JP2023126138A - 合金部材、機器及び合金部材の製造方法 - Google Patents

合金部材、機器及び合金部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023126138000001
【課題】 従来よりも耐食性に優れた合金部材を提供する。
【解決手段】 表層102を有し、α相とβ相とを有するMg-Li系合金からなる基材101を備え、表層102の上に防食膜103を設置可能な合金部材100である。Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度が70%以上である。Mg-Li系合金の平均粒径が50μm以下である。表層102におけるLiの濃度が、基材101の内部におけるLiの濃度より低いことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本開示は、合金部材、機器及び合金部材の製造方法に関する。
近年、マグネシウム系合金よりも比重が小さいマグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)が注目されている。Mg-Li系合金は、軽量であり、かつ、制振性や比強度に優れることから様々な機器への応用が期待されている。しかし、リチウムは、非常に活性であり、イオン化しやすく、かつ溶解しやすい金属元素である。そのため、Mg-Li系合金は、リチウムを含まないマグネシウム系合金よりも腐食しやすい。特許文献1には、Mg-Li系合金の耐食性を改善するために、防錆被膜を形成するMg-Li系合金の表面のリチウム濃度を低下させる処理及び処理された部材が開示されている。
特開2013-204127号公報
しかしながら、特許文献1に開示された処理は表層部分のみを対象としており、部材の耐食性は不十分であった。
上記課題を解決するための第一の態様は、表層を有し、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を備え、前記表層の上に防食膜を設置可能な合金部材であって、前記Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度が70%以上であり、前記Mg-Li系合金の平均粒径が50μm以下であり、前記表層におけるLiの濃度が、前記基材の内部におけるLiの濃度より低いことを特徴とする合金部材である。
上記課題を解決するための第二の態様は、ダイカスト成形を用いて成形された、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を用意する準備工程と、前記基材を陽極酸化処理して、前記基材に、前記基材の内部よりLiの濃度が低い表層を設ける被膜工程と、を有することを特徴とする合金部材の製造方法である。
上記解決手段によれば、従来よりも耐食性に優れた合金部材及びその製造方法を提供する。
第1実施形態に係る合金部材の概略図である。 第1実施形態に係る合金部材の製造工程を示したフロー図である。 第1実施形態に係る合金部材の製造方法で用いたダイカスト成形装置の概略図である。 第1実施形態に係る合金部材の製造方法で用いた陽極酸化処理装置の概略図である。 第3実施形態に係る撮像装置の概略図である。 第4実施形態に係る電子機器の概略図である。 第5実施形態に係る移動体の概略図である。 実施例1の表層の厚みを計測する説明図である。 実施例1の結晶粒径を計測する説明図である。 第2実施形態に係る合金部材の概略図である。
(第1実施形態)
[合金部材]
図1は、第1実施形態に係る合金部材の概略図であり、積層方向から切断した際の断面の部分拡大図である。
合金部材100は、基材101と、基材101の表層102の上に設けられた防食膜103と、が積層された合金部材である。本実施形態の合金部材の用途は特に限定されず、例えば、機器の外装部材、内装部材及び摺動部材として使用することが可能である。なお、本開示では、防食膜103がない態様も合金部材と呼ぶ。
基材101は、α相と、β相と、を有するマグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)からなる。
本明細書において、Mg-Li系合金とは、Mg及びLiを含有し、Mgの含有量及びLiの含有量の和が90質量%以上である合金をさす。Mgの含有量及びLiの含有量の和が90質量%以上であると、軽量にすることが容易となる。Mg-Li系合金は、軽量金属材料であり、Liを含有しないMg合金と比べて、軽量、制振性、比強度に優れる。制振性に優れるとは、振動エネルギーを素早く熱エネルギーに変換することにより、振動を早く収束させることをいう。また、比強度は密度あたりの引っ張り強さであり、比強度が高いほど部材の軽量化が可能となる。
α相及びβ相とは、Mg-Li系合金の結晶相のことである。Mg-Li系合金は、Liの含有量によって結晶構造が異なることが知られている。その構造を文献“「二元合金状態図集」、長崎誠三、平林眞編著、出版社:アグネ技術センター、ISBN-13:978-4900041882、発売日:2001/01”に記載の相図に基づき説明する。この相図によると、Mg-Li系合金には、α相の単相領域と、β相の単相領域と、α相とβ相を同時に有する共晶領域と、が存在することが分かる。α相は、Mgが多く、稠密六方相とも呼ばれ、その結晶構造はhcp(Hexagonal Close-Packed)構造である。β相は、Liが多く、体心立方相とも呼ばれ、その結晶構造はbcc(Body-Centered Cubic)構造である。25℃において、Liの含有量が5質量%よりも低い場合、α相のみとなる。また、25℃においてLiが11質量%を超える場合、β相のみとなる。また、25℃においてα相とβ相と、を有するMg-Li系合金とは、Liの含有量が5質量%以上11質量%以下である。Mg-Li系合金の結晶構造は、例えば、2θ-θ測定等のX線回折測定によって特定することができる。α相の存在は、例えば、Li0.18-Mg0.82合金の粉末X線回折データ(国立研究開発法人 物質・材料研究機構 無機材料データベース)を基準として六方晶の各面の指数を同定することで確認できる。β相の存在は、例えば、Li0.5-Mg0.5合金の粉末X線回折データを基準(国立開発法人 物質・材料研究機構 無機材料データベース)として、体心立方晶の各面の指数を同定することで確認できる。
Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度は70%以上である。β相の(110)面は、β相の最密充填面である。不活性な結晶面であるβ相の(110)面の配向度が70%以上と高く配向されることで、基材101の腐食の起点を少なくすることができるため、本開示の合金部材は耐食性が良好となる。β相の(110)面の配向度は、以下の方法によって測定することが可能である。
β相の(110)面の配向度は、まず、2θが20°以上100°以下の範囲に対し、2θ-θ測定によって回折パターンを取得し、バックグラウンドを除去する。次にバックグラウンドを除去した回折パターンの各々ピークに対し、Li0.5-Mg0.5合金の粉末X線回折データを基準として、体心立方晶の各面の指数を同定する。同定された体心立方晶の各面指数でのX線回折の強度を、対応する粉末X線の強度比でおのおの除し、その値を合算する。そして、体心立方晶の最密充填面相当である(110)面、(220)面の各面指数のX線強度を対応する粉末X線の強度比で除した値を、先の合算値で除すことにより、β相の(110)面の配向度が得られる。
Mg-Li系合金の平均粒径は50μm以下である。平均粒径が50μm以下であることで、本開示の合金部材100の表層102を厚く形成しやすくなる。また、基材の耐食性を上げるという観点においても好適である。平均粒径は、ダイカスト成形の射出速度や冷却速度によって所望の範囲に制御することが可能である。射出速度及び冷却速度が速いほど、粒径を小さくすることができる。Mg-Li系合金のα相の結晶形状は、針状である。針状とは短軸の長さに対する長軸の長さの比であるアスペクト比が4以上の結晶をさす。α相の平均粒径は30μm以下であることが好ましい。α相は陽極酸化処理する際にLiが移動しにくい結晶相であり、α相の結晶の粒径が大きいと陽極酸化処理を小さい電圧もしくは短時間で行うことが難しくなる。しかし、α相の平均粒径が30μm以下であれば、陽極酸化処理時にLiが防食膜103に効率よく取り込まれ、比較的小さな電圧もしくは短時間で表層102を形成することが可能になる。また、基材の耐食性を上げるという観点においても平均粒径が30μm以下であることが好ましい。
また、Mg-Li系合金には10質量%以下であれば、その特性を調整するために他の金属元素を含有させてもよい。具体的には、Al,Zn,Mn,Si,Ca,GeおよびBeからなる第1群より選ばれる1以上の元素を含有してもよい。
例えば、アルミニウム(Al)であれば10質量%以下含有することが好ましい。また、基材101の強度を高めるという観点においては、1質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
Zn、Mn,SiおよびCaは基材101の強度を高めることができる。Znであれば3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下である。Mnであれば0.3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上0.3質量%以下である。Siであれば0.2質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上0.2質量%以下である。Caであれば1.0質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
GeおよびBeはMg-Li系合金の結晶を微細化し、基材101の耐食性を高める。Geであれば1質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。Beであれば3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.04質量%以上3質量%以下である。
基材101は、その形状は特に限定されない。直方体や立方体といった六面体に限らず、円柱、球体、角柱、錐体、筒状であっても構わない。
表層102は、基材101の表面に形成される部分である。表層102のLiの濃度は、基材101の表層以外の部分である内部におけるLiの濃度より低い。換言すると、表層102のMgの濃度は、基材の内部におけるMgの濃度より高い。表層102は、基材101の防食膜103が設けられる側の部分のみを指すのではなく、基材101の底面及び側面における表面を含む。すなわり、表層102は、図1の基材101の紙面左右側もしくは紙面下側に形成されていてもよい。表層102は、基材101の内部よりもLi濃度が低いため、基材101の内部よりも腐食しにくい。合金部材100は、表層102を有することで防食膜103が劣化したとしても基材101の内部が腐食しにくくなるため、部材としての耐久性が向上する。表層102の厚さ(積層方向の長さ)が厚いほど基材101の内部が腐食しにくく、その厚さは10μm以上であることが好ましい。リチウムの析出を抑制するという観点においては、30μm以上がより好ましい。一方、表層102の厚さが厚すぎると、製造プロセスが長くなったり、高電圧を印加できる電源が必要となったりするため、100μm以下であることが好ましい。表層102は基材101よりLi化合物が析出しにくい。具体的には、合金部材100を図1のように切断して、4時間経過したときに、表層102は基材101よりLi化合物の析出量が少ない。一方、基材101は表層102よりLiの濃度が高いため、余剰リチウムが炭酸リチウム(LiCO)や酸化リチウム(LiO)として表層102よりも析出しやすい。Li化合物は腐食の起点となり得るため、より好ましい形態は、切断したとしても表層102にLi化合物が析出しない形態である。表層102は、例えば、基材101の表面を陽極酸化処理によって改質して、防食膜103を形成する工程で形成することができる。表層102のLi濃度が、基材101の内部のLi濃度より低いことを測定する方法は特限定されない。厚み方向に研磨しながらX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy=XPS)でLi濃度を測定してもよいし、走査型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)でMgの濃度を測定することからLiの濃度を推測してもよい。
防食膜103は、表層102の設置可能である。図1において防食膜103は、表層102の上に設けられている。防食膜103は、基材101の表面(表層102)を大気に曝さない目的で設ける膜である。防食膜103は、基材101の表面のリチウムが大気中の水分と反応することを抑制する。防食膜103は、無機フッ化物を含む無機化合物からなる膜である。無機フッ化物は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF)である。防食膜103の無機フッ化物は、MgFを主成分としており、その割合は90体積%以上である。防食膜103の無機フッ化物は、MgFが主成分であることにより、基材101の腐食を抑制することができる。MgFは水分と反応しにくい性質をもつためである。防食膜103の無機フッ化物は、10体積%以下であればMgF以外にも、フッ化リチウム(LiF)や酸化物を含んでいてもよい。防食膜103の無機フッ化物におけるMgFの体積割合は、例えば、X線回折測定の2θ-θ測定に基づき計算できる。なお、防食膜103の厚さ(積層方向の長さ)は2μm以上であることが好ましい。水や空気中の水分を表層102全体において十分に遮断できるためである。より好ましい厚みは5μm以上である。さらに好ましくは20μm以上である。防食膜103は、基材101の表面を陽極酸化処理によって改質して、表層102を形成する工程と同じ工程で形成することができる。
合金部材100は、防食膜103が露出していなくてもよい。例えば、ユーザの目的に応じて、防食膜103の上にさらにプライマや上塗り層などの塗装膜を設けても良い。塗装膜としては、例えば、遮熱機能を備える遮熱膜が挙げられる。塗装膜の材質は、例えば、硬化性樹脂の硬化物である。硬化性樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂である。
以上、本開示の合金部材は、β相の(110)面の配向度が70%以上であり、その平均粒径が50μm以下であるMg-Li系合金からなる基材の表層におけるLi濃度が、基材の内部におけるLi濃度より低い。基材自体の耐食性が優れていて、かつ、Li濃度が低い表層を設けているため、本開示の合金部材は、従来から知られる基材の表層におけるLi濃度を基材の内部におけるLi濃度より低くしただけの合金部材よりも耐食性に優れる。
[合金部材の製造方法]
続いて、図2、図3及び図4を用いて本開示の合金部材の製造方法について説明する。図2は、合金部材の製造工程を示したフロー図である。図3は、ダイカスト成形を行うダイカスト成形装置の概略図である。図4は、陽極酸化処理を行う陽極酸化装置の概略図である。
本開示の合金部材の製造方法は、ダイカスト成形を用いて成形された、α相とβ相とを有するMg-Li系合金からなる基材を用意する準備工程と、基材を陽極酸化処理して、基材の内部よりLiの濃度が低い表層を基材に設ける被膜工程と、を有する。
まず、準備工程について説明する。準備工程では、ダイカスト成形を用いて成形された、α相とβ相とを有するMg-Li系合金からなる基材を用意する。ダイカスト成形とは、原料である金属を高温で液状に溶融し、液状にした溶融した金属を型に流し込む際に、圧力をかけて流し込む成形方法のことである。ダイカスト成形は、液状にした金属を型に流し込む際に圧力をかける点が、圧力をかけない鋳造と異なる。
準備工程の一例としてダイカスト成形の手順を説明する。
まず、基材の原料である合金原料であるMg-Li系合金からなる円柱ビレット201を用意する(S11)。円柱ビレット201を得る手段は特に限定されず、鋳造や、チクソ成形、鍛造成形、押出成形などの成形工程を得た材料から切り出してもよい。また、ビレットの形状は必ずしも円柱である必要はない。
続いて、円柱ビレットを溶融し、ダイカスト成形によって基材101を得る(S12)。図3に示すダイカスト成形装置200は、溶融槽202と、射出シリンダ203と、プランジャ204と、金型205と、を有する。溶融槽202は、射出シリンダ203と不図示の配管によって繋がっている。円柱ビレット201は、溶融槽202内で加熱されることにより、溶融される。溶融温度は、例えば、600℃以上である。溶融された合金原料は配管を通り、射出シリンダ203に流れ込み、プランジャ204により圧力をかけて所望の射出速度で金型205に流し込む。所望の速度は、例えば、1000cm/秒以上20000cm/秒以下の範囲である。溶融された合金原料は金型205内で、鋳造より速い速度で冷却され、凝固されることにより基材101が得られる。なお、一般的な鋳造の冷却速度は、1℃/秒以上5℃/秒以下の範囲である。冷却は、好ましくは急冷である。急冷の速度は、例えば、100℃/秒以上800℃/秒以下の範囲である。ダイカスト成形した基材101は、Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度が70%以上であり、Mg-Li系合金の平均粒径が50μm以下である。
続いて、得られた基材101を加熱して熱処理する(S13、熱処理工程)。ダイカスト成形したMg-Li系合金からなる基材は、基材の部分によりリチウムの濃度が異なる濃度ムラが生じることがあるが、熱処理をすることにより濃度ムラを小さくすることができる。好ましい熱処理温度は、100℃以上320℃以下の範囲である。この範囲であれば、基材101の変形が少なく濃度ムラを少なくすることができる。一方、320℃を超える温度で熱処理をすると、基材101の変形が大きくなるおそれがある。また、Mg-Li系合金がAlを含んでいると、AlとLiが化合物を形成することがある。AlとLiの化合物が形成されると、陽極酸化処理時に抵抗として作用し、表層のLi濃度を十分に低減できなくなるおそれがある。より好ましくは100℃以上180℃以下である。ただし、基材101の寸法精度を高くするという観点では、熱処理は必ずしも行わなくてもよい。
次に、被膜工程について説明をする。まず、基材101を洗浄する(S14)。具体的には、脱脂、水洗、エッチング等により、表面に存在する離型剤や酸化物層、偏析物を除去する。洗浄方法としては、例えば、以下に示す例がある。基材101に、基材101と同一材料で構成された導通保持治具308を接続する。具体的には、導通保持治具308を曲げて基材101を挟み込むように接続する。基材101と導通保持治具308を硝酸(濃度3~5質量%)に浸漬して酸洗浄を行い、酸化物層を除去する。酸は、硝酸以外の塩酸や硫酸等でも良く、表面の酸化物層を溶解できるものであればよい。酸洗浄後は、純水にて基材101と導通保持治具308を水洗する。その後、基材101と導通保持治具308を90℃以上99℃以下の範囲に加熱した純水に浸漬し、引き上げて、乾燥する。
図4に示す陽極酸化装置309は、電解液302を溜める処理槽301を有する。また、配管を通じて電解液302を処理槽301の下部から上部に循環撹拌させるポンプ303及びフィルター304を有する。また、電源305を有し、電源305の陰極は、処理槽301内で電解液302に浸漬された基材である陰極電極306と電気的に接続されている。陰極電極306の材料は、電解液との反応性が低ければよく、例えば、カーボン、白金、チタン、ステンレス鋼(SUS)等も使用可能である。また、電源305の陽極は基材101と接続された導通保持治具308に接続されているため、基材101および導通保持治具308は陽極電極として機能する。
被膜工程では、まず、陰極の基材と、陽極として合金基材と、を中性フッ化アンモニウム水溶液中に配置する(S15、配置工程)。処理槽301には、電解液302として中性フッ化アンモニウム水溶液を配置する。中性フッ化アンモニウム水溶液の濃度は200g/Lから飽和溶液であることが好ましく、基材101の表面を多くフッ化するためには高濃度であることが好ましい。電解液302の水溶液は中性であり、pHは6.0以上8.0以下であることが好ましい。pHが低下し酸性になると、フッ化水素が生成されてしまう。一方、pHが高くなりアルカリ性になると、陽極での酸化反応がフッ素だけでなく、酸素とも反応するようになる。そのため、防食膜103におけるフッ素の含有割合が低下してしまう。なお、pHの値としては7.0~7.5の範囲であることがより好ましい。pHがこの範囲であると、より高い電圧を印加し易くなるため、防食膜103を厚く形成すること容易となる。なお、電解液302は、ポンプにより昇温が発生するため、チラー等によって温度制御することが好ましい。好ましい電解液の温度は-20℃から60℃である。さらに、液の撹拌はバブリングによる撹拌を併用してもよい。また、液中に生成されるフッ化リチウム(LiF)を捕獲するためにフィルターを設けても良い。
電源305との接続が完了したら、陽極電極(基材101および導通保持治具308)と陰極電極306との間に電圧を印加する(S16、電圧印加工程)。電圧が印加されると、フッ化膜である無機フッ化物であるMgFを主成分とする防食膜103が形成され始める。また電圧を印加し続けると、基材101の表面近傍に存在するMg-Li系合金のβ相に含まれるLiが防食膜103に取り込まれる。そのLiが取り込まれることによって、Li濃度が内部より低い表層102が形成され始める。結果、電圧を印加することで、防食膜103が形成されるとともに、表層102が形成される。本開示の基材101はダイカスト成形されているために、Mg-Li系合金の平均粒径は50μm以下と十分に小さい。そのため、電圧を印加してもLiが防食膜に取り込まれにくいα相が存在しても、基材の内部よりLi濃度が低い表層102を簡便に厚く形成することができる。また、表層102の厚みは、高い電圧を印可することによって厚くできる。より具体的には、設定電流値を高くして、液濃度を下げるとより高い電圧を印可することが可能となり、表層102の厚みを厚くすることができる。更に、電解液の温度を高くすることにより、より厚くすることができる。ただし、温度を上げすぎると電解質からフッ酸が発生する可能性があるため、55℃以下の温度であることが好ましい。防食膜103の厚みは、基材101の単位面積に流れる総電流量(クーロン量)に比例する。好ましい条件は、10cm当たり100クーロン以上の電流を流すことである。そうすることにより十分な厚みを有する、耐食性に優れた防食膜を形成することが可能となる。
その後、水洗乾燥して導通保持治具308を基材101から取り外すことにより、無機フッ化物であるMgFを有する防食膜103と表層102が形成された合金部材100を得ることができる。
以上、本開示の製造方法によって得られる合金部材の基材は、ダイカスト成形をしているため、β相の(110)面の配向度が70%以上であり、その平均粒径が50μm以下であるため耐食性に優れる。また、ダイカスト成形した基材に陽極酸化処理するため、従来技術よりもLi濃度が低い表層を厚く形成しやすい。そのため、本開示の製造方法によれば、従来から知られる基材の表層におけるLi濃度を基材の内部におけるLi濃度より低くしただけの合金部材よりも耐食性に優れる合金部材を提供することができる。
(第2実施形態)
[合金部材]
図10は、第2実施形態に係る合金部材の概略図であり、積層方向から切断した際の断面の部分拡大図である。第2実施形態の合金部材は、防食膜の上に塗装膜を有する点が第1実施形態の合金部材と異なる。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
合金部材1000は、基材1001と、基材1001の表層1002に設けられた防食膜1003と、防食膜1003上に設けられた塗装膜1004が積層された合金部材である。塗装膜1004は、樹脂の硬化物を含む。塗装膜1004は単層であってもよいし、複数の層であってもよい。例えば、防食膜1003上にプライマ層を設けて、その上に樹脂の硬化物を形成しても良い。樹脂の種類は特に限定されず、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることができる。
基材1001は、α相1006と、β相1007と、を有するマグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)からなる。
防食膜1003は、その内部および表面に複数の気孔1005を有する。すなわち防食膜1003は多孔質構造である。本明細書において気孔とは、電子顕微鏡等で観察した場合に平均円相当直径が0.1μm以上である空隙が認められる部分を意味する。防食膜1003の上に塗装膜の前駆体である未硬化の樹脂を設け、未硬化の樹脂を気孔1005に侵入、充填した状態で樹脂を硬化することで、アンカー効果が発現し、防食膜1003と塗装膜1004の密着性が向上する。密着性を向上させる観点において、気孔1005は、防食膜1003の20μm×20μmの領域の中に、平均円相当直径がΦ0.1μm以上Φ1μm以下の範囲の気孔を10個以上有することが望ましい。
防食膜1003は基材1001のβ相上に厚く形成されて、α相上は薄く形成される。そうすることで、表層1002の防食膜1003と接する面は、気孔に起因しない大きい段差が形成される。防食膜1003の塗装膜1004と接する面(防食膜1003の表層1002と接する側の面と反対側の面)の平均表面粗さRaは0.19μm以上0.9μm以下の範囲であることが好ましい。平均表面粗さRaがこの範囲であると、密着性が良好かつ、外観も良好となる。一方、平均表面粗さRaが0.19μm未満の場合、密着力は不十分となり塗装膜の剥離が生じやすくなるおそれがある。他方、平均表面粗さRaが0.9μmを超える場合、塗装膜1004にその凹凸が反映され、外観が損なわれるおそれがある。
また、防食膜1003の塗装膜1004と接する面の最大粗さRzは15μm以下であることが好ましい。最大粗さRzがこの範囲であると、密着性が良好かつ、外観も良好となる。より好ましくは、1μm以上15μm以下の範囲であることが好ましい。一方、最大粗さRzが15μmを超える場合、塗装膜1004に防食膜の粗さ(凹凸)が反映され、外観が損なわれるおそれがある。
なお、平均表面粗さRa、最大粗さRz及び気孔の密度や大きさは陽極酸化処理の条件によって調整することが可能である。例えば、陽極酸化処理時のクーロン量を大きくすると、平均表面粗さRaは大きくなる。また、また、陽極酸化処理時のクーロン量を大きくすると、最大粗さRzは大きくなる。
(第3実施形態)
[光学機器・撮像装置]
図5は、本開示の第3実施形態である機器の一例の撮像装置である、一眼レフデジタルカメラ600の構成を示している。図5において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されている。レンズ鏡筒601はカメラ本体602に対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体620内の撮影光学系の光軸上に配置された部品の一例である複数のレンズ603、605などからなる光学系を通過して撮像素子610が受光することにより撮影される。ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621内の部品の一例である主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610にレンズ鏡筒601から入射した撮影光像を結像させる。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
合金部材100及び合金部材1000は筐体620,621の少なくとも一部に用いることができる。なお筐体620,621は、Mg-Li系合金部材のみで構成されても良いし、合金部材100及び合金部材1000に塗装膜を設けても良い。本開示のMg-Li系合金は耐食性に優れるため、従来の撮像装置より耐食性に優れた撮像装置を提供することができる。
なお、一眼レフデジタルカメラを一例として撮像装置を説明したが、本開示はこれに限定されず、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラであっても構わない。
(第4実施形態)
[電子機器]
図6は、本開示の第4実施形態である機器の一例である電子機器である、パーソナルコンピュータの構成を示している。図6において、パーソナルコンピュータ800は表示部801と本体部802を備える。本体部802の筐体820の内部には筐体内に設けられた部品の一例である電子部品803が備えられている。合金部材100及び合金部材1000は本体部802の筐体820の少なくとも一部に用いることができる。筐体820はMg-Li系合金部材のみで構成されても良いし、合金部材100及び合金部材1000に塗装膜を設けても良い。本開示のMg-Li系合金は耐食性に優れるため、従来のパーソナルコンピュータより軽量かつ耐食性に優れたパーソナルコンピュータを提供することができる。
なお、パーソナルコンピュータ800を一例として電子機器を説明したが、本開示はこれに限定されず、スマートフォンやタブレットであっても構わない。
(第5実施形態)
[移動体]
図7は、本開示の第5実施形態である移動体の一例であるドローンである。ドローン700は、複数の駆動部701と、駆動部701と接続される本体部702を備える。本体部702の中には、部品の一例である駆動回路705が設けられている。駆動部701は、例えば、プロペラを有する。図7のように、本体部702には脚部703を接続しても良いし、カメラ704を接続する構成にしても良い。合金部材100及び合金部材1000は、本体部702および脚部703の筐体710の少なくとも一部に用いることが可能である。筐体710はMg-Li系合金部材のみで構成されても良いし、合金部材100及び合金部材1000に塗装膜を設けても良い。本開示のMg-Li系合金は、耐食性に優れるため、従来のドローンより制振性かつ耐食性に優れたドローンを提供することができる。
なお、ドローン700を一例として移動体を説明したが、本開示はこれに限定されず、自動車や航空機であっても構わない。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本開示をより具体的に説明するが、本開示は、以下の実施例により限定されるものではない。
[合金部材の製造方法]
(実施例1)
まず、合金原料であるMg-Li系合金からなる円柱ビレットを用意した。Mg-Li系合金は、Ares(組成:Mg-9%Li-1%Zn-4%Al、安立材料科技股▲ふん▼有限公司製)材であり、円柱のサイズは、底面の直径が90mm、長さが300mmである。図3に示したダイカスト成形装置200を用いて、円柱ビレットを610℃で溶融し、金型205に射出速度5000cm/秒で流し込んだ。金型205の温度は150℃とし、500℃/秒の冷却速度で凝固させて、ダイカスト成形した基材を得た。得られた基材の形状は、直径110mm、肉厚2.0mm、体積が40cmの円環形状であった。
次に、図3に示した陽極酸化装置309を用いて表層と防食膜を形成した。具体的には、Ares材で作製した導通保持治具308に接続して、円環形状の基材および導通保持治具308を陽極電極とした。陰極電極306はカーボンとした。電解液302は、濃度が230g/Lの中性フッ化アンモニウム溶液(pH=7.0)とした。陰極電極306と陽極電極を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置した。続いて、陰極電極306と陽極電極との間に電圧を印加した。このとき電解液302の温度は50℃±2℃になるように制御した。また、電源305は電流値を20Aに設定し、電圧を印可した後の電流の積分値(クーロン量)をモニタリングし単位面積当たりのクーロン量が400Cとなるように制御した。以上の工程により実施例1の合金部材を得た。
(実施例2)
実施例2は、電解液の温度が実施例1と異なる。実施例2では、電解液の温度を30℃±2℃になるように制御した。それ以外は、実施例1と同様の工程で実施例2の合金部材を得た。
(実施例3)
実施例3は、電解液の温度が実施例1と異なる。実施例3では、電解液の温度を20℃±2℃になるように制御した。それ以外は、実施例1と同様の工程で実施例3の合金部材を得た。
(実施例4)
実施例4は、陽極酸化処理の前に熱処理した点が実施例1と異なる。実施例4では、180℃に加熱した雰囲気炉に基材を入れて、基材を1時間熱処理した。それ以外は、実施例1と同様の工程で実施例4の合金部材を得た。
(実施例5)
実施例5は、陽極酸化処理の前に熱処理した点が実施例1と異なる。実施例5では、320℃に加熱した雰囲気炉に基材を入れて、基材を1時間熱処理した。それ以外は、実施例1と同様の工程で実施例5の合金部材を得た。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と基材を用意する工程が異なる。比較例1では、直径500mmの鋳造によって形成した円柱ビレットを切削加工して、直径110mm、肉厚1.5mm、体積が150cmの円環形状の基材を得た。鋳造は、圧力をかけずに溶融金属を金型に注入し、冷却速度は5℃/秒の条件で行った。それ以外は、実施例1と同様の工程で比較例1の合金部材を得た。
[合金部材の評価]
次に、実施例1~5および比較例1に対して行った評価方法及びその結果について説明する。
(表層の厚みの測定)
表層の厚みは、走査型電子顕微鏡(SEM、カールツァイスマイクロスコピー株式会社製、Sigma 500VP)を用いて測定を行った。電圧5kV、ワークディスタンス7.0mm、アパーチャーサイズ60μmの条件で行った。まず倍率が500倍(570×420μm)の視野において、防食膜と基材の境界近傍を選択し、表層の厚みを計測した。測定用のサンプルは、以下の方法で得た。まず、各実施例の樹脂包埋試料を作成し、切断後湿式研磨及びバフ研磨を行った後に、イオンミリングによる乾式研磨を行った。そして、乾式研磨から2時間経過してから観察を行った。
図8は実施例1の断面画像である。402はLi化合物であり、炭酸リチウムである。炭酸リチウムの大きさは凡そ1μmであった。図8にはLi化合物402が析出している領域と、Li化合物が析出していない領域がある。これらの領域に対しSEM-EDXで組成分析を行い、Mgの濃度が高かった領域を表層とした。図8に破線で示したこれらの領域の境界線をL1とする。また、図8に一点鎖線で示した防食膜103とLi化合物が析出していない領域の境界線をL2とする。このときL1からL2までの距離t1を表層102の厚みとした。距離t1は、1視野で3ヶ所の距離を測定し、その平均値を採用した。
(結晶粒径の測定)
Mg-Li合金の結晶粒径の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM、カールツァイスマイクロスコピー株式会社製、Sigma 500VP)を用いて測定を行った。まず、倍率が200倍(550×400μm)の視野において、界面近傍の位置を選択した。次に倍率が2000倍(55×40μm)の視野において、結晶粒径の大きさを計測した。測定用のサンプルは、表層の厚みの測定に用いたサンプルである。
図9は実施例1の倍率2000倍の断面画像である。針状形状のα相501がβ相502に取り囲まれており、粒径はα相501の最大長さを計測し、結晶粒径と定義した。なお、β相502がα相501に取り囲まれている場合は、β相502の最大長さを結晶粒径と定義した。1視野で3ヶ所の結晶粒径を測定し、その平均値を採用した。
(結晶配向の測定)
β相の(110)面の配向度は、X線回折法によって測定した。使用したX線回折装置はリガク社製UltimaIVである。管球はCu管球を用い、測定波長λは1.5418Åとした。また管電圧は40kV、管電流は40mAとした。
まず、2θが20°以上100°以下の範囲に対し、2θ-θ法によって回折パターンを取得した。ステップ幅は、0.02°、スピードは2°/min(2回積算)とした。また、取得した回折パターンからバックグラウンドを除去した。
次に、バックグラウンドを除去した回折パターンの各々ピークに対し、Li0.5―Mg0.5合金の粉末X線回折データを基準として、体心立方晶の各面の指数を同定した。同定した体心立方晶の各面指数でのX線回折の強度を、対応する粉末X線の強度比でおのおの除し、その値を合算した。そして、体心立方晶の(110)面、(220)面の各面指数のX線強度を対応する粉末X線の強度比で除した値を、先の合算値で除すことにより、β相の(110)面の配向度を算出した。
なお測定面に対しては、研磨機で#2000の仕上げ研磨を行った。
(耐久性の評価)
耐久性は重量減少試験により行った。測定サンプルをpH1.5の硝酸水溶液に浸す前と3時間浸した後の重量をそれぞれ評価した。重量減少率が小さいことは長期使用における耐久性が良いことを意味する。重量減少率が1%以下のものをA、1%より大きく2.5%以下の範囲のものをB、2.5%より大きいものをCとして、AとBを良品と判定した。
以上の結果を表1にまとめる。
Figure 2023126138000002
表1の結果より、平均粒径が50μm以下で、β相の(110)面の配向度が70%以上だった実施例1~5の合金部材はいずれも表層が10μm以上あり、耐久性が良好であった。一方で、平均粒径が50μmより大きく、β相の(110)面の配向度が70%に満たなかった比較例1は、耐久性が悪かった。
また、実施例1~3を比較すると、電解質の液温が高くなると、表層の厚みは厚くなっていた。このことからは、液温が高いほど基材表面からLiを移動させやすいことが分かる。
また、実施例1,4,5を比較すると、熱処理の温度が高くなると、結晶粒径が大きくなり、表層の厚みが薄くなっていた。また、結晶粒径が実施例1より大きかった実施例4,5は、α相がリング状に繋がり、β相を取り囲んだような組織になっていた。
比較例1は、鋳造の冷却速度が遅いため、結晶粒径が120μmと大きかった。そのためLi濃度が低い表層が形成できなかった。またβ相の(110)面の配向度は41.5%と低かった。
以上、本開示の合金部材は、β相の(110)面の配向度が70%以上であり、その平均粒径が50μm以下であるMg-Li系合金からなる基材の表層におけるLi濃度が、基材の内部におけるLi濃度より低い。そのため、従来から知られる合金部材よりも耐食性に優れる。
(実施例6)
まず、合金原料であるMg-Li系合金からなる円柱ビレットを用意した。Mg-Li系合金は、Ares(組成:Mg-9%Li-1%Zn-4%Al、安立材料科技股▲ふん▼有限公司製)材であり、円柱のサイズは、底面の直径が90mm、長さが300mmである。図3に示したダイカスト成形装置200を用いて、円柱ビレットを610℃で溶融し、金型205に射出速度5000cm/秒で流し込んだ。金型205の温度は150℃とし、500℃/秒の冷却速度で凝固させて、ダイカスト成形した基材を得た。得られた基材の形状は、1辺が50mmの正方形であり、肉厚3mmであった(表面積56cm)。
次に、図3に示した陽極酸化装置309を用いて表層と防食膜を形成した。具体的には、AZ31材で作製した導通保持治具308に接続して、円環形状の基材および導通保持治具308を陽極電極とした。陰極電極306はカーボンとした。電解液302は、濃度が450g/Lの中性フッ化アンモニウム溶液(pH=7.0)とした。陰極電極306と陽極電極を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置した。続いて、陰極電極306と陽極電極との間に電圧を印加した。このとき電解液302の温度は20℃±1℃になるように制御した。また、電源305は電流値を0.56Aに設定し、電圧を印可した後の電流の積分値(クーロン量)をモニタリングしてクーロン量を682Cに制御した。
得られた基材に対して塗装を実施した。プライマ層として一液型の焼付プライマである武蔵塗料株式会社製パナコSMGを用いて塗装した。乾燥時の膜厚は15μm、乾燥条件は160℃20分とした。次に、仕上げ塗装として一液型のアクリル樹脂塗料である武蔵塗料株式会社製アーマトップを標準推奨条件で塗装した。乾燥時の膜厚は15μm、乾燥条件は160℃20分とした。すなわち塗装膜は樹脂の硬化物を含む。
以上の工程により実施例6の合金部材を得た。
(実施例7)
実施例7は、陽極酸化工程の電流値を1.4Aに設定した。それ以外は、実施例6と同様の工程で実施例7の合金部材を得た。
(実施例8)
実施例8は、陽極酸化工程の電流値を2.8Aに設定した。それ以外は、実施例6と同様の工程で実施例8の合金部材を得た。
(実施例9)
実施例9は、陽極酸化工程の電流値を4.2Aに設定した。それ以外は、実施例6と同様の工程で実施例9の合金部材を得た。
(実施例10)
実施例10は、陽極酸化工程の電流値を5.6Aに設定した。それ以外は、実施例6と同様の工程で実施例10の合金部材を得た。
(実施例11)
実施例11は、陽極酸化工程の電流値を0.56Aに設定した。さらに、クーロン量を1022.9Cに制御した。それ以外は、実施例6と同様の工程で実施例11の合金部材を得た。
(実施例12)
実施例12は、陽極酸化工程の電流値を1.4Aに設定した。それ以外は、実施例11と同様の工程で実施例12の合金部材を得た。
(実施例13)
実施例13は、陽極酸化工程の電流値を2.8Aに設定した。それ以外は、実施例11と同様の工程で実施例13の合金部材を得た。
(実施例14)
実施例14は、陽極酸化工程の電流値を4,2Aに設定した。それ以外は、実施例11と同様の工程で実施例14の合金部材を得た。
[合金部材の評価]
次に、実施例6~14に対して行った評価方法及びその結果について説明する。
まず、実施例6~14はいずれも平均粒径が50μm以下で、β相の(110)面の配向度が70%以上であった。
(表面粗さ測定)
表面粗さはKLA-Tencor社製触針式プロファイラAlpha-Step D-600を用いて測定を行った。スキャン幅は5mm、針圧は1mgで実施した。この測定結果から算術平均表面粗さRa[μm]および最大粗さRz[μm]を読み取った。
(密着性評価)
クロスカット試験を実施した。カットの間隔は1mmとして100升目による碁盤目試験方法を用いた。判定基準として、Aはどの格子目も剥離しない、Bはカットの交差点における塗膜の10%に満たない小さな剥離、Cは10%以上の剥離とした。
(外観評価)
塗装膜の表面を目視で観察評価した。塗装膜の表面全面において均一で一様なものをA、一部膜ムラや段差等不均一な箇所が確認できるものをBとした。
以上の結果を表2にまとめる。
表2の結果より、算術平均表面粗さRaが0.19μm以上、かつ、最大粗さRzが1μm以上のものは塗装膜の密着性及び外観が良好であることがわかる。すなわち、β相の(110)面の配向度が70%以上であり、その平均粒径が50μm以下であるMg-Li系合金からなる基材の表層におけるLi濃度が、基材の内部におけるLi濃度より低い合金部材に対し、算術平均表面粗さRaが0.19μm以上、かつ、最大粗さRzが1μm以上とすることで塗装膜の密着性及び外観をより良好なものにすることができる。
なお、本開示は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本開示から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本開示による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
本実施形態の開示は、以下の構成および方法を含む。
(構成1)
表層を有し、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を備え、
前記表層の上に防食膜を設置可能な合金部材であって、
前記Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度が70%以上であり、
前記Mg-Li系合金の平均粒径が50μm以下であり、
前記表層におけるLiの濃度が、前記基材の内部におけるLiの濃度より低いことを特徴とする合金部材。
(構成2)
前記表層の厚みが、10μm以上である構成1に記載の合金部材。
(構成3)
前記表層の厚みが、30μm以上である構成1に記載の合金部材。
(構成4)
前記Mg-Li系合金の前記α相の結晶形状が、針状である構成1乃至3のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成5)
前記Mg-Li系合金の前記α相の平均粒径が30μm以下である構成4に記載の合金部材。
(構成6)
前記合金部材が、Li化合物をさらに有し、
前記合金部材を積層方向に切断して2時間経過した後に、前記Li化合物が、前記基材から析出している構成1乃至5のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成7)
前記Li化合物が、炭酸リチウム及び酸化リチウムの少なくとも1つである構成6に記載の合金部材。
(構成8)
前記表層から析出しているLi化合物が、前記基材から析出している前記Li化合物より少ない構成6又は7に記載の合金部材。
(構成9)
前記合金部材が、前記表層の上に設けられた防食膜を更に備え、
前記防食膜が、無機フッ化物を含む構成1乃至8のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成10)
前記無機フッ化物の主成分が、MgFである構成9に記載の合金部材。
(構成11)
前記防食膜の厚みが、2μm以上である構成9又は10に記載の合金部材。
(構成12)
前記Mg-Li系合金の前記Liの含有量が、5質量%以上11質量%以下の範囲である構成1乃至11のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成13)
前記Mg-Li系合金が、更にAl,Zn,Mn,Si,Ca,GeおよびBeからなる第1群より選ばれる1以上の元素を含有し、
前記第1群の元素の含有量の和が10質量%以下である構成1乃至12のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成14)
前記Alの含有量が、10質量%以下であり、
前記Znの含有量が、3質量%以下であり、
前記Mnの含有量が、0.3質量%以下であり、
前記Siの含有量が、0.2質量%以下であり、
前記Caの含有量が、1.0質量%以下であり、
前記Geの含有量が、1質量%以下であり、
前記Beの含有量が、3質量%以下である構成13に記載の合金部材。
(構成15)
前記防食膜の前記表層と接する面の反対側の面は、
平均表面粗さRaが、0.19μm以上0.9μm以下の範囲であり、
最大粗さRzが、15μm以下である構成9乃至11のいずれか1項に記載の合金部材。
(構成16)
前記防食膜は多孔質構造である構成15に記載の合金部材。
(構成17)
筐体と、
前記筐体内に設けられた部品と、を備える機器であって、
前記筐体が、構成1乃至16のいずれか1項に記載の合金部材を含むことを特徴とする機器。
(方法1)
ダイカスト成形を用いて成形された、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を用意する準備工程と、
前記基材を陽極酸化処理して、前記基材に、前記基材の内部よりLiの濃度が低い表層を設ける被膜工程と、を有することを特徴とする合金部材の製造方法。
(方法2)
前記被膜工程において、前記表層と、前記表層の上に防食膜と、を設ける方法1に記載の合金部材の製造方法。
(方法3)
前記準備工程において、溶融した合金原料に対し圧力をかけてダイカスト成形を行い、Mg-Li系合金からなる基材を得る方法1又は2に記載の合金部材の製造方法。
(方法4)
前記被膜工程が、
陰極の基材と、陽極として前記Mg-Li系合金からなる基材と、を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置する配置工程と、
前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電圧印加工程と、を含む方法1乃至3のいずれか1項に記載の合金部材の製造方法。
(方法5)
前記準備工程と、前記被膜工程との間に、前記基材を加熱する熱処理工程を更に有する方法1乃至4のいずれか1項に記載の合金部材の製造方法。
100 合金部材
101 基材
102 表層
103 防食膜
200 ダイカスト装置
201 円柱ビレット
202 溶融槽
203 射出シリンダ
204 プランジャ
205 金型
301 処理槽
302 電解液
306 陰極電極
308 導通保持治具
402 Li化合物
501 α相
502 β相
600 一眼レフデジタルカメラ(機器)
601 レンズ鏡筒(機器)
602 カメラ本体(機器)
603 レンズ(部品)
605 レンズ(部品)
700 ドローン(機器)
705 駆動回路(部品)
800 パーソナルコンピュータ(機器)
803 電子部品(部品)

Claims (22)

  1. 表層を有し、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を備え、
    前記表層の上に防食膜を設置可能な合金部材であって、
    前記Mg-Li系合金のβ相の(110)面の配向度が70%以上であり、
    前記Mg-Li系合金の平均粒径が50μm以下であり、
    前記表層におけるLiの濃度が、前記基材の内部におけるLiの濃度より低いことを特徴とする合金部材。
  2. 前記表層の厚みが、10μm以上である請求項1に記載の合金部材。
  3. 前記表層の厚みが、30μm以上である請求項1に記載の合金部材。
  4. 前記Mg-Li系合金の前記α相の結晶形状が、針状である請求項1に記載の合金部材。
  5. 前記Mg-Li系合金の前記α相の平均粒径が30μm以下である請求項4に記載の合金部材。
  6. 前記合金部材が、Li化合物をさらに有し、
    前記合金部材を積層方向に切断して2時間経過した後に、前記Li化合物が、前記基材から析出している請求項1に記載の合金部材。
  7. 前記Li化合物が、炭酸リチウム及び酸化リチウムの少なくとも1つである請求項6に記載の合金部材。
  8. 前記表層から析出しているLi化合物が、前記基材から析出している前記Li化合物より少ない請求項6に記載の合金部材。
  9. 前記合金部材が、前記表層の上に設けられた防食膜を更に備え、
    前記防食膜が、無機フッ化物を含む請求項1に記載の合金部材。
  10. 前記無機フッ化物の主成分が、MgFである請求項9に記載の合金部材。
  11. 前記防食膜の厚みが、2μm以上である請求項9に記載の合金部材。
  12. 前記Mg-Li系合金の前記Liの含有量が、5質量%以上11質量%以下の範囲である請求項1に記載の合金部材。
  13. 前記Mg-Li系合金が、更にAl,Zn,Mn,Si,Ca,GeおよびBeからなる第1群より選ばれる1以上の元素を含有し、
    前記第1群の元素の含有量の和が10質量%以下である請求項1に記載の合金部材。
  14. 前記Alの含有量が、10質量%以下であり、
    前記Znの含有量が、3質量%以下であり、
    前記Mnの含有量が、0.3質量%以下であり、
    前記Siの含有量が、0.2質量%以下であり、
    前記Caの含有量が、1.0質量%以下であり、
    前記Geの含有量が、1質量%以下であり、
    前記Beの含有量が、3質量%以下である請求項13に記載の合金部材。
  15. 前記防食膜の前記表層と接する面の反対側の面は、
    平均表面粗さRaが、0.19μm以上0.9μm以下の範囲であり、
    最大粗さRzが、15μm以下である請求項9に記載の合金部材。
  16. 前記防食膜は多孔質構造である請求項15に記載の合金部材。
  17. 筐体と、
    前記筐体内に設けられた部品と、を備える機器であって、
    前記筐体が、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の合金部材を含むことを特徴とする機器。
  18. ダイカスト成形を用いて成形された、α相と、β相と、を有するMg-Li系合金からなる基材を用意する準備工程と、
    前記基材を陽極酸化処理して、前記基材に、前記基材の内部よりLiの濃度が低い表層を設ける被膜工程と、を有することを特徴とする合金部材の製造方法。
  19. 前記被膜工程において、前記表層と、前記表層の上に防食膜と、を設ける請求項18に記載の合金部材の製造方法。
  20. 前記準備工程において、溶融した合金原料に対し圧力をかけてダイカスト成形を行い、Mg-Li系合金からなる基材を得る請求項18に記載の合金部材の製造方法。
  21. 前記被膜工程が、
    陰極の基材と、陽極として前記Mg-Li系合金からなる基材と、を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置する配置工程と、
    前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加する電圧印加工程と、を含む請求項18に記載の合金部材の製造方法。
  22. 前記準備工程と、前記被膜工程との間に、前記基材を加熱する熱処理工程を更に有する請求項18に記載の合金部材の製造方法。
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