JP2004013105A - 光ファイバ心線 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ファイバ心線のガラス端面を接続のために研磨処理等を施しても、前記ガラス端面に傷やガラス欠け等が生じない構造の光ファイバ心線を、提供することにある。
【解決手段】ヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに前記紫外線硬化性樹脂をエポキシアクリレート系樹脂とすることによって、解決される。
【選択図】 図1
【解決手段】ヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに前記紫外線硬化性樹脂をエポキシアクリレート系樹脂とすることによって、解決される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコネクタ接続等のために、光ファイバ心線の端面加工時に生じる、傷、ガラスの欠け等を防止した構造の光ファイバ心線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ心線は、通常光ファイバ上に薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆を施して光ファイバ素線とし、この上に着色層やプラスチック2次被覆を設けて光ファイバを保護するように構成されている。例えば、石英ファイバ上に薄肉の紫外線硬化性樹脂層を設けて光ファイバ素線とし、その上に厚肉のソフトタイプ紫外線硬化性樹脂層、ハードタイプ紫外線硬化性樹脂層が順次設けられる。そしてこのような光ファイバ心線は、コネクタ接続時にはその端面を研磨する必要がある。しかしながら従来の紫外線硬化性樹脂を被覆した光ファイバ心線のガラス端面に、PC研磨(フィジカルコンタクト)、APC研磨(アドバンストフィジカルコンタクト)やフラット研磨等を実施すると、前記ガラス端面に傷やガラス欠け等が生じることがある。そしてこのような傷等が生じた光ファイバ心線を用いて接続すると、接続損失が大きくなり問題となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、光ファイバ心線のガラス端面を接続のために研磨等の処理を施しても、前記ガラス端面に傷やガラス欠け等が生じない構造の前記光ファイバ心線を、提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるようにヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに請求項2に記載されるように、前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆が、エポキシアクリレート系樹脂である光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、ヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線に関するもので、このような構造の光ファイバ心線とすることによって、コネクタ接続のために前記光ファイバ心線のガラス端面を研磨加工処理しても、そのガラス端面に直線状の傷の発生やガラス欠けと称する光ファイバが真円でない状態になることを、防止することができる。そしてこのような光ファイバ心線を用いてコネクタ接続を行うことにより、接続損失を極めて小さなものとすることができるようになる。
【0006】
以上のような発明に至ったのは、以下の実験結果によるものである。すなわち、図1(A)並びに(B)に示されるように、外径100μmあるいは80μmの石英ファイバ1あるいは1´の上に、薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´を設けた光ファイバ素線3、3´、さらにその上に順次、比較的厚肉のソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層4、4´、ハードタイプの紫外線硬化性樹脂層5、5´を形成した構造の多数の光ファイバ心線6、6´について、研磨方式としてPC研磨並びにフラット研磨を施し、このような研磨を行った前記光ファイバ心線について前記研磨ガラス端面を詳細に観察を行ったところ、前記傷やガラス欠けは、光ファイバ1、1´とその上に施される薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´との界面で発生していること、また前記薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆のヤング率を測定したところ、表1から明らかなとおり、いずれもヤング率(25℃環境下)が1000MPa以下のものであることがわかった。そしてまた、このような光バファイ心線を用いたコネクタ接続部の損失を測定したところ、接続損失も2.5dB以上であった。なお前記研磨処理について簡単に説明すると、前記PC研磨は、フェルール先端を凸球面に加工し、コネクタ突合せ部での空気層をなくしてガラスを直に接触させることにより、フレネル反射を低減させるためのものであり、また前記フラット研磨は、光ファイバ端面をファイバ軸に対して直角に研磨するものである。
【0007】
【表1】
【0008】
そこで、前記光ファイバ素線2に設けられる薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´について、ヤング率を種々変えた紫外線硬化性樹脂を用いて、前述の光ファイバ心線6、6´を作製した。これらについてガラス端面を前述と同様の研磨(PC研磨並びにフラット研磨)を行い、その状態を詳細に観察した。その結果は表1に見られるように、前記紫外線硬化性樹脂のヤング率が1000MPaを越えるものには、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られないことを確認した。そしてこのものを用いたコネクタ接続部の損失も、約0.6dBと大幅に減少していることが確認できた。なおこのように、薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´層のヤング率を1000MPa以上とすれば、前記ガラス端面の研磨によっても傷やガラス欠けの現象が生じない理由については定かではないが、前記被覆材料のヤング率をファイバガラスのヤング率に近づけることによって、均一な研磨が可能となったものではないかと推測される。また、ヤング率(25℃環境下)の上限値については、2000MPa程度までであり、それ以上では被覆材料として適用することができず、最小曲げ半径が制限されることになって、余り意味のないものとなる。なお前記薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆以外の、ソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層、ハードタイプの紫外線硬化性樹脂層に関しては、研磨に対する影響は余りないものであった。
【0009】
このようなヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂としては、請求項2に記載されるように、エポキシアクリレート系樹脂が好ましいものであった。この理由も定かではないが、前記以外の紫外線硬化性樹脂として例えば、ウレタンアクリレート系樹脂やエポキシシリコーン樹脂等があるが、傷やガラス欠けの防止効果が余り見られず、またシリコーン系の紫外線硬化性樹脂は、水素を発生したりして好ましくなかった。
【0010】
このようにヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆(例えば12.5〜22.5μm)を、光ファイバ直上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらには前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂として、エポキシアクリレート系樹脂を用いることによって、前記光ファイバ心線のガラス端面を研磨(PC研磨、ラット研磨等)しても、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られず、そしてこの光ファイバ心線を用いたコネクタ接続部の損失も、0.6dB以下と大幅に減少させることができることになる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明の効果を述べる。
【0012】
実施例1:外径100μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が1000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を、ついで外径が200μmになるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を順次設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にPC研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.3dBであった。
【0013】
実施例2:外径100μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が2000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にフラット研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.1dBであった。
【0014】
実施例3:外径80μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が1000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にフラット研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.6dBであった。
【0015】
実施例4:外径80μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が2000MPaのエポキシアクリレート系の紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にPC研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.3dBであった。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明はヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆を、光ファイバ直上に設けた光ファイバ心線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂としてエポキシアクリレート系樹脂を用いることによって、前記光ファイバ心線をコネクタ接続のためにガラス端面の研磨(PC研磨、フラット研磨等)を行っても、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られず、そしてこのような光ファイバ心線を用いたコネクタ接続部の損失も、0.6dB以下と大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)および(B)は、光ファイバ心線の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、1´ 石英ファイバ
2、2´ 薄肉紫外線硬化性樹脂被覆
3、3´ 光ファイバ素線
4、4´ ソフトタイプ紫外線硬化性樹脂層
5、5´ ハードタイプ紫外線硬化性樹脂層
6、6´ 光ファイバ心線
【発明の属する技術分野】
本発明はコネクタ接続等のために、光ファイバ心線の端面加工時に生じる、傷、ガラスの欠け等を防止した構造の光ファイバ心線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ心線は、通常光ファイバ上に薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆を施して光ファイバ素線とし、この上に着色層やプラスチック2次被覆を設けて光ファイバを保護するように構成されている。例えば、石英ファイバ上に薄肉の紫外線硬化性樹脂層を設けて光ファイバ素線とし、その上に厚肉のソフトタイプ紫外線硬化性樹脂層、ハードタイプ紫外線硬化性樹脂層が順次設けられる。そしてこのような光ファイバ心線は、コネクタ接続時にはその端面を研磨する必要がある。しかしながら従来の紫外線硬化性樹脂を被覆した光ファイバ心線のガラス端面に、PC研磨(フィジカルコンタクト)、APC研磨(アドバンストフィジカルコンタクト)やフラット研磨等を実施すると、前記ガラス端面に傷やガラス欠け等が生じることがある。そしてこのような傷等が生じた光ファイバ心線を用いて接続すると、接続損失が大きくなり問題となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、光ファイバ心線のガラス端面を接続のために研磨等の処理を施しても、前記ガラス端面に傷やガラス欠け等が生じない構造の前記光ファイバ心線を、提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるようにヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに請求項2に記載されるように、前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆が、エポキシアクリレート系樹脂である光ファイバ心線とすることによって、解決される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、ヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線に関するもので、このような構造の光ファイバ心線とすることによって、コネクタ接続のために前記光ファイバ心線のガラス端面を研磨加工処理しても、そのガラス端面に直線状の傷の発生やガラス欠けと称する光ファイバが真円でない状態になることを、防止することができる。そしてこのような光ファイバ心線を用いてコネクタ接続を行うことにより、接続損失を極めて小さなものとすることができるようになる。
【0006】
以上のような発明に至ったのは、以下の実験結果によるものである。すなわち、図1(A)並びに(B)に示されるように、外径100μmあるいは80μmの石英ファイバ1あるいは1´の上に、薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´を設けた光ファイバ素線3、3´、さらにその上に順次、比較的厚肉のソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層4、4´、ハードタイプの紫外線硬化性樹脂層5、5´を形成した構造の多数の光ファイバ心線6、6´について、研磨方式としてPC研磨並びにフラット研磨を施し、このような研磨を行った前記光ファイバ心線について前記研磨ガラス端面を詳細に観察を行ったところ、前記傷やガラス欠けは、光ファイバ1、1´とその上に施される薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´との界面で発生していること、また前記薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆のヤング率を測定したところ、表1から明らかなとおり、いずれもヤング率(25℃環境下)が1000MPa以下のものであることがわかった。そしてまた、このような光バファイ心線を用いたコネクタ接続部の損失を測定したところ、接続損失も2.5dB以上であった。なお前記研磨処理について簡単に説明すると、前記PC研磨は、フェルール先端を凸球面に加工し、コネクタ突合せ部での空気層をなくしてガラスを直に接触させることにより、フレネル反射を低減させるためのものであり、また前記フラット研磨は、光ファイバ端面をファイバ軸に対して直角に研磨するものである。
【0007】
【表1】
【0008】
そこで、前記光ファイバ素線2に設けられる薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´について、ヤング率を種々変えた紫外線硬化性樹脂を用いて、前述の光ファイバ心線6、6´を作製した。これらについてガラス端面を前述と同様の研磨(PC研磨並びにフラット研磨)を行い、その状態を詳細に観察した。その結果は表1に見られるように、前記紫外線硬化性樹脂のヤング率が1000MPaを越えるものには、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られないことを確認した。そしてこのものを用いたコネクタ接続部の損失も、約0.6dBと大幅に減少していることが確認できた。なおこのように、薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆2、2´層のヤング率を1000MPa以上とすれば、前記ガラス端面の研磨によっても傷やガラス欠けの現象が生じない理由については定かではないが、前記被覆材料のヤング率をファイバガラスのヤング率に近づけることによって、均一な研磨が可能となったものではないかと推測される。また、ヤング率(25℃環境下)の上限値については、2000MPa程度までであり、それ以上では被覆材料として適用することができず、最小曲げ半径が制限されることになって、余り意味のないものとなる。なお前記薄肉の紫外線硬化性樹脂被覆以外の、ソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層、ハードタイプの紫外線硬化性樹脂層に関しては、研磨に対する影響は余りないものであった。
【0009】
このようなヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂としては、請求項2に記載されるように、エポキシアクリレート系樹脂が好ましいものであった。この理由も定かではないが、前記以外の紫外線硬化性樹脂として例えば、ウレタンアクリレート系樹脂やエポキシシリコーン樹脂等があるが、傷やガラス欠けの防止効果が余り見られず、またシリコーン系の紫外線硬化性樹脂は、水素を発生したりして好ましくなかった。
【0010】
このようにヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂の薄肉被覆(例えば12.5〜22.5μm)を、光ファイバ直上に設けた光ファイバ素線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらには前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂として、エポキシアクリレート系樹脂を用いることによって、前記光ファイバ心線のガラス端面を研磨(PC研磨、ラット研磨等)しても、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られず、そしてこの光ファイバ心線を用いたコネクタ接続部の損失も、0.6dB以下と大幅に減少させることができることになる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明の効果を述べる。
【0012】
実施例1:外径100μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が1000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を、ついで外径が200μmになるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を順次設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にPC研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.3dBであった。
【0013】
実施例2:外径100μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が2000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にフラット研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.1dBであった。
【0014】
実施例3:外径80μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が1000MPaのエポキシアクリレート系紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にフラット研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.6dBであった。
【0015】
実施例4:外径80μmの石英ファイバ素線上に、外径が125μmとなるようにヤング率が2000MPaのエポキシアクリレート系の紫外線硬化性樹脂を被覆し、その上に外径が200μmとなるようにソフトタイプの紫外線硬化性樹脂層を設け、さらにその上に外径が250μmとなるようにハードタイプの紫外線硬化性樹脂層を被覆して、光ファイバ心線を作製した。ついで、この光ファイバ心線の端面にPC研磨を行った。このものについて、前記端面を顕微鏡で観察した。その結果前記研磨による傷並びにガラス欠けは、全く観察されなかった。またこの光ファイバ心線を用いて、コネクタ接続による損失を測定したところ、その損失は0.3dBであった。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明はヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆を、光ファイバ直上に設けた光ファイバ心線を用いた光ファイバ心線とすることによって、さらに前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂としてエポキシアクリレート系樹脂を用いることによって、前記光ファイバ心線をコネクタ接続のためにガラス端面の研磨(PC研磨、フラット研磨等)を行っても、傷やガラス欠けの発生が殆ど見られず、そしてこのような光ファイバ心線を用いたコネクタ接続部の損失も、0.6dB以下と大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)および(B)は、光ファイバ心線の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、1´ 石英ファイバ
2、2´ 薄肉紫外線硬化性樹脂被覆
3、3´ 光ファイバ素線
4、4´ ソフトタイプ紫外線硬化性樹脂層
5、5´ ハードタイプ紫外線硬化性樹脂層
6、6´ 光ファイバ心線
Claims (2)
- ヤング率(25℃環境下)が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆を、光ファイバ上に設けた光ファイバ素線からなることを特徴とする光ファイバ心線。
- 前記ヤング率が1000MPa以上の紫外線硬化性樹脂からなる薄肉被覆が、エポキシアクリレート系樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の光ファイバ心線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002170427A JP2004013105A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 光ファイバ心線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002170427A JP2004013105A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 光ファイバ心線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004013105A true JP2004013105A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30436692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002170427A Pending JP2004013105A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 光ファイバ心線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004013105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009288796A (ja) * | 2009-08-07 | 2009-12-10 | Fujikura Ltd | 光コネクタ |
US7850372B2 (en) | 2008-02-25 | 2010-12-14 | Fujikura Ltd. | Optical connector with optical fiber |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170427A patent/JP2004013105A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7850372B2 (en) | 2008-02-25 | 2010-12-14 | Fujikura Ltd. | Optical connector with optical fiber |
JP2009288796A (ja) * | 2009-08-07 | 2009-12-10 | Fujikura Ltd | 光コネクタ |
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