JP2023122551A - p型半導体素子、その製造方法、それを用いた回路、無線通信装置、薄膜トランジスタアレイおよびセンサ - Google Patents

p型半導体素子、その製造方法、それを用いた回路、無線通信装置、薄膜トランジスタアレイおよびセンサ Download PDF

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和生 磯貝
Kazuo Isogai
清一郎 村瀬
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Abstract

【課題】高いオン電流と低いオフ電流の両立が可能なp型半導体素子、その製造方法、それを用いた回路、無線通信装置、薄膜トランジスタアレイおよびセンサを提供すること。【解決手段】基材211と、第1電極であるカソード25および第2電極であるアノード26と、第1電極および第2電極の両方に接する半導体層24と、前記半導体層24に接する絶縁層23と、前記半導体層24に対して前記絶縁層23とは反対側で前記絶縁層23と接する第3電極22と、前記半導体層24に対して前記絶縁層23とは反対側で前記半導体層24と接する第2絶縁層28と、を備えるp型半導体素子30であって、前記半導体層24は、カーボンナノチューブまたはグラフェンを含有し、前記第2絶縁層28は、アルミニウム化合物と、電子受容性化合物と、を含有する。【選択図】図3

Description

本発明は、p型半導体素子、その製造方法、それを用いた回路、無線通信装置、薄膜トランジスタアレイおよびセンサに関する。
近年、低コスト、大面積、フレキシブル、ベンダブルな電子製品の実現を目指して、インクジェット技術やスクリーン印刷などの塗布技術が適用できる、カーボンナノチューブ(CNT)やグラフェン、有機半導体を用いた電界効果型トランジスタ(FET)が盛んに検討されている。電子製品としては、例えば、ディスプレイやセンサ、RFID(Radio Frequency IDentification)技術を用いた無線通信装置などが挙げられ、それらのトランジスタアレイやICチップ内の駆動回路などに上記トランジスタが使用される。
上記トランジスタは、その役割に応じてp型およびn型に作り分ける必要や、そのトランジスタ特性を調整する必要がある。例えば、ICチップ内の駆動回路は、その消費電力を抑制するなどのため、p型トランジスタとn型トランジスタからなる相補型回路で構成するのが一般的である。
CNTを用いたトランジスタ(以下、CNT-FET)については、ソース・ドレイン電極材料の仕事関数を変更することや、CNTからなる半導体層に適切なドーピング処理を施すことで、p型FETとn型FETを作り分けられる技術が開示されている(例えば、非特許文献1および特許文献1参照)。また、他には、CNTを含む半導体層の上に第2絶縁層を形成することでFET特性を調整する技術が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特開2009-65057号公報 特開2009-283924号公報 国際公開第2017/130836号
表面科学 Vol.28,No.1,pp.40-45,2007
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、ソース・ドレイン電極の仕事関数を細かく調整する必要があり、ソース・ドレイン電極材料の選定や半導体素子特性の調整が容易ではなかった。
特許文献1に記載の技術では、半導体層を相補型にドーピングする必要があるため、構成や工程が複雑であり、また、半導体素子特性の調整が容易ではないという課題があった。
特許文献2、3に記載の技術では、第2絶縁層中にアミン系化合物を含む場合、特許文献3に開示されているように、n型半導体素子としての特性が一部発現するため、高いオン電流と低いオフ電流を両立したp型半導体素子の実現が困難であった。
そこで本発明は、高いオン電流と低いオフ電流の両立が可能なp型半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
[1]基材と、第1電極および第2電極と、前記第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、前記半導体層に接する絶縁層と、前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記絶縁層と接する第3電極と、前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記半導体層と接する第2絶縁層と、を備えたp型半導体素子であって、前記半導体層がカーボンナノチューブまたはグラフェンを含有し、前記第2絶縁層が、(a)アルミニウム化合物と、(b)電子受容性化合物と、を含有することを特徴とする、p型半導体素子。
[2]前記(a)アルミニウム化合物が有機アルミニウム化合物である、[1]に記載のp型半導体素子。
[3]前記有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンの共役酸のpKaが15以下である、[2]に記載のp型半導体素子。
[4]前記有機アルミニウム化合物中の配位子の1つが少なくとも一般式(1)で表される構造を有する、[2]または[3]に記載のp型半導体素子。
Figure 2023122551000002
(一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。)
[5]前記(b)電子受容性化合物の電子親和力が1.0eV以上5.0eV以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のp型半導体素子。
[6]前記(b)電子受容性化合物が、1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系に、ハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルフィニル基、スルホニル基およびイミド基から選ばれる基が少なくとも2つ以上結合した構造を有する、[1]~[5]のいずれかに記載のp型半導体素子。
[7]前記(b)電子受容性化合物が一般式(2)で表される化合物である、[1]~[6]のいずれかに記載のp型半導体素子。
Figure 2023122551000003
(一般式(2)中、Yは、酸素原子またはジシアノメチレン基を示す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。)
[8]前記第2絶縁層がさらに、(c)ポリマーを含有する、[1]~[7]のいずれかに記載のp型半導体素子。
[9]前記(c)ポリマーが、エステル結合、カーボネート結合、エーテル結合、シロキサン結合、スルホニル基、クロロ基、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するポリマーである、[8]に記載のp型半導体素子。
[10]前記(c)ポリマーが、シロキサン結合またはヒドロキシ基を有するポリマーである、[8]または[9]に記載のp型半導体素子。
[11]前記半導体層がカーボンナノチューブを含有する、[1]~[10]のいずれかに記載のp型半導体素子。
[12][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子と、n型半導体素子とを備えた相補型半導体装置。
[13]前記n型半導体素子が、基材と、第1電極および第2電極と、前記第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、前記半導体層に接する絶縁層と、前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記絶縁層と接する第3電極と、を備えたn型半導体素子であって、前記半導体層がカーボンナノチューブまたはグラフェンを含有する、[12]に記載の相補型半導体装置。
[14][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子の製造方法であって、第2絶縁層を形成する工程が、(P)(p-1)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物および溶剤を含有する組成物、または、(p-2)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物、(c)ポリマーおよび溶剤を含有する組成物、を塗布する工程と、(Q)該塗布された組成物を乾燥する工程とを含む、p型半導体素子の製造方法。
[15][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子の製造方法であって、半導体層を形成する工程が、(R)カーボンナノチューブまたはグラフェンと、溶剤とを含有する溶液を塗布する工程と、(S)該塗布された溶液を乾燥する工程とを含む、p型半導体素子の製造方法。
[16][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、回路。
[17][16]に記載の回路と、アンテナと、を少なくとも有する無線通信装置。
[18][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、薄膜トランジスタアレイ。
[19][1]~[11]のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、センサ。
本発明によれば、高いオン電流と低いオフ電流を両立したp型半導体素子を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るp型半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態2に係るp型半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態3に係るp型半導体素子を示した模式断面図 本発明の実施の形態に係る相補型半導体装置を示した模式断面図 薄膜トランジスタアレイの構成例を示す模式図
以下、本発明に係るp型半導体素子、その製造方法、それを用いた回路、無線通信装置、薄膜トランジスタアレイおよびセンサの好適な実施の形態を詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
<p型半導体素子>
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子は、基材と、第1電極および第2電極と、第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、半導体層に接する絶縁層と、半導体層に対して絶縁層とは反対側で絶縁層と接する第3電極と、半導体層に対して絶縁層とは反対側で半導体層と接する第2絶縁層と、を備えたp型半導体素子であって、半導体層がカーボンナノチューブまたはグラフェンを含有し、第2絶縁層が、(a)アルミニウム化合物と、(b)電子受容性化合物と、を含有する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るp型半導体素子を示す模式断面図である。この実施の形態1に係るp型半導体素子10は、絶縁性の基材1の上に形成されるゲート電極2と、それを覆うゲート絶縁層3と、その上に設けられるソース電極5およびドレイン電極6と、それらの電極の間に設けられる半導体層4と、半導体層を覆う第2絶縁層8と、を有する。半導体層4は、カーボンナノチューブまたはグラフェン7を含む。
図1の構造において、p型半導体素子10を電界効果型トランジスタとして機能させることができる。すなわち、第1電極がソース電極5、第2電極がドレイン電極6、第3電極がゲート電極2にそれぞれ相当する。この構造は、ゲート電極が半導体層の下側に配置され、半導体層の下面にソース電極およびドレイン電極が配置される、いわゆるボトムゲート・ボトムコンタクト構造である。
図2は、本発明の実施の形態2に係るp型半導体素子を示す模式断面図である。この実施の形態2に係る半導体素子20は、絶縁性の基材11の上に形成される第2絶縁層18と、その上に形成されるソース電極15およびドレイン電極16と、それら電極の間に設けられる半導体層14と、それらを覆うゲート絶縁層13と、半導体層の上に設けられるゲート電極12と、を有する。半導体層14は、カーボンナノチューブまたはグラフェン17を含む。
図2の構造において、p型半導体素子20を電界効果型トランジスタとして機能させることができる。すなわち、第1電極がソース電極15、第2電極がドレイン電極16、第3電極がゲート電極12にそれぞれ相当する。この構造は、ゲート電極が半導体層の上側に配置され、半導体層の下面にソース電極およびドレイン電極が配置される、いわゆるトップゲート・ボトムコンタクト構造である。
p型半導体素子を電界効果型トランジスタとして機能させる場合、半導体素子の構造は、図1、図2に示すもの以外に、ボトムゲート・トップコンタクト構造、トップゲート・トップコンタクト構造などが挙げられる。
図3は、本発明の実施の形態3に係るp型半導体素子を示す模式断面図である。この実施の形態3に係るp型半導体素子30は、絶縁性の基材21の上に形成される第3電極22と、それを覆う絶縁層23と、その上に設けられるカソード25およびアノード26と、それらの電極の間に設けられる半導体層24と、半導体層を覆う第2絶縁層28と、第3電極22と第1電極25とを電気的に接続する第4電極29と、を有する。半導体層24は、カーボンナノチューブまたはグラフェン27を含む。
図3の構造において、p型半導体素子30をダイオードとして機能させることができる。すなわち、第1電極がカソード25、第2電極がアノード26にそれぞれ相当する。この構造は、トランジスタをダイオード接続した構造である。
本発明の実施の形態に係る半導体素子の構造はこれらに限定されるものではない。また、以下の説明は、特に断りのない限り、半導体素子の構造によらず共通する。
(基材)
基材は、少なくとも電極系が配置される面が絶縁性を備える基材であれば、いかなる材質のものでもよい。基材としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス、サファイア、アルミナ焼結体等の無機材料からなる基材、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の有機材料からなる基材が好ましい。
また、基材としては、例えば、シリコンウエハ上にPVP膜を形成したものや、ポリエチレンテレフタレート上にポリシロキサン膜を形成したものなど、複数の材料が積層されたものであってもよい。
(電極)
第1電極、第2電極および第3電極に用いられる材料は、一般的に電極として使用されうる導電材料であれば、いかなるものでもよい。導電材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物;白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、マグネシウム、パラジウム、モリブデン、アモルファスシリコン、ポリシリコンなどの金属やこれらの合金;ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質;ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン;ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との錯体など;ヨウ素などのドーピングにより導電率を向上させた導電性ポリマーなど;炭素材料など;および有機成分と導電体とを含有する材料など、が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、電極の柔軟性が増し、屈曲時にも基材および絶縁層との密着性が良く、配線および半導体層との電気的接続が良好となる点から、電極は、有機成分と導電体を含有することが好ましい。
有機成分としては、特に制限はないが、モノマー、オリゴマー、ポリマー、光重合開始剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、顔料などが挙げられる。電極の折り曲げ耐性向上の観点からは、有機成分としては、オリゴマーもしくはポリマーが好ましい。
オリゴマーもしくはポリマーとしては、特に限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド前駆体、ポリイミドなどを用いることができる。これらの中でも、電極を屈曲した時の耐クラック性の観点から、アクリル樹脂が好ましい。これは、アクリル樹脂のガラス転移温度が100℃以下であり、導電膜の熱硬化時に軟化し、導電体粒子間の結着が高まるためと推定される。
アクリル樹脂とは、繰返し単位に少なくともアクリル系モノマーに由来する構造を含む樹脂である。アクリル系モノマーの具体例としては、炭素-炭素二重結合を有するすべての化合物が挙げられ、これらのアクリル系モノマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
導電体としては、一般的に電極として使用されうる導電材料であれば、いかなるものでもよいが、導電材料で全部または一部が構成され、粒子自体は導電性を有している導電性粒子であることが好ましい。導電体として導電性粒子を用いることにより、それを含む電極の表面に凹凸が形成される。その凹凸に絶縁層が入り込むことで、アンカー効果が生じ、電極と絶縁層との密着性がより向上する。電極と絶縁層との密着性が向上することで、電極の折り曲げ耐性が向上する効果や、半導体素子に電圧を繰り返し印加した時の電気特性の変動が抑制される効果がある。これらの効果により、半導体素子の信頼性がより改善する。
導電性粒子に適した導電材料としては、金、銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、鉛、亜鉛、パラジウム、白金、アルミニウム、タングステン、モリブデンまたは炭素などが挙げられる。より好ましい導電性粒子は、金、銀、銅、ニッケル、錫、ビスマス、鉛、亜鉛、パラジウム、白金、アルミニウムおよび炭素からなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含有する導電性粒子である。これらの導電性粒子は、単独で用いられてもよいし、合金として用いられてもよいし、混合粒子として用いられてもよい。
これらの中でも、導電性の観点から、金、銀、銅または白金の粒子が好ましい。中でも、コストおよび安定性の観点から、銀であることがより好ましい。
また、第1電極、第2電極および第3電極のそれぞれの幅および厚み、ならびに、第1電極と第2電極との間隔は、任意の値に設計することが可能である。例えば、電極幅は10μm~10mm、電極の厚みは0.01μm~100μm、第1電極と第2電極との間隔は1μm~1mmが、それぞれ好ましいが、これらに限らない。
これらの電極を作製するための材料は、単独で用いられてもよいが、複数の材料を積層して電極を形成し、または、複数の材料を混合して用いて電極を形成してもよい。
また、本発明の実施の形態3に係るp型半導体素子おいて、第4電極29に用いられる材料は、特に制限はないが、第1電極、第2電極および第3電極に用いられる材料と同様、一般的に使用される導電材料を用いることができる。第3電極22と第1電極25とを電気的に接続する方法は、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。また、接続部の幅や厚みは、任意である。
(絶縁層)
絶縁層に用いられる材料は、半導体層と第3電極との間の絶縁が確保できれば特に限定されないが、酸化シリコン、アルミナ等の無機材料;ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール(PVP)等の有機高分子材料;あるいは無機材料粉末と有機材料の混合物を挙げることができる。
中でもケイ素と炭素の結合を含む有機化合物を含むものが好ましく、ポリシロキサンが特に好ましい。
絶縁層は、さらに、金属原子と酸素原子との結合を含む金属化合物を含有することが好ましい。そのような金属化合物は、特に制限はなく、例えば、金属酸化物、金属水酸化物等が例示される。金属化合物に含まれる金属原子は、金属キレートを形成するものであれば特に限定されない。金属原子としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ルテニウム、パラジウム、インジウム、ハフニウム、白金などが挙げられる。中でも、入手容易性、コスト、金属キレートの安定性の点から、アルミニウムが好ましい。金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなどが挙げられる。また、上記金属化合物は粒子でもかまわない。
絶縁層の膜厚は0.05μm~5μmが好ましく、0.1μm~1μmがより好ましい。この範囲の膜厚にすることにより、均一な薄膜形成が容易になる。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
絶縁層は、単層でも複数層でもよい。また、1つの層を複数の絶縁性材料から形成してもよいし、複数の絶縁性材料を積層して複数の絶縁層を形成しても構わない。
回路において、第1電極または第2電極と第3電極を導通させる必要がある場合、絶縁層にビアを形成してもよい。ビアの形成方法としては、例えば、レーザー加工などで形成する方法や、スクリーン印刷やオフセット印刷などで必要なパターンを直接形成する方法や、フォトリソグラフィーにより加工する方法が挙げられる。フォトリソグラフィーにより加工する場合、絶縁層が感光性を有していることが好ましい。感光性はポジ型、ネガ型のどちらでもかまわない。
上記絶縁層の具体例としては、国際公開第2018/097042号や国際公開第2019/065561号に記載の絶縁層などが挙げられる。
(半導体層)
半導体層は、カーボンナノチューブ(CNT)またはグラフェンを含有する。これらのうちでも、半導体層はCNTを含有することが好ましい。さらに、CNTは、その表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したCNT複合体であることが好ましい。半導体層は電気特性を阻害しない範囲であれば、さらに有機半導体や絶縁材料を含んでもよい。
半導体層の膜厚は、1nm以上100nm以下が好ましい。この範囲内にあることで、均一な薄膜形成が容易になる。半導体層の膜厚は、より好ましくは1nm以上50nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上20nm以下である。膜厚は、原子間力顕微鏡やエリプソメトリ法などにより測定できる。
(CNT)
CNTとしては、1枚の炭素膜(グラフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT、複数のグラフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNTのいずれを用いてもよい。高い半導体特性を得るためには、単層CNTを用いることが好ましい。CNTは、アーク放電法、CVD、レーザー・アブレーション法等により得ることができる。
また、CNTは、全CNT中、半導体型CNTを80重量%以上含むことがより好ましい。さらに好ましくは、半導体型CNTを90重量%以上含むことであり、特に好ましくは、半導体型CNTを95重量%以上含むことである。CNT中に半導体型CNTを80重量%以上含ませる方法としては、既知の方法を用いることができる。例えば、密度勾配剤の共存下で超遠心する方法、特定の化合物を選択的に半導体型もしくは金属型CNTの表面に付着させ、溶解性の差を利用して分離する方法、電気的性質の差を利用し電気泳動等により分離する方法などが挙げられる。CNT中の半導体型CNTの含有率を測定する方法としては、可視-近赤外吸収スペクトルの吸収面積比から算出する方法や、ラマンスペクトルの強度比から算出する方法等が挙げられる。
本発明において、CNTを半導体素子の半導体層に用いる場合、CNTの長さは、第1電極と第2電極との間の距離(以下、「電極間距離」)よりも短いことが好ましい。CNTの平均長さは、電極間距離にもよるが、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下である。CNTの長さを短く方法としては、酸処理、凍結粉砕処理などが挙げられる。
CNTの平均長さは、ランダムにピックアップした20本のCNTの長さの平均値として求められる。CNT平均長さの測定方法としては、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡等で得た画像の中から、20本のCNTをランダムにピックアップし、それらの長さの平均値を得る方法が挙げられる。
一般に市販されているCNTは長さに分布があり、電極間距離よりも長いCNTが含まれることがある。そのため、CNTを電極間距離よりも短くする工程を加えることが好ましい。例えば、硝酸、硫酸などによる酸処理、超音波処理、または凍結粉砕法などにより、CNTを短繊維状にカットする方法が有効である。また、フィルターによる分離を併用することは、CNTの純度を向上させる点でさらに好ましい。
また、CNTの直径は特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下である。
本発明では、CNTを溶媒中に均一分散させ、分散液をフィルターによってろ過する工程を設けることが好ましい。フィルター孔径よりも小さいCNTを濾液から得ることで、電極間距離よりも短いCNTを効率よく得られる。この場合、フィルターとしてはメンブレンフィルターが好ましく用いられる。ろ過に用いるフィルターの孔径は、電極間距離よりも小さければよく、0.5μm~10μmが好ましい。
(グラフェン)
グラフェンとしては、単層グラフェン、ニ層グラフェン、多層グラフェン、グラフェンナノリボンのいずれを用いてもよい。高い半導体特性を得るためには、二層グラフェンまたはグラフェンナノリボンを用いることが好ましい。グラフェンは、CVDや酸化グラフェンの還元等により得ることができる。
(CNT複合体)
本発明に用いられるCNTにおいては、CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着せしめて用いること(以下、共役系重合体が付着したCNTを「CNT複合体」と称する)が好ましい。ここで、共役系重合体とは、繰り返し単位が共役構造をとり、重合度が2以上である化合物を指す。
CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体を付着させることにより、CNTの保有する高い電気的特性を損なうことなく、CNTを溶液中に均一に分散することが可能になる。CNTが均一に分散した溶液を用いれば、塗布法により、均一に分散したCNTを含んだ膜を形成することが可能になる。これにより、高い半導体特性を実現できる。
CNTの表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着した状態とは、CNTの表面の一部、あるいは全部を、共役系重合体が被覆した状態を意味する。共役系重合体がCNTを被覆できるのは、両者の共役系構造に由来するπ電子雲が重なることによって、相互作用が生じるためと推測される。
CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、その反射色から判断できる。被覆されたCNTの反射色は、被覆されていないCNTの反射色とは異なり、共役系重合体の反射色に近い。定量的には、X線光電子分光(XPS)などの元素分析によって、CNTへの付着物の存在を確認することや、CNTと付着物との重量比を測定することができる。
また、CNTへの付着のしやすさから、共役系重合体の重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
CNTに共役系重合体を付着させる方法としては、(I)溶融した共役系重合体中にCNTを添加して混合する方法、(II)共役系重合体を溶媒中に溶解させ、この中にCNTを添加して混合する方法、(III)CNTを溶媒中に超音波等で予備分散させておき、そこへ共役系重合体を添加し混合する方法、(IV)溶媒中に共役系重合体とCNTを入れ、この混合系へ超音波を照射して混合する方法、などが挙げられる。本発明では、いずれの方法を用いてもよく、複数の方法を組み合わせてもよい。
共役系重合体としては、ポリチオフェン系重合体、ポリピロール系重合体、ポリアニリン系重合体、ポリアセチレン系重合体、ポリ-p-フェニレン系重合体、ポリ-p-フェニレンビニレン系重合体などが挙げられるが、特に限定されない。上記重合体としては、単一のモノマーユニットが並んだものが好ましく用いられるが、異なるモノマーユニットをブロック共重合したもの、ランダム共重合したもの、およびグラフト重合したものも好ましく用いられる。
上記重合体の中でも、本発明においては、CNTへの付着が容易であり、CNT複合体を形成しやすい観点から、ポリチオフェン系重合体が好ましく使用される。ポリチオフェン系重合体の中でも、環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットと、チオフェンユニットとを、繰り返し単位中に含むものがより好ましい。
環中に含窒素二重結合を有する縮合へテロアリールユニットとしては、チエノピロール、ピロロチアゾール、ピロロピリダジン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、キノリン、キノキサリン、ベンゾトリアジン、チエノオキサゾール、チエノピリジン、チエノチアジン、チエノピラジンなどのユニットが挙げられる。これらの中でも特にベンゾチアジアゾールユニットまたはキノキサリンユニットが好ましい。これらのユニットを有することで、CNTと共役系重合体の密着性が増し、CNTを半導体層中により良好に分散することができる。
上記共役系重合体の具体例としては、国際公開第2009/139339号や特許第6683296号に記載の共役系重合体などが挙げられる。
(第2絶縁層)
第2絶縁層は、半導体層に対して絶縁層が形成された側の反対側に形成される。半導体層に対して絶縁層が形成された側の反対側とは、例えば、半導体層の下側に絶縁層を有する場合は、半導体層の上側を指す。第2絶縁層を形成することにより、トランジスタ特性を調整することができる。また、高いオン電流と低いオフ電流を両立したp型半導体素子を提供できる。
第2絶縁層の膜厚は、500nm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましく、3.0μm以上であることがさらに好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。この範囲の膜厚にすることにより、p型半導体特性の調整を安定して行える。また、膜厚の上限としては、特に限定されるものではないが、500μm以下であることが好ましい。
第2絶縁層の膜厚は、第2絶縁層の断面を走査型電子顕微鏡により測定し、得られた像のうち、半導体層上に位置する第2絶縁層部分の中から無作為に選択した10箇所の膜厚を算出し、その算術平均の値とする。
本発明の実施形態にかかるp型半導体素子おいて、第2絶縁層は、(a)アルミニウム化合物と、(b)電子受容性化合物と、を含有する。
((a)アルミニウム化合物)
アルミニウム化合物は、アルミニウムを含有する化合物のことであり、例えば、酸化アルミニウムのような無機アルミニウム化合物や、有機化合物を含有する有機アルミニウム化合物などが挙げられる。このような化合物は、オフ電流の一因であるキャリア電子をトラップする効果があり、さらに、後述の(b)電子受容性化合物によるオフ電流低減効果との相乗効果により、顕著な効果が得られると推測される。
アルミニウム化合物としては、(b)電子受容性化合物との相溶性の観点から、有機アルミニウム化合物が好ましい。また、(b)電子受容性化合物との反応性の観点から、有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンの共役酸のpKaが15以下であることが好ましい。有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンの共役酸のpKaが15以下であることで、有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンと(b)電子受容性化合物とが過剰に反応し、互いに変質してしまうことを避けやすいためである。また、有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンが複数種ある場合、それらの中での最大のpKaが15以下であることが好ましい。なお、本発明におけるpKaは水溶液に対するものである。
中でも、有機アルミニウム化合物中の配位子の1つが少なくとも一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023122551000004
一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示す。アルキル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基が置換基を有する場合、置換基には特に制限はなく、例えば、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ニトロ基等を挙げることができる。置換基が、さらに置換基を有していてもよい。これら置換基に関する説明は、特にことわらない限り、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、1以上20以下が好ましく、より好ましくは1以上8以下である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの飽和脂環式炭化水素基を示す。シクロアルキル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、3以上20以下の範囲が好ましい。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリール基、ブタジエニル基などの、二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示す。アルケニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの、二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示す。シクロアルケニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は、特に限定されないが、3以上20以下の範囲が好ましい。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの、三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示す。アルキニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は、特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は、特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。
ヘテロアリール基とは、例えば、フラニル基、チオフェニル基、ベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ピリジル基、キノリニル基など、炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する芳香族基を示す。ヘテロアリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下の範囲が好ましい。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など、エーテル結合の一方をアルキル基で置換した官能基を示す。アルコキシ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、1以上20以下の範囲が好ましい。
アルキルスルファニル基とは、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、n-プロピルスルファニル基など、スルファニル基の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示す。アルキルスルファニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルスルファニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アリールオキシ基とは、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基など、エーテル結合の一方を芳香族炭化水素基で置換した官能基を示す。アリールオキシ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールオキシ基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。
アリールスルファニル基とは、チオエーテル結合の一方を芳香族炭化水素基で置換した官能基を示す。アリールスルファニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールスルファニル基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。
ヘテロアリールオキシ基とは、エーテル結合の一方を複素芳香環基で置換した官能基を示す。ヘテロアリールオキシ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリールオキシ基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下の範囲が好ましい。
ヘテロアリールスルファニル基とは、チオエーテル結合の一方を複素芳香環基で置換した官能基を示す。ヘテロアリールスルファニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリールスルファニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上30以下の範囲が好ましい。
アルキルスルフィニル基とは、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n-プロピルスルフィニル基など、スルフィニル基の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示す。アルキルスルフィニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルスルフィニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n-プロピルスルホニル基など、スルホニル基の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示す。アルキルスルホニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルスルホニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アルキルカルボニル基とは、例えば、アセチル基、ヘキサノイル基など、カルボニル結合の一方を脂肪族炭化水素基で置換した官能基を示す。アルキルカルボニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アルコキシカルボニル基とは、例えば、メトキシカルボニル基など、カルボニル結合の一方をアルコキシ基で置換した官能基を示す。アルコキシカルボニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アリールオキシカルボニル基とは、例えば、フェノキシカルボニル基など、カルボニル結合の一方をアリールオキシ基で置換した官能基を示す。アリールオキシカルボニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールオキシカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。
アルキルカルボニルオキシ基とは、例えば、アセトキシ基など、エーテル結合の一方をアルキルカルボニル基で置換した官能基を示す。アルキルカルボニルオキシ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルカルボニルオキシ基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アリールカルボニルオキシ基とは、例えば、ベンゾイルオキシ基など、エーテル結合の一方をアリールカルボニル基で置換した官能基を示す。アリールカルボニルオキシ基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールカルボニルオキシ基の炭素数は特に限定されないが、6以上40以下の範囲が好ましい。
アミノカルボニル基とは、カルボニル結合の一方を、アミノ基で置換した官能基を示す。アミノカルボニル基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アミノカルボニル基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アルキルイミド基とは、イミド結合の一方を、アルキル基で置換した官能基を示す。アルキルイミド基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルイミド基の炭素数は特に限定されないが、2以上20以下の範囲が好ましい。
アリールイミド基とは、イミド結合の一方を、アリール基で置換した官能基を示す。アリールイミド基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリールイミド基の炭素数は特に限定されないが、8以上20以下の範囲が好ましい。
ヘテロアリールイミド基とは、イミド結合の一方を、ヘテロアリール基で置換した官能基を示す。ヘテロアリールイミド基は、置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリールイミド基の炭素数は特に限定されないが、8以上20以下の範囲が好ましい。
任意のR~Rにより環構造が形成される場合とは、例えば、RとRとや、RとRとが互いに結合して、共役または非共役の環構造を形成する場合である。環構造の構成元素として、炭素原子以外に、窒素、酸素、硫黄、リン、ケイ素の各原子を含んでいてもよい。また、環構造が、さらに別の環と縮合した構造であってもよい。
(a)アルミニウム化合物の具体例としては、例えば、アルミニウム(III)セカンダリーブトキシド、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム(III)モノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、トリス(2,4-ペンタンジオナト)アルミニウム(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)アルミニウム(III)などが挙げられる。
((b)電子受容性化合物)
(b)電子受容性化合物は、電子を受容しやすい性質を有する化合物であり、例えば、金属酸化物などの無機化合物やp-クロラニルなどの有機化合物などが挙げられる。このような電子受容性化合物は、半導体層中のCNTまたはグラフェンと電子的に相互作用し、特にCNTまたはグラフェンに電子受容的に作用する。その相互作用により、CNTまたはグラフェンの価電子帯では、キャリアであるホールが多くなったり、ホールが電極から注入されやすくなったりする。また、CNTまたはグラフェンの伝導帯では、キャリアである電子が少なくなったり、電子が電極から注入されにくくなったりする。これらの作用により、オン電流の向上やオフ電流の低減といった効果が表れ、p型半導体特性が調整されると推測される。
特に、CNTまたはグラフェンはバンドギャップが狭く、その伝導帯にキャリアとなる電子が一部存在しており、そのことがオフ電流増加の一因となっているとされる。しかし、第2絶縁層に(b)電子受容性化合物が含まれることで、上記作用により伝導帯に存在する電子が少なくなるため、オフ電流の低減効果が大きい。また前述の(a)アルミニウム化合物によるオフ電流の低減効果との相乗効果により、顕著な効果が得られると推測される。したがって、(b)電子受容性化合物は、CNTまたはグラフェンに電子受容的に作用する化合物であることが好ましい。
(b)電子受容性化合物は、上述の相互作用の観点から、その電子親和力が1.0eV以上5.0eV以下であることが好ましい。この範囲であると、オン電流の向上や、特にオフ電流の低減の効果がより大きい。これは、(b)電子受容性化合物が半導体層中のCNTまたはグラフェンと電子受容的に作用し、CNTまたはグラフェンの価電子帯でキャリアであるホールが多くなる効果やホールが電極から注入されやすくなる効果や、また特に、CNTまたはグラフェンの伝導帯でキャリアである電子が少なくなる効果や、電子が電極から注入されにくくなる効果がより大きくなるためである。より好ましくは1.3eV以上4.5eV以下であり、さらに好ましくは2.1eV以上3.5eV以下であり、特に好ましくは2.1eV以上3.0eV以下である。
なお、本発明における電子親和力は、アメリカ国立標準技術研究所のデータベース(NIST Chemistry WebBook)中の電子親和力のうち、最大値を採用するものである。また、同データベースに電子親和力の記載のないものは、金属原子を含まない化合物であれば、Gaussian16にて、汎関数にはB3LYP、基底関数系には6-311G(d)(構造最適化計算)、6-311++G(d,p)(エネルギー計算)を用いて計算で求めた値を使用する。金属原子を含む化合物であれば、Gaussian16にて、汎関数としてB3LYP、基底関数系として金属原子にはLANL2DZおよびそれ以外には6-311+G(d)(構造最適化計算)を用いて計算で求めた値を使用する。なお、金属原子を含む化合物では、種々のスピン多重度において計算を行い、最低エネルギーを示すものを解とする。
また電子受容性化合物は、1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系に、ハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルフィニル基、スルホニル基およびイミド基から選ばれる基が少なくとも2つ以上結合した構造を有することが好ましい。上述の構造は1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系のπ軌道の電子密度に大きく影響を与える。1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系といった構造は、CNTまたはグラフェンとπ-π相互作用や電荷移動相互作用をしやすいため、CNTまたはグラフェンと電子的に相互作用する効果が大きいと推測される。
共役系とは、多重結合が2個あるいはそれ以上共役している系のことである。多重結合中のπ電子は単結合を通して相互作用し非局在化している。共役系の構造は、例えば、二重結合および/または三重結合が、単結合、非共有電子対を有する原子または空のp軌道を有する原子により連結された構造であり、具体例としては、一般式(11)~(13)にて示される。
Figure 2023122551000005
1つの共役系に、ハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルフィニル基、スルホニル基およびイミド基から選ばれる基が少なくとも2つ以上結合した構造を有する化合物の例としては、例えば、式(14)で表される化合物が挙げられる。なお、この化合物においては、該当する1つの共役系を点線で囲んでいる。一方、式(15)で表される化合物は共役系を有しないため、1つの共役系に、ハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルフィニル基、スルホニル基およびイミド基から選ばれる基が少なくとも2つ以上結合した構造を有する化合物に該当しない。
Figure 2023122551000006
(b)電子受容性化合物は、一般式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。これは、一般式(2)で表される化合物の平面性が高く、化合物中の1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系とCNTまたはグラフェンとが接近しやすくなり、相互作用しやすいためと推測される。
Figure 2023122551000007
一般式(2)中、Yは、酸素原子またはジシアノメチレン基を示す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。
(b)電子受容性化合物の具体例としては、例えば、トリス(2,4-ペンタンジオナト)クロム(III)、ビス(2,4-ペンタンジオナト)銅(II)、トリス(2,4-ペンタンジオナト)鉄(III)、トリス(2,4-ペンタンジオナト)コバルト(III)、トリス(2,4-ペンタンジオナト)マンガン(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)ガリウム(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)スカンジウム(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)クロム(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)チタン(III)、トリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)バナジウム(III)、1-クロロアントラキノン、1,5-ジクロロアントラキノン、1,4,5,8-テトラクロロアントラキノン、1-ニトロアントラキノン、2,5-ジメチル-p-ベンゾキノン、2,6-ジメチル-p-ベンゾキノン、2,3-ジクロロナフトキノン、p-ベンゾキノン、2-クロロ-p-ベンゾキノン、2,3-ジクロロ-5-ニトロナフトキノン、2,5-ジブロモ-p-ベンゾキノン、2,5-ジクロロ-p-ベンゾキノン、2,6-ジクロロ-p-ベンゾキノン、p-ブロマニル、p-クロラニル、o-クロラニル、p-フルオラニル、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、2,3,5,6-テトラシアノ-p-ベンゾキノン、N,N‘-ジシアノ-2,5-ジメチルベンゾキノンジイミン、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン、2,3,5,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンなどが挙げられる。電子受容性化合物は単独種で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
((c)ポリマー)
本発明の実施形態に係るp型半導体素子において、第2絶縁層はさらに(c)ポリマーを含有することが好ましい。(c)ポリマーにより、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物とCNTまたはグラフェンとの相互作用を適切な程度にすることができると考えられる。これは、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物が(c)ポリマー中に分布することで、CNTまたはグラフェンと相互作用する(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物の量や強さを調整できるためと推定される。また、第2絶縁層は、(c)ポリマーを含有することでクラックが発生しにくくなる。このことは、第2絶縁層上にさらに配線層を設ける場合などに有効である。第2絶縁層上に配線層が設けられる場合、第2絶縁層は、第2絶縁層下部に位置する半導体層や第1電極や第2電極と、第2絶縁層上部に位置する配線層とを絶縁する必要がある。第2絶縁層にクラックが生じると、第2絶縁層による絶縁能力が低くなるため、第2絶縁層にはクラックが少ない方が好ましい。
(c)ポリマーとしては、例えば、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリ酢酸ビニルおよびそのけん化体、ポリメチルメタクリレートやポリメチルアクリレートなどのアクリル樹脂、エチルセルロースなどのセルロース類などが挙げられる。
中でも、エステル結合、カーボネート結合、エーテル結合、シロキサン結合、スルホニル基、クロロ基、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。その理由は以下のように推定される。(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物とCNTまたはグラフェンとは電子的に相互作用し、互いに部分的に電荷を帯びる。そこで、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物とCNTまたはグラフェンとの周囲に、極性を有するポリマー、つまり前述の官能基を含有するポリマーが存在することで、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物とCNTまたはグラフェンとの相互作用が安定化される。また、前述の官能基を含有するポリマーはある程度の極性を有しており、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物との相溶性がよい。そのため、(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物が(c)ポリマー中に分布しやすく、CNTまたはグラフェンと相互作用する(a)アルミニウム化合物および(b)電子受容性化合物の量や強さを調整しやすい。上記のような(c)ポリマーの作用により、前述のp型半導体特性の調整、特にオフ電流の低減に効果が見られると考えられる。より好ましくは、シロキサン結合またはヒドロキシ基を有するポリマーである。これらの構造は前述の作用が特に高いためと推測される。
第2絶縁層中の(a)アルミニウム化合物や(b)電子受容性化合物や(c)ポリマーの分析方法としては、p型半導体素子から第2絶縁層を構成する各成分を抽出するなどして得られたサンプルを核磁気共鳴(NMR)などで分析する方法や、第2絶縁層をXPSなどで分析する方法などが挙げられる。
第2絶縁層は、(a)アルミニウム化合物や(b)電子受容性化合物や(c)ポリマー以外に他の化合物を含有していてもよい。他の化合物としては、例えば、第2絶縁層を塗布で形成する場合における、溶液の粘度やレオロジーを調節するための増粘剤やチクソ剤などが挙げられる。
第2絶縁層は単層でも複数層でもよい。複数層である場合、少なくとも(a)アルミニウム化合物や(b)電子受容性化合物を含有する層が半導体層に接する。
(保護層)
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子は、第2絶縁層上に、さらに保護層を有していてもよい。保護層の役割としては、擦れなどの物理ダメージや大気中の水分や酸素から半導体素子を保護することなどが挙げられる。
保護層の材料としては、例えば、シリコンウエハ、ガラス、サファイア、アルミナ焼結体等の無機材料、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリシロキサン、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、ポリアクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー等の有機材料などが挙げられる。また、例えば、シリコンウエハ上にポリビニルフェノール膜を形成したものや、ポリエチレンテレフタレート上に酸化アルミニウム膜を形成したものなど、複数の材料が積層されたものであってもよい。
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子では、電界効果型トランジスタとして機能させた場合、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流(ソース・ドレイン間電流)を、ゲート電圧を変化させることによって制御することができる。p型半導体素子は、オン状態、つまりゲート電極に負の電圧を印加した状態の電流値が大きく、オフ状態、つまりゲート電極に0Vの電圧を印加した状態の電流値が小さいものが、特性の良いp型半導体素子である。
<相補型半導体装置>
本発明の実施の形態に係る相補型半導体装置は、上述のp半導体素子と、n型半導体素子とを備えている。n型半導体素子は、基材と、第1電極および第2電極と、前記第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、前記半導体層に接する絶縁層と、前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記絶縁層と接する第3電極と、を備え、上記半導体層が、CNTまたはグラフェンを含有することが好ましく、CNTを含有することが特に好ましい。これは、本発明の実施の形態に係るp型半導体素子との特性調整がしやすく、相補型半導体装置として良好な特性を得られるためである。
また、n型半導体素子の半導体層に用いられるCNTは、表面の少なくとも一部に共役系重合体が付着したCNT複合体として用いることがより好ましい。上記n型半導体素子としては、例えば、国際公開第2018/180146号、国際公開2019/097978号、国際公開第2020/195707号や国際公開第2020/195708号に記載のn型半導体素子などが挙げられる。
図4は、本発明の実施の形態に係る相補型半導体装置の例を示す模式断面図である。絶縁性の基材41の表面に、本発明のp型半導体素子40と、n型半導体素子50とが、形成されている。p型半導体素子40の構成は、本発明の実施の形態1に係るp型半導体素子10と同じである。
n型半導体素子50は、絶縁性の基材41の上に形成されるゲート電極52と、それを覆うゲート絶縁層53と、その上に設けられるソース電極55およびドレイン電極56と、それらの電極の間に設けられる半導体層54と、半導体層54を覆う第2絶縁層58とを有する。半導体層54はCNTまたはグラフェン57を含む。第2絶縁層57は、特に制限はないが、例えば国際公開第2020/195707号や国際公開第2020/195708号に記載されている構成のものが好ましい。
図4の構造において、n型半導体素子50を電界効果型トランジスタとして機能させることができる。すなわち、第1電極がソース電極55、第2電極がドレイン電極56、第3電極がゲート電極52に相当する。
本発明の実施の形態に係る相補型半導体装置の構造はこれに限定されるものではない。
<p型半導体素子の製造方法>
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子の製造には、種々の方法を用いることができ、その製造方法に特に制限はないが、第2絶縁層を形成する工程が、(P)(p-1)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物および溶剤を含有する組成物、または、(p-2)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物、(c)ポリマーおよび溶剤を含有する組成物、を塗布する工程と、(Q)該塗布された組成物を乾燥する工程と、を含むことが好ましい。また、半導体層を塗布法により形成するには、当該半導体層を形成する工程が、(R)カーボンナノチューブまたはグラフェンと、溶剤とを含有する溶液を塗布する工程と、(S)該塗布された溶液を乾燥する工程と、を含むことが好ましい。
例えば、図1に示す本発明の実施の形態1に係るp型半導体素子は、例えば国際公開第2018/180146号に記載の方法など公知の方法によって基材1の上にゲート電極2、ゲート絶縁層3、ソース電極5およびドレイン電極6を形成し、上記工程(P)および(Q)により半導体層4を形成し、上記工程(R)および(Q)により第2絶縁層8を形成して、得ることができる。
なお、塗布法を用いて第2絶縁層を形成するに際して、第2絶縁層が含有する(a)アルミニウム化合物や(b)電子受容性化合物を溶解させる溶剤としては、特に制限されないが、有機溶媒が好ましい。溶媒は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、形成した塗膜に対して、大気下、減圧下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下でアニーリング処理や熱風乾燥を行ってもよい。
(半導体素子の適用可能性)
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子は、各種電子機器の回路やIC、RFIDタグなどの無線通信装置、無線給電装置、ディスプレイ用TFTアレイ、センサ、開封検知システム、などに適用可能である。
<回路>
本発明のp型半導体素子は各種回路へ適用することができる。例えば、整流回路などのアナログ回路や、NOT回路、NAND回路、NOR回路、AND回路、OR回路などの論理回路、それらを用いた組み合わせ回路や順序回路、メモリやマイクロプロセッサ、ロジックICなどの集積回路などが挙げられる。また、このような回路は各電子デバイスに用いることができる。本発明のp半導体素子は高いオン電流と低いオフ電流の両立できるため、上述の回路に好ましく用いることができる。また、半導体層にCNTまたはグラフェンを含有することで曲げや伸縮に耐性があるため、フレキシブル、ベンダブルな電子デバイスに好ましく用いることができる。
<無線通信装置>
本発明の回路を有する、本発明の実施の形態に係る無線通信装置について説明する。この無線通信装置は、例えば商品タグ、万引き防止タグ、各種チケットやスマートカードのような、無線電波を用いて情報の通信を行う装置である。
無線通信装置の構成としては、例えば、国際公開第2018/180146号に記載の無線通信装置が挙げられる。各種回路が含まれており、それらの回路またはその一部に本発明の回路を好適に用いることができる。
<商品タグ>
上記無線通信装置の用途は特に制限はないが、例えば商品タグへ適用することができる。商品タグとしては公知のものを用いることができ、例えば基体と、この基体によって被覆された上記無線通信装置とを有しているものが挙げられる。識別情報返信機能を備えた商品タグに適用すれば、商品の精算レジにおいて、非接触で多数の商品を同時に識別することが可能となる。それゆえ、バーコードでの識別と比較して、決済処理の容易化や迅速化を図ることができる。
また、例えば、商品の会計の際に、リーダ/ライタが、商品タグから読み取った商品情報をPOS(Point of sale system、販売時点情報管理)端末に送信することが可能である。この機能により、POS端末において、その商品情報によって特定される商品の販売登録をすることもできるため、在庫管理の容易化や迅速化を図ることができる。
<薄膜トランジスタアレイ>
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子を用いて、薄膜トランジスタ(以下、TFT)アレイを得ることができる。図5は、TFTアレイの一例を示す模式図である。図5に示すように、TFTアレイ200は、二本のゲート線250、260と、二本のソース線270、280と、四つのTFT210、220、230、240とを含む。ゲート線250はTFT210、230のゲート電極と電気的に結合し、ゲート線260はTFT220、240のゲート電極と電気的に結合している。ソース線270はTFT210、220のソース電極と電気的に結合し、ソース線280はTFT230、240のソース電極と電気的に結合している。なお、図5には説明の簡略化のために四つのTFTを含むTFTアレイ200が例示されているが、ゲート線、ソース線およびTFTの数は任意に変更してもよい。
ゲート線、ソース線、TFTを電気的に接続する材料は、特に制限はないが、例えば、一般的に使用される導電材料を用いることができる。上記接続の方法も、電気的に導通を取ることができれば、いかなる方法でもよい。また、接続部の幅や厚みは、任意である。
本発明の実施の形態にかかるTFTアレイは、例えば、アクティブマトリクス駆動の液晶ディスプレイや電子ペーパーなどに用いることができる。
<センサ>
本発明の実施の形態に係るp型半導体素子は、各種センサに用いてもよい。例えば、温度、水分、ガス、光、電磁波、放射線、圧力などを検出するセンサとしての利用が可能である。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定して解釈されるものではない。なお、実施例中における各評価方法を以下の(1)~(3)で説明する。
(1)電子親和力の算出
アメリカ国立標準技術研究所のデータベース(NIST Chemistry WebBook)にデータが記載されていない(b)電子受容性化合物(実施例5、11、13)について、上述の通り計算した。
(2)p型半導体素子特性の評価
作製したp型半導体素子について、ゲート電圧(Vg)を変えたときのソース・ドレイン間電流(Id)-ソース・ドレイン間電圧(Vsd)特性を測定した。測定には半導体特性評価システム4200-SCS型(ケースレーインスツルメンツ株式会社製)を用い、大気中で測定した。Vsd=-5Vとし、Vg=+5V~-10Vに変化させた。この時、Vg=-10VのIdをオン電流、Vg=0VのIdをオフ電流とした。これを下記のように判定し、オン電流についてはA、BおよびCを高オン電流、オフ電流についてはA、BおよびCを低オフ電流として、高オン電流かつ低オフ電流であるものを、良好なp型半導体素子特性を有するものとした。
(オン電流)
A:50μA以上
B:50μAより小さく、20μA以上
C:20μAより小さく、5μA以上
D:5μAより小さい
(オフ電流)
A:1nA以下
B:1nAより大きく、10nA以下
C:10nAより大きく、100nA以下
D:100nAより大きい
(3)第2絶縁層の耐クラック性の評価
後述のように作製したp型半導体素子における第2絶縁層を光学顕微鏡で観察し、クラックの発生率を素子ごとの観察結果の総計から算出し、「100-(クラック発生率%)」を耐クラック性の指標とした。これを下記のように判定し、AおよびBを良好な耐クラック性を有するものとした。
A:耐クラック性が100%
B:耐クラック性が90%以上100%未満
D:耐クラック性が90%未満。
(組成物の作製例)
組成物の作製例1;第2絶縁層溶液A
アルミキレートM(アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、川研ファインケミカル株式会社)1.43gにp-クロラニル(東京化成工業株式会社製)0.08gを添加し、ミックスローターで1時間処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Aを得た。
組成物の作製例2;第2絶縁層溶液B
アルミキレートD(アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、川研ファインケミカル株式会社)2.89gにp-クロラニル(東京化成工業株式会社製)0.12gを添加し、ミックスローターで1時間処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Bを得た。
組成物の作製例3;第2絶縁層溶液C
ポリスチレンのシクロヘキサノン溶液(固形分25.0重量%)2.4gにアルミキレートD0.57gおよびp-クロラニル0.05gを添加し、ハイブリッドミキサーで処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Cを得た。
組成物の作製例4;第2絶縁層溶液D
ポリスチレンの代わりにポリメチルメタクリレートを用いたこと以外は組成物の作製例3と同様にして、第2絶縁層溶液Dを得た。
組成物の作製例5;第2絶縁層溶液E
p-クロラニルの代わりに2,3-ジクロロ-5-ニトロナフトキノン(東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は組成物の作製例4と同様にして、第2絶縁層溶液Eを得た。
組成物の作製例6;第2絶縁層溶液F
国際公開第2018/180146号に記載の組成物の作製例1と同様にして、ポリシロキサン溶液A(固形分濃度26.0重量%)を得た。ポリシロキサン溶液A1.28gにアルミキレートD1.63gおよびp-クロラニル0.083gを添加し、ハイブリッドミキサーで処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Fを得た。
組成物の作製例7;第2絶縁層溶液G
ポリメチルメタクリレートの代わりにヒドロキシ基を有するアクリル樹脂(共栄社化学株式会社製、品番「オリコックス KC-7000」)を用いたこと以外は組成物の作製例4と同様にして、第2絶縁層溶液Gを得た。
組成物の作製例8;第2絶縁層溶液H
ポリシロキサン溶液A1.28gにトリス(2,4-ペンタンジオナト)アルミニウム(東京化成工業株式会社製)1.24g、p-クロラニル0.083gおよびシクロヘキサノン0.40gを添加し、ハイブリッドミキサーで処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Hを得た。
組成物の作製例9;第2絶縁層溶液I
トリス(2,4-ペンタンジオナト)アルミニウムの代わりにトリス(1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロ-2,4-ペンタンジオナト)アルミニウムを用いたこと以外は組成物の作製例8と同様にして、第2絶縁層溶液Iを得た。
組成物の作製例10;第2絶縁層溶液J
p-クロラニルの代わりに2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノン(東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は組成物の作製例6と同様にして、第2絶縁層溶液Jを得た。
組成物の作製例11;第2絶縁層溶液K
p-クロラニルの代わりにo-クロラニル(東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は組成物の作製例6と同様にして、第2絶縁層溶液Kを得た。
組成物の作製例12;第2絶縁層溶液L
p-クロラニルの代わりにp-ベンゾキノン(東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は組成物の作製例6と同様にして、第2絶縁層溶液Lを得た。
組成物の作製例13;第2絶縁層溶液M
p-クロラニルの代わりに2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(東京化成工業株式会社製)を用いたこと以外は組成物の作製例6と同様にして、第2絶縁層溶液Mを得た。
組成物の作製例14;第2絶縁層溶液N
p-クロラニル0.060gにシクロヘキサノン2.94gを添加し、ハイブリッドミキサーで処理した後、不溶物を除去することで、第2絶縁層溶液Nを得た。
実施例1
国際公開番号2019/065561号の実施例11と同様にして、図1に示す構成の半導体素子を作製し、第2絶縁層を形成する前の半導体素子を得た。次に、第2絶縁層溶液A 5μLを、半導体層4上に、半導体層4を覆うように滴下し、窒素気流下、110℃で30分熱処理して、第2絶縁層8を形成した。こうして、p型半導体素子を得た。得られたp型半導体素子を用い、上記評価方法(2)および(3)に従い、評価を行った。
実施例2~13、比較例1~2
第2絶縁層溶液Aの代わりに、表1に記載のように、第2絶縁層溶液B~NおよびアルミキレートD(比較例1)をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして、p型半導体素子を作製し、評価した。
Figure 2023122551000008
1 基材
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 カーボンナノチューブまたはグラフェン
8 第2絶縁層
10 p型半導体素子
11 基材
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
14 半導体層
15 ソース電極
16 ドレイン電極
17 カーボンナノチューブまたはグラフェン
18 第2絶縁層
20 p型半導体素子
21 基材
22 第3電極
23 絶縁層
24 半導体層
25 カソード
26 アノード
27 カーボンナノチューブまたはグラフェン
28 第2絶縁層
29 第4電極
30 p型半導体素子
40 p型半導体素子
41 基材
42 ゲート電極
43 ゲート絶縁層
44 半導体層
45 ソース電極
46 ドレイン電極
47 カーボンナノチューブまたはグラフェン
48 第2絶縁層
50 n型半導体素子
52 ゲート電極
53 ゲート絶縁層
54 半導体層
55 ソース電極
56 ドレイン電極
57 カーボンナノチューブまたはグラフェン
58 第2絶縁層
200 TFTアレイ
210 TFT
220 TFT
230 TFT
240 TFT
250 ゲート線
260 ゲート線
270 ソース線
280 ソース線

Claims (19)

  1. 基材と、
    第1電極および第2電極と、
    前記第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、
    前記半導体層に接する絶縁層と、
    前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記絶縁層と接する第3電極と、
    前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記半導体層と接する第2絶縁層と、を備えたp型半導体素子であって、
    前記半導体層がカーボンナノチューブまたはグラフェンを含有し、
    前記第2絶縁層が、(a)アルミニウム化合物と、(b)電子受容性化合物と、を含有することを特徴とする、p型半導体素子。
  2. 前記(a)アルミニウム化合物が有機アルミニウム化合物である、請求項1に記載のp型半導体素子。
  3. 前記有機アルミニウム化合物中の配位子または対アニオンの共役酸のpKaが15以下である、請求項2に記載のp型半導体素子。
  4. 前記有機アルミニウム化合物中の配位子の1つが少なくとも一般式(1)で表される構造を有する、請求項2に記載のp型半導体素子。
    Figure 2023122551000009
    (一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。)
  5. 前記(b)電子受容性化合物の電子親和力が1.0eV以上5.0eV以下である、請求項1に記載のp型半導体素子。
  6. 前記(b)電子受容性化合物が、1つの炭素-炭素二重結合または1つの共役系に、ハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基、ニトロ基、スルフィニル基、スルホニル基およびイミド基から選ばれる基が少なくとも2つ以上結合した構造を有する、請求項1に記載のp型半導体素子。
  7. 前記(b)電子受容性化合物が一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のp型半導体素子。
    Figure 2023122551000010
    (一般式(2)中、Yは、酸素原子またはジシアノメチレン基を示す。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルスルファニル基、アリールオキシ基、アリールスルファニル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、カルボキシル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アミノカルボニル基、アルキルイミド基、アリールイミド基およびヘテロアリールイミド基から選ばれる構造を示す。また、任意のR~Rにより環構造が形成されていてもよい。)
  8. 前記第2絶縁層がさらに、(c)ポリマーを含有する、請求項1に記載のp型半導体素子。
  9. 前記(c)ポリマーが、エステル結合、カーボネート結合、エーテル結合、シロキサン結合、スルホニル基、クロロ基、ヒドロキシ基およびカルボキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するポリマーである、請求項8に記載のp型半導体素子。
  10. 前記(c)ポリマーが、シロキサン結合またはヒドロキシ基を有するポリマーである、請求項8に記載のp型半導体素子。
  11. 前記半導体層がカーボンナノチューブを含有する、請求項1に記載のp型半導体素子。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子と、n型半導体素子とを備えた相補型半導体装置。
  13. 前記n型半導体素子が、基材と、第1電極および第2電極と、前記第1電極および第2電極の両方に接する半導体層と、前記半導体層に接する絶縁層と、前記半導体層に対して前記絶縁層とは反対側で前記絶縁層と接する第3電極と、を備えたn型半導体素子であって、前記半導体層がカーボンナノチューブまたはグラフェンを含有する、請求項12に記載の相補型半導体装置。
  14. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子の製造方法であって、第2絶縁層を形成する工程が、(P)(p-1)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物および溶剤を含有する組成物、または、(p-2)(a)アルミニウム化合物、(b)電子受容性化合物、(c)ポリマーおよび溶剤を含有する組成物、を塗布する工程と、(Q)該塗布された組成物を乾燥する工程とを含む、p型半導体素子の製造方法。
  15. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子の製造方法であって、半導体層を形成する工程が、(R)カーボンナノチューブまたはグラフェンと、溶剤とを含有する溶液を塗布する工程と、(S)該塗布された溶液を乾燥する工程とを含む、p型半導体素子の製造方法。
  16. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、回路。
  17. 請求項16記載の回路と、アンテナと、を少なくとも有する無線通信装置。
  18. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、薄膜トランジスタアレイ。
  19. 請求項1~11のいずれかに記載のp型半導体素子を有する、センサ。
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