JP2022133238A - 合金部材、摺動部材、機器及び合金部材の製造方法 - Google Patents

合金部材、摺動部材、機器及び合金部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 腐食しにくい合金部材を提供する。【解決手段】 合金部材は、MgとLiとを含む合金からなる基材と、基材上に設けられた、無機フッ化物を含む第1層と、第1層の上に設けられた樹脂の硬化物を含む第2層と、が積層された合金部材である。第1層の基材と反対側の表面が凹凸構造を有することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、合金部材、摺動部材、機器及び合金部材の製造方法に関する。
マグネシウム系合金は、軽量であり、かつ、制振性や比強度に優れることから様々な物品に使用されている。近年、機器の更なる軽量化が要求されてきており、マグネシウム系合金よりも比重が小さいマグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)が注目されている。しかし、リチウムは、非常に活性であり、イオン化しやすく、かつ溶解しやすい金属元素である。そのため、Mg-Li系合金は、一般的なマグネシウム系合金よりも腐食しやすい。そこで、Mg-Li系合金の表面に腐食を防止する膜を設けることが知られている。特許文献1には、Mg-Li系合金の表面に対しフッ化物を含有する処理液を用いて化成皮膜を設けたのちに、樹脂を含有する塗膜を焼き付けることが開示されている。
特開2019-56175号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、化成皮膜の合金に対する密着力が十分ではなく、化成皮膜および塗膜が剥がれてしまうことがあった。
上記課題を解決する第一の態様は、Mgと、Liと、を含む合金からなる基材と、前記基材上に設けられた、無機フッ化物を含む第1層と、前記第1層の上に設けられた、樹脂の硬化物を含む第2層と、が積層された合金部材であって、前記第1層の前記基材と反対側の表面が凹凸構造を有することを特徴とする合金部材である。
上記課題を解決する第二の態様は、Mgと、Liと、を含む合金からなる基材を用意する用意工程と、陰極の基材と、陽極として前記合金からなる基材と、を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置する配置工程と、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して、表面に凹凸構造を有する無機フッ化物を含む第1層を前記基材上に設ける電圧印加工程と、前記第1層の凹凸構造に未硬化の樹脂を載置する載置工程と、前記樹脂を硬化させ、前記樹脂の硬化物を含む第2層を形成する硬化工程と、を有することを特徴とする合金部材の製造方法である。
上記解決手段によれば、腐食しにくい合金部材を提供することができる。
実施形態に係る合金部材の断面図である。 実施形態に係る合金部材の製造工程を示したフロー図である。 合金部材の第1層を形成する陽極酸化装置の概略図である。 合金部材の第2層を形成する工程の一実施態様を示した概略図である。 実施形態に係る撮像装置を示した概略図である。 実施形態に係る電子機器を示した概略図である。 実施形態に係る移動体を示した概略図である。
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(合金部材の層構成)
図1は実施形態に係る合金部材100の概略図であり、積層方向の断面図である。
合金部材100は、基材101と、基材101の上に設けられた第1層102と、第1層の上に設けられた第2層103と、が積層された合金部材である。本実施形態の合金部材の用途は特に限定されず、例えば、機器の外装や摺動部材として使用することが可能である。本実施形態の合金部材は、基材101の上に設けられた第1層102と第2層103の密着性が優れるため、摺動部材に用いることが好適である。
基材101は、マグネシウム(Mg)と、リチウム(Li)と、を含む合金からなる。
Mgと、Liとを、含む合金としては、マグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)が知られている。本明細書において、Mg-Li系合金とは、MgおよびLiを含有し、Mgの含有量およびLiの含有量の和が90質量%以上である合金をさす。Mg-Li系合金は、軽量金属材料であり、Liを含有しないMg合金と比べて、軽量、制振性、比強度に優れる。制振性に優れるとは、振動エネルギーを素早く熱エネルギーに変換することにより、振動を早く収束させることをいう。また、比強度は密度あたりの引張強さであり、比強度が高いほど部材の軽量化が可能となる。一方、Mg及びLiの含有量の和が90質量%未満であると、軽量にすることが困難となるおそれがある。Mg-Li系合金におけるLiの含有量は0.5質量%以上15質量%以下である。Mg-Li系合金はLiの含有量が多いほど軽量になるため、Liの含有量を多くすることが望ましいが15質量%を超えると耐食性が劣る可能性がある。一方、Liの含有量が0.5質量%未満であると軽量にすることが困難となるおそれがある。
また、Mg-Li系合金には10質量%以下であれば、その特性を調整するために他の金属元素を含有させてもよい。具体的には、Al,Zn,Mn,Si,Ca,GeおよびBeからなる第1群より選ばれる1以上の元素を含有してもよい。
例えば、アルミニウム(Al)であれば10質量%以下含有することが好ましい。また、基材101の強度を高めるという観点においては、1質量%以上10質量%以下含有することが好ましい。
Zn、Mn,SiおよびCaは基材101の強度を高めることができる。Znであれば3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下である。Mnであれば0.3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上0.3質量%以下である。Siであれば0.2質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上0.2質量%以下である。Caであれば1.0質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上1.0質量%以下である。
GeおよびBeはMg-Li系合金の結晶を微細化し、基材101の耐食性を高める。Geであれば1質量以下含有することが好ましい。より好ましくは0.1質量%以上1質量%以下である。Beであれば3質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは0.04質量%以上3質量%以下である。
基材101は、第1面101Aを有していれば、その形状は特に限定されない。図1に示した直方体や立方体といった六面体に限らず、円柱、球体、角柱、錐体、筒状であっても構わない。
第1層102は基材101の表面を改質して得ることができる。第1層102は無機フッ化物を含む無機化合物からなる膜である。無機フッ化物は、例えば、フッ化マグネシウム(MgF)である。第1層102の無機フッ化物は、MgFを主成分としており、その割合は90体積%以上である。第1層102の無機フッ化物は、MgFが主成分であることにより、基材101の腐食を抑制することができる。第1層102の無機フッ化物は、10体積%以下であればMgF以外にも、フッ化リチウム(LiF)や酸化物を含んでいてもよい。第1層102の無機フッ化物におけるMgFの体積割合は、例えば、X線回折測定の2θ-θ測定に基づき計算できる。
第2層103は第1層102の上に未硬化の樹脂を載置して硬化させて得ることができる。第2層103は樹脂の硬化物を有する。図1において第2層103は合金部材100の最表面に設けられているが、第2層103は合金部材100の最表面でなくても構わない。例えば、第2層103の上に第2層103を保護する目的で遮熱膜等の膜を別途設けてもよい。
ところで、従来のMg-Li系合金は基材の表面に化成皮膜や塗膜を設けても、基材に対して十分な密着力を得るのが困難であった。そこで本願発明者は鋭意検討した結果、凹凸構造を有するフッ化膜を形成した後に樹脂を有する膜を形成し、フッ化膜と樹脂の界面のアンカー効果により密着力が得られることを見出した。さらには、フッ化膜が複数の気孔を有する多孔質膜であると、樹脂がフッ化膜の気孔に入り込むことによるアンカー効果によりより高い密着力が得られることを見出した。フッ化膜は、脆く耐摩耗性に乏しい材料であるが、フッ化膜と樹脂のアンカー効果により、摺動によるせん断力に耐え得る硬さと靭性をもたせることができることを見出した。
そのため、第1層102は、第1面102Aと、第1面102Aと反対側の面である102Bと、を有し、その第1面102Aは凹凸構造を有する。凹凸構造とは第1面102Aの最大高さ粗さであるRzが1μm以上の構造をいう。より好ましいRzは2μm以上である。さらに好ましいRzは2μm以上12μm以下である。なお、第2面102Bは基材の第1面101Aと接している。
また、第1層102の無機フッ化物は複数の気孔104を有する。本明細書において気孔とは、電子顕微鏡等で観察した場合に平均相当直径が1μm以上である空隙が認められる部分を意味する。気孔104の少なくとも1つは第2層103と接する部分に位置することが好ましい。第2層103は第1層102の上に未硬化の樹脂が設けられるため、第2層103と接する位置に存在する気孔104の中の少なくとも一部には樹脂が充填される。その未硬化の樹脂が硬化されるため、合金部材100の積層方向の断面において、樹脂の硬化物の少なくとも一部は第1層102の無機フッ化物に接することになる。また、樹脂は第1層102の基材101が位置する方向に向かって1μm以上の深さまで充填される。樹脂の硬化物を有する第2層103は第1層102に対しアンカー効果を発現するため、第2層103の第1層102に対する密着力は優れる。また密着力をより高くするという観点においては、積層方向の断面において、気孔104に設けられた樹脂の硬化物の少なくとも一部は無機フッ化物に覆われていることが好ましい。
なお、気孔104は合金部材100の積層方向の断面において、平均円相当直径が2μm以上の大きさであることが好ましい。気孔104に充填される第2層103に含有される樹脂の硬化物の量を多くできるためである。より好ましい平均円相当直径は5μm以上である。また、第1層102の厚さは5μm以上が好ましく、20μm以上であることがより好ましい。厚さを20μm以上とすることにより、上述したアンカー効果が発現する領域を多くできるためである。
また、第1層の最大厚みをtとしたときに、気孔104に設けられた樹脂の硬化物は、第1層102の第2層103と接する位置から厚み方向に0.8tの位置までに設けられていることが好ましい。第2層103の樹脂の硬化物が第1層102に深く入り込むことによりアンカー効果の発現が大きくなるためである。一方0.8tを超える位置まで設けられると、基材101と未硬化の樹脂が接するおそれがあり、基材101から水素ガスが発生するおそれがある。
以上、上述した合金部材によれば、第1層の第1面102Aが凹凸構造を有するため、樹脂の硬化物を含む第2層103との界面においてアンカー効果を発現し、第1層と第2層との密着力が高い。よって、従来よりも腐食しにくい合金部材を提供することができる。
(合金部材の製造方法)
続いて、図2~図4を用いて合金部材の製造方法を説明する。
図2は、合金部材の製造工程を示したフロー図である。図3は合金部材の第1層を形成する形成する陽極酸化装置の概略図である。図4は合金部材の第2層を形成する工程を説明する概略図である。
まず、マグネシウム(Mg)と、リチウム(Li)と、を含む合金からなる基材307として、マグネシウム-リチウム系合金(Mg-Li系合金)からなる基材を用意する(S11、用意工程)。このMg-Li系合金からなる基材に対しては、基材の状態に応じて、脱脂、水洗、エッチング等により、表面に存在する酸化物層や偏析物を除去する。その方法としては、例えば以下に示す例がある。基材307に、基材307と同一材料で構成された導通保持治具308を接続する。具体的には、導通保持治具308を曲げて基材307を挟み込むように接続する。基材307と導通保持治具308を硝酸(濃度3~5質量%)に浸漬して酸洗浄を行い、酸化物層を除去する。酸は、硝酸以外の塩酸や硫酸等でも良く、表面の酸化物層を溶解できるものであればよい。酸洗浄後は、純水にて基材307と導通保持治具308を水洗する。その後、基材307と導通保持治具308を90~99℃に加熱した純水に浸漬し、引き上げて、乾燥する。
次に、無機フッ化物を含む第1層の形成する方法について図3を用いて説明する。
陽極酸化装置309は、電解液302を溜める処理槽301を有する。また、配管を通じて電解液302を処理槽301の下部から上部に循環撹拌させるポンプ303およびフィルター304を有する。また、電源305を有し、電源305の陰極は、処理槽301内で電解液302に浸漬された陰極電極306と電気的に接続されている。陰極電極306の材料は、電解液との反応性が低ければよく、例えば、カーボン、白金、チタン、SUS等も使用可能である。また、電源305の陽極は基材307と接続された導通保持治具308に接続されているため、基材307および導通保持治具308は陽極電極として機能する。
Mg-Li系合金からなる基材307に無機フッ化物を含むフッ化膜である第1層102を形成するために、処理槽301に電解液302として中性フッ化アンモニウム水溶液を配置する(S12、配置工程)。中性フッ化アンモニウム水溶液の濃度は200g/Lから飽和溶液であることが好ましく、基材307の表面を多くフッ化するためには高濃度であることが好ましい。電解液302の水溶液は中性であり、pHは6.0以上8.0以下であることが好ましい。pHが低下し酸性になると、フッ化水素が生成されてしまう。一方、pHが高くなりアルカリ性になると、陽極での酸化反応がフッ素だけでなく、酸素とも反応するようになる。そのため、第1層102におけるフッ素の含有割合が低下してしまう。なお、pHの値としては7.0~7.5の範囲であることがより好ましい。pHがこの範囲であると、より高い電圧を印加し易くなるため、第1層102を厚く形成すること容易となる。なお、電解液302は、ポンプにより昇温が発生するため、チラー等によって温度制御することが好ましい。好ましい電解液の温度は-20℃から60℃である。さらに、液の撹拌はバブリングによる撹拌を併用してもよい。また、液中に生成されるフッ化リチウム(LiF)を捕獲するためにフィルターを設けても良い。
電源305との接続が完了したら、陽極電極(基材307および導通保持治具308)と陰極電極306との間に電圧を印加する(S13、電圧印加工程)。ここで、第1層102の厚みは基材307の単位面積に流れる総電流量(クーロン量)に比例する。好ましい条件は、10cm当たり117クーロン以上の電流を流すことである。そうすることにより第1層の厚みは20μm以上となり、十分な耐食性を有するフッ化膜を形成することが可能となる。
また、後述する第2層とのアンカー効果を向上させるためには、第1層には大きなサイズ凹凸及び大きなサイズの気孔を設けることが好ましい。凹凸と気孔を大きくするには、例えば、高い電圧を印可する。具体的には、設定電流値を高くして、液濃度を下げるとより高い電圧を印可することが可能となり、大きな凹凸及び気孔を形成する事ができる。更に、液の温度を高くすることにより、より大きな凹凸及び気孔を得ることができる。
その後、水洗乾燥して導通保持治具308を基材307から取り外すことにより、無機フッ化物であるMgFを有する第1層(フッ化膜)102が形成された部材1010を得ることができる。
次に、図4を用いて第2層を形成する工程を説明する。図4(a)は未硬化の樹脂を第1層の凹凸構造の上に設ける塗装工程、図4(b)は未硬化の樹脂を第1層の気孔に含浸させる含浸工程、図4(c)は樹脂を硬化させる塗膜硬化工程をそれぞれ示している。
塗装工程では、第1層が形成された部材1010の表面に未硬化の樹脂を含む塗料103Aを載置する(S14、載置工程)。第2層103の厚みを一様にするために、第1層102の第1面102Aには均一に塗料103Aを塗布することが好ましい。塗料103Aを塗布する手段として、例えば、図4(a)に示すようにエアスプレーガン201から霧化エアーにより塗料を噴霧するスプレー法がある。その他の手段として、スピンコート、ブレードコート、ダイコート、ディッピング、エアナイフといった一定に塗料を塗布する公知の方法を利用できる。塗料は、硬化後の第2層103の厚みが5μm以上100μm以下となるように塗布する。第2層の厚みが5μm未満であると、第1層102の凹凸構造を小さくしないと凹凸を十分に覆うことができないおそれがある。そうなった場合、十分な耐摩耗性が得られない場合がある。一方、100μmよりも厚くなると、膜厚のムラが大きくなり、過度に面圧が大きい部分が発生するおそれがある。そうなった場合、摩耗粉が発生しやすくなることがある。
塗料103Aは、液体塗料から塗膜である第2層103を形成することが可能な有機系の塗料を用いることができる。塗料の粘度は後の含浸工程で含浸し易いものを選定するのが良い。塗料は光硬化型の塗料でも熱硬化型の塗料のどちらを用いても良い。光硬化型塗料としては、例えばUV硬化型ハードコート材料(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製:ルシフラールNAG-1000)を用いる事ができる。光硬化型塗料に滑材成分を加えることもできる。滑剤成分としては例えば、アクリル系くし型グラフトポリマー(東亜合成(株)社製:サイマックUS270)を用いる事ができる。主鎖アクリルを介すことでシリコーン鎖の導入を容易にし、塗膜表面を改質し滑性を向上できる。滑材成分は5質量%以上20質量%以下の割合で含有させると良い。5質量%未満では滑材成分としての効果が低いおそれがあり、20質量%より多いと光硬化型塗料の硬度が下がり、耐摩耗性や塗膜の密着力を低下させる場合がある。
塗料103Aはフィラーを含有していないことが好ましい。フィラーを含有すると、完成物からフィラーが脱落した場合に、摩耗しやすくなるおそれがある。一方、フィラーを含有していないと、摩耗粉が発生しにくく、光学機器や精密機器に好適に用いることができる。また摺動部材にも好適に用いることができる。
含浸工程では、未硬化の樹脂を第1層の気孔104に含侵させる。第1層102は微細な気孔が連結してできている為、未硬化の樹脂を有する塗料103Aは毛細管現象で時間経過と共に浸透していく。粘度が高い塗料では一定時間静置した後に硬化させる方が良い。一定時間静置する際には、100℃以下の温度で加熱しても良い。更に真空引きしても良い。
含浸工程において、長時間(具体的には1時間以上)真空引きすると塗料の一部に発泡が生じることがある。これは、塗料に含まれる水分や溶媒、有機物とMg-Li系合金のLiが反応して水素ガスが発生するためと推測される。そのため、塗料は基材に向かって深く含浸させるとアンカー効果は高くなるが、基材と接する位置まで塗料を含浸させることは好ましくない。そのため、第1層102の気孔104に充填させる樹脂は、第1層の最大厚みをtとしたときに第1層102の第2層103と接する位置から厚み方向に0.8tの位置までに設けられていることが好ましい。
塗膜硬化工程では、塗布した塗料103Aに光および/または熱を与えることにより樹脂の硬化物を有する第2層103を形成する(S15)。塗料103Aに含有される樹脂が光硬化性樹脂の場合、紫外線硬化装置202から紫外線(以下、UV)を照射して塗料103Aを硬化させる。塗料の硬化は、硬化に必要なUV露光量が塗料ごとに決まっており、UV露光量はUV照度と照射時間の積から求める事ができる。また、UV照度は紫外線ランプ203と塗料までの距離に依存するため、距離を遠ざける場合は照射時間を長くする必要がある。第1層102の主成分であるMgFは波長200nm以上4000nm以下の領域で透過率が90%以上を有する。そのため、第1層102の気孔104に含浸された塗料103AにもUVが容易に到達し、光重合反応により樹脂は硬化する。そのため、強固なアンカー効果で第1層と第2層には高い密着力が発現する。塗料に含有される樹脂が熱硬化性樹脂の場合、塗料103Aは120℃以下の温度で硬化させることが好ましい。120℃より温度が高くなると、Mg-Li系合金の硬度が低下するおそれがある。
以上、上述した合金部材の製造方法によれば、第1層の第1面102Aが凹凸構造を有するため、樹脂の硬化物を含む第2層103との界面においてアンカー効果を発現し、第1層と第2層との密着力が高い合金部材を提供することができる。よって、従来よりも腐食しにくい合金部材を提供することができる。
(光学機器・撮像装置)
図5は、機器の一例の撮像装置である、一眼レフデジタルカメラ600の構成を示している。図5において、カメラ本体602と光学機器であるレンズ鏡筒601とが結合されているが、レンズ鏡筒601はカメラ本体602に対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒601の筐体内の撮影光学系の光軸上に配置された部品の一例である複数のレンズ603、605などからなる光学系を通過して撮像素子が受光することにより撮影される。ここで、レンズ605は内筒604によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒601の外筒に対して可動支持されている。
撮影前の観察期間では、被写体からの光は、カメラ本体の筐体621内の部品の一例である主ミラー607により反射され、プリズム611を透過後、ファインダレンズ612を通して撮影者に撮影画像が映し出される。主ミラー607は例えばハーフミラーとなっており、主ミラーを透過した光はサブミラー608によりAF(オートフォーカス)ユニット613の方向に反射され、例えばこの反射光は測距に使用される。また、主ミラー607は主ミラーホルダ640に接着などによって装着、支持されている。不図示の駆動機構を介して、撮影時には主ミラー607とサブミラー608を光路外に移動させ、シャッタ609を開き、撮像素子610にレンズ鏡筒601から入射した撮影光像を結像させる。また、絞り606は、開口面積を変更することにより撮影時の明るさや焦点深度を変更できるよう構成される。
合金部材100はレンズ鏡筒601の可動部、カメラ本体602の可動部、レンズ鏡筒601とカメラ本体602の着脱時に摺動して結合面となる不図示のマウントの少なくとも一部に用いることができる。また、カメラ本体の筐体621やレンズ鏡筒601の筐体620の少なくとも一部に用いる事ができる。なお筐体620,621は、合金部材100のみで構成されてもよい。本開示の合金部材100は軽量かつ耐食性と耐摩耗性に優れるため、従来の撮像装置より軽量かつ耐久性に優れた撮像装置を提供することができる。
なお、一眼レフデジタルカメラを一例として撮像装置を説明したが、本開示はこれに限定されず、スマートフォンやレンズ交換式ミラーレスカメラ、コンパクトデジタルカメラであっても構わない。
(電子機器)
図6は、機器一例である電子機器である、パーソナルコンピュータの構成を示している。図6において、パーソナルコンピュータ800は表示部801と本体部802を備える。本体部802の不図示の筐体の内部には筐体内に設けられた部品の一例である電子部品830が備えられている。合金部材100は本体部802の筐体の少なくとも一部に用いることができる。筐体は合金部材100のみで構成されてもよい。本開示の合金部材100は軽量かつ耐食性に優れるため、従来のパーソナルコンピュータより軽量かつ耐食性に優れたパーソナルコンピュータを提供することができる。
なお、パーソナルコンピュータ800を一例として電子機器を説明したが、本発明はこれに限定されず、スマートフォンやタブレットであっても構わない。
(移動体)
図7は、機器一例の移動体であるドローンの一実施形態を示す図である。ドローン700は、複数の駆動部701と、駆動部701と接続される本体部702を備える。本体部702の中には、部品の一例である不図示の駆動回路がある。駆動部701は、例えば、プロペラを有する。図7のように、本体部702には脚部703を接続しても良いし、カメラ704を接続する構成にしても良い。合金部材100は、本体部702および脚部703の不図示の筐体の少なくとも一部に用いることが可能である。筐体は合金部材100のみで構成されてもよい。本開示の合金部材100は、制振性かつ耐食性に優れるため、従来のドローンより制振性かつ耐食性に優れたドローンを提供することができる。
以下、実施例をあげて本発明を説明する。まず、実施例および比較例の合金部材の製造方法を説明する。
(合金部材の製造)
(実施例1)
まず、マグネシウムとリチウムとを含む合金からなる基材の材料として、Ares(組成:Mg-9%Li-1%Zn-4%Al、安立材料科技股▲ふん▼有限公司製)の直径Φ90mm、厚さ10mmの円柱ビレットを用意した。次に、この円柱ビレットを外径Φ66mm、内径φ54mm、厚さ4mmの円環形状に切削加工を施し、円環形状のマグネシウムとリチウムとを含む合金からなる基材を得た。
次に、この円環形状の基材を図3に示した陽極酸化装置309を用いて基材上に複数の気孔を有する無機フッ化物を含む第1層を形成した。具体的には、Aresで作製した導通保持治具308に接続して、円環形状の基材および導通保持治具308を陽極電極とした。陰極電極306はカーボンとした。電解液302には、濃度が230g/Lの中性フッ化アンモニウム溶液(pH=7.0)を用いた。このように陰極電極306と陽極電極を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置した。続いて、陰極電極306と陽極電極との間に電圧を印加した。このとき電解液302の温度は40℃±2℃になるように制御した。
また、電源305は電流値を4Aに設定し、電圧を印可した後の電流の積分値(クーロン量)をモニタリングし、10cm当たり119クーロンの電流を流した。
第1層が形成された基材に対して、図4に示した工程を用いて樹脂の硬化物を含む第2層を形成した。具体的には、まず、塗料103Aとして、UV硬化型材料であるルシフラール(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製、型番:NAG-1000)を90質量%、アクリルシリコーン剤サイマック(東亞合成株式会社製、型番:US270)を10質量%混合した塗料を用意した。この塗料103Aを、エアスプレーガン201を用いて第1層の上に塗布した。塗布後、30分間放置し、塗料103Aを第1層の気孔に含浸させた。その後、波長365nm、UVランプ光強度400Wの紫外線硬化装置202を用い、照度計で測定した照度が40mW/cmから80mW/cmの範囲に収まるように光照射を行い塗膜の樹脂を硬化させ、実施例1の合金部材を得た。
(実施例2~8)
実施例2~8は、電圧を印可した後の電流の積分値(クーロン量)をモニタリングし、10cm2当たり117クーロン以上の電流を流し、そのクーロン量を変更することにより実施例1から第1層の厚みを変更した。
また実施例2~8は、エアスプレーガン201の吐出量、塗布後の含浸時間を変更することにより、第2層の厚みおよび第1層の気孔に設けられる樹脂の量を変更した。
(比較例1)
比較例1は実施例1と第1層の形成条件が異なり、基材に対して化成処理を行って第1層を形成した。具体的には、温度を60℃にした濃度20g/Lの酸性フッ化アンモニウム溶液の中に基材を2分間浸漬した。他の工程は実施例1と同様の手順で、比較例1の合金部材を得た。
(比較例2)
比較例2は実施例1と第1層の形成条件が異なり、基材に対してマイクロアーク酸化処理を行って第1層を形成した。具体的には、温度を25℃と濃度10g/Lのケイ酸ナトリウムを電解液とし、パルス電源を用い、正パルス幅が1ms、オン/オフ時間比が0.2、平均電流密度200A/mの条件で定電流電解を行った。電圧は360Vを上限とし、上限電圧に到達以降は360Vの定電圧で電解を行った。
(合金部材の評価)
次に実施例1~8および比較例1、2に対して行った評価方法およびその結果について説明する。
(第1層および第2層の最大厚み)
第1層の最大厚みおよび第2層の最大厚みは、膜厚計(株式会社サンコウ電子研究所社製、SWT-9000)、膜厚計用SWTプローブN(株式会社サンコウ電子研究所社製、Fe-0.6)を用いて渦電流により測定した。表面を研磨した基材表面でゼロ点校正を行い、第1層および第2層の最大厚みを測定した。
(第1層の気孔の大きさ)
第1層の気孔の大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM、カールツァイスマイクロスコピー株式会社製、Sigma 500VP)を用いて行った。電圧5kV、ワークディスタンス7.0mm、アパーチャーサイズ60μmの条件で行った。まず倍率が200倍(570×420μm)の視野において、最も気孔が大きな位置がある箇所を選択し、次に倍率が1000倍(110×80μm)の視野において、気孔の大きさを計測した。画像処理により測定した10ヶ所の各気孔を円形に近似し、円相当直径を評価し、評価した平均値の小数点以下を四捨五入した。
(第1層における樹脂の含浸深さ)
第1層の厚み方向に樹脂が侵入した長さである樹脂の含浸深さは、走査型電子顕微鏡(SEM、カールツァイスマイクロスコピー株式会社製、Sigma 500VP)を用いて行った。まず、倍率が200倍(570×420μm)の視野において、最も樹脂が侵入している位置を選択した。次に倍率が1000倍(110×80μm)の視野において、第1層の最表面から基材方向の含浸深さを、フッ素、マグネシウム、カーボンのスペクトルのEDX画像からカーボンがフッ素及びマグネシウム画像の内部に侵入した深さを計測した。
以上の結果を表1にまとめる。
Figure 2022133238000002
次に実施例1~8および比較例1、2の合金部材の耐摩耗性試験と恒温恒湿耐久試験の評価方法およびその結果について説明する。
(耐摩耗性試験)
耐摩耗性は、フリクションプレーヤ(株式会社レスカ社製、FPR-2100)を用いて評価した。測定条件は、負荷荷重を200gfとし、真鍮の表面にNi-Pめっきで表面処理したφ3/16inchのボールを用いて、往復摺動試験のモードで評価を実施した。往復速度は40mm/sec、往復距離は20mm幅で評価を実施した。摺動部は面と球の摺動となるため、ヘルツの式から求めた面圧最大値730MPa、接触面半径36μmの初期条件から26,000往復回摺動させた後の摺動痕を観察し比較した。
評価結果は、摺動部の縁に目視において摩耗紛の痕跡が確認できなかった場合をA、摺動痕の全領域において塗膜である第2層の剥離が確認できなかった場合をB、第2層の剥離が確認できた場合をCとした。
(恒温恒湿耐久試験)
恒温恒湿耐久試験は、実施例1~8および比較例1、2の合金部材を温度65℃湿度95%の恒温恒湿層に投入し、1000時間放置して、外観変化の有無を確認した。外観は、目視、50倍および200倍の顕微鏡観察にて評価した。耐久前後で変化が無かった場合をA、耐久前後で変化が有った場合をCとした。
(総合評価)
上記2項目のうち、2項目ともAだったものをA、1項目でもCがあったものをC、それ以外をBとして、AおよびBが良、Cを不良とした。
以上の結果を表2にまとめる。
Figure 2022133238000003
表2の結果より、実施例1~8の合金部材はいずれも耐摩耗性の評価において第2層が剥離しなかった。また、高温高湿耐久試験前後でも外観に変化が確認されなかった。
また、実施例1~4及び6は摺動痕幅が300μm以下であり、摩耗紛の発生も確認されなかった。一方、実施例5および7は摩耗粉が発生した。これは樹脂の含浸深さが0.8tを超えたため、微量ながら水素ガスが発生したことに起因すると考えられる。また、実施例8は気孔の大きさが小さかったためにアンカー効果が不十分で、他の実施例と比べて第2層と第1層の密着力が低かったと考えられる。
比較例1は、第1層が化成処理膜だったために、1μm以上の気孔を形成できなかった。また第1層の厚みが十分に得られなかった。そのためアンカー効果が弱く、密着力が不足したため耐摩耗性評価はCとなった。また、恒温恒湿耐久試験後も外観不良が発生した。
また比較例2は、第1層が酸化物層だったために恒温恒湿耐久試験後に基材に吸水が発生し腐食による外観不良が発生した。
なお、実施例1の基材をAresの代わりに以下の組成1,組成2、組成3のビレットに変更したが、いずれも耐摩耗性試験の結果がA、高温高湿耐久試験の結果がAであった。
(組成1);Mg-12%Li-0.35%Ca-3%Al-0.1%Mn-0.3%Ge-0.04%Be
(組成2):Mg-14%Li-0.5%Ca-6%Al-0.1%Mn
(組成3):Mg-7%Li-1%Zn-7%Al
(組成4);Mg-14%Li-0.3%Ca-3%Al-0.15%Mn
以上本開示によれば、第1層の第1面102Aが凹凸構造を有するため、樹脂の硬化物を含む第2層103との界面においてアンカー効果を発現し、第1層と第2層との密着力が高い合金部材を提供することができる。よって、従来よりも腐食しにくい合金部材を提供することができる。
100 合金部材
101 基材
102 第1層
103 第2層
103A 塗料
104 気孔
600 一眼レフデジタルカメラ(機器)
601 レンズ鏡筒(機器)
602 カメラ本体(機器)
700 移動体(機器)
800 電子機器(機器)

Claims (17)

  1. Mgと、Liと、を含む合金からなる基材と、
    前記基材上に設けられた、無機フッ化物を含む第1層と、
    前記第1層の上に設けられた、樹脂の硬化物を含む第2層と、が積層された合金部材であって、
    前記第1層の前記基材と反対側の表面が凹凸構造を有することを特徴とする合金部材。
  2. 前記第1層は、複数の気孔を有し、
    前記気孔の少なくとも1つの中に、前記樹脂の硬化物が設けられている請求項1に記載の合金部材。
  3. 前記合金部材の積層方向の断面において、前記気孔に設けられた前記樹脂の硬化物の少なくとも一部が前記第1層と接している請求項2に記載の合金部材。
  4. 前記積層方向の断面において、前記気孔の平均円相当直径が、2μm以上である請求項3に記載の合金部材。
  5. 第1層の最大厚みをtとしたときに、前記気孔に設けられた樹脂の硬化物が、前記第1層の前記第2層と接する位置から厚み方向に0.8tの位置までに設けられている請求項2乃至4のいずれか1項に記載の合金部材。
  6. 前記無機フッ化物の主成分が、MgFである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の合金部材。
  7. 前記第1層の厚みが、20μm以上である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の合金部材。
  8. 前記合金が、前記Mg及び前記Liの含有量の和が90質量%以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の合金部材。
  9. 前記合金が、更にAl,Zn,Mn,Si,Ca,GeおよびBeからなる第1群より選ばれる1以上の元素を含有し、
    前記第1群の元素の含有量の和が10質量%以下である請求項8に記載の合金部材。
  10. 前記Alの含有量が、10質量%以下であり、
    前記Znの含有量が、3質量%以下であり、
    前記Mnの含有量が、0.3質量%以下であり、
    前記Siの含有量が、0.2質量%以下であり、
    前記Caの含有量が、1.0質量%以下であり、
    前記Geの含有量が、1質量%以下であり、
    前記Beの含有量が、3質量%以下である請求項9に記載の合金部材。
  11. 前記Liの含有量が、0.5質量%以上15質量%以下の範囲である請求項8乃至10のいずれか1項に記載の合金部材。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の合金部材よりなる摺動部材。
  13. 筐体と、
    前記筐体内に設けられた部品と、を備える機器であって、
    前記筐体が、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の合金部材を含むことを特徴とする機器。
  14. Mgと、Liと、を含む合金からなる基材を用意する用意工程と、
    陰極の基材と、陽極として前記合金からなる基材と、を中性フッ化アンモニウム水溶液に配置する配置工程と、
    前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して、表面に凹凸構造を有する無機フッ化物を含む第1層を前記基材上に設ける電圧印加工程と、
    前記第1層の凹凸構造に未硬化の樹脂を載置する載置工程と、
    前記樹脂を硬化させ、前記樹脂の硬化物を含む第2層を形成する硬化工程と、を有することを特徴とする合金部材の製造方法。
  15. 前記電圧印加工程において、前記第1層には複数の気孔が形成され、
    前記載置工程において、前記気孔の少なくとも1つに前記樹脂が含浸される、請求項14に記載の合金部材の製造方法。
  16. 前記樹脂が光硬化性樹脂であり、
    前記硬化工程において、前記樹脂に光を照射して前記樹脂を硬化させる請求項14又は15に記載の合金部材の製造方法。
  17. 前記樹脂が熱硬化性樹脂であり、
    前記硬化工程において、前記樹脂を120℃以下の温度で硬化させる請求項14又は15に記載の合金部材の製造方法。
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