JP2023124442A - ヒンジキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽量化した場合に、ヒンジキャップの蓋体が座屈することがなく、シャワー水の吸水を防止することができるヒンジキャップを提供すること。【解決手段】 容器Aの口部1に装着されるキャップ本体Bと、キャップ本体Bにヒンジ部Cを介して連設される蓋体Dとからなるヒンジキャップであって、キャップ本体Bは、容器Aの口部1に装着される装着部3と、装着部3から立設される蓋係合部11とを備え、蓋体Dは、頂壁30と、頂壁30の周縁部から垂設される側周壁31と、側周壁31の外周下部のヒンジ部Cと反対側に突設される摘み部38とを備え、側周壁31は、内周下部の周方向に形成され、蓋係合部11と係合する係止突部36と、係止突部36の上方から周方向に形成され、閉蓋時に、蓋係合部11の上面と当接または近接する座屈防止突部37と、下面から上向きに凹設される周方向の肉抜き溝40とを備えることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、容器の口部に装着されるヒンジキャップに関し、とくに、軽量化してもキャップ内にシャワー水が吸い込まれないようにしたヒンジキャップに関するものである。
殺菌のため加熱された内容液を容器に充填するヒンジキャップにおいて、内容液を充填してヒンジキャップを容器口部に打栓した後、容器外部からシャワー水で洗浄、冷却することが従来から行われている。
充填した液を冷やすために温水でシャワーすると、蓋体内の空気が内容液の熱によって温められているため、蓋体内の空気が冷却されて、蓋体内の内圧が低下することになり、蓋体内と大気圧との間に圧力差が生じ、その隙間からシャワー水が蓋体内に吸い込まれてしまい、衛生管理上問題となっていた。
このため、シャワー冷却する際に、キャップ内にシャワー水が入らないように、容器の口部に打栓するものであっても、確実な密閉が保持できるようにしたヒンジキャップが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007-246127号公報
特許文献1記載のヒンジキャップは、キャップ本体に上蓋を閉蓋した状態で、容器の口部にキャップ本体を嵌合固定したときに、外側壁(15)がやや内側に倒れ込み、外側壁(15)の弧状面(15b)とシールリング(25)の環状舌片(26)の傾斜面(26a)とが圧接することで、シャワー水がキャップ内に入らないようにしたものである。
しかしながら、上記特許文献1記載のヒンジキャップでは、上蓋(20)の側壁(22)の被係止突条(24)とキャップ本体(10)の外側壁(15)の係止突条(15a)とが係合するものであり、成形の際に、被係止突条(24)の形状をしっかり出すためには、上蓋(20)の側壁(22)の肉厚を確保する必要があった。
このため、ヒンジキャップを軽量化する場合には、肉厚を薄くする必要があり、側壁(22)の肉厚を薄くした場合に、ヒンジキャップの打栓の際に座屈してしまったり、被係合突条(24)の形状がしっかり出ないために、嵌合力がばらついてしまったりすることがあり、さらにシャワー水の吸水にも影響が出るという問題があった。
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、ヒンジキャップを軽量化した場合に、ヒンジキャップの蓋体が座屈することがなく、シャワー水の吸水を防止することができるヒンジキャップを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、ヒンジキャップとして、容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ部を介して連設される蓋体とからなるヒンジキャップであって、キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部から立設される蓋係合部とを備え、蓋体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設される側周壁と、側周壁の外周下部のヒンジ部と反対側に突設される摘み部とを備え、側周壁は、内周下部の周方向に形成され、蓋係合部と係合する係止突部と、係止突部の上方から周方向に形成され、閉蓋時に、蓋係合部の上面と当接または近接する座屈防止突部と、下面から上向きに凹設される周方向の肉抜き溝とを備えることを特徴とする構成を採用する。
ヒンジキャップの具体的実施形態として、ヒンジ部は、中央のヒンジとヒンジの両側に隣接もしくは近接する弾性片、または中央の弾性片と弾性片の両側に隣接もしくは近接するヒンジを備え、肉抜き溝は、弾性片の形成範囲を除く側周壁の下面から上向きに凹設されることを特徴とする構成、肉抜き溝は、座屈防止突部の上端部の高さと同等の高さで上向きに凹設されることを特徴とする構成、肉抜き溝は、摘み部の形成範囲では、蓋係合部の高さと同等の高さで側周壁の下面から上向きに凹設される注出側肉抜き溝であることを特徴とする構成、肉抜き溝は、摘み部の形成範囲を除く側周壁の下面から上向きに凹設されることを特徴とする構成を採用する。
本発明のヒンジキャップは、上記構成を採用することにより、キャップの軽量化が可能になるとともに、蓋体の側周壁の内側に座屈防止突部を設けることで、打栓時の蓋体の座屈を防止することができる。
また、本発明のヒンジキャップは、金型の離型時、肉抜き溝を抜いた後、側周壁内周の係止突部を抜くことになるので、無理抜きにならず、係止突部の形状をしっかり出すことができる。
さらに、本発明にヒンジキャップは、キャップ本体の蓋係合部と蓋体の係止突部が強固に係合可能となるため、加熱した内容液を充填した容器に装着して、シャワー水で冷却する際に、キャップ内が減圧状態となっても、シャワー水がキャップ内に吸い込まれるのを防止することができる。
本発明の第1実施例であるヒンジキャップを装着した容器の閉蓋状態を示す側面断面図である。 本発明の第1実施例であるヒンジキャップの開蓋状態を示す図であり、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。 本発明の第1実施例であるヒンジキャップのキャップ本体を示す図であり、(a)は要部下面図で、(b)は(a)のX-X要部矢視図である。 本発明の第2実施例であるヒンジキャップを装着した容器の閉蓋状態を示す側面断面図である。 本発明の第2実施例であるヒンジキャップの開蓋状態を示す図であり、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。 本発明の第3実施例であるヒンジキャップを装着した容器の閉蓋状態を示す側面断面図である。 本発明の第3実施例であるヒンジキャップの開蓋状態を示す図であり、(a)は上面図で、(b)は側面断面図である。
次に、本発明のヒンジキャップについて、実施例を示した図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、図1でみて、左方向を「注出側」とし、右方向を「背面側」とし、上方向を「上」とし、下方向を「下」とする。
図1において、Aは容器、Bは容器Aに装着されるキャップ本体、Dはキャップ本体Bにヒンジ部Cを介して開閉可能に取り付けられる蓋体である。
容器Aは、スクイズ変形可能で、上部に口部1を有し、口部1の外周面上部には、嵌合突条2が設けられ、嵌合突条2の外周上部は傾斜面2aとなっている。
キャップ本体Bは、図1および図2に示すように、容器Aの口部1に打栓される装着部3と、装着部3の内縁から内方に延設され、口部1の開口を封鎖する上壁4と、上壁4を貫通する注出口4aと、注出口4aから僅かに拡径した径で上壁4の上面に立設される注出筒5とを備えている。
注出口4aは、キャップ本体Bの中心から注出側寄りに開口されている。
注出筒5は、内容液を注ぎ易くするために、本実施例では、注出側は、背面側よりも高く形成され、リップ部5aは、ラッパ状に広がっている。
装着部3は、容器Aの口部1の上面に当接する環状の基壁部6と、基壁部6の内周側から垂設される内筒7と、基壁部6の外周側から垂設される外周壁部8とから構成されており、外周壁部8には、背面側上端にヒンジ部Cが連設され、内周下部に容器Aの口部1の嵌合突条2と係合する係合突部9が設けられている。
基壁部6は、上部に蓋係合部11が立設され、蓋係合部11の外周には係止突条13が周設されている。
外周壁部8の上部には、注出側に、ほぼ180°の円弧範囲で円弧状に上から距離αの深さで外周から凹設された段凹部15が設けられ、残りの背面側は、上面8aが上壁4上面と面一の高さとなり、外周上端にヒンジ部Cが連設される。
段凹部15は、上面8aから距離α下がった平坦面15aと、平坦面15aの内周縁から内側上方に傾斜する傾斜面15bと、平坦面15aの端部の両側から上面8aのそれぞれの両側に向って傾斜する傾斜側面15cとが形成されている。
外周壁部8の注出側には、段凹部15の平坦面15aから下方に向けて切り欠き凹部10が凹設されている。
図2(a)に示すように、ヒンジ部C側から見てヒンジ部Cの左側近傍に、外周面に平面視で略V字状の外周切り込み部16が下端部に薄肉底壁17を残して上面8aから切り込まれている。
外周壁部8内周の係合突部9の外周切り込み部16に対応する位置には、図示しないが内周切り込み部が縦方向に刻設され、縦方向引き裂きラインが形成される。
また、外周壁部8のヒンジ部C側には、外周切り込み部16の内周側の上部の薄肉部を隔てた位置を起点としてヒンジ部C側を通り円弧状に延び、外周壁部8のヒンジ部Cから見て右側中央付近まで、スリット溝18が上方から凹設されており、縦方向引き裂きラインに隣接するスリット溝18の起点を引き裂き開始点として、スリット溝18の底面内方を周方向引き裂きラインとして引き裂き可能となっている。
本実施例では、蓋体Dを引っ張ることで、ヒンジ部Cを介して、外周壁部8の縦方向引き裂きラインおよび周方向引き裂きラインを引き裂き、容器Aの口部1に装着されるキャップ本体Bの装着部3の嵌合を外し、容器Aからキャップ本体Bを分別する分別機構としている。
なお、分別機構は、他の手法に基づくものであってもよく、なくても構わない。
図1に示すように、整流筒20は、上壁4の注出口4aからわずかに縮径されて下方に円筒状に延び、注出口4aと同軸に配置されている。
整流筒20の底壁23は、整流筒20の軸線を挟んで、横穴22の反対側から横穴22側に向かうに従い下方に傾斜している。底壁23の上面23aは、注出側から背面側に向けて下方に傾斜する傾斜面を形成している。
整流筒20の周壁21には、横穴22が形成され、横穴22は、周壁21を貫通し、整流筒20から背面側に向けて開口している。
横穴22は、周壁21における上下方向の全長にわたって配置され、横穴22の下端縁の注出側に位置する部分は、整流筒20の底壁23の上面23aに連なっている。
図3(b)に示すように、横穴22の正面視形状は、矩形状であり、横穴22の正面視形状とは、横穴22を、横穴22が開口するX方向から見た場合における横穴22の形状である。
垂下筒25は、整流筒20に対して背面側に並んで配置され、垂下筒25は、上壁4から下方に延び、図3(a)に示すように、垂下筒25は、整流筒20よりも大径である。
垂下筒25の軸線は、キャップ本体Bの中心に対して注出側寄りに配置され、垂下筒25の上下方向の長さは、整流筒20の上下方向の長さよりも長く形成されてことから、垂下筒25の下端は、整流筒20の下端よりも下方に位置している。
垂下筒25の内部は、横穴22に連通し、垂下筒25において注出側に位置する一部は、整流筒20と一体になっており、横穴22は、垂下筒25内に開口している。
垂下筒25は、底部を備えておらず、下方に向けて開口している。
垂下筒25には、背面側に開口する切り欠き26が設けられ、切り欠き26は、垂下筒25の下端を切り欠いており、切り欠き26は、注出側から背面側に向かうに従い、上下方向に大きくなっている。
図2(a)に示すように、ヒンジ部Cは、中央のヒンジ28と、ヒンジ28の両側に隣接する弾性片29とから構成されている。
なお、本実施例では、ヒンジ部Cは、ヒンジ28と弾性片29とが連続して形成されているが、ヒンジ28と弾性片29とは、間隔を空けて(近接して)形成されていても構わない。
また、ヒンジ部Cは、中央の弾性片29と、弾性片29の両側に隣接または近接するヒンジ28とから構成されても構わない。
蓋体Dは、図1および図2に示すように、キャップ本体Bの外周壁部8の外周上端に、ヒンジ部Cを介して回動自在に取着されており、頂壁30と、頂壁30の周縁から垂設される側周壁31と、頂壁30の裏面から垂設され、注出筒5を密封する密封筒32とが設けられている。
頂壁30には、密封筒32の外周側に変形可能な薄肉部33が周設されている。
密封筒32は、閉蓋時に注出筒5の内周面に挿入されて密封状態とする通常のシール部aが形成されるとともに、密封筒32の下部外周側が縮径された下部シール筒32aが設けられ、下部シール筒32aは、閉蓋時において、上壁4の注出口4aの内周面に近接あるいは当接するように形成されており、下部シール筒32aと注出口4aの内周面とで、シール部aの下にもう一つの仮シール部bが形成される。
シール部aと仮シール部bとの二段のシールでヒンジキャップが密封されるので、衝撃により、片方のシール部が外れる場合にも、他方のシール部によりシールされ、内容液が漏れることがない。
また、シール部aと仮シール部bとの間に空間cが設けられ、容器Aの落下等による衝撃を受けて、仮シール部bに少量の内容液が侵入したときの空間cに内容液をとどめることができる。
側周壁31の下端部内周には、蓋係合部11と係合して閉蓋状態を維持する被係合部35が周設されている。
被係合部35は、内向き面に、蓋係合部11の係止突条13と係合する係止突部36が設けられている。
また、側周壁31の被係合部35の上側に、閉蓋時に蓋係合部11の上面と近接または当接し、ヒンジキャップの打栓時に、側周壁31の座屈を防止する座屈防止突部37が内方に向けて突設されている。
座屈防止突部37は、本実施例では、図2(a)に示すように、側周壁31の内周に3個所の間欠部を設けて3つに分割して形成され、図1に示すように、座屈防止突部37の上端部は、被係合部35の上端と頂壁30との中間付近の側周壁31から内方へなだらかに下降して形成され、座屈防止突部37の下端部は、蓋係合部11の上面に近接または軽く当接するように、平坦な下向き面37aが形成されている。
なお、座屈防止突部37は、側周壁31の内側全周に形成しても、間欠部を設けて複数に分割して形成してもよい。
側周壁31の外周には、注出側の下部に、周方向に円弧状の摘み部38が形成され、背面側の下端部にヒンジ部Cが連設されている。
側周壁31下面の注出側外周縁には、摘み部38が形成された部分を除き、閉蓋時にキャップ本体Bの外周壁部8の段凹部15を覆うように、段凹部15の平坦面15aに、下端が近接あるいは当接するように形成された円弧状の被覆壁39が垂設されている。
側周壁31の下面には、図2(a)に示すように、注出側の中央から両側の周方向に延び、ヒンジ部Cの弾性片29が連設される円弧範囲θ1を除くとともに、図1に示すように、座屈防止突部37の上端部の高さと同等の高さh1で上向きに凹設される空間を形成する肉抜き溝40が形成され、側周壁31の肉抜き溝40と被係合部35との間は、変形可能な係合筒41となっている。なお、ヒンジ部Cの弾性片29が連接される円弧範囲θ1に肉抜き溝40が形成されないので、蓋体Dの開閉時にヒンジ部Cが捻じれる恐れがなく使用性がよい。
本実施例のヒンジキャップに、使用前の不正開封を防止するために、図示していないが、キャップ本体Bと蓋体Dとの間にシュリンクラベルや封緘部材等が設けられていてもよい。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、図2に示す開蓋状態で一体成形される。
ヒンジキャップの一体成形では、金型の離型時、肉抜き溝40を抜いた後、側周壁31の内周側部分である係合筒41の係止突部36を抜くことになるので、無理抜きにならず、係止突部36の形状をしっかり出すことができる。
一体成形されたヒンジキャップは、蓋体Dをヒンジ部Cを介して回動し、キャップ本体Bに被せ、閉蓋する。
その際、蓋体Dの密封筒32の下部外周面が、キャップ本体Bの注出筒5の下部内周面に密着してシール部aとなる。
また、蓋体Dの側周壁31の被係合部35とキャップ本体Bの蓋係合部11が係合し、閉蓋が維持される。
次に、図1に示すように、閉蓋したヒンジキャップは、内容液が充填された容器Aの口部1に打栓して装着される。
打栓工程は、装着部3の内筒7と外周壁部8との間に形成された環状溝に容器Aの口部1を当てがい、蓋体Dの上から押圧力が加えられ、外周壁部8の係合突部9が口部1の嵌合突条2を乗り越えて嵌合し、容器Aの口部1が内筒7の外周と外周壁部8の内周、および基壁部6とによって挟持されることで装着される。
打栓の際には、蓋体Dが強く押圧されるため、それによって、係合筒41は外側に広がりながら変形しやすい状態となるが、座屈防止突部37の下向き面37aが蓋係合部11の上面に当接することになり、係合筒41の外側への広がりが抑えられ、ヒンジキャップの座屈を防止することができる。
本実施例のヒンジキャップは、内容液が高温充填された容器Aに打栓された場合、容器A内の圧力が上昇するが、頂壁30には密封筒32の外側に変形可能な薄肉部33が形成されているので、頂壁30は、薄肉部33の内周側のみが上昇して圧力を注出筒5より外側に逃がすので、蓋体Dの側周壁31の被係合部35とキャップ本体Bの蓋係合部11との係合に支障がなく、閉蓋が維持されるので、内容液が高温だったときの内圧上昇により蓋体Dが開蓋してしまうことを防止できる。
その後、容器A外部よりシャワー水で洗浄、冷却する。
また、閉蓋した状態で、倒立落下した際に、蓋体Dの頂壁30に衝撃力が加えられた場合でも、蓋体Dが受ける衝撃を薄肉部33が吸収し、密封筒32を注出筒5に対して押し込んだり、引き離したりしないので、密封筒32とキャップ本体Bの注出筒5との密着に影響を及ぼさず、密封筒32と注出筒5との密着が外れたり、密封筒32と注出筒5が互いに傷付け合ったりすることを防止できる。
容器A内の内容液を使用する際には、蓋体Dの摘み部38に手指を掛けて持ち上げると、注出側の側周壁31が持ち上げられ、係合筒41が下部から肉抜き溝40の空間側に変形し、その部分の係止突部36と蓋係合部11の係止突条13との係合が外れ易くなるので、係合を外す力を弱くすることができる。
さらに摘み部38を持ち上げると、蓋体Dの密封筒32とキャップ本体Bの注出筒5とのシール部aが外され、蓋体Dが開蓋される。
蓋体Dが開蓋された状態で、容器Aがスクイズ変形されると、容器A内の内容液は、垂下筒25の内部、整流筒20の横穴22、および整流筒20の内部を通過して注出口4aに到達し、その後、注出口4aを通じて注出筒5から注出される。
この過程で、内容液は、整流筒20の横穴22を通過することで、一度、上下方向に交差する方向に流れるものの、その後、整流筒20の内部を通過することで、上下方向に流れが整えられる。
しかも、本実施例では、容器A内の内容液が整流筒20の横穴22に到達する前に、垂下筒25内を通過する。そのため、例えば、容器Aを強くスクイズ変形する等しても、内容液の流れが乱れることが抑制され、これによって、内容液を所望の方向に注出し易くすることができる。
蓋体Dをキャップ本体Bに再び閉蓋することで、蓋体Dの密封筒32は、外周がキャップ本体Bの注出筒5の内周に密着してシール部が形成され、容器A内を密封することができ、ヒンジキャップは、繰り返し蓋体Dを開閉して使用することができる。
本実施例のヒンジキャップは、キャップ本体Bの外周壁部8の注出側に平坦面15aおよび傾斜面15bを形成した段凹部15を設けているので、内容液の使用中に容器Aを傾けた方向の注出筒5のリップ部5aから液が下の段凹部15に垂れても、傾斜面15bの傾斜により平坦面15aから切り欠き凹部10に流れるため、ティッシュ等で簡単に汚れを拭き取ることができる。
次に、容器A内の内容液を全部使用した後、ヒンジキャップを分別廃棄する態様について説明する。
その際には、ヒンジキャップを開蓋し、蓋体Dを指で把持して外方に引っ張ると、ヒンジ部Cを介して外周壁部8の縦方向引き裂きラインおよび周方向引き裂きラインを引き裂き、容器Aの口部1に装着されるキャップ本体Bの装着部3の嵌合を外し、容器Aからキャップ本体Bを分別することができる。
次に、蓋体Dの形状を変更した第2実施例について、図を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
図4において、Aは容器、Bは容器Aに装着されるキャップ本体、Daはキャップ本体Bにヒンジ部Cを介して開閉可能に取り付けられる蓋体である。
蓋体Daは、図4および図5に示すように、キャップ本体Bの外周壁部8の外周上端に、ヒンジ部Cを介して回動自在に取着されており、頂壁30と、頂壁30の周縁部から垂設される側周壁31と、頂壁30の裏面に垂設されて注出筒5を密封する密封筒32とが設けられている。
側周壁31の下面には、図5(a)に示すように、摘み部38が形成される円弧範囲θ2を除き、注出側から両側の周方向に延び、ヒンジ部Cの弾性片29が連設される円弧範囲θ1を除くとともに、図4に示すように、座屈防止突部37の上端部の高さと同等の高さh1で上向きに凹設される空間を形成する肉抜き溝40が形成され、側周壁31の肉抜き溝40と被係合部35との間は、変形可能な係合筒41となっている。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、蓋体Daの側周壁31下面に、摘み部38が形成される円弧範囲θ2を除くように肉抜き溝40が設けられているので、容器A内の内容液を使用する際に、蓋体Dの摘み部38を持ち上げると、注出側の側周壁31が持ち上げられるが、この部分に肉抜き溝40が存在しないために変形しにくく、係止突部36と蓋係合部11の係止突条13との係合を外す力は、第1実施例よりも大きくなる。しかし、第1実施例よりも座屈防止効果は大きくなる。
その他の作用効果については、第1実施例と同様である。
次に、蓋体Dの形状を変更した第3実施例について、図を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
図6において、Aは容器、Bは容器Aに装着されるキャップ本体、Dbはキャップ本体Bにヒンジ部Cを介して開閉可能に取り付けられる蓋体である。
蓋体Dbは、図6および図7に示すように、キャップ本体Bの外周壁部8の外周上端に、ヒンジ部Cを介して回動自在に取着されており、頂壁30と、頂壁30の周縁部から垂設される側周壁31と、頂壁30の裏面に垂設されて注出筒5を密封する密封筒32とが設けられている。
側周壁31の下面には、図7(a)に示すように、注出側の中央から両側の周方向に延び、ヒンジ部Cの弾性片29が連設される円弧範囲θ1を除き、図6に示すように、高さが異なる肉抜き溝40と注出側肉抜き溝42とが形成され、肉抜き溝40は、摘み部38が形成される円弧範囲θ2を除き、座屈防止突部37の上端部の高さと同等の高さh1で上向きに凹設されて空間を形成し、注出側肉抜き溝42は、摘み部38が形成される円弧範囲θ2に、蓋係合部11の高さと同等の高さh2で上向きに凹設されて空間を形成し、側周壁31の肉抜き溝40および注出側肉抜き溝42と被係合部35との間は、変形可能な係合筒41となっている。注出側肉抜き溝42を蓋係合部11の高さと同等の高さh2としたので、第1実施例よりも座屈防止効果が大きく、第2実施例よりも蓋体Dbを開放し易い構造となっている。
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
本実施例のヒンジキャップは、蓋体Dbの側周壁31下面に、摘み部38が形成される円弧範囲θ2に注出側肉抜き溝42が設けられているので、容器A内の内容液を使用する際に、蓋体Dの摘み部38を持ち上げると、注出側の側周壁31が持ち上げられ、係合筒41が下部から注出側肉抜き溝42の空間側に変形し、この部分の係止突部36と蓋係合部11の係止突条13との係合が外れ易くなるので、係合を外す力を第1実施例と第2実施例との間にすることができる。
その他の作用効果については、第1実施例と同様である。
本発明のヒンジキャップは、軽量化が可能であり、軽量ヒンジキャップであっても座屈することがなく、また、加熱した内容液を充填した容器に装着して、シャワー水で冷却する際に、キャップ内が減圧状態となっても、シャワー水がキャップ内に吸い込まれることがないため、衛生管理が容易であり、食品用容器の口部に打栓するヒンジキャップして好適である。
A 容器
B キャップ本体
C ヒンジ部
D、Da、Db 蓋体
a シール部
b 仮シール部
c 空間
h1、h2 高さ
α 距離
θ1、θ2 円弧範囲
1 口部
2 嵌合突条
2a 傾斜面
3 装着部
4 上壁
4a 注出口
5 注出筒
5a リップ部
6 基壁部
7 内筒
8 外周壁部
8a、23a 上面
9 係合突部
10 切り欠き凹部
11 蓋係合部
13 係止突条
15 段凹部
15a 平坦面
15b 傾斜面
15c 傾斜側面
16 外周切り込み部
17 薄肉底壁
18 スリット溝
20 整流筒
21 周壁
22 横穴
23 底壁
25 垂下筒
26 切り欠き
28 ヒンジ
29 弾性片
30 頂壁
31 側周壁
32 密封筒
32a 下部シール筒
33 薄肉部
35 被係合部
36 係止突部
37 座屈防止突部
37a 下向き面
38 摘み部
39 被覆壁
40 肉抜き溝
41 係合筒
42 注出側肉抜き溝

Claims (5)

  1. 容器の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ部を介して連設される蓋体とからなるヒンジキャップであって、
    キャップ本体は、容器の口部に装着される装着部と、装着部から立設される蓋係合部とを備え、
    蓋体は、頂壁と、頂壁の周縁部から垂設される側周壁と、側周壁の外周下部のヒンジ部と反対側に突設される摘み部とを備え、
    側周壁は、内周下部の周方向に形成され、蓋係合部と係合する係止突部と、係止突部の上方から周方向に形成され、閉蓋時に、蓋係合部の上面と当接または近接する座屈防止突部と、下面から上向きに凹設される周方向の肉抜き溝とを備えることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. ヒンジ部は、中央のヒンジとヒンジの両側に隣接もしくは近接する弾性片、または中央の弾性片と弾性片の両側に隣接もしくは近接するヒンジを備え、
    肉抜き溝は、弾性片の形成範囲を除く側周壁の下面から上向きに凹設されることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. 肉抜き溝は、座屈防止突部の上端部の高さと同等の高さで上向きに凹設されることを特徴とする請求項1または2に記載のヒンジキャップ。
  4. 肉抜き溝は、摘み部の形成範囲では、蓋係合部の高さと同等の高さで側周壁の下面から上向きに凹設される注出側肉抜き溝であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
  5. 肉抜き溝は、摘み部の形成範囲を除く側周壁の下面から上向きに凹設されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
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