JP2023124667A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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良太 藤塚
Ryota Fujitsuka
淳也 藤田
Junya Fujita
敦之 福本
Atsushi Fukumoto
幹 藤井
Miki Fujii
祐輝 脇坂
Yuki Wakisaka
和也 秦野
Kazuya Hatano
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Abstract

【課題】ワード線の抵抗を低く抑制することができる半導体装置およびその製造方法を提供する。【解決手段】本実施形態に従った半導体装置は、第1方向に互いに離隔して積層された複数の電極膜を含む積層体を備える。柱状部は、積層体内に第1方向に延伸し、半導体層を含み、該半導体層と複数の電極膜との交差部にそれぞれメモリセルを有する。分断部は、積層体内において第1方向および第1方向と交差する第2方向に延伸し、複数の電極膜を第1方向および第2方向に交差する第3方向に分断し、絶縁体を含む。第1膜は、絶縁体と電極膜における第3方向の端面との間に設けられ、第1金属とシリコンとを含む。【選択図】図6

Description

本実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
NAND型フラッシュメモリ等の半導体記憶装置は、複数のメモリセルを3次元配置した立体型メモリセルアレイを有する場合がある。立体型メモリセルアレイは、互いに電気的に分離され積層された複数のワード線を有する。ワード線には、金属材料が用いられているが、この金属材料が酸化すると、ワード線の抵抗が上昇してしまう。
特開2020-047702号公報
ワード線の抵抗を低く抑制することができる半導体装置およびその製造方法を提供する。
本実施形態に従った半導体装置は、第1方向に互いに離隔して積層された複数の電極膜を含む積層体を備える。柱状部は、積層体内に第1方向に延伸し、半導体層を含み、該半導体層と複数の電極膜との交差部にそれぞれメモリセルを有する。分断部は、積層体内において第1方向および第1方向と交差する第2方向に延伸し、複数の電極膜を第1方向および第2方向に交差する第3方向に分断し、絶縁体を含む。第1膜は、絶縁体と電極膜における第3方向の端面との間に設けられ、第1金属とシリコンとを含む。
第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式斜視図。 図1中の積層体を示す模式平面図。 3次元構造のメモリセルを例示する模式断面図。 3次元構造のメモリセルを例示する模式断面図。 メモリセルアレイと階段部分との境界部の構成例を示す平面図。 第1実施形態によるメモリセルアレイの深いスリットおよびその周囲の構成例を示す断面図。 スリットおよび電極膜のより詳細な構成例を示す断面図。 酸素に対する金属シリサイド膜の機能を示す概念図。 第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図9に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図10に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図11に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図12に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図13に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 第2実施形態による半導体記憶装置の構成例を示す断面図。 第2実施形態の変形例による半導体記憶装置の構成例を示す断面図。 第3実施形態による半導体記憶装置の構成例を示す断面図。 第4実施形態による半導体記憶装置の構成例を示す断面図。 第4実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図18に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図19に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 図20に続く、半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。 上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。 メモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。以下の実施形態において、上下方向は、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置(例えば、半導体記憶装置100a)を例示する模式斜視図である。図2は、図1中の積層体2を示す模式平面図である。本明細書では、積層体2の積層方向をZ方向とする。Z方向と交差、例えば、直交する1つの方向をY方向とする。Z及びY方向のそれぞれと交差、例えば、直交する1つの方向をX方向とする。図3及び図4のそれぞれは、3次元構造のメモリセルを例示する模式断面図である。
図1~図4に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置100aは、3次元構造のメモリセルを有した不揮発性メモリである。
半導体記憶装置100aは、基体部1と、積層体2と、深いスリットST(板状部3)と、浅いスリットSHE(板状部4)と、複数の柱状部CLとを含む。
基体部1は、基板10、層間絶縁膜11、導電層12及び半導体部13を含む。層間絶縁膜11は、基板10上に設けられている。導電層12は、層間絶縁膜11上に設けられている。半導体部13は、導電層12上に設けられている。
基板10は、半導体基板、例えば、シリコン基板である。シリコン(Si)の導電型は、例えば、p型である。基板10の表面領域には、例えば、素子分離領域10iが設けられている。素子分離領域10iは、例えば、シリコン酸化物(SiO)を含む絶縁領域であり、基板10の表面領域にアクティブエリアAAを区画する。アクティブエリアAAには、トランジスタTrのソース及びドレイン領域が設けられる。トランジスタTrは、不揮発性メモリの周辺回路(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路)を構成する。CMOS回路は、埋込みソース層BSLの下方に設けられ、基板10上に設けられている。層間絶縁膜11は、例えば、シリコン酸化物を含み、トランジスタTrを絶縁する。層間絶縁膜11内には、配線11aが設けられている。配線11aの一部は、トランジスタTrと電気的に接続される。導電層12は、導電性金属、例えば、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)を含む。半導体部13は、例えば、シリコンを含む。シリコンの導電型は、例えば、n型である。半導体部13が複数の層によって構成され、その一部は、アンドープシリコンを含んでいてもよい。また、導電層12および半導体部13のいずれか一方が省略されてもよい。
導電層12および半導体部13は、メモリセルアレイ(図2の2m)の共通ソースラインとして機能する。導電層12および半導体部13は、一体の導電膜として電気的に接続されており、総称して埋込みソース層BSLとも呼ぶ。
積層体2は、基板10の上方に設けられており、導電層12および半導体部13(埋込みソース層BSL)に対してZ方向に位置する。積層体2は、第1方向としてのZ方向に沿って複数の電極膜21及び複数の絶縁膜22を交互に積層して構成されている。電極膜21は、導電性金属、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)を含み、互いに離隔され電気的に分離されている。絶縁膜22は、例えば、シリコン酸化物を含む。絶縁膜22は、電極膜21同士を電気的に分離する。電極膜21及び絶縁膜22のそれぞれの積層数は、任意である。絶縁膜22は、例えば、エアギャップであってもよい。積層体2と、半導体部13との間には、例えば、絶縁膜2gが設けられている。絶縁膜2gは、例えば、シリコン酸化物を含む。絶縁膜2gは、シリコン酸化物よりも比誘電率が高い高誘電体を含んでいてもよい。高誘電体は、例えば、金属酸化物でよい。
電極膜21は、少なくとも1つのソース側選択ゲートSGSと、複数のワード線WLと、少なくとも1つのドレイン側選択ゲートSGDとを含む。ソース側選択ゲートSGSは、ソース側選択トランジスタSTSのゲート電極である。ワード線WLは、メモリセルMCのゲート電極である。ドレイン側選択ゲートSGDは、ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極である。ソース側選択ゲートSGSは、積層体2の下部領域に設けられる。ドレイン側選択ゲートSGDは、積層体2の上部領域に設けられる。下部領域は、積層体2の、基体部1に近い側の領域を、上部領域は、積層体2の、基体部1から遠い側の領域を指す。ワード線WLは、ソース側選択ゲートSGSとドレイン側選択ゲートSGDとの間に設けられる。
複数の絶縁膜22のうち、ソース側選択ゲートSGSとワード線WLとを絶縁する絶縁膜22のZ方向の厚さは、例えば、ワード線WLとワード線WLとを絶縁する絶縁膜22のZ方向の厚さよりも、厚くされてもよい。さらに、基体部1から最も離された最上層の絶縁膜22の上に、カバー絶縁膜(図示せず)を設けてもよい。カバー絶縁膜は、例えば、シリコン酸化物を含む。
半導体記憶装置100aは、ソース側選択トランジスタSTSとドレイン側選択トランジスタSTDとの間に直列に接続された複数のメモリセルMCを有する。ソース側選択トランジスタSTS、メモリセルMC及びドレイン側選択トランジスタSTDが直列に接続された構造は“メモリストリング”、もしくは“NANDストリング”と呼ばれる。メモリストリングは、例えば、コンタクトCbを介してビット線BLに接続される。ビット線BLは、積層体2の上方に設けられ、Y方向に延びる。
積層体2内には、複数の深いスリットST、及び、複数の浅いスリットSHEのそれぞれが設けられている。深いスリットSTは、積層体2内に設けられ、Z方向から見た平面視において、Z方向に交差するX方向に延び、積層体2の上端から基体部1にかけて積層体2をZ方向に貫通している。深いスリットSTは、Z方向およびX方向に交差するY方向に積層体2を分断する。板状部3は、深いスリットST内に設けられた配線である(図2)。板状部3は、深いスリットSTの内壁に設けられた絶縁膜と、該絶縁膜の内側に設けられ深いスリットST内に埋め込まれた導電膜(図2では図示せず)とで構成されている。深いスリットST内の導電膜は、絶縁膜によって積層体2から電気的に分離され、かつ、埋込みソース層BSLと電気的に接続されている。この絶縁膜には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。導電膜には、例えば、タングステン等の金属材料が用いられる。尚、板状部3は、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料で充填されている場合もある。一方、浅いスリットSHEは、X方向に延び、積層体2の上端から積層体2の途中まで設けられている。浅いスリットSHEは、ドレイン側選択ゲートSGDが設けられた積層体2の上部領域を貫通する。浅いスリットSHE内には、例えば、板状部4が設けられている(図2)。板状部4は、例えば、シリコン酸化物である。
図2に示すように、積層体2は、階段部分2sと、メモリセルアレイ2mとを含む。階段部分2sは、積層体2の縁部に設けられている。メモリセルアレイ2mは、階段部分2sによって挟まれ、あるいは、囲まれている。深いスリットSTは、積層体2の一端の階段部分2sから、メモリセルアレイ2mを経て、積層体2の他端の階段部分2sまで設けられている。浅いスリットSHEは、少なくともメモリセルアレイ2mに設けられている。
図2に示す2つの板状部3によって挟まれた積層体2の部分は、ブロック(BLOCK)と呼ばれている。ブロックは、例えば、データ消去の最小単位を構成する。板状部4は、ブロック内に設けられている。板状部3と板状部4との間の積層体2は、フィンガと呼ばれている。ドレイン側選択ゲートSGDは、フィンガ毎に区切られている。このため、データ書き込み及び読み出し時に、ドレイン側選択ゲートSGDによりブロック内の1つのフィンガを選択状態とすることができる。
図3に示すように、複数の柱状部CLのそれぞれは、積層体2内に形成されたメモリホールMH内に設けられている。各柱状部CLは、Z方向に沿って積層体2の上端から積層体2を貫通し、積層体2内及び埋込みソース層BSL内にかけて設けられている。複数の柱状部CLは、それぞれ、半導体ボディ210、メモリ膜220及びコア層230を含む。柱状部CLは、その中心部に設けられたコア層230、該コア層230の周囲に設けられた半導体ボディ210、および、該半導体ボディ210の周囲に設けられたメモリ膜220を含む。半導体ボディ210は、埋込みソース層BSLと電気的に接続されている。電荷蓄積部としてのメモリ膜220は、半導体ボディ210と電極膜21との間に、電荷捕獲部を有する。各フィンガからそれぞれ1つずつ選択された複数の柱状部CLは、コンタクトCbを介して1本のビット線BLに共通に接続される。柱状部CLのそれぞれは、例えば、セル領域(Cell)に設けられている。
図4に示すように、X-Y平面におけるメモリホールMHの形状は、例えば、円又は楕円である。電極膜21と絶縁膜22との間には、メモリ膜220の一部を構成するブロック絶縁膜21aが設けられていてもよい。ブロック絶縁膜21aは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又は金属酸化膜である。金属酸化物の例は、アルミニウム酸化物である。電極膜21と絶縁膜22との間、及び、電極膜21とメモリ膜220との間には、バリア膜21bが設けられていてもよい。バリア膜21bは、例えば、電極膜21がタングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)である場合、例えば、窒化チタンまたは酸化アルミニウムが選ばれる。ブロック絶縁膜21aは、電極膜21からメモリ膜220側への電荷のバックトンネリングを抑制する。バリア膜21bは、電極膜21とブロック絶縁膜21aとの密着性を向上させる。
半導体ボディ210の形状は、例えば、底を有した筒状であり、積層体2内にZ方向に延伸するように設けられている。半導体ボディ210は、例えば、シリコンを含む。シリコンは、例えば、アモルファスシリコンを結晶化させたポリシリコンである。半導体ボディ210は、例えば、アンドープシリコンである。また、半導体ボディ210は、p型シリコンであっても良い。半導体ボディ210は、ドレイン側選択トランジスタSTD、メモリセルMC及びソース側選択トランジスタSTSのそれぞれのチャネルとなる。
メモリ膜220は、ブロック絶縁膜21a以外の部分が、メモリホールMHの内壁と半導体ボディ210との間に設けられている。メモリ膜220の形状は、例えば、筒状である。複数のメモリセルMCは、半導体ボディ210とワード線WLとなる電極膜21との間に記憶領域を有し、半導体ボディ210と電極膜21との交差部に対応して設けられている。複数のメモリセルMCは、各柱状部CLに沿ってZ方向に積層されている。メモリ膜220は、例えば、カバー絶縁膜221、電荷捕獲膜222及びトンネル絶縁膜223を含む。半導体ボディ210、電荷捕獲膜222及びトンネル絶縁膜223のそれぞれは、Z方向に延びている。
カバー絶縁膜221は、絶縁膜22と電荷捕獲膜222との間に設けられている。カバー絶縁膜221は、例えば、シリコン酸化物を含む。カバー絶縁膜221は、犠牲膜(図示せず)を電極膜21にリプレースするとき(リプレース工程)、電荷捕獲膜222がエッチングされないように保護する。カバー絶縁膜221は、リプレース工程において、電極膜21とメモリ膜220との間から除去されてもよい。この場合、図3及び図4に示すように、電極膜21と電荷捕獲膜222との間には、例えば、ブロック絶縁膜21aが設けられる。また、電極膜21の形成に、リプレース工程を利用しない場合には、カバー絶縁膜221は、なくてもよい。
電荷捕獲膜222は、ブロック絶縁膜21a及びカバー絶縁膜221とトンネル絶縁膜223との間に設けられている。電荷捕獲膜222は、例えば、シリコン窒化物を含み、膜中に電荷をトラップするトラップサイトを有する。電荷捕獲膜222のうち、ワード線WLとなる電極膜21と半導体ボディ210との間に挟まれた部分は、電荷捕獲部としてメモリセルMCの記憶領域を構成する。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷捕獲部中の電荷の有無、又は、電荷捕獲部中に捕獲された電荷の量によって変化する。これにより、メモリセルMCは、情報を保持する。
トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間に設けられている。トンネル絶縁膜223は、例えば、シリコン酸化物、又は、シリコン酸化物とシリコン窒化物とを含む。トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間の電位障壁である。例えば、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ電子を注入するとき(書き込み動作)、及び、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ正孔を注入するとき(消去動作)、電子および正孔が、それぞれトンネル絶縁膜223の電位障壁を通過(トンネリング)する。
コア層230は、筒状の半導体ボディ210の内部スペースを埋め込む。コア層230の形状は、例えば、柱状である。コア層230は、例えば、シリコン酸化物を含み、絶縁性である。
図5は、メモリセルアレイ2mと階段部分2sとの境界部の構成例を示す平面図である。メモリセルアレイ2mには、複数の柱状部CLがメモリホールMH内に設けられている。尚、図5は、縮尺が異なるが、図2の破線枠B5の平面レイアウトを示している。
複数の柱状部CLのそれぞれは、積層体2内に設けられたメモリホールMH内に設けられている。メモリホールMHは、積層体2の積層方向(Z軸方向)に沿って積層体2の上端から積層体2を貫通し、積層体2内及び半導体部13内にかけて延伸している。複数の柱状部CLは、図3および図4に示すように、それぞれ、半導体柱としての半導体ボディ210、メモリ膜220及びコア層230を含む。半導体ボディ210は、積層体2内においてその積層方向(Z方向)に延びており、半導体部13と電気的に接続されている。メモリ膜220は、半導体ボディ210と電極膜21との間に、電荷捕獲部を有する。各フィンガからそれぞれ1つずつ選択された複数の柱状部CLは、図1のコンタクトCbを介して1本のビット線BLに共通に接続される。柱状部CLのそれぞれは、メモリセルアレイ2mに設けられている。
メモリセルアレイ2m以外の階段部分2sにおいて、タップ領域Tap、階段領域SSAが設けられている。タップ領域Tapは、階段領域SSAに対して深いスリットSTを挟んでY方向に隣接するブロックBLKに設けられている。タップ領域Tapは、X方向においてセル領域同士の間に設けられていてもよい。階段領域SSAも、X方向においてセル領域同士の間に設けられていてもよい。階段領域SSAは、複数のコンタクトプラグCCが設けられる領域である。階段領域SSAは、階段領域SSAを挟んでX方方向に隣接する複数のブロックBLKの各ワード線WLを電気的に接続するブリッジ領域を含んでいてもよい。タップ領域Tapは、コンタクトプラグC4が設けられる領域である。コンタクトプラグCC、C4のそれぞれは、例えば、Z軸方向に延びる。コンタクトプラグCCは、それぞれ、例えば、電極膜21(即ち、ワード線WL)と電気的に接続される。コンタクトプラグC4は、トランジスタTrへの電源供給等のために、例えば、配線11aと電気的に接続される。コンタクトプラグCC、C4には、例えば、銅、タングステン等の低抵抗金属が用いられる。浅いスリットSHEは、メモリセルアレイ2mをX方向に延び、ドレイン側選択ゲートSGDをフィンガごとに電気的に分離している。
コンタクトプラグCCの周囲には、複数の絶縁体柱HRが設けられている。絶縁体柱HRのそれぞれは、積層体2内に設けられたホール内に設けられている。絶縁体柱HRは、Z軸方向に沿って積層体2の上端から積層体2を貫通し、積層体2内及び半導体部13内にかけて設けられている。絶縁体柱HRには、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁物を用いている。また、絶縁体柱HRのそれぞれは、柱状部CLと同じ構造であってもよい。絶縁体柱HRのそれぞれは、例えば、タップ領域Tapおよび階段領域SSAに設けられている。絶縁体柱HRは、犠牲膜(図示せず)を電極膜21にリプレースするとき(リプレース工程)、階段領域及びタップ領域に形成される空隙を保持するための支持部材として機能する。絶縁体柱HRは、柱状部CLよりも大きな径(X方向またはY方向における幅)を有する。
図6は、第1実施形態によるメモリセルアレイ2mの深いスリットSTおよびその周囲の構成例を示す断面図である。
深いスリットST(以下、単に、スリットSTともいう)は、図2に示すように平面においてX方向に延伸しており、かつ、図6に示すように積層体2内において、積層体2の上端から基体部1にかけてZ方向に延伸し、積層体2を貫通している。スリットSTは、Y方向に積層体2を分断する分断部として機能する。板状部3は、絶縁部材または配線50と絶縁膜51とを備える。絶縁膜51は、スリットSTの内壁に設けられている。絶縁膜51には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられている。絶縁部材または配線50は、スリットST内において、絶縁膜51の内側に設けられている。50が絶縁部材である場合、板状部3は、積層体2の電極膜21を電気的に分離する絶縁部として機能する。この場合、絶縁部材50には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。50が配線である場合、配線50は、スリットSTの内壁に設けられた絶縁膜51によって積層体2の電極膜21と電気的に絶縁され、かつ、スリットST内に埋め込まれ埋込みソース層BSLと電気的に接続される。この場合、配線50には、例えば、タングステン等の導電性材料が用いられる。
ここで、本実施形態では、金属シリサイド膜60が電極膜21(ワード線WL)とスリットST内の板状部3との間に設けられている。金属シリサイド膜60は、絶縁膜51と電極膜21におけるY方向の端面との間に設けられ、金属とシリコンとを含む。金属シリサイド膜60は、板状部3の絶縁膜51に対向する電極膜21の対向面を被覆するように設けられている。金属シリサイド膜60には、例えば、タングステンシリサイド(WSi)、ルテニウムシリサイド(RuSi)、コバルトシリサイド(CoSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)およびチタンシリサイド(TiSi)のいずれかが用いられる。金属シリサイド膜60の膜厚は、例えば、約5オングストローム~5nmである。
図7は、スリットSTおよび電極膜21のより詳細な構成例を示す断面図である。電極膜21には、空洞部としてのボイドBおよび/またはシームSMが設けられている。金属シリサイド膜60は、電極膜21のスリットST側の表面(側面)に設けられている。金属シリサイド膜60は、電極膜21と板状部3の絶縁膜51との間に設けられており、金属膜21に沿ってX方向に延伸している。従って、金属シリサイド膜60は、スリットSTおよび板状部3側に露出される電極膜21の側面全体を被覆している。これにより、スリットSTを介して酸素Oが電極膜21へ進入することを抑制することができる。
電極膜21へ酸素Oが進入すると、電極膜21が酸化されてしまう。例えば、電極膜21がモリブデンである場合には、電極膜21はモリブデン酸化物になってしまう。電極膜21がタングステンである場合には、電極膜21はタングステン酸化物になってしまう。電極膜21の一部が金属酸化物になると、電極膜21(ワード線WL)の抵抗が上昇してしまう。
これに対し、本実施形態によれば、金属シリサイド膜60が、スリットST内の絶縁膜51と電極膜21との間に設けられており、スリットST側に向かって露出される電極膜21の側面を被覆している。これにより、金属シリサイド膜60は、スリットSTから電極膜21への酸素Oの進入を抑制する。その結果、電極膜21の酸化を抑制することができ、ワード線WLの抵抗の上昇を抑制することができる。ワード線WLの抵抗を低く維持することで、半導体記憶装置100aの動作速度の低下を抑制することがでできる。
金属シリサイド膜60がモリブデンシリサイドMoxSiy(x、yは正数)である場合、金属シリサイド膜60は、MoSi、MoSi等でよい。
図8(A)および図8(B)は、酸素Oに対する金属シリサイド膜60の機能を示す概念図である。尚、金属シリサイド膜60は、モリブデンシリサイド膜(MoSi)であるとして以下説明する。
図8(A)に示すように、スリットSTから金属シリサイド膜60で被覆された電極膜21へ酸素Oが進入しようとすると、図8(B)に示すように、金属シリサイド膜60の表面にシリコン酸化膜およびモリブデンシリサイド膜(MoSi)が形成される。また、金属シリサイド膜60の表面からモリブデン酸化物MoOが乖離する。これにより、酸素Oは、金属シリサイド膜60の表面のみで消費され、電極膜21まで拡散しない。よって、電極膜21の酸化が抑制され、電極膜21(ワード線WL)の抵抗を低く維持することができる。
次に、第1実施形態による半導体記憶装置100aの製造方法について説明する。
図9~図14は、第1実施形態による半導体記憶装置100aの製造方法の一例を示す断面図である。尚、図9~図14では、メモリセルアレイ2mのスリットSTの周辺領域の断面を示す。
まず、図1の基体部1を形成する。次に、基体部1上に埋込みソース層BSLの一部となる導電層12または半導体部13を形成し、図9に示すように、その上に絶縁膜22と犠牲膜21sとを積層した積層体2aを形成する。絶縁膜22には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。犠牲膜21sには、例えば、絶縁膜22に対して選択的にエッチング可能なシリコン窒化膜等の絶縁材料が用いられる。犠牲膜21sは、後のリプレース工程において、電極膜21の導電材料に置換される。
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、柱状部CLを形成するために複数のメモリホールMHを形成する。メモリホールMHは、積層体2a内に設けられ、絶縁膜22と犠牲膜21sとの積層方向(Z方向)に延伸している。メモリホールMHは、積層体2aを貫通して、積層体2aの下の導電層12および半導体部13に達するように形成される。Z方向から見た平面視において、メモリホールMHは、略円形または略楕円形でよい。
次に、メモリホールMHの内壁に、メモリ膜220および半導体ボディ210をこの順に堆積する。さらに、コア層230がメモリ膜220および半導体ボディ210の内側のメモリホールMH内に充填される。これにより、図10に示すように、柱状部CLが積層体2a内に形成される。柱状部CLは、積層体2a内をZ方向に延伸しており、積層体2aを貫通して、積層体2aの下の導電層12および半導体部13に達する。これにより、半導体ボディ210は、図1の埋込みソース層BSLに電気的に接続される。
次に、リソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、スリットSTが形成される。これにより、図11に示す構造が得られる。スリットSTは、積層体2aを貫通して導電層12および半導体部13に達する。Z方向から見た平面視において、図2を参照して説明したように、スリットSTは、X方向に延伸している。
次に、図12に示すように、スリットSTを介して犠牲膜21sを除去する。これにより、犠牲膜21sが設けられていた領域に空洞Hが形成される。
次に、図13に示すように、空洞Hの内壁にブロック絶縁膜21aおよびバリア膜21bが形成される。ブロック絶縁膜21aには、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又は金属酸化膜が用いられる。バリア膜21bには、例えば、窒化チタンまたは酸化アルミニウムが用いられる。さらに、空洞内のブロック絶縁膜21aおよびバリア膜21bの内側に電極膜21の材料が埋め込まれる。電極膜21には、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)またはチタン(Ti)が用いられる。電極膜21は、例えば、ワード線WLとして機能する。電極膜21の材料は、スリットSTを介して空洞H内に充填されるが、その内側にシームあるいはボイドBが発生する場合がある。
このように、犠牲膜21sが、例えば、タングステン等の低抵抗金属材料に置換され、電極膜21が形成される。この工程をリプレース工程とも呼ぶ。リプレース工程によって、積層体2aが図1の積層体2になる。
次に、図14に示すように、電極膜21のうちスリットST側に面し露出された側面に、金属シリサイド膜60を形成する。金属シリサイド膜60には、例えば、モリブデンシリサイドMoxSiyが用いられる。金属シリサイド膜60の厚みは、約5オングストローム~5nmである。
金属シリサイド膜60は、電極膜21の側面をシリサイド化することによって形成されてもよく、あるいは、スリットSTを介して電極膜21の側面に堆積することによって形成されてもよい。電極膜21の側面をシリサイド化する場合には、金属シリサイド膜60は、スリットSTを介して電極膜21の側面を選択的にシリサイド化すればよい。例えば、電極膜21の側面をスリットSTから離間する方向(±Y方向)へリセスし、電極膜21の側面を、200℃以上の温度でシリコン含有ガスに晒す。これにより、電極膜21の側面が選択的にシリサイド化され、金属シリサイド膜60が電極膜21の側面に形成される。この場合、スリットST側へ露出されたバリア膜21bの端部は、メタルシリサイドまたはシリコン酸化膜になる。例えば、バリア膜21bがアルミニウム酸化物である場合、スリットST側へ露出されたバリア膜21bの端部は、シリコン酸化膜になる。バリア膜21bがチタン窒化物である場合、スリットST側へ露出されたバリア膜21bの端部は、チタンシリサイドまたはシリコン酸化膜になる。このとき、スリットST側へ露出されたバリア膜21bの端部は、絶縁膜51に面し(接触し)、該端部には、金属シリサイド膜60は形成されない。
また、スリットSTを介して電極膜21の側面に堆積する場合、ALD(Atomic Layer Deposition)法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、金属シリサイド膜60の材料をスリットSTの内壁に堆積する。次に、金属シリサイド膜60の材料をエッチバックすることによって電極膜21の側面のみに金属シリサイド膜60を残置すればよい。この場合、電極膜21の側面がスリットSTから離間する方向(±Y方向)へリセスしているので、電極膜21の側面は、絶縁膜22の側面よりもスリットSTから離間する方向へ窪んでいる。よって、金属シリサイド膜60の材料は、絶縁膜22の側面よりもスリットSTから離間する方向へ窪んだ位置に形成される。従って、RIE(Reactive Ion Etching)法等によって金属シリサイド膜60の材料を異方的にエッチバックすることによって、絶縁膜22の側面上にある金属シリサイド膜60の材料を除去しつつ、電極膜21の側面上にある金属シリサイド膜60の材料を選択的に残置させることができる。これにより、金属シリサイド膜60は、電極膜21の側面のみに選択的に形成され得る。この場合、スリットST側へ露出されたバリア膜21bの端部には、金属シリサイド膜60が形成される。
尚、本実施形態において、ボイドBの内面には、金属シリサイド膜が形成されていない。例えば、ボイドBが外部と連通していない場合には、このように、金属シリサイド膜60は、電極膜21の側面に形成され、ボイドBの内面には形成されない。
金属シリサイド膜60は、スリットSTを介して進入する酸素が電極膜21に達することを抑制し、電極膜21が酸化することを抑制することができる。
尚、金属シリサイド膜60には、例えば、タングステンシリサイド(WSi)、ルテニウムシリサイド(RuSi)、コバルトシリサイド(CoSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)およびチタンシリサイド(TiSi)のいずれかであってもよい。この場合、電極膜21には、例えば、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のいずれかであってもよい。
次に、図6に示すように、スリットSTの内壁に絶縁膜51を形成し、絶縁膜51の内側に配線50の材料を埋め込む。このとき、絶縁膜51または配線50からの拡散する酸素は、金属シリサイド膜60によってブロックされ、電極膜21にはほとんど達しない。これにより、電極膜21の酸化を抑制し、その高抵抗化を抑制することができる。
その後、積層体2上に多層配線層およびビット線等を形成し、本実施形態による半導体記憶装置100aが完成する。尚、半導体記憶装置100aは、別々の基板に形成されたCMOS回路(基体部1)とメモリセルアレイ2m(積層体2)とを貼り合わせることによって形成されてもよい。
(第2実施形態)
図15Aは、第2実施形態による半導体記憶装置100aの構成例を示す断面図である。第2実施形態による半導体記憶装置100aは、電極膜21の内部にあるボイドBおよび/またはシームSMの内壁にも金属シリサイド膜62が設けられている。例えば、ボイドBが外部と連通している場合には、このように、金属シリサイド膜60、62は、電極膜21の側面にだけでなく、ボイドBの内面にも形成される。金属シリサイド膜62には、例えば、タングステンシリサイド(WSi)、ルテニウムシリサイド(RuSi)、コバルトシリサイド(CoSi)、モリブデンシリサイド(MoSi)、ニッケルシリサイド(NiSi)およびチタンシリサイド(TiSi)のいずれかが用いられる。金属シリサイド膜62は、金属シリサイド膜60と同じ材料で構成されていてもよく、あるいは、金属シリサイド膜60とは異なる材料で構成されていてもよい。例えば、金属シリサイド膜60がモリブデンシリサイドで構成され、金属シリサイド膜62がタングステンシリサイドで構成されてもよい。あるいは、その逆でもよい。金属シリサイド膜62の膜厚は、例えば、約5オングストローム~5nmである。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様でよい。
第2実施形態によれば、金属シリサイド膜62がボイドBおよび/またはシームSMの内壁にも設けられている。これにより、酸素がボイドBまたはシームSM内に存在しても、その酸素が電極膜21へ進入し拡散することを抑制することができる。よって、第2実施形態による半導体記憶装置100aは、電極膜21の抵抗をさらに確実に低く維持することができる。
第2実施形態による半導体記憶装置100aの製造方法は、第1実施形態の製造方法と同様でよい。ボイドBが外部と連通している場合には、電極膜21の側面を200℃以上の温度でシリコン含有ガスに晒せば、金属シリサイド膜60、62は、電極膜21の側面にだけでなく、ボイドBの内面にも形成される。また、ALD法等で金属シリサイド膜60、62の材料をスリットSTの内壁に堆積し、金属シリサイド膜60、62の材料をエッチバックしてもよい。この場合であっても、金属シリサイド膜60、62は、電極膜21の側面にだけでなく、ボイドBの内面にも形成され得る。この場合、金属シリサイド膜60、62は、同一材料で構成される。尚、ボイドB内の金属シリサイド膜62の内部には、空洞(ボイド)が残っていてもよい。一方、ボイドBおよびシームSMは、金属シリサイド膜62の材料で埋め込まれて(充填されて)いてもよい。
ただし、金属シリサイド膜60、62が互いに異なる材料で構成されている場合、まず、金属シリサイド膜62の材料を電極膜21の側面、ボイドBおよびシームSM内に形成し、一旦、CDE(Chemical Dry Etching)法を用いて電極膜21の側面の金属シリサイド膜62の材料を除去する。このとき、ボイドBおよびシームSM内の金属シリサイド膜62は残置される。次に、電極膜21の側面に金属シリサイド膜60を形成する。このとき、ボイドBおよびシームSM内には、金属シリサイド膜62が形成されているので、金属シリサイド膜60の材料は、電極膜21の側面に形成されるが、ボイドBおよびシームSM内には入り込まない。これにより、金属シリサイド膜60、62は、互いに異なる材料で形成することができる。
図15Bは、第2実施形態の変形例による半導体記憶装置100aの構成例を示す断面図である。この変形例によれば、金属シリサイド膜62は、電極膜21の内部にあるボイドBおよび/またはシームSM内に充填されている。このような形態であっても、本実施形態の効果は失われない。
(第3実施形態)
図16は、第3実施形態による半導体記憶装置100aの構成例を示す断面図である。第3実施形態による半導体記憶装置100aは、電極膜21の内部にあるボイドBおよび/またはシームSMの内壁に金属シリサイド膜62が設けられており、電極膜21のスリットST側の側面には、金属シリサイド膜60が設けられていない。第3実施形態のその他の構成は、第2実施形態の構成と同様でよい。
電極膜21のスリットST側の側面に金属シリサイド膜60が設けられていないため、スリットSTに面する電極膜21の側面から進入する酸素の抑制効果が限定的となる。しかし、電極膜21の内部にあるボイドBおよび/またはシームSMからの酸素の進入が抑制され得る。従って、第3実施形態であっても、或る程度、電極膜21の酸化抑制効果を得ることができる。
尚、第1または第3実施形態のように、金属シリサイド膜60または62の一方は、必ずしも形成されない場合がある。従って、1つの積層体2における複数の電極膜21には、第1~第3実施形態による電極膜21が混在していてもよい。例えば、積層体2のワード線WLのうち一部には、金属シリサイド膜60のみが形成され、他の一部には、金属シリサイド膜62のみが形成され、残りのワード線WLには、金属シリサイド膜60、62の両方が形成されてもよい。このような構成であっても、本実施形態の効果を或る程度得ることができる。
(第4実施形態)
図17は、第4実施形態による半導体記憶装置100aの構成例を示す断面図である。第4実施形態による半導体記憶装置100aは、電極膜21の内部にあるボイドBの内壁に金属シリサイド膜62が設けられており、さらにその内部に電極膜21と同一材料の埋込み材25が埋め込まれている。尚、埋込み材25は、電極膜21と異なる材料であってもよい。また、埋込み材25は、導電材料であっても、絶縁材料であってもよい。第4実施形態のその他の構成は、第2実施形態の構成と同様でよい。
図18~図21は、第4実施形態による半導体記憶装置100aの製造方法の一例を示す断面図である。
まず、図9~図12を参照して説明した工程を経た後、スリットSTを介して、空洞Hの内壁にブロック絶縁膜21aおよびバリア膜21bが形成される。さらに、図18に示すように、ブロック酸化膜21b上に電極膜21の材料が堆積される。電極膜21の内側にボイドBが発生する。
次に、図19に示すように、ALD法またはCVD法を用いて、金属シリサイド膜62の材料をボイドBの内壁に堆積する。
次に、図20に示すように、埋込み材25を、シリサイド膜62内のボイドBの内部に埋め込む。
次に、図21に示すように、埋込み材25、金属シリサイド膜62および電極膜21をエッチバックすることによって、図12の空洞H内に、埋込み材25、金属シリサイド膜62および電極膜21を残置する。尚、ブロック絶縁膜21aおよびバリア膜21bもエッチバックされて、空洞H内に残置されてよい。
その後、図14を参照して説明したように、電極膜21のうちスリットST側に面し露出された側面に、金属シリサイド膜60を形成する。
次に、図17に示すように、スリットSTの内壁に絶縁膜51を形成し、絶縁膜51の内側に配線50の材料を埋め込む。このとき、絶縁膜51または配線50からの拡散する酸素は、金属シリサイド膜60、62によってブロックされ、電極膜21にはほとんど達しない。これにより、電極膜21の酸化を抑制し、その高抵抗化を抑制することができる。
その後、積層体2上に多層配線層およびビット線等を形成し、第4実施形態による半導体記憶装置100aが完成する。
(適用例)
図22は、上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。半導体記憶装置100aは、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリであり、外部のメモリコントローラ1002によって制御される。半導体記憶装置100aとメモリコントローラ1002との間の通信は、例えばNANDインターフェイス規格をサポートしている。
図22に示すように、半導体記憶装置100aは、例えばメモリセルアレイMCA、コマンドレジスタ1011、アドレスレジスタ1012、シーケンサ1013、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016を備えている。
メモリセルアレイMCAは、複数のブロックBLK(0)~BLK(n)(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイMCAには、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイMCAの詳細な構成については後述する。
コマンドレジスタ1011は、半導体記憶装置100aがメモリコントローラ1002から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ1013に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
アドレスレジスタ1012は、半導体記憶装置100aがメモリコントローラ1002から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
シーケンサ1013は、半導体記憶装置100a全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ1013は、コマンドレジスタ1011に保持されたコマンドCMDに基づいて、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
ドライバモジュール1014は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール1014は、例えばアドレスレジスタ1012に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
ロウデコーダモジュール1015は、複数のロウデコーダを備える。ロウデコーダは、アドレスレジスタ1012に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイMCA内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダは、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
センスアンプモジュール1016は、書き込み動作において、メモリコントローラ1002から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール1016は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ1002に転送する。
以上で説明した半導体記憶装置100a及びメモリコントローラ1002は、それらの組み合わせにより1つの半導体装置を構成しても良い。このような半導体装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
図23は、メモリセルアレイMCAの回路構成の一例を示す回路図である。メモリセルアレイMCAに含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKが抽出されている。図23に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(0)~SU(k)(kは1以上の整数)を含んでいる。
各ストリングユニットSUは、ビット線BL(0)~BL(m)(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)、並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST(1)及びST(2)のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)は、直列接続される。選択トランジスタST(1)のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタST(1)のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の一端に接続される。選択トランジスタST(2)のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の他端に接続される。選択トランジスタST(2)のソースは、ソース線SLに接続される。
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の制御ゲートは、それぞれワード線WL(0)~WL(15)に共通接続される。ストリングユニットSU(0)~SU(k)内のそれぞれの選択トランジスタST(1)のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD(0)~SGD(k)に共通接続される。選択トランジスタST(2)のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
以上で説明したメモリセルアレイMCAの回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと称される。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
尚、本実施形態に係る半導体記憶装置100aが備えるメモリセルアレイMCAは、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
2 積層体、3 板状部、2m メモリセルアレイ、ST 深いスリット、21 電極膜、22 絶縁膜、21a ブロック絶縁膜、21b バリア膜、50 配線、51 絶縁膜、60,62 金属シリサイド膜、B ボイド、SM シーム

Claims (8)

  1. 第1方向に互いに離隔して積層された複数の電極膜を含む積層体と、
    前記積層体内に前記第1方向に延伸し、半導体層を含み、該半導体層と前記複数の電極膜との交差部にそれぞれメモリセルを有する柱状部と、
    前記積層体内において前記第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に延伸し、前記複数の電極膜を前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に分断し、絶縁体を含む分断部と、
    前記絶縁体と前記電極膜における前記第3方向の端面との間に設けられ、第1金属とシリコンとを含む第1膜とを備える、半導体装置。
  2. 前記第1膜は、前記分断部に対向する前記電極膜の対向面に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1膜は、前記分断部側にある前記電極膜の側面を被覆する、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記電極膜の内部にある空洞部の内壁に設けられ、第2金属とシリコンとを含む第2膜をさらに備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記第2膜は、前記電極膜の内部にあるボイドまたはシームの内壁に設けられている、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1および2膜には、互いに異なる材料が用いられている、請求項4または請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記空洞部内の前記第2膜の内部に設けられた材料膜とをさらに備える、請求項5から請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 第1方向に複数の第1絶縁膜と複数の第1犠牲膜とを交互に積層することによって積層体を形成し、
    前記積層体内に前記第1方向に延伸し、半導体層を含み、該半導体層と前記複数の電極膜との交差部にそれぞれメモリセルを有する複数の柱状部を形成し、
    前記積層体を前記第1方向に貫通するスリットを形成し、
    前記スリットを介して前記複数の第1犠牲膜を複数の電極膜に置換し、
    前記スリットに露出された前記複数の電極膜の側面に第1金属とシリコンとを含む第1膜を形成し、
    前記スリットの内壁に第2絶縁膜を形成することを具備する、半導体装置の製造方法。
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