次に、図1から図4Bを参照して、柱部15の構成を説明する。図4Aは、第1柱部151の断面の一例を示す断面図である。図4Bは、第1柱部151の断面の他の一例を示す断面図である。図4A及び図4Bは、Z軸方向から見た第1柱部151の断面を示す。
柱部15は、中実な第1柱部151と、多孔質の第2柱部152と、を有する。なお、図1では、第1柱部151の数、及び第2柱部152の数はそれぞれ6個である。但し、この例示に限定されず、第1柱部151の数、及び第2柱部152の数はそれぞれ、単数であってもよいし、6以外の複数であってもよい。
<1-2-1.第1柱部>
中実な第1柱部151は、第1金属板11及び第2金属板12を支持する。第1柱部151は、内部空間10aに配置され、銅等の熱伝導性の高い金属から成る。なお、第1柱部151は、本実施形態では図4Aに示すように、内部に空洞がない柱状の部材である。但し、この例示に限定されず、第1柱部151は、機械的強度を確保できる程度に巨視的な空洞を内部に有する部材であってもよい。例えば、第1柱部151は、図4Bに示すように多孔質でない筒状の部材であってもよい。この際、好ましくは、第1柱部151は、肉厚な筒状とされる。また、内部の巨視的な空洞151aは、第1柱部151の機械的強度を確保できる限りにおいて、単数であってもよいし、複数であってもよい。
図3に示すように、第1柱部151の上端部は、第1金属板11に接し、本実施形態では第1金属板11に接続される。言い換えると、第1柱部151は、第1金属板11の下面から-Z方向に突出する。第1柱部151及び第1金属板11は、単一の部材の異なる一部である。この場合、第1柱部151は、第1金属板11をエッチング又は切削して形成することができる。但し、この例示に限定されず、少なくとも1つの第1柱部151は、第1金属板11とは別部材であってもよい。たとえば、第1柱部151の上端部は、ろう材を用いたロウ付け、超音波溶接などの接合手段によって、第1金属板11の上面に接合されてもよい。
第1柱部151の下端部は、第2金属板12と接し、本実施形態ではろう材を用いたロウ付け、超音波溶接などの接合手段によって第2金属板12の上面に固定される。なお、この例示は、少なくとも1つの第1柱部151において、その下端部が、第2金属板12と接する一方で固定されない構成を排除しない。
柱部15が第1金属板11及び第2金属板12を支持する第1柱部151を少なくとも有する場合、好ましくは、熱伝導部材1は、下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす。
S1≦(Sv/19) (式3)
S2≦(Sv/19) (式4)
S1:鉛直方向から見て、第1柱部151が第1金属板11と接する第1接触面積ΔS1の総和
S2:鉛直方向から見て、第1柱部151が第2金属板12と接する第2接触面積ΔS2の総和
Sv:鉛直方向から見て蒸気空間Sが占める面積
上記の数式3,4のうちの少なくともどちらかを満たすことにより、第1接触面積ΔS1の総和S1及び第2接触面積ΔS2の総和S2のうちの少なくともいずれかを、Z軸方向から見て内部空間10aが占める面積の5%以下にすることができる。これにより、筐体10の強度を向上できる。また、第1柱部151と接続される金属板と第1柱部151との接合精度を向上できる。
なお、第1柱部151の形態は、上述の例示に限定されない。たとえば、少なくとも1つの第1柱部151において、第1金属板11から突出する第1柱部151の下端部は、第2ウィック構造体32の上面と接してもよい。このようにしても、第1柱部151は、第2ウィック構造体32を介して第2金属板12を支持できる。なお、この構成において、第2接触面積ΔS2は、Z軸方向から見て、第1柱部151が第2ウィック構造体32と接する面積であってもよい。この際、好ましくは、第1柱部151の下端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段により第2ウィック構造体32の上面に固定される。このようにしても、外力の作用、内圧の上昇などに起因する筐体10の変形を抑制又は防止できる。
また、少なくとも1つの第1柱部151において、第1柱部151は、第2金属板12の上面から突出してもよい。この際、さらに、第1柱部151の上端部は、第1金属板11の下面と接してもよいし、第1ウィック構造体31の下面と接してもよい。後者の場合であっても、第1柱部151は、第1ウィック構造体31を介して第1金属板11を支持できる。なお、後者の場合、第1接触面積ΔS1は、Z軸方向から見て、第1柱部151の上端部が第1ウィック構造体31と接する面積であってもよい。
<1-2-2.第2柱部の構成>
次に、第2柱部152の詳細な構成を説明する。第2柱部152は、多孔質である。本実施形態では、第2柱部152は、多孔質の焼結体であり、銅等の熱伝導性の高い金属の粒子を焼結することで形成される。柱部15が第2柱部152を少なくとも有する場合、鉛直方向において、第2柱部152は、第1金属板11及び第1ウィック構造体31のうちのいずれかの第1部材と、第2金属板12及び第2ウィック構造体32のうちのいずれかの第2部材と、を支持する。
第2柱部152が両者を支持することにより、筐体10の強度を向上できる。また、多孔質な第2柱部152が、第1金属板11又は第1ウィック構造体31と、第2金属板12又は第2ウィック構造体32と、に接する。そのため、作動媒体20が第1ウィック構造体31側及び第2ウィック構造体32側の一方から他方に移動し易くなる。つまり、作動媒体20の循環効率が向上する。従って、熱伝導部材1の被加熱部101から放熱部102への熱伝達率を高めることができる。さらに、第2柱部152は多孔質であるので、液体の作動媒体20が浸透する多孔質体の体積が増加する。そのため、熱伝導部材1における液体の作動媒体20の保持量を増やすことができる。従って、たとえば被加熱部101に大量の熱が伝達されても、被加熱部101に作動媒体20を十分に供給できる。よって、作動媒体20の循環サイクルを十分に維持できる。
また、本実施形態では、第2柱部152の上端部は、第1ウィック構造体31に接続される。第2柱部152の下端部は、第2ウィック構造体32に接続される。少なくとも1つの第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を支持する。こうすれば、第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を介して第1金属板11及び第2金属板12を支持する。これにより、柱部15が筐体10を補強してZ軸方向の変形を抑制する効果を向上できる。たとえば、熱伝導部材1の曲がり、膨張などを抑制又は防止する効果を向上できる。また、少なくとも1つの第2柱部152は、第1ウィック構造体31の空隙部と第2ウィック構造体32の空隙部とを流体的に繋ぐ。従って、作動媒体20は、少なくとも1つの第2柱部152を介して第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間をスムーズに移動できる。
また、本実施形態では図3に示すように、第2柱部152、第1ウィック構造体31、及び第2ウィック構造体32は、単一の部材のそれぞれ異なる一部である。但し、この例示に限定されず、少なくとも1つの第2柱部152と、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの少なくともどちらかとは、単一の部材のそれぞれ異なる一部であればよい。例えば、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152及び第1ウィック構造体31は単一の部材のそれぞれ異なる一部である一方で、第2柱部152及び第2ウィック構造体32は別部材であってもよい。或いは、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152及び第2ウィック構造体32は単一の部材のそれぞれ異なる一部である一方で、第2柱部152及び第1ウィック構造体31は別部材であってもよい。こうすれば、少なくとも1つの第2柱部152と第1ウィック構造体31及び/又は第2ウィック構造体32との間における作動媒体20の移動をさらにスムーズにすることができる。また、熱伝導部材1の部品数を低減できるので、熱伝導部材1の生産性を向上できる。但し、上述の例示は、少なくとも1つの第2柱部152が第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の両方と別部材である構成を排除しない。
ここで、柱部15が第1金属板11及び第2金属板12を支持する第1柱部151と、第2柱部152と、を有する場合、好ましくは、熱伝導部材1は、下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす。
(S1+S3)<Sv (式5)
(S2+S4)<Sv (式6)
S1:鉛直方向から見て、第1柱部151が第1金属板11と接する第1接触面積ΔS1の総和
S2:鉛直方向から見て、第1柱部151が第2金属板12と接する第2接触面積ΔS2の総和
S3:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第1部材と接する第3接触面積ΔS3の総和
S4:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第2部材と接する第4接触面積ΔS4の総和
Sv:鉛直方向から見て蒸気空間Sが占める面積
なお、第3接触面積ΔS3は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第1金属板11又は第1ウィック構造体31と接する面積である。第4接触面積ΔS4は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第2金属板12又は第2ウィック構造体32と接する面積である。本実施形態では、第3接触面積ΔS3は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第1ウィック構造体31と接する面積である。第4接触面積ΔS4は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第2ウィック構造体32と接する面積である。上記の数式5,6のうちの少なくともどちらかを満たすことで、蒸気空間Sをより十分に確保しつつ、熱伝導部材1の筐体10の強度をさらに向上できる。
また、好ましくは、熱伝導部材1は、下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす。
(Sv/9)≦S3≦(Sv/4) (式7)
(Sv/9)≦S4≦(Sv/4) (式8)
S3:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第1部材と接する第3接触面積ΔS3の総和
S4:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第2部材と接する第4接触面積ΔS4の総和
Sv:鉛直方向から見て蒸気空間Sが占める面積
上記の数式7,8のうちの少なくともどちらかを満たすことで、第3接触面積ΔS3の総和S3及び第4接触面積ΔS4の総和S4のうちの少なくともいずれかを、Z軸方向から見て内部空間10aが占める面積の10%から20%程度にすることができる。これにより、液体状態の作動媒体20の循環効率を向上できる。
なお、第2柱部152の形態は、図3の例示に限定されない。例えば、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの一方に接続されるが、他方には接続されなくてもよい。
つまり、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの少なくとも一方に接続されればよい。こうすれば、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間における作動媒体20の移動をよりスムーズにすることができる。また、少なくとも1つの第2柱部152が、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の両方に接続される場合、筐体10の強度をさらに向上できる。たとえば、内圧の上昇に起因する熱伝導部材1の曲がり、膨張などを抑制又は防止する効果を向上できる。
また、図3の例示に限定されず、少なくとも1つの第2柱部152は、第1金属板11に接してもよい。例えば、少なくとも1つの第2柱部152の上端部は、第1ウィック構造体31に配置された貫通孔を通じて、第1金属板11の下面に接してもよい。この場合、第3接触面積ΔS3は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第1金属板11と接する面積である。この際に、好ましくは、第2柱部152の上端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって第1金属板11又は第1ウィック構造体31に接続される。或いは、第2柱部152の上端部は、貫通孔に圧入されることで、第1金属板11と接した状態で固定されてもよい。また、さらに好ましくは、第2柱部152の上端部の側面は、貫通孔の内側面と接する。こうすれば、第2柱部152の側面が第1ウィック構造体31と接するので、作動媒体20が第2柱部152及び第1ウィック構造体31間をスムーズに移動できる。
また、少なくとも1つの第2柱部152は、第2金属板12に接してもよい。例えば、少なくとも1つの第2柱部152の下端部は、第2ウィック構造体32に配置された貫通孔を通じて、第2金属板12の上面に接する。この場合、第4接触面積ΔS4は、Z軸方向から見て、第2柱部152が第2金属板12と接する面積である。この際に、好ましくは、第2柱部152の下端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって第2金属板12又は第2ウィック構造体32に接続される。或いは、第2柱部152の下端部は、貫通孔に圧入されることで、第2金属板12と接した状態で固定されてもよい。また、さらに好ましくは、第2柱部152の下端部の側面は、貫通孔の内側面と接する。こうすれば、第2柱部152の側面が第2ウィック構造体32と接するので、作動媒体20が第2柱部152及び第2ウィック構造体32間をスムーズに移動できる。
<1-2-3.第1柱部及び第2柱部>
柱部15が第1金属板11及び第2金属板12を支持する第1柱部151と、第2柱部152と、を有する場合、好ましくは、熱伝導部材1は、下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす。
S1>S3、且つ、S1>S4 (式9)
S2>S3、且つ、S2>S4 (式10)
S1:鉛直方向から見て、第1柱部151が第1金属板11と接する第1接触面積ΔS1の総和
S2:鉛直方向から見て、第1柱部151が第2金属板12と接する第2接触面積ΔS2の総和
S3:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第1部材と接する第3接触面積ΔS3の総和
S4:鉛直方向から見て、第2柱部152が上記の第2部材と接する第4接触面積ΔS4の総和
中実な第1柱部151の機械的強度は、多孔質な第2柱部152の機械的強度よりも高い。従って、上記の数式9,10のうちの少なくともどちらかを満たすことにより、筐体10の十分な強度を確保することができる。なお、上述の例示は、熱伝導部材1が上記の数式9,10の両方を満たさない構成を排除しない。
また、柱部15が第1金属板11及び第2金属板12を支持する第1柱部151と、第2柱部152と、を有する場合、好ましくは、鉛直方向から見て、少なくとも1つの第1柱部151は、第2柱部152よりも接合部14の近くに配置される。本実施形態では図1及び図2に示すように、複数の第1柱部151のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第1柱部151は、複数の第2柱部152のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第2柱部152よりも接合部14の近くに配置される。例えば、図2において、接合部14の+X方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第1柱部151との間のX方向における間隔Lx1は、接合部14の+X方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第2柱部152との間のX方向における間隔Lx2よりも狭い。また、接合部14の+Y方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第1柱部151との間のY方向における間隔Ly1は、接合部14の+Y方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第2柱部152との間のY方向における間隔Ly2よりも狭い。こうすれば、筐体10の接合部14における強度を向上できる。特に、第1柱部151が第1金属板11及び第2金属板12の両方に接続される場合、筐体10の内圧がより高くなっても、接合部14の変形を抑制又は防止できる。また、接合部14において、第1金属板11が第2金属板12から離れることを抑制又は防止できる。
また、柱部15が第1金属板11及び第2金属板12を支持する第1柱部151と、第2柱部152と、を有する場合、好ましくは、複数の第1柱部151のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第1柱部151の数は、複数の第2柱部152のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第2柱部152の数よりも多い(図2参照)。こうすれば、筐体10の接合部14における強度を向上できる。特に、第1柱部151が第1金属板11及び第2金属板12の両方に接続される場合、筐体10の内圧がより高くなっても、接合部14の変形を抑制又は防止できる。また、接合部14において、第1金属板11が第2金属板12から離れることを抑制又は防止できる。但し、この例示は、複数の第1柱部151のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第1柱部151の数が複数の第2柱部152のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第2柱部152の数以下である構成を排除しない。
<1-3.第1ウィック構造体及び第2ウィック構造体の構成>
次に、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の構成を説明する。第1ウィック構造体31は、第1金属板11の下面に配置される板状の部材であり、発熱体H側と反対側の冷却側に配置される。第2ウィック構造体32は、第2金属板12の上面に配置される板状の部材であり、発熱体H側に配置される。第1ウィック構造体31と第2ウィック構造体32とは対向して配置される。
本実施形態では、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32は、それぞれ多孔質の焼結体である。こうすれば、メッシュ材よりも容易に製造可能であり、熱伝導部材1の製造コストを下げることができる。
好ましくは、熱伝導部材1は、鉛直方向において、下記の式を満たす。
W1<W2 (式11)
W1:第1ウィック構造体31の厚さ
W2:第2ウィック構造体32の厚さ
熱伝導部材1の被加熱部101において、発熱体H側に配置される第2ウィック構造体32では、第1ウィック構造体31よりも液状の作動媒体20の蒸発が促進される。このため、上記の数式11を満たすことにより、第2ウィック構造体32での作動媒体20の保持性を第1ウィック構造体31の作動媒体20の保持性よりも高くできる。第2ウィック構造体32での作動媒体20の保持量をより多くすることにより、発熱体Hから伝達される熱量が多くても、いわゆるドライアウトの発生を抑制又は防止できる。従って、熱伝導部材1の熱伝達性能が低下を防止できる。但し、この例示は、W1≧W2である構成を排除しない。
なお、ドライアウトは、被加熱部101付近において第1ウィック構造体31内の作動媒体20がほぼ蒸発して乾いてしまう現象である。仮に、ドライアウトが発生すると、作動媒体20の気ー液循環サイクルが途切れてしまうため、作動媒体20を介して被加熱部101から放熱部102への熱輸送ができなくなり、熱伝導部材1の熱伝達性能が大幅に低下する。
一方、発熱体Hとは反対側の放熱面側に配置される第1ウィック構造体31では、第2ウィック構造体32よりも蒸発した作動媒体20の凝縮が促進される。このため、第1ウィック構造体31は、第2ウィック構造体32と比べて作動媒体20の冷却効率が高いことが好ましい。
また、好ましくは、熱伝導部材1は、鉛直方向において、下記を満たす。
(W1+W2)<W3 (式12)
W1:第1ウィック構造体31の厚さ
W2:第2ウィック構造体32の厚さ
W3:第1ウィック構造体31と第2ウィック構造体32との間の間隔
上記の数式12の条件を満たすことにより、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間において、作動媒体20の蒸気が移動し得る空間をより広くすることができる。従って、第2ウィック構造体32の被加熱部101付近の部分から蒸発した作動媒体20が上記の空間内により拡散し易くなるので、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率が向上する。よって、熱伝導部材1の熱伝達効率を向上できる。なお、この例示は、(W1+W2)≧W3である構成を排除しない。
より好ましくは、熱伝導部材1は、鉛直方向において、下記を満たす。
(4×W1)≧W2≧(2×W1) (式13)
(7×W1)≧W3≧(5×W1) (式14)
(W3+W2+W1)=(10×W1) (式15)
W1:第1ウィック構造体31の厚さ
W2:第2ウィック構造体32の厚さ
W3:第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間の間隔
すなわち、第2ウィック構造体32の厚さW2を第1ウィック構造体31の厚さW1の2倍以上且つ4倍以下とし、第1ウィック構造体31と第2ウィック構造体32との隙間の長さW3を第1ウィック構造体31の厚さW1の5倍以上且つ7倍以下とすることが好ましい。上記の数式13から数式15を全て満たすことにより、作動媒体20の蒸気が移動し得る空間と、第2ウィック構造体32での作動媒体20の保持性との両方をバランス良く確保できる。従って、ドライアウトの発生を抑制しつつ、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率を向上させることができる。なお、この例示は、上記の数式13から数式15を満たさない構成を排除しない。
また、好ましくは、熱伝導部材1は、以下を満たす。
V1>V2 (式16)
V1:蒸気空間Sの体積
V2:ウィック構造体30の体積
上記の数式16の条件を満たすことにより、蒸気空間Sの体積V1をより広くすることができる。そのため、第2ウィック構造体32の被加熱部101付近の部分から蒸発した作動媒体20が蒸気空間S内により拡散し易くなる。従って、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率が向上する。よって、熱伝導部材1の熱伝達効率を向上できる。また、体積V2に第2柱部152の体積を加えても同様の効果を有する。なお、この例示は、V1≦V2である構成を排除しない。
詳細には、上述の蒸気空間Sは、内部空間10aにおける第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び柱部15以外の空間である。柱部15は、筐体10の強度を確保することができるが、配置することにより蒸気空間Sが狭くなる要因となる。そのような柱部15を設ける場合でも上記の数式16を満たすことで作動媒体20の蒸気の拡散を促進できる。
また、第2ウィック構造体32は、第1ウィック構造体31よりも空隙率が高い。これにより、第2ウィック構造体32の毛細管力が、第1ウィック構造体31の毛細管力よりも大きくなる。
ここで、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の全体積に対する空間の体積の割合を、空隙率と呼ぶ。空隙率の単位は%である。空隙率は以下の方法によって求められる。例えば、第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32の断面写真から、空間の面積を測定し、空間の面積が全体に占める割合を算出することにより、空隙率を求めることができる。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の断面の観察においては、被写界深度の深い走査型電子顕微鏡を用いることが好ましい。なお、断面の観察の方法は、金属部分と空間とを容易に判別できる方法であればよく、特に限定されない。
なお、本実施形態では、Z軸方向と垂直な方向において、第1ウィック構造体31の厚さは均一である。但し、この例示に限定されず、Z軸方向と垂直な方向において、第1ウィック構造体31の一部の厚さは、第1ウィック構造体31の残りの一部の厚さよりも薄くてもよい。図5は、第1ウィック構造体31の変形例を示す断面図である。なお、図5は、図3の破線で囲まれた部分Bに対応する断面構造を示す。図5に示すように、第1ウィック構造体31は、凹部31aを有する。凹部31aは、第1ウィック構造体31の下面に配置され、+Z方向に凹む。Z軸方向から見て、凹部31aは、発熱体Hと重なり、好ましくは発熱体Hの全てと重なる。言い換えると、好ましくは、Z軸方向から見て、凹部31aの外周縁部は、発熱体Hよりも外側に配置される。
このとき、第1ウィック構造体31のうちの凹部31aが配置された部分Uの厚さW1aは、第1ウィック構造体31のうちの上記の部分U以外の部分の厚さW1bよりも小さい。部分Uにおいて、第1ウィック構造体31の厚さを小さくすることにより、冷却効率は低下する。これにより、第1ウィック構造体31の部分U以外の部分における冷却効率は、部分Uにおける冷却効率よりも高くなる。
通常、作動媒体20の凝縮は、発熱体HとZ方向に対向する第1ウィック構造体31の部分Uで最も促進される。ここで、凹部31aを設けることにより、第1ウィック構造体31の凹部31aが配置された部分Uにおける作動媒体20の凝縮を抑制できる。これにより、気化した作動媒体20が、第1ウィック構造体31の部分U以外の部分に拡散する。そのため、部分U以外の部分における作動媒体20の凝縮を促進できる。従って、第1ウィック構造体31全体で作動媒体20を凝縮し、作動媒体20の凝縮により発生する熱を、第1金属板11全体で効率よく放熱できる。よって、作動媒体20による熱輸送効率を向上できる。
好ましくは、部分Uにおける第1ウィック構造体31の厚さW1aは、第2ウィック構造体32の厚さW2よりも10%以上小さい。これにより、凹部31aにおける作動媒体20の凝縮をより抑制できる。
さらに、凹部31aは、第1ウィック構造体31をZ方向に貫通してもよい。つまり、凹部31aは、貫通孔であってもよく、第1金属板11のうちのZ軸方向から見て凹部31aと重なる部分は、凹部31aを通じて内部空間10aに露出してもよい。
また、図5では、第1ウィック構造体31の凹部31aが配置された部分Uの厚さW1aは、X軸方向及び/又はY軸方向において均一である。但し、この例示に限定されず、上記の厚さW1aは均一でなくてもよい。例えば、凹部31aの底面は、+Z方向に向かって錐状に凹んでいてもよい。言い換えると、第1ウィック構造体31の凹部31aが配置された部分Uの厚さW1aは、例えばこの部分Uの中央に向かうにつれて薄くなってもよい。これにより、第1ウィック構造体31のうちの凹部31aが配置された部分U内の所定位置に凝縮が偏ることを抑制できる。
また、本実施形態では、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を多孔質の焼結体で構成している。但し、この例示に限定されず、第1ウィック構造体31は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材であってもよい。及び/又は、第2ウィック構造体32は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材であってもよい。たとえば、第2ウィック構造体32をメッシュ材で構成し、第1ウィック構造体31を多孔質の焼結体で構成することにより、第2ウィック構造体32の毛細管力を、第2ウィック構造体32の毛細管力よりも大きく容易に形成することができる。
或いは、第1ウィック構造体31は、第1金属板11の第2金属板12側の内面に形成された複数の溝部により構成されてもよい。及び/又は、第2ウィック構造体32は、第2金属板12の第1金属板11側の内面に形成された複数の溝部により構成されてもよい。これにより、メッシュ材及び焼結体で構成する場合と比べて、複数の溝部で構成される第1ウィック構造体31及び/又は第2ウィック構造体32を薄く形成できる。従って、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間の間隔をより広くすることができる。また、Z軸方向において、上記の間隔を狭めずに筐体10を薄型化できる。
<1-4.第2ウィック構造体の変形例>
次に、図6から図8を参照して、第2ウィック構造体32の変形例を説明する。図6は、変形例に係る第2ウィック構造体32の構成例を示す斜視図である。図7は、変形例に係る第2ウィック構造体32の拡大断面図である。図8は、変形例に係る第2ウィック構造体32の他の構成例を示す上面図である。なお、図6から図8は、第2ウィック構造体32単体を示しており、柱部15が挿入される柱挿入孔及び第2柱部152と接続される部分の図示を省略している。つまり、図6から図8では、柱部15が貫通する貫通孔の図を省略する。
図6に示すとおり、第2ウィック構造体32は、複数の開口部34を有する。開口部34は、第2ウィック構造体32の上面に配置され、―Z方向に延びる。複数の開口部34は、第2ウィック構造体32の上面(つまり、第1ウィック構造体31と対向する対向面)に開口する。すなわち、第2ウィック構造体32は、第1ウィック構造体31と対向する上記の対向面に開口するとともにその厚さ方向に延びる複数の開口部34を有する。第2ウィック構造体32が複数の開口部34を有することで、気化した作動媒体20が第2ウィック構造体32の外部に逃げやすくなる。これにより、発熱体Hにより加熱されて気化した作動媒体20が、第1ウィック構造体31側に流れ易くなるとともに、凝縮し易くなる。その結果、熱輸送効率が向上する。
図6及び図7に示すように、開口部34は、貫通孔341と、凹部342とを有する。
貫通孔341は、第2ウィック構造体32をZ方向に貫通する。貫通孔341の内部は、第2金属板12からの熱により、直接加熱される。これにより、貫通孔341内部の気化した作動媒体20が加熱されて膨張し、その結果、貫通孔341から外部への気化した作動媒体20の流れが形成される。そのため、第2ウィック構造体32内の気化した作動媒体20の第2ウィック構造体32の外部への流れが促進され、熱輸送効率が向上する。
凹部342は、-Z方向に凹む。凹部342は、第2ウィック構造体32をZ方向に貫通せず、Z方向の下部に底部を有する。こうすれば、作動媒体20は、第2ウィック構造体32のうちの凹部342の底部と第2金属板12との間の部分を流れることができる。また、この部分の毛細管力によって、液体の作動媒体20は、凹部342の底部から-Z方向に流れることができる。
上述の構成により、液体の作動媒体20を、被加熱部101に向けて効率よく流すことができる。従って、作動媒体20の熱輸送効率を向上できる。なお、図6の例示に限定されず、開口部34は、貫通孔341及び凹部342のうちの一方を有してもよい。
図6に示すように、開口部34は、第2ウィック構造体32の厚さ方向と直交する面で切断した断面が円形である。より詳しく説明すると、貫通孔341及び凹部342のXY面と平行な面で切断した断面形状が円形である。このように構成することで、開口部34の開口から逃げる気体の作動媒体20が、円形に拡がる。これにより、気体の作動媒体20が拡がるときの偏りを抑制され、第2ウィック構造体32内の気体の作動媒体20が逃げやすくなり、熱輸送効率を向上できる。
また、開口部34は、本実施形態では、Z方向に延びる円柱形状である。つまり、貫通孔341及び凹部342のXY平面と平行な面で切断した断面のサイズはそれぞれ、Z方向において同じである。但し、この例示に限定されず、少なくとも1つの貫通孔341は、Z方向に延びる円錐形状であってもよい。たとえば、少なくとも1つの貫通孔341のXY平面と平行な面で切断した断面のサイズは、第2ウィック構造体32の上面からーZ方向に向かうにつれて小さくなってもよい。同様に、少なくとも1つの凹部342のXY平面と平行な面で切断した断面のサイズは、第2ウィック構造体32の上面からーZ方向に向かうにつれて小さくなってもよい。このように構成することで、気体の作動媒体20は、開口部35の内周面に沿って広がって逃げる。これにより、第2ウィック構造体32内の気体の作動媒体20が外部に逃げやすくなり、熱輸送効率を向上できる。
また、図6に示すように、開口部34は、Z方向から見て、第2ウィック構造体32の厚さ方向と直交する平面内に分散して配置される。開口部34をXY面内において2次元的に分散して配置することで、第2ウィック構造体32の上面に多数の開口部34を配置することができ、より多くの第2ウィック構造体32内の気体の作動媒体20を外部に逃がすことができる。これにより、熱輸送効率を高めることができる。
また、好ましくは、X方向及びY方向に隣り合う開口部34は、同じの間隔で配置される。より詳しくは、第2ウィック構造体32において、開口部34は、XY面内においてX方向及びY方向にそれぞれ規則的に並んで配置される。これにより、第2ウィック構造体32内の気体の作動媒体20が外部に逃げやすくなり、熱輸送効率を向上できる。なお、図6に示す第2ウィック構造体32では、開口部34のX方向の間隔とY方向の間隔とが同じであるが、これに限定されず、両者は異なっていてもよい。また、これらの例示は、XY面内における開口部34の配置が規則的でない構成を排除しない。
また、図6では、第2ウィック構造体32の上面において、開口部34は、均一な密度で配置される。但し、この例示に限定されず、たとえば図8に示すように、開口部34が配置される密度は、第2ウィック構造体32の上面のうちのZ方向から見て発熱体Hと重なる領域において高くなってもよい。たとえば、上記の重なる領域に配置される開口部34が配置される密度は、上記の重なる領域以外の領域に配置される開口部34が配置される密度よりも高くてもよい。また、開口部34が配置される密度は、上記の重なる領域に近づくにつれて高くなってもよい。
また、本実施形態にかかる第2ウィック構造体32では、貫通孔341と凹部342が、X方向に交互に、かつ、Y方向に交互に配置されている。このように構成することで、第2ウィック構造体32内の気体の作動媒体20を外部に逃がしつつ、液体の作動媒体20を重なり領域105に送ることが可能である。これにより、熱輸送効率を高めることができる。但し、この例示は、X方向及び/又はY方向において、少なくとも一部の貫通孔341及び少なくとも一部の凹部342が交互に配置されない構成を排除しない。
<1-5.焼結体の形成>
本実施形態では、第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び第2柱部152は、いずれも焼結体であり、例えば以下のように形成される。まず、マイクロ銅粒子、銅体及び樹脂を含む混合粉末を接合前の第1金属板11の上面及び第2金属板12の下面に吹き付け塗布する。次に、柱状に成形した混合粉末を挟んで第1金属板11及び第2金属板12を接合する。その後、筐体10を加熱して混合粉末を焼成する。これにより、筐体10の内部空間10aに、第1ウィック構造体31と、第2ウィック構造体32と、第2柱部152と、を、容易に一体に形成できる。これにより、熱伝導部材1の製造コストを抑制することができる。なお、第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び第2柱部152を別々に焼成した後に、第1金属板11及び第2金属板12を接合してもよい。
なお、本明細書において、「塗布」とは、第1金属板11及び第2金属板12に混合粉末を付着させることを指す。吹き付け塗布する方法以外に、混合粉末のペーストを直接塗布してもよい。
マイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集又は結合した粒子である。例えば、マイクロ銅粒子は多孔質であり、その粒径は1μm以上且つ1mm未満である。
銅体は、マイクロ銅粒子よりも小さいサブマイクロ銅粒子が焼結により溶融して固まった銅溶融体である。サブマイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集又は結合した粒子である。溶融前のサブマイクロ銅粒子の粒径は、例えば0.1μm以上且つ1μm未満である。
樹脂は、マイクロ銅粒子および銅体を構成する銅の融点以下の温度で揮発する揮発性の樹脂である。このような揮発性の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。これらの中では、熱分解性の高いアクリル樹脂を用いることが好ましい。
<2.熱伝導部材の動作>
次に、図3を参照して、熱伝導部材1の動作を説明する。なお、図3において、作動媒体20が蒸発して生成される蒸気の流れを熱伝導部材1内の黒矢印で示し、液状の作動媒体20の流れを熱伝導部材1内の白抜き矢印で示す。
上記の構成の熱伝導部材1では、発熱体Hで発生した熱により、被加熱部101が加熱される。被加熱部101の温度が上昇すると、第2ウィック構造体32に含まれた液状の作動媒体20が蒸発する。
蒸発した作動媒体20は、内部空間10aを放熱部102側に移動する。例えば、蒸発した作動媒体20は、第1ウィック構造体31へと移動したり、熱伝導部材1の被加熱部101からX方軸向及び/又はY軸方向に離れた部分へと移動したりする。
蒸発した作動媒体20の一部は、第1ウィック構造体31に接触して冷却され、凝縮する。第1ウィック構造体31は、第1金属板11の下面よりも表面積が大きく冷却効率が高い。このため、第1ウィック構造体31を設けることにより、蒸発した作動媒体20の冷却効率が向上して凝縮が促進される。
第1ウィック構造体31で凝縮した作動媒体20の一部は、滴下して第2ウィック構造体32に吸収される。また、第1ウィック構造体31で凝縮した作動媒体20の他の一部は、第1ウィック構造体31及び第2柱部152の内部を移動して、第2ウィック構造体32に吸収される。また、第1ウィック構造体31で凝縮した作動媒体20の他の一部は、第1柱部151の側面、及び/又は、第1側壁部13aの内面並びに第2側壁部13bの内面に沿って移動して、第2ウィック構造体32に吸収される。
また、蒸発した作動媒体20の他の一部は、第2ウィック構造体32のうちの被加熱部101からX軸方向及び/又はY軸方向に離れた部分で冷却されて凝縮する。凝縮した作動媒体20は、毛細管現象によって第2ウィック構造体32中を被加熱部101に向かって移動する。また、第1ウィック構造体31から第2ウィック構造体32に移動した作動媒体20も、毛細管現象によって第2ウィック構造体32中を被加熱部101に向かって移動する。
ここで、好ましくは、第2ウィック構造体32の毛細管力は、第1ウィック構造体31の毛細管力よりも高い。そのため、凝縮した作動媒体20を第2ウィック構造体32を介して発熱体Hが配置される被加熱部101により早く移動させることができる。従って、作動媒体20による熱輸送効率が向上する。
上記のように作動媒体20が状態変化を伴いながら移動することにより、被加熱部101側から放熱部102側への熱輸送が連続的に行われる。
<3.その他>
以上、本開示の実施形態を説明した。なお、発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本開示は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
例えば、第1ウィック構造体31をメッシュ材で構成し、第2ウィック構造体32を多孔質の焼結体で構成してもよい。
また、上述の実施形態では、柱部15は、第1柱部151及び第2柱部152の両方を有する。この例示に限定されず、柱部15は、第1柱部151を有する一方で、第2柱部152を有さない構成であってもよい。また、柱部15は、第2柱部152を有する一方で、第1柱部151を有さない構成であってもよい。
本開示は、各種発熱体の冷却に利用することができる。
1・・・熱伝導部材、10・・・筐体、10a・・・内部空間、10b・・・第1筐体部、10c・・・第2筐体部、11・・・第1金属板、12・・・第2金属板、13a・・・第1側壁部、13b・・・第2側壁部、14・・・接合部、15・・・柱部、151・・・第1柱部、151a・・・空洞、152・・・第2柱部、20・・・作動媒体、30・・・ウィック構造体、31・・・第1ウィック構造体、31a・・・凹部、32・・・第2ウィック構造体、34・・・開口部、34・・・貫通孔、342・・・凹部、H・・・発熱体、S・・・蒸気空間、ΔS1・・・第1接触面積、ΔS2・・・第2接触面積、ΔS3・・・第3接触面積、ΔS4・・・第4接触面積

Claims (19)

  1. 筐体と、作動媒体と、ウィック構造体と、を備え、
    前記筐体は、
    互いに対向して配置される第1金属板及び第2金属板と、
    前記第1金属板が前記第2金属板と対向する鉛直方向から見て、前記第1金属板の外周縁部が直接又は中間部材を介して前記第2金属板に接続される接合部と、
    前記第1金属板及び前記第2金属板間に配置されて前記ウィック構造体及び前記作動媒体を収容する内部空間と、
    前記内部空間に配置される柱部と、
    を有し、
    前記内部空間は、前記作動媒体の蒸気が存在し得る蒸気空間を含み、
    前記蒸気空間は、前記内部空間のうち、前記ウィック構造体及び前記柱部が占める空間以外の空間に含まれ、
    少なくとも1つの前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持し、
    下記の2式のうちの少なくともどちらかを満たす、熱伝導部材。
    Sa<Sv (式1)
    Sb<Sv (式2)
    Sa:前記第1金属板と接する前記柱部と前記第1金属板との前記鉛直方向から見た接触面積の総和
    Sb:前記第2金属板と接する前記柱部と前記第2金属板との前記鉛直方向から見た接触面積の総和
    Sv:前記鉛直方向から見て前記蒸気空間が占める面積
  2. 前記少なくとも1つの前記柱部において、前記柱部の一方端部は前記第1金属板に接続され、前記柱部の他方端部は前記第2金属板に接続される、請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記柱部は、中実な第1柱部及び多孔質な第2柱部のうち少なくともどちらかを有する、請求項1又は請求項2に記載の熱伝導部材。
  4. 前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持する前記第1柱部を少なくとも有し、
    下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす、請求項3に記載の熱伝導部材。
    S1≦(Sv/19) (式3)
    S2≦(Sv/19) (式4)
    S1:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第1金属板と接する面積の総和
    S2:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第2金属板と接する面積の総和
    Sv:前記鉛直方向から見て前記蒸気空間が占める面積
  5. 前記ウィック構造体は、
    前記第1金属板の第2金属板側の内面に配置される第1ウィック構造体と、
    前記第2金属板の第1金属板側の内面に配置される第2ウィック構造体と、
    を有し、
    前記柱部は、前記第2柱部を少なくとも有し、
    前記鉛直方向において、前記第2柱部は、前記第1金属板及び前記第1ウィック構造体のうちのいずれかの第1部材と、前記第2金属板及び前記第2ウィック構造体のうちのいずれかの第2部材と、を支持する、請求項3又は請求項4に記載の熱伝導部材。
  6. 前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持する前記第1柱部と、前記第2柱部と、を有し、
    下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす、請求項5に記載の熱伝導部材。
    (S1+S3)<Sv (式5)
    (S2+S4)<Sv (式6)
    S1:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第1金属板と接する面積の総和
    S2:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第2金属板と接する面積の総和
    S3:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第1部材と接する面積の総和
    S4:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第2部材と接する面積の総和
    Sv:前記鉛直方向から見て前記蒸気空間が占める面積
  7. 下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす、請求項5又は請求項6に記載の熱伝導部材。
    (Sv/9)≦S3≦(Sv/4) (式7)
    (Sv/9)≦S4≦(Sv/4) (式8)
    S3:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第1部材と接する面積の総和
    S4:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第2部材と接する面積の総和
    Sv:前記鉛直方向から見て前記蒸気空間が占める面積
  8. 前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持する前記第1柱部と、前記第2柱部と、を有し、
    下記の2式のうちの少なくともどちらかをさらに満たす、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
    S1>S3、且つ、S1>S4 (式9)
    S2>S3、且つ、S2>S4 (式10)
    S1:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第1金属板と接する面積の総和
    S2:前記鉛直方向から見て、前記第1柱部が前記第2金属板と接する面積の総和
    S3:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第1部材と接する面積の総和
    S4:前記鉛直方向から見て、前記第2柱部が前記第2部材と接する面積の総和
  9. 前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持する前記第1柱部と、前記第2柱部と、を有し、
    前記鉛直方向から見て、少なくとも1つの前記第1柱部は、前記第2柱部よりも前記接合部の近くに配置される、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  10. 前記柱部は、前記第1金属板及び前記第2金属板を支持する前記第1柱部と、前記第2柱部と、を有し、
    複数の前記第1柱部のうちの前記接合部に最も近い位置に配置される前記第1柱部の数は、複数の前記第2柱部のうちの前記接合部に最も近い位置に配置される前記第2柱部の数よりも多い、請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  11. 前記第1ウィック構造体は、多孔質の焼結体である、請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  12. 前記第2ウィック構造体は、多孔質の焼結体である、請求項5から請求項11のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  13. 少なくとも1つの前記第2柱部と、前記第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体のうちの少なくともどちらかとは、単一の部材のそれぞれ異なる一部である、請求項5から請求項12のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  14. 前記鉛直方向において、下記の式を満たす、請求項5から請求項13のいずれか1項に記載の記載の熱伝導部材。
    (W1+W2)<W3 (式11)
    W1:前記第1ウィック構造体の厚さ
    W2:前記第2ウィック構造体の厚さ
    W3:前記第1ウィック構造体と前記第2ウィック構造体との間の間隔
  15. 前記第2ウィック構造体は、前記第1ウィック構造体よりも空隙率が高い、請求項5~請求項14のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  16. 前記第2ウィック構造体は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材である、請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  17. 前記第2ウィック構造体の毛細管力は、前記第1ウィック構造体の毛細管力よりも高い、請求項5から請求項16のいずれか1項に記載の熱導電部材。
  18. 下記の式を満たす、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
    V1>V2 (式12)
    V1:前記蒸気空間の体積
    V2:前記ウィック構造体の体積
  19. 前記蒸気空間は、前記内部空間における前記ウィック構造体及び前記柱部以外の空間である、請求項18に記載の熱伝導部材。
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