JP2023123979A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】故障診断が可能なガスセンサを提供する。【解決手段】ガスセンサ1は、対象雰囲気から水素ガスを除いた参照雰囲気に曝される第1検知素子10と、対象雰囲気に曝される第2検知素子20を備える。自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1検知素子10及び第2検知素子20は、ブリッジ回路41の一辺を構成するように直列に接続される。ガスセンサ1は、ブリッジ回路41に所定の電圧が印加された際の第1検知素子10と第2検知素子20との間の中間電圧に基づいて増幅電圧Vd2を出力する増幅回路42と、前記中間電圧をそのまま非増幅電圧Vd1として出力する非増幅回路43と、増幅電圧Vd2及び非増幅電圧Vd1が入力される制御部30と、を備える。制御部30は、入力された前記増幅電圧Vd2に基づいて水素ガス濃度Dc(前記被検知ガスの濃度)を算出するとともに、少なくとも前記非増幅電圧Vd1に基づいて当該ガスセンサ1の故障を判定する【選択図】図5

Description

本開示は、ガスセンサに関する。
ガスセンサの一例として、下記特許文献1に記載の水素ガスセンサが知られている。このガスセンサは、ブリッジ回路を構成するよう直列に接続され、自身の温度変化により抵抗値が変化する第1ガス検知素子及び第2ガス検知素子と、これらガス検知素子に流れる電流を検知する電流検知部と、これらガス検知素子の間の電位から水素ガス濃度を演算する演算部と、を備える。第1ガス検知素子は、水素ガスを除いた被検知雰囲気に曝される参照素子であり、第2ガス検知素子は、被検知雰囲気にそのまま曝される検知素子であって、演算部は、電流検知部が検知した電流が閾値以上の場合、被検知雰囲気中の水素ガスが高濃度であると判定する。
上記のようなガスセンサにおいて、例えば、直列に接続されたガス検知素子の一方が破損しショート(短絡)すると、ガス検知素子に流れる電流が増加して、電流検知部による電流検知値が閾値以上になることがある。上記ガスセンサでは、このようにガス検知素子が破損したために電流検知値が閾値以上となっている状態と、被検知雰囲気中の水素ガスが実際に非常に高濃度である状態と、を識別することが困難であった。また、上記ガスセンサでは、ガスセンサの感度を高めるためにガス検知素子の出力を増幅しているが、このような増幅回路の故障を判定することも困難であった。
特開2019-53028号公報
本技術は、上記状況に鑑み、故障診断が可能なガスセンサを提供することを課題とする。
本開示に係るガスセンサは、対象雰囲気中に含まれる被検知ガスを検知するためのガスセンサであって、ブリッジ回路の一辺を構成するように直列に接続される第1検知素子及び第2検知素子であり、前記対象雰囲気から前記被検知ガスを除いた参照雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1検知素子と、前記第1検知素子に直列に接続されるとともに、前記対象雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第2検知素子と、前記ブリッジ回路に所定の電圧が印加された際の、前記第1検知素子と前記第2検知素子との間の中間電圧に基づいて、増幅電圧を出力する増幅回路と、前記中間電圧を、そのまま非増幅電圧として出力する非増幅回路と、前記増幅電圧及び前記非増幅電圧が入力される制御部と、を備え、前記制御部は、入力された前記増幅電圧に基づいて前記被検知ガスの濃度を算出するとともに、少なくとも前記非増幅電圧に基づいて当該ガスセンサの故障を判定する、ガスセンサである。
本開示によれば、故障診断が可能なガスセンサを提供できる。
図1は、実施形態に係るガスセンサの概略構成を模式的に示した断面図である。 図2は、図1における検知素子近傍の部分拡大図である。 図3は、検知素子の概略構成を模式的に示した平面図である。 図4は、図3におけるI-I断面図である。 図5は、ガスセンサ及び表示部の電気的構成の一例を示した回路図である。 図6は、検知素子の故障を検知する処理の一例(処理例1)を示したフロー図である。 図7は、増幅回路の故障を検知する処理の一例(処理例2)を示したフロー図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
<1> 本開示のガスセンサは、対象雰囲気中に含まれる被検知ガスを検知するためのガスセンサであって、ブリッジ回路の一辺を構成するように直列に接続される第1検知素子及び第2検知素子であり、前記対象雰囲気から前記被検知ガスを除いた参照雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1検知素子と、前記第1検知素子に直列に接続されるとともに、前記対象雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第2検知素子と、前記ブリッジ回路に所定の電圧が印加された際の、前記第1検知素子と前記第2検知素子との間の中間電圧に基づいて、増幅電圧を出力する増幅回路と、前記中間電圧を、そのまま非増幅電圧として出力する非増幅回路と、前記増幅電圧及び前記非増幅電圧が入力される制御部と、を備え、前記制御部は、入力された前記増幅電圧に基づいて前記被検知ガスの濃度を算出するとともに、少なくとも前記非増幅電圧に基づいて当該ガスセンサの故障を判定する、ガスセンサである。
上記<1>の構成によれば、制御部は、増幅電圧に基づき、高い感度で被検知ガスの濃度を検知可能である。また、制御部は、非増幅電圧に基づき、検知素子や増幅回路における故障の有無に加えて故障部位も判定できる。
<2> 上記<1>のガスセンサにおいて、前記非増幅回路は、所定の非増幅出力範囲で前記非増幅電圧を前記制御部に出力可能に構成されており、前記制御部は、入力された前記非増幅電圧が前記非増幅出力範囲の下限値又は上限値である場合に、前記第1検知素子又は前記第2検知素子の少なくとも一方が故障していると判定する。
上記<2>の構成によれば、制御部は、非増幅電圧を参照することで、増幅電圧から算出された被検知ガス濃度のみからでは判断できない検知素子の故障の有無を判定可能となる。
<3> 上記<1>又は<2>の保持装置において、前記制御部は、入力された前記増幅電圧及び前記非増幅電圧に基づいて増幅率を算出するとともに、前記増幅率が期待範囲を外れる場合に前記増幅回路が故障していると判定する。
上記<3>の構成によれば、制御部は、増幅電圧及び非増幅電圧から増幅率を算出して期待範囲と比較することにより、増幅回路の故障の有無を判定できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のガスセンサの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図1の上側を上、図1の下側を下とするが、ガスセンサが必ずこのような姿勢で設置されることを意味するものではない。各図面において、複数の同一部材については、一の部材に符号を付して他の部材の符号を省略することがある。また、各図面における部材の相対的な大きさや配置は必ずしも正確ではなく、説明の便宜を考慮して一部の部材の縮尺等を変更しているものがある。
<実施形態の詳細>
以下、本実施形態に係るガスセンサ1の構成について、図1から図5を参照しつつ説明する。本実施形態に係るガスセンサ1は、対象雰囲気中に含まれる水素ガスを被検知ガスとして検出するためのものであり、例えば燃料電池自動車の車内に設置して、水素漏れを検出する目的等に用いることができる。
(ガスセンサ)
まず、ガスセンサ1の概略構成について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
図1等に示すように、ガスセンサ1はケーシング3を備える。ケーシング3の下面の一部は下方に突出しており、この突出部分に、ケーシング3の内部に形成された内部空間3Aと、ケーシング3の外部とを連通するガス導入口3Bと、が形成されている。ガス導入口3Bには、フィルタ3Cが配置されている。フィルタ3Cは、対象雰囲気を透過しかつ液状の水を透過しない(つまり、対象雰囲気に含まれている水滴を除去する)撥水フィルタである。フィルタ3Cは、ケーシング3の内面に、ガス導入口3Bを塞ぐように取り付けられている。このような構成により、ガス導入口3Bから内部空間3Aへの水素ガス(被検知ガス)を含む対象雰囲気の流入が許容されるとともに、水滴その他の異物の侵入が抑制される。また、ガス導入口3Bの周囲には、ケーシング3の内方に突出する内枠3Dが設けられている。
図1等に示すように、ケーシング3の内部には、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)5が実装された回路基板4が、板面が上下方向を向く姿勢で収容されている。回路基板4の下側の板面はシール部材7を介して内枠3Dに固定されており、回路基板4の上側の板面にマイコン5が実装されている。
図2に拡大して示すように、ケーシング3内において、ガス導入口3Bに配置されたフィルタ3Cと、内枠3D及びシール部材7と、回路基板4と、によって画成される内部空間3Aには、第1検知素子10を収容する第1収容部11と、第2検知素子20を収容する第2収容部21と、が設けられている。
図2に示すように、回路基板4の下側の板面に台座6が設置されており、この台座6の下面に設けられた2つの凹部により、第1収容部11及び第2収容部21がそれぞれ形成されている。台座6には、例えばアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア等の絶縁性セラミックによって形成したものを好適に用いることができる。第1収容部11と第2収容部21は、台座6で形成される1つの隔離壁の両側に隣接し、互いに連通しないように隔てられている。このように第1収容部11と第2収容部21とが近接して配置されていることで、第1収容部11の内部と第2収容部21の内部との温度差を抑制し、温度変化に対するガスセンサ1の出力変動を小さくして、センサ出力の誤差を低減することができる。
図2に示すように、第1収容部11及び第2収容部21は、何れも下方すなわちフィルタ3C側に開口している。以下では、第1収容部11の開口を第1開口11Bとし、第2収容部21の開口を第2開口21Bとする。第1開口11B及び第2開口21Bは、第1収容部11又は第2収容部21と、各収容部11,21の外部であるケーシング3の内部空間3Aとを連通する。なお、第1収容部11は第1開口11Bを除いて開口を有さず、第2収容部21は第2開口21Bを除いて開口を有さない。
図2に示すように、第1開口11Bには、膜体11Cが設置されている。膜体11Cは、水蒸気を透過し、かつ、水蒸気に比べ水素ガスを透過しにくい性質(つまり水素ガスの透過を阻害する性質)を有する固体高分子電解質からなる。このような膜体11Cとしては、フッ素樹脂系のイオン交換膜を好適に使用できる。具体的には、例えばNafion(登録商標)、Flemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)等が挙げられる。また、膜体11Cとして、水素ガスと水蒸気とを分離できる中空糸膜を用いてもよい。
図2に示すように、膜体11Cは、この周縁が第1開口11Bに形成された台座6の段差部に絶縁性の接着剤で接着されており、第1開口11Bの全体を覆って封止している。これにより、第1収容部11の内部への水素ガスの流入が規制され、第1収容部11の内部には、対象ガスから水素ガスを除いた参照雰囲気が供給される。この結果、第1収容部11の内部に収容された第1検知素子10は、参照雰囲気に曝される参照素子として機能する。
他方、第2開口21Bは、内部空間3Aに向かって解放されている。そのため、水素ガスを含む対象雰囲気は、膜体等を介することなく、ケーシング3の内部空間3Aから第2開口21Bを通って第2収容部21の内部に供給される。これにより、第2収容部21の内部に収容された第2検知素子20は、水素ガスを含む対象雰囲気に曝される測定素子として機能する。なお、膜体11Cは、既述したように水蒸気を透過させるため、第1収容部11の内部と第2収容部21の内部の湿度条件は同じとなり、ガス濃度測定への湿度の影響が低減される。
(検知素子)
続いて、ガスセンサ1の主要部となる第1検知素子10及び第2検知素子20について、図3及び図4を参照しつつ説明する。第1検知素子10及び第2検知素子20は、熱伝導式のガス検出素子であって、自身の温度変化によって抵抗値が変化する発熱抵抗体を有する。熱伝導式の検出素子を用いれば、酸素が欠乏する恐れのある高濃度の水素ガス環境においても精度よく高濃度の水素ガス環境を判定できる。
第1検知素子10と第2検知素子20は、同様の構成を有しているため、以下では主に第1検知素子10について説明し、第2検知素子20についての詳細な説明は省略する。
図3及び図4に示すように、第1検知素子10は、第1発熱抵抗体19と、絶縁層18と、配線12と、一対の第1電極パッド13A,13Bと、測温抵抗体14と、一対の第2電極パッド15A,15Bと、基板16と、を有する。
図3に示すように、第1発熱抵抗体19は、渦巻き形状にパターン化された導体であり、配線12を介して第1電極パッド13A,13Bに電気的に接続されている。第1発熱抵抗体19は、図4に示すように、絶縁層18の中央部分に埋設されている。第1発熱抵抗体19は、自身の温度変化により抵抗値が変化する部材であって、温度抵抗係数が大きい導電性材料で構成される。第1発熱抵抗体19の材料としては、例えば白金(Pt)が使用できる。配線12も、第1発熱抵抗体19と同様の材料を用いて形成できる。
以下、第2検知素子20において、第1検知素子10における第1発熱抵抗体19と同様に配された導体を、第2発熱抵抗体29と称することがある。本実施形態では、第1発熱抵抗体19及び第2発熱抵抗体29のそれぞれに、抵抗値が同じものを使用する。
図4に示すように、第1電極パッド13A,13Bは、絶縁層18の表面に形成されており、第1電極パッド13A,13Bの一方はグランドに接続される。第1電極パッド13A,13Bは、第1発熱抵抗体19と同様の材料を用いて形成できる。
図4に示すように、絶縁層18の第1電極パッド13A,13Bと反対側の表面には、第1発熱抵抗体19が配置される領域を除いて、シリコン製の基板16が積層されている。基板16が配されていない領域は、絶縁層18が露出する凹部17となり、ダイアフラム構造を構成している。絶縁層18は、単一の材料で形成されてもよいし、異なる材料を用いた複数の層から構成されてもよい。絶縁層18を構成する絶縁性材料としては、例えば、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si)等が挙げられる。
図3に示すように、測温抵抗体14は、平面視で第1発熱抵抗体19よりも絶縁層18の外縁側に埋設され、第2電極パッド15A,15Bと電気的に接続されている。具体的には、測温抵抗体14は、絶縁層18の一辺の近傍に配置されている。また、第2電極パッド15A,15Bの一方は、グランドに接続される。測温抵抗体14は、抵抗値が温度に比例して変化する導電性材料で構成される。測温抵抗体14の材料としては、例えば第1発熱抵抗体19と同様の白金(Pt)が使用できる。第2電極パッド15A,15Bの材料も、第1発熱抵抗体19と同様とすることができる。
(回路及び制御部)
続いて、ガスセンサ1の電気的構成について、図5を参照しつつ説明する。既述したようにケーシング3内に配置される回路基板4等には、図5に示す回路のうち表示部60を除く部分が形成されている。この回路は、ブリッジ回路41と、ブリッジ回路41で検出される中間電圧(電位差)を増幅する増幅回路42と、ブリッジ回路41で検出される中間電圧をそのまま出力する非増幅回路43と、を備える。
ブリッジ回路41は、第1検知素子10及び第2検知素子20の第1電極パッド13A,13B及び第2電極パッド15A,15Bと、それぞれ電気的に接続されている。第1検知素子10と第2検知素子20は直列に接続され、ブリッジ回路41の一辺を構成する。ブリッジ回路41内のもう一辺をなす2つの抵抗は、それぞれ抵抗値が一定の固定抵抗39,49である。よって、ブリッジ回路41における分圧を測定することにより、第1検知素子10と第2検知素子20との間の中間電圧の変化を読み取ることができる。
増幅回路42は、オペアンプ42Aと、オペアンプ42Aの反転入力端子に接続された固定抵抗R1と、オペアンプ42Aの反転入力端子と出力端子との間に並列接続された固定抵抗R2と、によって構成された周知の反転増幅回路である。このような増幅回路42の増幅率Aは、理論上、R2/R1によって与えられる(A=R2/R1)。増幅回路42は、第1検知素子10と第2検知素子20との間の中間電圧を、固定抵抗39,49の間の電圧を基準の電圧として増幅させて、さらに基準の電圧分をオフセットしたものを増幅電圧Vd2として制御部30に向けて出力する。
非増幅回路43は、オペアンプ等は備えておらず、第1検知素子10と第2検知素子20との間の中間電圧を、そのまま非増幅電圧Vd1として制御部30に向けて出力する。
既述したように回路基板4に実装されるマイコン5は、各種処理を実行する制御部30を備えている。制御部30は、入力された電圧Vdに基づいて水素ガス濃度Dの算出やガスセンサ1の故障判定に係る処理を行い、算出された水素ガス濃度Dや判定信号を車両側ECUに出力する。通常、制御部30は、所定の範囲で水素ガス濃度Dを算出できるように設計される。
図5に示す表示部60は車両側ECUに備えられており、車両側ECUからの出力信号に基づいて表示部60に水素ガス濃度Dや判定結果を表示させる。表示部60は、例えばパネル等を備える。水素ガス濃度Dは、経時的な推移をグラフとして表示部60に表示させてもよい。表示部60は、画像による表示を行うだけでなく、必要時には発光したり警告音等を発したりするように構成してもよい。なお、制御部30から車両側ECUを介さずに直接表示部60等に出力し表示するようにしてもよい。
回路基板4及びマイコン5には、直流電源50から電流が供給され、ブリッジ回路41において直列に接続された第1検知素子10及び第2検知素子20に、一定の印加電圧Vccが印加される。
制御部30は、増幅回路42から入力される増幅電圧Vd2に基づいて、対象雰囲気中における水素ガス濃度Dを算出する。なお、本明細書では、増幅電圧Vd2に基づいて算出される水素ガス濃度Dを、水素ガス濃度Dcと記載することがある。
対象雰囲気から水素ガスを除去した参照雰囲気に曝された第1検知素子10と、水素ガスを含む対象雰囲気に曝された第2検知素子20は、それぞれ自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1発熱抵抗体19もしくは第2発熱抵抗体29を有している。よって、印加電圧Vccを一定とした場合、第1検知素子10と第2検知素子20との間の中間電圧は、対象雰囲気中の水素ガス濃度Dに応じて変動する。
本実施形態に係る制御部30は、中間電圧を増幅回路42によって増幅させた増幅電圧Vd2を取得し、この増幅電圧Vd2に基づいて水素ガス濃度Dcを算出することにより、水素ガス濃度Dを高い精度で検出できるものとされている。水素ガス濃度Dが高濃度となった場合、水素ガス濃度Dを所定の濃度範囲で算出可能に設計された制御部30では、増幅回路42から出力される増幅電圧Vd2が大きくなって閾値以上になると、水素ガス濃度Dcを上限値Dcmaxと算出する。しかしながら、第1検知素子10や第2検知素子20に故障が生じた場合にも、制御部30に入力される増幅電圧Vd2が異常に大きくなり閾値以上となって、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxに維持される。或いは、増幅回路42に故障が生じた場合にも、制御部30に入力される増幅電圧Vd2が増大して水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxに維持されることがある。このため、水素ガス濃度Dcのみに基づいて水素ガス濃度Dが高濃度であるか否かの判定を行うと、実際の水素ガス濃度Dは高くないにも関わらず検知素子10,20や増幅回路42の故障によって水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxとなっている場合に、誤った警告を発出してしまう可能性がある。
同様に、水素ガス濃度Dcのみに基づいて水素ガス濃度Dが低濃度であるか否かの判定を行うと、実際の水素ガス濃度Dは低くないにも関わらず検知素子10,20や増幅回路42の故障によって水素ガス濃度Dcが下限値Dcminとなっている場合に、水素ガス濃度Dが低濃度であると判断してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態に係る制御部30は、非増幅回路43から入力される非増幅電圧Vd1に基づいて、第1検知素子10もしくは第2検知素子20に、或いは、増幅回路42に、故障が生じていないかの判定を行うことができるものとされている。制御部30は、例えば、上記のように増幅電圧Vd2に基づいて算出された水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxもしくは下限値Dcminであった場合に、故障判定を行うための処理を実行するように設定できる。
(処理例1:検知素子の故障判定)
以下、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxもしくは下限値Dcminである場合に検知素子10,20の故障判定を行うように設定された制御部30が実行する処理の一例について、図6を参照しつつ説明する。
ガスセンサ1に電源が供給されると、制御部30が起動される(ステップS1)。また、第1検知素子10及び第2検知素子20への通電も開始されて(ステップS1)一定の印加電圧Vccが印加される。
第1検知素子10と第2検知素子20の間の中間電圧が増幅回路42によって増幅され、増幅電圧Vd2が制御部30に入力されると、制御部30は、入力された増幅電圧Vd2に基づいて水素ガス濃度Dcを算出する(ステップS2)。なお、水素ガス濃度Dcの算出は、制御部30にタイマーを具備させて一定時間経過ごとに実行するように構成してもよく、随時実行するように構成してもよい。
本実施形態に係るガスセンサ1において、増幅電圧Vd2は、増幅率A、非増幅電圧(中間電圧)Vd1と、固定抵抗39と固定抵抗49との中間電圧である基準電圧Vd0と、を用いて下記式(1)で表される。
Vd2=A(Vd0-Vd1)+Vd0 (1)
本実施形態において、制御部30は、所定範囲で、具体的には上限値Dcmax以下の範囲で、水素ガス濃度Dcを算出可能とされる。水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxを上回るような増幅電圧Vd2が増幅回路42から出力された場合、すなわち増幅電圧Vd2が所定の閾値以上となった場合、制御部30は、水素ガス濃度Dcを上限値Dcmaxと算出する。増幅電圧Vd2の閾値は、ガスセンサ1が設置される環境(期待される水素ガス濃度Dの濃度範囲)や予想される測定誤差、制御部30の処理能力等を考慮して予め設定される値である。
次に、制御部30は、上記のように算出された水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxもしくは下限値Dcminであったか否かを判定する(ステップS3)。
ステップS3において、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxもしくは下限値Dcminのいずれでもなかった場合(ステップS3でNO)、制御部30は、算出された水素ガス濃度Dcを出力し(ステップS4)、ステップS2に戻って処理を繰り返す。
ステップS3において、算出された水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxであった場合(ステップS3で上限値Dcmax)、制御部30は、非増幅回路43から非増幅電圧Vd1を取得し、この非増幅電圧Vd1に基づいて、検知素子10,20に故障が生じているか判定を行う。
具体的には、制御部30は、取得した非増幅電圧Vd1を、非増幅電圧Vd1がとり得る非増幅出力範囲の上限値Vd1max及び下限値Vd1minと比較する(ステップS14)。ブリッジ回路41において、例えば下流側に接続された検知素子がショート(短絡)しているか、上流側に接続された検知素子がオープン(開放)になると、非増幅電圧Vd1は下限値Vd1minとなる。また、上流側に接続された検知素子がショートするか、下流側に接続された検知素子がオープンになると、非増幅電圧Vd1は上限値Vd1maxとなる。
ステップS14において、非増幅電圧Vd1が上限値Vd1maxでなく(Vd1≠Vd1max)、かつ非増幅電圧Vd1が下限値Vd1minでない(Vd1≠Vd1min)場合(ステップS14でNO)、制御部30は、検知素子10,20は故障しておらず水素ガス濃度Dが非常に高くなっていると判定し(ステップS15)、高濃度警告信号を出力する(ステップS16)。車両側ECUに高濃度警告信号が入力されると、例えば警告表示を表示させたり警告音を発させたりして、使用者に注意を促すことができる。
ステップS14において、非増幅電圧Vd1が上限値Vd1maxであったか(Vd1=Vd1max)、もしくは非増幅電圧Vd1が下限値Vd1minであった(Vd1=Vd1min)場合(ステップS14でYES)、制御部30は、検知素子10,20の何れかの故障であると判定し(ステップS25)、素子故障信号を出力する(ステップS26)。例えば車両側ECUに素子故障信号が入力されると、第1検知素子10もしくは第2検知素子20の故障表示を表示させて、使用者に点検、部品交換等の対応を促すことができる。
ステップS3において、算出された水素ガス濃度Dcが下限値Dcminであった場合(ステップS3で下限値Dcmin)、制御部30は、非増幅回路43から非増幅電圧Vd1を取得し、この非増幅電圧Vd1に基づいて、検知素子10,20に故障が生じているか判定を行う。
ステップS17において、非増幅電圧Vd1が上限値Vd1maxでなく(Vd1≠Vd1max)、かつ非増幅電圧Vd1が下限値Vd1minでない(Vd1≠Vd1min)場合(ステップS17でNO)、制御部30は、ガスセンサ1(検知素子10,20以外)が故障していると判定し(ステップS18)、ガスセンサ1(検知素子10,20以外)の故障信号を出力する(ステップS19)。例えば車両側ECUにガスセンサ1(検知素子10,20以外)の故障信号が入力されると、故障表示(検知素子10,20以外)を表示させて、使用者に点検、部品交換等の対応を促すことができる。
ステップS17において、非増幅電圧Vd1が上限値Vd1maxであったか(Vd1=Vd1max)、もしくは非増幅電圧Vd1が下限値Vd1minであった(Vd1=Vd1min)場合(ステップS17でYES)、制御部30は、検知素子10,20の何れかの故障であると判定し(ステップS27)、素子故障信号を出力する(ステップS28)。例えば車両側ECUに素子故障信号が入力されると、第1検知素子10もしくは第2検知素子20の故障表示を表示させて、使用者に点検、部品交換等の対応を促すことができる。
[処理例1の具体例]
具体例として、印加電圧Vcc=5.0V、基準電圧Vd0=2.5V、増幅率A=20、水素ガス濃度Dを0~4%の範囲で算出可能に設計されたガスセンサ1における制御部30の上記処理について、考察する。なお、このようなガスセンサ1において、Dcmax=4%、Dcmin=-0.8%、Vd1min=0V、Vd1max=5.0Vであり、増幅電圧Vd2の閾値は3.75Vとされている。
このようなガスセンサ1において、例えば中間電圧が2.0Vであった場合、増幅回路42から出力される増幅電圧Vd2は、前述の式(1)よりVd2=12.5Vとなるが、オペアンプ42Aの出力の上限値である5Vが出力される。増幅電圧Vd2が閾値の3.75V以上である場合、制御部30は、ステップS2において水素ガス濃度Dcを上限値Dcmaxである4%と算出する。ステップS3でDc=Dcmaxとなるため、ステップS14で検知素子10,20の故障判定が行われる。非増幅電圧Vd1は2.0Vであり、Vd1≠Vd1minかつVd1≠Vd1maxで、ステップS14でNOとなる。よって、制御部30は、ステップS15で検知素子10,20は故障しておらず水素ガス濃度Dcが非常に高くなっていると判定し、ステップS16で高濃度警告信号を出力する。
上記のようなガスセンサ1において、例えば下流側に接続された第2検知素子20がショートすると、中間電圧は0Vとなる。増幅回路42から出力される増幅電圧Vd2は、前述の式(1)を参照するとVd2=52.5VとなりVd2≧3.75Vであるため、ステップS2において、水素ガス濃度Dcは上限値Dcmaxの4%と算出される。ステップS3でDc=Dcmaxとなるため、ステップS14で検知素子10,20の故障判定が行われる。非増幅電圧Vd1は0Vであり、ステップS14でVd1=Vd1minとなるため、制御部30は、ステップS25で検知素子10,20の故障と判定し、ステップS26で検知素子故障信号を出力する。
また、上記のようなガスセンサ1において、例えば下流側に接続された第2検知素子20がオープンになると、中間電圧は印加電圧Vccに等しく5Vとなる。増幅回路42から出力される増幅電圧Vd2は、前述の式(1)を参照するとVd2=-47.5Vとなるが、オペアンプ42Aの出力の下限値である0Vが出力される。Vd2=0Vであるため、ステップS2において水素ガス濃度Dcは下限値Dcminの-0.8%と算出される。ステップS3でDc=Dcminとなるため、ステップS17により検知素子の故障判定が行われる。非増幅電圧Vd1は5Vであり、Vd1=Vd1maxで、ステップS17でYESとなる。よって、制御部30は、ステップS27で検知素子10,20の故障と判定し、ステップS28で素子故障信号を出力する。
(処理例2:増幅回路の故障判定)
続いて、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxもしくは下限値Dcminである場合に増幅回路42の故障判定を行うように設定された制御部30が実行する処理の一例について、図7を参照しつつ説明する。なお、この処理例において、ステップS1からステップS4の処理は、処理例1と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
ステップS3において、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxであった場合、制御部30は、非増幅回路43から非増幅電圧Vd1を取得し、この非増幅電圧Vd1と増幅電圧Vd2に基づいて、増幅回路42に故障が生じているか判定を行う。
具体的には、制御部30は、非増幅電圧Vd1と増幅電圧Vd2に基づいて、増幅回路42による増幅率Aを算出する(ステップS34)。なお、本明細書では、非増幅電圧Vd1及び増幅電圧Vd2から算出される増幅率Aを、増幅率Acと記載することがある(Ac=(Vd2-2.5)/(2.5-Vd1))。そして、制御部30は、算出された増幅率Acと、予め設定された増幅率Aの期待範囲ARとを比較する(ステップS35)。なお、増幅率Aの期待範囲ARは、第1検知素子10及び第2検知素子20の感度誤差や、これらの測定値を読み取って処理する回路及び制御部30におけるA/D変換誤差等を考慮して設定される。すなわち、期待範囲ARは、制御部30に入力される増幅電圧Vd2や非増幅電圧Vd1の値のバラツキやノイズ等を考慮した上で、理論上の増幅率Aに対し一定程度の幅をもって予め設定され、制御部30に記憶されている。増幅回路42が故障した場合には、増幅率Acが1に近付くか、或いは、増幅率Acが無限大に近付くことが予測されるため、期待範囲ARは増幅回路42の故障判定が行えるように設定するとよい。
ステップS35において、増幅率Acが期待範囲AR内であった場合、すなわち増幅率Acが期待範囲ARの下限値Acmin以上で上限値Acmax以下(Acmin≦Ac≦Acmax)であった場合(ステップS35でNO)、制御部30は、増幅回路42は故障しておらず水素ガス濃度Dが非常に高くなっていると判定し(ステップS36)、高濃度警告信号を出力する(ステップS37)。
ステップS35において、増幅率Acが期待範囲ARを外れている場合、すなわち増幅率Acが期待範囲ARの下限値Acmin未満(Ac<Acmin)であった場合、もしくは増幅率Acが期待範囲ARの上限値Acmax超(Ac>Acmax)であった場合(ステップS35でYES)、制御部30は、増幅回路42に故障が生じていると判定し(ステップS46)、増幅回路故障信号を出力する(ステップS47)。
ステップS3において、水素ガス濃度Dcが下限値Dcminであった場合、制御部30は、非増幅回路43から非増幅電圧Vd1を取得し、この非増幅電圧Vd1と増幅電圧Vd2に基づいて、増幅回路42に故障が生じているか判定を行う。
具体的には、制御部30は、非増幅電圧Vd1と増幅電圧Vd2に基づいて、増幅回路42による増幅率Aを算出する(ステップS38)。なお、本明細書では、非増幅電圧Vd1及び増幅電圧Vd2から算出される増幅率Aを、増幅率Acと記載することがある(Ac=(Vd2-2.5)/(2.5-Vd1))。そして、制御部30は、算出された増幅率Acと、予め設定された増幅率Aの期待範囲ARとを比較する(ステップS39)。
ステップS39において、増幅率Acが期待範囲AR内であった場合、すなわち増幅率Acが期待範囲ARの下限値Acmin以上で上限値Acmax以下(Acmin≦Ac≦Acmax)であった場合(ステップS39でNO)、制御部30は、増幅回路42は故障しておらずガスセンサ1(増幅回路42以外)が故障していると判定し(ステップS42)、ガスセンサ1(増幅回路42以外)の故障信号を出力する(ステップS43)。例えば車両側ECUにガスセンサ1(増幅回路42以外)の故障信号が入力されると、故障表示(増幅回路42以外)を表示させて、使用者に点検、部品交換等の対応を促すことができる。
ステップS39において、増幅率Acが期待範囲ARを外れている場合、すなわち増幅率Acが期待範囲ARの下限値Acmin未満(Ac<Acmin)であった場合、もしくは増幅率Acが期待範囲ARの上限値Acmax超(Ac>Acmax)であった場合(ステップS39でYES)、制御部30は、増幅回路42に故障が生じていると判定し(ステップS40)、増幅回路故障信号を出力する(ステップS41)。例えば車両側ECUに増幅回路故障信号が入力されると、増幅回路42の故障表示を表示させて、使用者に点検、部品交換等の対応を促すことができる。
(本実施形態の効果)
以上記載したように、本実施形態に係るガスセンサ1は、対象雰囲気中に含まれる水素ガス(被検知ガス)を検知するためのガスセンサ1であって、ブリッジ回路41の一辺を構成するように直列に接続される第1検知素子10及び第2検知素子20であり、前記対象雰囲気から水素ガスを除いた参照雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1検知素子10と、前記第1検知素子10に直列に接続されるとともに、前記対象雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第2検知素子20と、前記ブリッジ回路41に所定の電圧が印加された際の、前記第1検知素子10と前記第2検知素子20との間の中間電圧に基づいて、増幅電圧Vd2を出力する増幅回路42と、前記中間電圧を、そのまま非増幅電圧Vd1として出力する非増幅回路43と、前記増幅電圧Vd2及び前記非増幅電圧Vd1が入力される制御部30と、を備え、前記制御部30は、入力された前記増幅電圧Vd2に基づいて水素ガス濃度Dc(前記被検知ガスの濃度)を算出するとともに、少なくとも前記非増幅電圧Vd1に基づいて当該ガスセンサ1の故障を判定する、ガスセンサ1である。
本実施形態の構成によれば、制御部30は、増幅電圧Vd2に基づき、高い感度で被検知ガスの濃度を検知可能である。また、制御部30は、非増幅電圧Vd1に基づき、検知素子10,20や増幅回路42における故障の有無に加えて故障部位を判定できる。水素ガス濃度Dを所定の濃度範囲で算出可能なガスセンサ1において、非増幅電圧Vd1を取得して中間電圧を広い範囲に亘って容易に監視可能とすることで、例えば算出された水素ガス濃度Dcが濃度範囲の上限値Dcmaxに維持された場合、制御部30は、非増幅電圧Vd1に基づいて、算出された水素ガス濃度Dcが実際の被検知ガスの濃度を反映しているのか、或いは、検知素子10,20や増幅回路42の故障によるものか、容易に判定できる。判定結果に基づき、制御部30は、例えば故障信号や高濃度警告信号を車両側ECUに出力して、車両側ECUが表示部60に表示させ、使用者に対応を促すことができる。
また、本実施形態に係るガスセンサ1において、前記非増幅回路43は、所定の非増幅出力範囲で前記非増幅電圧Vd1を前記制御部30に出力可能に構成されており、前記制御部30は、入力された前記非増幅電圧Vd1が前記非増幅出力範囲の下限値Vd1min又は上限値Vd1maxである場合に、前記第1検知素子10又は前記第2検知素子20の少なくとも一方が故障していると判定する。
本実施形態の構成によれば、制御部30は、非増幅電圧Vd1を参照することで、増幅電圧Vd2から算出された水素ガス濃度Dcのみからでは判断できない検知素子10,20の故障の有無を判定可能となる。例えば、処理例1では、増幅電圧Vd2に基づいて算出された水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxに維持される一方で、非増幅電圧Vd1が下限値Vd1minでも上限値Vd1maxでもない場合に、制御部30は、対象雰囲気における水素ガス濃度Dが高濃度であると判定する。
また、本実施形態に係るガスセンサ1において、前記制御部30は、入力された前記増幅電圧Vd2及び前記非増幅電圧Vd1に基づいて増幅率Acを算出するとともに、前記増幅率Acが期待範囲ARを外れる場合に前記増幅回路42が故障していると判定する。
本実施形態の構成によれば、制御部30は、増幅電圧Vd2及び非増幅電圧Vd1から増幅率Acを算出して期待範囲ARと比較することにより、増幅回路42の故障の有無を判定できる。例えば、処理例2では、増幅電圧Vd2に基づいて算出された水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxに維持される一方で、増幅電圧Vd2及び非増幅電圧Vd1から算出された増幅率Acが期待範囲AR内である場合に、制御部30は、対象雰囲気における水素ガス濃度Dが高濃度であると判定する。
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、水素ガスを被検知ガスとする場合について記載したが、これに限定されない。例えば、第1検知素子を配した第1収容部に参照雰囲気を密封し、第2検知素子のみが対象雰囲気に曝されるように構成すれば、メタンガス等の任意のガスを被検知ガスとすることができる。
(2)上記実施形態のガスセンサにおける各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。また、上記実施形態におけるガスセンサの形状も、あくまで一例であり、種々に変形が可能である。
(3)上記実施形態に記載した処理例1、処理例2は、あくまで例示にすぎない。例えば、上記実施形態に係るガスセンサ1において、制御部30は、まず非増幅電圧Vd1を取得して、これが下限値Vd1minでなく、かつ上限値Vd1maxでもないことを確認(検知素子10,20に故障が生じていないと判定)し、次に増幅電圧Vd2を取得して増幅率Acを算出し、増幅率Acが期待範囲ARの範囲内にあることを確認(増幅回路42に故障が生じていないと判定)し、次に増幅電圧Vd2に基づいて水素ガス濃度Dcを算出し、水素ガス濃度Dcが上限値Dcmaxでないと確認(水素ガス濃度Dcが警告を要するほど高濃度ではないと判定)した場合に、表示部60に水素ガス濃度Dcを出力して表示させるように構成してもよい。
(4)上記実施形態に記載した処理例1(図6)ではステップS14でNOの場合、水素ガス濃度Dcが非常に高くなっていると判定しているが、増幅回路42の故障によって水素ガス濃度Dcが上限値となっている(水素ガスが高濃度でない)可能性がある。そのため、処理例1のステップS15の代わりに処理例2(図7)のステップS34以降を実行することで、増幅回路42に故障が生じていないと判定した場合に水素ガス濃度Dcが非常に高くなっていると判定してもよい。すなわち、処理例1と処理例2の各ステップを適宜組み合わせて、検知素子10,20の故障判定と増幅回路42の故障判定と水素ガスの高濃度判定とを行ってもよい。
1…ガスセンサ、3…ケーシング、3A…内部空間、3B…ガス導入口、3C…フィルタ、3D…内枠、4…回路基板、5…マイコン(マイクロコンピュータ)、6…台座、7…シール部材、10…第1検知素子、11…第1収容部、11B…第1開口、11C…膜体、12…配線、13A,13B…第1電極パッド、14…測温抵抗体、15A,15B…第2電極パッド、16…基板、17…凹部、18…絶縁層、19…第1発熱抵抗体、20…第2検知素子、21…第2収容部、21B…第2開口、29…第2発熱抵抗体、30…制御部、39,49…固定抵抗、41…ブリッジ回路、42…増幅回路、42A…オペアンプ、43…非増幅回路、50…直流電源、60…表示部、A…増幅率、AR…(増幅率の)期待範囲、Ac…(Vd1及びVd2に基づいて算出される)増幅率、Acmax…(増幅率Acの)上限値、Acmin…(増幅率Acの)下限値、D…水素ガス濃度、Dc…(Vd2に基づいて算出される)水素ガス濃度、Dcmax…(水素ガス濃度Dcの)上限値、R1,R2…固定抵抗、Vcc…印加電圧、Vd0…基準電圧、Vd1…非増幅電圧(中間電圧)、Vd1max…(非増幅電圧Vd1の)上限値、Vd1min…(非増幅電圧Vd1の)下限値、Vd2…非増幅電圧

Claims (3)

  1. 対象雰囲気中に含まれる被検知ガスを検知するためのガスセンサであって、
    ブリッジ回路の一辺を構成するように直列に接続される第1検知素子及び第2検知素子であり、前記対象雰囲気から前記被検知ガスを除いた参照雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第1検知素子と、
    前記第1検知素子に直列に接続されるとともに、前記対象雰囲気に曝され、自身の温度変化によって抵抗値が変化する第2検知素子と、
    前記ブリッジ回路に所定の電圧が印加された際の、前記第1検知素子と前記第2検知素子との間の中間電圧に基づいて、増幅電圧を出力する増幅回路と、
    前記中間電圧を、そのまま非増幅電圧として出力する非増幅回路と、
    前記増幅電圧及び前記非増幅電圧が入力される制御部と、を備え、
    前記制御部は、入力された前記増幅電圧に基づいて前記被検知ガスの濃度を算出するとともに、少なくとも前記非増幅電圧に基づいて当該ガスセンサの故障を判定する、ガスセンサ。
  2. 前記非増幅回路は、所定の非増幅出力範囲で前記非増幅電圧を前記制御部に出力可能に構成されており、
    前記制御部は、入力された前記非増幅電圧が前記非増幅出力範囲の下限値又は上限値である場合に、前記第1検知素子又は前記第2検知素子の少なくとも一方が故障していると判定する、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記制御部は、入力された前記増幅電圧及び前記非増幅電圧に基づいて増幅率を算出するとともに、前記増幅率が期待範囲を外れる場合に前記増幅回路が故障していると判定する、請求項1又は請求項2に記載のガスセンサ。
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