JP2002090551A - 光ファイバ心線の中間部被覆除去方法 - Google Patents
光ファイバ心線の中間部被覆除去方法Info
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Abstract
ファイバ心線の中間部被覆を除去する光ファイバ心線の
中間部被覆除去方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバが紫外線硬化型樹脂のプライ
マリ層およびセカンダリ層で被覆された光ファイバ心線
の長手方向の中間部被覆を除去する光ファイバ心線の中
間部被覆除去方法において、最初に、中間部被覆除去区
間の両端にプライマリ層内に達する円周方向の切り込み
を入れ切り込み端を成し、次いで、切削刃を一方の前記
切り込み端のプライマリ層内に切り込ませ、光ファイバ
に非接触の状態で、中間部被覆除去区間の他方の切り込
み端まで長手方向に移動させて、光ファイバを少なくと
も部分的に露出させ、更に、中間部被覆除去区間を溶剤
に浸漬する。
Description
線硬化型樹脂で被覆された光ファイバ心線の長手方向の
中間部被覆を除去し、光ファイバを露出させる方法に関
する。
長の光を反射するファイバ型素子として、光ファイバグ
レーティングが用いられている。この光ファイバグレー
ティングは、光ファイバへアルゴンレーザーや炭酸ガス
レーザーを照射してグレーティングを書き込み、作製さ
れる。したがって、光ファイバが被覆された光ファイバ
心線へグレーティングを書き込む際には、光ファイバ心
線の長手方向中間部の被覆を除去し、光ファイバを露出
させることが必要になる。
ァイバの強度劣化を防ぐために紡糸後すぐに被覆を施さ
れる。一般的には、プライマリ層としてシリコン樹脂で
被覆し、セカンダリ層としてナイロンで被覆された光フ
ァイバ心線と、紫外線硬化型樹脂で被覆された光ファイ
バ心線があり、最近では生産性を考慮して、紫外線硬化
型樹脂で被覆された光ファイバ心線が主流となってい
る。紫外線硬化型樹脂で被覆された光ファイバ心線の被
覆はプライマリ層、セカンダリ層の2層からなり、プラ
イマリ層は外力の影響をガラスの光ファイバに伝わらな
いようにするため、ヤング率1〜10MPaのソフト樹
脂からなり、セカンダリ層は外力に耐えるために、ヤン
グ率100〜1000MPaのハード樹脂からなる。
法として、例えば以下のような方法が用いられていた。
即ち、 1)溶剤(例えば高温の硫酸)を使用して除去する(特
開平3-186806参照)。 2)有機溶媒で膨潤させた樹脂層間に光ファイバ心線を
挟み込み、光ファイバ心線の樹脂被覆を膨潤させなが
ら、光ファイバ心線を引き抜いて、膨潤した樹脂被覆を
剥離、除去する(特開平6-144880参照)。 3)光ファイバ心線中間部の被覆にカッタで円周方向の
切り込みを所望の間隔で入れ、前記切り込み間の被覆の
うち外側の相対的に硬いセカンダリ層(ナイロン)を切
削、除去し、溶剤によって残りのプライマリ層(シリコ
ン)を除去する(特開平8-75930 参照)。具体的には、
シリコン/ナイロン心線のナイロン部分を切削除去し、
残ったシリコン部分を溶剤によって取り除くというもの
である。
方法には以下のような問題があった。即ち、 1)第1の方法では、高温の硫酸を使用するために、作
業に危険をともない、また、残された被覆の端部が変質
し、光ファイバにリコートを施す際に不具合が生じる。 2)第2の方法は、被覆の除去長が長い場合には適して
いるが、長手方向中間部の短い区間の被覆を除去する場
合には、適用が困難である。 3)第3の方法を紫外線硬化型樹脂で被覆した光ファイ
バ心線に適用した場合、プライマリ層を残してセカンダ
リ層のみを除去し、プライマリ層を溶剤で除去しようと
しても、プライマリ層は溶剤で膨潤するが、光ファイバ
からきれいに剥がれるには至らない。
樹脂で被覆された光ファイバの強度を損傷により低下さ
せることなく、光ファイバ心線の長手方向の中間部被覆
を確実に除去する方法を提供することを目的とするもの
である。
決すべくなされたもので、請求項1記載の発明は、光フ
ァイバが紫外線硬化型樹脂のプライマリ層およびセカン
ダリ層で被覆された光ファイバ心線の長手方向の中間部
被覆を除去する光ファイバ心線の中間部被覆除去方法に
おいて、最初に、中間部被覆除去区間の両端にプライマ
リ層内に達する円周方向の切り込みを入れ切り込み端と
成し、次いで、切削刃を一方の前記切り込み端のプライ
マリ層内に切り込ませ、光ファイバに非接触の状態で、
中間部被覆除去区間の他方の切り込み端まで長手方向に
移動させて、光ファイバを少なくとも部分的に露出さ
せ、更に、中間部被覆除去区間を溶剤に浸漬することを
特徴とするものである。また、請求項2記載の発明は、
光ファイバが紫外線硬化型樹脂のプライマリ層およびセ
カンダリ層で被覆された光ファイバ心線の長手方向の中
間部被覆を除去する光ファイバ心線の中間部被覆除去方
法において、最初に、切削刃を中間部被覆除去区間の一
方の端部のプライマリ層内に切り込ませ、光ファイバに
非接触の状態で、中間部被覆除去区間の他方の端部まで
長手方向に移動させて、光ファイバを少なくとも部分的
に露出させ、次に、中間部被覆除去区間の両端にプライ
マリ層内に達する円周方向の切り込みを入れ、更に、中
間部被覆除去区間を溶剤に浸漬することを特徴とするも
のである。
れたもので、紫外線硬化型樹脂のプライマリ材が破断強
度1〜10MPa、破断伸び100〜200%の特性を
有することを利用したものである。即ち、上述のよう
に、切削刃をプライマリ層内に切り込ませ、光ファイバ
に非接触の状態で、光ファイバ心線の長手方向に移動さ
せると、プライマリ層は切削刃に引っ張られ、張力が限
界となったところで切れて、光ファイバから剥離し、光
ファイバが少なくとも部分的に露出する。
に光ファイバを部分的に露出させることにより、続く工
程において、溶剤が光ファイバ露出部分から光ファイバ
/プライマリ層の界面に浸透し、被覆の剥離が進行し、
光ファイバの強度を損なうことなく、中間部被覆除去区
間の被覆を除去することができる。
去区間の両端にプライマリ層に達する円周方向の切り込
みを入れておくと、セカンダリ層が予め切れているた
め、中間部被覆除去区間の端部において剥離した被覆を
取り除く際に加わる外力が低減し、光ファイバの損傷に
よる強度の低下を防ぐことができる。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明にかかる光
ファイバ心線の中間部被覆除去方法の一実施形態の説明
図である。ここで用いた光ファイバ心線1は、光ファイ
バ2が外径125μm、紫外線硬化型樹脂のプライマリ
層3が外径190μm、セカンダリ層4が外径250μ
mとなるように線引きし、被覆を施したシングルモード
光ファイバ心線である。プライマリ層3およびセカンダ
リ層4のヤング率はそれぞれ2MPa、700MPa、
破断伸びはそれぞれ100%、60%である。なお、中
間被覆除去部の長さは4cmである。
ち、 1)光ファイバ心線1の中間部被覆除去区間の両端に、
ファイバストリッパ(刃の内径は152μm)を用いて
光ファイバ心線1の周方向にプライマリ層3内に達する
切り込み5を入れ切り込み端を成す。 2)次いで、光ファイバ心線1の長手方向に対して傾き
角度θで、またその上下に間隔Dで相対向する偏平な両
刃からなる切削刃6を配置する。間隔Dは、切削刃6の
先端がプライマリ層3内に位置し、光ファイバ2には非
接触になるように設定する。この状態で、切削刃6を光
ファイバ心線1の長手方向に切り込み5、5間を鉋で削
るように移動させ、光ファイバ2を少なくとも部分的に
露出させる。 3)次いで、光ファイバ心線1の中間部被覆除去区間を
超音波をかけたアセトン中に1分間浸し、膨潤して光フ
ァイバ2から剥離したプライマリ層3とセカンダリ層4
をピンセットでつまみ取り、中間部被覆を完全に除去す
ることができた。
およびその間隔Dを変えて、光ファイバ心線の被覆を除
去し、光ファイバを露出させた。即ち、実施例1では、
θ=50°、D=155μmとし、また、実施例2で
は、θ=45°、D=160μmとした。実施例1、2
ともに、中間部被覆を確実に除去することができた。
0°、D=140μmとし、切削刃6を光ファイバ心線
1の長手方向に移動させると、切削刃6はプライマリ層
3に鋭角で切り込み、セカンダリ層4とプライマリ層3
の外側部分は切削、除去されるが、光ファイバ2の上に
はプライマリ層3の内側部分が残り、光ファイバ2は露
出しない。この状態で、超音波をかけたアセトン中に1
分間浸す。残ったプライマリ層3は膨潤するが、光ファ
イバ2から剥がれることはないため、膨潤したプライマ
リ層3をピンセットで無理につまみ取り、光ファイバ2
を露出させた。このため、被覆除去された部分の光ファ
イバ2には外力が加わることになった。
=190μmとし、切削刃6を光ファイバ心線1の長手
方向に移動させると、一対の切削刃6の間隔Dがプライ
マリ層3の外径に等しいため、セカンダリ層4のみが切
削、除去され、光ファイバ2は露出しない。この状態
で、超音波をかけたアセトン中に1分間浸す。比較例1
と同様に、残ったプライマリ層3は膨潤するが、光ファ
イバ2から剥がれることはないため、膨潤したプライマ
リ層3をピンセットで無理につまみ取り、光ファイバ2
を露出させた。このため、被覆除去された部分の光ファ
イバ2には外力が加わることになった。
去区間の破断応力を測定した。その測定条件は、引っ張
り速度が50mm/minで、測定本数は20本であ
る。その測定結果を図2に示す。図2において、横軸は
破断応力、縦軸は累積破断確率(ある破断応力以下で破
断する確率)である。図2からわかるように、実施例
1、2で中間部被覆を除去した光ファイバ心線は、光フ
ァイバの90%程度の破断応力を有し、そのばらつきは
小さい。一方、比較例1、2で中間部被覆を除去した光
ファイバ心線の中には、実施例1、2に比較して破断応
力の小さいものが有り、破断応力が低下するようにばら
つく。
した場合には、被覆除去部の破断応力は光ファイバ自体
の破断応力に近く、大きく低下することはない。
ず、例えば切削刃は対をなす両刃でなく、光ファイバ心
線の片側のみに当てる片刃てもよく、また、切削刃の形
状は偏平でなく、角錐、円錐などのピン状であってもよ
い。さらに、切削刃の傾き角度θおよびその間隔Dは適
宜設定できるものである。また、上記実施形態では、光
ファイバ心線の周方向の切り込みを入れた後に、切削刃
を光ファイバ心線の長手方向に移動させたが、切削刃を
光ファイバ心線の長手方向に移動させた後に、光ファイ
バ心線の周方向の切り込みを入れてもよい。
外線硬化型樹脂で被覆された光ファイバの強度を低下さ
せることなく、光ファイバ心線の中間部被覆を確実に除
去することができるという優れた効果がある。
方法の一実施形態の説明図である。
ァイバ心線の破断応力と累積破断確率の関係を示す図で
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 光ファイバが紫外線硬化型樹脂のプライ
マリ層およびセカンダリ層で被覆された光ファイバ心線
の長手方向の中間部被覆を除去する光ファイバ心線の中
間部被覆除去方法において、最初に、中間部被覆除去区
間の両端にプライマリ層内に達する円周方向の切り込み
を入れ切り込み端と成し、次いで、切削刃を一方の前記
切り込み端のプライマリ層内に切り込ませ、光ファイバ
に非接触の状態で、中間部被覆除去区間の他方の切り込
み端まで長手方向に移動させて、光ファイバを少なくと
も部分的に露出させ、更に、中間部被覆除去区間を溶剤
に浸漬することを特徴とする光ファイバ心線の中間部被
覆除去方法。 - 【請求項2】 光ファイバが紫外線硬化型樹脂のプライ
マリ層およびセカンダリ層で被覆された光ファイバ心線
の長手方向の中間部被覆を除去する光ファイバ心線の中
間部被覆除去方法において、最初に、切削刃を中間部被
覆除去区間の一方の端部のプライマリ層内に切り込ま
せ、光ファイバに非接触の状態で、中間部被覆除去区間
の他方の端部まで長手方向に移動させて、光ファイバを
少なくとも部分的に露出させ、次に、中間部被覆除去区
間の両端にプライマリ層内に達する円周方向の切り込み
を入れ、更に、中間部被覆除去区間を溶剤に浸漬するこ
とを特徴とする光ファイバ心線の中間部被覆除去方法。 - 【請求項3】 前記切削刃は片刃であることを特徴とす
る請求項1または2記載の光ファイバ心線の中間部被覆
除去方法。 - 【請求項4】 前記切削刃は光ファイバ心線に相対向す
る両刃であることを特徴とする請求項1または2記載の
光ファイバ心線の中間部被覆除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000275618A JP2002090551A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 光ファイバ心線の中間部被覆除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000275618A JP2002090551A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 光ファイバ心線の中間部被覆除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002090551A true JP2002090551A (ja) | 2002-03-27 |
Family
ID=18761215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000275618A Pending JP2002090551A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 光ファイバ心線の中間部被覆除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002090551A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004184749A (ja) * | 2002-12-04 | 2004-07-02 | Usen Corp | 光ファイバーケーブル外皮除去装置、及び、光ファイバーケーブル外皮除去方法 |
US8758637B2 (en) | 2006-03-30 | 2014-06-24 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Apparatus and method of removing coating of line-shaped body using plasma |
-
2000
- 2000-09-11 JP JP2000275618A patent/JP2002090551A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004184749A (ja) * | 2002-12-04 | 2004-07-02 | Usen Corp | 光ファイバーケーブル外皮除去装置、及び、光ファイバーケーブル外皮除去方法 |
US8758637B2 (en) | 2006-03-30 | 2014-06-24 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Apparatus and method of removing coating of line-shaped body using plasma |
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A521 | Written amendment |
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