JP6681015B2 - 吐水装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1及び2に記載の流体素子をシャワーヘッド等の吐水装置に応用した場合には、噴射される湯水の浴び心地が良くないという問題が、本件発明者により見出された。ここで、発明者が目標としている良好な浴び心地とは、大きな液滴の湯水が、広範囲に万遍なく吐出されている状態を意味している。即ち、シャワーヘッドから吐出される湯水の液滴が過度に小さい場合には湯水がミスト状となり、同量の湯水を浴びていたとしてもシャワーを浴びている実感を得ることができない。また、吐出される湯水が吐水範囲内で不均一になっていると、使用者が意図してシャワーをあてた部分を均一に洗い流すことができず、使用感の悪いものとなる。
このように構成された本発明によれば、湯水衝突部は、その下流端が渦列通路の上流端よりも下流側に配置されているので、テーパした渦列通路が湯水衝突部の下流端よりも上流側から形成されることとなり、湯水衝突部により形成された渦を効果的に導くことができる。また、渦列通路を流れる湯水が高い圧力で渦列通路のテーパした壁面に押し付けられることがなく、吐出する湯水に作用するコアンダ効果を低減することができる。
このように構成された本発明によれば、湯水衝突部は、その上流端が渦列通路の上流端よりも上流側に配置されているので、湯水衝突部の上流端はテーパした渦列通路よりも上流側に位置することとなり、湯水衝突部により渦列を効率良く形成することができる。
このように構成された本発明によれば、吐水流量による吐水範囲の変化と、吐出時におけるコアンダ効果の発生をバランス良く抑制することができる。
まず、図1乃至図7を参照して、本発明の第1実施形態によるシャワーヘッドを説明する。図1は本発明の第1実施形態によるシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。図2は本発明の第1実施形態によるシャワーヘッドの全断面図である。図3は本発明の第1実施形態によるシャワーヘッドに備えられている振動発生素子の外観を示す斜視図である。また、図4は、(a)本実施形態における振動発生素子の平面断面図であり、(b)振動発生素子の垂直断面図である。
本実施形態のシャワーヘッド1は、シャワーヘッド本体2の基端部2aに接続されたシャワーホース(図示せず)から湯水が供給されると、各振動発生素子4の吐水口4aから湯水が往復振動しながら吐出される。なお、本実施形態においては、湯水は、シャワーヘッド本体2の中心軸線に概ね直交する平面内で、所定の中心角を有する扇形を形成するように、各吐水口4aから吐出される。
図2に示すように、シャワーヘッド本体2内には、通水路を形成する通水路形成部材6と、各振動発生素子4を保持する振動発生素子保持部材8が内蔵されている。
通水路形成部材6は、概ね円筒形の部材であり、シャワーヘッド本体2の内部に供給された湯水の流路を形成するように構成されている。通水路形成部材6の基端部には、シャワーホース接続部材6aが水密的に接続されるようになっている。また、通水路形成部材6の先端部は、半円形断面状に切り欠かれており、この切り欠き部分に振動発生素子保持部材8が配置される。
図3に示すように、振動発生素子4は概ね薄い直方体状の部材であり、その正面側の端面には長方形の吐水口4aが設けられ、背面側の端部には鍔部4bが形成されている。さらに、振動発生素子4の周囲を一周するように、鍔部4bと平行に溝4cが設けられている。この溝4cにはOリング(図示せず)が嵌め込まれ、振動発生素子保持部材8の素子挿入孔8aとの間の水密性が確保される。また、振動発生素子4は、鍔部4bにより振動発生素子保持部材8に対して位置決めされると共に、水圧による振動発生素子保持部材8からの脱落が防止されている。
図4(a)に示すように、振動発生素子4の内部には、長手方向に貫通するように長方形断面の通路が形成されている。この通路は、上流側から順に、給水通路10a、渦列通路10b、整流通路10cとして形成されている。
給水通路10aは、振動発生素子4背面側の流入口4dから延びる断面積一定の長方形断面の直線状の通路である。
渦列通路10bは、給水通路10aの下流側に、給水通路10aに連なるように(段差なく)設けられた長方形断面の通路である。即ち、給水通路10aの下流端と、渦列通路10bの上流端は、同一の寸法形状を有している。渦列通路10bの対向する一対の壁面(両側壁面)は、下流側に向けて流路断面積が渦列通路10b全体に亘って縮小するようにテーパして構成されている。即ち、渦列通路10bは下流側に向けて細く、次第に幅が狭くなるように構成されている。
図5は、本発明の実施形態によるシャワーヘッド1に備えられている振動発生素子4における湯水の流れを解析した流体シミュレーションの結果を示す図である。図6は、比較例として、図10に示した構造の振動発生素子における湯水の流れを解析した流体シミュレーションの結果を示す図である。図7(a)は、本発明の実施形態によるシャワーヘッド1に備えられている単一の振動発生素子4から吐出された湯水の流れを示すストロボ写真の一例である。図7(b)は、比較例として、図10に示した構造の振動発生素子から吐出された湯水の流れを示すストロボ写真の一例である。
本実施形態のシャワーヘッドは、内蔵されている振動発生素子の通路の構成のみが、上述した第1実施形態とは異なっている。従って、ここでは、本実施形態の第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図8(a)に示すように、振動発生素子20の内部には、長手方向に貫通するように長方形断面の通路が形成されている。この通路は、上流側から順に、給水通路22a、渦列通路22b、整流通路22cとして形成されている。
給水通路22aは、振動発生素子20背面側の流入口20dから延びる断面積一定の長方形断面の直線状の通路である。
渦列通路22bは、給水通路22aの下流側に、給水通路22aに連なるように設けられた長方形断面の通路である。即ち、給水通路22aの下流端と、渦列通路22bの上流端は、同一の寸法形状を有している。渦列通路22bの対向する一対の壁面(両側面)は、下流側に向けて流路断面積が縮小するようにテーパして構成されている。即ち、渦列通路22bは下流側に向けて細くなるように、次第に幅が狭くなるように構成されている。
2 シャワーヘッド本体(吐水装置本体)
4 振動発生素子
4a 吐水口
4b 鍔部
4c 溝
4d 流入口
6 通水路形成部材
6a シャワーホース接続部材
6b パッキン
8 振動発生素子保持部材
8a 素子挿入孔
10a 給水通路
10b 渦列通路
10c 整流通路
12 段部(剥離部)
14 湯水衝突部
20 振動発生素子
20a 吐水口
20d 流入口
22a 給水通路
22b 渦列通路
22c 整流通路
24 湯水衝突部
102 噴射ノズル
102a 噴射口
104 フィードバック流路
110 前室
110a 壁面
110b 壁面
112 出口
114 入口孔
116 障害物
Claims (7)
- 吐水口から湯水を往復振動させながら吐出する吐水装置であって、
吐水装置本体と、
この吐水装置本体に設けられ、供給された湯水を往復振動させながら吐出する振動発生素子と、を有し、
上記振動発生素子は、
上記吐水装置本体から供給された湯水が流入する給水通路と、
この給水通路の流路断面の一部を閉塞するように、上記給水通路の下流側端部に配置され、上記給水通路によって導かれた湯水が衝突することで、その下流側に交互に反対回りの渦を発生させる湯水衝突部と、
上記給水通路の下流側に設けられ、上記湯水衝突部により形成された渦を成長させながら導く渦列通路と、
この渦列通路の下流側に設けられ、上記渦列通路によって導かれた渦列を含む湯水を整流して吐出させる整流通路と、を有し、
上記渦列通路の対向する一対の壁面は、下流側に向かって流路断面積が縮小するように、全体に亘ってテーパするように構成され、
上記給水通路の下流側の端部は流路断面積が一定であると共に、上記給水通路の下流側の端部の対向する一対の壁面は平行で、上記渦列通路の対向する一対の壁面と連続していることを特徴とする吐水装置。 - 上記湯水衝突部は、その下流端が上記渦列通路の上流端よりも下流側に配置されている請求項1記載の吐水装置。
- 上記湯水衝突部は、その上流端が上記渦列通路の上流端よりも上流側に配置されている請求項1又は2に記載の吐水装置。
- 上記渦列通路のテーパした一対の壁面は、上記渦列通路の中心軸線に対して3゜乃至25゜傾斜している請求項1乃至3の何れか1項に記載の吐水装置。
- 上記渦列通路の軸線方向の長さは、上記渦列通路の基端部における両側の壁面間の距離よりも長い請求項1乃至4の何れか1項に記載の吐水装置。
- 上記渦列通路の軸線方向の長さは、上記渦列通路の基端部における両側の壁面間の距離から上記湯水衝突部の最大幅を減じた長さよりも長い請求項1乃至5の何れか1項に記載の吐水装置。
- 上記湯水衝突部は、下流側に向けて幅が狭くなるように三角柱状に形成され、上記渦列通路の両側の壁面が為す角度は、上記湯水衝突部の両側の壁面が為す角度よりも小さい請求項1乃至6の何れか1項に記載の吐水装置。
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