JP2023127006A - 熱伝導部材 - Google Patents

熱伝導部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2023127006A
JP2023127006A JP2020182978A JP2020182978A JP2023127006A JP 2023127006 A JP2023127006 A JP 2023127006A JP 2020182978 A JP2020182978 A JP 2020182978A JP 2020182978 A JP2020182978 A JP 2020182978A JP 2023127006 A JP2023127006 A JP 2023127006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wick structure
metal plate
conductive member
pillar
heat conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020182978A
Other languages
English (en)
Inventor
淳一 石田
Junichi Ishida
雅昭 花野
Masaaki Hanano
敏彦 小関
Toshihiko Koseki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Corp
Nidec Chaun Choung Technology Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Chaun Choung Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp, Chaun Choung Technology Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP2020182978A priority Critical patent/JP2023127006A/ja
Priority to PCT/JP2021/028353 priority patent/WO2022025258A1/ja
Publication of JP2023127006A publication Critical patent/JP2023127006A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】荷重による熱伝導部材の変形を防ぐ構造を提供する。【解決手段】発熱部材の熱伝導部材の筐体10は、第1金属板11及び第1ウィック構造体31を有する第1筐体部10bと、第1金属板11と対向配置される第2金属板12を有する第2筐体部10cとを有する。柱部15は、少なくとも1つの中実な第1柱部151と、少なくとも1つの多孔質の第2柱部152とを有する。第1柱部151の一方端部は一方の金属板に接続され、他方端部は、他方の金属板を有する一方の筐体部と接する。第2柱部152は、第1筐体部10b及び第2筐体部10cと接する。対向方向から見て、第1柱部151が一方の筐体部と接する第1接触面積ΔS1の総和は、第2柱部152が第1筐体部10bと接する第2接触面積ΔS2の総和、及び、第2柱部152が第2筐体部10cと接する第3接触面積ΔS3の総和よりも広い。【選択図】図3

Description

本発明は、熱伝導部材に関する。
従来、板状の筐体の内部空間に作動媒体及びウィック構造体が収容された熱伝導部材が知られている。このような熱伝導部材の1つとして、筐体の底壁部側と封止板側との間に焼結ブロックを配置して、凝縮した作動媒体を底壁部側と封止板側との間で移動させる平板状のヒートパイプがある。このヒートパイプでは、底壁部及び封止板を内側から支持する支柱が、矩形の底壁部の四隅付近に1つずつ配置される(たとえば、特開2001-91172号公報参照)。
特開2001-91172号公報
しかしながら、上述のヒートパイプでは、支柱の数が少なく、底壁部及び封止板を十分に支持できず、荷重が掛かったときに筐体が変形する虞がある。
本発明は、熱伝導部材の筐体の十分な強度を確保することを目的とする。
本発明の例示的な熱伝導部材は、内部空間を有する筐体と、作動媒体と、を備える。前記筐体は、第1筐体部と、第2筐体部と、接続部と、柱部と、をさらに有する。前記第1筐体部は、第1金属板と、第1ウィック構造体と、を有する。前記第2筐体部は、前記第1金属板と対向して配置される第2金属板を有する。前記接続部は、前記第1金属板が前記第2金属板と対向する対向方向から見て、前記第1金属板の外周縁部が直接又は中間部材を介して前記第2金属板に接続される。前記柱部は、前記内部空間に配置される。前記第1ウィック構造体は、前記第1金属板の前記第2金属板側の内面に配置される。前記内部空間は、前記第1金属板と前記第2金属板との間に配置されて、前記第1ウィック構造体及び前記作動媒体を収容する。前記柱部は、少なくとも1つの中実な第1柱部と、少なくとも1つの多孔質の第2柱部と、を有する。各々の前記第1柱部の一方端部は、前記第1金属板及び前記第2金属板のうちの一方の金属板に接続される。各々の前記第1柱部の他方端部は、一方の筐体部と接する。前記一方の筐体部は、前記第1筐体部及び前記第2筐体部のうちの、前記第1金属板及び前記第2金属板のうちの他方の金属板を有する筐体部である。各々の前記第2柱部は、前記第1筐体部及び前記第2筐体部と接する。前記対向方向から見て、前記第1柱部が前記一方の筐体部と接する第1接触面積の総和は、前記第2柱部が前記第1筐体部と接する第2接触面積の総和、及び、前記第2柱部が前記第2筐体部と接する第3接触面積の総和よりも広い。
本発明の例示的な熱伝導部材によれば、筐体の十分な強度を確保することができる。
図1は、本実施形態に係る熱伝導部材の斜視図である。 図2は、熱伝導部材の上面図である。 図3は、熱伝導部材の模式的な側面断面図である。 図4Aは、第1柱部151の断面の一例を示す断面図である。 図4Bは、第1柱部151の断面の他の一例を示す断面図である。 図5Aは、第1柱部の第1変形例を示す断面図である。 図5Bは、第1柱部の第2変形例を示す断面図である。 図5Cは、第1柱部の第3変形例を示す断面図である。 図5Dは、第1柱部の第4変形例を示す断面図である。 図6Aは、第2柱部の第1変形例を示す断面図である。 図6Bは、第2柱部の第2変形例を示す断面図である。 図6Cは、第2柱部の第3変形例を示す断面図である。 図6Dは、第2柱部の第4変形例を示す断面図である。 図6Eは、第2柱部の第5変形例を示す断面図である。 図7は、第2ウィック構造体の変形例を示す断面図である。
以下に図面を参照して例示的な実施形態を説明する。
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。
XYZ座標系において、Z軸方向は、後述する第1金属板11が第2金属板12と対向する対向方向と平行である。Z軸方向のうち、第1金属板11から第2金属板12への向きが+Z方向であり、第2金属板12から第1金属板11への向きが-Z方向である。以下では、各々の構成要素において、+Z方向を向く面を「上面」と呼び、-Z方向を向く面を「下面」と呼ぶ。また、各々の構成要素のうち、+Z方向における端部を「上端部」と呼び、-Z方向における端部を「下端部」と呼ぶ。また、Z軸方向における構成要素の幅を「厚さ」と呼ぶ。
X軸方向は、Z軸方向と直交する方向である。X軸方向のうち、一方の向きを+X方向とし、他方の向きを-X方向とする。
Y軸方向は、Z軸方向およびX軸方向の両方向と直交する方向である。Y軸方向のうち、一方の向きを+Y方向とし、他方の向きを-Y方向とする。
また、方位、線、及び面のうちのいずれかと他のいずれかとの位置関係において、「平行」は、両者がどこまで延長しても全く交わらない状態のみならず、実質的に平行である状態を含む。また、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者が互いに90度で交わる状態のみならず、実質的に垂直である状態及び実質的に直交する状態を含む。つまり、「平行」、「垂直」及び「直交」はそれぞれ、両者の位置関係に本発明の主旨を逸脱しない程度の角度ずれがある状態を含む。
なお、これらは単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係、方向、及び名称などを限定する意図はない。
また、本明細書において、「焼結」とは、金属の粉末又は金属の粉体を含むペーストを、金属の融点よりも低い温度まで加熱して、金属の粒子を焼き固める技術を指す。また、「焼結体」とは、焼結によって得られる物体を指す。
また、本明細書において、「中実」な部材とは、いわゆるsolidな物体で構成された部材であることを意味し、中身が密に詰まっており且つ多孔質ではない物体で構成された部材を指す。たとえば、「中実」な部材は、内部に空洞がない部材であってもよいし、単数又は複数の巨視的な空洞を内部に有する部材であってもよい。
<1.熱伝導部材の構成>
図1は、本実施形態に係る熱伝導部材1の斜視図である。図2は、熱伝導部材1の上面図である。図3は、熱伝導部材1の模式的な側面断面図である。なお、図3は、図1の一点鎖線A-Aに沿う断面図である。熱伝導部材1は、ベーパーチャンバーとも呼ばれ、発熱体Hの熱を輸送する。本実施形態に係る熱伝導部材1のZ軸方向の厚みは、例えば5mm以上である。発熱体Hとしては、例えば、車両の車輪を駆動するためのトラクションモータに備えられるインバータのパワートランジスタが挙げられる。当該パワートランジスタは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。この場合、熱伝導部材1は、トラクションモータに搭載される。IGBTの発熱量は、一般的に100W以上である。但し、熱伝導部材1の用途は、この例示に限定されない。
熱伝導部材1は、被加熱部101と、放熱部102と、を備える(図3参照)。被加熱部101は、例えば発熱体Hと接して配置され、発熱体Hが発する熱によって加熱される。放熱部102は、被加熱部101で加熱された後述の作動媒体20が有する熱を外部に放出する。また、放熱部102には放熱性を向上させるために、放熱フィンやヒートシンク等の熱交換手段(図示せず)が熱的に接続されてもよい。或いは、放熱部102に、スタックドフィンやピンフィンなどの放熱フィンを有する冷却装置が配置されてもよい。その場合、放熱フィン間に冷却媒体を流す。冷却媒体には、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコールなどの不凍液、純水などの液体を採用できる。或いは、空気などの気体が採用されてもよい。
熱伝導部材1は、内部空間10aを有する筐体10と、作動媒体20と、を備える。なお、作動媒体20は、本実施形態では純水であるが、水以外の媒体であってもよい。たとえば、作動媒体20は、メタノール及びエタノールなどのアルコール化合物、ハイドロフルオロカーボンなどの代替フロン、プロパン及びイソブタンなどの炭化水素化合物、ジフルオロメタンなどのフッ化炭化水素化合物、エチレングリコールなどのいずれかであってもよい。作動媒体20は、熱伝導部材1の使用環境に応じて適宜採用できる。
<1-1.筐体の構成>
筐体10は、第1筐体部10bと、第2筐体部10cと、接合部14と、柱部15と、をさらに有する。第1筐体部10bは、第1金属板11と、第1ウィック構造体31と、を有する。第2筐体部10cは、第1金属板11と対向して配置される第2金属板12を有する。また、第2筐体部10cは、第2ウィック構造体32をさらに有する。言い換えると、筐体10は、第1金属板11と、第2金属板12と、第1ウィック構造体31と、第2ウィック構造体32と、を有する。また、熱伝導部材1は、第1金属板11と、第2金属板12と、第1ウィック構造体31と、第2ウィック構造体32と、接合部14と、柱部15と、を備える。
第1金属板11及び第2金属板12は、熱伝導性の高い金属で形成され、本実施形態では銅製である。また、第1金属板11及び第2金属板12は、銅以外の金属の表面に銅メッキを施して形成されてもよい。銅以外の金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、銀、金、マグネシウム、マンガン、及びチタンなどのいずれかの金属、又は、上述の少なくともいずれかの金属を含む合金(真鍮、ジェラルミン、ステンレス鋼など)を用いることができる。
第1金属板11及び第2金属板12はそれぞれ、X軸方向及びY軸方向に拡がる矩形の板状である。図3に示すように、第1金属板11の下面には、発熱体Hが接触する。つまり、熱伝導部材1の被加熱部101は、第1金属板11のうちの発熱体Hが接触する部分である。第2金属板12は、第1金属板11の上面を覆う。なお、本実施形態の第1金属板11及び第2金属板12は、Z軸方向から見て四角形であるが、この例示には限定されない。例えば、第1金属板11及び第2金属板12は、Z軸方向から見て、複数の角を有する多角形、又は円形であってもよい。
第1金属板11は、周縁から+Z方向に延びる第1側壁部13aを有する。第2金属板12は、周縁から-Z方向に延びる第2側壁部13bを有する。第1側壁部13aの上面と第2側壁部13bの下面とが接合部14で接合される。なお、第2側壁部13bが省略されて、例えば第1側壁部13aの上面と第2金属板12の下面とが接合されてもよい。又は、第1側壁部13aが省略されて、例えば第2側壁部13bの下面と第1金属板11の上面とが接合されてもよい。
第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32は、本実施形態では、多孔質であり、作動媒体20の流路を形成する空隙部(不図示)を有する。第1ウィック構造体31は、第1金属板11の第2金属板12側の内面に配置されて、内部空間10aに臨む。第2ウィック構造体32は、第2金属板12の第1金属板11側の内面に配置されて、内部空間10aに臨む。なお、本明細書において、内部空間10aに「臨む」とは、内部空間10aと「向かい合う」ことを指す。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の詳細は、後に説明する。
内部空間10aは、第1金属板11と第2金属板12との間に配置されて、作動媒体20及び第1ウィック構造体31を収容する。また、内部空間10aは、第2ウィック構造体32をさらに収容する。内部空間10aは、第1金属板11及び第2金属板12で囲まれて形成される。内部空間10aは、密閉空間であり、例えば大気圧よりも気圧が低い減圧状態に維持される。内部空間10aが減圧状態であることにより、内部空間10aに収容される作動媒体20が蒸発しやすくなる。
接合部14では、第1金属板11が第2金属板12と対向する対向方向から見て、第1金属板11の外周縁部が直接又は中間部材を介して第2金属板12に接続される。なお、前述の如く、対向方向は、Z軸方向と平行である。接合部14は、Z軸方向から見て、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の周囲に位置する。第1側壁部13aと第2側壁部13bとの接合方法は、特に限定されない。例えば、熱と圧力を加えて接合する方法、拡散接合、ろう材を用いた接合、などのいずれの接合方法であってもよい。また、第1金属板11は、直接に第2金属板12と接合されてもよいし、銅メッキ層などの中間部材を介して第2金属板12と接合されてもよい。後者において、中間部材は、例えば、Z軸方向から見て第1金属板11の上面の外周縁部と重なる領域に配置される。
なお、接合部14は、封止部を含んでいてもよい。封止部は、例えば、熱伝導部材1の製造過程において、作動媒体20を筐体10内に注入するための注入口を溶接によって封止した箇所である。
柱部15は、内部空間10aに配置され、例えば、Z軸方向から見て円形の円柱で構成される。柱部15は、Z軸方向において第1筐体部10b及び第2筐体部10cを支持する。これにより、筐体10の厚さが一定に保たれる。従って、筐体10のZ軸方向の変形によって内部空間10aが、狭くなることを抑制できる。
図3に示すように、柱部15は、少なくとも1つの中実な第1柱部151と、少なくとも1つの多孔質の第2柱部152と、を有する。なお、図1では、第1柱部151の数、及び第2柱部152の数は6個である。但し、この例示に限定されず、第1柱部151の数、及び第2柱部152の数は、それぞれ単数であってもよいし、6以外の複数であってもよい。
各々の第1柱部151の一方端部は、第1金属板11及び第2金属板12のうちの一方の金属板に接続される。各々の第1柱部151の他方端部は、一方の筐体部と接する。なお、一方の筐体部は、第1筐体部10b及び第2筐体部10cのうちの、第1金属板11及び第2金属板12のうちの他方の金属板を有する筐体部である。また、各々の第2柱部152は、第1筐体部10b及び第2筐体部10cと接する。対向方向から見て、第1柱部151が上記一方の筐体部と接する第1接触面積ΔS1の総和S1は、第2柱部152が第1筐体部10bと接する第2接触面積ΔS2の総和S2、及び、第2柱部152が第2筐体部10cと接する第3接触面積ΔS3の総和S3よりも広い。
中実な第1柱部151の機械的強度は、多孔質な第2柱部152の機械的強度よりも高い。従って、S1>S2且つS1>S3とすることにより、一部の柱部15が多孔質であっても、筐体10の十分な強度を確保することができる。
また、多孔質な第2柱部152が第1筐体部10b及び第2筐体部10cと接するので、作動媒体20が第1筐体部10b部及び第2筐体部10cの一方から他方に移動し易くなる。つまり、作動媒体20の循環効率が向上する。従って、熱伝導部材1の被加熱部101から放熱部102への熱伝達率を高めることができる。さらに、多孔質な第2柱部152により、液体の作動媒体20が浸透する多孔質体の体積が増加するので、熱伝導部材1における液体の作動媒体20の保持量を増やすことができる。従って、たとえば被加熱部101に大量の熱が伝達されても、被加熱部101に作動媒体20を十分に供給できる。よって、作動媒体20の循環サイクルを十分に維持できる。
好ましくは、対向方向から見て、少なくとも1つの第1柱部151は、第2柱部152よりも接合部140の近くに配置される。本実施形態では図1及び図2に示すように、複数の第1柱部151のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第1柱部151は、複数の第2柱部152のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第2柱部152よりも接合部14の近くに配置される。例えば、図2において、接合部14の+X方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第1柱部151との間のX方向における間隔Lx1は、接合部14の+X方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第2柱部152との間のX方向における間隔Lx2よりも狭い。また、接合部14の+Y方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第1柱部151との間のY方向における間隔Ly1は、接合部14の+Y方向側の部分とこの部分に最も近い位置に配置された第2柱部152との間のY方向における間隔Ly2よりも狭い。こうすれば、筐体10の接合部14における強度を向上できる。特に、後述の如く第1柱部151が第1筐体部10b及び第2筐体部10cの両方に接続される場合、筐体10の内圧がより高くなっても、接合部14の変形を抑制又は防止できる。また、接合部14において、第1金属板11が第2金属板12から離れることを抑制又は防止できる。
また、好ましくは、複数の第1柱部151のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第1柱部151の数は、複数の第2柱部152のうちの接合部14に最も近い位置に配置される第2柱部152の数よりも多い(図2参照)。こうすれば、筐体10の接合部14における強度を向上できる。特に、第1柱部151が第1筐体部10b及び第2筐体部10cの両方に接続される場合、筐体10の内圧がより高くなっても、接合部14の変形を抑制又は防止できる。また、接合部14において、第1金属板11が第2金属板12から離れることを抑制又は防止できる。
<1-2.第1柱部の構成>
次に、図3から図5Dを参照して、第1柱部151の詳細な構成を説明する。図4Aは、第1柱部151の断面の一例を示す断面図である。図4Bは、第1柱部151の断面の他の一例を示す断面図である。図5Aから図5Dは、第1柱部151の第1変形例から第4変形例を示す断面図である。なお、図4A及び図4Bは、X軸方向及びY軸方向と平行な仮想の平面で第1柱部151を切断した場合の断面を示す。図5Aから図5Dは、図3の破線で囲まれた部分Bに対応する断面構造を示す。
第1柱部151は、いわゆるソリッドピラーであり、銅等の熱伝導性の高い金属から成る。なお、第1柱部151は、本実施形態では図4Aに示すように、内部に空洞がない柱状の部材である。但し、この例示に限定されず、第1柱部151は、機械的強度を確保できる程度に巨視的な空洞を内部に有する部材であってもよい。たとえば、第1柱部151は、図4Bに示すように多孔質でない筒状の部材であってもよい。この際、好ましくは、第1柱部151は、肉厚な筒状とされる。また、内部の巨視的な空洞151aは、第1柱部151の機械的強度を確保できる限りにおいて、単数であってもよいし、複数であってもよい。
本実施形態では図3に示すように、第1柱部151の上端部は、第2金属板12に接続される。言い換えると、第1柱部151は、第2金属板12の下面からーZ方向に突出する。第1柱部151及び第2金属板12は、単一の部材の異なる一部である。この場合、第1柱部151は、第2金属板12をエッチング又は切削して形成することができる。但し、この例示に限定されず、第1柱部151は、第2金属板12とは別部材であってもよい。たとえば、第1柱部151の上端部は、ろう材を用いたロウ付け、超音波溶接などの接合手段によって、第2金属板12の上面に接合されてもよい。
第1柱部151の下端部は、第1筐体部10bと接し、詳細には第1金属板11と接する。好ましくは、少なくとも1つの第1柱部151の一方端部は、第1筐体部10bに接続される。本実施形態では、各々の第1柱部151の下端部が、第1金属板11に固定される。この構成において、第1接触面積ΔS1は、対向方向から見て、第1柱部151が第1金属板11と接する面積である。こうすれば、少なくとも1つの第1柱部151が第1筐体部10b及び第2筐体部10cの両方に接続されるので、筐体10の強度を向上できる。たとえば、作動媒体20の蒸発によって筐体10の内圧が高くなっても、筐体10の変形を抑制又は防止できる。特に、熱伝導部材1の曲がり、膨張などを効果的に抑制又は防止できる。なお、上述の例示は、少なくとも1つの第1柱部151において、その下端部が、第1筐体部10bと接する一方で固定されない構成を排除しない。
なお、第1柱部151の形態は、図3の例示に限定されない。図5Aに示すように、少なくとも1つの第1柱部151において、第2金属板12から突出する第1柱部151の下端部は、第1ウィック構造体31の上面と接してもよい。この構成において、第1接触面積ΔS1は、対向方向から見て、第1柱部151が第1ウィック構造体31と接する面積である。この際、好ましくは、第1柱部151の下端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって第1ウィック構造体31の上面に固定される。このようにしても、外力の作用、内圧の上昇などに起因する筐体10の変形を抑制又は防止できる。
また、図5B及び図5Cに示すように、少なくとも1つの第1柱部151は、第1金属板11の上面から+Z方向に突出してもよい。この際、第1柱部151及び第1金属板11は、単一の部材のそれぞれ異なる一部であってもよいし、第1金属板11とは別部材であってもよい。前者の場合、第1柱部151は、第1金属板11をエッチング又は切削して形成することができる。後者の場合、ろう材を用いたロウ付け、超音波溶接などの接合手段により、第1柱部151の下端部を第1金属板11の上面に接合することができる。
さらに、少なくとも1つの第1柱部151の上端部は、第2筐体部10cと接してもよい。たとえば、第1柱部151の上端部は、図5Bに示すように、第2金属板12の下面と接してもよい。この構成において、第1接触面積ΔS1は、対向方向から見て、第1柱部151が第2金属板12と接する面積である。この際、好ましくは、第1柱部151の上端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって、第2金属板12の下面に固定される。なお、この例示は、第1金属板11から突出する第1柱部151の少なくとも1つにおいて、その上端部が、第2金属板12と接する一方で固定されない構成を排除しない。
或いは、少なくとも1つの第1柱部151の上端部は、図5Cに示すように、第2ウィック構造体32の下面と接してもよい。この構成において、第1接触面積ΔS1は、対向方向から見て、第1柱部151が第2ウィック構造体32と接する面積である。この際、好ましくは、第1柱部151の上端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって、第2ウィック構造体32の下面に固定される。なお、この例示は、第1金属板11から突出する第1柱部151の少なくとも1つにおいて、その上端部が、第2ウィック構造体32と接する一方で固定されない構成を排除しない。
このほか、少なくとも1つの第1柱部151は、図5Dに示すように、第1金属板11及び第2金属板12とは別部材であってもよい。この場合、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって、第1柱部151の上端部は第2金属板12の下面に接合され、第1柱部151の下端部は第1金属板11の上面に接合される。なお、この際、図5Dの接触面積ΔSa、ΔSbは、第1接触面積ΔS1に対応する。接触面積ΔSaは、Z軸方向から見て、第1柱部151の下端部が第1金属板11と接する面積である。接触面積ΔSbは、Z軸方向から見て、第1柱部151の上端部が第2金属板12と接する面積である。つまり、Z軸方向から見て、接触面積ΔSaの総和Saと、接触面積ΔSbの総和Sbとの少なくとも一方がそれぞれ、第2柱部152が第1筐体部10bと接する第2接触面積ΔS2の総和S2、及び、第2柱部152が第2筐体部10cと接する第3接触面積ΔS3の総和S3よりも広くされる。より好ましくは、Sa>S2、Sa>S3、Sb>S2、及びSb>S3を全て満たす。
<1-3.第2柱部の構成>
次に、図3及び図6Aから図6Eを参照して、第2柱部152の詳細な構成を説明する。図6Aから図6Eは、第2柱部152の第1変形例から第5変形例を示す断面図である。なお、図6Aから図6Eは、図3の破線で囲まれた部分Cに対応する断面構造を示す。
第2柱部152は、多孔質の焼結体であり、銅等の熱伝導性の高い金属の粒子を焼結することで形成される。第2柱部152を多孔質の焼結体とすることにより、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間の作動媒体20の流路として、第2柱部152を利用できる。
各々の第1柱部151の上端部は第2筐体部10cと接し、下端部は第1筐体部10bと接する。本実施形態では図3に示すように、第1柱部151の一方端部は第1ウィック構造体31と接し、第1柱部151の他方端部は第2ウィック構造体32と接する。多孔質な第2柱部152が第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32と接するので、作動媒体20を第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の一方から他方にスムーズに移動させることができる。
本実施形態では、第2柱部152の下端部は、第1ウィック構造体31に接続される。第2柱部152の上端部は、第2ウィック構造体32に接続される。第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を介して第1金属板11及び第2金属板12を支持する。これにより、柱部15が筐体10を補強してZ軸方向の変形を抑制する効果を向上できる。但し、この例示に限定されず、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの一方に接続されるが、他方には接続されなくてもよい。つまり、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152は、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの少なくとも一方に接続されればよい。こうすれば、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間における作動媒体20の移動をよりスムーズにすることができる。また、少なくとも1つの第2柱部152が、第1ウィック構造体31を有する第1筐体部10bと第2ウィック構造体32を有する第2筐体部10cとの両方に接続される場合、筐体10の強度をさらに向上できる。たとえば、内圧の上昇に起因する熱伝導部材1の曲がり、膨張などを抑制又は防止する効果を向上できる。
また、本実施形態では図3に示すように、第2柱部152、第1ウィック構造体31、及び第2ウィック構造体32は、単一の部材のそれぞれ異なる一部である。但し、この例示に限定されず、図6A及び図6Bに示すように、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152及び第1ウィック構造体31は単一の部材のそれぞれ異なる一部である一方で、第2柱部152及び第2ウィック構造体32は別部材であってもよい。或いは、少なくとも1つの第2柱部152において、第2柱部152及び第2ウィック構造体32は単一の部材のそれぞれ異なる一部である一方で、第2柱部152及び第1ウィック構造体31は別部材であってもよい。つまり、少なくとも1つの第2柱部152と、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32のうちの少なくともどちらかとは、単一の部材のそれぞれ異なる一部であればよい。こうすれば、少なくとも1つの第2柱部152と第1ウィック構造体31及び/又は第2ウィック構造体32との間における作動媒体20の移動をさらにスムーズにすることができる。また、熱伝導部材1の部品数を低減できるので、熱伝導部材1の生産性を向上できる。但し、上述の例示は、少なくとも1つの第2柱部152が第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の両方と別部材である構成(図6C参照)を排除しない。
また、図3の例示に限定されず、少なくとも1つの第2柱部152は、図6B及び図6Dから図6Eに示すように、第1金属板11及び第2金属板12のうちの少なくとも一方に接してもよい。
例えば、少なくとも1つの第2柱部152の上端部は、図6B及び図6Dから図6Eに示すように、第2ウィック構造体32に配置された貫通孔32aを通じて、第2金属板12の下面に接する。この際に、好ましくは、第2柱部152の上端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって第2金属板12又は第2ウィック構造体32に接続される。或いは、第2柱部152の上端部は、貫通孔32aに圧入されることで、第2金属板12と接した状態で固定されてもよい。また、さらに好ましくは、第2柱部152の上端部の側面は、貫通孔32aの内側面と接する。こうすれば、第2柱部152の側面が第2ウィック構造体32と接するので、作動媒体20が第2柱部152及び第2ウィック構造体32間をスムーズに移動できる。
また、少なくとも1つの第2柱部152の下端部は、図6Eに示すように、第1ウィック構造体31に配置された貫通孔31aを通じて、第1金属板11の上面に接する。この際に、好ましくは、第2柱部152の下端部は、ロウ付け、超音波溶接などの手段によって第1金属板11又は第1ウィック構造体31に接続される。或いは、第2柱部152の下端部は、貫通孔31aに圧入されることで、第1金属板11と接した状態で固定されてもよい。また、さらに好ましくは、第2柱部152の下端部の側面は、貫通孔31aの内側面と接する。こうすれば、第2柱部152の側面が第1ウィック構造体31と接するので、作動媒体20が第2柱部152及び第1ウィック構造体31間をスムーズに移動できる。
<1-4.第1ウィック構造体、第2ウィック構造体の構成>
次に、図3を参照して、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の構成を説明する。本実施形態では、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32はそれぞれ、多孔質の焼結体である。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を多孔質の焼結体とすることにより、メッシュ材よりも容易に製造可能であり、熱伝導部材1の製造コストを下げることができる。
好ましくは、第1ウィック構造体31の厚さW1は、第2ウィック構造体32の厚さW2よりも厚い。熱伝導部材1の被加熱部101において、発熱体H側に配置される第1ウィック構造体31では、第2ウィック構造体32よりも液状の作動媒体20の蒸発が促進される。このため、Z軸方向においてW1>W2とすることにより、第1ウィック構造体31での作動媒体20の保持性を第2ウィック構造体32の作動媒体20の保持性よりも高くできる。第1ウィック構造体31での作動媒体20の保持量をより多くすることにより、発熱体Hから伝達される熱量が多くても、いわゆるドライアウトの発生を抑制又は防止できる。従って、熱伝導部材1の熱伝達性能が低下を防止できる。但し、この例示は、第1ウィック構造体31の厚さW1が第2ウィック構造体32の厚さW2以下である構成を排除しない。
なお、ドライアウトは、被加熱部101付近において第1ウィック構造体31内の作動媒体20がほぼ蒸発して乾いてしまう現象である。仮に、ドライアウトが発生すると、作動媒体20の気ー液循環サイクルが途切れてしまうため、作動媒体20を介して被加熱部101から放熱部102への熱輸送ができなくなり、熱伝導部材1の熱伝達性能が大幅に低下する。
一方、発熱体Hとは反対側の放熱面側に配置される第2ウィック構造体32では、第1ウィック構造体31よりも蒸発した作動媒体20の凝縮が促進される。このため、第2ウィック構造体32は、第1ウィック構造体31と比べて作動媒体20の冷却効率が高いことが好ましい。
また、好ましくは、熱伝導部材1は、対向方向において、下記を満たす。
W1+W2<W3 (式1)
W1:第1ウィック構造体31の厚さ
W2:第2ウィック構造体32の厚さ
W3:第1ウィック構造体31と第2ウィック構造体32との間の間隔
数式1の条件を満たすことにより、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間において、作動媒体20の蒸気が移動し得る空間をより広くすることができる。従って、第1ウィック構造体31の被加熱部101付近の部分から蒸発した作動媒体20が上記の空間内により拡散し易くなるので、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率が向上する。よって、熱伝導部材1の熱伝達効率を向上できる。
より好ましくは、熱伝導部材1は、対向方向において、下記を満たす。
(4×W2)≧W1≧(2×W2) (式2)
(7×W2)≧W3≧(5×W2) (式3)
W3+W2+W1=(10×W2) (式4)
W1:第1ウィック構造体の厚さ
W2:第2ウィック構造体の厚さ
W3:第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体間の間隔
数式2から数式4の条件を全て満たすことにより、作動媒体20の蒸気が移動し得る空間と、第1ウィック構造体31での作動媒体20の保持性との両方をバランス良く確保できる。従って、ドライアウトの発生を抑制しつつ、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率を向上させることができる。
また、好ましくは、熱伝導部材1は、以下を満たす。
V1>V2 (式5)
V1:内部空間10aにおける第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32以外の空間に含まれ、作動媒体20の蒸気が存在しうる蒸気空間の体積
V2:第1ウィック構造体31の体積と第2ウィック構造体32の体積との和
数式5の条件を満たすことにより、蒸気空間の体積V1をより広くすることができる。従って、第1ウィック構造体31の被加熱部101付近の部分から蒸発した作動媒体20が蒸気空間内により拡散し易くなるので、作動媒体20を介した被加熱部101から放熱部102への熱輸送効率が向上する。よって、熱伝導部材1の熱伝達効率を向上できる。
詳細には、上述の蒸気空間は、内部空間10aにおける第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び柱部15以外の空間である。柱部15の体積を差し引いて蒸気空間を定義することにより、蒸気空間の広さをより正確に確保できる。
また、第1ウィック構造体31は、第2ウィック構造体32よりも空隙率が高い。これにより、第1ウィック構造体31の毛細管力が、第2ウィック構造体32の毛細管力よりも大きくなる。
ここで、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の全体積に対する空間の体積の割合を、空隙率と呼ぶ。空隙率の単位は%である。空隙率は以下の方法によって求められる。例えば、ウィック構造体3の断面写真から、空間の面積を測定し、空間の面積が全体に占める割合を算出することにより、空隙率を求めることができる。第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32の断面の観察においては、被写界深度の深い走査型電子顕微鏡を用いることが好ましい。なお、断面の観察の方法は、金属部分と空間とを容易に判別できる方法であればよく、特に限定されない。
なお、本実施形態では、Z軸方向と垂直な方向において、第2ウィック構造体32の厚さは均一である。但し、この例示に限定されず、Z軸方向と垂直な方向において、第2ウィック構造体32の一部の厚さは、第2ウィック構造体32の残りの一部の厚さよりも薄くてもよい。図7は、第2ウィック構造体32の変形例を示す断面図である。なお、図7は、図3の破線で囲まれた部分Dに対応する断面構造を示す。図7に示すように、第2ウィック構造体32は、凹部32bを有する。凹部32bは、第2ウィック構造体32の下面に配置され、+Z方向に凹む。Z軸方向から見て、凹部32bは、発熱体Hと重なり、好ましくは発熱体Hの全てと重なる。言い換えると、好ましくは、Z軸方向から見て、凹部32bの外周縁部は、発熱体Hよりも外側に配置される。
第2ウィック構造体32のZ軸方向から見て発熱体Hと重なる部分では、作動媒体20が凝縮し易い。但し、この部分に保持される液体の作動媒体20が多くなると、この部分での作動媒体20の凝縮効率が低下する虞がある。つまり、作動媒体20の熱輸送効率が低下する虞がある。従って、この部分の厚さを薄くして、この部分に保持可能な作動媒体20を少なくすることにより、この部分での凝縮効率の低下を抑制できる。よって、作動媒体20の熱輸送効率の低下を抑制できる。
なお、図7では、第2ウィック構造体32の凹部32bが配置された部分の厚さは、X軸方向及び/又はY軸方向において均一である。但し、この例示に限定されず、上記の厚さは均一でなくてもよい。例えば、凹部32bの底面は、+Z方向に向かって錐状に凹んでいてもよい。言い換えると、第2ウィック構造体32の凹部32bが配置された部分の厚さは、たとえばこの部分の中央に向かうにつれて薄くなってもよい。作動媒体20の凝集速度が速い部分の厚さをより薄くすることによって、第2ウィック構造体32の凹部32bが配置された部分での凝縮効率の低下をさらに抑制できる。
また、本実施形態では、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32を多孔質の焼結体で構成している。但し、この例示に限定されず、第1ウィック構造体31は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材であってもよい。及び/又は、第2ウィック構造体32は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材であってもよい。たとえば、第1ウィック構造体31をメッシュ材で構成し、第2ウィック構造体32を多孔質の焼結体で構成することにより、第1ウィック構造体31の毛細管力を、第2ウィック構造体32の毛細管力よりも大きく容易に形成することができる。
或いは、第1ウィック構造体31は、第1金属板11の第2金属板12側の内面に形成された複数の溝部により構成されてもよい。及び/又は、第2ウィック構造体32は、第2金属板12の第1金属板11側の内面に形成された複数の溝部により構成されてもよい。これにより、メッシュ材及び焼結体で構成する場合と比べて、複数の溝部で構成される第1ウィック構造体31及び/又は第2ウィック構造体32を薄く形成できる。従って、第1ウィック構造体31及び第2ウィック構造体32間の間隔をより広くすることができる。また、Z軸方向において、上記の間隔を狭めずに筐体10を薄型化できる。
<1-5.焼結体の形成>
本実施形態では、第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び第2柱部152は、いずれも焼結体であり、例えば以下のように形成される。まず、マイクロ銅粒子、銅体及び樹脂を含む混合粉末を接合前の第1金属板11の上面及び第2金属板12の下面に吹き付け塗布する。次に、柱状に成形した混合粉末を挟んで第1金属板11及び第2金属板12を接合する。その後、筐体10を加熱して混合粉末を焼成する。これにより、筐体10の内部空間10aに、第1ウィック構造体31と、第2ウィック構造体32と、第2柱部152と、を、容易に一体に形成できる。これにより、熱伝導部材1の製造コストを抑制することができる。なお、第1ウィック構造体31、第2ウィック構造体32、及び第2柱部152を別々に焼成した後に、第1金属板11及び第2金属板12を接合してもよい。
なお、本明細書において、「塗布」とは、第1金属板11及び第2金属板12に混合粉末を付着させることを指す。吹き付け塗布する方法以外に、混合粉末のペーストを直接塗布してもよい。
マイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集又は結合した粒子である。例えば、マイクロ銅粒子は多孔質であり、その粒径は1μm以上且つ1mm未満である。
銅体は、マイクロ銅粒子よりも小さいサブマイクロ銅粒子が焼結により溶融して固まった銅溶融体である。サブマイクロ銅粒子は、複数の銅原子が凝集又は結合した粒子である。溶融前のサブマイクロ銅粒子の粒径は、例えば0.1μm以上且つ1μm未満である。
樹脂は、マイクロ銅粒子および銅体を構成する銅の融点以下の温度で揮発する揮発性の樹脂である。このような揮発性の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。これらの中では、熱分解性の高いアクリル樹脂を用いることが好ましい。
<2.熱伝導部材の動作>
次に、図3を参照して、熱伝導部材1の動作を説明する。なお、図3において、作動媒体20が蒸発して生成される蒸気の流れを熱伝導部材1内の黒矢印で示し、液状の作動媒体20の流れを熱伝導部材1内の白抜き矢印で示す。
上記の構成の熱伝導部材1では、発熱体Hで発生した熱により、被加熱部101が加熱される。被加熱部101の温度が上昇すると、第1ウィック構造体31に含まれた液状の作動媒体20が蒸発する。
蒸発した作動媒体20は、内部空間10aを放熱部102側に移動する。例えば、蒸発した作動媒体20は、第2ウィック構造体32へと移動したり、熱伝導部材1の被加熱部101からX方軸向及び/又はY軸方向に離れた部分へと移動したりする。
蒸発した作動媒体20の一部は、第2ウィック構造体32に接触して冷却され、凝縮する。第2ウィック構造体32は、第2金属板12の下面よりも表面積が大きく冷却効率が高い。このため、第2ウィック構造体32を設けることにより、蒸発した作動媒体20の冷却効率が向上して凝縮が促進される。
第2ウィック構造体32で凝縮した作動媒体20の一部は、滴下して第1ウィック構造体31に吸収される。また、第2ウィック構造体32で凝縮した作動媒体20の他の一部は、第2ウィック構造体32及び第2柱部152の内部を移動して、第1ウィック構造体31に吸収される。また、第2ウィック構造体32で凝縮した作動媒体20の他の一部は、第1柱部151の側面、及び/又は、第1側壁部13aの内面並びに第2側壁部13bの内面に沿って移動して、第1ウィック構造体31に吸収される。
また、蒸発した作動媒体20の他の一部は、第1ウィック構造体31のうちの被加熱部101からX軸方向及び/又はY軸方向に離れた部分で冷却されて凝縮する。凝縮した作動媒体20は、毛細管現象によって第1ウィック構造体31中を被加熱部101に向かって移動する。また、第2ウィック構造体32から第1ウィック構造体31に移動した作動媒体20も、毛細管現象によって第1ウィック構造体31中を被加熱部101に向かって移動する。
ここで、第1ウィック構造体31の毛細管力は、第2ウィック構造体32の毛細管力よりも高い。そのため、第1ウィック構造体31を介して凝縮した作動媒体20を発熱体Hが配置される被加熱部101により早く移動させることができる。従って、作動媒体20による熱輸送効率が向上する。
上記のように作動媒体20が状態変化を伴いながら移動することにより、被加熱部101側から放熱部102側への熱輸送が連続的に行われる。
<3.その他>
以上、本発明の実施形態を説明した。なお、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されない。本発明は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾が生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
たとえば、上述の実施形態において、第2金属板12の下面に配置される第2ウィック構造体32は省略されてもよい。
本発明は、各種発熱体の冷却に利用することができる。
1・・・熱伝導部材、10・・・筐体、10a・・・内部空間、10b・・・第1筐体部、10c・・・第2筐体部、11・・・第1金属板、12・・・第2金属板、13a・・・第1側壁部、13b・・・第2側壁部、14・・・接合部、15・・・柱部、151・・・第1柱部、151a・・・空洞、152・・・第2柱部、20・・・作動媒体、31・・・第1ウィック構造体、31a・・・開口、32・・・第2ウィック構造体、32a・・・開口、H・・・発熱体、ΔS1・・・第1接触面積、ΔS2・・・第2接触面積、ΔS3・・・第3接触面積

Claims (18)

  1. 内部空間を有する筐体と、作動媒体と、を備え、
    前記筐体は、
    第1金属板と第1ウィック構造体とを有する第1筐体部と、
    前記第1金属板と対向して配置される第2金属板を有する第2筐体部と、
    前記第1金属板が前記第2金属板と対向する対向方向から見て、前記第1金属板の外周縁部が直接又は中間部材を介して前記第2金属板に接続される接続部と、
    前記内部空間に配置される柱部と、
    をさらに有し、
    前記第1ウィック構造体は、前記第1金属板の前記第2金属板側の内面に配置され、
    前記内部空間は、前記第1金属板と前記第2金属板との間に配置されて、前記第1ウィック構造体及び前記作動媒体を収容し、
    前記柱部は、少なくとも1つの中実な第1柱部と、少なくとも1つの多孔質の第2柱部と、を有し、
    各々の前記第1柱部の一方端部は、前記第1金属板及び前記第2金属板のうちの一方の金属板に接続され、
    各々の前記第1柱部の他方端部は、一方の筐体部と接し、
    前記一方の筐体部は、前記第1筐体部及び前記第2筐体部のうちの、前記第1金属板及び前記第2金属板のうちの他方の金属板を有する筐体部であり、
    各々の前記第2柱部は、前記第1筐体部及び前記第2筐体部と接し、
    前記対向方向から見て、前記第1柱部が前記一方の筐体部と接する第1接触面積の総和は、前記第2柱部が前記第1筐体部と接する第2接触面積の総和、及び、前記第2柱部が前記第2筐体部と接する第3接触面積の総和よりも広い、熱伝導部材。
  2. 少なくとも1つの前記第1柱部の一方端部は、前記第1筐体部に接続される、請求項1に記載の熱伝導部材。
  3. 前記対向方向から見て、少なくとも1つの前記第1柱部は、前記第2柱部よりも前記接続部の近くに配置される、請求項1又は請求項2に記載の熱伝導部材。
  4. 複数の前記第1柱部のうちの前記接続部に最も近い位置に配置される前記第1柱部の数は、複数の前記第2柱部のうちの前記接続部に最も近い位置に配置される前記第2柱部の数よりも多い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  5. 前記第2筐体部は、第2ウィック構造体をさらに備え、
    前記第2ウィック構造体は、前記第2金属板の前記第1金属板側の面に配置され、
    各々の前記第2柱部の一方端部は、前記第1ウィック構造体と接し、
    各々の前記第2柱部の他方端部は、前記第2ウィック構造体と接する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  6. 少なくとも1つの前記第2柱部において、前記第2柱部は、前記第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体のうちの少なくとも一方に接続される、請求項5に記載の熱伝導部材。
  7. 前記少なくとも1つの前記第2柱部と、前記第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体のうちの少なくともどちらかとは、単一の部材のそれぞれ異なる一部である、請求項5又は請求項6に記載の熱伝導部材。
  8. 前記第1ウィック構造体の厚さは、前記第2ウィック構造体の厚さよりも厚い、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  9. 前記対向方向において、下記を満たす、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
    W1+W2<W3
    W1:前記第1ウィック構造体の厚さ
    W2:前記第2ウィック構造体の厚さ
    W3:前記第1ウィック構造体と前記第2ウィック構造体との間の間隔
  10. 前記対向方向において、下記を満たす、請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
    (4×W2)≧W1≧(2×W2)
    (7×W2)≧W3≧(5×W2)
    W3+W2+W1=(10×W2)
    W1:前記第1ウィック構造体の厚さ
    W2:前記第2ウィック構造体の厚さ
    W3:前記第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体間の間隔
  11. 前記第2ウィック構造体の一部の厚さは、前記第2ウィック構造体の残りの一部の厚さよりも薄い、請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  12. 以下を満たす、請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
    V1>V2
    V1:前記内部空間における前記第1ウィック構造体及び前記第2ウィック構造体以外の空間に含まれ、前記作動媒体の蒸気が存在しうる蒸気空間の体積
    V2:前記第1ウィック構造体の体積と前記第2ウィック構造体の体積との和
  13. 前記蒸気空間は、前記内部空間における前記第1ウィック構造体、前記第2ウィック構造体、及び前記柱部以外の空間である、請求項12に記載の熱伝導部材。
  14. 前記第2ウィック構造体は、多孔質の焼結体である、請求項5から請求項13のいずれかに記載の熱伝導部材。
  15. 前記第1ウィック構造体の毛細管力は、前記第2ウィック構造体の毛細管力よりも高い、請求項5~請求項14のいずれかに記載の熱導電部材。
  16. 前記第1ウィック構造体は、複数の金属線状部材が編み込まれたメッシュ部材である、請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  17. 前記第1ウィック構造体は、多孔質の焼結体である、請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の熱伝導部材。
  18. 前記第1ウィック構造体は、多孔質の焼結体であって、前記第2ウィック構造体よりも空隙率が高い、請求項15に記載の熱伝導部材。
JP2020182978A 2020-07-31 2020-10-30 熱伝導部材 Pending JP2023127006A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020182978A JP2023127006A (ja) 2020-10-30 2020-10-30 熱伝導部材
PCT/JP2021/028353 WO2022025258A1 (ja) 2020-07-31 2021-07-30 熱伝導部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020182978A JP2023127006A (ja) 2020-10-30 2020-10-30 熱伝導部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023127006A true JP2023127006A (ja) 2023-09-13

Family

ID=87971752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020182978A Pending JP2023127006A (ja) 2020-07-31 2020-10-30 熱伝導部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023127006A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11359869B2 (en) Vapor chamber
WO2018199218A1 (ja) ベーパーチャンバー
KR20180048972A (ko) 베이퍼 챔버
US11740029B2 (en) Vapor chamber
WO2022025258A1 (ja) 熱伝導部材
JP2023127006A (ja) 熱伝導部材
WO2022025259A1 (ja) 熱伝導部材
JP2023127007A (ja) 熱伝導部材
WO2022025249A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025254A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025251A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025253A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025252A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025256A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025255A1 (ja) 熱伝導部材
WO2022025257A1 (ja) 熱伝導部材
JP2023127013A (ja) 熱伝導部材
JP2023127010A (ja) 熱伝導部材
WO2022025261A1 (ja) 熱伝導部材
JP2023127011A (ja) 熱伝導部材
JP2023127008A (ja) 熱伝導部材
WO2022181631A1 (ja) 熱伝導部材、熱交換装置
WO2022181630A1 (ja) 熱伝導部材、熱交換装置
JP2023127009A (ja) 熱伝導部材
JP2023127012A (ja) 熱伝導部材