JP2023126895A - 光ファイバの製造方法および光ファイバ - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止し、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバの製造方法を提供する。【解決手段】光ファイバの被覆層を部分的に除去する除去工程と、露出させたガラスファイバの端面を融着接続する接続工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する再被覆工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去工程がレーザ光を前記被覆層に照射して前記被覆層を除去する工程である。【選択図】図2C
Description
本開示は、光ファイバの製造方法および光ファイバに関する。
本出願は、2018年1月25日出願の日本出願第2018-010607号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
本出願は、2018年1月25日出願の日本出願第2018-010607号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
光ファイバは、ユーザからの要求に応じて、例えば、海底ケーブルのように数十kmに及ぶ長尺の光ファイバが製造される。このような長尺の光ファイバは、通常、複数本の光ファイバを融着接続して形成される。この場合、接続部を保護する保護樹脂と元の被覆樹脂との界面に剥離や割れが生じないことが求められる。このような、要望を満たすものとして、例えば、特許文献1,2に開示の技術が知られている。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、前記除去する工程が、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置し、前記マスクを前記光ファイバの軸方向と直角でかつ前記レーザ光の照射方向と直角方向にスキャンさせる工程と、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させて光ファイバへのレーザ光の照射位置を変更する工程とを繰り返し行う工程である。
また、本開示に係る光ファイバの製造方法は、互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、前記除去する工程が、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させるとともに、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である。
[本開示が解決しようとする課題]
光ファイバの損失増加の要因としてボビン巻時の側圧の影響があり、低損失化のためには光ファイバの被覆層を2層構造とし、中心側のプライマリ層にヤング率の低い(柔らかい)樹脂を使用する必要がある。このような2層構造の被覆層を有する光ファイバを用いた海底ケーブルでは、接続部の保護樹脂に亀裂が発生する場合がある。
光ファイバの損失増加の要因としてボビン巻時の側圧の影響があり、低損失化のためには光ファイバの被覆層を2層構造とし、中心側のプライマリ層にヤング率の低い(柔らかい)樹脂を使用する必要がある。このような2層構造の被覆層を有する光ファイバを用いた海底ケーブルでは、接続部の保護樹脂に亀裂が発生する場合がある。
図7は、2層構造の被覆層を有する従来の光ファイバの接続部の構成を示す図である。この接続部は、ガラスファイバ11と、ガラスファイバの周囲に中心側のプライマリ層12と外周側のセカンダリ層13からなる2層構造の被覆層を設けた光ファイバ10どうしを接続したものである。それぞれの光ファイバ10の端部は被覆層が除去され、露出したガラスファイバ11どうしが融着接続部14で融着接続される。被覆層は融着接続部14側に向かって小径となるようにテーパ形状に除去されているが、セカンダリ層13のみがテーパ形状に除去されてプライマリ層12がテーパ形状に除去されていない場合を示している。融着接続部14と被覆層の除去部全体を覆うように、保護樹脂15がモールドされて再被覆されている。
このように、従来の光ファイバの接続部は、短尺ファイバどうしの端部の被覆を除去して融着接続し、接続部に保護樹脂15を再被覆している。ここで、光ファイバ10のプライマリ層12のヤング率が低いと、スクリーニング(強度試験)した際に被覆除去端のプライマリ層12の変形量が大きくなる。このため、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点で応力が最大となり、保護樹脂15にひずみが生じ亀裂Xが発生することがある。
保護樹脂での亀裂Xの発生を防ぐ対策として、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点の応力を分散させるために、例えば、図8に示すように、プライマリ層12とセカンダリ層13の接続端の被覆層除去端が、テーパ形状Tとなるように作成することが望ましい。すなわち、被覆層除去後のプライマリ層12とセカンダリ層13との境目が所定角度のテーパ形状Tとして形成されていることが望ましい。
しかしながら、例えば、剃刀で細い光ファイバの被覆層を切削して図8に示すようなテーパ形状とすることはスキルが必要である。特に、プライマリ層12が柔らかい樹脂の場合は、プライマリ層12を上手に削ることが困難であった。また、リュータ等の回転工具で被覆層を削る場合も、柔らかいプライマリ層12が砥石に付着し、所望の形状に削ることは難しかった。このように、従来の工具を用いて被覆層を除去する場合は、スキルの差によっても形状のばらつきが生じ、製造されたケーブルの品質が一定しないという課題があった。さらに、工具によってガラスファイバを傷つけるおそれがあった。
しかしながら、例えば、剃刀で細い光ファイバの被覆層を切削して図8に示すようなテーパ形状とすることはスキルが必要である。特に、プライマリ層12が柔らかい樹脂の場合は、プライマリ層12を上手に削ることが困難であった。また、リュータ等の回転工具で被覆層を削る場合も、柔らかいプライマリ層12が砥石に付着し、所望の形状に削ることは難しかった。このように、従来の工具を用いて被覆層を除去する場合は、スキルの差によっても形状のばらつきが生じ、製造されたケーブルの品質が一定しないという課題があった。さらに、工具によってガラスファイバを傷つけるおそれがあった。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止し、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバの製造方法を提供することを、その目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができ、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバを得ることができる。
本開示によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができ、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバを得ることができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、前記除去する工程が、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置し、前記マスクを前記光ファイバの軸方向と直角でかつ前記レーザ光の照射方向と直角方向にスキャンさせる工程と、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させて光ファイバへのレーザ光の照射位置を変更する工程とを繰り返し行う工程である。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、前記除去する工程が、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置し、前記マスクを前記光ファイバの軸方向と直角でかつ前記レーザ光の照射方向と直角方向にスキャンさせる工程と、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させて光ファイバへのレーザ光の照射位置を変更する工程とを繰り返し行う工程である。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(2)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、前記除去する工程が、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させるとともに、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(3)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(2)の製造方法において、前記除去する工程が、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させるとともに、前記光ファイバの前記ガラスファイバを避けて前記被覆層部分にのみ前記レーザを照射する工程である。
本実施形態によれば、ガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止しつつ、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
本実施形態によれば、ガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止しつつ、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(4)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)~(3)のいずれか1の製造方法において、前記レーザ光は波長が170nm以上、250nm以下である。
本実施形態によれば、被覆層を変形させることなく、良好な形状で除去することができる。
本実施形態によれば、被覆層を変形させることなく、良好な形状で除去することができる。
(5)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)~(4)のいずれか1の製造方法において、前記レーザ光はエネルギ密度が1000mJ/cm2以下である。
本実施形態によれば、レーザ光がガラスファイバに照射された場合でも、ガラスファイバの光学的ダメージを小さくすることができる。
本実施形態によれば、レーザ光がガラスファイバに照射された場合でも、ガラスファイバの光学的ダメージを小さくすることができる。
(6)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)~(5)のいずれか1の製造方法において、前記光ファイバの前記被覆層が中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層からなる2層構造であって、前記プライマリ層のヤング率が0.5MPa以下である。
本実施形態によれば、プライマリ層が柔らかい光ファイバであっても、良好な形状で被覆層の除去と接続ができるため、ボビン巻時の低損失化が可能になる。
本実施形態によれば、プライマリ層が柔らかい光ファイバであっても、良好な形状で被覆層の除去と接続ができるため、ボビン巻時の低損失化が可能になる。
(7)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)~(6)のいずれか1の製造方法において、前記除去する工程の後、前記被覆層が部分的に除去された箇所から、一方側の前記光ファイバの被覆層を抜き取ることによって、前記ガラスファイバを露出させる工程を有する。
本実施形態によれば、予め光ファイバの一端側でガラスファイバの露出部を形成する必要がないため、工程の簡略化ができる。また、露出部分のガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止することができる。
本実施形態によれば、予め光ファイバの一端側でガラスファイバの露出部を形成する必要がないため、工程の簡略化ができる。また、露出部分のガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
図1は、本開示によって製造される光ファイバの接続部の構成を説明するための図である。本開示によって製造される光ファイバは、複数本の短尺の光ファイバ10を融着接続して形成される。光ファイバの融着接続は、互いに接続される一対の光ファイバ10の端部の光ファイバ10の被覆層を除去して、ガラスファイバ11が露出される。被覆層の除去により裸にされたガラスファイバ11の端面どうしが突き合わされ、アーク放電等により、突き合わせ端面が融着接続部14として接続される。
融着接続部14とその近傍の裸のガラスファイバ11は、傷が付きやすく機械的に弱い状態にあるため、保護樹脂15により再被覆される。保護樹脂15には、被覆層と同種の紫外線硬化型樹脂が用いられる。保護樹脂15の被覆は、所定の成形用型を用いて樹脂を注入することによって形成することができる。なお、本実施形態では、光ファイバ10の被覆層は、中心側のプライマリ層12と外周側のセカンダリ層13の2重構造となっている。中心側のプライマリ層12には、光ファイバ10の損失増加の要因となるボビン巻時またはケーブル化時の側圧の影響を受けにくくするため、ヤング率が0.5MPa以下の低い樹脂を使用し、外周側のセカンダリ層13には、プライマリ層12よりもヤング率の高い樹脂を用いている。また、保護樹脂15のヤング率の大きさは、プライマリ層12の樹脂よりも大きく、セカンダリ層13の樹脂よりも小さい。
本実施形態においては、光ファイバ10の端部における被覆層の被覆際は、端部側に向かって被覆径が小さくされたテーパ形状Tとしている。そして、保護樹脂15は、このテーパ形状にされた被覆層の部分に被さるように成形される。この構成により、被覆層の被覆際の端面が覆われ、露出することがない。また、被覆層の被覆際がテーパ形状Tとされていることから、被覆際の保護樹脂15が被さる重なり部分16を厚くできるとともに、この部分での接着面積を増加させ、保護樹脂15との接着力を高めることができる。また、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点の応力を分散させることができる。
図1に示す光ファイバの製造方法は、2本の光ファイバ10の被覆層をそれぞれの被覆際がテーパ形状となるように部分的に除去する除去工程と、露出させたガラスファイバ11の端面どうしを融着接続する接続工程と、被覆層の除去部分とガラスファイバ11の露出部分を覆う保護樹脂15を再被覆する再被覆工程を有している。以下に、光ファイバの被覆層の除去工程について説明する。
(除去工程の例1)
図2Aから図2Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の一例を説明するための図である。まず、図2Aで示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる。露出したガラスファイバ11は、被覆層からの距離が所定の長さになるようにカットし、融着接続用の端面を形成する。なお、融着接続用の端面の形成は、後述する被覆層のテーパ面形成後に行ってもよい。
図2Aから図2Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の一例を説明するための図である。まず、図2Aで示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる。露出したガラスファイバ11は、被覆層からの距離が所定の長さになるようにカットし、融着接続用の端面を形成する。なお、融着接続用の端面の形成は、後述する被覆層のテーパ面形成後に行ってもよい。
次に、図2Bで示すように、三角形状のレーザ光Bを光ファイバ10の被覆層に照射し、被覆層の端部がテーパ形状となるように加工する。具体的には、頂角αが略30°、高さ略500μmの三角形状のレーザ光Bを、光ファイバ10の上面側から径方向にスキャンさせる。ここで、レーザ光としては、エネルギ密度を1000mJ/cm2以下で、波長250nm以下のレーザを用いることが好ましい。レーザ光のエネルギ密度が1000mJ/cm2を越えると、ガラスにレーザ光が照射された場合に、ガラスが損傷を受けて光学特性、強度に影響するおそれがある。また、レーザ光の波長が170nmより短い紫外光をガラスファイバに照射すると、紫外光がガラスに吸収されて欠陥が生じ、光学特性、強度に影響するため、波長170nm以上のレーザ光を用いることが好ましい。三角形状はレーザ光の光源と光ファイバとの間に、三角形状の開口を有するマスクを配置することで得ることができる。なお、光ファイバ10の径は略250μmである。
図2Bに示すように、レーザ光スキャン工程として、三角形状のレーザ光の底辺を光ファイバ10の被覆層の端部とほぼ一致させ、頂点は光ファイバの端面とは反対側に位置させた状態で、所定回数、レーザ光を光ファイバ10の上面側から矢印Sに示す径方向にスキャンさせることによって被覆層を昇華させる。光ファイバ10のレーザ光照射面は、三角形状の底辺部分ではレーザ光の照射量が多くなるため昇華によって除去される樹脂が多く、頂点部分ではレーザ光の照射量が少ないため昇華によって除去される樹脂は少なくなる。これにより、光ファイバ10の上面側の被覆層はほぼテーパ形状に除去される。
次に、図2Cで示すように、位置変更工程として、光ファイバ10を矢印Rで示すように所定角度回転させ、光ファイバ10のレーザ光照射面の位置を変更する。そして、再度、三角形状のレーザ光Bを光ファイバ10の上面側からスキャンし、光ファイバ10の上面側の被覆層をテーパ形状に除去する。レーザ光スキャン工程と位置変更工程を所定回数繰り返すことにより、光ファイバ10の被覆層の端部が多角錐形状となるように除去することができる。そして、光ファイバ10の回転角度、および、レーザ光のエネルギ密度とスキャン回数を調整することによって、被覆層の端部を光ファイバの軸に対して対称な正多角錐形状とすることができる。
具体的なレーザ光としては、エネルギ密度を1000mJ/cm2以下で、波長248nmのKrFあるいは波長193nmのArFの混合ガスを用いた短波長のエキシマレーザを用いることができる。波長の長いレーザ光を用いた場合は、被覆層の樹脂が溶けたり焦げたりするため、良好な形状に被覆層を除去することができない。また、1000mJ/cm2より大きなレーザ光を用いる場合は、レーザ光がガラスファイバに照射された場合に、ガラスファイバの光学的ダメージが大きくなる。また、レーザ照射でテーパ加工を行うことにより、テーパ表面部分はポストキュアにより、照射前より樹脂の硬化が進行し、テーパ形状に加工した被覆層の表面のヤング率は、前記表面から離れた前記被覆層の同じ径方向位置の部分のヤング率より大きくなっている。
(除去工程の例2)
図3Aから図3Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の他の例を説明するための図である。本実施形態では、図3Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図3Aから図3Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の他の例を説明するための図である。本実施形態では、図3Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
次に、図3Bに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層のみに斜めにレーザ光Bが当たるように、例えば上面側から見て、ファイバガラスを避けて矩形状のレーザ光Bまたは三角形状のレーザ光と光ファイバ10とを位置決めする。そして、図3Cに示すように、光ファイバ10を回転させながらレーザ光Bを照射する。これによって、レーザ光Bが照射された部分の被覆層の樹脂が昇華除去され、被覆層端部の形状は円錐状のテーパ形状となる。ここで、レーザ光の種類やエネルギ密度に関しては、図2B、図2Cで説明した除去工程の例1と同様のレーザ光を用いることができる。
(除去工程の例3)
図4Aから図4Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図4Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図4Aから図4Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図4Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
次に、図4Bに示すように、光ファイバ10を回転させながら、三角形状のレーザ光Bの底辺を光ファイバ10の被覆層の端部とほぼ一致させ、頂点を光ファイバの端面とは反対側に位置させた状態で、レーザ光Bを上面側から照射する。光ビームの形状と種類、エネルギ密度は、図2B、図2Cで示した除去工程の例1のレーザ光Bと同様である。光ファイバ10のレーザ光照射面は、三角形状の底辺部分ではレーザ光の照射量が多くなるため、昇華によって除去される樹脂が多く、頂点部分ではレーザ光の照射量が少ないため昇華によって除去される樹脂は少なくなる。光ファイバ10を回転させながら、レーザ光Bを照射するため、光ファイバ10の被覆層の端部は、図4Cに示すように、ほぼ円錐状のテーパ形状に除去される。
(除去工程の例4)
図5Aから図5Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図5Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図5Aから図5Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図5Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
本実施形態は、図3Aから図3Cで説明した除去工程の例2に類似しており、光ファイバ10の端部の被覆層のみに斜めにレーザ光Bが当たるように、例えば上面側から見て、ファイバガラスを避けて矩形状のレーザ光Bを光ファイバ10に照射している。すなわち、光ファイバ10の被覆層に当たる部分のレーザ光Bの形状が、図5Bで示すように、凹凸形状B1となるように、レーザ光のマスク形状を設定している。これにより、光ファイバ10の回転によって、図5Cで示すように、光ファイバ10の端部のテーパ形状T’に加工された被覆層には、円周上に伸びた凹凸が形成される。このため、ガラスファイバ11を融着接続した後、保護樹脂を再被覆する際に、被覆層と保護樹脂との接着面積が増加するため、融着接続された光ファイバの強度を増すことができる。
(除去工程の例5)
図6は、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、除去工程の例1~4のように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる工程を必要としていない。本実施形態では、上記の除去工程の例1~4のいずれかの方法によって、全体が被覆層で覆われた光ファイバ10の端部付近の被覆層を部分的に除去する。これによって、図6に示すC-Cの箇所の被覆層が除去され、この箇所で、ガラスファイバ11が露出した状態になる。また、光ファイバ10のC-Cの箇所から反端部側の箇所A2の被覆層にはテーパ形状Tが形成される。
図6は、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、除去工程の例1~4のように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる工程を必要としていない。本実施形態では、上記の除去工程の例1~4のいずれかの方法によって、全体が被覆層で覆われた光ファイバ10の端部付近の被覆層を部分的に除去する。これによって、図6に示すC-Cの箇所の被覆層が除去され、この箇所で、ガラスファイバ11が露出した状態になる。また、光ファイバ10のC-Cの箇所から反端部側の箇所A2の被覆層にはテーパ形状Tが形成される。
そして、光ファイバ10の端部側に残った箇所A1の被覆層を反端部側の箇所A2から引き抜くことによって、融着接続されるガラスファイバ11の露出部分を得ることができる。このように、予め光ファイバの一端側でガラスファイバの露出部を形成する必要がないため、工程の簡略化ができる。また、被覆層の除去工程において、除去される被覆層の箇所以外でガラスファイバ11の露出部分がないため、光ファイバ10のハンドリングが容易にでき、ガラスファイバ11にレーザ光が照射されるのを防止することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の光ファイバの製造方法において、光ファイバ10の樹脂層は2層構造を有するものに限られず、1層あるいは3層以上の樹脂層からなるものについても適用可能である。
10…光ファイバ、11…ガラスファイバ、12…プライマリ層、13…セカンダリ層、14…融着接続部、15…保護樹脂、16…重なり部分。
本開示は、光ファイバの製造方法および光ファイバに関する。
本出願は、2018年1月25日出願の日本出願第2018-010607号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
本出願は、2018年1月25日出願の日本出願第2018-010607号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
光ファイバは、ユーザからの要求に応じて、例えば、海底ケーブルのように数十kmに及ぶ長尺の光ファイバが製造される。このような長尺の光ファイバは、通常、複数本の光ファイバを融着接続して形成される。この場合、接続部を保護する保護樹脂と元の被覆樹脂との界面に剥離や割れが生じないことが求められる。このような、要望を満たすものとして、例えば、特許文献1,2に開示の技術が知られている。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、一対の光ファイバの接続する側の端部の被覆層がテーパ形状に加工され、露出されたガラスファイバの端面どうしが融着接続され、前記ガラスファイバの露出部分の周囲が保護樹脂で保護されている光ファイバの製造方法であって、互いに接続される前記一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去してガラスファイバを露出させる工程と、前記露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う前記保護樹脂を再被覆する工程と、を有し、前記露出させる工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であると共に、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である。
また、本開示に係る光ファイバは、一対の光ファイバの接続する側の端部の被覆層がテーパ形状に加工され、露出されたガラスファイバの端面どうしが融着接続され、前記ガラスファイバの露出部分の周囲が保護樹脂で保護されている光ファイバであって、前記テーパ形状に加工した被覆層の表面のヤング率が、前記表面から離れた前記被覆層の同じ径方向位置の部分のヤング率より大きい。
[本開示が解決しようとする課題]
光ファイバの損失増加の要因としてボビン巻時の側圧の影響があり、低損失化のためには光ファイバの被覆層を2層構造とし、中心側のプライマリ層にヤング率の低い(柔らかい)樹脂を使用する必要がある。このような2層構造の被覆層を有する光ファイバを用いた海底ケーブルでは、接続部の保護樹脂に亀裂が発生する場合がある。
光ファイバの損失増加の要因としてボビン巻時の側圧の影響があり、低損失化のためには光ファイバの被覆層を2層構造とし、中心側のプライマリ層にヤング率の低い(柔らかい)樹脂を使用する必要がある。このような2層構造の被覆層を有する光ファイバを用いた海底ケーブルでは、接続部の保護樹脂に亀裂が発生する場合がある。
図7は、2層構造の被覆層を有する従来の光ファイバの接続部の構成を示す図である。この接続部は、ガラスファイバ11と、ガラスファイバの周囲に中心側のプライマリ層12と外周側のセカンダリ層13からなる2層構造の被覆層を設けた光ファイバ10どうしを接続したものである。それぞれの光ファイバ10の端部は被覆層が除去され、露出したガラスファイバ11どうしが融着接続部14で融着接続される。被覆層は融着接続部14側に向かって小径となるようにテーパ形状に除去されているが、セカンダリ層13のみがテーパ形状に除去されてプライマリ層12がテーパ形状に除去されていない場合を示している。融着接続部14と被覆層の除去部全体を覆うように、保護樹脂15がモールドされて再被覆されている。
このように、従来の光ファイバの接続部は、短尺ファイバどうしの端部の被覆を除去して融着接続し、接続部に保護樹脂15を再被覆している。ここで、光ファイバ10のプライマリ層12のヤング率が低いと、スクリーニング(強度試験)した際に被覆除去端のプライマリ層12の変形量が大きくなる。このため、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点で応力が最大となり、保護樹脂15にひずみが生じ亀裂Xが発生することがある。
保護樹脂での亀裂Xの発生を防ぐ対策として、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点の応力を分散させるために、例えば、図8に示すように、プライマリ層12とセカンダリ層13の接続端の被覆層除去端が、テーパ形状Tとなるように作成することが望ましい。すなわち、被覆層除去後のプライマリ層12とセカンダリ層13との境目が所定角度のテーパ形状Tとして形成されていることが望ましい。
しかしながら、例えば、剃刀で細い光ファイバの被覆層を切削して図8に示すようなテーパ形状とすることはスキルが必要である。特に、プライマリ層12が柔らかい樹脂の場合は、プライマリ層12を上手に削ることが困難であった。また、リュータ等の回転工具で被覆層を削る場合も、柔らかいプライマリ層12が砥石に付着し、所望の形状に削ることは難しかった。このように、従来の工具を用いて被覆層を除去する場合は、スキルの差によっても形状のばらつきが生じ、製造されたケーブルの品質が一定しないという課題があった。さらに、工具によってガラスファイバを傷つけるおそれがあった。
しかしながら、例えば、剃刀で細い光ファイバの被覆層を切削して図8に示すようなテーパ形状とすることはスキルが必要である。特に、プライマリ層12が柔らかい樹脂の場合は、プライマリ層12を上手に削ることが困難であった。また、リュータ等の回転工具で被覆層を削る場合も、柔らかいプライマリ層12が砥石に付着し、所望の形状に削ることは難しかった。このように、従来の工具を用いて被覆層を除去する場合は、スキルの差によっても形状のばらつきが生じ、製造されたケーブルの品質が一定しないという課題があった。さらに、工具によってガラスファイバを傷つけるおそれがあった。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止し、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバの製造方法および光ファイバを提供することを、その目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができ、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバを得ることができる。
本開示によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができ、ガラスファイバを傷つけることなく品質の安定した光ファイバを得ることができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、一対の光ファイバの接続する側の端部の被覆層がテーパ形状に加工され、露出されたガラスファイバの端面どうしが融着接続され、前記ガラスファイバの露出部分の周囲が保護樹脂で保護されている光ファイバの製造方法であって、互いに接続される前記一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去してガラスファイバを露出させる工程と、前記露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う前記保護樹脂を再被覆する工程と、を有し、前記露出させる工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であると共に、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
(1)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、一対の光ファイバの接続する側の端部の被覆層がテーパ形状に加工され、露出されたガラスファイバの端面どうしが融着接続され、前記ガラスファイバの露出部分の周囲が保護樹脂で保護されている光ファイバの製造方法であって、互いに接続される前記一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去してガラスファイバを露出させる工程と、前記露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う前記保護樹脂を再被覆する工程と、を有し、前記露出させる工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であると共に、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である。
本実施形態によれば、レーザ加工により光ファイバの被覆層を除去しているため、非接触でガラスファイバに傷が付かず、加工のばらつきを低減することができる。
また、除去した被覆層と保護樹脂との重なり部分を大きくすることができる。
さらに、被覆層を2層構造とした際に、中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層との境界に応力が集中するのを防ぐことができる。
そして、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(2)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、前記露出させる工程が、前記光ファイバの前記ガラスファイバを避けて前記被覆層にのみ前記レーザ光を照射する工程である。
本実施形態によれば、ガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止しつつ、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
本実施形態によれば、ガラスファイバにレーザ光が照射されるのを防止しつつ、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(3)本開示の実施形態に係る光ファイバの製造方法は、上記(1)または(2)の製造方法において、前記露出させる工程が、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程と、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させて光ファイバへの前記レーザ光の照射位置を変更する工程と、を繰り返し行う工程である。
本実施形態によれば、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
本実施形態によれば、光ファイバの被覆層をテーパ形状に除去するための具体的な一方法を提供することができる。
(4)本開示の実施形態に係る光ファイバは、一対の光ファイバの接続する側の端部の被覆層がテーパ形状に加工され、露出されたガラスファイバの端面どうしが融着接続され、前記ガラスファイバの露出部分の周囲が保護樹脂で保護されている光ファイバであって、前記テーパ形状に加工した被覆層の表面のヤング率が、前記表面から離れた前記被覆層の同じ径方向位置の部分のヤング率より大きい。
本実施形態によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができる。
本実施形態によれば、被覆層の除去部分とガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂での亀裂の発生を防止することができる。
(5)本開示の実施形態に係る光ファイバは、前記テーパ形状が前記光ファイバの軸に対して対称な正多角錐形状である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。なお、以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。
図1は、本開示によって製造される光ファイバの接続部の構成を説明するための図である。本開示によって製造される光ファイバは、複数本の短尺の光ファイバ10を融着接続して形成される。光ファイバの融着接続は、互いに接続される一対の光ファイバ10の端部の光ファイバ10の被覆層を除去して、ガラスファイバ11が露出される。被覆層の除去により裸にされたガラスファイバ11の端面どうしが突き合わされ、アーク放電等により、突き合わせ端面が融着接続部14として接続される。
融着接続部14とその近傍の裸のガラスファイバ11は、傷が付きやすく機械的に弱い状態にあるため、保護樹脂15により再被覆される。保護樹脂15には、被覆層と同種の紫外線硬化型樹脂が用いられる。保護樹脂15の被覆は、所定の成形用型を用いて樹脂を注入することによって形成することができる。なお、本実施形態では、光ファイバ10の被覆層は、中心側のプライマリ層12と外周側のセカンダリ層13の2重構造となっている。中心側のプライマリ層12には、光ファイバ10の損失増加の要因となるボビン巻時またはケーブル化時の側圧の影響を受けにくくするため、ヤング率が0.5MPa以下の低い樹脂を使用し、外周側のセカンダリ層13には、プライマリ層12よりもヤング率の高い樹脂を用いている。また、保護樹脂15のヤング率の大きさは、プライマリ層12の樹脂よりも大きく、セカンダリ層13の樹脂よりも小さい。
本実施形態においては、光ファイバ10の端部における被覆層の被覆際は、端部側に向かって被覆径が小さくされたテーパ形状Tとしている。そして、保護樹脂15は、このテーパ形状にされた被覆層の部分に被さるように成形される。この構成により、被覆層の被覆際の端面が覆われ、露出することがない。また、被覆層の被覆際がテーパ形状Tとされていることから、被覆際の保護樹脂15が被さる重なり部分16を厚くできるとともに、この部分での接着面積を増加させ、保護樹脂15との接着力を高めることができる。また、プライマリ層12とセカンダリ層13の境界と保護樹脂15の接点の応力を分散させることができる。
図1に示す光ファイバの製造方法は、2本の光ファイバ10の被覆層をそれぞれの被覆際がテーパ形状となるように部分的に除去してガラスファイバを露出させる除去工程と、露出させたガラスファイバ11の端面どうしを融着接続する接続工程と、被覆層の除去部分とガラスファイバ11の露出部分を覆う保護樹脂15を再被覆する再被覆工程を有している。以下に、光ファイバの被覆層の除去工程について説明する。
(除去工程の例1)
図2Aから図2Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の一例を説明するための図である。まず、図2Aで示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる。露出したガラスファイバ11は、被覆層からの距離が所定の長さになるようにカットし、融着接続用の端面を形成する。なお、融着接続用の端面の形成は、後述する被覆層のテーパ面形成後に行ってもよい。
図2Aから図2Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の一例を説明するための図である。まず、図2Aで示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる。露出したガラスファイバ11は、被覆層からの距離が所定の長さになるようにカットし、融着接続用の端面を形成する。なお、融着接続用の端面の形成は、後述する被覆層のテーパ面形成後に行ってもよい。
次に、図2Bで示すように、三角形状のレーザ光Bを光ファイバ10の被覆層に照射し、被覆層の端部がテーパ形状となるように加工する。具体的には、頂角αが略30°、高さ略500μmの三角形状のレーザ光Bを、光ファイバ10の上面側から径方向にスキャンさせる。ここで、レーザ光としては、エネルギ密度を1000mJ/cm2以下で、波長250nm以下のレーザを用いることが好ましい。レーザ光のエネルギ密度が1000mJ/cm2を越えると、ガラスファイバにレーザ光が照射された場合に、ガラスファイバが損傷を受けて光学特性、強度に影響するおそれがある。また、レーザ光の波長が170nmより短い紫外光をガラスファイバに照射すると、紫外光がガラスファイバに吸収されて欠陥が生じ、光学特性、強度に影響するため、波長170nm以上のレーザ光を用いることが好ましい。三角形状はレーザ光の光源と光ファイバとの間に、三角形状の開口を有するマスクを配置することで得ることができる。なお、光ファイバ10の径は略250μmである。
図2Bに示すように、レーザ光スキャン工程として、三角形状のレーザ光の底辺を光ファイバ10の被覆層の端部とほぼ一致させ、頂点は光ファイバの端面とは反対側に位置させた状態で、所定回数、レーザ光を光ファイバ10の上面側から矢印Sに示す径方向にスキャンさせることによって被覆層を昇華させる。光ファイバ10のレーザ光照射面は、三角形状の底辺部分ではレーザ光の照射量が多くなるため昇華によって除去される樹脂が多く、頂点部分ではレーザ光の照射量が少ないため昇華によって除去される樹脂は少なくなる。これにより、光ファイバ10の上面側の被覆層はほぼテーパ形状に除去される。
次に、図2Cで示すように、位置変更工程として、光ファイバ10を矢印Rで示すように所定角度回転させ、光ファイバ10のレーザ光照射面の位置を変更する。そして、再度、三角形状のレーザ光Bを光ファイバ10の上面側からスキャンし、光ファイバ10の上面側の被覆層をテーパ形状に除去する。レーザ光スキャン工程と位置変更工程を所定回数繰り返すことにより、光ファイバ10の被覆層の端部が多角錐形状となるように除去することができる。そして、光ファイバ10の回転角度、および、レーザ光のエネルギ密度とスキャン回数を調整することによって、被覆層の端部を光ファイバの軸に対して対称な正多角錐形状とすることができる。
具体的なレーザ光としては、エネルギ密度を1000mJ/cm2以下で、波長248nmのKrFあるいは波長193nmのArFの混合ガスを用いた短波長のエキシマレーザを用いることができる。波長の長いレーザ光を用いた場合は、被覆層の樹脂が溶けたり焦げたりするため、良好な形状に被覆層を除去することができない。また、1000mJ/cm2より大きなレーザ光を用いる場合は、レーザ光がガラスファイバに照射された場合に、ガラスファイバの光学的ダメージが大きくなる。また、レーザ照射でテーパ加工を行うことにより、テーパ表面部分はポストキュアにより、照射前より樹脂の硬化が進行し、テーパ形状に加工した被覆層の表面のヤング率は、前記表面から離れた前記被覆層の同じ径方向位置の部分のヤング率より大きくなっている。
(除去工程の例2)
図3Aから図3Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の他の例を説明するための図である。本実施形態では、図3Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図3Aから図3Cは、光ファイバの被覆層の除去工程の他の例を説明するための図である。本実施形態では、図3Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
次に、図3Bに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層のみに斜めにレーザ光Bが当たるように、例えば上面側から見て、ガラスファイバを避けて矩形状のレーザ光Bまたは三角形状のレーザ光と光ファイバ10とを位置決めする。そして、図3Cに示すように、光ファイバ10を回転させながらレーザ光Bを照射する。これによって、レーザ光Bが照射された部分の被覆層の樹脂が昇華除去され、被覆層端部の形状は円錐状のテーパ形状となる。ここで、レーザ光の種類やエネルギ密度に関しては、図2B、図2Cで説明した除去工程の例1と同様のレーザ光を用いることができる。
(除去工程の例3)
図4Aから図4Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図4Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図4Aから図4Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図4Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
次に、図4Bに示すように、光ファイバ10を回転させながら、三角形状のレーザ光Bの底辺を光ファイバ10の被覆層の端部とほぼ一致させ、頂点を光ファイバの端面とは反対側に位置させた状態で、レーザ光Bを上面側から照射する。光ビームの形状と種類、エネルギ密度は、図2B、図2Cで示した除去工程の例1のレーザ光Bと同様である。光ファイバ10のレーザ光照射面は、三角形状の底辺部分ではレーザ光の照射量が多くなるため、昇華によって除去される樹脂が多く、頂点部分ではレーザ光の照射量が少ないため昇華によって除去される樹脂は少なくなる。光ファイバ10を回転させながら、レーザ光Bを照射するため、光ファイバ10の被覆層の端部は、図4Cに示すように、ほぼ円錐状のテーパ形状に除去される。
(除去工程の例4)
図5Aから図5Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図5Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
図5Aから図5Cは、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、図5Aに示すように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させている。これは、図2Aで説明した点と同様である。
本実施形態は、図3Aから図3Cで説明した除去工程の例2に類似しており、光ファイバ10の端部の被覆層のみに斜めにレーザ光Bが当たるように、例えば上面側から見て、ガラスファイバを避けて矩形状のレーザ光Bを光ファイバ10に照射している。すなわち、光ファイバ10の被覆層に当たる部分のレーザ光Bの形状が、図5Bで示すように、凹凸形状B1となるように、レーザ光のマスク形状を設定している。これにより、光ファイバ10の回転によって、図5Cで示すように、光ファイバ10の端部のテーパ形状T’に加工された被覆層には、円周上に伸びた凹凸が形成される。このため、ガラスファイバ11を融着接続した後、保護樹脂を再被覆する際に、被覆層と保護樹脂との接着面積が増加するため、融着接続された光ファイバの強度を増すことができる。
(除去工程の例5)
図6は、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、除去工程の例1~4のように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる工程を必要としていない。本実施形態では、上記の除去工程の例1~4のいずれかの方法によって、全体が被覆層で覆われた光ファイバ10の端部付近の被覆層を部分的に除去する。これによって、図6に示すC-Cの箇所の被覆層が除去され、この箇所で、ガラスファイバ11が露出した状態になる。また、光ファイバ10のC-Cの箇所から反端部側の箇所A2の被覆層にはテーパ形状Tが形成される。
図6は、光ファイバの被覆層の除去工程のさらに他の例を説明するための図である。本実施形態では、除去工程の例1~4のように、光ファイバ10の端部の被覆層をC-Cの箇所でカットし、端部側の被覆層を引き抜いて除去することにより、端部側のガラスファイバ11を露出させる工程を必要としていない。本実施形態では、上記の除去工程の例1~4のいずれかの方法によって、全体が被覆層で覆われた光ファイバ10の端部付近の被覆層を部分的に除去する。これによって、図6に示すC-Cの箇所の被覆層が除去され、この箇所で、ガラスファイバ11が露出した状態になる。また、光ファイバ10のC-Cの箇所から反端部側の箇所A2の被覆層にはテーパ形状Tが形成される。
そして、光ファイバ10の端部側に残った箇所A1の被覆層を反端部側の箇所A2から引き抜くことによって、融着接続されるガラスファイバ11の露出部分を得ることができる。このように、予め光ファイバの一端側でガラスファイバの露出部分を形成する必要がないため、工程の簡略化ができる。また、被覆層の除去工程において、除去される被覆層の箇所以外でガラスファイバ11の露出部分がないため、光ファイバ10のハンドリングが容易にでき、ガラスファイバ11にレーザ光が照射されるのを防止することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示の光ファイバの製造方法において、光ファイバ10の被覆層は2層構造を有するものに限られず、1層あるいは3層以上の樹脂層からなるものについても適用可能である。
10…光ファイバ、11…ガラスファイバ、12…プライマリ層、13…セカンダリ層、14…融着接続部、15…保護樹脂、16…重なり部分。
Claims (7)
- 互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、
前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、
前記除去する工程が、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置し、前記マスクを前記光ファイバの軸方向と直角でかつ前記レーザ光の照射方向と直角方向にスキャンさせる工程と、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させて光ファイバへのレーザ光の照射位置を変更する工程とを繰り返し行う工程である、光ファイバの製造方法。 - 互いに接続される一対の光ファイバの被覆層を部分的に除去する工程と、露出させた一対のガラスファイバの端面どうしを融着接続する工程と、前記被覆層の除去部分と前記ガラスファイバの露出部分を覆う保護樹脂を再被覆する工程、を有する光ファイバの製造方法であって、
前記除去する工程が、前記被覆層にレーザ光を照射して前記被覆層の端部を前記ガラスファイバの露出部分に向けて小径となるテーパ形状に加工して前記被覆層を除去する工程であり、
前記除去する工程が、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させるとともに、所定の領域だけレーザ光を通過させるマスクを前記光ファイバと前記レーザ光の光源との間に配置した状態で、前記光ファイバに前記レーザ光を照射する工程である、光ファイバの製造方法。 - 前記除去する工程が、前記光ファイバを前記光ファイバの軸を中心に回転させるとともに、前記光ファイバの前記ガラスファイバを避けて前記被覆層にのみ前記レーザ光を照射する工程である、請求項2に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記レーザ光は波長が170nm以上、250nm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記レーザ光はエネルギ密度が1000mJ/cm2以下である請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記光ファイバの前記被覆層が中心側のプライマリ層と外周側のセカンダリ層からなる2層構造であって、前記プライマリ層のヤング率が0.5MPa以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記除去する工程の後、前記被覆層が部分的に除去された箇所から、一方側の前記光ファイバの被覆層を抜き取ることによって、前記ガラスファイバを露出させる工程を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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