JP6674632B2 - 吐水装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献1及び2に記載の流体素子では、噴出される湯水の往復振動の振幅を変更することができないという問題がある。即ち、特許文献1及び2に記載されている流体素子は、噴出される流体がコアンダ効果により壁面に沿って流れるという現象を利用したものであるため、噴出される湯水の振幅は、概ねコアンダ効果を発生させる壁面の角度により規定されてしまい、変更することができない。即ち、特許文献1記載の流体素子では、湯水は状態aと状態cの間の振幅に固定され、特許文献2記載の流体素子では、上側板に沿う噴流と下側板に沿う噴流との間の振幅に固定されてしまう。
このように構成された本発明によれば、バイパス通路からの湯水は、渦列通路の両側からほぼ同一流量で流入するので、渦列通路内における流れに大きな偏りが生じることがなく、湯水の往復振動の偏りを少なくすることができる。
このように構成された本発明によれば、2つのバイパス流入口が互いに対向するように配置されているので、渦列通路内における流れをほぼ対称に維持することができ、吐出される湯水の往復振動をほぼ対称に減少させることができる。
まず、図1乃至図8を参照して、本発明の実施形態によるシャワーヘッドを説明する。図1は本発明の実施形態によるシャワーヘッドの外観を示す斜視図である。図2は本発明の実施形態によるシャワーヘッドの全断面図である。図3は本発明の実施形態によるシャワーヘッドに備えられている振動発生素子の外観を示す斜視図である。また、図4は、(a)本実施形態における振動発生素子の平面断面図であり、(b)振動発生素子の垂直断面図である。
本実施形態のシャワーヘッド1は、シャワーヘッド本体2の基端部2aに接続されたシャワーホース(図示せず)から湯水が供給されると、各振動発生素子4の吐水口4aから湯水が往復振動しながら吐出される。また、湯水が往復振動する振幅は、振幅変更ツマミ2bを操作することにより変更することができる。なお、本実施形態においては、湯水は、シャワーヘッド本体2の中心軸線に概ね直交する平面内で扇形を形成するように各吐水口4aから吐出され、扇形の中心角を振幅変更ツマミ2bにより変更することができる。
図2に示すように、シャワーヘッド本体2内には、通水路を形成すると共に、各振動発生素子4を保持する通水路形成部材6と、この通水路形成部材6の基端部に配置された流量比変更部である流量比調整部材8が内蔵されている。
通水路形成部材6は、概ね円筒形の部材であり、シャワーヘッド本体2の内部に供給された湯水の流路を形成するように構成されている。通水路形成部材6の基端部には、シャワーホース(図示せず)が水密的に接続されるようになっている。また、通水路形成部材6の内部には、概ね軸線方向に延びる主通水路6aと、この主通水路6aと概ね平行に延びるバイパス通路6bが形成されている。
図3に示すように、振動発生素子4は概ね薄い直方体状の部材であり、その正面側の端面には長方形の吐水口4aが設けられ、両側面にはバイパス流入口4bが設けられ、背面側の端面には主流入口4c(図4)が形成夫々されている。各振動発生素子4が素子挿入孔6cに挿入されると、主流入口4cは通水路形成部材6の主通水路6aに連通し、バイパス流入口4bはバイパス通路6bに連通する。
図4(a)に示すように、振動発生素子4の内部には、長手方向に貫通するように長方形断面の通路が形成されている。この通路は、上流側から順に、給水通路10a、渦列通路10b、吐出通路10cとして形成されている。
給水通路10aは、振動発生素子4背面側の流入口4cから延びる断面積一定の長方形断面の直線状の通路である。
渦列通路10bは、給水通路10aの下流側に、給水通路10aに連続して設けられた長方形断面の通路である。即ち、本実施形態においては、給水通路10aと渦列通路10bは、同一の断面形状で一直線に延びている。また、渦列通路10bの両側の側面には、バイパス流入口4bが互いに向かい合うように夫々設けられている。バイパス通路6bによって導かれた湯水は、各バイパス流入口4bを通って側面から渦列通路10bに流入する。
図5は、本発明の実施形態によるシャワーヘッド内における湯水の流れを示すブロック図である。図6乃至図8は、主流入口4c及びバイパス流入口4bから夫々流入する湯水の流量と、吐出される湯水の振動振幅の関係を模式的に説明する図である。
図6は、主流入口4cから流入する湯水と、各バイパス流入口4bから流入する湯水の合計との割合が9:1の場合の吐水を示す図である。
この場合には、大部分の湯水が主流入口4cから流入し、湯水衝突部14によって強いカルマン渦が形成された渦列が吐水口4aに到達するので、渦列の進行によって吐水口4aにおける流速が大きく変化し、吐出される湯水は大きく偏向される。これにより、噴射される湯水は大きな振幅で往復振動する。
この場合には、主流入口4cから流入する湯水が減少するため、湯水衝突部14によって形成されるカルマン渦が弱くなる。加えて、渦流を形成しない各バイパス流入口4bからの湯水が渦列通路10b内で合流するため、渦列の進行に伴う吐水口4aにおける流速の変化は小さくなり、吐出される湯水はあまり偏向されなくなる。これにより、噴射される湯水の振動振幅は小さくなる。しかしながら、流量比調整部材8の操作により、主流入口4cからの流量と各バイパス流入口4bからの流量の割合が変更された場合でも、これらの合計の流量は変化していないため、吐出される湯水の総量は図6の場合とほぼ同じであり、湯水の振動振幅のみが変化する。
この場合には、主流入口4cから流入する湯水が更に減少するため、湯水衝突部14によって形成されるカルマン渦は更に弱くなる。加えて、渦流を形成しない各バイパス流入口4bからの湯水も増加するため、渦列の進行に伴う吐水口4aにおける流速の変化は殆どなくなり、吐出される湯水は振動せず、直進する。また、この場合にも、主流入口4cと各バイパス流入口4bの流量の合計は変化していないため、吐出される湯水の総量は図6の場合とほぼ同じになる。
このように、使用者は、振幅変更ツマミ2bの操作により、吐出流量を変化させずに、湯水の吐出範囲のみを変化させることができるので、好みや、使用状況に容易に適合させることができる使い勝手の良いシャワーヘッドを得ることができる。
2 シャワーヘッド本体(吐水装置本体)
2a 基端部
2b 振幅変更ツマミ
4 振動発生素子
4a 吐水口
4b バイパス流入口
4c 主流入口
6 通水路形成部材
6a 主通水路
6b バイパス通路
6c 素子挿入孔
8 流量比調整部材(流量比変更部)
8a 主通水ボア
8b バイパス通水ボア
10a 給水通路
10b 渦列通路
10c 吐出通路
12 段部
14 湯水衝突部
102 噴射ノズル
102a 噴射口
104 フィードバック流路
110 前室
112 出口
114 入口孔
116 障害物
118 交換部品
120 交換部品
Claims (5)
- 湯水を吐水口から可変の振幅で往復振動させながら吐出する吐水装置であって、
吐水装置本体と、
この吐水装置本体に設けられ、供給された湯水を往復振動させながら吐出する振動発生素子と、を有し、
上記振動発生素子は、
上記吐水装置本体から供給された湯水が流入する給水通路と、
この給水通路の流路断面の一部を閉塞するように、上記給水通路の下流側端部に配置され、上記給水通路によって導かれた湯水が衝突することで、その下流側に交互に反対回りの渦を発生させる湯水衝突部と、
上記給水通路の下流側に設けられ、上記湯水衝突部により形成された渦を成長させながら導く渦列通路と、
この渦列通路の下流側に設けられ、上記渦列通路によって導かれた湯水を吐出させる吐出通路と、
上記吐水装置本体から供給された湯水を、上記湯水衝突部を迂回して上記渦列通路に流入させるバイパス通路と、
上記湯水衝突部を経て上記渦列通路に流入する湯水と、上記バイパス通路を通って上記渦列通路に流入する湯水の流量の比を変更可能に構成された流量比変更部と、
を有することを特徴とする吐水装置。 - 上記流量比変更部は、上記湯水衝突部を経て上記渦列通路に流入する湯水の流速が、上記バイパス通路を通って上記渦列通路に流入する湯水の流速よりも速くなる範囲で流量比を設定可能に構成されている請求項1記載の吐水装置。
- 上記湯水衝突部は、上記給水通路の対向する1対の壁面間を横断して延びるように配置され、上記バイパス通路は、上記湯水衝突部が延びる方向に対して直交する方向に湯水を流入させる請求項1又は2に記載の吐水装置。
- 上記バイパス通路は、上記渦列通路の両側からほぼ同一流量で湯水を流入させるように構成されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の吐水装置。
- 上記バイパス通路から上記渦列通路に湯水を流入させる2つのバイパス流入口は、互いに対向するように、上記渦列通路に配置されている請求項1乃至4の何れか1項に記載の吐水装置。
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- 2016-09-14 JP JP2016179262A patent/JP6674632B2/ja active Active
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