JP2024061122A - 配線付き基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の制約が少なく、導電性に優れた配線を形成することができる配線付き基板の製造方法を提供すること。【解決手段】基材A上に、樹脂層および配線をこの順に有する配線付き基材の製造方法であって、基材A上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程、耐熱性基材B上に、導電粒子および樹脂を含有するパターンを形成するパターン形成工程、前記パターンを140~500℃で加熱硬化して電極パターンを得る電極パターン形成工程、および、基材Aの樹脂層形成面と耐熱性基材Bの電極パターン形成面を対向させて熱圧着した後に、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して配線とする転写工程を有する、配線付き基材の製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、基材の少なくとも片面に、樹脂層および配線を有する配線付き基材の製造方法に関する。
基材上に配線を形成する方法としては、基材上に感光性導電ペーストを塗布し、露光・現像によりパターン形成した後、加熱硬化する方法が知られている。かかる方法に好適に用いられる感光性樹脂組成物として、例えば、(A)炭素単体物および/または炭素化合物で表面被覆された導電性微粒子、(B)酸解離性基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する、感光性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照)が提案されている。また、かかる方法を用いて、配線に対応する部位に遮光層などの機能層を有する配線電極付き基板の製造方法として、透明基板の少なくとも片面に不透明配線電極を形成する工程、前記透明基板の片面にポジ型感光性組成物を塗布する工程、および、前記不透明配線電極をマスクとして、前記ポジ型感光性組成物を露光し、現像することにより、不透明配線電極に対応する部位に機能層を形成する工程を有する配線電極付き基板の製造方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
国際公開第2015/159655号 国際公開第2018/168325号
これらの技術により、導電性に優れた微細配線が得られるものの、基材上に形成した感光性導電ペーストを高温で加熱硬化することが必要となるため、基材がガラス基板などの耐熱性基材に限定される。一方、近年、フレキシブル用途への適用が可能であること、曲面への貼り合せが容易であることから、フィルム上への配線形成が求められている。
そこで、本発明は、基材の制約が少なく、導電性に優れた配線を形成することができる配線付き基材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、主として以下の構成を有する。
<1>基材A上に、樹脂層および配線をこの順に有する配線付き基材の製造方法であって、
基材A上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程、
耐熱性基材B上に、導電粒子および樹脂を含有するパターンを形成するパターン形成工程、
前記パターンを140~500℃で加熱硬化して電極パターンを得る電極パターン形成工程、および、
基材Aの樹脂層形成面と耐熱性基材Bの電極パターン形成面を対向させて熱圧着した後に、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して配線とする転写工程
を有する、配線付き基材の製造方法。
<2>前記樹脂層形成工程における樹脂層がポジ型感光性を有し、前記転写工程の後に、
配線面から露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去する樹脂層パターン形成工程
を有する、<1>に記載の配線付き基材の製造方法。
<3>前記樹脂層が着色剤を含有する、<1>または<2>に記載の配線付き基材の製造方法。
<4>前記パターン形成工程における耐熱性基材Bがガラス基板であり、前記電極パターン形成工程における加熱硬化温度が200~300℃である<1>~<3>のいずれかに記載の配線付き基材の製造方法。
本発明によれば、所望の基材上に、導電性に優れた配線を有する、配線付き基材を得ることができる。
本発明における配線付き基材の構成の一例を示す概略図である。 本発明における配線付き基材の構成の別の一例を示す概略図である。 本発明の配線付き基材の製造方法の一例を示す概略図である。 実施例および比較例において使用した視認性および導電性評価用マスクの電極パターンを示す概略図である。 実施例および比較例において使用したネガ型用マスクのメッシュパターンを示す概略図である。
本発明における配線付き基材は、基材上に、樹脂層および配線をこの順に有する。さらに、これらの上にオーバーコート層を有してもよく、オーバーコート層を有することにより、配線表面を保護し、傷などを抑制することができる。また、配線上に遮光層を有してもよい。
図1に本発明における配線付き基板の構成の一例の概略図を示す。基材A1上に樹脂層2を有し、樹脂層2上に配線3を有する。図2に、本発明における配線付き基板の構成の別の一例を示す。基材A1上にパターン加工された樹脂層2を有し、樹脂層2上に配線3を有する。
本発明の配線電極付き基材の製造方法は、
基材A上に樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)、
耐熱性基材B上に、導電粒子および樹脂を含有するパターンを形成する工程(パターン形成工程)、
前記パターンを140~500℃で加熱硬化して電極パターンを得る工程(電極パターン形成工程)、および
基材Aの樹脂層形成面と耐熱性基材Bの電極パターン形成面を熱圧着した後に、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して配線とする工程(転写工程)
を有する。前記樹脂層形成工程における樹脂層がポジ型感光性を有する場合、転写工程の後に、配線面から露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去する樹脂層パターン形成工程を有することが好ましい。
本発明においては、電極パターン形成工程において、耐熱性基材B上に電極パターンを形成するため、基材A上におけるパターンの加熱硬化を要しないことから、基材Aとして所望のフィルムなどを用いることができ、基材の制約を少なくすることができる。また、電極パターン形成工程において、パターンを140~500℃で加熱硬化することにより、パターン中の樹脂の一部を分解・除去し、導電性を発現させるとともに、耐熱性基材Bと電極パターンとの密着性を低下させることができる。さらに、樹脂層形成工程において、基材A上に樹脂層を形成していることから、転写工程において、耐熱性基材Bとの密着性が低下した、導電性に優れる電極パターンを、樹脂層に容易に転写することができる。
図3に、本発明の配線付き基材の製造方法の一例を示す。
(a)に示すように、樹脂層形成工程において、基材A1上に樹脂層2を形成する。一方、(b)に示すように、パターン形成工程において、耐熱性基材B上に導電粒子および樹脂を含有するパターン5を形成し、(c)に示すように、電極パターン形成工程において、パターン5を140~500℃で加熱硬化して電極パターン6を得る。次に、転写工程において、(d)に示すように、基材A1の樹脂層2形成面と耐熱性基材B4の電極パターン6形成面を熱圧着した後、耐熱性基材B4を剥離することにより、(e)に示すように、基材A1上に、樹脂層2および配線3を有する配線付き基材を得る。さらに、(f)に示すように、樹脂層パターン形成工程において、配線開口部に対応する樹脂層を除去することが好ましい。
各工程について説明する。
まず、樹脂層形成工程において、所望の基材A上に樹脂層を形成する。
基材Aとしては、配線を形成する必要のある、任意の基材を使用することができる。基材Aは、可撓性を有しても有しなくてもよい。可撓性を有しない基材としては、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、無アルカリガラス基板、化学強化ガラス基板、“パイレックス(登録商標)”ガラス基板、合成石英板、エポキシ樹脂基板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板等が挙げられる。可撓性を有する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」)などのポリエステルフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルムや、反射防止フィルム、熱線反射フィルム、紫外線カットフィルム、金属調フィルム、加飾フィルム等の機能性フィルム、アクリル樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、塩化ビニル樹脂板、光学用樹脂板等の樹脂板が挙げられる。これらを複数重ねて使用してもよく、例えば、粘着層により複数の基材を貼り合せて使用することができる。また、これらの基材の表面には、導電層等のパターンを有してもよい。これらの中でも、フレキシブル用途への適用が可能であること、曲面への貼り合せが容易であることから、樹脂フィルムや機能性フィルムが好ましい。
基材Aの耐熱温度は、転写工程における熱圧着による変形などを抑制する観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。ここで、耐熱温度とは、その温度の加熱により大きな収縮や変色が発生しないことをいう。より具体的には、加熱前後の寸法変化率が1.5%以下であり、加熱前後の色味の変化(色差)が3以下であることをいう。なお、色差は、測色計等により測定したL、a、bから算出することができる。かかる耐熱温度を有する基材Aとしては、例えば、前述の可撓性を有しない基材や樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂板などが挙げられる。
基材Aの厚みは、各工程における取り扱いの観点から、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。一方、基材Aの厚みは、熱圧着時の熱の損失を抑制する観点から、5mm以下が好ましい。
樹脂層は、電極パターンを基材A上に転写しやすくする作用を有し、低軟化点樹脂を含有することが好ましい。低軟化点樹脂を含有することにより、電極パターンの転写性を向上させることができる。低軟化点樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、テルペン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。ここで、低軟化点とは、軟化点が120℃以下であることをいい、軟化点は熱機械分析(TMA)により測定することができる。低軟化点樹脂の軟化点は、100℃以下が好ましい。
樹脂層中における低軟化点樹脂の含有量は、10質量%以上が好ましい。一方、樹脂層がポジ型感光性を有する場合は、樹脂層中における低軟化点樹脂の含有量は、現像時の剥がれを抑制する観点から、30質量%以下が好ましい。
樹脂層はポジ型感光性を有することが好ましい。樹脂層がポジ型感光性を有する場合、後述する樹脂層パターン形成工程において、配線面から露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去することができる。これにより、基材Aと樹脂層との界面における光の反射を抑制することができる。また、転写工程における熱圧着時に、熱により軟化した樹脂層に発生しやすい表面凹凸を除去することにより、配線付き基材のヘーズを抑制することができる。ここで、ポジ型感光性とは、光照射部が現像液に溶解し、未照射部が現像液に溶解しない特性をいい、ポジ型感光性を有する樹脂層は、感光剤(溶解抑制剤)およびアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂、感光剤(溶解抑制剤)としては、国際公開第2018/168325号においてポジ型感光性組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂、感光剤(溶解抑制剤)としてそれぞれ例示したものが挙げられる。樹脂層中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量は、45~65質量%が好ましい。樹脂層中における感光剤(溶解抑制剤)の含有量は、5~25質量%が好ましい。
樹脂層は、着色剤を含有することが好ましい。樹脂層が着色剤を含有することにより、基材面から見た際の配線の反射を抑制し、配線を視認されにくくすることができる。着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。より具体的には、例えば、国際公開第2018/168325号において着色剤として例示したものや、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料などの有機顔料、松煙、群青、鉄黒、ヘマタイト、ゲーサイト、マグネタイトなどの酸化鉄、チタン、クロム、鉛、これらの金属複合系などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、配線をより視認されにくくする観点から、カーボンブラックが好ましい。樹脂層中における着色剤の含有量は、5~25体積%が好ましい。
また、樹脂層は導電粒子を含有してもよい。樹脂層が導電粒子を含有することにより、配線の導電補助層としての作用を有し、導電性をより向上させることができる。また、基材Aが導電性を有する場合や、基材A上に導電層等のパターンを有する場合には、基材Aと配線とを樹脂層により電気的に接続することができる。樹脂層中における導電粒子の含有量は、5~25体積%が好ましい。
樹脂層には、必要に応じて、不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、増感剤、密着改良剤、界面活性剤、熱硬化剤、重合禁止剤、レベリング剤等を含有してもよい。
樹脂層の厚みは、電極パターンの転写性をより向上させる観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μmがより好ましい。一方、後述する樹脂層パターン形成工程を有する場合、樹脂層の厚みは、パターン加工性の観点から、10μm以下が好ましい。
樹脂層を基材A上に形成する方法としては、例えば、樹脂や樹脂組成物を基材A上に塗布する方法や、離型フィルム上に形成された樹脂層を基材Aに転写する方法などが挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷や、スリットコーター、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーター等を用いた塗布などが挙げられる。これらの中でも、耐溶剤性の低い基材へも適用できることから、離型フィルム上に形成された樹脂層を基材Aに転写する方法が好ましい。
次に、パターン形成工程において、耐熱性基材B上に、導電粒子および樹脂を含有するパターンを形成する。かかるパターンは、後述する電極パターン形成工程において、加熱硬化により得られる電極パターンの前駆体に相当する。パターンが導電粒子を含むことにより、導電性を発現することができる。また、パターンが樹脂を含むことにより、樹脂層との密着性が向上し、電極パターンを基材A上に転写しやすくすることができる。
本発明において、耐熱性基材Bとは、耐熱温度が140℃以上の基材をいう。なお、耐熱温度とは、基材Aにおいて説明した耐熱温度をいう。耐熱性は、200℃以上が好ましく、250℃以上が好ましい。耐熱性基材Bとしては、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、無アルカリガラス基板、化学強化ガラス基板、“パイレックス(登録商標)”ガラス基板などのガラス基板、合成石英板、PETフィルムなどのポリエステルフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れること、電極パターンの形成がしやすいことから、ガラス基板が好ましい。
パターンの形成方法としては、例えば、導電粒子および樹脂を含有する組成物を、スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット等によりパターン状に印刷する方法や、導電粒子および樹脂を含有する感光性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィー法によりパターン形成するなどが挙げられる。これらの中でも、微細なパターンを形成できることから、フォトリソグラフィー法が好ましい。
導電粒子としては、例えば、銀、金、銅、白金、鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、チタン、インジウム等の金属や、これらの合金など導電性物質の粒子が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、導電性の観点から、銀、銅などの粒子が好ましい。導電粒子の平均粒径は、導電粒子の分散性を向上させる観点から、0.03μm以上が好ましい。一方、導電粒子の平均粒径は、電極パターンの端部をシャープにする観点から、1.0μm以下が好ましい。なお、導電粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型顕微鏡(TEM)を用いて、15,000倍の倍率で導電粒子を拡大観察し、無作為に選択した100個の導電性粒子について、それぞれの長軸長を測定し、その数平均値を算出することにより求めることができる。
樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、カルド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、変性ポリオレフィン樹脂、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
フォトリソグラフィー法によりパターン形成する場合、感光性樹脂組成物には、樹脂としてアルカリ可溶性樹脂を含有し、さらに光重合開始剤を含有することが好ましい。さらに、必要に応じて、不飽和二重結合を有するモノマー、光酸発生剤、熱酸発生剤、増感剤、密着改良剤、界面活性剤、熱硬化剤、重合禁止剤、レベリング剤等を含有してもよい。
次に、電極パターン形成工程において、前述のパターンを140~500℃で加熱硬化して電極パターンを得る。加熱硬化温度が140℃未満であると、樹脂の分解が不十分とあり、導電性が低下する。また、耐熱性基材Bとの密着性が十分に低下しないため、樹脂層への転写が困難となる。加熱硬化温度は、200℃以上が好ましく、250℃以上がより好ましい。一方、加熱硬化温度が500℃を超えると、電極パターン中の樹脂が過剰に除去され、樹脂層への転写が困難となる。加熱硬化温度は、300℃以下が好ましい。
電極パターン中における導電粒子の含有量は、30体積%以上が好ましく、導電性および転写性をより向上させることができる。導電粒子の含有量は、40体積%以上がより好ましい。
電極パターンの線幅は、導電性をより向上させる観点から、1μm以上が好ましく、2μm以上がさらに好ましい。一方、電極パターンの線幅は、配線をより視認されにくくする観点、転写性をより向上させる観点から、30μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
後述する樹脂層パターン形成工程を有する場合、電極パターンの365nmにおける光透過率は、50%以下が好ましく、配線を露光マスクとして樹脂層を露光することができ、所望のパターンを容易に形成することができる。電極パターンの365nmにおける光透過率は、20%以下がより好ましい。
電極パターンの厚みは、導電性をより向上させる観点から、0.3μm以上が好ましい。一方、電極パターンの厚みは、より微細な配線を形成する観点から、10μm以下が好ましく、5.0μm以下がより好ましい。
電極パターンのパターン形状としては、例えば、メッシュ状、ストライプ状などが挙げられる。メッシュ状としては、例えば、単位形状が三角形、四角形、多角形、円形などの格子状またはこれらの単位形状の組み合わせからなる格子状等が挙げられる。
次に、転写工程において、基材Aの樹脂層形成面と耐熱性基材Bの電極パターン形成面を対向させて熱圧着した後に、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して配線とする。
熱圧着温度は、転写性をより向上させる観点から、70℃以上が好ましい。一方、樹脂層がポジ型感光性を有する場合、熱圧着温度は、熱による感光剤(溶解抑制剤)の失活を抑制する観点から、150℃以下が好ましい。
熱圧着後、基材Aの温度が室温以下となるまで冷却してから耐熱性基材Bを剥離することが好ましい。基材Aの温度を室温以下に冷却することにより、熱により軟化した樹脂層が固まり、樹脂層と電極パターンの密着性がより向上し、転写時の抜けなどを抑制し、転写性をより向上させることができる。
次に、必要に応じて、樹脂層パターン形成工程において、配線面から露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去することが好ましい。前述のとおり、電極パターンの365nmにおける光透過率が50%以下であると、配線を露光マスクとして、ポジ型感光性を有する樹脂層を露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去することができる。
露光光は、樹脂層が含有する感光剤(溶解抑制剤)の吸収波長と合致する紫外領域、すなわち、200nm~450nmの波長域に発光を有することが好ましい。そのような露光光を得るための光源としては、例えば、水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDランプ、半導体レーザー、KrFまたはArFエキシマレーザーなどが挙げられる。これらの中でも、水銀ランプのi線(波長365nm)、LEDランプが好ましい。露光光は、基材を静置した状態で照射してもよく、光源上を電極パターン形成面に露光光が照射される向きで搬送させながら照射してもよい。
露光した樹脂層を現像することにより、電極パターン開口部の樹脂層を除去することができる。現像液としては、電極パターンの導電性を阻害しないものが好ましく、アルカリ現像液が好ましい。アルカリ現像液としては、例えば、国際公開第2018/168325号において現像液として例示したものが挙げられる。現像方法としては、例えば、基材を静置または回転させながら現像液を樹脂層の表面にスプレーする方法、樹脂層を現像液中に浸漬する方法、樹脂層を現像液中に浸漬しながら超音波をかける方法などが挙げられる。
現像により得られた樹脂層パターンに、リンス液によるリンス処理を施しても構わない。リンス液としては、例えば、国際公開第2018/168325号においてリンス液として例示したものが挙げられる。
得られた配線付き基材を、さらに100℃~300℃で加熱してもよい。加熱により、樹脂層の硬度を高め、他の部材との接触による欠けや剥がれを抑制し、基材や配線との密着性をより向上させることができる。加熱方法としては、例えば、オーブン、イナートオーブン、ホットプレートによる加熱、赤外線ヒーター等の電磁波による加熱などが挙げられる。
配線上に遮光層を有する場合、遮光層の形成方法としては、例えば、配線をパラジウム、テルルおよび/またはそれらの化合物を含有する塩酸水溶液と接触させることにより、配線表面にメッキ層を形成する方法、配線上に黒色顔料を含有するポジ型感光性樹脂組成物を塗布、または、黒色顔料を含有するポジ型感光性ドライフィルムによりポジ型感光性樹脂層を転写した後、配線をマスクとして黒色顔料を含有するポジ型感光性樹脂層を塗布面とは反対の面側から露光し、現像することにより、配線と同一のパターンの遮光層を形成する方法等が挙げられ、これらの方法を組み合わせてもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
各実施例で用いた材料は、以下の通りである。
[基材A]
・PETフィルム“ルミラー(登録商標)”T60(東レ(株)製)(厚み:75μm)(A-1)
・化学強化用特殊ガラス“Dragontrail(登録商標)”(AGC(株)製)(A-2)。
・トリアセチルセルロースフィルム(厚み:75μm)(A-3)
・金属調フィルム“PICASUS(登録商標)”GT40(厚み:100μm)(A-4)。
(製造例1:カルボキシル基を有するアクリル樹脂)
窒素雰囲気の反応容器中に、150gのジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート(以下、「DMEA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのエチルアクリレート(以下、「EA」)、40gのメタクリル酸2-エチルへキシル(以下、「2-EHMA」)、20gのスチレン(以下、「St」)、15gのアクリル酸(以下、「AA」)、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのDMEAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間撹拌し、重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。引き続き、5gのグリシジルメタクリレート(以下、「GMA」)、1gのトリエチルベンジルアンモニウムクロライドおよび10gのDMEAからなる混合物を、0.5時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間撹拌し、付加反応を行った。得られた反応溶液をメタノールで精製して未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥して共重合比率(質量基準):EA/2-EHMA/St/GMA/AA=20/40/20/5/15のカルボキシル基を有するアクリル樹脂を得た。得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂について、JIS K 0070(1992)に準じて酸価を測定したところ、103mgKOH/gであった。得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂の重量平均分子量は17,000であった。
(製造例2:フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂)
窒素雰囲気の反応容器中に、150gの2-メトキシ-1-メチルエチルアセテート(以下、「PMA」)を仕込み、オイルバスを用いて80℃まで昇温した。これに、20gのEA、20gの2-EHMA、20gの4-ヒドロキシスチレン(以下、「HS」)、15gのN-メチロールアクリルアミド(以下、「MAA」)、25gのAA、0.8gの2,2’-アゾビスイソブチロニトリルおよび10gのPMAからなる混合物を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに80℃で6時間加熱撹拌し、重合反応を行った。その後、1gのハイドロキノンモノメチルエーテルを添加して、重合反応を停止した。得られた反応溶液をメタノールで精製することにより未反応不純物を除去し、さらに24時間真空乾燥して、共重合比率(質量基準):EA/2-EHMA/HS/MAA/AA=20/20/20/15/25のフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂を得た。製造例1と同様に酸価を測定したところ、153mgKOH/gであった。得られたフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
(製造例3:感光性導電ペースト(D-1))
100mLクリーンボトルに、17.5gの製造例1により得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂、0.5gの光重合開始剤N-1919((株)ADEKA製)、1.5gのエポキシ樹脂“アデカレジン(登録商標)”EP-4530(エポキシ当量190、(株)ADEKA製)、3.5gのモノマー“ライトアクリレート(登録商標)”BP-4EA(共栄社化学(株)製)および19.0gのDMEAを入れ、“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合し、42.0gの樹脂溶液を得た。得られた42gの樹脂溶液と95.0gの平均粒径0.3μmの銀粒子とを混ぜ合わせて、3本ローラー“EXAKT(登録商標)”M50(EXAKT製)を用いて混練した後に、さらにDMEAを7g加えて混合し、137gの感光性導電ペースト(D-1)を得た。得られた感光性導電ペースト(D-1)について、ブルックフィールド型の粘度計を用いて、温度25℃、回転数3rpmの条件で粘度を測定したところ、10,000mPa・sであった。
(製造例4:感光性導電ペースト(D-2))
100mLクリーンボトルに、3.0gの製造例1により得られたカルボキシル基を有するアクリル樹脂、0.3gの光重合開始剤N-1919((株)ADEK製)、1.2gのモノマー“ライトアクリレート”(登録商標)”BP-4EA、0.5gの分散剤“BYK(登録商標)”-LP21116(ビックケミー社製)および79.0gのPGMEA、16.0gの表面炭素被覆層の平均厚みが1nmで粒子径が40nmの銀微粒子(日清エンジニアリング(株)製)を入れ、“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合し、100.0gの感光性導電ペースト(D-2)を得た。得られた感光性導電ペースト(D-2)について、E型の粘度計を用いて、温度25℃、回転数100rpmの条件で粘度を測定したところ、3mPa・sであった。
(製造例5:キノンジアジド化合物)
乾燥窒素気流下、α,α,-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-(4-ヒドロキシ-α,α-ジメチルジメチルベンジルエチルベンゼン(商品名TrisP-PA 本州化学工業(株)製)21.22g(0.05モル)と5-ナフトキノンジアジドスルホニル酸クロリド33.58g(0.125モル)を1,4-ジオキサン450gに溶解させ、室温にした。ここに、1,4-ジオキサン50gと混合したトリエチルアミン15.18gを、系内が35℃以上にならないように滴下した。滴下後30℃で2時間撹拌した。トリエチルアミン塩を濾過し、ろ液を水に投入した。その後、析出した沈殿をろ過で集めた。この沈殿を真空乾燥機で乾燥させ、キノンジアジド化合物を得た。
(製造例6:樹脂組成物(E-1))
100mLクリーンボトルに、1.37gのフェノールノボラック樹脂WR-101(DIC(株)製、軟化点:90℃)、2.19gの製造例2により得られたフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂、0.17gの架橋剤“ニカラック(登録商標)”MW-390((株)三和ケミカル製)、0.23gのカルボキシベンゾトリアゾール“VERZONE(登録商標)”C-BTA(大和化成(株)製)、0.01gのレベリング剤“BYK(登録商標)”-331(ビックケミー社製)、46.03gのPGMEAを入れ、自転-公転真空ミキサー“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合して、50.0gの樹脂組成物(E-1)を得た。
(製造例7:ポジ型感光性樹脂組成物(E-2))
100mLクリーンボトルに、1.34gのフェノールノボラック樹脂WR-101(DIC(株)製、軟化点:90℃)、2.15gの製造例2により得られたフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂、0.90gの製造例5により得られたキノンジアジド化合物、0.17gの架橋剤“ニカラック(登録商標)”MW-390((株)三和ケミカル製)、0.23gのカルボキシベンゾトリアゾール“VERZONE(登録商標)”C-BTA(大和化成(株)製)、0.01gのレベリング剤“BYK(登録商標)”-331(ビックケミー社製)、45.20gのPGMEAを入れ、自転-公転真空ミキサー“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合して、50.0gのポジ型感光性樹脂組成物(E-2)を得た。
(製造例8:ポジ型感光性樹脂組成物(E-3))
100mLクリーンボトルに、1.31gのフェノールノボラック樹脂WR-101(DIC(株)製、軟化点:90℃)、2.10gの製造例2により得られたフェノール性水酸基およびカルボキシル基を有するアクリル樹脂、0.88gの製造例5により得られたキノンジアジド化合物、0.17gの架橋剤“ニカラック(登録商標)”MW-390((株)三和ケミカル製)、0.22gのカルボキシベンゾトリアゾール“VERZONE(登録商標)”C-BTA(大和化成(株)製)、0.01gのレベリング剤“BYK(登録商標)”-331(ビックケミー社製)、44.20gのPGMEAを入れ、自転-公転真空ミキサー“あわとり錬太郎(登録商標)”ARE-310((株)シンキー製)を用いて混合して、50.0gの樹脂溶液を得た。得られた48.90gの樹脂溶液、0.66gのカーボンブラックMA100(三菱化学(株)製)、および0.44gの分散剤“BYK(登録商標)”-LP21116(ビックケミー社製)を混合し、0.05mmφジルコニアビーズ(東レ(株)製)を70体積%充填した遠心分離セパレーターを具備した、ウルトラアペックスミル(寿工業(株)製)を用いて混練し、50.0gのポジ型感光性樹脂組成物(E-3)を得た。
(製造例9:樹脂層形成用ドライフィルム(F-1))
PETフィルム“ルミラー(登録商標)”FB40(東レ(株)製)(厚み:16μm)の片面に、非シリコーン系離型剤AL-5(リンテック社(株)製)を塗布し、熱処理および乾燥して基材表面に厚さ100nmの離型層を形成し、離型性フィルムを得た。得られた離型性フィルムについて、離型層形成面に、2kgローラーを用いて、日東電工(株)製アクリル粘着テープ「31B」を貼付し、30分間静置した後に、剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件で剥離したときの剥離力を測定したところ、1,480mN/20mmであった。
得られた離型性フィルムの離型層面に、コーターを用いて、製造例6により得られた樹脂組成物(E-1)を、乾燥後の厚みが1.2μmになるように塗布し、80℃で4分間乾燥して樹脂層を形成し、樹脂層形成用ドライフィルム(F-1)を得た。
(製造例10:樹脂層形成用ドライフィルム(F-2))
樹脂組成物(E-1)の代わりに、製造例7により得られたポジ型感光性樹脂組成物(E-2)を使用したこと以外は、製造例9と同様にして樹脂層形成用ドライフィルム(F-2)を得た。
(製造例11:樹脂層形成用ドライフィルム(F-3))
樹脂組成物(E-1)の代わりに、製造例8により得られたポジ型感光性樹脂組成物(E-3)を使用したこと以外は、製造例9と同様にして樹脂層形成用ドライフィルム(F-3)を得た。
各実施例および比較例における評価は以下の方法により行った。
(1)電極パターンの厚み、線幅、365nm光透過率
実施例1~11および比較例1~2における<電極パターン形成工程>において形成した電極パターンについて、触針式段差計“サーフコム(登録商標)“1400((株)東京精密製)を用いて、厚みを測定した。また、光学顕微鏡を用いて、線幅を測定した。また、図4に示す視認性および導電性評価用電極パターンのパッド部8に対応する部位について、微小面分光色差計(VSS 400:日本電色工業(株)製)を用いて、波長365nmにおける光透過率を測定した。
(2)電極パターン中における導電粒子含有量
実施例1~11および比較例1~2の<電極パターン形成工程>により得られた電極パターンを、電極パターンの断面が潰れないように片刃カミソリを用いて切断した後、イオンミリング装置IB-9010CP(日本電子(株)製)により断面を平滑にし、電界放出型分析走査電子顕微鏡JSM-7610F(日本電子(株)製)を用いて断面を観察した。金属(導電粒子)、樹脂および空隙が識別できるコントラストを有する条件で観察し、金属と樹脂の面積比を求めた。電極パターンから無作為に選択した各20箇所について金属と樹脂の面積比を求め、その平均値を算出することにより導電粒子の含有量(体積%)を求めた。
(3)導電性
実施例1~11および比較例1~2により得られた配線付き基材について、抵抗測定用テスターを用いて、端子間の抵抗値を測定した。抵抗値が高く、テスターで測定できなかった場合は「NG」とした。なお、端子間の距離は17mm、幅は15mmとし、図4に示す視認性および導電性評価用電極パターンのパッド部8は長さ2mm、幅15mmとした。
(4)転写性
実施例1~11および比較例1~2により得られた配線付き基材のパッド部とメッシュ部を配線側から目視観察し、配線が欠陥なく転写できた場合を「A」、パッド部またはメッシュ部のどちらか一方にのみ欠陥が認められた場合を「B」、パッド部とメッシュ部の両方に欠陥が存在し、パターンの50%以上が転写できている場合を「C」、パッド部とメッシュ部の両方に欠陥が存在し、転写できているパターンが50%未満である場合を「D」と評価した。なお、端子間の距離は17mm、幅は15mmとし、パッド部8は長さ2mm、幅15mmとした。
(5)視認されにくさ
実施例1~10および比較例1により得られた配線付き基材を、基材側が見えるように黒色シートSuperBlackIR((株)システムズエンジニアリング製)上に設置した後、投光機を用いて、配線付き基材に対して光を投射した。30cm離れた位置から10人がそれぞれ目視し、メッシュ状の配線が視認された人数から、視認されにくさを評価した。
(6)ヘーズ
実施例1~3により得られた配線付き基材の配線形成面に、ゴムローラーを用いて、反射防止フィルムMTAR-3((株)美舘イメージング製)を貼り付けた。分光ヘーズメーターHSP-150Vis((株)村上色彩技術研究所製)を用いて、反射防止フィルム貼り合せ面からヘーズを測定した。
(実施例1)
<樹脂層形成工程>
PETフィルム“ルミラー(登録商標)”T60(東レ(株)製)(厚み:75μm)(A-1)の片面に、製造例9により得られた樹脂層形成用ドライフィルム(F-1)の樹脂層面を貼り合わせ、温度:80℃、速度:0.20m/分、圧力:0.1MPaの条件で熱圧着して樹脂層をA-1に転写し、基材(A-1)上に樹脂層を形成した。
<パターン形成工程>
耐熱性基材Bである無アルカリガラス“AN Wizus”(登録商標)(AGC(株)製)の片面に、製造例4により得られた感光性導電ペースト(D-2)を、乾燥後膜厚が1μmとなるようにスピンコート塗布し、90℃にて8分間乾燥した。図4に示す視認性および導電性評価用マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて、露光量100mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。ここで、図4に示す視認性および導電性評価用マスクはパッド部8とメッシュ部7を有し、パッド部8は長さ2mm、幅15mmである。メッシュ部7のパターンは、図5に示すメッシュピッチ9が150μm、メッシュ角度10が90°であり、開口幅4μmの開口部12および遮光部11を有するネガ型のパターンである。なお、図5においては、図示の都合上白黒反転しており、符号11が遮光部、符号12が開口部を示す。その後、0.1質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、露光部が溶解した時間の2倍の時間現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスして、パターンを形成した。
<電極パターン形成工程>
得られたパターンを、250℃のボックスオーブンで60分間加熱硬化して、電極パターンを形成した。
<転写工程>
<樹脂層形成工程>に得られた基材Aの樹脂層形成面と、<電極パターン形成工程>により得られた耐熱性基材Bの電極パターン形成面とを対向させて、温度:100℃、速度:0.05m/分、圧力:0.2MPaの条件で熱圧着し、25℃まで冷却した後、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して、配線付き基材を得た。
(実施例2)
<樹脂層形成工程>において、樹脂層形成用ドライフィルム(F-1)を製造例10により得られた樹脂層形成用ドライフィルムを(F-2)に変更し、<転写工程>の後に、以下の樹脂層パターン形成工程を設けたこと以外は(実施例1)と同様にして配線付き基材を得た。
<樹脂層パターン形成工程>
<転写工程>により得られた配線付き基材の配線を露光マスクとして、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて、露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で樹脂層を露光した。その後、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として露光部の基材(A-1)が露出するまで現像を行い、配線開口部の樹脂層を除去し、配線付き基材を得た。
(実施例3~7)
<樹脂層形工程>において使用した樹脂層形成用ドライフィルムの種類、<電極パターン形工程>における加熱硬化温度を表1に記載の通りに変更したこと以外は(実施例2)と同様にして配線付き基材を得た。
(実施例8)
<樹脂層形成工程>
(実施例1)と同様にして樹脂層付き基材Aを得た。
<パターン形工程>
PETフィルム“ルミラー(登録商標)”T60(東レ(株)製、厚み:50μm)(B-2)の片面に、製造例3により得られた感光性導電ペースト(D-1)を、乾燥後膜厚が1.6μmとなるようにスクリーン印刷し、100℃にて10分間乾燥した。実施例1と同じ視認性および導電性評価用マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて、露光量500mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30秒間浸漬現像を行い、さらに、超純水でリンスして、パターンを形成した。
<電極パターン形成工程>
得られたパターンを、140℃ボックスオーブンで60分間加熱硬化して、電極パターンを形成した。
<転写工程>、<樹脂層パターン形成工程>については、(実施例2)と同様にして配線付き基材を得た。
(実施例9)
<樹脂層形工程>において、基材(A-1)を(A-2)に変更したこと以外は(実施例8)と同様にして配線付き基材を得た。
(実施例10~11)
<樹脂層形工程>において、基材Aを表2の通りに変更したこと以外は(実施例3)と同様にして配線付き基材を得た。
(比較例1)
無アルカリガラス“AN Wizus”(登録商標)(AGC(株)製)の片面に、製造例4により得られた感光性導電ペースト(D-2)を、乾燥後膜厚が1μmとなるようにスピンコート塗布し、90℃にて8分間乾燥した実施例1と同じ視認性および導電性評価用マスクを介して、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学(株)製)を用いて、露光量150mJ/cm(波長365nm換算)で露光した。その後、0.1質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として、露光部が溶解した時間の2倍の時間現像を行い、さらに、超純水で30秒間リンスして、パターンを形成した。
得られたパターンを、250℃のボックスオーブンで60分間加熱硬化して、電極パターンを形成し、配線付き基材を得た。
(比較例2)
<電極パターン形工程>における、加熱硬化温度を120℃に変更したこと以外は(実施例3)と同様にして配線付き基材を得た。
各実施例および比較例の主な構成と評価結果を表1~2に示す。
Figure 2024061122000002
Figure 2024061122000003
1:基材A
2:樹脂層
3:配線
4:耐熱性基材B
5:導電粒子および樹脂を含有するパターン
6:電極パターン
7:メッシュ部
8:パッド部
9:メッシュピッチ
10:メッシュ角度
11:遮光部
12:開口部

Claims (4)

  1. 基材A上に、樹脂層および配線をこの順に有する配線付き基材の製造方法であって、
    基材A上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程、
    耐熱性基材B上に、導電粒子および樹脂を含有するパターンを形成するパターン形成工程、
    前記パターンを140~500℃で加熱硬化して電極パターンを得る電極パターン形成工程、および、
    基材Aの樹脂層形成面と耐熱性基材Bの電極パターン形成面を対向させて熱圧着した後に、耐熱性基材Bを剥離することにより、電極パターンを樹脂層に転写して配線とする転写工程
    を有する、配線付き基材の製造方法。
  2. 前記樹脂層形成工程における樹脂層がポジ型感光性を有し、前記転写工程の後に、
    配線面から露光、現像することにより、配線開口部の樹脂層を除去する樹脂層パターン形成工程
    を有する、請求項1に記載の配線付き基材の製造方法。
  3. 前記樹脂層が着色剤を含有する、請求項1または2に記載の配線付き基材の製造方法。
  4. 前記パターン形成工程における耐熱性基材Bがガラス基板であり、前記電極パターン形成工程における加熱硬化温度が200~300℃である請求項1または2に記載の配線付き基材の製造方法。
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