JP2023125078A - 吐水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動発生素子から発生する異音を、十分に抑制することができる吐水装置を提供する。【解決手段】本発明は、水を往復振動させながら吐水する吐水装置(1)であって、吐水装置本体(10)と、振動発生素子(22)と、を有し、振動発生素子は、給水通路(24)と、給水通路によって導かれた水が衝突する衝突部(30)と、衝突部により形成された渦を導く渦列通路(26)と、水を吐水させる吐出通路(28)と、を備え、渦列通路は、上流側部材(18)の上流側嵌合部(18a)と、下流側部材(20)の下流側嵌合部(20a)とを互いに嵌合させることにより構成され、上流側部材又は下流側部材には、渦列通路内で発生した渦による上流側部材の振動を抑制する振動抑制部(18b)が設けられ、上流側嵌合部と下流側嵌合部を嵌合させたとき、振動抑制部を設けたことにより、上流側嵌合部又は下流側嵌合部が所定量弾性変形されることを特徴としている。【選択図】図7

Description

本発明は、吐水装置に関し、特に、水を往復振動させながら吐水する吐水装置に関する。
特開2021-35439号公報(特許文献1)には、吐水装置が記載されている。この吐水装置には、供給された水を往復振動させながら吐出させる振動発生素子が備えられている。振動発生素子は、給水通路と、この給水通路の下流端に設けられている湯水衝突部と、湯水衝突部に水が衝突することによって発生した渦を導く渦発生通路と、渦発生通路の下流側に設けられた吐水口通路と、を有する。吐水装置に供給された水は、振動発生素子の給水通路に流入し、その下流端に設けられた湯水衝突部に衝突する。水が湯水衝突部に衝突することによって、下流側の渦発生通路内では、交互に反対回りの渦が発生し、渦発生通路によって下流側に向かって導かれる。渦発生通路によって導かれた渦を含む水の流れは、渦発生通路よりも流路断面積の狭い吐水口通路から、往復振動しながら吐出される。
特許文献1に記載された振動発生素子は、給水通路と渦発生通路の間に湯水衝突部が設けられ、渦発生通路の下流側には、流路断面積の狭い吐水口通路が設けられている。振動発生素子はこのような構造を有するため、これを樹脂で一体成形することには困難が伴う。このため、特許文献1記載の振動発生素子は、給水通路、湯水衝突部、及び渦発生通路の上流側部分が設けられた第1部材と、渦発生通路の下流側部分が設けられた第2部材とを嵌合させることにより構成されている。
さらに、特許文献1記載の振動発生素子においては、上流側の第1部材を硬質部材で構成し、下流側の第2部材を軟質部材で構成している。これにより、振動発生素子からハンチングによる異音が発生するのを抑制している。即ち、振動発生素子の略長方形状の流入口(給水通路)に湯水が流入すると、流入口は平べったく潰れた後、元の形状に戻るという変形を繰り返し、この変形により異音が発生する。特許文献1記載の振動発生素子においては、給水通路が設けられた第1部材を硬質部材で構成することにより部材の変形を抑制し、これにより異音の発生を抑制しようとしている。
特開2021-35439号公報
しかしながら、本件発明者は、特許文献1記載の発明のように、ハンチングによる異音の発生を抑制しても、異なるメカニズムにより、依然として振動発生素子から異音が発生していることを突き止めた。
従って、本発明は、振動発生素子から発生する異音を、十分に抑制することができる吐水装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、水を往復振動させながら吐水する吐水装置であって、吐水装置本体と、この吐水装置本体に設けられ、所定の振動平面内で水を往復振動させながら吐水する振動発生素子と、を有し、振動発生素子は、供給された水が流入する給水通路と、この給水通路の流路断面の一部を閉塞するように、給水通路の下流側端部に配置され、給水通路によって導かれた水が衝突することで、その下流側に交互に反対回りの渦を発生させる衝突部と、この衝突部により形成された渦を導くように給水通路の下流に設けられた渦列通路と、渦列通路によって導かれた水を吐水させる吐出通路と、を備え、渦列通路は、渦列通路の上流側が形成された上流側部材の上流側嵌合部と、渦列通路の下流側が形成された下流側部材の下流側嵌合部とを互いに嵌合させることにより構成され、上流側嵌合部と下流側嵌合部は、何れか一方が軟質材料で形成され、他方は、軟質材料よりも弾性係数が大きい硬質材料で形成され、上流側部材又は下流側部材には、渦列通路内で発生した渦による上流側部材の振動を抑制する振動抑制部が設けられ、上流側嵌合部と下流側嵌合部を嵌合させたとき、振動抑制部を設けたことにより、上流側嵌合部と下流側嵌合部のうちの軟質材料で構成された方が所定量弾性変形されることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、吐水装置本体に設けられた振動発生素子の給水通路に流入した水は、衝突部に衝突し、下流側に交互に反対回りの渦が発生される。発生した渦を含む水の流れは、下流側の渦列通路によって導かれ、吐出通路から、所定の振動平面内で往復振動しながら吐出される。渦列通路は、その上流側が形成された上流側部材と、下流側が形成された下流側部材を接続することにより構成されている。即ち、上流側部材に設けられた上流側嵌合部と、下流側部材に設けられた下流側嵌合部とを互いに嵌合させることにより、渦列通路が構成される。さらに、上流側部材又は下流側部材には、渦列通路内で発生した渦による上流側部材の振動を抑制する振動抑制部が設けられ、この振動抑制部を設けたことにより、上流側嵌合部と下流側嵌合部を嵌合させたとき、上流側嵌合部と下流側嵌合部のうちの軟質材料で構成された方が所定量弾性変形される。
本件発明者は、振動発生素子の渦列通路を構成する上流側部材を硬質材料で構成し、ハンチングによって発生する異音を抑制した場合でも、依然として振動発生素子から発生する異音を十分に抑制できないことを見出した。本件発明者が鋭意研究を進めた結果、発生している異音は振動発生素子内で発生するエオルス音に起因するものであることが見出された。即ち、振動発生素子内に設けられた衝突部に湯水が衝突し、その下流側にカルマン渦が発生すると、この渦によりエオルス音が発生する。発生したエオルス音により、振動発生素子の上流側部材全体が振動し、耳につく異音が発生してしまう。このエオルス音に起因して発生する異音は、上流側部材が全体として振動するものであるから、上流側部材が変形することにより発生するハンチングに起因する異音とは発生メカニズムが異なり、上流側部材を硬質材料で構成しても十分に抑制することができない。
上記のように構成された本発明によれば、上流側部材又は下流側部材に、渦列通路内で発生した渦による上流側部材の振動を抑制する振動抑制部が設けられ、振動抑制部を設けたことにより、上流側嵌合部と下流側嵌合部を嵌合させたとき、上流側嵌合部と下流側嵌合部のうちの軟質材料で構成された方が所定量弾性変形される。これにより、上流側部材が下流側部材に対して強固に固定され、上流側部材の内部でエオルス音が発生したとしても、これに起因する上流側部材の振動を抑制することができ、異音の発生を十分に抑制することができる。また、上記のように構成された本発明によれば、上流側嵌合部と下流側嵌合部は、何れか一方が軟質材料で形成され、他方は硬質材料で形成されているので、上流側部材の振動を、軟質材料が持っている粘性により減衰させることができ、異音の発生を十分に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、振動抑制部は、上流側嵌合部又は下流側嵌合部の、少なくとも衝突部よりも下流側の部分に設けられている。
上記のように、エオルス音は振動発生素子の衝突部よりも下流側の部分で発生する。上記のように構成された本発明によれば、振動抑制部が衝突部よりも下流側の部分に設けられているので、上流側部材をエオルス音の発生する部位で強く抑えることができ、エオルス音に起因する異音を、より効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、振動抑制部は、上流側嵌合部と下流側嵌合部のうちの軟質材料で構成された方を、少なくとも振動平面に平行な方向に弾性変形させるように構成されている。
振動発生素子の衝突部の下流側に発生するカルマン渦は、振動平面に平行な方向に圧力変動を生じさせ、エオルス音を発生させる。このため、エオルス音に起因する上流側部材の振動は、振動平面に平行な方向の振動となる。上記のように構成された本発明によれば、振動抑制部は、上流側嵌合部又は下流側嵌合部を、少なくとも振動平面に平行な方向に弾性変形させるので、上流側部材の振動平面に平行な方向の動きを、より強力に抑制することができ、異音の発生を効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、振動抑制部は、上流側嵌合部と下流側嵌合部のうちの軟質材料で構成された方を、振動平面に平行な方向、及び振動平面に垂直な方向に弾性変形させるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、振動抑制部は、上流側嵌合部又は下流側嵌合部を、振動平面に平行な方向、及び振動平面に垂直な方向に弾性変形させるので、上流側部材を、強固に押さえることができ、異音の発生をより効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、吐水装置本体には振動発生素子が複数設けられ、これらの振動発生素子の下流側部材は一体化されている。
このように構成された本発明によれば、複数の振動発生素子の下流側部材が一体化されているので、下流側部材を軟質材料で構成した場合でも、下流側部材の剛性を高めることができ、上流側部材の振動を十分に押さえることができる。
本発明において、好ましくは、吐水装置本体には振動発生素子が複数設けられ、これらの振動発生素子の下流側部材は一体化されている一方、複数の振動発生素子の上流側部材は別体で構成されている。
このように構成された本発明によれば、複数の振動発生素子の下流側部材を一体化することにより下流側部材の剛性を高める一方、複数の振動発生素子の上流側部材を別体で構成することにより、複数の上流側部材の振動が共振して強め合うのを防止することができ、確実に異音の発生を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、振動抑制部は、上流側嵌合部又は下流側嵌合部の表面に設けられたリブ状の突起により構成されている。
このように構成された本発明によれば、振動抑制部がリブ状の突起により構成されているので、上流側嵌合部又は下流側嵌合部の弾性変形量を、容易にコントロールすることができ、適切な異音抑制効果を得ることができる。
本発明の吐水装置によれば、振動発生素子から発生する異音を、十分に抑制することができる。
本発明の第1実施形態による吐水装置を上方から見た分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置を下方から見た分解斜視図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、散水板に各上流側部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、散水板に各上流側部材を取り付けた状態の断面図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、上流側部材を散水板から取り外した状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、上流側部材を散水板に取り付けた状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、図6のVII-VII線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態による吐水装置において、図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態における振動発生素子を模式的に示す図である。 比較例として、一体で構成された振動発生素子を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態の吐水装置に備えられている振動発生素子の変形例を示す断面図である。 本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドの全断面図である。 本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドに備えられている振動発生素子の斜視断面図である。 本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドに備えられている振動発生素子を振動平面に平行な方向に切断した断面図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による吐水装置を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による吐水装置を上方から見た分解斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態による吐水装置を下方から見た分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の吐水装置1は、いわゆるハンドシャワーであって、吐水装置本体10と、この吐水装置本体10に取り付けられた散水板12と、散水板12の背面に取り付けられた複数の上流側部材18と、から構成されている。
吐水装置本体10は、吐水ヘッド部10aと把持部10bとを有し、供給された水が内部に流入するように構成されている。
散水板12は概ね円板状の部材であり、吐水装置本体10の吐水ヘッド部10aに取り付けられる。また、図2に示すように、散水板12の前面には、複数の円筒形の散水ノズル16が突出するように設けられている。
また、図1に示すように、上流側部材18は、散水板12の背面側に、環状に5つ並べて取り付けられ、散水板12の一部と共に、5つの振動発生素子を構成するようになっている。この振動発生素子は、供給された水を所定の振動平面内で往復振動させながら吐水するように構成されている。振動発生素子の詳細については後述する。
本実施形態の吐水装置1は、供給された水が吐水装置本体10内に流入し、吐水ヘッド部10aに取り付けられた散水板12の散水ノズル16及び振動発生素子を通ってシャワー吐水されるように構成されている。各散水ノズル16から吐出される水は夫々1本の線状に吐出され、各振動発生素子から吐出される水は、所定の振動平面内で往復振動しながら吐出される。
次に、図3乃至図8を新たに参照して、振動発生素子について説明する。
図3は散水板12に各上流側部材18を取り付けた状態を示す斜視図であり、図4は、その断面図である。また、図5及び図6は、1つの上流側部材18と、それが取り付けられる散水板12の一部を拡大して示す斜視図であり、図5は上流側部材を取り外した状態を示し、図6は上流側部材を散水板に取り付けた状態を示している。図7は、図6のVII-VII線に沿う断面図であり、図8は、図7のVIII-VIII線に沿う断面図である。
図4に示すように、散水板12は、ノズル形成部材12aと、このノズル形成部材12aの前面に配置された薄板部材12bから構成されている。ノズル形成部材12aは、円形の板部と、この板部から前面側に突出するように形成された複数の散水ノズル16から構成されている。薄板部材12bは、円形の薄板から構成され、各散水ノズル16を通すための複数の孔が設けられている。
図5に示すように、上流側部材18と、下流側部材20を接続することにより振動発生素子22が構成されている。即ち、本実施形態においては、図3に示すように、5つの上流側部材18は環状に並べられ、散水板12(のノズル形成部材12a)と一体に形成された5つの下流側部材20と夫々接続されることにより、5つの振動発生素子22が構成される。
即ち、図4に示すように、下流側部材20は、散水板12の背面側に突出するように形成された下流側嵌合部20a(図1)と、散水板12の前面側に突出するように形成された突出部20b(図2)から構成されている。これにより、本実施形態においては、各上流側部材18を散水板12の背面側に突出した下流側嵌合部20aに嵌合させることで、環状に配列された5つの振動発生素子22が構成される。このように、本実施形態において、吐水装置本体10には、複数の振動発生素子22が設けられ、5つの振動発生素子22の各下流側部材20は一体化されている一方、5つの振動発生素子22の各上流側部材18は別体で構成されている。
また、本実施形態においては、各上流側部材18は、硬質材料(例えばPOM(ポリアセタール))で形成されており、散水板12(下流側部材20)は、硬質材料よりも弾性係数が小さい軟質材料(例えばTPE(熱可塑性エラストマー))で形成されている。このように、本実施形態においては、上流側部材18の先端部分の上流側嵌合部18a(図5)を、散水板12の背面側に形成された下流側嵌合部20aに嵌め込むことにより両者が結合される。なお、硬質材料としては、通常の給水圧によって変形しない程度の強度をもつ材料であればよく、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)などでもよい。また、軟質材料は、使用者が力を加えることで容易に弾性変形する部材であればよく、例えば、シリコーンゴムなどでもよい。
図7に示すように、振動発生素子22は、供給された水が流入する給水通路24と、この給水通路24の下流に設けられた渦列通路26と、渦列通路によって導かれた水を吐水させる吐出通路28と、を有する。さらに、給水通路24の下流側の端部には、給水通路24の流路断面の一部を閉塞するように、衝突部30が設けられている。各振動発生素子22は、供給された水を、図7の紙面に平行な振動平面内で往復振動させながら、吐出通路28の下流端から吐水するように構成されている。
給水通路24は、吐水装置本体10内に流入した水が流入するように構成された、断面の寸法、形状が一定の通路である。また、給水通路24は、振動平面に平行な方向の幅が、振動平面と直角な方向の高さよりも大きい扁平な長方形断面を有するように形成されている。また、給水通路24の下流には、同一の断面形状に構成された渦列通路26が連続して設けられている。
衝突部30は、給水通路24の下流側の端部に、給水通路24の流路断面の一部を閉塞するように設けられている。即ち、衝突部30は、給水通路24、渦列通路26を形成する、振動平面に平行な2つの内壁面同士を連結するように設けられている(図8)。また、本実施形態において、衝突部30は、振動平面に直角な方向から見て、直角二等辺三角形状に形成されており、その斜辺が上流側に向くように、給水通路24の中央に配置されている。この衝突部30には、給水通路24によって導かれた水が衝突することで、その下流側に交互に反対回りの渦が発生する。
渦列通路26は、給水通路24の下流に形成され、衝突部30により形成された渦を導くように構成されている。また、渦列通路26は、その上流部において、給水通路24の下流端と同一の断面寸法、形状で連続するように形成された通路である。即ち、渦列通路26は、振動平面に平行な方向の幅が、振動平面と直角な方向の高さよりも広く形成された扁平な長方形断面を有する通路である。衝突部30により形成された渦は、この渦列通路26によって導かれることにより成長しながら下流へ移動する。なお、本実施形態において、渦列通路26は、幅一定に構成されているが、変形例として、下流側に向けて幅が狭くなるように渦列通路26を形成することもできる。
吐出通路28は、渦列通路26の下流に接続された流路であり、渦列通路26によって導かれた水を吐水させるように構成されている。また、吐出通路28の上流端の幅は渦列通路26の下流端の幅よりも狭く、下流側に向けてテーパ状に幅が広くなっている。一方、図8に示すように、吐出通路28の、振動平面と直角な方向の高さは、渦列通路26の下流側における高さと同一であり、上流端から下流端まで一定の高さにされている。衝突部30の下流側で発生した交互に反対回りの渦は、渦列通路26において成長し、吐出通路28から吐出される。この際、反対回りの渦が交互に到達することにより、吐出通路28から吐出される水の方向が振動平面内で往復振動する。
次に、振動発生素子22の分割構造について説明する。
上述したように、各振動発生素子22は、上流側部材18と下流側部材20の2つの部材から構成されており、上流側部材18には、給水通路24と、渦列通路26の上流側の部分が形成されている。また、下流側部材20には、渦列通路26の下流側の部分と、吐出通路28が形成されている。即ち、渦列通路26は、上流側が上流側部材18に形成され、下流側が下流側部材20に形成され、上流側部材18と下流側部材20を接続することにより構成されている。さらに、上流側部材18と下流側部材20は、下流側部材20の基端(上流端)に設けられた下流側嵌合部20aの中に、上流側部材18の先端(下流端)に設けられた上流側嵌合部18aを嵌め込むことにより結合され、振動発生素子22を構成している。
次に、図9及び図10を参照して、振動発生素子22を2つの部材から構成することによる製造上の利点について説明する。図9は、2つの部材から構成された本実施形態における振動発生素子を模式的に示す図であり、図10は、比較例として、一体で構成された振動発生素子を模式的に示す図である。
図9に示すように、本実施形態の振動発生素子22は、上流側部材18及び下流側部材20から構成され、渦列通路26が2つの部材から構成されている。このため、射出成形により上流側部材18を成形する場合には、成形型M1及びM2を衝突部30の部分で分割しておくことにより、成形型M1及びM2を上流側及び下流側から夫々抜き取ることができる。同様に、下流側部材20を成形する場合には、成形型M3及びM4を渦列通路26と吐出通路28の境界で分割しておくことにより、上流側及び下流側から成形型M3及びM4を夫々抜き取ることができる。このため、上流側部材18及び下流側部材20は、射出成形等により、容易に成形することができる。
一方、図10に示すように、一体で成形された比較例の振動発生素子32では、射出成形を行う場合、成形型M5を上流側から引き抜くことができるものの、成形型M6は、図中に破線で囲った部分が係合してしまう。このため、成形型M6を下流側から容易に引き抜くことはできず、これを可能とするために、射出成形に使用する材料として、弾性変形が可能なものを選択する等の対策が必要となる。このため、振動発生素子を一体で成形する場合には、材料の選択等に一定の制約が発生し、本実施形態のように振動発生素子22を分割構造とすることには大きなメリットがある。
このように、振動発生素子22を、上流側部材18と、下流側部材20の分割構造とすることには大きなメリットがあるが、渦列通路26の内部で発生するエオルス音に起因して、上流側部材18全体が振動してしまうという問題が発生する。このエオルス音に起因した異音の発生を抑制するために、本実施形態の吐水装置1に備えられている振動発生素子22では、上流側部材18の外壁面に振動抑制部が設けられている。
即ち、図5に示すように、本実施形態の吐水装置1に備えられている振動発生素子22では、略直方体形状の上流側部材18の、振動平面に直交する両側の側面に振動抑制部18bが形成されている。この振動抑制部18bは、上流側部材18の外側の側面の中央に、長手方向(振動発生素子22内で水が流れる方向)に延びる半円形断面のリブ状の突起である。この振動抑制部18bは、上流側部材18の両側の側面に夫々設けられ、上流側部材18の長手方向に、上流側部材18の基端から先端まで延びている。従って、振動抑制部18bは、振動発生素子22の給水通路24から渦列通路26の途中まで延びている。或いは、変形例として、振動発生素子22の衝突部30よりも下流側の部分のみに振動抑制部18bを設けることもできる。
上流側部材18先端の上流側嵌合部18aは、下流側部材20基端の下流側嵌合部20aに挿入され、互いに嵌合される。そして、本実施形態において、振動抑制部18bは、上流側嵌合部18aの表面に設けられたリブ状の突起により構成されている。ここで、振動抑制部18bを構成する両側のリブ状の突起の頂部から頂部までの幅W1は、上流側部材18を受け入れる下流側嵌合部20aの内壁面の間の幅W2よりも大きく構成されている。このため、図6に示すように、上流側部材18先端の上流側嵌合部18aを、下流側部材20基端の下流側嵌合部20aの中に嵌合させると、下流側嵌合部20aの内壁面が振動平面に平行で、且つ渦列通路26の延びる方向に対して直角な方向に所定量弾性変形される。本実施形態においては、上流側部材18が硬質材料で形成され、下流側部材20が軟質材料で形成されている。このため、上流側部材18を下流側部材20の中に嵌め込むと、主として、硬質材料で形成された上流側部材18が、軟質材料で形成された下流側嵌合部20aの内壁面を弾性変形させる。即ち、上流側部材18の上流側嵌合部18aを下流側部材20の下流側嵌合部20aの中に嵌め込むと、上流側嵌合部18aに形成されたリブ状の振動抑制部18bが、これに対向する下流側嵌合部20aの内壁面を、振動平面に平行な方向に弾性変形させる。
なお、本実施形態において、振動抑制部18bを構成する両側のリブ状の突起の頂部から頂部までの幅W1は、上流側部材18を受け入れる下流側嵌合部20aの内壁面の間の幅W2よりも約0.5mm大きく構成されている。このように、幅W1を幅W2よりも大きく構成し、嵌合させたとき、上流側部材18又は下流側部材20を所定量弾性変形させることにより、上流側部材18を強固に押さえることができ、エオルス音に起因する上流側部材18の振動を抑制することができる。即ち、上流側部材18の内部でエオルス音が発生すると、上流側部材18には振動平面に平行な方向の加振力が作用するが、上流側部材18の両側側面に振動抑制部18bを設けることにより、上流側部材18の、振動平面に平行な方向の振動を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態においては、上流側部材18を下流側部材20の中に挿入することにより両者を嵌合させているが、変形例として、下流側部材を上流側部材の中に挿入することにより両者を嵌合させるように本発明を構成することもできる。この場合には、振動抑制部18bを上流側嵌合部18aの内壁面に形成し、下流側嵌合部20aの外壁面が、振動平面に平行な方向に弾性変形されるように本発明を構成することもできる。さらに、本実施形態においては、上流側部材18に振動抑制部18bを設けているが、変形例として、下流側部材20に振動抑制部を設けるように本発明を構成することもできる。
このように、下流側部材20に振動抑制部を設け、上流側部材18を硬質材料で形成し、下流側部材20を軟質材料で形成した場合には、上流側嵌合部18aを下流側嵌合部20aの中に嵌合させたとき、振動抑制部18bが形成された下流側嵌合部20aが、これに対向する上流側嵌合部18aの内壁面によって、振動平面に平行な方向に弾性変形される。一方、上流側嵌合部18aを軟質材料で形成し、下流側部材20を硬質材料で形成した場合には、上流側嵌合部18aを下流側嵌合部20aの中に嵌合させたとき、下流側嵌合部20aに形成された振動抑制部18bによって、これに対向する上流側嵌合部18aの内壁面が、振動平面に平行な方向に弾性変形される。
また、本実施形態においては、下流側部材20が軟質材料で形成され、上流側部材18が軟質材料よりも弾性係数が大きい硬質材料で形成されているが、変形例として、下流側部材20の下流側嵌合部20aを硬質材料で形成し、上流側部材18の上流側嵌合部18aを軟質材料で形成することもできる。さらに、上流側部材18及び下流側部材20は、必ずしも単一の材料で構成されている必要はなく、軟質材料と硬質材料の複合材とすることもできる。例えば、上流側部材18を、二色成形により軟質材料と硬質材料が一体化された部材として成形し、先端側の上流側嵌合部18aを軟質材料で形成する一方、上流側部材18の基端側を硬質材料で形成することもできる。これにより、上流側部材18の基端側を硬質材料で形成して、上流側部材18のハンチングによる変形を抑制しながら、上流側嵌合部18aを軟質材料で形成することが可能になる。
次に、図11を参照して、本発明の実施形態の吐水装置に備えられている振動発生素子の変形例を説明する。
図11は、変形例による振動発生素子を、上流側部材と下流側部材に分解した状態を示す斜視図である。
図11に示すように、変形例による振動発生素子34は、上流側部材36と、下流側部材38から構成されている。本変形例においても、上流側部材36先端の上流側嵌合部36aが、下流側部材38基端の下流側嵌合部38aの中に嵌め込まれることにより、両者が嵌合される。また、上流側部材36及び下流側部材38の内部に構成された給水通路、渦列通路、吐出通路、及び衝突部(図示せず)の構造は、上述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
図11に示すように、本変形例においては、上流側部材36の上流側嵌合部36aに、振動抑制部36bが設けられている。この振動抑制部36bは、上流側部材36の両側の外側面に、長手方向に対して直角な方向(振動発生素子34内で水が流れる方向に対して直角な方向)に延びるように形成された半円形断面のリブ状の突起である。また、振動抑制部36bは、上流側部材36の内部に形成された衝突部(図示せず)よりも下流側の部分に設けられている。なお、本変形例においても、振動抑制部36bを構成する両側のリブ状の突起の頂部から頂部までの幅W3は、上流側部材36を受け入れる下流側嵌合部38aの内壁面の間の幅W4よりも大きく構成されている。このように、幅W3を幅W4よりも大きく構成し、嵌合させたとき、上流側部材36又は下流側部材38を所定量弾性変形させることにより、上流側部材36を強固に押さえることができ、エオルス音に起因する上流側部材36の振動を抑制することができる。
なお、本変形例において、振動抑制部36bは、上流側部材36の上流側嵌合部36aの両側側面に設けられているが、上流側嵌合部36aの前面及び背面(上流側部材36の振動平面に平行な2つの外面)に振動抑制部(図示せず)を設けることもできる。この場合において、上流側部材36の両側側面に設けた振動抑制部36bと、上流側部材36の前面及び背面に設けた振動抑制部(図示せず)を連続させ、上流側部材36の外周面を一周するように連続して振動抑制部を設けることもできる。
このように、上流側嵌合部36aの前面及び背面に振動抑制部(図示せず)を設けた場合には、それらの振動抑制部が、振動抑制部に夫々対向するように設けられた下流側嵌合部38aの内壁面に押し付けられ、内壁面を振動平面に垂直な方向に弾性変形させる。また、上流側嵌合部36aの前面及び背面に設けた振動抑制部(図示せず)と、それに対向するように設けられた下流側嵌合部38aの内壁面の間には摩擦力が作用する。この摩擦力は振動平面に平行な方向に作用するため、エオルス音に起因する、振動平面に平行な方向の上流側部材36の振動を抑制することができる。
さらに、上述した第1実施形態及び変形例においては、上流側嵌合部の一部をリブ状に隆起させることにより、振動抑制部を構成していたが、一部を隆起させるのではなく、上流側嵌合部の側面全体を振動抑制部として構成することもできる。この場合には、上流側嵌合部の両側の側面の間の幅を、下流側嵌合部の両側の内壁面の間の幅よりも大きく構成しておき、上流側嵌合部と下流側嵌合部が嵌合されたとき、上流側嵌合部又は下流側嵌合部が所定量弾性変形されるように、上流側部材及び下流側部材を構成する。
本発明の第1実施形態の吐水装置1によれば、上流側部材18に、渦列通路26内で発生した渦による上流側部材18の振動を抑制する振動抑制部18bが設けられ、振動抑制部18bは、上流側嵌合部18aと下流側嵌合部20aを嵌合させたとき、軟質材料で構成された下流側嵌合部20aを、所定量弾性変形させる。これにより、上流側部材18が下流側部材20に対して強固に固定され、上流側部材18の内部でエオルス音が発生したとしても、これに起因する上流側部材18の振動を抑制することができ、異音の発生を十分に抑制することができる。また、本実施形態の吐水装置1によれば、下流側嵌合部20aが軟質材料で形成され、上流側嵌合部18aが硬質材料で形成されているので、上流側部材18の振動を、軟質材料が持っている粘性により減衰させることができ、異音の発生を十分に抑制することができる。
また、本実施形態の吐水装置1によれば、振動抑制部18bが衝突部30よりも下流側の部分に設けられているので、上流側部材18をエオルス音の発生する部位で強く抑えることができ、エオルス音に起因する異音を、より効果的に抑制することができる。
さらに、本実施形態の吐水装置1によれば、振動抑制部18bは、下流側嵌合部20aを、振動平面に平行な方向に弾性変形させるので、上流側部材18の振動平面に平行な方向の動きを、より強力に抑制することができ、異音の発生を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の吐水装置1によれば、複数の振動発生素子22の下流側部材20を一体化することにより下流側部材20の剛性を高める一方、複数の振動発生素子22の上流側部材18を別体で構成することにより、複数の上流側部材18の振動が共振して強め合うのを防止することができ、確実に異音の発生を抑制することができる。
次に、図12乃至図15を参照して、本発明の第2実施形態の吐水装置であるシャワーヘッドを説明する。
本実施形態の吐水装置は、吐水装置本体が円柱形に構成されている点、及び内蔵されている振動発生素子がバイパス通路を備えている点が上述した第1実施形態とは異なる。従って、以下では、本実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図12は本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。図13は本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドの全断面図である。図14は本発明の第2実施形態によるシャワーヘッドに備えられている振動発生素子の斜視断面図である。図15は振動発生素子を振動平面に平行な方向に切断した断面図である。
図12に示すように、本実施形態のシャワーヘッド100は、概ね円柱形の吐水装置本体であるシャワーヘッド本体102と、このシャワーヘッド本体102内に、軸線方向に一直線に並べて埋め込まれた9つの振動発生素子104と、を有する。本実施形態のシャワーヘッド100は、シャワーヘッド本体102の基端部102aに接続されたシャワーホース(図示せず)から水が供給されると、各振動発生素子104の吐水口104aから水が往復振動しながら吐出される。
次に、図13を参照して、シャワーヘッド100の内部構造を説明する。
図13に示すように、シャワーヘッド本体102内には、通水路を形成すると共に、各振動発生素子104を保持する通水路形成部材106が内蔵されている。
通水路形成部材106は、概ね円筒形の部材であり、シャワーヘッド本体102の内部に供給された水の流路を形成するように構成されている。通水路形成部材106の基端部には、シャワーホース(図示せず)が水密的に接続されるようになっている。また、通水路形成部材106の内部には、概ね軸線方向に延びる主通水路106aが形成されている。
さらに、通水路形成部材106には、各振動発生素子104を挿入して保持するための9つの素子挿入孔106cが、主通水路106aと連通するように形成されている。各素子挿入孔106cは、通水路形成部材106の外周面から主通水路106aまで延びるように形成されている。また、各素子挿入孔106cは、概ね等間隔に、軸線方向に一直線に並べて形成されている。これにより、通水路形成部材106の主通水路106a内に流入した水は、通水路形成部材106に保持された各振動発生素子104に、その背面側から流入し、正面に設けられた吐水口104aから吐出される。
次に、図14及び図15を参照して、本実施形態のシャワーヘッドに内蔵されている振動発生素子104の構成を説明する。なお、図14及び図15は、振動発生素子104を振動平面に平行な面で切断した断面図であり、振動発生素子104は、この断面に対して対称に構成されている。
図14及び図15に示すように、振動発生素子104は概ね薄い直方体状の部材であり、その正面側の端面には長方形の吐水口104aが設けられ、背面側の端面中央には主流入口104bが形成され、その両側にはバイパス流入口104cが設けられている。各振動発生素子104が素子挿入孔106cに挿入されると、主流入口104b及びバイパス流入口104cが通水路形成部材106の主通水路106aに連通する。
また、振動発生素子104は、上流側部材118と下流側部材120の2つの部材から構成されており、上流側部材118の上流側嵌合部118aが背面側から下流側部材120の下流側嵌合部120aの中に挿入されている。この構成により、上流側部材118の両側側面と、下流側部材120の内壁面との間に、第2給水通路140(図15)が夫々形成される。なお、本実施形態においても、下流側部材120は軟質材料で形成され、上流側部材118は、軟質材料よりも弾性係数が大きい硬質材料で形成されている。
さらに、図15に示すように、振動発生素子104の内部には、上流側から順に、給水通路124、渦列通路126、吐出通路128が形成されている。また、給水通路124の下流側端部には、衝突部130が設けられている。ここで、給水通路124と、渦列通路126の上流側は上流側部材118の内部に形成され、渦列通路126の下流側と、吐出通路128は下流側部材120の内部に形成されている。
給水通路124は、振動発生素子104背面側の主流入口104bから延びる断面積一定の長方形断面の直線状の通路である。
渦列通路126は、給水通路124の下流に、給水通路124に連続して設けられた長方形断面の通路である。即ち、本実施形態においては、上流側部材118の内部に設けられた給水通路124及び渦列通路126の上流側は、同一の断面形状で一直線に延びている。また、渦列通路126の下流側の部分は、下流側部材120の内部に設けられている。
吐出通路128は、渦列通路126と連通するように下流側に設けられた通路であり、下流に向かって幅が広くなるように構成されている。また、吐出通路128の高さは、一定に構成されている。この吐出通路128の上流端における流路断面積は、渦列通路126の流路断面積よりも小さく、渦列通路126によって導かれた渦列を含む水流が絞られて、吐水口104aから吐出される。
さらに、渦列通路126の両側の側面には、互いに向かい合うように、長方形断面のバイパス通路142(図15)が夫々設けられている。各第2給水通路140から夫々流入した水は、各バイパス通路142を通り、衝突部130よりも下流側において、渦列通路126の側面から渦列通路126に流入する。各バイパス通路142は、上流側部材118と下流側部材120の接続部に設けられている。このため、バイパス通路142を構成する内壁面の一部が下流側部材120に設けられ、残りの部分が上流側部材118に設けられている。これにより、バイパス通路142を成形するための成形型(図示せず)を、バイパス通路142の方向(側方)に向けて抜く構成とする必要がなく、バイパス通路142を有する振動発生素子104を容易に成形することができる。
一方、給水通路124の下流端に形成された衝突部130は、給水通路124の流路断面の一部を閉塞するように設けられている。この衝突部130は、給水通路124の高さ方向に対向する壁面(天井面及び床面)を連結するように延びる三角柱状の部分であり、給水通路124の幅方向の中央に、島状に配置されている。衝突部130の断面は、直角二等辺三角形状に形成されており、その斜辺が給水通路124の中心軸線と直交するように配置され、また、直角二等辺三角形の直角の部分は下流側に向くように配置されている。
さらに、図14に示すように、上流側部材118の両側の側面には、振動抑制部118bが夫々設けられている。これらの振動抑制部118bは、上流側部材118の長手方向(振動発生素子104内で湯水が流れる方向)に対して直角に延びる半円形断面のリブ状の突起である。なお、本実施形態においては、上流側部材118の両側の側面全体に振動抑制部118bが設けられているが、変形例として、第2給水通路140に面する部分には振動抑制部118bを設けなくても良い。
また、振動抑制部118bが形成された上流側部材118先端の上流側嵌合部118aは、下流側部材120の下流側嵌合部120aに挿入され、上流側部材118と下流側部材120が嵌合される。ここで、上流側嵌合部118aに設けられた各振動抑制部118bの頂部の間の幅W5は、上流側嵌合部118aを受け入れる下流側嵌合部120aの内壁面の間の幅W6よりも大きく構成されている。このため、図15に示すように、上流側部材118と下流側部材120を嵌合させると、主として、軟質材料で形成された下流側部材120の下流側嵌合部120aが、振動平面に平行な方向に所定量弾性変形される。これにより、上流側部材118が下流側部材120により強固に押さえられる。
また、本実施形態に備えられている振動発生素子104においても、衝突部130を設けることにより、その下流側にカルマン渦が生成され、吐水口104aから吐出される水が往復振動される。このカルマン渦により、振動発生素子104内でエオルス音が発生した場合でも、上流側部材118が下流側部材120によって強固に押さえられているため、エオルス音に起因した上流側部材118の振動を十分に抑制することができる。
さらに、上述したように、渦列通路126の両側の側面にはバイパス通路142が互いに向かい合うように設けられており、第2給水通路140からバイパス通路142を通った水が流入する。このため、バイパス通路142は、渦列通路126が延びる方向に対して直交する方向に水を流入させる。
各バイパス通路142からの湯水は、衝突部130によって形成されたカルマン渦を含む流れに側面から合流する。即ち、バイパス通路142を通って流入する水は、衝突部130を迂回して、渦列通路126の中に流入する。
このように、衝突部130によって形成されたカルマン渦を含む流れに、各バイパス通路142からの水が渦列通路126内で合流するため、渦列の進行に伴う吐水口104aにおける流速の変化は小さくなる。これにより、吐出される水の偏向が小さくなり、噴射される水の振動振幅が小さくなる。即ち、衝突部130を通って渦列通路126に流入する水の流量と、バイパス通路142から流入する水の流量の割合を、適宜設定することにより、水の振動振幅を自由に設計することができる。
本発明の第2実施形態の吐水装置によれば、振動発生素子104がバイパス通路142を備えている(図15)ので、振動発生素子104から吐出される水の往復振動の振幅等を、バイパス通路142から流入する水の流量によっても調整することができる。また、バイパス通路142の内壁面の一部が下流側部材120によって形成されているので、バイパス通路142を備えた形態の振動発生素子104も、容易に成形することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、本発明をシャワーヘッドに適用していたが、台所のシンクや洗面台等で使用する水栓装置や、便座等に備えられる温水洗浄装置等、任意の吐水装置に本発明を適用することができる。また、上述した実施形態においては、シャワーヘッドに複数の振動発生素子が備えられていたが、吐水装置には適用に応じて任意の個数の振動発生素子を備えることができ、単一の振動発生素子を備えた吐水装置を構成することもできる。
また、上述した実施形態においては、下流側部材に上流側部材を嵌め込むことにより、両部材が嵌合されていたが、上流側部材に下流側部材を嵌め込むことにより、両者が嵌合される構成とすることもできる。
なお、上述した本発明の実施形態において、振動発生素子内の通路について、便宜的に「幅」、「高さ」等の用語を用いて形状を説明したが、これらの用語は振動発生素子を設ける方向を規定するものではなく、振動発生素子は任意の方向に向けて使用することができる。例えば、上述した実施形態における「高さ」の方向を水平方向に向けて振動発生素子を使用することもできる。
1 吐水装置
10 吐水装置本体
10a 吐水ヘッド部
10b 把持部
12 散水板
12a ノズル形成部材
12b 薄板部材
16 散水ノズル
18 上流側部材
18a 上流側嵌合部
18b 振動抑制部
20 下流側部材
20a 下流側嵌合部
20b 突出部
22 振動発生素子
24 給水通路
26 渦列通路
28 吐出通路
30 衝突部
32 比較例による振動発生素子
34 振動発生素子
36 上流側部材
36a 上流側嵌合部
36b 振動抑制部
38 下流側部材
38a 下流側嵌合部
100 シャワーヘッド
102 シャワーヘッド本体
102a 基端部
104 振動発生素子
104a 吐水口
104b 主流入口
104c バイパス流入口
106 通水路形成部材
106a 主通水路
106c 素子挿入孔
118 上流側部材
118a 上流側嵌合部
120 下流側部材
120a 下流側嵌合部
124 給水通路
126 渦列通路
128 吐出通路
130 衝突部
140 第2給水通路
142 バイパス通路

Claims (7)

  1. 水を往復振動させながら吐水する吐水装置であって、
    吐水装置本体と、
    この吐水装置本体に設けられ、所定の振動平面内で水を往復振動させながら吐水する振動発生素子と、を有し、
    上記振動発生素子は、
    供給された水が流入する給水通路と、
    この給水通路の流路断面の一部を閉塞するように、上記給水通路の下流側端部に配置され、上記給水通路によって導かれた水が衝突することで、その下流側に交互に反対回りの渦を発生させる衝突部と、
    この衝突部により形成された渦を導くように上記給水通路の下流に設けられた渦列通路と、
    上記渦列通路によって導かれた水を吐水させる吐出通路と、を備え、
    上記渦列通路は、渦列通路の上流側が形成された上流側部材の上流側嵌合部と、渦列通路の下流側が形成された下流側部材の下流側嵌合部とを互いに嵌合させることにより構成され、
    上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部は、何れか一方が軟質材料で形成され、他方は、上記軟質材料よりも弾性係数が大きい硬質材料で形成され、
    上記上流側部材又は上記下流側部材には、上記渦列通路内で発生した渦による上記上流側部材の振動を抑制する振動抑制部が設けられ、
    上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部を嵌合させたとき、上記振動抑制部を設けたことにより、上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部のうちの上記軟質材料で構成された方が所定量弾性変形されることを特徴とする吐水装置。
  2. 上記振動抑制部は、上記上流側嵌合部又は上記下流側嵌合部の、少なくとも上記衝突部よりも下流側の部分に設けられている請求項1記載の吐水装置。
  3. 上記振動抑制部を設けたことにより、上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部を嵌合させたとき、上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部のうちの上記軟質材料で構成された方が少なくとも上記振動平面に平行な方向に弾性変形されるように構成されている請求項1又は2に記載の吐水装置。
  4. 上記振動抑制部を設けたことにより、上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部を嵌合させたとき、上記上流側嵌合部と上記下流側嵌合部のうちの上記軟質材料で構成された方が上記振動平面に平行な方向、及び振動平面に垂直な方向に弾性変形させるように構成されている請求項1又は2に記載の吐水装置。
  5. 上記吐水装置本体には上記振動発生素子が複数設けられ、これらの振動発生素子の下流側部材は一体化されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の吐水装置。
  6. 上記吐水装置本体には上記振動発生素子が複数設けられ、これらの振動発生素子の下流側部材は一体化されている一方、上記複数の振動発生素子の上流側部材は別体で構成されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の吐水装置。
  7. 上記振動抑制部は、上記上流側嵌合部又は上記下流側嵌合部の表面に設けられたリブ状の突起により構成されている請求項1乃至6の何れか1項に記載の吐水装置。
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