JP2023123957A - 感光性樹脂組成物、配線基板および配線基板の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、配線基板および配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不透明配線電極と併せて用いても、不透明配線電極の抵抗値上昇を抑制することのできる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】(a)顔料、(b)ノボラック樹脂、(c)キノンジアジド化合物および(d)下記一般式(1)で表される化合物を含み、前記(d)化合物の含有量が固形分中、3~10質量%である、感光性樹脂組成物。TIFF2023123957000007.tif106170【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、配線基板および配線基板の製造方法に関する。
近年、入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、液晶パネルなどの表示部と、特定の位置に入力された情報を検出するタッチパネルセンサー等から構成される。タッチパネルの方式は、入力位置の検出方法により、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式などに大別される。中でも、光学的に明るいこと、意匠性に優れること、構造が簡易であることおよび機能的に優れること等の理由により、静電容量方式のタッチパネルが広く用いられている。
静電容量方式のタッチパネルセンサーは、第一電極と絶縁層を介して直交する第二電極を有し、タッチパネル面の電極に電圧をかけて、指などの導電体が触れた際の静電容量変化を検知することにより得られた接触位置を信号として出力する。静電容量方式に用いられるタッチパネルセンサーとしては、例えば、一対の対向する透明基板上に電極および外部接続端子を形成した構造や、一枚の透明基板の両面に電極および外部接続端子をそれぞれ形成した構造などが知られている。
タッチパネルセンサーに用いられる配線電極としては、配線電極を見えにくくする観点から透明配線電極が用いられることが一般的であったが、近年、高感度化や画面の大型化により、金属材料を用いた不透明配線電極が広まっている。金属材料を用いた不透明配線電極を有するタッチパネルセンサーは、不透明配線電極の金属光沢により不透明配線電極が視認される課題があった。不透明配線電極を視認されにくくする方法として、透明基板上に不透明配線電極を形成した後、黒色のポジ型感光性組成物を塗布し、不透明配線電極をマスクとして、ポジ型感光性組成物を露光及び現像することにより、不透明配線電極上に遮光層を形成する方法が提案されている(例えば特許文献1)。この方法に用いられる黒色のポジ型感光性組成物の一例として、顔料、ノボラック樹脂、カルボキシ基を有するアクリル樹脂、光酸発生剤、アミン系分散剤を含む感光性樹脂組成物が提案されている。(例えば特許文献2)
国際公開第2018/168325号 特開2021-139971号公報
しかしながら、特許文献2記載の感光性樹脂組成物を用いて不透明配線電極上に遮光層を形成したところ、遮光性、パターンニング性については良好な結果が得られたが、耐候性試験を実施したところ、不透明配線電極の抵抗値が上昇する傾向があり、耐候性に関しては改善の余地があることがわかった。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、不透明配線電極と併せて用いても、不透明配線電極の抵抗値上昇を抑制することのできる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、(a)顔料、(b)ノボラック樹脂、(c)キノンジアジド化合物および(d)下記一般式(1)で表される化合物を含み、前記(d)化合物の含有量が固形分中、3~10質量%である、感光性樹脂組成物である。
Figure 2023123957000002
(上記一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基又は炭素数1~20の1価の炭化水素基を表す。)
本発明によれば、不透明配線電極と併せて用いても、不透明配線電極の抵抗値上昇を抑制することのできる感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の配線基板の一例を示す概略図である。 実施例および比較例における視認性および導電性評価用電極パターンを示す概略図である。
[感光性樹脂組成物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)顔料、(b)ノボラック樹脂、(c)キノンジアジド化合物および(d)上記一般式(1)で表される化合物を含み、前記(d)化合物の含有量が固形分中、3~10質量%である。ここで「感光性」とは、感光性ペーストが活性光線の照射を受けた場合に、光架橋、光重合、光解重合、光変性などの反応を通して感光性有機成分の化学構造が変化することを意味する。本発明における感光性樹脂組成物は、活性光線の照射によって化学構造の変化が生じ、現像液に対して可溶になるポジ型感光性樹脂組成物である必要がある。ここで言う活性光線とはこのような化学反応を起こす250~1100nmの波長領域の光線を指し、具体的な光源としては、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプなどの紫外光線、ハロゲンランプなどの可視光線、ヘリウム-カドミウムレーザー、ヘリウム-ネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、半導体レーザー、YAGレーザー、炭酸ガスレーザーなどの特定波長のレーザー光線等を挙げることができる。本発明の感光性樹脂組成物においては、波長が300~500nmの範囲である紫外線を好ましく用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される遮光層は、例えば、タッチセンサーパネルにおいて、不透明配線電極の上部に形成され、前記不透明配線電極を視認されにくくすることができる。
[(a)顔料]
本発明の感光性樹脂組成物は、(a)顔料を含有する。(a)顔料を含有することにより、形成した遮光層は遮光性を有する。
(a)顔料としては有機顔料、無機顔料が挙げられ、これらの顔料を2種以上含有してもよい。(a)顔料の割合は、固形分中5~30質量%であることが好ましい。
有機顔料としては、例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイトや、松煙、群青、又は、鉄黒、ヘマタイト、ゲーサイト、マグネタイトなどの酸化鉄、チタン、クロム、鉛、及びこれらの金属複合系などが挙げられる。
[(b)ノボラック樹脂]
本発明の感光性樹脂組成物は、(b)ノボラック樹脂を含有する。(b)ノボラック樹脂を含有することにより、現像性が向上する。ここでいう「現像性」とは未露光部の現像液に対する溶解耐性をいい、現像性が良好なほど現像液に長時間浸漬してもパターンの線幅の削れが少ない。
(b)ノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを公知の方法で重縮合することによって得られる。2種以上のノボラック樹脂を含有してもよい。含有する(b)ノボラック樹脂の割合は、固形分中50~80質量%であることが好ましい。
上記フェノール類としては、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、2,3-キシレノール、2,5-キシレノール、3,4-キシレノール、3,5-キシレノール、2,3,5-トリメチルフェノール、3,4,5-トリメチルフェノール等が挙げられる。これらのフェノール類を2種以上用いてもよい。
上記アルデヒド類としては、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類を2種以上用いてもよい。
[(c)キノンジアジド化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(c)キノンジアジド化合物を含有する。(c)キノンジアジド化合物を含有することにより、活性光線照射部のアルカリ現像液に対する溶解性を上げる、ポジ型感光性を付与することができる。(c)キノンジアジド化合物の割合は、固形分中5~25質量%であることが好ましい。
(c)キノンジアジド化合物としては、ポリヒドロキシ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合したもの、ポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がスルホンアミド結合したもの、ポリヒドロキシポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステル結合および/またはスルホンアミド結合したものなどが挙げられる。
[(d)一般式(1)で表される化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、(d)下記一般式(1)で表される化合物(本明細書において、単に「(d)化合物」と称することがある。)を含む。(d)化合物を含有することにより、紫外線、可視光により不透明配線電極から溶出した金属イオンを捕捉し、不透明配線電極表面に錯体による膜を形成することで、新たに金属イオンが溶出することを抑制し、不透明配線電極の抵抗値上昇を抑制することができる。
Figure 2023123957000003
上記一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基又は炭素数1~20の1価の炭化水素基を表す。
中でも、X~Xの少なくとも1つが、カルボキシル基であることが好ましい。X~Xの少なくとも1つが、カルボキシル基であることにより、後述のキュア工程での揮発を抑制し、200℃を超える高温であっても、不透明配線電極の抵抗値上昇をより抑制することができる。
また、X~Xの少なくとも1つが、メチル基であることが好ましい。X~Xの少なくとも1つが、メチル基であることにより、キュア工程での揮発を抑制し、130℃を超える高温であっても、不透明配線電極の抵抗値上昇をより抑制することができる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は直鎖であっても分岐していてもよく、一部または全体が環状であってもよい。また、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は水素の少なくとも一部がハロゲンなどにより置換されていてもよい。芳香族炭化水素基は水素の少なくとも一部がハロゲンなどにより置換されていてもよい。炭化水素基の炭素数は1~20であり、好ましくは1~10である。
~Xは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
一般式(1)の構造は、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、検出されるピークを帰属する方法によって確認できる。
(d)化合物としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ニトロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
(d)化合物の含有量は、固形分中、3~10質量%である。(d)化合物の含有量が固形分中3質量%未満であると、抵抗値上昇抑制の効果が不十分である。(d)化合物の含有量は、好ましくは4質量%以上である。一方、(d)化合物の含有量が固形分中10質量%より多いと、不透明配線電極中の金属を必要以上に捕捉してしまい、抵抗値が上昇してしまう。(d)化合物の含有量は、好ましくは6質量%以下である。
固形分中の(d)化合物の含有量は、次のようにして測定することができる。まず、固形分の比率を求めるにあたり、感光性樹脂組成物をクロロホルム等で希釈し、フィルターろ過を行った濾液のGC/MS測定を行い、溶剤成分の定性を行う。次に、溶剤成分について、該当する溶剤の標準品を用いて、クロロホルム等により任意の濃度に調製した標準品溶液を作製し、GC測定にて検量線を作成する。さらに、感光性樹脂組成物をクロロホルム等で希釈し、フィルターろ過を行った濾液のGC測定を実施し、作成した検量線を用いて溶剤成分の濃度を算出する。得られた溶剤成分の濃度を100%から差し引いた値を固形分の比率とする。同様に、(d)化合物の濃度について、感光性樹脂組成物をアセトニトリル等で希釈し、フィルターろ過を行ったろ液のLC/MS測定を行い、(d)化合物の定性を行う。次に、該当する標準品を用いて、アセトニトリル等により任意の濃度に調製した標準品溶液を作製し、LC/UVまたはLC/MS測定にて検量線を作成する。さらに感光性樹脂組成をアセトニトリル等で希釈し、フィルターろ過を行ったろ液のLC/UVまたはLC/MS測定を実施し、作成した検量線を用いて(d)化合物の濃度を算出する。これらの固形分の比率と(d)化合物の濃度の値を用いて、固形分中の(d)化合物の含有量を算出することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前記(d)化合物の分子量が130~240であることが好ましい。(d)化合物の分子量が130以上であることで、後述の遮光層形成時のキュア工程での揮発を抑制し、不透明配線電極の抵抗値上昇をより抑制することができる。一方、(d)化合物の分子量が240以下であることで、必要な添加量を最小限に抑えることができる。(d)化合物の分子量は、NMRを用いて、構造を特定した後に、原子量から計算することができる。
[(e)メチロール系化合物]
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、(e)メチロール系化合物を含むことが好ましい。(e)メチロール系化合物を含むことで、熱により(b)ノボラック樹脂の架橋が促進して不透明配線電極の抵抗値上昇をより抑制することができる。(e)メチロール系化合物の含有量は、固形分中1~15質量%であることが好ましく、3~7質量%であることがより好ましい。
メチロール系化合物としては、市販品を用いることができ、このような市販品としては、ニカラックMW-390、ニカラックMW-100LM、ニカラックMX-750LM、ニカラックMX-270、ニカラックMX-280(以上、いずれも株式会社三和ケミカル製)等が挙げられる。
[溶剤]
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を含有しても構わない。溶剤としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、乳酸エチル、3-メトキシ-3-メチルブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。
[その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物は、その所望の特性を損なわない範囲であれば、ポリマー、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤、架橋剤、レベリング剤、消泡剤又は顔料等の添加剤を配合しても構わない。
[配線基板]
本発明の配線基板は、透明基板上に不透明配線電極を有し、前記不透明配線電極上に遮光層を有する配線基板であって、前記遮光層が上述した感光性樹脂組成物の硬化物である。
透明基板は、可視光領域において透明である。ここで「透明」とは、波長550nmにおける透過率が80%以上であるものをいう。なお、透明基板の波長550nmにおける透過率は、紫外可視分光光度計(U-3310 (株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定することができる。
透明基板としては、可撓性を有しない透明基板や可撓性を有する透明基板が挙げられる。可撓性を有しない透明基板としては、例えば、石英ガラス、ソーダガラス、化学強化ガラス、“パイレックス(登録商標)”ガラス、合成石英板、エポキシ樹脂基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板等が挙げられる。可撓性を有する透明基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」)、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、アラミドフィルム等の樹脂からなる透明フィルムや光学用樹脂板等が挙げられる。これらを複数重ねて使用してもよく、例えば、粘着層により複数の透明基板を用いて貼り合せて使用することができる。
不透明配線電極は、透明基板の少なくとも片面にパターニングされる。ここで「不透明」とは、波長550nmにおける透過率が25%以下であるものをいう。
不透明配線電極を構成する材料としては、例えば、銀、金、銅、白金、鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、チタン、インジウム等の金属や、これらの合金などが挙げられる。これらの中でも、導電性の観点から、銀又は銅が好ましい。また、不透明配線電極は、導電性粒子を含む導電性組成物を硬化させたものであってもよい。この場合、導電性粒子の形状は、球状が好ましく、材料としては前述の金属や合金を用いることができる。
不透明配線電極は、透明基板の片面、両面に形成してもよく、透明保護層などを介して片方の面に2層以上形成してもよい。
遮光層は、前記不透明配線電極上に形成され、上述した感光性樹脂組成物の硬化物である。
本発明の配線基板は、前記透明配線電極の膜厚T1と前記遮光層の膜厚T2の比率が、T1:T2=1.0:1.5~2.0:1.0であり、T1とT2の合計が1.0~3.0μmであることが好ましい。前記透明配線電極の膜厚T1の比率をT1:T2=1.0:1.5より大きくすることで、導電性が良好となる。また、前記遮光層の膜厚T2の比率をT1:T2=2.0:1.0より大きくすることで視認性が良好となる。また、T1とT2の合計が、1.0μm以上であると導電性、視認性の両方をより良好な特性とすることが可能である。T1とT2の合計は1.2μm以上であることがより好ましい。また、3.0μm以下とすることで、凹凸が少なくなり、配線基板上への保護層の形成が容易となる。透明配線電極および遮光層の膜厚は、配線基板を割断した断面をSEM観察することで測定することができる。
本発明の配線基板は、前記不透明配線電極と前記遮光層の線幅の差が1.0μm以下であることが好ましい。前記不透明配線電極と前記遮光層の線幅の差を1.0μm以下とすることで、配線基板の透過率が低下したり、前記遮光層よりはみ出した前記不透明配線電極が反射することによる視認性の悪化を最小限にすることができる。前記不透明配線電極と前記遮光層の線幅の差は0.5μm以下であることがより好ましい。線幅の差については、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製VHX-6000)を用いて、前記不透明配線電極の方が太い場合は不透明配線電極形成面から、前記不透明配線電極の方が細い場合は透明基板側から測定することができる。
本発明の配線基板は、不透明配線電極及び遮光層上に透明保護層を有してもよい。透明保護層の形成方法としては、例えば、透明樹脂組成物を塗布し、乾燥する方法や、不透明配線電極形成面側に透明粘着フィルムを貼り合わせる方法などが挙げられる。
[感光性樹脂組成物の製造方法]
次に本発明の感光性樹脂組成物の製造方法について説明する。
(a)顔料、(b)ノボラック樹脂、(c)キノンジアジド化合物および(d)化合物を混合した後、例えば、ジェットミル、ビーズミル、ボールミル若しくは遊星式ボールミル等の分散機又は混練機を用いて調製することができる。
[配線基板の製造方法]
次に、本発明の配線基板の製造方法について説明する。
本発明の配線基板の製造方法は、透明基板上に不透明配線電極を形成する工程と、前記不透明配線電極形成面に前記感光性樹脂組成物を塗布する工程と、前記不透明配線電極をマスクとして前記感光性樹脂組成物を前記塗布面とは反対の面側から露光し、現像することにより、前記不透明配線電極上に遮光層を形成する工程と、を有することが好ましい。これにより、前記不透明配線電極と同一のパターンの遮光層を形成することができる。
まず、透明基板上に不透明配線電極を形成する。
不透明配線電極の形成方法としては、例えば、感光性導電性組成物を用いてフォトリソグラフィー法によりパターン形成する方法、導電性組成物(導電ペースト)を用いてスクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット等によりパターン形成する方法、金属、金属複合体、金属と金属化合物との複合体、金属合金等の膜を形成し、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによりパターン形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、微細配線が形成可能であることから、感光性導電性組成物を用いてフォトリソグラフィー法により形成する方法が好ましい。なお、不透明配線電極を透明基板の両面に形成する場合や、透明保護層を介して不透明配線電極を2層以上形成する場合は、各不透明配線電極を同じ方法により形成してもよいし、異なる方法を組み合わせてもよい。
感光性導電性組成物を用いてフォトリソグラフィー法によりパターン形成する方法は、透明基板上に前記感光性導電性組成物を塗布して塗布膜を得る塗布工程と、上記塗布膜を露光及び現像してパターンを得るフォトリソ工程と、上記パターンを100~300℃で加熱して導電パターンを得るキュア工程により製造される。
塗布工程は、前述の感光性導電性組成物を透明基板上に塗布して、塗布膜を得る工程である。感光性導電性組成物を透明基板に塗布する方法としては、例えば、スピナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、又は、スリットコーター、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター若しくはバーコーターを用いた塗布が挙げられる。
感光性導電性組成物が溶剤を含有する場合には、得られた塗布膜を乾燥して、溶剤を除去する乾燥工程を有しても構わない。塗布膜を乾燥する方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート若しくは赤外線照射による加熱乾燥又は真空乾燥が挙げられる。加熱乾燥温度は50~120℃、加熱乾燥時間は1分~数時間が一般的である。
フォトリソ工程は、塗布工程で得られた塗布膜を露光及び現像して、パターンを得る工程である。塗布膜の露光に用いる光源としては、水銀灯又はLEDランプのi線(365nm)、h線(405nm)又はg線(436nm)が好ましい。透明基板上の感光性導電性組成物を塗布した面から露光マスクを介して露光し、現像液で未露光部を除去することによって、導電性のパターンが得られる。
アルカリ現像を行う場合の現像液としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、の水溶液が挙げられるが、これらの水溶液に、界面活性剤を添加しても構わない。
有機現像を行う場合の現像液としては、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-アセチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド若しくはヘキサメチルホスホルトリアミド等の極性溶剤又はこれら極性溶媒とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、キシレン、水、メチルカルビトール若しくはエチルカルビトールとの混合溶液が挙げられる。
現像の方法としては、例えば、基板を静置又は回転させながら現像液を塗布膜の表面にスプレーする方法、基板を現像液中に浸漬する方法、又は、基材を現像液中に浸漬しながら超音波をかける方法が挙げられる。
現像工程で得られたパターンは、リンス液によるリンス処理を施しても構わない。ここでリンス液としては、例えば、水あるいは水にエタノール若しくはイソプロピルアルコール等のアルコール類又は乳酸エチル若しくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類若しくは界面活性剤を加えた水溶液が挙げられる。
キュア工程におけるキュア温度は100~300℃が好ましい。キュアの方法としては、例えば、オーブン、イナートオーブン若しくはホットプレートによる加熱乾燥、赤外線ヒーター等の電磁波による加熱乾燥、又は、真空乾燥が挙げられる。
次に、前記不透明配線電極形成面に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する。
塗布工程、乾燥工程については、前記不透明配線電極と同様に行うことができる。
次に、前記不透明配線電極をマスクとして前記感光性樹脂組成物を前記塗布面とは反対の面側から露光し、現像することにより、前記不透明配線電極上に遮光層を形成する。これにより、図1に示すとおり、不透明配線電極と同様の遮光層のパターンが得られる。
また、透明基板上に不透明配線電極を形成する工程と、前記不透明配線電極形成面に前記感光性樹脂組成物を塗布する工程と、前記感光性樹脂組成物を露光マスクを用いて前記感光性樹脂組成物の塗布面側から露光する工程と、前記不透明配線電極をマスクとして前記感光性樹脂組成物を前記塗布面とは反対の面側から露光する工程と、両面から露光された前記感光性樹脂組成物を現像することにより、前記不透明配線電極上に遮光層を形成する工程と、を有することがより好ましい。これにより、例えば端子部など、外部素子との導通を確保する必要があり、不透明配線電極を露出させたい部分の遮光層を除去することができる。
キュア工程については、前記不透明配線電極と同様に行うことができる。
以下に本発明を実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。各実施例及び比較例で用いた材料は、以下のとおりである。
[(a)顔料]
カーボンブラック(三菱化学(株)製MA100)
窒化チタン粒子(平均一次粒子径:30nm)。
[(b)ノボラック樹脂]
フェノールノボラック(DIC(株)製WR-101)。
[(c)キノンジアジド化合物]
TDF-517(東洋合成(株)製)。
[(d)化合物]
・VERZONE Crystal#120(大和化成(株)製、以下、「BTA」、X~Xがいずれも水素)
・VERZONE C-BTA(大和化成(株)製、X~Xのいずれか1つがカルボキシル基で、残り3つが水素)
・VERZONE TTA(大和化成(株)製、X~Xのいずれか1つがメチル基で、残り3つが水素)
・VERZONE N-BTA(大和化成(株)製、X~Xのいずれか1つがニトロ基で、残り3つが水素)。
[分散剤]
・BYK-LP21116(ビックケミー社製)
・BYK-9077(ビックケミー社製)。
[レベリング剤]
・BYK-331(ビックケミー社製)
・BYK-350(ビックケミー社製)。
[(e)メチロール系化合物]
・ニカラックMW-390(株式会社 三和ケミカル製)。
[透明基板]
・無アルカリガラス“AN Wizus(登録商標)”(AGC株式会社製)(a-1)
・PETフィルム“ルミラー(登録商標)”T60(東レ(株)製)(a-2)。
[溶剤]
・PGMEA((株)クラレ製)
・ブチルカルビトールアセテート。
[レジスト]
・LC-140(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)。
[レジスト剥離液]
・JELK-101(関東化学(株)製)。
(製造例1:カルボキシル基含有アクリル系共重合体(C-1))
窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのエチルアクリレート(以下、「EA」)、40gのメタクリル酸2-エチルへキシル(以下、「2-EHMA」)、20gのスチレン(以下、「St」)、15gのアクリル酸(以下、「AA」)、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリル及び10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのグリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライド及び10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製することで未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥することで、共重合比率(質量基準):EA/2-EHMA/St/GMA/AA=20/40/20/5/15のカルボキシ基含有アクリル系共重合体(C-1)を得た。
(製造例2:感光性導電ペースト(D-1))
100mLクリーンボトルに、3.0gの製造例1により得られたカルボキシル基含
有アクリル系共重合体(C-1)、0.3gの光重合開始剤N-1919((株)ADEKA製)、1.2gのモノマー“ライトアクリレート(登録商標)”BP-4EA(共栄社化学(株)製)、0.5gの分散剤BYK-LP21116及び79.0gのPGMEA、0.7gのMA100、15.3gの表面炭素被覆層の平均厚みが1nmで粒子径が40nmの銀微粒子(日清エンジニアリング(株)製)を入れ、自転-公転真空ミキサー「あわとり錬太郎ARE-310」((株)シンキー製)で混合して、100.0gの感光性導電ペースト(D-1)を得た。
(製造例3:感光性導電ペースト(D-2))
100mLクリーンボトルに、17.5gの製造例1により得られたカルボキシル基含有アクリル系共重合体(C-1)、0.5gの光重合開始剤N-1919((株)ADEK製)1.5gのエポキシ樹脂“アデカレジン(登録商標)”EP-4530(エポキシ当量190、(株)ADEKA製)、3.5gのモノマー“ライトアクリレート(登録商標)”BP-4EA(共栄社化学(株)製)及び19.0gのDMEAを入れ、“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合し、42.0gの樹脂溶液を得た。得られた42gの樹脂溶液と62.3gの体積粒子径0.3μmのAg粒子とを混ぜ合わせて、3本ローラーEXAKT M50(EXAKT製)を用いて混練した後に、さらにDMEAを7g加えて混合し、111gの感光性導電ペースト(D-2)を得た。
(製造例4:不透明配線電極付き基板(E-1))
透明基板(a-1)上に製造例2により得られた感光性導電ペースト(D-1)を、スピンコートにより乾燥後膜厚が0.6μmとなるように塗布し、90℃にて8分間乾燥させた。次に、図2に示す通り、メッシュピッチ70μm、メッシュ角度90度のメッシュ形状のマスクメッシュ部及びマスク遮光部を有する露光マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて露光量100mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。マスク開口幅は4μmとした。その後、0.1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、露光部が溶解した時間の2倍の時間現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスしてから、240℃のボックスオーブンで60分間加熱して、不透明配線電極付き基板を得た。得られた不透明配線電極付き基板の不透明配線電極形成面を真空プラズマ装置で10W、10秒間の条件で洗浄処理をした。得られた不透明配線電極線幅を光学顕微鏡で測定した結果、4μmであった。また、膜厚は0.3μmであった。
(製造例5:不透明配線電極付き基板(E-2))
乾燥後膜厚が2.0μmとなるように塗布した点以外は、製造例4と同様にして不透明配線電極付き基板を得た。得られた不透明配線電極線幅を光学顕微鏡で測定した結果、4μmであった。また、膜厚は1.0μmであった。
(製造例6:不透明配線電極付き基板(E-3))
乾燥後膜厚が1.0μmとなるように塗布した点以外は、製造例4と同様にして不透明配線電極付き基板を得た。得られた不透明配線電極線幅を光学顕微鏡で測定した結果、4μmであった。また、膜厚は0.5μmであった。
(製造例7:不透明配線電極付き基板(E-4))
透明基板(a-2)上に製造例3により得られた感光性導電ペースト(D-2)を、スクリーン印刷により乾燥後膜厚が1.6μmとなるように塗布し、100℃にて10分間乾燥させた。次に、図2に示す通り、メッシュピッチ70μm、メッシュ角度90度のメッシュ形状のマスクメッシュ部及びマスク遮光部を有する露光マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて露光量100mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。マスク開口幅は3μmとした。その後、0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液で30秒間浸漬現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスしてから、140℃のボックスオーブンで60分間加熱して、不透明配線電極付き基板を得た。得られた不透明配線電極付き基板の不透明配線電極形成面を真空プラズマ装置で10W、10秒間の条件で洗浄処理をした。得られた不透明配線電極線幅を光学顕微鏡で測定した結果、4μmであった。また、膜厚は1.6μmであった。
(製造例8:不透明配線電極付き基板(E-5))
透明基板(a-2)の片面に、銅膜をスパッタリング法で2.0μmの厚みで全面形成した。次に、銅膜上にスピンコートによりレジストを塗布し、100℃にて5分間乾燥させた。次に、図2に示す通り、メッシュピッチ70μm、メッシュ角度90度のメッシュ形状のマスクメッシュ部及びマスク遮光部を有する露光マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて露光量45mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。マスク開口幅は8μmとした。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で30秒間浸漬現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスした。次に、塩化第二鉄水溶液で3分間エッチングを行い、さらに、超純水で30秒間リンスした。次に、レジスト剥離液で4分間浸漬現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスし、不透明配線電極付き基板を得た。得られた不透明配線電極付き基板の不透明配線電極形成面を真空プラズマ装置で10W、10秒間の条件で洗浄処理をした。得られた不透明配線電極線幅を光学顕微鏡で測定した結果、4μmであった。また、膜厚は2.0μmであった。
(製造例9:感光性絶縁ペースト(F-1))
100mLクリーンボトルに、15.5gのアクリル系共重合体(C-1)、5.2gの“ライトアクリレート(登録商標)”HPP-A、0.3gの光重合開始剤N-1919、79.0gのPGMEAを入れ、自転-公転真空ミキサー「あわとり錬太郎ARE-310」で混合して、100.0gの感光性絶縁ペースト(F-1)を得た。
<不透明配線電極と遮光層の線幅の差の評価>
各実施例および比較例により得られた配線基板について、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製VHX-6000)を用いて、不透明配線電極形成面からの観察と透明基板側からの観察をそれぞれ行い、不透明配線電極と遮光層の線幅の差を測定した。
<不透明配線電極の抵抗値の評価>
遮光層未形成の不透明配線電極付き基板と、各実施例および比較例により得られた遮光層形成後の配線基板それぞれについて、耐候性試験機Q-Sun Xe-3(Q-Lab社製)を用いて0.3W/m(340nm)、槽内温度55℃、湿度30%の条件で、疑似太陽光を500時間照射し、照射前後での端子間の抵抗値を、抵抗測定用テスター(2407A;BKプレシジョン社製)を用いて測定した。なお、端子間の距離は17mm、幅は15mmとし、パッド部6は長さ2mm、幅15mmとした。不透明配線電極付き基板に対する配線基板の抵抗値の変化率を算出し、変化率が10%未満の場合は「A」、10%以上15%未満の場合は「B」、15%以上20%未満の場合は「C」、20%以上25%未満の場合は「D」、25%以上の場合は「E」と評価した。
<初期導電性の評価>
各実施例および比較例により得られた配線基板について、端子間の抵抗値を、抵抗測定用テスターを用いて測定した。なお、端子間の距離は17mm、幅は15mmとし、パッド部6は長さ2mm、幅15mmとした。抵抗値が12Ω未満であった場合を「A」、12Ω以上20Ω未満の場合は「B」、20Ω以上の場合は「C」と評価した。
<視認性の評価>
各実施例および比較例により得られた配線基板について、不透明配線電極形成面とは反対側に黒色フィルムを設置した後、配線基板に対して投光機を用いて光を投射して30cm離れた位置から10人がそれぞれ目視し、メッシュ状の電極部分が視認可能か否かを評価した。8人以上が視認可能である場合は「E」、5人以上8人未満が視認可能である場合は「D」、3人以上5人未満が視認可能である場合は「C」、1人以上3人未満が視認可能である場合は「B」、10人が視認不可の場合は「A」と評価した。
(実施例1)
<感光性樹脂組成物の調合>
100mLクリーンボトルに、3.42gのWR-101、0.58gのTDF-517、0.26gのBTA、0.02gのBYK-331、44.71gのPGMEAを入れ、自転-公転真空ミキサー「あわとり錬太郎ARE-310」((株)シンキー製)で混合して、49.0gの樹脂溶液を得た。49.0gの得られた樹脂溶液、0.64gのカーボンブラック、0.38gのBYK-LP21116を混ぜ合わせ、0.05mmφジルコニアビーズ(東レ(株)製)を70体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した、ウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、50.0gの感光性樹脂組成物を得た。
<遮光層の形成>
得られた感光性樹脂組成物を不透明配線電極付き基板(E-1)上にスピンコートにより不透明配線電極上での乾燥後膜厚が1.5μmとなるように塗布し、100℃にて5分間乾燥させ、不透明配線電極をマスクとして、不透明配線電極形成面の反対面側から露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、不透明配線電極のパッド部に対応する箇所以外が遮光された露光マスクを介して、露光装置を用いて感光性樹脂組成物の塗布面側から露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液で50秒間浸漬現像を行い、不透明配線電極上部に遮光層を形成した。さらに、240℃のボックスオーブンで60分間加熱して、遮光層付き基板を得た。
<透明保護層の形成>
得られた遮光層付き基板の不透明配線電極及び遮光層形成面に、製造例9により得られた感光性絶縁ペースト(F-1)を、スピンコートにより乾燥後膜厚が1.5μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥した。さらに、不透明配線電極のパッド部に対応する箇所のみが遮光された露光マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて感光性絶縁ペーストの塗布面側から露光量100mJ/cm(波長365nm換算)で露光したその後、0.1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、30秒間現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスしてから、240℃のボックスオーブンで60分間加熱して、図1に示すような配線基板を得た。
(実施例2~9、比較例1~3)
<感光性樹脂組成物の調合>における(b)ノボラック樹脂、(d)化合物、(e)メチロール系化合物の添加量、(d)化合物の種類、<遮光層の形成>で使用した不透明配線電極付き基板、遮光層の膜厚T2を表1に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして図1に示すような配線基板を作製した。
(実施例10)
<感光性樹脂組成物の調合>
100mLクリーンボトルに、12.73gのWR-101、3.15gのTDF-517、1.34gのVERZONE C-BTA、0.08gのBYK-350、1.34gのニカラックMW-390、21.94gのブチルカルビトールアセテートを入れ、自転-公転真空ミキサー「あわとり錬太郎ARE-310」((株)シンキー製)で混合して、40.58gの樹脂溶液を得た。40.58gの得られた樹脂溶液、7.24gの窒化チタン粒子、2.18gのBYK-9077を混ぜ合わせ、0.05mmφジルコニアビーズ(東レ(株)製)を70体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した、ウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、50.0gの感光性樹脂組成物を得た。
<遮光層の形成>
得られた感光性樹脂組成物を不透明配線電極付き基板(E-4)上にスクリーン印刷により不透明配線電極上での乾燥後膜厚が0.8μmとなるように塗布し、100℃にて10分間乾燥させ、不透明配線電極をマスクとして、不透明配線電極形成面の反対面側から露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、不透明配線電極のパッド部に対応する箇所のみが遮光された露光マスクを介して、露光装置を用いて感光性樹脂組成物の塗布面側から露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液で50秒間浸漬現像を行い、不透明配線電極上部に遮光層を形成した。さらに、140℃のボックスオーブンで60分間加熱して、遮光層付き基板を得た。
<透明保護層の形成>
実施例1と同様にして、図1に示すような配線基板を作製した。
(実施例11)
<遮光層の形成>で使用した不透明配線電極付き基板、遮光層の膜厚T2を表1に記載の通りに変更した以外は実施例10と同様にして図1に示すような配線基板を作製した。
評価結果を表1、2に示す。
Figure 2023123957000004
Figure 2023123957000005
1:透明基板
2:不透明配線電極
3:遮光層
4:透明保護層
5:配線基板
6:パッド部

Claims (11)

  1. (a)顔料、(b)ノボラック樹脂、(c)キノンジアジド化合物および(d)下記一般式(1)で表される化合物を含み、前記(d)化合物の含有量が固形分中、3~10質量%である、感光性樹脂組成物。
    Figure 2023123957000006
    (上記一般式(1)中、X~Xは、それぞれ独立に、水素原子、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基又は炭素数1~20の1価の炭化水素基を表す。)
  2. ~Xの少なくとも1つが、カルボキシル基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. ~Xの少なくとも1つが、メチル基である、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(d)化合物の分子量が130~240である、請求項1~3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. さらに、(e)メチロール系化合物を含む、請求項1~4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 透明基板上に不透明配線電極を有し、前記不透明配線電極上に遮光層を有する配線基板であって、前記遮光層が請求項1~5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物である、配線基板。
  7. 前記不透明配線電極の膜厚T1と前記遮光層の膜厚T2の比率が、T1:T2=1.0:1.5~2.0:1.0であり、T1とT2の合計が1.0~3.0μmである、請求項6に記載の配線基板。
  8. 前記不透明配線電極と前記遮光層の線幅の差が1.0μm以下である、請求項6又は7に記載の配線基板。
  9. 前記不透明配線電極が銀又は銅を含む、請求項6~8のいずれかに記載の配線基板。
  10. 透明基板上に不透明配線電極を形成する工程と、
    前記不透明配線電極形成面に請求項1~5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を塗布する工程と、
    前記不透明配線電極をマスクとして前記感光性樹脂組成物を前記塗布面とは反対の面側から露光し、現像することにより、前記不透明配線電極上に遮光層を形成する工程と、を有する配線基板の製造方法。
  11. 透明基板上に不透明配線電極を形成する工程と、
    前記不透明配線電極形成面に請求項1~5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を塗布する工程と、
    前記感光性樹脂組成物を露光マスクを用いて前記感光性樹脂組成物の塗布面側から露光する工程と、
    前記不透明配線電極をマスクとして前記感光性樹脂組成物を前記塗布面とは反対の面側から露光する工程と、
    両面から露光された前記感光性樹脂組成物を現像することにより、前記不透明配線電極上に遮光層を形成する工程と、を有する配線基板の製造方法。
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